説明

化粧料

【課題】 皮膚に塗布した直後のソフトフォーカス効果を経時で維持できるとともに、使用感及び耐衝撃性にも優れた化粧料を提供する。
【解決手段】 球状炭酸カルシウムと架橋型シリコーン粉末とを含有することを特徴とする化粧料。前記球状炭酸カルシウムの平均粒子径が1〜50μmであるのが好ましい。前記球状炭酸カルシウムは、表面疎水化処理を施したものであってよい。本発明の化粧料では、球状炭酸カルシウムと架橋型シリコーン粉末の配合量比が1:1〜1:2であるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関する。さらに詳しくは、塗布した直後のソフトフォーカス効果を経時で維持でき、なめらかな使用感で耐衝撃性にも優れる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料において、ソフトフォーカス効果やしわ隠し効果を付与するため、球状シリカ、球状ナイロン、球状PMMA、拡散反射率の高い球状粉体や板状粉体とコンポジット化した複合粉末等、種々の開発が行われ化粧料に活用されている。また、球状粉体として使用される素材としては、PMMAやセルロース等の樹脂系、シリカやアルミナ等の無機系粉末を挙げることができる。
【0003】
透明感あるソフトフォーカス効果を得るために、球状粉末として、屈折率の高い表面処理剤を被覆した多孔質球状シリカを配合する化粧料の検討がなされている(例えば、特許文献1)。一方、板状粉末表面に水酸化アルミニウムを球状や網目状に被覆した新規複合粉体を用いることで、シワ、毛穴の開き、肌目の粗さ等を見え難くする肌の形態トラブル修正効果と、化粧膜に不自然な質感を与えることなく肌色を自然に演出し、より自然な色調及びつやとを付与する「はり」感と、透明感に優れる化粧料の検討がなされている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、従来技術では、基本的なソフトフォーカス効果に優れるが、時間が経つと効果が低下し、経時で十分な効果が維持されない場合があった。また、従来配合されていた球状粉末は、その配合により耐衝撃性が低下するという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4136906号公報
【特許文献2】特許第4145496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記背景技術の問題点を解決し、皮膚に塗布した直後のソフトフォーカス効果を経時で維持できるとともに、使用感及び耐衝撃性にも優れた化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究をした結果、球状炭酸カルシウムを化粧料に配合することにより、ソフトフォーカス効果を経時で維持でき、耐衝撃性に優れた化粧料が得られること、さらに当該化粧料に架橋型シリコーン粉末を配合することにより、やわらかでなめらかな使用感が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、球状炭酸カルシウムと架橋型シリコーン粉末とを含有することを特徴とする化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ソフトフォーカス効果を経時で維持できるのみならず、やわらかで滑らかな使用感を有し、なおかつ耐衝撃性にも優れた化粧料とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化粧料は、球状炭酸カルシウムを必須成分として含有する。
本発明で用いられる球状炭酸カルシウムは、平均粒子径が1〜50μmであることが好ましい。本発明で用いる球状炭酸カルシウムは市販品でもよく、例えば、「かるまる SCS−M5(堺化学工業株式会社)」が好ましく用いられる。
【0010】
本発明で用いられる球状炭酸カルシウムの配合量は、本発明の化粧料全量中に好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは0.8〜8質量%である。0.1質量%未満では、ソフトフォーカス効果が十分出ない場合があり、また効果を経時で維持できない。逆に、30質量%を超えて配合しても本発明の効果がさらに増強されるものではなく、かえって化粧料組成物としての安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0011】
また、本発明における球状炭酸カルシウムは、疎水化処理剤を用いて表面処理したものであってもよい。疎水化処理の例としては以下の処理が挙げられるが、これらに限られるわけではない。
(1)メチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業社製シリコンKF99P)、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー(信越化学工業社製シリコンKF−9901)、ジメチルポリシロキサン、特開2001−72891記載の分岐シリコーン系(エトキシ官能)処理剤(信越化学工業株式会社製 商品名:KF9908,KF9909)、WO2004/091563記載のアクリルシリコーン処理剤(信越化学工業社製 商品名:KP574)等のシリコーン類を用いた処理。
(2)オクチルトリエトキシシラン(EVONIK DEGUSSA社製DYNASILAN OCTEO)、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン化合物を用いた処理。
(3)パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理。
(4)デキストリンの水酸基の一部をアルキルエステル化したデキストリンパルミテート等のアルキル化糖類処理;脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理。
(5)N−ラウロイル−L−リジン、グルタミン酸或いはそのアルカリ塩、アシル化アミノ酸等のアミノ酸類処理。
(6)パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルリン酸、パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキル鎖長がC4〜C6の官能基を含んだコポリマー等を用いたフッ素処理。
