説明

医療情報表示方法、医療情報管理装置及び医療情報表示装置

【課題】患者に応じて医療情報の表示形態を切り替え可能な医療情報表示方法、医療情報管理装置及び医療情報表示装置を提供する。
【解決手段】医療情報を表示画面上に表示する医療情報表示方法であって、医療情報に含まれる患者の視覚特性情報を抽出又は算出する工程と、患者の視覚特性情報と表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを参照して、抽出又は算出された視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定する工程と、決定された画面構成情報に基づいて、医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する工程と、を含む医療情報表示方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報表示方法、医療情報管理装置及び医療情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療の現場において、インフォームドコンセントやセカンドオピニオン等、医療情報を患者に開示することの重要性が浸透しつつある。
そのため、患者に必要な情報を十分に伝えるべく、患者の医用画像や電子カルテ等(以下、「医療情報」という)を一般端末の表示画面上に表示させることが行われる。
【0003】
一方、患者は、表示画面上に表示された自己の医療情報を見ながら医師の説明を聞くことができるため、自己の病状や診断結果について視覚を通じて容易に把握することができ得る。こうして、医療の現場ではインフォームドコンセントの浸透を図っている。
【0004】
ここで、説明を受ける患者は年齢や病状など様々であり、患者の中には、表示画面上に表示された医療情報を十分に把握することが困難な者がいる。例えば、近視や老眼等の患者である。なお、一般に、年齢を重ねると視力は低下する。
【0005】
視力が低下した近視患者の場合、表示画面上に表示された文字等が非常に小さくて見にくい場合がある。このような場合に医師が表示画面上に必要な医療情報を表示して説明を行ったとしても、患者は十分な理解が得られない。また、表示画面上に表示された内容が見にくいと感じる患者は近視患者に限られず、緑内障、白内障、色覚異常等、視覚特性に疾患のある患者についても同様である。
【0006】
特許文献1によれば、表示画面上に表示される文字サイズをユーザの視覚特性に応じて切り替える表示装置が開示されている。
特許文献1の表示装置によれば、ユーザの年齢に応じて、表示する文字サイズを拡大又は縮小することができる。よって、幅広い年齢層に対して良好な視認性及び情報伝達性を確保することができる。
【特許文献1】特願平10−319940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の表示装置では、ユーザ、つまり医師の見やすい文字サイズに切り替えて情報を表示することは可能であるが、患者の見やすい文字サイズに切り替えて情報を表示することはできない。従って、上述してきたインフォームドコンセントのように、医療現場特有の用途において特許文献1の表示装置を適用することはできない。
【0008】
本発明の目的は、患者に応じて医療情報の画面構成を切り替え可能な医療情報表示方法、医療情報管理装置及び医療情報表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、
医療情報を表示画面上に表示する医療情報表示方法であって、
前記医療情報に含まれる患者の視覚特性情報を抽出又は算出する工程と、
前記患者の視覚特性情報と前記表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを参照して、前記抽出又は算出した視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定する工程と、
前記決定した画面構成情報に基づいて、前記医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する工程と、
を含む医療情報表示方法が提供される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、
前記説明用画面情報を外部端末に送信する工程と、を更に含む医療情報表示方法が提供される。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明において、
前記説明用画面情報を前記表示画面上に表示する工程と、を更に含む医療情報表示方法が提供される。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明において、
前記表示画面上に表示されている前記医療情報を前記説明用画面情報に切り替える工程と、を更に含む医療情報表示方法が提供される。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記視覚特性情報は、患者の視力、年齢、生年月日又は視覚特性に関する疾患のうち、少なくとも何れか1つを含む医療情報表示方法が提供される。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記画面構成情報は、レイアウト、文字のサイズ又は色のうち、少なくとも何れか1つを含む表示形態に関する設定情報である医療情報表示方法が提供される。
