医療装置
【課題】挿入部の基端部に対して第1の接続部材と、第2の接続部材とを着脱する作業を簡単に行うことができるとともに、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うことができる医療装置を提供する。
【解決手段】挿入部10の基端部と、パワーユニット11と、管路コネクタ32との接続部における挿入部10の基端部の第1のコネクタ部115とパワーユニット11の第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、パワーユニット11と管路コネクタ32との外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定したものである。
【解決手段】挿入部10の基端部と、パワーユニット11と、管路コネクタ32との接続部における挿入部10の基端部の第1のコネクタ部115とパワーユニット11の第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、パワーユニット11と管路コネクタ32との外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の接続機器が着脱可能に接続されて使用される医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡装置として、例えば特許文献1には、挿入部の基端部に操作部が着脱可能に連結される構成が示されている。この装置では、1台の操作部に対して複数の挿入部を選択的に連結させることができ、必要に応じて挿入部のみを交換して使用することができる。
【0003】
また、特許文献2には、電動式の湾曲部を備えた電動湾曲内視鏡が示されている。ここでは、挿入部の基端部に湾曲駆動ユニットが着脱可能に連結される構成になっている。さらに、挿入部に内蔵された送気送水管路や、吸引管路には、外部装置の電磁弁ユニットに接続された外付けのチューブのコネクタが着脱可能に接続されるようになっている。
【特許文献1】特開2006−116131号公報
【特許文献2】特開2006−288751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、操作部内には湾曲部の駆動機構とともに、送気送水管路や、吸引管路や、ライトガイドなどが一体的に組み付けられている。そのため、送気送水管路や、吸引管路などの管路を洗浄する際にも操作部内から送気送水管路や、吸引管路などの管路を分離できないので、その作業が行いにくい。
【0005】
特許文献2の装置では、挿入部の基端部に対して湾曲駆動ユニットの着脱部と、管路コネクタの着脱部とが別々に設けられているので、これらの着脱作業を別々に行う必要があり、その作業に手間がかかる。さらに、挿入部の基端部から管路コネクタを取り外した場合には、外付けのチューブ類の垂れ下がりを防止するための作業が必要になるので、その作業に手間がかかる。
【0006】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、挿入部の基端部に対して第1の接続部材と、第2の接続部材とを着脱する作業を簡単に行うことができるとともに、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うことができる医療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、外部機器と着脱可能に接続される少なくとも第1,第2の内蔵物が内蔵された細長い挿入部と、前記挿入部の基端部に設けられ、前記第1の内蔵物に接続された第1のコネクタ部と前記第2の内蔵物に接続された第2のコネクタ部とを有する挿入部コネクタと、前記第1のコネクタ部と着脱可能に接続される第1の外部機器コネクタを有する第1の接続部材と、前記第2のコネクタ部と着脱可能に接続される第2の外部機器コネクタを有する第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を着脱可能に接続する外部機器間コネクタと、を具備し、前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、前記外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定したことを特徴とする医療装置である。
そして、本請求項1の発明では、挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、挿入部の挿入部コネクタの第1のコネクタ部と、第1の接続部材の第1の外部機器コネクタとが接続され、さらに、挿入部コネクタの第2のコネクタ部と第2の接続部材とが接続され、かつ第1の接続部材と第2の接続部材との間が外部機器間コネクタによって接続される。このとき、第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、前記外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定することにより、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、前記挿入部コネクタは、前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をA、前記第2のコネクタ部と前記第2の外部機器コネクタとの接続強度をBとしたとき、A<Bに設定したことを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項2の発明では、挿入部コネクタの第1のコネクタ部と第1の外部機器コネクタとの接続強度をA、第2のコネクタ部と第2の外部機器コネクタとの接続強度をBとしたとき、A<Bに設定することにより、挿入部を取り外した際に、第1のコネクタ部と第1の外部機器コネクタとの接続部が第2のコネクタ部と第2の外部機器コネクタとの接続部よりも簡単に外れるようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、前記第1の内蔵物は、流体管路、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記流体管路に対して流体を供給可能な流体供給用の管路コネクタを有するとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項3の発明では、挿入部の第1の内蔵物は、流体管路、第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成される。第1の接続部材の流体供給用の管路コネクタは、挿入部の流体管路に対して流体を供給し、第2の接続部材のパワーユニットは、挿入部の伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するようにしたものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記第1のコネクタ部は、流体管路接続用の口金部材、前記第2のコネクタ部は、動力、光、信号のうち少なくとも1つの伝送路の接続用の接続部を備え、前記管路コネクタは、前記口金部材に接続可能な接続端部を有し、前記パワーユニットは、前記接続部に接続可能な接続端部を有することを特徴とする請求項3に記載の医療装置である。
そして、本請求項4の発明では、挿入部と管路コネクタとパワーユニットとの接続時には挿入部の第1のコネクタ部の流体管路接続用の口金部材に管路コネクタの接続端部を接続し、挿入部の第2のコネクタ部における動力、光、信号のうち少なくとも1つの伝送路の接続用の接続部に、パワーユニットの接続端部を接続させるようにしたものである。
【0011】
請求項5の発明は、前記外部機器間コネクタは、前記パワーユニットに設けられた係合受け部と、前記管路コネクタに設けられ、前記係合受け部と係脱可能に係合される係合部とを有することを特徴とする請求項4に記載の医療装置である。
そして、本請求項5の発明では、外部機器間コネクタは、パワーユニットの係合受け部と、管路コネクタの係合部とを係脱可能に係合させるようにしたものである。
【0012】
請求項6の発明は、前記係合受け部は、前記パワーユニットに形成された係合凹部を有し、前記管路コネクタは、前記係合凹部と係脱可能に係合される係合凸部を有し、前記係合受け部は、前記係合凹部から前記係合凸部が抜けることを防止する抜け止め部を有することを特徴とする請求項5に記載の医療装置である。
そして、本請求項6の発明では、パワーユニットの係合凹部と管路コネクタの係合凸部を係脱可能に係合させた際に、係合受け部の抜け止め部によって係合凹部から係合凸部が抜けることを防止するようにしたものである。
【0013】
請求項7の発明は、前記管路コネクタの前記接続端部は、前記第1のコネクタ部の前記口金部材が挿入される挿入穴を有する弾性体製の雌口金によって形成され、前記第1のコネクタ部の前記口金部材は、前記雌口金よりも硬質な材料製の雄口金によって形成され、前記雌口金は、前記挿入穴の内周面に前記雄口金の外径よりも小径なシール用の凸部が前記挿入穴の周方向全体に延設されていることを特徴とする請求項4に記載の医療装置である。
そして、本請求項7の発明では、弾性体製の雌口金によって形成された管路コネクタの接続端部の挿入穴に雌口金よりも硬質な材料製の雄口金によって形成された第1のコネクタ部の口金部材を挿入させた際に、雄口金によって雌口金のシール用の凸部を押し潰す状態に弾性変形させて雌口金と雄口金との間を水密、気密にシールするようにしたものである。
【0014】
請求項8の発明は、前記係合受け部は、前記係合凹部と前記係合凸部との係合部分に遊嵌状態で固定して前記雌口金の前記挿入穴と、前記雄口金との間の軸ずれを許容する軸ずれ調整部を有することを特徴とする請求項7に記載の医療装置である。
そして、本請求項8の発明では、係合受け部の軸ずれ調整部によって係合凹部と係合凸部との係合部分を遊嵌状態で固定することにより、雌口金の挿入穴と、雄口金との間の軸ずれを許容するようにしたものである。
【0015】
請求項9の発明は、前記挿入部は、電動湾曲式の電子内視鏡の挿入部によって形成され、前記第1の接続部材は、前記内視鏡に流体を供給するポンプユニットによって形成され、前記パワーユニットは、前記内視鏡の湾曲部を電動駆動するモータと、前記内視鏡に照明光を導光するライトガイドと、前記内視鏡の撮像系との信号伝送路とを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項9の発明では、電動湾曲式の電子内視鏡の挿入部と、内視鏡に流体を供給するポンプユニットによって形成された第1の接続部材と、内視鏡の湾曲部を電動駆動するモータと、内視鏡に照明光を導光するライトガイドと、内視鏡の撮像系との信号伝送路とを有するパワーユニットとを接続するようにしたものである。
【0016】
請求項10の発明は、前記挿入部は、ヒートプローブ処置具の挿入部によって形成され、前記第1の内蔵物は、ヒートプローブ、前記第2の内蔵物は、送水管路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ヒートプローブに接続されるヒートプローブ制御装置であるとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記送水管路に対して送水する送水装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項10の発明では、第1の内蔵物としてのヒートプローブと、第2の内蔵物としての送水管路とを有するヒートプローブ処置具の挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、ヒートプローブ制御装置である第1の接続部材を挿入部のヒートプローブに接続させ、第2の接続部材の送水装置から挿入部の送水管路に対して送水するようにしたものである。
【0017】
請求項11の発明は、前記第1の内蔵物は、ライトガイド、前記第2の内蔵物は、動力、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ライトガイドに接続される光源装置であるとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項11の発明では、挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、第1の接続部材の光源装置を挿入部のライトガイドに接続させるとともに、第2の接続部材のパワーユニットによって挿入部の伝送路に対して動力、信号のうち少なくとも1つを供給するようにしたものである。
【0018】
請求項12の発明は、前記第1の内蔵物は、内視鏡挿入形状観測装置の信号線、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記信号線に接続される内視鏡挿入形状観測装置であるとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項12の発明では、挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、第1の接続部材の内視鏡挿入形状観測装置を挿入部の信号線に接続させるとともに、第2の接続部材のパワーユニットを挿入部の伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するようにしたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、挿入部の基端部に対して第1の接続部材と、第2の接続部材とを着脱する作業を簡単に行うことができるとともに、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うことができる医療装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図22を参照して説明する。図1は、医療装置のシステム全体の概略構成を示す。医療装置には、患者用ベッド1の近傍位置に電動湾曲内視鏡2のシステムを搭載するカート7が配置される。医療装置である電動湾曲内視鏡装置は、主に電動湾曲内視鏡2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、ポンプユニット5と、システム電源6(図2参照)とを有する。
【0021】
図2に示すようにカート7には、床上を移動自在となるように例えばキャスター等を備えた台車7aの上に光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、ポンプユニット5と、システム電源6とが積層状態で搭載されている。電動湾曲内視鏡2のシステムは、ビデオプロセッサ4からの映像信号を受けて所定の内視鏡画像を表示するモニタ8を備えている。モニタ8は、患者用ベッド1の側部に立設された状態で装着されている。
【0022】
さらに、カート7は、電動湾曲内視鏡2を移動自在に保持する複数の可動アーム部等からなる内視鏡用アーム9を有する。内視鏡用アーム9は、カート7上に立設されたほぼL字状の支持アーム101と、複数、本実施の形態では3つ(第1〜第3)の水平動アーム102a,102b,102cと、1つの鉛直動アーム103とを有する。第1水平動アーム102aの一端部は、支持アーム101の上端部に鉛直方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。第1水平動アーム102aの他端部には、第2水平動アーム102bの一端部が鉛直方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。第2水平動アーム102bの他端部には、第3水平動アーム102cの一端部が鉛直方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。第3水平動アーム102cの他端部には、鉛直動アーム103の基端部が水平方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。さらに、鉛直動アーム103の先端部には内視鏡保持部104が配設されている。
【0023】
内視鏡用アーム9の内視鏡保持部104は、図5に示すようにほぼC字状に形成されたC型リング107を有する。C型リング107は、ほぼC字状の内輪部107aと、ほぼC字状の外輪部107bとを有する。内輪部107aは、外輪部107bに沿って回動可能に連結され、かつ任意の回動位置で固定可能に支持されている。
【0024】
また、第1水平動アーム102aと第2水平動アーム102bとの連結部には鉛直方向に立設された第1支持ロッド105a、第2水平動アーム102bと第3水平動アーム102cとの連結部には鉛直方向に立設された第2支持ロッド105bがそれぞれ連結されている。第1支持ロッド105aおよび第2支持ロッド105bの上端部にはリング状のバンドルリテーナ106がそれぞれ固定されている。
【0025】
電動湾曲内視鏡2は、主に体腔内に挿入する細長い挿入部10と、この挿入部10の基端部に着脱自在に連結されたパワーユニット(第1の接続部材)11と、このパワーユニット11に対して着脱可能に連結される管路コネクタ(第2の接続部材)32と、リモコン操作部12とによって構成されている。
【0026】
図6に示すように挿入部10は、細長い可撓管部13と、この可撓管部13の先端に基端部が連結された湾曲部14と、この湾曲部14の先端に基端部が連結された先端硬性部15とを有する。先端硬性部15の先端面には、照明光学系の照明レンズ16と、観察光学系の観察レンズ17と、図2に示す処置具挿通チャンネルの先端開口部18と、送気送水用ノズル19と、前方送水用開口部20などが配設されている。
【0027】
照明レンズ16の後方には照明光を導光する光ファイバーによって形成されるライトガイド21の先端部が配設されている。観察レンズ17の後方にはこの観察レンズ17により結像された画像を光電変換するためのCCD22などの撮像素子と、このCCD22を駆動するCCDドライバ23とが配設されている。
【0028】
また、電動湾曲内視鏡2の湾曲部14は、ほぼリング状の複数の湾曲駒が挿入部10の軸方向に沿って並設され、それぞれリベットなどの回動ピンを介して回動可能に連結されている。さらに、湾曲部14には、この湾曲部14を例えば、上下左右の4方向に湾曲操作する湾曲操作用の4本のワイヤの先端側が接続されている。各ワイヤの基端部側は、挿入部10の基端部側に延出されている。そして、パワーユニット11からの駆動力を受けてワイヤが牽引駆動される。これにより、湾曲部14は、真っ直ぐに伸びた湾曲角度が0°の通常の直線状態(非湾曲状態)から上下左右方向に任意の湾曲角度に湾曲操作された湾曲形状まで湾曲可能になっている。
【0029】
挿入部10の内部には、外部機器と着脱可能に接続される複数の内蔵物、例えば流体管路である第1の内蔵物111と、動力、光、信号などを伝送する伝送路によって形成される第2の内蔵物112とを有する。本実施の形態では、第1の内蔵物111は、前方送水管路24と、送気管路25aと、送水管路25bと、吸引管路を兼ねる処置具挿通管路26とによって形成される。第2の内蔵物112は、例えば湾曲部14を例えば、上下左右の4方向に湾曲操作する湾曲操作用(動力伝送用)の図示しない4本のワイヤと、光伝送用のライトガイド21と、CCDドライバ23に接続された信号伝送用の電気配線113とによって形成される。
【0030】
前方送水管路24の先端部は前方送水用開口部20に連結されている。また、送水管路25bの先端部には、送気管路25aの先端部が連結されている。そして、送水管路25bと、送気管路25aとの連結部よりも先端側には送気送水管路25が形成されている。この送気送水管路25の先端部は送気送水用ノズル19に連結されている。処置具挿通管路26の先端部は、先端開口部18に連結されている。
【0031】
図6に示すように挿入部10の基端部には、可撓管部13よりも太径の挿入部コネクタ114が設けられている。この挿入部コネクタ114は、軸方向に沿って配置された3つのブロック、すなわち第1ブロック114aと、第2ブロック114bと、第3ブロック114cとを有する。第1ブロック114aは、最も可撓管部13側に配置されている円錐形状部114a1と円筒形状部114a2とを有する。第2ブロック114bは、中央位置に配置された最も大型のブロックである。第3ブロック114cは、挿入部10の基端部の端末部分に配置されたブロックである。
【0032】
さらに、挿入部コネクタ114は、第1のコネクタ部115と、第2のコネクタ部116とを有する。第1のコネクタ部115には、前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cと、漏水検知口金117dとが設けられている。これらの口金117a〜117dは、図7に示すように挿入部コネクタ114の第2ブロック114bと第3ブロック114cとの間の第2ブロック114bの端面114b1に後端側に向けて突設されている。前方送水口金117aには、前方送水管路24の基端部が連結されている。同様に、送水口金117bには送水管路25bの基端部、送気口金117cには送気管路25aの基端部がそれぞれ連結されている。さらに、上記口金117a〜117cは、例えば金属などの硬質な材料製の雄口金によって形成されている。
【0033】
第2のコネクタ部116には、光接続部118aと、電気接続部118bと、駆動力伝達用の駆動力伝達部118cとが設けられている。ここで、電気接続部118bは、挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの後端部に突設された円筒部材119の外周面に並設された電気接点120によって形成されている。光接続部118aは、第3ブロック114cの後端部の円筒部材119の軸心部に配置されたライトガイド21の接続端部21aによって形成されている。駆動力伝達部118cは、挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの図7、図8中で上下に配置された一対のカップリング部121a,121bによって形成されている。
【0034】
また、挿入部コネクタ114の円筒形状部114a2の外周面には、処置具挿通部28が突設されている。処置具挿通部28には、後述する吸引チューブ付き鉗子栓29(図18参照)が装着される。
【0035】
