説明

医療デバイス

本発明は、抗菌手段(11)と、抗菌手段(11)を作動させるための作動手段(4)と、作動手段に電力を供給するための電源(4)とを備えるインプラント(10)を提供する。本発明はまた、別個の制御手段に接続されたこのようなインプラントを備えるシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インプラントなど医療デバイスに関する。詳細には、本発明は、センサと、通信手段とを備えるインプラントに関する。このようなインプラントは、「スマートインプラント」と呼ばれる場合がある。
【背景技術】
【0002】
股関節および膝インプラントなどの整形外科デバイスは、手術後に感染しやすく、インプラントの感染性の緩みにつながることが多い。しかしながら、現在の毒性の低い感染の発生は、格差のある診断の問題が理由で、過小評価されているという仮説が立てられてきた。人工関節に関連する感染は、無菌処置の不履行に比べて頻度が低いが、高い死亡率および相当のコストを伴う最も破壊的な合併症を提示する。長期化する入院期間に加えて、患者は、付加的な手術および抗菌療法に関連する合併症、ならびに新たな身体障害が起こり得るリスクを負う。
【0003】
十分な追跡期間による適切に設計された有望な、ランダム化され調整された研究が存在しないことに起因して、人工関節の感染の診断および治療は、主に慣習、個人の経験、および陥りやすい態様に基づくものであり、したがって、施設間および国同士の間では相当に異なる。さらに、この合併症の管理に関わる、整形外科医、感染症医師、および微生物学者などの様々な専門家は、異なる手法を有する。
【0004】
関与する有機体によって、感染は、急性の(物質の挿入後、比較的すぐに兆候が現れる)、または慢性の(兆候が現れるまで数カ月かかり得る)のいずれかであり得る。表1は、植え込み後兆候が始まる時間に従って、人工関節の感染の分類をまとめている。早期の感染の臨床的兆候となるのは、持続する局所的痛み、紅斑(皮膚の赤み)、浮腫、外傷治癒障害、大きな血腫および発熱である。持続するまたは増大する関節の痛み、および早期の緩みは、遅発性の感染の特徴であるが、感染の臨床的兆候がない場合もある。したがって、このような感染は、無菌処置の不履行と区別するのが難しいことが多い。後発性の感染は、全身の症状の急な発生を伴って現れる場合(約30%)、または認識されない菌血症の後の亜急性の感染(約70%)として現れる場合のどちらかである。インプラントに関連する最も頻度の高い感染の一次(遠位の)主患部は、皮膚、呼吸器、歯および尿道感染である(非特許文献1)。
【0005】
人工関節の感染の症例は、長時間の手術、瘢痕形成、または最初の手術での認識されない感染の存在の再発のいずれかに起因し得る関節形成の修正後により高くなる。抗生物質による治療が効果的でない特定のケースにおいて、これは、インプラントを完全に取り除き、それを元に戻す前に外傷を清浄することを意味し、これは、費用、時間、および患者の症状の3つの観点において損害が大きい。手順は、長期間の薬物治療を併用する、外科的切開、膿の排流、ハードウェアの除去および全ての失活した組織の外傷清拭を含む。
【0006】
修正手術は、特に著しい共存症を有する患者での、骨ストックの喪失、長期化する固定化またはリハビリテーション、および術中の合併症に関連し得る。さらに感染した人工関節の治療は通常、症状の1回の発生に対して控えめに推定しても50000ドルを超える(非特許文献2)。これは、1年に総額10億ドルを超える。
【0007】
微生物は、それらが、インプラント表面に付着しその上で成長する際、バイオフィルムを形成し始める。バイオフィルムは、個々の細菌の単なる集まりではない。代わりに、それらは、細胞外エキソ多糖類(EPS)マトリクス内に埋め込まれた1つまたは複数の種を含む微生物の複合的で協力的な共同体である。それは、別個の一時的な空間組織を示し、その適合する応答が集団レベルで作用する周辺環境感知機構を有する多糖類およびタンパク質を高度に水和したマトリクスである。バイオフィルムは、広範に厚みが変化してよく、これは、表面粗さによってではなく、栄養素の輸送によってより制限される。例えば、好気性緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)バイオフィルムは、1つの培養組織として30-40μmの深さまで成長することができるが、これらのバイオフィルムは、培養組織が嫌気性の細菌によって修正される際、130μmの深さまで増大することができる(非特許文献3)。バイオフィルム細菌は、感染したデバイスの永続的特徴となり得る、つまり、バイオフィルムを撲滅させるためにそれを除去する手段も、ホストを殺す手段も存在し得ないことを意味する(非特許文献4)。その結果、細胞外硫酸20-kD酸性多糖類(非特許文献5)粘液マトリクスが、細菌を攻撃から保護するための物理的および化学的障壁として作用することから、固着性のバイオフィルム細菌の共同体は、不可逆的感染とみなされ、ホストの防衛機構(抗体、食細胞)にほとんど影響を受けず、検知するのが困難である。バイオフィルムは、80%を超える感染を引き起こすと推測されている。抗生物質療法は典型的には、バイオフィルムから放出されたプランクトン様の(個々の)細胞によって引き起こされた兆候を逆行させるが、バイオフィルム自体を殺すには十分でない(非特許文献4)。バイオフィルム内の細菌は、プランクトン様の微生物より20-1000倍(非特許文献6)から500-5000倍(非特許文献7)抗生物質に対してより感度が低いことが事実上推測される。
【0008】
バイオフィルムは、グラム陽性のまたはグラム陰性の細菌のいずれかで構成されてよく、最も高い頻度で医療デバイスから隔離される種は、グラム陽性大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、およびグラム陰性大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)および緑膿菌を含める。細菌は、患者自身の皮膚、医療従事者の手、または周辺環境の他の外部供給源由来でよい。バイオフィルムは、迅速に増殖するだけでなく、それらは、抗菌剤などの標準的方法を使用して制御することが極めて困難である。この難題は、制限される透過性、低下した成長率、環境からの保護、栄養素獲得、表現型変異および細胞間通信などいくつかの要因によるものである。
【0009】
【表1】

【0010】
表1 植え込み後の兆候の開始による人工関節感染の分類(非特許文献8により報告される)。
【0011】
整形外科インプラント感染の臨床的診断方法は、以下に考察される(a)患者の証言、(b)撮像、(c)赤血球沈降速度(ESR)、血液検査試料中の全血細胞計数およびC-反応性タンパク質(CRP)レベル、(d)滑液流体細胞計数および(e)組織生検の組織構造分析を含む。
【0012】
(a)患者の証言
臨床的に、患者は、休息時および活動時の両方で、インプラント近傍の赤み、腫れ、圧痛を伴う増大する痛みに気づくことがある。採点法が、患者の証言を定量化するのに使用されてきた。特に、マッギール疼痛質問表(MPQ)は、痛みの3つの主要な精神的な大きさ、感覚の区別、情動の動機付けおよび評価的な認識を使用して、患者の主観的な痛みの経験を測定する(非特許文献9)。このような証言は、信頼できず、間違いやすいことは明白である。
【0013】
(b)撮像
植え込み後の一連の放射線検査は、有益であり得るが、感染を診断するのに感度が高くなく、的確でもない(非特許文献10)。2mmを超える連続する放射線透過ラインの急速な拡張、または最初の年の内の複数の病巣の骨変性は、感染に関わることが多い。コンピュータ断層撮影法(CT)および磁気共鳴映像法(MRI)は、代替の撮像技術である。CTおよびMRIの主な欠点は、金属インプラント近傍での撮像妨害である。陽電子射出断層撮影法(PET)は、インプラント撮像に関してさらに評価を必要とする。
【0014】
インプラント感染を調査するのに、テクネチウム-99mm(99mTc)によるガンマシンチグラフィが使用されてきたが、特異性が低いことが報告されている(非特許文献11)。さらに、人工器官周辺の増大した骨再形成は通常、手術後の最初の年のうちの発生し、無菌処置による緩みを感染と区別することができない。
【0015】
(c)血液試料採取
