説明

医用画像処理サーバおよび医用画像処理システム

【課題】医用画像が劣化していることをユーザが認識することができる医用画像処理サーバおよび医用画像処理システムを提供する。
【解決手段】実施形態の医用画像処理システム100における医用画像処理サーバ1は、医用画像の原画像を格納する画像記憶部16と、画像記憶部に格納される医用画像のうち、クライアントに送信する送信用画像、或いはクライアントに一旦送信した後クライアントから返送された返信画像の画質が劣化しているか否かを判定する画質劣化判定部102と、画質が劣化していると判定された場合は、送信用画像、又は返信画像を再送信する再送信用画像に画像劣化情報を添付する画像劣化情報添付部104と、画像劣化情報が添付された送信用画像又は再送信用画像を、クライアントに送信する通信部15とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像処理サーバおよび医用画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シンクライアント型の情報処理システムが注目されており、医療においてもシンクライアント型のシステムを導入し始めている。シンクライアント型の医用システムとは、1つのサーバおよび複数のクライアント(シンクライアント端末)が接続する病院内LAN等のネットワークにおいて、シンクライアント端末側にはハードディスクを搭載せず、サーバ側にはシンクライアント端末を動作させるアプリケーションやデータを格納するものである。具体的な例として、サーバは、画像処理装置で撮像した画像データの格納、画像処理、シンクライアント端末の要求に応じた各種アプリケーションプログラムの起動を行い、シンクライアント端末は、データの表示機能や最低限の入力機能のみを有する。
【0003】
サーバが画像処理を行い保持している医用画像は、シンクライアント端末に送信されることにより、シンクライアント端末のモニタ画面で医用画像を表示することが出来る。ユーザは、シンクライアント端末上で医用画像を閲覧し、診察を行うことが出来る。
【0004】
シンクライアント端末は、プログラムやデータをシンクライアント端末自身で格納しないため、シンクライアント端末側の処理負荷を低減し、サーバ上でデータを一元的に管理できる。また、ハードディスクを搭載しないためシンクライアント端末自体が安価で済み、より多くのシンクライアント端末をネットワーク上に接続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−104614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、シンクライアント端末がサーバから医用画像を受信し表示する際、受信した医用画像が、サーバが保持する医用画像より劣化する場合がある。画像劣化の原因として、例えば、サーバがシンクライアント端末に送信する際に、シンクライアント端末の解像度や画像キャッシュに合わせてサーバが画像を圧縮したため、またはネットワークの不具合のため等が考えられる。この場合、受信した医用画像が劣化していることを、この医用画像を閲覧して診断を行うユーザが認識していないと、誤診を引き起こしてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の実施形態はこのような点を考慮してなされたもので、医用画像が劣化していることをユーザが認識することができる医用画像処理サーバおよび医用画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の医用画像処理システムにおける医用画像処理サーバは、医用画像の原画像を格納する画像記憶部と、前記画像記憶部に格納される前記医用画像のうち、クライアントに送信する送信用画像、或いは前記クライアントに一旦送信した後前記クライアントから返送された返信画像の画質が劣化しているか否かを判定する画質劣化判定部と、前記画質が劣化していると判定された場合は、前記送信用画像、又は前記返信画像を再送信する再送信用画像に画像劣化情報を添付する画像劣化情報添付部と、前記画像劣化情報が添付された前記送信用画像又は前記再送信用画像を、前記クライアントに送信する通信部とを備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る医用画像処理システムの概略図。
【図2】サーバの概略構成を示すブロック図。
【図3】設定情報記憶部に格納される各種処理設定、および画像劣化マークの設定情報の例を示す図。
