説明

医療デバイスパッケージ

【課題】標的薬剤を医療デバイスの調製された表面に付加することを単純にすること、および標的薬剤の付加が行われる滅菌状態を維持することを目的とする、医療デバイスのためのパッケージを提供すること。
【解決手段】本開示は、標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスのためのパッケージを提供し、この医療パッケージは、このパッケージに収容された医療デバイスの表面とこのパッケージの外側との間での、この標的薬剤の通過を可能にするためのポートを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2006年1月26日に出願された、同時係属中の米国特許出願番号11/340,912の一部継続出願である。この米国特許出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、医療デバイスのためのパッケージに関し、そしてより特定すると、所定量の少なくとも1種の標的薬剤を医療デバイスに適用するためのパッケージに関する。本明細書中に記載されるパッケージは、医療デバイスを受容するための容器、およびこの容器と連絡するポートを備える。この医療デバイスの少なくとも一部分は、標的薬剤を受容するように調製され、このポートは、このデバイスの調製された部分への標的薬剤の滅菌通過を可能にするためのものである。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
組み合わせ医療デバイス(すなわち、薬物または他の生物活性薬剤でコーティングされた医療デバイス)は、近年、市場で普及しつつある。当業者に公知である多くのこれらの組み合わせ医療デバイスが存在する。これらのデバイスの多くは、生物活性薬剤の溶出を容易にすること、およびより重要なことには、医療デバイスの中心的な機能を維持または増強することの両方のために、特殊なコーティングを必要とする。例えば、抗微生物コーティングを含む縫合糸は、このコーティング中の抗微生物剤の溶出を容易にし得なければならず、そしてまた、このコーティングされた縫合糸が創傷閉鎖デバイスとしての機能を残すことを確実にするための特定の引張強度、取り扱い能力、結び目を結ぶ能力、および分解速度を維持し得なければならない。
【0004】
さらに、最近、標的薬剤(すなわち、薬物、生物学的分子など)を医療デバイスの表面に結合させて、改善された生体適合性、低下した埋没物拒絶、線維の被包、局在した薬物送達、および減少した感染に関連する臨床結果を改善することに、かなりの興味が持たれている。この研究の多くは、何らかの形態の化学結合を使用して、通常の薬物(例えば、化学療法剤、抗感染剤、抗炎症剤など)または生物物質(すなわち、細胞、ペプチド、フィブロネクチンなど)を医療デバイスの表面に架橋することに焦点を当てている。標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスを受容するためのパッケージであって、この医療デバイスの調製された表面とこのパッケージの外側との間での標的薬剤の通過を可能にしながら滅菌性を維持されるパッケージを有することが有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本開示は、標的薬剤を医療デバイスの調製された表面に付加することを単純にすること、および標的薬剤の付加が行われる滅菌状態を維持することを目的とする、医療デバイスのためのパッケージを記載する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
所定量の少なくとも1種の標的薬剤を医療デバイスに適用するための滅菌パッケージであって、該滅菌パッケージは、
医療デバイスを受容するための容器であって、該医療デバイスの少なくとも一部分は、少なくとも1種の標的薬剤を受容するために調製されている、容器;および
該容器と連絡するポートであって、該少なくとも1種の標的薬剤の、該調製されたデバイスへの滅菌通過を可能にするための、ポート、
を備える、滅菌パッケージ。
(項目2)
前記医療デバイスが、縫合糸、ステープル、クリップ、外科用綿撒糸、バットレス、縫合糸アンカー、ケーブル、ワイヤ、ペースメーカー、ステント、カテーテル、膨張可能デバイス、接着剤、封止剤、メッシュ、胸骨閉鎖具、ピン、ねじ、タック、棒、プレート、接着バリア、生体電子工学デバイス、歯科インプラント、外科ツールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1に記載のパッケージ。
(項目3)
前記医療デバイスが縫合糸である、項目1に記載のパッケージ。
(項目4)
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、標的薬剤を受容するために自然に調製されている、項目1に記載のパッケージ。
(項目5)
前記医療デバイスの少なくとも一部分は、プラズマ堆積、レーザーベースの堆積、γ放射線誘導重合、および相補的反応性官能基を使用する化学的グラフト化からなる群より選択される方法によって調製される、項目1に記載のパッケージ。
(項目6)
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、少なくとも1種のカップリング剤の付加により調製される、項目1に記載のパッケージ。
(項目7)
前記少なくとも1種の標的薬剤が、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体、増殖因子、成長因子、細胞、細胞レセプター、フィブロネクチン、ラミニン、形態形成因子、細胞マトリックスタンパク質、遺伝物質、ウイルスベクター、核酸、リンホカイン、プラスミド、薬物およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1に記載のパッケージ。