赤血球沈降速度、C-反応性タンパク質(CRP)血清レベル、および白血球数は、人工器官周辺の感染を診断するのに日常的に使用される(非特許文献12)。血液白血球計数および分画は、感染の有無を予測するのに十分に差別的ではない(非特許文献13)。手術後、C-反応性タンパク質(CRP)レベルは、上昇し、数週間以内に通常に戻る。したがって、手術後の期間において、繰り返し測定することは、単一回の値と比べてより有益である。
【0016】
(d)滑液流体細胞計数
滑液流体白血球計数および分画は、人工関節に関する感染を、無菌処置の不履行と区別するための試験である。微小透析プローブを使用して、感染箇所で細胞外流体の微小な試料を取り出すことができる。試料の分析は、インプラント感染に応答する初期の兆候を示すことができるサイトカインなど多様な化学マーカーの存在および量を検知することができる。この技術の限界は、それが、比較的回避的手順であり、理想的な感度および特異性を有さない点である。
【0017】
(e)病理組織調査
人工器官周辺組織生検の病理組織検査は、インプラント感染を評価するための回避的技法である。一般に、それは80%より劣る感度、および90%より劣る特異性を実証する(非特許文献14)。しかしながら、炎症細胞による浸潤の度合いは、同一の患者からの種同士間で、個々の組織部分の中でさえ著しく変化し得る。病理組織検査の主たる限界は、それが、原因となる有機体、すなわち、適切な抗菌療法の選択における基本要素を識別しない点である。さらに、根源的な炎症関節疾患を有する患者からの組織の病理組織学の解釈は、困難な場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Zimmerli W, Ochsner PE. Management of infection associated with prosthetic joints. Infection 2003;31:99-108、Kaandorp CJ, Dinant HJ, van de Laar MA, Moens HJ, Prins AP, Dijkmans BA. Incidence and sources of native and prosthetic joint infection: a community based prospective survey. Ann Rheum Dis 1997;56:470-5
【非特許文献2】Hebert CK, Williams RE, Levy RS, Barrack RL. Cost of treating an infected total knee replacement. Clin Orthop 1996; 140-5.4、Sculco TP. The economic impact of infected total joint arthroplasty. Instr Course Lect 1993;42:349-51
【非特許文献3】J. W. Costerton, Z Lewandowski, D.E. Caldwell, D.R. Korber, H.M. Lappin-Scott, "Microbial biofilms," Annu. Rev. Microbiol. 49(1995):711-745
【非特許文献4】J. W. Costerton, Philip S. Stewart, E.P. Greenberg, "Bacterial Biofilms: A Common Cause of Persistent Infections," Science 284(1999年5月21日):1318-1322
【非特許文献5】K. Karamanos, A. Syrokou, H.S. Panagiotopoulou, E.D. Anastassiou, G. Dimitracopoulos, "The major 20-kD polysaccharide of Staphylococcus epidermidis extracellular slime and its antibodies as powerful agents for detecting antibodies in blood serum and differentiating among slime-positive and -negative S. epidermidis and other staphylococci species," Arch. Biochem. Biophys. 342(1997年6月15日):389-395
【非特許文献6】M.J. Elder, F. Stapleton, E. Evans, J.K. Dart, "Biofilm-related infections in ophthalmology," Eye 9(1995):102-109
【非特許文献7】M.R. Brown, D.G. Allison, P. Gilbert, "Resistance of bacterial biofilm to antibiotics: A growth-rate related effect?" J. Antimicrob. Chemother. 20(1988):777-783
【非特許文献8】Andrej Trampuza, Werner Zimmerlib, Prosthetic joint infections: update in diagnosis and treatment SWISS MED WKLY 2005;135:243-251
【非特許文献9】Melzack R. The McGill Pain Questionnaire: Major properties and scoring methods. Pain 1975; 1: 277-299
【非特許文献10】Tigges S, Stiles RG, Roberson JR. Appearance of septic hip prostheses on plain radiographs. AJR Am J Roentgenol 1994; 163:377-80
【非特許文献11】Corstens FH, van der Meer JW. Nuclear medicine's role in infection and inflammation. Lancet 1999;354:765-70、Smith SL, Wastie ML, Forster I. Radionuclide bone scintigraphy in the detection of significant complications after total knee joint replacement. Clin Radiol 2001;56:221-4
【非特許文献12】Di Cesare PE, Chang E, Preston CF, Liu CJ. Serum interleukin-6 as a marker of periprosthetic infection following total hip and knee arthroplasty. J Bone Joint Surg Am. 2005年9月;87(9):1921-7
【非特許文献13】Steckelberg JM, Osmon DR. Prosthetic Joint Infection. In: Bisno AL and Waldvogel FA編、第3版、Washington, DC: Am Soc Microbiol 2000:173-209
【非特許文献14】Trampuz A, Steckelberg JM, Osmon DR, Cockerill FR, Hanssen AD, Patel R. Advances in the laboratory diagnosis of prosthetic joint infection. Rev Med Microbial 2003;14:1-14
【非特許文献15】L. E. Bermudez, M. Petrofsky, and J. Goodman, "Exposure to low oxygen tension and increased osmolarity enhance the ability of Myobacterium avium to enter intertestinal epithelial (HT-29) cells," Infect.Immun., vol. 65, no. 9, 3768-3773, 1997年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