【0015】
請求項7に記載の発明によれば、
医療情報を管理する医療情報管理装置であって、
患者の視覚特性情報と前記表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記処理テーブルを参照して前記患者の視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定し、当該決定した画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する管理制御手段と、
前記説明用画面情報を外部端末に送信する通信手段と、
備える医療情報管理装置が提供される。
【0016】
請求項8に記載の発明によれば、
医療情報を表示する医療情報表示装置であって、
患者の視覚特性情報と前記表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記処理テーブルを参照して前記患者の視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定し、当該決定した画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する表示制御手段と、
前記説明用画面情報を表示画面上に表示する表示手段と、
備える医療情報表示装置が提供される。
【0017】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明において、
前記表示画面上に表示されている前記医療情報を前記説明用画面情報に切り替えるための入力手段と、を更に備える請求項8に記載の医療情報表示装置。が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、医療情報の画面構成を患者ごとに変更することができる。よって、患者は表示画面上に表示された自己の病状や診断結果等を十分に把握することができ、インフォームドコンセントの充実を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る医療情報表示方法、医療情報管理装置及び医療情報表示装置の最適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1に、本実施形態におけるデータ管理システム1の全体構成を示す。
図1に示すように、データ管理システム1は、データ管理サーバ10と複数のクライアント20等を備えて構成される。また、データ管理サーバ10とクライアント20とは、ネットワークNを介して所定の通信方式により互いに通信を行う。なお、所定の通信方式には、例えばDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)やHL7(Health Level seven)等がある。
【0021】
データ管理サーバ10は、医用画像や電子カルテ等(以下、「医療情報」という)を保存管理する。また、データ管理サーバ10は、保存管理する医療情報をクライアント20に送信する。
一方、クライアント20は、データ管理サーバ10に対して医療情報を要求する。そして、クライアント20は、要求に応じた医療情報を取得し、又は表示画面上に表示する。
【0022】
次に、図2を参照して、データ管理サーバ10の機能的構成について説明する。
データ管理サーバ10は、サーバ制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14、通信部15、I/F部16、CD/DVDドライブ17等を備えて構成される。
【0023】
サーバ制御部11は、記憶部12に記憶されている各種プログラムとの協働により、各部を集中制御する。また、サーバ制御部11は、記憶部12に記憶されている医療情報から患者の視覚特性情報を抽出又は算出する等の処理を行う。サーバ制御部11が行う処理については後述する。
【0024】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等を備えて構成される。記憶部12は、各種プログラムを記憶する他、医療情報及び処理テーブルを記憶する。なお、医用画像のヘッダ情報及び電子カルテには、患者の年齢、生年月日又は病状等が含まれ、電子カルテには病状について更に詳細な情報が含まれる。
【0025】
図3に、記憶部12が記憶する処理テーブルの一例を示す。
処理テーブルTは、患者の年齢又は視力と画面構成情報とが対応付けられて構成される。画面構成情報とは、医療情報を表示画面上に表示する際のレイアウト、文字サイズ、枠サイズ、アノテーションサイズ等、表示形態に関する設定情報である。
なお、処理テーブルTでは患者の年齢又は視力が画面構成情報と対応付けられて構成されるが、これに限らず、患者の視覚特性情報が画面構成情報と対応付けられていればよい。ここで視覚特性とは、対象物の色、大きさ、形、動作、奥行き等の性質をいい、視覚特性情報とは、視覚特性の良し悪しを判定するための情報である。例えば、視覚特性情報には、上述した患者の年齢又は視力の他、例えば患者の生年月日、視覚特性に関する疾患(白内障、緑内障、色覚異常等)がある。
【0026】
処理テーブルTによれば、患者の年齢が20歳である場合、画面構成情報は「パターン2」となる。また、患者の視力が0.5である場合、画面構成情報は「パターン5」となる。患者の年齢が20歳であって、視力が0.5である場合、優先して画面構成情報と対応付けられる情報は年齢又は視力のうち何れであってもよく、優先的に用いられる情報は予め定められているものとする。