(項目8)
前記少なくとも1種の標的薬剤が薬物である、項目1に記載のパッケージ。
(項目9)
前記薬物が、防腐薬、麻酔薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗マラリア薬、殺アメーバ薬、抗結核剤、抗レトロウイルス剤、抗らい菌薬、抗原虫薬、駆虫薬、抗菌剤、ステロイド、造血剤、抗血小板剤、抗血液凝固薬、血液凝固薬、血栓崩壊剤、血流動態剤、止血薬、代用血漿、ホルモン、性ホルモン、子宮活性剤、ビスホスホネート、抗糖尿病剤、グルコース上昇剤、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、強心薬、抗不整脈剤、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、交感神経遮断薬、抗高脂質血症剤、昇圧薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、硬化薬、抗虚弱剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、抗コリン作用薬、利尿薬、気管支拡張薬、界面活性剤、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、バルビツレート、制吐剤、鎮痛薬、興奮薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン剤、プロトンポンプ阻害薬、H−アンタゴニスト、鎮痙薬、緩下薬、下痢止め薬、抗膨満薬、消化酵素、胆石可溶化剤、抗高血圧症剤、コレステロール低下剤、放射線不透過性薬剤、免疫グロブリン、モノクローナル抗体、抗体、抗毒素、抗蛇毒素、免疫剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗有糸分裂剤、放射性薬品、ビタミン、薬草、微量元素、アミノ酸、酵素、キレート剤、免疫調節剤、免疫抑制剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目8に記載のパッケージ。
(項目10)
所定量の標的薬剤を医療デバイスに適用する方法であって、
調製された医療デバイスを、ポートを有する滅菌パッケージ内に提供する工程であって、該ポートは、該デバイスへの少なくとも1種の標的薬剤の滅菌通過を可能にするためのものである、工程;および
該標的薬剤を該ポートを通して容器に導入し、該調製された医療デバイスと相互作用さ せる工程、
を包含する、方法。
(項目11)
前記医療デバイスが、縫合糸、ステープル、クリップ、外科用綿撒糸、バットレス、縫合糸アンカー、ケーブル、ワイヤ、ペースメーカー、ステント、カテーテル、膨張可能デバイス、接着剤、封止剤、メッシュ、胸骨閉鎖具、ピン、ねじ、タック、棒、プレート、接着バリア、生体電子工学デバイス、歯科インプラント、外科ツールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記医療デバイスが縫合糸である、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、標的薬剤を受容するために自然に調製されている、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記医療デバイスの少なくとも一部分は、プラズマ堆積、レーザーベースの堆積、γ放射線誘導重合、および相補的反応性官能基を使用する化学的グラフト化からなる群より選択される方法によって調製される、項目10に記載の方法。
(項目15)
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、少なくとも1種のカップリング剤の付加により調製される、項目10に記載の方法。
(項目16)
前記少なくとも1種の標的薬剤が、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体、増殖因子、成長因子、細胞、細胞レセプター、フィブロネクチン、ラミニン、形態形成因子、細胞マトリックスタンパク質、遺伝物質、ウイルスベクター、核酸、リンホカイン、プラスミド、薬物およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目10に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1種の標的薬剤が薬物である、項目10に記載の方法。
(項目18)
前記薬物が、防腐薬、麻酔薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗マラリア薬、殺アメーバ薬、抗結核剤、抗レトロウイルス剤、抗らい菌薬、抗原虫薬、駆虫薬、抗菌剤、ステロイド、造血剤、抗血小板剤、抗血液凝固薬、血液凝固薬、血栓崩壊剤、血流動態剤、止血薬、代用血漿、ホルモン、性ホルモン、子宮活性剤、ビスホスホネート、抗糖尿病剤、グルコース上昇剤、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、強心薬、抗不整脈剤、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、交感神経遮断薬、抗高脂質血症剤、昇圧薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、硬化薬、抗虚弱剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、抗コリン作用薬、利尿薬、気管支拡張薬、界面活性剤、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、バルビツレート、制吐剤、鎮痛薬、興奮薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン剤、プロトンポンプ阻害薬、H−アンタゴニスト、鎮痙薬、緩下薬、下痢止め薬、抗膨満薬、消化酵素、胆石可溶化剤、抗高血圧症剤、コレステロール低下剤、放射線不透過性薬剤、免疫グロブリン、モノクローナル抗体、抗体、抗毒素、抗蛇毒素、免疫剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗有糸分裂剤、放射性薬品、ビタミン、薬草、微量元素、アミノ酸、酵素、キレート剤、免疫調節剤、免疫抑制剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、項目17に記載の方法。
