説明

医学的データ信号処理システム

人または動物の身体から得た身体の器官に関する医学的信号データを処理し、注意を喚起する被処理データの図形表示を行う医学的信号処理システムを提供する。本発明一例の医学的信号処理システムは、人または動物の心臓から得た医学的信号データを処理し、そして注意を喚起する被処理データの図形表示を行う医学的信号処理システムであって、1つ以上のECG信号を入力する医学的信号データ入力部と、図形ディスプレイと、前記データ入力部及び前記ディスプレイに接続した信号プロセッサと、を有し、前記信号プロセッサが、前記器官における空間的位置に関連した医学的信号データを入力し、前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも1つの測定を行って測定データを得、前記測定データから、前記測定が正常であるか異常であるかを決定し、そして前記心臓の図形表示において、前記決定に対する異常性に応じて前記信号データの関連する心臓の壁における前記空間的位置における異常を図形表示する、ように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学的データ信号処理装置、方法及びコンピュータプログラムコードに係わり、特にECG(心電図記録法)データの処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓及び循環系の疾患は、英国の最も大きな死亡原因であり、例えば2002年英国における死亡原因の39%に達すると報告されている。欧州において、臓血管の疾患(それの主なものは冠状動脈心臓疾患すなわち虚血である)で、毎年ほぼ200万人が死亡している。欧州における健康対策の経費は年1兆ポンドに達している。
【0003】
患者が病院に入ると、一般的には観察下に置かれる。通常、患者は看護師のような専門医でない健康専門職員によって監視され、時々専門の臨床医(医師や専門医)が訪問している。普通、患者からのECG信号はビデオディスプレイに及び/又は紙上における1つ以上の記録として表示されるが、これらの信号を分析することは困難である。
【0004】
商業的な心臓監視システムは通常、1つ又は3つのECG信号(リード)を監視し、特に重症な場合には、ECG信号を得るのに12個のリード/電極形態が使用される。1つ以上のチャンネルがある場合でも通常、分析が困難であるために、1つだけのチャンネルが監視される。潜在性の虚血を検出するために、ECGトレース(軌跡)のSTレベルは検証される(これは以下に更に説明するように、心臓疾患信号の2つの部分間の電圧の差である)が、しかしSTレベルを精確に決めるのはしばしば困難である。非専門者にとって専門医を呼ぼうかどうかを決めることは更に難しく、そしてこの決定には人の判断の誤りが伴う。
【0005】
そのため、非専門者にとっては医師や専門医を呼ぼうかどうかを決めるのに役立つ道具の必要性がある。これに反して従来の研究は、効果的に使用するには専門医の経験を必要とする装置(例えば特許文献1;米国2005/00389352)及び病理学上の心臓状態の自動検査用のアルゴリズムの開発に集中していた。心臓の3D局所モデルとしてECGデータを表示するシステムは特許文献2(米国特許第6,694,178号)に記載されているが、これでもなお専門分析が必要である。更に、背景技術は下記の文献に見出すことができる。
【非特許文献1】Packing and Clinical Electrophysiology Vol.21、6号、1998年6月(米国)、L Gepstein & S J Evanss著、“Electroanatomical mapping of the heart: basic concepts and implications for the treatment of cardiac arrhythmias” pp.1268‐1278。
【非特許文献2】IEEE Transactions on Medical Imaging Vol. 21、9号、2002年9月、B Tilg等著 “Model−Based Imaging of Cardiac Electrical Excitations in Humans”pp.1031−1039。
【特許文献1】米国特許2005/00389352号
【特許文献2】米国特許第6,694,178号
【特許文献3】米国特許第4,846,190A号(John)アブストラクト、第3欄、第4欄、第12欄、第14欄、第15欄及び図3、図6、図8、図9参照。
【特許文献4】米国特許第4,579,125A号(Strobl等)アブストラクト、第3欄、第4欄、第8〜10欄及び図4B参照。
【特許文献5】米国特許第4,862,359A号(Trivedi等)アブストラクト、第11欄、第12欄、及び図5、図7参照。
【特許文献6】米国特許第6,694,178B1号(Soula等)アブストラクト、第5欄、第10欄、及び図14参照。
【特許文献7】日本国特許第05137702A号(シャープ)、EPODOC及び要約書参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、人または動物の身体から得た身体の器官に関する医学的信号データを処理し、注意を喚起する被処理データの図形表示を行う医学的信号処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本システムの1例は、医学的信号データ入力部と、図形ディスプレイと、前記データ入力部及び前記ディスプレイに接続した信号プロセッサとを有し、前記信号プロセッサは、前記器官における空間的位置に関連した医学的信号データを入力し、前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも一つの測定を行って測定データを得、前記測定データから、前記測定が正常であるか異常であるかを決定し、そして前記心臓の図形表示において、前記決定に対する異常性に応じて前記信号データの関連する前記空間的位置における異常を図形表示するように構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、人または動物の身体から得た身体の器官に関する医学的信号データを処理し、そして注意を喚起する被処理データの図形表示を行う医学的信号処理システムが得られる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本システムの実施形態では、図形表示した情報は、器官の1つ以上の特別の病理学的状態、例えば心臓の場合には虚血に関するものであり、そして情報は表示した器官に関する診断情報であるので、専門医でない看護師や技術師にとって専門医の意見を求めるべきかどうかを容易に特定できる。
【0010】
本システムに供給する医学的信号データは、直接患者から、例えば患者に取り付けた電極からか、或いは中間信号取得機器を介して入力できる。測定は、医学的信号データ又はかかるデータから導出したデータ、例えば平均信号に基づいても直接実施され得る。実施形態では、測定結果が正常であるか異常であるかの決定は、測定値を閾値(絶対値か又は相対/標準値)と比較することによって行われ得、及び/又は例えば電極からの信号に関連した病理学的な状態の存在を特定するのに1つ以上の規準が適用され得る。
【0011】
好ましくは、測定値が正常であるか異常であるかを決める際に、例えば時間表示窓に正常結果に対して閾値数以上の異常結果があるかどうかを決めるのにフィルターを使用することによって有効性操作が適用される。そこで本システムの実施形態では、図形上に異常表示の現われる入力データにおいて時間相関分析が行われる。
【0012】
幾つかの好ましい実施形態では、ディスプレイは単に、測定において異常が特定されそして任意ではあるが確認された時に表示するだけである。異常の決定は、異常の重大性すなわち厳しさに応じて測定値を分類でき、また図形表示はそれに応じて例えば色でコード化され得る。好ましくは、異常の図形表示はまた、測定履歴に相応する。それで例えば、(確認された)異常が過去には存在していたがもはや存在していない場合に、このことはディスプレイに示される。
【0013】
このようにして、遷移事態は連続して監視することなく検出され得る。実施形態では、異常の図形表示はまた、例えば時間の経過につれて及び/又は異常の厳しさに応じて成長する“問題”領域(線又は面積)をディスプレイ上に表示することによって、異常の継続時間を表示する。
【0014】
好ましい実施形態では、入力医学的信号データは、器官における相応した多数の空間的位置に関連した多数の信号を備えている。例えば、ECG信号が多数の電極(“リード”)から取得される場合には、これらの電極は、通常、標準の位置に配置され、各電極からの信号が心臓の壁における位置に描かれるようにされる。これらの位置は周知であり、種々の数のリードについて表にされる。
【0015】
このような場合に、図形ディスプレイは好ましくは各信号について、信号を導出する電極(又は他の取得手段)に関連した器官における関連した空間的位置(非標準位置も表にされ得る)に異常の図形表示を示す。好ましくは、データは、器官の2D又は3D表示に図形で表示され、関連した位置における色の成長する領域として電極から信号における異常及び電極位置を示す。
【0016】
多数の信号が処理される場合には、1つの信号についての図形異常表示は、1つ以上のその他の信号についてなされた測定に応答し得る。従って、一般的に言えば、2つ以上の入力信号が異常を示した時に、比較的厳しい問題の表示が示され得る。
【0017】
ある特殊な実施形態では、格子が設けられ、この格子上に、異常信号は、異常の図形表示で占められる格子位置の数の増減によって、任意ではあるがまた各格子位置の色を変えることによって、信号を表にする器官上の位置に表示される。この解決法では、任意の特定の格子位置における図形表示は、1つ以上の近接位置における図形表示に対応し得る。
【0018】
