説明

医療デバイス用潤滑性コーティング

少なくとも1種類の潤滑性ポリマーおよび少なくとも1種類の酸素非感応性架橋性ポリマーを含む紫外線硬化性潤滑性コーティング、その作製方法および使用方法、ならびにそれでコーティングした物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、ポリマー基材および金属基材用の合成ポリマー系コーティング組成物の分野、該組成物の作製方法および使用方法、ならびに該組成物でコーティングした物品に関する。
【背景技術】
【0002】
水溶性の生体適合性化合物は、これを使用しない場合は(otherwise) 非潤滑性である材料の表面に潤滑性を付与し、身体内に挿入または移植される医療デバイスにおける使用が望ましい。かかる医療デバイスとしては、ステント、ステントグラフト、グラフトまたは大静脈フィルター、バルーンカテーテル、他の膨張可能な医療デバイスなどを送達するために用いられるカテーテルが挙げられ得る。当産業では、シリコーン、グリセリンまたはオリーブ油などの通常使用されている疎水性コーティングに伴う問題を解決するため、親水性潤滑性コーティングが注目されてきた。
【0003】
疎水性コーティングは、水性環境に曝露されたとき数珠状になって(bead up) 流出すること、初期潤滑性が急速に失われること、および耐摩耗性に欠けることが知られている。また、残留量のシリコーンは、患者内で組織反応および刺激を引き起こすことが知られている。潤滑性の低下は、患者への挿入中に不快症状をもたらし得、デバイスの挿入または取外す際に摩擦力によって血管および組織を損傷し得る。
【0004】
親水性コーティングは、体液などの水性環境に曝露されたとき、医療デバイスの表面上に保持することが困難であり得る。広く使われ始めてきた親水性コーティングの特定の種類の1つは、水性環境において膨潤する「ヒドロゲル」であり、「湿った」または含水状態の間も潤滑性を示すことができる。含水時、これらの物質は、体液(唾液、消化液および血液を含む)ならびに生理食塩水溶液および水中で低摩擦力を有する。かかる物質としては、任意選択で、ウレタン結合またはウレイド結合によって結合されるか、またはポリ(メタ)アクリレートポリマーもしくはコポリマーとのインターポリマー化されるポリエチレンオキシド; 無水マレイン酸のコポリマー;(メタ)アクリルアミドのポリマーおよびコポリマー;(メタ)アクリル酸コポリマー;ポリウレタン; ポリ(ビニルピロリドン)およびポリウレタンとのブレンドまたはインターポリマー;多糖類;ならびにその混合物が挙げられる。
【0005】
しかしながら、ヒドロゲル単独では、水性環境に曝露されたとき、これらが適用された表面からなお移動し得る。改善された表面保持を得るための方法の1つは、1種類の材料が架橋性であるポリマーネットワークの使用によるもの、または1種類より多い材料が架橋性である相互侵入ネットワークの使用によるものである。
【0006】
架橋性材料は、典型的には、紫外線(UV)放射を加えることにより硬化する。UV硬化システムは、典型的には、フリーラジカル機構またはカチオン系機構を含む2つの機構の一方により機能する。フリーラジカル機構により硬化する材料の種類の一例は、アクリレート官能性架橋剤である。これらのアクリレートは、酸素の存在下で安定なラジカルを形成し得るため、酸素に対して感応性であり、したがって、不活性ガスパージを必要とする。
【0007】
カチオン系硬化機構は、典型的には、化学線UV放射に曝露されると崩壊して強酸を形成するスルホニウム塩またはヨードニウム塩の使用を伴う。この種の架橋性材料は、塩基
性種の存在および湿度に対して感応性である。
【0008】
当該技術分野において、酸素の存在または湿気に対して感応性でない潤滑性コーティングを形成するのに有用な、改善された架橋性材料に対する必要性がなお存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
広義において、本発明は、少なくとも1種類の成分が酸素非感応性架橋性材料であり、少なくとも1種類の第2の成分が存在し、潤滑性を与える潤滑性コーティングに関する。該潤滑性コーティングは、医療デバイスまたはその構成要素の表面において用いられ得る。
【0010】
第2の成分は、潤滑性親水性ポリマー、潤滑性疎水性ポリマーまたはその混合物を含む任意の潤滑性ポリマー系材料であり得る。また、架橋性材料も用いられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様において、架橋性材料は、潤滑性非架橋ヒドロゲルを用いてポリマーネットワークを形成するために用いられる。
別の態様において、酸素非感応性架橋性成分を、少なくとも1種類の第2の架橋性成分と組み合わせて用いてもよく、その結果、「半相互侵入ポリマーネットワーク」となる。
【0012】
一態様において、架橋性ポリマーは、下記一般化学構造:
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、mおよびnは正の数であり、Xはアニオンである)