【0007】
(摘要)
本開示は、標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスのためのパッケージを提供し、この医療パッケージは、このパッケージに収容された医療デバイスの表面とこのパッケージの外側との間での、この標的薬剤の通過を可能にするためのポートを有する。
【0008】
(要旨)
従って、本開示に従う、所定量の少なくとも1種の標的薬剤を医療デバイスに適用するためのパッケージは、医療デバイスを受容するための構成および寸法にされた容器を備え、この医療デバイスの少なくとも一部分は、少なくとも1種の標的薬剤を受容するために調製される。このパッケージは、ポートをさらに備え、このポートは、この容器と連絡しており、そしてこの医療デバイスへのこの標的薬剤の滅菌通過を可能にする。
【0009】
さらに、本開示は、所定量の標的薬剤を医療デバイスに適用する方法を記載し、この方法は、調製された医療デバイスを、ポートを有する滅菌パッケージ内に提供する工程であって、このポートは、このデバイスへの少なくとも1種の標的薬剤の滅菌通過を可能にするためのものである、工程、およびこの標的薬剤をこのポートを通して容器に導入し、この調製された医療デバイスと相互作用させる工程を包含する。
【発明の効果】
【0010】
標的薬剤を医療デバイスの調製された表面に付加することを単純にすること、および標的薬剤の付加が行われる滅菌状態を維持することを目的とする、医療デバイスのためのパッケージを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中に記載される。
【0012】
(詳細な説明)
ここで図1A〜図2Bを参照すると、本明細書中に記載されるようなパッケージ10は、容器30およびポート40を備え、この容器は、少なくとも1種の標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイス20を受容するための設計および構成にされており、このポートは、医療デバイス20への標的薬剤の滅菌通過を可能にするために、容器30と連絡している。任意の医療デバイスが、パッケージ10の容器30内に受容され得、この医療デバイスとしては、少なくともある程度の時間にわたって身体内に留まる、埋没可能な材料、移植可能な材料または補綴材料が挙げられる。
【0013】
適切な医療デバイスは、天然材料、合成材料、または天然材料と合成材料と組み合わせから作製され得る。天然材料の例としては、例えば、インタクトな組織および脱細胞組織が挙げられる。これらの組織は、しばしば、特定の動物種(例えば、ヒト、ウシ、ブタ、サメなど)に由来し、そして例えば、天然心臓弁;天然心臓弁の一部(例えば、根、壁および弁膜);心膜組織(例えば、心膜パッチ);結合組織;バイパス移植片;腱;靭帯;皮膚パッチ;血管;軟骨;硬膜物質;皮膚;骨;臍帯組織;胃腸(GI)管組織などから得られ得る。これらの天然組織は、一般に、コラーゲン含有物質を含む。
【0014】
これらのデバイスはまた、ポリマー、生体ポリマーまたは脱細胞天然組織から形成され得る、組織等価物(例えば、細胞を再度集合させたマトリックスを含む組織工学材料)から形成され得る。生体ポリマーは、天然に存在しても、例えば、発酵などによってインビトロで産生されてもよい。精製された生体ポリマーは、織ること、編むこと、キャスティング、成形、押出し、細胞整列および磁気整列などの技術によって、基材に適切に形成され得る。
【0015】
本明細書中に記載される医療デバイスを形成するために使用され得る合成材料としては、種々の生体適合性材料(例えば、金属(例えば、チタン、ステンレス鋼、およびニチノール)、ガラス、セラミック、ナイロン、およびポリマー材料)が挙げられるが、これらに限定されない。適切なポリマーとしては、生体吸収性材料および非生体吸収性材料が挙げられる。いくつかの非限定的な例としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、多糖類、ポリラクチド、ポリグリコリド、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
本明細書中に記載されるパッケージ内に受容され得る医療デバイスの適切な非限定的な例としては、縫合糸、ステープル、クリップ、外科用綿撒糸、バットレス、縫合糸アンカー、ケーブル、ワイヤ、ペースメーカー、ステント、カテーテル、膨張可能デバイス、接着剤、封止剤、メッシュ、胸骨閉鎖具、ピン、ねじ、タック、棒、プレート、接着バリア、生体電子工学デバイス、歯科インプラント、外科ツールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0017】
本明細書中に記載される医療デバイスは、少なくとも1つの表面を備え、この表面の少なくとも一部分は、少なくとも1種の標的薬剤を受容するように調製される。この医療デバイスの表面は、標的薬剤を固定または捕捉し得る場合、標的薬剤を受容するように調製されているとみなされる。いくつかの実施形態において、この医療デバイスの表面は、標的薬剤を受容するために自然に調製されている。すなわち、医療デバイスを形成するために使用される材料は、標的薬剤を受容または固定する能力を本来有し得、これによって、このデバイスを修飾する必要性を軽減する。