これは、多数の繰り返しを実行することによって各被処理信号について正常/異常の決定から格子上の各位置に対する値を決めることによって達成され得、各繰り返しにおいて格子部位の値は、その部位の最新の状態/レベル、隣接部位のレベル/状態、その部位の状態/レベルの履歴、隣接部位の状態/レベルの履歴、及び任意ではあるがその他のパラメータの1つ以上によって決められる。
【0019】
広義に言えば、実施形態では、この解決法では、結果として領域は器官の表示画像における各信号空間的位置から広がり、異常状態が持続する際には拡がり続け、そして異常状態が止まると再び縮小する。収縮する状況では、過去の異常を表わすのに異なる色が使用され得る。2つの成長する領域が合わさる場合には、それらの領域は互いに相互に強調してより大きな厳しさを示し得る。
【0020】
本システムの幾つかの好ましい実施形態では、器官は心臓から成り、医学的信号データは1つ以上のECG信号から成る。これら信号の処理結果は、心臓の壁の二次元又は三次元図形表示における相応した空間的位置(一般的には標準位置)に表示される。例えば、心臓の2D図は、心臓を通る垂直前面及び心膜面の少なくとも1つ以上を備え得る。2D表示の場合、異常状態は線で表示され得、この線の長さは異常の程度又は継続時間に応じて成長又は縮小し、心臓の3D図では、異常は心臓の壁における成長又は縮小する領域で表示され得る。
【0021】
虚血用の警戒システムでは、測定は好ましくはSTレベル測定(上昇又は降下)から成る。これは、閾値(絶対値か又は等電基線から百分率変化)と比較されて、測定が正常であるか異常であるかどうかを、更に任意ではあるがどの程度であるかを決めることができる。
【0022】
本システムの好ましい実施形態は、医学的信号データの実時間処理及び相応した図形異常表示用に構成され、患者の実時間監視を容易にしている。しかし、好ましくは、本システムはまた、例えば過去に異常が生じていたが間違いであったことが見られる場合に、データ再生及び分析を容易にするために、医学的信号データ、測定データ及び被表示図形データの1つ以上を記憶するデータ記憶装置を備えている。代わりに、本システムは、単に例えば研究道具として取得したデータを後処理するためにオフラインで用いることができる。
【0023】
好ましくは、信号プロセッサは、マイクロプロセッサ及びプロセッサ制御コードを記憶するプログラム記憶装置を備え、それで信号プロセッサは、マイクロプロセッサによるコードを実行するように構成される。広義では本システムは、埋め込みPC又はDSP(デジタル信号プロセッサ)のような任意の従来のデータ処理システムにおいて実施され得る。
【0024】
しかし、実質的に実時間で多くの信号を処理することになる場合には、例えばASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(利用者書き込み可能ゲートアレイ)を用いてハードウエアにおいて信号処理の幾つか又は全てを実行するのが好ましい。
【0025】
本発明は更に、上述のように本発明を実施する信号プロセッサを構成するためのプロセッサ制御コードを提供する。このコードは、一般に、読取り専用記憶装置のような磁気及び/又は光学ディスクプログラム記憶装置のようなデータキャリア、又は光学又は電気信号キャリアのようなデータキャリアに設けられる。
【0026】
コードは、任意の従来のプログラム言語のコード、例えばVisual Basic(商標)すなわちC、或いはASIC又はFPGAを設定又は制御するコード、或いはVriLog(商標)又はVHDLのようなハードウエア記述言語用のコードを備え得る。当業者には認められるように、かかるコードは、互いに連通する多数の結合構成要素間に分布され得る。
【0027】
別の特徴において、本発明は、システムが医学的信号データ入力部と、図形ディスプレイと、前記データ入力部及び前記ディスプレイに接続した信号プロセッサとを備え、人または動物の身体から得られしかも前記身体における器官に関連した医学的信号データを処理し、そして医者又は専門医を呼び寄せるために注意を喚起する被処理データの図形表示を行う方法を提供し、この方法は、前記器官における空間的位置に関連した医学的信号データを入力すること、前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも1つの測定を行って測定データを得ること、前記測定データから、前記測定が正常であるか異常であるかを決定すること、及び前記器官の図形表示において、前記決定に対する異常性に応じて前記信号データの関連する前記空間的位置における異常を図形表示することを含む。
【0028】
本発明は更に、例えば上述のように、前記方法を実施するために、特にキャリアにおけるプロセッサ制御コードを提供する。
【0029】
更に別の特徴において、本発明は、患者の内部器官の画像を取り込む画像取り込みシステムと、前記患者の前記画像器官から医学的信号データを取り込みそして前記取り込んだ医学的信号データを処理して異常を(自動的に)特定する医学的信号処理システムと、前記画像取り込みシステム及び前記医学的画像処理システムに結合し、前記異常の図形表示と共に前記内部器官の画像を表示する画像ディスプレイシステムとを有する医学的画像ディスプレイシステムを提供する。
【0030】
好ましくは、内部器官は人又は動物の心臓から成り、また取り込んだ医学的データ信号はECGデータから成る。実施形態において、信号処理システムは、取り込んだ医学的信号データの1つ以上の特徴を測定すること及び標準のような基準と比較することによって、取り込んだ医学的信号データを処理(分析)するように構成される。好ましくは、医学的信号処理システムは、心臓の虚血異常及び心臓の律動の変化(不整脈)の一方又は両方を特定するように構成される。幾つかの特に好ましい実施形態では、画像取り込みシステムはX線透視画像形成システムから成る。
【0031】
本システムの幾つかの好ましい実施形態は、特にアンジオプラスティ(angioplasty)に有効である。X線透視画像形成中にコントラスト剤が注入される。通常、コントラスト剤の注入まで心臓はぼんやりした図で表わされ、カテーテルははっきりした図で表わされる。カテーテルは動脈を少なくとも部分的に塞ぎ得るので処置中ECG信号を監視するのが望ましく、そしてこれはX線像においてははっきりと見ることができない。
【0032】
本システムの好ましい実施形態では、器官の図形表示上か又は画像器官自体上における異常の図形表示は内部器官(心臓)の画像と共に表示される。これにより、手術を行う外科医は潜在的にECG信号を容易に監視できる。好ましくは器官の図形表示における異常の図形表示は、例えば並置したディスプレイスクリーン上に又は分割スクリーンディスプレイを用いて器官の画像の近くに表示され得るか或いは重ね合わせてすなわち融像技術によって融像して表示できる。
【0033】
2つの画像の融像は、X線透視(又はその他の)画像形成システムが通常画像図を画定するXY(及び任意ではあるがZ)座標系を形成するので、比較的真っ直ぐな仕方で行われ得る。多くの画像形成システムにおいて、システムの構造及びシステムに対する患者の位置は画定され既知である。更に又は代わりに、この情報は画像ターゲットにおける1つ以上の基準マークから得られ得る及び/又は制御装置(ジョイステック)のような操作制御装置によって調整され得る。任意ではあるが、異常の図形表示(任意ではあるが器官の図形表示における)は画像取り込みシステムで取り込んだ図に対応するように代えられ得(そしてディスプレイに表示され得る)。こうして、2つの画像(異常及び画像器官)は互いに追従し得る。
【0034】
医学的画像形成システムは殆ど常にコンピュータ制御され、そして座標データは、ネットワーク接続のような外部接続によって都合よく得られ得る。しかし、本システムの実施形態では、情報(画像及び/又は位置データ)は、画像形成システムの画像出力又はビデオから、例えばフレーム・グラッバ及び必要ならば文字認識によって取り込まれ得る。
【0035】
これにより、インターフェース操作は簡単となり、また幾つかの画像形成システム、特にネットワーク接続なしのシステムとの適合性が改善される。従って、実施形態では、本システムは、前記画像形成システムからのビデオから画像及び/又は座標データを得るシステムを備えている。
【0036】
上述のように、医学的信号処理システムは、心臓律動における虚血変化及び/又は急激な変化に限定するものでないがそれら変化を含む変化を特定し得る。本システムの幾つかの実施形態では、医学的信号処理システムは、異常を特定させるために内部器官の取り込んだ画像を用いる。
【0037】
一層、特に、心臓の場合には、取り込んだ、例えばX線透視画像は、カテーテルの位置、例えばカテーテルが心臓の左側又は右側に近づいているかどうかを特定するのに用いることができる。心臓の“クロック”は右心房心室にあるので、特定した異常は、外科医が右から近づく際には律動変化であり得、また外科医が左から近づく際には虚血変化であり得る。
【0038】
更に一般的には、異常の検出は、医療処置の施されることになる被画像器官の領域に応じて一層感応性にでき、それで、例えば律動の変化に対する感度は、外科医が心臓の右側で処置している時には増大され得、及び/又は外科医が心臓の左側で処置している時には低減され得る。虚血変化に対する感度は、同様に、処置の行われる被画像器官の領域すなわち側に応じて変動し得る。
【0039】
また、一般的には、取り込んだ医学的信号データが被画像器官の種々の領域に関連したデータを備えている場合には(典型的にはECGデータでの場合のように)、医者が処置している領域における異常は、殆ど医者によって生じられ、従って、異常決定の感度は、医者が処置している領域に関連した信号に対する感度を、器官のその他の領域からの信号に比較して増加(又は減少)するように調整され得る。
【0040】
本発明は更にまた医学的データを表示する方法を提供し、この方法は、画像取り込みシステムから、患者の内部器官の画像を表わす取り込んだ画像データを入力すること、前記患者の前記内部器官から医学的信号データを入力すること、前記医学的信号データを処理して異常を特定すること、及び前記患者の前記内部器官の取り込んだ画像を前記異常の図形表示と共に表示することを含んでいる。
【0041】