パワーユニット11は、例えば略円筒状や略円柱状のユニット本体11aを有する。このユニット本体11aの一端部(挿入部10との接続端部)には、内視鏡用アーム9の内視鏡保持部104の内輪部107aへの取り付け用の取付け部11bが形成されている。この取付け部11bはC型リング107の内輪部107aと対応する形状に形成されている。そして、パワーユニット11の取付け部11bは、内視鏡用アーム9のC型リング107の内輪部107aに取り付けられた状態で固定されている。これにより、内視鏡用アーム9によって、内視鏡2が所定の範囲内で移動可能に支持されている。
【0036】
パワーユニット11は、湾曲部14を電動駆動する駆動源である電動モータ(湾曲駆動手段)35を有する駆動力発生部11Aと、ライトガイド125によって照明光を伝送する光伝送部11Bと、CCD22の電気信号を伝送する電気信号伝送部11Cとを有する。
【0037】
駆動力発生部11Aは、電動モータ35を含むパワーユニット11の統括的な制御を行なうモータ制御部36と、電動モータ35の回転速度や回転量等の動作状態をデータ化するエンコーダ37と、電動モータ35の回転動力を減速させる減速ギアー38と、この減速ギアー38に連結され電動モータ35の回転動力を挿入部10の側の動力連結部39へと伝達する電磁クラッチ40と、回転位置検出手段であるポテンショメータ41と、電磁クラッチ40の動作を検出するクラッチ動作検出スイッチ42と、挿入部10とパワーユニット11との係合状態を検出する着脱状態検出スイッチ43等によって構成されている。
【0038】
さらに、ユニット本体11aには、取付け部11b側の端面に挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの部分が挿脱可能に挿入される収納室11cの開口部11dが形成されている。
【0039】
ユニット本体11aの収納室11cの内部には、図4に示すように光伝送部11Bを形成する光接続用のライトガイド接続部122と、電気信号伝送部11Cを形成する電気接続用の電気接点123と、動力伝達用のカップリング部124とが設けられている。これらのライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とはそれぞれユニット本体11aの収納室11cの内部に挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの部分が挿脱可能に挿入された際に、挿入部コネクタ114が収納室11cの終端位置まで挿入された時点で挿入部コネクタ114のライトガイド21の接続端部21aと、電気接点120と、カップリング部121a,121bとそれぞれ接続される位置に配置されている。そして、これらのライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とによって挿入部コネクタ114の第2のコネクタ部116と着脱可能に接続される第2の外部機器コネクタが形成されている。
【0040】
また、ユニット本体11aの後端部には、ユニバーサルコード33の一端部が連結されている。ユニバーサルコード33内にはライトガイド125と、CCD22の電気信号伝送用の電気配線126が配設されている。ユニバーサルコード33の先端部には光源装置3に接続される光コネクタ部127が連結されている。この光コネクタ部127の側部には電気ケーブル128を介して電気コネクタ部129が連結されている。この電気コネクタ部129は、ビデオプロセッサ4に接続されている。
【0041】
図5および図9(A),(B)に示すようにユニット本体11aには、円形状の外周面の一部を切欠させた平板状の切欠部130が形成されている。この切欠部130には、挿入部10との接続端部側に管路コネクタ装着部131が設けられている。この管路コネクタ装着部131には、管路コネクタ32が着脱可能に装着される。
【0042】
管路コネクタ32は、図11(A)に示すようにゴムなどの弾性体によって形成されたブロック状のコネクタ本体132を有する。このコネクタ本体132には、図11(B)に示すように流体管路接続用の3つ(第1,第2,第3)の接続穴部133a,133b,133cが形成されている。第1の接続穴部133aには前方送水チューブ134a、第2の接続穴部133bには送水チューブ134b、第3の接続穴部133cには送気チューブ134cの各一端部が連結されている。
【0043】
管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、挿入部コネクタ114の第1のコネクタ部115に突設された3つの雄口金である前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cがそれぞれ挿入される雌口金によって形成されている。ここで、第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、図16に示すように雄口金である口金117a〜117cの外径よりも大径な遊嵌用の嵌合穴141と、この嵌合穴141の内周面に内向きに突設されたシール用の凸部142とを有する。凸部142は、嵌合穴141の内周面の周方向全体に延設されている。この凸部142の内径は、雄口金である口金117a〜117cの外径よりも小径に設定されている。そのため、嵌合穴141内に雄口金である口金117a〜117cが挿入された場合には図17に示すように口金117a〜117cによって凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形し、口金117a〜117cと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされるようになっている。
【0044】
また、管路コネクタ32には、図11(A)に示すようにコネクタ本体132の両側部にほぼ三角形状の係合凸部151a,151bが突設されている。パワーユニット11の管路コネクタ装着部131には、管路コネクタ32を図10中で下から上向きにスライド移動させる動作をガイドするガイド面152が設けられている。このガイド面152の終端部の位置には管路コネクタ32の係合凹部(係合受け部)153が設けられている。この係合凹部153には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係脱可能に係合される。
【0045】
さらに、管路コネクタ装着部131には、係合凹部153の入口部分の両側部に係合凹部153から管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が抜けることを防止する爪部(抜け止め部)154a,154bが突設されている。
【0046】
そして、管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を装着する場合には、図13中で、管路コネクタ装着部131の下方からコネクタ本体132が上向きに押し込み操作される。このとき、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分は、係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たる。このように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を押し込むことにより、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bによって圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える。これにより、図14に示すように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合される。また、管路コネクタ32は、係合凹部153に対し遊嵌状態で取り付いている。そして、この管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分と、管路コネクタ装着部131の係合凹部153との係合部分によって外部機器間コネクタが形成されている。
【0047】
また、管路コネクタ32のコネクタ本体132の下部には、図11(B)に示すようにコネクタ本体132の両側に突出する凸部155が突設されている。これらの凸部155は、図9(A),(B)に示すようにパワーユニット11の管路コネクタ装着部131の底面に上向きに突設された逆L字状の係合凸部156に係合されるようになっている。これにより、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着されている管路コネクタ32が図9(A)中で上側(挿入部10の抜去方向に対して直交する方向)に引き抜かれることが防止されている。
【0048】
さらに、図11(B)に示すように管路コネクタ32のコネクタ本体132の上部には、チューブ類保持具157が突設されている。このチューブ類保持具157には、2つのチューブ類保持溝158が形成されている。各チューブ類保持溝158には上側にすり割り状のスリット部158aが形成されている。このスリット部158aからチューブ類保持溝158にチューブやワイヤなどのチューブ類が挿脱できるようになっている。
【0049】
そして、管路コネクタ32は、パワーユニット11に挿入部10の挿入部コネクタ114が連結される前に予めパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着される。このパワーユニット11と管路コネクタ32との接続時には、管路コネクタ32の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cの各他端部は、ポンプユニット5にそれぞれ連結される。このとき、ユニバーサルコード33と、管路コネクタ32の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cおよび吸引チューブ161は、第1支持ロッド105aおよび第2支持ロッド105bの各バンドルリテーナ106内にそれぞれ軸方向に移動可能に、かつ軸回りの回動/回転も可能に挿通される。
【0050】
ポンプユニット5には、流体制御カセット5aが着脱可能に装着されている。この流体制御カセット5aは、送気、送水、吸引に関する弁体を有する流量調整機構を備えている。ポンプユニット5は、流体制御カセット5aの流量調整機構を駆動する。
【0051】
また、管路コネクタ32がパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着されたのち、図3に示すようにパワーユニット11に挿入部10の挿入部コネクタ114が連結される。このとき、挿入部コネクタ114の第2のコネクタ部116の光接続部118aと、電気接続部118bと、駆動力伝達用の駆動力伝達部118cとがパワーユニット11の第2の外部機器コネクタであるライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とそれぞれ接続される。これにより、挿入部10の光伝送用のライトガイド21と、電気信号伝送用の電気配線113と、動力伝送用のカップリング部121a,121bとがパワーユニット11のライトガイド125と、電気配線126と、カップリング部124とそれぞれ接続される。
【0052】
同時に、図15に示すように挿入部10の挿入部コネクタ114の第1のコネクタ部115が管路コネクタ32に連結される。このとき、第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cにそれぞれ連結される。これにより、挿入部10側の前方送水管路24と、送気管路25aと、送水管路25bとが管路コネクタ32側の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cとそれぞれ接続される。
【0053】
また、処置具挿通部28には、吸引チューブ付き鉗子栓29が装着される。図18は、吸引チューブ付き鉗子栓29の鉗子栓ユニット108全体の外観を示す。鉗子栓ユニット108には、鉗子栓29とは別体の吸引チューブ161が設けられている。図19に示すようにこの吸引チューブ161の一端部に鉗子栓29が連結されている。そして、挿入部10内の処置具挿通管路26は、処置具挿通部28の吸引チューブ付き鉗子栓29を介して別体の吸引チューブ161と連結されている。吸引チューブ161の他端部には、図21に示すようにポンプユニット5の吸引ポンプ側の接続口金163と着脱可能に連結される吸引コネクタ162が接続されている。これにより、処置具挿通管路26は、吸引をした際の吸引物の通路としても使われる。そして、吸引物を処置具挿通管路26から処置具挿通部28の吸引チューブ付き鉗子栓29を経て吸引チューブ161に吸引させることができる。
【0054】
図19は、吸引チューブ付き鉗子栓29の内部構成を示す。鉗子栓29は、若干の弾性力を有するポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂部材で略円筒形状に形成された連結筒体164を有する。連結筒体164の下部には挿入部10の処置具挿通部28に連結される連結穴部165が形成され、内周にパッキン165aが設けられている。ここで、挿入部10の処置具挿通部28は金属製の口金である。そして、連結筒体164の連結穴部165は処置具挿通部28の金属製口金に外嵌される状態で圧入され、パッキン165aを介して密着状態で取り付け固定されるようになっている。
【0055】
連結筒体164の上部には、栓部材166と、蓋部材167とが設けられている。さらに、連結筒体164の上端部には、凹陥状の受部168が形成されている。この受部168には栓部材166が嵌着されている。栓部材166には、円筒体166aの上端部に膜状の閉塞膜166bが形成されている。この閉塞膜166bの中央部位には丸孔166cが形成されている。丸孔166cの径寸法は、挿通される処置具等の外径寸法より所定量小さく形成されている。したがって、処置具等を丸孔166cに挿通させた処置具挿通状態において、丸孔166cの内周面は、栓部材166の弾性力によって、処置具の外周面に密着した状態に弾性変形して水密・気密状態を保持するようになっている。また、処置具を丸孔166cに挿通させたとき、栓部材166の外周部の形状が変化することなく、薄肉に形成された閉塞膜166bだけが変形して、栓部材166の形状が維持される。
【0056】
受部168の外周部には、リング状の蓋係止部材169が取付けられている。蓋係止部材169は、受部168の外周部に外嵌される大径な固定部169aと、この固定部169aの上側に配置され、固定部169aよりも小径に形成された蓋係止部169bとを有する。蓋係止部169bの外周面には、蓋本体取付け溝169cが設けられている。さらに、蓋係止部169bの内径は、栓部材166の外径よりも小径に形成されている。これにより、受部168に嵌着された栓部材166の上端部が蓋係止部169bの内周部によって押えられ、栓部材166が抜け止めされている。
【0057】
さらに、連結筒体164の上部には、受部168の下側に斜め下向きに突出された係合突部170が形成されている。連結筒体164の中途部には連結筒体164の軸方向と直交する方向に延設された口金部171が形成されている。口金部171は連結筒体164の内部に連通されている。口金部171には吸引チューブ161が連結されている。
【0058】
蓋部材167は、シリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の弾性部材で形成されている。この蓋部材167は、蓋本体部172と、この蓋本体部172の片側に配置された帯状の連結部173と、蓋本体部172の反対側に配置された帯状のつまみ部174とを有する。連結部173は一定の厚み寸法で帯状に形成されている。連結部173の端面には円形、角形等のリング部173aが形成されている。連結部173のリング部173aは、連結筒体164の係合突部170に対して圧入配置されて固定されている。
【0059】
蓋本体部172は、略円筒形状の筒体によって形成されている。さらに、蓋本体部172の筒体の下端部には内部側に向けて係合爪部172aが突設されている。そして、蓋本体部172の筒体は、蓋係止部材169の蓋係止部169bに外嵌される状態で蓋係止部169bに着脱可能に連結されるようになっている。このとき、蓋本体部172の係合爪部172aが蓋係止部材169の蓋本体取付け溝169cに圧入配置されて係合されるようになっている。
【0060】
さらに、蓋本体部172の略中央部には半球状凹部172bが設けられている。半球状凹部172bの底面には処置具等が挿通可能な処置具挿通用スリット175が形成されている。スリット175は処置具未挿通状態時の場合には、蓋部材167の弾性力によってスリット175の両側の壁面間が密着状態になって水密・気密状態を保持するようになっている。スリット175に処置具等を挿通させた処置具挿通状態の場合には、スリット175の両側の壁面が、蓋部材167の弾性力によって、処置具の外周面に密着した状態に弾性変形し、水密・気密状態を保持するようになっている。
【0061】
そして、吸引チューブ付き鉗子栓29を通して処置具挿通部28から挿入される鉗子等の処置具は、処置具挿通管路26を挿通して挿入部10の先端側前面の先端開口部18から突出し得るようになっている。
【0062】
また、鉗子栓29のつまみ部174は、蓋本体部172の上面に連なるように該蓋本体部172の外周側面から一方向側に所定量突出して設けられている。つまみ部174の先端側下面には複数の突起176が突設され、滑り止め部177が形成されている。滑り止め部177は、蓋部材167の開閉時、つまみ部174を把持するユーザーの手指が滑ることを防止するためのものである。
【0063】
また、本実施の形態の鉗子栓29には、処置具挿通部28の口金から鉗子栓29を取り外した際に、連結筒体164の連結穴部165の周壁の一部を切除して破壊する栓破壊操作レバー178が設けられている。この栓破壊操作レバー178は、非使用時には図22(A)に示すように連結筒体164の連結穴部165の周壁部における口金部171の反対側の壁面に連結筒体164の周壁に沿って上向きに延設された状態で保持されている。栓破壊操作レバー178の根元部分には連結筒体164の周壁を切り開くための一対のV字状溝などの切り欠き部179が形成されている。そして、本実施形態において鉗子栓29は、ユーザーによって栓破壊操作レバー178に対して外向きに荷重を掛けることにより、図22(B)に示すように切り欠き部179から連結筒体164の周壁が切り開かれて破壊されるようになっている。 このとき、図22(C)に示すように栓破壊操作レバー178を連結筒体164の周壁から切り離すことにより、図22(D)に示すように処置具挿通部28の口金から鉗子栓29を簡単に取り外すことができるようになっている。さらに、処置具挿通部28の口金から取り外した鉗子栓29は、連結筒体164の連結穴部165の周壁の一部が切除されることにより、そのまま再度、処置具挿通部28の口金に取付けることができないようになっている。これにより、使用済みの鉗子栓29を再使用できなくするようになっている。
【0064】
また、図20に示すように吸引コネクタ162には、円筒状のコネクタ本体162aの内部に栓部材180が組み付けられている。栓部材180には、円筒体180aの一端部に膜状の閉塞膜180bが形成されている。この閉塞膜180bの中央部位には丸孔180cが形成されている。丸孔180cの径寸法は、挿通される吸引ポンプ側の接続口金163の外径寸法より所定量小さく形成されている。したがって、吸引ポンプ側の接続口金163を丸孔180cに挿通させた状態において、丸孔180cの内周面は、栓部材180の弾性力によって、吸引ポンプ側の接続口金163の外周面に密着した状態に弾性変形して水密・気密状態を保持するようになっている。
【0065】
さらに、コネクタ本体162aの先端部には円筒状の連結端部181が設けられている。この連結端部181の略中央部には半球状凹部181aが設けられている。半球状凹部181aの底面には吸引ポンプ側の接続口金163が挿通可能なスリット182が形成されている。スリット182は処置具未挿通状態時の場合には、連結端部181の弾性力によってスリット182の両側の壁面間が密着状態になって水密・気密状態を保持するようになっている。スリット182に吸引ポンプ側の接続口金163を挿通させた場合には、スリット182の両側の壁面が、連結端部181の弾性力によって、吸引ポンプ側の接続口金163の外周面に密着した状態に弾性変形し、水密・気密状態を保持するようになっている。
【0066】
また、システム電源6は、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、ポンプユニット5と、モニタ8との間で電気的に接続されている。ポンプユニット5には、リモコン操作部12から延出する電気ケーブル44が接続されている。
【0067】
また、リモコン操作部12は、湾曲部14に対する湾曲動作を指示入力する湾曲操作装置であるトラックボール装置45と、送気送水操作指示を行なう送気送水スイッチ46と、吸引操作指示を行なう吸引スイッチ47等の各種操作部材と、ビデオ撮影等のビデオプロセッサ4の各種機能をリモート操作する各種のビデオスイッチ48と、これらの操作入力手段に電気的に接続されるAD変換器49等によって構成されている。なお、AD変換器49は、ビデオ撮影等を操作する各種のビデオスイッチ48から生じる電気信号を受けて所定の操作指示信号とするAD変換処理を行なうものである。さらに、リモコン操作部12の複数のビデオスイッチ48には、スイッチ毎に例えば、フリーズ(静止画)指示や、レリーズ等のスイッチ機能を割り付けることができる。そして、ビデオスイッチ48のスイッチ操作をすることにより、割り付けられた機能に対応する信号処理、例えば静止画をモニタ8の表示画面に出力する動作を行う。
【0068】
また、リモコン操作部12の各操作部材が操作されることによって生じる各種の指示信号は、AD変換器49から適宜指示信号に対応する制御を行なうための制御信号を各機器に向けて出力するようになっている。これにより、パワーユニット11の駆動制御を行なうと共に光源装置3やビデオプロセッサ4やポンプユニット5等を統括的に制御するようになっている。
【0069】
そして、本実施の形態の電動湾曲内視鏡2のシステムは、パワーユニット11に管路コネクタ32が連結されるとともに、挿入部10の挿入部コネクタ114が連結された状態で使用される。この使用時には、光源装置3からの照明光は、パワーユニット11内のライトガイド125から挿入部10の内部のライトガイド21を経由して挿入部10の先端部側に伝送され、照明レンズ16から前面に向けて照射され、被写体が照明されるようになっている。
【0070】
