説明

区切られた空間の出入口を通過する物品を監視する方法及び該方法を実行する装置

【課題】区切られた空間の出入口を通過する物品を監視する方法及び装置の提供。
【解決手段】出入口の近傍における複数の物品に伴う各トランスポンダの存在を検出するために、特定の識別コードを送信する各トランスポンダと通信するのに適合した無線周波数送信手段と、前記出入口が空きであると示す第1の信号と、物品が前記出入口を通過していることを示す第2の信号とを送信する前記出入口に直列に配置された少なくとも一対の光電子センサとを備え、制御手段が、前記トランスポンダの検出時間イベントと前記光電子センサによって送信された信号の変化時間イベントとを連続的に記録/更新するために備えられ、前記制御手段は出入口通過時間間隔を検出するために前記信号変化時間イベント群を比較し、前記出入口を完全に通過したトランスポンダを検出するためにトランスポンダの前記検出時間イベント群を前記出入口通過時間間隔と比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、区切られた又は囲われた空間の出入口を通過する物品を監視する方法及び該方法を実行する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、その存在を監視することが望ましい物品又は人に設けられたトランスポンダを検出するために無線周波数送信手段を使用することが、当技術分野で知られている。当技術分野においてタグとして知られているこのトランスポンダは、いわゆるRFID(無線周波数識別)装置によって発生された電磁信号を受信するのに適合している。これらのタグは、電磁界からエネルギーが供給されると、各タグに固有の識別コードを含む信号を送信し、該RFID装置はタグとそのタグが関連する物品又は人の存在を検出できる。
【0003】
このような構成は、許可された人が、警備上の理由で制御されている区切られた空間の出入口を通過するのをチェックするのに使用される。この種の応用は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2に開示されているように、倉庫の出入口を通過する物品を監視すること、又は特許文献3に開示されているように入口を有する区切られた空間内の人と物品の存在を検出することに応用されてきた。
【特許文献1】国際公開第WO82/00377号パンフレット
【特許文献2】特開2003−146413号公報
【特許文献3】欧州特許第EP1200931号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら全ての構成に共通の欠点は、倉庫に出入する複数の物品等の、出入口を通過する複数のタグを取り扱う能力に関連している。これらの欠点はRFID装置の検出域が、倉庫の内部と外部の両方を部分的に含む領域をカバーするために、該出入口自体を越えて遠く広がり、そのため倉庫に実際には出入りしていないトランスポンダが不適正に検出される可能性があるという事実から生じる。
【0006】
また、上記の従来の構成を用いて、タグの検出と、物品又は人が該出入口を通過する方向とを適正に関連付けようとする試みはかなり複雑な課題となる。タグが区切られた空間に実際に入ろうとしているのか、出ようとしているのかを記録することは、許容できる程度効果的に実行することができない。その結果、真に倉庫に存在する物品又は現場の人を正確に追跡することは実際的に不可能となる。
【0007】
上記種類の構成が持つ他の欠点は、出入口を完全に通過し区切られた空間に入る又はそこから出る物品又は人と、完全には通過することなく該出入口を部分的に占める物品又は人とを区別することが実際的に出来ないという事実にある。その結果、実際にはそうでないのに、物品又は人が現場に入った又は現場から出たと検出される場合がある。
【0008】
従って、本発明の一の目的は、従来技術の構成の上記欠点と問題を解消する、区切られた空間の出入口を通過する物品を監視する方法及び該方法を実行する装置を提供することである。
【0009】