【図4】シンクライアント端末の概略構成を示すブロック図。
【図5】第1の実施例として、サーバ1で医用画像を圧縮した場合のサーバおよびクライアント端末の動作を示すフローチャート。
【図6】第1の実施例における医用画像の表示例を示す図。
【図7】第2の実施例として、サーバがクライアント端末に医用画像を圧縮せずに送信した場合のサーバおよびシンクライアント端末の動作を示すフローチャート。
【図8】第2の実施例における医用画像の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る医用画像処理システム100の概略図である。医用画像処理システム100はシンクライアント型の医用情報システムであり、サーバ1、複数のシンクライアント端末2(2a、2b…)を含む。サーバ1は、シンクライアント端末2と、例えば、病院内のLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して相互に通信可能に接続される。
【0012】
図2にサーバ1の概略構成を示す。サーバ1は、制御部10、画像データベース14、通信部15、記憶部16、情報記憶媒体17、シンクライアント情報保管部18、設定情報記憶部19がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0013】
通信部15は、病院内LANに接続し、複数のシンクライアント端末2や複数の画像診断装置との通信を行う。シンクライアント情報保管部18は、サーバ1に複数のシンクライアント端末2a、2b…が接続要求した場合に受信する、各シンクライアント端末2a、2b…固有の設定値(端末設定情報とする)を格納する。端末設定情報は、例えばシンクライアント端末2の識別情報、解像度、画像キャッシュのサイズ、または言語情報等を含む。
【0014】
設定情報記憶部19は、例えばシンクライアント端末2へ医用画像を送信する時の画像圧縮の有無や圧縮のタイプ、シンクライアント端末2の画像キャッシュに基づく処理の有無や処理の内容、クライアントとの解像度が異なる場合の処理内容といった各種処理設定、および後述する添付部104によって画像劣化マークを添付するか否かの設定情報を格納する。図3に設定情報記憶部19に格納される設定情報の例を示す。
【0015】
画像データベース14は、図示しない画像診断装置で撮影された任意の患者の医用画像データを通信部15で受信し格納する。医用画像データには、データを作成した装置名、画像データの識別ID、データサイズ、編集した端末等といったデータ属性情報も付随している。
【0016】
記憶部16は、制御部10や通信部15などのワーク領域となるもので、RAM(Random Access Memory)などにより実現できる。また記憶部16は、医用画像を一時的に格納する。
【0017】
情報記憶媒体17(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、ハードディスク、或いはメモリ(Flash Memory、ROM:Read Only Memory)などにより実現できる。情報記憶媒体17には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)、シンクライアント端末2を動作させるための複数のアプリケーション等が記憶される。
【0018】
制御部10は、サーバ1全体の制御を司り、情報記憶媒体17に格納されるOS(Operating System)等の基本プログラム及び所定のプログラムに従って処理を実行する演算装置である。
【0019】
制御部10は、画像処理部101、判定部102、比較部103、添付部104を含む。
画像処理部101は、画像データベース14に格納されている医用画像の圧縮等といった画像処理を行う。判定部102は、シンクライアント情報保管部18に格納されるシンクライアント端末2b固有の端末設定情報に基づき、シンクライアント端末2bの画像キャッシュまたは解像度が、医用画像のデータサイズより小さいか判定する。比較部103は、画像データベース14に格納された医用画像と、通信部15で任意のシンクライアント端末(2bとする)から受信した医用画像とで、一致度が所定値以上あるか否かを比較する。添付部104は、画像処理部101で圧縮した医用画像、または比較部103で比較し一致度が所定値以下であると判定した医用画像に、画像劣化マークを添付する。詳細は後述する。
【0020】