本発明は更に、例えば上述のように、前記方法を実施するために、特にキャリアにおけるプロセッサ制御コードを提供する。
【0042】
更に別の特徴において、本発明は、多数の心拍周期を含んだ時間表示窓内でECG信号から導出した信号の最大値又は最小値を特定すること、前記最大値又は最小値の振幅範囲内において前記時間表示窓内で前記信号の他の部分を決めることによって前記時間表示窓内の導出したECG信号のピークを特定すること、及び前記ピークを用いて時間整列した前記多数の心拍信号からの信号を平均することで前記時間表示窓に対する平均心拍周期を決めることを含む、ECG信号から心拍信号を決定する方法を提供する。
【0043】
ここで、用語“ピーク”は谷を包含し、すなわちピークは正でも負でもあり得る。好ましくは平均することは“自己相関”を含む。ECG信号から導出した信号は好ましくは、雑音低減のためにECG信号をろ波する形態であるが、(ECG信号の源によっては)入力信号を直接用いることができる。
【0044】
本方法は、まず第1に結合信号を取り込み、そして本方法を適用して母の心拍信号(大きいので最初に得られる)を特定し、これを引き算し、そして本方法を再び適用して胎児の心拍信号を決定することによって母の心拍から胎児の心拍を区別するように繰り返し適用され得る。双子の場合でも1つの胎児心拍が支配的である傾向があるので、この方法は、複数の胎児が存在する場合にも使用でき、繰り返して(反復して或いは帰納的に)適用して各胎児の心拍信号を決定できる。1つ又は複数の取り出した平均心拍周期に対してST分析のようなデータ分析が加えられ得る。
【0045】
本発明の上述の特徴は任意の順序で結合され得る。本発明は更に、例えば上述のように、前記方法を実施するために、特にキャリアにおけるプロセッサ制御コードを提供する。
【0046】
本発明は更に、ECG信号入力部(デジタルデータ入力部であり得る)、プロセッサ及び上記の方法を実施するプロセッサをコード化する記憶コンピュータプログラムコードを備えた医学的信号処理システムを提供する。
【0047】
以下、単に例として添付図面を参照して本発明のこれら及びその他の特徴について更に説明する。
【0048】
広義において、虚血のような特殊な病理学的心臓状態を自動検出するシステムについて説明する。本システムの実施形態は、ECG電極から入ってくる信号を監視し、これらの信号は、例えば米国心臓学会及び/又はカナダ国心臓学会のガイドラインで推奨されているように虚血(及び/又はその他の病理学的心臓状態)の徴候を早期に検出するために、空間的及び時間的相関を両方において実時間観察において分析される。
【0049】
本システムによって病理的状態が検出され確認されると、心臓の図形表示は、状況の厳しさに従って徐々に変化し、患っている心臓の病理学的部分を明瞭に指示する。
【0050】
これは、動的プロセスであり、システムの実施形態は、心拍状況の展開をスクリーン上で分析でき、表現でき、示すことができる。好ましくは、警告レベルが直ちに対処する必要があるほどに深刻であると決定されると、音響警告が発せられる。患者が家にいる場合には、緊急電話(又はその他の警報)が自動的になされ得る。
【0051】
これにより、もしかすると致命的な状態の早期及び適時診断が促進され、救命でき、早期診断は、早期に処置に入ることができ、生存及び回復の可能性が高まる。更に、実施形態において簡単で直観的出力を結合したシステムの自動検出能力は、専門医でない健康管理者が患者を監視し、必要な時に専門医を呼ぶことで迅速に対応できようにし、従って健康管理システムにおいて利用可能な、一般的に不足している手段を最適に使用できるようにしている。
【0052】
本システムの好ましい実施形態について詳細に説明する前に、操作の概要について説明する。
【0053】
初めに、例えば標準機器によって1組のECG信号が取得され、そして雑音低減のために従来のようにろ波され、通常、かかるろ波は、50Hz又は60Hzの狭帯域カットフィルターを適用して格子主ピックアップを減衰し、一般的に3Hz〜30Hzの重要な周波数以上にバンドパスフィルターを適用し、そして全てのDCオフセットを除去することを含む。その後、平均心拍周期信号を決定する操作を開始する。
【0054】
最初の段階として、(例えば任意にユーザーが調整できる5秒のような既定値によって)動くか又は連続して入力に加えられる時間表示窓が画定され、そしてこの窓内におけるピーク(最大値又は最小値)が同定される。例えば10%未満までの範囲内のその他のピークも、窓内で同定され、そして好ましくは、タイミング条件を適用すること、例えば2つのピークの分離が100msのような窓未満場合を避けるようにピークを選択することによってろ波される。
【0055】
疑わしい場合には、ピークを除去して警報するために主に良好なデータを用いることを保証することができる。その後、実際に時間表示窓内で信号を重ね合わせるように基準点として特定ピークを用いることによって平均信号形態を決めるのに自己相関手続が用いられる。ここで“ピーク”は負のピークすなわち谷を含む。
【0056】
1組の取り込みECG信号の1つのチャンネルに対する時間同期化を用いて、平均信号形態を決めるために各チャンネルに対して1組の心拍周期信号をオーバーラップするように各チャンネルについて信号を時間整列できる。これは、全てのECG信号が同期しているからである。
【0057】
上記の手順の出力は各チャンネルに対する平均心拍信号である。かかる信号の1例を図1に示す。図1に示す電気信号は患者の心臓(例えば標準の12リードECGにおけるリード1について)で発生される。
【0058】
通常、信号は、P波、QRS複素波、T波及びU波と呼ばれる多数の“電気的”波を有している。QRS複素波は、J点から始まるいわゆるSTセグメントによってT波に結合される。等電レベルに対応するJ点の上昇/下降は、異常臨床状態の標識として用いられ得る。
【0059】
母及び赤ちゃんの場合には、平均母信号は結合した取得信号から引き算され得、そして手順を再度適用して赤ちゃんの信号を決める。これは双子の場合に繰り返され得る。
【0060】
図1を参照すると、点Qの直前に等電床として知られた小さな平坦な領域が存在し、等電信号は、最小値Qを(例えば最初に最大値Rの位置を決めることによって)特定し、そしてQ前の40m秒のような時間間隔(既定、ユーザーが調整可能)で信号のレベルを測定することによって、取得波形から決めることができる。
【0061】
再び図1を参照すると、STセグメントは、Sの直後に小さな平坦な領域を備え、この領域のレベルは、点Sを見出し、そして時間遅延、例えば30m秒(既定、ユーザーが調整可能)前方へ動かすことによって決めルことができる。
【0062】
STレベルと等電床レベルとの差はSTレベル(上昇又は下降)で知られており、そして電圧差として測定され得る。しかし、医師は紙(図1の挿入図)におけるECGトレースを見るのに用い、その場合、STレベルはミリメートルで示されている。
【0063】
これは、トレースがしばしばY軸線における1cmを0.5mVとし、またX軸線おける1cmを200m秒としてグラフ紙に描かれ得る、図1の挿入図を参照する。
【0064】
STレベルが正常であるかどうかを決定するために、STレベルは絶対閾値と比較され得、或いは信号が小さい場合にはピーク信号レベルに対する百分率変化としてレベルが決められる。上記の手順は好ましくは各ECG信号チャンネルについて実施される。代わりに他の従来のアルゴリズムを使用してもよい。
【0065】
次に、図形表示を行うために各ECG信号チャンネルによってなされるSTデータの流れの処理の概要について説明する。
【0066】
セットアップ手順は、心臓の図形表示に対するECGリード位置を写像する。図2及び図3には、3D心臓画像及び2D心臓断面上にそれぞれ12リードECG信号取得(取り込み)のリード位置(矢印)(又はいっそう精確にはリードが写像する位置)を示している。
【0067】
使用した座標系は、好ましくは、心臓の図形表示の座標系であり、既定位置を有する各リードに関連して表が設けられる。各リードは、表におけるデータを更新する医師によって望ましくクリック及びドラッグ位置決めされ得るアイコン(例えば“V1”など)として表示される。
【0068】
好ましくは、表示部分画像の輪郭も、自動的に、半自動的に(ユーザーが介入して)、又は手動的に画定され、ECG信号から導出したデータが写像されることになる画像の境界を画定することによって後続の図形処理を容易にしている。
【0069】
三次元座標系が使用され、表示のために二次元に投影され得るが、しかし、好ましくは速くするために、三次元器官の表示であるが、表示画像は実際には二次元である。初期セットアップは、例えば画像の回転を容易にするために、三次元で行われ得、そして以下に説明するように変化する図形表示を行うために二次元に投影され得る。
【0070】
この手順の結果、心臓の図形表示がこの表示に対する1組のリード位置と共に二次元及び/又は三次元でスクリーンになされ、心臓の壁(外側から又は断面で)における電極位置を示している。この形式の表示は、臨床的に意義があるので有用である。好ましくは二次元格子は(見えないが表示に重なって)画定され、そしてシステムはこの解像度の低減した座標系において機能し、処理を迅速にできる。従って好ましくは、リード位置は最も近い格子位置に配置される。
【0071】
広義には、各リードに対するSTデータは格子を用いてリード位置(リード位置に最も近い格子位置)に表示される。しかし、他の実施形態では、心臓の図形画像は、例えば心臓の3D表示/画像に直接、局部の色変化を施すことによって、直接変更され得る。
【0072】
各ECG信号に対して、システムは、信号が維持用であるかどうかを決定し、一層特に、多数の予め画定した(既定、ユーザー調整可能の)STレベル範囲に応じて信号に多数の警告レベルの1つを割当てる。好ましくは、妥当性確認時間表示窓(例えば90秒の既定で例えば10秒〜3分の間でユーザー調整可能)を使用することにより、擬似事象を除去するのにフィルターが用いられる。1つの実施形態では、チャンネルにおける異常は、そのように“妥当性確認”なされるためにこの時間表示窓より長く続かなければならない。
【0073】