【0018】
いくつかの実施形態において、医療デバイスの表面は、標的薬剤を受容するためにこの表面を調製するための任意の適切な方法を使用して、修飾され得る。医療デバイスの表面を修飾するために使用される方法のいくつかの非限定的な例としては、プラズマベースの堆積、レーザーベースの堆積、γ放射線誘導重合、相補的に反応性の官能基を使用する化学的グラフト化などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
医療デバイスの表面は、標的薬剤の導入前の任意の時点で調製され得る。いくつかの実施形態において、医療デバイスの表面は、本明細書中に記載されるパッケージに封入される前に調製され得る。いくつかの実施形態において、医療デバイスの表面は、このパッケージ内に受容された後に、標的薬剤を受容するために調製され得る。
【0020】
医療デバイスの任意の部分が、標的薬剤を受容するために修飾または調製され得ることが予測される。調製された表面は、充分な量の標的薬剤を捕捉または固定するために必要とされるように、この医療デバイスの様々な量を、様々な構成、次元および濃度で示し得ることが、さらに予測される。この医療デバイスの、調製された部分のみがこの標的薬剤を受容し得るので、この医療デバイスは、特定の所定量の標的薬剤を受容し得る。
【0021】
ある実施形態において、医療デバイスの表面の少なくとも一部分が、カップリング剤を使用して修飾される。カップリング剤は、この表面と相互作用し、そしてこのデバイスの表面にこの標的薬剤を受容させるように設計される。これらのカップリング剤は、このデバイスの表面と標的薬剤との間の媒介物として働き、そしてこの医療デバイスの調製された表面が、この標的薬剤を固定または捕捉することを可能にする。
【0022】
このカップリング剤は、代表的に、多価有機化合物であり、そして特に有用な実施形態においては、二価化合物である。このカップリング剤は、生物学的に不活性であり得るか、またはこのカップリング剤自体が生物活性を有し得る。このカップリング剤はまた、他の求電子官能基または求核官能基(ヒドロキシ基、メルカプト基、アミン基、カルボン酸、スクシンイミジル基、ならびに医療デバイスの表面を修飾するため(例えば、分枝、架橋、標的薬剤の付加のため)に使用され得る他の官能基が挙げられる)を含み得る。
【0023】
このカップリング剤は、加水分解により生分解性である他の基(例えば、α−エステル(乳酸エステル、グリコール酸エステル)、ε−カプロラクトン、オルトエステル)、または酵素により生分解性である基(例えば、アミノ酸)を組み込み得る。このカップリング剤は、水溶性の非生分解性セグメント(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドン)であり得る。
【0024】
このカップリング剤は、水に不溶性の非生分解性セグメント(例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルウレタン、またはポリ(n−アルキルエーテル))であり得る。このカップリング剤は、非晶質または半結晶性の生分解性ポリマー(例えば、ポリ(d,l−ラクチド)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ酸無水物、ポリ(オルトエステル)、ポリ(グリコリド)、ポリ(l−ラクチド)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ならびにε−カプロラクトン、グリコリド、トリメチレンカーボネート、ジオキサノン、d,l−ラクチド、l−ラクチドおよびd−ラクチドのコポリマー)であり得る。
【0025】
このカップリング剤は、界面活性剤の特性を有し得る(例えば、ポリエチレングリコールブロックとポリプロピレングリコールブロックとを有するプルロニックブロックコポリマー)。このカップリング剤は、極性部分または荷電部分(ポリ(アクリル酸)およびポリ(アルギネート)由来のカルボン酸基、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸)(AMPS)由来のスルホン酸基、ポリ(ビニルアルコール)、多糖類およびポリ(アルギネート)由来のヒドロキシ基、ならびにポリ(L−リジン)、ポリ(2,2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)およびポリ(アミノ酸)由来のアミノ基が挙げられる)を有し得る。
【0026】
このカップリング剤は、熱可逆性ゲル化を起こすセグメント(例えば、プルロニックF127およびポリ(N−イソプロピルアクリルアミド))であり得る。このカップリング剤は、構造を強化されたセグメント(例えば、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタンなど)を組み込み得る。
【0027】
このカップリング剤は、多価の、分枝または非分枝の、飽和または不飽和の、1個〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖であり得、ここで、これらの炭素原子のうちの1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)は、必要に応じて、(−−O−−)、(−−S−−)または(−−NR−−)で置き換えられる。
【0028】
このカップリング剤は、ペプチド、酵素、タンパク質、ヌクレオチド、アミノ酸、ポリアミノ酸またはポリペプチドであり得る。
【0029】
