説明

医療行為を実行するために乳管にアクセスするための医療器具およびその使用方法

乳管に液体を導入するため、および乳管内からの管上皮細胞を含む管液試料を収集するために使用可能な、薄型の人間工学的多岐管ハブを備える管アクセスデバイスを備える医療器具(10)。この管アクセスデバイスはまた、活性化バルブおよび延長アクセスカテーテルを備え、このカテーテルは、遠位端(42)、1つの内腔(43)、および、管開口部を通しての遠位端(42)の導入を可能にしかつスライドして管導入部(50)を受容するように適合されている寸法を有する。この導入部(50)は、カテーテル(40)の遠位先端部(42)の向こう側に伸び、かつ管開口部を貫通するように働いてもよい。この方法は、管アクセスデバイスを通して制御された液圧を使用する、管括約筋の開口または乳房、管の操作を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、診断的または治療的な医療行為を実行するために哺乳動物の身体に導入される少なくとも部分を有する医療器具に関し、より具体的には、本発明は、薄型でありかつ管開口部を通して乳管に導入されるようにサイズ決定された部分を少なくとも有する、診断的または治療的な医療行為の間に使用可能である医療器具に関する。
【0002】
関連出願
本願は、2004年12月23日に出願された米国特許出願第10/746,128号、2004年12月23日に出願された米国特許出願第10/746,950号、2004年12月23日に出願された米国特許出願第10/746,940号、2004年12月23日に出願された米国特許出願第10/746,121号、および2004年12月23日に出願された米国特許出願第10/746,117号の恩典を主張する。これらの特許出願の全体の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0003】
目次
乳管にアクセスするための医療器具(英文1頁)
軸外先端部を有する管洗浄カテーテル(英文25頁)
管洗浄カテーテル(英文44頁)
制御液圧を使用して管括約筋を開く方法(英文69頁)
ユーザによって活性化されるバルブおよびNitinol導入部を伴う管洗浄マイクロカテーテル(英文91頁)
【背景技術】
【0004】
発明の背景
乳房は、乳頭から放射状に広がり、かつ極めて密度の高い結合組織によって一緒に結合されている複雑な乳管の系を含む、特化した腺構造である。これらの乳管の各々は、管液がそこから絞り出されてもよい乳頭の表面上の付随する管開口部を含む。これらの管は、主要な乳汁分泌分岐を通して流出する、一連の連続する小葉間分岐を含み、この分岐は、付随する管開口部を経由して乳頭において乳房の末端となりかつ乳房から出る。管開口部のすぐ近傍では、各乳管が乳管洞を含み、そこでは管液が蓄積し得る。管括約筋は乳管洞中に存在し、その関連する管開口部を通して乳管から意図的でなく出る管液を妨害する。
【0005】
乳癌は、これらの乳管の裏層で始まると考えられている。数十年間の間、乳癌を研究するために専念した医学界のかなりのメンバーは、乳管内からの乳頭放出液から回収した細胞の細胞学的研究が、乳癌のリスクがある患者を同定することに導く価値のある情報を提供するかもしれないと考え、かつそのことを示してきた。確かに、Papanicolaouは、乳頭放出液中に含まれる細胞を分析することによって、乳癌についての「Pap」スメアのこのような可能性の生成に寄与した。より最近では、癌特異的マーカーは、乳頭吸引によって得られる管液中で検出されてきた。しかし、医学界のこれらのメンバーによって使用された回収技術および器具は、意味のある管液試料を日常的に入手しなかった。
【0006】
管上皮細胞を含む乳管液試料を回収する彼らの試みにおいて、実務者は、留置する髪の毛様単一内腔カテーテルを使用して、乳管に洗浄液を導入した。この液が管に導入された後、液体導入カテーテルは取り外された。次に、外部から適用された乳頭吸引技術または乳房に提供された外圧を使用して、管液の試料を収集した。しかし、これらの技術は、顕著な、時折痛みのある圧力が乳頭表面上に、または乳房の側に沿って作製されて、管括約筋の液体残存特性に打ち勝つことを必要とした。また、これらの技術は、意味のある細胞分析のために、十分な数の管上皮細胞を意味のある管液試料に日常的に提供しなかった。これらの技術は、典型的には、20個以下の管上皮細胞を有する試料の回収をもたらした。さらに、これらの技術は、10個以上の細胞の細胞クラスターを試料に提供しなかった。結果として、得られた液体試料は、彼らがそこから回収した管が前癌細胞または癌細胞を含んでいたか否かを正確に示すことを一貫して提供することができなかった。一貫した、意味のある管上皮細胞試料は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、Hungらへの米国特許第6,413,228号において開示される医療器具によって提供されてきた。
【0007】
他の医療器具、例えば、乳造影術の間に使用されるものは、乳管内の癌細胞の存在を視覚的に決定するために乳管に導入される。しかし、これらのデバイスは、実行される手順の間に、乳管からの距離を伸ばす。これらの距離は、12インチ以上であり得る。結果として、操作者が道具を保持していない場合には、管から伸びた器具の部分の重量および長さによって生じるモーメントが、器具の留置部分を、管の側壁に係合させ、回転させ、および/または管をねじりかつ乳頭を変形させるかもしれない。管および乳頭に対するこれらの効果は、器具の留置部分をねじりまたはしわを作ることによって、おそらく、患者の管を損傷し、かつ患者に対して顕著な不快を生じることによって、手順を妨害するかもしれない。結果として、患者は、これらの長い器具または付添人によって引き起こされる痛みおよび不快のいずれにも耐えなければならず、または付添人は、医療行為の間に患者の上で器具を一定に保持しなくてはならない。しかし、手術台周辺の制限された空間において、および乳頭表面を取り囲む領域において、付添人に、乳管に伸びている器具の末端を一定に保持させることは実用的ではない。それゆえに、手順を受容する前に、患者は、手順の間の不快を被るか、または手順を実行させないことを選択するかのいずれかを決定しなければならない。先行技術の器具はまた、乳頭の周辺の領域において作用しながら、実務者または付添人によって容易に握りかつ調整するために人間工学的に設計されていない。
【0008】
堅い管括約筋または蛇行性管開口部を有する患者は、カテーテルの留置部分をねじるかまたはひだを作ること、おそらく、患者の管を損傷することおよび患者の顕著な不快を引き起こすことに起因して、洗浄手順に伴う困難さを経験するかもしれない。従って、患者に対する最小限の不快を伴って乳管にアクセスするための改善方法が必要である。
【0009】
ヒトの乳房は、脂肪組織、線維組織、乳管および乳腺から構成される。ヒトの乳房は、6〜8個、またはそれ以上の乳管を含むと考えられている。上記に議論した管洗浄手順、および資料収集の結果は、乳癌の初期の警告のために患者をスクリーニングする際の非常に有効であるかもしれない。しかし、管洗浄手順を実行する際に、医師は、乳管にカテーテルを挿入することの困難さを有するかもしれない。乳管は、胸部の乳腺への複雑な解剖学的経路である。医師は、管の内壁に損傷を引き起こさないように、および/または管を穿刺しないように、乳管に接触しなくてはならない。しかし、カテーテルが乳管により深く挿入されれば、乳管壁を穿刺するリスクがより大きくなると考えられている。それゆえに、管の相対位置にカテーテルを適合させ、かつ管のネットワークの分岐にカテーテルをより深く指向させるために、その可撓性および堅さを調整することを医師に可能にする管アクセスカテーテルについての必要性が存在する。
【0010】
管アクセス手順の間、カテーテルは、患者に対してある程度の不快を引き起こすかもしれない、乳頭における管開口部に挿入される。従って、改善された挿入系および管アクセスのための方法が必要である。
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明の1つの局面に従って、乳管に液体を導入するため、ならびに乳管内からの管上皮細胞および管上皮細胞の集団を含む管液試料を収集するために使用可能である薄型多岐管ハブを備える管アクセスデバイスを備える医療器具が提供される。この管アクセスデバイスはまた、遠位端、1つの内腔、および管開口部を通して遠位端の導入を可能にし、かつヒト乳房の管括約筋に対して遠位である遠位端を配置する寸法を含む。このカテーテルは、ユーザが、カテーテルの遠位端がそこに導入された深さを決定することを可能にする、その外表面上の長さの指示を含んでもよい。この医療器具は、乳頭の表面上の所望の距離に多岐管ハブを調整可能に配置するための少なくとも1つのスペーシング部材(スペーサー)を備えてもよい。このスペーシング部材は、カテーテルの管までの挿入深さを制御し得る。この医療器具はまた、乳房にデバイスを固着するための少なくとも1つの部材を含んでもよい。
【0012】
本発明のもう1つの局面において、乳管内に導入および配置されるための装置が提供される。この装置は、乳管内で物質を導入または取り出しを行ってもよい。この装置は、多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を含む多岐管ハブを備える。開口部の少なくとも2つは、多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネルと液体で連絡している。この装置はまた、多岐管ハブから伸びるカテーテルを備える。このカテーテルは、乳管内に配置されるためにサイズ決定され、かつ構成される。この装置は、乳頭の表面上の距離を、多岐管ハブの間隔を空けるためにカテーテルの長さに平行な方向に動かしてもよい収納可能スペーサーをさらに備える。
【0013】
本発明のなおもう1つの局面において、乳管に液体を導入するための医療デバイスが提供される。この医療デバイスは、乳管内で伸びるようにサイズ決定されかつ構成されるカテーテルを備える。このカテーテルは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる内腔を備える。この医療デバイスはまた、カテーテルに接続され、かつ液体で連絡している多岐管ハブを備える。この多岐管ハブは、多岐管ハブの内部において液体で連絡している少なくとも4個のポートを備える。この少なくとも4個のポートの少なくとも2個が、導入ラインおよび管液収集ラインを受容するために多岐管ハブ内に形成されたチャネルと液体で連絡している。この多岐管ハブは、カテーテルの縦軸と平行に伸びる高さおよびカテーテルの縦軸と垂直に伸びる長さを有する。多岐管ハブの長さは、多岐管ハブの高さよりも大きい。
【0014】
本発明のさらにもう1つの局面において、乳管から液体を吸引するための管アクセスデバイスが提供される。この管アクセスデバイスは、乳管に導入される液体を受容するための多岐管ハブ、および多岐管ハブから伸びるカテーテルを備える。このカテーテルは、乳管内に配置されるようにサイズ決定され、かつ乳管内で液体を導入および受容するための内腔を備える。この内腔は多岐管ハブと液体で連絡し、乳管内から管液試料を受容するようにサイズ決定される。この管アクセスデバイスはまた、多岐管ハブと液体で連絡している陰圧の供給源を備え、その結果、多岐管ハブ内の管液試料は、収集デバイス内で受容されるために陰圧の供給源にまで引き出される。
【0015】
本発明に従うカテーテルは、約0.01インチ(0.254mm)〜約0.05インチ(または1.27mm)の外径を有してもよい。このカテーテルは、約0.007インチ(または0.0178mm)〜約0.047インチ(または1.19mm)の範囲の内腔直径を有してもよい。付随する多岐管ハブは、さらに、注入デバイスからカテーテルの内腔までの液体流路を適用する注入コネクタ;およびカテーテルの内腔から液体収集デバイスまでの液体出口経路を提供する収集コネクタを備えてもよい。
【0016】
水密密封系が多岐管ハブの近位端に位置してもよい。この密封系は、拡張器の周囲で密封してもよく、または他の導入部が医療器具の内部に配置されかつそこを通して伸びてもよい。このような密封系は、Touhy-Borstフィッティングを含んでもよい。カテーテルを伴う使用のための拡張器または他の導入部は、0.024インチ(または0.61mm)〜約0.001インチの外径を有してもよい。導入部はまた、先細になっていてもよい。
【0017】
発明の詳細な説明
図1は、乳管内で医療行為を実行するための、薄型の単一内腔医療器具10の態様を図示する。本明細書で使用される場合、語句「医療行為」は、調製手順、診断手順、または治療手順を含んでもよい。これらの手順は、乳管に物質を送達する工程、および/または乳管内から物質を回収する工程を含むことができる。
【0018】
1つの態様において、医療器具10は、多岐管ハブ20に送達される管洗浄液を乳管に注入するため、ならびに分析のために乳管内から、数百個の管上皮細胞および/または10個より多くの細胞集団を含む管液試料を収集または引き出すために使用されてもよい。もう1つの態様において、医療器具10は、乳管に診断剤または治療剤を注入するために使用されてもよい。図1〜8に示されるように、器具10はまた、患者に器具10を固定するための部材11を含んでもよい。固定部材11は、患者に器具10を接触および付着させるために一方の側に生体適合性接着剤を有してもよい。部材11は、患者の身体に対して多岐管ハブ20の移動を妨害するようにサイズ決定される。図7および8において図示される態様において、部材11の区画11Aおよび11Bは、固定部材11が、患者および手順の間に生じる力に調整され得るように、互いに対して折りたたまれてもよい。さらに、部材11は、スペーサー90の遠位に配置され得る(以下で議論する)。
【0019】
図1〜6に図示されるように、医療器具10は、多岐管ハブ20、および多岐管ハブ20の遠位端21から伸びる管アクセスカテーテル40を備える。アクセスカテーテル40は、乳管にアクセスするようにサイズ決定される。図示されるように、多岐管ハブ20は、カテーテル40の長さに平行に伸びる方向で薄型(高さ)を有してもよい。図1〜6に図示されるように、多岐管ハブ20の高さはその長さ(これがカテーテル40の長さに垂直に伸びる方向)よりも小さくてもよい。第1の態様において、多岐管ハブ20は、約0.25インチ〜約0.375インチの範囲の幅、および約0.75インチ〜約1.0インチの範囲の高さを有してもよい。もう1つの態様において、多岐管ハブ20は、1ml未満の内部液体容量を有する。薄型の多岐管ハブ20は、大きなトルクが医療行為の間に患者の管に適用される可能性がある、カテーテル40の長さに沿った位置において回転軸が形成されることを妨害する。管の任意のトルク発生を除去するか、または少なくとも有意に減少させることによって、管はねじれず、管組織の位置の変化に起因して閉鎖せず、または管の上皮の裏層に対してカテーテル40を押すことに起因して損傷しない。器具10はまた、付添人または実務者による容易な取り扱いおよび握ることを可能にする人間工学的設計を有し、その結果、多岐管ハブ20およびカテーテル40は容易に操作され得る。
【0020】
多岐管ハブ20が乳頭表面から間隔をあける必要がある事象において、収納可能スペーサー90は、図7および8に示されるように、多岐管ハブの遠位端およびカテーテル40の近位端に配置され得る。収納可能スペーサー90は、約1mm〜約10mmの範囲、最も典型的には約5mmの範囲の間隔をあけた距離を有し得る。第1の態様において、収納可能スペーサー90は、第2のスペーシング部材90内に受容される第1のスペーシング部材92を含んでもよい。または、第1のスペーシング部材92は、第2のスペーシング部材93を伸縮自在に受容してもよい。この態様において、第1の部材92は、多岐管ハブ20に対して相対的に動作に対して固定され、一方第2の部材93は、第1の部材92と多岐管ハブ20の両方に対して相対的に移動可能である。代替の態様において、スペーシング部材92、93の両方が、多岐管ハブ20に対して相対的に移動可能である。乳頭の表面から多岐管ハブ20を間隔をあけるために必要とされる距離、例えば、約15mmから20mmの間の距離は、伸長位置にスペーシング部材92、93をロックすることによって制御されてもよい(図8)。または、収納可能スペーサー90は、収納位置にロックされてもよい(図7)。代替の態様において、収納可能スペーサー90は、多岐管ハブ20の一部をスライド可能に受容して収納位置を達成し、および多岐管ハブ20の末端にロックされて伸長位置を達成する、単一の移動可能なスペーシング部材95を備える。上記に議論した態様のいずれかにおいて、スペーシング部材92、93、95は、互いにおよび多岐管ハブ20に相対的な並進運動に対してスペーシング部材92、93、95を各々ロックするために、互いにおよび多岐管ハブ20に相対的に回転されてもよい。伸縮自在部材のための任意の公知の回転ロッキング系が使用されてもよい。または、スペーシング部材92、93、95は、周知のスナップロックを使用してロック位置にされてもよい。さらなるスペーシングが必要とされる場合、異なるサイズの部材92、93、95または2つより多くの伸縮自在部材が提供されてもよい。
【0021】
多岐管ハブ20は、透明材料で形成されてもよく、その結果、付添人または実務者が多岐管ハブ20内の液体および物質を容易に見ることができる。透明材料はプラスチック、例えば、ABSプラスチックまたは他の公知のプラスチック材料であってもよい。図1〜8に図示されるように、多岐管ハブ20の態様は、実質的に「F」字型を有してもよい。
【0022】
図2A、2B、および4に示されるように、多岐管ハブ20は、洗浄液、診断剤、または治療剤を含む物質が注入デバイス38から、第1のポート30、多岐管ハブ20、および最終的に、管アクセスカテーテル40までそこを通って送達される、注入チューブ34に接続するための第1のポート30を備える。接続された注入デバイス38は、シリンジまたは他の公知の液体容器を備えてもよい。1つの態様において、注入デバイス38は、患者の乳房の上の位置に配置された液体容器、例えば、バッグまたはコンテナを備えてもよい。この態様において、患者の乳房の上のコンテナの高さおよび重力が使用されて、注入デバイス38から注入チューブ34まで液体を送達する。
【0023】
図2A、2B、および4に示されるように、多岐管ハブ20はまた、収集チューブ36への接続のための第2のポート32を備える。乳管内から収集される管液試料は、多岐管ハブ20から、収集チューブ36を経由して、収集容器39に送達されてもよい。収集容器39は、シリンジまたは医学用液体バッグもしくはコンテナを含む、他の公知の液体収集デバイスを備えてもよい。1つの代替において、収集容器39は、陰圧の供給源を備えるか、またはそれに接続されてもよく、その結果、低圧の領域が、収集チューブ36内に、および必要な場合、収集容器39への回収された管液試料の送達において補助するために多岐管ハブ20に作られ得る。この低圧の領域、例えば、1つの態様において真空は、バルブシリンジ、手動操作真空供給源、足操作真空供給源、またはモーター制御真空供給源を使用して作られてもよい。これらの真空供給源は、収集チューブ36内の陰圧を作るポンプを備えてもよい。低圧の供給源に加えて、または低圧の供給源の代わりに、収集チューブ内の低圧は、多岐管ハブ20に液体を注入することによって作られてもよく、それによって、収集チューブ36と比較して、多岐管ハブ20内の圧力を増加させる。これらの任意の態様において、収集容器39は、手順の間に患者の下の位置に配置されてもよく、その結果、収集された管液試料は、重力によって容器39に送達され得る。
【0024】
第1および第2のポート30、32は、図2Aおよび2Bに示されるように、管の中に、または管から外側へいずれかの液体の流れに誘導する、円形、卵形、または他の幾何学的形状である、多岐管ハブ20の側壁に沿った開口部を備えてもよい。ポート30、32の直径は、管の中への所望の流速または管から外側への吸引もしくは収集の速度を達成するために適切な直径であり得る。従って、ポート30、32の直径は、約0.060インチ〜約0.090インチの範囲であり得る。とりわけ、このような異なるポートサイズが内腔の1つの中にもしくはそこから外側への所望の流速、または注入の全体の洗浄効率ならびに洗浄液および管液の吸引もしくは収集を提供する場合、1つの側ポート30、32は他方よりもより大きいかまたはより小さくてもよい。
【0025】
図1〜6は、第1および第2のポート30、32およびそれらの付随するチューブ34、36それぞれが、多岐管ハブ20およびカテーテル40の縦軸に対して横軸方向に伸びるコネクタハウジング25中に配置されることを図示する。このコネクタハウジング25は、単位エレメントとして、多岐管ハブ20内に一体化して形成されてもよい。または、コネクタハウジング25は、多岐管ハブ20とは分かれて形成されてもよく、カテーテル40に関して、以下に議論されるように、多岐管ハブ20に固定されてもよい。コネクタハウジング25は、チューブ34、36を各々受容する2つのチャネル26を備える。チャネル26は、多岐管ハブ20上のポート30、32から、外部のコネクタハウジング25の末端表面まで伸びる。各チャネル26は、チューブ34、36の、それらのそれぞれのポート30、32への容易な、信頼性のある、かつ迅速な接続のために、そのそれぞれの多岐管ハブポート30、32ともに、受容したチューブ34、36を一直線にする。チャネル26はまた、それらのポート30、32への接続のそれらの点において、チューブ34、26を支持し、その結果、チューブ34、36は、それらがそれらのそれぞれのポート30、32と接続する点に関してモーメント(これは管にトルクを生じ得る)を生じない。コネクタハウジング25はまた、付添人または実務者によって握られてもよい、一体化して形成され、またはさもなくば固定されたリッジ29を有する成形側壁28を備えてもよい。成形側壁28は、付添人または実務者によって容易に握ることを可能にし、および付添人または実務者が、器具10を見ることなく、手順の間に器具10を正しい方向に置くことを可能にする。
【0026】
図2Bに示される態様において、第1および第2のポート30、32は、コネクタハウジング25内に伸び、かつ可撓性の注入チューブおよび収集チューブ34、36を受容するポスト35を備えてもよい。1つの態様において、注入チューブおよび収集チューブ34、36は、外科チュービングなどの可撓性チュービングから形成されてもよい。しかし、チューブ34、36は、可撓性プラスチックを含む任意の可撓性材料から形成されてもよい。1つの態様において、チューブ34、36は可撓性PVCから形成される。
【0027】
ポスト35は、チューブ34、36がポスト35の上、またはその中に配置される場合に、チューブ34、36を固定して受容してもよい。または、ポート30、32およびそれらの付随するポスト35は、チューブ34、36の第1の末端上で対応するルアーロックフィッティングと連係するルアーロックフィッティング(示さず)を備えてもよい。チューブ34、36の第2の末端はまた、シリンジまたは他の液体コンテナ上で標準的なルアーロックフィッティングと一緒になるルアーロックフィッティングを備えてもよい。このルアーロックフィッティングは、オスまたはメスのいずれのフィッティングであってもよい。本明細書で議論されるように、シリンジおよび他の液体コンテナは、生理食塩水、造影物質などの診断物質、および治療的処置物質を、注入チューブ34に運び、かつ注入してもよい。チューブ34、36は、UV硬化可能な接着剤または他の公知の結合剤を使用して、多岐管ハブ35のポスト35およびルアーロックに固定されてもよい。代替の態様において、チューブ34、36は、オーバーモールドによって、多岐管ハブおよびルアーロックに固定されてもよい。
【0028】
図1〜6に示されるように、第1のポート30は、多岐管ハブ20の周囲に沿って第2のポート32に隣接して配置されてもよい。図示された態様において、周囲に隣接するポート30、32は、多岐管ハブ20の第1および第2の末端22、24から同じ縦軸方向の距離間隔があいている。このポート30、32の間隔は、コンパクトでかつ薄型の多岐管ハブ20を提供し、これは、上記に議論したように、多岐管ハブ20が患者の上に配置され、かつ実務者または他の付添人からの支持がない場合に、管にトルクを発生するモーメントおよび付随する力を生じない。
【0029】
第2のポート32は、多岐管ハブ20の壁の周りで第1のポート30からの任意の距離で周囲が間隔があいていてもよい。1つの態様において、第1のポート30は、多岐管ハブ20の周辺の第2のポート32から、45から90度の間の片寄りであってもよい。代替の態様において、第1のポート30は、第2のポート32から、90〜180度の間、多岐管壁に沿って周囲において(circumferential)片寄ってもよい。1つの態様において、第1のポート30は、第2のポート32から約180度、周囲において片寄っており、その結果、第1および第2のポート30、32は、多岐管ハブ20内で互いに対抗する。
【0030】
代替の態様において、第2のポート32が、第1のポート30よりもカテーテル40から縦軸方向により大きく離れて間隔のあいた位置でハブ20に沿って位置することが可能である。この態様において、第2のポート32は、収集カテーテル40から多岐管ハブ20に入る液体を収集するために使用されてもよい。例えば、1つのポートが、カテーテル40の遠位先端部から約2.0cmに位置してもよく、1つのポートが、カテーテル40の遠位先端部から約2.5cmに位置してもよい。
【0031】
チューブ34および36は、多岐管ハブ20の中に、またはその外側への液体を制御するための一方向チェックバルブ39(図2A)を各々備えてもよい。チューブ34におけるこのチェックバルブ39は、例えば、チューブ34に注入された後で、洗浄液がチューブ34に接続されたシリンジに逆流することを妨害し得る。同様に、チューブ36におけるチェックバルブ39は、チューブ36中の回収した管液試料が多岐管ハブ20に逆流することを妨害するために使用され得る。代替の態様において、チューブ34、36上のピンチクランプは、1つまたは両方のチェックバルブ39を置き換えてもよい。例えば、チェックバルブ39は、注入チューブ34内に配置されてもよく、従来的なピンチクランプは、収集チューブ36上に配置されてもよい。チューブ34、36内で液流の方向およびタイミングを制御するための他の公知のデバイスもまた、使用されてもよい。
【0032】
図1〜6に示されるように、カテーテル40は、多岐管ハブ20に固定される、薄い壁を有するマイクロカテーテル41を備える。第1の態様において、マイクロカテーテル41は、多岐管ハブ20の一部として一体化して形成される。もう1つの態様において、マイクロカテーテル41は、別個の小片として形成され、次に微細熔接またはUV硬化可能な接着剤によって多岐管ハブ20に固定される。マイクロカテーテル41を多岐管ハブ20に固定するための他の公知の技術を使用することができる。上記に議論した態様のいずれかにおいて、カテーテル40は、乳管開口部にそれを容易に導入されることを可能にする、潤滑性コーティングを提供するために公知の薬剤でコートされてもよい。このコーティングは、潤滑剤、洗浄剤、麻酔剤、および/または拡張剤を含んでもよい。マイクロカテーテル41は、FEPなどの任意の公知の生体適合性坐量で形成されてもよい。カテーテル40は、約0.01インチ(約0.25mm)〜約0.05インチ(約1.25mm)の範囲の外径を、約0.008インチ(約0.2mm)〜約0.047インチ(約1.2mm)の範囲の直径を有する内腔43とともに有してもよい。1つの態様において、マイクロカテーテル41は、約0.030インチ(約0.762mm)の外径および約0.025インチ(約0.63mm)の内径を有する内腔43を有する。
【0033】
カテーテル40は、ユーザが、カテーテルの遠位端が乳管に導入された深さを決定することを可能にする、カテーテル40の外面上の長さ表示(示さず)を含んでもよい。代替の態様において、カテーテル40は、管中での所定の距離の向こう側へのカテーテルの挿入を妨害する、一体化して形成され、または結合された停止エレメント(示さず)を備えることができる。1つの態様において、停止エレメントは、カテーテル40の遠位部分が、ノブがカテーテル40の遠位端から間隔をあけているよりも長い距離に管を入れることを妨害するための、増加した直径を有するカテーテル40上のノブを備えてもよい。
【0034】
