説明

医療異常監視システム及びその操作方法

医用画像システムであって、少なくとも一つのコントローラを有し、前記コントローラは:第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報を受信し;第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信し;前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定し;前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示する;よう構成されることを特徴とする、医用画像システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医用画像システムに関し、特には、自動収集技術を用いる超音波画像システム及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
甲状腺の病理学は、甲状腺に存在する可能性のあるあらゆる結節(nodules)の画像を取得するため、超音波甲状腺検査(UTA;ultrasound thyroid assessment)として知られる超音波技術を一般に用いる。結節が検出されたとき、特定の結節が増大していないか、もし増大している場合にはどのような速度かを手動で決定するために、定期的な間隔にて再度撮像及び評価を実行することが一般的である。特定の結節に関して、一定期間にわたって前記結節が増大していると決定されると、前記結節についての侵襲的な生検が一般的に実行される。
【0003】
一般的なUTAの間に結節を評価しているとき、前記結節が新しい結節であるか、以前から存在している結節であるかを判定することはしばしば困難である。これは、例えば音波検査者(sonographers)のような撮像の専門家により実施される撮像技術及び測径(caliper)技術のばらつきに起因することがある。不幸にも、このようなばらつきの結果、侵襲的であり、不都合であり、不快であり、時間がかかり、及び/又はコストのかかる不必要な生検が実施される可能性がある。
【0004】
一般的に、UTAは、一連の二次元(2D)画像を用いて実施される。これらの画像を取得するために、超音波変換器の位置は、組織の矢状面及び軸平面(又は横断面)に一致する、様々な所望の区分についての所望の表示が取得できるよう、患者の首に対して変化をもたさなければならない。UTAの間、音波検査者は、甲状腺葉の矢状面及び/又は軸平面を評価し、全ての認められる結節に関してキャリパー(caliper)をセットしなければならない。さらに、複数の結節が発見されたとき、音波検査者は、対応するUTAレポートにおいて結節の夫々の経過を追い、ラベルを付さなければならない。さらに、同様の結果が連続するUTAにおいて得られることを確実にするために、画像パラメータが、前回のUTAの画像パラメータと一致しなければならない。この処理は、一般に手動で実行されなければならず、時間がかかり、ミスを生じがちである。さらに、複数の結節を持つ患者についての一般的なUTAの間に、音波検査者は、それらの結節及び/又はそれらの計測を見逃し、結果として不正確なUTAレポートを生成することがある。さらに、音波検査者は、しばしば、UTAレポートにおいて、一つ以上の結節に関連する不正な寸法に不正にラベル付けを行い、及び/又は不正な測定を実施する。したがって、生成されたレポートは、不正確な情報及び/又は不正な情報を有する可能性がある。例えば、画像及び/又は結節は誤ってラベル付けされることがあり、キャリパー(caliper)による測定は不正であることがある。したがって、生成されたレポートは、分析することが困難あるいは不可能であることがある。
【0005】
したがって、これらのレポートを分析するとき、放射線科医は、さらなる分析を実施し得る前に、前記レポートが正確であるかどうかを一般に決定しなければならない。さらに、前記レポートを適切に分析するために、放射線科医は、一つの結節についての対応する矢状面且つ軸平面(又は横断面)の測定結果を探す貴重な時間を費やさなければならない。さらに、注釈及び/又は測定結果が失われているとき、及び/又はそれらが不正であるとき、病変についての場所をしばしば特定することができない。
【0006】
さらに、医療の専門家は、結節が新しく、且つ/又は増大しているかどうかを決定するために、現在のレポート及び以前のレポートを頼ることができる。しかし、以前のレポートが利用不可能であり、且つ/又は不正確な情報を含んでいると、結節又は病変が新しく、且つ/又は増大しているか決定することが困難又は不可能である可能性がある。ここで用いられるように、“病変”の語は、できもの(tumor)、塊(mass)、しこり(lump)、結節、こぶ(node)、腫瘍(growth)、異常等に一致する、甲状腺の増大する部分を表し得る。したがって、生検は、結節についてのさらなる情報を集めるために実行されなければならない可能性がある。これは、生検を受けなければならない患者にとって不都合であることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本システム、方法、装置及びデバイスの一つの目的は、従来のシステム及びデバイスの欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの例示的な実施形態によると、医用画像システムは:第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報及び第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信するよう構成され得る少なくとも一つのコントローラを有する。
【0009】
前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定することもでき、且つ/又は前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示することもできる。前記システムは、前記第一の画像情報に関連する情報を取得するよう構成される超音波プローブをさらに有する。さらに、前記第一の画像情報内の前記一つ以上の画像は、互いに直交する面に一致する少なくとも二つの画像を有する一連の画像を有することができる。さらに、前記第一の時点及び/又は前記第二の時点において取得される前記一つ以上の画像は、一連の画像と一致することができる。
【0010】
本システムによると、前記コントローラは、キャリパー入力が要求されているかどうか決定するよう構成されることができ、且つ/又は前記第一の画像情報及び/又は前記第二の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する情報を結合するよう構成されることができる。前記座標情報は、計算された画像の輪郭情報に基づくことができる。
【0011】
前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所の一つ以上の成長速度を決定するよう構成されることができる。さらに、前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第二の座標情報と比較して変化していると決定されたとき、第一の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるよう構成されることができる。さらに、前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化していないと決定されたとき、前記第一の強調表示とは異なる第二の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるよう構成されることができる。
【0012】
本システムの別の態様によると、一つ以上のコントローラにより実行される画像処理方法が開示される。前記方法は:第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報を受信する段階と;第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信する段階と;前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定する段階と;前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示する段階;についての一つ以上の動作を有することができる。
【0013】
前記方法は、超音波プローブから前記第一の画像情報に関連する情報を取得する段階についての前記動作も含むことができる。さらに、前記第一の時点において取得される前記一つ以上の画像は、第一の一連の画像と一致することができ、さらに、前記第二の時点において取得される前記一つ以上の画像は、第二の一連の画像と一致することができる。前記第二の時点は、前記第一の時点より後の日/日付と一致することができる。前記方法は、互いに直交する面と一致する二つ以上の画像からの情報を用いて、三次元ボリューム画像を生成する段階についての前記動作をさらに有することができる。さらに、前記二つ以上の画像は、前記第一の時点において取得される前記一つ以上の画像及び/又は前記第二の時点において取得される前記一つ以上の画像から選択されることができる。
【0014】