特に有用な実施形態において、このカップリング剤は、医療デバイスの表面と標的薬剤との両方に選択的に結合し得る、少なくとも1つのペプチドである。このペプチドは、医療デバイスが標的薬剤を捕捉できるように、この医療デバイスの表面に適用(すなわち、噴霧、浸漬、コーティング、ブラッシング、ワイピング、塗装、注入など)され得る。
【0030】
なお他の実施形態において、1種より多くのカップリング剤が、医療デバイスの表面を調製するために使用され得る。例えば、すべてのカップリング剤が、医療デバイスと標的薬剤との両方と相互作用し得るわけではないかもしれない。このような場合には、1つのカップリング剤が、医療デバイスの表面に結合するために使用され得、そして別のカップリング剤が、標的薬剤と結合するために使用され得る。
【0031】
少なくとも1種の標的薬剤は、医療デバイスの調製される表面との組み合わせのために適切な、任意の生物活性薬剤および/または非生物活性薬剤から選択され得る。適切な薬剤としては、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体、増殖因子、成長因子、細胞、細胞レセプター、フィブロネクチン、ラミニン、形態形成因子、細胞マトリックスタンパク質、遺伝物質、ウイルスベクター、核酸、リンホカイン、プラスミドおよび薬物が挙げられるが、これらに限定されない。有用な薬物化合物のいくつかの非限定的な例としては、防腐薬、麻酔薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗マラリア薬、殺アメーバ薬、抗結核剤、抗レトロウイルス剤、抗らい菌薬、抗原虫薬、駆虫薬、抗菌剤、ステロイド、造血剤、抗血小板剤、抗血液凝固薬、血液凝固薬、血栓崩壊剤、血流動態剤、止血薬、代用血漿、ホルモン、性ホルモン、子宮活性剤、ビスホスホネート、抗糖尿病剤、グルコース上昇剤、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、強心薬、抗不整脈剤、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、交感神経遮断薬、抗高脂質血症剤、昇圧薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、硬化薬、抗虚弱剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、抗コリン作用薬、利尿薬、気管支拡張薬、界面活性剤、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、バルビツレート、制吐剤、鎮痛薬、興奮薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン剤、プロトンポンプ阻害薬、H−アンタゴニスト、鎮痙薬、緩下薬、下痢止め薬、抗膨満薬、消化酵素、胆石可溶化剤、抗高血圧症剤、コレステロール低下剤、放射線不透過性薬剤、免疫グロブリン、抗毒素、抗蛇毒素、免疫剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗有糸分裂剤、放射性薬品、ビタミン、薬草、微量元素、アミノ酸、キレート剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、希釈剤、放射性薬剤、免疫グロブリン、保存薬;着色剤;色素;紫外線吸収剤;紫外線安定剤;フォトクロミック剤;抗接着剤;多糖類;増殖因子アンタゴニスト、成長因子アンタゴニスト;抗コロニー形成剤;診断剤;画像化剤;およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
いくつかの実施形態において、標的薬剤は、ポリマー材料と合わせられた、本明細書中で先に記載された任意の薬剤を含む。この薬剤は、ポリマーと、任意の適切な様式で(例えば、物理的に混合すること、薬剤をポリマーマトリックス中に包埋または分散させることによって)合わせられ得る。1つの実施形態において、この薬剤は、ポリマーに直接付着され、リンカー分子もしくはスペーサー分子を介してポリマーに化学結合させられ、ポリマーの骨格に付着した化学基に直接にかもしくは間接的に化学結合させられ、そして/またはポリマーもしくはポリマー骨格に静電的に付着される。これらの薬剤は、ポリマーの反復単位に共有結合によって付着されて、この活性薬剤の持続放出を提供し得るか、またはこの薬剤は、単に、ポリマー中に存在する占有されていないスペーサー内に存在し得ることが予測される。別の実施形態において、この薬剤は、ポリマーまたはポリマー骨格と塩を形成し得る。1つの実施形態において、この薬剤は、ポリマー中に存在する占有されていないスペーサー中に位置し、そして均質な官能基として存在するか、またはこの薬剤は、塩、ミセル、リポソーム、もしくは不均質凝集物に組み込まれ得る。
【0033】
本明細書中に記載されるパッケージは、所定量の標的薬剤を医療デバイスに適用する際に有用であり、そしてこの医療デバイスを受容するための少なくとも1つの容器を備える。この容器は、医療デバイスを保存するための任意の従来のエンクロージャの形状を採り得、当業者に公知である任意の適切な材料から製造される。この容器は、密封可能、密封不可能、通気性、非通気性、剥離可能、およびこれらの組み合わせであり得る。有用なエンクロージャのいくつかの例としては、ポーチ、紙保持具、プラスチック保持具、エンベロープ、箔パックなどが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、この容器は、内側表面が熱封止可能なポリマー組成物でコーティングされたアルミニウム箔の2つのパネルを熱封止することによって形成される。この箔パックは、この容器の外周で結合される。当業者に周知であるような、この容器を密封するための他の手段が使用され得る。他の実施形態において、図1Aおよび図1Bに示されるように、少なくとも1層のアルミニウム箔またはポリマー材料が、プラスチック容器の外周に配置されて、密封可能なパッケージを形成し得る。なお他の実施形態において、医療デバイスを収容する1つより多くの容器が、パッケージ内に形成され得る(図2Aおよび図2Bを参照のこと)。
