説明

医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置

本発明は、医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)に関する。前記装置は、様々な領域で最適化され、完全に自動で、信頼でき、かつ再現可能な、歯科器具の調整を容易化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具を、消毒、殺菌及び/又は維持するために提供される装置に関する。特に、その装置は、歯科医療の器具を調整するために使用されるべきである。
【背景技術】
【0002】
医療または歯科医療のハンドピースは、治療中に医療実務者がハンドル・スリーブとして握る管状部材である。歯科実務で通常使われるハンドピースは、治療道具、より特定的には、その前方端のドリルを運び、後方端が供給チューブに連結に継手によって結合された、いわゆるドリル・ハンドピースである。治療器具を駆動するエネルギーの供給ライン、および、空気及び/又は水などの治療媒体の流体ラインは、ハンドピースを通って延びている。前方端の領域に配置されたタービンに供給するための圧縮空気がその中に供給された、いわゆるタービン・ハンドピースと、駆動ユニットとしての電気モータを持つ、いわゆるモータ・ハンドピースとは、しばしば区別される。
【0003】
ハンドピースの機能を維持するために、特に回転可能に実装された駆動要素については、時々メンテナンスが必要である。さらに、歯科実務でますます厳しくなる衛生の要求は、規則的な時間間隔で調整しなければならないハンドピースに結びつく。適切な必需品の準備とメンテナンスを成功させることは、歯科医によって完全に充足されねばならない。この完全な充足は、決して些細ではない、個人的なまたは組織的な努力を必要とする。
【0004】
今まで、歯科ハンドピースは、患者への使用の後に最初にスプレー消毒され、それから外部での洗浄を行う器具によって手動で再処理されていた。対照的に、一般に、器具の内部は洗浄されなかった。
【0005】
しかしながら、一方では、洗浄および消毒の装置が市販で入手可能であり、器具がオイルケアにさらされる前に、その装置内で調整される。機械的方法だけが安全で再現可能な洗浄およびメンテナンスを可能にするので、機械的な調整は、器具の手動的なメンテナンスに対して著しい長所を有する。
【0006】
しかしながら、今までに知られた装置は、一般的には単に、個々の調整ステップに使用することができるもので、そのため、それぞれの場合において洗浄、メンテナンスおよび殺菌が別々に実行されねばならない。これに必要な装置の総体は比較的大きなスペースをとり、各装置が、それぞれ、電気的、気体的および流体的な接続を要求する。従って、個々の装置による、歯科器具の完全な機械的調整の完成は、非常に厄介で多額の支出につながる。
【0007】
さらなる不利益は、個々の装置が一般に相互に連結しないという事実からなり、その故に、装置間のデータ交換が存在し得ない。器具調整の連続的な自動ドキュメンテーションの作成が不可能なので、この不利益は、次には作業スタッフのより多くの固定費に結びつく。更に、途中のステップで装置から装置まで器具は手動で運搬されねばならず、このことはスタッフの集中的な雇用を引き起こし、また多くの時間を要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許公開公報1749502A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための、あるいは一般的には、調整のための装置であって、その器具が前述の不利益を回避する新たな装置を明示するという目的に基づくものである。
【0010】
その目的は、独立クレームの特徴を有する装置によって達成される。発明の有利な発展は従属クレームの主題である。
【0011】
本発明によれば、装置は、特に歯科器具の調整のために、それゆえに特徴づけられる。その装置は、洗浄製品及び/又はリンス補助剤を異なる温度で用いて、器具の集中的な(内部および外部での)洗浄を可能にする。発明によれば、この装置は、比較的長い時間間隔の後にスタッフによるサービスすることを単に要求するだけの、完全な自動装置である。このサービスは、消耗品、すなわち洗浄製品及びメンテナンス製品の補充に主として限られる。対照的に、器具は、それ自体、ドキュメンテーションを作成するオプションを含む、完全に自動プロセスまで原因をたどり得る、スタッフによる介在がない状態で調整される。この目標を達成するために、より詳細に以下に記述されるように、多くの観点において最適化されたメンテナンス装置が提案されている。
【0012】
ここで、本発明の第1の観点は、装置のデザイン、より正確には、調整される歯科器具が内部に配置されるリンスチャンバに関する。器具の洗浄およびメンテナンスの間、リンスチャンバ内に異なる圧力および温度がかかるので、単純で安全な方法で密閉されることが可能な圧力/真空容器として、リンスチャンバを設計することが必要である。
【0013】
この目標を達成するために、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置が、本発明の第1の観点によるものとして提案される。その装置は、リンスチャンバ、リンスチャンバを閉じるためのカバー、および、カバーとリンスチャンバの間に動作中に密閉をもたらすための密閉機構を有している。発明によれば、この場合に、密閉機構に1つ以上のクランプを備える。このクランプは、カバーと容器の間に密閉をもたらすために、カバーの面に垂直に配された軸のまわりを旋回動作が可能な方法で方法実装されている。