図4にシンクライアント端末2の概略構成を示す。シンクライアント端末2は、ユーザが閲覧、操作を行う端末であり、制御部20、表示部22、操作部23、画像キャッシュ24、通信部25、記憶部26、シンクライアント情報保管部28がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0021】
表示部22は、サーバ1から送信された医用画像を表示する。操作部23はキーボードやマウス等であり、各種入力を行ってサーバ1へ処理を指示する。
【0022】
通信部25は、病院内LANに接続し、サーバ1との通信を行う。シンクライアント情報保管部28は、シンクライアント端末2固有の設定値(端末設定情報とする)を格納する。端末設定情報には、サーバ1のシンクライアント情報保管部18と同様に、例えばシンクライアント端末2の識別情報、解像度、画像キャッシュのサイズ、または言語情報等を含む。画像キャッシュ24は、サーバ1から送信された複数の医用画像を一時的に保管する。
【0023】
記憶部26は、制御部20や通信部25などのワーク領域となるもので、RAM(Random Access Memory)などにより実現できる。
【0024】
制御部20は、シンクライアント端末2全体の制御を司る。シンクライアント端末2自身は、アプリケーションプログラムを持たないため、シンクライアント端末2の制御部20は、サーバ1の情報記憶媒体17に格納されるOS(Operating System)等の基本プログラム及び所定のプログラムに従って処理を実行する。制御部20は、表示処理部201、画像生成部202を含む。表示処理部201は、サーバ1から送信された医用画像を表示用に処理をし、表示部22に表示させる。例えば、圧縮された医用画像を解凍して表示部22に表示する。画像生成部202は、サーバ1から送信され表示部22に表示した医用画像をキャプチャし、別の医用画像を生成する。詳細は後述する。
【0025】
次に、上記構成の医用画像処理システムの動作について説明する。
【0026】
<第1の実施例>
まず第1の実施例として、サーバ1で医用画像を圧縮した場合の、サーバ1およびシンクライアント端末2aの動作の一例を図5に示す。
【0027】
シンクライアント端末2aは、サーバ1の画像データベース14に格納されている特定の医用画像Aを表示部22に表示するために、サーバ1に対し接続要求を行う。またシンクライアント端末2aは、シンクライアント情報保管部28に格納されたシンクライアント端末2a固有の端末設定情報を、通信部25を介してサーバ1に送信する(ステップS101)。サーバ1は、ステップS101でのシンクライアント端末2aからの接続要求に基づき接続を行い(ステップS103)、シンクライアント端末2aの端末設定情報を受信して、シンクライアント情報保管部18に格納する(ステップS105)。
【0028】
次にサーバ1の判定部102は、ステップS105で受信したシンクライアント端末2aの端末設定情報より、シンクライアント端末2aの画像キャッシュ24の残容量、またはシンクライアント端末2aの解像度が、サーバ1の画像データベース14に格納されている医用画像Aのデータサイズより小さいか否かを判定する(ステップS107)。シンクライアント端末2aの画像キャッシュ24の残容量、またはシンクライアント端末2aの解像度が医用画像Aのデータサイズよりも小さい場合(ステップS107で「Yes」)、サーバ1の画像処理部101は、この医用画像Aを圧縮処理する(ステップS109)。そして添付部104は、ステップS109で圧縮を行った医用画像に対し、設定情報記憶部19に格納される設定情報に基づいて、画像劣化情報(例えばマーク)を添付する(ステップS111)。
【0029】
次にサーバ1の通信部15は、ステップS109、S111で圧縮し画像劣化マークを添付した医用画像、または圧縮せず画像劣化マークが添付されていない医用画像をシンクライアント端末2aに送信する(ステップS113)。シンクライアント端末2aの通信部25はこれを受信し(ステップS115)、表示部22に表示する(ステップS117)。
【0030】
図6に上述した第1の実施例における医用画像の表示例を示す。サーバ1の画像データベース14に格納されている医用画像(A)は、画像処理部101で圧縮処理されることにより劣化した粗い医用画像(B)となる。添付部104は、この医用画像(B)の右隅に画像劣化マークを添付し、画像劣化マークを添付した医用画像(C)が、シンクライアント端末2aに送信される。シンクライアント端末2aは、サーバ1から送信された、画像劣化マーク付きの医用画像(D)を表示する。