【0034】
この容器は、医療デバイスを受容または保存するために適切な、当業者に公知である任意の材料から製造され得る。適切な材料のいくつかの例としては、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、熱硬化性物質、熱可塑性樹脂、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリテトラフルオロエチレン、ε−カプロラクトン、グリコリド、l−ラクチド、d,l−ラクチド、d−ラクチド、メソ−ラクチド、トリメチレンカーボネート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、p−ジオキサノン、ジオキセパノン、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン、6,8−ジオキサビシクロオクタン−7−オン、エチレンカーボネート、エチレンオキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、ポリオレフィン、ポリシロキサン、ポリアルキレングリコール、ポリアクリレート、アミノアルキルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシ−エチルメタクリレート)、ポリメタクリルアミド、デキストラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、多糖類、ゼラチンならびにこれらのコポリマー、ホモポリマーおよびブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
容器および医療デバイスに加えて、本明細書中に記載されるパッケージは、ポートを備える。このポートは、このパッケージまたは容器の外側と、この容器に収容された医療デバイスの調製された表面との間での、少なくとも1種の標的薬剤の通過を可能にするように設計される。このポートは、密封可能、密封不可能、静止、可動、剥離可能、およびこれらの組み合わせであり得ることが予測される。
【0036】
図1Aおよび図1Bに示されるように、ポート40は、容器30の任意の面、縁または角に沿って配置され得る。パッケージ10が1つより多くの容器30を収容する実施形態において、ポート40は、パッケージ10内に含まれる空洞のうちのいずれかの、任意の面、縁または角に沿って配置され得る。
【0037】
さらに、図1Aおよび図1Bにおいて、ポート40は、注入可能なハブとして示されており、このハブは、自己密封作用によって密封されて維持されるように設計され、流体媒体が逃れ得ないことを確実にし、そしてまた、病原体がこの容器を突破し得ないようにする。ポート40は、滅菌バイアル、静脈内バッグ、カテーテル、薬物アンプルまたは血液バッグを密封する際に使用されることが公知である従来のゴムまたは熱可塑性材料から構成され得る。あるいは、ポート40は、疎水性材料、親水性材料、または疎水性材料と親水性材料との組み合わせから構成され得る。任意のサイズ、形状または寸法の適切なポートが作製され得る。
【0038】
1つの実施形態において、ポート40は、特定の注射器のみがポート40と嵌合し得、これによって、鍵と鍵穴の型のハブを作製し、ポート40の特定の使用のみを促進するような様式で設計された、ハブであり得る。この型のハブは、ポート40の使用者に対するさらなる安全を提供する。なぜなら、このハブは、針の使用を必ずしも必要としないからである。さらに、鍵と鍵穴の型のハブは、特定の投薬のみのための患者および医療人員によって、これらの投薬の投薬量で使用され得、これによって、誤った薬剤の投与、または意図される薬剤の誤った投薬量での投与の可能性を低下させる。
【0039】
図2Aおよび図2Bに示されるように、パッケージ10は、第二の容器60内に配置される容器30を備え、ここで、ポート40は、第二の容器60を通過して容器30に貫入する。ある実施形態において、容器60は、通気性ポーチである。容器30に貫入することによって、ポート40は、標的薬剤を、容器30内の任意の特殊な領域(医療デバイス20の特定の領域またはパッケージ10に含まれる任意のさらなる空洞が挙げられる)内に方向付け得る。さらに、医療デバイス20またはパッケージ10に含まれる任意のさらなる空洞にさらに貫入するように、迂回路が配置されて、医療デバイス20が濡れる速度を増加させ得、そして/または標的薬剤を医療デバイス20の特定の領域のみに制限し得る。
【0040】
なお他の実施形態において、ポート40は、さらなる別の容器を組み込まれ得、この別の容器は、標的薬剤で満たされ得る。いくつかの実施形態において、この別の容器は、もろい容器であり、このパッケージの製造前または製造後のいずれかに、少なくとも1種の標的薬剤で満たされ得る。この実施形態において、外科医または他の医療人員は、このもろい容器に圧力を付与し得、これによって、このもろい容器を強制的に開封し、そしてこの標的薬剤をこのポート内に放出し、これによって、この容器内およびこの医療デバイスの調製された表面上へのこの標的薬剤の通過を可能にする。このもろい容器は、当業者に公知である任意の材料から製造され得る。1つの公知の例としては、ガラス材料が挙げられる。このもろい容器が、患者に導入されることを意図されない、ガラスまたは他の材料から作製される実施形態において、フィルタが、このもろい容器とポートとの間で、このポートに接続され、このもろい容器を開封した後に、これらの材料がこのポートに入ることを防ぎ得る。
【0041】
