説明

化粧用組成物

制汗又はデオドラント活性物質を含有し、実質的にアルコール不含であり、100センチポアズ未満の粘度を有し、90°未満の接触角を有する組成物。多孔性のドーム型アプリケーターにおいて市販される、前記組成物を含有する製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制汗及び/又はデオドラント活性物質を含有する、制汗及び/又はデオドラント組成物に関する。より具体的には、本発明は、液体接触アプリケーター(liquid contact applicators)における使用のための、制汗及び/又はデオドラント組成物に関する。本制汗及び/又はデオドラント組成物は、実質的にアルコール不含である。さらに、本制汗及び/又はデオドラント組成物は、約90°未満の接触角を有し、100センチポアズ未満の粘度を有する。
【背景技術】
【0002】
制汗剤及びデオドラント製品は、スティック、ジェル、軟固体、ロールオン及びエアロゾルを含む、多くの様々な形態をとる。これらの製品形態は、通常、特定の製品形態を送達するのに適した様々な型のディスペンサーに詰められる。このような製品形態に対するディスペンサーは、接触型ディスペンサー(アプリケーターと呼ばれることがある。)又は非接触型ディスペンサーのいずれかとして分類することができる。非接触型ディスペンサーには、エアロゾル及びスプレー型ディスペンサーが含まれる。接触型ディスペンサーのクラス内はさらに、流動性を有する物質を分注するために適応される第一のサブクラスと、固体又はハードジェルなどの非流動性物質を分注開口部に運ぶための内部手段を含む、ディスペンサーの第二のサブクラスとの間で区別される。識別するために、接触型ディスペンサーのこの第二のサブクラスを、本明細書中において、「スティック型ディスペンサー」と呼ぶ。
【0003】
既に述べたように、スティック型ディスペンサーにおいて、内部手段は、通常、固形製品を分注開口部へ運ぶ。スティック型ディスペンサーにおいて、製品を塗布するために、その固体製品を、本製品を塗布すべき表面(例えば使用者の腋下部分)に接触させる。したがって、スティック型ディスペンサーにおいて、塗布面とは、その製品そのものである。
【0004】
スティック型ディスペンサーとは異なり、上述の接触型ディスペンサーの第一のサブクラスにおいて、その塗布面とは、製品そのものではなく、ディスペンサーの一部である。そのような接触型アプリケーターは、一般に、そこに製品の薄層を含有する表面を有する。その製品は、そのディスペンサーの塗布面及びその製品が塗布されるべき面(例えば使用者の腋下部分)に広げられる、流動性のある製品である。このようなアプリケーターの代表例は、ロールオン又は多孔性のアプリケーターである。そのようなアプリケーターにおいて、ディスペンサーの一部が、塗布面として働く(製品そのものではない。)。その製品が塗布されるべき面(例えば使用者の腋下部分)に対して、この塗布面を接触させ、その塗布面からその製品が塗布されるべき面に、製品の薄い膜を移す。ロールオン型ディスペンサーが、接触型ディスペンサーのこのサブクラスの主要で最も一般的なものである一方、アプリケーターのこの第一のサブクラスに入るその他の型のディスペンサーとしては、EP出願第03250205.6(この開示を参照により組み込む。)で開示されているような、多孔性のドームである塗布面を有するアプリケーターなどが知られている。識別のために、接触型ディスペンサーのこの第一のクラスを、本明細書中で、「液体接触アプリケーター」と呼ぶ。識別のために、EP出願第03250205.6で開示されているようなものなどの多孔性のドーム型塗布面を有する液体接触アプリケーターを、本明細書中で、「多孔性ドーム型アプリケーター」と呼ぶ。
【0005】
液体接触アプリケーター及び多孔性ドーム型アプリケーターにおいて一般に使用されている組成物にはいくつかの課題がある。これらの組成物は、通常、流動性を高めるためにアルコールベースとなっている。しかし、アルコールは、使用者の皮膚に対して刺激性であることが分かっている。さらに、これらの組成物は、既知の液体接触アプリケーター、特に多孔性ドーム型アプリケーターから漏れることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、液体接触アプリケーター、特に多孔性ドーム型アプリケーターにおける使用のための組成物を提供することである。本発明の組成物は、そのようなアプリケーターにおいて優れた流動性を有し、使用者に対して刺激性ではない。
【0007】
本発明の他の目的は、本明細書を参照することにより当業者にとって明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の局面において、本発明は、制汗又はデオドラント活性物質を含有し、実質的にアルコール不含であり、100センチポアズ未満の粘度を有し、約90°未満の接触角を有する、制汗及び/又はデオドラント組成物に関する。
【0009】
