説明

医用撮像装置用の緩衝器

【課題】可搬型医用撮像装置用の検出器を損傷から保護する。
【解決手段】本発明の様々な実施形態は、緩衝器を提供する。緩衝器は、三つの側面すなわち第一の側面、第二の側面及び第三の側面を有するフレームを含んでいる。第一の側面は第二の側面と境を接しており、第二の側面は第三の側面と境を接している。さらに、第一の側面は第二の側面に対し0°よりも大きい角度を成し、第二の側面は第三の側面に対し0°よりも大きい角度を成す。フレームは筐体とは異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、緩衝系に関し、さらに具体的には、可搬型医用撮像装置用の緩衝器に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔地に位置する患者、又は病院に搬送し得ないような状況下にある患者に対して医療を提供する場合に、可搬型医用撮像装置が用いられる。かかる可搬型医用撮像装置の一つは、可搬型X線検出器である。可搬型医用撮像装置は、複数の電子的構成要素を含んでおり、X線及びガンマ線等の放射線を検出する。電子的構成要素は、シンチレータ・アレイ、光検出器アレイ、及び光検出器アレイに結合されているケーブルであってよい。光検出器アレイの一例としては、フォトダイオード・アレイがある。
【特許文献1】米国特許第6700126号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのアレイの基材は典型的にはガラスである。電子的構成要素及びガラス基材が存在しているため、可搬型医用撮像装置は壊れ易く、損傷を受け易くなっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の様々な実施形態は、緩衝器を提供する。緩衝器は、三つの側面すなわち第一の側面、第二の側面及び第三の側面を有するフレームを含んでいる。第一の側面は第二の側面と境を接しており、第二の側面は第三の側面と境を接している。さらに、第一の側面は第二の側面に対し0°よりも大きい角度を成し、第二の側面は第三の側面に対し0°よりも大きい角度を成す。フレームは筐体とは異なっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
可搬型医用撮像装置を保護するための三つの側面を有するフレームを含む緩衝器について説明した。緩衝器は、例えばプラスチック、エラストマー又は金属から製造することができる。緩衝器はフレームを含んでおり、フレームはさらに第一の側面、第二の側面及び第三の側面を含んでいる。緩衝器の各側面は互いに対し0°よりも大きい角度を成し、互いに境を接している。緩衝器は医用撮像装置の筐体とは異なっている。医用撮像装置の例としては、X線検出器、CT検出器、ガンマ線検出器、及び筐体を有する他の任意の撮像装置があるが、これらに限定されない。
【0006】
図1は、本発明の様々な実施形態による医用イメージング・システム100を示す図である。医用イメージング・システム100は、X線管又はガンマ線源のような線源102を含んでいる。医用イメージング・システム100はさらに、X線検出器又はガンマ線検出器のような可搬型検出器104を含んでいる。医用イメージング・システム100はまた、画像プロセッサ106及びモニタ108を含んでいる。検出器104の太線で表わされた筐体112は、複数の側面114、116、118、120と、下面122と、上面125とを含んでいる。筐体112はまた、カバー130を含んでいる。検出器104はさらに、シンチレータ・アレイ124、光検出器アレイ126、ガラス基材のような基材128、構造層129、及び回路基板131を含み得る。構造層128は、アレイ124及び126、並びに基材128に対する支持を提供している。回路基板131は、アレイ124及び126からの電気信号を処理するサーキットリを含んでいる。サーキットリの例としては、検出器104によって消費される電力の電力管理を提供する回路、較正データを生成する回路、及び電気信号をディジタル化してサンプリングすることにより電気信号を処理する回路がある。筐体112は、金属又はプラスチック等の材料から作製されている。側面120は図1では見えない。筐体112は、粉塵又は破片のような環境汚染物質、並びに患者の汗及び血液のような他の物質から検出器104を保護している。光検出器アレイ126の例としてはフォトダイオード・アレイがある。
【0007】
線源102は、患者等の被検体を通過して検出器104によって検出されるX線又はガンマ線のような放射線を発生する。放射線は上面125を通過してアレイ124及び126に入射し、これらのアレイは可視光線を電気信号に変換し、電気信号は回路基板131によって処理されて、リンク132を介して画像プロセッサ106によって受信される。リンク132は有線接続であってもよいし、又は代替的には無線接続であってもよい。リンク132が無線接続である場合には、筐体112は高周波(RF)送信器を含み、画像プロセッサ106はRF受信器を介してRF送信器と結合される。画像プロセッサ106は電気信号を受け取って、X線画像又はガンマ線画像のような画像を形成し、画像はモニタ108に表示される。