ここで図3を参照すると、少なくとも1種の標的薬剤35を受容するために調製された表面25を有する、医療デバイス20が示されている。標的薬剤35は、医療デバイス20の、調製された部分25に固定されて示されている。いくつかの実施形態において、カップリング剤45が、医療デバイス20の調製された表面25と標的薬剤35との間の媒介物として使用され得る。示されるように、標的薬剤35は、医療デバイスの調製された部分のみに固定され、これによって、所定量の標的薬剤がこの医療デバイスに適用されることを可能にする。
【0042】
ある実施形態において、このカップリング剤は、この医療デバイスに適用されて、調製された表面を形成し得る。ある実施形態において、このカップリング剤は、この医療デバイスの調製された表面に導入される前に、この標的薬剤と合わせられ得る。
【0043】
種々の改変が、本明細書中に開示された実施形態に対してなされ得ることがよく理解される。従って、上記説明は、限定と解釈されるべきではなく、単に、特に有用な実施形態の例示と解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨内で、他の改変を予測する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1A】図1Aは、標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスのためのパッケージの上面図である。
【図1B】図1Bは、標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスのためのパッケージの端面図である。
【図2A】図2Aは、外側通気性ポーチ、および標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスを受容するための容器の内部に、これらを通して配置されたポートの上面図であり、このポートは、このパッケージの外側と、この容器内に配置された医療デバイスの調製された表面との間での、標的薬剤の通過を可能にするためのものである。
【図2B】図2Bは、外側通気性ポーチ、および標的薬剤を受容するために調製された表面を有する医療デバイスを受容するための容器の内部に、これらを通して配置されたポートの側面図であり、このポートは、このパッケージの外側と、この容器内に配置された医療デバイスの調製された表面との間での、標的薬剤の通過を可能にするためのものである。
【図3】図3は、医療デバイス表面の標的薬剤を受容するために調製された部分に標的薬剤を受容している、医療デバイスの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の少なくとも1種の標的薬剤を医療デバイスに適用するための滅菌パッケージであって、該滅菌パッケージは、
医療デバイスを受容するための容器であって、該医療デバイスの少なくとも一部分は、少なくとも1種の標的薬剤を受容するために調製されている、容器;および
該容器と連絡するポートであって、該少なくとも1種の標的薬剤の、該調製されたデバイスへの滅菌通過を可能にするための、ポート、
を備える、滅菌パッケージ。
【請求項2】
前記医療デバイスが、縫合糸、ステープル、クリップ、外科用綿撒糸、バットレス、縫合糸アンカー、ケーブル、ワイヤ、ペースメーカー、ステント、カテーテル、膨張可能デバイス、接着剤、封止剤、メッシュ、胸骨閉鎖具、ピン、ねじ、タック、棒、プレート、接着バリア、生体電子工学デバイス、歯科インプラント、外科ツールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記医療デバイスが縫合糸である、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、標的薬剤を受容するために自然に調製されている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記医療デバイスの少なくとも一部分は、プラズマ堆積、レーザーベースの堆積、γ放射線誘導重合、および相補的反応性官能基を使用する化学的グラフト化からなる群より選択される方法によって調製される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、少なくとも1種のカップリング剤の付加により調製される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記少なくとも1種の標的薬剤が、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体、増殖因子、成長因子、細胞、細胞レセプター、フィブロネクチン、ラミニン、形態形成因子、細胞マトリックスタンパク質、遺伝物質、ウイルスベクター、核酸、リンホカイン、プラスミド、薬物およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記少なくとも1種の標的薬剤が薬物である、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記薬物が、防腐薬、麻酔薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗マラリア薬、殺アメーバ薬、抗結核剤、抗レトロウイルス剤、抗らい菌薬、抗原虫薬、駆虫薬、抗菌剤、ステロイド、造血剤、抗血小板剤、抗血液凝固薬、血液凝固薬、血栓崩壊剤、血流動態剤、止血薬、代用血漿、ホルモン、性ホルモン、子宮活性剤、ビスホスホネート、抗糖尿病剤、グルコース上昇剤、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、強心薬、抗不整脈剤、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、交感神経遮断薬、抗高脂質血症剤、昇圧薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