第二の局面において、本発明は、制汗又はデオドラント活性物質を含有し、100センチポアズ未満の粘度を有し、約20°から約90°の接触角を有する、制汗及び/又はデオドラント組成物に関する。
【0010】
第三の局面において、本発明は、分注容器及びスキントリートメント製品を含有し、該分注容器が多孔性ドーム型アプリケーターであり、該スキントリートメント製品は、実質的にアルコール不含であり、100センチポアズ未満の粘度を有し、約90°未満の接触角を有する、化粧製品に関する。
【0011】
第四の局面において、本発明は、分注容器及びスキントリートメント製品を含有し、該分注容器は多孔性ドーム型アプリケーターであり、該スキントリートメント製品は、100センチポアズ未満の粘度を有し、約20°から約90°の接触角を有する、化粧製品に関する。
【0012】
この明細書及び請求項中のパーセンテージは全て、別段の断りがない限り、重量%であるものとする。
【0013】
この明細書及び請求項中の数値域は全て、約という語で修飾されるものとする。
【0014】
本明細書中で使用される場合、「含有する(comprising)」という用語は、場合によってはさらなる物質又は要素とともに、ある特定の物質又は要素が存在することを意味し、「含む(including)」、「構成される(made up of)」、「成る(composed of)」、「成る(consisting)」及び/又は「基本的に成る(consisting essentially of)」を含む。
【0015】
本発明の、上記及びその他の特性及び長所をより詳細に理解するために、次の好ましい実施形態の詳細な記述を参照されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書中の上記のように、様々な局面に従い、本発明は、制汗又はデオドラント活性物質を含有し、実質的にアルコール不含であり、100センチポアズ(cps)未満の粘度を有し、90°未満の接触角を有する、組成物に関する。言うまでもなく、その他の物質もまた、その物質の性質に依存して、存在し得る。
【0017】
本発明は、アルコールベースではなく、したがって、実質的にアルコール(即ちエチルアルコール)不含である組成物に関する。実質的にアルコール不含とは、本明細書中で使用される場合、その組成物の総重量に基づいて、アルコール含有量が40%未満であることを意味する。好ましい実施形態において、本発明の組成物のアルコール含有量は、約30重量%未満、より好ましくは、約20重量%未満、より好ましくは、約10重量%未満、及び最も好ましくは、約2重量%未満であるか、又は完全にアルコール不含である。
【0018】
本組成物は、好ましくは、制汗又はデオドラント活性物質などの化粧用活性物質を含有する。化粧用活性物質は、好ましくは、その組成物の0.5%重量から60重量%、とりわけ、5重量%から30又は40重量%、及び特に、5又は10重量%から30又は35重量%及びそこに従属する全範囲を含む量で組み込まれる。
【0019】
本発明における使用のための制汗活性物質は、特にアルミニウム塩、ジルコニウム塩及びアルミニウム/ジルコニウム混塩(無機塩、有機陰イオンを伴う塩の両者及び錯体を含む。)を含む、収斂性の活性塩から選択されることが多い。好ましい収斂性の塩には、アルミニウム、ジルコニウム及びアルミニウム/ジルコニウムのハロゲン化物及びハロハイドレート塩、例えばクロロハイドレート及び活性化アルミニウムクロロハイドレートなど、である。
【0020】
アルミニウムハロハイドレートは通常、一般式Al(OH).wHOによって定義される(式中、Qは、塩素、臭素又はヨウ素を表し、xは2から5の変数であり、x+y=6であり、wHOは、水和の可変量を表す。)。活性化アルミニウムクロロハイドレートとして知られている、特に有効なアルミニウムハロハイドレート塩が、EP−A−6739(Unilever NVら)に記載されている(その内容を、参照により本明細書中に組み込む。)。
【0021】
ジルコニウム活性物質は、実験一般式:ZrO(OH)2n−nz・wHO(式中、2n−nZの値がゼロ又は正であるように、zは、0.9から2.0の範囲で可変であり、nは、Bの価数であり、Bは、塩化物、その他のハロゲン化物、スルファミン酸塩、硫酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。)により表すことができる。可変の範囲に対する可能な水和は、wHOで表される。好ましくは、Bは、塩化物を表し、変数zは、1.5から1.87の範囲にある。実際、このようなジルコニウム塩は、通常、そのものとしてではなく、複合アルミニウム及びジルコニウム系制汗剤の成分として用いられる。
【0022】
上記のアルミニウム及びジルコニウム塩は、様々な量で、配位及び/又は結合した水を有することができ、及び/又はポリマー性の種、混合物もしくは錯体として存在することができる。特に、ジルコニウムヒドロキシ塩は、多くの場合、様々な量のヒドロキシ基を有する各種塩を表す。ジルコニウムアルミニウムクロロハイドレートがとりわけ好ましいものであり得る。
【0023】