また、内視鏡画像は、観察レンズ17によりCCD22に結像され、このCCD22によって映像信号に変換される。さらに、CCD22から出力される映像信号は、挿入部10内の電気配線113からパワーユニット11内の電気配線126に伝送され、さらにユニバーサルコード33内を経て電気コネクタ部129によってビデオプロセッサ4に入力される。ビデオプロセッサ4には、モニタ8が電気的に接続されている。これにより、ビデオプロセッサ4で所定の信号処理を施したのち、ビデオプロセッサ4から出力される映像信号はモニタ8へと伝送されるようになっている。これを受けてモニタ8の表示画面に内視鏡画像が表示されるようになっている。
【0071】
また、リモコン操作部12の操作によってポンプユニット5が駆動されて送気送水及び吸引動作が行われると、挿入部10の先端面からの送気送水や吸引を行なうことができるようになっている。
【0072】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の電動湾曲内視鏡2のシステムのパワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを着脱する(取付け/取外し)作業手順について説明する。
【0073】
(1)パワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを取付ける作業手順
(1−1)パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する。このパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時には、まず、図13に示すように管路コネクタ装着部131の下方からコネクタ本体132が上向きに(挿入部10の挿脱方向と平行に)押し込み操作される。このとき、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分は、係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たる。
【0074】
(1−2)管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を図13中で、上向きに押し込む。この作業時には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bによって圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える。これにより、図14に示すように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合される。図14は、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32が接続された状態を示す。
【0075】
(1−3)図14の状態で、パワーユニット11に挿入部10を連結する作業が行われる。この作業時にはパワーユニット11の取付け部11b側の端面の開口部11dから収納室11c内に挿入部10の挿入部コネクタ114が挿入される。このとき、挿入部コネクタ114の第2のコネクタ部116の光接続部118aと、電気接続部118bと、駆動力伝達用の駆動力伝達部118cとがパワーユニット11の第2の外部機器コネクタであるライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とそれぞれ接続される。これにより、挿入部10の光伝送用のライトガイド21と、電気信号伝送用の電気配線113と、動力伝送用のカップリング部121a,121bとがパワーユニット11のライトガイド125と、電気配線126と、カップリング部124とそれぞれ接続される。
【0076】
(1−4)パワーユニット11と挿入部10とが連結されると、ほぼ同時に管路コネクタ32と挿入部10の第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが連結される。このとき、管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、ゴム製の雌口金によって形成されている。また、前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとは、金属製の雄口金によって形成されている。そして、接続時は金属製の雄口金がゴム製の雌口金に嵌り込む。このとき、前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cの金属製の雄口金は、管路コネクタ32のゴム製の雌口金の嵌合穴141に遊嵌状態で挿入される。そして、嵌合穴141内に雄口金である口金117a〜117cが挿入された場合には図17に示すように口金117a〜117cによって嵌合穴141内の凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形する。これにより、ゴム製の雌口金が金属の口金117a〜117cを締め付けることで、口金117a〜117cと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされ、流体が漏れることなく受け渡しができるようにしている。
【0077】
このとき、第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cにそれぞれ連結される。これにより、挿入部10側の前方送水管路24と、送気管路25aと、送水管路25bとが管路コネクタ32側の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cとそれぞれ接続される。また、管路コネクタ132は、係合凹部153に対し遊嵌状態で取り付いているため、例えば製造誤差による管路の軸ずれをカバーできる。
【0078】
(2)パワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを取外す作業手順
(2−1)パワーユニット11から挿入部10を切り離す。このとき、挿入部10の第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cから抜ける。このとき、第1のコネクタ部115と管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cとの接続強度(第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cから口金117a〜117cが抜ける力量)をa、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続強度(管路コネクタ32の係合凸部151a,151bが爪部154a,154bを乗り越える力量)をbとしたとき、a<bに設定されている。そのため、パワーユニット11から挿入部10を引き抜いた際に、管路コネクタ32は、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に接続された状態で留まっている。
【0079】
(2−2)パワーユニット11の管路コネクタ装着部131から管路コネクタ32を取外す。このとき、管路コネクタ32の一方の係合凸部151bの近傍のコネクタ本体132の後端部分を前方向に手で押し出すことで、軽い力量で容易に取外すことができる。
【0080】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の電動湾曲内視鏡2のシステムでは、パワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを着脱する際に、パワーユニット11の第1のコネクタ部115と管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cとの接続強度(第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cから口金117a〜117cが抜ける力量)をa、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続強度(管路コネクタ32の係合凸部151a,151bが爪部154a,154bを乗り越える力量)をbとしたとき、a<bに設定している。そのため、パワーユニット11から挿入部10を取り外しても、管路コネクタ32がパワーユニット11から脱落することなく連結状態のままで保持することができる。
【0081】
したがって、パワーユニット11から挿入部10を取り外した際に、管路コネクタ32がパワーユニット11から脱落することがないので、管路コネクタ32に接続されている前方送水チューブ134a、送水チューブ134b、送気チューブ134cなどのチューブが不用意に垂れ下がらない。そのため、パワーユニット11への管路コネクタ32の取り付け状態を気にすることなくパワーユニット11に対して挿入部10を着脱できる。
【0082】
また、管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、図16に示すように嵌合穴141の内周面に内向きに突設されたシール用の凸部142を有する。そして、嵌合穴141内に雄口金である口金117a〜117cが挿入された場合には図17に示すように口金117a〜117cによって凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形し、口金117a〜117cと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされる。これにより、パワーユニット11と挿入部10との接続時には金属製の雄口金がゴム製の雌口金に嵌りこみ、ゴム製の雌口金が金属の雄口金を締め付けることで、流体が漏れることなく受け渡しができる効果がある。
【0083】
さらに、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を図13中で、上向きに押し込む。この作業により、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bによって圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える。この作業時には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える際に、爪部154a,154bを乗り越える前と後で管路コネクタ32を押し込む押し込み力が急激に変化する。そして、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bを乗り越えた時点で、押し込み力が急激に軽くなるので、作業者にクリック感を感じさせることができる。そのため、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時に管路コネクタ32の装着部分が目視できない場合でも図14に示すように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合された状態を感覚的に認識することができるので、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業の作業性を高めることができる。
【0084】
また、パワーユニット11から挿入部10を取り外しても、管路コネクタ32がパワーユニット11から脱落することなく連結状態のままで保持することができることにより、次の効果がある。すなわち、病院内での使用時に挿入部10は症例ごとに交換するのに対し、管路コネクタ32は症例ごとには交換せず、複数の症例で共通に使用する(1日使用する)という使い方を行うことができる。また、1日の検査が終了したときには容易に管路コネクタ32をパワーユニット11から取り外すことができる。そのため、ユーザーが症例ごとに管路コネクタ32をパワーユニット11に接続する必要がないので、複数の症例ごとにシステムを準備する作業を簡単に行うことができる。
【0085】
また、図23は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムの管路コネクタ32の構成を次の通り変更したものである。
【0086】
すなわち、本実施の形態の管路コネクタ201は、比較的硬質な合成樹脂材料で形成されたコネクタ本体202を有する。このコネクタ本体202には、流体管路203a,203bの入口部分に凹陥状のシール部材装着部204が形成されている。このシール部材装着部204にはゴムなどの弾性体で形成されたブロック状のシール部材205が装着されている。
【0087】
シール部材205には、流体管路203a,203bの入口部分に連通される接続穴部206a,206bが形成されている。接続穴部206a,206bは第1の実施の形態の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cのゴム製の雌口金と同一構造になっている。
【0088】
また、コネクタ本体202の両側部には、第1の実施の形態の係合凸部151a,151bに代えて一対の板ばね状のU字状アーム207a,207bが形成されている。各U字状アーム207a,207bの先端には外向きに突設された係合爪部208a,208bが形成されている。
【0089】
そして、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ201を装着する場合には図23中で、管路コネクタ装着部131の下方からコネクタ本体202が上向きに押し込み操作される。このとき、管路コネクタ201のU字状アーム207a,207bの係合爪部208a,208bの部分は、係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たる。このように管路コネクタ201の係合爪部208a,208bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ201を押し込むことにより、管路コネクタ201の係合爪部208a,208bの部分が爪部154a,154bによって内側に押圧される。この押圧力により、U字状アーム207a,207bを内側に撓む状態に弾性変形させながら係合爪部208a,208bが爪部154a,154bを乗り越える。これにより、図23に示すように管路コネクタ201の係合爪部208a,208bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合される。また、管路コネクタ32は、係合凹部153に対して遊嵌状態で係合されている。
【0090】
また、パワーユニット11と挿入部10との連結時には、ほぼ同時に挿入部10側の金属製の雄口金209a,209bが管路コネクタ201のゴム製の雌口金である接続穴部206a,206bに嵌り込む。このとき、雄口金209a,209bは、管路コネクタ201のゴム製の雌口金の嵌合穴141(図16,17参照)に遊嵌状態で挿入される。そして、嵌合穴141内に雄口金209a,209bが挿入された場合には図17に示すように口金209a,209bによって嵌合穴141内の凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形する。これにより、接続穴部206a,206bのゴム製の雌口金が金属の雄口金209a,209bを締め付けることで、雄口金209a,209bと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされ、流体が漏れることなく受け渡しができるようにしている。
【0091】
そこで、本実施の形態では管路コネクタ201の接続穴部206a,206bは、図16に示すように嵌合穴141の内周面に内向きに突設されたシール用の凸部142を有する。そのため、嵌合穴141内に雄口金209a,209bが挿入された場合に、管路コネクタ32は、係合凹部153に対し遊嵌状態で取り付いているため、例えば製造誤差による管路の軸ずれをカバーできる。そして、嵌合穴141内に雄口金209a,209bが挿入された場合には図17に示すように口金209a,209bによって凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形し、口金209a,209bと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされる。これにより、パワーユニット11と挿入部10との接続時には挿入部10の金属製の雄口金209a,209bが管路コネクタ201のゴム製の雌口金の接続穴部206a,206bに嵌りこみ、ゴム製の雌口金の接続穴部206a,206bが金属の雄口金209a,209bを締め付けることで、流体が漏れることなく受け渡しができる効果がある。
【0092】
また、図24〜図27は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムのパワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続部分の構成を次の通り変更したものである。
【0093】
すなわち、本実施の形態では、図24に示すようにパワーユニット11の管路コネクタ装着部131にほぼU字状の一対の枠部材211a,211bが設けられている。一対の枠部材211a,211bは、U字状の開口部分を離間対向配置した状態で、管路コネクタ装着部131に固定されている。これにより、枠部材211a,211bのU字状の内壁部分によってパワーユニット11に対する挿入部10の抜去方向に対して直交する壁面211cが設けられている。
【0094】
また、管路コネクタ212には、コネクタ本体213の両側部にそれぞれ横向きに突出された係合凸部214a,214bが設けられている。これらの係合凸部214a,214bは、枠部材211a,211bのU字状の開口部分に挿脱可能に挿入されるようになっている。
【0095】
そして、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ212を装着する場合には図24中で、管路コネクタ装着部131の上方からコネクタ本体213が下向きに押し込み操作される。このとき、管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが枠部材211a,211bのU字状の開口部分に差し込まれる状態で係合される。これにより、図25に示すように管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが枠部材211a,211bのU字状の内壁の壁面211cに当接された状態で保持される。図25はパワーユニット11の管路コネクタ装着部131の枠部材211a,211bに管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが係合された状態を示す。
【0096】
また、図26はパワーユニット11と管路コネクタ212との組み付け部分に挿入部10の挿入部コネクタ114が接続される前の状態、図27はパワーユニット11と管路コネクタ212との組み付け部分に挿入部10の挿入部コネクタ114が接続された状態をそれぞれ示す。パワーユニット11と挿入部10との連結時には、図27に示すように管路コネクタ212の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cに挿入部10の第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとがそれぞれ挿入された状態で連結される。
【0097】
図27に示すようにパワーユニット11と管路コネクタ212と挿入部10との連結時には管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが枠部材211a,211bのU字状の内壁の壁面211cに当接された状態で保持されている。これにより、管路コネクタ212の係合凸部214a,214bと、枠部材211a,211bのU字状の内壁の壁面211cとの当接部によってパワーユニット11から挿入部10を引き抜く際に管路コネクタ212がパワーユニット11から外れることが防止され、抜け止めされている。
【0098】
また、図28および図29は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムのパワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続部分の構成を次の通り変更したものである。
【0099】
すなわち、本実施の形態では、図28に示すように管路コネクタ32のコネクタ本体132の下面にアリ溝部231を設けている。さらに、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131には、管路コネクタ32のアリ溝部231と対応する形状のアリ溝係合部232が形成されている。
【0100】
そして、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時には、まず、図28に示すように管路コネクタ装着部131の上方からコネクタ本体132が下向きに(挿入部10の抜去方向に対し直交する方向に)押し込み操作される。このとき、管路コネクタ32のアリ溝部231の周壁部分は、管路コネクタ装着部131の上方からアリ溝係合部232に突き当たる。
【0101】
管路コネクタ32のアリ溝部231の周壁部分が管路コネクタ装着部131のアリ溝係合部232に突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を図28中で、下向きに押し込む。この作業時には、管路コネクタ32のアリ溝部231の周壁部分がアリ溝係合部232によって圧縮される状態に弾性変形しながらアリ溝係合部232を乗り越える。これにより、図29に示すように管路コネクタ32のアリ溝部231にアリ溝係合部232が挿入される状態で係合される。そして、この管路コネクタ32のアリ溝部231と管路コネクタ装着部131のアリ溝係合部232との係合部によって管路コネクタ装着部131から管路コネクタ32が挿入部10の抜去方向に対し直交する方向に引き抜かれることを防止することができる。なお、挿入部10の抜去方向の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との係合は、第1の実施の形態と同じ構成である。
【0102】
そこで、本実施の形態では、管路コネクタ32の装着方向が、挿入部10の挿抜方向に対して直交方向からの装着となる。そのため、第1の実施形態のように管路コネクタ32の装着方向が、挿入部10の抜去方向と平行な方向の場合のように管路コネクタ32の係合凸部151a、151bを係合凹部153の爪部154a、154bを乗り越えさせることなく装着することができる。このため、係合凸部151a、151bは弾性変形する材質や構造である必要はなく、より硬い材質にすることができるので、第1の実施形態よりも接続強度を高めることができる。