前記方法は、キャリパー入力が要求されているかどうか決定する段階についての前記動作も有することができる。前記方法は、前記第一の画像情報及び/又は前記第二の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する座標情報を決定する段階についての前記動作も有することができる。前記方法は、画像の輪郭情報を計算する段階及び/又は前記第一の画像情報の中の前記一つ以上の場所の成長速度を決定する段階についての前記動作も含むことができる。
【0015】
前記方法は、前記第一の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する前記第二の座標情報と比較して変化していると決定されたとき、第一の強調表示を前記第一の画像情報と関連付ける段階についての前記動作も有することができる。前記方法は、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化していないと決定されたとき、前記第一の強調表示とは異なる第二の強調表示を前記第一の画像情報と関連付ける段階についての前記動作をさらに有することができる。
【0016】
本システムの別の態様によると、超音波プローブから画像情報を受信するよう構成される、コンピュータ読み取り可能な媒体上に具体化されたアプリケーションが開示される。前記アプリケーションは、コントローラに:第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報を受信させ;第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信させ;前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定させ;前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示させる;コードを有することができる。
【0017】
さらに、前記コードは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する座標情報と比較して変化していると決定されたとき、第一の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるように、
前記コントローラを制御することができる。
【0018】
さらに、前記コードは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第二の座標情報と比較して変化していないと決定されたとき、前記第一の強調表示とは異なる第二の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるように、前記コントローラを制御することができる。
【0019】
本装置、デバイス、システム及び方法のさらなる適用領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになる。詳細な説明及び特定の例は、前記システム及び方法の例示的な実施形態を示すが、説明の目的のみを意図するものであり、本発明の範囲を制限することは意図しない。
【0020】
本発明の前記装置、デバイス、システム及び方法(以下のシステム及び方法)についてのこれらの及び他の特徴、態様及び利点は、後続の説明、添付されるクレーム及び添付される次の図面からより理解される。
【発明の効果】
【0021】
したがって、必要とされる面の分析のために、自動化されたソフトウェアにより、二次元(2D)又は三次元(3D)技術を用いて素早くデータを取得し、取得された2D又は3D画像に対応する2D又は3Dデータのボリューム(volume)を保管することにより、既存のシステムの欠点を克服することができる、甲状腺の病変を監視するためのシステム及び/又は方法のためのニーズが存在する。前記ソフトウェアは、対応するボリュームを続いて一致させることができ、ある期間の間に病変の大きさが変化したかどうか決定することができる。また、ある期間の間に病変の大きさが変化していると決定されたとき、前記システムは、例えば赤色のような所定の色を用いて、対応する病変又は画像フレームを特徴付けることができ、あるいは強調することができる。さらに、ある期間の間に、ある一つの病変の大きさが変化していないと決定されたとき、前記システムは、例えば緑色を用いて前記病変を強調することができる。したがって、例えば放射線科医のような専門家は、本システムに従って作成されたUTAレポートを用いて、容易且つ正確に甲状腺の診断を行うことができる。さらに、本マーキングシステムは、病変の観察しやすさを高め、且つ/又は生検等の間になされ得るような前記病変の管理において視覚的な支援を提供する。
【0022】
さらに、医用画像情報を取得し、処理し、さらに記録するために用いられることのできる、画像取得処理を自動化するためのシステム及び方法のためのニーズが存在する。
【0023】
したがって、本システム及び本方法の第一の態様によると、先行技術の欠点を克服し、さらに、臓器又は血管(例えば、甲状腺、腎臓、睾丸、乳房、子宮、卵巣、肝臓、脾臓、心臓、動脈系又は静脈系等)についての特定の解剖学的部位に固有であり得るプロトコルを用いて、容易且つ都合よく画像情報を取得し記録できる、甲状腺病変自動レポート作成プログラムが開示される。本システム及び方法の別の態様は、自動的に、病変の場所をレポートし、前記病変の測定結果を提供し、且つ/又は前記病変が変わったかどうかを決定する。さらに、本システムの別の態様は、決定をレポートし、且つ/又はデータベースにこの情報を保存する。
【0024】
本システムプログラムは、例えば、SmartExam(商標)プロトコルを含む画像システムのような、既存の画像システムと互換性を保つことができる。
【0025】
したがって、自動化された画像取得及びレポート作成ルーチンを有することにより、例えば放射線科医のような専門家が患者に関係する画像情報の評価及び診断に費やす時間は短縮されることができる。さらに、時間を節約することにより、コストを削減することができる。さらに、適切な検査及びレポート作成手続きを確実にすることにより、誤診を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】本システムによる画像取得システムの一実施形態についての概略図である。
【図1B】本システムの一実施形態により実行される処理を説明するフローチャートである。
【図2】本システムの一実施形態により実行される処理によるフローチャートである。
【図3】本システムによる画像表示を説明するスクリーンショットである。
【図4】本システムによる別の画像表示を説明するスクリーンショットである。
【図5】本システムによるさらなる画像表示を説明するスクリーンショットである。
【図6】本システムによるさらに別の画像表示を説明するスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
いくつかの例示的な実施形態についての以下の説明は、単なる例に過ぎず、決して本発明又はその応用若しくは利用を制限するよう意図されたものではない。本システム及び方法の実施形態についての以下の詳細な説明において、詳細な説明の一部をなす添付の図面に対して言及がなされる。さらに、説明されるシステム及び方法の、図を通じて示される固有の実施形態が実施されることができる。これらの実施形態は、当業者が、ここで開示されるシステム及び方法を実施でき、さらに、他の実施形態が利用できることを理解し、実施形態の構造的及び論理的な変更が本システムの精神及び範囲から逸脱することなく実施され得ることを理解するよう、十分な詳細において説明される。
【0028】
次の詳細な説明は、したがって、制限する意味において理解されるべきではなく、本システムの範囲は、添付されるクレームによってのみ定義される。ここで図面における参照番号の最初の数字は、一般に図の番号に対応する。ただし、複数の図において表れる同じ要素が、同一の参照番号によって特定される場合を除く。さらに、明瞭にする目的で、いくつかの特徴が当業者にとって明らかであるときには、本システムの説明を曖昧にしないよう、それらの詳細な説明については議論されない。
【0029】
一つの実施形態において、評価の時間及び誤りを減らすことのできる医用画像レポート作成を標準化できるよう、例えば甲状腺のような臓器の医学的評価を体系的に実行するためのシステム、アプリケーション及び/又は方法が提供される。したがって、医用画像の取得、レポート作成及び/又は評価のためのコストは削減されることができる。
【0030】
本システムの一つの実施形態に従う画像取得システム100の一つの実施形態の概略図が、図1Aに示される。画像取得システム100は、一つ以上のコントローラ102、メモリ104、ディスプレイ106、モデム108、音声入力デバイス(MIC)110、音声出力デバイス(SPK)112、画像取得デバイス(IAD)114、画像取得制御(IAC)デバイス116、ユーザインターフェース(UI)118、ネットワーク120、リモート記憶デバイス122及びリモートデバイス又は端末124を有することができる。
【0031】
コントローラ102は、画像取得システム100の全体的な操作を制御するよう制御し、あるいは制御するよう構成され、同一の場所又は異なる場所に配置され得る一つ以上のコントローラを有することができる。例えば、一つ以上のコントローラは、リモートデバイス124に配置されることができる。したがって、本発明の一つ以上の処理によって実行されるいくつかの動作は、前記リモートデバイスにおいて実行されることができる。
【0032】