【0014】
より詳細に以下に説明されるように、操作することが非常に簡単で、同時に、リンスチャンバの非常に安全な密閉を確保する、カバーのための密閉機構を発明が提供する。具体策は、装置の誤操作をなくし、従って動作の安全性を増加し得る。
【0015】
処理において、密閉機構に共通の枢軸を有する2つのクランプを具備させることが好適に行われる。処理において、次に、2つのクランプのそれぞれが、枢軸と反対の端で、クランプを旋回動作するドライブに装備され得る。このドライブはリフト・シリンダ、より特定的には電気シリンダであり、それは好ましくはカバー開閉用のハンドルへ統合される。クランプは各々斜面をもつことができ、その斜面は、シール装置が閉じられているときにカバーがチャンバに対し押されるように、カバーが備える斜面と相互に作用する。安全な密閉を達成するために、クランプは、カバーに面する容器の端領域に設けられた凹所を通してつかむという目的のためのクランプ突起を持ち得る。
【0016】
本発明の第2の観点は、リンスチャンバまたは処理のチャンバに異なる媒体を供給する問題に関係する。器具調整の異なる過程で使用される多くの異なる媒体が存在するため、それぞれの場合で個々に、これらの媒体をチャンバへと運び得ることが必要である。供給ポンプは今までは、それ自身のポンプに割り当てられた各媒体とともに、この目的に使用されていた。この種の媒体運搬が大きな材料消費に結びつき、従って、同様に高いコストに結びつくことは明白である。
【0017】
本発明の第2の観点によれば、その大きな消費を回避するために、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置が、それゆえに提案される。この装置は、リンスチャンバと、少なくとも1つの媒体、より詳しくは洗浄製品あるいはメンテナンス製品をリンスチャンバ内へ送るために設計された媒体供給システムとを有する。発明によれば、この場合の装置は、媒体の貯蔵容器から接続ラインを開くことによりリンスチャンバに供給される媒体と共に、リンスチャンバ内に、ある規定された負圧を生じさせるための手段を更に有する。
【0018】
ここで、接続ラインは、特に、その接続ラインが時間制御及び/又は圧力制御の方法で開かれているという状態で制御が可能なバルブを持つことができる。ここで負圧は、特にリンスチャンバ内において、およそ500mbarの領域内におかれる。
【0019】
本発明の第2の観点によれば、媒体を供給する方法、より特定的には、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置のリンスチャンバへ洗浄製品またはメンテナンス製品を供給する方法も提案される。本発明による方法では、媒体を供給するために規定された負圧がリンスチャンバ内で生成され、貯蔵容器からリンスチャンバへの接続ラインが続いて開かれる。
【0020】
発明による解決策は、異なる媒体用にそれぞれ固有の供給ポンプなしで済ませる可能性に余裕をもたせる。必要なのは、処理チャンバあるいはリンスチャンバ内に真空を生成することができる単一の構成要素だけである。個々の媒体を搬送することにおける複雑さは、このように著しく縮小される。
【0021】
最後に、本発明の第3の観点は、歯科器具を調整する間に供給される媒体の量の測定に関する。この場合のメンテナンス製品あるいは洗浄製品の量もまた、調整すべき器具の数に依存することは言うまでもない。この数は確かに変動し得るものであり、この故に、調整される器具の数に関する情報が装置に提供されるべきである。ここで、本発明の第3の観点は、実際にクリーンになるべき器具の自動同定を可能にする。
【0022】
発明によれば、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置が、この目的に対し提案される。この装置は、リンスチャンバと、器具を保持するためにリンスチャンバ内に位置し各々が継手バルブをもつホルダと、圧縮空気および洗浄製品の供給システムと、器具による継手の占有を識別するための手段とを有する。発明によれば、器具によるホルダの占有を識別するための手段は、リンスチャンバ内での正圧の発生とホルダの継手バルブが開くことの後に続くチャンバ内の圧力低下に基づいて、器具によるホルダの占有を決めるために設計されている。処理において、従って、その手段は、それぞれ単独のホルダの器具による占有を連続して確立するように、さらに設計されている。
【0023】
発明の第3の観点によって、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置内で器具ホルダの占有を識別するための方法が更に提案される。この方法における装置は、リンスチャンバと、リンスチャンバ内に位置して器具を保持することに役立ち、各々が継手バルブをもつホルダとを有し、ホルダが継手バルブを持つ。発明によれば、正圧は、器具によるホルダの占有を識別するためにリンスチャンバ内で生成される。ホルダの継手バルブは続いて開かれ、器具によるホルダの占有が、チャンバ内で続いて起こる圧力低下に基づいて決定される。
【0024】