【0008】
図2は本発明の一実施形態による緩衝器200を示す図である。緩衝器200は検出器104を保護するために用いられる。緩衝器200は三つの側面すなわち第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206を含んでいる。第一の側面202は第二の側面204と境を接しているが一体化されてはおらず、第二の側面204は第三の側面206と境を接しているが一体化されてはいない。第一の側面202と第三の側面206との間には空気間隙のような間隙208が形成されている。本発明の様々な実施形態では、第一の側面202は第二の側面204に対し0°よりも大きい角度を成し、第二の側面204は第三の側面206に対し0°よりも大きい角度を成す。例えば、第一の側面202は第二の側面204と90°の角度を成し、第二の側面204は第三の側面206と90°の角度を成す。代替的には、第一の側面202は第二の側面204と一体化されている。さらに他の代替的な実施形態では、第二の側面204は第三の側面206と一体化されている。本発明の様々な実施形態では、第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206は緩衝性材料から作製される。緩衝性材料の例としてはプラスチック、及びアルミニウムのような金属があるが、これらに限定されない。プラスチックの例としては、サーモフォーム(thermofoam)、熱可塑性プラスチック、アクロニトリルブタジエンスチレン(ABS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)があるが、これらに限定されない。本発明の様々な実施形態では、緩衝器200は緩衝性材料を射出成形することにより製造される。
【0009】
緩衝器200は筐体112の周囲に嵌合され、緩衝器200と筐体112との間の摩擦によって筐体112の周囲で所定の位置に保持される。緩衝器200は、第一の側面202が筐体112の側面118に隣接し、第二の側面204が筐体112の側面116に隣接し、第三の側面206が筐体112の側面114に隣接するような態様で嵌合される。本発明の様々な実施形態では、緩衝器200は機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれも用いずに筐体112に取り付けられる。機械的工具の例としてはネジ及びボルトがある。電気的工具の例としてはドリル機械及びハンマーがある。さらに他の代替的な実施形態では、緩衝器200は機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれか一つを用いることにより筐体112に取り付けられる。緩衝器200が筐体112から分離しているときには、第一の側面202は筐体112の側面118に隣接せず、第二の側面204は筐体112の側面116に隣接せず、第三の側面206は筐体112の側面114に隣接しない。
【0010】
図3は、本発明の代替的な実施形態による緩衝器300を示す図である。緩衝器300は第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302を含んでいる。第四の側面302は、第一の側面202及び第三の側面206と境を接しているが一体化されてはいない。代替的には、第四の側面302は、第一の側面202及び第三の側面206と一体化されている。本発明の一実施形態では、第四の側面302は、第一の側面202及び第三の側面206に対し0°よりも大きい角度を成す。例えば、第四の側面302は、第一の側面202及び第三の側面206と90°の角度を成す。第四の側面302は緩衝性材料から作製される。一例として、第四の側面302は、緩衝性材料を射出成形することにより作製される。緩衝器300に第四の側面302を追加することにより、全ての四つの側面114、116、118及び120で検出器104を保護する。緩衝器300は筐体112を包囲するように嵌合され、緩衝器300と筐体112との間の摩擦によって筐体112の周囲で所定の位置に保持される。緩衝器300は、第一の側面202が筐体112の側面118に隣接し、第二の側面204が筐体112の側面116に隣接し、第三の側面206が筐体112の側面114に隣接し、第四の側面302が筐体112の側面120に隣接するような態様で嵌合される。本発明の様々な実施形態では、緩衝器300は機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれも用いずに筐体112に取り付けられる。さらに他の代替的な実施形態では、緩衝器300は機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれか一つを用いることにより筐体112に取り付けられる。緩衝器300が筐体112から分離しているときには、第一の側面202は筐体112の側面118に隣接せず、第二の側面204は筐体112の側面116に隣接せず、第三の側面206は筐体112の側面114に隣接せず、第四の側面302は筐体112の側面120に隣接しない。
【0011】