を有する、スチリルピリジニウム基で修飾されたポリビニルアルコールである。
スチリルピリジニウム修飾PVAを使用することに対する利点の1つは、スチリルピリジニウム基自体が、架橋を開始する発色団または光吸収基であるということであり、したがって、従来のUV硬化性材料とは異なり、光開始剤を必要としない。
【0015】
一態様において、スチリルピリジニウム修飾ポリビニルアルコール(PVA)は、ポリエチレンオキシドヒドロゲルを用いてポリマーネットワークを形成するために用いられる

【0016】
別の態様において、スチリルピリジニウム修飾PVAは、ポリウレタンまたはポリウレタンのブレンドを用いてポリマーネットワークを形成するために用いられる。
潤滑性コーティングは、任意のポリマー表面または金属表面において、かかる表面に潤滑性を与えるために用いられ得る。潤滑性コーティングは、医療デバイスおよびその構成要素(例えば、カテーテル軸、ガイドワイヤー、ガイドワイヤールーメン、拡張バルーンなど)において特に有用なことがわかった。潤滑性コーティングは、かかる医療デバイスおよびその構成要素の内側表面および外側表面の両方において用いられ得る。
【0017】
医療デバイスの表面は、基材に対するコーティングの付着性を改善するため、例えば、ヘリウムまたはアルゴンなどで最初にプラズマ処理してもよい。
本発明は、さらに、医療デバイスまたはその構成要素への潤滑性コーティングの適用方法に関する。かかる方法は、該コーティングをデバイスまたはその構成要素に塗布する工程、デバイスのコートされた表面に対してUV放射を施すことによって、および架橋性材料(1種または複数)をデバイスの表面上で重合する工程を含む。コーティングの適用は、溶媒から、噴霧、はけ塗り(brushing)、塗装などによってなされ得る。有用な溶媒としては、水、低級アルコール(例えば、イソプロパノール、メタノールなど)が挙げられるが、これらに限定されない。押出し、共押出しおよび他の応用技術もまた用いられ得る。かかる技術は、溶媒の使用を必要としない。
【0018】
また、潤滑性ポリマーが架橋性材料である場合、硬化が紫外線放射などの放射を付与することによるものである場合は、光開始剤もまた、コーティング混合物に有益に添加され得る。
【0019】
別の態様において、本発明は、薬物送達系を含み、コーティングが生体内に挿入され得るデバイスに固定され、かつコーティングが酸素非感応性架橋性材料、非架橋ヒドロゲルおよび治療用薬物を含む。治療用薬物は、コーティング内に取り込まれていてもよく、コーティングの含水時に該コーティングから浸出可能なものであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、多くの異なる形態で具体化し得るが、本発明の具体的な実施形態を本明細書に詳細に記載する。本記載は、本発明の原理の例示であって、本発明を、例示した特定の実施形態に限定することを意図しない。
【0021】
潤滑性コーティングは、少なくとも1種類の酸素非感応性架橋性ポリマーおよび少なくとも1種類の潤滑性ポリマーを含む。
スチリルピリジニウム基を有する酸素非感応性架橋性ポリマーを用いることが有益であることがわかった。スチリルピリジニウム基は、例えば縮合反応によってポリマー鎖の主鎖に付加し得る。一実施形態において、スチリルピリジニウム基は、縮合反応によって、隣接ヒドロキシル基を有するポリマー鎖の主鎖に付加され、したがってアセタール結合を形成する。
【0022】
有用な酸素非感応性架橋性ポリマーのより具体的な例は、スチリルピリジニウム基をポリビニルアルコール(PVA)に、縮合反応によって添加してアセタール結合を形成させたものである。この化合物は、下記一般構造:
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、mおよびnは正の数であり、Xはアニオンである)
を有する。
Xは、硫酸塩(SO)、炭酸塩(CO)、ハロゲン化物イオン(Cl、Brなど)、硫酸水素塩(HSO)、アルキル硫酸塩(CHSOなど)、リン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸塩、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、亜リン塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、塩化物/塩化亜鉛(chloride-zinc chloride)、トリフルオロ酢酸、シュウ酸塩、1〜8個の炭素原子を有するアルキルスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、6〜24個の炭素原子を有するアリールスルホン酸塩および2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(methoxybenzopbenone) −5−スルホン酸塩などのスルホン酸塩などであり得る。
【0025】