メモリ104はコントローラ102と連動することができ、プログラム並びに画像取得システム100により読み取られ、且つ/若しくは保存され得るデータを保管することができ、又はそのデータを保管するよう構成されることができる。メモリ104は、一つ以上のハードディスク、ROM(read−only memory)、RAM(random−access memory)、フラッシュドライブ、光学ドライブ及び/又は別の適切なメモリデバイスを含み得る。さらに、メモリ104は、異なる種類のメモリを含むことができ、多数の場所に配置されることができる。メモリは、プログラム並びに本システム、デバイス及び/又は方法の操作により生成されるデータを有することができる。
【0033】
ディスプレイ106は、例えばコントローラ102のような一つ以上のコントローラの制御の下で、情報を表示することができる。ディスプレイ106は、例えば、CRT(cathode ray tubes)、LCD(liquid crystal displays)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン等のようなあらゆる適切なディスプレイを含むことができる。ディスプレイ106は、異なる場所に配置され得る複数のディスプレイを含むことができる。ディスプレイ106は、ユーザの入力も受信することができる。
【0034】
モデム108は、コントローラ102の制御の下、動作することができ、例えばネットワーク120を通じて、様々な場所に対して、コントローラ102へ/からデータを送信及び/又は受信することができる。モデム108は、あらゆる適切なモデムも含むことができ、有線リンク及び/又は無線リンクを通じて通信することができる。
【0035】
音声入力装置110(MIC)は、例えばマイク及び/又は変換器のような音声情報を入力するためのあらゆる適切なデバイスを含むことができる。音声入力デバイス110は、例えばコーダ/デコーダ(CODEC)を通じて、コントローラ102へ、受信された音声情報を送信することができる。音声入力デバイス110は、リモートの場所に配置されることもでき、例えばネットワーク120を通じて情報を送信することができる。音声入力デバイス110は、例えばユーザから音声入力を受信することができる。音声認識プログラムは、次に、コントローラ102により用いられるそれらのコマンドを変換することができる。例えば、音声−テキストコンバータのような変換プログラムは、音情報(例えば、ユーザの声、コマンド等)をテキスト又は他のデータへ変換するために用いられることができる。
【0036】
音声出力デバイス112(SPK)は、ユーザの利便性のために音声情報を出力することができる。音声出力デバイス112は、スピーカ112を含むことができ、例えばCODECのようなコントローラ102から受信される音声情報を出力することができる。さらに、変換プログラムは、パラメータ(例えば、テキスト、データ等)がスピーカ112を通じて出力されることができるように、視覚的に出力されるべき前記パラメータを変換することができる。
【0037】
画像取得検出器(画像取得プローブ(probe))114は、コントローラ102の制御の下、所望の情報を取得することができる。そして、この情報が処理されることができるときに、この情報をコントローラ102へ送信することができる。画像取得検出器114は、一つ以上の変換器アレー等を含むことができる。例えば、本システムは、Philips ElectronicsによるC5−1変換器のような変換器を含むことができる。
【0038】
画像取得制御(IAC)デバイス116は、コントローラ102によって制御されることができ、画像取得検出器(IAD)114の位置を制御することができる安定化制御デバイス(例えば、アレー安定器)を含むことができる。例えば、IACデバイス116は、例えば一つのハンドル等に対する一つ以上の変換器アレーのヨー(yaw)、ピッチ(pitch)及び/又はロール(roll)を制御するための一つ以上のデバイスを含むことができる。したがって、前記IACデバイスは、x、y又はz軸についての一つ以上の変換器アレーの位置を制御することができ、且つ/又は好ましくない高調波、振動等を減らすことができる。さらに、IACデバイス116は、一つ以上の変換器アレーの振動等を制御するため、カウンターバランス、モーター、制御システム等を含むことができる。
【0039】
ユーザインターフェース(UI)又はユーザ入力デバイス118は、ユーザの入力を受信することができ、さらに、例えばコントローラ102に対してそれらの入力を送信することができる。ユーザ入力デバイス118は、キーボード、マウス、タッチパッド、トラックボール、ポインタ、デジタイザ、タッチスクリーン、指紋リーダ等のようなユーザ入力を受信することができる、あらゆる適切な入力デバイスを含むことができる。さらに、前記ユーザ入力デバイスは、例えば前記指紋リーダ、虹彩リーダ等のようなバイオメトリック情報の入力のためのバイオメトリックリーダを含むことができる。
【0040】
ネットワーク120は、画像取得システム100の様々なデバイスの間で情報を送信することができる、一つ以上のLAN(local area network)、WAN(wide area network)、インターネット、イントラネット、プロプライエタリなネットワーク、システムバス及び/又は他の送信デバイス(アクティブ及び/又はパッシブ)を含むことができる。ネットワーク120は、あらゆる適切な送信方法を用いて動作することができる。
【0041】
リモート記憶デバイス122は、画像取得システム100により取得されるような情報を保管することができる、あらゆる適切なメモリデバイスを含むことができる。したがって、リモート記憶デバイス122は、メモリ104に関して説明されるようなメモリデバイスを含むことができる。さらに、リモート記憶デバイスは、RAID(redundant array of independent disks)及び/又は他の記憶装置の構成を含むことができる。さらに、リモート記憶デバイス122は、例えばSAN(storage area network)を含むことができる。リモート記憶デバイス122は、ネットワーク120及び/又はモデム108を通じて、コントローラ102へ/から情報を送信/受信することができる。
【0042】
本システムの一実施形態による画像の取得のための処理をここで説明する。本システムの一実施形態により実行される処理に対応するフローチャートを図1Bに示す。処理150は、一つ以上のコンピュータが直接に、且つ/又はネットワークを通じて通信することにより制御されることができる。処理150は、本方法による他のプロセスと同様、コントローラ102のようなプロセッサによる、(メモリ104のような)コンピュータ読み取り可能な媒体上に具体化される命令を実行することにより、実施されることができる。プロセッサ又はコントローラ102は、アプリケーション固有の集積回路又は汎用の集積回路であってもよい。さらに、プロセッサ102は、本システムに従って実行されるための専用のプロセッサであってもよく、あるいは本システムに従う実行のために、多数の機能のうち一つだけを実行する、汎用プロセッサであってもよい。プロセッサ102は、プログラムの部分、複数のプログラムのセグメントを利用して動作してもよく、または、専用の集積回路又は多目的の集積回路を用いるハードウェアデバイスであってもよい。
【0043】
処理150は、次のステップ、動作又は操作のうち一つ以上を含むことができる。さらに、これらのステップ、動作又は操作のうち一つ以上は、必要に応じて、下位のステップ、下位の動作又は下位の操作へと組み合わせられ、且つ/又は分離されることができる。動作152において、例えば甲状腺病変の監視自動化処理のような監視処理が開始し、動作154へと進む。
【0044】
動作154において、画像取得処理が、現在の画像情報を取得するために実行される。画像情報を取得する前に、システムは、例えばVLI3−5(商標)Thyroid TSIのような取得検出器を用いて、例えば3回のスイープを取得するために、ユーザへメッセージを出力(例えば、ディスプレイを通じて)することができる。ここで、TSIは、例えば、スクリーンの右側(甲状腺の右葉のため)、左側(甲状腺の左葉のため)又は中央(峡部の分析のため)に表示されている峡部の中間部分とともに、横断面において甲状腺を撮像するための、一般に知られるVLI3−5(商標)である。全ての必要な画像は、動作154において取得されるべきであるが、動作154は、他の必要な画像を取得するために、ある時には繰り返されることができる。動作154の完了後、当該処理は動作156へと進む。
【0045】
動作156において、現在の画像情報(例えば、ボリューム画像)は、例えばローカルのメモリ、データベース又は他の適切なメモリに保存されることができる。動作156の完了後、当該処理は動作158へと進むことができる。
【0046】
動作158において、当該処理は、現在の画像情報及び以前に(例えば、先月、昨年等)取得された画像情報を分析/比較するために画像処理ルーチンを用いることができる。例えば、当該処理にしたがって、ユーザが、自動スタック輪郭ルーティング法(auto stack contour routing method)(例えば、QLAB(商標)における)を用いることによって自動的に、又は手動(例えば、キャリパーを用いて)により、病変を測定することができる。前記測定結果、場所及び/又は病変の輪郭は、次に、例えば全てのキャリパーの位置に対するx、y及び/又はz座標を割り当てることにより、定義され、且つ/又は記録されることができる。この情報は、次に、後の使用のためにデータベース又は他の適切な領域に保管されることができる。
【0047】