図4は、本発明の代替的な実施形態による緩衝器400を示す図である。本発明の他の実施形態では、緩衝器400は背面402を含んでいる。背面402は、第一の側面202から第三の側面206まで、また第二の側面204から間隙208まで延在している。緩衝器200の第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206は、背面402に対し0°よりも大きい角度を成し、背面402と境を接しているが一体化されてはいない。代替的には、第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206のいずれか一つが背面402と一体化されている。本発明の一実施形態では、背面402は連続シート状の材料であってよい。本発明の代替的な実施形態では、背面402はフレーム構造を有し得る。背面402は緩衝性材料で製造される。背面402を設けることにより、緩衝器200の緩衝能力がさらに向上する。
【0012】
緩衝器400は、検出器104の筐体112の周囲に嵌合され、緩衝器400と筐体112との間の摩擦によって所定の位置に保持される。緩衝器400は、第一の側面202が筐体112の側面118に隣接し、第二の側面204が筐体112の側面116に隣接し、第三の側面206が筐体112の側面114に隣接し、背面402が筐体112の下面122に隣接するような態様で嵌合される。緩衝器400は筐体112の周囲に嵌合され、緩衝器400と筐体112との間の摩擦によって筐体112の周囲で所定の位置に保持される。緩衝器400は機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれも用いずに筐体112に取り付けられる。さらに他の代替的な実施形態では、緩衝器400は機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれか一つを用いることにより筐体112に取り付けられる。緩衝器400が筐体112から分離しているときには、第一の側面202は筐体112の側面118に隣接せず、第二の側面204は筐体112の側面116に隣接せず、第三の側面206は筐体112の側面114に隣接せず、背面402は筐体112の下面122に隣接しない。
【0013】
図5は、本発明の様々な実施形態に従って第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206の下部に形成された複数のリブ付き部分を含むリブ付きパターン502を示す図である。リブ付きパターン502は、第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206の各全長に沿って延在している。リブ付きパターン502は、緩衝性材料を射出成形することにより緩衝性材料から製造することができる。リブ付きパターン502は、第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206に、接着されるか、一体成形されるか又は被覆成形される等のように取り付けられることができる。代替的には、リブ付き部分502は、第一の側面202、第二の側面204及び第三の側面206の少なくとも一つと一体化される。この代替的な実施形態では、リブ付きパターン502は、第一の側面202の各々の部分504、第二の側面204の各々の部分506をエッチングで除去するか、又は第三の側面206の各々の部分508をエッチングで除去することにより製造される。本発明の代替的な実施形態では、リブ付きパターン502は背面402内に形成される。さらに他の代替的な実施形態では、リブ付きパターン502は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206、第四の側面302及び背面402の少なくとも一つの一部と一体化されて形成される。さらに他の代替的な実施形態では、リブ付き部分は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206、第四の側面302及び背面402の少なくとも一つの下部に形成される。リブ付きパターン502は、リブ付きパターン502に圧迫を加えることにより変形される。この変形が、リブ付きパターン502が形成されている緩衝器200、300及び400の一つの緩衝能力を高める。
【0014】
図6は、第二の側面204の一実施形態である。リブ付きパターン502はy軸のy方向で測定される一定の厚みに沿って延在している。リブ付きパターン502は、第二の側面204の下表面602から、第二の側面204の下表面602と上表面606との中間の点604まで延在している。下表面602は背面402に隣接している。代替的には、リブ付きパターン502は上表面606から点604まで延在している。同様に、代替的な実施形態では、リブ付きパターン502は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206、第四の側面302及び背面402の少なくとも一つの一部のy方向に沿った一定の厚みに沿って延在している。
【0015】