【0031】
なお、添付部104は、画像劣化マークを医用画像自体に貼り付けてシンクライアント端末2aに送信しても良いし、画像劣化マークを1枚の画像として、医用画像と重ね合わせ(オーバーレイ)、シンクライアント端末2aに送信しても良い。または、医用画像の付帯情報に画像劣化のフラグを追加してシンクライアント端末2aに送信し、この医用画像を受信したシンクライアント端末2aが、画像劣化のフラグに基づいて医用画像に画像劣化マークを添付する構成としても良い。
【0032】
また添付部104は、画像劣化情報を医用画像に添付する際、医用画像の付帯情報に、例えば「画像圧縮を行った」等の、画像劣化の原因情報を付加してシンクライアント端末2aに送信しても良い。ユーザは、この原因情報に基づき、例えば圧縮の設定を変更する等の対策を行うことが出来る。
【0033】
<第2の実施例>
第2の実施例として、サーバ1がシンクライアント端末2bに医用画像を圧縮せず送信した場合のサーバ1およびシンクライアント端末2bの動作の一例を図7に示す。
【0034】
ステップS201〜S205の動作は、図5のステップS101〜S105と同様なので説明を省略する。次にサーバ1は、画像データベース14に格納される、シンクライアント端末2bから要求された医用画像Aをシンクライアント端末2bに送信し(ステップS207)、シンクライアント端末2bはこの医用画像Aを受信する(ステップS209)。
【0035】
ステップS209で受信した医用画像Aの付帯情報には、シンクライアント端末2bへの送信回数が付加されている。シンクライアント端末2bでの受信回数が1回目の場合(ステップS210で「Yes」)、シンクライアント端末2bの画像生成部202は、ステップS209で受信した医用画像Aをキャプチャし、サーバ1に返送するための医用画像A1を生成する(ステップS211)。そして、その医用画像A1をサーバ1に送信する(ステップS212)。
ネットワークに不具合がある場合、ステップS209で受信した医用画像Aはサーバ1が有する医用画像Aより劣化している可能性があり、つまり医用画像Aをキャプチャして生成した医用画像A1も同様に劣化している可能性がある。
【0036】
医用画像A1を受信(ステップS213)したサーバ1の比較部103は、ステップS207で送信した医用画像Aと、医用画像A1とを比較する。医用画像Aと医用画像A1の一致度が所定値以上無い場合(ステップS215で「No」)、医用画像A1は医用画像Aより劣化していると考えられる。よって、添付部104は、医用画像Aに画像劣化情報(例えばマーク)を添付する(ステップS217)。
【0037】
ステップS215での一致度とは、画像の鮮明さも含め、2つの画像がどの程度一致しているかを判断する指標である。なお、一致度はユーザがあらかじめ設定してサーバ1に格納していても良い。
【0038】
次にサーバ1の通信部15は、ステップS217で画像劣化マークを添付した医用画像、または一致度が所定値以上あるため画像劣化マークが添付されていない医用画像をシンクライアント端末2bに送信する(ステップS219)。シンクライアント端末2bの通信部25はこれを受信し(ステップS221)、表示部22に表示する(ステップS223)。
【0039】
なお複数枚の医用画像について一致度を判定する場合、サーバ1の比較部103は、全画像を比較しても良いし、全画像のうちあらかじめ設定した数枚の画像のみについて比較しても良い。または、画像の全体領域について比較しても良いし、画像の一部領域のみを比較しても良い。
【0040】
また、ステップS207でサーバ1がシンクライアント端末2bに複数の医用画像を送信する場合、サーバ1が、特定の医用画像に比較処理する旨の情報を付加してシンクライアント端末2bに送信しても良い。シンクライアント端末2bは、比較処理する旨の情報が付加されている医用画像について、キャプチャして別の医用画像を生成しサーバ1に送信する。
【0041】
図8に上述した第2の実施例における医用画像の表示例を示す。サーバ1の画像データベース14に格納されている医用画像(a)はシンクライアント端末2bに送信される(b)。シンクライアント端末2bは送信された医用画像(b)をキャプチャして別の医用画像を生成する(c)。シンクライアント端末2bがサーバ1に医用画像(c)を送信すると(d)、サーバ1の比較部103は、医用画像(a)と(d)を比較する。(a)と(d)との一致度が少ない場合、サーバ1が有する医用画像(a)の右隅に画像劣化マークが添付され(e)、シンクライアント端末2bに送信される。シンクライアント端末2bは、サーバ1から送信された、画像劣化マークが添付された医用画像(f)を表示する。