概略すると、人工関節の感染の診断に関して、理想の感度、特異性および精度を達成することを示す日常的に使用される臨床的または実験室テストは1つもない。多くの従来の監視技術の主な欠点は、これらの方法を使用して微生物の正体に接触することが不可能であり、感染が通常、診断におけるこの時点で十分に拡大されることである。したがって、通常、実験室、病理組織学、微生物学および撮像調査の組合せが要求される。理想的には、感染が、手術の前に診断され(または、排除され)、これにより、手術前に抗菌処置を開始することができ、最も適切な外科的処理の計画が可能になる。利用可能な多様なテストにも関わらず、従来の監視技術を使用して無菌処置による緩みを感染したTHRと区別することは、やはり困難であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様によれば、センサと、センサの出力を伝達するための伝達手段と、センサおよび伝達手段に電力を供給するための電源とを備えるインプラントが提供される。
【0021】
本発明の実施形態によれば、インプラントはさらに、センサの出力を処理するためのプロセッサを備える。このような実施形態において、伝達手段は、プロセッサからの出力を伝達することができる。電源は、プロセッサに電力を供給する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、インプラントはさらに、メモリ記憶装置を備える。メモリ記憶装置は、センサの出力を記憶することができる。メモリ記憶装置は、プロセッサの出力を記憶することができる。電源は、メモリ記憶装置に電力を供給する。
【0023】
インプラントは1つのセンサを備えてよい。インプラントは複数のセンサを備えてよい。センサまたは各センサは、インプラント内に埋め込まれてよい。
【0024】
センサまたは各センサは、身体の現象/パラメータを検知することができる。センサまたは各センサは、化学種を検知することができる。センサまたは各センサは、生物種を検知することができる。
【0025】
センサは、温度センサであってよい。温度センサは、炎症に関連する局所的な組織の温度上昇を測定することができる。
【0026】
センサは、圧力センサであってよい。圧力センサは、血管拡張における局所的変化を測定することができる。
【0027】
センサは、負荷センサであってよい。負荷センサは、インプラントを囲む柔らかな炎症を起こした組織によって及ぼされる圧力の増加を測定することができる。
【0028】
センサは、抵抗センサであってよい。抵抗センサは、浮腫に関連する導電率の変化を測定することができる。
【0029】
センサは、電位センサであってよい。電位センサは、誘発された生体電気作用を測定することができる。
【0030】
センサは、酸素センサであってよい。酸素センサは、低酸素張力による好気性細菌の成長または細菌感染付随性を測定することができる。
【0031】
センサは、ペーハーセンサであってよい。ペーハーセンサは、発酵菌の活動を監視することができる(すなわち、バイオフィルム感染に関連するペーハーの降下)。
【0032】
伝達手段は、無線伝達手段であってよい。無線伝達手段は、ジグビーであってよい。無線伝達手段は、ブルートゥースであってよい。無線伝達手段は、高周波(RF)であってよい。無線伝達手段は、センサ出力を外部読み取り装置に伝達することができる。外部読み取り装置は、メモリ記憶装置を備えてよい。外部読み取り装置は、コンピュータであってよい。
【0033】
電源は、電池であってよい。電源は、エネルギースカベンジングデバイスであってよい。電源は、振動を動力とした圧電発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、振動を動力とした電磁発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、誘導的に結合されたシステムを備えてよい。電源は、高周波(RF)電磁場を備えてよい。
【0034】
本発明の実施形態によれば、電荷蓄積デバイスは、単一回の測定を行い、その結果を処理し、伝達するために、十分なエネルギーを充電されてよい(例えば、誘導/RF結合または内部エネルギースカベンジングによって)。
【0035】
本発明の第1の態様のインプラントにより、感染に関連するマーカーを経時的に監視することによって、感染物質の連続的監視が可能になり得る。読取値は、家または病院で取得されてよい。
【0036】
本発明の第1の態様のインプラントは、従来の方法およびデバイスと比較して、感染の早期の検知が可能になるという利点を有する。これは、臨床医が、感染を治療するために、全身の抗生物質による治療をより適時に開始し、感染性の緩みなど合併症を阻止することができるという関連する利点を有する。したがって、痛みおよび苦痛の軽減/除去により、患者の治療が向上し、最適化される。医療に対する経済的負担が減少する。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、抗菌手段と、抗菌手段を作動させるための作動手段と、作動手段に電力を供給するための電源とを備えるインプラントが設けられる。
【0038】
この用途において、抗菌手段は、細菌を含めた微生物を破壊する、無力化するおよび/または除去するための手段である。
【0039】
抗菌手段はまた、微生物を有するバイオフィルムを破壊する、無力化するまたは除去するための手段を含む。このような抗菌手段は、破壊剤と呼ばれ、それらは、バイオフィルムを分解し、弱めるまたは侵食する。
【0040】
インプラントは、1つの抗菌手段を備えてよい。インプラントは、複数の抗菌手段を備えてよい。
【0041】
破壊剤は、物理的手段を備えてよい。
【0042】
破壊剤は、機械手段を備えてよい。破壊剤は、衝撃波を生成するデバイスであってよい。破壊剤は、音波処理デバイスであってよい。破壊剤は、静水圧デバイスであってよい。破壊剤は、流体流を有してよい。
【0043】
破壊剤は、電気手段を備えてよい。破壊剤は、電気分解デバイスであってよい。破壊剤は、電圧発生器であってよい。破壊剤は、電磁発生器であってよい。
【0044】
電源は、電池であってよい。電源は、エネルギースカベンジングデバイスであってよい。電源は、振動を動力とした圧電発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、振動を動力とした電磁発電機および関連する電荷蓄積デバイスあってよい。電源は、誘導的に結合されたシステムを備えてよい。電源は、高周波(RF)電磁場を備えてよい。
【0045】
作動手段は、伝達手段を備えてよい。伝達手段は、無線伝達手段であってよい。無線伝達手段は、ジグビーであってよい。無線伝達手段は、ブルートゥースであってよい。無線伝達手段は、高周波(RF)であってよい。無線伝達手段は、コンピュータに接続されてよい。
【0046】
抗菌手段は、化学種を有してよい。抗菌手段は、クオラムセンシング信号を中断させる、無力化するまたは除去する化学種を有してよい。抗菌手段は、過酸化物を有してよい。抗菌手段は、O2/O3を有してよい。抗菌手段は、ヨウ素種を有してよい。抗菌手段は、トリクロサンを有してよい。抗菌手段は、クロルヘキサデン(chlorhexadene)を有してよい。抗菌手段は、抗生物質を有してよい。
【0047】
抗菌手段は、生物種を有してよい。抗菌手段は、抗体を有してよい。
【0048】
抗菌手段が、化学種または生物種を有する実施形態において、インプラントはさらに、化学種または生物種を貯蔵するための貯蔵媒体を備え、貯蔵媒体は、化学種または生物種を解放するための解放機構を有し、解放機構は、作動手段によって作動される。
【0049】
貯蔵媒体は、インプラント内に埋め込まれたタンクであってよい。
【0050】
解放機構は、弁であってよい。
【0051】
電源は電池であってよい。電源は、エネルギースカベンジングデバイスであってよい。電源は、振動を動力とした圧電発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、振動を動力とした電磁発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、誘導的に結合されたシステムを備えてよい。電源は、高周波(RF)電磁場を備えてよい。
【0052】