図7は、本発明の様々な実施形態による緩衝器700の断面図である。緩衝器700は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206、第四の側面302及び背面402を含んでいる。背面402は、第一の側面202から第三の側面206まで延在し、また第二の側面204から第四の側面302まで延在している。第四の側面302は第二の側面204の背後にあり、図7では見えない。第四の側面302は背面402に対し0°よりも大きい角度を成し、背面402と境を接しているが一体化されてはいない。代替的には、第四の側面302は背面402と一体化されている。緩衝器700は筐体112の周囲に嵌合され、緩衝器700と筐体112との間の摩擦によって所定の位置に保持される。緩衝器700は、第一の側面202が筐体112の側面118に隣接し、第二の側面204が筐体112の側面116に隣接し、第三の側面206が筐体112の側面114に隣接し、第四の側面302が筐体112の側面120に隣接し、背面402が筐体112の下面122に隣接するような態様で嵌合される。緩衝器700は、機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれも用いずに筐体112に取り付けられる。さらに他の代替的な実施形態では、緩衝器700は、機械的工具、電気的工具及び接着剤のいずれか一つを用いることにより筐体112に取り付けられる。緩衝器700が筐体112から分離しているときには、第一の側面202は筐体112の側面118に隣接せず、第二の側面204は筐体112の側面116に隣接せず、第三の側面206は筐体112の側面114に隣接せず、第四の側面302は筐体112の側面120に隣接せず、背面402は筐体112の下面122に隣接しない。
【0016】
筐体112を緩衝器700に摺動式で挿入することができる。筐体112が側面114、116、118、120及び下面122を覆われるため、緩衝器700の構造は筐体112を緩衝器700内に堅固に保持するのに役立つ。筐体112が側面114、116、118、120及び下面122を覆われるため、リンク132のための切込み702が設けられている。
【0017】
切込み702を用いて、少なくとも1本の線を画像プロセッサ106及び/又は他の任意の装置に通すことができる。本発明の様々な実施形態では、切込み702は、第一の側面202、第三の側面206、第四の側面302及び背面402のいずれか一つに位置していてよい。切込み702を設けると、筐体112を緩衝器700にさらに嵌合させ易くなる。
【0018】
図8は、本発明の一実施形態による第二の側面204上の突起802を示す図である。代替的な実施形態では、突起802は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302の少なくとも一つに設けられてよい。突起802は射出成形によって緩衝性材料から作製され、緩衝器の側面204に接着されるか又は代替的にはボルト締めされる。代替的には、突起802は、シリコン・エラストマー、ゴム又はウレタンのようなエラストマーで作製される。代替的には、突起802は金属クリップである。金属クリップは、黄銅及びステンレス鋼等の例示的な材料から作製される。金属クリップの形状の例としては、S字形及び渦巻き形がある。さらに他の代替的な実施形態では、突起802は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302の少なくとも一つと一体化される。突起802は、第二の側面204の上表面606から、上表面606と背面402との間の中間の点804まで延在している。また、突起802は、第二の側面204から、第二の側面204と第四の側面302との間の中間の点806まで延在している。同様に、代替的な実施形態では、突起802は、第一の側面202、第三の側面206及び第四の側面302の一つの上表面から、背面402と、第一の側面202、第三の側面206及び第四の側面302の上述の一つとの間の中間の点まで延在している。さらに、同様に、代替的な実施形態では、突起802は、第一の側面202、第三の側面206及び第四の側面302のいずれか一つから、第一の側面202、第三の側面206及び第四の側面302の上述の一つと、第一の側面202、第三の側面206及び第四の側面302の上述の一つに対面する第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302の残りの一つとの間の中間の点まで延在している。
【0019】
突起802は第二の側面204に対し0°〜90°の角度808を成す。同様に、代替的な実施形態では、突起802は第一の側面202、第三の側面206及び第四の側面302の一つと0°〜90°の角度を成す。突起802が緩衝性材料製である場合には、筐体112が突起802を含む緩衝器に摺動式で挿入される。突起802がエラストマー製である場合には、突起802を含む緩衝器が筐体112に摺動式で被される。突起802は、上面125の上で上面125に隣接して延在していることにより、筐体112を保持するのに役立つ。突起802を含む緩衝器が筐体112と分離しているときには、突起802は上面125の上に延在せず、上面125に隣接しない。
【0020】