【0027】
処理テーブルTにより決定される画面構成情報は、説明用画面情報を生成する際に用いられる。説明用画面情報とは、画面構成情報に含まれるレイアウト等の設定情報に基づいて構成された説明用の医療情報である。なお、説明用画面情報による画面例については後述する。
【0028】
図2に戻り、表示部13は、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成される。表示部13は、サーバ制御部11から出力される表示信号を受信し、受信した表示信号に基づいて各種画面を表示する。
【0029】
入力部14は、各種入力キーを備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイス等を備えて構成される。入力部14は、ユーザにより任意のキーが押下されると入力信号を生成し、生成した入力信号をサーバ制御部11に出力する。サーバ制御部11は、入力信号を受信して、受信した入力信号に応じた各種処理を実行することになる。入力信号に応じた各種処理には、例えば画面構成情報に基づいて説明用画面情報を生成する処理がある。
【0030】
通信部15は、ネットワークインターフェース等を備えて構成される。通信部15は、クライアント20から送信された指示情報を受信し、受信した指示情報に応じた医療情報をクライアント20に送信する。
【0031】
I/F部16は、CD/DVDドライブ17に接続され、インターフェースとしてCD/DVDドライブ17とデータの入出力を行う。
【0032】
CD/DVDドライブ17は、CDやDVD等の記録媒体(メディア)M、光ピックアップ、スピンドリルモータ等を備えて構成される。
CD/DVDドライブ17は、メディアMに記憶された医療情報を読み取り、又はメディアMに医療情報を書き込む。なお、CD/DVDドライブ17は、PDI(Portable Data for Imaging)により医療情報をメディアMに書き込む。PDIにより書き込まれた医療情報であれば、各医療機関の相互間で簡易に医療情報の交換を行い得る。
【0033】
図4に、クライアント20の機能的構成を示す。
図4に示すように、クライアント20は、クライアント制御部21、記憶部22、表示部23、入力部24、通信部25、I/F部26、CD/DVDドライブ27等を備えて構成される。基本的構成は、データ管理サーバ10と同様であるため、異なる点について以下に説明する。
【0034】
クライアント制御部21は、通信部25を介して医療情報を取得する。そして、クライアント制御部21は、取得した医療情報から患者の視覚特性情報を抽出又は算出する等の処理を行う。クライアント制御部21が行う処理については後述する。
記憶部22は、各種プログラムを記憶する他、処理テーブルTを記憶する。また、通信部25を介して取得した医療情報を記憶する。
表示部23は、クライアント制御部21から出力される表示信号を受信し、受信した表示信号に基づいて各種表示画面を表示する。表示する各種表示画面には、画面構成情報に基づいて生成された説明用画面情報による表示画面がある。
通信部25は、医療情報を要求する指示や各種要求指示をデータ管理サーバ10に送信する。また、データ管理サーバ10から送信された医療情報又は説明用画面情報等を受信する。
【0035】
次に、図5及び図6を参照して、データ管理システム1により行われる処理について説明する。なお、前提として、データ管理サーバ10とクライアント20とは、ネットワークNを介して相互に通信可能である。
まず、図5を参照して、データ管理サーバ10が説明用画面情報を生成する場合について説明する。
【0036】
クライアント制御部21は、ビューアを起動するか否かについて判断する(ステップS1)。ビューアとは、記憶部22が記憶する医療情報閲覧用のアプリケーションである。ビューアを起動する場合(ステップS1;Y)、クライアント制御部21は、ビューアの設定に応じた初期画面情報をデータ管理サーバ10に対して要求する(ステップS2)。
【0037】
サーバ制御部11は、クライアント20から要求された初期画面情報を記憶部12から取得し、取得した初期画面情報をクライアント20に送信する(ステップS3)。
【0038】
クライアント制御部21は、データ管理サーバ10から送信された初期画面情報を表示部23に表示させる(ステップS4)。
表示部23に表示させる初期画面情報には、患者の氏名等が含まれる。なお、初期画面情報に含まれる患者の医療情報はデータ管理サーバ10により保存格納されているものとする。
入力部24を介して初期画面情報に含まれる患者が選択され、選択された患者の医療情報を表示する指示があるまで、クライアント制御部21は待機する(ステップS5;N)。
選択された医療情報を表示する場合(ステップS5;Y)、クライアント制御部21は、選択された患者の医療情報をデータ管理サーバ10に対して要求する(ステップS6)。
【0039】
サーバ制御部11は、クライアント20から要求された医療情報を記憶部12から取得し、取得した医療情報をクライアント20に送信する(ステップS7)。
【0040】
クライアント制御部21は、データ管理サーバ10から送信された医療情報を表示部23に表示させる(ステップS8)。
そして、クライアント制御部21は、表示部23に表示させた医療情報について、説明用画面情報による説明用画面(以下、単に「説明用画面」という)に切り替える指示を入力部24から受信するまで待機する(ステップS9;N)。