制御手段は、伝達手段を備えてよい。伝達手段は、無線伝達手段であってよい。無線伝達手段は、ジグビーであってよい。無線伝達手段は、ブルートゥースであってよい。無線伝達手段は、高周波(RF)であってよい。無線伝達手段は、コンピュータに接続されてよい。
【0053】
本発明の第2の態様のインプラントは、全身の抗生物質治療の必要なしに、臨床医が、感染源で感染を治療し、感染性の緩みなど合併症を回避することが可能になるという利点を有する。必要であれば、臨床医は、感染を治療する目的で、インプラントの作動と併せて全身の抗生物質治療を開始することもできる。したがって、痛みおよび苦痛が軽減/除去され、患者の治療は、改善され最適化される。医療に対する経済的負担が減少する。
【0054】
本発明の第3の態様によれば、センサと、センサの出力を伝達するための伝達手段と、抗菌手段と、抗菌手段を作動させるための作動手段と、センサ、伝達手段および作動手段に電力を供給するための電源とを備えるインプラントが提供される。
【0055】
この用途において、抗菌手段は、細菌を含む微生物を破壊する、無力化するおよび/または除去するための手段である。抗菌手段はまた、微生物を有するバイオフィルムを破壊する、無力化するまたは除去するための手段を含む。このような抗菌手段は、破壊剤と呼ばれ、それらは、バイオフィルムを分解し、弱めるまたは侵食する。
【0056】
本発明の第3の態様の実施形態によれば、インプラントはさらに、センサの出力を処理するためのプロセッサを備える。このような実施形態において、伝達手段は、プロセッサの出力を伝達することができる。電源は、プロセッサに電力を供給する。
【0057】
本発明の第3の態様の実施形態によれば、インプラントはさらに、メモリ記憶装置を備える。メモリ記憶装置は、センサの出力を記憶することができる。メモリ記憶装置は、プロセッサの出力を記憶することができる。電源は、メモリ記憶装置に電力を供給する。
【0058】
インプラントは1つのセンサを備えてよい。インプラントは複数のセンサを備えてよい。センサまたは各センサは、インプラント内に埋め込まれてよい。
【0059】
センサまたは各センサは、身体の現象/パラメータを検知することができる。センサまたは各センサは、化学種を検知することができる。センサまたは各センサは、生物種を検知することができる。
【0060】
センサは、温度センサであってよい。温度センサは、炎症に関連する局所的な組織の温度上昇を測定することができる。
【0061】
センサは、圧力センサであってよい。圧力センサは、血管拡張における局所的変化を測定することができる。
【0062】
センサは、負荷センサであってよい。負荷センサは、インプラントを囲む柔らかい炎症を起こした組織によって及ぼされる圧力の増加を測定することができる。
【0063】
センサは、抵抗センサであってよい。抵抗センサは、浮腫に関連する導電率の変化を測定することができる。
【0064】
センサは、電位センサであってよい。電位センサは、誘発された生体電気作用を測定することができる。
【0065】
センサは、酸素センサであってよい。酸素センサは、低酸素張力に付随する好気性細菌の成長または細菌感染を測定することができる。
【0066】
センサは、ペーハーセンサであってよい。ペーハーセンサは、発酵菌の活動を監視することができる(すなわち、バイオフィルム感染に関連するペーハーの降下)。
【0067】
伝達手段は、無線伝達手段であってよい。無線伝達手段は、ジグビーであってよい。無線伝達手段は、ブルートゥースであってよい。無線伝達手段は、高周波(RF)であってよい。無線伝達手段は、センサ出力を外部読み取り装置に伝達することができる。外部読み取り装置は、メモリ記憶装置を備えてよい。外部読み取り装置は、コンピュータであってよい。
【0068】
第3の態様のインプラントは、1つの抗菌手段を備えてよい。インプラントは、複数の抗菌手段を備えてよい。
【0069】
破壊剤は、物理的手段を備えてよい。
【0070】
破壊剤は、機械手段を備えてよい。破壊剤は、衝撃波を生成するデバイスであってよい。破壊剤は、音波処理デバイスであってよい。破壊剤は、剥離デバイスであってよい。破壊剤は、流体流を有してよい。
【0071】
破壊剤は、電気手段を備えてよい。破壊剤は、電気分解デバイスであってよい。破壊剤は、電圧発生器であってよい。破壊剤は、電磁発生器であってよい。
【0072】
電源は、電池であってよい。電源は、エネルギースカベンジングデバイスであってよい。電源は、振動を動力とした圧電発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、振動を動力とした電磁発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、誘導的に結合されたシステムを備えてよい。電源は、高周波(RF)電磁場を備えてよい。
【0073】
作動手段は、伝達手段を備えてよい。伝達手段は、無線伝達手段であってよい。無線伝達手段は、ジグビーであってよい。無線伝達手段は、ブルートゥースであってよい。無線伝達手段は、高周波(RF)であってよい。無線伝達手段は、コンピュータに接続されてよい。
【0074】
抗菌手段は、化学種を有してよい。抗菌手段は、クオラムセンシング信号を中断させる、無力化するまたは除去する化学種を有してよい。抗菌手段は、過酸化物を有してよい。抗菌手段は、O2/O3を有してよい。抗菌手段は、ヨウ素種を有してよい。抗菌手段は、トリクロサンを有してよい。抗菌手段は、クロルヘキサデン(chlorhexadene)を有してよい。抗菌手段は、抗生物質を有してよい。
【0075】
抗菌手段は、生物種を有してよい。抗菌手段は、抗体を有してよい。
【0076】
抗菌手段が、化学種または生物種を有する実施形態において、インプラントはさらに、化学種または生物種を貯蔵するための貯蔵媒体を備え、貯蔵媒体は、化学種または生物種を解放するための解放機構を有し、解放機構は、作動手段によって作動される。
【0077】
貯蔵媒体は、インプラント内に埋め込まれたタンクであってよい。
【0078】
解放機構は、弁であってよい。
【0079】
電源は電池であってよい。電源は、エネルギースカベンジングデバイスであってよい。電源は、振動を動力とした圧電発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、振動を動力とした電磁発電機および関連する電荷蓄積デバイスであってよい。電源は、誘導的に結合されたシステムを備えてよい。電源は、高周波(RF)電磁場を備えてよい。
【0080】
本発明の実施形態によると、電荷蓄積デバイスは、単一回の測定を行い、その結果を処理し、伝達するために、十分なエネルギーを充電されてよい(例えば、誘導/RF結合または内部エネルギースカベンジングによって)。
【0081】
本発明の第3の態様のインプラントにより、感染に関連するマーカーを経時的に監視することによって、感染物質の連続的監視が可能になり得る。読取値は、家または病院で取得されてよい。
【0082】
インプラントは、細菌を含む微生物を破壊する、無力化するおよび/または除去するために作動することができる抗菌手段を備える。抗菌手段は、微生物を有するバイオフィルムを破壊する、無力化するまたは除去することができる。
【0083】
インプラントは、感知データに自動的に応答し、抗菌手段を作動させることができる。
【0084】
インプラントは、感知データを外部制御手段に自動的に伝達することができる。外部制御手段は、コンピュータであってよい。外部制御手段は、抗菌手段を作動させるために、作動手段と自動的に連絡してよい。外部制御手段は、例えば、臨床医など使用者に、感知データを提供することができる。次いで、臨床医は、抗菌手段を作動させることができる。
【0085】
外部制御手段は、外科的治療アルゴリズムを機能させることができる。外科的治療アルゴリズムは、以後記載されるものであってよい。
【0086】
インプラントは、感知データをインプラント内の内部プロセッサに自動的に伝達することができる。内部プロセッサは、抗菌手段を作動させるために、作動手段と自動的に連絡してよい。
【0087】
内部プロセッサは、外科的治療アルゴリズムを機能させることができる。外科的治療アルゴリズムは、以後記載されるものであってよい。
【0088】