図9及び図10は、本発明の一実施形態による緩衝器900の断面図を示している。緩衝器900は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206、第四の側面302、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914を含んでいる。緩衝器900はさらに、背面402を含んでいる。第五の側面908は第一の側面202に隣接している。第六の側面910は第二の側面204に隣接している。第七の側面912は第三の側面206に隣接している。第八の側面914は第四の側面302に隣接している。第五の側面908は第六の側面910に対し0°よりも大きい角度を成す。例えば、第五の側面908は第六の側面910と90°の角度を成す。他の例としては、第五の側面908は、第一の側面902が第二の側面904に対して成す角度と同じ89°のような角度を第六の側面910に対して成す。第六の側面910は第七の側面912に対し0°よりも大きい角度を成す。例えば、第六の側面910は第七の側面912と90°の角度を成す。他の例としては、第六の側面910は、第二の側面204が第三の側面206に対して成す角度と同じ88°のような角度を第七の側面912に対して成す。第七の側面912は第八の側面914に対し0°よりも大きい角度を成す。例えば、第七の側面912は第八の側面914と90°の角度を成す。他の例としては、第七の側面912は、第三の側面206が第四の側面302に対して成す角度と同じ86°のような角度を第八の側面914に対して成す。第八の側面914は第五の側面908に対し0°よりも大きい角度を成す。例えば、第八の側面914は第五の側面908と90°の角度を成す。他の例としては、第八の側面914は、第四の側面302が第一の側面202に対して成す角度と同じ角度を第五の側面908に対して成す。第五の側面908は、同時押出し、被覆成形、接着又はボルト締め等によって第一の側面202に取り付けられ、第六の側面910は同時押出し、被覆成形、接着又はボルト締め等によって第二の側面204に取り付けられる。第七の側面912は、同時押出し、被覆成形、接着又はボルト締め等によって第三の側面206に取り付けられ、第八の側面914は、同時押出し、被覆成形、接着又はボルト締め等によって第四の側面302に取り付けられる。
【0021】
代替的な実施形態では、一定数の側面が第五の側面908に隣接する。例えば、1面の追加の側面が第五の側面908に隣接し、第五の側面908は、追加の側面と第一の側面202との間に位置する。さらに他の代替的な実施形態では、一定数の側面が第六の側面910に隣接する。例えば、1面の追加の側面が第六の側面910に隣接し、第六の側面910は、追加の側面と第二の側面204との間に位置する。さらに他の代替的な実施形態では、一定数の側面が第七の側面912に隣接する。例えば、1面の追加の側面が第七の側面912に隣接し、第七の側面912は、追加の側面と第三の側面206との間に位置する。他の代替的な実施形態では、一定数の側面が第八の側面914に隣接する。例えば、1面の追加の側面が第八の側面914に隣接し、第八の側面914は、追加の側面と第四の側面302との間に位置する。
【0022】
緩衝器900の第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914は、射出成形によって製造することができる。一実施形態では、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302は緩衝性材料から製造され、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914はエラストマーから製造される。代替的には、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302はエラストマーから製造され、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914は緩衝性材料から製造される。代替的な実施形態では、第五の側面908は第一の側面202と一体化される。他の代替的な実施形態では、第六の側面910は第二の側面204と一体化される。さらに他の代替的な実施形態では、第七の側面912は第三の側面206と一体化される。さらに他の代替的な実施形態では、第八の側面914は第四の側面302と一体化される。代替的な実施形態では、緩衝器900は、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914の少なくとも一つを含んでいる。例えば、緩衝器900は第八の側面914を含まない。他の代替的な実施形態では、緩衝器900は背面402を含まない。本発明の一実施形態では、緩衝器900は、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914の少なくとも一つに突起802を含んでいる。
【0023】