更に、本発明の他の目的は、本発明の方法を実行する、極めて信頼性が高く、構造が簡単で、競争力のあるコストで製造することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的及び以下の開示から明らかとなる目的を達成するための本発明の一態様は、区切られた空間の出入口を通過する物品を監視するための装置であって、前記出入口の近傍における前記複数の物品に伴う各トランスポンダの存在を検出するために、特定の識別コードを送信する各トランスポンダと通信するのに適合した無線周波数送信手段と、各光電子センサが、前記出入口が空きであると検出するセンサ空き状態を示す第1の信号と、物品が前記出入口を通過していることを検出するロックオン又はセンサ係合状態を示す第2の信号とを送信する前記出入口に直列に配置された少なくとも一対の光電子センサとを備え、制御手段が、前記トランスポンダの検出時間イベントと前記光電子センサによって送信された信号の変化時間イベントとを連続的に記録/更新するために備えられ、前記制御手段は出入口通過時間間隔を検出するために前記信号変化時間イベント群を比較し、前記出入口を完全に通過したトランスポンダを検出するためにトランスポンダの前記検出時間イベント群を前記出入口通過時間間隔と比較することを特徴とする装置である。
【0011】
上記目的及び以下の開示から明らかとなる目的を達成するための本発明の他の態様は、区切られた空間の出入口を通過する物品を監視するための方法であって、前記出入口の近傍における前記複数の物品に伴う各トランスポンダの存在を検出するために、特定の識別コードを送信する各トランスポンダと通信するのに適合した無線周波数送信手段を提供することと、各光電子センサが、前記出入口が空きであると検出するセンサ空き状態を示す第1の信号と、物品が前記出入口を通過していることを検出するロックオン又はセンサ係合状態を示す第2の信号とを送信する前記出入口に直列に配置された少なくとも一対の光電子センサを提供することとを含み、前記トランスポンダの検出時間イベントと、前記光電子センサによって送信された信号の変化と、該変化の時間イベントとを連続的に記録・更新するステップと、前記光電子センサによって送信された前記信号の変化群を比較し、実際に前記出入口を通過している物品との一致を検出するために該変化群をチェックし、前記出入口を通過している方向を検出するステップと、前記物品が前記出入口を完全に通過するのに要した通過時間間隔を検出するために、前記光電子センサによって送信された前記信号の前記変化時間イベント群を比較するステップと、前記トランスポンダの前記検出時間イベント群を前記通過時間間隔と比較するステップと、前記出入口を完全に通過した物品を検出するために、検出時間イベント群が前記通過時間間隔内に入るトランスポンダを検出するステップとを更に含むことを特徴とする方法である。
【0012】
本発明の特徴と利点は、これに限定されない例としての下記の唯一ではないが1つの好適な実施形態の記載と添付の図面から、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付の図を参照すると、本発明に係る、区切られた空間の出入口を通過する物品を監視するための装置は、
該出入口の近傍における前記複数の物品に伴う各トランスポンダの存在を検出するために、特定の識別コードを送信する該トランスポンダと通信するのに適合した無線周波数送信手段2と、
該出入口に対応して直列に配置された少なくとも一対の光電子センサ3、4であって、該出入口が空きであると検出するセンサ空き状態を示す第1の信号と、物品が該出入口を通過していることを検出するロックオン又はセンサ係合状態を示す第2の信号とを送信する光電子センサ対とを備える。
【0014】
制御手段5は、該トランスポンダの検出時間イベントとセンサ3、4によって送信された信号の変化時間イベントとを連続的に記録・更新するために、備えられている。制御手段5は、出入口通過時間間隔(T)を検出するために前記信号変化時間イベント群を比較し、出入口を通過したトランスポンダを検出するためにトランスポンダの前記検出時間イベント群を前記通過時間間隔(T)と比較する。
【0015】
本発明の1つの好適な実施形態によれば、本装置は、冷蔵室1の入口及び/又は出口を通過する食品のリアルタイムな監視を実行する。本装置は、該冷蔵室への食品の出入を、食品が利用可能である、すなわち、実際に冷蔵室1に存在するという現在状態を検出することができるように監視することができる。
【0016】
無線周波数送信手段2は、冷蔵室1内に配置された複数の内部アンテナ6を介して電磁信号を送信及び受信するのに適合したRFID(無線周波数識別)部を備える。適当な支持部材7が、出入口を通過しているトランスポンダを検出する該RFID部の内部アンテナ6を収容するために備えられている。これら支持部材7は、冷蔵室1内の該出入口の近くに位置する。特に、図2に示されているように、支持部材7は、冷蔵室1の出入口をその側面において画定する柱の近くに又は柱に対応して配置される。連続的に内部アンテナ6を交互シーケンスで走査することで、RFID部は冷蔵室1の出入口を通過しようとしている候補のトランスポンダに電磁信号を送信する。電磁信号によってエネルギーが供給されたトランスポンダは、各トランスポンダを個別に特定する無線周波数識別コードを連続的にRFID部に送信する。この種のトランスポンダは、当技術分野では、無線周波数タグとして一般に知られている。