上述された手順に代わるものとして、器具によるホルダの占有の識別を、誘導性または容量性の測量システムの助けで行うようにすることができる。ここで、調整される器具が、概して金属性の物体であるという事が利用される。誘導性要素あるいは容量性要素がホルダの近くに置かれていると、この要素は器具の存在によって影響を受ける。この結果は、継手の占有を識別するために評価され得る。
【0025】
発明の第3の観点は、従って、洗浄される器具によってホルダが事実において占有されているかどうかの識別の可能性に、簡単で洗練された方法で余裕をもたせる。様々な洗浄製品あるいはメンテナンス製品の、相応じて正確に、また信頼できる測量は、この方法において保証される。
【発明の効果】
【0026】
結果として、完全に自動で信頼でき、かつ再現可能な方法で、特に歯科器具を調整することの可能性に余裕をもたせる装置が、このように提案される。
【0027】
以下の文章において、発明は、添付された図面に基づいてより詳細に説明されるであろう。ここで、
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、歯科器具を消毒、殺菌及び/又は維持管理するための発明に応じた装置の処理チャンバまたはリンスリンスチャンバの断面的な図解を示す。
【図2】図2は、図1内の器具のリンスチャンバの可能性のあるデザインを示す。
【図3】図3は、図1内の器具のリンスチャンバの可能性のあるデザインを示す。
【図4】図4は、リンスチャンバの上側に配され、リンスチャンバとの密閉をもたらして用いられ得るカバーの図解を示す。
【図5】図5は、リンスチャンバの上側に配され、リンスチャンバとの密閉をもたらして用いられ得るカバーの図解を示す。
【図6】図6は、リンスチャンバの上側に配され、リンスチャンバとの密閉をもたらして用いられ得るカバーの図解を示す。
【図7】図7は、リンスチャンバの上側に配され、リンスチャンバとの密閉をもたらして用いられ得るカバーの図解を示す。
【図8】図8は、リンスチャンバ内での負圧の生成により貯蔵容器から媒体を取り除くシステムのデザインを示す。
【図9】図9は、調整される器具による、装置のホルダの占有を自動的に識別するための手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、第1に、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置のデザインを図解により示しており、以下に、当該装置を参照符号1によって一般的に表す。発明によるメンテナンス装置1の中央の要素は圧力容器2であり、それは処理チャンバあるいはリンスチャンバ3を囲んでいる。処理の間、洗浄され又はメンテナンスされる器具4は、このリンスチャンバ3内に配置されている。ここで、器具4は、多くのプラグ挿し込み口あるいは継手5がその上に配された器具ホルダに補助されて配置されている。様々な継手5は、異なる製造業者からの結合系をもつ器具4を調整できるように、好適に構成されている。この場合では、処理チャンバ3のカバー6は器具ホルダとして役立ち、以下に詳細に記述する。このカバー6は、洗浄される器具4の供給システムへの流体結合を保証する。カバーは、密閉ユニット(より詳細には以下に記述)によって圧力容器2の縁またはフランジの上に留められ、この容器に対して密閉される。その後、洗浄製品及び/又はメンテナンス製品は、個々の器具4およびそのチャネルに対し、カバー6内へ統合された接続管を介して個別にあるいは組み合わせて、加給され得る。
【0030】
発明による装置の個々の構成部品あるいは要素を今から更に詳細に検討する前に、最初に、器具4を洗浄し及び/又は維持管理するときの処理が詳細に記述されるであろう。ここで、調整が始められる前に、処理チャンバ3の圧力シールがチェックされる。処理において、カバー6が正確に当てられ、圧力容器2に密閉されることが確保される。チェックは、カバー6と圧力容器2のフランジの中を通るラインとの間の流体ラインが、正確に接続されたかどうかに関しても行なわれる。
【0031】
装置1に水を供給するために、下流式の混床イオン交換器を備え、あるいはこの交換器を備えない浸透設備によって、水道水が好適にろ過され、溶解塩が除去される。15μS/cmより小さい質の水が装置側の貯蔵容器へ送られ、その貯蔵容器の充填レベルが、浮遊スイッチで例示されたレベルスイッチによってモニタされ、その質がコンダクタンス・センサによってモニタされる。貯蔵容器内への注入口は、衛生上の理由でいわゆるカスケードで実現される。
【0032】
発明による装置の助けによって器具が調整されると、次のステップが連続して行なわれる。
【0033】
a) 洗浄
水は、最初に、上述した貯蔵容器から処理チャンバ3内に送られる。これは、ポンプによって、あるいは以下に記述されるように真空による吸収によって、引き起こされ得る。水は、加熱要素の援助により、処理チャンバ内3でおおよそ45℃まで加熱される。処理において、タンパク質が凝結するのを防ぐために温度が45℃より大きくない処置が行われる。水は、ポンプの助力によって更に循環し、圧力容器2の外側面または中央のドーム内に器具を洗浄するために付けられた噴霧ノズルによって、器具4の外面上に注がれる。処理において、洗浄水を、器具4及び/又は器具4の噴霧水路を通して、及び/又は、処理チャンバ3の外部洗浄用の噴霧ノズルを通して、送ることができる。
【0034】
洗浄媒体は、循環中に加熱され得る。従って、洗浄されるべき表面は、冷たい洗浄媒体によって初めに洗浄される。この場合の洗浄製品は、粉末または錠剤の形態で処理チャンバ3に加給され得る、あるいは、それは適切な貯蔵容器からの加給時に測量され得る。洗浄製品の測量に関する様々なオプションは、以下に記述される。この場合の洗浄媒体は、界面活性剤またはリン酸塩からなり、10を超えるpH価を有し得る。洗浄処理を完了するために、水は圧力容器2から流出される。