説明用画面に切り替える指示を受信した場合(ステップS9;Y)、クライアント制御部21は、画面の切替要求と、現在表示している医療情報の患者についての情報(例えば患者ID)とをデータ管理サーバ10に送信する(ステップS10)。
【0041】
サーバ制御部11は、クライアント20から送信された切替要求と患者IDとに基づいて、説明用画面情報を生成する。サーバ制御部11は、説明用画面情報を生成するに際して、以下の手順で処理を行う。
【0042】
まず、サーバ制御部11は、記憶部12が記憶する医療情報から要求のあった患者の医療情報を取得し、取得した医療情報に含まれる患者の視覚特性情報を抽出又は算出する(ステップS11)。患者の視覚特性情報とは、図3において説明したように、患者の年齢や生年月日等である。例えば、サーバ制御部11は、電子カルテから患者の生年月日を抽出して、患者の年齢を算出する。また、その他にもサーバ制御部11は、電子カルテから患者の年齢を抽出したり、医師がコメントした「緑内障」という情報を抽出したりする。
【0043】
次に、サーバ制御部11は、処理テーブルTを参照して、説明用画面情報の生成に際して用いる画面構成情報を決定する(ステップS12)。なお、決定した画面構成情報と抽出又は算出した患者の視覚特性情報とは、処理テーブルTにおいて対応付けられているものとする。
そして、サーバ制御部11は、決定した画面構成情報に基づいて、説明用画面情報を生成する(ステップS13)。
【0044】
以上の処理を行った後、サーバ制御部11は、生成した説明用画面情報をクライアント20に送信する(ステップS14)。
【0045】
クライアント制御部21は、データ管理サーバ10から送信された説明用画面情報を表示部23に表示させ(ステップS15)、本処理を終了する。
【0046】
次に、図6を参照して、クライアント20が説明用画面情報を生成する場合について説明する。なお、図6に示すフロー図は、ステップS29における処理まで図5に示した処理と同様である。よって、ステップS29以降の処理について説明する。
【0047】
クライアント制御部21は、表示部23に表示させた医療情報について、説明用画面情報の表示に切り替える指示を入力部24から受信するまで待機する(ステップS29)。
説明用画面情報の表示に切り替える指示を受信した場合(ステップS29;Y)、クライアント制御部21は、現在表示部23に表示している患者の医療情報から、患者の視覚特性情報を抽出又は算出する(ステップS30)。
【0048】
クライアント制御部21は、処理テーブルTを参照して、説明用画面情報の生成に際して用いる画面構成情報を決定する(ステップS31)。なお、決定した画面構成情報と抽出又は算出した患者の視覚特性情報とは、処理テーブルTにおいて対応付けられているものとする。
【0049】
クライアント制御部21は、決定した画面構成情報に基づいて、説明用画面情報を生成する(ステップS32)。
そして、クライアント制御部21は、生成した説明用画面情報を表示部23に表示させて(ステップS33)、本処理を終了する。
【0050】
図7A、図7Bを参照して、説明用画面について説明する。
図7Aに、基本画面G1及び第1説明用画面G2を示す。
基本画面G1は、医療情報のうち電子カルテの画面であって、図5のステップS8又は図6のステップS28で表示部23に表示される画面である。
基本画面G1には、患者ID、氏名、検査日、患者の年齢等が基本情報として表示される。また、その他にも、「所見」欄、「診断」欄、「コメント」欄を備え、更に説明用画面切替ボタンICを備える。ユーザにより説明用画面切替ボタンICが押下されると基本画面G1が第1説明用画面G2の画面に切り替わる。
【0051】
第1説明用画面G2は、患者が高齢の説明用画面情報による画面である。
第1説明用画面G2は、基本画面G1のレイアウトが変更されるとともに、基本画面G1において表示されていた文字サイズ、枠サイズ等が拡大して表示される。なお、その他にも、数字サイズ、記号サイズ、色等を変更して表示されるとしてもよい。
【0052】
図7Bに、第2説明用画面G3を示す。
第2説明用画面G3は、患者が若年の説明用画面情報による画面である。
第2説明用画面G3は、基本画面G1のレイアウトが変更されるとともに、医用画像が表示される。また、医用画像上にある文字サイズは拡大して表示される。なお、その他にも、表示された医用画像に付されるアノテーションを拡大したり、部分的に文字サイズ等を拡大したりして表示されるとしてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、医療情報から説明用画面情報を生成することができる。説明用画面は、説明を受ける患者にとって適切な画面構成となっており、患者は医師からの説明を聞くとともに説明用画面を参照することで、自己の病状等を十分に把握することができる。よって、医療現場におけるインフォームドコンセントの充実を図ることができる。
【0054】
また、データ管理サーバ10が説明用画面情報を生成する場合、データ管理サーバ10は生成した説明用画面情報を各クライアント20に送信する。そして、各クライアント20は説明用画面を表示することができる。つまり、各クライアント20は説明用画面情報を生成する機能を備えずとも説明用画面を表示することができる。よって、データ管理システム1を構築する際のコストを低く抑えることができる。
【0055】