【0103】
なお、第1の実施形態においては、管路コネクタ32の装着方向が、挿入部10の抜去方向に平行な方向であるため、管路コネクタ32装着時に、管路コネクタ32の係合凸部151a、151bが、係合凹部153の爪部154a、154bを乗り越えることによって装着されるようにしている。そのため、係合凸部151a、151bは、弾性変形する構造にする必要がある。これに対し、本実施の形態では上述したとおり、係合凸部151a、151bは第1の実施形態よりも硬い材質にすることができるので、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着された管路コネクタ32の接続強度を第1の実施の形態よりもさらに高めることができる。
【0104】
なお、本実施の形態では、管路コネクタ32をパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に対して着脱する方向が挿入部10の抜去方向に直交する方向から取り付ける例を示したが、管路コネクタ32の着脱方向は挿入部10の抜去方向と平行な方向から取り付けてもよい。
【0105】
また、図30は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムに代えてヒートプローブ処置具241のシステムに適用したものである。
【0106】
すなわち、本実施の形態では、ヒートプローブ処置具241の挿入部242に熱を伝える図示しないヒートプローブと、送水管路とが内蔵されている。挿入部242の基端部には、電気を受け渡す第1のコネクタ部243と、流体を受け渡す第2のコネクタ部244とが設けられている。第1のコネクタ部243の内端部は、ヒートプローブの基端部に連結されている。第2のコネクタ部244の内端部は、送水管路の基端部に連結されている。
【0107】
本実施の形態では、第1の接続部材がヒートプローブ装置245、第2の接続部材が管路コネクタ246で構成されている。ヒートプローブ装置245は、制御回路247と、送気ポンプ248とが内蔵されている。
【0108】
さらに、ヒートプローブ装置245は、第1の外部機器コネクタ249と、外部機器間コネクタ250とを有する。第1の外部機器コネクタ249の内端部は、制御回路247と接続されている。外部機器間コネクタ250の内端部は送気ポンプ248と接続されている。
【0109】
また、第1の外部機器コネクタ249の外端部はヒートプローブ処置具241の第1のコネクタ部243の外端部と着脱可能に接続される。外部機器間コネクタ250の外端部は、管路コネクタ246の後述する外部機器間コネクタ251の外端部と着脱可能に接続される。
【0110】
管路コネクタ246は、前記外部機器間コネクタ251と第2の外部機器コネクタ252とを有する。さらに、外部機器間コネクタ251の内端部には送気チューブ253の一端部が連結されている。第2の外部機器コネクタ252の内端部には送水チューブ254の一端部が連結されている。送気チューブ253の他端部は、送水タンク255内の上部に連結されている。送水チューブ254の他端部は、送水タンク255内の下部に連結されている。第2の外部機器コネクタ252の外端部は、ヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244の外端部と着脱可能に接続される。
【0111】
また、本実施の形態ではヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249とを接続する前に、予めヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251とが接続される。そして、その後のヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続時には、同時にヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244と管路コネクタ246の第2の外部機器コネクタ252とが接続される。
【0112】
ヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251との接続部は、例えば第1の実施の形態の管路コネクタ32とパワーユニット11の管路コネクタ装着部131との接続部と同構造になっている。さらに、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続部およびヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244と管路コネクタ246の第2の外部機器コネクタ252との接続部は、第1の実施の形態の電気接続部118bおよび第1のコネクタ部115の接続部とそれぞれ同構造になっている。これにより、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続強度をa、ヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251との接続強度をbとしたとき、a<bに設定されている。
【0113】
また、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続強度をA、ヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244と管路コネクタ246の第2の外部機器コネクタ252との接続強度をBとしたとき、A<Bに設定されている。
【0114】
そこで、本実施の形態のヒートプローブ処置具241のシステムでは次の効果がある。すなわち、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続強度をa、ヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251との接続強度をbとしたとき、a<bに設定したので、ヒートプローブ装置245からヒートプローブ処置具241の挿入部242を外す際に、管路コネクタ246がヒートプローブ装置245から外れずにヒートプローブ装置245に接続されたままの状態で保持させることができる。そのため、従来のヒートプローブ処置具のように、電気を受け渡しするコネクタ部と流体を受け渡しするコネクタ部を別々にヒートプローブ装置に接続する場合に比べてヒートプローブ処置具241の挿入部242の交換時の着脱作業の回数を減らすことができる。
【0115】
また、ヒートプローブ装置245からヒートプローブ処置具241の挿入部242を外した際に、管路コネクタ246に接続されている送気チューブ253や、送水チューブ254が不用意に垂れ下がることがない。
【0116】
また、図31は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムの管路コネクタ32に代えて第2の接続部材として受け渡しする要素が、光であるライトガイドコネクタ261を有する内視鏡262のシステムに変更したものである。
【0117】
本実施の形態では内視鏡262の挿入部263の基端部に電気を受け渡す第1のコネクタ部264と、光を受け渡す第2のコネクタ部265とを有する。第1の接続部材266は、第1の外部機器コネクタ267と、外部機器間コネクタ268とを有する電気コネクタ部、第2の接続部材は上記ライトガイドコネクタ261で構成されている。第1の接続部材266は、電源装置269と接続されている。ライトガイドコネクタ261は、ライトガイドケーブル270を介して光源装置271と接続されている。
【0118】
また、本実施の形態では内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267とを接続する前に、予め第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261とが接続される。そして、その後の内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続時には、同時に内視鏡262の第2のコネクタ部244とライトガイドコネクタ261とが接続される。
【0119】
第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261との接続部は、例えば第1の実施の形態の管路コネクタ32とパワーユニット11の管路コネクタ装着部131との接続部と同構造になっている。さらに、第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続部および第2のコネクタ部265とライトガイドコネクタ261との接続部は、第1の実施の形態の電気接続部118bおよび光接続部118aとそれぞれ同構造になっている。これにより、内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続強度をa、第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261との接続強度をbとしたとき、a<bに設定されている。
【0120】
また、第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続強度をA、第2のコネクタ部265とライトガイドコネクタ261との接続強度をBとしたとき、A<Bに設定されている。
【0121】
そこで、本実施の形態の内視鏡262のシステムでは次の効果がある。すなわち、内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続強度をa、第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261との接続強度をbとしたとき、a<bに設定したので、第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267から内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264を外す際に、ライトガイドコネクタ261が第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268から外れずに第1の接続部材266に接続されたままの状態で保持させることができる。そのため、従来のようにスコープの特性に応じたライトガイドケーブルを選択して光源装置と接続することで適切な光量が出せる内視鏡において、挿入部を交換するたびに、ライトガイドケーブルを着脱する場合に比べてライトガイドケーブル270の着脱作業の回数を減らすことができる。また、第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267から内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264を外した際に、ライトガイドコネクタ261に接続されているライトガイドケーブル270が不用意に垂れ下がることがない。
【0122】
また、図32は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第7の実施の形態(図31参照)の内視鏡262のシステムの構成を次の通り変更したものである。
【0123】
すなわち、本実施の形態では第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムの管路コネクタ32に代えて第2の接続部材として受け渡しする要素がUPD信号である電気コネクタ281を有する内視鏡282のシステムに変更したものである。
【0124】
本実施の形態では内視鏡282の挿入部283の基端部に電気および光を受け渡す第1のコネクタ部284と、UPD信号を受け渡す第2のコネクタ部285とを有する。第1の接続部材286は、第1の外部機器コネクタ287と、外部機器間コネクタ288とを有する電気および光コネクタ部、第2の接続部材は上記電気コネクタ281で構成されている。第1の接続部材286は、電源装置と光源装置289と接続されている。電気コネクタ281は、UPDケーブル290を介して内視鏡形状観測装置291と接続されている。
【0125】
また、本実施の形態では内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287とを接続する前に、予め第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281とが接続される。そして、その後の内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続時には、同時に内視鏡282の第2のコネクタ部285と電気コネクタ281とが接続される。
【0126】
第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281との接続部は、例えば第1の実施の形態の管路コネクタ32とパワーユニット11の管路コネクタ装着部131との接続部と同構造になっている。さらに、第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続部および第2のコネクタ部285と電気コネクタ281との接続部は、第1の実施の形態の電気接続部118bおよび光接続部118aとそれぞれ同構造になっている。これにより、内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続強度をa、第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281との接続強度をbとしたとき、a<bに設定されている
また、第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続強度をA、第2のコネクタ部285と電気コネクタ281との接続強度をBとしたとき、A<Bに設定されている。
【0127】
そこで、本実施の形態の内視鏡282のシステムでは次の効果がある。すなわち、内視鏡282の挿入部283の1回の交換作業で、第1の接続部材286と電気コネクタ281に同時に接続できるので、ユーザーの着脱作業の回数を少なくすることができる。
【0128】
さらに、内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続強度をa、第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281との接続強度をbとしたとき、a<bに設定したので、第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287から内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284を外す際に、電気コネクタ281が第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288から外れずに第1の接続部材286に接続されたままの状態で保持させることができる。そのため、従来のように内視鏡形状観測装置291を使用する際には、内視鏡を交換するたびにUPDケーブルを着脱する場合に比べてUPDケーブル290の着脱作業の回数を減らすことができる。また、第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287から内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284を外した際に、電気コネクタ281に接続されているUPDケーブル290が不用意に垂れ下がることがない。
【0129】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 挿入部に対して着脱可能に接続される第1の接続部材(管路コネクタ)と、前記挿入部に対して着脱可能に接続される第2の接続部材(モータユニット)と、前記第1の接続部材と前記挿入部との接続強度をa、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との接続強度をbとしたとき、a<bであることを特徴とする内視鏡。
【0130】
(付記項2) 挿入部に対して着脱可能に接続される第1の接続部材(管路コネクタ)と、前記挿入部に対して着脱可能に接続される第2の接続部材(モータユニット)と、前記第1の接続部材と前記挿入部との接続強度をA、前記第2の接続部材と前記挿入部との接続強度をBとしたとき、AくBであることを特徴とする内視鏡。
【0131】
(付記項3) 前記第1の接続部材は前記挿入部に対して流体を供給可能な流体供給用の第1のコネクタ(管路コネクタ)であるとともに、前記第2の接続部材は前記挿入部に対して動力、光、信号の少なくとも1つを供給可能な第2のコネクタ(モータユニット)であることを特徴とする付記項2に記載の内視鏡。
【0132】
(付記項4) 前記挿入部の基端部には基部が設けられ、前記基部には流体の受け渡すための開口部(口金)ならびに、動力、光、信号の少なくとも1つを受け渡すための接続部を備え、前記第1のコネクタは前記開口部に、前記第2のコネクタは前記接続部に接続可能であることを特徴とする付記項3に記載の内視鏡。
【0133】
(付記項5) 前記第2のコネクタを有し、前記基部に接続される連結部材(モータユニット)を備え、前記第1のコネクタは前記連結部材に接続されることを特徴とする付記項4に記載の内視鏡。
【0134】
(付記項6) 前記第1のコネクタを前記連結部材に接続するために、互いに係合する係合部(抜け止め)を設けたことを特徴とする付記項5に記載の内視鏡。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、電動電子内視鏡の挿入部と、パワーユニットと、管路コネクタとが着脱可能に接続される接続部を有する挿入部分離型の内視鏡などの医療装置の分野、この医療装置を製造、使用する技術分野に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の第1の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態の医療装置を示す概略的なブロック図。
【図3】第1の実施の形態の医療装置の電動湾曲内視鏡の挿入部の基端部とパワーユニットとの接続状態をパワーユニットの一部を断面にして示す側面図。
【図4】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと他の器具との接続部分を取り外した状態を示す分解図。
【図5】第1の実施の形態の医療装置の電動湾曲内視鏡の挿入部の基端部とパワーユニットとの接続前の状態を示す斜視図。
【図6】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部の概略構成図。
【図7】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部コネクタの側面図。
【図8】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部コネクタの正面図。
【図9】(A)は第1の実施の形態の医療装置の内視鏡用アームに設けられた内視鏡保持部のC型リングにパワーユニットが取付けられた状態を示す平面図、(B)はC型リングの可動部が移動した状態を示す平面図。
【図10】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部を示す平面図。
【図11】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の管路コネクタを示すもので、(A)は管路コネクタの平面図、(B)は管路コネクタの側面図。
【図12】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部コネクタの第1のコネクタ部の部分を示す平面図。
【図13】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合される前の状態を示す平面図。
【図14】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合された状態を示す平面図。
【図15】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと管路コネクタと挿入部の挿入部コネクタとの接続状態を示す平面図。
【図16】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の管路コネクタの雌口金の挿入穴に挿入部コネクタの第1のコネクタ部の口金部材が挿入される前の状態を示す縦断面図。
【図17】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の管路コネクタの雌口金の挿入穴に挿入部コネクタの第1のコネクタ部の口金部材が挿入された状態を示す縦断面図。
【図18】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニット全体の平面図。
【図19】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの鉗子栓の縦断面図。
【図20】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの連結部の縦断面図。
【図21】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの連結部の着脱状態を示す側面図。
【図22】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの鉗子栓の取り外し手順を説明するための手順説明図。
【図23】本発明の第2の実施の形態を示す要部の縦断面図。
【図24】本発明の第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合される前の状態を示す斜視図。
【図25】第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合された状態を示す斜視図。
【図26】第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと管路コネクタとの組み付け部分に挿入部の挿入部コネクタが接続される前の状態を示す斜視図。
【図27】第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと管路コネクタとの組み付け部分に挿入部の挿入部コネクタが接続された状態を示す斜視図。