上述の収斂性アルミニウム及び/又はジルコニウム塩に基づく制汗剤錯体を使用することができる。この錯体は、多くの場合、カルボン酸塩の基を有する化合物を含み、有利に、これは、アミノ酸である。適切なアミノ酸の例には、dl−トリプトファン、dl−β−フェニルアラニン、dl−バリン、dl−メチオニン及びβ−アラニンが含まれ、好ましくは、式CH(NH)COOHを有するグリシンが含まれる。
【0024】
US−A−3792068(Lueddersら)(この開示を参照により組み込む。)に開示されている、グリシンなどの、アミノ酸と一緒に、アルミニウムハロハイドレート及びジルコニウムクロロハイドレートの組合せの錯体を用いることが、非常に望ましい。ある一定のこれらのAl/Zr錯体は、文献では一般にZAGと呼ばれる。ZAG活性物質は、通常、2から10、特に2から6の範囲のAl/Zr比、2.1から0.9の範囲のAl/Cl比である、アルミニウム、ジルコニウム及び塩化物、及び可変量のグリシンを含む。この好ましいタイプの活性物質は、Westwood、Summit及びReheisから入手可能である。
【0025】
用い得るその他の活性物質には、収斂剤チタン塩、例えば、GB2299506A(その開示を参照により組み込む。)に記載されているものが含まれる。
【0026】
本組成物がエマルジョンの形態である場合、分散相又は内相のいずれかに制汗活性物質を溶解させることができる。この場合、本制汗活性物質は、水相(内相又は分散相)の3重量%から60重量%、とりわけ、その相の10%又は20%から55%又は60%を占めることが多い。最も好ましくは、本活性物質は、水相の40重量%から50重量%となる。
【0027】
適切なデオドラント活性物質は、とりわけ、Igasan DP300TM(トリクロサン)、TriclobanTM及びクロルヘキシジンとして公知の物質が具体例である、ビグアナイド誘導体を含む、塩素化芳香族化合物などの殺細菌剤を含む、制汗金属塩、デオパフューム(deoperfumes)及び/又は殺菌剤の、デオドラント効果を有する濃度を含有し得る。また別のクラスには、CosmosilTMの商品名で市販されているような、ビグアナイド塩が含まれる。さらに別のクラスには、DTPAなどのキレート剤が含まれる。
【0028】
DTPAの化学名は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(INCI名 pentetic acid(ペンテト酸))であり、その構造は以下のとおり;
【0029】
【化1】

である。DTPAは、第一遷移系列金属のアミノカルボン酸キレート剤である。親酸(parent acid)のCAS番号は、67−43−6であり、EINECS番号は、200−652−8である。5ナトリウム塩(Na5DTPA、INCI名 pentasodium pentetate(ペンテト酸5ナトリウム))は、CAS番号 140−01−2及びEINEC番号 205−391−3を有する。
【0030】
デオドラント活性物質は、有効量で用いるべきである。デオドラント活性物質は、通常、その組成物の1重量%以下の濃度、好ましくはその組成物の0.3重量%以下の濃度で使用される。
【0031】
別の好ましい実施形態において、本組成物は、制汗及び/又はデオドラント活性物質、水及び界面活性剤を含む。水レベルは、その組成物の総重量を基に、好ましくは、約0又は1%から約95%である。
【0032】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、その組成物の約40重量%から約85重量%の水、より好ましくはその組成物の約55重量%から約80重量%の水、最も好ましくはその組成物の約60重量%から約75重量%の水及びこれに従属する全ての範囲を含む量の水を含有する。これは、約25%の活性レベルに基づく。活性レベルが低ければ、水のレベルが高くなることに対応すると思われる。
【0033】
界面活性剤レベルは、好ましくは、その組成物の総重量に基づき、約0又は0.01%から約10%である。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、この組成物の約0.5重量%から約7重量%、より好ましくは約1重量%から約5重量%及びこれに従属する全ての範囲を含むレベルを含む。
【0034】
界面活性剤は、存在し得る、香料及びその他の油溶性成分を溶解させるために含まれる。これはまた、最適な流動性を得るために、製品の接触角を小さくするためにも働く。適切な界面活性剤には、非イオン性界面活性剤及び、特に、ポリアルキレンオキシド部分、脂肪酸又は脂肪アルコールの残基及び場合によっては脂肪族多価アルコール連結基の残基を含有する非イオン性界面活性剤が含まれる。本界面活性剤は1つの脂肪残基を含み得るが、それらは、好ましくは、2個の残基を含有する。好ましくは、この界面活性剤は、エステル界面活性剤及び特にジエステル界面活性剤である。ポリアルキレンオキシドは、多くの場合、ポリエチレンオキシドもしくはポリプロピレンオキシド又はポリエチレンオキシド/プロピレンオキシド混合物であり、これらのポリマーは、3個から50個、特に5個から20個のアルキレンオキシド単位を含有する。