スチリルピリジニウム官能基は、付加環化反応により硬化し、したがって、この反応は、従来のフリーラジカルプロセスでもカチオン系プロセスでも進行しないが、本質的にはラジカル系であると考えられる。さらにまた、スチリルピリジニウム基自体が、架橋を開始する発色団または光吸収基であり、したがって、従来のUV硬化性材料とは異なり、光開始剤を必要としない。ピーク吸収は、約360nmに生じ、この吸収は、架橋を誘導するために当該産業設備においてしばしば使用される水銀灯に理想的に適している。
【0026】
スチリルピリジニウム基で置換されたポリビニルアルコールは、水溶性であり、さらに溶媒を必要とせず、該化合物を潤滑性コーティングにおいて用いると、さらに有益である。
【0027】
本発明の酸素非感応性架橋性ポリマーにおいて使用され得る他の感光性基としては、例えば、スチリルキノリニウム基およびスチリルベンゾチアゾリウム基が挙げられる。かかる基で修飾されたPVAポリマーは、例えば、米国特許第5021505号(これは、参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0028】
スチリルピリジニウム基が付加され得る他のポリマー系材料としては、例えば、ポリビニルピロリドン、または例えばポリアクリル酸が挙げられる。
スチリルピリジニウム修飾PVAにUVエネルギーを加えると、架橋反応がスチリルピリジニウム基同士間で起こり、下記の機構:
【0029】
【化3】

【0030】
にしたがって進行すると考えられる。
この反応は、従来のフリーラジカルまたはカチオン系機構によってではなく、2+2付加環化により進行する。したがって、この反応は、フリーラジカル機構(例えば、アクリレートの場合)に典型的であるような酸素に対する感応性はなく、カチオン系機構に典型的であるような塩基または湿気に対する感応性もない。スチリルピリジニウム基は、コーティング/乾燥プロセス中などの薄膜形成中に示されるように配向(orient)することが知られている。これらの基がかかる様式で配向するため、ある1つのスチリルピリジニウム基は、反応相手の別のスチリルピリジニウム基を見つけるためにコーティング媒体中に拡散する必要がない。したがって、これらの基は、UVエネルギーを加える前であっても反応できる状態にある。硬化速度は急速であり、ほんの30秒以内で起こり得る。また、温度に対して非感応性を示し、−80℃もの低い温度で急速に硬化する。急速硬化速度は、通常用いられるフリーラジカルポリマーが、拡散制御され、硬化速度が低い傾向にあるため、これらよりも有益である。
【0031】
これらの架橋構造は、より移動性の高い他の潤滑性ポリマー系材料を、その架橋構造内に取り込むと考えられ、したがって潤滑性材料を、潤滑性コーティングが適用された表面から容易に移動しないように固定する。
【0032】
潤滑性ポリマー系材料は、疎水性、親水性またはその混合物であってもよく、また、それ自体が架橋性材料であってもよい。非架橋性の疎水性または親水性材料により、酸素非感応性架橋性化合物は、同一出願人による米国特許第5693034号(これは、参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されたものなどのポリマーネットワークを形成し得る。潤滑性ポリマー系材料もまた架橋性である後者の場合では、相互侵入ネットワークまたはIPNが酸素非感応性架橋性ポリマーとともに形成され得る。
【0033】
有用な親水性ポリマーの例としては、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ(N−イソポリアクリルアミド)、またはヒドロキシル置換低級アルキルアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、低級アリルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル4,4' −ジアルキル
オキサゾリン−5−オン、2−および4−イニルプルイジン、合計3〜5個の炭素原子を有するビニル系不飽和カルボン酸、アミノ低級アルキル(この場合、用語「アミノ」は第四級アンモニウムも含む)、モノ低級アルキルアミノ低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。かかるポリマーは、水の存在下で膨潤し、滑り易くなることが知られており、しばしば、当産業において「ヒドロゲル」とよばれる。したがって、これらのポリマーは典型的には、湿ったとき、より大きな潤滑性を示す。このタイプの潤滑性ヒドロゲルは、同一出願人による米国特許第5693034号(これは、参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0034】
一実施形態において、ポリエチレンオキシドが、酸素非感応性架橋性材料と組み合わせて用いられる。