別の実施形態では、異常事象(心臓周期信号の異常STレベル)を例えば正(例えば+1)として、また正常事象を負(−1)として計数するカウンターが設けられ、問題は、(好ましくはユーザー調整可能な)閾値が時間表示窓内に達する場合に、確認される。
【0074】
異常事象が確認される場合には、事象(警告)の重大性は、1つ以上の道具又は閾値を適用することによって決定され得る。例えば1つの信号のSTレベルの上昇は1mm以上の場合に警報を発し、0.5mm〜1.0mmである場合には注意を促し得、2mm以上のSTレベルの降下は警告を発し、1mm〜2mmの降下は注意を促し得る。代わりに、百分率変化を使用して“警告”(異常)の重大性すなわち厳しさを決定してもよい。
【0075】
確認した異常は、例えば色(注意の場合にはオレンジ色、警告の場合には赤色)及び大きさを用いて、その異常の重大性に応じて図形で表示される。重大な警告の場合、音響信号が発生され及び/又は“緊急”又は“医者を呼べ”のようなメッセージが表示され及び/又は医者への自動呼出しがなされ得る。
【0076】
器官の図形表示と同様に、各ECG信号は、正常及び異常範囲がマークされる線上に表示され得(棒グラフ型異常表示)、及び/又は1つ以上の平均化ECG信号が異常に応じてカラーコード化して表示され得る(図6)。
【0077】
1つ以上のECG信号のSTレベルの検出した異常の図形表示を行うために、上記の格子は、各格子点の最新の状態/レベル、隣接する点のレベル、その部位及び隣接する部位の履歴の(重み付けした、動く)平均を決めるために好ましくは使用され得る。2D(又は変形例では3D)格子は、順に各部位について該部位についての新しいレベルを決めるために走査される。実際の電極点は周囲の部位と平均化されない(しかし、周囲の部位はそれらの平均において実際の電極点を考察しない)。
【0078】
この手順の効果は、一組のアクチュエータがシート材料を上昇するすなわちこれらの位置の周りの格子点のレベルが実際に高まるにつれて、リード位置における一組のアクチュエータでシート材料(格子)を徐々に上昇させ、アクチュエータ(電極点におけるSTレベル)が下降するにつれて再び下降するようにたとえられ得る。この手順によって、結果として検出した異常の持続/レベルで成長する格子の領域を作ることになり、また2つの領域が結合する場合には、相互に強調されることになる。
【0079】
1つの好ましい実施形態では、各格子点の色は、その部位の(重み付けした動く平均)計算したレベルに基づいて、例えば正常(電極)部位については緑色を用いて、注意範囲についてはオレンジ色を用いて、また危険範囲については赤色を用いて決められる。レベルが正常の範囲に戻ると、好ましくは、以前の異常を示すのに緑色に代わって紫色のような別の色が用いられる。
【0080】
好ましくは、注意表示はヒステリシスの程度と結合する。従って、好ましくは、警告レベルが“十分に低く”降下すると、部位が非警告状態(紫色/状態)に自動的にリセットされ、一方警告レベルがこの最小閾値レベル以上に上昇すると、部位は色(例えば緑色から黄色に)を変化するように設定された閾値があるが、しかし、レベルが閾値レベル以下である場合には、警告レベルはゼロに戻るようにされる。これにより、十分厳しいレベルにある場合にのみ、警告が“設定”されるようにシステムにヒステリシスが与えられる。
【0081】
この格子データ及び/又はこの格子データから導出されるデータは、好ましくは、被記録パターンを再生することにより過去の事象の分析を容易にできるように、履歴データベースに記憶される。図4(a)(b)(c)には、心臓の3D画像及び異常の重ね合った図形表示の時系列を示し、図5には、心臓の断面図の2D画像及び異常の重ね合った図形表示の時系列を示している。図6には、本発明の実施形態によるシステムの結合したユーザーインターフェースディスプレイの一例を示している。
【0082】
図4(a)(b)(c)に見ることができるように、心臓の3D画像の時系列は、心臓の壁に生じ、専門でない健康管理者によって容易に解釈され得る動的異常状態を示している。分析は、利用できる再生機能を用いそして例えば図6の右側に示すようにST分析の傾向を見て専門家によって詳しく行われ得る。図5には心臓の2D断面の時系列を示している。
【0083】
一層、詳細には、図4(a)(b)(c)における点10は電極位置を示し、これらの電極位置は図4(a)においては緑色であり、そして図4(b)及び図4(c)において徐々にオレンジ色そして赤色になる。異常状態が継続して電極の幾つかからの信号に生じる際に、図形異常表示は電極点から徐々に拡がり、そして好ましくは同時に徐々に色が変化する。
【0084】
従って、例えば、図4(c)において、領域12は、中央の赤色電極点を囲んでオレンジ色に色付けされ、一方、更に離れた領域14は黄色に色付けされている(電極点から外方へ色の影が漸次変化している)。図4(c)にはまた隣接した対の電極点からそれぞれの異常領域は重なるように拡がり、重なった領域において互いに強めている。
【0085】
図5には、二次元の同様に表示を示し、異常は、異常状態の厳しさ及び/又は継続時間に応じて電極位置のまわりに延びる線(及び/又は色)で示されている。図示例では、線500は緑色であり、線502は黄色であり、線504はオレンジ色(図示したように、2つの異なった影)であり、また線506は赤色である。
【0086】
実施形態では、異常がなくなると、かかわった組織(異常中には図形上で目立っていた組織)は“正常”状態に戻らないが、しかし現在では状態は正常であるが過去にはそうでなかったことを強調するように影を施した図形表示で残されている。この機能によって、医師は何が正常でなかったかを見ることができ、そして履歴再生設備により、医師は何が起っていたかを遡って詳細に見ることができる。
【0087】
幾つかの好ましい実施形態では、システムは種々のカラーコードを用いて、虚血に関す種々の心臓壁状態を表している。それで、例えば第1組の色、例えば黄色・オレンジ色・赤色は、急性心筋梗塞に繋がることを表わしている信号の変化を強調するのに用いられ得、一方、第2組の色、例えば空色・紺色は、虚血事象の兆候を示す心筋における酸素の欠乏に関連した1つ以上の信号を表わすのに用いられ得る。
【0088】
図6には、スクリーンディスプレイ600の1例を示し、このスクリーンディスプレイ600は図形異常ディスプレイ602(この例では図4に示すように3D図、好ましくは任意ではあるが図5に示すように2D図)を備えている。ディスプレイ600はまた入力データの厳しさの分析結果604を備え、そして傾向分析を行う棒グラフ型ディスプレイ606を備えている。平均化した取得信号608も表示される。
【0089】
テキスト警告メッセージ610も設けられ得る。好ましくは制御装置、この実施形態ではスライダ612、614は等電位の時間位置(基線点及び“J”点、図1参照)を設定するために設けられる。
【0090】
次に、上記のシステムを実施する装置の実施形態及びソフトウエアのフローチャートについて詳細に説明する。図7には、本発明によるシステムの実施形態のブロック線図を示している。
【0091】
図7を参照すると、マイクロプロセッサシステム700は、信号取得、自己相関、データ操作及びフィルタリング、胎児信号抽出、診断ルール検査、センサー/リードマッピング(心臓/器官位置に対するセンサー/リード位置のマッピング、器官画像表示及び格子画定を含む)、厳しさの分析及び図形異常表示、警告、記憶及び再生、及びユーザーのインターフェース及び操作システム用のプログラム構成要素を記憶するプログラムメモリーを有している。
【0092】
プログラムメモリーは、マイクロプロセッサに接続され、データ記憶装置も、マイクロプロセッサに接続され、履歴データ及びプログラム関連(作業)データを記憶する。
【0093】
マイクロプロセッサはバスに接続され、このバスは好ましくはビデオディスプレイ、モデム(固定電話線又は携帯電話)、記憶装置及び/又は記憶装置の入出力、音響及び/又は可視警告システム、ネットワーク接続、プリンタ、及び任意ではあるがその他のクライアント/サーバ接続の1つ以上に接続される。マイクロプロセッサはまた、キーボード、マウス、又はその他のデータ入力装置のような1つ以上のユーザー入力装置に接続される。
【0094】
任意ではあるが、システムの実施形態は、マイクロプロセッサ700に接続した図7に示す実時間データ取得システムを備えている。この実時間データ取得システムは、1つ以上のセンサー及び関連した信号調節、フィルタリング、及びアナログ−デジタル変換モジュールに対する入力を備え得る。
【0095】
図7に示すように、システムは多数の入力センサー701すなわちリードを備え、これらのセンサーは信号調節、増幅及びフィルタリングブロック702に接続されている。信号はアナログ−デジタル変換器で処理され、そしてマイクロプロセッサで読取られる。
【0096】
代わりに、マイクロプロセッサはこのデータを外部記憶装置又は内部記憶メモリーから、或いは外部機器又は他のコンピュータに接続された汎用I/Oポートから読取る。マイクロプロセッサシステム700は、図8A、図8B、図9及び図10のフローチャートに従ってデータを処理し分析する。
【0097】
図8A,図8Bには図7のシステムに対する信号調節及び分析手順のフローチャートを示している。
【0098】
図8Aを参照すると、マイクロプロセッサ700で読取られた信号は種々のソースから、すなわち、(a)信号調節ブロック800、帯域ろ波(これは取得ブロック後に行われ得る)を行うフィルター801、及び好ましくは適応機能により信号振幅を最大にしながらオーバーフローを避けるために設定されるプログラム可能なゲインを有するアナログ−デジタル変換器802で構成した任意の実時間取得システムから、(b)オフライン処理用に記憶した患者データ823−履歴データを収容した前もって記憶したデータファイルから、(c)信号取得機器824から、入力できる。
【0099】
ユーザーは、時間表示窓(TW)(803)を設定する、又は例えば5秒の既定値を用いるオプション(任意選択機能)を有している[時間表示窓(TW)内で各信号について最大値(最大ピーク及び最小値(谷))の探索]。TWは固定でき(例えば5秒窓の場合、TWは1秒〜5秒、そして6秒〜10秒などに設定される)、或いはTWは、ユーザーが設定可能な増分(例えば1秒)を有するロール窓でもよい。