【0035】
b)リンス 中和
続くステップで、次に、水が貯蔵容器から処理チャンバ3内へ送られ、そして、すぐにほぼ45℃から60℃へと加熱される。リンス補助剤と中和剤が、水の循環中に他の貯蔵容器から計量された状態で加えられる。他の選択肢として、ステップa)と比較して高い温度の結果、洗浄錠剤の別の構成成分もこのとき溶解させ得る。液体は、再度、並列な又は時間オフセットを設ける方法で、あるいは間欠的動作で、器具4と噴霧水路を通って送られ、または噴霧ノズルを介して器具4の外面に注がれる。特に3から5の間のpH価を備えたリン酸エステルは、リンス補助剤あるいは中和剤として使用される。
【0036】
液体は、再び排水管へ圧力容器から流出され得る。または、続くメンテナンス処理で器具4から出てくる過剰なメンテナンス製品を取り去るため、あるいは、暖かい液体で脂っこい器具外面を簡単にすすぐために、液体を容器内に残しておくこともできる。この場合、液体は、メンテナンス処理の後に流出されるだけであり、器具4に圧縮空気を加えることは、噴霧水が器具4の内部に入り込むのを防ぐために、おそらく有用である。
【0037】
c)メンテナンス
3番目のステップにおいて、メンテナンス製品貯蔵容器からのメンテナンス製品は器具の内部へ送られる。その結果、ギヤーとベアリング表面は円滑になる。ここで、メンテナンス製品は、油としての液状形態で、あるいは、ガス・シリンダから、圧縮空気の噴流内に注入されることができる。油もガス・シリンダ内に含まれる起泡剤によって泡立たせることができる。そして、器具の内部をこの油/空気泡で満たすことができる。この場合、気泡は比較的速く崩壊する。従って、油は、器具の内部全体に一様に薄い油膜を形成する。生物分解性の脂肪酸エステル油/白油混合物は潤滑剤として使用される。
【0038】
d)リンス・オフ
上に記述されたメンテナンス処理の後、容器にまだあるリンス補助液体で器具の外側をすすぐことができる。この代わりとして、貯蔵容器からの真水がポンプによって処理チャンバ3へ送られ、噴霧ノズルによって器具の外面に注がれる。
【0039】
e)殺菌 予備減圧
貯蔵容器からの真水は、器具を殺菌する目的で処理チャンバ3に供給される。換気目的のために、真空装置は処理チャンバ3に接続され、処理チャンバ3内の圧力がモニタされ、または記録される。
【0040】
空気は、真空装置の助力によって処理チャンバ3から外に吸引される。真空度は、加熱要素で水を熱することにより大気圧まで低下する。その後、処理チャンバ3が水蒸気で満たされ、その内部で、殺菌プログラムによって、この処理が数回繰り返され得る。
【0041】
蒸発水の量を、各減圧サイクルにおいて再び一杯にすることができ、この代わりに、蒸気の生成に必要な全量の水も、殺菌サイクルの最初に処理チャンバ3へ直接導入され得る。
【0042】
処理チャンバ3内に置かれた加熱要素により蒸気を生成することに代えて、換気中に圧力を等しくして殺菌するために処理チャンバ3の外部に据えられた蒸気圧力チャンバから、水蒸気が供給され得る。
【0043】
f)乾燥および冷却
一旦殺菌が終了すれば、器具4は、処理チャンバ3内に存在する水蒸気の圧縮により乾かされる。これは、容器壁あるいは容器内に置かれた要素が、貯蔵容器から得られた水を、例えば、それらを通して送ることによって、冷やされるという事実のおかげで達成される。ここで、水は、連続的にあるいは合間内に供給され得る。冷却過程が完了した後に、水が流れ出る。チャンバ3内の温度が50℃より今しがた下がったので、カバー6を開くことができる。これが、器具4のための調整サイクルを完了させる。
【0044】
上記の記述から明らかにされることは、発明による装置1が歯科器具の完全な自動調整を可能にするということである。作業スタッフはもはや処置を講ずる必要はなく、従って、これは非常に便利なシステムである。この装置の個々の詳細は、より詳細に以下に記述されるであろう。
【0045】
ここで、図2および図3は、処理チャンバあるいはリンス容器の有益な実施例について説明するために、第一に使用される。ここで容器は、器具の調整ステップの間で加熱及び冷却する過程のサイクル期間を短縮するために、最適化されている。
【0046】
参照符号11によって一般的に示された処理チャンバまたはリンスチャンバは、この目的に対して、深絞りされた外部容器12より作られており、この外部容器は、圧力容器として、深絞りされた薄壁の内部容器13から実現されている。あるいは、2つの容器12および13もまた、多くの部分からの溶接された構造物として実現され得る。ここで、外部容器12は、ねじ接続14によって容器フランジ15にねじ留めされている。包囲する密閉リングの形をしているシール16は、外部容器12と容器フランジ15の間に形成されている。
【0047】
内部容器13は容器フランジ15内に懸架され、この内部容器は、リンスチャンバを洗浄するために、または、ヒーターを交換するために、簡単に上方へと外され得る。処理において、内部容器13の位置は、容器フランジ15上に実現されたピンと内部容器13上の対応する凹所とによって固定される。これは、器具(不図示)を洗浄する洗浄ノズルのための開口に対して、内部容器13が正確に配置されることを保証する。
【0048】