別の実施形態では、ポリウレタンまたはポリウレタンのブレンドが、酸素非感応性架橋性材料と組み合わせて用いられる。使用され得るポリウレタンの例としては、TECOGEL(登録商標)500、TECOGEL(登録商標)2000(ともに、サーメディックス(Thermedics, Inc.)から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。TECOGEL(登録商標)ポリウレタンは、どのような場合も(anywhere)その重量の約5倍(TG−500)〜約20倍(TG−2000)の水を吸収することができる脂肪族ポリエーテルポリウレタンである。本発明による架橋性材料と組み合わせて使用すると、半相互侵入ポリマーネットワーク(半IPN)がもたらされる。架橋性材料は、自身と好適に架橋するが、ポリウレタン(1種または複数種)とは架橋しない。
【0035】
さらに別の実施形態において、上記のタイプのポリウレタンを、あまり多くの水を吸収せず、したがって、あまり膨潤しないポリウレタンとブレンドする。TECOGEL(登録商標)ポリウレタンは、自身の重量に対して500%〜2000%の範囲であるが、どのような場合も0%〜上記のような約2000%までの水吸収を示すポリウレタンが利用可能である。かかるブレンドを用い、潤滑性の量、またはどれだけ摩擦力を低減するかを制御することができる。
【0036】
また、潤滑性疎水性材料を、本発明において用いてもよい。疎水性潤滑性材料の使用は、満足な量の混合を達成するため、潤滑性材料と酸素非感応性架橋性ポリマー間にある程度の相溶性が存在することを必要とし得る。有用な疎水性ポリマーの例としては、例えば、シリコーン、グリセリンまたはオリーブ油が挙げられるが、これらに限定されない。低分子量疎水性材料は、酸素非感応性架橋性ポリマーの架橋構造内に、より容易に取り込まれ得る。
【0037】
別の態様において、潤滑性ポリマーもまた架橋性であってもよい。架橋性ポリマーの組み合わせにより、それ自体が架橋性である第2の材料を用いた場合は、当該技術分野において相互侵入ネットワークまたはIPNとして知られるものが有益に形成され得る。IPNは、これを使用しない場合は2種の異なる材料(あるものは疎水性であり、あるものは親水性であるなど)の良好な混合(intermingling) を得るために有益に用いられる。また、かかる構造を、おそらく共有結合によるポリマー表面および金属表面上でのより良好な保持を得るために用いることができると考えられる。
【0038】
後者の場合、第2の架橋性材料も用いるとき、その第2の架橋性材料の硬化機構がUVエネルギーを加えることによってなされるものであるならば、光開始剤を任意選択で添加してもよい。多くのUV硬化システムとは異なり、本発明のスチリルピリジニウム修飾ポリマーは、スチリルピリジニウム基それ自体が、UV範囲を吸収する発色団であるため、付加的な光開始剤を必要としない。
【0039】
本明細書に記載していない他の材料が、本発明にしたがって有益に用いられ得る。上記列挙したものは、網羅的ではなく、例示の目的のみを意図する。本発明によるポリマーネットワークまたはIPN内に組み込まれ得るポリマー系材料は限りなく多種多様にある。
【0040】
他の材料、例えば、酸化防止剤、蛍光剤、可塑剤、UV安定剤などもまた混合物に用いられ得る。かかる材料は、当業者にとって既知である。
本発明による潤滑性コーティングは、種々の表面(ポリマー系、金属、木材などを含む)において有用なことがわかった。これらのコーティングは、医療デバイスおよびその構成要素(例えば、カテーテル軸、ガイドワイヤー、拡張バルーンなど)において特に有用である。
【0041】
一部のある表面は、潤滑性コーティングの適用前に、最初に下塗り処理を必要とし得る。例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン表面は、グロー放電プラズマ処理を必要とし得る。また、ジ芳香族ケトンおよびポリエチレンテレフタレートを含むポリイミドなどの他のポリマー基材は、プラズマ処理しない場合であっても、好適な基材であることがわかった。ポリウレタンおよびナイロンは、ビニル官能性イソシアネートにより下塗り処理し得る。ステンレス鋼および金などの金属は、最良の接着のために、最初にビニルまたはアクリレート官能性シランなどの下塗剤で処理し得る。当業者は、かかる表面処理を承知している。
【0042】
該コーティングは、内側表面および外側表面の両方において有用なことがわかった。潤滑性コーティングは、例えば、患者の脈管構造を通して医療デバイスを送達することを容易にし得る。潤滑性コーティングをカテーテル軸の内側ルーメンの内側表面に適用することは、例えば、ガイドワイヤーの使用中のワイヤーの移動摩擦を低減し得る。
【0043】
かかる潤滑性ヒドロゲルには数多くの他の用途があり、これは当業者にとって既知である。
コーティングは、内側表面および外側表面の両方に、浸漬、噴霧、はけ塗り、共押出しなどによって塗布され得る。
【0044】
コーティングは、所望の表面に、まず潤滑性ポリマーおよび酸素非感応性架橋性材料を溶媒または補助溶媒混合物中で混合することによって塗布され得る。有用な溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、水などが挙げられる。溶媒は、架橋性材料および潤滑性ポリマーの溶解度に基づいて選択され得る。当業者は、かかる溶媒選択に精通している。