この脂肪酸又はアルコールは、12個から24個の炭素を含有することが多く、多くの例において、線状であり、その例には、16、18又は22個の線状炭素が含まれる。好ましい界面活性剤には、セテアレス−2から18、セテス−2から16、メロキサポール(Meroxapol)312、C11−15パレス(Pareth)20、イソセテス−30、ラウレス16、ノンオキシノール9、オレス(oleth)−20、PEG−60ヒマシ油、PEG200ヒマシ油、PEG−20ジラウレート、PEG−20ラウリン酸グリセリル、PEG−75ラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート80、ポロキサマー105、ポロキサマー182、ポロキサマー407、ポロキサマー707、ポロキサマー1307、ステアレス−20が含まれる。
【0035】
さらなる界面活性剤には、シリコーン骨格を基にしたものが含まれる。例としては、シリコンコポリオール、ラウリルメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオール及びスルホコハク酸ジメチコンコポリオールジアンモニウム及び、DC9011などの、表面機能性エラストマーが挙げられる。
【0036】
特に好ましい界面活性剤は、イソセテス−20及びPEG−40水素添加ヒマシ油である。
【0037】
本組成物の別の任意の成分は、製品が皮膚で乾燥する際の白色化を低下させる白色化抑制剤(whitening reduction agent)である。白色化抑制剤には、脂肪族炭化水素などのマスキング油、エステル、シロキサン液及び、カーボワックスなどのポリマー、ならびにプロピレングリコール及びヘキシレングリコールなどのグリコールが含まれる。
【0038】
本組成物のその他の任意の成分は、皮膚に対して有益な物質である。皮膚に対して有益な物質とは、デオドラント又は制汗剤組成物が皮膚に塗布された際に皮膚上に沈積し、皮膚に所望する性質を与えるか、又は維持する製品である。有益物質には、皮膚を保湿する、整える又は保護する成分が含まれる。適切な有益物質には、保湿成分、例えば、皮膚軟化剤/油など、が含まれる。皮膚軟化油とは、皮膚の水含量低下を妨げることにより皮膚を軟化させ、その柔軟性を維持し、及び/又は皮膚を保護する物質を意味する。皮膚に対して有益な物質のかなりの割合はまた、本組成物に対してその他の機能も与えることができる。このように、多くのものが、担体として作用できる油を含有する。その他のものは、単独で、又はその他の物質と組み合わせて、のいずれかで、油相に構造を与えることができる、ワックス及び脂肪酸もしくはアルコールである。これらが、他の機能のどれを与えるか、又はどれに貢献するかは、これらの種類から認識されよう。本発明の一部の実施形態において特に好ましいのは、本デオドラント又は制汗剤組成物が、例えば、保湿成分などの、皮膚に対して有益な物質を含有することである。皮膚に対して有益な好ましい物質には、グリセリン、ヒマワリ種子油、カカオバター、ジメチコン及びサメ肝油が含まれる。
【0039】
本制汗剤組成物は、その他の従来の成分を含み得る。これらには、例えば、香料、皮膚軟化剤、殺菌剤、鉱物油及び水素添加ポリイソイブテンなどのパラフィン系炭化水素、C12−C15アルコールベンゾエート及びオクタン酸ミリスチルなどの脂肪酸エステル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル及びイソノナン酸オクチルなどの脂肪酸エステル、セバシン酸ジイソプロピルなどのジカルボン酸エステル、ステアルアミドMEA及びラウルアミドDEAなどの脂肪アミド、PEG−40及びPEG−20などの、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、PPG−10ブタンジオール、PPG−5−ブテス−7、PPG−14ブチルエーテル、PPG−3−ミレス−3及びステアレス−20などの、C4−20アルコールの、ポリエチレン及び/又はポリプロピレングリコールエーテル、及び、PEG−8ジステアレート及びPEG−10ジオレエートなどの、C4−20酸の、ポリエチレン及び/又はポリプロピレングリコールエステルが含まれる。
【0040】
先述の物質のリストは、ほんの一例であり、本発明による組成物における有用であり得る可能な全ての物質の包括的リストであることを意図するものではない。明らかに、熟練技術者は、製造される制汗剤組成物の特定の形態の、所望の適用及び審美的特徴を与えるこれらの物質を選択し得る。
【0041】
任意の成分のクラスには、湿潤剤などの保湿剤が含まれる。これらには、プロピレングリコール、ソルビトール及び特にグリセロールが含まれる。保湿剤は、好ましくは、その組成物の総重量に基づき、約0又は1%から20%を占める。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、その組成物の、約1重量%から約10重量%、より好ましくは、その組成物の、約1重量%から約5重量%及びこれに従属する全ての範囲の量を含む。用いられる場合、これら物質が担体流動体中に保持されるように、その量が選択されることが望ましい。
