説明

医用画像処理装置および方法並びにプログラム

【課題】同一スライス位置の医用画像を精度よく特定できるようにする。
【解決手段】スライス位置決定部22が、第1の断層画像について現在表示しているスライス位置を対象スライス位置に決定する。第1の情報取得部23が、第1の断層画像からまたはユーザの入力により、第1の情報J1を取得する。第2の情報取得部24が第1の情報J1に対応する抽出対象語を第2の情報J2として読影レポートRPTから取得し、第2の情報J2が取得された読影レポートRPTと関連づけられた画像を、対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像G2に決定する。表示画像生成部26が対象スライス位置の画像G1と対応スライス位置の画像G2とを含む表示画面SCを生成し、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の医用画像の比較読影に適した医用画像処理装置および方法並びに医用画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療画像の分野においては、X線撮影装置の他、X線CT(Computed Tomography)装置、超音波(US)診断装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、およびSPET(Single-Photon Emission Tomography)装置等の様々な技術を用いたモダリティが利用されている。このようなモダリティの高速化およびマルチスライス対応といった高性能化に伴い、1つの撮影シリーズにおいて被検者の複数の部位の撮影を行い、数百から数千の高精細な断層画像を取得することが可能になってきている。また、1つの候補疾患に対して複数のモダリティを用いた医用画像が取得されるようになってきている。さらに、画像診断を行う際に過去に撮影された医用画像を参照することも行われている。このため、1つの候補疾患に対して取得された複数のモダリティによる医用画像および過去の医用画像を比較しながら画像診断を行う比較読影が頻繁に行われるようになってきており、その結果、統合的に診断を行うことが可能となってきている。
【0003】
このような比較読影を行う場合には、とくに医用画像が断層画像である場合には、撮影時期が異なる撮影シリーズの断層画像間において、スライス位置を合わせ、同一のスライス位置の画像を表示する必要がある。しかしながら、医用画像を取得する1つの撮影シリーズにおいては、数百から数千の画像が取得されるため、比較する断層画像間のスライス位置を合わせる作業はユーザの負担が非常に大きい。
【0004】
このため、読影対象となる現在の医用画像および過去の医用画像のそれぞれから、肺野、心臓、および下降大動脈等の特定臓器の領域を抽出し、現在の医用画像から抽出した領域と過去の医用画像から抽出した領域とのサイズおよび形態に関わるインデックスに基づいて、現在の医用画像と過去の医用画像との間で体軸方向に関する解剖学的な位置を揃えることにより、自動的に解剖学的に同一のスライス位置における画像を表示する手法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された手法を用いることにより、スライス位置を合わせる作業を行う必要がなくなるため、比較読影を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0005】
一方、実際の画像診断の現場では、画像診断の依頼元である各診療科の医師(以下、依頼医)と医用画像の読影を専門とする医師(以下、読影医)との連携により診断が行われていることが多い。具体的には、依頼医からの検査オーダーに基づいて、放射線技師が患者の撮影を行って医用画像を取得した後、読影医がその医用画像の読影を行い、読影結果をまとめた読影レポートを作成して依頼医に返し、依頼医は、作成された読影レポートに記載された所見を読み、読影レポートに貼り付けられた画像を参照しつつ、問診結果や他の検査結果等の種々の情報も考慮して最終的な診断を行う。
【0006】
この読影レポートの作成・参照に関する従来技術としては、読影レポートに貼り付けられた複数の画像の各々が読影レポート中の所見内容のどの部分と関係しているかを明確にするために、読影レポートの作成の際に、ユーザによる入力操作に応じて、所見の中のキーになる文字列に、その文字列とともに参照すべき医用画像のアドレス、および、ウィンドウレベル、ウィンドウ幅、拡大率等の画像編集パラメータを関連づけるリンクを作成するようにし、さらに、レポート参照時に、閲覧者がその文字列をクリックすると、リンクされた医用画像を画像編集パラメータに基づいて編集して表示するようにした医用レポート作成・参照装置が知られている(特許文献2参照)。
【0007】
一方、CT等での撮影によって得られた断層画像から内視鏡と類似した画像を生成する仮想内視鏡技術が知られている。この技術は、とくに大腸の腫瘍を発見するために、内視鏡検査をすることなくCT撮影のみで腫瘍を発見する方法として北米で普及している。そして、仮想内視鏡画像を用いて内視鏡手術あるいは検査等を安全かつ迅速に行うための手法が提案されている。
【0008】
例えば、特許文献3には、内視鏡観察下において、内視鏡画像では見えない周辺部の仮想内視鏡画像を内視鏡画像に重畳表示することにより、内視鏡手術を支援するための手法が記載されている。また、特許文献4には、気管支等の管路についての仮想内視鏡画像を作成し、仮想内視鏡画像上において管路に沿って目的点までの経路を事前に求めておき、この経路の沿った仮想内視鏡画像を実際の内視鏡観察時における案内画像として使用する手法が提案されている。特許文献3,4に記載された手法によれば、内視鏡画像とともに仮想内視鏡画像を表示することにより、安全かつ迅速に内視鏡観察を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−137230号公報
【特許文献2】特開2005−301453号公報
【特許文献3】特開2006−198032号公報
【特許文献4】特開2000−135215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載された手法は、読影対象となる現在の医用画像および過去の医用画像のそれぞれから抽出した領域のサイズを用いてスライス位置を合わせるようにしているため、位置合わせの精度が十分ではなく、その結果、医用画像が表示された後に、さらに手動でスライス位置を修正する必要がある。また、特許文献2に記載された手法は、読影レポートを参照することにより、その読影レポートにより関連づけられている医用画像を表示することができるが、比較読影を行う場合、比較したい医用画像に関連づけられている文言を読影レポートから探し出す必要があり、その作業が非常に煩わしいものとなる。また、比較したい医用画像が読影レポートの文言と関連づけられていない場合、その医用画像を表示することはできない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、同じスライス位置等の同じ視点位置の医用画像を精度よく特定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による第1の医用画像処理装置は、多重視点の第1の医用画像における対象視点位置を決定する対象視点位置決定手段と、
前記第1の医用画像から該第1の医用画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の医用画像と同一被検者に関し、前記第1の医用画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の医用画像に対する所見を含み、該第2の医用画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定する画像決定手段とを備えたことを特徴とする
「多重視点の医用画像」としては、画像内において見る位置(すなわち視点)を変更した場合に、視点毎に異なる画像を特定可能な医用画像である。例えば、上記X線CT装置等により取得されたマルチスライスの断層画像においては、スライス位置を観察する視点の位置と見なすことができ、スライス位置を変更することにより異なるスライス位置の画像を特定することができるため、マルチスライスの断層画像を多重視点の医用画像として用いることができる。また、マルチスライスの断層画像から生成された仮想内視鏡技術においては、所望とする視点の位置を変更することにより、異なる位置の仮想内視鏡画像を特定できる。また、実際に被検体の体腔内に挿入した内視鏡を用いて撮影を行うことにより取得した実内視鏡画像においても、体腔内の所望とする視点の位置を変更することにより、その視点の位置における実内視鏡画像を動画像あるいは静止画像により特定することができる。したがって、仮想内視鏡画像および実内視鏡画像を多重視点の医用画像として用いることもできる。