本発明の第3の態様のインプラントは、従来の方法およびデバイスと比較して、より早期の感染の検知を可能にするという利点を有する。また、全身の抗生物質治療の必要なしに、臨床医が、抗菌手段を作動させることによって感染源で感染を治療し、感染性の緩みなど合併症を回避することが可能になるという利点を有する。必要であれば、臨床医は、感染を治療する目的で、インプラントの作動と併せて全身の抗生物質治療を開始することもできる。したがって、痛みおよび苦痛が軽減/除去され、患者の治療は、改善され最適化される。医療に対する経済的負担が減少する。
【0089】
本発明の第4の態様によれば、別個の制御手段に接続された、本発明の第1の態様によるインプラントを有するシステムが提供される。制御手段は、コンピュータであってよい。
【0090】
本発明の第5の態様によれば、別個の制御手段に接続された、本発明の第2の態様によるインプラントを有するシステムが提供される。制御手段は、コンピュータであってよい。
【0091】
本発明の第6の態様によれば、別個の制御手段に接続された、本発明の第3の態様によるインプラントを有するシステムが提供される。制御手段は、コンピュータであってよい。
【0092】
本発明の第1、第2、第3、第4、第5または第6の態様のいずれかのインプラントは、任意のタイプの好適なインプラントであってよい。本発明によるインプラントの例は、これに限定するものではないが、以下を備える。(a)再建デバイス、人工膝関節置換術で使用される脛骨、大腿骨または膝頭要素、人工股関節置換術で使用される大腿骨または寛骨臼要素、肩関節置換術の肩甲骨または上腕骨要素、足首関節置換術での脛骨および距骨、および腰椎および頸部椎間板置換術での脊椎本体の間、肘関節置換術での上腕骨、尺骨および橈骨、および指関節における中手骨および手根骨、および(b)外傷デバイス(爪、プレート、骨ねじ、カニューレ挿入されたねじ、ピン、ロッド、ステープルおよびケーブル)。本発明はまた、歯科および頭顎顔のインプラント用途を含める。
【0093】
本発明の実施形態は、インプラントまたはシステムによって、情報が集められ処理され、インプラント感染に関する有益な臨床データを生み出すことを可能にするという利点を有する。またそれらによって、インプラントの表面上でのバイオフィルム生成を阻止し、抗生物質療法の効果を高めるように特別に設計された技法を使用して、臨床医がより適時の様式で介入することが可能になる。本発明により、手術後の感染率を減少させ、健康管理のための費用を著しく削減し、患者の生活の質を向上させることが可能になる。
【0094】
例として、添付の図面を以下に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施形態による、整形外科股関節インプラントの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による、整形外科股関節インプラントの概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による、整形外科デバイスの意思決定工程を特定するフローチャートである。
【図4】音波処理、および抗生物質への暴露後の黄色ブドウ球菌(S.aureus)バイオフィルムを包含する整形外科ピンから回収された実験記録計数の図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
図1は、本発明の一実施形態による整形外科股関節インプラント(1)を示す。インプラント(1)は、大腿骨構成要素(2)と、センサ(3)と、マイクロプロセッサ/アンテナ(4)とを備える。センサ(3)は、例えばペーハー、温度、負荷または電気センサであってよい。図1に示されるように、大腿骨構成要素(2)は、その外面上に細菌フィルム(6)を有する。センサ(3)は、それらが、細菌(6)を検知する際、マイクロプロセッサ/アンテナ(4)を介して警告を送る。示される特定のインプラントは、大腿骨(7)および寛骨臼(5)内に植え込むための股関節インプラント(1)である。
【0097】
図2は、本発明の一実施形態による整形外科股関節インプラント(10)を示す。インプラント(10)は、大腿骨構成要素(2)と、センサ(3)と、マイクロプロセッサ/アンテナ(4)と、抗菌手段/破壊剤(11)とを備える。センサ(3)は、例えばペーハー、温度、負荷または電気センサであってよい。図2に示されるように、大腿骨構成要素(2)は、その外面上に細菌(6)を有する。センサ(3)は、それらが、細菌(6)を検知する際、マイクロプロセッサ/アンテナ(4)を介して警告を送る。
【0098】
抗菌手段/破壊剤(11)は、本明細書に開示されるもののいずれであってもよい。抗菌手段/破壊剤(11)は、臨床医の直接の制御下にあってよい。
【0099】
図2に示される特定のインプラントは、大腿骨(7)および寛骨臼(5)内に植え込むための股関節インプラント(10)である。図2に示される実施形態において、寛骨臼(5)は、プラスチックカップ人工器官(9)を収容する。
【0100】
図1または図2のインプラントは、例えばステンレス鋼またはチタン製の大腿骨構成要素(2)を有することができる。
【0101】
マイクロプロセッサ/アンテナ(4)により、無線伝達が可能になる。マイクロプロセッサ/アンテナ(4)は、電源(図示せず)を備えてよい。電源は、センサ(3)および/または抗菌手段/破壊剤(11)に電源を供給することができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態によると、本明細書に記載されるように、外部電源が使用されてよい。
【0103】
知的インプラント/システム
本発明の実施形態によるインプラントは、閉鎖ループシステムで以下の動作を行うように機器を備えたスマート整形外科人工股関節置換術(THR)である。(a)インプラント感染に関連するデータを感知し記憶する(例えば、温度、圧力、酸素消費およびペーハー)、(b)関節の感染に関する情報を処理するように特別に開発された外科的治療アルゴリズムを使用して、感知データに応答して患者/臨床医が行動を要求されるかどうかを決定するためのインテリジェンスを適用する、(c)差し迫る感染を臨床医に警告するために、遠隔測定中継局を作動させ、彼/彼女が、バイオフィルムを撲滅させ、抗生物質療法の送達を高めるために破壊療法を適用することを可能にする。
【0104】
本発明の実施形態によるインプラントは、股関節茎部および大腿骨頭の外面上の機械切削された空隙内に配置されたセンサと、関連する電子構成要素とで構成される。患者の体内に植え込むために、気密式に密閉された筐体が適合される。THRなどの植え込み可能な医療デバイスの中でのセンサと、他の電子構成要素との合体は、その一次機能を受動的なシステム(負荷支持デバイス)から、感染性の緩みを記録し監視する能力を備えたスマートな「インテリジェント」システムへ変える。センサ入力は、遠隔測定能力を付加することによって、その周辺環境に影響を与える治療用の応答をインプラント内から始動させる。遠隔測定の適用により、植え込み可能デバイスが、その周辺環境の変化を感知し、原位置でのインプラントの任意の特定の機能の妥当性の予測または確認のいずれかを行うことが可能になる。データは、記憶され、中央監視局に中継されてよい。感染などのインプラントの周辺環境に直接影響を与える目的で、植え込み可能であるか、外部から装着されるかのどちらかの破壊モジュールからのさらなる応答を始動させるために、単純な警告信号が作動されてよい。
【0105】
センサ
本発明の実施形態によるインプラント感染を早期に監視するためのインプラント/システムが、図1および2に概略的に示される。図1は、センサを備えるインプラントを示す。図2は、センサと、破壊剤の形態の抗菌手段とを備えるインプラントを示す。インプラントは、バイオフィルム過程に関連する連続的な消去されないデータを提供し、水性環境において機能することができ、試料の除去を必要とせず、凝集相内の有機体または汚染物質からの信号を最小限にし、リアルタイムデータを提供する。
【0106】
インプラントは、インプラント感染に関するパラメータを平行して測定することができる、インプラントにまたはインプラント付近に戦略的に配置されたセンサの配列で構成される。複数のパラメータを同時に記録する能力は、感染物質の管理に関する意思決定過程を向上させる。好ましいセンサは、インプラント表面上での体液/バイオフィルム内の細菌細胞/内毒素の存在、計数および/または正体を検知する能力を有する予測的なものである。センサは、正確な非侵襲の原位置での監視解法を使用して、感染のいずれの明白な臨床的兆候なしで生じる差し迫る感染を患者/臨床医に警告する。感知要素により、病院または作業環境のどちらでも患者の長期間の監視が可能になる。