【0100】
後者の場合、5秒TWは、1秒〜5秒そして2秒〜6秒などを選択する。これらのオプションにより、システムは一層万能となり、種々の形式の信号を分析できる。
【0101】
信号が画定したTWに対して読み出されると、最大値(MAX)及び最小値(MIN)の探索が実行される(803)。そして探索(804)は、なおTW内で全てのQRS複素を特定するために実行される。選択基準は、各ピーク(谷)の値が、MAX及びMAX*x%(又はMIN及びMIN*y%)の間で適応窓内にあるべきであり、ここでxは0.95で始まりそして例えば0.6の最終閾値に下がる数である
(一方yは1.1<y,<1.4である)。
【0102】
[Max−Max*x%(ここでxは適応値)内であるTW内の全ての最大部位の特定]。
【0103】
全てのピーク(及び谷)が特定(識別)されると、“ソフト”時間自己相関アルゴリズム(805)は、実際にQRS複素が心拍と相関されない全ての雑音を放出するように正しい時間関係を有することを検証する。これは、連続したQRS複素間に存在しなければならない時間依存性を見ることによって行われる。
【0104】
“ソフト”時間自己相関(“ソフトコヒレントシーケンス”)を介してのピークのスクリーニング;全てのピーク(TW内の同一信号に関する)が“ソフト”時間自己相関を持つことを検証。任意の3つの連続したピーク(i+2、i+1及びi)を考察すると、それらピークは下記の時間条件を満たさなければならない。
【0105】
ABS(時間+ピーク(i+2)−時間ピーク(i+1))−ABS(時間+ピーク(i+1)−時間ピーク(i))<{設定可能な閾値}
ピーク(又は谷)が相関していない場合には、x(又はy)の値は変化される(820)(低減される)。そしてプロセス(804、805)が繰り返される。x(又はy)の値がそれの閾値になっている場合(821)[xが最小値以上であるかどうか検証]には、信号は雑音が多過ぎる(最小値以上でない)とみなされ、その結果、別の信号(利用できる場合に)が選択され(822)(信号の交換)、そしてプロセスが(803)から再開する。
【0106】
上記プロセスの結果、TW内の全ての有効QRS複素における1つの信号/リードが特定され、従って、心拍度数が計算され得る(806)[自己相関信号における周期及び心拍度数の計算]。この点において、自己相関手順(807)を用いることにより、時間フレームとして心拍度数の期間を用いて各信号について平均を取る。
【0107】
時間フレームとして心拍度数の期間を用いて各信号について“スマート” 平均を取る。時間フレーム窓は自己相関信号のピーク最大値の時間に“センタリング”される。各信号について全ピークの値は重ね合わせられそして平均される。これは全ての信号についてなされる。
【0108】
時間フレーム窓はピーク(QRS複素におけるRピーク)の時間にセンタリングされ、それで同一信号に関する全てのピーク(及び谷)は全時間フレーム窓にわたって重ね合わせられそして平均される。異なるリードにおける心臓からの全ての信号は同期情報を備えている(全ての信号源が心臓の場合には同じであるので)とする。すると、1つの信号において計算した時間同期化情報は、一組の心拍周期信号(各チャンネルについて)を重ねる各チャンネルに対する時間整列信号に用いられ得、そして時間フレーム窓を横切って平均信号AVS(各チャンネルについて)を決定する。
【0109】
分析下の器官が心臓でない場合には、各チャンネルは独立して考察されそしてそれ自体についての情報だけを用いて時間整列され得る。
【0110】
妊婦の場合には、ユーザーが胎児からの信号を分析することに関心がある場合(808)に、各チャンネルについての平均信号は全TWに沿って取り出され得、母の信号を消去し(810)、そして胎児の信号を抽出するために全プロセスが再び適用され得る。
【0111】
TW内の信号から点対点平均信号を取り出した母信号の削除(これは各信号について)及び繰り返しである。
【0112】
このプロセスは、母の信号が赤ちゃんからの信号と同期せず、また母の信号が非常に強いので有効に機能し、その結果、システムは先ず第1に、母の信号に向けられる。一度母の信号が消去されると(810)、プロセスは、赤ちゃんの信号が抽出されるまで、(帰納的に)繰り返される。双子(又は三つ子など)の場合には、プロセスは再び繰り返され、種々の赤ちゃんからの心臓信号は、互いに同期せず、そして位置が異なるために異なった振幅を有し、それらの心臓信号はセンサーの位置に相対している。
【0113】
ユーザーの画定チャンネル/リード(既定がQRS探索の成功したリードである)の平均信号(AVS)は、等電レベルの時間を特定するために分析される(809)。
【0114】
PとQとの間の平坦な面としてQ前の等電レベルの特定:ピークを首尾よく妥当性確認するのに用いたチャンネル信号におけるQ(Rピーク前の最小値)の探索、等電レベルの時間及び値を得るためにQ時間事象に対してプログラム可能な遅延の減算である。
【0115】
等電レベルは通常、P波とQ波との間の小さな平坦な面のレベルであり(図1参照)、時間は丁度、QRS複素のピークと等電レベルとの間の相対時間である。Q波の探索は、ピークを妥当性確認するのに用いたチャンネルにおいて(Rピーク前の最小値として)実施され、そしてQ時間事象に対するプログラム可能(ユーザーが決める)な遅延は等電レベルの時間を特定するように減算される。
【0116】
ユーザーは、平均信号TWの任意の点に設定すべき等電レベルの項目を強制する図形インターフェース(図6)を介してこの設定をオーバーランできる。
【0117】
STセグメント(図1)の次に、“J”点を特定するため、ST線が節を有しそして正常な心拍周期においてT波に向って“ゆっくりと”上昇し始める部位が特定され分析される。“J”点探索アルゴリズムは等電アルゴリズムと同様である。
【0118】
図8Bのフローチャートを参照すると、S点は、最小値(又は最大値)探索を介して特定され(811)[ピーク(R)後の最小値としてS点を特定]、そしてJ点の時間を特定するようにプログラム可能(ユーザーが決める)な遅延が加えられる(812)[J点時間及び値を得るためにS時間事象に対してプログラム可能な遅延の加算]。
【0119】
代わりに、平均信号に対する接線の角度係数の値が予め決めた値に達する時を探すためにスロープアルゴリズムを用いることができる。
【0120】
ユーザーは、任意の点TWに設定されるようにJ点の時間を強制する図形インターフェース(図6)を介してこのJ点時間設定をオーバーランできる。
【0121】
更に、ST上昇又は降下(813)は、等電位値に関してJ点の値として各信号/リードについて計算される。これは、ピークが例えば小さい場合に、MV(又はミリメートル)で測定した絶対値又はQRSピークの相対百分率値であり得る。ユーザーは、用いる設定値(絶対値または百分率値)を選択でき、或いはシステムは、予定の閾値に匹敵するQRS値に基づいて自動的にこれを行うことができる。このプロセスはループ(814)であり、新しい組のデータで繰り返すことができる。
【0122】
一度ST値が上記のプロセス(図8A,図8B)を用いて又は代わりの他の普通のアルゴリズムを介して評価されると、図形分析手順に入る(900)。
【0123】
上記の全てのプロセスが同期化シーケンスのピークを特定するのにうまくいかなく、その結果ST値を測定できない場合には、“ソフトコヒレント”時間シーケンス探索で同期化シーケンスの最小値(すなわち谷すなわち“負のピーク”)を特定するため同じプロセスが繰り返される。
【0124】
図9には図7のシステムの図形表示手順のフローチャートを示している。手順は一組のST値を取得し(900)、そしてこの手順で実行する最初の作業(901)は、心臓器官の3D図及び2D断面図における相応した心臓壁位置に、患者におけるリード位置(リード座標)を関連付けることにある。
【0125】
システムは、心臓(EEGリードが用いられ場合には脳)に関連したリードの最も標準の形態に対して幾つかの既定設定を備えているが、しかし医師は、例えばリードを新しい位置へ図形的にドラッグし及びドロップすることによってこれらの既定位置を変更できる。
【0126】
状態の重大性は、幾つかの予定のルールを用いて又は過去の臨床結果或いはファジー論理又はニューラルネットワークアルゴリズム或いはそれらを組合せたものに基く識別段階を介して評価される(902)。
【0127】
心臓に対する虚血アルゴリズムの場合に適用できる一組のルールの例はSTレベルの値を検査することにある(絶対値測定の場合(813))。この値が0.5mm上昇と1mm降下との間にある場合には、重大性のレベルは“無し”すなわち“正常”であると看做される。STレベルが0.5mm〜1mmの上昇又は1mm〜2mmの降下(すなわち低下)になると、システムは異常状態を検出し、そして上昇又は降下について2つの限界間のSTレベルと重大性の値との間に線形関係を仮定する。STレベルの絶対値について、重大性の特性及び値はこれらのルールに従って設定できる。
【0128】
<<正常>>
0.5mm上昇>STレベル<1mm降下;重大性=“正常”又は“無し”、値=“無し”
<<異常>>
1mm上昇>STレベル>=0.5mm上昇;重大性=“異常上昇”、0<値<=2552mm降下>STレベル>=1mm降下;重大性=“異常降下”、0<値<=255
重大性の値は線形補間関数(又は必要ならば一層複雑な関数)を用いて割当てられ得る。
【0129】
<<緊急>>
STレベル>=1mm上昇;重大性=“緊急上昇”、値=0
STレベル>=2mm降下;重大性=“緊急降下”、値=0
重大性は、例えばアップ・ダウンカウンタ(各信号について1つ)を用い、警告状態を設定(又は再設定)する前にユーザーの画定した閾値に達したかどうかを検査することによって妥当性の確認がなされる(903)。このようにして、例えば患者の動きによる短い過渡状態が放出され、持続状態が生じる場合のみ警告が発せられる。
【0130】