図1〜7に図示されるように、カテーテル40は、受容された導入部50との滑らかな移行をなすためにその長さに沿って先細にされてもよく、その結果、患者にいくらかの痛みを引き起こすカテーテル40と導入部50の間の目に見える変化が形成されず、かつ患者によって知覚されない。カテーテル40はまた、その遠位端42に無外傷遠位端を備えてもよい。遠位先端部分42は、管開口部を通して入ること、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際の管に対する外傷を減少または除去する無外傷先端を作製するために、先細にされ、外形に合わせて成形され、および/または円形にされる。遠位先端部分42はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル40を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分42は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。先端部分42は、0.012インチ(約0.031mm)〜約0.020インチ(約0.051mm)の範囲の直径を有してもよい。1つの態様において、先端部分42は、0.014インチ(約0.036mm)〜約0.018インチ(約0.046mm)の範囲の直径を有する。先端部分42(カテーテル40の遠位部分の遠位端から、カテーテル40の近位部分に向かって伸びる)の長さは、約0.10インチ(約0.25cm)〜約1.0インチ(約2.5cm)の範囲、より典型的には、約0.20インチ(約0.50cm)〜約0.70インチ(約1.8cm)の範囲であってもよい。
【0035】
遠位先端部42を含む、強化されたカテーテル40の遠位部分は、約0.010インチ-ポンド〜約0.5インチ-ポンドの範囲の平均曲げ剛性を有してもよい。カテーテル40はまた、重い縫合糸の剛性(およそ0.025 OD)と同様の剛性を有してもよい。カテーテル40の近位部分は、管開口部を通して、および管内腔への挿入を阻害する、横断面の幾何学的配置および/またはサイズを有してもよい。
【0036】
Touhy-Borstフィッティング70は、図1〜6に示されるように、ユーザが導入部50の上でカテーテル40を容易に受容しかつ動かすことを可能にするために、多岐管ハブ20の近位端22に配置されてもよい。Touhy-Borstフィッティング70は、ガイドワイヤ、スタイレット、拡張器などを備える導入部50(以下に議論される)がそこを通して伸びてもよい、開口部77をカバーしおよび密封するために、多岐管ハブ20の末端に配置される。Touhy-Borstフィッティング70は、導入部50およびネジ付きキャップ76を受容するための小さなアパーチャ74を備えるシリコーンプラグ72を備える。キャップ76が第1の方向に回転される場合、シリコーンプラグ72が変化され、アパーチャ74のサイズが減少される。これは、挿入された導入部50の周囲でシールを形成するシリコーンプラグ72を生じる。キャップ76が第2の反対の方向に回転される場合、アパーチャ74および作製されたシールが開き、それによって、導入部50が取り出されることを可能にする。シリコーンプラグ72はまた、多岐管ハブ20の近位端をシールするために密封されてもよく、この場合、導入部50が存在せず、その結果、多岐管ハブ20の遠位端が液流に対してシールされ、この場合、近位端22は導入部50を含まない。
【0037】
導入部50は、図1に示されるように、管開口部を経由して乳管および管内腔にカテーテル40を配置する際に補助するために多岐管ハブ20内に配置されてもよい。導入部50は、先細の拡張器、漸次的により大きな直径の一連の拡張器、先細のガイドワイヤを含むガイドワイヤ、スタイレット、または他の公知の導入部を含んでもよい。図示されるように、導入部50は、多岐管ハブ20の近位端22においてTouhy-Borstフィッティング70を通過し、その結果、導入部50は、カテーテル40の位置決めの後および洗浄液の注入/収集の前に取り外されてもよい。上記に議論したとおり、乳管に挿入される前に、Touhy-Borstフィッティング70は、導入の間に導入部50の上で下に向き、次に、カテーテル40が乳管内で所望の深さまで配置された場合に後退されてもよい。導入部50は、金属ワイヤまたは可撓性プラスチックなどの堅い材料から形成されてもよい。1つの態様において、導入部50は、ステンレス鋼またはポリプロピレンモノフィラメントなどの可撓性材料から形成されてもよい。代替の態様において、導入部50は、複数の材料または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、導入部50は、同じ導入部50の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、導入部50は、管内腔内の導入部50を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、導入部50を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、導入部50は、管中での導入部50の導入および前進の間に導入部50と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0038】
導入部50は、形状記憶金属およびプラスチックを含む、金属またはプラスチックから作られてもよく、穏やかに探索し、および乳管にアクセスするために、先細にされ、および/または無外傷性の先端を有してもよい。好ましくは、先細にされた先端52は、カテーテル40の乳管への導入の間に、カテーテル40から遠位に伸びる。管のアクセスが完了した後、導入部50は引き出され、Touhy-Borstフィッティング70は密封されてもよく、留置カテーテル40は管括約筋に対して遠位の位置に配置されてもよい。導入部50は、約0.005インチ〜約0.030インチまでの外径を有してもよい。1つの態様において、導入部50は、約0.010インチの外径を有する。導入部50は、多岐管ハブ20およびカテーテル40の内腔を通して伸びてもよい。導入部50は、その長さの上で先細になってもよい。
【0039】
カテーテル40を管に導入するプロセスの間、管開口部は、実務者または付添人によって乳頭の表面上に配置され、かつ第1の導入部50は、管開口部を通して管に前進される。導入部50は、長い可撓性ガイドワイヤ、より短い拡張器、または任意の他の上述の導入部であってもよい。導入部50が管内に配置される前、またはその後に、多岐管ハブ20およびカテーテル40は、第1または第2の導入部50を受容してもよい。以前に議論したように、Touhy-Borstフィッティング70は、受容された導入部50に関してロックされて、多岐管ハブ20の遠位端で液密シールを形成してもよく、その結果、液体は、管へのカテーテル40の挿入の間に、導入部50周辺の多岐管ハブ20に流出しない(図9、10、12および13を参照されたい)。
【0040】
カテーテル40が意図されたように管内に配置される場合、Touhy-Borstフィッティング70が開き、かつ導入部50が取り外される(図11および14を参照されたい)。次に、Touhy-Borstフィッティング70は、ハブ20をシールするために再度閉じてもよい。次に、液体が、注入の間に抵抗に遭遇するまで、多岐管ハブ20まで、カテーテル40を経由して、および乳管まで、導入される。この時点で、管が満たされることが仮定される。次に、注入チューブ、例えば、チューブ34が閉じられてもよく、液体は、あらかじめ選択された時間、管中に残存させられる。このあらかじめ選択された時間の間、乳房はマッサージされ、搾られて、洗浄液および管液の混合を促進してもよく、また最終的に、液体が管を離れ、かつ多岐管ハブ20に入ることを助長してもよい。収集チューブ、例えば、チューブ36が開かれ、かつ乳房が搾られて、液体がカテーテル40を通して、および多岐管ハブ20に前進するように刺激してもよい。所望される場合、ハブ20(これは、透明であってもよく、または透明なウィンドウを備えていてもよい)中に濁った回収液が見られる場合には、注入チューブ34は開かれ、液体が多岐管ハブ20に注入されて、ハブ20中に収集された管液試料を、収集チューブ36および待ち収集容器まで押し出してもよい。または、およびおそらくさらに、吸引圧が、多岐管ハブ20内に、および収集チューブ36に提供されて、ハブ20中に残存している任意の液体を、収集容器まで吸引してもよい。このプロセスは、管への液体のもう1回の注入に従い、または搾ることのもう1回のラウンドによってのいずれかで反復され、乳管内での注入された液体および細胞物質を戻すことおよび収集を促進する。
【0041】
1つの態様において、洗浄の方法は、標準的なまたは古典的な仰臥位の(顔を上に向けた)位置よりも、洗浄手順の間に椅子に患者を実質的にまっすぐに座らせることを含んでもよい。または、患者は、傾いた位置で、顔を下にして、乳頭および乳房を下にして洗浄されてもよい。傾いた、顔を下にする位置は重力を利用し、手順の間、流出ポートが開いている場合に、乳管が収集容器に流れ出ることを可能にする。従って、上記に議論したように、洗浄手順は、流出内腔を閉鎖しながら、開いている流入内腔を通して洗浄液を乳管に注入すること;管が満たされた場合に流入内腔を閉鎖すること;乳房を搾りまたはマッサージすること、またはその両方;および洗浄液を収集するために流出内腔を開くこと、を含んでもよい。
【0042】
収集した細胞は管上皮細胞を含み得る;収集した管液は分子物質および細胞物質を含み得る。管上皮細胞ならびに/または管液中の分子物質および細胞物質の分析は、これらの収集した物質の可能な診断方法を議論して以下に記載されるように進行してもよい。収集した細胞および液体および液体成分が分析され得る。管細胞を含む洗浄液は、診断目的のために分析されてもよい。診断することが所望される胸部乳管の状態には、癌または前癌状態が含まれる。前癌状態は、異型導管過形成(ADH)または原位置軽度腺管癌(LG-DCIS)を含み得る。診断剤はまた、例えば、線維性、嚢胞性、または乳汁分泌に関連する状態を含む、他の乳房関連状態を診断する能力を有し得る。診断剤は、管液と混合されてもよい(洗浄手順中に、または液体が収集された後のいずれかで)。
【0043】
管を洗浄するために管に注入される液体は、公知の生体適合性液体を含んでもよい。これらの洗浄液は、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張溶液、浸透圧性溶液、低張液、および高張液を含んでもよい。洗浄液は、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張液、浸透圧性溶液、低張液、高張液、タンパク質、コロイド、糖、ポリマー、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、合成コロイド、抗体、結合タンパク質、またはアルブミンを含んでもよい。
【0044】
上記に言及したように、診断剤または治療剤は、多岐管ハブ20およびカテーテル40を通して乳管に導入されてもよい。管に注入するために導入された薬剤は、非吸収性液体および/または膠質剤および/または浸透圧性剤を含み得る。この薬剤は可溶性であり得る。この薬剤は、タンパク質、コロイド、糖、またはポリマーである分子を含んでもよい。この薬剤は、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、または合成コロイドであってもよい。この薬剤はタンパク質を含んでもよく、このタンパク質は結合タンパク質または抗体であってもよい。この結合タンパク質はアルブミンであり得る。投与することは局所的に投与することを含んでもよく、局所投与は管内に投与することを含んでもよい。胸部の乳管から収集可能な液体の量を増加または標準化するための系は、非吸収性液体および/または浸透圧性剤および/または膠質剤を管内腔に注入すること、管内腔に薬剤を送達するための医療ツール、ならびに使用のための説明書を含み得る。
【0045】
任意の数の代替的な組み合わせが、本発明を規定するために存在し得、これは、説明、特許請求の範囲、および図面を含む本明細書からの1つまたは複数の要素を、種々の組み合わせまたは下位の組み合わせに組み入れる。本明細書に照らして、本発明の局面の代替的な組み合わせは、単独で、または本明細書に規定される1つもしくは複数の要素もしくは工程と組み合わせてのいずれかで、本発明の改変もしくは変更として、または本発明の一部として利用され得ることが、関連する技術における当業者には明らかである。本明細書に含まれる、本発明の書かれた記載は、すべてのこのような修飾および変更を網羅することが意図され得る。
((英文原稿の)この頁の残りは意図的な空白のままである)
【0046】
軸外先端部を有する管洗浄カテーテル
発明の概要
本発明の局面は、異なる先端構成を有するカテーテルを含む、管内アクセスおよびナビゲーションのための系および方法に関する。
【0047】
本発明の1つの局面に従って、乳管内に配置されるためにサイズ決定された延長部材が提供される。この延長部材は、延長部材の長さに沿って伸びる延長内腔、および導入部を受容するために延長部材の長さの少なくとも一部に沿って伸びる延長内部経路を備える。この延長部材は、内腔内に配置されかつ伸びる中心縦軸を備える。延長内部通路は中心縦軸から間隔があき、かつそこから片寄っている中心配置縦軸を備え;この延長部材は、内腔の遠位端の向こう側かつ縦軸に沿って伸びる延長遠位先端部を備える。
【0048】
本発明の別の局面において、乳管にアクセスし、かつ管内から生物学的物質を収集するための管アクセスデバイスが提供される。この管アクセスデバイスは、乳管内に配置されるためにサイズ決定される外径、ならびに乳管に液体を注入し、および乳管から液体を収集するための内腔を有する延長部材を備える。延長部材は、内腔を通して伸びる中心軸および軸外配置を規定する、中心軸に対して平行である異なる軸を備える。延長遠位先端部は、内腔の遠位端の向こう側、かつ異なる軸に沿って伸びる。この延長遠位先端部は、乳管内でナビゲートするための密閉された遠位端を有する。
【0049】
本発明のなお別の局面において、乳管にアクセスし、かつ管内から生物学的物質を収集するための管アクセス系が提供される。このアクセス系は、乳管内に配置されるためにサイズ決定される外径、ならびに乳管に液体を注入し、および乳管から液体を収集するための内腔を有するカニューレを備える。このカニューレは、内腔を通して伸びる中心軸、および軸外配置を規定するための第1の軸に平行な第2の軸を有する。延長遠位部材は、第2の軸に沿って、かつ内腔の遠位端の向こう側に伸びる。延長遠位部材は、延長導入部をスライド可能にまたは取り外し可能に受容するようにサイズ決定される内部通路を備える。複数ポートハブボディーは、乳管に液体を注入するため、および乳管から液体を回収するために、内腔の近位端に結合され、かつカニューレの内腔と作動可能に連絡されている。
【0050】
本発明のなおもう1つの局面において、管アクセスデバイスを使用して、ヒトヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法が提供される。この方法は、延長遠位部材の内部通路に管導入部を挿入して、複合挿入部材を形成する工程;乳管の管開口部に複合挿入部材を挿入する工程;および内腔を乳管に前進させる工程を含む。
【0051】
上記および他の、本発明の局面、特徴、および利点は、例証としてであり、特許請求された発明に関する限定としてではない添付の図面とあわせて、以下の詳細な説明の例示的な態様から、より明白にかつ十分に理解される。
【0052】
例示的な態様の詳細な説明
図15〜17は、身体開口部、例えば乳管にアクセスするための本発明のアクセスデバイス10の好ましい態様を図示する。このアクセスデバイス10は、カテーテル12の長さに伸びる中心配置単一内腔16を伴う遠位端14、および遠位端14の向こう側に所定の距離伸びる延長遠位先端部17を有するカテーテル12を備える。遠位先端部分17の中心軸21は、単一内腔16の中心軸19に対して実質的に平行に伸び、カテーテルの壁内に配置される。このような例示的な構成において、遠位先端部分17は、内腔16の中心軸19から、「軸外」または「中心外」に配置される。遠位先端部分17の構成は、有利に、乳管内外での最大液流のためのカテーテルの開いた内径を維持する。さらに、軸外構成は、それが液体および収集した試料の導入または取り出しを妨害せず、なおカテーテルおよび内腔の方向にありながら、意味のある試料を回収する能力を損なわないので、実質的に改善された流れを可能にする。遠位先端部分17の延長構成は、液体注入を妨害せず、または試料収集を損なわない一方、有効なガイドとして作用する。遠位先端部分17はまた、管開口部におけるカテーテル12の挿入の容易さを提供する。1つの構成において、遠位先端部分17は、潜在的にトルク発生性でありおよび/または角度の付いた、ヒト乳管の幾何学的配置をカテーテルに横断させるために、天然に可撓性である。さらに、遠位先端部分17は、そこへのカテーテルの挿入の際に、付随する痛みを減少するために、管開口部を膨張させる。
【0053】
カテーテル12は、管開口部を通して遠位端14の導入を可能にし、およびヒト乳房の管括約筋に対して遠位であるその遠位端を配置する寸法を有する。1つの構成において、カテーテル12は、乳房の管開口部にカニューレ挿入するために、およそ0.039インチの最大外径を有する。それにも関わらず、他の寸法が外径のために可能である(例えば、およそ0.025〜0.039インチ)。およそ0.025インチの内部IDを有する単一の内腔16は、そこを通して液体が注入されかつ管上皮細胞を含む管液試料がそこから管の外に収集または引き出される乳管にアクセスする。遠位先端部分17は、乳管にカテーテル12を導くために、管開口部を通しての導入を可能にする寸法を有する。1つの例示的な構成において、遠位先端部分17は、乳管への挿入を容易にするために、カテーテル12よりも小さな直径を有する。遠位先端部分17はおよそ0.010インチの直径を有し得るが、他の直径が可能である(例えば、0.008〜0.012インチ)。代替の構成において、遠位先端部分17は可撓性であってもよい。
【0054】
図16および17を参照すると、遠位先端部分17は、内腔16の遠位端14(すなわち、遠位先端部17の近位端)で最大であり、そこから伸びで遠位端18で最小である先細構成を有してもよい。実用上、遠位先端部分17の先細および可撓性は、管内移動のためにカテーテルをガイドする。図17に示されるように、遠位先端部分17とカテーテル12の間の移行は、傾斜表面23を含む。この傾斜表面23は、乳管への先端部分17の挿入後、カテーテル12が管開口部に導入されることを容易にするカテーテル12の遠位先端部分17間の滑らかな移行を提供する。従って、この遠位先端部分17は、カテーテル12が比較的容易に入るような位置に管開口部を保持し得る。当業者によって認識されるように、傾斜表面23は、カテーテル12の遠位端14によって貫通され、かつ広げられる組織上のストレスレベルを減少する。伝統的なカテーテルとは対照的に、患者に対する不快は、本発明のアクセスデバイス10を用いて大きく減少する。遠位先端部17の遠位端および末端18におけるカテーテルの端は、無外傷構成を含んでもよい。1つの無外傷構成において、端および末端18は、摩擦を減少し、かつ管を貫通するかまたはさもなくば損傷し得る表面を除去するために円形である。従って、この構成は、無外傷性でない設計に対して、組織に対する局所的外傷を減少する。
【0055】
図15を参照すると、複数ポートハブ22はカテーテル12の近位端15に結合される。好ましい構成において、ハブ22は、ユーザが、洗浄手順の間に乳管へのまたは乳管からの流れを可視化できるように、透明材料を含む。もう1つの構成において、ハブ22は、カテーテル12の挿入後に乳房の乳頭上のトルクを減少するために、薄型である。これは、組織の圧迫に起因して管液の閉塞を引き起こすことが知られている、乳房の乳頭上で生成される過剰なトルクを打ち消す。従って、改善された管細胞物質の収集が提供される。
【0056】
ハブ22は、液体がそこからハブ22を経由して内腔16に注入される注入チューブ24、および液体が内腔16からハブ22を経由してそこから収集される収集チューブ26を備えるチュービングセット25に結合される。注入チューブ24および収集チューブ26は、液体が流れることを可能にするために、従来的な様式でハブ22に結合される。1つの構成において、注入チューブ24および収集チューブ26は半透明であり、ハブ22上のポートと対合し、かつ液体を受容するそれらの遠位端で、標準的なルアー接続を有する。チューブ24、26の近位端もまた、標準的なルアー接続を含み、これは、標準的なオスルアーを有する適切なシリンジを使用して、実務者または付添人に、種々の管液を管理させる。所望される場合、チューブ24、26は、流入経路および流出経路、例えば、注入機能または収集機能を示すために標識されてもよい。
【0057】
さらなる構成において、任意のピンチクランプまたは他の流れ制御デバイス(示さず)が流出チューブ、収集チューブ26上に配置されてもよい。実用上、クランプは収集チューブ24を閉じて、液体注入の間のチュービングから、カニューレ挿入された乳管までの液体の漏出を妨害する。1つの構成において、ハブ22は、管洗浄手順の間にユーザが握るための人間工学的ハンドル27を備える。ハブ22およびカテーテル12において使用される液体は、管洗浄手順のために実質的に任意の適切な液体であり得ることが認識されるべきである。ハブ22とともに使用され得る例示的な管洗浄液には、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張液、浸透圧性溶液、低張液、および高張液が含まれるがこれらに限定されない。それにも関わらず、治療用液体は、本明細書に記載される管アクセスデバイスによって提供され得る。または、液体は、診断剤および/または治療剤を有する診断液または治療液を含み得る。
【0058】
図19および20に示される代替の構成において、本発明の管アクセス系100は、カテーテル112の長さ伸びる、中心に配置された単一の内腔116とともに遠位端114を有するカテーテル112を備える。カテーテル112は、その中にスライド可能に管導入部118を受容するように適合されたチューブ状導入部経路120を備える。経路120の長軸121は、内腔116の長軸119に対して片寄っているが、それに対して実質的に平行である。説明を容易にするために、本明細書で使用する場合、用語「導入部」とは、カテーテルの通路内にまたは管開口部に挿入され得る、ガイドワイヤ、拡張器、スタイレット、またはこれらのいずれかの一部を含むように定義される。管導入部118は、乳管内でのカテーテル112の管内移動を改善するため、ならびに管壁を貫通しおよび乳管を破裂させるリスクを減少させるために、先端部分117の長さを容易に変化させるために提供される。通路120の軸121に管導入部118を取り外し可能に挿入することによって、ユーザは、特定の患者のために所望の剛性を有する導入部を選択することが可能である。さらに、これは、実務者または付添人が導入部118の可撓性および剛性を変化させることを可能にする。この剛性および可撓性は、材料特性および/または断面形状の関数であり得る。可撓性に関連する材料特性の1つの例は弾性係数である。もう1つの例において、導入部118の断面形状は、1つまたは複数の方向で所定の剛性を提供する円形、楕円形、卵形または他の形状であってもよい。当業者は、これらの種々の形状が導入部118の断面係数に関連することを認識する。それゆえに、導入部経路120は、導入部118の断面形状に合致する実質的に任意の適切な断面形状であり得ることが認識されるべきである。
【0059】
管導入部118は、乳管に入る遠位端122を備える。管導入部118の対抗する近位端124は、ハンドル126を備える。ハンドル126は、ユーザが導入部118を握りかつ操作して、乳管の解剖学的構造にアクセスおよびこれをナビゲートし得るように、操作の容易さを提供する。管アクセスデバイス100は、図15に示されるハブ22と同様の構成および要素を有するハブ22を備える。ハブ22において、導入部経路120はそれを通って伸び、その結果、導入部118が挿入され得る。この経路は、ハブ22の外部を通って伸びるチューブであってもよく、またはこのチューブは、ハブの外面上に位置してもよい。導入部118の調整可能な先端部分117は、管導入部118の遠位端122から、カテーテル112の遠位端部分114までと定義される。この構成において、先端部分117の長さは、乳管にアクセスすることおよび乳管を横切ることのために、ユーザによって選択的に調整可能である。1つの局面において、管導入部118はガイドワイヤとして埋め込まれてもよく、これは、経路120および乳管に容易に挿入される。図20に示される1つの構成において、導入部経路120の中心軸121は、単一内腔116の中心軸119に実質的に平行に伸びる。上記で議論したように、このような例示的な構成において、導入部経路120は、内腔116の中心軸119から、「軸外」または「中心外」に配置される。従って、カテーテル112の軸外構成を有する管導入部118は、管アクセスデバイス10と同様の利点を提供する。
【0060】
本明細書に記載される導入部は、適切な断面形状および医学的使用のための種々の材料で形成されてもよい。この形状および材料は、管内移動のための所望の剛性および可撓性を可能にする。導入部118のための代替の材料には、ステンレス鋼ワイヤ;FEP;PTFE;PEEK;およびPVDFおよびPEBAXが含まれ得るがこれらに限定されない。それにも関わらず、他の適切な材料が利用されてもよい。特定の寸法の値の導入部が図25に示されるが、例として提供される。導入部および/またはカテーテルのための代替コーティングには以下が含まれ得るがこれらに限定されない:ハイドロマーコーティング;STS SLIP-COAT;MDX;シリコーンドライ;シリコーン潤滑剤;PTFEコーティング。コーティングおよび適用の特定の厚さは、当業者によって容易に決定され得る。
【0061】
導入部は、金属またはプラスチックから作られてもよく、ならびに乳管を穏やかに探索し、およびアクセスするために、先細および/または無外傷性の先端を有してもよい。1つの例において、導入部は、超弾性または形状記憶材料から構成されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「超弾性形状記憶材料」とは、ストレス誘導性の相変化を有し、またはオーステナイトからマルテンサイトまで穏やかである金属合金のクラスをいい、ストレスが放出された際に、この材料は、このもともとの相および形状に跳ね返る。オーステナイトおよびマルテンサイトに関する超弾性形状記憶材料の物質構造は、冶金学の分野における当業者に周知である。NiTi材料またはNiTi合金が、導入部のための合金材料として使用されてもよい。本明細書で使用される場合、NiTi超弾性形状記憶材料とは、重量によって測定される場合にほぼ等量の混合物を有するニッケルおよびチタンの金属間化合物である合金をいう。NiTi超弾性形状記憶材料の1つの組成は、一般的に、重量でチタンよりもより多くのニッケルのパーセンテージを有し、例えば、51%〜56%のニッケル、および好ましくは54〜55%ニッケルである。ニッケルおよびチタンの特定のパーセンテージは、当業者によって調整され得る。
【0062】
導入部が、形状記憶特性を有する材料から構成される必要はない。導入部はまた、金属ワイヤなどの剛性材料またはプラスチックなどの可撓性材料から形成されてもよい。本発明の1つの態様において、一緒にした導入部は、その可撓性、耐久性、および生体適合性に起因して、Nitinolから形成されてもよい。代替の態様において、導入部は、複数の材料、または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、導入部は、同じ導入部の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、導入部は、管内腔内の導入部を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、導入部を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、導入部は、管中での導入部の導入および前進の間に導入部と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0063】