(7)ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等の四級アンモニウム塩処理。
上記したような疎水化処理剤で処理することにより、本発明の複合化粉体が得られる。
【0012】
本発明の化粧料は、前記球状炭酸カルシウムに加えて、架橋型シリコーン(シリコーンクロスポリマー)粉末を必須成分として含有する。
本発明で用いられる架橋型シリコーンポリマーは、化粧料等に従来から用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーなどの粉末が好ましく使用される。また、本発明で使用する架橋型シリコーン粉末は、シリカやタルク等の無機物質で表面被覆したものであっってもよい。
本発明で用いる架橋型シリコーン粉末は、市販品をそのまま使用してもよい。例えば、KSP−100、KSP−300(以上、信越化学社製)、トレフィルE−506、トレフィルHP40T、9701COSMETIC POWDER(以上、東レ・ダウコーニング社製)などを挙げることができる。
【0013】
本発明で用いられる架橋型シリコーン粉末の粒径は特に限定されないが、例えば、1〜30μm、好ましくは1〜15程度の粒径を持つものが使用できる。
本発明の化粧料における架橋型シリコーンの配合量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.2〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。配合量が0.1質量%未満であると、やわらかで滑らかな使用感が得られ難く、20質量%を越えて配合すると耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0014】
本発明の化粧料に配合される球状炭酸カルシウム(a)と架橋型シリコーン粉末(b)との配合量比は、特に限定されないが、好ましくはa:b=1:10〜10:1、より好ましくは1:5〜5:1、最も好ましくは1:2〜5:3程度である。
【0015】
本発明の化粧料は、前記必須成分、即ち球状炭酸カルシウムと架橋型シリコーン粉末に加えて、化粧料に通常配合される他の各種成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
以下に、配合可能な他の成分を列挙するが、これらに限定されるものではない。
【0016】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、アルミナ、群青、紺青、水酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、ベンガラ被覆ガラスパール、カーボンブラック、等が挙げられる。
【0017】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0018】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0019】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。
【0020】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0021】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0022】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0023】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0024】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0025】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、トレハロース、エリスリトール、POE・POPランダム共重合体メチルエーテル等が挙げられる。
【0026】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0027】
紫外線吸収剤としては下記化合物が挙げられる。
(1)安息香酸系紫外線吸収剤
例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステルなど。
(2)アントラニル酸系紫外線吸収剤
例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートなど。
(3)サリチル酸系紫外線吸収剤
例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレートなど。
(4)ケイ皮酸系紫外線吸収剤
例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメートなど。
(5)トリアジン系紫外線吸収剤
例えば、ビスレゾルシニルトリアジン。さらに具体的には、ビス{〔4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス{4−(2−エチルヘキシロキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジンなど。
(6)その他の紫外線吸収剤
例えば、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン。ジモルホリノピリダジノンなどのピリダジン誘導体。
【0028】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0029】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0030】
アミノ酸としては、例えば、アラニン、セリン、グリシンアシルグルタミン酸塩、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0031】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0032】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0033】