【0013】
なお、本発明による第1の医用画像処理装置においては、前記第1の情報取得手段を、前記第1の医用画像における前記対象視点位置の画像から、前記第1の情報を取得する手段としてもよい。
【0014】
本発明による第2の医用画像処理装置は、多重視点の第1の医用画像における対象視点位置を決定する対象視点位置決定手段と、
前記対象視点位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の医用画像と同一被検者に関し、前記第1の医用画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の医用画像に対する所見を含み、該第2の医用画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定する画像決定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
「解剖学的構造物」は、撮影部位、臓器、器官、臓器または器官の部分および組織等、様々なレベルのものが考えられる。具体例としては、頭部、胸部といった撮影部位のレベル、脳、肺、肝臓といった臓器等のレベル、前頭葉、左肺、左肺上葉、肝区域といった臓器等の一部のレベルの他、骨、血管等の器官のレベル、第5腰椎、肝動脈といった特定の骨や血管のレベル等が挙げられる。
【0016】
「病変」とは、上記の解剖学的構造物中の病変であり、具体例としては、結節、びまん性疾患、腫瘍、狭窄、梗塞等が挙げられる。
【0017】
したがって、本発明における「解剖学的構造物および/または病変に関する情報」とは、上記の解剖学的構造物および/または病変そのものを定義したものであるということができる。
【0018】
読影レポート情報からの解剖学的構造物および/または病変に関する情報の取得方法としては、解剖学的構造物および/または病変を表すキーワードを予め用意しておき、読影レポート情報からこれらのキーワードを抽出する方法、あるいは公知の言語解析を用いる方法等が挙げられる。
【0019】
なお、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、対象視点位置の画像および前記対応視点位置の画像を含む表示画面を表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0020】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記表示制御手段を、前記対応視点位置の画像が1つの場合、該1つの対応視点位置の画像を含む前記表示画面を前記表示手段に表示する手段としてもよい。
【0021】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記表示制御手段を、前記対応視点位置の画像が複数の場合、該複数の前記対応視点位置の画像を特定する情報のリストを含む前記表示画面を前記表示手段に表示し、該リストにおいて特定された対応視点位置の画像を前記表示手段に表示する手段としてもよい。
【0022】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記表示制御手段を、前記対応視点位置の画像が複数の場合、すべての対応視点位置の画像を含む前記表示画面を前記表示手段に表示する手段としてもよい。
【0023】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記表示制御手段を、前記対応視点位置の画像が複数の場合、すべての対応視点位置の画像を切り替え可能な前記表示画面を前記表示手段に表示する手段としてもよい。
【0024】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記表示制御手段を、取得日時が最も新しい対応視点位置の画像が選択状態となるように前記表示画面を前記表示手段に表示する手段としてもよい。
【0025】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記表示制御手段を、前記すべての対応視点位置の画像の取得日時を含めた前記表示画面を前記表示手段に表示する手段としてもよい。
【0026】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記画像決定手段を、前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置を特定し、該特定した視点位置を基準とした所定範囲の視点位置の画像と前記対象視点位置の画像との相関に基づいて、前記対応視点位置の画像を決定する手段としてもよい。
【0027】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記多重視点の第1の医用画像をマルチスライスの断層画像とし、前記多重視点の第2の医用画像をマルチスライスの断層画像としてもよい。
【0028】
また、本発明による第1および第2の医用画像処理装置においては、前記多重視点の第1の医用画像をマルチスライスの断層画像から作成した仮想内視鏡画像とし、前記多重視点の第2の医用画像を実内視鏡画像またはマルチスライスの断層画像としてもよい。
【0029】
本発明による第1の医用画像処理方法は、多重視点の第1の断層画像における対象視点位置を決定し、
前記第1の断層画像から該第1の断層画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得し、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得し、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定することを特徴とするものである。
【0030】
本発明による第2の医用画像処理方法は、多重視点の第1の断層画像における対象視点位置を決定し、
前記対象視点位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得し、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得し、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定することを特徴とするものである。
【0031】
本発明による第3の医用画像処理装置は、マルチスライスの第1の断層画像における対象スライス位置を決定する対象スライス位置決定手段と、
前記第1の断層画像から該第1の断層画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と撮影時期が異なるマルチスライスの少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成したスライス位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像のスライス位置に基づいて、前記対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像を決定する画像決定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0032】
本発明による第4の医用画像処理装置は、マルチスライスの第1の断層画像における対象スライス位置を決定する対象スライス位置決定手段と、
前記対象スライス位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と撮影時期が異なるマルチスライスの少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成したスライス位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像のスライス位置に基づいて、前記対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像を決定する画像決定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0033】