【0042】
その他の任意の成分には:
例えば、その組成物の総重量に基づき、約10%以下の量で組み込まれる、シリカ又はグリセリル脂肪エステル(例えばステアリン酸グリセリル)などの、皮膚感触向上剤;
既に述べたものに加えて、例えば、その組成物の総重量に基づき約5%以下の量での、アラントイン又は脂肪などの、皮膚に有益な物質;及び
シリコーンエラストマーなどの、シリコーンベースの成分及び、不溶性、不揮発性シリコーン(1又は複数のポリアルキルシロキサン、1又は複数のポリアルキルアリールシロキサン又はそれらの混合物であり得る。)。このシリコーンは、本組成物の水性マトリックス中で不溶性であり、そのため、分散粒子として存在するシリコーンとともに、水ベースの乳化形態で存在する。
【0043】
適切なポリアルキルシロキサンには、CTFA表記 ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが含まれる。ヒドロキシル基で終わるポリジメチルシロキサン(CTFA表記 ジメチコノールを有する。)もまた適切である。ポリジエチルシロキサンもまた適切である。
【0044】
本発明の組成物において使用され得るポリアルキルアリールシロキサンには、ポリメチルフェニルポリシロキサンが含まれる。ポリジオルガノシロキサンなどのシリコーンガムもまた適切である。具体的な例には、ポリジメチルシロキサンポリマー、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物が含まれる。
【0045】
CTFAの表記を有するアモジメチコンを有するアミノ官能基シリコーンもまた、本発明の組成物における使用に適切である。
【0046】
本発明の組成物は、さらに、着色料、保存料及び増粘剤などのその他の化粧品成分を含むことができる。
【0047】
既に述べたように、本発明の組成物は、1つには、それらの接触角により定義される。接触角とは、例えば、固体−液体−気体接点における、3つの相の接点において形成される、液体で測定される角度として定義される。
【0048】
本発明の組成物の接触角は、水平固体表面にある液滴(付着液滴)の形における画像解析により測定した。液滴の形の解析法では、液滴のビデオ画像を捉え、様々な表面性質を決定するために、それらの形及び大きさを解析する。
【0049】
本発明の溶液に対する接触角は、FTA 4100ビデオ液滴形解析システム(video drop shape analysis system)を用いて測定した。この実験で使用した固体基板は、0.020インチ厚の超高分子量ポリエチレンフィルム(McMaster Part Number 85655K157)である。このフィルムを最初に、2.5%ラウリル硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、脱イオン水ですすいだ。次いで、このフィルムを、使用の準備が整う前に、最低1時間乾燥させた。溶液の滴(約8μl)を、分注針(Kahnetics ステンレス鋼分注針、ID0.635mm、OD0.914mm、ハブ色黄色の、ゲージ20)の付いた使い捨てシリンジを用いて分注した。その液滴が固体表面に分注された後15秒間、デジタル画像を撮影した。
【0050】
次いで、その付着液滴を、付着液滴プロファイルの各側面に対して多項式をフィットさせる、本技術分野で公知のような非球面フィッティング法によりフィットさせた。これにより、各側面1つの、2つの個別の接触角が得られる。この実験で報告された接触角は、これらの2つの角度の平均である。
【0051】
本明細書中で使用される場合、接触角とは、上記の手段により測定された場合の、本組成物の接触角を意味する。
【0052】
粘度は、回転型粘度計を用いて従来の方式において測定される(C25のボブ及び25℃にて10s−1でのカップ形状を有する、Bohlin CVOR)。
【0053】
本発明の組成物は、好ましくは、100センチポアズ未満の粘度を有する。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、30センチポアズ未満の粘度、より好ましくは、20センチポアズ未満の粘度、さらにより好ましくは15センチポアズ未満の粘度、さらにより好ましくは、10センチポアズ未満の粘度、最も好ましくは、5センチポアズ未満の粘度を有する。
【0054】
本発明の組成物は、液状化粧組成物を調製するための従来のプロセスにより調製され得る。本発明の実施例は、最初に香料(及びあらゆるその他の油溶性物質)及び溶解剤をブレンドすることにより調製した。次いで、その1回分が位相反転するように、水をゆっくりと添加した。これらの成分をさらに5分間混合した。次いで、活性溶液を添加し、混ぜ合わせた。
【0055】
次に挙げる実施例は、本発明の理解を促進するために与える。この実施例は、特許請求の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0056】