pH調製剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0034】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0035】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン、トラネキサム酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、4−メトキシサリチル酸カリウム等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤等が挙げられる。
【0036】
本発明の化粧料は、前記必須成分及びその他の任意成分を混合し、常法に従って所望の剤型の化粧料として提供することができる。本発明の化粧料は、例えば、乳液、クリーム、日中用美容液、日焼け止め、下地、アイシャドー、口紅、マスカラ、頬紅、化粧下地、ファンデーション等の形態で提供できる。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限りすべて質量%である。
【0038】
(実施例1及び2、比較例1〜3)
下記表1の処方に基づいて試料(ファンデーション)を調製した。具体的には、粉部、及び油相部を各々均一に分散し、その後両者を混合して金皿に打型した。
得られた各試料について、以下に示す評価方法及び評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1に併せて示す。
【0039】
(1)使用性(なめらかさ)
化粧品の専門パネル(10名)により、使用性(なめらかさ)について官能評価を行い、次の基準で評価した。
<評価基準>
◎:10人中8名以上が、なめらかであると判断した。
○:10人中5〜7名が、なめらかであると判断した。
△:10人中2〜4名が、なめらかであると判断した。
×:10人中1名以下が、なめらかであると判断した。
【0040】
(2)直後のソフトフォーカス効果(毛穴・凹凸補正効果)
化粧品の専門パネル(10名)により、塗布直後のソフトフォーカス効果について官能評価を行い、次の基準で評価した。
<評価基準>
◎:10人中8名以上が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
○:10人中5〜7名が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
△:10人中2〜4名が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
×:10人中1名以下が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
【0041】
(3)経時(4時間後)のソフトフォーカス効果(毛穴・凹凸補正効果)
化粧品の専門パネル(10名)により、経時(4時間後)のソフトフォーカス効果について官能評価を行い、次の基準で評価した。
<評価基準>
◎:10人中8名以上が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
○:10人中5〜7名が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
△:10人中2〜4名が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
×:10人中1名以下が、ソフトフォーカス効果があると判断した。
【0042】
(4)耐衝撃性
各実施例及び比較例で得られた粉末化粧料を樹脂中にプレス成型し、化粧品用のコンパクト容器にセットしサンプルとした。厚さ20mmの鉄板上に高さ30cmからサンプルを水平状態にて落下し、破損するまでの落下回数を耐衝撃性の評価とした。
<評価基準>
◎:10回以上の落下でも割れなかった。
○:5回〜9回の落下で割れた。
△:2回〜4回の落下で割れた。
×:1回の落下で割れた。
【0043】
【表1】

【0044】
表1の結果から明らかなように、架橋型シリコーン粉末を配合していない比較例1はなめらかさに欠け、球状炭酸カルシウムを配合していない比較例2及び3は、塗布直後及び経時のソフトフォーカス効果に劣っていた。それに対して両者を配合した実施例1及び2は、なめらかな使用感とソフトフォーカス効果が達成され、ソフトフォーカス効果が経時で低下しなかった。
【0045】
(実施例3〜8、比較例4)
下記表2及び3の処方に基づいて試料(ファンデーション)を調製し、それら試料の特性を評価した。試料の製造方法、評価方法及び評価基準は実施例1と同様である。評価結果を表2及び3に併せて示す。
【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
表2及び3の結果から、球状炭酸カルシウムを配合することにより優れたソフトフォーカス効果(直後及び経時)並びに耐衝撃性が得られるが、架橋型シリコーン粉末を配合しない比較例4ではなめらかな使用感が得られないことがわかる。配合する架橋型シリコーン粉末の量を増加させるに従って、なめらかさが向上し、およそ5質量%以上の架橋型シリコーン粉末を配合することにより、極めてなめらかな感触が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状炭酸カルシウムと架橋型シリコーン粉末とを含有することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
球状炭酸カルシウムの平均粒子径が1〜50μmである、請求項1記載の化粧料。
【請求項3】
球状炭酸カルシウムが疎水化処理を施したものである、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
球状炭酸カルシウムの配合量が0.1〜30質量%であり、
架橋型シリコーン粉末の配合量が0.1〜20質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2011−201829(P2011−201829A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72158(P2010−72158)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】