本発明による第3の医用画像処理方法は、マルチスライスの第1の断層画像における対象スライス位置を決定し、
前記第1の断層画像から該第1の断層画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得し、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と撮影時期が異なるマルチスライスの少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成したスライス位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得し、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像のスライス位置に基づいて、前記対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像を決定することを特徴とするものである。
【0034】
本発明による第4の医用画像処理方法は、マルチスライスの第1の断層画像における対象スライス位置を決定し、
前記対象スライス位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得し、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と撮影時期が異なるマルチスライスの少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成したスライス位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得し、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像のスライス位置に基づいて、前記対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像を決定することを特徴とするものである。
【0035】
なお、本発明による第1から第4の医用画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、第1の医用画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報が第1の情報として取得され、第1の医用画像と同一被検者に関し、第1の医用画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の医用画像に対する所見を含み、第2の医用画像のうちの所見を作成したスライス位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、第1の情報に関連する、所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報が第2の情報として取得され、第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像が、対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像に決定される。このため、特許文献1に記載された手法のように、画像処理を用いてスライス位置を特定する手法と比較して、第1および第2の医用画像における同じスライス位置の画像を精度よく特定することができる。
【0037】
とくに、第1の医用画像における対象視点位置の画像から第1の情報を取得することにより、第1の情報を取得するための処理時間を短縮することができる。
【0038】
また、対象視点位置および対応視点位置の画像を含む表示画面を表示することにより、表示画面に含まれる画像の視点位置が一致するため、比較読影を精度よく行うことができる。
【0039】
また、対応視点位置の画像が複数の場合、複数の対応視点位置の画像を特定する情報のリストを含む表示画面を表示し、リストにおいて特定された対応視点位置の画像を表示することにより、所望とする対応視点位置の画像を表示することができる。
【0040】
また、対応視点位置の画像が複数の場合、すべての対応視点位置の画像を含む表示画面を表示する、あるいはすべての対応視点位置の画像を切り替え可能な表示画面を表示することにより、複数の対応視点位置の画像と対象視点位置の画像との比較を容易に行うことができる。
【0041】
この場合、取得日時が最も新しい対応視点位置の画像が選択状態となるように表示画面を表示することにより、第1の医用画像と撮影日時が直近の第2の医用画像との比較を容易に行うことができる。
【0042】
また、すべての対応視点位置の画像の取得日時を含めた表示画面を表示することにより、第2の医用画像を取得した日時を容易に認識することができ、その結果、第1の医用画像と所望とする取得日時の第2の医用画像との比較読影を容易に行うことができる。
【0043】
また、第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置を特定し、特定した視点位置の近傍における所定範囲の視点位置の画像と対象視点位置の画像との相関に基づいて、対応視点位置の画像を決定することにより、第1の医用画像および第2の医用画像における視点位置をより精度よく一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態における医用画像処理装置が導入された医療情報システムの概略構成を示す図
【図2】診療科用ワークステーションにおける画像閲覧機能として実装された本発明の第1の実施形態による医用画像処理装置を適用した医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図
【図3】画像の表示画面中において起動操作を行う場合の具体例を示す図
【図4】画像の表示画面中において第1の情報を取得する場合の具体例を示す図(その1)
【図5】画像の表示画面中において第1の情報を取得する場合の具体例を示す図(その2)
【図6】画像の表示画面中において起動操作を行う場合の他の具体例を示す図
【図7】読影レポートの表示画面の具体例を示す図
【図8】抽出対象語の決定の処理の具体的内容を模式的に示す図
【図9】比較読影用の表示画面の例を示す図(その1)
【図10】比較読影用の表示画面の例を示す図(その2)
【図11】比較読影用の表示画面の例を示す図(その3)
【図12】比較読影用の表示画面の例を示す図(その4)
【図13】比較読影用の表示画面の例を示す図(その5)
【図14】比較読影用の表示画面の例を示す図(その6)
【図15】第1の実施形態において診療科用ワークステーションにおいて行われる処理を示すフローチャート
【図16】診療科用ワークステーションにおける画像閲覧機能として実装された本発明の第2の実施形態による医用画像処理装置を適用した医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図
【図17】第2の実施形態における画像の表示画面を示す図
【図18】仮想内視鏡画像および断層画像を用いた場合の比較読影用の表示画面の例を示す図
【図19】仮想内視鏡画像および静止内視鏡画像を用いた場合の比較読影用の表示画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態における医用画像処理装置が導入された医療情報システムの概略構成を示す図である。このシステムは、公知のオーダリングシステムを用いた診療科の医師からの検査オーダーに基づいて、被検体の検査対象部位の撮影および保管、放射線科の読影医による撮影された画像の読影および読影レポートの作成、依頼元の診療科の医師による読影レポートの閲覧および読影対象だった画像の詳細観察を行うためのシステムである。図1に示すように、医用画像の撮影装置(モダリティ)1、画像品質チェック用ワークステーション(QA−WS)2、放射線科用ワークステーション3、診療科用ワークステーション4、画像情報管理サーバ5、画像情報データベース6、読影レポートサーバ7、および読影レポートデータベース8が、ネットワーク9を介して互いに通信可能な状態で接続されて構成されている。各機器は、CD−ROM等の記録媒体からインストールされたプログラムによって制御される。また、プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で接続されたサーバの記憶装置からダウンロードされた後にインストールされたものであってもよい。