(実施例1から実施例3)
【0057】
【表1】

【0058】
(実施例4から実施例11)
【0059】
【表2】

【0060】
実施例組成物1から11の接触角及び粘度を表3で示す。
【0061】
【表3】

【0062】
本発明の組成物は液体である。本組成物は、エマルジョンの形態を取り得る。このエマルジョンは、水中油滴又は油中水滴エマルジョンであり得る。実施例1から11は、全て水中油滴エマルジョンである。
【0063】
本発明の組成物は、好ましくは、液体接触アプリケーター中の製品として市販される。より好ましくは、本発明の組成物は、好ましくは、多孔性ドーム型アプリケーターにおいて市販される。
【0064】
一般に、この多孔性ドーム型アプリケーターは、多孔性ポリマー性アプリケーターヘッドと、それと密接に接触するように固定された吸収材料と、該組成物が該吸収材料に送達される、本液状化粧組成物のためのリザーバーと、を含む。
【0065】
言うまでもなく、本明細書中で例示し記載した本発明の具体的な形態は、単なる代表例であることを意図するものであり、それにおいて、本開示の明白な教示から離れることなく、ある一定の変化を施し得ることを理解されたい。したがって、本発明の包括的範囲を決定することにおいて、次の添付の特許請求の範囲を参照されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制汗又はデオドラント活性物質を含み、実質的にアルコールを含まず、100センチポアズ未満の粘度を有し、90°未満の接触角を有する、制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項2】
水及び界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項3】
約10重量%から50重量%の活性物質を含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項4】
約10重量%以下の界面活性剤を含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項5】
約95重量%以下の水を含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項6】
約55重量%から約80重量%の水を含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項7】
約30重量%未満のアルコールを含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項8】
約20重量%未満のアルコールを含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項9】
約10重量%未満のアルコールを含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項10】
約2重量%未満のアルコールを含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項11】
30センチポアズ未満の粘度を有する、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項12】
10センチポアズ未満の粘度を有する、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項13】
制汗又はデオドラント活性物質を含み、100センチポアズ未満の粘度を有し、約20°から約90°の接触角を有する、制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項14】
水及び界面活性剤をさらに含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項15】
約10重量%から50重量%の活性物質を含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項16】
約10重量%以下の界面活性剤を含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項17】
約95重量%以下の水を含有する、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項18】
約55重量%から約80重量%の水を含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項19】
約30重量%未満のアルコールを含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項20】
約20重量%未満のアルコールを含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項21】