突起802は、第一の側面202、第二の側面204、第三の側面206及び第四の側面302の少なくとも一つに形成されているのと同様の態様で、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914の少なくとも一つに形成される。例えば、突起802は、第五の側面908の上表面918から、上表面918と背面402との間の中間点まで延在する。他の例としては、突起802は第五の側面908から、第五の側面908と第七の側面912との間の中間点まで延在する。突起908は、ボルト締め又は接着剤等で第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914の一つに取り付けられる。代替的には、突起908は、第五の側面908、第六の側面910、第七の側面912及び第八の側面914の一つと一体化される。
【0024】
緩衝器200、300、400、700及び900の技術的効果としては、緩衝性材料を用いることにより検出器104を擦傷から保護することがある。突起802の技術的効果としては、検出器104を所定の位置に保持することにより、検出器104が摺動するのを防ぐことが挙げられる。他の技術的効果としては、取り外し及び清掃を容易に行なうことができる緩衝器200、300、400、700及び900を提供することがある。時に被験者の血液が緩衝器200、300、400、700、および900の少なくとも一つに付着する場合がある。筐体112を緩衝器200、300、400、700及び900の少なくとも一つから手動で取り外すことにより、検出器104を緩衝器200、300、400、700及び900の少なくとも一つから容易に分離することができる。検出器104は、電気的工具及び機械的工具の少なくとも一方を用いずに手動で取り外される。他の技術的効果としては、緩衝性材料を用いることにより滑らかな表面を提供することがある。滑らかな表面は、緩衝性材料に触れる被験者に快適さを与える。
【0025】
本発明を様々な特定の実施形態について記載したが、当業者であれば、特許請求の範囲の要旨及び範囲内にある改変を施して本発明を実施し得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の様々な実施形態による可搬型医用イメージング・システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による三つの側面を含む緩衝器を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態による四つの側面を含む緩衝器を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による背面を含む緩衝器を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による緩衝器内部の複数の一体形成されたリブ付き部分を示す図である。
【図6】本発明の様々な実施形態による緩衝器の一つの側面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による緩衝器の側面の切込みを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による緩衝器の側面の突起を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による1層よりも多い材料層を有する緩衝器の断面図である。
【図10】図9の緩衝器の上面図である。
【符号の説明】
【0027】
100 医用イメージング・システム
102 線源
104 可搬型検出器
106 画像プロセッサ
108 モニタ
112 筐体
114、116、118、120 側面
122 下面
124 アレイ
125 上面
126 光検出器アレイ
128 基材
129 構造層
130 カバー
131 回路基板
132 リンク
200 緩衝器
202 第一の側面
204 第二の側面
206 第三の側面
208 間隙
300 緩衝器
302 第四の側面
400 緩衝器
402 背面
502 リブ付きパターン
504 第一の側面の一部
506 第二の側面の一部
508 第三の側面の一部
602 下表面
604 点
606 上表面
700 緩衝器
702 切込み
802 突起
804、806 点
808 角度
900 緩衝器
902 第一の側面
904 第二の側面
908 第五の側面
910 第六の側面
912 第七の側面
914 第八の側面
918 上表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック及び金属の少なくとも一方から製造される三つの側面を有するフレームを備えた緩衝器であって、前記三つの側面は第一の側面、第二の側面及び第三の側面を含んでおり、前記フレームは筐体とは異なっており、前記第二の側面は前記第一の側面から0°以外の角度に位置し、前記第三の側面は前記第二の側面から0°以外の角度に位置し、前記第二の側面は前記第一の側面と境を接し、前記第三の側面は前記第二の側面と境を接する、緩衝器。
【請求項2】
前記第三の側面及び前記第一の側面と境を接する第四の側面をさらに含んでいる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項3】