【0107】
センサは、深い外傷感染に応じて生じた整形外科インプラント(例えば、股関節、膝、足首または肩)を囲む組織の炎症の程度を評価する。感染は、炎症につながり、発熱を伴い、したがって、局所組織の温度を変える。その結果、感染は、局所組織の温度の上昇につながるため、温度センサが、感染性の緩みに関連する深刻な感染の存在の早期の形態の指標を提供する。炎症はまた、局所組織内の圧力の増加、血管拡張および血管透過性の増加につながる。圧力センサは、感染したインプラントを囲む組織内に生じた動脈血圧の上昇を測定することができる。負荷センサは、インプラントを囲む柔らかい炎症を起こした組織によって及ぼされる圧力の増加を測定することができる。組織線維束が単軸の張力下にあるため、この力は、近傍の負荷センサプローブによって検知することができる。意思決定アルゴリズムを向上させるのに、さらに流体流、検体の集中、ペーハーおよび他の可変要素に応答するセンサが使用されてよい。ペーハーセンサは、特に発酵菌の活動に関連する異常なペーハーレベルに関連する病的な状態の存在を判定するのに使用されてよい。酸素センサは、低酸素張力に付随する好気性細菌の成長または細菌感染を測定することができる(非特許文献15)。生化学センサは、感染に応じて生じる上昇した炎症マーカーを監視するのに使用されてよい。細菌細胞が、インプラント表面に付着する際、細菌の表現型が変化し、センサによって検知することができる特定のマーカーを有する多糖類が放出される。
【0108】
深刻な感染の他の指標は、インプラント表面にわたる電位の時間依存変化の測定を含む。バイオフィルム活動は、界面化学を変え、これにより生物系の能力を変化させる。限定された一連の条件下で、測定される能力の変化は、微生物の活動を示すのに使用することができ、バイオマスの存在と相関し得る。深刻な感染は、組織浮腫を引き起こす場合があり、故に含水率の増加は、インプラント表面にわたる導電性の変化を生じる可能性があり、これは、抵抗センサを使用して測定することができる。
【0109】
センサ配列から得られたこの知識によって、臨床医は、(a)抗生物質の処方、(b)防止または予防手段として適用することもできる、バイオフィルムを除去するためのインプラント抗菌手段の作動、(c)抗菌剤および抑制療法の同時適用、または(d)再手術についてのより適した時間など患者の治療の最適な経路を決定することができる。
【0110】
好適なセンサは、その周辺環境および収集データを連続して感知することができるものを含める。これは、手術後、何年も連続する必要があり得る。センサは、インプラント感染に関連するパラメータ(例えば、温度、負荷、圧力、ペーハーおよび酸素)を測定し、遠隔インテリジェンスモニタ内の受信機による問い合わせがあった時、読み取り値を伝送することができる。温度センサは、深刻な感染に関連する温度の局所的変化を検知するのに十分な感度である。負荷センサは、組織の炎症の際生じた組織線維束内の張力の増加を測定することが可能である。圧力センサは、炎症および深刻な感染に関連する血圧の局所的変化を測定することが可能である。ペーハーセンサは、特に発酵菌の活動に関連する異常なペーハーレベルに関連する病的な状態の存在を判定するのに使用される。酸素センサは、低酸素張力に付随する好気性細菌の成長または細菌感染を測定する。センサは、インプラント感染につながる恐れのある生体機能の急激な上昇を警告するのに十分な感度である。即時的な情報に注意し、破壊療法を開始するなど適切な応答をすることによって、患者は、健康上の危機を回避することができる。センサは、圧電要素を使用する自己動力式、または電磁誘導、高周波(RF)誘導、または電池のいずれかによって外部から電力を供給されてよい。
【0111】
センサは、インプラント表面に、またはインプラント表面付近に配置され、それらが、インプラントの表面全体にわたって感染物質を検知することができるような方法で配列される。
【0112】
抗菌手段/破壊装置
本発明の実施形態によるインプラントは、バイオフィルム形成を阻止する/中断させる、表面から付着細菌を分散させる、およびそれらの多細胞構造を破壊するために、機械的(例えば、超音波、音波、衝撃波)、電気的(電圧、電解)、または生物/化学的(例えば、酵素処理)刺激を与えるために、インテリジェント微小電気機械システム(MEMS)デバイスを使用する。これらのインテリジェントデバイスの作動は、臨床医の直接の制御下であってよく、植え込み可能であるか、外部から装着されるかのどちらかのデバイスであってよい。これらの破壊療法は、予防の抗生物質と併せて使用されてよく、その有効性/作用状態を向上させる。
【0113】
本発明の実施形態において、臨床医は、インプラント表面に装着された、またはインプラント表面に埋め込まれたいずれかの内部圧電センサを使用して、または感染した組織の皮膚上に配置される携帯型の手持ちのシステムを使用することによって送達された超音波によって、感染したインプラントを律動的に動かすことができる。超音波は、人の聞こえる範囲を超える周波数を有する波の形態の音響(音の)エネルギーである。人の耳が検知することができる最も高い周波数は、およそ20,000Hzである。これは、音波の範囲が終わり、超音波の範囲が始まる場所である。周波数範囲の頂端部は、使用されてきたギガヘルツ範囲(毎秒10億サイクルより高い)内で信号-周波数を生成する能力によってのみ制限される。集中した超音波エネルギーの単一の暴露は、「音波処理」と呼ばれる。用語「音化学」は、強烈な音波によって高められた化学として定義される。音化学の主な事象は、液体内に形成される泡の生成、成長および崩壊である。音波処理槽内で、0.3W/cm2の電力を使用して水が過酸化水素に変換されることがよく知られている。音化学収率および割合は、周波数、電力、中で音波処理が行われるガス、ガスの圧力、温度などのパラメータに依存する。
【0114】
パルス超音波は、キャビテーションによって細菌細胞膜を混乱させ、これが、抗生物質の能動的および/または受動的な摂取を刺激する。この方法により、バイオフィルム内およびその付近の細菌細胞を特別に目標設定し撲滅することが可能になる。
【0115】
本発明の他の実施形態において、バイオフィルム細菌を撲滅する際に装填された殺生剤および抗生物質の有効性を高めるために、MEMSデバイスが、インプラントの表面にわたって、電場を提供することができる。無線周波数電磁場は、バイオフィルムマトリクスを形成する分子の極性部に直接作用し、細菌の代謝活性および成長率を低下させ、抗生物質の有効性を最大にする。
【0116】
本発明の他の実施形態において、インプラントは、要望に応じて、感知データに基づいて生物学的/化学的処置の解放を制御し、バイオフィルム形成を阻止する、送達システムに調整されたマイクロプロセッサを装備する。インプラント内に配置されたゲートタンク内に蓄積された治療剤の溶出率を電子的に制御するのに、アルゴリズムが使用されてよい。生物学的処置は、細菌同士の伝達の一形態である細胞密度依存、すなわち「クオラムセンシング信号」に対して特に作用することができる。クオラムセンシング信号は、細菌内の多細胞の挙動を調整するのに重要であり、多くの生理的過程を規制する。この信号経路の破壊は、インプラントの表面上でバイオフィルムが発達するのを阻止する。
【0117】
送達システムの活性剤は、酸化窒素、窒化銀、または広範な種類の細菌に対して有効であることが知られている過酸化化合物など殺菌剤または抗菌剤であってよい。バイオフィルムの主な構成物である多糖類の分解を目的として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの界面活性剤が使用されてよい。
【0118】
バイオフィルムに本来備わっている抗生物質に対する耐久性が排除され、感染をより適切に根絶することができるように、センサと共に事前に埋め込まれた能動的治療モジュールは、モジュールが、バイオフィルムの形成を阻止する、またはそれらを分解する抗生物質の解放を開始するようにさらに適合されてよい。
【0119】
閉鎖フィードバックループ