図21および22は、カテーテルボディーの長さを横切る、中心(ほぼ軸219)に配置された単一内腔216を伴う遠位端214を有する本発明のカテーテルボディー212の代替の構成を図示する。軸外構成において、延長可撓性先端部217は、軸221に沿って遠位端214の向こう側に伸びる。先端部217は、取り外し可能な導入部218を受容するように構成される。この特徴は、先端部217およびカテーテルボディー212が、導入部218をスライド可能に受容するように適合された内部通路220を備えることで達成される。通路220は、先端部217においてチューブ状であり得、かつカテーテルボディー212の壁に位置する。通路220は、乳管に入る最初の部分にある閉鎖遠位端122を有する。通路220は近位端211で開かれる。閉鎖末端の特徴は、乳管のカニューレ挿入の間に、実務者またはユーザが遠位端217の可撓性を調節することを可能にするが、液体が通路220に入ることを妨害する。さらに、閉鎖した末端の特徴は、導入部218が取り出されることを可能にし、カテーテル212が乳管内に配置される場合には、もう1つの導入部がそこに挿入される。このように、導入部218は、先端部217の可撓性を選択的に調整するために、取り出されまたは先端部217に挿入され得る。このことは、ユーザが導入部218を挿入して、可撓性先端部を、管への挿入のためにより堅くし、またはスタイレットを取り外して先端部をより堅くすることを可能にし、従って、先端部は、蛇行性の管の幾何学的配置を横切り得る。この構成において、通路220は内腔216の長さに伸び、およびそれに対して平行である。有利には、本発明の局面は、乳管のカニューレ相互作用移入を大きく補助する先端部の可撓性への変化に対する1つのオプションを提供する。可撓性先端部217の材料および厚さは、導入部218の屈曲特性と合わせた所望の剛性を達成するように選択されてもよい。閉鎖遠位端222は、管組織と先端部217の間の摩擦を減少するように円形にされ、遠位端222が管を貫通することを妨害する。
【0064】
図22Aは、通路320が遠位末端部317にあり、カテーテルボディー312の壁にはないこと以外は、カテーテルボディー212と同様の構成を有する代替のカテーテルボディー312を図示する。これは、ユーザが、導入部218を、内腔316を通して、および通路320の近位端311に挿入することを可能にする。可撓性延長遠位先端部317は、カテーテルボディー312の遠位端314に伸びる閉鎖遠位端322を備える。
【0065】
図22および22Aに示される態様の例において、カテーテル212、312は、複数の導入部を提供され得、これらの各々が異なる剛性特徴または特性を有する。導入部は、アクセスされる管の部分に依存して提供される。1つの導入部は、管括約筋を過ぎて遠位端217、317を導入するために使用されてもよい。もう1つの導入部は、乳管の所望の分岐を入れるために提供され得る。なおもう1つの導入部は、所望される場合、分岐の最終部分を入れるために使用され得る。このことは、実務者が先端部217、317の剛性を設計して、管の異なる部分によって提示される必要性に合致させることを可能にする。
【0066】
他の導入部と比較して特定の剛性特性を提供するために、ある剛性の値を有する導入部が設計されてもよい。純粋に例として、実務者は、管開口部を貫通することを可能にするために、堅いように設計されている2の剛性値を有する導入部を提供されてもよい。2の値よりも剛性が低い剛性値4を有するもう1つの導入部が提供されてもよい。さらにもう1つの導入部は、4の値よりも剛性が低い8の値を有してもよい。この例において、実務者は、通路220、320内に挿入された堅い導入部を有する乳管にアクセスすることが可能である。実務者は、カテーテル212、312が乳管内に存在しながら、堅い導入部を取り外し、もう一つの導入部を挿入して乳管内に継続して前進させ得る。従って、実務者は、一旦乳管にアクセスすると、カテーテルを取り外すことなく、カテーテル212、312を用いて乳房に入ることが可能である。有利には、従来の手順よりも工程が除外されまたは実質的に減少され、例えば、拡張器の使用が有意に減少されるので、カテーテル212、312は、実務者に管アクセス手順においてより有効であることを可能にする。さらに、より少ない外傷性移動が乳房に提供されるので、患者の快適さは増加される。
【0067】
図18において示される別の構成において、カテーテル412は、カテーテルの長さに伸びる中心軸419に関して配置された単一の内腔416を有する遠位端414、および遠位端414の向こう側に伸びる延長遠位先端部417を有する。カテーテル412は傾斜面を有し、先端部分417はスタイレット部分として形成された伸長可能導入部418を備える。スタイレット部分418は、内腔416の移行部分425の遠位開口部423から伸びる遠位端422を備える。移行部分425は、スタイレットを受容するように構成される通路を備え、その結果、遠位端422が開口部433を出る。スタイレット部分418は、上記の可撓性の金属、プラスチック材料、または他の材料から作られてもよい。スタイレット部分418は、位置で固定されかつ可撓性先端部として働いてもよく、または管へのカテーテルの挿入後にこれは取り外されてもよい。スタイレット部分418は、先端部の長さを短くするために、取り外され、かつより短いスタイレット部分で置換されてもよい。または、スタイレット部分418は、より長い長さを有してもよい。この様式で、先端部の長さは、特定の管の幾何学的位置に適合するように調整されてもよい。
【0068】
図27は、カテーテルボディーの長さを横切る、中心(およそ軸519)に配置された単一内腔516を伴う遠位端514を有する本発明のカテーテルボディー512の代替構成を図示する。軸外構成において、延長先端部517は、軸521に沿って遠位端514の向こう側に伸びる。延長先端部517は、各々が乳管のそれぞれの部分にアクセスするために必要である可撓性またはその欠如に対応する、異なる屈曲の別々の領域を有する複数の屈曲構成を有してもよい。この複数屈曲ゾーン構成は、実務者が、乳房にアクセスするための工程を減少し、および/または患者の快適さを増加させるために管のアクセスをカスタマイズするための適合性を提供する。1つの例示的な例において、延長先端部517は、乳管にアクセスするように適合するための3つの屈曲ゾーンを有してもよい。第1の屈曲ゾーン540は、延長先端部の長さに沿って、遠位端から第1の中間位置542まで伸びてもよい。第1の屈曲ゾーン540は、管開口部において組織によって提供される抵抗力に打ち勝つように、乳管に入るために実質的に堅くてもよい。隣接する第2の屈曲ゾーン544は、延長先端部517の長さに沿って第1の中間位置542から離れたもう1つの中間位置まで伸びてもよい。第2の屈曲ゾーン544は、延長先端部517が乳管の幾何学的配置を横切ることを可能にするために、第1の屈曲ゾーン544よりも堅さがより低くてもよい。第3の屈曲ゾーン548は、第2の屈曲ゾーン544に隣接して提供されてもよい。第3の屈曲ゾーン548は、第2の屈曲ゾーンよりも可撓性であってもよい。特定の例において、第1の屈曲ゾーンの寸法は遠位端から3cmであり得;第2の屈曲ゾーンは4〜8cmの長さを有し得;および第3の屈曲はそれ自体2〜3cmの長さを有し得る。それにも関わらず、ゾーンの長さは実務者によって所望されるように構成され得る。
【0069】
図23A〜23Cは、図16のカテーテル12によって乳管にアクセスする方法を図示する概略図である。図23Aを参照すると、カテーテル12は、管開口部に導入されるように調製され、その結果、その遠位端が、管洗浄、診断物質の導入、および/または治療物質の導入の間に、管括約筋の向こう側の管内に配置される。図23Bに示されるように、カテーテルの遠位端14は管の外側にある。カテーテルは、管開口部中でのカテーテル12の挿入の容易さを提供する可撓性遠位先端部17を有する。さらに、可撓性遠位先端部17は、管内幾何学的配置に従うが管に損傷を引き起こさないように管に挿入される。図23Cに示されるように、遠位端14は管に入っている。遠位先端部17は、そこを通してカテーテル12をガイドするために、継続して管内幾何学的配置に従う。さらに、カテーテル12は、注入および収集のために管をまっすぐにするために、遠位先端部17よりも堅い。カテーテル12は図23A〜23Cを参照して記載されるが、他のカテーテル112、212、312、412、および512が同様の様式で使用されてもよい。
【0070】
図24A〜24Cは、図21のカテーテルボディーを用いて乳管にアクセスする方法を図示する概略図である。図24Aを参照すると、カテーテルボディー212は、管開口部に導入されるように調製される。実務者は、所望の可撓性または剛性の導入部218を選択し得る。例えば、異なる剛性特性の導入部218は、乳管への遠位先端部217の挿入の間に、所望の先端部特性に調整するために挿入されてもよい。この配列は、乳管にアクセスするための複合挿入部材を作製する。所望の先端部特性は、材料特性または断面形状の関数であり得る、剛性および可撓性に関連する可能性がある。当業者は、複合挿入部材が断面係数を変化させるための種々の形状および材料特性を有し得ることを認識する。
【0071】
特に、先端部217は、管開口部を貫通するために、選択的に堅く作られ得る。この構成において、カテーテル212および遠位先端部217の長さは比較的固定している。図24Bにおいて、堅いかまたはいくぶん堅い導入部218は遠位先端部217から取り外されるのに対して、カテーテル212は管に挿入される。この取り外された配置において、カテーテル212は、管内幾何学的配置を通して屈曲および曲がり得る。所望される場合、より堅くない導入部218は、遠位先端部217に挿入されてもよい。導入部218のあるなしで、カテーテル212は管の中にさらに前進する。図24Cにおいて、一旦所望の位置が管内に到達すると、堅いかまたはいくぶん堅い導入部218が挿入されかつカテーテル212に前進し、注入および収集のために管をまっすぐにし得る。形状記憶態様において、導入部218の剛性または可撓性は、カテーテル212からの取り外しなしで、刺激の付加または刺激の除去に応答して調整され得る。示されていないが、遠位先端部217が、導入部218の必要性なしで管開口部に挿入することができることが認識されるべきである。適切な剛性の導入部は、カテーテル212の管内エントリーの間またはその後に遠位先端部217に挿入されてもよい。カテーテル212は図24A〜24Cを参照して記載されるが、他のカテーテル112、312、412および512が同様の様式で使用されてもよい。
【0072】
本明細書に記載されるようなカテーテルは、医学的使用のために広範な適切な材料から構成され得る。好ましい構成において、カテーテルは、PTFEで形成され、およびSTS Slipcoatでコートされ、乳管中での配置の間、デバイス上での摩擦を減少する。PTFEの代わりに、カテーテルについての代替物質には以下が含まれ得るがこれらに限定されない:ポリカーボネート;ステンレス鋼(300シリーズ);ポリイミド;FEP;PEEK;ポリエチレン;およびPEBAX。カテーテルの特定の寸法の値は図12に示されるが、例として提供される。それにも関わらず、他の適切な材料および寸法の値が利用されてもよい。
【0073】
ハブ22ハウジングがポリカーボネートから成型され得る。チュービングセット25は、ポリカーボネートから作られたルアーコネクタを伴って、PVCから作られてもよい。このチュービングセットは、シリコーン;低密度ポリエチレン;PVC;タイゴン(tygon);またはポリプロピレンを含むがこれらに限定されない、種々の従来的な材料から作られてもよい。
【0074】
1つの製造プロセスにおいて、本発明の1つまたは複数の態様に従うカテーテルが押し出しプロセスを使用することによって構築されてもよい。このプロセス後、カテーテルの遠位端は成型および/または切断によって形状が作られる。任意の傾斜が切り出されて、遠位先端部分とカテーテルの間の移行を提供する。カテーテルの端は、当業者に公知であるRFチッピングプロセスを使用して円形にされてもよい。カテーテルは、所望の医学用グレードのUV接着剤を使用してハブに結合されてもよい。今度は、チューブが、同様にUV接着剤を使用して、ハブおよびルアーコネクタに結合されてもよい。所望される場合、ピンチクランプが外流チューブ上に配置されてもよい。
【0075】
本発明は、ヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法を提供し、これは、少なくとも1つの内腔を有する、デバイス12、112、212、312、412、および512などの管アクセスデバイスを管に導入する工程を含む。洗浄液は、アクセスデバイス内部の内腔を通して、乳管に導入されてもよい。この方法において、少なくとも2mlの洗浄液の量が、所定の時間の間、管内に存在してもよく、次に、洗浄液の少なくとも一部が、管からアクセスデバイスの内腔を通して収集される。この方法は、好ましくは、洗浄液を導入した後、しかし洗浄液の一部を収集する前またはその間に、乳房組織をマッサージすることおよび搾ることをさらに含む。管アクセスデバイスを導入することは、典型的には、乳管中の管括約筋に対して遠位に、カテーテルの遠位端を配置することを含む。このアクセスデバイスは、好ましくは、管に伸びる単一内腔のみを含む。あらかじめ選択した時間は1秒未満であってもよいが、通常は1秒から1時間までの範囲である。
【0076】
従って、本発明を規定するための任意の数の代替の組み合わせが存在し、これは、説明、特許請求の範囲、および図面を含む本明細書からの1つまたは複数の要素を、種々の組み合わせまたは下位の組み合わせに組み入れる。本明細書に照らして、本発明の局面の代替的な組み合わせは、単独で、または本明細書に規定される1つもしくは複数の要素もしくは工程と組み合わせてのいずれかで、本発明の改変もしくは変更として、または本発明の一部として利用され得ることが、関連する技術における当業者には明らかである。本明細書に含まれる、本発明の書かれた記載は、すべてのこのような修飾および変更を網羅することが意図され得る。
((英文原稿の)この頁の残りは意図的な空白のままである)
【0077】
管洗浄カテーテル
発明の概要
本発明の局面は、異なる遠位先端部構成を有するカテーテルおよび異なる長さを有する導入部を備える、管内アクセスおよびナビゲーションのための系および方法に関する。本発明の1つの局面に従って、乳管内で物質を導入するかまたは物質を取り出すために、乳管内に導入および配置されるためのデバイスが開示され、この装置は、多岐管ハブの内部を液体で連絡している複数のポート開口部を備える多岐管ハブ、多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネルと液体で連絡している少なくとも2つの開口部、および多岐管ハブから伸びるカテーテルを備え、このカテーテルは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、この内腔は、多岐管ハブと液体で連絡されており、管導入部をスライド可能に受容するように適合される。導入部は、カテーテルの遠位先端部から少なくともおよそ0.250、0.492、または0.984インチ向こう側に伸びてもよい。カテーテルの遠位先端部は無外傷性構成を有してもよい。
【0078】
本発明のなおもう1つの局面において、乳管内で物質を導入または取り出しするために、乳管内に導入および配置されるためのデバイスが開示され、この装置は、多岐管ハブの内部で液体で連絡している複数のポート開口部を備える多岐管ハブを備え、この開口部の少なくとも2つが多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネルと液体で連絡され、多岐管ハブから伸びるカテーテルを備え、およびハブとカテーテルの両方を通して内部に伸びるさや状覆いを備え、これは、さや状覆いの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、この内腔は多岐管ハブと液体で連絡されており、管導入部をそこにスライド可能に受容するように適合され、かつこのさや状覆いはこのカテーテルの遠位先端部の向こう側に伸びる。さや状覆いの遠位先端部は、カテーテルの遠位先端部の少なくともおよそ1.5mm、6.0、18.5ミリメートル向こう側伸びてもよい。カテーテルの遠位先端部は無外傷性構成を有してもよい。
【0079】
本発明のなおもう1つの局面において、多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を備える多岐管ハブを備える管アクセスを使用して、ヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法であって、開口部の少なくとも2つが、多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネル、および多岐管ハブから伸びるカテーテルと液体で連絡しており、このカテーテルは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、この内腔は、多岐管ハブと液体で連絡されており、かつ管導入部をスライド可能に受容するために適合され;この方法は、乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;および乳管にカテーテルを前進させる工程を含む。
【0080】
本発明のなおもう1つの局面において、多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を備える多岐管ハブを備えるデバイスを使用して、ヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法であって、開口部の少なくとも2つが、多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネル、および多岐管ハブから伸びるカテーテル、およびハブとカテーテルの両方を通して内部に伸びるさや状覆いと液体で連絡しており、このカテーテルは、このさや状覆いの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、この内腔は、多岐管ハブと液体で連絡されており、かつ管導入部をスライド可能に受容するために適合され、このさや状覆いはこのカテーテルの遠位端の向こう側に伸び;この方法は、乳管の内部通路に導入部を挿入する工程、乳管にさや状覆いを前進させる工程および乳管にカテーテルを前進させる工程を含む。
【0081】
上記および他の、本発明の局面、特徴、および利点は、例証として含まれ、特許請求された発明に関する限定としてではない添付の図面とあわせて、以下の詳細な説明の例示的な態様から、より明白にかつ十分に理解される。
【0082】
例示的な態様の詳細な説明
図15〜17は、身体開口部、例えば乳管にアクセスするための本発明のアクセスデバイス10の好ましい態様を図示する。このアクセスデバイス10は、カテーテル12の長さに伸びる中心配置単一内腔16を伴う遠位端14、および遠位端14の向こう側に所定の距離伸びる延長遠位先端部17を有するカテーテル12を備える。遠位先端部分17の中心軸21は、単一内腔16の中心軸19に対して実質的に平行に伸び、カテーテルの壁内に配置される。このような例示的な構成において、遠位先端部分17は、内腔16の中心軸19から、「軸外」または「中心外」に配置される。遠位先端部分17の構成は、有利に、乳管内外での最大液流のためのカテーテルの開いた内径を維持する。さらに、軸外構成は、それが液体および収集した試料の導入または取り出しを妨害せず、なおカテーテルおよび内腔の方向にありながら、意味のある試料を回収する能力を損なわないので、実質的に改善された流れを可能にする。遠位先端部分17の延長構成は、液体注入を妨害せず、または試料収集を損なわない一方、有効なガイドとして作用する。遠位先端部分17はまた、管開口部におけるカテーテル12の挿入の容易さを提供する。1つの構成において、遠位先端部分17は、潜在的にトルク発生性でありおよび/または角度の付いた、ヒト乳管の幾何学的配置をカテーテルに横断させるために、天然に可撓性である。さらに、遠位先端部分17は、そこへのカテーテルの挿入の際に、付随する痛みを減少するために、管開口部を膨張させる。
【0083】
カテーテル12は、管開口部を通して遠位端14の導入を可能にし、およびヒト乳房の管括約筋に対して遠位であるその遠位端を配置する寸法を有する。1つの構成において、カテーテル12は、乳房の管開口部にカニューレ挿入するために、およそ0.039インチの最大外径を有する。それにも関わらず、他の寸法が外径のために可能である(例えば、およそ0.025〜0.039インチ)。およそ0.025インチの内部IDを有する単一の内腔16は、そこを通して液体が注入されかつ管上皮細胞を含む管液試料がそこから管の外に収集または引き出される乳管にアクセスする。遠位先端部分17は、乳管にカテーテル12を導くために、管開口部を通しての導入を可能にする寸法を有する。1つの例示的な構成において、遠位先端部分17は、乳管への挿入を容易にするために、カテーテル12よりも小さな直径を有する。遠位先端部分17はおよそ0.010インチの直径を有し得るが、他の直径が可能である(例えば、0.008〜0.012インチ)。代替の構成において、遠位先端部分17は可撓性であってもよい。
【0084】
図16および17を参照すると、遠位先端部分17は、内腔16の遠位端14(すなわち、遠位先端部17の近位端)で最大であり、そこから伸びで遠位端18で最小である先細構成を有してもよい。実用上、遠位先端部分17の先細および可撓性は、管内移動のためにカテーテルをガイドする。図17に示されるように、遠位先端部分17とカテーテル12の間の移行は、傾斜表面23を含む。この傾斜表面23は、乳管への先端部分17の挿入後、カテーテル12が管開口部に導入されることを容易にするカテーテル12の遠位先端部分17間の滑らかな移行を提供する。従って、この遠位先端部分17は、カテーテル12が比較的容易に入るような位置に管開口部を保持し得る。当業者によって認識されるように、傾斜表面23は、カテーテル12の遠位端14によって貫通され、かつ広げられる組織上のストレスレベルを減少する。伝統的なカテーテルとは対照的に、患者に対する不快は、本発明のアクセスデバイス10を用いて大きく減少する。遠位先端部17の遠位端および末端18におけるカテーテルの端は、無外傷構成を含んでもよい。1つの無外傷構成において、端および末端18は、摩擦を減少し、かつ管を貫通するかまたはさもなくば損傷し得る表面を除去するために円形である。従って、この構成は、無外傷性でない設計に対して、組織に対する局所的外傷を減少する。
【0085】
図15を参照すると、複数ポートハブ22はカテーテル12の近位端15に結合される。好ましい構成において、ハブ22は、ユーザが、洗浄手順の間に乳管へのまたは乳管からの流れを可視化できるように、透明材料を含む。もう1つの構成において、ハブ22は、カテーテル12の挿入後に乳房の乳頭上のトルクを減少するために、薄型である。これは、組織の圧迫に起因して管液の閉塞を引き起こすことが知られている、乳房の乳頭上で生成される過剰なトルクを打ち消す。従って、改善された管細胞物質の収集が提供される。
【0086】
ハブ22は、液体がそこからハブ22を経由して内腔16に注入される注入チューブ24、および液体が内腔16からハブ22を経由してそこから収集される収集チューブ26を備えるチュービングセット25に結合される。注入チューブ24および収集チューブ26は、液体が流れることを可能にするために、従来的な様式でハブ22に結合される。1つの構成において、注入チューブ24および収集チューブ26は半透明であり、ハブ22上のポートと対合し、かつ液体を受容するそれらの遠位端で、標準的なルアー接続を有する。チューブ24、26の近位端もまた、標準的なルアー接続を含み、これは、標準的なオスルアーを有する適切なシリンジを使用して、実務者または付添人に、種々の管液を管理させる。所望される場合、チューブ24、26は、流入経路および流出経路、例えば、注入機能または収集機能を示すために標識されてもよい。
【0087】
さらなる構成において、任意のピンチクランプまたは他の流れ制御デバイス(示さず)が流出チューブ、収集チューブ26上に配置されてもよい。実用上、クランプは収集チューブ24を閉じて、液体注入の間のチュービングから、カニューレ挿入された乳管までの液体の漏出を妨害する。1つの構成において、ハブ22は、管洗浄手順の間にユーザが握るための人間工学的ハンドル27を備える。ハブ22およびカテーテル12において使用される液体は、管洗浄手順のために実質的に任意の適切な液体であり得ることが認識されるべきである。ハブ22とともに使用され得る例示的な管洗浄液には、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張液、浸透圧性溶液、低張液、および高張液が含まれるがこれらに限定されない。それにも関わらず、治療用液体は、本明細書に記載される管アクセスデバイスによって提供され得る。または、液体は、診断剤および/または治療剤を有する診断液または治療液を含み得る。
【0088】
図19および20に示される代替の構成において、本発明の管アクセス系100は、カテーテル112の長さ伸びる、中心に配置された単一の内腔116とともに遠位端114を有するカテーテル112を備える。カテーテル112は、その中にスライド可能に管導入部118を受容するように適合されたチューブ状導入部経路120を備える。経路120の長軸121は、内腔116の長軸119に対して片寄っているが、それに対して実質的に平行である。説明を容易にするために、本明細書で使用する場合、用語「導入部」とは、カテーテルの通路内にまたは管開口部に挿入され得る、ガイドワイヤ、拡張器、スタイレット、またはこれらのいずれかの一部を含むように定義される。管導入部118は、乳管内でのカテーテル112の管内移動を改善するため、ならびに管壁を貫通しおよび乳管を破裂させるリスクを減少させるために、先端部分117の長さを容易に変化させるために提供される。通路120の軸121に管導入部118を取り外し可能に挿入することによって、ユーザは、特定の患者のために所望の剛性を有する導入部を選択することが可能である。さらに、これは、実務者または付添人が導入部118の可撓性および剛性を変化させることを可能にする。この剛性および可撓性は、材料特性および/または断面形状の関数であり得る。可撓性に関連する材料特性の1つの例は弾性係数である。もう1つの例において、導入部118の断面形状は、1つまたは複数の方向で所定の剛性を提供する円形、楕円形、卵形または他の形状であってもよい。当業者は、これらの種々の形状が導入部118の断面係数に関連することを認識する。それゆえに、導入部経路120は、導入部118の断面形状に合致する実質的に任意の適切な断面形状であり得ることが認識されるべきである。
【0089】
管導入部118は、乳管に入る遠位端122を備える。管導入部118の対抗する近位端124は、ハンドル126を備える。ハンドル126は、ユーザが導入部118を握りかつ操作して、乳管の解剖学的構造にアクセスおよびこれをナビゲートし得るように、操作の容易さを提供する。管アクセスデバイス100は、図15に示されるハブ22と同様の構成および要素を有するハブ22を備える。ハブ22において、導入部経路120はそれを通って伸び、その結果、導入部118が挿入され得る。この経路は、ハブ22の外部を通って伸びるチューブであってもよく、またはこのチューブは、ハブの外面上に位置してもよい。導入部118の調整可能な先端部分117は、管導入部118の遠位端122から、カテーテル112の遠位端部分114までと定義される。この構成において、先端部分117の長さは、乳管にアクセスすることおよび乳管を横切ることのために、ユーザによって選択的に調整可能である。1つの局面において、管導入部118はガイドワイヤとして埋め込まれてもよく、これは、経路120および乳管に容易に挿入される。図20に示される1つの構成において、導入部経路120の中心軸121は、単一内腔116の中心軸119に実質的に平行に伸びる。上記で議論したように、このような例示的な構成において、導入部経路120は、内腔116の中心軸119から、「軸外」または「中心外」に配置される。従って、カテーテル112の軸外構成を有する管導入部118は、管アクセスデバイス10と同様の利点を提供する。
【0090】
本明細書に記載される導入部は、適切な断面形状および医学的使用のための種々の材料で形成されてもよい。この形状および材料は、管内移動のための所望の剛性および可撓性を可能にする。導入部118のための代替の材料には、ステンレス鋼ワイヤ;FEP;PTFE;PEEK;およびPVDFおよびPEBAXが含まれ得るがこれらに限定されない。それにも関わらず、他の適切な材料が利用されてもよい。特定の寸法の値の導入部が図25に示されるが、例として提供される。導入部および/またはカテーテルのための代替コーティングには以下が含まれ得るがこれらに限定されない:ハイドロマーコーティング;STS SLIP-COAT;MDX;シリコーンドライ;シリコーン潤滑剤;PTFE-コーティング。コーティングおよび適用の特定の厚さは、当業者によって容易に決定され得る。
【0091】