冷却コイル17および加熱コイル18は、外部容器12と内部容器13との間の内部空間内に位置されている。内部容器13が外部容器12(これは、より詳細に下に説明される)に対して密閉されないので、冷却コイル17および加熱コイル18の全領域がリンスチャンバ内に位置されており、これが最適な熱伝導または熱結合を保証する。図示された典型的な実施例では、冷却コイル17の表面は、円筒状の外部側面のサイズのおよそ2.5倍である。従って、非常に大きな表面積が熱伝導に利用可能である。冷却コイル17は、それがハンダ付けされ又は溶接されたアダプタ19を用いて、外部容器12にねじ留めされる。外部容器12上で溶接されるか接合することは、冷却コイルが外側に位置する場合には要求されることに対して、この解決策においては必要ない。加熱コイル18は、図示された典型的な実施例では内部容器13の下方に配置されており、その代替として、加熱コイルは、シート発熱体としての底に対し内部的または外部的に接触され得る。
【0049】
外部容器12、より正確には内部容器と外部容器との間の内部空間内と、内部容器13の内部領域との間で効果的な蒸気の循環を達成するために、開口あるいは通路口20が内部容器13の上部領域に具備されている。また、そのような開口は、洗浄ノズルの近くと、底部上とに位置されている。この底部穿孔21は、同時に小型部品が容器の外出流に入るのを防ぐためのふるいとして働く。
【0050】
更に、温度センサ22が、内部容器13の外面上に配置されている。それらの温度センサは角のある形で例示され、それらの配置の結果、機械的な損傷から保護される。
【0051】
洗浄ノズル23は、シールによって外部容器22にねじ留めされ、内部容器13上の対応する開口を通して器具をスプレーする。各場合における様々なねじ込みポイントの取付領域は、型押しされた平面であり、この取付領域は、例えばOリングまたは平形ガスケットなどを介して各構成部品に対して容易に密閉され得る。容器底部上の加熱コイル18は、冷却コイル17の内径より小さな外径をもっており、そのため、必要ならば、冷却コイル17を分解せずに取り除くか、または取り外すことができる。
【0052】
処理チャンバもまた異なるデザインとすることができることは言うまでもない。例えば、処理チャンバは、壁の間に空洞をもち、そして冷却液を導くことに使用される二重壁を有し得る。
【0053】
処理チャンバ3が気密/高真空の方法で閉じているならば、上に記述された諸ステップは明らかに、器具を調整するときに通常の方法によってのみ実行し得る。この目的のために、特別なカバーに密閉機構が備えられており、それは図4から図7に図示され、より詳細に以下に説明されるものとする。
【0054】
ここで密閉機構30は、最初に、リフト・シリンダ31を有している。このリフト・シリンダは、好適に電気シリンダとして実現され、内部か外部に制限スイッチをもつ。弧形の密閉する2つのクランプ32は、ヒンジ33によってリフト・シリンダ31に取り付けられており、当該2つのクランプ32は、それらの反対端の端部で、軸受ピン34上に配置されている。この軸受ピン34は、枢軸または回転軸Iを規定し、カバー6の面に垂直に位置合わせされ、2つのクランプ32はその周りを旋回することができる。
【0055】
ここで、両方のクランプ32は、容器フランジ36内の溝35内に載置される。クランプ32が閉まっている場合、クランプ突起あるいはクランプ32の爪37が容器フランジ36を通って突出し、そして、斜面38によってシール40上の容器カバー6を押している。シール40は、端面上に位置しており、例えば、周回状の又は部分的な溝39を通して一周するOリングとして実現され得る。この場合の容器カバー6の溝39は、密閉クランプ32の爪37と同様な斜面を有し、そのため2つの要素間の相互作用が確保される。
【0056】
電気シリンダがリフト・シリンダ31として使用されるならば、クランプ32は、好適に利用された細長くねじ切りされたシャフトの自動ロック特性のために停電の場合でさえ開くことができないので、カバー6は安全に閉じられる。クランプ32の爪37およびカバー溝39は、閉処理の初めに容器シール40の上にカバーが載っていないならば、また、比較的大きな直線運動が、閉めるために要求されるならば、さらに急な傾斜をもつこともあり得る。
【0057】
2つのクランプ32のうち、より低い摩擦係数を有する1つが、容器が開かれている間に2つの止め41の一方まで回転するように、2つのクランプ32が好適に設計されている。単に、その後、2番目のクランプ32が開く。ここで、開状態及び閉状態のクランプ32の最終位置は、外部の制限スイッチ、電気シリンダ31内の内部制限スイッチ、あるいは、それらの適切な組み合わせによって、検知され得る。
【0058】
電気シリンダ31が使用される場合、適切に適用されていない容器カバー6に起因する損傷を防ぐために、電気シリンダは電流制限器を装備することができる。カバー6が適切に適用されたことを更に保証するために、負圧を、僅かに容器中に発生させて圧力センサによって検知させることができる。一旦、負圧が特定のしきい値に達すると閉処理が単に起こり、カバー6が適切に適用されたのであれば、閉処理が単に達成され得る。
【0059】
これは単純で自動的に中心に戻るシステムであり、密閉クランプ32をリフト・シリンダ31上に同時に取り付けることが、全体のシステムを組み立てる。更にまた、適切で直接的な力の流れが、クランプ32によってカバー6から容器・フランジまで得られる。カバー6がロックされる場合、同時にカバーがシールに対して押され、そして、そのために負圧と正圧の両方の場合に安全な密閉が存在する。更に、容器の端面密閉の結果、カバーを開くときに、存在するであろう圧力は直ちに減少される。その結果、カバー6は上向きで加速されることがなく、このため、このことが結果的に作業者に損害を与えることに結びつかない。