本発明によるインプラントおよびシステムは、初期の細菌感染の診断および治療、ならびに遠隔測定中継局を介して患者と医師にフィードバックを提供することが可能である。人工関節の感染の外科的な治療アルゴリズムを強調するフローチャートが、図3に示される。本発明は、オンボードセンサの配列によって作成された測定値に応じて、患者の中に配置した後インプラントを修正するためのフィードバックループと、手段とを提供する。対象とするパラメータは、それらが、患者または臨床医のどちらかによって解釈され得るような方法でアルゴリズムによって処理される。センサからのフィードバックは、現在の診断方法よりさらに適時な様式で、臨床医に何らかの行動が要求されるかどうかを警告する。臨床医は、次いで、インプラント抗菌手段(例えば、オンボード破壊療法)を作動させることによって、感知データに対して行動するかどうかを決定し、感染を根絶するためにより回避的処置が要求される際、同時に抗生物質を投与することができる。治療アルゴリズムはまた、破壊療法が予防として適用される場合の患者の高いリスクを考慮する。
【0120】
電源
感染性の緩みは、手術の指標の後、またはその15年から20年後に生じる場合がある。したがって、システムが、長期間にわたって機能することが重要である。電力管理戦略は、植え込まれた電源、例えば、電池を含んでよい、または振動を動力とした圧電発電機または電磁発動機および関連する電荷蓄積デバイスなど、エネルギースカベンジングデバイスを使用してよい。電源の他の形態は、誘導式に結合されたシステム、または高周波(RF)電磁場を含んでよい。また、単一回の測定を行い、続いて結果を処理し伝達するために、蓄積デバイスを十分なエネルギーで充電する(誘導/RF結合または内部エネルギースカベンジングのいずれかによって)ことが可能であり得る。
【0121】
データ管理
本発明によるインプラントおよびシステムは、医師または看護人が、インプラントと遠隔式に相互作用するために監視または使用することができるPDA、電話システムデバイスなどのデバイスによって利用可能なインターネットまたはコンピュータなど、遠隔式データ記録システムに患者を接続するのに使用されてよい。
【0122】
伝達
本発明によるインプラントおよびシステムは、ジグビー、ブルートゥースまたは高周波(RF)など利用可能な技術を使用する無線通信によって、記録された情報を伝送する能力を有する。ジグビーは、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)用に設計された高レベル伝達プロトコールの公表仕様セットである。ブルートゥースは、無線デバイス同士で短距離伝達を容易にする技術的業界基準である。RFは、電磁波を使用して、約0.1MHzを超える周波数の信号を使用してデータを送受信する無線通信技術である。
【0123】
遠隔測定整形外科インプラント
本発明の一実施形態により、遠隔測定整形外科インプラントが提供される。インプラントは、インプラント感染に関する1セットの値を連続して測定し、次いで、負荷を支持するその一次機能を妨げることなく、それらをインプラントから読み取りデバイスへ伝送する。インプラントは、外科的挿入過程において、センサおよび導線を剥離による損傷から保護するために、0.5mmまでの厚みのくぼみを有して製作されてよい。センサは、エポキシ樹脂、ポリウレタン、紫外線硬化接着剤、および医療グレードのシアノアクリレートを含めた高い剛性範囲の接着剤を使用して、金属空隙の表面に固定されてよい。これらの固定法は、センサの性能に悪影響を与えない。
【0124】
電子機器を内部に封入するのにいくつかの方法がある。電池または他の有害な可能性のあるデバイスが、電子機器システム内に含まれる場合、チタンケースを利用することができる。あるいは、構成要素が、生物的に害がない場合、例えば、生体適合性注封材料など単純な注封材料を利用することができる。生体適合性注封材料は、気密シールを形成するポリウレタンまたはシリコンなどの材料を含む。電子構成要素が、患者の組織および流体から気密式に密閉されるため、デバイスの長期間の作用が実現する。同時に、非生体適合性または毒性材料の漏出が無くなる。注封材料は、液体またはパテ状の形態のいずれかで供給され、電気および電子機器の敏感な領域の上に保護コーティングとして使用される、電気的に絶縁性の耐湿性材料である。センサおよび導体は、植え込み過程に耐え、機械的外皮を復元するのに必要な好適な機械的特性を有する注封材料内に広げられてよい。インプラントはまた、センサと共に計測設備回路を形成する電子構成要素を含む。したがって、PCBなど残りの電子構成要素はまた、体液および湿気との接触を回避するために、機械切削された空隙内に収容され、生体適合性注封材料内に広げられる。
【0125】
要望に応じて、感知データの結果に基づいて投与される破壊療法のための生物/化学種を有する抗菌手段を備える本発明のこれらの実施形態において、種を収容するのに使用される補助タンクが、人工股関節置換術の大腿骨構成要素の中空の中央部分に挿入される。これらの特別に設計された大腿骨構成要素は、従来の機械加工および鍛造技術に優先して、新規の付加的な製造工程を使用して準備される。
【0126】
本発明の実施形態によるインプラントは、インプラントの一次機能を妨げることなく、バイオフィルム形成を担う感染物質の検知に対するリアルタイムの実在の正確なデータを提供する。センサによって感染物質が検知されると、計測設備により、臨床医が、バイオフィルムがインプラントの表面上で発達するのを阻止するように特別に設計された治療法を開始することが可能になる。これは、感染したインプラントを取り替えるために、患者が、場合によっては痛みを伴う、費用のかかる修正外科手術を受けることを回避する。診療室または患者の家で、生体内での、低コストの解法を使用することができる。
【0127】
本発明によるインプラントの例は、これに限定するものではないが、以下を有する。(a)再建デバイス(人工膝関節置換術で使用される脛骨、大腿骨または膝頭要素、人工股関節置換術で使用される大腿骨または寛骨臼要素、肩関節置換術の肩甲骨または上腕骨要素、足首関節置換術での脛骨および距骨、および腰椎および頸部椎間板置換術での脊椎本体の間、肘関節置換術での上腕骨、尺骨および橈骨および指関節における中手骨および手根骨)、および(b)外傷デバイス(爪、プレート、骨ねじ、カニューレ挿入されたねじ、ピン、ロッド、ステープルおよびケーブル)。計測設備は、歯科および頭顎顔のインプラント用途に拡張することもできる。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態によると、恐らく最小限の侵襲的な外科的技術を使用して外科医によって配備された後、近傍の位置から上記に記載のインプラントを巡回する自給式のユニット内に収容された、先に記載した少なくとも1つのセンサが設けられる。
【0129】
少なくとも1つのセンサは、自給式チップの形態であってよい。チップは、RFID技術に基づいてよい。
【0130】
自給式チップは、小型化された無線の植え込み可能センサと、外部電子機器モジュール(患者に対する外部)とを有してよい。外部電子機器モジュールは、患者の生命に関するデータを送達するために、センサと無線で連絡する。
【0131】
無線センサは、外部電子機器モジュールから伝送された高周波(RF)エネルギーによって電力を供給されてよく、リアルタイムデータを伝送することができる。外部電子機器モジュールは、読み取りシステムを有してよい。
【0132】
チップは、例えば、ホウケイ酸ガラスおよびシリコーンなどの材料の中に封入された気密式に密封された回路を有してよい。チップは、PTFEコーティングされたニッケル-チタンワイヤによって囲繞されてよい。
【0133】
チップは、15mmから25mmの長さであってよい。チップは、17mmから23mmの長さであってよい。チップは、19mmから21mmの長さであってよい。チップは、約20mmの長さであってよい。
【0134】
チップは、3mmから10mmの幅であってよい。チップは、3mmから7mmの幅であってよい。チップは、4mmから6mmの幅であってよい。チップは、約5mmの幅であってよい。
【0135】
チップは、3mmから10mmの深さ/厚みであってよい。チップは、3mmから7mmの深さであってよい。チップは、4mmから6mmの深さであってよい。チップは、約5mmの深さであってよい。
【0136】
以下のシナリオは、本発明の範囲内である。
【0137】
患者は、無線の器具を取り付けられた関節再建製品を受け取る。インプラント内の電気機械システムは、1つまたは複数のセンサを使用して患者の回復を監視し、リハビリテーション期間に何らかの抗菌療法が必要かどうかに関する意思決定をするため使用されてよい。あるいは、治療モジュールは、防止法として永続的に作動されてよい。
【0138】