導入部は、金属またはプラスチックから作られてもよく、ならびに乳管を穏やかに探索し、およびアクセスするために、先細および/または無外傷性の先端を有してもよい。1つの例において、導入部は、超弾性または形状記憶材料から構成されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「超弾性形状記憶材料」とは、ストレス誘導性の相変化を有し、またはオーステナイトからマルテンサイトまで穏やかである金属合金のクラスをいい、ストレスが放出された際に、この材料は、このもともとの相および形状に跳ね返る。オーステナイトおよびマルテンサイトに関する超弾性形状記憶材料の物質構造は、冶金学の分野における当業者に周知である。NiNi材料またはNiTi合金が、導入部のための合金材料として使用されてもよい。本明細書で使用される場合、NiTi超弾性形状記憶材料とは、重量によって測定される場合にほぼ等量の混合物を有するニッケルおよびチタンの金属間化合物である合金をいう。NiTi超弾性形状記憶材料の1つの組成は、一般的に、重量でチタンよりもより多くのニッケルのパーセンテージを有し、例えば、51%〜56%のニッケル、および好ましくは54〜55%ニッケルである。ニッケルおよびチタンの特定のパーセンテージは、当業者によって調整され得る。
【0092】
導入部が、形状記憶特性を有する材料から構成される必要はない。導入部はまた、金属ワイヤなどの剛性材料またはプラスチックなどの可撓性材料から形成されてもよい。本発明の1つの態様において、一緒にした導入部は、その可撓性、耐久性、および生体適合性に起因して、Nitinolから形成されてもよい。代替の態様において、導入部は、複数の材料、または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、導入部は、同じ導入部の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、導入部は、管内腔内の導入部を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、導入部を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、導入部は、管中での導入部の導入および前進の間に導入部と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0093】
図21および22は、カテーテルボディーの長さを横切る、中心(ほぼ軸219)に配置された単一内腔216を伴う遠位端214を有する本発明のカテーテルボディー212の代替の構成を図示する。軸外構成において、延長可撓性先端部217は、軸221に沿って遠位端214の向こう側に伸びる。先端部217は、取り外し可能な導入部218を受容するように構成される。この特徴は、先端部217およびカテーテルボディー212が、導入部218をスライド可能に受容するように適合された内部通路220を備えることで達成される。通路220は、先端部217においてチューブ状であり得、かつカテーテルボディー212の壁に位置する。通路220は、乳管に入る最初の部分にある閉鎖遠位端122を有する。通路220は近位端211で開かれる。閉鎖末端の特徴は、乳管のカニューレ挿入の間に、実務者またはユーザが遠位端217の可撓性を調節することを可能にするが、液体が通路220に入ることを妨害する。さらに、閉鎖した末端の特徴は、導入部218が取り出されることを可能にし、カテーテル212が乳管内に配置される場合には、もう1つの導入部がそこに挿入される。このように、導入部218は、先端部217の可撓性を選択的に調整するために、取り出されまたは先端部217に挿入され得る。このことは、ユーザが導入部218を挿入して、可撓性先端部を、管への挿入のためにより堅くし、またはスタイレットを取り外して先端部をより堅くすることを可能にし、従って、先端部は、蛇行性の管の幾何学的配置を横切り得る。この構成において、通路220は内腔216の長さに伸び、およびそれに対して平行である。有利には、本発明の局面は、乳管のカニューレ相互作用移入を大きく補助する先端部の可撓性への変化に対する1つのオプションを提供する。可撓性先端部217の材料および厚さは、導入部218の屈曲特性と合わせた所望の剛性を達成するように選択されてもよい。閉鎖遠位端222は、管組織と先端部217の間の摩擦を減少するように円形にされ、遠位端222が管を貫通することを妨害する。
【0094】
図22Aは、通路320が遠位末端部317にあり、カテーテルボディー312の壁にはないこと以外は、カテーテルボディー212と同様の構成を有する代替のカテーテルボディー312を図示する。これは、ユーザが、導入部218を、内腔316を通して、および通路320の近位端311に挿入することを可能にする。可撓性延長遠位先端部317は、カテーテルボディー312の遠位端314に伸びる閉鎖遠位端322を備える。
【0095】
図22および22Aに示される態様の例において、カテーテル212、312は、複数の導入部を提供され得、これらの各々が異なる剛性特徴または特性を有する。導入部は、アクセスされる管の部分に依存して提供される。1つの導入部は、管括約筋を過ぎて遠位端217、317を導入するために使用されてもよい。もう1つの導入部は、乳管の所望の分岐を入れるために提供され得る。なおもう1つの導入部は、所望される場合、分岐の最終部分を入れるために使用され得る。このことは、実務者が先端部217、317の剛性を設計して、管の異なる部分によって提示される必要性に合致させることを可能にする。
【0096】
他の導入部と比較して特定の剛性特性を提供するために、ある剛性の値を有する導入部が設計されてもよい。純粋に例として、実務者は、管開口部を貫通することを可能にするために、堅いように設計されている2の剛性値を有する導入部を提供されてもよい。2の値よりも剛性が低い剛性値4を有するもう1つの導入部が提供されてもよい。さらにもう1つの導入部は、4の値よりも剛性が低い8の値を有してもよい。この例において、実務者は、通路220、320内に挿入された堅い導入部を有する乳管にアクセスすることが可能である。実務者は、カテーテル212、312が乳管内に存在しながら、堅い導入部を取り外し、もう一つの導入部を挿入して乳管内に継続して前進させ得る。従って、実務者は、一旦乳管にアクセスすると、カテーテルを取り外すことなく、カテーテル212、312を用いて乳房に入ることが可能である。有利には、従来の手順よりも工程が除外されまたは実質的に減少され、例えば、拡張器の使用が有意に減少されるので、カテーテル212、312は、実務者に管アクセス手順においてより有効であることを可能にする。さらに、より少ない外傷性移動が乳房に提供されるので、患者の快適さは増加される。
【0097】
図18において示される別の構成において、カテーテル412は、カテーテルの長さに伸びる中心軸419に関して配置された単一の内腔416を有する遠位端414、および遠位端414の向こう側に伸びる延長遠位先端部417を有する。カテーテル412は傾斜面を有し、先端部分417はスタイレット部分として形成された伸長可能導入部418を備える。スタイレット部分418は、内腔416の移行部分425の遠位開口部423から伸びる遠位端422を備える。移行部分425は、スタイレットを受容するように構成される通路を備え、その結果、遠位端422が開口部433を出る。スタイレット部分418は、上記の可撓性の金属、プラスチック材料、または他の材料から作られてもよい。スタイレット部分418は、位置で固定されかつ可撓性先端部として働いてもよく、または管へのカテーテルの挿入後にこれは取り外されてもよい。スタイレット部分418は、先端部の長さを短くするために、取り外され、かつより短いスタイレット部分で置換されてもよい。または、スタイレット部分418は、より長い長さを有してもよい。この様式で、先端部の長さは、特定の管の幾何学的位置に適合するように調整されてもよい。
【0098】
図27は、カテーテルボディーの長さを横切る、中心(およそ軸519)に配置された単一内腔516を伴う遠位端514を有する本発明のカテーテルボディー512の代替構成を図示する。軸外構成において、延長先端部517は、軸521に沿って遠位端514の向こう側に伸びる。延長先端部517は、各々が乳管のそれぞれの部分にアクセスするために必要である可撓性またはその欠如に対応する、異なる屈曲の別々の領域を有する複数の屈曲構成を有してもよい。この複数屈曲ゾーン構成は、実務者が、乳房にアクセスするための工程を減少し、および/または患者の快適さを増加させるために管のアクセスをカスタマイズするための適合性を提供する。1つの例示的な例において、延長先端部517は、乳管にアクセスするように適合するための3つの屈曲ゾーンを有してもよい。第1の屈曲ゾーン540は、延長先端部の長さに沿って、遠位端から第1の中間位置542まで伸びてもよい。第1の屈曲ゾーン540は、管開口部において組織によって提供される抵抗力に打ち勝つように、乳管に入るために実質的に堅くてもよい。隣接する第2の屈曲ゾーン544は、延長先端部517の長さに沿って第1の中間位置542から離れたもう1つの中間位置まで伸びてもよい。第2の屈曲ゾーン544は、延長先端部517が乳管の幾何学的配置を横切ることを可能にするために、第1の屈曲ゾーン544よりも堅さがより低くてもよい。第3の屈曲ゾーン548は、第2の屈曲ゾーン544に隣接して提供されてもよい。第3の屈曲ゾーン548は、第2の屈曲ゾーンよりも可撓性であってもよい。特定の例において、第1の屈曲ゾーンの寸法は遠位端から3cmであり得;第2の屈曲ゾーンは4〜8cmの長さを有し得;および第3の屈曲はそれ自体2〜3cmの長さを有し得る。それにも関わらず、ゾーンの長さは実務者によって所望されるように構成され得る。
【0099】
図23A〜23Cは、図16のカテーテル12によって乳管にアクセスする方法を図示する概略図である。図23Aを参照すると、カテーテル12は、管開口部に導入されるように調製され、その結果、その遠位端が、管洗浄、診断物質の導入、および/または治療物質の導入の間に、管括約筋の向こう側の管内に配置される。図23Bに示されるように、カテーテルの遠位端14は管の外側にある。カテーテルは、管開口部中でのカテーテル12の挿入の容易さを提供する可撓性遠位先端部17を有する。さらに、可撓性遠位先端部17は、管内幾何学的配置に従うが管に損傷を引き起こさないように管に挿入される。図23Cに示されるように、遠位端14は管に入っている。遠位先端部17は、そこを通してカテーテル12をガイドするために、継続して管内幾何学的配置に従う。さらに、カテーテル12は、注入および収集のために管をまっすぐにするために、遠位先端部17よりも堅い。カテーテル12は図23A〜23Cを参照して記載されるが、他のカテーテル112、212、312、412、および512が同様の様式で使用されてもよい。
【0100】
図24A〜24Cは、図21のカテーテルボディー212を用いて乳管にアクセスする方法を図示する概略図である。図24を参照すると、カテーテルボディー212は、管開口部に導入されるように調製される。実務者は、所望の可撓性または剛性の導入部218を選択し得る。例えば、異なる剛性特性の導入部218は、乳管への遠位先端部217の挿入の間に、所望の先端部特性に調整するために挿入されてもよい。この配列は、乳管にアクセスするための複合挿入部材を作製する。所望の先端部特性は、材料特性または断面形状の関数であり得る、剛性および可撓性に関連する可能性がある。当業者は、複合挿入部材が断面係数を変化させるための種々の形状および材料特性を有し得ることを認識する。
【0101】
特に、先端部217は、管開口部を貫通するために、選択的に堅く作られ得る。この構成において、カテーテル212および遠位先端部217の長さは比較的固定している。図24Bにおいて、堅いかまたはいくぶん堅い導入部218は遠位先端部217から取り外されるのに対して、カテーテル212は管に挿入される。この取り外された配置において、カテーテル212は、管内幾何学的配置を通して屈曲および曲がり得る。所望される場合、より堅くない導入部218は、遠位先端部217に挿入されてもよい。導入部218のあるなしで、カテーテル212は管の中にさらに前進する。図24Cにおいて、一旦所望の位置が管内に到達すると、堅いかまたはいくぶん堅い導入部218が挿入されかつカテーテル212に前進し、注入および収集のために管をまっすぐにし得る。形状記憶態様において、導入部218の剛性または可撓性は、カテーテル212からの取り外しなしで、刺激の付加または刺激の除去に応答して調整され得る。示されていないが、遠位先端部217が、導入部218の必要性なしで管開口部に挿入することができることが認識されるべきである。適切な剛性の導入部は、カテーテル212の管内エントリーの間またはその後に遠位先端部217に挿入されてもよい。カテーテル212は図24A〜24Cを参照して記載されるが、他のカテーテル112、312、412および512が同様の様式で使用されてもよい。
【0102】
図19および20に図示されるように、カテーテル112は、受容された導入部118との滑らかな移行をなすためにその長さに沿って先細にされてもよく、その結果、患者に任意の痛みを引き起こすカテーテル112と導入部118の間の目に見える変化が形成されず、かつ患者によって知覚されない。カテーテル112はまた、その遠位端に無外傷遠位先端部114を備えてもよい。この遠位先端部分114は、管開口部を通して入ること、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際の管に対する外傷を減少または除去する無外傷先端を作製するために、先細にされ、外形に合わせて成形され、および/または円形にされる。遠位先端部分114はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル112を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分114は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。先端部分114は、0.012インチ(約0.031mm)〜約0.020インチ(約0.051mm)の範囲の直径を有してもよい。1つの態様において、先端部分114は、約0.014インチ(約0.036mm)〜約0.018インチ(約0.046mm)の範囲の直径を有する。先端部分114(カテーテルの遠位部分の遠位端から、カテーテルの近位端に向かって伸びる)の長さは、約0.10インチ(約0.25cm)〜約1.0インチ(約2.5cm)の範囲、より典型的には、約0.20インチ(約0.50cm)〜約0.70インチ(約1.8cm)の範囲であってもよい。
【0103】
図28A、28B、および28Cは、導入部618の遠位端の3つの異なる形式を示す。図28Aを参照すると、デバイスの好ましい態様はカテーテル612において示され、これは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、管導入部618をスライド可能に受容するように適合される。カテーテル612の遠位先端部分614は、無外傷先端を作製して、管導入部618がそこを通り得る開口部を形成するために、形状に合わせて成形され、および/または円形にされる。このような形状に合わせた成形は、管開口部を通して入る際、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際に管への外傷を減少または除去する。遠位先端部分614はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル612を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分614は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。カテーテル612の内腔を通過する管導入部618は、カテーテル612の遠位先端部を過ぎて伸びてもよく、ならびにこれが管開口部を通って貫通し、およびカテーテル614の遠位先端部618が管開口部を通過する前に管括約筋を過ぎて管内腔に貫通するように、十分に長い。プローブ導入部618の伸長した長さは、管洗浄手順の間に、使用の容易さならびに患者の快適さの増加を提供する。伸長プローブ導入部618は、管経路を同定するため、ならびにカテーテル612を管開口部に導入するために使用されてもよい。以前に、管洗浄プロセスは、カテーテルの挿入の前に管経路を同定するために別個のデバイス(拡張器)を使用した。余分のデバイス、および余分の手順の工程は、管開口部および管経路を移動させるためのさらなる挿入工程に起因して、さらなるコスト、時間、ならびに患者の心配または不快の増加を生じた。プローブ導入部の長さの増加は、カテーテル挿入の前に、実務者が管経路を位置決めすることを可能にする。次に、カテーテルは、導入部を引き出すことなく、プローブ導入部の上でそれをすべらせることによって管経路に挿入され得る。本発明の1つの態様において、図28Aに示されるカテーテルの遠位先端部の向こう側に伸びる管導入部の長さは、少なくとも0.025インチである。
【0104】
図28Bにおいて、導入部618は、カテーテル614の遠位先端部の向こう側に少なくとも0.0492インチ伸びる。
【0105】
図28Cにおいて、導入部618は、カテーテル614の遠位先端部の向こう側に少なくとも0.0984インチ伸びる。
【0106】
図29A、29B、および29Cは、カテーテル712の遠位端の3つの異なる形式を示す。図29Aを参照すると、デバイスの好ましい態様はカテーテル712において示され、これは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、管導入部718をスライド可能に受容するように適合される。カテーテル712の遠位先端部分714は、無外傷先端を作製して、管導入部718がそこを通り得る開口部を形成するために、形状に合わせて成形され、および/または円形にされる。このような形状に合わせた成形は、管開口部を通して入る際、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際に管への外傷を減少または除去する。本発明はまた、遠位先端部分714からプローブ導入部さや状覆い701までの工程の移行を提供する。さや状覆い701の遠位先端部分は、無外傷先端を作製して、管導入部718がそこを通り得る開口部を形成するために、形状に合わせて成形され、および/または円形にされる。このような形状に合わせた成形は、管開口部を通して入る際、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際に管への外傷を減少または除去する。遠位先端部分はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル712を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。カテーテル712およびさや状覆い701の内腔を通過する管導入部718は、さや状覆いの遠位先端部を過ぎて伸びてもよく、ならびにこれが管開口部を通って貫通し、およびさや状覆いの遠位先端部が管開口部を通過する前に管括約筋を過ぎて管内腔に貫通するように、十分に長い。図29Aに示されるさや状覆いの遠位先端部の向こう側に伸びる管導入部の長さは、少なくとも6.5ミリメートルである。
【0107】
図29Bにおいて、導入部718は、さや状覆い701の遠位先端部の向こう側に少なくとも12.5ミリメートル伸びる。
【0108】
図29Cにおいて、導入部718は、さや状覆い701の遠位先端部の向こう側に少なくとも25.5ミリメートル伸びる。
【0109】
図30A、30B、および30Cは、カテーテル812の遠位端の3つの異なる形式を示す。図30Aを参照すると、デバイスの好ましい態様はカテーテル812において示され、これは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、管導入部818をスライド可能に受容するように適合される。カテーテル812の遠位先端部分814は、無外傷先端を作製して、管導入部818がそこを通り得る開口部を形成するために、形状に合わせて成形され、および/または円形にされる。このような形状に合わせた成形は、管開口部を通して入る際、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際に管への外傷を減少または除去する。本発明はまた、遠位先端部分814からプローブ導入部さや状覆い801までの工程の移行を提供する。さや状覆い801の遠位先端部分は、無外傷先端を作製して、管導入部818がそこを通り得る開口部を形成するために、形状に合わせて成形され、および/または円形にされる。このような形状に合わせた成形は、管開口部を通して入る際、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際に管への外傷を減少または除去する。遠位先端部分はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル812を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。プローブ導入部801さや状覆いは、カテーテル812の遠位端の向こう側に伸びてもよい。伸長プローブ導入部さや状覆いは、管開口部へのカテーテル812の滑らかな移行およびエントリーを容易にする。図16Aに示されるカテーテル812の遠位先端部の向こう側に伸びるプローブ導入部さや状覆いの長さは、少なくとも1.5ミリメートルである。
【0110】
図30Bにおいて、プローブ導入部さや状覆い801は、カテーテル812の遠位先端部の向こう側に少なくとも6.0ミリメートル伸びる。
【0111】
図30Cにおいて、プローブ導入部さや状覆い801は、カテーテル812の遠位先端部の向こう側に少なくとも18.5ミリメートル伸びる。
【0112】
もう1つの態様において、プローブ導入部さや状覆い801および導入部818は、単一単位に一緒にされ得る。一緒にしたさや状覆い/導入部は、金属ワイヤなどの剛性材料またはプラスチックなどの可撓性材料から形成されてもよい。本発明の1つの態様において、一緒にしたさや状覆い/導入部は、その可撓性、耐久性、および生体適合性に起因して、Nitinolから形成されてもよい。一緒にしたさや状覆い/導入部は、先細になっている小さな直径の先端を含むように研磨されたNitinolワイヤから構成され得る。代替の態様において、一緒にしたさや状覆い/導入部は、複数の材料、または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、一緒にしたさや状覆い/導入部は、同じ一緒にしたさや状覆い/導入部の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、一緒にしたさや状覆い/導入部は、管内腔内の一緒にしたさや状覆い/導入部を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、一緒にしたさや状覆い/導入部を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、一緒にしたさや状覆い/導入部は、管中での一緒にしたさや状覆い/導入部の導入および前進の間に一緒にしたさや状覆い/導入部と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0113】
一緒にしたさや状覆い/導入部は、形状記憶金属およびプラスチックを含む、金属またはプラスチックから作られてもよく、穏やかに探索し、および乳管にアクセスするために、先細にされ、および/または無外傷性の先端を有してもよい。好ましくは、先細にされた先端は、カテーテルの乳管への導入の間に、カテーテルから遠位に伸びる。管のアクセスが完了した後、カテーテルは、一緒にしたさや状覆い/導入部の上ですべらせて、かつ管括約筋に対して遠位の位置に配置されてもよい。
【0114】
本明細書に記載されるようなカテーテルは、医学的使用のために広範な適切な材料から構成され得る。好ましい構成において、カテーテルは、PTFEで形成され、およびSTS Slipcoatでコートされ、乳管中での配置の間、デバイス上での摩擦を減少する。PTFEの代わりに、カテーテルについての代替物質には以下が含まれ得るがこれらに限定されない:ポリカーボネート;ステンレス鋼(300シリーズ);ポリイミド;FEP;PEEK;ポリエチレン;およびPEBAX。カテーテルの特定の寸法の値は図26に示されるが、例として提供される。それにも関わらず、他の適切な材料および寸法の値が利用されてもよい。
【0115】
ハブ22ハウジングがポリカーボネートから成型され得る。チュービングセット25は、ポリカーボネートから作られたルアーコネクタを伴って、PVCから作られてもよい。このチュービングセットは、シリコーン;低密度ポリエチレン;PVC;タイゴン(tygon);またはポリプロピレンを含むがこれらに限定されない、種々の従来的な材料から作られてもよい。
【0116】
1つの製造プロセスにおいて、本発明の1つまたは複数の態様に従うカテーテルが押し出しプロセスを使用することによって構築されてもよい。このプロセス後、カテーテルの遠位端は成型および/または切断によって形状が作られる。任意の傾斜が切り出されて、遠位先端部分とカテーテルの間の移行を提供する。カテーテルの端は、当業者に公知であるRFチッピングプロセスを使用して円形にされてもよい。カテーテルは、所望の医学用グレードのUV接着剤を使用してハブに結合されてもよい。今度は、チューブが、同様にUV接着剤を使用して、ハブおよびルアーコネクタに結合されてもよい。所望される場合、ピンチクランプが外流チューブ上に配置されてもよい。
【0117】
本発明は、ヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法を提供し、これは、少なくとも1つの内腔を有する、デバイス12、112、212、312、412、および512などの管アクセスデバイスを管に導入する工程を含む。洗浄液は、アクセスデバイス内部の内腔を通して、乳管に導入されてもよい。この方法において、少なくとも2mlの洗浄液の量が、所定の時間の間、管内に存在してもよく、次に、洗浄液の少なくとも一部が、管からアクセスデバイスの内腔を通して収集される。この方法は、好ましくは、洗浄液を導入した後、しかし洗浄液の一部を収集する前またはその間に、乳房組織をマッサージすることおよび搾ることをさらに含む。管アクセスデバイスを導入することは、典型的には、乳管中の管括約筋に対して遠位に、カテーテルの遠位端を配置することを含む。このアクセスデバイスは、好ましくは、管に伸びる単一内腔のみを含む。あらかじめ選択した時間は1秒未満であってもよいが、通常は1秒から1時間までの範囲である。
【0118】
従って、本発明を規定するための任意の数の代替の組み合わせが存在し、これは、説明、特許請求の範囲、および図面を含む本明細書からの1つまたは複数の要素を、種々の組み合わせまたは下位の組み合わせに組み入れる。本明細書に照らして、本発明の局面の代替的な組み合わせは、単独で、または本明細書に規定される1つもしくは複数の要素もしくは工程と組み合わせてのいずれかで、本発明の改変もしくは変更として、または本発明の一部として利用され得ることが、関連する技術における当業者には明らかである。本明細書に含まれる、本発明の書かれた記載は、すべてのこのような修飾および変更を網羅することが意図され得る。
((英文原稿の)この頁の残りは意図的な空白のままである)
【0119】
制御液圧を使用して管括約筋を開く方法
発明の概要
本発明の1つの局面に従って、乳管に液体を導入するため、ならびに乳管内からの管上皮細胞および管上皮細胞の集団を含む管液試料を収集するために使用可能である薄型多岐管ハブを備える管アクセスデバイスを備える医療器具が提供される。この管アクセスデバイスはまた、遠位端、1つの内腔、および管開口部を通して遠位端の導入を可能にし、かつヒト乳房の管括約筋に対して遠位である遠位端を配置する寸法を含む。このカテーテルは、ユーザが、カテーテルの遠位端がそこに導入された深さを決定することを可能にする、その外表面上の長さの指示を含んでもよい。この医療器具は、乳頭の表面上の所望の距離に多岐管ハブを調整可能に配置するための少なくとも1つのスペーシング部材(スペーサー)を備えてもよい。このスペーシング部材は、カテーテルの管までの挿入深さを制御し得る。この医療器具はまた、乳房にデバイスを固着するための少なくとも1つの部材を含んでもよい。
【0120】