【0045】
所望の表面がコートされたら、架橋性材料を、UV光を短時間施すことによって硬化し得る。UV光が化合物の重合および架橋を誘発する。好ましくは、混合物を高輝度紫外線ランプを用いて硬化する。表面を硬化させるのに必要とされる正確な時間の量は、エネルギー源、組成物中の構成成分の相対量、所望されるコーティング厚、および他の因子に依存する。しかしながら、初期硬化は典型的にはかなり急速であり、ほんの30秒以内で起こり得る。しかしながら、UV光を除いた後、ある程度硬化を継続させ得ることは可能である。
【0046】
酸素非感応性架橋性ポリマーを使用することは、現在使用されている従来からの他の架橋性ポリマーと比べて多くの利点を提示する。第1に、上記のように、酸素の存在に対して非感応性であるため、不活性ガスによるパージが必要とされない。第2の利点は、ポリマーを架橋するために光開始剤が必要とされないことである。
【0047】
第3に、酸素非感応性架橋性材料を非架橋性ヒドロゲルと組み合わせて用いた場合、コ
ーティングは、湿ったとき高い潤滑性を示し得る。しかしながら、乾燥状態ではコーティングは、事実上、基材とは区別がつかない。このことは、乾燥状態の場合であっても粘着性のままである一部の潤滑性コーティングと比べて利点を提示する。
【0048】
第4に、本発明の潤滑性コーティングは、架橋反応による強い付着力を伴って種々の異なる基材に適用することができる。したがって、ポリマーネットワークまたはIPNは、選択した潤滑性ポリマーに依存するが、潤滑性であると同時に付着力のある耐久性のコーティングを提供する。激しい摩擦および長期含水によってコーティングの潤滑性は低減されず、コーティングの強い付着力が示される。
【0049】
第5に、上記のように、本発明による酸素非感応性架橋性材料は、非架橋性材料、例えば非架橋性ヒドロゲル(例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリビニルピロリドン)などと組み合わせて用い、ヒドロゲルが、事実上、系内に取り込まれたポリマーネットワークを形成することができる。取り込みにより、材料がコーティングから離れて身体に進入するのを妨げる。この特徴は、種々のポリマーを、親水性材料に加えて疎水性材料を含む架橋構造内に取り込むために用いることができる。
【0050】
第6に、本発明のポリマーネットワークは、薬物送達系として有用である。潤滑性ポリマーの分子量および酸素非感応性架橋性ポリマーの架橋密度などのパラメータを変更することにより、さらなる構成成分(治療用薬物など)を、本発明のポリマーネットワーク内に組み込むことができる。また、薬物をポリマーネットワークまたはIPN内に取り込み、コーティングを湿らすとコーティングから浸出させ、薬物が身体の隣接部位に速やかに送達してもよい。医療デバイス上のコーティングから放出される薬物を組み込むことの利点は明白である。本発明のコーティングの使用により、血栓形成、再狭窄、感染症の影響、および疾病伝播でさえ、最小化および排除され得る。
【0051】
以下の非限定的な実施例により、本発明をさらに説明する。
(実施例)
【0052】
試験方法
1.潤滑性試験方法
潤滑性は、ラテックスパッドをカテーテルの長さに沿って循環させるデバイスを用いて測定した。カテーテルを水中に浸漬した。ラテックスパッドを、80gのおもりを負荷したアーマチュア(armature)に貼り付けた。次いで、アーマチュアを、さらにフォースゲージに接続した。次いで、カテーテルをパッドに沿ってモーター駆動により往復循環させた。力は、循環回数の関数として測定した。必要とされる力が小さいほど、潤滑性が大きい。
【実施例1】
【0053】
親水性コーティングを、チャーキットケミカルコーポ( Charkit Chemical Corp.)から
入手可能なLS400スチリルピリジニウム修飾ポリビニルアルコール(4.1%スチリルピリジニウム官能基)を用いて調製した。
【0054】
使用したコーティングの配合は以下のとおりとした。
10部のポリエチレンオキシド(900,000 MW)
1部のポリビニルアルコール(スチリルピリジニウムで修飾)
2%固形分および4%固形分に水で希釈
PEBAX(登録商標)7033、ポリエーテルブロックアミドで形成され、0.042インチの直径を有する外側軸を、まずヘリウム(He)でプラズマ処理し、上記配合物でスポンジコートし、室温で風乾し、水銀灯を用いて各々の面で30秒間360nmでU
V硬化した。次いで、コートされた軸を潤滑性および耐久性について、潤滑性および耐久性試験機を用いて試験した。
(比較例A)
【0055】
イソプロピルアルコール(IPA)が水に対して3.75:1の補助溶媒ブレンド中にポリエチレンオキシドを含む混合物を、上記のPEBAX(登録商標)7033で形成されたバルーンに適用した。また、少量のネオペンチルグリコールジアクリレート(NPG)架橋剤を、混合物に、PEOをNPGに対して10:1の比で添加した。また、アゾビス(イソブチロニトリル)(isibutironitrile)光開始剤を、NPG重合を開始するのに有効な必要最低限量で添加した。次いで、配合物を、水で2%固形分および4%固形分に希釈した。これは業界標準である。