この情報は次に、例えば追跡画像技術を実行するとき、後に用いられることができる。例えば、患者が、現在の画像情報が取得される、連続した甲状腺監視検査を受けるとき、一回以上前の検査において取得された画像情報は、次に、メモリ104又は記憶装置122から読み出され、ダウンロードされる。そして、例えば、QLAB(商標)のような、あらゆる適切な画像処理アプリケーションを用いて分析されることができる。QLAB(商標)は、深さ(depth)、フォーカルゾーン位置圧縮(focal zone location compression)、輪郭並びに/又はx、y及びz座標、ドップラー技術による速度情報、エコー強度のようないくつかの画像パラメータを決定することができる。そのような一つ以上の画像パラメータは、現在の検査において、一つ以上前の甲状腺監視検査において用いられた同様の画像パラメータと一致することができる。この処理は、ユーザによって実行されることができ、あるいは、システムによって自動的に実行されることができる。したがって、前記システムは、一つ以上前の甲状腺監視試験において用いられた画像パラメータに関連する情報を取得するために、画像パラメータ情報にアクセスすることができる。
【0048】
自動スタック輪郭法(例えば、QLAB(商標)において)が適用されることができ、例えば以前の検査に一致する画像情報のいくつかの場所についてのx、y及び/又はz座標のような場所情報が、現在の検査に一致する画像情報についての対応する情報と比較されることができる。
【0049】
画像情報処理の自己相関及び/又は重ね合わせは、例えばQLAB(商標)のような、適切な画像処理プログラムを用いて実行されることができる。
【0050】
前記比較の結果として、当該処理が、例えば、現在の画像情報(すなわち、増大している、あるいは変化している病変を示し得る)と、以前の(例えば、以前の検査の)画像情報における病変の一致する座標を決定したとき、当該処理は、例えば、病変の境界を定めるボリューム画像の周りに表れ得る緑色の境界を用いて、対応する画像(例えば、病変を含む画像)を強調表示することができる。しかしながら、当該処理は、比較の結果、座標が一致しないと決定したとき、放射線科医のようなユーザに対して病変が変化していることを視覚的に通知するため、赤い境界を用いて対応する画像を強調表示することができる。前記座標は、キャリパーの位置座標及び/又は画像の輪郭座標を表すことができる。
【0051】
動作158の後、当該処理は動作160へ進むことができる。
【0052】
動作160において、当該処理は、ユーザの利便性のため、対応するレポートを表示することができる。前記レポートが表示されるとき、ユーザは、必要に応じて追加のテキスト及び/又は注釈を入力することができる。
【0053】
本システムに従って、前記システムは、あらゆる位置に定義される、現在及び/又は以前の測定結果のための数値を推定することができる。対応する測定結果は、次に、自動スタック輪郭法による分析の間にx、y及び/又はz形式で保存されることができる。さらに手動の“手動上書き”オプションは、例えば病変定義、病変識別等のような病変に対応する情報をユーザがいつでも入力するために、提供され得る。
【0054】
動作160の完了後、当該処理は動作162へと進むことができる。
【0055】
動作162において、当該処理は、レポートを生成することができ、且つ/又は後の使用及び/若しくは分析のために、例えばデータベース等のあらゆる適切な場所に、画像情報及び対応する情報(例えば、病変識別、病変位置、病変定義、ユーザ情報、日付情報、患者情報等)を保存することができる。
【0056】
本システムの別の実施形態に従って画像を取得するための処理200を示す。本システムの一実施形態により実行される処理200に対応するフローチャートを図2に示す。処理200は、一つ以上のコンピュータにより、直接に、且つ/又はネットワークを通じて制御されることができる。処理200は、後続の一つ以上のステップ、動作及び操作を有することができる。さらに、これらのステップ、動作又は操作のうち一つ以上は、必要に応じて、下位のステップ、下位の動作又は下位の操作へと組み合わせられ、且つ/又は分離されることができる。動作202において、甲状腺病変の監視自動化処理が開始し、動作204へと進む。
【0057】
動作204において、以前の画像情報が存在しているかどうか決定される。以前の画像情報が存在していると決定されたとき、当該処理は動作206へ進む。しかしながら、以前の画像情報が存在しないと決定されたとき、当該処理は動作230へ進む。以前の画像情報は、以前に生成された画像情報と一致し得る。当該処理は、例えばアルファベット/数字のコード又はバイオメトリック情報のような、患者識別子(ID)に関連するデータを取得することによって、以前の画像情報が存在するかどうかを決定することができる。
【0058】
動作206において、当該処理は、例えばネットワーク(例えば、ネットワーク120)又は他の適切な送信システムを通じて、例えばデータベース(例えば、リモート記憶デバイス122)から以前の画像情報を読み込む。当該処理は、次に、以前の画像パラメータを抽出することができ、さらに、以前の画像パラメータに従って現在の画像パラメータをセットすることができる。画像パラメータは、例えば、深さ(depth)、フォーカルゾーン位置圧縮(focal zone location compression)、フォーカルゾーン位置及びその数、圧縮、輪郭並びに/又はx、y及びz座標、ドップラー技術による速度情報、エコー強度等を含むことができる。
【0059】
以前の画像情報は、例えば、一つの右葉横断像(Right Lobe Transverse)−上(superior)(上(upper))及び右葉矢状像(Right Lobe Sagittal)−(上(upper))のビューの画像のような、直交する面のビューの画像情報に対応するデータを含むことができる。さらに、以前の画像情報は、ある期間の間に取得された画像情報と一致することができる。例えば、以前の画像情報は、一年前、二年前、数日間の間にある所定の期間、何回か前に取得された画像情報と一致することができる。さらに、複数の期間と一致する情報も取得されることができる。例えば、以前の画像情報は、一つ以上前の取得時間(例えば、2006年の夏と秋)に一致する画像情報を含むことができる。ユーザ及び/又は本システムは、期間を決定し、且つ/又は設定することができる。動作206の完了後、当該処理は動作208へと進むことができる。
【0060】
動作208において、当該処理は、読み出されたパラメータ(例えば、動作206において抽出された以前の画像パラメータ)にしたがって、現在の画像取得のための画像取得パラメータをセットすることができる。動作208の完了後、当該処理は動作210に進む。必要であれば、ユーザーが一つ以上の画像取得パラメータを変えることができることも想定される。さらに、現在の画像と、例えば以前の画像との間でいくつかの画像取得パラメータが一致しないと決定されたとき、当該処理は、いくつかのパラメータ(例えば、画像取得パラメータ、ユーザ定義パラメータ等)又は画像情報が一致し得るように、必要に応じて補間処理を実行することができる。
【0061】
動作210において、現在の画像情報は、以前にセットされた画像取得パラメータ、ユーザ定義パラメータ等に従って取得されることができる。現在の画像情報は、例えば、画像取得検出器(例えば、114)又は他の適切な変換器を用いて取得されることができる。しかしながら、前記画像情報は、例えば、ネットワーク(例えば、ネットワーク120)又は他の適切な送信システムを通じて、データベースから読み出されることができることも想定される。本システムは、取得されるべき画像又は画像シーケンスに関連する情報を(例えば、ディスプレイ、スピーカ等を通じて)出力することができる。例えばユーザは、例えば、表1に示されるシーケンスの最初の画像に一致する、右葉横断像−上(上極(upper pole))のビューのような、一つのある画像を入力するよう要求することができる。本システムは、次に、対応する画像(例えば、右葉横断像−上(上極))のビューに従って対応するラベルを関連付けることができ、この情報を表示し、且つ/又は保存することができる。その後、ユーザが、シーケンスの次の画像(例えば、“右葉横断像−中極(mid pole)”)のビューが取得される前にキャリパー入力を要求するとき、現在の画像に対して直交する画像(例えば、右葉矢状像−外側(lateral)のビュー)を次の画像として選択することができるよう、本システムはシーケンスの順番を変更することができる。すなわち、矢状像が横断像と垂直であり甲状腺の中の位置が同じである、すなわち右葉−上/外側であるとき、ビューが、右葉横断像−上の現在の画像から、右葉矢状像−上へと変わる。
【0062】
しかしながら、ユーザがキャリパーモード入力を要求しないとき、次の画像は、例えば表1(例えば、“右葉横断像−中極”)に示されるシーケンスにおける次の画像であり得る。本システムは、例えば、ディスプレイ、スピーカ等を通じて、次の画像を示している要求を出力することができ、次のビューの取得を待つことができる。前記処理は、対応する画像とラベル及び/又は注釈を関連付けることができる。例えば、“右葉横断面−上(上極)”ラベル及び/又は識別子が、対応する画像と関連付けられることができる。
【0063】
【表1】

表1に関して、シーケンスの順番は、ユーザの選択に従って選択されることができ、又は自動的に選択されることかできる。さらに、本システムは、選択された検査の種類に従って表が選択され得るよう、画像名/識別子及び/又はシーケンスの順序を含み得る複数のテーブルを有することができる。例えば、ユーザは、甲状腺検査又は別の領域若しくは臓器の検査を選択することができる。