【0060】
器具が調整されるときの洗浄、メンテナンスおよび消毒のために異なる化学物質が使用されるということを、上述された手順のステップから得ることができる。物質は、異なる状態(固体、粉状体または液体)およびパッケージング(噴霧缶、液体ディスペンサーの瓶あるいは錠剤)で提供され利用される。ここで、異なる製品は、パッケージングまたは容器上の適切な押印によって通常、ラベル付けされる。
【0061】
スプレー缶の形状を有する貯蔵容器に加え、発明による装置は、さらに媒体を、液体の状態で提供する容器も使用し得る。特に、最初に記述された処理において、水、純水、液体クリーナ、およびリンス補助剤が加えられる。処理チャンバへこれらの媒体を搬送するために、以前は別々の供給ポンプが媒体ごとに必要だった。しかしながら、この種の媒体運搬は、材料の煩雑さと高いコストが結果として生じる。
【0062】
図8は、この問題の解決策を示し、この問題は、処理チャンバ3内の真空の生成に基づいている。この目的のために、真空ポンプ80を用いることができ、この真空ポンプは、様々な洗浄とメンテナンスのステップを実行する如何なる場合でも必要とされる。このポンプ80は、処理チャンバ内に、好ましくは約500mbarの負圧を今、生じさせる。処理チャンバ内の、この圧力は、供給される媒体を正確に測量することを確実とするために、できるだけ正確であるすべきである。圧力センサ81は、同じように通常は既に存在するものであるが、処理チャンバ3内の真空度をモニタために使用される。
【0063】
特定の媒体をいま供給すべき場合、関連する貯蔵容器50a,50bに属するバルブ82a又は82bは、実験的に前もって決められた、一定期間のあいだ開かれ、そのため、関連する媒体は負圧の結果として処理チャンバ内に吸入される。従って、所望の媒体を、関連するバルブを開くことにより処理チャンバ3内に搬送することができる。
【0064】
搬送された媒体は、いま、例えば供給バルブが予め決められた期間のあいだに開かれるという事実のおかげで測量され得る。従って、この時間制御された変形例において、チャンバ3内へ、如何なる量の媒体が、規定された負圧が印加されている如何なる期間のあいだで搬送されるかが、予め確立されねばならない。
【0065】
これに代えて、圧力制御の変形例も可能となる。ここで、測量される媒体を処理チャンバ3内に導入した後、第2の、より低い負圧が処理チャンバ内で得られるまで、関連するバルブが開かれる。
【0066】
測量される媒体は、より高い負圧ではより速く流入し、また、より低い負圧で減速する。約500mbarの負圧は、これが、測量のあいだに迅速な供給または充満と、高い精度との両方を可能にするので、非常によい妥協をもたらすことが分かった。
【0067】
発明による解決策は、処理チャンバに印加された真空によって媒体が搬送されることを含む解決策の結果として、個別に供給ポンプを使用することを不要にできる。処理チャンバへ供給される媒体は、真空が印加されるときに、処理チャンバに対して、その供給バルブが開いているものだけである。従って、その解決策は、迅速であり、それでも正確な媒体の測量が得られるとともに、従前に知られた実施例より著しくコスト効率がよい。
【0068】
以下に記述される発明のアイデアもまた、処理中に使用される媒体の供給と測量に関係する。いま処理中に確保する必要があることは、それぞれの場合に供給される媒体の量が、調整される器具の数に適合するかということである。従って、媒体の量は、場所を占めているホルダまたはメンテナンス継手の数に依存して適合されるべきである。このこと故に、どれだけの数の器具が処理チャンバ内に実際に存在するのかを識別または設定することが必要である。
【0069】
先行技術は、以前に、様々なタイプのスイッチを経由した占有の識別を開示し、この識別は、次に始動した関連するバブルがどれであるかによる。対照的に、本装置の好適な場合のように閉じたチャンバの場合には、器具の対応する識別はより困難である。EP 1 749 502 A は、圧力が関連する器具の供給ラインに加えられるという開示された解決策を更に有している。しかしながら、この解決策は多くの圧力センサを要求した。
【0070】
これと比較される簡単な解決策を、図9に示す。この解決策は、占有の識別のために圧力センサ81を使用する考えに基づく。圧力センサは、処理チャンバ3内に配置され、殺菌処理のどんな場合でも必要である。発明による解決策では、正圧が処理チャンバ3内に生成され、それに続いて検査される継手バルブMV11−MV16が開かれる。つぎに、バルブMV11−MV16が大気圧の空気を通し、このとき、処理チャンバ3内で予め決められた時間設定の期間での圧力降下は、アドレス指定された継手5が器具4で占有されているかどうかを識別するために使用される。小さな圧力の降下があるならば、これは継手5が占有されていることを意味する。対照的に、大きな圧力の降下は、継手5が占有されていないという推論を可能にする。その後、継手5は、この方法で連続して調べられ得る。
【0071】