明らかに、望ましくない過渡状態を消去するのに多くの異なるアルゴリズムを使用できるが、ここに説明するものはほんの一例である。
【0131】
重大性に基づいて、リードに直接関連する心臓の各部位に対して、緑色(正常状態)から黄色−オレンジ色(異常状態)、赤色(危険状態)までの色が割当てられる(904)。各基本の色について例えば255の値を有するRGBディスプレイが用いられる場合(基本色は赤色、緑色、青色)、正常状態は“0、255、0”であり、危険状態は“255、0、0”であり、また異常状態は“255、0、xxx”であり、ここでxxxは0〜255の数である。
【0132】
xxxの値は重大性によって指示され、重大性が“正常に近い”場合には、xxxは255に近い値であり、色は黄色である。重大性が“緊急に近い”場合には、xxxは0に近い値(オレンジ色)であり、従って各重大性の値に対してRGBの値を割当てるアルゴリズムが用いられ得る。
【0133】
また上記の分析(重大性)に基づいて、音響メッセージ/警告を発することができ、及び/又は1つ以上のメッセージを表示でき、そして(遠隔)助言を求めることができる。
【0134】
リードにおける重大性の分析からの情報を、リードが(空間的相関)でありそして心臓(又は脳)の健康状態が時間と共に進む(一時的相関)である解剖学的及び局所解剖学的情報と相関するために、心臓の全ての部位において(リードに直接関連するものを除く)多リード3D分析が実行される(905)。
【0135】
心臓壁の各部位は順に取られ、そして過去の健康状態、リード位置に続く(好ましくは全て)部位の健康状態及びリード位置における重大性の分析を考慮して現在の健康状態を決めるために重み付けした平均関数が適用される。
【0136】
心臓の表面の各部位について、心臓の部位の過去の健康状態、その部位のまわりの全ての部位の健康状態、リード位置(空間的相関)及びSTの新しい値に基く重み付け平均関数を用いて健康状態を決める。
【0137】
検査すべき部位の重大性の値は、考察されている部位のまわりの全ての部位(心臓壁における)の重大性の重み付け平均を取ることによって割当てられる。(ユーザーの決めた)閾値は、重大性の値がこの閾値を越える場合のみ、重大性の値が有効であると考えられ、そして新しい値が割当てられるように設定され、重大性の値は、前の値が“ゼロ”であった場合に“ゼロ”にリセットされ、或いは前の値が“異常”又は“緊急”値(すなわち閾値以上)であった場合に“紫色”状態にリセットされる。
【0138】
閾値の値は固定されないが、しかし各リードからの所与部位の距離に依存している。部位がリードに近ければ近いほど、閾値は低くなり(リードからの変化にその部位を一層反応させる)、部位が最も近いリードから更に離れると、閾値は高くなり、その部位は単数又は複数のリードに感応しなくなる。
【0139】
この分析に基づいて、健康/重大性の値は部位に与えられ(906)、そして前に説明した同じルールを用いて(904)色が心臓の特殊な部位に割当てられる。健康状態に基づく色の結び付け。異常事象後、状態が正常になった場合、色は“正常”健康の色と異なる既定の色にリセットされる。
【0140】
閾値は、重大性が特殊な値以上にならない場合に新しい値が正常(“ゼロ”)にリセットされるのを保証するように働く。状態が以前に“異常”又は“緊急”であり、“正常”に戻った場合には、その部位の色は予定の(ユーザーが決めた)色、例えば、現在は状態が“正常”であるが、心臓のこの領域が異常事象を患っていたことを示すように緑色(又は透明)と異なる例えば“紫色”となる。
【0141】
好ましくは、全てのデータは、後のバッチ分析の段階で分析するためにファイルに記憶される。ユーザーは、ユーザーの決めた時間加速度(既定1分=1秒)で履歴事象を再生でき(907)、そしてシステムは、ユーザーが時間の経過につれての心拍事象の進みを示す事象が現われていないかどうかを見るために早送り、停止及び早戻し(普通のVCR/DVD機能と同様)できる。
【0142】
図10には、検査中の器官(例えば心臓や脳)の2D断面を示す2D図形異常表示手順のフローチャートを示している。図8A,図8B、図9及び図10に示すアルゴリズムを並列に実行して常にユーザーにとって3D図及び2D図を利用できるようにすることが理解されるべきである。分かるように、ブロック(905)とブロック(1005)を除いて図9及び図10のフローチャートの違いは極僅かである。
【0143】
心臓の断面における各部位について、心臓部位の過去の健康状態、その部位のまわりの全ての部位の健康状態、リード位置(空間的相関)及びSTの新しい値に基く重み付け平均関数を用いて評価される。
【0144】
断面2D図で見ることのできる各心臓壁において、多リード3D分析が実施される。典型的には心臓の場合、医師は前方断面及びpre−cordial(前胸部の)断面(例えば図3及び図5参照)を観察してこれらが既定の2D図であるかどうかを見る。
【0145】
重大性に基づいて、リードに直接関連する心臓の各セグメントに対して、緑色又は透明(正常状態)から黄色−オレンジ色(異常状態)、赤色(危険状態)までの色が割当てられる(1004)。各基本色について例えば255の値を有するRGBディスプレイが用いられる場合(基本色は赤色、緑色、青色)、正常状態は“0、255、0”であり、危険状態は“255、0、0”であり、また異常状態は“255、0、xxx”であり、ここでxxxは0〜255の数である。xxxの値は重大性によって指示され、重大性が“正常に近い”場合には、xxxは255に近い値であり、色は黄色である。
【0146】
重大性が“緊急に近い”場合には、xxxは0に近い値(オレンジ色)であり、従って各重大性の値に対してRGBの値を割当てるアルゴリズムが用いられ得る。また上記の分析に基づいて、音響メッセージ/警告を発することができ、そして(遠隔)助言を求めることができる。
【0147】
多リード2D分析は、リードにおける重大性の分析からの情報を、リードが(空間的相関)でありそして心臓の健康状態が時間と共に進む(一時的相関)である解剖学的及び局所解剖学的情報と相関するために、心臓の全ての部位において(リードに直接関連するものを除く)実行される(1005)。
【0148】
心臓壁の各部位は順に取られ、そして過去の健康状態、それに続く全て部位の健康状態、リード位置及びリード位置における重大性の分析を考慮して現在の健康状態を決めるために重み付けした平均関数が適用される。この分析に基づいて、健康/重大性の値は部位に与えられ(1006)、そして前に説明した同じルールを用いて(1004)新しい色が心臓の特殊な部位すなわちセグメントに割当てられる。
【0149】
閾値は、重大性がある特定の値以上にならない場合には値は正常にリセットされる。状態が以前に“正常でなく”、 “正常”に戻った場合には、その部位の色は予定の(ユーザーが決めた)色、例えば、現在は状態が“正常”であるが、心臓のこの領域が異常事象を患っていたことを示すように(緑色又は透明)と異なる色に設定される。
【0150】
再び図6を参照すると、図6にはシステムの実施例を示し、抽出し平均したTW信号(ユーザーが選択可能)は下部窓に示され、ユーザーは“J”点及び等動レベルの時間を設定できる。また、ユーザーが決めた通知/警告メッセージを発することができ、そして重大性の分析の傾向がユーザーの選択可能なリード(又は全てのリード)について時間の関数として示される。3D図(及び/又は2D断面図)は中央に設けられ、厳しさ/重大性の分析についての詳しい情報を記載したテキスト窓も利用できる。
【0151】
患者が虚血心臓疾患であると診断されると、その患者は冠状動脈血管における心臓血流の詳しくて明瞭で精確な画像を得るために血管造影法を要求できる。診断手順で動脈の厳しい狭窄した領域が見つかると、通常、血管造影、手術処置により動脈血管を再開放する。
【0152】
これらの立ち入った両処置は通常、X線透視診断を使用し、一般に患者はテーブル上に横たわり、その周囲の空間でX線機械を動かし、種々角度から胸郭/心臓のビデオ画像を撮影する。これらの画像はスクリーンに表示される。ECG信号は別のスクリーンに表示され、処置で得られた全ての虚血事象をモニタできる。
【0153】
しかし、上記したコンピュータ発生の心臓画像とX線透視ビデオ画像とを好ましくは単一スクリーン又はモニタ上で組み合わせることによって、患者の状態についての医師の認識を劇的に改善でき、その結果これらの処置に関連したリスクを低減できる。好ましくは、画像は、実時間で進む虚血の認められる領域を強調して心臓壁を図形で表示する。
【0154】
図形で捕らえた画像は並置して表示でき、或いは1つのスクリーンに統一場図を表示するように、二組の画像が互いに結合される画像記録段階の後、冠状動脈血管の分布を含む心臓の解剖学的な細部を実時間で表示し、低血流による虚血変化の認められる全ての領域を同時に示す。
【0155】
次に、図11を参照する。図11には、上記で説明した撮影したX線透視画像と共に異常部位の図形表示を表示する医学的画像ディスプレイシステム1100のブロック線図を示している。
【0156】
図11において、X線透視診断システム1102は患者1104から画像を撮影し、そして例えばコンピュータネットワーク接続1106に画像データ出力を伝送する。代わりに、例えばこのデータを得るためにシステム1102からの画像すなわちビデオ出力はフレームグラバ(図示していない)を用いて使用され得る。X線画像は、通常操作装置を含むオペレータによる制御手段1108、典型的にはジョイスティックによって選択された制御可能な視点から撮られる。撮えた画像の座標はネットワーク接続1106に設けられる(又はビデオデータから得られ得る)。
【0157】
医学的画像ディスプレイシステム1100は、例えば図7を参照して上記で説明したように、患者1104からECGデータを取り、図形異常表示するためにデータを別のコンピュータネットワーク接続1112へ伝送する。これは、例えば上述のように心臓の領域についての格子マッピングの格子位置についてのカラーデータを含み得る。有利には、出力は上記の履歴データベースに記憶されたものと同様な又は同じフォーマットでデータを備え得る。
【0158】