本発明のもう1つの局面において、乳管内に導入および配置されるための装置が提供される。この装置は、乳管内で物質を導入または取り出しを行ってもよい。この装置は、多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を含む多岐管ハブを備える。開口部の少なくとも2つは、多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネルと液体で連絡している。この装置はまた、多岐管ハブから伸びるカテーテルを備える。このカテーテルは、乳管内に配置されるためにサイズ決定され、かつ構成される。この装置は、乳頭の表面上の距離を、多岐管ハブの間隔を空けるためにカテーテルの長さに平行な方向に動かしてもよい収納可能スペーサーをさらに備える。
【0121】
本発明のなおもう1つの局面において、乳管に液体を導入するための医療デバイスが提供される。この医療デバイスは、乳管内で伸びるようにサイズ決定されかつ構成されるカテーテルを備える。このカテーテルは、カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる内腔を備える。この医療デバイスはまた、カテーテルに接続され、かつ液体で連絡している多岐管ハブを備える。この多岐管ハブは、多岐管ハブの内部において液体で連絡している少なくとも4個のポートを備える。この少なくとも4個のポートの少なくとも2個が、導入ラインおよび管液収集ラインを受容するために多岐管ハブ内に形成されたチャネルと液体で連絡している。この多岐管ハブは、カテーテルの縦軸と平行に伸びる高さおよびカテーテルの縦軸と垂直に伸びる長さを有する。多岐管ハブの長さは、多岐管ハブの高さよりも大きい。
【0122】
本発明のさらにもう1つの局面において、乳管から液体を吸引するための管アクセスデバイスが提供される。この管アクセスデバイスは、乳管に導入される液体を受容するための多岐管ハブ、および多岐管ハブから伸びるカテーテルを備える。このカテーテルは、乳管内に配置されるようにサイズ決定され、かつ乳管内で液体を導入および受容するための内腔を備える。この内腔は多岐管ハブと液体で連絡し、乳管内から管液試料を受容するようにサイズ決定される。この管アクセスデバイスはまた、多岐管ハブと液体で連絡している陰圧の供給源を備え、その結果、多岐管ハブ内の管液試料は、収集デバイス内で受容されるために陰圧の供給源にまで引き出される。
【0123】
本発明のなおもう1つの局面において、制御液圧を使用して管括約筋を開く方法が提供される。この方法は、医療器具を括約筋に対して近位に導く工程、液体が括約筋を接触するように、この医療器具を通して液体を導入する工程、液圧の増加が括約筋が開くことを引き起こすように、液体に圧力を適用する工程、およびこの開いた括約筋にこの医療機器を通す工程を含む。
【0124】
本発明に従うカテーテルは、約0.01インチ(0.254mm)〜約0.05インチ(または1.27mm)の外径を有してもよい。このカテーテルは、約0.007インチ(または0.0178mm)〜約0.047インチ(または1.19mm)の範囲の内腔直径を有してもよい。付随する多岐管ハブは、さらに、注入デバイスからカテーテルの内腔までの液体流路を適用する注入コネクタ;およびカテーテルの内腔から液体収集デバイスまでの液体出口経路を提供する収集コネクタを備えてもよい。
【0125】
水密密封系が多岐管ハブの近位端に位置してもよい。この密封系は、拡張器の周囲で密封してもよく、または他の導入部が医療器具の内部に配置されかつそこを通して伸びてもよい。このような密封系は、Touhy-Borstフィッティングを含んでもよい。カテーテルを伴う使用のための拡張器または他の導入部は、0.024インチ(または0.61mm)〜約0.001インチの外径を有してもよい。導入部はまた、先細になっていてもよい。
【0126】
発明の詳細な説明
図1は、乳管内で医療行為を実行するための、薄型の単一内腔医療器具10の態様を図示する。本明細書で使用される場合、語句「医療行為」は、調製手順、診断手順、または治療手順を含んでもよい。これらの手順は、乳管に物質を送達する工程、および/または乳管内から物質を回収する工程を含むことができる。
【0127】
1つの態様において、医療器具10は、多岐管ハブ20に送達される管洗浄液を乳管に注入するため、ならびに分析のために乳管内から、数百個の管上皮細胞および/または10個より多くの細胞集団を含む管液試料を収集または引き出すために使用されてもよい。もう1つの態様において、医療器具10は、乳管に診断剤または治療剤を注入するために使用されてもよい。図1〜8に示されるように、器具10はまた、患者に器具10を固定するための部材11を含んでもよい。固定部材11は、患者に器具10を接触および付着させるために一方の側に生体適合性接着剤を有してもよい。部材11は、患者の身体に対して多岐管ハブ20の移動を妨害するようにサイズ決定される。図7および8において図示される態様において、部材11の区画11Aおよび11Bは、固定部材11が、患者および手順の間に生じる力に調整され得るように、互いに対して折りたたまれてもよい。さらに、部材11は、スペーサー90の遠位に配置され得る(以下で議論する)。
【0128】
図1〜6に図示されるように、医療器具10は、多岐管ハブ20、および多岐管ハブ20の遠位端21から伸びる管アクセスカテーテル40を備える。アクセスカテーテル40は、乳管にアクセスするようにサイズ決定される。図示されるように、多岐管ハブ20は、カテーテル40の長さに平行に伸びる方向で薄型(高さ)を有してもよい。図1〜6に図示されるように、多岐管ハブ20の高さはその長さ(これがカテーテル40の長さに垂直に伸びる方向)よりも小さくてもよい。第1の態様において、多岐管ハブ20は、約0.25インチ〜約0.375インチの範囲の幅、および約0.75インチ〜約1.0インチの範囲の高さを有してもよい。もう1つの態様において、多岐管ハブ20は、1ml未満の内部液体容量を有する。薄型の多岐管ハブ20は、大きなトルクが医療行為の間に患者の管に適用される可能性がある、カテーテル40の長さに沿った位置において回転軸が形成されることを妨害する。管の任意のトルク発生を除去するか、または少なくとも有意に減少させることによって、管はねじれず、管組織の位置の変化に起因して閉鎖せず、または管の上皮の裏層に対してカテーテル40を押すことに起因して損傷しない。器具10はまた、付添人または実務者による容易な取り扱いおよび握ることを可能にする人間工学的設計を有し、その結果、多岐管ハブ20およびカテーテル40は容易に操作され得る。
【0129】
多岐管ハブ20が乳頭表面から間隔をあける必要がある事象において、収納可能スペーサー90は、図7および8に示されるように、多岐管ハブの遠位端およびカテーテル40の近位端に配置され得る。収納可能スペーサー90は、約1mm〜約10mmの範囲、最も典型的には約5mmの範囲の間隔をあけた距離を有し得る。第1の態様において、収納可能スペーサー90は、第2のスペーシング部材90内に受容される第1のスペーシング部材92を含んでもよい。または、第1のスペーシング部材92は、第2のスペーシング部材93を伸縮自在に受容してもよい。この態様において、第1の部材92は、多岐管ハブ20に対して相対的に動作に対して固定され、一方第2の部材93は、第1の部材92と多岐管ハブ20の両方に対して相対的に移動可能である。代替の態様において、スペーシング部材92、93の両方が、多岐管ハブ20に対して相対的に移動可能である。乳頭の表面から多岐管ハブ20を間隔をあけるために必要とされる距離、例えば、約15mmから20mmの間の距離は、伸長位置にスペーシング部材92、93をロックすることによって制御されてもよい(図8)。または、収納可能スペーサー90は、収納位置にロックされてもよい(図7)。代替の態様において、収納可能スペーサー90は、多岐管ハブ20の一部をスライド可能に受容して収納位置を達成し、および多岐管ハブ20の末端にロックされて伸長位置を達成する、単一の移動可能なスペーシング部材95を備える。上記に議論した態様のいずれかにおいて、スペーシング部材92、93、95は、互いにおよび多岐管ハブ20に相対的な並進運動に対してスペーシング部材92、93、95を各々ロックするために、互いにおよび多岐管ハブ20に相対的に回転されてもよい。伸縮自在部材のための任意の公知の回転ロッキング系が使用されてもよい。または、スペーシング部材92、93、95は、周知のスナップロックを使用してロック位置にされてもよい。さらなるスペーシングが必要とされる場合、異なるサイズの部材92、93、95または2つより多くの伸縮自在部材が提供されてもよい。
【0130】
多岐管ハブ20は、透明材料で形成されてもよく、その結果、付添人または実務者が多岐管ハブ20内の液体および物質を容易に見ることができる。透明材料はプラスチック、例えば、ABSプラスチックまたは他の公知のプラスチック材料であってもよい。図1〜8に図示されるように、多岐管ハブ20の態様は、実質的に「F」字型を有してもよい。
【0131】
図2A、2B、および4に示されるように、多岐管ハブ20は、洗浄液、診断剤、または治療剤を含む物質が注入デバイス38から、第1のポート30、多岐管ハブ20、および最終的に、管アクセスカテーテル40までそこを通って送達される、注入チューブ34に接続するための第1のポート30を備える。接続された注入デバイス38は、シリンジまたは他の公知の液体コンテナを備えてもよい。1つの態様において、注入デバイス38は、患者の乳房の上の位置に配置された液体容器、例えば、バッグまたはコンテナを備えてもよい。この態様において、患者の乳房の上のコンテナの高さおよび重力が使用されて、注入デバイス38から注入チューブ34まで液体を送達する。
【0132】
図2A、2B、および4に示されるように、多岐管ハブ20はまた、収集チューブ36への接続のための第2のポート32を備える。乳管内から収集される管液試料は、多岐管ハブ20から、収集チューブ36を経由して、収集容器39に送達されてもよい。収集容器39は、シリンジまたは医学用液体バッグもしくはコンテナを含む、他の公知の液体収集デバイスを備えてもよい。1つの代替において、収集容器39は、陰圧の供給源を備えるか、またはそれに接続されてもよく、その結果、低圧の領域が、収集チューブ36内に、および必要な場合、収集容器39への回収された管液試料の送達において補助するために多岐管ハブ20に作られ得る。この低圧の領域、例えば、1つの態様において真空は、バルブシリンジ、手動操作真空供給源、足操作真空供給源、またはモーター制御真空供給源を使用して作られてもよい。これらの真空供給源は、収集チューブ36内の陰圧を作るポンプを備えてもよい。低圧の供給源に加えて、または低圧の供給源の代わりに、収集チューブ内の低圧は、多岐管ハブ20に液体を注入することによって作られてもよく、それによって、収集チューブ36と比較して、多岐管ハブ20内の圧力を増加させる。これらの任意の態様において、収集容器39は、手順の間に患者の下の位置に配置されてもよく、その結果、収集された管液試料は、重力によって容器39に送達され得る。
【0133】
第1および第2のポート30、32は、図2Aおよび2Bに示されるように、管の中に、または管から外側へいずれかの液体の流れに誘導する、円形、卵形、または他の幾何学的形状である、多岐管ハブ20の側壁に沿った開口部を備えてもよい。ポート30、32の直径は、管の中への所望の流速または管から外側への吸引もしくは収集の速度を達成するために適切な直径であり得る。従って、ポート30、32の直径は、約0.060インチ〜約0.090インチの範囲であり得る。とりわけ、このような異なるポートサイズが内腔の1つの中にもしくはそこから外側への所望の流速、または注入の全体の洗浄効率ならびに洗浄液および管液の吸引もしくは収集を提供する場合、1つの側ポート30、32は他方よりもより大きいかまたはより小さくてもよい。
【0134】
図1〜6は、第1および第2のポート30、32およびそれらの付随するチューブ34、36それぞれが、多岐管ハブ20およびカテーテル40の縦軸に対して横軸方向に伸びるコネクタハウジング25中に配置されることを図示する。このコネクタハウジング25は、単位エレメントとして、多岐管ハブ20内に一体化して形成されてもよい。または、コネクタハウジング25は、多岐管ハブ20とは分かれて形成されてもよく、カテーテル40に関して、以下に議論されるように、多岐管ハブ20に固定されてもよい。コネクタハウジング25は、チューブ34、36の一方を各々受容する2つのチャネル26を備える。チャネル26は、多岐管ハブ20上のポート30、32から、外部のコネクタハウジング25の末端表面まで伸びる。各チャネル26は、チューブ34、36の、それらのそれぞれのポート30、32への容易な、信頼性のある、かつ迅速な接続のために、そのそれぞれの多岐管ハブポート30、32ともに、受容したチューブ34、36を一直線にする。チャネル26はまた、それらのポート30、32への接続のそれらの点において、チューブ34、36を支持し、その結果、チューブ34、36は、それらがそれらのそれぞれのポート30、32と接続する点に関してモーメント(これは管にトルクを生じ得る)を生じない。コネクタハウジング25はまた、付添人または実務者によって握られてもよい、一体化して形成され、またはさもなくば固定されたリッジ29を有する成形側壁28を備えてもよい。成形側壁28は、付添人または実務者によって容易に握ることを可能にし、および付添人または実務者が、器具10を見ることなく、手順の間に器具10を正しい方向に置くことを可能にする。
【0135】
図2Bに示される態様において、第1および第2のポート30、32は、コネクタハウジング25内に伸び、かつ可撓性の注入チューブおよび収集チューブ34、36を受容するポスト35を備えてもよい。1つの態様において、注入チューブおよび収集チューブ34、36は、外科チュービングなどの可撓性チュービングから形成されてもよい。しかし、チューブ34、36は、可撓性プラスチックを含む任意の可撓性材料から形成されてもよい。1つの態様において、チューブ34、36は可撓性PVCから形成される。
【0136】
ポスト35は、チューブ34、36がポスト35の上、またはその中に配置される場合に、チューブ34、36を固定して受容してもよい。または、ポート30、32およびそれらの付随するポスト35は、チューブ34、36の第1の末端上で対応するルアーロックフィッティングと連係するルアーロックフィッティング(示さず)を備えてもよい。チューブ34、36の第2の末端はまた、シリンジまたは他の液体コンテナ上で標準的なルアーロックフィッティングと一緒になるルアーロックフィッティングを備えてもよい。このルアーロックフィッティングは、オスまたはメスのいずれのフィッティングであってもよい。本明細書で議論されるように、シリンジおよび他の液体コンテナは、生理食塩水、造影物質などの診断物質、および治療的処置物質を、注入チューブ34に運び、かつ注入してもよい。チューブ34、36は、UV硬化可能な接着剤または他の公知の結合剤を使用して、多岐管ハブ20のポスト35およびルアーロックに固定されてもよい。代替の態様において、チューブ34、36は、オーバーモールドによって、多岐管ハブ20およびルアーロックに固定されてもよい。
【0137】
図1〜6に示されるように、第1のポート30は、多岐管ハブ20の周囲に沿って第2のポート32に隣接して配置されてもよい。図示された態様において、周囲に隣接するポート30、32は、多岐管ハブ20の第1および第2の末端22、24から同じ縦軸方向の距離間隔があいている。このポート30、32の間隔は、コンパクトでかつ薄型の多岐管ハブ20を提供し、これは、上記に議論したように、多岐管ハブ20が患者の上に配置され、かつ実務者または他の付添人からの支持がない場合に、管にトルクを発生するモーメントおよび付随する力を生じない。
【0138】
第2のポート32は、多岐管ハブ20の壁の周りで第1のポート30からの任意の距離で周囲が間隔があいていてもよい。1つの態様において、第1のポート30は、多岐管ハブ20の周辺の第2のポート32から、45から90度の間の片寄りであってもよい。代替の態様において、第1のポート30は、第2のポート32から、90〜180度の間、多岐管壁に沿った周囲において片寄っていもよい。1つの態様において、第1のポート30は、第2のポート32から約180度、周囲において片寄っており、その結果、第1および第2のポート30、32は、多岐管ハブ20内で互いに対抗する。
【0139】
代替の態様において、第2のポート32が、第1のポート30よりもカテーテル40から縦軸方向により大きく離れて間隔のあいた位置でハブ20に沿って位置することが可能である。この態様において、第2のポート32は、収集カテーテル40から多岐管ハブ20に入る液体を収集するために使用されてもよい。例えば、1つのポートが、カテーテル40の遠位先端部から約2.0cmに位置してもよく、1つのポートが、カテーテル40の遠位先端部から約2.5cmに位置してもよい。
【0140】
チューブ34および36は、多岐管ハブ20の中に、またはその外側への液体を制御するための一方向チェックバルブ39(図2A)を各々備えてもよい。チューブ34におけるこのチェックバルブ39は、例えば、チューブ34に注入された後で、洗浄液がチューブ34に接続されたシリンジに逆流することを妨害し得る。同様に、チューブ36におけるチェックバルブ39は、チューブ中の回収した管液試料が多岐管ハブ20に逆流することを妨害するために使用され得る。代替の態様において、チューブ34、36上のピンチクランプは、1つまたは両方のチェックバルブ39を置き換えてもよい。例えば、チェックバルブ39は、注入チューブ34内に配置されてもよく、従来的なピンチクランプは、収集チューブ36上に配置されてもよい。チューブ34、36内で液流の方向およびタイミングを制御するための他の公知のデバイスもまた、使用されてもよい。
【0141】
図1〜6に示されるように、カテーテル40は、多岐管ハブ20に固定される、薄い壁を有するマイクロカテーテル41を備える。第1の態様において、マイクロカテーテル41は、多岐管ハブ20の一部として一体化して形成される。もう1つの態様において、マイクロカテーテル41は、別個の小片として形成され、次に微細熔接またはUV硬化可能な接着剤によって多岐管ハブ20に固定される。マイクロカテーテル41を多岐管ハブ20に固定するための他の公知の技術を使用することができる。上記に議論した態様のいずれかにおいて、カテーテル40は、乳管開口部にそれを容易に導入されることを可能にする、潤滑性コーティングを提供するために公知の薬剤でコートされてもよい。このコーティングは、潤滑剤、洗浄剤、麻酔剤、および/または拡張剤を含んでもよい。マイクロカテーテル41は、FEPなどの任意の公知の生体適合性坐量で形成されてもよい。カテーテル40は、約0.01インチ(約0.25mm)〜約0.05インチ(約1.25mm)の範囲の外径を、約0.008インチ(約0.2mm)〜約0.047インチ(約1.2mm)の範囲の直径を有する内腔43とともに有してもよい。1つの態様において、マイクロカテーテル41は、約0.030インチ(約0.762mm)の外径および約0.025インチ(約0.63mm)の内径を有する内腔43を有する。
【0142】
カテーテル40は、ユーザが、カテーテルの遠位端が乳管に導入された深さを決定することを可能にする、カテーテル40の外面上の長さ表示(示さず)を含んでもよい。代替の態様において、カテーテル40は、管中での所定の距離の向こう側へのカテーテルの挿入を妨害する、一体化して形成され、または結合された停止エレメント(示さず)を備えることができる。1つの態様において、停止エレメントは、カテーテル40の遠位部分が、ノブがカテーテル40の遠位端から間隔をあけているよりも長い距離に管を入れることを妨害するための、増加した直径を有するカテーテル40上のノブを備えてもよい。
【0143】
図1〜7に図示されるように、カテーテル40は、受容された導入部50との滑らかな移行をなすためにその長さに沿って先細にされてもよく、その結果、患者にいくらかの痛みを引き起こすカテーテル40と導入部50の間の目に見える変化が形成されず、かつ患者によって知覚されない。カテーテル40はまた、その遠位端42に無外傷遠位端を備えてもよい。遠位先端部分42は、管開口部を通して入ること、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際の管に対する外傷を減少または除去する無外傷先端を作製するために、先細にされ、外形に合わせて成形され、および/または円形にされる。遠位先端部分42はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル40を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分42は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。先端部分42は、0.012インチ(約0.031mm)〜約0.020インチ(約0.051mm)の範囲の直径を有してもよい。1つの態様において、先端部分42は、0.014インチ(約0.036mm)〜約0.018インチ(約0.046mm)の範囲の直径を有する。先端部分42(カテーテル40の遠位部分の遠位端から、カテーテル40の近位部分に向かって伸びる)の長さは、約0.10インチ(約0.25cm)〜約1.0インチ(約2.5cm)の範囲、より典型的には、約0.20インチ(約0.50cm)〜約0.70インチ(約1.8cm)の範囲であってもよい。
【0144】
遠位先端部42を含む、強化されたカテーテル40の遠位部分は、約0.010インチ-ポンド〜約0.5インチ-ポンドの範囲の平均曲げ剛性を有してもよい。カテーテル40はまた、重い縫合糸の剛性(およそ0.025 OD)と同様の剛性を有してもよい。カテーテル40の近位部分は、管開口部を通して、および管内腔への挿入を阻害する、横断面の幾何学的配置および/またはサイズを有してもよい。
【0145】
Touhy-Borstフィッティング70は、図1〜6に示されるように、ユーザが導入部50の上でカテーテル40を容易に受容しかつ動かすことを可能にするために、多岐管ハブ20の近位端22に配置されてもよい。Touhy-Borstフィッティング70は、ガイドワイヤ、スタイレット、拡張器などを備える導入部50(以下に議論される)がそこを通して伸びてもよい、開口部77をカバーしおよび密封するために、多岐管ハブ20の末端に配置される。Touhy-Borstフィッティング70は、導入部50およびネジ付きキャップ76を受容するための小さなアパーチャ74を備えるシリコーンプラグ72を備える。キャップ76が第1の方向に回転される場合、シリコーンプラグ72が変化され、アパーチャ74のサイズが減少される。これは、挿入された導入部50の周囲でシールを形成するシリコーンプラグ72を生じる。キャップ76が第2の反対の方向に回転される場合、アパーチャ74および作製されたシールが開き、それによって、導入部50が取り出されることを可能にする。シリコーンプラグ72はまた、多岐管ハブ20の近位端をシールするために密封されてもよく、この場合、導入部50が存在せず、その結果、多岐管ハブ20の遠位端が液流に対してシールされ、この場合、近位端22は導入部50を含まない。
【0146】
導入部50は、図1に示されるように、管開口部を経由して乳管および管内腔にカテーテル40を配置する際に補助するために多岐管ハブ20内に配置されてもよい。導入部50は、先細の拡張器、漸次的により大きな直径の一連の拡張器、先細のガイドワイヤを含むガイドワイヤ、スタイレット、または他の公知の導入部を含んでもよい。図示されるように、導入部50は、多岐管ハブ20の近位端22においてTouhy-Borstフィッティング70を通過し、その結果、導入部50は、カテーテル40の位置決めの後および洗浄液の注入/収集の前に取り外されてもよい。上記に議論したとおり、乳管に挿入される前に、Touhy-Borstフィッティング70は、導入の間に導入部50の上で下に向き、次に、カテーテル40が乳管内で所望の深さまで配置された場合に後退されてもよい。導入部50は、金属ワイヤまたは可撓性プラスチックなどの堅い材料から形成されてもよい。1つの態様において、導入部50は、ステンレス鋼またはポリプロピレンモノフィラメントなどの可撓性材料から形成されてもよい。代替の態様において、導入部50は、複数の材料または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、導入部50は、同じ導入部50の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、導入部50は、管内腔内の導入部50を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、導入部50を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、導入部50は、管中での導入部50の導入および前進の間に導入部50と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0147】
導入部50は、形状記憶金属およびプラスチックを含む、金属またはプラスチックから作られてもよく、穏やかに探索し、および乳管にアクセスするために、先細にされ、および/または無外傷性の先端を有してもよい。好ましくは、先細にされた先端52は、カテーテル40の乳管への導入の間に、カテーテル40から遠位に伸びる。管のアクセスが完了した後、導入部50は引き出され、Touhy-Borstフィッティング70は密封されてもよく、留置カテーテル40は管括約筋に対して遠位の位置に配置されてもよい。導入部50は、約0.005インチ〜約0.030インチまでの外径を有してもよい。1つの態様において、導入部50は、約0.010インチの外径を有する。導入部50は、多岐管ハブ20およびカテーテル40の内腔を通して伸びてもよい。導入部50は、その長さの上で先細になってもよい。
【0148】
カテーテル40を管に導入するプロセスの間、管開口部は、実務者または付添人によって乳頭の表面上に配置され、かつ第1の導入部50は、管開口部を通して管に前進される。導入部50は、長い可撓性ガイドワイヤ、より短い拡張器、または任意の他の上述の導入部であってもよい。導入部50が管内に配置される前、またはその後に、多岐管ハブ20およびカテーテル40は、第1または第2の導入部50を受容してもよい。以前に議論したように、Touhy-Borstフィッティング70は、受容された導入部50に関してロックされて、多岐管ハブ20の遠位端で液密シールを形成してもよく、その結果、液体は、管へのカテーテル40の挿入の間に、導入部50周辺の多岐管ハブ20に流出しない(図9、10、12および13を参照されたい)。
【0149】
カテーテル40が意図されたように管内に配置される場合、Touhy-Borstフィッティング70が開き、かつ導入部50が取り外される(図11および14を参照されたい)。次に、Touhy-Borstフィッティング70は、ハブ20をシールするために再度閉じてもよい。次に、液体が、注入の間に抵抗に遭遇するまで、多岐管ハブ20まで、カテーテル40を経由して、および乳管まで、導入される。この時点で、管が満たされることが仮定される。次に、注入チューブ、例えば、チューブ34が閉じられてもよく、液体は、あらかじめ選択された時間、管中に残存させられる。このあらかじめ選択された時間の間、乳房はマッサージされ、搾られて、洗浄液および管液の混合を促進してもよく、また最終的に、液体が管を離れ、かつ多岐管ハブ20に入ることを助長してもよい。収集チューブ、例えば、チューブ36が開かれ、かつ乳房が搾られて、液体がカテーテル40を通して、および多岐管ハブ20に前進するように刺激してもよい。所望される場合、ハブ20(これは、透明であってもよく、または透明なウィンドウを備えていてもよい)中に濁った回収液が見られる場合には、注入チューブ34は開かれ、液体が多岐管ハブ20に注入されて、ハブ20中に収集された管液試料を、収集チューブ36および待ち収集容器まで押し出してもよい。または、およびおそらくさらに、吸引圧が、多岐管ハブ20内に、および収集チューブ36に提供されて、ハブ20中に残存している任意の液体を、収集容器まで吸引してもよい。このプロセスは、管への液体のもう1回の注入に従い、または搾ることのもう1回のラウンドによってのいずれかで反復され、乳管内での注入された液体および細胞物質を戻すことおよび収集を促進する。
【0150】
1つの態様において、洗浄の方法は、標準的なまたは古典的な仰臥位の(顔を上に向けた)位置よりも、洗浄手順の間に椅子に患者を実質的にまっすぐに座らせることを含んでもよい。または、患者は、傾いた位置で、顔を下にして、乳頭および乳房を下にして洗浄されてもよい。傾いた、顔を下にする位置は重力を利用し、手順の間、流出ポートが開いている場合に、乳管が収集容器に流れ出ることを可能にする。従って、上記に議論したように、洗浄手順は、流出内腔を閉鎖しながら、開いている流入内腔を通して洗浄液を乳管に注入すること;管が満たされた場合に流入内腔を閉鎖すること;乳房を搾りまたはマッサージすること、またはその両方;および洗浄液を収集するために流出内腔を開くこと、を含んでもよい。