【0046】
モダリティ1には、被検体の検査対象部位を撮影することにより、その部位を表す画像の画像データを生成し、その画像データにDICOM規格で規定された付帯情報を付加して、画像情報として出力する装置が含まれる。具体例としては、CT、MRI、PET、超音波撮影装置、平面X線検出器(FPD)を用いたX線撮影装置等が挙げられる。なお、以下では、被写体を表す画像データと画像データの付帯情報の組を「画像情報」と称することとする。すなわち「画像情報」の中には画像に係るテキスト情報も含まれる。
【0047】
QA−WS2は、汎用の処理装置(コンピュータ)と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウス等の入力機器により構成される。処理装置には、検査技師の作業を支援するためのソフトウェアが組み込まれている。QA−WS2は、そのソフトウェアプログラムの実行によって実現される機能により、モダリティ1からDICOMに準拠した画像情報を受信し、受信した画像情報に含まれる画像データと付帯情報の内容を画面に表示することで検査技師に確認を促す。そして、検査技師による確認が済んだ画像情報を、ネットワーク9を介して画像情報管理サーバ5に転送し、その画像情報の画像情報データベース6への登録を要求する。
【0048】
放射線科用ワークステーション3は、放射線科の画像診断医が画像の読影や読影レポートの作成に利用するコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、およびデータバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものであるが、表示装置と1台または2台の高精細ディスプレイを有している。この装置では、画像情報管理サーバ5に対する画像の閲覧要求や、画像情報管理サーバ5から受信した画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートの作成の支援、読影レポートサーバ7に対する読影レポートの登録要求や閲覧要求、読影レポートサーバ7から受信した読影レポートの表示等の各処理が、各処理のためのソフトウェアプログラムの実行により行われる。
【0049】
診療科用ワークステーション4は、診療科の医師が画像の詳細観察や読影レポートの閲覧、電子カルテの閲覧・入力等に利用するコンピュータであり、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、およびデータバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされたものであるが、表示装置と1台または2台の高精細ディスプレイを有している。この装置では、画像情報管理サーバ5に対する画像の閲覧要求や、画像情報管理サーバ5から受信した画像の表示、画像中の病変らしき部分の自動検出・強調表示、読影レポートサーバ7に対する読影レポートの閲覧要求、読影レポートサーバ7から受信した読影レポートの表示等の各処理が、各処理のためのソフトウェアプログラムの実行により行われる。本発明の医用画像処理装置は、この診療科用ワークステーション4に実装されているが、これについては後述する。
【0050】
画像情報管理サーバ5は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムを組み込んだものである。画像情報管理サーバ5は画像情報データベース6が構成される大容量ストレージを備えている。このストレージは、画像情報管理サーバ5とデータバスによって接続された大容量のハードディスク装置であってもよいし、ネットワーク9に接続されているNAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)に接続されたディスク装置であってもよい。
【0051】
画像情報データベース6には、被写体画像を表す画像データと付帯情報とが登録される。付帯情報には、例えば、個々の画像を識別するための画像ID、被写体を識別するための患者ID、検査を識別するための検査ID、画像情報毎に割り振られるユニークなID(UID)、その画像情報が生成された検査日、検査時刻、その画像情報を取得するための検査で使用されたモダリティの種類、患者氏名、年齢、性別等の患者情報、検査部位(撮影部位)、撮影条件(造影剤の使用有無や、放射線量等)、1回の検査で複数の画像を取得したときのシリーズ番号あるいは採取番号等の情報が含まれうる。画像情報は、例えばXMLやSGMLデータとして管理されうる。
【0052】
画像情報管理サーバ5は、QA−WS2からの画像情報の登録要求を受け付けると、その画像情報をデータベース用のフォーマットに整えて画像情報データベース6に登録する。
【0053】
また、画像情報管理サーバ5は、放射線科用ワークステーション3および診療科用ワークステーション4からの閲覧要求をネットワーク9経由で受信すると、上記画像情報データベース6に登録されている画像情報を検索し、抽出された画像情報を要求元の放射線科用ワークステーション3および診療科用ワークステーション4に送信する。
【0054】
放射線科用ワークステーション3および診療科用ワークステーション4は、画像診断医や診療科医等のユーザによって読影・観察対象画像の閲覧を要求する操作が行われると、画像情報管理サーバ5に対して閲覧要求を送信し、必要な画像情報を取得する。そして、その画像情報をモニタ画面に表示し、ユーザからの要求に応じて病変の自動検出処理等を実行する。
【0055】
放射線科用ワークステーション3は、読影レポートの作成を支援するレポート作成画面をモニタに表示し、放射線科医によって読影に基づいて行った所見等の内容を示すテキストが入力されたときに、入力された情報と読影の対象とされた画像(以下、読影対象画像)を記録した読影レポートを生成する。読影対象画像が複数あるときは、読影レポートには、読影所見を最も顕著に表す代表的な画像(以下、代表画像)を記録する。放射線科用ワークステーション3は、生成した読影レポートを、ネットワーク9を介して読影レポートサーバ7に転送し、その読影レポートの読影レポートデータベース8への登録を要求する。
【0056】
読影レポートサーバ7は、汎用の比較的処理能力の高いコンピュータにデータベース管理システム(DataBase Management System: DBMS)の機能を提供するソフトウェアプログラムを組み込んだものであり、放射線科用ワークステーション3からの読影レポートの登録要求を受け付けると、その読影レポートをデータベース用のフォーマットに整えて読影レポートデータベース8に登録する。
【0057】
読影レポートデータベース8には、例えば、読影対象画像もしくは代表画像を識別する画像IDや、読影を行った画像診断医を識別するための読影者ID、関心領域の位置情報、所見、および所見の確信度といった情報が登録される。この他、画像の読影時に画像情報の付帯情報を参照することで取得された検査番号、患者番号、さらには、読影対象画像または代表画像の画像データ自体も等も含まれうる。読影対象画像または代表画像の画像データは、画像情報データベース6に登録されている画像データよりも画素数が少ない(間引きされた)縮小画像データとすることができる。本実施形態においては、この縮小画像データの生成のもとになる、画像情報データベース6に登録されている画像データへのアクセスを可能にするためのリンク情報(画像情報データベース6に登録されている画像データのアドレスやフォルダ名、ファイル名等)も読影レポートデータベース8に登録される。また、画像情報データベース6に登録されている画像データをそのままコピーしたものを読影レポートデータベース8に登録しておいてもよい。また、関心領域の位置情報は、読影レポートデータベース8ではなく、画像データの付帯情報として画像情報データベース6に登録しておいてもよい。なお、読影レポートは、例えばXMLやSGMLデータとして管理されうる。
【0058】
読影レポートサーバ7は、放射線科用ワークステーション3あるいは診療科用ワークステーション4からの閲覧要求をネットワーク9経由で受信すると、読影レポートデータベース8に登録されている読影レポートを検索し、抽出された読影レポートを要求元の放射線科用ワークステーション3あるいは診療科用ワークステーション4に送信する。
【0059】
ネットワーク9は病院内の各種装置を接続するローカルエリアネットワークである。但し、放射線科用ワークステーション3あるいは診療科用ワークステーション4が他の病院あるいは診療所にも設置されている場合には、ネットワーク9は、各病院のローカルエリアネットワーク同士をインターネットもしくは専用回線で接続した構成としてもよい。いずれの場合にも、ネットワーク9は光ネットワーク等画像情報の高速転送を実現できるものとすることが好ましい。