【0017】
前記タグは、1つの固有の識別コードが各食品と対応するように冷蔵室1に保存される食品のパッケージに貼り付けられる。
【0018】
下記により詳しく説明するように、プログラミング・ステーション8を介して、タグを貼り付ける食品をより正確に特徴付けるために1セットの情報を各タグと関連付けることが可能である。この情報は、例えば、食品の分類又はカテゴリー、タイプ、及び期限を含んでよい。
【0019】
前記支持部材7は、冷蔵室1の出入口の下部に直列に配置された第1の光電子センサ3と第2の光電子センサ4を更に収容する。本実施形態においては、第1の光電子センサ3は関連する反射体を有する第1の光電セルを備え、第2の光電子センサ4は関連する反射体を有する第2の光電セルを備えている。しかし、例えばピロ電気センサ、半導体センサ、光導電セル、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の他のタイプの光電子センサも使用することができることは、理解されよう。
【0020】
制御手段5は、無線周波数送信手段2に接続され、タグからのデータを連続的に取得し、また、光電子センサ3、4に接続され出入口の状態に関連するデータを連続的に取得する。制御手段5は、これらのデータを処理し、冷蔵室1の出入口を通る通過イベント、すなわち出入イベントを検出し、結果のデータを、冷蔵室内に存在する食品に関する情報を提供するためにデータベースに記憶し更新する。
【0021】
本発明によれば、本装置は、制御手段5に接続された、冷蔵室1のドア10の状態を監視する位置センサ9を備える。制御手段5は、位置センサ9からドア10の開状態を示す信号を受信するたびに、RFID部を作動し、内部アンテナ6を使った検出走査動作を実行する。このセンサは、マイクロスイッチにより構成するのが有利である。
【0022】
RFID部とタグとは、図4に概略を示すように、冷蔵室の出入口付近に広がる検出領域内で通信することが出来る。
【0023】
食品が、例えばトラック又は類似の輸送車両を用いて冷蔵室1に搬入又はそこから搬出される時、検出領域を横切って運ばれる食品に伴うタグは、食品が出入口を通過する時に、該食品が辿る経路に沿ってRFID部によって連続的に検出される。次に、検出中の各タグの識別コードは、各タグが該出入口を通過する時に連続的に制御手段5に送信される。
【0024】
制御手段5は、検出されたタグの識別コードを記憶し、出入口通過イベントの間、タグ検出が実行される時間イベント列全体を一時バッファメモリに記憶し更新する。この時、検出したアンテナを特定する情報も一緒に記憶してもよい。
【0025】
制御手段5は、冷蔵室1のドア10の開状態が続く限り、該バッファメモリ内のタグ検出時間イベント群を連続的に更新する。
【0026】
タグ識別コードがすでに該メモリに存在する場合は、そのタグは冷蔵室内に存在するので、検出時間イベント群が記憶・更新される。
【0027】
制御手段5は、カバーする領域内で冷蔵室1の出入口を物品が通過していることを示す光電子センサ3、4を連続的に監視する。これらの光電子センサ3、4は、出入口の開状態を検出するセンサ空き状態を示す第1の信号と、物が該出入口を通過していることを検出するロックオン又はセンサ係合状態を示す第2の信号とを送信する。制御手段5は、出入口通過イベントと通過する方向とを検出するために光電子センサ3、4からの信号を連続的に監視し処理する。
【0028】
本実施形態においては、第1と第2の光電セルは、例えば、トラック又は類似の輸送車両を用いて食品を輸送するユーザが出入口を通過していることを検出するのに適合している。
【0029】
光電セルは、空きの時は「0」状態信号を、係合すなわちロックオンの時は「1」状態信号を、制御手段5に送信する。光電セルの状態の各変化は、制御手段5によって検出・記録される。次に、制御手段5は、変化が発生した時間イベントを記憶及び/又は更新する。初期の休止状態「0−0」(出入口が空きの状態を示す)の検出から始まって、制御手段5は光電セルの状態の最初の変化と変化が起こっている時間イベントT0とを記録する。第1と第2の光電セルにおいて、例えば、冷蔵室に入る出入口通過イベントの最初のフェーズを示す最初の変化「1−0」(それぞれ第1と第2光電セルの状態)、又は冷蔵室を出る出入口通過イベントの最初のフェーズを示す最初の変化「0−1」が検出されるかもしれない。出入口通過イベント中、制御手段5は、出入口通過イベントが完了しつつあることを示す光電セル状態の最後の変化を記録し該最後の変化が検出された時間イベントT1を記憶するために、光電セルの一連の状態変化と関連する検出時間イベントとを記憶及び/又は更新する。