【図28】本発明の第4の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合される前の状態を示す斜視図。
【図29】第4の実施の形態のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合された状態を示す斜視図。
【図30】本発明の第5の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成図。
【図31】本発明の第6の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成図。
【図32】本発明の第7の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成図。
【符号の説明】
【0137】
10…挿入部、11…パワーユニット(第1の接続部材)、32…管路コネクタ(第2の接続部材)、114…挿入部コネクタ、115…第1のコネクタ部、116…第2のコネクタ部、117a…前方送水口金、117b…送水口金、117c…送気口金、122…ライトガイド接続部(第2の外部機器コネクタ)、123…電気接点(第2の外部機器コネクタ)、124…カップリング部(第2の外部機器コネクタ)、151a,151b…係合凸部(外部機器間コネクタ)、131…管路コネクタ装着部、153…係合凹部(外部機器間コネクタ)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の接続機器が着脱可能に接続されて使用される医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡装置として、例えば特許文献1には、挿入部の基端部に操作部が着脱可能に連結される構成が示されている。この装置では、1台の操作部に対して複数の挿入部を選択的に連結させることができ、必要に応じて挿入部のみを交換して使用することができる。
【0003】
また、特許文献2には、電動式の湾曲部を備えた電動湾曲内視鏡が示されている。ここでは、挿入部の基端部に湾曲駆動ユニットが着脱可能に連結される構成になっている。さらに、挿入部に内蔵された送気送水管路や、吸引管路には、外部装置の電磁弁ユニットに接続された外付けのチューブのコネクタが着脱可能に接続されるようになっている。
【特許文献1】特開2006−116131号公報
【特許文献2】特開2006−288751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、操作部内には湾曲部の駆動機構とともに、送気送水管路や、吸引管路や、ライトガイドなどが一体的に組み付けられている。そのため、送気送水管路や、吸引管路などの管路を洗浄する際にも操作部内から送気送水管路や、吸引管路などの管路を分離できないので、その作業が行いにくい。
【0005】
特許文献2の装置では、挿入部の基端部に対して湾曲駆動ユニットの着脱部と、管路コネクタの着脱部とが別々に設けられているので、これらの着脱作業を別々に行う必要があり、その作業に手間がかかる。さらに、挿入部の基端部から管路コネクタを取り外した場合には、外付けのチューブ類の垂れ下がりを防止するための作業が必要になるので、その作業に手間がかかる。
【0006】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、挿入部の基端部に対して第1の接続部材と、第2の接続部材とを着脱する作業を簡単に行うことができるとともに、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うことができる医療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、外部機器と着脱可能に接続される少なくとも第1,第2の内蔵物が内蔵された細長い挿入部と、前記挿入部の基端部に設けられ、前記第1の内蔵物に接続された第1のコネクタ部と前記第2の内蔵物に接続された第2のコネクタ部とを有する挿入部コネクタと、前記第1のコネクタ部と着脱可能に接続される第1の外部機器コネクタを有する第1の接続部材と、前記第2のコネクタ部と着脱可能に接続される第2の外部機器コネクタを有する第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を着脱可能に接続する外部機器間コネクタと、を具備し、前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、前記外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定したことを特徴とする医療装置である。
そして、本請求項1の発明では、挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、挿入部の挿入部コネクタの第1のコネクタ部と、第1の接続部材の第1の外部機器コネクタとが接続され、さらに、挿入部コネクタの第2のコネクタ部と第2の接続部材とが接続され、かつ第1の接続部材と第2の接続部材との間が外部機器間コネクタによって接続される。このとき、第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、前記外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定することにより、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、前記挿入部コネクタは、前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をA、前記第2のコネクタ部と前記第2の外部機器コネクタとの接続強度をBとしたとき、A<Bに設定したことを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項2の発明では、挿入部コネクタの第1のコネクタ部と第1の外部機器コネクタとの接続強度をA、第2のコネクタ部と第2の外部機器コネクタとの接続強度をBとしたとき、A<Bに設定することにより、挿入部を取り外した際に、第1のコネクタ部と第1の外部機器コネクタとの接続部が第2のコネクタ部と第2の外部機器コネクタとの接続部よりも簡単に外れるようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、前記第1の内蔵物は、流体管路、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記流体管路に対して流体を供給可能な流体供給用の管路コネクタを有するとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項3の発明では、挿入部の第1の内蔵物は、流体管路、第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成される。第1の接続部材の流体供給用の管路コネクタは、挿入部の流体管路に対して流体を供給し、第2の接続部材のパワーユニットは、挿入部の伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するようにしたものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記第1のコネクタ部は、流体管路接続用の口金部材、前記第2のコネクタ部は、動力、光、信号のうち少なくとも1つの伝送路の接続用の接続部を備え、前記管路コネクタは、前記口金部材に接続可能な接続端部を有し、前記パワーユニットは、前記接続部に接続可能な接続端部を有することを特徴とする請求項3に記載の医療装置である。
そして、本請求項4の発明では、挿入部と管路コネクタとパワーユニットとの接続時には挿入部の第1のコネクタ部の流体管路接続用の口金部材に管路コネクタの接続端部を接続し、挿入部の第2のコネクタ部における動力、光、信号のうち少なくとも1つの伝送路の接続用の接続部に、パワーユニットの接続端部を接続させるようにしたものである。
【0011】
請求項5の発明は、前記外部機器間コネクタは、前記パワーユニットに設けられた係合受け部と、前記管路コネクタに設けられ、前記係合受け部と係脱可能に係合される係合部とを有することを特徴とする請求項4に記載の医療装置である。
そして、本請求項5の発明では、外部機器間コネクタは、パワーユニットの係合受け部と、管路コネクタの係合部とを係脱可能に係合させるようにしたものである。
【0012】
請求項6の発明は、前記係合受け部は、前記パワーユニットに形成された係合凹部を有し、前記管路コネクタは、前記係合凹部と係脱可能に係合される係合凸部を有し、前記係合受け部は、前記係合凹部から前記係合凸部が抜けることを防止する抜け止め部を有することを特徴とする請求項5に記載の医療装置である。
そして、本請求項6の発明では、パワーユニットの係合凹部と管路コネクタの係合凸部を係脱可能に係合させた際に、係合受け部の抜け止め部によって係合凹部から係合凸部が抜けることを防止するようにしたものである。
【0013】
請求項7の発明は、前記管路コネクタの前記接続端部は、前記第1のコネクタ部の前記口金部材が挿入される挿入穴を有する弾性体製の雌口金によって形成され、前記第1のコネクタ部の前記口金部材は、前記雌口金よりも硬質な材料製の雄口金によって形成され、前記雌口金は、前記挿入穴の内周面に前記雄口金の外径よりも小径なシール用の凸部が前記挿入穴の周方向全体に延設されていることを特徴とする請求項4に記載の医療装置である。
そして、本請求項7の発明では、弾性体製の雌口金によって形成された管路コネクタの接続端部の挿入穴に雌口金よりも硬質な材料製の雄口金によって形成された第1のコネクタ部の口金部材を挿入させた際に、雄口金によって雌口金のシール用の凸部を押し潰す状態に弾性変形させて雌口金と雄口金との間を水密、気密にシールするようにしたものである。
【0014】
請求項8の発明は、前記係合受け部は、前記係合凹部と前記係合凸部との係合部分に遊嵌状態で固定して前記雌口金の前記挿入穴と、前記雄口金との間の軸ずれを許容する軸ずれ調整部を有することを特徴とする請求項7に記載の医療装置である。
そして、本請求項8の発明では、係合受け部の軸ずれ調整部によって係合凹部と係合凸部との係合部分を遊嵌状態で固定することにより、雌口金の挿入穴と、雄口金との間の軸ずれを許容するようにしたものである。
【0015】
請求項9の発明は、前記挿入部は、電動湾曲式の電子内視鏡の挿入部によって形成され、前記第1の接続部材は、前記内視鏡に流体を供給するポンプユニットによって形成され、前記パワーユニットは、前記内視鏡の湾曲部を電動駆動するモータと、前記内視鏡に照明光を導光するライトガイドと、前記内視鏡の撮像系との信号伝送路とを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項9の発明では、電動湾曲式の電子内視鏡の挿入部と、内視鏡に流体を供給するポンプユニットによって形成された第1の接続部材と、内視鏡の湾曲部を電動駆動するモータと、内視鏡に照明光を導光するライトガイドと、内視鏡の撮像系との信号伝送路とを有するパワーユニットとを接続するようにしたものである。
【0016】
請求項10の発明は、前記挿入部は、ヒートプローブ処置具の挿入部によって形成され、前記第1の内蔵物は、ヒートプローブ、前記第2の内蔵物は、送水管路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ヒートプローブに接続されるヒートプローブ制御装置であるとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記送水管路に対して送水する送水装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項10の発明では、第1の内蔵物としてのヒートプローブと、第2の内蔵物としての送水管路とを有するヒートプローブ処置具の挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、ヒートプローブ制御装置である第1の接続部材を挿入部のヒートプローブに接続させ、第2の接続部材の送水装置から挿入部の送水管路に対して送水するようにしたものである。
【0017】
請求項11の発明は、前記第1の内蔵物は、ライトガイド、前記第2の内蔵物は、動力、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ライトガイドに接続される光源装置であるとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項11の発明では、挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、第1の接続部材の光源装置を挿入部のライトガイドに接続させるとともに、第2の接続部材のパワーユニットによって挿入部の伝送路に対して動力、信号のうち少なくとも1つを供給するようにしたものである。
【0018】
請求項12の発明は、前記第1の内蔵物は、内視鏡挿入形状観測装置の信号線、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記信号線に接続される内視鏡挿入形状観測装置であるとともに、前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置である。
そして、本請求項12の発明では、挿入部と、第1の接続部材と、第2の接続部材との接続時に、第1の接続部材の内視鏡挿入形状観測装置を挿入部の信号線に接続させるとともに、第2の接続部材のパワーユニットを挿入部の伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するようにしたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、挿入部の基端部に対して第1の接続部材と、第2の接続部材とを着脱する作業を簡単に行うことができるとともに、挿入部を取り外した際に、第1の接続部材と、第2の接続部材とが外れることがなく、挿入部の着脱作業を簡単に行うことができる医療装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図22を参照して説明する。図1は、医療装置のシステム全体の概略構成を示す。医療装置には、患者用ベッド1の近傍位置に電動湾曲内視鏡2のシステムを搭載するカート7が配置される。医療装置である電動湾曲内視鏡装置は、主に電動湾曲内視鏡2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、ポンプユニット5と、システム電源6(図2参照)とを有する。
【0021】
図2に示すようにカート7には、床上を移動自在となるように例えばキャスター等を備えた台車7aの上に光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、ポンプユニット5と、システム電源6とが積層状態で搭載されている。電動湾曲内視鏡2のシステムは、ビデオプロセッサ4からの映像信号を受けて所定の内視鏡画像を表示するモニタ8を備えている。モニタ8は、患者用ベッド1の側部に立設された状態で装着されている。
【0022】
さらに、カート7は、電動湾曲内視鏡2を移動自在に保持する複数の可動アーム部等からなる内視鏡用アーム9を有する。内視鏡用アーム9は、カート7上に立設されたほぼL字状の支持アーム101と、複数、本実施の形態では3つ(第1〜第3)の水平動アーム102a,102b,102cと、1つの鉛直動アーム103とを有する。第1水平動アーム102aの一端部は、支持アーム101の上端部に鉛直方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。第1水平動アーム102aの他端部には、第2水平動アーム102bの一端部が鉛直方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。第2水平動アーム102bの他端部には、第3水平動アーム102cの一端部が鉛直方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。第3水平動アーム102cの他端部には、鉛直動アーム103の基端部が水平方向に延設された回動軸を中心に回動可能に連結されている。さらに、鉛直動アーム103の先端部には内視鏡保持部104が配設されている。
【0023】
内視鏡用アーム9の内視鏡保持部104は、図5に示すようにほぼC字状に形成されたC型リング107を有する。C型リング107は、ほぼC字状の内輪部107aと、ほぼC字状の外輪部107bとを有する。内輪部107aは、外輪部107bに沿って回動可能に連結され、かつ任意の回動位置で固定可能に支持されている。
【0024】
また、第1水平動アーム102aと第2水平動アーム102bとの連結部には鉛直方向に立設された第1支持ロッド105a、第2水平動アーム102bと第3水平動アーム102cとの連結部には鉛直方向に立設された第2支持ロッド105bがそれぞれ連結されている。第1支持ロッド105aおよび第2支持ロッド105bの上端部にはリング状のバンドルリテーナ106がそれぞれ固定されている。
【0025】
電動湾曲内視鏡2は、主に体腔内に挿入する細長い挿入部10と、この挿入部10の基端部に着脱自在に連結されたパワーユニット(第1の接続部材)11と、このパワーユニット11に対して着脱可能に連結される管路コネクタ(第2の接続部材)32と、リモコン操作部12とによって構成されている。
【0026】
図6に示すように挿入部10は、細長い可撓管部13と、この可撓管部13の先端に基端部が連結された湾曲部14と、この湾曲部14の先端に基端部が連結された先端硬性部15とを有する。先端硬性部15の先端面には、照明光学系の照明レンズ16と、観察光学系の観察レンズ17と、図2に示す処置具挿通チャンネルの先端開口部18と、送気送水用ノズル19と、前方送水用開口部20などが配設されている。
【0027】
照明レンズ16の後方には照明光を導光する光ファイバーによって形成されるライトガイド21の先端部が配設されている。観察レンズ17の後方にはこの観察レンズ17により結像された画像を光電変換するためのCCD22などの撮像素子と、このCCD22を駆動するCCDドライバ23とが配設されている。
【0028】
また、電動湾曲内視鏡2の湾曲部14は、ほぼリング状の複数の湾曲駒が挿入部10の軸方向に沿って並設され、それぞれリベットなどの回動ピンを介して回動可能に連結されている。さらに、湾曲部14には、この湾曲部14を例えば、上下左右の4方向に湾曲操作する湾曲操作用の4本のワイヤの先端側が接続されている。各ワイヤの基端部側は、挿入部10の基端部側に延出されている。そして、パワーユニット11からの駆動力を受けてワイヤが牽引駆動される。これにより、湾曲部14は、真っ直ぐに伸びた湾曲角度が0°の通常の直線状態(非湾曲状態)から上下左右方向に任意の湾曲角度に湾曲操作された湾曲形状まで湾曲可能になっている。
【0029】
挿入部10の内部には、外部機器と着脱可能に接続される複数の内蔵物、例えば流体管路である第1の内蔵物111と、動力、光、信号などを伝送する伝送路によって形成される第2の内蔵物112とを有する。本実施の形態では、第1の内蔵物111は、前方送水管路24と、送気管路25aと、送水管路25bと、吸引管路を兼ねる処置具挿通管路26とによって形成される。第2の内蔵物112は、例えば湾曲部14を例えば、上下左右の4方向に湾曲操作する湾曲操作用(動力伝送用)の図示しない4本のワイヤと、光伝送用のライトガイド21と、CCDドライバ23に接続された信号伝送用の電気配線113とによって形成される。
【0030】
前方送水管路24の先端部は前方送水用開口部20に連結されている。また、送水管路25bの先端部には、送気管路25aの先端部が連結されている。そして、送水管路25bと、送気管路25aとの連結部よりも先端側には送気送水管路25が形成されている。この送気送水管路25の先端部は送気送水用ノズル19に連結されている。処置具挿通管路26の先端部は、先端開口部18に連結されている。
【0031】
図6に示すように挿入部10の基端部には、可撓管部13よりも太径の挿入部コネクタ114が設けられている。この挿入部コネクタ114は、軸方向に沿って配置された3つのブロック、すなわち第1ブロック114aと、第2ブロック114bと、第3ブロック114cとを有する。第1ブロック114aは、最も可撓管部13側に配置されている円錐形状部114a1と円筒形状部114a2とを有する。第2ブロック114bは、中央位置に配置された最も大型のブロックである。第3ブロック114cは、挿入部10の基端部の端末部分に配置されたブロックである。
【0032】
さらに、挿入部コネクタ114は、第1のコネクタ部115と、第2のコネクタ部116とを有する。第1のコネクタ部115には、前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cと、漏水検知口金117dとが設けられている。これらの口金117a〜117dは、図7に示すように挿入部コネクタ114の第2ブロック114bと第3ブロック114cとの間の第2ブロック114bの端面114b1に後端側に向けて突設されている。前方送水口金117aには、前方送水管路24の基端部が連結されている。同様に、送水口金117bには送水管路25bの基端部、送気口金117cには送気管路25aの基端部がそれぞれ連結されている。さらに、上記口金117a〜117cは、例えば金属などの硬質な材料製の雄口金によって形成されている。
【0033】
第2のコネクタ部116には、光接続部118aと、電気接続部118bと、駆動力伝達用の駆動力伝達部118cとが設けられている。ここで、電気接続部118bは、挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの後端部に突設された円筒部材119の外周面に並設された電気接点120によって形成されている。光接続部118aは、第3ブロック114cの後端部の円筒部材119の軸心部に配置されたライトガイド21の接続端部21aによって形成されている。駆動力伝達部118cは、挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの図7、図8中で上下に配置された一対のカップリング部121a,121bによって形成されている。
【0034】
また、挿入部コネクタ114の円筒形状部114a2の外周面には、処置具挿通部28が突設されている。処置具挿通部28には、後述する吸引チューブ付き鉗子栓29(図18参照)が装着される。
【0035】