【0060】
図2は、診療科用ワークステーション4における画像閲覧機能として実装された本発明の第1の実施形態による医用画像処理装置を適用した医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。図に示したように、第1の実施形態による医用画像表示装置は、画像取得部21、スライス位置決定部22、第1の情報取得部23、第2の情報取得部24、画像決定部25、および表示画面生成部26から構成される。なお、本実施形態においては、撮影時期が異なる断層画像の比較読影を行う場合の処理について説明する。
【0061】
まず、この閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムは、ユーザである診療科の医師が、診断の対象となる第1の断層画像を用いて比較読影するための操作を行うことによって起動される。図3は画像の表示画面中において起動操作を行う場合の具体例を示す図である。図3に示すように診断対象の画像の表示画面30は、患者IDを表示する領域31、検査IDを表示する領域32、検査日を表示する領域33、読影対象のスライス位置の画像を表示する領域34、読影対象のスライス位置を切り替える切り替えボタン35,36、比較読影開始ボタン37から構成されている。なお、読影の対象となる第1の断層画像D1は、画像取得部21により画像情報管理サーバ5から診療科用ワークステーション4に送信されているものとする。ここで、第1の断層画像はマルチスライス、すなわち複数のスライス位置の画像からなる。
【0062】
ユーザは、表示画面30において、診療科用ワークステーション4のマウスのクリック操作等による切り替えボタン35,36の押下、あるいはキーボードの左右矢印キーの押下により、読影対象のスライス位置を切り替えることができる。そして、病変等を含むような読影対象のスライス位置の画像を領域34に表示した状態においてユーザが比較読影開始ボタン37を押下すると、閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムが起動される。なお、比較読影開始ボタン37を表示することなく、読影対象のスライス位置の画像に対するダブルクリック操作等により、このソフトウェアプログラムを起動するようにしてもよい。
【0063】
このソフトウェアプログラムが起動されると、スライス位置決定部22が、現在表示しているスライス位置を読影対象の対象スライス位置に決定する。続いて、第1の情報取得部23が、第1の断層画像D1から、解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報J1として取得する。ここで、第1の情報J1のうち、解剖学的構造物の情報は、撮影部位、臓器、器官、臓器または器官の部分および組織の名称、これらの名称を表す別称または記号、もしくはそれらの略称のいずれかを含む。また、病変の情報は、病変名または病変名を表す別称または記号、もしくはそれらの略称を含む。例えば、解剖学的情報としては、頭部または胸部等の撮影部位名、脳、肺野、肝臓、骨、心臓または血管等の臓器名または器官名、前頭葉、左肺、右肺、右上肺葉または肝区域等の各臓器の部分名、もしくは第5腰椎または冠動脈等の特定の器官名等を用いることができる。また、病変の情報として、異常陰影、石灰化、血管異常、肺がん、肝細胞がん、肝のう胞、肝血管種、肝臓領域における出血、脳領域における出血、結節、腫瘍、狭窄、梗塞、並びにコンソリデーション、Ground-Glass Opacity(GGO)、Crazy-Paving、蜂巣状陰影、肺気腫陰影および粒状影等のびまん性肺疾患等、病変名、または症状を表す情報を用いることができる。
【0064】
ここで、第1の情報取得部23は、例えば、特開2008−259682号公報に記載された部位認識方法、同2007−289335号公報に記載された肺気腫領域の抽出方法、同2007−312837号公報に記載されたモデルフィッティングを用いた抽出方法、同2002−45807号公報に記載された医用画像からの領域抽出方法、および同2003−225231号公報に記載された医用画像間の関心領域を分割する手法等を用いて、部位および臓器の認識あるいは病変の検出を行い、第1の情報J1を取得する。例えば、肺野を認識するとともに、結節を自動的に検出することにより、「左肺、結節」を第1の情報として取得することができる。なお、第1の情報J1を取得する際に、表示画面30に表示された読影対象のスライス位置の画像上において、ユーザに病変部分をクリック等により指示してもらうようにしてもよい。これにより、病変の検出に失敗したとしても、部位の情報のみを得ることができる。また、対象スライス位置の画像G1のみから第1の情報J1を取得するようにしてもよい。これにより、第1の断層画像D1に含まれるすべてのスライス位置の画像から第1の情報J1を取得する場合よりも処理時間を短縮することができる。
【0065】
また、第1の情報取得部23は、自動で第1の情報J1を取得するのみならず、ユーザからの入力により第1の情報J1を取得するものであってもよい。この場合、例えば図4の表示画面30Aに示すように、部位、臓器名および病変のそれぞれについてのプルダウンメニュー41,42,43を表示し、プルダウンメニューにおいて部位、臓器名および病変の選択を受け付けるようにしてもよい。また、プルダウンメニューに代えて、テキストによる部位、臓器面および病変の入力を受け付けるようにしてもよい。さらに、読影レポートの所見の文章に含まれるキーワードを抽出したデータベースを作成しておき、図5に示すように、このデータベースから得られるキーワードを表示画面に表示してユーザに選択させるようにしてもよい。
【0066】
また、第1の情報取得部23は、まず自動で第1の情報J1の取得を実行し、自動での第1の情報J1の取得に失敗した場合に、ユーザからの入力による第1の情報J1の取得に切り替えるようにしてもよい。
【0067】
続いて、第2の情報取得部24が、読影レポートサーバ7にアクセスし、第1の断層画像D1と同一患者の、撮影時期が異なる第2の断層画像D2についての読影レポートRPTを取得し、第1の情報J1に対応する解剖学的構造物および/または病変に関する抽出対象語を第2の情報J2として読影レポートRPTから取得する。
【0068】
なお、第2の断層画像D2は、第1の断層画像D1と同一モダリティにより取得されたものであってもよく(第1の断層画像D1がCT装置により取得された場合にはCT装置により取得されたもの)、異なるモダリティにより取得されたもの(CT装置以外のMRI装置、PET装置、超音波撮影装置、単純X線撮影装置、または内視鏡装置等により取得されたもの)であってもよい。なお、図6に示すように、表示画面30において、比較読影ボタン開始ボタンとして、同一モダリティにより取得した画像のみを用いる「比較読影(同一モダリティ)」ボタン37A、およびすべてのモダリティにより取得した画像を用いる「比較読影(全モダリティ)」ボタン37Bを表示し、ユーザに同一モダリティの断層画像を用いるか、すべてのモダリティの断層画像を用いるかを選択させるようにしてもよい。
【0069】
図7は読影レポートの表示画面の具体例を示す図である。図7に示すように読影レポートRPTは、患者IDを表示する領域51、検査IDを表示する領域52、検査日を表示する領域53、読影対象画像の所見を表示する領域54、読影対象画像または代表画像の縮小画像56を表示する貼付画像の領域55から構成されている。
【0070】
また、読影レポートRPTにおいては、特許文献1に記載された従来技術のように、所見中のキーワードとそのキーワードとともに参照すべき画像とを関連づけるリンクが作成されている。例えば、図7の所見欄の「左肺上葉S2」および「結節」と縮小画像56を得たスライス位置の画像の画像データとが関連づけられている。これにより、読影レポートRPTを診療科用ワークステーション4のディスプレイモニタに表示した際に、所見欄の「左肺上葉S2」または「結節」に対するクリック操作等により、縮小画像56に対応するスライス位置の画像を表示することができる。
【0071】