手順は、図9に概略的に図示される。図9では、圧縮空気は、例えば0.5から2bar、典型的には1barの正圧を生成するために、最初に、バルブMV10およびバルブMV11を通って処理チャンバ3へ送られる。続いて、空気は、1秒から10秒の間で決められた時間、例えば2秒間、処理チャンバ3からバルブM11およびM31を介して放出され、処理チャンバ内の圧力低下またはその圧力低下の勾配が確定される。占有されていない継手の値は評価エレクトロニクス85に格納され、作成された圧力差が、評価エレクトロニクス85によって、適切な継手5が器具4を装備しているか否かを決めるのに用いられ得る。その後、継手5がすべて調べられるまで、この処理が繰り返される。
【0072】
発明に従って継手の占有の識別を実行するのに、単一の圧力センサは十分であることが直ちに理解できる。それ故、非常に簡単でコスト効率がよい方法で、この方法を実行できる。なお一層の利点は、いくつかの歯科器具が、衛生上の理由上で、例えば、使用の間に器具とチューブ・ラインの中への噴霧水の逆の吸引を防ぐバルブ等のシステムを装備するという事実からなる。圧力がコレット・チャックの側から加えられる場合、発明によって認識されるように、この逆止め弁は閉じられ、これが処理チャンバ3内の圧力低下の著しい減少につながる。従って、そのような器具を備えた継手の占有を信頼性よく識別できる。これとは対照的に、前述のEP 1 749 502 A による解決策では、圧力は、継手の側から加えられ、このことは流動妨害として単に役立つ逆止め弁に結びつくものである。従って、この場合より継手の占有の識別は著しく困難である。
【0073】
上述された手順の代わりとして、容量性または誘導性の測定システムの助力によって器具の存在を確証することも実現可能である。実施例の方法によって、継手の近くにコイルを配置させることもできる。器具が、金属性の物体であり、いまコイルの近くにあるならば、このことがコイルのインダクタンスに対し結果として影響する。このインダクタンスは測量することができる、その結果、継手の占有を決定することができる。器具の存在を評価し、または確証するためのエレクトロニクスは、媒体を分配するための手段上で有利に配置できる。この結論は、1つの同定システムだけが必要ということである。
【0074】
ある発展においては、更にまた、例えば、継手が占有されていない状態、あるいはダミーの器具がその上に配置されている状態において、インダクタンス値を最初に確かめることにより、システムがそれ自体を調節することができる。
【0075】
上記の誘導性測定の代わりとして、容量性要素も使用でき、順番に調整される器具への継手がキャパシタンスに対する影響を必然的に伴うことは言うにおよばない。
【0076】
従って、医療、特に、歯科医療の器具を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置のために、本発明によって提案されている総合的な概念は、当該装置は、完全に自動で信頼できて再現可能な、歯科器具の調整を可能とするために、最適化されたということである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置であって、当該装置は、リンスチャンバ(3)、前記リンスチャンバを閉じるためのカバー(6)、および、動作中の前記カバー(6)と前記リンスチャンバ(3)の間を密閉するための密閉機構(30)とを備える装置において、
前記密閉機構(30)は、前記カバー(6)と前記容器(3)との間を密閉するために、前記カバー(6)の面におおよそ垂直に配された軸(I)のまわりを旋回可能な方法で実装された1つ以上のクランプ(32)を有する、
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記密閉機構(30)は、共通の枢軸(I)をもつ2つのクランプ(32)を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つのクランプ(32)は、前記枢軸(I)と反する端に、それぞれが前記クランプ(32)を旋回させるドライブの上に装備され、前記ドライブが前記カバー(6)を開閉するハンドル内に好適に統合されている、
ことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ドライブがリフト・シリンダ(31)であり、より特定的には電気シリンダである、
ことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記クランプ(32)のそれぞれが傾斜(38)をもち、当該傾斜は、前記カバー(6)が備える傾斜と相互作用する、
ことを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記クランプ(32)が、カバー(6)を密閉する目的で、前記容器(3)の端領域に位置する凹所を通じてつかむ、クランプ突起または爪(37)を有する、
ことを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)であって、当該装置は、リンスチャンバ(3)、前記リンスチャンバ(3)内に位置し、前記器具(4)を保持する役目があるホルダ(5)、および、少なくとも1つの媒体、より特定的には洗浄製品またはメンテナンス製品を、前記リンスチャンバ(3)内へ送るために設計された媒体供給システムを備える装置(1)において、
前記装置(1)は更にまた、前記リンスチャンバ(3)内で規定された負圧を生じさせるための手段をもち、
前記媒体は、貯蔵容器(50a、50b)から前記リンスチャンバ(3)への接続ラインを開くことにより供給される、