【0030】
光電セルにおいて1つの変化が最後の休止状態「0−0」を生成した時、すなわち両センサ3、4が更なる変化なしに、センサ空き又は出入口空き状態を示す前記第1の信号を適当な長さの時間送信した時、該変化が最後のものであると見なすことができる。
【0031】
制御手段5は、出入口通過イベントが完了しつつあることを示す光電セルの最後の休止状態「0−0」を識別する。この識別のために、制御手段5は、光電セルの休止状態「0−0」の検出から所定の長さの識別時間間隔T2をカウントする。識別時間間隔T2が経過し、この間、光電セルの状態に更なる変化が検出されなかった場合、休止状態「0−0」は、出入口通過イベントが完了しつつあることを示すセンサ3、4の状態の最後の変化によって生成された最後休止状態「0−0」であると仮定される。次に、制御手段5は、センサ3、4の状態の最後の変化の検出時間イベントT1を記録する。
【0032】
一方、識別時間間隔T2が終わる前に、光電セルの状態の変化が検出された場合は、識別時間間隔T2のカウントは中止され、その変化は、多数の他の変化の1つとして記録される。制御手段5は、新しい休止状態「0−0」を検出し、識別時間間隔T2のカウントを再び開始するために、待ち状態を続ける。
【0033】
このような内容の詳細な実験により、出入口の実際のサイズと光電子センサの相互の配置に依って0.1〜1.0秒の長さの識別時間間隔T2が、効果的にかつ確実に出入口通過イベント完了状態を識別するための上記要件と適合することが分かった。
【0034】
制御手段5は、出入口を入方向又は出方向に通過することに対応して光電セルの状態の最初の変化と、最後の変化の直前の光電セルの状態(一般に制御状態と呼ばれる)とを調べ、出入口を通過する方向を特定する。例えば、光電セルの状態の最初の変化「1−0」(それぞれ第1、第2光電セルの状態)と光電セルの制御状態「0−1」は、冷蔵室の出入口を入方向に通過することに対応している。逆に、光電セルの状態の最初の変化「0−1」(それぞれ第1、第2光電セルの状態)と光電セルの制御状態「1−0」は、冷蔵室の出入口を出方向に通過することに対応している。例えば、完全に通過するのでなく出入口が部分的に占有されている状況のように、上記2つのケースから派生する可能性のある如何なる状況も、確実に物品の搬入/搬出によるものであるとすることができない。従って通過方向を特定することは可能でないため、これらの状況は除外される。
【0035】
なお、制御手段5はRFID部を用いて、出入口の近くにおいてトランスポンダの存在を、光電子センサ3、4の状態とは独立に連続的に監視する。
【0036】
識別時間間隔T2の終了後、制御手段5はどのトランスポンダが出入口を通過し、従って冷蔵室に入ったか又は出たかを判定する前に処理時間間隔T3をカウントする。この判定処理は以下の理由により遅らされる。すなわち、タグ読取り領域が光電子センサ3、4のカバーする領域よりも大きく、出入口を実際に通過した後、すなわち光電セルの状態の最終の変化の検出時間イベントT1から識別時間間隔T2後でもタグが検出できることがあるからである。
【0037】
制御手段5は、冷蔵室に入った又は冷蔵室から出たトランスポンダを検出するために、冷蔵室の出入口を通過する食品に伴うトランスポンダの通過時間イベントTを計算する。
【0038】
この目的のために、制御手段5は、光電セルの状態の最初の変化T0に関連する時間イベントを、時間量ΔTだけ補正することで予測し、出入口通過時間間隔Tの開始とする。上述したように、タグ検出領域が光電セルのカバーする領域より大きく、タグが出入口を実際に通過する前でも、すなわち光電セルの状態の最初の変化T0の前にタグが検出される場合があるという事実のために最初の変化T0をこのように予測する。
【0039】
また、制御手段5は、最後の変化T1の検出時間イベントは出入口通過イベントの完了を識別するために識別時間間隔T2だけ遅延され、更に、タグが出入口を実際に通過した直後であっても該タグが検出されることに対応して処理時間間隔T3だけ遅延され、出入口通過時間間隔Tの実際の終りであるとする。
【0040】
次に、制御手段5は、上述のようにタグ検出時間イベントと出入口通過間隔Tを比較し、検出時間イベントがこの間隔T内に入るタグを選択する。