第2の情報取得部24は、キーワードテーブル24Aを用いて、第1の情報取得部23が取得した第1の情報J1を解析し、スライス位置の決定要因となる抽出対象語を決定する。図8は、この処理の具体的内容の一例を模式的に示したものである。図に示したように、キーワードテーブル24Aは、関連する抽出対象語をグループ化したものであり、抽出対象語として、解剖学的構造物および病変に関する情報が登録されている。第2の情報取得部24は、第1の情報取得部23が取得した第1の情報J1中にキーワードテーブル24Aに登録された抽出対象語が存在するかどうか検索を行う。例えば第1の情報J1が「肺」および「結節」を含む場合、「肺、肺野、右肺、左肺、上葉、中葉、下葉・・・」および「結節」が抽出対象語に決定される。
【0072】
なお、抽出対象語の決定は上記の方法に限定されず、例えば、サーチエンジン等で用いられる公知の自然言語処理技術等を採用することも可能であるが、読影レポートの作成時に、解剖学的構造物や病変の選択入力するユーザインターフェースを提供する等して、解剖学的構造物や病変の呼称を標準化しておけば、上記のようなキーワードテーブルを用いた検索でも十分な効果は得られる。また、抽出対象語の決定に際してはキーワードテーブル24Aを用いることなく、第1の情報取得部23が取得した第1の情報J1に含まれる用語をそのまま抽出対象語として用いるようにしてもよい。
【0073】
続いて第2の情報取得部24は、第1の断層画像D1と同一患者の患者IDが付与された読影レポートRPTの所見情報(図7の所見領域54の表示内容)を解析し、抽出対象語を第2の情報J2として取得する。例えば、「左肺上葉S2に直径3cmの結節あり」と所見に記載されている場合には、「左肺上葉」および「結節」が第2の情報J2として取得される。
【0074】
画像決定部25は、第2の情報J2を取得した読影レポートRPTの、所見中のキーワードとリンクされている画像を、画像決定部25が決定したスライス位置に対応する対応スライス位置の画像G2に決定する。なお、第2の情報J2を抽出した読影レポートRPTの、所見中のキーワードとリンクされている画像のスライス位置を基準とした所定範囲のスライス位置を探索範囲に設定し、探索範囲内のスライス位置の画像と対象スライス位置の画像との相関を算出し、対象スライス位置との相関が最も大きいスライス位置の画像を、対応スライス位置の画像G2に決定してもよい。
【0075】
一方、画像取得部21は、第2の情報J2を抽出した読影レポートRPTから、対応スライス位置の画像にアクセスするためのリンク情報ILを取得する。なお、読影レポートデータベース8の説明で言及したとおり、このリンク情報ILは読影レポートRPT中の他の情報とともに読影レポートデータベース8に関連づけられているので、診療科用ワークステーション4が読影レポートを読影レポートサーバ7から取得する際には、読影レポートRPTとともにリンク情報ILも取得するものとする。次に画像取得部21は、リンク情報ILに基づいて画像情報管理サーバ5に対して閲覧要求を行い、第2の断層画像D2から対応スライス位置の画像G2を取得する。
【0076】
表示画面生成部26は、スライス位置決定部22が決定したスライス位置の画像G1と、対応スライス位置の画像G2とをレイアウトした比較読影用の表示画面SCを生成する。生成された表示画面SCは診療科用ワークステーション4のディスプレイモニタに表示される。
【0077】
図9は比較読影用の表示画面の例を示す図である。図9に示すように表示画面60には、スライス位置決定部22が決定したスライス位置の画像、すなわちユーザが指定した読影対象のスライス位置の画像(診断画像)G1と、対応スライス位置の画像(参照画像)G2とが並べられて表示される。なお、同一患者について過去複数回の検査を行っている場合、複数の対応スライス位置の画像が取得される場合がある。このような場合には、例えばキーボードのスペースキーの押下により、複数の対応スライス画像G2を切り替えて表示するようにしてもよい。また、図10に示すように、読影対象のスライス位置の画像G1とともに、複数の対応スライス位置の画像を特定する情報のリスト61を表示し、ユーザがリストから表示する画像を選択した後に、対象スライス位置の画像G1と選択された対応スライス位置の画像G2とを並べて表示するようにしてもよい。なお、複数の対応スライス位置の画像を特定する情報としては、図10に示す撮影年月日およびモダリティの種類を用いることが好ましい。また、図11に示すように、画像G1とともに複数の対応スライス位置の画像を縮小した縮小画像G2−1〜G2−3を表示し、ユーザが縮小画像G2−1〜G2−3のうち所望とする縮小画像をクリック等により選択した後に、その縮小画像を拡大して、対象スライス位置の画像G1と選択された対応スライス位置の画像G2とを並べて表示するようにしてもよい。
【0078】
また、図12に示すように、画像G1とともに複数の対応スライス位置の画像を縮小した縮小画像G2−1〜G2−3を表示し、さらに縮小画像G2−1〜G2−3の撮影日時を表示してもよい。この場合、撮影日時が新しいものから順に縮小画像G2−1〜G2−3を表示すればよい。また、図13に示すように、撮影日時が最も新しい縮小画像G2−1を初期選択状態となるように表示してもよい。これにより、撮影日時が最も新しい縮小画像を選択しやすくすることができる。なお、図11においては、初期選択状態を縮小画像G2−1の周囲に枠62を付与することにより示している。さらに、図14に示すように撮影日時が最も新しい縮小画像G2−1を診断画像G1と同一サイズで参照画像G2−1′として表示し、切り替えボタン63,64により、他の縮小画像G2−2,G2−3に対応する参照画像G2−2′,G2−3′を切り替え表示するようにしてもよい。
【0079】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図15は第1の実施形態において、診療科用ワークステーション4にて行われる処理を示すフローチャートである。読影対象のスライス位置の画像を表示した状態において、ユーザが比較読影開始ボタン37を押下すると、閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムが起動され、スライス位置決定部22が、現在表示しているスライス位置を対象スライス位置に決定する(ステップST1)。次いで第1の情報取得部23が、第1の断層画像D1から、またはユーザの入力により、第1の情報J1を取得する(ステップST2)。そして、第2の情報取得部24が第1の情報J1に対応する抽出対象語を第2の情報J2として読影レポートRPTから取得し(ステップST3)、画像決定部25が、第2の情報J2が取得された読影レポートRPTと関連づけられた画像を、対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像G2に決定する(ステップST4)。
【0080】
そして表示画像生成部26が、対象スライス位置の画像G1と対応スライス位置の画像G2とを含む表示画面SCを生成し(ステップST5)、診療科用ワークステーション4のディスプレイモニタに表示画面SCを表示し(ステップST6)、処理を終了する。
【0081】
このように、第1の実施形態においては、読影レポートRPTから第1の情報J1に関連する解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第2の情報J2として取得し、第2の情報J2が取得された読影レポートRPTと関連づけられた画像を対象スライス位置に対応する対応スライス位置の画像G2に決定するようにしたものである。このため、特許文献1に記載された手法のように、画像処理を用いてスライス位置を特定する手法と比較して、第1および第2の断層画像における同じスライス位置の画像を精度よく特定することができる。
【0082】
なお、読影レポートRPTを作成する際には、読影は読影所見を最も顕著に表す代表画像を使用するものであり、この場合、読影レポートの所見の文章に含まれるキーワードに関連づけられる画像は代表画像となる。上記第1の実施形態においては、第1の情報取得部23が自動で第1の情報J1を取得する場合、第2の断層画像D2における対象スライス位置の画像とは異なるスライス位置の画像から病変が検出される場合がある。この場合、第1の情報J1を取得した画像は対象スライス位置の画像とは異なる画像となる。一方、第2の断層画像D2においては、代表画像が読影レポートの所見の文章のキーワードと関連づけられている。このため、第1の情報取得部23が取得した第1の情報J1を用いた場合、第2の情報J2が取得された読影レポートRPTと関連づけられた画像のスライス位置の位置が、対象スライス位置と異なってしまうこととなる。
【0083】