【0064】
キャリパー入力に関して、ユーザは、あらゆる画像の取得後にキャリパー情報を入力することができる。したがって、ユーザがキャリパーモードを要求していると決定されたとき、処理はキャリパー入力モードに入ることができる。キャリパー入力モードにおいて、キャリパー情報は、手動で入力されることができ、その後、本システムによって対応する画像と関連付けられることができる。さらに、画像シーケンスは、本システムによって修正され/変更されることができる。修正されたシーケンスにより、最新の画像が取得された後、その最新の画像と一致し、且つその最新の画像に対して直交する一つの画像(例えば、次の画像)がすぐに取得できる。画像シーケンスは、例えば最新の画像を決定し、下の表2Aに示されるような、次の画像及び/又は新しい画像シーケンスを決定するための参照表の使用によって、本システムにより変更されることができる。
【0065】
【表2A】

【0066】
【表2B】

動作210に戻って、現在の画像情報が取得された後、当該処理は動作214に進むことができる。
【0067】
動作214において、当該処理は、あらゆる適切な方法を用いて過去及び/現在の画像情報のために輪郭情報を決定することができる。例えば、当該処理は、DSP(digital signal processing)又は例えばQLAB(商標)等のような画像処理プログラムを用いて、輪郭情報を決定することができる。輪郭情報は、例えば組織分布の(topographical)情報、画像の中の輪郭に関連する情報、位置情報(例えば、x、y及び/又はz座標情報)、キャリパー情報、ユーザーの入力データ(例えば、ユーザーが入力したキャリパー情報等)、ドップラー技術による速度情報、エコー強度等のような情報を含むことができる。さらに、本システムは、後方システム互換性及び/又は複数のシステムとの互換性を確実にできるよう、画像情報から輪郭情報を推定することができる。したがって、現在の画像情報の一つ以上の画像パラメータが、以前の画像情報における対応するパラメータと最初に一致しないとき、本システムは、他の画像パラメータ情報、輪郭情報、位置情報等のような情報を用いて、必要な情報を推定することができる。したがって、例えば、以前の画像情報に一致する、例えばx、y及び/又はz座標のようなキャリパーデータを用いて、x、y及びz座標により定義される相対的位置及び/又は病変のサイズが(望ましく一致するように)決定され得る。位置情報は、例えば病変又は結節のような異常の位置及び/又は領域に一致し得る。さらに、位置情報は、絶対的位置情報の輪郭、対応する面(例えば、x、y及び/又はz面)における画像フレームを含むことができる。さらに、任意で、本システムは、必要に応じて直交するビュー(例えば、上極から直交する面における中央へ)の中で位置を変えることもできる。
【0068】
本システムの別の実施形態によると、矢状のビューがキャリパー要求により選択されるとき、大まかな位置が、例えば具体的な位置(例えば、外側、中央又は下位置)の代わりに使用されることができる。したがって、本システム又はユーザは、大まかな位置を用いるか、具体的な位置を用いるかを決定することができる。したがって、現在の画像が横断のビュー(例えば、右葉横断像(上の上極、中極及び/又は下極))であり、且つユーザがキャリパー入力を選択するとき、本システムは、表2Bに示される次の画像となるべき右葉矢状像を選択することができる。
【0069】
他の実施形態において、画像の輪郭情報を決定する前に、当該処理は、過去及び/又は現在の画像情報のための画像の輪郭情報が存在するかどうか決定することができる。したがって、過去及び/又は現在の画像情報のための画像の輪郭情報が存在しないと決定されたとき、当該処理は、前記の輪郭情報が存在しない画像情報(例えば、過去及び/又は現在の画像情報)に対応する、画像の輪郭情報を決定することができる。しかしながら、画像の輪郭情報が存在すると決定されたとき(例えば、画像の輪郭情報が以前にデータベース等に保存されているとき)、既存の画像の輪郭情報を用いることができる。これにより本システムは、時間及び/又は資源を節約できる。
【0070】
動作214の後、当該処理は動作216へ進む。
【0071】
動作216において、当該処理は、過去の画像情報及び現在の画像情報のために画像の輪郭情報を関連付ける。したがって、現在の画像情報におけるそれぞれの画像のために、当該処理は、過去の画像情報における対応する一枚の画像(又は複数の画像)を関連付けることができる。例えば、当該処理は、現在の画像情報の右葉横断像−上(上極)のビューの画像と一致する画像情報を、過去の画像情報の右葉横断像−上(上極)の画像と一致する情報に関連付けることができる。さらに、当該処理は、現在の画像情報の右葉矢状像−外側のビューの画像と一致する画像情報を、過去の画像情報の右葉矢状像−外側のビューの画像と一致する情報と関連付けることができる。さらに、当該処理は、必要に応じて、三次元(3D)ボリュームの中の画像情報を関連付けることができる。したがって、第一の面の中に含まれる要素は、第一の直交する面に対して存在する直交する面のような、一つ以上の他の面の中の要素と関連付けられることができる。
【0072】
動作216の後、当該処理は動作218へ進む。
【0073】
動作218において、当該処理は、関連付けられた現在の画像情報と以前の画像情報とを比較することができ、以前の画像情報と現在の画像情報との間に何らかの変化があるかどうか決定することができる。例えば、変化とは、現在の画像情報の中の新しい病変(例えば、病変が以前の画像情報において存在しなかった)、病変の輪郭のような病変のサイズ及び/又は外形における変化、位置/特徴における変化等を含むことができる。
【0074】
したがって、変化が存在すると決定するとき、当該処理は、対応する画像情報とともに変化の情報を形成し、且つ/又は変化の情報を対応する画像情報と関連付けることができる。さらに、当該処理は、さらなる使用のために前記変化の情報を保管することができる。前記変化の情報は、一つの画像及び/又は変化している一つの画像の対応する部分と関連付けられることができる。したがって、例えば、一つの画像(例えば、右葉矢状像−中央の画像)が複数の病変を含むとき、前記変化の情報は、サイズが変化している画像内の複数の病変と関連付けられ、且つ/又はサイズが変化している画像内の複数の病変を示すことができる。さらに、前記変化の情報は、同一の病変(又は他の関心のある点)が現れる他の画像に対してリンクされることができる。したがって、例えば、ある病変が第一のビュー(例えば、ある右葉横断像−上(上極)のビュー)におけるサイズが変化しているが、ある直交するビュー(例えば、ある右葉矢状像−外側のビュー)においては変化していないと決定されるとき、本システムは、前記変化の情報を前記直交するビューにおける同一の病変と関連付けることができ、さらに、例えば対応する直交するビューへのリンク等のように、前記変化と関連付けられるビューを示す情報をも含むことができる。
【0075】
計量要素(weighing factor)が、変化が存在するかどうかの決定に用いられることができる。例えば、病変の領域が、以前の画像情報と比較して、現在の画像情報においてある所定の量(例えば、5、10、15、...100%又は他の値)以上に変化しているとき、本システムは変化があると決定することができる。前記計量要素は、あるデフォルト値にセットされることができ、検査の種類(例えば、甲状腺検査)に依存するシステムによりセットされることができ、及び/又はユーザによりセットされることができる。
【0076】
しかしながら、ある変化が関連付けられた画像情報において存在しないとき、当該処理は、変化がないことを示す情報を対応する画像情報に関連付けることができ、さらなる使用のために前記変化の情報を保管することができる。動作218の後、当該処理は動作220へ進むことができる。
【0077】
動作220において、当該処理は、決定された前記変化の情報に基づいて、強調表示(ハイライト)情報を現在の画像情報及び/又は過去の画像情報に関連付けることができる。したがって、当該処理は、例えば、赤色の強調表示を、ある変化が存在すると決定された画像を囲むフレームと関連付けることができる。例えば、一つの病変の座標が一致しないと決定されるとき、前記病変の画像を囲むフレームは、赤色で強調表示されることができる。同様に、例えば病変のような、現在の画像情報におけるある特定の特徴についての輪郭が変化していると決定されるとき、当該処理は、強調表示(例えば、赤いフレーム)と現在の画像情報における特定の特徴を関連付けることができる。
【0078】
さらに、本システムの一実施形態によると、前記強調表示情報は、ユーザ又はメーカー等によってセットされ得る所定の任意の強調表示設定と一致することができる。例えば、本システムの一実施形態によると、例えば一つの病変のような新しい異常が現在の画像情報において存在すると決定されるとき、当該処理は、以下の表3において説明される強調表示設定と一致する強調表示を用いて、前記異常を強調表示することができる。
【0079】
【表3】