【0041】
次に、これらのタグは通過イベントと関連付けられ、冷蔵室に搬入又は搬出されたタグとして記録される。
【0042】
これに関して行われた詳細な実験から、出入口の実際のサイズと光電子センサの相互の配置に依って0.1〜1.0秒の長さを持つ時間量ΔTと処理時間間隔T3が、センサ3、4の検出範囲と無線周波数送信手段2の検出範囲の差を適切に考慮した出入口通過時間間隔Tの計算を可能にするのに効果的であると分かった。制御手段5は、任意の時点での冷蔵室内に存在する食品を検出するためにタグ通過イベントに関する情報を記憶し処理する。
【0043】
本発明によれば、本装置は、冷蔵室に保存される食品の種類に関する又はこれをより正確に指定する、追加の全情報をタグ識別コードと関連付けるためのいわゆるプログラミング・ステーション8を更に備える。この種の追加情報は、例えば、食品の種類、重量、保存期間と温度等を含む。プログラミング・ステーション8は、制御手段5、RFID部、冷蔵室の外側に配置された複数の外部アンテナ11、及び少なくとも1つのグラフィック・インターフェイス12を備える。外部アンテナ11を介して、RFID部はプログラミング・ステーション8により指定された読取り位置の近くに位置するタグの存在を検出し、この検出を制御手段5に通知する。次に、制御手段5はグラフィック・インターフェイス12を介して入力された情報を受取り、この情報を外部アンテナ11によって検出されたタグと関連付ける。
【0044】
このタグが、関連する食品とともに冷蔵室1に搬入された時、制御手段5は、タグ識別コードを、関連する食品を特徴付ける追加情報とともに記憶し、これによりタグの存在を上記の手順に従って記録する。
【0045】
グラフィック・インターフェイス12はユーザが制御手段5と対話し、冷蔵室1に保存されている食品についての情報を受取るのを可能にする。
【0046】
本発明の好適な実施形態では、制御手段5は、冷蔵室1が閉じた状態においては、冷蔵室1内の内部アンテナ6は動作せず、プログラミング・ステーション8のアンテナ11だけが作動されるようにアンテナ6、11の走査シーケンスを管理・制御する。反対に、冷蔵室1が開いた状態においては、内部アンテナ6だけが出入口を監視するために作動され、外部アンテナ11は動作しない。
位置センサ9がドアの開閉状態を制御手段5に通知する。
【0047】
ドア10の開閉情報は、整合性のためにタグ検出結果を重複してチェックするためのパラメータとして使用されるのが良い。実際に、RFID部は、冷蔵室1が閉じた状態において内部アンテナ6が行った検出の結果を除外する。
【0048】
区切られた空間に実際に搬入又は搬出される物品を効果的に検出するために、複数のタグが出入口を通過する時に、それらのタグを監視するのを可能にする方法と装置を提供することで、前述の目的及び利点を効果的に達成できることは、上記説明から明確である。
【0049】
本発明の方法と装置は、タグ検出イベントが、タグが関連する物品と一緒に出入口を通過する方向と関連付けられるのを可能にする。
【0050】
また、本発明の方法と装置は、物品が出入口を完全かつ実際に通過し、区切られた空間に搬入又は搬出されるイベントを、完全には通過しなかった物品によって出入口が部分的に占有され、物品が実際には該空間に搬入又は搬出されていないのに搬入又は搬出されたと検出される可能性があるイベントと確実に区別することを可能にする。
【0051】
本発明の方法と装置は、本発明の範囲を逸脱することなく幾つかの修正と他の実施形態が可能であることは、当業者は容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る装置を含む冷蔵室の上面斜視図である。
【図2】出入口に位置する光電子センサと内部アンテナとを示す図1と類似の図である。
【図3】冷蔵室の出入口の立前面図である。
【図4】冷蔵室の出入口の概略平面図である。
【図5】本発明に係る方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0053】
1 冷蔵室
2 無線周波数送信手段
3、4 光電子センサ
5 制御手段
6 内部アンテナ
7 支持部材
8 プログラミング・ステーション
10 ドア
11 外部アンテナ
12 グラフィック・インターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
区切られた空間の出入口を通過する物品を監視するための装置であって、
前記出入口の近傍における前記複数の物品に伴う各トランスポンダの存在を検出するために、特定の識別コードを送信する各トランスポンダと通信するのに適合した無線周波数送信手段と、