【0151】
収集した細胞は管上皮細胞を含み得る;収集した管液は分子物質および細胞物質を含み得る。管上皮細胞ならびに/または管液中の分子物質および細胞物質の分析は、これらの収集した物質の診断的潜在能力を議論して以下に記載されるように前進してもよい。収集した細胞および液体および液体成分が分析され得る。管細胞を含む洗浄液は、診断目的のために分析されてもよい。診断することが所望される胸部乳管の状態には、癌または前癌状態が含まれる。前癌状態は、異型導管過形成(ADH)または原位置軽度腺管癌(LG-DCIS)を含み得る。診断剤はまた、例えば、線維性、嚢胞性、または乳汁分泌に関連する状態を含む、他の乳房関連状態を診断する能力を有し得る。診断剤は、管液と混合されてもよい(洗浄手順中に、または液体が収集された後のいずれかで)。
【0152】
管を洗浄するために管に注入される液体は、公知の生体適合性液体を含んでもよい。これらの洗浄液は、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張溶液、浸透圧性溶液、低張液、および高張液を含んでもよい。洗浄液は、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張液、浸透圧性溶液、低張液、高張液、タンパク質、コロイド、糖、ポリマー、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、合成コロイド、抗体、結合タンパク質、またはアルブミンを含んでもよい。
【0153】
上記に言及したように、診断剤または治療剤は、多岐管ハブ20およびカテーテル40を通して乳管に導入されてもよい。管に注入するために導入された薬剤は、非吸収性液体および/または膠質剤および/または浸透圧性剤を含み得る。この薬剤は可溶性であり得る。この薬剤は、タンパク質、コロイド、糖、またはポリマーである分子を含んでもよい。この薬剤は、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、または合成コロイドであってもよい。この薬剤はタンパク質を含んでもよく、このタンパク質は結合タンパク質または抗体であってもよい。この結合タンパク質はアルブミンであり得る。投与することは局所的に投与することを含んでもよく、局所投与は管内に投与することを含んでもよい。胸部の乳管から収集可能な液体の量を増加または標準化するための系は、非吸収性液体および/または浸透圧性剤および/または膠質剤を管内腔に注入すること、管内腔に薬剤を送達するための医療ツール、ならびに使用のための説明書を含み得る。
【0154】
図31A〜Dに示されるように、本発明のなおもう1つの局面において、カテーテルなどの医療器具の乳管への挿入は、液圧によって補助される。上記に言及されたように、カテーテル40を乳管に導入するプロセスの間、管開口部は乳頭の表面上に位置し、導入部50は管開口部を通して、管まで前進される(図9、10、12、および13を参照されたい)。一旦導入部50が管に配置されると、カテーテル40は、管括約筋に遠位であるのみの管開口部に導入される。この時点で、導入部50は取り外され得、液圧がカテーテルを通して適用される。液圧の使用は、カテーテル40の管への挿入の間に、開くこと、まっすぐにすること、および潤滑させることと同様に、管括約筋を開くことにおいて補助する。一旦カテーテル40が管内に適切に収容されると、液圧は中断される。
【0155】
図2A、2B、および4に示されたように、多岐管ハブ20は、洗浄液、診断剤、または治療剤を含む物質が注入デバイス38から、第1のポート30、多岐管ハブ20、および最終的に、管アクセスカテーテル40までそこを通って送達される、注入チューブ34に接続するための第1のポート30を備える。本発明の代替の態様において、注入デバイス38はまた、管括約筋の貫通を補助するために、カテーテル40を通して液圧を適用するために使用されてもよい。接続された注入デバイス38は、シリンジ、ポンプ、または他の公知の液体コンテナを備えてもよい。1つの態様において、注入デバイス38は、連続圧力またはパルス化された圧力のいずれかを供給する精密液体ポンプである。パルス化液圧を使用する利点は、液圧がカテーテルの増加的な前進を伴って制御され得、従って、乳管内での圧力の増加を妨害することである。ポンプの活性化は、トグルスイッチ、プッシュボタン、フットペダル、または当業者に公知である他の方法などの複数の手段によって達成され得る。なおもう1つの態様において、注入デバイス38は、患者の乳房の上の位置に配置された液体容器、例えば、バッグまたはコンテナを備えてもよい。この態様において、患者の乳房の上のコンテナの高さおよび重力が使用されて、注入デバイス38から注入チューブ34まで液体を送達する。さらにもう1つの態様において、液体は、体温またはそれ以上に温められ、管括約筋および乳管組織を弛緩させ、カテーテルを挿入する際に補助する。
【0156】
上記に言及したように、本発明のデバイスは、多岐管ハブ20の中に、またはその外側への液体を制御するための一方向チェックバルブ39(図4)を備えてもよい。チューブ34におけるこのチェックバルブ39は、例えば、液圧が適用される場合に、液体が注入デバイス38に逆流することを妨害し得る。同様に、チューブ36におけるチェックバルブ39は、多岐管ハブ20中の液体が収集デバイス39に逆流することを妨害するために使用され得る。代替の態様において、チューブ34、36上のピンチクランプは、1つまたは両方のチェックバルブ39を置き換えてもよい。例えば、チェックバルブ39は、注入チューブ34内に配置されてもよく、従来的なピンチクランプが、収集チューブ36上に配置されてもよい。チューブ34、36内で液流の方向およびタイミングを制御するための他の公知のデバイスもまた、使用されてもよい。
【0157】
任意の数の代替的な組み合わせが、本発明を規定するために存在し得、これは、説明、特許請求の範囲、および図面を含む本明細書からの1つまたは複数の要素を、種々の組み合わせまたは下位の組み合わせに組み入れる。本明細書に照らして、本発明の局面の代替的な組み合わせは、単独で、または本明細書に規定される1つもしくは複数の要素もしくは工程と組み合わせてのいずれかで、本発明の改変もしくは変更として、または本発明の一部として利用され得ることが、関連する技術における当業者には明らかである。本明細書に含まれる、本発明の書かれた記載は、すべてのこのような修飾および変更を網羅することが意図され得る。
【0158】
管アクセスデバイスを通して、制御された液圧を使用する乳管の操作
((英文原稿の)この頁の残りは意図的な空白のままである)
【0159】
ユーザによって活性化されるバルブおよびNitinol導入部を伴う管洗浄マイクロカテーテル
発明の分野
本発明は、診断的または治療的な医療行為を実行するために哺乳動物の身体に導入される少なくとも部分を有する医療器具に関し、より具体的には、本発明は、管開口部を通して乳管に導入されるようにサイズ決定される、診断的または治療的な医療行為の間に使用可能である医療器具に関する。
【0160】
発明の背景
乳房は、乳頭から放射状に広がり、かつ極めて密度の高い結合組織によって一緒に結合されている複雑な乳管の系を含む、特化した腺構造である。これらの乳管の各々は、管液がそこから絞り出されてもよい乳頭の表面上の付随する管開口部を含む。これらの管は、主要な乳汁分泌分岐を通して流出する、一連の連続する小葉間分岐を含み、この分岐は、付随する管開口部を経由して乳頭において乳房の末端となりかつ乳房から出る。管開口部のすぐ近傍では、各乳管が乳管洞を含み、そこでは管液が蓄積し得る。管括約筋は乳管洞中に存在し、その関連する管開口部を通して乳管から意図的でなく出る管液を妨害する。
【0161】
乳癌は、これらの乳管の裏層で始まると考えられている。数十年間の間、乳癌を研究するために専念した医学界のかなりのメンバーは、乳管内からの乳頭放出液から回収した細胞の細胞学的研究が、乳癌のリスクがある患者を同定することに導く価値のある情報を提供するかもしれないと考え、かつそのことを示してきた。確かに、Papanicolaouは、乳頭放出液中に含まれる細胞を分析することによって、乳癌についての「Pap」スメアのこのような可能性の生成に寄与した。より最近では、癌特異的マーカーは、乳頭吸引によって得られる管液中で検出されてきた。しかし、医学界のこれらのメンバーによって使用された回収技術および器具は、意味のある管液試料を日常的に入手しなかった。
【0162】
管上皮細胞を含む乳管液試料を回収する彼らの試みにおいて、実務者は、留置する髪の毛様単一内腔カテーテルを使用して、乳管に洗浄液を導入した。この液が管に導入された後、液体導入カテーテルは取り外された。次に、外部から適用された乳頭吸引技術または乳房に提供された外圧を使用して、管液の試料を収集した。しかし、これらの技術は、顕著な、時折痛みのある圧力が乳頭表面上に、または乳房の側に沿って作製されて、管括約筋の液体残存特性に打ち勝つことを必要とした。また、これらの技術は、意味のある細胞分析のために、十分な数の管上皮細胞を意味のある管液試料に日常的に提供しなかった。これらの技術は、典型的には、20個以下の管上皮細胞を有する試料の回収をもたらした。さらに、これらの技術は、10個以上の細胞の細胞クラスターを試料に提供しなかった。結果として、得られた液体試料は、彼らがそこから回収した管が前癌細胞または癌細胞を含んでいたか否かを正確に示すことを一貫して提供することができなかった。一貫した、意味のある管上皮細胞試料は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、Hungらへの米国特許第6,413,228号において開示される医療器具によって提供されてきた。
【0163】
他の医療器具、例えば、乳造影術の間に使用されるものは、乳管内の癌細胞の存在を視覚的に決定するために乳管に導入される。しかし、これらのデバイスは、実行される手順の間に、乳管からの距離を伸ばす。これらの距離は、12インチ以上であり得る。結果として、操作者が道具を保持していない場合には、管から伸びた器具の部分の重量および長さによって生じるモーメントが、器具の留置部分を、管の側壁に係合させ、回転させ、および/または管をねじりかつ乳頭を変形させるかもしれない。管および乳頭に対するこれらの効果は、器具の留置部分をねじりまたはしわを作ることによって、おそらく、患者の管を損傷し、かつ患者に対して顕著な不快を生じることによって、手順を妨害するかもしれない。結果として、患者は、これらの長い器具または付添人によって引き起こされる痛みおよび不快のいずれにも耐えなければならず、または付添人は、医療行為の間に患者の上で器具を一定に保持しなくてはならない。
【0164】
しかし、手術台周辺の制限された空間において、および乳頭表面を取り囲む領域において、付添人に、乳管に伸びている器具の末端を一定に保持させることは実用的ではない。それゆえに、手順を受容する前に、患者は、手順の間の不快を被るか、または手順を実行させないことを選択するかのいずれかを決定しなければならない。先行技術の器具はまた、乳頭の周辺の領域において作用しながら、実務者または付添人によって容易に握りかつ調整するために人間工学的に設計されていない。
【0165】
発明の概要
本発明の1つの局面に従って、乳管内で物質を導入または取り出しするために、乳管内に導入および配置されるためのデバイスが提供される。この装置は、多岐管ハブの一方の末端で多岐管ハブを通して伸びる管導入部についての密封のための密封フィッティングを備える多岐管ハブを備え、このフィッティングは反復して開閉されてもよいアパーチャを備え、多岐管ハブの側は、一方の末端でこのハブの基部に接続され、および他方の末端で接続されず、かつ互いに実質的に平行である2つの反対方向の可撓性アームを備え、このアームはスプリングが飛び出す位置に保持され、その結果、このアームの未接続末端は、アパーチャが閉鎖されるようにフィッティングを加圧し、かつこのアームが加圧される場合、このアームの未接続末端がフィッティングをもはや加圧せず、かつアパーチャが開放される。この密封フィッティングはシリコーンガスケットから構成されてもよい。この装置はまた、可撓性アームとハブのボディーの間に位置するスプリングを備えてもよく、その結果、スプリングがアームを作動位置に保持する。アームの遊離の末端は連結フックであってもよい。管導入部は環状ハンドルであってもよい。管導入部はNitinolなどの可撓性材料から作られてもよく、約0.025インチから約0.008インチまで先細になっている遠位先端部を有してもよい。
【0166】
本発明のさらにもう1つの局面において、ヒト胸部乳管からの細胞物質を入手するための方法が提供される。この方法は、多岐管ハブの一方の末端で多岐管ハブを通して伸びる管導入部についての密封のためのフィッティングを備える多岐管ハブを備え、このフィッティングは反復して開閉されてもよいアパーチャを備え、多岐管ハブの側は、一方の末端でこのハブの基部に接続され、および他方の末端で接続されず、かつ互いに実質的に平行である2つの反対方向の可撓性アームを備え、このアームはスプリングが飛び出す位置に保持され、その結果、このアームの未接続末端は、アパーチャが閉鎖されるようにフィッティングを加圧し、かつこのアームが加圧される場合、このアームの未接続末端がフィッティングをもはや加圧せず、かつアパーチャが開放される、デバイスを使用することを含んでもよく;ならびにこの方法は、乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;および乳管にカテーテルを前進させる工程を含む。
【0167】
本発明のなおさらにもう1つの局面において、ヒト胸部乳管からの細胞物質を入手するための方法が提供される。この方法は、多岐管ハブの一方の末端で多岐管ハブを通して伸びる管導入部についての密封のためのフィッティングを備える多岐管ハブを備え、このフィッティングは反復して開閉されてもよいアパーチャを備え、多岐管ハブの側は、一方の末端でこのハブの基部に接続され、および他方の末端で接続されず、かつ互いに実質的に平行である2つの反対方向の可撓性アームを備え、このアームはスプリングが飛び出す位置に保持され、その結果、このアームの未接続末端は、アパーチャが閉鎖されるようにフィッティングを加圧し、かつこのアームが加圧される場合、このアームの未接続末端がフィッティングをもはや加圧せず、かつアパーチャが開放される、デバイスを使用することを含んでもよく;ならびにこの方法は、乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;乳管にさや状覆いを前進させる工程;および乳管にカテーテルを前進させる工程を含む。
【0168】
発明の詳細な説明
図1は、乳管内で医療行為を実行するための、薄型の単一内腔医療器具10の態様を図示する。本明細書で使用される場合、語句「医療行為」は、調製手順、診断手順、または治療手順を含んでもよい。これらの手順は、乳管に物質を送達する工程、および/または乳管内から物質を回収する工程を含むことができる。
【0169】
1つの態様において、医療器具10は、多岐管ハブ20に送達される管洗浄液を乳管に注入するため、ならびに分析のために乳管内から、数百個の管上皮細胞および/または10個より多くの細胞集団を含む管液試料を収集または引き出すために使用されてもよい。もう1つの態様において、医療器具10は、乳管に診断剤または治療剤を注入するために使用されてもよい。図1〜8に示されるように、器具10はまた、患者に器具10を固定するための部材11を含んでもよい。固定部材11は、患者に器具10を接触および付着させるために一方の側に生体適合性接着剤を有してもよい。部材11は、患者の身体に対して多岐管ハブ20の移動を妨害するようにサイズ決定される。図7および8において図示される態様において、部材11の区画11Aおよび11Bは、固定部材11が、患者および手順の間に生じる力に調整され得るように、互いに対して折りたたまれてもよい。さらに、部材11は、スペーサー90の遠位に配置され得る(以下で議論する)。
【0170】
図1〜6に図示されるように、医療器具10は、多岐管ハブ20、および多岐管ハブ20の遠位端21から伸びる管アクセスカテーテル40を備える。アクセスカテーテル40は、乳管にアクセスするようにサイズ決定される。図示されるように、多岐管ハブ20は、カテーテル40の長さに平行に伸びる方向で薄型(高さ)を有してもよい。図1〜6に図示されるように、多岐管ハブ20の高さはその長さ(これがカテーテル40の長さに垂直に伸びる方向)よりも小さくてもよい。第1の態様において、多岐管ハブ20は、約0.25インチ〜約0.375インチの範囲の幅、および約0.75インチ〜約1.0インチの範囲の高さを有してもよい。もう1つの態様において、多岐管ハブ20は、1ml未満の内部液体容量を有する。薄型の多岐管ハブ20は、大きなトルクが医療行為の間に患者の管に適用される可能性がある、カテーテル40の長さに沿った位置において回転軸が形成されることを妨害する。管の任意のトルク発生を除去するか、または少なくとも有意に減少させることによって、管はねじれず、管組織の位置の変化に起因して閉鎖せず、または管の上皮の裏層に対してカテーテル40を押すことに起因して損傷しない。器具10はまた、付添人または実務者による容易な取り扱いおよび握ることを可能にする人間工学的設計を有し、その結果、多岐管ハブ20およびカテーテル40は容易に操作され得る。
【0171】
多岐管ハブ20が乳頭表面から間隔をあける必要がある事象において、収納可能スペーサー90は、図7および8に示されるように、多岐管ハブの遠位端およびカテーテル40の近位端に配置され得る。収納可能スペーサー90は、約1mm〜約10mmの範囲、最も典型的には約5mmの範囲の間隔をあけた距離を有し得る。第1の態様において、収納可能スペーサー90は、第2のスペーシング部材93内に受容される第1のスペーシング部材92を含んでもよい。または、第1のスペーシング部材92は、第2のスペーシング部材93を伸縮自在に受容してもよい。この態様において、第1の部材92は、多岐管ハブ20に対して相対的に動作に対して固定され、一方第2の部材93は、第1の部材92と多岐管ハブ20の両方に対して相対的に移動可能である。代替の態様において、スペーシング部材92、93の両方が、多岐管ハブ20に対して相対的に移動可能である。乳頭の表面から多岐管ハブ20を間隔をあけるために必要とされる距離、例えば、約15mmから20mmの間の距離は、伸長位置にスペーシング部材92、93をロックすることによって制御されてもよい(図8)。または、収納可能スペーサー90は、収納位置にロックされてもよい(図7)。代替の態様において、収納可能スペーサー90は、多岐管ハブ20の一部をスライド可能に受容して収納位置を達成し、および多岐管ハブ20の末端にロックされて伸長位置を達成する、単一の移動可能なスペーシング部材95を備える。上記に議論した態様のいずれかにおいて、スペーシング部材92、93、95は、互いにおよび多岐管ハブ20に相対的な並進運動に対してスペーシング部材92、93、95を各々ロックするために、互いにおよび多岐管ハブ20に相対的に回転されてもよい。伸縮自在部材のための任意の公知の回転ロッキング系が使用されてもよい。または、スペーシング部材92、93、95は、周知のスナップロックを使用してロック位置にされてもよい。さらなるスペーシングが必要とされる場合、異なるサイズの部材92、93、95または2つより多くの伸縮自在部材が提供されてもよい。
【0172】
多岐管ハブ20は、透明材料で形成されてもよく、その結果、付添人または実務者が多岐管ハブ20内の液体および物質を容易に見ることができる。透明材料はプラスチック、例えば、ABSプラスチックまたは他の公知のプラスチック材料であってもよい。図1〜8に図示されるように、多岐管ハブ20の態様は、実質的に「F」字型を有してもよい。
【0173】
図2A、2B、および4に示されるように、多岐管ハブ20は、洗浄液、診断剤、または治療剤を含む物質が注入デバイス38から、第1のポート30、多岐管ハブ20、および最終的に、管アクセスカテーテル40までそこを通って送達される、注入チューブ34に接続するための第1のポート30を備える。接続された注入デバイス38は、シリンジまたは他の公知の液体容器を備えてもよい。1つの態様において、注入デバイス38は、患者の乳房の上の位置に配置された液体容器、例えば、バッグまたはコンテナを備えてもよい。この態様において、患者の乳房の上のコンテナの高さおよび重力が使用されて、注入デバイス38から注入チューブ34まで液体を送達する。
【0174】
図2A、2B、および4に示されるように、多岐管ハブ20はまた、収集チューブ36への接続のための第2のポート32を備える。乳管内から収集される管液試料は、多岐管ハブ20から、収集チューブ36を経由して、収集容器39に送達されてもよい。収集容器39は、シリンジまたは医学用液体バッグもしくはコンテナを含む、他の公知の液体収集デバイスを備えてもよい。1つの代替において、収集容器39は、陰圧の供給源を備えるか、またはそれに接続されてもよく、その結果、低圧の領域が、収集チューブ36内に、および必要な場合、収集容器39への回収された管液試料の送達において補助するために多岐管ハブ20に作られ得る。この低圧の領域、例えば、1つの態様において真空は、バルブシリンジ、手動操作真空供給源、足操作真空供給源、またはモーター制御真空供給源を使用して作られてもよい。これらの真空供給源は、収集チューブ36内の陰圧を作るポンプを備えてもよい。低圧の供給源に加えて、または低圧の供給源の代わりに、収集チューブ内の低圧は、多岐管ハブ20に液体を注入することによって作られてもよく、それによって、収集チューブ36と比較して、多岐管ハブ20内の圧力を増加させる。これらの任意の態様において、収集容器39は、手順の間に患者の下の位置に配置されてもよく、その結果、収集された管液試料は、重力によって容器39に送達され得る。
【0175】
第1および第2のポート30、32は、図2Aおよび2Bに示されるように、管の中に、または管から外側へいずれかの液体の流れに誘導する、円形、卵形、または他の幾何学的形状である、多岐管ハブ20の側壁に沿った開口部を備えてもよい。ポート30、32の直径は、管の中への所望の流速または管から外側への吸引もしくは収集の速度を達成するために適切な直径であり得る。従って、ポート30、32の直径は、約0.060インチ〜約0.090インチの範囲であり得る。とりわけ、このような異なるポートサイズが内腔の1つの中にもしくはそこから外側への所望の流速、または注入の全体の洗浄効率ならびに洗浄液および管液の吸引もしくは収集を提供する場合、1つの側ポート30、32は他方よりもより大きいかまたはより小さくてもよい。
【0176】
図1〜6は、第1および第2のポート30、32およびそれらの付随するチューブ34、36それぞれが、多岐管ハブ20およびカテーテル40の縦軸に対して横軸方向に伸びるコネクタハウジング25中に配置されることを図示する。このコネクタハウジング25は、単位エレメントとして、多岐管ハブ20内に一体化して形成されてもよい。または、コネクタハウジング25は、多岐管ハブ20とは分かれて形成されてもよく、カテーテル40に関して、以下に議論されるように、多岐管ハブ20に固定されてもよい。コネクタハウジング25は、チューブ34、36を各々受容する2つのチャネル26を備える。チャネル26は、多岐管ハブ20上のポート30、32から、外部のコネクタハウジング25の末端表面まで伸びる。各チャネル26は、チューブ34、36の、それらのそれぞれのポート30、32への容易な、信頼性のある、かつ迅速な接続のために、そのそれぞれの多岐管ハブポート30、32ともに、受容したチューブ34、36を一直線にする。チャネル26はまた、それらのポート30、32への接続のそれらの点において、チューブ34、36を支持し、その結果、チューブ34、36は、それらがそれらのそれぞれのポート30、32と接続する点に関してモーメント(これは管にトルクを生じ得る)を生じない。コネクタハウジング25はまた、付添人または実務者によって握られてもよい、一体化して形成され、またはさもなくば固定されたリッジ29を有する成形側壁28を備えてもよい。成形側壁28は、付添人または実務者によって容易に握ることを可能にし、および付添人または実務者が、器具10を見ることなく、手順の間に器具10を正しい方向に置くことを可能にする。
【0177】
図2Bに示される態様において、第1および第2のポート30、32は、コネクタハウジング25内に伸び、かつ可撓性の注入チューブおよび収集チューブ34、36を受容するポスト35を備えてもよい。1つの態様において、注入チューブおよび収集チューブ34、36は、外科チュービングなどの可撓性チュービングから形成されてもよい。しかし、チューブ34、36は、可撓性プラスチックを含む任意の可撓性材料から形成されてもよい。1つの態様において、チューブ34、36は可撓性PVCから形成される。
【0178】
ポスト35は、チューブ34、36がポスト35の上、またはその中に配置される場合に、チューブ34、36を固定して受容してもよい。または、ポート30、32およびそれらの付随するポスト35は、チューブ34、36の第1の末端上で対応するルアーロックフィッティングと連係するルアーロックフィッティング(示さず)を備えてもよい。チューブ34、36の第2の末端はまた、シリンジまたは他の液体コンテナ上で標準的なルアーロックフィッティングと一緒になるルアーロックフィッティングを備えてもよい。このルアーロックフィッティングは、オスまたはメスのいずれのフィッティングであってもよい。本明細書で議論されるように、シリンジおよび他の液体コンテナは、生理食塩水、造影物質などの診断物質、および治療的処置物質を、注入チューブ34に運び、かつ注入してもよい。チューブ34、36は、UV硬化可能な接着剤または他の公知の結合剤を使用して、多岐管ハブ20のポスト35およびルアーロックに固定されてもよい。代替の態様において、チューブ34、36は、オーバーモールドによって、多岐管ハブおよびルアーロックに固定されてもよい。
【0179】
図1〜6に示されるように、第1のポート30は、多岐管ハブ20の周囲に沿って第2のポート32に隣接して配置されてもよい。図示された態様において、周囲に隣接するポート30、32は、多岐管ハブ20の第1および第2の末端22、24から同じ縦軸方向の距離間隔があいている。このポート30、32の間隔は、コンパクトでかつ薄型の多岐管ハブ20を提供し、これは、上記に議論したように、多岐管ハブ20が患者の上に配置され、かつ実務者または他の付添人からの支持がない場合に、管にトルクを発生するモーメントおよび付随する力を生じない。
【0180】
第2のポート32は、多岐管ハブ20の壁の周りで第1のポート30からの任意の距離で周囲が間隔があいていてもよい。1つの態様において、第1のポート30は、多岐管ハブ20の周辺の第2のポート32から、45から90度の間の片寄りであってもよい。代替の態様において、第1のポート30は、第2のポート32から、90〜180度の間、多岐管壁に沿った周囲において片寄っていてもよい。1つの態様において、第1のポート30は、第2のポート32から約180度、周囲において片寄っており、その結果、第1および第2のポート30、32は、多岐管ハブ20内で互いに対抗する。
【0181】
代替の態様において、第2のポート32が、第1のポート30よりもカテーテル40から縦軸方向により大きく離れて間隔のあいた位置でハブ20に沿って位置することが可能である。この態様において、第2のポート32は、収集カテーテル40から多岐管ハブ20に入る液体を収集するために使用されてもよい。例えば、1つのポートが、カテーテル40の遠位先端部から約2.0cmに位置してもよく、1つのポートが、カテーテル40の遠位先端部から約2.5cmに位置してもよい。
【0182】
チューブ34および36は、多岐管ハブ20の中に、またはその外側への液体を制御するための一方向チェックバルブ39(図2A)を各々備えてもよい。チューブ34におけるこのチェックバルブ39は、例えば、チューブ34に注入された後で、洗浄液がチューブ34に接続されたシリンジに逆流することを妨害し得る。同様に、チューブ36におけるチェックバルブ39は、チューブ中の回収した管液試料が多岐管ハブ20に逆流することを妨害するために使用され得る。代替の態様において、チューブ34、36上のピンチクランプは、1つまたは両方のチェックバルブ39を置き換えてもよい。例えば、チェックバルブ39は、注入チューブ34内に配置されてもよく、従来的なピンチクランプは、収集チューブ36上に配置されてもよい。チューブ34、36内で液流の方向およびタイミングを制御するための他の公知のデバイスもまた、使用されてもよい。
【0183】