しかしながら、このような場合であっても、第1の情報J1を取得した際に、第1の断層画像D1における第1の情報J1を取得した画像のスライス位置と、対象スライス位置との相違が分かる。この場合、第2の情報J2が抽出された読影レポートRPTと関連づけられた画像のスライス位置は、第1の情報J1を取得した画像のスライス位置と一致するため、第1の情報J1を取得した画像のスライス位置と、対象スライス位置との相違に基づいて、対応スライス位置を特定することができる。例えば、第1の情報J1を取得した画像のスライス位置と、対象スライス位置との相違が+1cmであれば、第2の情報J2が取得された読影レポートと関連づけられた画像のスライス位置の+1cmの位置が対応スライス位置となる。このようにして対応スライス位置を決定することにより、第1および第2の断層画像における同じ位置のスライス位置を精度よく特定することができる。
【0084】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図16は、診療科用ワークステーション4における画像閲覧機能として実装された本発明の第2の実施形態による医用画像処理装置を適用した医用画像表示装置の構成とデータの流れを模式的に示したブロック図である。本発明の第2の実施形態は、第1の情報J1を第1の断層画像の関連する読影レポートRPTから取得するようにした点が第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0085】
第2の実施形態における閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムは、ユーザが読影レポートを閲覧し、読影レポートに関連づけられた画像の表示画面において、比較読影するための操作を行うことによって起動される。ここで、読影レポートには、所見の文章のキーワードとそのキーワードとともに参照すべき画像とを関連づけるリンクが作成されている。このため、ユーザは図7に示す読影レポートRPTを表示し、所見の文章のキーワードをクリック等により指定することにより、そのキーワードにリンクされた画像を診断対象の画像の表示画面30(図3参照)に表示することができる。そして、第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、表示画面30の比較読影開始ボタン37を押下すると、閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムが起動される。
【0086】
このソフトウェアプログラムが起動されると、スライス位置決定部22が、現在表示しているスライス位置を比較対象の対象スライス位置に決定する。続いて、第1の情報取得部23が、現在表示している画像を表示する前に参照した読影レポートの所見の文章に含まれるキーワードを第1の情報J1として取得する。例えば、図7に示す読影レポートRPTの場合、「左肺上葉」および「結節」が第1の情報J1として取得される。
【0087】
続いて、第2の情報取得部24が読影レポートサーバ7にアクセスし、第1の実施形態と同様に、第1の情報J1に対応する抽出対象語を第2の情報J2として第2の断層画像D2の読影レポートRPTから取得する。そして、画像決定部25、画像取得部21および表示画面生成部26が、上記第1の実施形態と同様に、対応スライス位置の画像の決定、対応スライス位置の画像の取得および表示画面SCの生成を行う。
【0088】
このように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、特許文献1に記載された手法のように、画像処理を用いてスライス位置を特定する手法と比較して、第1および第2の断層画像における同じ位置のスライス位置の画像を精度よく特定することができる。
【0089】
なお、上記第2の実施形態においては、図7に示す読影レポートRPTを表示し、所見の文章のキーワードをクリック等により指定することにより、そのキーワードにリンクされた画像を診断対象の画像の表示画面30に表示しているが、先に表示画面30を表示するようにしてもよい。この場合、領域34に表示される読影対象のスライス位置の画像が、読影レポートRPTの所見の文章のキーワードにリンクされた画像である場合には、図17に示すように、領域34に表示される画像の周囲に枠39を表示し、その画像が読影レポートRPTにリンクされていることを識別できるようにしてもよい。なお、枠39に代えて、領域34に表示される画像の一部分にマークを付与するようにしてもよい。これにより、ユーザは、枠39あるいはマークが付与された画像が領域34に表示されると、その画像に読影レポートRPTがリンクされていることが分かるため、その画像を表示した状態で比較読影開始ボタン37を押下すればよい。これにより、閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムが起動されて、対象スライス位置の決定、対応スライス位置の画像の決定、対応スライス位置の画像の取得および表示画面の生成が行われる。
【0090】
なお、マルチスライスの断層画像から、内視鏡と類似した仮想内視鏡画像を生成することができる。このため、上記第1および第2の実施形態における第1の断層画像に代えて、第1の断層画像から生成した仮想内視鏡画像を表示画面30の領域34に表示してもよい。この場合、仮想内視鏡画像は、例えば被写体の体腔内を、内視鏡が視点を移動しつつ撮影を行った状態を表す動画となる。このため、ユーザは、視点位置を移動させつつ仮想内視鏡画像を領域34に表示し、病変等を含むような読影対象の視点位置の仮想内視鏡画像が表示された状態において、比較読影ボタン37を押下することにより、閲覧機能を実現するソフトウェアプログラムを起動するようにしてもよい。なお、比較読影の対象となる画像は、上記第1および第2の実施形態と同様に、断層画像を用いることができる。
【0091】
ここで、仮想内視鏡画像および断層画像を用いての比較読影を第1の実施形態に適用した場合、現在表示されている仮想内視鏡画像の視点位置が読影対象の対象視点位置に決定され、続いて、第1の情報の取得、第2の情報の取得、対象視点位置に対応する対応スライス位置の画像の決定、比較読影用の表示画面の生成および表示画面の表示が行われる。一方、第2の実施形態に適用した場合、現在表示されている仮想内視鏡画像が関連する読影レポートからの第1の情報の取得、第2の情報の取得、対象視点位置に対応する対応スライス位置の画像の決定、比較読影用の表示画面の生成および表示画面の表示が行われる。
【0092】
図18は仮想内視鏡画像および断層画像を用いた場合の比較読影用の表示画面の例を示す図である。図18に示すように、表示画面80には、ユーザが指定した読影対象の視点位置の仮想内視鏡画像(診断画像)G11と、対応スライス位置の画像(参照画像)G12とが並べられて表示される。なお、複数の対応スライス位置の画像が取得された場合には、上記図10〜図14に示す表示画面と同様の表示画面を生成して表示するようにすればよい。
【0093】
また、比較読影の対象は断層画像のみならず、同一患者についての過去の実内視鏡画像を用いることも可能である。この場合、内視鏡を用いての患者の体腔内の観察中に病変等が見つかった場合、その位置の内視鏡画像をクリップして静止内視鏡画像が取得される。医師は、静止内視鏡画像を用いて読影レポートを作成し、読影レポートサーバ7に登録しておく。この場合、読影レポートと静止内視鏡画像とがリンクされることとなる。
【0094】
したがって、仮想内視鏡画像および静止内視鏡画像を用いての比較読影を第1の実施形態に適用した場合、現在表示されている仮想内視鏡画像の視点位置が読影対象の対象視点位置に決定され、続いて、第1の情報の取得、第2の情報の取得、対象視点位置に対応する対応視点位置の静止内視鏡画像の決定、比較読影用の表示画面の生成および表示画面の表示が行われる。一方、第2の実施形態に適用した場合、現在表示されている仮想内視鏡画像が関連する読影レポートからの第1の情報の取得、第2の情報の取得、対象視点位置に対応する対応視点位置の静止内視鏡画像の決定、比較読影用の表示画面の生成および表示画面の表示が行われる。
【0095】
図19は仮想内視鏡画像および静止内視鏡画像を用いた場合の比較読影用の表示画面の例を示す図である。図19に示すように、表示画面82には、ユーザが指定した読影対象の視点位置の仮想内視鏡画像(診断画像)G21と、対応視点位置の静止内視鏡画像(参照画像)G22とが並べられて表示される。なお、複数の対応視点位置の静止内視鏡画像が取得された場合には、上記図10〜図14に示す表示画面と同様の表示画面を生成して表示するようにすればよい。