【0056】
PEBAX(登録商標) 7033、ポリエーテルブロックアミドで形成された外側軸を、上記配合物でスポンジコートし、室温で風乾し、各々の面で30秒間UV硬化した。次いで、コートされた軸を潤滑性および耐久性について、潤滑性および耐久性試験機を用いて試験した。
【0057】
上記試験の結果を、以下の表に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
図1は、表1に示したデータをまとめたグラフである。グラフからわかるように、ラテックスパッドをカテーテルに沿って、循環させるのに必要とされる摩擦力は、実施例1で、当該業界標準である比較例Aよりも小さい。摩擦力は、潤滑性の尺度である。この力が小さいほど、潤滑性が高い。
【0060】
上記の開示は、例示的なものであって、網羅的なものではない。本記載により、多くの変形形態および代替形態が当業者に示唆されよう。これらの代替形態および変形形態はすべて、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。当該技術分野に精通する者には、本明細書に記載した特定の実施形態に対する他の均等物が認識され得、その均等物もまた、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による含水させたカテーテルに沿って、ラテックスパッドを循環させるのに必要とされる力を、従来技術のカテーテルに必要とされる力と比較したものを示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種類の潤滑性ポリマー、および
b)酸素非感応性非カチオン系機構により架橋可能な少なくとも1種類のポリマー
を含む紫外線硬化性潤滑性コーティング。
【請求項2】
前記少なくとも1種類の潤滑性ポリマーが、疎水性、親水性またはその混合である、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項3】
前記少なくとも1種類の潤滑性ポリマーが、親水性である、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項4】
前記少なくとも1種類の潤滑性ポリマーが、非架橋ヒドロゲルである、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項5】
前記少なくとも1種類の潤滑性ポリマーが、架橋性である、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項6】
前記潤滑性ポリマーおよび前記少なくとも1種類の酸素非感応性架橋性ポリマーが相互侵入ネットワークを形成する、請求項5に記載の潤滑性コーティング。
【請求項7】
前記架橋性ポリマーが少なくとも1個のスチリルピリジニウム基を含む、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項8】
前記架橋性ポリマーが、下記一般構造:
【化1】

(式中、mおよびnは正の数であり、Xはアニオンである)
を有する、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項9】
前記潤滑性ポリマーが、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリ(N−イソポリアクリルアミド)、またはヒドロキシル置換低級アルキルアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、低級アリルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエー
テル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル4,4'−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、
2−および4−イニルプルイジン(inylpruidine)、合計3〜5個の炭素原子を有するビニル系不飽和カルボン酸、アミノ低級アルキル(この場合、用語「アミノ」は第四級アンモニウムも含む)、モノ低級アルキルアミノ低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコールのポリマー、その任意のコポリマー、ならびにその混合物からなる群より選択される親水性ポリマーである、請求項1に記載の潤滑性コーティング。
【請求項10】
前記潤滑性ポリマーがポリエチレンオキシドである、請求項9に記載の潤滑性コーティング。
【請求項11】
前記潤滑性ポリマーがポリウレタンまたはポリウレタンのブレンドである、請求項9に記載の潤滑性コーティング。
【請求項12】
a)管状部材、
b)該管状部材上のコーティング
を含む医療デバイスであって、該コーティングが、少なくとも1種類の親水性ポリマー、および酸素非感応性非カチオン系機構により架橋可能な少なくとも1種類のポリマーを含む、医療デバイス。