表3における前記設定に関して、ある新しい病変が現在の画像において存在すると決定されたとき、当該処理は表3を参照することができ、例えば前記画像の周りをオレンジ色で強調表示されるフレームを用いて現在の画像を強調表示し、さらに、赤い強調表示を用いて前記病変の周りのある領域(例えば、ディスプレイフレーム内において)を強調表示するよう決定する。当該処理は、“差分を表示する”設定がセットされているとき、領域のサイズの変化(例えば、差分)をも表示することができる。さらに、本システムは、(例えば、同一の設定又は他の所定の設定を用いて)現在のフレームに対応する直交するフレームを強調表示することができ、要望通りに、他のフレームにおいて同一の病変を選択的に強調表示することができる。さらに、“対応する画像がない”(すなわち、対応する画像がない)オプションは、現在の画像が以前の画像情報の中の画像に一致しない画像を含むとき、用いられることができる。したがって、当該処理が、現在の画像が対応する以前の画像情報の中の画像を有していないと決定したとき、本システムは、その旨をユーザに知らせるため、例えば灰色(又はシステム又はユーザが選択する他の色)で現在の画像のフレームを強調表示することができる。したがって、以前の画像情報が、例えば右葉矢状像−外側のビューの画像を踏まないとき、右葉矢状像−外側のビューの縁の周りのフレームは、例えば灰色のフレーム又は他の定義された色及び/又はパターンを用いて強調表示されることができる。さらに、本システムは、一つの画像の周りの複数のフレームを利用することができる。したがって、画像のビューの種類(例えば、右葉矢状像−外側のビュー)は、所定の色(例えば、青等)の第一のフレーム及び第二のフレーム又は強調表示情報を示すことができる平行線模様を用いることにより示されることができる。
【0080】
動作220の後、当該処理は動作222へ進む。
【0081】
動作222において、当該処理は、ユーザのレビューのために、前記変化の情報、強調表示情報、キャリパー情報及び/又は画像の輪郭情報に従って、現在の画像情報を(例えば、スクリーンディスプレイ、スピーカー等を通じて)出力することができる。当該処理は、次に、動作224へ進むことができる。
【0082】
動作224において、当該処理は、ユーザによるレビューのために、関連するラベル、画像取得パラメータ、輪郭情報、キャリパー情報、変化の情報、強調表示情報及び/又は注釈等を含み得る現在の画像情報を含むレポートを生成することができる。前記レポートは、動作222の前に生成されることもでき、例えばユーザ及び/又は本システムにより、ユーザの入力又は変更に応じて編集されることができる。
【0083】
動作226において、当該処理は、関連するラベル、画像取得パラメータ、輪郭情報、キャリパー情報、変化の情報、強調表示情報及び/又は注釈(例えば、ユーザによる入力、本システムによる入力等)を含み得る現在の画像情報を含む前記レポートを保存することができる。この情報は、例えばローカル記憶デバイス及び/又はネットワークを通じてアクセス可能なリモート記憶デバイス内のデータベースに保存されることができる。さらに、前記レポートは、対応する患者識別子(ID)とともに保存されることができる。患者IDは、前記レポートが例えば患者の指紋をスキャンすることにより後に呼び出されることができるように、例えば指紋データ、虹彩情報等のような患者のバイオメトリック情報を含むことができる。
【0084】
動作224の後、当該処理は、当該処理が終了するとき、動作228へ進むことができる。
【0085】
動作230において、画像パラメータが、デフォルト、ユーザ又はユーザプロファイル等による設定に従ってセットされることができる。動作230の完了後、当該処理は動作232へと進むことができる。
【0086】
動作232において、現在の画像情報が取得されることができる。この動作は動作210と同様であり、明瞭にする目的で、この動作のさらなる説明は省略される。動作232の完了後、当該処理は動作234に進むことができる。
【0087】
動作234において、当該処理は、画像の輪郭情報を決定することができる。この動作は、動作214と同様である。しかしながら、画像の輪郭情報は、以前の画像情報とは対照的に、現在の画像情報のためにのみ決定されることができる。したがって、明瞭にする目的で、この動作のさらなる説明は省略される。しかしながら、システムリソースを節約するために、必要に応じてこの動作は省略されることができる。動作230の完了後、当該処理は動作236へ進む。
【0088】
動作236において、当該処理は、輪郭及び/又はキャリパー情報と一致する現在の画像情報を(例えば、ディスプレイ、スピーカ等を通じて)出力することができる。したがって、ある病変が一つの画像の中で発見されたとき、前記画像を囲むフレームは、例えば赤又は他の強調表示で強調表示されることができる。さらに、識別情報が、前記画像の中に配置される病変又はその病変のすぐ近傍に重ね合わされることができる。動作236の完了後、当該処理は動作238へ進むことができる。
【0089】
動作238において、当該処理は、ステップ224において生成されるレポートと同様であり得るレポートを生成することができる。しかしながらこのレポートは、レポート内に以前の画像情報及び/又は関連する情報を含まない可能性があり、あるいは、レポート内の以前の画像情報データフィールドが空白のままである可能性がある。ステップ238の完了後、当該処理は動作226へ進むことができる。
【0090】
本システムの一つの態様によると、例えば、画像に関する輪郭情報のような様々な外観は、従来のデジタル信号処理(DSP(digital signal processing))方法を用いて決定されることができる。例えばQLAB(商標)等のようなデータ処理プログラム又はアプリケーションが、現在の画像情報及び/若しくは以前の画像情報を分析するために用いられることができ、並びに/又は一つ以上の現在の画像情報及び過去の画像情報における画像情報のための、例えば位置情報、輪郭情報、ピーク情報、キャリパー情報等のような望ましい組織分布の情報を決定するために用いられることができる。望ましい組織分布の情報が決定された後、本システムは、現在の画像情報及び過去の画像情報から組織分布の情報をまとめることができ、さらに、例えば、新しい病変が発見されているかどうか、既存の病変が小さくなっているかどうか、既存の病変が成長しているかどうか、特定の病変又は結節の成長速度、ピークがシフトしているかどうか、等の様々な情報を決定することができる。この情報は、次に、ユーザのレビューのために出力されることができ、且つ/又は後の使用のために保存されることができる。
【0091】
当該処理は、仮想的な三次元(3D)ボリュームを生成するために二次元(3D)の画像情報を用いることができ、且つ/又は3Dボリューム情報を生成するために3D情報を用いることができる。
【0092】
2D情報の使用に関して、当該処理は、例えば右葉横断面−上(上極)のビューの画像及び右葉矢状面−外側のビューの画像のような、直交する面に関連している情報を含む画像情報を、仮想的な三次元(3D)ボリュームを生成するよう互いに関連付けることができる。したがって、それぞれが異なる画像の面と一致する二以上の平面のビューは、例えば仮想的な三次元(3D)画像を生成するために用いられることができる。さらに、本システムに従う方法は、自動化された処理を用いて後に必要な面の分析を行うために、例えば適切なメモリに保管され得るデータについての3Dボリュームを形成するための、例えば画像取得検出器から受信される二次元情報又は三次元情報を処理することができる。前記処理は、対応するボリュームを一致させ、例えば結節のサイズが変化しているかどうかを決定するために、ソフトウェア(又はプロセッサ若しくはコントローラによる実行のためのコンピュータ読み取り可能な媒体において具体化され、若しくは保存されるコンピュータ読み取り可能な命令)を用いることができる。同様に、サイズの変化が検出されると、本システムは、その結節を含む一つの画像が表示されるとき、例えば赤色を用いて前記結節(又は前記結節についてのフレーム)を強調表示することができる。反対に、一つの結節のサイズが変化していないと決定されると、本システムは、結節が表示されるとき、例えば緑色を用いてその結節を強調表示することができる。これにより、ユーザが成長している結節を容易に認識するための視覚的な参照が提供される。したがって、これにより放射線科医が視覚的な支援を用いて、特定の結節を都合よく分析することができる。さらに、分析は従来の方法より少ない時間において実行されることができるため、患者のケアが改善されることができる。前記の色は、結節の領域、結節の周囲の領域及び/又は結節を含む画像の一つのフレームに一致することができる。さらに、前記の色は、強調表示されるべき一つの結節を含む一つの画像についてのフレームの中に含まれ得る、例えば平行線模様パターンのようなパターンを有することができる。
【0093】
図3は、本システムによる画像表示を図示するスクリーンショット300を示す。スクリーンショット300は、甲状腺の右葉に一致し得るデータを用いて表示され得るスクリーン304を示す。スクリーンショット300は、レポートの中に保存され得るデータにも一致することができる。このデータは、取得された画像情報、メモ、注釈、測定結果、日、日付、時間、例えば数、名前等のような患者の識別子(ID)、医療専門家のデータ(例えば、音波検査者の名前、医師の名前、医療センターの名前、場所、患者のバイオメトリック情報等)、閲覧/編集履歴、変化の情報等を含むことができる。スクリーンショット300は、ユーザ情報、場所(例えば、“Test Hospital”)、日、日付、時間、検査の種類(例えば、“THY”)及び/又はいくつかのテストパラメータが表示される、一つ以上の情報領域308を含むことができる。画像閲覧領域302は、例えば本システムの一実施形態についての処理(例えば、画像取得処理、ダウンロード処理等)の間に取得されている画像306−1から306−3のような一つ以上の画像を表示することができる。画像306−1から306−3のそれぞれは、一つの画像の輪郭を描くために用いられることができ、及び/若しくは一つの画像を強調表示するために用いられることができ、並びに/又はビューの一つの面を示すために用いられることができる、一つのフレーム310により囲まれることができる。例えば、第一の色(赤)の強調表示が一つのx面における一つの画像を示すために用いられることができ、第二の色(緑)の強調表示が一つのy面における一つの画像を示すために用いられることができ、且つ第三の色(青)の強調表示が一つのz面における一つの色を示すために用いられることができる。対照的な色についての強調表示又は異なる色の内側のフレームの強調表示は、ある異常等の存在を示すために用いられることができる。