パワーユニット11は、例えば略円筒状や略円柱状のユニット本体11aを有する。このユニット本体11aの一端部(挿入部10との接続端部)には、内視鏡用アーム9の内視鏡保持部104の内輪部107aへの取り付け用の取付け部11bが形成されている。この取付け部11bはC型リング107の内輪部107aと対応する形状に形成されている。そして、パワーユニット11の取付け部11bは、内視鏡用アーム9のC型リング107の内輪部107aに取り付けられた状態で固定されている。これにより、内視鏡用アーム9によって、内視鏡2が所定の範囲内で移動可能に支持されている。
【0036】
パワーユニット11は、湾曲部14を電動駆動する駆動源である電動モータ(湾曲駆動手段)35を有する駆動力発生部11Aと、ライトガイド125によって照明光を伝送する光伝送部11Bと、CCD22の電気信号を伝送する電気信号伝送部11Cとを有する。
【0037】
駆動力発生部11Aは、電動モータ35を含むパワーユニット11の統括的な制御を行なうモータ制御部36と、電動モータ35の回転速度や回転量等の動作状態をデータ化するエンコーダ37と、電動モータ35の回転動力を減速させる減速ギアー38と、この減速ギアー38に連結され電動モータ35の回転動力を挿入部10の側の動力連結部39へと伝達する電磁クラッチ40と、回転位置検出手段であるポテンショメータ41と、電磁クラッチ40の動作を検出するクラッチ動作検出スイッチ42と、挿入部10とパワーユニット11との係合状態を検出する着脱状態検出スイッチ43等によって構成されている。
【0038】
さらに、ユニット本体11aには、取付け部11b側の端面に挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの部分が挿脱可能に挿入される収納室11cの開口部11dが形成されている。
【0039】
ユニット本体11aの収納室11cの内部には、図4に示すように光伝送部11Bを形成する光接続用のライトガイド接続部122と、電気信号伝送部11Cを形成する電気接続用の電気接点123と、動力伝達用のカップリング部124とが設けられている。これらのライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とはそれぞれユニット本体11aの収納室11cの内部に挿入部コネクタ114の第3ブロック114cの部分が挿脱可能に挿入された際に、挿入部コネクタ114が収納室11cの終端位置まで挿入された時点で挿入部コネクタ114のライトガイド21の接続端部21aと、電気接点120と、カップリング部121a,121bとそれぞれ接続される位置に配置されている。そして、これらのライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とによって挿入部コネクタ114の第2のコネクタ部116と着脱可能に接続される第2の外部機器コネクタが形成されている。
【0040】
また、ユニット本体11aの後端部には、ユニバーサルコード33の一端部が連結されている。ユニバーサルコード33内にはライトガイド125と、CCD22の電気信号伝送用の電気配線126が配設されている。ユニバーサルコード33の先端部には光源装置3に接続される光コネクタ部127が連結されている。この光コネクタ部127の側部には電気ケーブル128を介して電気コネクタ部129が連結されている。この電気コネクタ部129は、ビデオプロセッサ4に接続されている。
【0041】
図5および図9(A),(B)に示すようにユニット本体11aには、円形状の外周面の一部を切欠させた平板状の切欠部130が形成されている。この切欠部130には、挿入部10との接続端部側に管路コネクタ装着部131が設けられている。この管路コネクタ装着部131には、管路コネクタ32が着脱可能に装着される。
【0042】
管路コネクタ32は、図11(A)に示すようにゴムなどの弾性体によって形成されたブロック状のコネクタ本体132を有する。このコネクタ本体132には、図11(B)に示すように流体管路接続用の3つ(第1,第2,第3)の接続穴部133a,133b,133cが形成されている。第1の接続穴部133aには前方送水チューブ134a、第2の接続穴部133bには送水チューブ134b、第3の接続穴部133cには送気チューブ134cの各一端部が連結されている。
【0043】
管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、挿入部コネクタ114の第1のコネクタ部115に突設された3つの雄口金である前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cがそれぞれ挿入される雌口金によって形成されている。ここで、第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、図16に示すように雄口金である口金117a〜117cの外径よりも大径な遊嵌用の嵌合穴141と、この嵌合穴141の内周面に内向きに突設されたシール用の凸部142とを有する。凸部142は、嵌合穴141の内周面の周方向全体に延設されている。この凸部142の内径は、雄口金である口金117a〜117cの外径よりも小径に設定されている。そのため、嵌合穴141内に雄口金である口金117a〜117cが挿入された場合には図17に示すように口金117a〜117cによって凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形し、口金117a〜117cと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされるようになっている。
【0044】
また、管路コネクタ32には、図11(A)に示すようにコネクタ本体132の両側部にほぼ三角形状の係合凸部151a,151bが突設されている。パワーユニット11の管路コネクタ装着部131には、管路コネクタ32を図10中で下から上向きにスライド移動させる動作をガイドするガイド面152が設けられている。このガイド面152の終端部の位置には管路コネクタ32の係合凹部(係合受け部)153が設けられている。この係合凹部153には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係脱可能に係合される。
【0045】
さらに、管路コネクタ装着部131には、係合凹部153の入口部分の両側部に係合凹部153から管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が抜けることを防止する爪部(抜け止め部)154a,154bが突設されている。
【0046】
そして、管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を装着する場合には、図13中で、管路コネクタ装着部131の下方からコネクタ本体132が上向きに押し込み操作される。このとき、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分は、係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たる。このように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を押し込むことにより、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bによって圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える。これにより、図14に示すように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合される。また、管路コネクタ32は、係合凹部153に対し遊嵌状態で取り付いている。そして、この管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分と、管路コネクタ装着部131の係合凹部153との係合部分によって外部機器間コネクタが形成されている。
【0047】
また、管路コネクタ32のコネクタ本体132の下部には、図11(B)に示すようにコネクタ本体132の両側に突出する凸部155が突設されている。これらの凸部155は、図9(A),(B)に示すようにパワーユニット11の管路コネクタ装着部131の底面に上向きに突設された逆L字状の係合凸部156に係合されるようになっている。これにより、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着されている管路コネクタ32が図9(A)中で上側(挿入部10の抜去方向に対して直交する方向)に引き抜かれることが防止されている。
【0048】
さらに、図11(B)に示すように管路コネクタ32のコネクタ本体132の上部には、チューブ類保持具157が突設されている。このチューブ類保持具157には、2つのチューブ類保持溝158が形成されている。各チューブ類保持溝158には上側にすり割り状のスリット部158aが形成されている。このスリット部158aからチューブ類保持溝158にチューブやワイヤなどのチューブ類が挿脱できるようになっている。
【0049】
そして、管路コネクタ32は、パワーユニット11に挿入部10の挿入部コネクタ114が連結される前に予めパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着される。このパワーユニット11と管路コネクタ32との接続時には、管路コネクタ32の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cの各他端部は、ポンプユニット5にそれぞれ連結される。このとき、ユニバーサルコード33と、管路コネクタ32の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cおよび吸引チューブ161は、第1支持ロッド105aおよび第2支持ロッド105bの各バンドルリテーナ106内にそれぞれ軸方向に移動可能に、かつ軸回りの回動/回転も可能に挿通される。
【0050】
ポンプユニット5には、流体制御カセット5aが着脱可能に装着されている。この流体制御カセット5aは、送気、送水、吸引に関する弁体を有する流量調整機構を備えている。ポンプユニット5は、流体制御カセット5aの流量調整機構を駆動する。
【0051】
また、管路コネクタ32がパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着されたのち、図3に示すようにパワーユニット11に挿入部10の挿入部コネクタ114が連結される。このとき、挿入部コネクタ114の第2のコネクタ部116の光接続部118aと、電気接続部118bと、駆動力伝達用の駆動力伝達部118cとがパワーユニット11の第2の外部機器コネクタであるライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とそれぞれ接続される。これにより、挿入部10の光伝送用のライトガイド21と、電気信号伝送用の電気配線113と、動力伝送用のカップリング部121a,121bとがパワーユニット11のライトガイド125と、電気配線126と、カップリング部124とそれぞれ接続される。
【0052】
同時に、図15に示すように挿入部10の挿入部コネクタ114の第1のコネクタ部115が管路コネクタ32に連結される。このとき、第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cにそれぞれ連結される。これにより、挿入部10側の前方送水管路24と、送気管路25aと、送水管路25bとが管路コネクタ32側の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cとそれぞれ接続される。
【0053】
また、処置具挿通部28には、吸引チューブ付き鉗子栓29が装着される。図18は、吸引チューブ付き鉗子栓29の鉗子栓ユニット108全体の外観を示す。鉗子栓ユニット108には、鉗子栓29とは別体の吸引チューブ161が設けられている。図19に示すようにこの吸引チューブ161の一端部に鉗子栓29が連結されている。そして、挿入部10内の処置具挿通管路26は、処置具挿通部28の吸引チューブ付き鉗子栓29を介して別体の吸引チューブ161と連結されている。吸引チューブ161の他端部には、図21に示すようにポンプユニット5の吸引ポンプ側の接続口金163と着脱可能に連結される吸引コネクタ162が接続されている。これにより、処置具挿通管路26は、吸引をした際の吸引物の通路としても使われる。そして、吸引物を処置具挿通管路26から処置具挿通部28の吸引チューブ付き鉗子栓29を経て吸引チューブ161に吸引させることができる。
【0054】
図19は、吸引チューブ付き鉗子栓29の内部構成を示す。鉗子栓29は、若干の弾性力を有するポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂部材で略円筒形状に形成された連結筒体164を有する。連結筒体164の下部には挿入部10の処置具挿通部28に連結される連結穴部165が形成され、内周にパッキン165aが設けられている。ここで、挿入部10の処置具挿通部28は金属製の口金である。そして、連結筒体164の連結穴部165は処置具挿通部28の金属製口金に外嵌される状態で圧入され、パッキン165aを介して密着状態で取り付け固定されるようになっている。
【0055】
連結筒体164の上部には、栓部材166と、蓋部材167とが設けられている。さらに、連結筒体164の上端部には、凹陥状の受部168が形成されている。この受部168には栓部材166が嵌着されている。栓部材166には、円筒体166aの上端部に膜状の閉塞膜166bが形成されている。この閉塞膜166bの中央部位には丸孔166cが形成されている。丸孔166cの径寸法は、挿通される処置具等の外径寸法より所定量小さく形成されている。したがって、処置具等を丸孔166cに挿通させた処置具挿通状態において、丸孔166cの内周面は、栓部材166の弾性力によって、処置具の外周面に密着した状態に弾性変形して水密・気密状態を保持するようになっている。また、処置具を丸孔166cに挿通させたとき、栓部材166の外周部の形状が変化することなく、薄肉に形成された閉塞膜166bだけが変形して、栓部材166の形状が維持される。
【0056】
受部168の外周部には、リング状の蓋係止部材169が取付けられている。蓋係止部材169は、受部168の外周部に外嵌される大径な固定部169aと、この固定部169aの上側に配置され、固定部169aよりも小径に形成された蓋係止部169bとを有する。蓋係止部169bの外周面には、蓋本体取付け溝169cが設けられている。さらに、蓋係止部169bの内径は、栓部材166の外径よりも小径に形成されている。これにより、受部168に嵌着された栓部材166の上端部が蓋係止部169bの内周部によって押えられ、栓部材166が抜け止めされている。
【0057】
さらに、連結筒体164の上部には、受部168の下側に斜め下向きに突出された係合突部170が形成されている。連結筒体164の中途部には連結筒体164の軸方向と直交する方向に延設された口金部171が形成されている。口金部171は連結筒体164の内部に連通されている。口金部171には吸引チューブ161が連結されている。
【0058】
蓋部材167は、シリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の弾性部材で形成されている。この蓋部材167は、蓋本体部172と、この蓋本体部172の片側に配置された帯状の連結部173と、蓋本体部172の反対側に配置された帯状のつまみ部174とを有する。連結部173は一定の厚み寸法で帯状に形成されている。連結部173の端面には円形、角形等のリング部173aが形成されている。連結部173のリング部173aは、連結筒体164の係合突部170に対して圧入配置されて固定されている。
【0059】
蓋本体部172は、略円筒形状の筒体によって形成されている。さらに、蓋本体部172の筒体の下端部には内部側に向けて係合爪部172aが突設されている。そして、蓋本体部172の筒体は、蓋係止部材169の蓋係止部169bに外嵌される状態で蓋係止部169bに着脱可能に連結されるようになっている。このとき、蓋本体部172の係合爪部172aが蓋係止部材169の蓋本体取付け溝169cに圧入配置されて係合されるようになっている。
【0060】
さらに、蓋本体部172の略中央部には半球状凹部172bが設けられている。半球状凹部172bの底面には処置具等が挿通可能な処置具挿通用スリット175が形成されている。スリット175は処置具未挿通状態時の場合には、蓋部材167の弾性力によってスリット175の両側の壁面間が密着状態になって水密・気密状態を保持するようになっている。スリット175に処置具等を挿通させた処置具挿通状態の場合には、スリット175の両側の壁面が、蓋部材167の弾性力によって、処置具の外周面に密着した状態に弾性変形し、水密・気密状態を保持するようになっている。
【0061】
そして、吸引チューブ付き鉗子栓29を通して処置具挿通部28から挿入される鉗子等の処置具は、処置具挿通管路26を挿通して挿入部10の先端側前面の先端開口部18から突出し得るようになっている。
【0062】
また、鉗子栓29のつまみ部174は、蓋本体部172の上面に連なるように該蓋本体部172の外周側面から一方向側に所定量突出して設けられている。つまみ部174の先端側下面には複数の突起176が突設され、滑り止め部177が形成されている。滑り止め部177は、蓋部材167の開閉時、つまみ部174を把持するユーザーの手指が滑ることを防止するためのものである。
【0063】
また、本実施の形態の鉗子栓29には、処置具挿通部28の口金から鉗子栓29を取り外した際に、連結筒体164の連結穴部165の周壁の一部を切除して破壊する栓破壊操作レバー178が設けられている。この栓破壊操作レバー178は、非使用時には図22(A)に示すように連結筒体164の連結穴部165の周壁部における口金部171の反対側の壁面に連結筒体164の周壁に沿って上向きに延設された状態で保持されている。栓破壊操作レバー178の根元部分には連結筒体164の周壁を切り開くための一対のV字状溝などの切り欠き部179が形成されている。そして、本実施形態において鉗子栓29は、ユーザーによって栓破壊操作レバー178に対して外向きに荷重を掛けることにより、図22(B)に示すように切り欠き部179から連結筒体164の周壁が切り開かれて破壊されるようになっている。 このとき、図22(C)に示すように栓破壊操作レバー178を連結筒体164の周壁から切り離すことにより、図22(D)に示すように処置具挿通部28の口金から鉗子栓29を簡単に取り外すことができるようになっている。さらに、処置具挿通部28の口金から取り外した鉗子栓29は、連結筒体164の連結穴部165の周壁の一部が切除されることにより、そのまま再度、処置具挿通部28の口金に取付けることができないようになっている。これにより、使用済みの鉗子栓29を再使用できなくするようになっている。
【0064】
また、図20に示すように吸引コネクタ162には、円筒状のコネクタ本体162aの内部に栓部材180が組み付けられている。栓部材180には、円筒体180aの一端部に膜状の閉塞膜180bが形成されている。この閉塞膜180bの中央部位には丸孔180cが形成されている。丸孔180cの径寸法は、挿通される吸引ポンプ側の接続口金163の外径寸法より所定量小さく形成されている。したがって、吸引ポンプ側の接続口金163を丸孔180cに挿通させた状態において、丸孔180cの内周面は、栓部材180の弾性力によって、吸引ポンプ側の接続口金163の外周面に密着した状態に弾性変形して水密・気密状態を保持するようになっている。
【0065】
さらに、コネクタ本体162aの先端部には円筒状の連結端部181が設けられている。この連結端部181の略中央部には半球状凹部181aが設けられている。半球状凹部181aの底面には吸引ポンプ側の接続口金163が挿通可能なスリット182が形成されている。スリット182は処置具未挿通状態時の場合には、連結端部181の弾性力によってスリット182の両側の壁面間が密着状態になって水密・気密状態を保持するようになっている。スリット182に吸引ポンプ側の接続口金163を挿通させた場合には、スリット182の両側の壁面が、連結端部181の弾性力によって、吸引ポンプ側の接続口金163の外周面に密着した状態に弾性変形し、水密・気密状態を保持するようになっている。
【0066】
また、システム電源6は、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、ポンプユニット5と、モニタ8との間で電気的に接続されている。ポンプユニット5には、リモコン操作部12から延出する電気ケーブル44が接続されている。
【0067】
また、リモコン操作部12は、湾曲部14に対する湾曲動作を指示入力する湾曲操作装置であるトラックボール装置45と、送気送水操作指示を行なう送気送水スイッチ46と、吸引操作指示を行なう吸引スイッチ47等の各種操作部材と、ビデオ撮影等のビデオプロセッサ4の各種機能をリモート操作する各種のビデオスイッチ48と、これらの操作入力手段に電気的に接続されるAD変換器49等によって構成されている。なお、AD変換器49は、ビデオ撮影等を操作する各種のビデオスイッチ48から生じる電気信号を受けて所定の操作指示信号とするAD変換処理を行なうものである。さらに、リモコン操作部12の複数のビデオスイッチ48には、スイッチ毎に例えば、フリーズ(静止画)指示や、レリーズ等のスイッチ機能を割り付けることができる。そして、ビデオスイッチ48のスイッチ操作をすることにより、割り付けられた機能に対応する信号処理、例えば静止画をモニタ8の表示画面に出力する動作を行う。
【0068】
また、リモコン操作部12の各操作部材が操作されることによって生じる各種の指示信号は、AD変換器49から適宜指示信号に対応する制御を行なうための制御信号を各機器に向けて出力するようになっている。これにより、パワーユニット11の駆動制御を行なうと共に光源装置3やビデオプロセッサ4やポンプユニット5等を統括的に制御するようになっている。
【0069】
そして、本実施の形態の電動湾曲内視鏡2のシステムは、パワーユニット11に管路コネクタ32が連結されるとともに、挿入部10の挿入部コネクタ114が連結された状態で使用される。この使用時には、光源装置3からの照明光は、パワーユニット11内のライトガイド125から挿入部10の内部のライトガイド21を経由して挿入部10の先端部側に伝送され、照明レンズ16から前面に向けて照射され、被写体が照明されるようになっている。
【0070】