また、クライアント20が説明用画面情報を生成する場合、データ管理サーバ10は医療情報をクライアント20に送信するだけでよい。つまり、データ管理サーバ10は説明用画面情報を生成する必要はない。よって、説明用画面情報を生成する機能を備えていない既設のデータ管理サーバ10であっても、データ管理システム1を構築することができる。
【0056】
また、医療情報が表示された表示画面上において、説明用画面切替ボタンICを押下することで、基本画面G1から第1説明用画面G2又は第2説明用画面G3に逐次切り替えることができる。
【0057】
また、医療情報から説明用画面情報を生成する際に用いる患者の視覚特性情報は、患者の視力、年齢、生年月日、病状のうち、少なくとも何れか一つあればよい。なお、患者の視覚特性情報は、医用画像のヘッダ情報から抽出又は算出するとしてもよいし、電子カルテから抽出又は算出するとしてもよい。
【0058】
また、医療情報から説明用画面情報を生成する際に用いる画面構成情報は、レイアウト、文字サイズ、枠サイズ、アノテーションサイズ、数字サイズ、記号サイズ、色等を含む表示形態に関する設定情報である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】データ管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】データ管理サーバの機能的構成を示す図である。
【図3】処理テーブルの一例を示す図である。
【図4】クライアントの機能的構成を示す図である。
【図5】データ管理サーバが説明用画面情報を生成する場合のフロー図である。
【図6】クライアントが説明用画面情報を生成する場合のフロー図である。
【図7A】基本画面及び第1説明用画面を示す図である。
【図7B】第2説明用画面を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 データ管理システム
10 データ管理サーバ
11 サーバ制御部
12 記憶部
15 通信部
20 クライアント
21 クライアント制御部
22 記憶部
23 表示部
24 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療情報を表示画面上に表示する医療情報表示方法であって、
前記医療情報に含まれる患者の視覚特性情報を抽出又は算出する工程と、
前記患者の視覚特性情報と前記表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを参照して、前記抽出又は算出された視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定する工程と、
前記決定された画面構成情報に基づいて、前記医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する工程と、
を含む医療情報表示方法。
【請求項2】
前記説明用画面情報を外部端末に送信する工程と、を更に含む請求項1に記載の医療情報表示方法。
【請求項3】
前記説明用画面情報を前記表示画面上に表示する工程と、を更に含む請求項1又は2に記載の医療情報表示方法。
【請求項4】
前記表示画面上に表示されている前記医療情報を前記説明用画面情報に切り替える工程と、を更に含む請求項3に記載の医療情報表示方法。
【請求項5】
前記視覚特性情報は、患者の視力、年齢、生年月日又は視覚特性に関する疾患のうち、少なくとも何れか1つを含む請求項1〜4の何れか一項に記載の医療情報表示方法。
【請求項6】
前記画面構成情報は、レイアウト、文字のサイズ又は色のうち、少なくとも何れか1つを含む表示形態に関する設定情報である請求項1〜5の何れか一項に記載の医療情報表示方法。
【請求項7】
医療情報を管理する医療情報管理装置であって、
患者の視覚特性情報と前記表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記処理テーブルを参照して前記患者の視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定し、当該決定された画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する管理制御手段と、
前記説明用画面情報を外部端末に送信する通信手段と、
備える医療情報管理装置。
【請求項8】
医療情報を表示する医療情報表示装置であって、
患者の視覚特性情報と前記表示画面上に表示する画面の構成に関する画面構成情報とが対応付けられた処理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記処理テーブルを参照して前記患者の視覚特性情報に対応する画面構成情報を決定し、当該決定された画面構成情報に基づいて前記医療情報の画面構成を変更した説明用画面情報を生成する表示制御手段と、
前記説明用画面情報を表示画面上に表示する表示手段と、
備える医療情報表示装置。
【請求項9】
前記表示画面上に表示されている前記医療情報を前記説明用画面情報に切り替えるための入力手段と、を更に備える請求項8に記載の医療情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2009−226059(P2009−226059A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76134(P2008−76134)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】