【0094】
説明はしないが、他の画像306−1から306−3のそれぞれについての小さな画像(又は類似のもの)が、ユーザの利便性のために選択している画像の中により小さな形式で(例えば、アイコンとして)表示されることができる。これは、特定の検査に一致する全ての画像が閲覧領域に表示できないときに有用である。したがって、ユーザは、選択された画像の拡大表示を閲覧するために、小さな画像の一つを選択することができる。したがって、一つの画像の選択により(例えば、マウスのダブルクリック等を用いて)、ユーザは当該処理を用いて画像を拡大することができる。さらに、選択された表示が、他の画像(例えば、より小さな表示、アイコン等)を表示するウィンドウより大きい可能性のある一つのウィンドウ内で表示されることができるように、拡大表示設定が提供され得る。さらに、示されるように、ある病変のような一つの異常が当該処理によって検出されたとき、前記異常は自動的に識別子(ID)312−3及び他の情報が割り当てられることができる。この情報は、一つの画像と関連して表示されることができ、前記画像情報内に含まれることができ、且つ後の使用のために保存されることができる。さらに、強調表示情報は、一つの画像の上に選択的に重ね合わせられることができる。したがって、前記画像の全体を表示することができ、さらに、例えばユーザが(例えば、メニューの選択を通じて)強調表示情報を前記画像の上に重ね合わせるよう要求するとき、同一の画像のシーケンスの中のその画像又は他の画像のための強調表示情報が、前記画像の上に選択的に重ね合わせられることができる。
【0095】
図4は、本システムによる別の画像表示を図示するスクリーンショット400を示す。スクリーンショット400は、スクリーンショット300と同様であり得る。しかしながら、スクリーンショット400は、甲状腺の左葉と一致し得る画像を図示する。
【0096】
図5は、本システムによるさらなる画像表示を図示するスクリーンショット500を示す。スクリーンショット500は、図3の画像306−1と一致する詳細な画像である画像506を表す。フォーカルゾーン(focal zone)位置インジケータバー512は、ユーザが、例えばキーボード、マウス、又はタッチスクリーンの場合にはスクリーンをタッチするポインタのような、あらゆるユーザ入力デバイスを通じてこれを変更することができるとき、前記スクリーン上に表示されることができる。ユーザは、選択514を通じて画像の輝度/コントラストもまた調整することができる。当然ながら、あらゆる他の望ましいインジケータ又は選択バーが表示されることができる。例えば、ユーザが画像をスクロールできるよう、スクロール/位置バーのようなさらなるユーザ制御を提供するために、必要に応じて前記インジケータ又は選択バーが表示されることができる。ユーザの選択の入力の後、画像506、並びに例えば注釈、キャリパー情報及び/又は他の情報のような対応する画像情報は、後の使用及びレビューのために保存されることができる。
【0097】
図6は、本システムによるさらに別の画像表示を図示するスクリーンショット600を示す。スクリーンショット600は、図4−5において示される甲状腺の峡部のビューに対応する詳細な画像である画像606を表す。ユーザの選択の入力の後、画像606、並びに例えば注釈、キャリパー情報及び/又は他の情報のような対応する情報は、後の使用及びレビューのために保存されることができる。
【0098】
示されないが、スクリーン300、400、500及び/又は600は、例えばアイコン、又は例えばスキャン、ファイル、印刷、画像の転送(例えば、あるディスプレイから別のディスプレイへ)、ミュート、転写(transcribe)及び/若しくはヘッドピース(headpiece)の使用のため、必要に応じてユーザにより選択されることのできるメニュー項目を含み得るユーザ選択も図示することができる。さらに、当技術分野で知られる一つ以上のメニューが、ユーザの利便性のために提供されることができる。表示される画像及び関連するデータは、図1A及び図2において示される処理の間、あらゆる時点において保存されることができる。しかしながら、履歴モードは、いつデータが追加され、及び/又は編集されているかを示す情報を集めるために有効化されることができる。履歴モードは、ユーザが元の情報を戻って参照することができ、並びに/又はいつ、及び/若しくは誰が、例えば生成されたレポート内に保存され得るある情報に変更を加えたか見つけ出すことができるよう、有効化されることができる。さらに、前記変更は、後の使用のために保管されることもできる。
【0099】
したがって、本システム及びデバイスによれば、正確で、使い勝手が良く、低コストで、アップグレードが可能で、信頼性があり、且つ標準化された画像システムが提供される。
【0100】
本システムは、甲状腺超音波画像システムに関して説明されているが、本システムは複数の画像が体系的方法において取得される、他の医用画像システムへと拡張することができることも想定される。したがって、本システムは、他の画像アプリケーションと同様に、腎臓、精巣、乳房、卵巣、子宮、甲状腺、肝臓、脾臓、心臓、動脈系及び静脈系に関連する画像情報を取得し、及び/又は記録するために用いられることができる。さらに、本システムは、本システムの特徴及び利点を提供することができるよう、従来の画像システムとともに用いられることのできるプログラムをさらに有することもできる。
【0101】
さらに、本システム、装置及び方法は、明確な目印(landmark)が定義され、且つ再現されることができるとき、あらゆる小さな部分の撮像へと拡張されることもできる。さらに、本方法は、例えば超音波画像システムのような既存の画像システムに適用できるプログラムコード内に具体化されることができる。適切な超音波画像システムは、例えば、小さな部分の撮像に適し得る、従来のVLI3−5(商標)Broadband Liner Arrayをサポートし得るPhilips(商標)超音波システムを含むことができる。さらに、例えばQLAB(商標)のような分析技術は、ある撮像装置に搭載されて(on−cart)利用可能であり、又は検査室の外部で実行され得る後処理プログラムとして利用可能であり得る。さらに、複数の結節、小胞のような解剖学的実体(anatomical entities)、又は他の検出可能な物体は、本システムを用いて追跡され得る。さらに、本システムの方法は、例えばX−matrix(商標)又はメカニカルトランスデューサを含み得る、例えば目盛り付き3D変換器のような変換器を用いて取得されるボリュームに適用されることができる。
【0102】
本発明のいくつかのさらなる利点及び特徴は、本開示書を検討する段階で当業者に明らかになり、あるいは、本発明の新しいシステム及び方法を採用する者により経験され得る。代表的な利点及び特徴は、その操作についてのより信頼できる画像取得システム及び方法が提供されることである。本システム及び方法の別の利点は、従来の医用画像システムが、本システム、デバイス及び方法の特徴及び利点を含むよう容易にアップグレードされることができることである。
【0103】
当然ながら、あらゆる上記実施形態又は処理の一が、一つ以上のほかの実施形態及び/若しくは処理と組み合わせられることができ、又は分離されることができ、並びに/又は本システム、デバイス及び方法に従う個別のデバイス若しくはデバイスの部分の中で実行されることができる。
【0104】
最終的に、上記議論は、本システムの単なる例示であるよう意図されており、添付されるクレームをあらゆる特定の実施形態又は実施形態のグループに制限するよう解釈するべきではない。したがって、本システムは、例示的な実施形態に関して特定の詳細において説明されているが、数値の変更及び代替の実施形態が、後続のクレーム内で説明される本システムの上位及び意図される精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって考え出され得ることも理解されるべきである。したがって、本明細書及び図面は、例示的な方法としてみなされるべきであり、添付されるクレームの範囲を制限することを意図するものではない。
【0105】
添付されるクレームの翻訳において:
a)“からなる”の語は、与えられるクレーム内にリストされる要素又は動作の以外の要素又は動作の存在を除外しない;
b)要素に先立つ“一つの(a)”又は“一つの(an)”の語は、そのような要素の複数の存在を除外しない;
c)クレーム内のいかなる参照符号も、その範囲を制限しない;
d)いくつかの“手段”は、同一の事項又は同一のハードウェア若しくは同一のソフトウェアで実装された構造若しくは機能により表現されることができる;
e)いかなる開示される要素も、ハードウェアの一部(例えば、個別の、及び統合された電子回路を含む)、ソフトウェアの一部(例えば、コンピュータプログラム)及びあらゆるその組み合わせからなることができる;
f)ハードウェアの一部は、アナログ部とデジタル部とのうち一又は両方からなることができる;