また、内視鏡画像は、観察レンズ17によりCCD22に結像され、このCCD22によって映像信号に変換される。さらに、CCD22から出力される映像信号は、挿入部10内の電気配線113からパワーユニット11内の電気配線126に伝送され、さらにユニバーサルコード33内を経て電気コネクタ部129によってビデオプロセッサ4に入力される。ビデオプロセッサ4には、モニタ8が電気的に接続されている。これにより、ビデオプロセッサ4で所定の信号処理を施したのち、ビデオプロセッサ4から出力される映像信号はモニタ8へと伝送されるようになっている。これを受けてモニタ8の表示画面に内視鏡画像が表示されるようになっている。
【0071】
また、リモコン操作部12の操作によってポンプユニット5が駆動されて送気送水及び吸引動作が行われると、挿入部10の先端面からの送気送水や吸引を行なうことができるようになっている。
【0072】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の電動湾曲内視鏡2のシステムのパワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを着脱する(取付け/取外し)作業手順について説明する。
【0073】
(1)パワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを取付ける作業手順
(1−1)パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する。このパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時には、まず、図13に示すように管路コネクタ装着部131の下方からコネクタ本体132が上向きに(挿入部10の挿脱方向と平行に)押し込み操作される。このとき、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分は、係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たる。
【0074】
(1−2)管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を図13中で、上向きに押し込む。この作業時には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bによって圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える。これにより、図14に示すように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合される。図14は、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32が接続された状態を示す。
【0075】
(1−3)図14の状態で、パワーユニット11に挿入部10を連結する作業が行われる。この作業時にはパワーユニット11の取付け部11b側の端面の開口部11dから収納室11c内に挿入部10の挿入部コネクタ114が挿入される。このとき、挿入部コネクタ114の第2のコネクタ部116の光接続部118aと、電気接続部118bと、駆動力伝達用の駆動力伝達部118cとがパワーユニット11の第2の外部機器コネクタであるライトガイド接続部122と、電気接点123と、カップリング部124とそれぞれ接続される。これにより、挿入部10の光伝送用のライトガイド21と、電気信号伝送用の電気配線113と、動力伝送用のカップリング部121a,121bとがパワーユニット11のライトガイド125と、電気配線126と、カップリング部124とそれぞれ接続される。
【0076】
(1−4)パワーユニット11と挿入部10とが連結されると、ほぼ同時に管路コネクタ32と挿入部10の第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが連結される。このとき、管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、ゴム製の雌口金によって形成されている。また、前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとは、金属製の雄口金によって形成されている。そして、接続時は金属製の雄口金がゴム製の雌口金に嵌り込む。このとき、前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cの金属製の雄口金は、管路コネクタ32のゴム製の雌口金の嵌合穴141に遊嵌状態で挿入される。そして、嵌合穴141内に雄口金である口金117a〜117cが挿入された場合には図17に示すように口金117a〜117cによって嵌合穴141内の凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形する。これにより、ゴム製の雌口金が金属の口金117a〜117cを締め付けることで、口金117a〜117cと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされ、流体が漏れることなく受け渡しができるようにしている。
【0077】
このとき、第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cにそれぞれ連結される。これにより、挿入部10側の前方送水管路24と、送気管路25aと、送水管路25bとが管路コネクタ32側の前方送水チューブ134aと、送水チューブ134bと、送気チューブ134cとそれぞれ接続される。また、管路コネクタ132は、係合凹部153に対し遊嵌状態で取り付いているため、例えば製造誤差による管路の軸ずれをカバーできる。
【0078】
(2)パワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを取外す作業手順
(2−1)パワーユニット11から挿入部10を切り離す。このとき、挿入部10の第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとが管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cから抜ける。このとき、第1のコネクタ部115と管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cとの接続強度(第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cから口金117a〜117cが抜ける力量)をa、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続強度(管路コネクタ32の係合凸部151a,151bが爪部154a,154bを乗り越える力量)をbとしたとき、a<bに設定されている。そのため、パワーユニット11から挿入部10を引き抜いた際に、管路コネクタ32は、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に接続された状態で留まっている。
【0079】
(2−2)パワーユニット11の管路コネクタ装着部131から管路コネクタ32を取外す。このとき、管路コネクタ32の一方の係合凸部151bの近傍のコネクタ本体132の後端部分を前方向に手で押し出すことで、軽い力量で容易に取外すことができる。
【0080】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の電動湾曲内視鏡2のシステムでは、パワーユニット11に対して管路コネクタ32と、挿入部10とを着脱する際に、パワーユニット11の第1のコネクタ部115と管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cとの接続強度(第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cから口金117a〜117cが抜ける力量)をa、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続強度(管路コネクタ32の係合凸部151a,151bが爪部154a,154bを乗り越える力量)をbとしたとき、a<bに設定している。そのため、パワーユニット11から挿入部10を取り外しても、管路コネクタ32がパワーユニット11から脱落することなく連結状態のままで保持することができる。
【0081】
したがって、パワーユニット11から挿入部10を取り外した際に、管路コネクタ32がパワーユニット11から脱落することがないので、管路コネクタ32に接続されている前方送水チューブ134a、送水チューブ134b、送気チューブ134cなどのチューブが不用意に垂れ下がらない。そのため、パワーユニット11への管路コネクタ32の取り付け状態を気にすることなくパワーユニット11に対して挿入部10を着脱できる。
【0082】
また、管路コネクタ32の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cは、図16に示すように嵌合穴141の内周面に内向きに突設されたシール用の凸部142を有する。そして、嵌合穴141内に雄口金である口金117a〜117cが挿入された場合には図17に示すように口金117a〜117cによって凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形し、口金117a〜117cと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされる。これにより、パワーユニット11と挿入部10との接続時には金属製の雄口金がゴム製の雌口金に嵌りこみ、ゴム製の雌口金が金属の雄口金を締め付けることで、流体が漏れることなく受け渡しができる効果がある。
【0083】
さらに、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を図13中で、上向きに押し込む。この作業により、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bによって圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える。この作業時には、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が圧縮される状態に弾性変形しながら爪部154a,154bを乗り越える際に、爪部154a,154bを乗り越える前と後で管路コネクタ32を押し込む押し込み力が急激に変化する。そして、管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分が爪部154a,154bを乗り越えた時点で、押し込み力が急激に軽くなるので、作業者にクリック感を感じさせることができる。そのため、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時に管路コネクタ32の装着部分が目視できない場合でも図14に示すように管路コネクタ32の係合凸部151a,151bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合された状態を感覚的に認識することができるので、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業の作業性を高めることができる。
【0084】
また、パワーユニット11から挿入部10を取り外しても、管路コネクタ32がパワーユニット11から脱落することなく連結状態のままで保持することができることにより、次の効果がある。すなわち、病院内での使用時に挿入部10は症例ごとに交換するのに対し、管路コネクタ32は症例ごとには交換せず、複数の症例で共通に使用する(1日使用する)という使い方を行うことができる。また、1日の検査が終了したときには容易に管路コネクタ32をパワーユニット11から取り外すことができる。そのため、ユーザーが症例ごとに管路コネクタ32をパワーユニット11に接続する必要がないので、複数の症例ごとにシステムを準備する作業を簡単に行うことができる。
【0085】
また、図23は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムの管路コネクタ32の構成を次の通り変更したものである。
【0086】
すなわち、本実施の形態の管路コネクタ201は、比較的硬質な合成樹脂材料で形成されたコネクタ本体202を有する。このコネクタ本体202には、流体管路203a,203bの入口部分に凹陥状のシール部材装着部204が形成されている。このシール部材装着部204にはゴムなどの弾性体で形成されたブロック状のシール部材205が装着されている。
【0087】
シール部材205には、流体管路203a,203bの入口部分に連通される接続穴部206a,206bが形成されている。接続穴部206a,206bは第1の実施の形態の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cのゴム製の雌口金と同一構造になっている。
【0088】
また、コネクタ本体202の両側部には、第1の実施の形態の係合凸部151a,151bに代えて一対の板ばね状のU字状アーム207a,207bが形成されている。各U字状アーム207a,207bの先端には外向きに突設された係合爪部208a,208bが形成されている。
【0089】
そして、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ201を装着する場合には図23中で、管路コネクタ装着部131の下方からコネクタ本体202が上向きに押し込み操作される。このとき、管路コネクタ201のU字状アーム207a,207bの係合爪部208a,208bの部分は、係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たる。このように管路コネクタ201の係合爪部208a,208bの部分が係合凹部153の入口部分の両側部の爪部154a,154bに突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ201を押し込むことにより、管路コネクタ201の係合爪部208a,208bの部分が爪部154a,154bによって内側に押圧される。この押圧力により、U字状アーム207a,207bを内側に撓む状態に弾性変形させながら係合爪部208a,208bが爪部154a,154bを乗り越える。これにより、図23に示すように管路コネクタ201の係合爪部208a,208bの部分がガイド面152の終端部側の係合凹部153に挿入される状態で係合される。また、管路コネクタ32は、係合凹部153に対して遊嵌状態で係合されている。
【0090】
また、パワーユニット11と挿入部10との連結時には、ほぼ同時に挿入部10側の金属製の雄口金209a,209bが管路コネクタ201のゴム製の雌口金である接続穴部206a,206bに嵌り込む。このとき、雄口金209a,209bは、管路コネクタ201のゴム製の雌口金の嵌合穴141(図16,17参照)に遊嵌状態で挿入される。そして、嵌合穴141内に雄口金209a,209bが挿入された場合には図17に示すように口金209a,209bによって嵌合穴141内の凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形する。これにより、接続穴部206a,206bのゴム製の雌口金が金属の雄口金209a,209bを締め付けることで、雄口金209a,209bと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされ、流体が漏れることなく受け渡しができるようにしている。
【0091】
そこで、本実施の形態では管路コネクタ201の接続穴部206a,206bは、図16に示すように嵌合穴141の内周面に内向きに突設されたシール用の凸部142を有する。そのため、嵌合穴141内に雄口金209a,209bが挿入された場合に、管路コネクタ32は、係合凹部153に対し遊嵌状態で取り付いているため、例えば製造誤差による管路の軸ずれをカバーできる。そして、嵌合穴141内に雄口金209a,209bが挿入された場合には図17に示すように口金209a,209bによって凸部142の部分が押し潰される状態で弾性変形し、口金209a,209bと嵌合穴141の内周面との間の隙間が水密状態にシールされる。これにより、パワーユニット11と挿入部10との接続時には挿入部10の金属製の雄口金209a,209bが管路コネクタ201のゴム製の雌口金の接続穴部206a,206bに嵌りこみ、ゴム製の雌口金の接続穴部206a,206bが金属の雄口金209a,209bを締め付けることで、流体が漏れることなく受け渡しができる効果がある。
【0092】
また、図24〜図27は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムのパワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続部分の構成を次の通り変更したものである。
【0093】
すなわち、本実施の形態では、図24に示すようにパワーユニット11の管路コネクタ装着部131にほぼU字状の一対の枠部材211a,211bが設けられている。一対の枠部材211a,211bは、U字状の開口部分を離間対向配置した状態で、管路コネクタ装着部131に固定されている。これにより、枠部材211a,211bのU字状の内壁部分によってパワーユニット11に対する挿入部10の抜去方向に対して直交する壁面211cが設けられている。
【0094】
また、管路コネクタ212には、コネクタ本体213の両側部にそれぞれ横向きに突出された係合凸部214a,214bが設けられている。これらの係合凸部214a,214bは、枠部材211a,211bのU字状の開口部分に挿脱可能に挿入されるようになっている。
【0095】
そして、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ212を装着する場合には図24中で、管路コネクタ装着部131の上方からコネクタ本体213が下向きに押し込み操作される。このとき、管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが枠部材211a,211bのU字状の開口部分に差し込まれる状態で係合される。これにより、図25に示すように管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが枠部材211a,211bのU字状の内壁の壁面211cに当接された状態で保持される。図25はパワーユニット11の管路コネクタ装着部131の枠部材211a,211bに管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが係合された状態を示す。
【0096】
また、図26はパワーユニット11と管路コネクタ212との組み付け部分に挿入部10の挿入部コネクタ114が接続される前の状態、図27はパワーユニット11と管路コネクタ212との組み付け部分に挿入部10の挿入部コネクタ114が接続された状態をそれぞれ示す。パワーユニット11と挿入部10との連結時には、図27に示すように管路コネクタ212の第1,第2,第3の接続穴部133a,133b,133cに挿入部10の第1のコネクタ部115の前方送水口金117aと、送水口金117bと、送気口金117cとがそれぞれ挿入された状態で連結される。
【0097】
図27に示すようにパワーユニット11と管路コネクタ212と挿入部10との連結時には管路コネクタ212の係合凸部214a,214bが枠部材211a,211bのU字状の内壁の壁面211cに当接された状態で保持されている。これにより、管路コネクタ212の係合凸部214a,214bと、枠部材211a,211bのU字状の内壁の壁面211cとの当接部によってパワーユニット11から挿入部10を引き抜く際に管路コネクタ212がパワーユニット11から外れることが防止され、抜け止めされている。
【0098】
また、図28および図29は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムのパワーユニット11の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との間の接続部分の構成を次の通り変更したものである。
【0099】
すなわち、本実施の形態では、図28に示すように管路コネクタ32のコネクタ本体132の下面にアリ溝部231を設けている。さらに、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131には、管路コネクタ32のアリ溝部231と対応する形状のアリ溝係合部232が形成されている。
【0100】
そして、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に管路コネクタ32を接続する作業時には、まず、図28に示すように管路コネクタ装着部131の上方からコネクタ本体132が下向きに(挿入部10の抜去方向に対し直交する方向に)押し込み操作される。このとき、管路コネクタ32のアリ溝部231の周壁部分は、管路コネクタ装着部131の上方からアリ溝係合部232に突き当たる。
【0101】
管路コネクタ32のアリ溝部231の周壁部分が管路コネクタ装着部131のアリ溝係合部232に突き当たったのち、さらに強い力で管路コネクタ32を図28中で、下向きに押し込む。この作業時には、管路コネクタ32のアリ溝部231の周壁部分がアリ溝係合部232によって圧縮される状態に弾性変形しながらアリ溝係合部232を乗り越える。これにより、図29に示すように管路コネクタ32のアリ溝部231にアリ溝係合部232が挿入される状態で係合される。そして、この管路コネクタ32のアリ溝部231と管路コネクタ装着部131のアリ溝係合部232との係合部によって管路コネクタ装着部131から管路コネクタ32が挿入部10の抜去方向に対し直交する方向に引き抜かれることを防止することができる。なお、挿入部10の抜去方向の管路コネクタ装着部131と管路コネクタ32との係合は、第1の実施の形態と同じ構成である。
【0102】
そこで、本実施の形態では、管路コネクタ32の装着方向が、挿入部10の挿抜方向に対して直交方向からの装着となる。そのため、第1の実施形態のように管路コネクタ32の装着方向が、挿入部10の抜去方向と平行な方向の場合のように管路コネクタ32の係合凸部151a、151bを係合凹部153の爪部154a、154bを乗り越えさせることなく装着することができる。このため、係合凸部151a、151bは弾性変形する材質や構造である必要はなく、より硬い材質にすることができるので、第1の実施形態よりも接続強度を高めることができる。