ことを特徴とする、装置。
【請求項8】
前記接続ラインは、制御可能なバルブ(82a、82b)をもつ、
ことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記接続ラインは、時間制御され、または圧力制御される方法で開かれる、
ことを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記規定された負圧が約500mbarである、
ことを特徴とする、請求項7から9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)のリンスチャンバ(3)へ、少なくとも1つの媒体、より特定的には洗浄製品またはメンテナンス製品を供給する方法において、
前記媒体を供給するために前記リンスチャンバ(3)内で規定された負圧を生成し、
貯蔵容器(50a、50b)から前記リンスチャンバ(3)への接続ラインを続いて開く、
ことを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記接続ラインを、時間制御または圧力制御する方法で開く、
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記規定された負圧が約500mbarである、
ことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)であって、当該装置は、リンスチャンバ(3)と、前記リンスチャンバ(3)内に位置し、前記器具(4)を保持する役目があり、それぞれが継手バルブを有し、またはそれぞれがバルブ(MV11−MN16)に結合され(5)たホルダ(5)と、圧縮空気供給システムと、前記器具(4)による前記継手(5)の占有を認識するための手段と、を備える装置(1)において、
前記装置による前記ホルダ(5)の占有を認識するための前記手段は、前記リンスチャンバ(3)内の正圧の生成、および前記ホルダ(5)の前記バルブ(MV11−MV16)を開放することの後に、前記チャンバ(3)内で続いて起こる圧力低下に基づいて、前記器具(4)による前記ホルダ(5)の占有を決定するように設計されている、
ことを特徴とする、装置。
【請求項15】
前記器具(4)による前記ホルダ(5)の占有を認識するための手段は、前記器具(4)による、それぞれ個々のホルダ(5)の占有の識別が、連続して、確立するように、設計された、
ことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)であって、当該装置は、リンスチャンバ(3)と、前記リンスチャンバ(3)内に位置し、前記器具(4)を保持する役目があるホルダ(5)と、前記器具(4)による前記継手(5)の占有を認識するための手段と、備える装置(1)において、
前記装置による前記ホルダ(5)の占有を認識するための前記手段は、誘導性または容量性の測定システムをもつ、
ことを特徴とする、装置。
【請求項17】
リンスチャンバ(3)と、前記リンスチャンバ(3)内に位置されて前記器具(4)を保持する役目があり、それぞれが継手バルブを有し、またはそれぞれがバルブ(MV11−MV16)に結合されたホルダ(5)と、を有する、医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)内で、前記器具(4)による前記器具ホルダ(5)の占有を認識するための方法であって、
前記器具(4)による前記ホルダ(5)の占有を認識するために、前記リンスチャンバ(3)内で正圧を生成し、前記ホルダ(5)の前記バルブ(MV11−MV16)を続いて開き、前記チャンバ(3)内で続いて起こる圧力低下に基づいて、前記器具(4)による前記ホルダ(5)の占有を決定する、
ことを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記器具(4)による、それぞれ個別のホルダ(5)の占有を連続して確立する
ことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
リンスチャンバ(3)と、前記リンスチャンバ(3)内に位置されて前記器具(4)を保持する役目があるホルダ(5)と、を有する、医療、特に、歯科医療の器具(4)を消毒、殺菌及び/又は維持するための装置(1)内で、前記器具(4)による前記器具ホルダ(5)の占有を認識するための方法であって、
前記器具(4)による前記ホルダ(5)の占有を認識するために、誘導性または容量性の測定システムを使用する、
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−520712(P2012−520712A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500267(P2012−500267)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053604
【国際公開番号】WO2010/106161
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(305039194)カルテンバッハ ウント ホイクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (36)
【氏名又は名称原語表記】Kaltenbach & Voigt GmbH
【Fターム(参考)】