画像ディスプレイシステム1114は、接続1106における取得した画像データ及び接続1112における処理した医学的信号データを受け、そしてモニタ1116へ図形画像表示出力を供給する。この画像ディスプレイシステム1114は、分割スクリーンディスプレイ1116aか又はオーバーラッピングスクリーンディスプレイ1116bを備え得る。
【0159】
オーバーラッピングスクリーンディスプレイ1116bを備える場合には、画像ディスプレイシステム1114と関連したオペレータ制御手段1118、例えば第2のジョイスティックは、画像の1つ、典型的には異常の図形表示の大きさを変える及び/回転する及び/又は変換するために使用され得、それにより心臓の取得した画像全体を目で見得るようにしている。
【0160】
X線透視診断システム1102から伝送された画像座標は、取得した画像の変化を追尾しそして異常部位の図形表示を相応して変化するのに使用され得、それで、画像“融合”を正しく実施する。代わりに、画像融合は画像XYZ、システム1102からの姿勢及び方位角データを用いて自動的に行われ得る。
【0161】
任意選択事項として、医学的画像ディスプレイシステム1100は、X線画像形成システム1102に対するリンク1111も備え得る。このようにして、医学的処理システムは、例えばカテーテルが画像の左側にあるか又は右側にあるかを特定するために、取得した画像データにおいて簡単な処理を行うことができる(カテーテルはX線画像内に明らかに浮き出ている)。そして異常部位の検出は、例えばカテーテルの通常の位置に優先して応答するようになされ得る。これは検出した異常が殆ど手術で生じられる場合であるからである。
【0162】
当業者は多くの他の有効な変更をなすことができる。例えば、上記の方法は、心臓監視に特に有効であるが、脳のような他の器官に応用できる。同様に、方法の好ましい実施形態の場合、一般には電気信号を使用することが都合がよい。しかし、同様に磁気または熱的信号も処理できる。
【0163】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲及び技術思想の範囲内における当業者に明らかな変更を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】典型的な心拍周期信号を示す図。
【図2】3D心臓画像に12リードECG取得信号について電極リードを描いている心臓の壁における位置を示す図。
【図3】2D心臓断面に12リードECG取得信号について電極リードを描いている心臓の壁における位置を示す図。
【図4】心臓及び異常の重ね合わせた図形表示の3D画像の時系列を示す図。
【図5】心臓及び異常の重ね合わせた図形表示の断面図の画像の時系列を示す図。
【図6】本発明によるシステムの実施形態のユーザーインターフェースディスプレイの例を示す図。
【図7】本発明によるシステムの実施形態のブロック線図を示す図。
【図8A】図7のシステムの信号条件付け及び分析手順のフローチャートを示す図。
【図8B】図7のシステムの信号条件付け及び分析手順のフローチャートを示す図
【図9】図7のシステムの図形表示手順のフローチャートを示す図。
【図10】図8A,図8Bの手順に対する、2D格子に基く図形異常表示手順のフローチャート。
【図11】本発明の実施形態による別の医学的画像ディスプレイシステムのブロック線図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人または動物の心臓から得た医学的信号データを処理し、そして注意を喚起する被処理データの図形表示を行う医学的信号処理システムであって、
1つ以上のECG信号を入力する医学的信号データ入力部と、
図形ディスプレイと、
前記データ入力部及び前記ディスプレイに接続した信号プロセッサと、を有し、
前記信号プロセッサが、
前記器官における空間的位置に関連した医学的信号データを入力し、前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも1つの測定を行って測定データを得、前記測定データから、前記測定が正常であるか異常であるかを決定し、
そして前記心臓の図形表示において、前記決定に対する異常性に応じて前記信号データの関連する心臓の壁における前記空間的位置における異常を図形表示する、
ように構成されることを特徴とする医学的信号処理システム。
【請求項2】
前記異常の決定は、異常の激しさの多数の範囲のどこに前記測定が当て嵌まるかを決定し、前記異常の前記図形表示が前記範囲の決定に相応していることを特徴とする、請求項1記載の医学的信号処理システム。
【請求項3】
前記異常の決定は、異常の多数の部類のどこに前記測定が当て嵌まるかを決定し、前記異常の前記図形表示が前記部類の決定に相応していることを特徴とする、請求項1記載の医学的信号処理システム。
【請求項4】
前記図形表示が前記異常の決定の履歴に相応していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項5】
前記ディスプレイは更に、前記決定が正常でありしかも以前に異常であった場合に過去の異常を表示することを特徴とする、請求項4記載の医学的信号処理システム。
【請求項6】
前記図形表示が前記異常の継続期間を表示することを特徴とする、請求項4又は請求項5記載の医学的信号処理システム。
【請求項7】
前記信号データが、前記器官における多数の前記空間的位置に関連した多数の信号を備え、前記測定及び決定が、前記多数の信号の各々について行われ、また前記ディスプレイが、前記多数の信号の各々について、その信号に関連した前記空間的位置における、前記測定及び決定に相応した異常を図形的に表示することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項8】
前記1つの信号に対する前記図形表示が、前記その他の1つ以上の信号についての異常決定に相応していることを特徴とする、請求項7記載の医学的信号処理システム。
【請求項9】
前記図形表示が、前記異常の継続期間及び/又は激しさに応じて成長する前記異常の表示を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項10】
前記信号プロセッサが、更に、前記器官の前記図形表示における多数の格子位置の各々に対して、前記決定に相応した異常の前記図形表示を決めるように構成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項11】
前記格子位置における前記図形表示が、1つ以上の隣接位置における前記図形表示に相応していることを特徴とする、請求項10記載の医学的信号処理システム。
【請求項12】
前記図形表示は、異常の決定が続いている又は悪化している際に拡がって成長する形状を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項13】
前記形状は、異常決定が止まると領域が縮まることを特徴とする、請求項12記載の医学的信号処理システム。
【請求項14】
前記形状は、過去の異常の図形表示が見えなくなると領域が縮まることを特徴とする、請求項13記載の医学的信号処理システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの測定がSTレベル測定を含んでいることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項16】
前記心臓の前記図形表示が前記心臓の1つ以上の2D断面図から成り、また異常の前記図形表示が前記心臓壁の断面における線から成ることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項17】
前記心臓の前記図形表示が前記心臓の1つ以上の3D断面図から成り、また異常の前記図形表示が前記心臓壁の強調した領域から成ることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項18】
前記信号プロセッサが、更に、
多数の心拍周期を含んだ時間表示窓内で前記ECG信号から導出した信号の最大値又は最小値を特定すること、
前記最大値又は最小値の振幅範囲内において前記時間表示窓内で前記信号の他の部分を決めることによって前記時間表示窓内の導出したECG信号のピークを特定すること、及び
前記ピークを用いて時間整列した前記多数の心拍信号からの信号を平均することで前記時間表示窓に対する平均心拍周期を決めること
によって、前記測定を行う前に前記医学的信号データを予め処理するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項19】
前記平均することが自己相関を含むことを特徴とする、請求項18記載の医学的信号処理システム。
【請求項20】
前記医学的信号データの実時間処理及び異常の図形表示用に構成したことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項21】
更に、前記医学的信号データ、前記測定データ及び図形表示用のデータの1つ以上を記憶するデータ記憶装置、及び前記データ記憶装置から取り出したデータによって前記図形ディスプレイを再生する再現システムを有することを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項22】
前記信号プロセッサが、プロセッサ及びプロセッサ制御コードを記憶するプログラム記憶装置を備え、前記信号プロセッサが前記プロセッサによる前記コードの実施によって構成されることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項記載の医学的信号処理システム。
【請求項23】
請求項22に記載の前記プロセッサ制御コードを桁上げするキャリア。
【請求項24】
システムが、医学的信号データ入力部と、図形ディスプレイと、前記データ入力部及び前記ディスプレイに接続した信号プロセッサとを備え、人または動物の心臓から得た医学的信号データを処理し、そして医者又は専門医を呼び寄せるために注意を喚起する被処理データの図形表示を行う方法であって、