、硬化薬、抗虚弱剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、抗コリン作用薬、利尿薬、気管支拡張薬、界面活性剤、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、バルビツレート、制吐剤、鎮痛薬、興奮薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン剤、プロトンポンプ阻害薬、H−アンタゴニスト、鎮痙薬、緩下薬、下痢止め薬、抗膨満薬、消化酵素、胆石可溶化剤、抗高血圧症剤、コレステロール低下剤、放射線不透過性薬剤、免疫グロブリン、モノクローナル抗体、抗体、抗毒素、抗蛇毒素、免疫剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗有糸分裂剤、放射性薬品、ビタミン、薬草、微量元素、アミノ酸、酵素、キレート剤、免疫調節剤、免疫抑制剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載のパッケージ。
【請求項10】
所定量の標的薬剤を医療デバイスに適用する方法であって、
調製された医療デバイスを、ポートを有する滅菌パッケージ内に提供する工程であって、該ポートは、該デバイスへの少なくとも1種の標的薬剤の滅菌通過を可能にするためのものである、工程;および
該標的薬剤を該ポートを通して容器に導入し、該調製された医療デバイスと相互作用さ せる工程、
を包含する、方法。
【請求項11】
前記医療デバイスが、縫合糸、ステープル、クリップ、外科用綿撒糸、バットレス、縫合糸アンカー、ケーブル、ワイヤ、ペースメーカー、ステント、カテーテル、膨張可能デバイス、接着剤、封止剤、メッシュ、胸骨閉鎖具、ピン、ねじ、タック、棒、プレート、接着バリア、生体電子工学デバイス、歯科インプラント、外科ツールおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記医療デバイスが縫合糸である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、標的薬剤を受容するために自然に調製されている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記医療デバイスの少なくとも一部分は、プラズマ堆積、レーザーベースの堆積、γ放射線誘導重合、および相補的反応性官能基を使用する化学的グラフト化からなる群より選択される方法によって調製される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記医療デバイスの少なくとも一部分が、少なくとも1種のカップリング剤の付加により調製される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1種の標的薬剤が、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体、増殖因子、成長因子、細胞、細胞レセプター、フィブロネクチン、ラミニン、形態形成因子、細胞マトリックスタンパク質、遺伝物質、ウイルスベクター、核酸、リンホカイン、プラスミド、薬物およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1種の標的薬剤が薬物である、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記薬物が、防腐薬、麻酔薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、抗微生物剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗マラリア薬、殺アメーバ薬、抗結核剤、抗レトロウイルス剤、抗らい菌薬、抗原虫薬、駆虫薬、抗菌剤、ステロイド、造血剤、抗血小板剤、抗血液凝固薬、血液凝固薬、血栓崩壊剤、血流動態剤、止血薬、代用血漿、ホルモン、性ホルモン、子宮活性剤、ビスホスホネート、抗糖尿病剤、グルコース上昇剤、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、強心薬、抗不整脈剤、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、交感神経遮断薬、抗高脂質血症剤、昇圧薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、硬化薬、抗虚弱剤、尿アルカリ化薬、尿酸性化薬、抗コリン作用薬、利尿薬、気管支拡張薬、界面活性剤、抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、バルビツレート、制吐剤、鎮痛薬、興奮薬、抗痙攣薬、抗パーキンソン剤、プロトンポンプ阻害薬、H−アンタゴニスト、鎮痙薬、緩下薬、下痢止め薬、抗膨満薬、消化酵素、胆石可溶化剤、抗高血圧症剤、コレステロール低下剤、放射線不透過性薬剤、免疫グロブリン、モノクローナル抗体、抗体、抗毒素、抗蛇毒素、免疫剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗有糸分裂剤、放射性薬品、ビタミン、薬草、微量元素、アミノ酸、酵素、キレート剤、免疫調節剤、免疫抑制剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−189799(P2009−189799A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314974(P2008−314974)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】