【0096】
なお、上記実施形態においては、本発明による医用画像処理装置を診療科用ワークステーション4に適用しているが、放射線科用ワークステーション3に本発明による医用画像処理装置を適用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 画像撮影装置(モダリティ)
2 画像品質チェック用ワークステーション(QA−WS)
3 放射線科用ワークステーション
4 診療科用ワークステーション
5 画像情報管理サーバ
6 画像情報データベース
7 読影レポートサーバ
8 読影レポートデータベース
9 ネットワーク
21 画像取得部
22 スライス位置決定部
23 第1の情報取得部
24 第2の情報取得部
25 画像決定部
26 表示画面生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重視点の第1の医用画像における対象視点位置を決定する対象視点位置決定手段と、
前記第1の医用画像から該第1の医用画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の医用画像と同一被検者に関し、前記第1の医用画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の医用画像に対する所見を含み、該第2の医用画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定する画像決定手段とを備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の情報取得手段は、前記第1の医用画像における前記対象視点位置の画像から、前記第1の情報を取得する手段であることを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
多重視点の第1の医用画像における対象視点位置を決定する対象視点位置決定手段と、
前記対象視点位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の医用画像と同一被検者に関し、前記第1の医用画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の医用画像に対する所見を含み、該第2の医用画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する第2の情報取得手段と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定する画像決定手段とを備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項4】
前記対象視点位置の画像および前記対応視点位置の画像を含む表示画面を表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記対応視点位置の画像が1つの場合、該1つの対応視点位置の画像を含む前記表示画面を前記表示手段に表示する手段であることを特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記対応視点位置の画像が複数の場合、該複数の前記対応視点位置の画像を特定する情報のリストを含む前記表示画面を前記表示手段に表示し、該リストにおいて特定された対応視点位置の画像を前記表示手段に表示する手段であることを特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記対応視点位置の画像が複数の場合、すべての対応視点位置の画像を含む前記表示画面を前記表示手段に表示する手段であることを特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記対応視点位置の画像が複数の場合、すべての対応視点位置の画像を切り替え可能な前記表示画面を前記表示手段に表示する手段であることを特徴とする請求項4記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、取得日時が最も新しい対応視点位置の画像が選択状態となるように前記表示画面を前記表示手段に表示する手段であることを特徴とする請求項7または8記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記すべての対応視点位置の画像の取得日時を含めた前記表示画面を前記表示手段に表示する手段であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記画像決定手段は、前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置を特定し、該特定した視点位置を基準とした所定範囲の視点位置の画像と前記対象視点位置の画像との相関に基づいて、前記対応視点位置の画像を決定する手段であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記多重視点の第1の医用画像がマルチスライスの断層画像であり、前記多重視点の第2の医用画像がマルチスライスの断層画像であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
前記多重視点の第1の医用画像がマルチスライスの断層画像から作成した仮想内視鏡画像であり、前記多重視点の第2の医用画像が実内視鏡画像またはマルチスライスの断層画像であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
多重視点の第1の断層画像における対象視点位置を決定し、
前記第1の断層画像から該第1の断層画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得し、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得し、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定することを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項15】
多重視点の第1の断層画像における対象視点位置を決定し、
前記対象視点位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得し、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得し、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定することを特徴とする医用画像処理方法。
【請求項16】
多重視点の第1の断層画像における対象視点位置を決定する手順と、
前記第1の断層画像から該第1の断層画像についての解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する手順と、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する手順と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
多重視点の第1の断層画像における対象視点位置を決定する手順と、
前記対象視点位置の画像に対する所見を含む読影レポート情報から、該所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を第1の情報として取得する手順と、
前記第1の断層画像と同一被検者に関し、前記第1の断層画像と取得時期が異なる多重視点の少なくとも1つの第2の断層画像に対する所見を含み、該第2の断層画像のうちの前記所見を作成した視点位置の画像と関連づけられた読影レポート情報から、前記第1の情報に関連する、前記所見中の解剖学的構造物および/または病変に関する情報を、第2の情報として取得する手順と、
前記第2の情報が取得された読影レポート情報と関連づけられた画像の視点位置に基づいて、前記対象視点位置に対応する対応視点位置の画像を決定する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−92681(P2011−92681A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65404(P2010−65404)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】