説明

化粧液

【課題】 化粧水は、通常弱酸性であるが、それ以外のものとしては、酸性化粧水、アルカリ性化粧水、中性化粧水の3種類がある。弱酸性化粧水は肌のpHに合わせた刺激のないもの、酸性化粧水は春から夏にかけて皮膚のpHがアルカリ性に傾くため皮膚のpHを健康な状態に戻すためのものが多く、アルカリ性化粧水は肌に潤いを与えるものとして使用されている。このような従来の化粧水では、しっとり感が少なく、肌を柔軟にするという効果にも乏しかった。
【解決手段】 pHが9〜13である化粧液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここでいう化粧液とは、化粧水と美容液を含む概念として使用する。
例えば、化粧水は皮膚に水分や保湿成分を補給し、皮膚をみずみずしく保つもので、通常透明か半透明の液状である。
【0003】
化粧水は、通常弱酸性であるが、それ以外のものとしては、酸性化粧水、アルカリ性化粧水、中性化粧水の3種類がある。弱酸性化粧水は肌のpHに合わせた刺激のないもの、酸性化粧水は春から夏にかけて皮膚のpHがアルカリ性に傾くため皮膚のpHを健康な状態に戻すためのものが多く、アルカリ性化粧水は肌に潤いを与えるものとして使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の化粧水では、しっとり感が少なく、肌を柔軟にするという効果にも乏しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明化粧液を完成したものであり、その特徴とするところは、pHが9〜13である点にある。
【0006】
従来の化粧水では、アルカリ性化粧水であっても、pHは7〜8であり、それ以上のpHのものはなかった。この理由は肌が弱酸性であるため、肌への刺激をなくすためには肌と同じ程度のpHにするのが基本であるためである。実際アルカリ性のものは肌に対して刺激がある。
【0007】
このような状況のなかで、本発明者はその肌への刺激に耐えて、pHを上げることを研究し本発明に至ったのである。よって、従来のアルカリ化粧水とはまったく異なる超アルカリ化粧液ともいうべきものである。
【0008】
本発明化粧液のpHは、9〜13である。このような高いpHのものは従来まったく存在しなかった。即ち、皮膚への刺激を考慮してだれも考えもしなかったのである。実際に刺激はある。
【0009】
このpH9〜13の中でも10〜12が最も好ましい。刺激と効果の兼ね合いである。
【0010】
化粧液であるため、当然、通常の成分が混合されている。ただ、そこにpHを上げるためのものが付加されているだけである。
通常の成分とは、水、アルコール類、保湿剤、柔軟剤、可溶化剤、増粘剤、香料、防腐剤、色剤、褪色防止剤、薬剤などであり特に限定するものではない。
【0011】
pHを上げるための成分とは、pHの高いものであれば何でもよいが、肌のことを考慮すると、有機アルカリ性のものが望ましい。即ち、アミン系のものである。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等である。勿論、無機系のものも使用できるが、刺激性等の点で有機系のものが優れている。
より好ましいものとして、塩基性アミノ酸がある。アミノ酸はアミノ基とカルボキシル基の両方を有しているが、アミノ基の数が多いものは塩基性を示す。例えば、リジン、ハイドロキシリジン、アルギニン等である。
特に人体に必要な必須アミノ酸を使用すれば、単にpHを上げるだけでなく、栄養にもなり優れている。
【発明の効果】
【0012】
本発明化粧液には次のような利点がある。
(1) 非常にpHが高いため、肌には刺激があるが、タンパク質の結合を弱めるので、弱酸性である肌には吸収されやすい。
(2) 肌がアルカリ性によって柔軟になる。
(3) アルカリ性であるため、肌の水分量が上がり、肌がしっとりとなる。かさかさした感じやざらざらした感じがなくなる。
(4) 皮脂や汚れがよく落ちるため、ふき取りローションとしても使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1
成分
水及び温泉水を主成分として、それにpHを上げる成分、保湿剤、防腐剤を混合して実施例を作成した。その成分を表1に示す。
ここで、BGは、1-3, ジブチレングリコールであり、PEはフェノキシエタノールである。
この成分で、温泉水(出雲湯村温泉水等)とは、この名称で化粧品の成分として認められているものである。特定の温泉からの温泉水をそのまま使用したものである。
グリセリンは保湿効果、BGとPEは防腐剤として混合している。
【0015】
また、本発明以外のものを比較例として同様に表1に示した。
表1の効果は、実施例、比較例の化粧液を、10人の女性にクレンジング、先顔後、顔に塗布してもらい、その感想を聞いたものである。
ここで、効果の記号は次の意味である。柔軟性の○は肌が十分柔軟になり、×はほとんどその効果がない。しっとり感の○は十分しっとりとしており、△はわずかにしっとりとしていた。刺激性の○はほとんど刺激がなく、×は刺激があった。汚れ落ちの○は、汚れがよく落ちた、△は適度に落ちた、×はあまり落ちなかった。
【0016】
実施例は、すべて良かったが、比較例はすべて問題があった。比較例1〜3はpHが低く、本発明のpHの範囲になく、柔軟性に劣っていた。また、比較例4はpHが高すぎることと、きつい刺激があった。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
pHが9〜13であることを特徴とする化粧液。
【請求項2】
有機系アミン化合物を含有するものである請求項1記載の化粧液。
【請求項3】
該有機系アミン化合物は塩基性アミノ酸である請求項2記載の化粧液。

【公開番号】特開2009−40746(P2009−40746A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209163(P2007−209163)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(391027929)三粧化研株式会社 (17)
【Fターム(参考)】