前記第三の側面及び前記第一の側面と境を接する第四の側面と、
前記第一、第二、第三、第四の側面に隣接し、前記第一の側面から前記第三の側面まで、また前記第二の側面から前記第四の側面まで延在している背面と、
をさらに含んでいる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項4】
前記第一、第二及び第三の側面に隣接する背面をさらに含んでいる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項5】
前記第一、第二及び第三の側面に隣接し、プラスチックから製造されている背面をさらに含んでいる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項6】
前記第一、第二及び第三の側面に隣接し、プラスチックから製造されている背面をさらに含んでおり、前記第一の側面、第二の側面、第三の側面、及び前記背面の少なくとも一つは、複数の一体形成されたリブ付き部分を含んでいる、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項7】
可搬型検出器を保護するように構成されている請求項1に記載の緩衝器。
【請求項8】
前記第三の側面と境を接する第四の側面と、
第五の側面、第六の側面及び第七の側面の少なくとも一つと、
をさらに含んでおり、前記第六の側面は、前記第二の側面が前記第一の側面に対して成す角度と同じ角度を前記第五の側面に対して成し、前記第七の側面は、前記第三の側面が前記第二の側面に対して成す角度と同じ角度を前記第六の側面に対して成し、前記第六の側面は前記第五の側面と境を接して位置し、前記第七の側面は前記第六の側面と境を接して位置し、前記第五の側面は前記第一の側面に隣接し、前記第六の側面は前記第二の側面に隣接し、前記第七の側面は前記第三の側面に隣接し、前記第五、第六及び第七の側面はエラストマーから製造されている、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項9】
前記第三の側面及び前記第一の側面と境を接する第四の側面と、
第五の側面、第六の側面、第七の側面及び第八の側面の少なくとも一つと、
をさらに含んでおり、前記第六の側面は、前記第二の側面が前記第一の側面に対して成す角度と同じ角度を前記第五の側面に対して成し、前記第七の側面は、前記第三の側面が前記第二の側面に対して成す角度と同じ角度を前記第六の側面に対して成し、前記第八の側面は、前記第四の側面が前記第三の側面に対して成す角度と同じ角度を前記第七の側面に対して成し、前記第六の側面は前記第五の側面と境を接して位置し、前記第七の側面は前記第六の側面と境を接して位置し、前記第八の側面は前記第七の側面と境を接して位置し、前記第五の側面は前記第一の側面に隣接し、前記第六の側面は前記第二の側面に隣接し、前記第七の側面は前記第三の側面に隣接し、前記第八の側面は前記第四の側面に隣接し、前記第五、第六、第七及び第八の側面はエラストマーから製造されている、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項10】
第四の側面、第五の側面、第六の側面、第七の側面及び第八の側面をさらに含んでおり、前記第五、第六、第七及び第八の側面の一つは、該第五、第六、第七及び第八の側面の一つの残部に対し一定の角度を成す突起を含んでいる、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項11】
前記フレームは、射出成形により形成される複数のリブ付き部分を含んでいる、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項12】
前記第一の側面は、前記筐体を収容するように構成されている突起を含んでおり、該突起は前記第一の側面の残部に対し一定の角度を成す、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項13】
前記第一の側面は、前記筐体を収容するように構成されている突起を含んでおり、該突起は前記第一の側面の残部に対し一定の角度を成し、前記突起はプラスチック、エラストマー及び金属の一つから製造される、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項14】
前記第二の側面は、前記筐体を収容するように構成されている突起を含んでおり、該突起は前記第二の側面の残部に対し一定の角度を成す、請求項1に記載の緩衝器。
【請求項15】
前記フレームは、機械的工具、電気的工具及び接着剤の少なくとも一つを用いずに利用者により前記筐体に取り付けられるように構成されている、請求項1に記載の緩衝器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−187313(P2007−187313A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−349434(P2006−349434)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】