【請求項13】
前記酸素非感応性架橋性ポリマーがスチリルピリジニウム基を含む、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記酸素非感応性架橋性ポリマーが、下記一般構造:
【化2】

(式中、mおよびnは正の数であり、Xはアニオンである)
を有する、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーが、限定されないが、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリ(N−イソポリアクリルアミド)、またはヒドロキシル置換低級アルキルアクリレート、メタクリレート、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、低級アリルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル4,4' −ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−および4−イニルプルイジン、合計3〜5個の炭素原子を有するビニル系不飽和カルボン酸、アミノ低級アルキル(この場合、用語「アミノ」は第四級アンモニウムも含む)、モノ低級アルキルアミノ低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコールのポリマーならびにその混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の構成成分を含む、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーがポリエチレンオキシドである、請求項15に記載の医療デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーがポリウレタンまたはポリウレタンのブレンドである、請求項15に記載の医療デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーが脂肪族ポリエーテルポリウレタンである、請求項17に記載の医療デバイス。
【請求項19】
前記少なくとも1種類の脂肪族ポリエーテルポリウレタンが、重量基準で約500%〜約2000%の水を吸収することができる、請求項18に記載の医療デバイス。
【請求項20】
前記管状部材が内側表面および外側表面を有する、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項21】
前記親水性コーティングが、前記内側表面上、前記外側表面上またはその両表面上にある、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項22】
コーティングを有する拡張バルーンであって、該コーティングが、少なくとも1種類の潤滑性ポリマー、および酸素非感応性非カチオン系機構により架橋可能な少なくとも1種類のポリマーを含む、拡張バルーン。
【請求項23】
前記酸素非感応性架橋性ポリマーが、下記一般式:
【化3】

(式中、mおよびnは正の数であり、Xはアニオンである)
を有する、請求項22に記載の拡張バルーン。
【請求項24】
前記潤滑性ポリマーが、疎水性、親水性またはその混合である、請求項22に記載の拡張バルーン。
【請求項25】
前記潤滑性ポリマーが非架橋性ヒドロゲルである、請求項22に記載の拡張バルーン。
【請求項26】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーが、限定されないが、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリ(N−イソポリアクリルアミド)、またはヒドロキシル置換低級アルキルアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、低級アリルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル4,4' −ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−および4−イニルプルイジン、合計3〜5個の炭素原子を有するビニル系不飽和カルボン酸、アミノ低級アルキル(この場合、用語「アミノ」は第四級アンモニウムも含む)、モノ低級アルキルアミノ低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコールのポリマーならびにその混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の構成成分を含む、請求項22に記載の拡張バルーン。
【請求項27】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーがポリエチレンオキシドである、請求項26に記載の拡張バルーン。