g)いかなる開示されるデバイス又はその部分も、特に明示されない限り、組み合わされることができ、又はさらなる部分へと分離されることができる;
h)あらゆる動作又はステップの特定のシーケンスは、特に示されない限り、必須のものとして意図されていない;
i)要素の“複数の”の語は、二つ以上のクレームされる要素を含み、あらゆる特定の範囲又は要素の数を暗示するものではない;すなわち、複数の要素はわずか二つの要素でもあり、非常に多くの要素を含み得る
と理解されるべきである。
【符号の説明】
【0106】
104 メモリ
106 ディスプレイ
108 モデム
110 マイク
112 スピーカ
120 ネットワーク
122 記憶装置
124 リモート端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのコントローラを有する医用画像システムであって、前記コントローラは:
第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報を受信し;
第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信し;
前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定し;
前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示する;
よう構成されることを特徴とする、医用画像システム。
【請求項2】
前記第一の画像情報に関連する情報を取得するよう構成される超音波プローブをさらに有する、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項3】
前記第一の画像情報内の前記一つ以上の画像は、互いに直交する面に一致する少なくとも二つの画像を有する一連の画像を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項4】
前記第一の時点及び/又は前記第二の時点において取得される前記一つ以上の画像は、一連の画像と一致する
ことを特徴とする、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項5】
前記コントローラは、キャリパー入力が要求されているかどうか決定するようさらに構成される、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第一の画像情報及び/又は前記第二の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する情報を結合するようさらに構成される、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項7】
前記座標情報は、計算された画像の輪郭情報に基づくことを特徴とする、請求項6に記載の医用画像システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所の一つ以上の成長速度を決定するようさらに構成される、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第二の座標情報と比較して変化していると決定されたとき、第一の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるようさらに構成される、請求項1に記載の医用画像システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化していないと決定されたとき、前記第一の強調表示とは異なる第二の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるようさらに構成される、請求項9に記載の医用画像システム。
【請求項11】
一つ以上のコントローラにより実行される画像処理方法であって:
第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報を受信する段階と;
第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信する段階と;
前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定する段階と;
前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示する段階と;
を有する、画像処理方法。
【請求項12】
超音波プローブから前記第一の画像情報に関連する情報を取得する段階
をさらに有する、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記第一の時点において取得される前記一つ以上の画像は、第一の一連の画像と一致することができ、さらに、前記第二の時点において取得される前記一つ以上の画像は、第二の一連の画像と一致する
ことを特徴とする、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項14】
互いに直交する面と一致する二つ以上の画像からの情報を用いて、三次元ボリューム画像を生成する段階
をさらに有し、
前記二つ以上の画像は、前記第一の時点において取得される前記一つ以上の画像及び/又は前記第二の時点において取得される前記一つ以上の画像から選択される
ことを特徴とする、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項15】
キャリパー入力が要求されているかどうか決定する段階
をさらに有する、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記第一の画像情報及び/又は前記第二の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する座標情報を決定する段階
をさらに有する、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項17】
画像の輪郭情報を計算する段階
をさらに有する、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記第一の画像情報の中の前記一つ以上の場所の成長速度を決定する段階
をさらに有する、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項19】
前記第一の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の前記一つ以上の場所に対応する前記第二の座標情報と比較して変化していると決定されたとき、第一の強調表示を前記第一の画像情報と関連付ける段階
をさらに有する、請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項20】
前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化していないと決定されたとき、前記第一の強調表示とは異なる第二の強調表示を前記第一の画像情報と関連付ける段階
をさらに有する、請求項19に記載の画像処理方法。
【請求項21】
超音波プローブから画像情報を受信するよう構成される、コンピュータ読み取り可能な媒体上に具現化されたアプリケーションであって、前記アプリケーションは、コントローラに:
第一の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第一の画像情報を受信させ;
第二の時点において取得される一つ以上の画像と一致する第二の画像情報を受信させ;
前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する第二の座標情報と比較して変化しているかどうかを決定させ;
前記決定の結果に基づいて前記第一の画像情報を強調表示させる;
コードを有する、アプリケーション。
【請求項22】
前記コードは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する座標情報と比較して変化していると決定されたとき、第一の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるように、前記コントローラを制御する
ことを特徴とする、請求項21に記載のアプリケーション。
【請求項23】
前記コードは、前記第一の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第一の座標情報が、前記第二の画像情報の中の一つ以上の場所に対応する前記第二の座標情報と比較して変化していないと決定されたとき、前記第一の強調表示とは異なる第二の強調表示を前記第一の画像情報と関連付けるように、前記コントローラを制御する
ことを特徴とする、請求項22に記載のアプリケーション。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−513279(P2012−513279A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542957(P2011−542957)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055711
【国際公開番号】WO2010/073178
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】