約10重量%未満のアルコールを含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項22】
約2重量%未満のアルコールを含む、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項23】
30センチポアズ未満の粘度を有する、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項24】
10センチポアズ未満の粘度を有する、請求項13に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項25】
分注容器及びスキントリートメント製品を含み、該分注容器は多孔性ドーム型アプリケーターであり、該スキントリートメント製品は実質的にアルコール不含であり、100センチポアズ未満の粘度を有し、90°未満の接触角を有する、化粧製品。
【請求項26】
前記スキントリートメント製品が、制汗又はデオドラント活性物質を含む制汗及び/又はデオドラント組成物である、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項27】
前記スキントリートメント製品が、約10重量%から50重量%の活性物質を含む、請求項26に記載の化粧製品。
【請求項28】
前記スキントリートメント製品が、約95重量%以下の水を含む、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項29】
前記スキントリートメント製品が、約55重量%から約80重量%の水を含む、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項30】
前記スキントリートメント製品が、約20重量%未満のアルコールを含む、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項31】
前記スキントリートメント製品が、約2重量%未満のアルコールを含む、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項32】
前記スキントリートメント製品が、30センチポアズ未満の粘度を有する、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項33】
前記スキントリートメント製品が、10センチポアズ未満の粘度を有する、請求項25に記載の化粧製品。
【請求項34】
分注容器及びスキントリートメント製品を含み、該分注容器が多孔性ドーム型アプリケーターであり、該スキントリートメント製品が、100センチポアズ未満の粘度を有し、約20°から約90°の接触角を有する、化粧製品。
【請求項35】
前記スキントリートメント製品が、制汗又はデオドラント活性物質を含む制汗及び/又はデオドラント組成物である、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項36】
前記スキントリートメント製品が、約10重量%から50重量%の活性物質を含む、請求項35に記載の化粧製品。
【請求項37】
前記スキントリートメント製品が、約95重量%以下の水を含む、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項38】
前記スキントリートメント製品が、約55重量%から約80重量%の水を含む、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項39】
前記スキントリートメント製品が、約20重量%未満のアルコールを含む、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項40】
前記スキントリートメント製品が、約2重量%未満のアルコールを含む、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項41】
前記スキントリートメント製品が、30センチポアズ未満の粘度を有する、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項42】
前記スキントリートメント製品が、10センチポアズ未満の粘度を有する、請求項34に記載の化粧製品。
【請求項43】
油中水滴エマルジョンを含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。
【請求項44】
水中油滴エマルジョンを含む、請求項1に記載の制汗及び/又はデオドラント組成物。

【公表番号】特表2007−516988(P2007−516988A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545972(P2006−545972)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013958
【国際公開番号】WO2005/063187
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】