【請求項28】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーがポリウレタンまたはポリウレタンのブレンドである、請求項26に記載の拡張バルーン。
【請求項29】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーが脂肪族ポリエーテルポリウレタンである、請求項28に記載の拡張バルーン。
【請求項30】
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンが、重量基準で約500%〜約2000%の水を吸
収することができる、請求項29に記載の拡張バルーン。
【請求項31】
内側表面および外側表面を有する、請求項22に記載の拡張バルーン。
【請求項32】
前記親水性コーティングが、前記内側表面上、前記外側表面上またはその両表面上にある、請求項31に記載の拡張バルーン。
【請求項33】
a) 医療デバイスの少なくとも1つの表面に、少なくとも1種類の潤滑性ポリマーおよび酸素非感応性非カチオン系機構により架橋可能な少なくとも1種類のポリマーを含む混合物を塗布する工程、および
b)コーティングを紫外線放射に曝露する工程
を含む、医療デバイスの少なくとも1つの表面をコーティングする方法。
【請求項34】
前記混合物が溶媒から(out of)塗布される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記混合物が前記医療デバイスの前記表面に噴霧、浸漬、塗装または共押出しによって塗布される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記混合物が約1wt%〜約5wt%固形分の濃度で存在する、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記酸素非感応性紫外線架橋性ポリマーがスチリルピリジニウム基を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記酸素非感応性紫外線架橋性ポリマーが、下記一般構造:
【化4】

(式中、mおよびnは正の数であり、Xはアニオンである)
を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記潤滑性ポリマーが、限定されないが、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリ(N−イソポリアクリルアミド)、またはヒドロキシル置換低級アルキルアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、低級アリルアクリルアミドおよびメタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級ア
ルキルビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル4,4' −ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−および4−イニルプルイジン、合計3〜5個の炭素原子を有するビニル系不飽和カルボン酸、アミノ低級アルキル(この場合、用語「アミノ」は第四級アンモニウムも含む)、モノ低級アルキルアミノ低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ低級アルキルアクリレートおよびメタクリレート、アリルアルコールのポリマーならびにその混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の構成成分を含むからなる群より選択される少なくとも1種類の構成成分を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーがポリエチレンオキシドである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーが、ポリウレタンまたはポリウレタンのブレンドである、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1種類の親水性ポリマーが脂肪族ポリエーテルポリウレタンである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンが、重量基準で約500%〜約2000%の水を吸収することができる、請求項42に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−504857(P2007−504857A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525380(P2006−525380)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/028181
【国際公開番号】WO2005/025633
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】