【0042】
なお、添付部104は、画像劣化マークを医用画像自体に貼り付けてシンクライアント端末2bに送信しても良いし、画像劣化マークを1枚の画像として、医用画像と重ね合わせ(オーバーレイ)、シンクライアント端末2bに送信しても良い。または、医用画像の付帯情報に画像劣化のフラグを追加してシンクライアント端末2bに送信し、この医用画像を受信したシンクライアント端末2bが、画像劣化のフラグに基づいて医用画像に画像劣化マークを添付する構成としても良い。
【0043】
また添付部104は、画像劣化マークを医用画像に添付する際、医用画像の付帯情報に、例えば「ネットワーク不具合のおそれあり」等の画像劣化の推定原因情報を付加してシンクライアント端末2bに送信しても良い。このとき、サーバ1は自ら画像劣化を招く処理を行っていないため、例えばネットワークの不調等、サーバ1が推定し得る画像劣化の原因情報を付加するようにしてもよい。ユーザは、この原因情報に基づき、例えばネットワークケーブルを点検する等の対策を行うことが出来る。
【0044】
以上説明した実施例によれば、シンクライアント端末2がサーバ1より受信し表示する医用画像について、サーバ1は、医用画像を送信する前に、シンクライアント端末2の端末設定情報より、医用画像を圧縮するか否かを判断する。医用画像を圧縮した場合は、当該医用画像に画像劣化を示す情報を付加してシンクライアント端末2に送信する。また他の例として、シンクライアント端末2がサーバ1より受信し表示する医用画像について、一旦サーバ1がシンクライアント端末2に医用画像を送信し、シンクライアント端末2が、表示した医用画像をキャプチャして別の医用画像を生成する。シンクライアント端末2は、生成した医用画像を送信する。サーバ1が有する医用画像と、シンクライアント端末2から受信した医用画像とを比較し、一致度が所定値以下の場合は、当該医用画像に画像劣化を示す情報を付加してシンクライアント端末2に送信する。よって、シンクライアント端末2に表示された医用画像が劣化しているかをユーザが認識して、当該医用画像を閲覧することが出来る。
【0045】
さらに、シンクライアント端末2がサーバ1から受信した医用画像が劣化している場合に、劣化の原因情報を医用画像の付帯情報に付加することで、ユーザに劣化原因を除去するよう促すことが出来る。
【0046】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1…サーバ、2a、2b…シンクライアント端末、10…制御部、14…画像データベース、15…通信部、16…記憶部、17…情報記憶媒体、18…シンクライアント情報保管部、19…設定情報記憶部、101…画像処理部、102…判定部、103…比較部、104…添付部、20…制御部、22…表示部、23…操作部、24…画像キャッシュ、25…通信部、26…記憶部、28…シンクライアント情報保管部、201…表示処理部、202…画像生成部、100…医用画像処理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を表示するクライアントと、前記クライアントと通信を行い、前記医用画像の画像処理を行う医用画像処理サーバとを含む医用画像処理システムにおける医用画像処理サーバにおいて、
医用画像の原画像を格納する画像記憶部と、
前記画像記憶部に格納される前記医用画像のうち、前記クライアントに送信する送信用画像、或いは前記クライアントに一旦送信した後前記クライアントから返送された返信画像の画質が劣化しているか否かを判定する画質劣化判定部と、
前記画質が劣化していると判定された場合は、前記送信用画像、又は前記返信画像を再送信する再送信用画像に画像劣化情報を添付する画像劣化情報添付部と、
前記画像劣化情報が添付された前記送信用画像又は前記再送信用画像を、前記クライアントに送信する通信部と、
を備えたことを特徴とする医用画像処理サーバ。
【請求項2】
前記画像劣化情報添付部で添付する前記画像劣化情報は、少なくとも画像劣化を示すマークまたはフラグのいずれか一方である、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項3】
前記画像劣化情報添付部で添付する前記画像劣化情報は、画像劣化の原因情報をさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項4】