前記心臓における空間的位置に関連した1つ以上のECG信号を含む医学的信号データを入力すること、
前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも1つの測定を行って測定データを得ること、
前記測定データから、前記測定が正常であるか異常であるかを決定すること、及び
前記心臓の図形表示において、前記決定に対する異常性に応じて前記信号データの関連する前記空間的位置における異常を図形表示すること、
を含むことを特徴とする、被処理データの図形表示を行う方法。
【請求項25】
前記処理が、前に記憶した医学的信号データにおいてオフラインで行われることを特徴とする、請求項24記載の被処理データの図形表示を行う方法。
【請求項26】
実行時に請求項24又は請求項25の方法を実施するプロセッサ制御コードを桁上げするキャリア。
【請求項27】
患者の内部器官の画像を取り込む画像取り込みシステムと、
前記患者の前記画像器官から医学的信号データを取り込みそして前記取り込んだ医学的信号データを処理して異常を特定する医学的信号処理システムと、
前記画像取り込みシステム及び前記医学的画像処理システムに結合し、前記異常の図形表示と共に前記内部器官の画像を表示する画像ディスプレイシステムと、
を有することを特徴とする医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項28】
前記内部器官が人又は動物の心臓から成り、また前記取り込んだ医学的信号データがECGデータから成ることを特徴とする、請求項27記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項29】
前記異常が、前記心臓の律動及び前記心臓の虚血異常の一方又は両方を含むことを特徴とする、請求項28記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項30】
前記画像取り込みシステムがX線透視画像形成システムから成ることを特徴とする、請求項27〜請求項29のいずれか一項記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項31】
前記画像ディスプレイシステムが、前記心臓の図形表示における前記異常の前記図形表示を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項27〜請求項30のいずれか一項記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項32】
前記画像ディスプレイシステムが、前記内部器官の前記画像における前記異常の前記図形表示を表示するように構成されていることを特徴とする、請求項27〜請求項31のいずれか一項記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項33】
前記画像取り込みシステムが、前記内部器官の取り込み画を画定する座標系を形成するシステムを備え、また前記画像ディスプレイシステムが、前記取り込み画に相応して前記異常の前記図形表示を調整するように前記座標系に相応していることを特徴とする、請求項27〜請求項32のいずれか一項記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項34】
前記医学的信号処理システムが、前記画像取り込みシステムに結合され、そして前記取り込んだ画像に対する画像データに応じて前記取り込んだ医学的信号データを処理するように構成されていることを特徴とする、請求項27〜請求項33のいずれか一項記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項35】
医学的処置を施すことになる前記画像器官の領域を特定するようにされ、前記医学的信号処理システムが、前記領域の前記特定に応じて前記異常の特定を行うように構成されていることを特徴とする、請求項34記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項36】
前記医学的信号処理システムが、
前記器官における空間的位置に関連した医学的信号データを入力し、
前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも1つの測定を行って測定データを得、
前記測定データから、前記測定が正常であるか異常であるかを決定し、そして
前記心臓の図形表示において、前記決定に対する異常性に応じて前記信号データの関連する前記空間的位置における異常を図形表示するように構成されることを特徴とする、請求項27〜請求項35のいずれか一項記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項37】
前記図形表示は、異常の決定が続いている又は悪化しているに従って拡がって成長する形状を含むことを特徴とする、請求項36記載の医学的画像ディスプレイシステム。
【請求項38】
画像取り込みシステムから、患者の内部器官の画像を表わす取り込み画像データを入力すること、
前記患者の前記内部器官から医学的信号データを入力すること、
前記医学的信号データを処理して異常を特定すること、
前記異常の図形表示と共に前記患者の前記内部器官の取り込んだ画像を表示すること、
を含むことを特徴とする医学的データの表示方法。
【請求項39】
実行時に請求項38の方法を実施することを特徴とする、プロセッサ制御コードを桁上げするキャリア。
【請求項40】
人又は動物の身体から得られ、前記身体における器官に関係した医学的信号データを処理し、そして注意を喚起するために処理データの図形表示を表示する医学的信号処理システムにおいて、
医学的信号データ入力部と、図形ディスプレイと、前記データ入力部及び前記図形ディスプレイに接続された信号プロセッサと、を有し、
前記信号プロセッサが、
前記器官における空間的位置に関連した医学的信号データを入力する、
前記医学的信号データを用いて前記器官に関する少なくとも1つの測定を行って測定データを得る、
前記測定データから前記測定が正常であるか又は異常であるかを決定する、及び
前記器官の図形表示において、前記決定に対する異常に応じて前記信号データの関連する前記空間的位置における異常の図形表示を表示する、
ように構成され、
図形表示は、異常の決定が続いている又は悪化しているに従って拡がって成長する形状を含むことを特徴とする医学的信号処理システム。
【請求項41】
前記形状は、異常決定が止まると縮まることを特徴とする、請求項40記載の医学的信号処理システム。
【請求項42】
前記器官の前記図形表示が2D断面図から成り、また異常の前記形状が線から成ることを特徴とする、請求項40又は請求項41記載の医学的信号処理システム。
【請求項43】
前記器官の前記図形表示が3D図から成り、また異常の前記形状が領域から成ることを特徴とする、請求項40又は請求項41記載の医学的信号処理システム。
【請求項44】
前記領域が、前記器官の前記図形表示より空間的解像度の低い規則的な格子上に画定した多数の画素から成っていることを特徴とする、請求項43記載の医学的信号処理システム。
【請求項45】
ECG信号から心拍信号を決定する方法であって、
多数の心拍周期を含んだ時間表示窓内で前記ECG信号から導出した信号の最大値又は最小値を特定すること、
前記最大値又は最小値の振幅範囲内において前記時間表示窓内で前記信号の他の部分を決めることによって前記時間表示窓内の導出したECG信号のピークを特定すること、及び
前記ピークを用いて時間整列した前記多数の心拍信号からの信号を平均することで前記時間表示窓に対する平均心拍周期を決めること、
を含むことを特徴とする心拍信号決定方法。
【請求項46】
前記平均することが自己相関を含むことを特徴とする、請求項45記載の心拍信号決定方法。
【請求項47】
母からの成分と胎児からの成分とを備えたECG信号を母から取得すること、
請求項45又は請求項46を適用して母の平均心拍周期信号を決定すること、
前記取得したECG信号から母の前記平均心拍周期信号を引き算すること、
次に請求項45又は請求項46の方法を適用して胎児の平均心拍周期信号を決定すること、
を含むことを特徴とする胎児の心拍周期信号を決定する心拍信号決定方法。
【請求項48】
更に、
母の前記平均心拍周期信号を引き算した前記ECG信号から胎児の前記平均心拍周期信号を引き算すること、
更に請求項45又は請求項46の方法を適用して第2の胎児の平均心拍周期信号を決定すること、
を含むことを特徴とする請求項47記載の心拍信号決定方法。
【請求項49】
請求項45〜請求項48のいずれか一項に記載の方法を用いて平均心拍信号を決めること及び前記平均心拍信号を分析することを含むことを特徴とする心拍信号分析方法。
【請求項50】
心臓の図形表に前記分析の結果を表示することを含むことを特徴とする、請求項49記載の心拍信号分析方法。
【請求項51】
実行時に請求項45〜請求項50のいずれか一項に記載の方法を実施する、プロセッサ制御コードを桁上げするキャリア。
【請求項52】
請求項51記載のプロセッサ制御コードを桁上げするキャリアを備えることを特徴とする、医学的信号処理システム。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−500049(P2009−500049A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512930(P2008−512930)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050099
【国際公開番号】WO2006/126020
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507387480)アングリア ポリテクニック ユニバーシティ ハイアー エデュケーション コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】