図1〜6に示されるように、カテーテル40は、多岐管ハブ20に固定される、薄い壁を有するマイクロカテーテル41を備える。第1の態様において、マイクロカテーテル41は、多岐管ハブ20の一部として一体化して形成される。もう1つの態様において、マイクロカテーテル41は、別個の小片として形成され、次に微細熔接またはUV硬化可能な接着剤によって多岐管ハブ20に固定される。マイクロカテーテル41を多岐管ハブ20に固定するための他の公知の技術を使用することができる。上記に議論した態様のいずれかにおいて、カテーテル40は、乳管開口部にそれを容易に導入されることを可能にする、潤滑性コーティングを提供するために公知の薬剤でコートされてもよい。このコーティングは、潤滑剤、洗浄剤、麻酔剤、および/または拡張剤を含んでもよい。マイクロカテーテル41は、FEPなどの任意の公知の生体適合性坐量で形成されてもよい。カテーテル40は、約0.01インチ(約0.25mm)〜約0.05インチ(約1.25mm)の範囲の外径を、約0.008インチ(約0.2mm)〜約0.047インチ(約1.2mm)の範囲の直径を有する内腔43とともに有してもよい。1つの態様において、マイクロカテーテル41は、約0.030インチ(約0.762mm)の外径および約0.025インチ(約0.63mm)の内径を有する内腔43を有する。
【0184】
カテーテル40は、ユーザが、カテーテルの遠位端が乳管に導入された深さを決定することを可能にする、カテーテル40の外面上の長さ表示(示さず)を含んでもよい。代替の態様において、カテーテル40は、管中での所定の距離の向こう側へのカテーテルの挿入を妨害する、一体化して形成され、または結合された停止エレメント(示さず)を備えることができる。1つの態様において、停止エレメントは、カテーテル40の遠位部分が、ノブがカテーテル40の遠位端から間隔をあけているよりも長い距離に管を入れることを妨害するための、増加した直径を有するカテーテル40上のノブを備えてもよい。
【0185】
図1〜7に図示されるように、カテーテル40は、受容された導入部50との滑らかな移行をなすためにその長さに沿って先細にされてもよく、その結果、患者にいくらかの痛みを引き起こすカテーテル40と導入部50の間の目に見える変化が形成されず、かつ患者によって知覚されない。カテーテル40はまた、その遠位端42に無外傷遠位端を備えてもよい。遠位先端部分42は、管開口部を通して入ること、および管括約筋を過ぎての管内腔への導入の際の管に対する外傷を減少または除去する無外傷先端を作製するために、先細にされ、外形に合わせて成形され、および/または円形にされる。遠位先端部分42はまた、医療行為、例えば、管洗浄または診断剤および/もしくは治療剤の注入が完了した後で、管からカテーテル40を引き出す際の外傷を減少または除去し得る。先端部分42は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、これらのコポリマーなどを含む軟らかいポリマー性材料から構成されてもよい。先端部分42は、0.012インチ(約0.031mm)〜約0.020インチ(約0.051mm)の範囲の直径を有してもよい。1つの態様において、先端部分42は、0.014インチ(約0.036mm)〜約0.018インチ(約0.046mm)の範囲の直径を有する。先端部分42(カテーテル40の遠位部分の遠位端から、カテーテル40の近位部分に向かって伸びる)の長さは、約0.10インチ(約0.25cm)〜約1.0インチ(約2.5cm)の範囲、より典型的には、約0.20インチ(約0.50cm)〜約0.70インチ(約1.8cm)の範囲であってもよい。
【0186】
遠位先端部42を含む、強化されたカテーテル40の遠位部分は、約0.010インチ-ポンド〜約0.5インチ-ポンドの範囲の平均曲げ剛性を有してもよい。カテーテル40はまた、重い縫合糸の剛性(およそ0.025 OD)と同様の剛性を有してもよい。カテーテル40の近位部分は、管開口部を通して、および管内腔への挿入を阻害する、横断面の幾何学的配置および/またはサイズを有してもよい。
【0187】
Touhy-Borstフィッティング70は、図1〜6に示されるように、ユーザが導入部50の上でカテーテル40を容易に受容しかつ動かすことを可能にするために、多岐管ハブ20の近位端22に配置されてもよい。Touhy-Borstフィッティング70は、ガイドワイヤ、スタイレット、拡張器などを備える導入部50(以下に議論される)がそこを通して伸びてもよい、開口部77をカバーしおよび密封するために、多岐管ハブ20の末端に配置される。Touhy-Borstフィッティング70は、導入部50およびネジ付きキャップ76を受容するための小さなアパーチャ74を備えるシリコーンプラグ72を備える。キャップ76が第1の方向に回転される場合、シリコーンプラグ72が変化され、アパーチャ74のサイズが減少される。これは、挿入された導入部50の周囲でシールを形成するシリコーンプラグ72を生じる。キャップ76が第2の反対の方向に回転される場合、アパーチャ74および作製されたシールが開き、それによって、導入部50が取り出されることを可能にする。シリコーンプラグ72はまた、多岐管ハブ20の近位端をシールするために密封されてもよく、この場合、導入部50が存在せず、その結果、多岐管ハブ20の遠位端が液流に対してシールされ、この場合、近位端22は導入部50を含まない。
【0188】
導入部50は、図1に示されるように、管開口部を経由して乳管および管内腔にカテーテル40を配置する際に補助するために多岐管ハブ20内に配置されてもよい。導入部50は、先細の拡張器、漸次的により大きな直径の一連の拡張器、先細のガイドワイヤを含むガイドワイヤ、スタイレット、または他の公知の導入部を備えてもよい。図示されるように、導入部50は、多岐管ハブ20の近位端22においてTouhy-Borstフィッティング70を通過し、その結果、導入部50は、カテーテル40の位置決めの後および洗浄液の注入/収集の前に取り外されてもよい。上記に議論したとおり、乳管に挿入される前に、Touhy-Borstフィッティング70は、導入の間に導入部50の上で下に向き、次に、カテーテル40が乳管内で所望の深さまで配置された場合に後退されてもよい。導入部50は、金属ワイヤまたは可撓性プラスチックなどの堅い材料から形成されてもよい。1つの態様において、導入部50は、ステンレス鋼またはポリプロピレンモノフィラメントなどの可撓性材料から形成されてもよい。代替の態様において、導入部50は、複数の材料または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、導入部50は、同じ導入部50の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、導入部50は、管内腔内の導入部50を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、導入部50を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、導入部50は、管中での導入部50の導入および前進の間に導入部50と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0189】
導入部50は、形状記憶金属およびプラスチックを含む、金属またはプラスチックから作られてもよく、穏やかに探索し、および乳管にアクセスするために、先細にされ、および/または無外傷性の先端を有してもよい。好ましくは、先細にされた先端52は、カテーテル40の乳管への導入の間に、カテーテル40から遠位に伸びる。管のアクセスが完了した後、導入部50は引き出され、Touhy-Borstフィッティング70は密封されてもよく、留置カテーテル40は管括約筋に対して遠位の位置に配置されてもよい。導入部50は、約0.005インチ〜約0.030インチまでの外径を有してもよい。1つの態様において、導入部50は、約0.010インチの外径を有する。導入部50は、多岐管ハブ20およびカテーテル40の内腔を通して伸びてもよい。導入部50は、その長さの上で先細になってもよい。
【0190】
カテーテル40を管に導入するプロセスの間、管開口部は、実務者または付添人によって乳頭の表面上に配置され、かつ第1の導入部50は、管開口部を通して管に前進される。導入部50は、長い可撓性ガイドワイヤ、より短い拡張器、または任意の他の上述の導入部であってもよい。導入部50が管内に配置される前、またはその後に、多岐管ハブ20およびカテーテル40は、第1または第2の導入部50を受容してもよい。以前に議論したように、Touhy-Borstフィッティング70は、受容された導入部50に関してロックされて、多岐管ハブ20の遠位端で液密シールを形成してもよく、その結果、液体は、管へのカテーテル40の挿入の間に、導入部50周辺の多岐管ハブ20に流出しない(図9、10、12および13を参照されたい)。
【0191】
カテーテル40が意図されたように管内に配置される場合、Touhy-Borstフィッティング70が開き、かつ導入部50が取り外される(図14を参照されたい)。次に、Touhy-Borstフィッティング70は、ハブ20をシールするために再度閉じてもよい。次に、液体が、注入の間に抵抗に遭遇するまで、多岐管ハブ20まで、カテーテル40を経由して、および乳管まで、導入される。この時点で、管が満たされることが仮定される。次に、注入チューブ、例えば、チューブ34が閉じられてもよく、液体は、あらかじめ選択された時間、管中に残存させられる。このあらかじめ選択された時間の間、乳房はマッサージされ、および搾られて、洗浄液および管液の混合を促進してもよく、また最終的に、液体が管を離れ、かつ多岐管ハブ20に入ることを助長してもよい。収集チューブ、例えば、チューブ36が開かれ、かつ乳房が搾られて、液体がカテーテル40を通して、および多岐管ハブ20に前進するように刺激してもよい。所望される場合、ハブ20(これは、透明であってもよく、または透明なウィンドウを備えていてもよい)中に濁った回収液が見られる場合には、注入チューブ34は開かれ、液体が多岐管ハブ20に注入されて、ハブ20中に収集された管液試料を、収集チューブ36および待ち収集容器まで押し出してもよい。または、およびおそらくさらに、吸引圧が、多岐管ハブ20内に、および収集チューブ36に提供されて、ハブ20中に残存している任意の液体を、収集容器まで吸引してもよい。このプロセスは、管への液体のもう1回の注入に従い、または搾ることのもう1回のラウンドによってのいずれかで反復され、乳管内での注入された液体および細胞物質を戻すことおよび収集を促進する。
【0192】
図32〜36は、管アクセスデバイスの代替の構成を図示する概略図である。本発明の好ましい態様において、このデバイスは、カテーテル40の長さに伸びる中心に配置された単一内腔を有する、多岐管ハブ20、および多岐管ハブ20の遠位端21から伸びる管アクセスカテーテル40を備える。カテーテル40は、そこに導入部50をスライド可能に受容するように的どうされたチューブ導入部経路を備える。説明を容易にするために、本明細書で使用する場合、用語「導入部」とは、管開口部または乳管にアクセスするためにサイズ決定されたカテーテルの通路内に挿入され得る、ガイドワイヤ、拡張器、スタイレット、またはこれらのいずれかの一部を含むように定義される。
【0193】
図示されるように、多岐管ハブ20は、カテーテル40の長さに平行に伸びる方向で薄型(高さ)を有してもよい。もう1つの構成において、ハブ20は、カテーテル40の挿入後に乳房の乳頭上のトルクを減少するために薄型である。これは、組織の加圧に起因する管液の閉塞を引き起こすことが知られている乳房の乳頭上での過度に生じたトルクを打ち消す。このようにして、管細胞物質の改善された収集が提供される。
【0194】
多岐管ハブ20は、管アクセスカテーテル40の近位端45に結合される。好ましい構成において、ハブ20は透明材料を含んでもよく、その結果、ユーザは、洗浄手順のあいだに乳管への流れおよび乳管からの流れを可視化することができる。透明材料はプラスチック、例えば、ABSプラスチックまたは他の公知のプラスチック材料であってもよい。図32〜36に図示されるように、多岐管ハブ20の態様は、実質的に「U」字型を有してもよい。
【0195】
フィッティング70は、ユーザが導入部50の上でカテーテル40を容易に受容しかつ動かすことを可能にするために、多岐管ハブ20の近位端22に配置されてもよい。フィッティング70は、ガイドワイヤ、スタイレット、拡張器などを備える導入部50がそこを通して伸びてもよい、開口部77をカバーしおよび密封するために、多岐管ハブ20の末端に配置される。フィッティング70は、導入部50およびキャップ76を受容するための小さなアパーチャ74を備えるシリコーンガスケットを備える。キャップ76は、多岐管ハブ20にシリコーンガスケットをロックし、このようにしてハブとガスケットの間の密封を維持する。このガスケットは適切な可撓性生体適合性材料から作られ得る。シリコーンガスケットの首の周りには、多岐管ハブの主部の一部である可撓性サイドアームの末端にある1対の連結フック110がある。可撓性サイドアームと多岐管ハブの間には、多岐管ハブ20の主部から離れた可撓性アームに力を加える1つまたは複数のスプリング120が位置する。スプリング120が多岐管ハブ20の主部から離れた可撓性サイドアーム100に力を加えるにつれて、可撓性サイドアーム100の末端の連結フック110は、フィッティング70の反対側に圧力を適用する。これは、シリコーンまたは他の任意の可撓性材料から構成され得るフィッティング70が、挿入された導入部50の周囲で密封を形成するアパーチャ74の周囲を加圧することを生じる。圧力が可撓性アーム100に適用され、従って、スプリング120が加圧される場合、連結フック110は別々に作動され、従ってシリコーンガスケット上で圧力を放出し、従って挿入された導入部50の周囲の密封を破る。可撓性サイドアーム110および連結フック110は、金属またはプラスチックまたはそれらの組み合わせで構成され得る。
【0196】
代替の態様において、多岐管ハブ20は、単一のフックを有する末端110を有する単一の可撓性アーム100から構成され、これは、活性化された場合、フィッティング70を開閉する。
【0197】
導入部50は、図9〜13に示されるように、管開口部を経由して乳管および管内腔にカテーテル40を配置する際に補助するために多岐管ハブ20内に配置されてもよい。導入部50は、先細の拡張器、漸次的により大きな直径の一連の拡張器、先細のガイドワイヤを含むガイドワイヤ、スタイレット、または他の公知の導入部を備えてもよい。図示されるように、導入部50は、多岐管ハブ20の近位端22においてフィッティング70を通過する。本発明の導入部は、ワイヤおよび導入部の末端に位置する環状ハンドルの2つの部分からなる。導入部50は、カテーテル40のIDと等しいか、またはそれよりもわずかに小さな直径を有する。導入部50の長さは、導入部が完全に密封される場合にカテーテル40の遠位端の向こう側に約20〜30mm伸びてもよい。カテーテル40の遠位端の向こう側である導入部50の伸長した長さは、乳管中でのカテーテルの挿入の前に、導入部が拡張器として使用されることを可能にする。図18に図示されるように、導入部50の遠位端は先細にされてもよい。導入部50の遠位末端部は、カテーテル42の遠位端のIDと等しいか、またはそれよりもわずかに小さなODを有してもよい導入部の近位端から、0.008〜0.010インチの範囲のODまで先細にされてもよい。小さな直径は、胸部乳管への導入部の容易な挿入を可能にする。導入部50は、金属ワイヤまたは可撓性プラスチックなどの堅い材料から形成されてもよい。1つの態様において、導入部50は、Nitinolから形成されてもよい。Nitinolは、その可撓性、耐久性、および生体適合性に起因して好ましい。導入部50は、先細になっている小さな直径の先端を含むように研磨されたNitinolワイヤから構成され得る。代替の態様において、導入部50は、複数の材料、または異なる剛性を有する同じ材料から形成されてもよい。結果として、導入部50は、同じ導入部50の隣接する区分よりも可撓性である区分を有してもよい。結果として、例えば、導入部50は、管内腔内の導入部50を導くための第1の堅い部分、およびそれが導入される管内腔または内腔分岐の形状に、導入部50を適合させる第2の可撓性部分を有してもよい。上記に議論した態様のいずれかにおいて、導入部50は、管中での導入部50の導入および前進の間に導入部50と乳管の間の摩擦を減少する、液体または乾燥した潤滑性材料でコートされてもよい。
【0198】
導入部50は、形状記憶金属およびプラスチックを含む、金属またはプラスチックから作られてもよく、穏やかに探索し、および乳管にアクセスするために、先細にされ、および/または無外傷性の先端を有してもよい。好ましくは、先細にされた先端52は、カテーテル40の乳管への導入の間に、カテーテル40から遠位に伸びる。管のアクセスが完了した後、カテーテル40は導入部50上ですべらされ、管管括約筋に対して遠位の位置に配置されてもよい。
【0199】
本発明のもう1つの態様において、導入部50の近位端は、環状ハンドル51に形成される(図32、33および35を参照されたい)。環状ハンドル51の利点は、デバイス10が1本の手で使用されることが可能なことである。環状ハンドル51は、実務者が装置10の可撓性サイドアーム100を、親指および人差し指を使って握ることを可能にし得、ならびに環状ハンドル51を通して配置され得る人差し指を使うことによって導入部50を操作することを可能にし得る。環状ハンドル51は、ABSまたはポリカーボネートまたはペラタン(pellathane)などの熱可塑性物質で構成されてもよく、実務者がデバイス10を1本の手で操作することを可能にする代替の型の形状であり得る。
【0200】
カテーテル40を管に導入するプロセスの間、管開口部は、実務者または付添人によって乳頭の表面上に配置され、かつ導入部50は、管開口部を通して管に前進される。導入部50は、長い可撓性ガイドワイヤ、より短い拡張器、または任意の他の上述の導入部であってもよい。導入部50が管内に配置される前、またはその後に、多岐管ハブ20およびカテーテル40は、導入部50を受容してもよい。以前に議論したように、可撓性サイドアーム100に加圧すること、従って、連動サイドアーム110をフィッティング70から作動させることは、フィッティング70を開き得る。一旦圧力が可撓性サイドアーム100から放出されると、連動アーム110はスプリング120によって多岐管ハブ20から離れて力が加えられ、従って、受容した導入部50に関してアパーチャ74を閉じて、多岐管ハブの遠位端で液密シールを形成し、その結果、その結果、液体は、管へのカテーテル40の挿入の間に、導入部50周辺の多岐管ハブ20に流出しない(図9、10、12、13、32、33および34を参照されたい)。
【0201】
カテーテル40が意図されたように管内に配置される場合、フィッティング70が開き、かつ導入部50が取り外される。次に、フィッティング70は、ハブ20をシールするために再度閉じてもよい。次に、液体が、注入の間に抵抗に遭遇するまで、多岐管ハブ20まで、カテーテル40を経由して、および乳管まで、導入される。この時点で、管が満たされることが仮定される。次に、注入チューブ、例えば、チューブ34が閉じられてもよく、液体は、あらかじめ選択された時間、管中に残存させられる。このあらかじめ選択された時間の間、乳房はマッサージされ、および搾られて、洗浄液および管液の混合を促進してもよく、また最終的に、液体が管を離れ、かつ多岐管ハブ20に入ることを助長してもよい。収集チューブ、例えば、チューブ36が開かれ、かつ乳房が搾られて、液体がカテーテル40を通して、および多岐管ハブ20に前進するように刺激してもよい。所望される場合、ハブ20(これは、透明であってもよく、または透明なウィンドウを備えていてもよい)中に濁った回収液が見られる場合には、注入チューブ34は開かれ、液体が多岐管ハブ20に注入されて、ハブ20中に収集された管液試料を、収集チューブ36および待ち収集容器まで押し出してもよい。または、およびおそらくさらに、吸引圧が、多岐管ハブ20内に、および収集チューブ36に提供されて、ハブ20中に残存している任意の液体を、収集容器まで吸引してもよい。このプロセスは、管への液体のもう1回の注入に従い、または搾ることのもう1回のラウンドによってのいずれかで反復され、乳管内での注入された液体および細胞物質を戻すことおよび収集を促進する。
【0202】
1つの態様において、洗浄の方法は、標準的なまたは古典的な仰臥位の(顔を上に向けた)位置よりも、洗浄手順の間に椅子に患者を実質的にまっすぐに座らせることを含んでもよい。または、患者は、傾いた位置で、顔を下にして、乳頭および乳房を下にして洗浄されてもよい。傾いた、顔を下にする位置は重力を利用し、手順の間、流出ポートが開いている場合に、乳管が収集容器に流れ出ることを可能にする。従って、上記に議論したように、洗浄手順は、流出内腔を閉鎖しながら、開いている流入内腔を通して洗浄液を乳管に注入すること;管が満たされた場合に流入内腔を閉鎖すること;乳房を搾りまたはマッサージすること、またはその両方;および洗浄液を収集するために流出内腔を開くこと、を含んでもよい。
【0203】
収集した細胞は管上皮細胞を含み得る;収集した管液は分子物質および細胞物質を含み得る。管上皮細胞ならびに/または管液中の分子物質および細胞物質の分析は、これらの収集した物質の可能な診断方法を議論して以下に記載されるように前進してもよい。収集した細胞および液体および液体成分が分析され得る。管細胞を含む洗浄液は、診断目的のために分析されてもよい。診断することが所望される胸部乳管の状態には、癌または前癌状態が含まれる。前癌状態は、異型導管過形成(ADH)または原位置軽度腺管癌(LG-DCIS)を含み得る。診断剤はまた、例えば、線維性、嚢胞性、または乳汁分泌に関連する状態を含む、他の乳房関連状態を診断する能力を有し得る。診断剤は、管液と混合されてもよい(洗浄手順中に、または液体が収集された後のいずれかで)。
【0204】
管を洗浄するために管に注入される液体は、公知の生体適合性液体を含んでもよい。これらの洗浄液は、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張溶液、浸透圧性溶液、低張液、および高張液を含んでもよい。洗浄液は、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、非吸収性液体、等張液、浸透圧性溶液、低張液、高張液、タンパク質、コロイド、糖、ポリマー、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、合成コロイド、抗体、結合タンパク質、またはアルブミンを含んでもよい。
【0205】
上記に言及したように、診断剤または治療剤は、多岐管ハブ20およびカテーテル40を通して乳管に導入されてもよい。管に注入するために導入された薬剤は、非吸収性液体および/または膠質剤および/または浸透圧性剤を含み得る。この薬剤は可溶性であり得る。この薬剤は、タンパク質、コロイド、糖、またはポリマーである分子を含んでもよい。この薬剤は、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、または合成コロイドであってもよい。この薬剤はタンパク質を含んでもよく、このタンパク質は結合タンパク質または抗体であってもよい。この結合タンパク質はアルブミンであり得る。投与することは局所的に投与することを含んでもよく、局所投与は管内に投与することを含んでもよい。胸部の乳管から収集可能な液体の量を増加または標準化するための系は、非吸収性液体および/または浸透圧性剤および/または膠質剤を管内腔に注入すること、管内腔に薬剤を送達するための医療ツール、ならびに使用のための説明書を含み得る。
【0206】
任意の数の代替的な組み合わせが、本発明を規定するために存在し得、これは、説明、特許請求の範囲、および図面を含む本明細書からの1つまたは複数の要素を、種々の組み合わせまたは下位の組み合わせに組み入れる。本明細書に照らして、本発明の局面の代替的な組み合わせは、単独で、または本明細書に規定される1つもしくは複数の要素もしくは工程と組み合わせてのいずれかで、本発明の改変もしくは変更として、または本発明の一部として利用され得ることが、関連する技術における当業者には明らかである。本明細書に含まれる、本発明の書かれた記載は、すべてのこのような修飾および変更を網羅することが意図され得る。
【図面の簡単な説明】
【0207】
(図1)本発明の局面に従う医療器具の斜視図である。
(図2)図2Aおよび2Bは図1に図示される医療器具の代替の態様の断面である。
(図3)図1の医療器具の分解斜視図である。
(図4)多岐管ハブとそれぞれの注入デバイスおよび収集デバイスの間に伸びる、注入ラインおよび収集ラインを有する、図1の医療器具の上面図である。
(図5)注入ラインおよび収集ラインを有する、図1に図示された医療器具の側面図である。
(図6)図1に図示された医療器具のもう1つの斜視図である。
(図7〜8)本発明の局面に従う医療器具の代替の態様を図示する。
(図9〜10)図1の医療器具を、堅い導入部を使用して乳管に導入するための方法を図示する。
(図12〜14)図1の医療器具を、可撓性導入部を使用して乳管に導入するための代替の方法を図示する。
(図15)本発明の1つまたは複数の局面に従う第1の管アクセスデバイスの模式図である。
(図16)本発明の1つまたは複数の局面に従うカテーテルの透視図である。
(図17)本発明の1つまたは複数の局面に従うカテーテルの部分模式側面図である。
(図18)本発明の1つまたは複数の局面に従う取り外し可能先端部を有するカテーテルの模式側面図である。
(図19)本発明の1つまたは複数の局面に従う第2の管アクセスデバイスの模式図である。
(図20)本発明の1つまたは複数の局面に従う内部構成および要素を図示するために中心軸に沿って取られた、図19に示されるカテーテルの断面図である。
(図21)本発明の1つまたは複数の局面に従うカテーテルの透視図である。
(図22)図22は、本発明の1つまたは複数の局面に従う内部構成および要素を図示するために中心軸に沿って取られた、図21に示されるカテーテルの断面図である。図22Aは、本発明の1つまたは複数の局面に従うカテーテルの代替の態様を示す、図22と同様の断面図である。
(図23)図16のカテーテルを用いて乳管にアクセスする方法を図示する図解である。
(図24)図21のカテーテルを用いて乳管にアクセスする方法を図示する図解である。
(図25)本発明の局面で実行され得るガイドワイヤおよび導入部についての例示的なパラメーター値および材料を例証する表である。
(図26)本発明の局面で実行され得るカニューレについての例示的なパラメーター値および材料を例証する表である。
(図27)本発明の1つまたは複数の局面に従うカテーテルの部分模式側面図である。
(図28)本発明の1つまたは複数の局面に従う代替の管アクセスデバイスの模式図である。
(図29)本発明の1つまたは複数の局面に従う代替の管アクセスデバイスの模式図である。
(図30)本発明の1つまたは複数の局面に従う代替の管アクセスデバイスの模式図である。
(図31)図31A〜Dは、液圧適用によって補助される、乳房マイクロカテーテル挿入の代替方法を図示する。
(図32〜36)ユーザによって活性化されるバルブおよび環状ハンドルを有するNitinol導入部を有する管洗浄マイクロカテーテルを含む、本発明の局面に従う医療器具の代替の態様を図示する。
【図1】

【図2A】

【図2B】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図22A】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31A】

【図31B】

【図31C】

【図31D】

【図31E】

【図31F】

【図31G】

【図31H】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置が以下を備える、乳管内において物質を導入するかまたは物質を取り出すために、乳管内に導入かつ配置されるためのデバイス:
多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を備え、少なくとも2つの該開口部が該多岐管ハブの一部を通して伸びる一対の延長チャネルと液体で連絡している、多岐管ハブ;
乳管内に配置されるためにサイズが決定されかつ構成される、多岐管ハブから伸びるカテーテル;および
多岐管ハブが乳頭の表面上で一定の距離間隔を空けるために、カテーテルの長さに対して平行である方向に移動させてもよい、格納式スペーサー。
【請求項2】
カテーテルが縦軸を含み;かつ多岐管ハブが該カテーテルの該縦軸に対して実質的に平行に伸びる高さ、および該カテーテルの該縦軸に対して実質的に垂直に伸びる長さを含み、多岐管ハブの該長さが該多岐管ハブの高さよりも大きい、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