計測設備手順に関する技術はまた、心臓血管系、尿路および外科的外傷に関する他のインプラントに関連する感染を監視するように適合されてよい。
【0139】
感染性の緩みの機構を理解する目的で、計測設備デバイスを調査器具として使用して、臨床医が、一般的な患者に対して整形外科インプラントおよび他のインプラントの生体内での監視および診断を行うことを可能することもできる。
【0140】
図4は、音波処理および抗生物質への暴露の後の黄色ブドウ球菌バイオフィルムを包含する整形外科ピンから回収された実験記録計数の図である。滅菌性ステンレス鋼整形外科ピン(長さ10mm×直径6mm)は、攪拌によって、37℃で30分間1mlの熱不活性ウマ血清で事前培養された。ピンは、次いで、およそ107cfu/mlを包含するように、トリプトンソーヤブイヨン内で調整された黄色ブドウ球菌の培養物(臨床的に関連する細菌)を植えつけられ、攪拌によって37℃で72時間培養された。ピンは次いで、培養物から取り除かれ、いずれのプランクトン様の細菌細胞も除去するために洗浄され、次に10分後と60分後に数えられた。
単独の希釈剤中で音波処理、
4μg/mlトブラマイシンを含む希釈剤中での音波処理、および
10分間の希釈剤中で最初の音波処理、次いで4μg/mlのトブラマイシンの添加、その後静止状態に置かれた。
【0141】
希釈剤中のこのようなピンの60kHzで10分間の音波処理は、ピンの表面上に存在する非プランクトン様の細菌を除去するのに十分であると事前に確認された。時間を60分まで延長することで、抗生物質ありとなしのどちらでも連続する音波処理の効果の研究が可能になった。
【0142】
結果は、トブラマイシン(@4μg/ml)の存在下の音波処理が、10分間での検知限度まで細胞の数を減少させたことを示す。細胞が10分間の最初の音波処理によってピンから除去された後、トブラマイシンに関して、10分間での検知限度まで細胞の数を減少させるために、連続する音波処理は不要であった。
【0143】
これは、音波処理および抗生物質への暴露が、生体外の細菌バイオフィルムを破壊し、排除するのに有効であることを例証する。したがって、抗生物質を併用して、抗菌手段として音波処理を利用する本発明の実施形態によるインプラントおよびシステムは、細菌バイオフィルムを破壊し排除するのに有効である。最適化された周波数および暴露時間を使用する単独の音波処理もまた、細菌バイオフィルムを破壊し排除するのに有効である。
【符号の説明】
【0144】
1、10 インプラント
2 大腿骨構成要素
3 センサ
4 マイクロプロセッサ/アンテナ
5 寛骨臼
6 細菌フィルム
7 大腿骨
8 骨盤
9 プラスチックカップ人工器官
11 破壊剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌手段と、
前記抗菌手段を作動させるための作動手段と、
前記作動手段に電力を供給するための電源とを備えるインプラント。
【請求項2】
前記インプラントが、複数の抗菌手段を備える、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記抗菌手段の少なくとも1つが、微生物を破壊する破壊剤を有する、請求項1または2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記抗菌手段の少なくとも1つが、機械手段を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項5】
前記抗菌手段の少なくとも1つが、化学種を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項6】
前記抗菌手段の少なくとも1つが、生物種を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項7】
前記抗菌手段が、衝撃波生成デバイス、音波処理デバイス、静水圧デバイス、電気デバイス、電気分解デバイス、電圧発生器および電磁発生器からなる群から選択される、請求項3または4に記載のインプラント。
【請求項8】
前記抗菌手段が、過酸化物、酸素、オゾン、ヨウ素種、トリクロサン、クロルヘキサデンおよび抗生物質からなる群から選択される、請求項5に記載のインプラント。
【請求項9】
前記抗菌手段が、抗体を有する、請求項6に記載のインプラント。
【請求項10】
センサと、
センサの出力を伝達するための伝達手段とさらに備え、前記電源が、前記センサおよび前記伝達手段に電力を供給する、請求項1から9のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項11】
前記センサからの出力を処理するためのプロセッサをさらに備え、前記伝達手段が、前記プロセッサからの出力を伝達し、前記電源が、前記プロセッサに電力を供給する、請求項10に記載のインプラント。
【請求項12】
前記センサからの出力および/または前記プロセッサからの出力を記憶するメモリ記憶装置をさらに備え、前記電源が、前記メモリ記憶装置に電力を供給する、請求項10または11に記載のインプラント。
【請求項13】
前記インプラントが、複数のセンサを備える、請求項10から12のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項14】
前記センサの少なくとも1つが、身体の現象を検知する、請求項10から13のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項15】
前記センサの少なくとも1つが、化学種を検知する、請求項10から14のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項16】
前記センサの少なくとも1つが、生物種を検知する、請求項10から15のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項17】
前記センサが、温度センサ、圧力センサ、負荷センサ、抵抗センサ、電位センサ、酸素センサおよびペーハーセンサからなる群から選択される、請求項10から15のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項18】
前記作動手段が、伝達手段を備える、請求項1から17のいずれか一項記載のインプラント。
【請求項19】
前記伝達手段が、無線伝達手段である、請求項10から18のいずれか一項記載のインプラント。
【請求項20】
使用する際、前記無線伝達手段が、前記センサ出力を外部読み取りデバイスに伝達する、請求項19に記載のインプラント。
【請求項21】
前記電源が、電池、エネルギースカベンジングデバイス、振動を動力とした圧電発電機および関連する電荷蓄積デバイス、振動を動力とした電磁発電機および関連する電荷蓄積デバイス、誘導式に結合されたシステムおよび高周波結合からなる群から選択される、請求項1から20のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項22】
前記インプラントが、再建インプラント、外傷インプラント、歯科インプラントおよび頭顎顔のインプラントからなる群から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項23】
前記インプラントが、チップを備える、請求項1から21のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項24】
図面を参照して前述したインプラント。
【請求項25】
別個の制御手段に接続された、請求項1から24のいずれか一項に記載のインプラントを有するシステム。
【請求項26】
前記制御手段がコンピュータである、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
図面を参照して前述したシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−504124(P2010−504124A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528783(P2009−528783)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003587
【国際公開番号】WO2008/035089
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】