前記クライアントから受信する、少なくとも解像度および画像キャッシュのひとつを含むクライアント情報に応じて、前記医用画像の原画像の圧縮処理を行う画像処理部とを備え、
前記画質劣化判定部は、前記画像処理部が前記圧縮処理を行ったとき、前記送信用画像の画質が劣化していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項5】
前記送信用画像を前記クライアントに送信する時の画像処理設定、および前記画像処理設定に基づき、前記画質劣化判定部で前記送信用画像の画質が劣化しているか否かを判定するための設定情報を格納する設定情報記憶部をさらに有し、
前記画像劣化情報添付部は、前記設定情報記憶部に格納される前記設定情報に基づき、前記送信用画像に画像劣化情報を添付する、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項6】
前記画像記憶部に格納される前記医用画像の原画像と、前記クライアントから返送された返信画像との画質の一致度を比較する比較部、をさらに備え、
前記画質劣化判定部は、前記一致度が所定値より小さい場合、前記返信画像の画質が劣化していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項7】
前記通信部は、前記クライアントに送信した複数の送信用画像のうち全て、または一部を前記返信画像として前記クライアントから受信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項8】
前記送信用画像に前記クライアントへの送信回数情報を付加し、前記送信回数情報が1回の場合、前記通信部は前記返信画像を前記クライアントから受信する、
ことを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理サーバ。
【請求項9】
医用画像を表示するクライアントと、前記クライアントと通信を行い、前記医用画像の画像処理を行う医用画像処理サーバとを含む医用画像処理システムにおいて、
前記医用画像処理サーバは、
医用画像の原画像を格納する画像記憶部と、
前記画像記憶部に格納される前記医用画像のうち、前記クライアントに送信する送信用画像、或いは前記クライアントに一旦送信した後前記クライアントから返送された返信画像の画質が劣化しているか否かを判定する画質劣化判定部と、
前記画質が劣化していると判定された場合は、前記送信用画像、又は前記返信画像を再送信する再送信用画像に画像劣化情報を添付する画像劣化情報添付部と、
前記画像劣化情報が添付された前記送信用画像又は前記再送信用画像を、前記クライアントに送信する第1の通信部と、
を有し、
前記クライアントは、
前記サーバから送信された前記送信用画像または前記再送信用画像を受信し、前記サーバに前記返信画像を返送する第2の通信部と、
前記第2の通信部で受信した前記送信用画像または前記再送信用画像を表示する表示部と、
を有する、
ことを特徴とする医用画像処理システム。
【請求項10】
前記クライアントの前記第2の通信部は、少なくとも解像度および画像キャッシュのひとつを含むクライアント情報を送信し、
前記医用画像処理サーバは、
前記クライアントから受信する前記クライアント情報に応じて、前記医用画像の原画像の圧縮処理を行う画像処理部を備え、
前記画質劣化判定部は、前記画像処理部が前記圧縮処理を行ったとき、前記送信用画像の画質が劣化していると判定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の医用画像処理システム。
【請求項11】
前記医用画像処理サーバは、
前記画像記憶部に格納される前記医用画像の原画像と、前記クライアントから返送された返信画像との画質の一致度を比較する比較部をさらに備え、
前記画質劣化判定部は、前記一致度が所定値より小さい場合、前記返信画像の画質が劣化していると判定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の医用画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−50726(P2012−50726A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196637(P2010−196637)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】