多岐管ハブの複数のポートが該多岐管ハブの内部と液体で連絡している少なくとも4個のポートを備え、かつチャネルの対が該多岐管ハブの一部を形成する、請求項2記載のデバイス。
【請求項4】
カテーテルが多岐管ハブの第1の末端から伸び、かつ該カテーテルの反対側の該多岐管ハブの第2の末端に配置された密封フィッティングをさらに備え、該密封フィッティングが反復して開閉してもよいアパーチャを備える、請求項1記載のデバイス。
【請求項5】
密封フィッティングが、多岐管ハブの第2の末端において該多岐管ハブを通して伸びる部材についての密封のためのTouhy-Borstフィッティングを含む、請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
Touhy-Borstフィッティングが、アパーチャおよびネジ付きキャップを備えるシリコーンプラグを備え、その結果、該キャップが第1の方向に回転する場合に、シリコーンプラグが変化し、かつ該シリコーンプラグ中の開口部のサイズが減少し、それによって、多岐管ハブを通して伸びる部材についてのシールを形成する、請求項5記載のデバイス。
【請求項7】
患者の身体に装置を固定するための多岐管ハブに固定されたアンカー部材をさらに備える、請求項1記載のデバイス。
【請求項8】
アンカー部材が患者の身体と接触するための下部表面を有し、かつ該下部表面が生体適合性接着剤を含む、請求項7記載のデバイス。
【請求項9】
多岐管ハブ内から管液収集容器まで、管液試料を方向付けるために多岐管ハブと連絡している陰圧の供給源をさらに備える、請求項1記載のデバイス。
【請求項10】
陰圧の供給源が、多岐管ハブと液体で連絡している電力が供給された真空供給源を備える、請求項9記載のデバイス。
【請求項11】
陰圧の供給源が、多岐管ハブと液体で連絡している機械制御された陰圧供給源を含む、請求項9記載のデバイス。
【請求項12】
乳管に送達される液体を保持するための液体コンテナ、多岐管ハブに該液体コンテナから液体を送達するための液体注入部材、管液収集容器、および該多岐管ハブから該収集容器まで管液試料を送達するための、該多岐管ハブと該液収集容器の間に伸びる管液収集部材をさらに備える、請求項1記載のデバイス。
【請求項13】
液体コンテナが生体適合性液体を収納するための液体バッグを備え、該液体バッグが、多岐管ハブに生体適合性液体を送達するために、該多岐管ハブの上に垂直に配置可能である、請求項12記載のデバイス。
【請求項14】
液体注入部材がシリンジを備える、請求項12記載のデバイス。
【請求項15】
管液収集容器がシリンジを備える、請求項12記載のデバイス。
【請求項16】
管液収集容器が、多岐管ハブ内からの管液試料を受容するために該多岐管ハブの下に垂直に配置されるための液体収集バッグを備える、請求項12記載のデバイス。
【請求項17】
液体注入部材および/または管液収集部材が一方向チェックバルブを備える、請求項12記載のデバイス。
【請求項18】
カテーテルが、乳管開口部へそれを容易に導入させる潤滑性コーティングを有するマイクロカテーテルを含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項19】
潤滑性コーティングが潤滑剤、洗浄剤、麻酔剤および/または拡張剤を含んでもよい、請求項18記載のデバイス。
【請求項20】
マイクロカテーテルの近位端が無外傷先端を備える、請求項18記載のデバイス。
【請求項21】
多岐管ハブが透明材料から形成される、請求項1記載のデバイス。
【請求項22】
透明材料がABSプラスチックを含む、請求項21記載のデバイス。
【請求項23】
スペーサーが多岐管ハブとカテーテルの部分の間に伸びる少なくとも2つのテレスコープ型部材を備える、請求項1記載のデバイス。
【請求項24】
スペーサーが多岐管ハブに相対的に移動可能である部材を備え、その結果多岐管ハブの一部が該移動可能部材内に受容される、請求項1記載のデバイス。
【請求項25】
多岐管ハブが、乳房に対する該多岐管ハブの容易な操作のために実務者または付添人の指を受容するための凹部を有する垂直側壁を備える、請求項1記載のデバイス。
【請求項26】
以下を備える、乳管に液体を導入するための医療デバイス:
乳管内に伸びるようにサイズが決定されかつ構成されるカテーテルであって、該カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる内腔を有する、カテーテル;
該カテーテルに接続され、かつ該カテーテルと液体で連絡している多岐管ハブであって、該多岐管ハブの内部において液体で連絡している少なくとも4つのポートを備え、該少なくとも4つのポートの少なくとも2つが、それぞれ、液体導入ラインおよび管液収集ラインを受容するための該多岐管ハブ内に形成されたチャネルと液体で連絡されており、該カテーテルの縦軸に対して平行に伸びる高さ、および該カテーテルの縦軸に対して垂直に伸びる長さを有し、該多岐管ハブの該長さが該多岐管ハブの該高さよりも長い、多岐管ハブ。
【請求項27】
カテーテルが多岐管ハブの第1の末端から伸び、かつ該カテーテルの反対側の該多岐管ハブの第2の末端に配置される密封フィッティングをさらに備え、該密封フィッティングが反復して開閉されてもよいアパーチャを備える、請求項26記載の医療デバイス。
【請求項28】
密封フィッティングが、多岐管ハブの第2の末端に該多岐管ハブを通して伸びる部材についての密封のためのTouhy-Borstフィッティングを備える、請求項27記載の医療デバイス。
【請求項29】
Touhy-Borstフィッティングが、アパーチャおよびネジ付きキャップを備えるシリコーンプラグを備え、その結果、該キャップが第1の方向に回転する場合に、シリコーンプラグが変化し、該シリコーンプラグ内の開口部のサイズが減少し、それによって、多岐管ハブを通して伸びる部材についてのシールを形成する、請求項28記載の医療デバイス。
【請求項30】
患者の身体にデバイスを固定するためにの多岐管ハブに固定されたアンカー部材をさらに備え、該アンカー部材が患者の身体に接触するための生体適合性接着剤を有する下部表面を有する、請求項26記載の医療デバイス。
【請求項31】
多岐管ハブ内から管液収集容器まで、管液試料を方向付けるために多岐管ハブと連絡している陰圧の供給源をさらに備える、請求項26記載の医療デバイス。
【請求項32】
陰圧の供給源が、多岐管ハブと液体で連絡している電力が供給された真空供給源を備える、請求項31記載の医療デバイス。
【請求項33】
陰圧の供給源が、多岐管ハブと液体で連絡している機械制御された陰圧供給源を含む、請求項31記載のデバイス。
【請求項34】
乳管に送達される液体を保持するための液体コンテナ、多岐管ハブに該液体コンテナから液体を送達するための液体注入部材、管液収集容器、および該多岐管ハブから該収集容器まで管液体試料を送達するための、該多岐管ハブと該収集容器の間に伸びる管液収集部材をさらに備える、請求項26記載の医療デバイス。
【請求項35】
液体コンテナが生体適合性液体を収納するための液体バッグを備え、該液体バッグが、多岐管ハブに生体適合性液体を送達するために、該多岐管ハブの上に垂直に配置可能である、請求項34に記載の医療デバイス。
【請求項36】
液体注入部材がシリンジを備える、請求項34記載の医療デバイス。
【請求項37】
管液収集容器がシリンジを備える、請求項34記載の医療デバイス。
【請求項38】
管液収集容器が、多岐管ハブ内からの管液試料を受容するために該多岐管ハブの下に垂直に配置されるための液体収集バッグを備える、請求項34記載の医療デバイス。
【請求項39】
液体注入部材および/または管液収集部材が一方向チェックバルブを備える、請求項34記載の医療デバイス。
【請求項40】
カテーテルが、乳管開口部へそれを容易に導入させる潤滑性コーティングを有するマイクロカテーテルを含む、請求項26記載の医療デバイス。
【請求項41】
潤滑性コーティングが潤滑剤、洗浄剤、麻酔剤および/または拡張剤を含んでもよい、請求項40記載の医療デバイス。
【請求項42】
マイクロカテーテルの近位端が無外傷先端を備える、請求項40記載の医療デバイス。
【請求項43】
乳頭の表面上の一定の距離に多岐管ハブを配置するための調整スペーサーをさらに備える、請求項26記載の医療デバイス。
【請求項44】
スペーサーが多岐管ハブとカテーテルの部分の間に伸びる少なくとも2つのテレスコープ型部材を備える、請求項43記載の医療デバイス。
【請求項45】
スペーサーが多岐管ハブに対して移動可能である部材を備え、その結果、該多岐管ハブの一部が該移動可能部材中に受容される、請求項43記載の医療デバイス。
【請求項46】
デバイスが以下を備える、乳管から液体を吸引するための管アクセスデバイス:
乳管に導入される液体を受容するための多岐管ハブ;
多岐管ハブから伸び、乳管内に配置されるようにサイズが決定され、かつ乳管内において液体を導入しおよび液体を受容するための内腔を備えるカテーテルであって、該内腔が多岐管ハブと液体で連絡されており、かつ乳管内から管液試料を受容するようにサイズが決定されている、カテーテル;ならびに
多岐管ハブ中の管液試料が収集デバイス中に受容されるために陰圧の供給源に引き出されるように、多岐管ハブと液体で連絡している陰圧の供給源。
【請求項47】
カテーテルが縦軸を含み;かつ多岐管ハブが、該カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる高さ、および該カテーテルの縦軸に対して実質的に垂直に伸びる長さを含み、該多岐管ハブの長さが該多岐管ハブの高さよりも大きい、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項48】
多岐管ハブが該多岐管ハブの内部と液体で連絡している少なくとも4つのポートを備え、かつ該ポートの2つが該多岐管ハブの一部を形成する一対のチャネルと液体で連絡している、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項49】
カテーテルが多岐管ハブの第1の末端から伸び、かつ該カテーテルの反対側の該多岐管ハブの第2の末端に配置されたTouhy-Borstフィッティングをさらに備える、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項50】
患者の身体にデバイスを固定するための生体適合性接着剤を有する下部表面を備えるアンカー部材をさらに備える、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項51】
陰圧の供給源が、多岐管ハブと液体で連絡している電力が供給された真空供給源を備える、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項52】
陰圧の供給源が、多岐管ハブと液体で連絡している機械制御された陰圧供給源を含む、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項53】
乳管に送達される液体を保持するための液体コンテナ、多岐管ハブに液体コンテナから液体を送達するための液体注入部材、および該多岐管ハブから収集デバイスまで管液試料を送達するための、該多岐管ハブと該収集デバイスの間に伸びる管液収集部材をさらに備える、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項54】
液体コンテナが生体適合性液体を収納するための液体バッグを備え、該液体バッグが、多岐管ハブに生体適合性液体を送達するために、該多岐管ハブの上に垂直に配置可能である、請求項53記載の管アクセスデバイス。
【請求項55】
管液収集デバイスが、多岐管ハブ内からの管液試料を受容するために該多岐管ハブの下に垂直に配置されるための液体収集バッグを備える、請求項53記載の管アクセスデバイス。
【請求項56】
カテーテルが、乳管開口部へそれを容易に導入させる潤滑性コーティングを有するマイクロカテーテルを含む、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項57】
潤滑性コーティングが潤滑剤、洗浄剤、麻酔剤および/または拡張剤を含んでもよい、請求項56記載の管アクセスデバイス。
【請求項58】
乳頭の表面上の一定の距離に多岐管ハブを配置するための調整スペーサーをさらに備える、請求項46記載の管アクセスデバイス。
【請求項59】
スペーサーが多岐管ハブとカテーテルの一部の間に伸びる少なくとも2つのテレスコープ型部材を備える、請求項58記載の管アクセスデバイス。
【請求項60】
スペーサーが多岐管ハブに対して移動可能である部材を備え、その結果、多岐管ハブの一部が該移動可能部材中に受容される、請求項58記載の管アクセスデバイス。
【請求項61】
以下を備える、管アクセスデバイス:
乳管内に配置されるためにサイズ決定された延長部材であって、該延長部材の長さに沿って伸びる延長内腔、および導入部を受容するための延長部材の長さの少なくとも一部に沿って伸びる延長内部経路を備え、内腔内に配置されかつ伸びる中心縦軸および延長内部通路を備え、該延長内部通路が、該中心縦軸から間隔を空け、かつそれから片寄っている中心に配置された縦軸を含む、延長部材;ならびに
内腔の遠位端の向こう側にかつ該延長内部経路の縦軸に沿って伸びる延長遠位先端部を備える延長部材。
【請求項62】
延長遠位先端部がその中に延長内部通路を備える、請求項61記載の管アクセスデバイス。
【請求項63】
内腔の近位端に結合された複数ポートボディーをさらに備え、かつ乳管に液体を注入するため、および乳管から液体を受容するために内腔と連絡している、請求項62記載の管アクセスデバイス。
【請求項64】
延長遠位先端部が、各々異なる剛性を有する、一定の長さに沿って伸びる複数の区画を備える、請求項61記載の管アクセスデバイス。
【請求項65】
延長遠位部材が、導入部の遠位端に接するように配置される閉じた遠位先端部を備える、請求項61記載の管アクセスデバイス。
【請求項66】
導入部が、その一定の長さに沿って伸びる複数の区画を備え、各区画が異なる剛性を有する、請求項61記載の管アクセスデバイス。
【請求項67】
延長通路が異なる所定の長さの複数の導入部を受容するように構成される、請求項61記載の管アクセスデバイス。
【請求項68】
以下を備える、乳管にアクセスするための管アクセスデバイス:
内腔を備えかつ乳房内に配置されるようにサイズ決定された延長部材であって;内腔を通して伸びる第1の中心に配置された軸および第1の中心に配置された軸に対して実質的に平行でありかつ片寄っている第2の軸を有し;該内腔が遠位端および反対の近位端を有し;延長遠位先端部が内腔の遠位端の向こう側にかつ第2の軸に沿って伸び、該延長遠位先端部が乳管内をナビゲートするための閉じた遠位端を有する、該延長部材;ならびに
内腔の近位端に結合され、かつ乳管に液体を注入するため、および乳管から液体を回収するために内腔と連絡する複数ポートボディー。
【請求項69】
延長遠位先端部が、延長導入部をそこに取り外し可能に受容するようにサイズ決定される内部通路を備える、請求項68記載のデバイス。
【請求項70】
通路が身体を通して伸びる、請求項69記載のデバイス。
【請求項71】
通路が内腔の近位端に対する延長部材の壁内で伸びる、請求項69記載のデバイス。
【請求項72】
延長遠位先端部が内腔の壁から伸びる、請求項68記載のデバイス。
【請求項73】
内腔の遠位端と延長遠位先端部の近位端の間に配置された傾斜表面をさらに備える、請求項68記載のデバイス。
【請求項74】
以下を備える、管アクセス系:
乳管および内腔内に配置されるようにサイズ決定されたカニューレであって;該内腔を通して伸びる第1の軸および該第1の軸に対して片寄っているかつ実質的に平行である第2の軸を有し、該内腔が遠位端および反対の近位端を有し、延長遠位部材が該内腔の遠位端の向こう側でありかつ第2の軸に沿って伸び、延長遠位部材が延長導入部をその中にスライド可能に受容するようにサイズ決定される内部通路を備える、カニューレ;ならびに
内腔の近位端に結合され、かつ乳管に液体を注入するため、および乳管から液体を回収するために該内腔と連絡している複数ポートボディー。
【請求項75】
通路が身体を通して延びる、請求項74記載の系。
【請求項76】
延長遠位部材が、導入部の遠位端に接するように構成される閉鎖された遠位端を備える、請求項74記載の系。
【請求項77】
延長遠位部材が、導入部がそこを通して伸長可能である開いた遠位先端部を備える、請求項74記載の系。
【請求項78】
延長遠位部材が内腔の壁から伸びる、請求項74記載の系。
【請求項79】
導入部が超弾性材料から構成される、請求項74記載の系。
【請求項80】
延長導入部が、各々が異なる剛性である複数の導入部を備える、請求項74記載の系。
【請求項81】
以下の工程を含む、請求項1記載の管アクセスデバイスを使用してヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法:
延長遠位部材の内部通路に導入部を挿入して、複合挿入部材を形成する工程;
乳管の管開口部に複合挿入部材を挿入する工程;および
延長部材を乳管に前進させる工程。
【請求項82】
内部通路から導入部を取り外す工程を含む、請求項81記載の方法。
【請求項83】
以下の工程を含む、請求項81記載の管アクセスデバイスを使用してヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法:
管開口部に延長遠位部材を挿入する工程;
延長遠位部材の内部通路に導入部を挿入して、複合挿入部材を形成する工程;ならびに
該複合挿入部材および内腔を乳管に前進させる工程。
【請求項84】
装置が以下を含む、乳管内で物質を導入または取り出しするために乳管内に導入および配置されるためのデバイス:
多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を備える多岐管ハブであって、該開口部の少なくとも2つが、該多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネルと液体で連絡している、多岐管ハブ;および
該多岐管ハブから伸びるカテーテルであって、該カテーテルの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、該内腔が該多岐管ハブと液体で連絡しており、かつその中に管導入部をスライド可能に受容するように適合され、該導入部が、該カテーテルの遠位先端部の向こうに少なくとも0.250インチ伸びる、カテーテル。
【請求項85】
導入部が、カテーテルの内腔内に挿入されてもよいガイドワイヤ、拡張器、スタイレット、またはそれらの一部を含むがこれらに限定されない、請求項84記載のデバイス。
【請求項86】
カテーテルが、導入部の遠位端に接するように構成される閉鎖遠位端を含む、請求項84記載のデバイス。
【請求項87】
導入部が、カテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも0.492インチ伸びる、請求項84記載のデバイス。
【請求項88】
導入部が、カテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも0.984インチ伸びる、請求項84記載のデバイス。
【請求項89】
カテーテルの遠位先端部が無外傷配置を有する、請求項84記載のデバイス。
【請求項90】
装置が以下を含む、乳管内で物質を導入または取り出しするために乳管内に導入および配置されるためのデバイス:
多岐管ハブの内部と液体で連絡している複数のポート開口部を備える多岐管ハブであって、該開口部の少なくとも2つが、該多岐管ハブの一部を通して伸びる1対の延長チャネルと液体で連絡している、多岐管ハブ;および
多岐管ハブから伸びるカテーテル;および
ハブとカテーテルの両方を通して内部に伸びるさや状覆いであって、該さや状覆いの縦軸に対して実質的に平行に伸びる延長内腔を備え、該内腔が該多岐管ハブと液体で連絡しており、かつ管導入部をその中にスライド可能に受容するように適合され、該さや状覆いが該カテーテルの遠位先端部の向こう側に伸びる、さや状覆い。
【請求項91】
さや状覆いが導入部の遠位端に接するように構成される閉鎖遠位先端部を備える、請求項90記載のデバイス。
【請求項92】
導入部が、カテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも0.250インチ伸びる、請求項90記載のデバイス。
【請求項93】
導入部が、カテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも0.492インチ伸びる、請求項90記載のデバイス。
【請求項94】
導入部が、カテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも0.984インチ伸びる、請求項90記載のデバイス。
【請求項95】
カテーテルおよびさや状覆いの遠位先端部が無外傷配置を有する、請求項90記載のデバイス。
【請求項96】
さや状覆いの遠位先端部がカテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも1.5mmインチ伸びる、請求項90記載のデバイス。
【請求項97】
さや状覆いの遠位先端部がカテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも6.0mmインチ伸びる、請求項90記載のデバイス。
【請求項98】
さや状覆いの遠位先端部がカテーテルの遠位先端部の向こう側に少なくとも18.5mmインチ伸びる、請求項90記載のデバイス。
【請求項99】
以下の工程を含む、請求項84記載のデバイスを使用してヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法:
乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;および
カテーテルを乳管に前進させる工程。
【請求項100】
以下の工程を含む、請求項90記載のデバイスを使用してヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法:
乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;
乳管にさや状覆いを前進させる工程;および
カテーテルを乳管に前進させる工程。
【請求項101】
以下の工程を含む、括約筋を通して医療器具を通すための方法:
医療器具を括約筋に対して近接に至らせる工程;
加圧した液体を該医療器具を通して導入し、その結果、該液体が該括約筋と接触する工程;
該開いた括約筋に医療器具を通す工程。
【請求項102】
医療器具がカテーテルである、請求項101記載の方法。
【請求項103】
液圧の増加が括約筋を開かせる、請求項101記載の方法。
【請求項104】
液圧が液体ポンプ、マウスピペッティング、または重力によって適用される、請求項101記載の方法。
【請求項105】
液体がカテーテルに導入される前に体温まで温められる、請求項101記載の方法。
【請求項106】
以下の工程を含む、管括約筋にカテーテルを通すための方法:
カテーテルを管括約筋に対して近接に至らせる工程;
液体を該カテーテルを通して導入し、その結果、該液体が該管括約筋と接触する工程;
該液体に圧力を適用し、その結果、液圧の増加が該管括約筋が開くことを引き起こす工程、および
該開いた管括約筋にカテーテルを通す工程。
【請求項107】
液圧が液体ポンプ、マウスピペッティング、または重力によって適用される、請求項106記載の方法。
【請求項108】
管括約筋が乳管中に位置する、請求項106記載の方法。
【請求項109】
液体がカテーテルに導入される前に体温まで温められる、請求項106記載の方法。
【請求項110】
以下の工程を含む、カニューレ挿入することが困難である管にカテーテルを通すための方法:
カテーテルを管に対して近接に至らせる工程;
液体を該カテーテルを通して導入し、その結果、該液体が該管と接触する工程;
該液体に圧力を適用し、その結果、液圧の増加が該管が開くかまたはまっすぐになることを引き起こす工程;
該開いたかまたはまっすぐになった管にカテーテルを通す工程。
【請求項111】
液圧が液体ポンプ、マウスピペッティング、または重力によって適用される、請求項110記載の方法。
【請求項112】
液体がカテーテルに導入される前に体温まで温められる、請求項110記載の方法。
【請求項113】
装置が以下を備える、乳管内で物質を導入するかまたは物質を取り出すために、乳管内に導入または配置されるためのデバイス:
多岐管ハブの一端で該多岐管ハブを通して伸びる管導入部についての密封のためのフィッティングを備える多岐管ハブであって、該フィッティングが反復して開閉されてもよいアパーチャを備え、該多岐管ハブの側が、一方の末端で該ハブの基部に接続され、および他方の末端で接続されず、かつ互いに実質的に平行である2つの反対方向の可撓性アームを備え、該アームがスプリングが飛び出す位置に保持され、その結果、該アームの未接続末端が、該アパーチャが閉鎖されるように該フィッティングを加圧し、かつ該アームが加圧される場合、該アームの該未接続末端が該フィッティングをもはや加圧せず、かつ該アパーチャが開放される、多岐管ハブ。
【請求項114】
密封フィッティングがシリコーンガスケットである、請求項113記載のデバイス。
【請求項115】
スプリングが可撓性アームとハブのボディー間に配置され、その結果スプリングが該アームを作動位置に保持する、請求項113記載のデバイス。
【請求項116】
アームの遊離末端が連結フックである、請求項113記載のデバイス。
【請求項117】
管導入部が環状ハンドルを有する、請求項113記載のデバイス。
【請求項118】
管導入部がNitinolから作られ、かつ先細になっている遠位先端部を有する、請求項113記載のデバイス。
【請求項119】
導入部が約0.025インチから約0.008インチまで先細になっている、請求項113記載のデバイス。
【請求項120】
多岐管ハブの一方の末端で該多岐管ハブを通して伸びる管導入部についての密封のためのフィッティングを備える多岐管ハブを備えるデバイスを使用する、ヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法であって、該フィッティングが反復して開閉されてもよいアパーチャを備え、該多岐管ハブの側が、一方の末端で該ハブの基部に接続され、および他方の末端で接続されず、かつ互いに実質的に平行である2つの反対方向の可撓性アームを備え、該アームがスプリングが飛び出す位置に保持され、その結果、該アームの未接続末端が、該アパーチャが閉鎖されるように該フィッティングを加圧し、かつ該アームが加圧される場合、該アームの該未接続末端が該フィッティングをもはや加圧せず、かつ該アパーチャが開放され;ならびに以下の工程を含む方法:
乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;および
乳管にカテーテルを前進させる工程。
【請求項121】
多岐管ハブの一方の末端で該多岐管ハブを通して伸びる管導入部についての密封のためのフィッティングを備える多岐管ハブを備えるデバイスを使用する、ヒト胸部乳管から細胞物質を入手するための方法であって、該フィッティングが反復して開閉されてもよいアパーチャを備え、該多岐管ハブの側が、一方の末端で該ハブの基部に接続され、および他方の末端で接続されず、かつ互いに実質的に平行である2つの反対方向の可撓性アームを備え、該アームがスプリングが飛び出す位置に保持され、その結果、該アームの未接続末端が、該アパーチャが閉鎖されるように該フィッティングを加圧し、かつ該アームが加圧される場合、該アームの該未接続末端が該フィッティングをもはや加圧せず、かつ該アパーチャが開放され;ならびに以下の工程を含む方法:
乳管の内部通路に導入部を挿入する工程;
乳管にさや状覆いを前進させる工程;および
乳管にカテーテルを前進させる工程。

【公表番号】特表2007−518478(P2007−518478A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547291(P2006−547291)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/043015
【国際公開番号】WO2005/063321
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(506002993)サイティック コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】