各光電子センサが、前記出入口が空きであると検出するセンサ空き状態を示す第1の信号と、物品が前記出入口を通過していることを検出するロックオン又はセンサ係合状態を示す第2の信号とを送信する前記出入口に直列に配置された少なくとも一対の光電子センサと
を備え、
制御手段が、前記トランスポンダの検出時間イベントと前記光電子センサによって送信された信号の変化時間イベントとを連続的に記録/更新するために備えられ、前記制御手段は出入口通過時間間隔を検出するために前記信号変化時間イベント群を比較し、前記出入口を完全に通過したトランスポンダを検出するためにトランスポンダの前記検出時間イベント群を前記出入口通過時間間隔と比較することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記無線周波数送信手段は、前記区切られた空間内に配置された複数の内部アンテナを介して電磁信号を送受信するのに適合したRFID部を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
支持部材が、前記区切られた空間の出入口を通過しているトランスポンダを検出することができる前記RFID部の内部アンテナ群を収容するために備えられていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記一対の光電子センサは、第1の光電セルと第2の光電セルを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御手段は、物品が前記区切られた空間内に存在することを検出するために前記出入口を通過するトランスポンダの識別コードを記憶するのに適合していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、各トランスポンダの識別コードと該トランスポンダが付されている物品に関する追加情報とを関連付けするプログラミング・ステーションを備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の装置。
【請求項7】
前記プログラミング・ステーションは、前記制御手段と、前記RFID部と、前記区切られた空間の外側に配置された複数の外部アンテナと、少なくとも1つのグラフィック・インターフェイスとを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の装置。
【請求項8】
前記RFID部は、前記外部アンテナ群を用いて前記プログラミング・ステーションの近傍に位置するトランスポンダの存在を検出し、該検出を前記制御手段に通知するのに適合し、前記制御手段はグラフィック・インターフェイスを介して入力される情報を受取り、該情報を前記外部アンテナ群により検出されたトランスポンダの識別コードと関連付けするのに適合していることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記グラフィック・インターフェイスは、前記区切られた空間内にあるトランスポンダの識別コードと関連付けられた情報が表示されるのを可能にするために前記制御手段と対話することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記制御手段に接続された位置センサが、前記区切られた空間を閉じるドアの状態を監視するために備えられていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の装置。
【請求項11】
前記制御手段は、冷蔵室が閉じた状態において、該冷蔵室内の前記内部アンテナ群は動作せず、前記プログラミング・ステーションの前記外部アンテナ群だけが作動するように前記内部及び外部アンテナの走査シーケンスを管理し、反対に、前記冷蔵室が開いた状態において、前記内部アンテナ群だけが出入口を監視するために作動し、前記外部アンテナ群は動作しないことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れかに記載の装置を備える冷蔵室。
【請求項13】
区切られた空間の出入口を通過する物品を監視するための方法であって、
前記出入口の近傍における前記複数の物品に伴う各トランスポンダの存在を検出するために、特定の識別コードを送信する各トランスポンダと通信するのに適合した無線周波数送信手段を提供することと、
各光電子センサが、前記出入口が空きであると検出するセンサ空き状態を示す第1の信号と、物品が前記出入口を通過していることを検出するロックオン又はセンサ係合状態を示す第2の信号とを送信する前記出入口に直列に配置された少なくとも一対の光電子センサを提供することと
を含み、
前記トランスポンダの検出時間イベントと、前記光電子センサによって送信された信号の変化と、該変化の時間イベントとを連続的に記録・更新するステップと、
前記光電子センサによって送信された前記信号の変化群を比較し、実際に前記出入口を通過している物品との一致を検出するために該変化群をチェックし、前記出入口を通過している方向を検出するステップと、
前記物品が前記出入口を完全に通過するのに要した通過時間間隔を検出するために、前記光電子センサによって送信された前記信号の前記変化時間イベント群を比較するステップと、
前記トランスポンダの前記検出時間イベント群を前記通過時間間隔と比較するステップと、
前記出入口を完全に通過した物品を検出するために、検出時間イベント群が前記通過時間間隔内に入るトランスポンダを検出するステップと
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記光電子センサからの前記信号の空き出入口状態からの最初の変化と該最初の変化の時間イベントとを記録することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
出入口通過が完了したことを示す、前記光電子センサの前記信号の最後の変化であって、両方の前記光電子センサは該変化から少なくとも所定の長さの識別時間間隔の間、前記第1の信号を送信する、最後の変化を記録するために、
前記光電子センサからの前記信号の変化のシーケンスと、前記最初の変化の時間イベントから始まる関連する変化時間イベント群とを記録/更新し、前記最後の変化の時間イベントを記憶することを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光電子センサからの前記信号の変化であって、該変化から両方の前記センサは前記第1の信号を送信する、変化を記録するステップと、
前記変化から所定の長さの識別時間間隔をカウントするステップと、
前記識別時間間隔が終了し、前記光電子センサからの前記信号の更なる変化が検出されなかった場合、前記変化を前記光電子センサからの前記信号の出入口通過が完了したことを示す最後の変化として記憶するステップと、
前記識別時間間隔が終了時に、前記最後の変化の時間イベントを記憶するステップと
を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記識別時間間隔が終了する前に、前記光電子センサからの前記信号の変化が検出された場合、前記識別時間間隔のカウントを中止するステップと、
該変化を記憶するステップと
を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記出入口を入/出どちらの方向に完全に通過したかを検出するために、前記最初の変化時と、前記最後の変化の直前に前記センサから送信された前記信号をチェックするステップと、
前記信号に基づいて検出された物品が前記出入口を通過した方向を特定するステップと
を含む請求項13乃至17の何れかに記載の方法。
【請求項19】
無線周波数送信手段の検出範囲が前記光電子センサの検出範囲より大きいことに対応して、前記識別時間間隔が終了後に、処理時間間隔をカウントするステップを含む請求項13乃至18の何れかに記載の方法。
【請求項20】
無線周波数送信手段の検出範囲が前記光電子センサの検出範囲より大きいことに対応して、前記最初の変化に関連する時間イベントを、所定の時間量だけ補正することで予測し、出入口通過時間間隔の開始であるとするステップと、
無線周波数送信手段の検出範囲が前記光電子センサの検出範囲より大きいことに対応して、前記最後の変化の検出時間イベントは、識別時間間隔だけ遅延され、更に、処理時間間隔だけ遅延され、前記出入口通過時間間隔の実際の終りであるとするステップと
を含む請求項13乃至19の何れかに記載の方法。


【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−15861(P2007−15861A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−186881(P2006−186881)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(506115477)エレクトロラクス プロフェッショナル ソシエタ ペル アチオニ (3)
【Fターム(参考)】