【0103】
なお、第1の実施形態においては、管路コネクタ32の装着方向が、挿入部10の抜去方向に平行な方向であるため、管路コネクタ32装着時に、管路コネクタ32の係合凸部151a、151bが、係合凹部153の爪部154a、154bを乗り越えることによって装着されるようにしている。そのため、係合凸部151a、151bは、弾性変形する構造にする必要がある。これに対し、本実施の形態では上述したとおり、係合凸部151a、151bは第1の実施形態よりも硬い材質にすることができるので、パワーユニット11の管路コネクタ装着部131に装着された管路コネクタ32の接続強度を第1の実施の形態よりもさらに高めることができる。
【0104】
なお、本実施の形態では、管路コネクタ32をパワーユニット11の管路コネクタ装着部131に対して着脱する方向が挿入部10の抜去方向に直交する方向から取り付ける例を示したが、管路コネクタ32の着脱方向は挿入部10の抜去方向と平行な方向から取り付けてもよい。
【0105】
また、図30は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムに代えてヒートプローブ処置具241のシステムに適用したものである。
【0106】
すなわち、本実施の形態では、ヒートプローブ処置具241の挿入部242に熱を伝える図示しないヒートプローブと、送水管路とが内蔵されている。挿入部242の基端部には、電気を受け渡す第1のコネクタ部243と、流体を受け渡す第2のコネクタ部244とが設けられている。第1のコネクタ部243の内端部は、ヒートプローブの基端部に連結されている。第2のコネクタ部244の内端部は、送水管路の基端部に連結されている。
【0107】
本実施の形態では、第1の接続部材がヒートプローブ装置245、第2の接続部材が管路コネクタ246で構成されている。ヒートプローブ装置245は、制御回路247と、送気ポンプ248とが内蔵されている。
【0108】
さらに、ヒートプローブ装置245は、第1の外部機器コネクタ249と、外部機器間コネクタ250とを有する。第1の外部機器コネクタ249の内端部は、制御回路247と接続されている。外部機器間コネクタ250の内端部は送気ポンプ248と接続されている。
【0109】
また、第1の外部機器コネクタ249の外端部はヒートプローブ処置具241の第1のコネクタ部243の外端部と着脱可能に接続される。外部機器間コネクタ250の外端部は、管路コネクタ246の後述する外部機器間コネクタ251の外端部と着脱可能に接続される。
【0110】
管路コネクタ246は、前記外部機器間コネクタ251と第2の外部機器コネクタ252とを有する。さらに、外部機器間コネクタ251の内端部には送気チューブ253の一端部が連結されている。第2の外部機器コネクタ252の内端部には送水チューブ254の一端部が連結されている。送気チューブ253の他端部は、送水タンク255内の上部に連結されている。送水チューブ254の他端部は、送水タンク255内の下部に連結されている。第2の外部機器コネクタ252の外端部は、ヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244の外端部と着脱可能に接続される。
【0111】
また、本実施の形態ではヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249とを接続する前に、予めヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251とが接続される。そして、その後のヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続時には、同時にヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244と管路コネクタ246の第2の外部機器コネクタ252とが接続される。
【0112】
ヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251との接続部は、例えば第1の実施の形態の管路コネクタ32とパワーユニット11の管路コネクタ装着部131との接続部と同構造になっている。さらに、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続部およびヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244と管路コネクタ246の第2の外部機器コネクタ252との接続部は、第1の実施の形態の電気接続部118bおよび第1のコネクタ部115の接続部とそれぞれ同構造になっている。これにより、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続強度をa、ヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251との接続強度をbとしたとき、a<bに設定されている。
【0113】
また、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続強度をA、ヒートプローブ処置具241の第2のコネクタ部244と管路コネクタ246の第2の外部機器コネクタ252との接続強度をBとしたとき、A<Bに設定されている。
【0114】
そこで、本実施の形態のヒートプローブ処置具241のシステムでは次の効果がある。すなわち、ヒートプローブ処置具241の挿入部242の第1のコネクタ部243とヒートプローブ装置245の第1の外部機器コネクタ249との接続強度をa、ヒートプローブ装置245の外部機器間コネクタ250と、管路コネクタ246の外部機器間コネクタ251との接続強度をbとしたとき、a<bに設定したので、ヒートプローブ装置245からヒートプローブ処置具241の挿入部242を外す際に、管路コネクタ246がヒートプローブ装置245から外れずにヒートプローブ装置245に接続されたままの状態で保持させることができる。そのため、従来のヒートプローブ処置具のように、電気を受け渡しするコネクタ部と流体を受け渡しするコネクタ部を別々にヒートプローブ装置に接続する場合に比べてヒートプローブ処置具241の挿入部242の交換時の着脱作業の回数を減らすことができる。
【0115】
また、ヒートプローブ装置245からヒートプローブ処置具241の挿入部242を外した際に、管路コネクタ246に接続されている送気チューブ253や、送水チューブ254が不用意に垂れ下がることがない。
【0116】
また、図31は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムの管路コネクタ32に代えて第2の接続部材として受け渡しする要素が、光であるライトガイドコネクタ261を有する内視鏡262のシステムに変更したものである。
【0117】
本実施の形態では内視鏡262の挿入部263の基端部に電気を受け渡す第1のコネクタ部264と、光を受け渡す第2のコネクタ部265とを有する。第1の接続部材266は、第1の外部機器コネクタ267と、外部機器間コネクタ268とを有する電気コネクタ部、第2の接続部材は上記ライトガイドコネクタ261で構成されている。第1の接続部材266は、電源装置269と接続されている。ライトガイドコネクタ261は、ライトガイドケーブル270を介して光源装置271と接続されている。
【0118】
また、本実施の形態では内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267とを接続する前に、予め第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261とが接続される。そして、その後の内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続時には、同時に内視鏡262の第2のコネクタ部244とライトガイドコネクタ261とが接続される。
【0119】
第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261との接続部は、例えば第1の実施の形態の管路コネクタ32とパワーユニット11の管路コネクタ装着部131との接続部と同構造になっている。さらに、第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続部および第2のコネクタ部265とライトガイドコネクタ261との接続部は、第1の実施の形態の電気接続部118bおよび光接続部118aとそれぞれ同構造になっている。これにより、内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続強度をa、第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261との接続強度をbとしたとき、a<bに設定されている。
【0120】
また、第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続強度をA、第2のコネクタ部265とライトガイドコネクタ261との接続強度をBとしたとき、A<Bに設定されている。
【0121】
そこで、本実施の形態の内視鏡262のシステムでは次の効果がある。すなわち、内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264と第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267との接続強度をa、第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268と、ライトガイドコネクタ261との接続強度をbとしたとき、a<bに設定したので、第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267から内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264を外す際に、ライトガイドコネクタ261が第1の接続部材266の外部機器間コネクタ268から外れずに第1の接続部材266に接続されたままの状態で保持させることができる。そのため、従来のようにスコープの特性に応じたライトガイドケーブルを選択して光源装置と接続することで適切な光量が出せる内視鏡において、挿入部を交換するたびに、ライトガイドケーブルを着脱する場合に比べてライトガイドケーブル270の着脱作業の回数を減らすことができる。また、第1の接続部材266の第1の外部機器コネクタ267から内視鏡262の挿入部263の第1のコネクタ部264を外した際に、ライトガイドコネクタ261に接続されているライトガイドケーブル270が不用意に垂れ下がることがない。
【0122】
また、図32は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第7の実施の形態(図31参照)の内視鏡262のシステムの構成を次の通り変更したものである。
【0123】
すなわち、本実施の形態では第1の実施の形態(図1乃至図22参照)の電動湾曲内視鏡2のシステムの管路コネクタ32に代えて第2の接続部材として受け渡しする要素がUPD信号である電気コネクタ281を有する内視鏡282のシステムに変更したものである。
【0124】
本実施の形態では内視鏡282の挿入部283の基端部に電気および光を受け渡す第1のコネクタ部284と、UPD信号を受け渡す第2のコネクタ部285とを有する。第1の接続部材286は、第1の外部機器コネクタ287と、外部機器間コネクタ288とを有する電気および光コネクタ部、第2の接続部材は上記電気コネクタ281で構成されている。第1の接続部材286は、電源装置と光源装置289と接続されている。電気コネクタ281は、UPDケーブル290を介して内視鏡形状観測装置291と接続されている。
【0125】
また、本実施の形態では内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287とを接続する前に、予め第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281とが接続される。そして、その後の内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続時には、同時に内視鏡282の第2のコネクタ部285と電気コネクタ281とが接続される。
【0126】
第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281との接続部は、例えば第1の実施の形態の管路コネクタ32とパワーユニット11の管路コネクタ装着部131との接続部と同構造になっている。さらに、第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続部および第2のコネクタ部285と電気コネクタ281との接続部は、第1の実施の形態の電気接続部118bおよび光接続部118aとそれぞれ同構造になっている。これにより、内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続強度をa、第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281との接続強度をbとしたとき、a<bに設定されている
また、第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続強度をA、第2のコネクタ部285と電気コネクタ281との接続強度をBとしたとき、A<Bに設定されている。
【0127】
そこで、本実施の形態の内視鏡282のシステムでは次の効果がある。すなわち、内視鏡282の挿入部283の1回の交換作業で、第1の接続部材286と電気コネクタ281に同時に接続できるので、ユーザーの着脱作業の回数を少なくすることができる。
【0128】
さらに、内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284と第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287との接続強度をa、第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288と、電気コネクタ281との接続強度をbとしたとき、a<bに設定したので、第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287から内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284を外す際に、電気コネクタ281が第1の接続部材286の外部機器間コネクタ288から外れずに第1の接続部材286に接続されたままの状態で保持させることができる。そのため、従来のように内視鏡形状観測装置291を使用する際には、内視鏡を交換するたびにUPDケーブルを着脱する場合に比べてUPDケーブル290の着脱作業の回数を減らすことができる。また、第1の接続部材286の第1の外部機器コネクタ287から内視鏡282の挿入部283の第1のコネクタ部284を外した際に、電気コネクタ281に接続されているUPDケーブル290が不用意に垂れ下がることがない。
【0129】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 挿入部に対して着脱可能に接続される第1の接続部材(管路コネクタ)と、前記挿入部に対して着脱可能に接続される第2の接続部材(モータユニット)と、前記第1の接続部材と前記挿入部との接続強度をa、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との接続強度をbとしたとき、a<bであることを特徴とする内視鏡。
【0130】
(付記項2) 挿入部に対して着脱可能に接続される第1の接続部材(管路コネクタ)と、前記挿入部に対して着脱可能に接続される第2の接続部材(モータユニット)と、前記第1の接続部材と前記挿入部との接続強度をA、前記第2の接続部材と前記挿入部との接続強度をBとしたとき、AくBであることを特徴とする内視鏡。
【0131】
(付記項3) 前記第1の接続部材は前記挿入部に対して流体を供給可能な流体供給用の第1のコネクタ(管路コネクタ)であるとともに、前記第2の接続部材は前記挿入部に対して動力、光、信号の少なくとも1つを供給可能な第2のコネクタ(モータユニット)であることを特徴とする付記項2に記載の内視鏡。
【0132】
(付記項4) 前記挿入部の基端部には基部が設けられ、前記基部には流体の受け渡すための開口部(口金)ならびに、動力、光、信号の少なくとも1つを受け渡すための接続部を備え、前記第1のコネクタは前記開口部に、前記第2のコネクタは前記接続部に接続可能であることを特徴とする付記項3に記載の内視鏡。
【0133】
(付記項5) 前記第2のコネクタを有し、前記基部に接続される連結部材(モータユニット)を備え、前記第1のコネクタは前記連結部材に接続されることを特徴とする付記項4に記載の内視鏡。
【0134】
(付記項6) 前記第1のコネクタを前記連結部材に接続するために、互いに係合する係合部(抜け止め)を設けたことを特徴とする付記項5に記載の内視鏡。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、電動電子内視鏡の挿入部と、パワーユニットと、管路コネクタとが着脱可能に接続される接続部を有する挿入部分離型の内視鏡などの医療装置の分野、この医療装置を製造、使用する技術分野に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の第1の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施の形態の医療装置を示す概略的なブロック図。
【図3】第1の実施の形態の医療装置の電動湾曲内視鏡の挿入部の基端部とパワーユニットとの接続状態をパワーユニットの一部を断面にして示す側面図。
【図4】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと他の器具との接続部分を取り外した状態を示す分解図。
【図5】第1の実施の形態の医療装置の電動湾曲内視鏡の挿入部の基端部とパワーユニットとの接続前の状態を示す斜視図。
【図6】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部の概略構成図。
【図7】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部コネクタの側面図。
【図8】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部コネクタの正面図。
【図9】(A)は第1の実施の形態の医療装置の内視鏡用アームに設けられた内視鏡保持部のC型リングにパワーユニットが取付けられた状態を示す平面図、(B)はC型リングの可動部が移動した状態を示す平面図。
【図10】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部を示す平面図。
【図11】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の管路コネクタを示すもので、(A)は管路コネクタの平面図、(B)は管路コネクタの側面図。
【図12】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の挿入部コネクタの第1のコネクタ部の部分を示す平面図。
【図13】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合される前の状態を示す平面図。
【図14】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合された状態を示す平面図。
【図15】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと管路コネクタと挿入部の挿入部コネクタとの接続状態を示す平面図。
【図16】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の管路コネクタの雌口金の挿入穴に挿入部コネクタの第1のコネクタ部の口金部材が挿入される前の状態を示す縦断面図。
【図17】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の管路コネクタの雌口金の挿入穴に挿入部コネクタの第1のコネクタ部の口金部材が挿入された状態を示す縦断面図。
【図18】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニット全体の平面図。
【図19】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの鉗子栓の縦断面図。
【図20】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの連結部の縦断面図。
【図21】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの連結部の着脱状態を示す側面図。
【図22】第1の実施の形態の電動湾曲内視鏡の鉗子栓ユニットの鉗子栓の取り外し手順を説明するための手順説明図。
【図23】本発明の第2の実施の形態を示す要部の縦断面図。
【図24】本発明の第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合される前の状態を示す斜視図。
【図25】第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合された状態を示す斜視図。
【図26】第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと管路コネクタとの組み付け部分に挿入部の挿入部コネクタが接続される前の状態を示す斜視図。
【図27】第3の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットと管路コネクタとの組み付け部分に挿入部の挿入部コネクタが接続された状態を示す斜視図。
【図28】本発明の第4の実施の形態の電動湾曲内視鏡のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合される前の状態を示す斜視図。
【図29】第4の実施の形態のパワーユニットの係合受け部に管路コネクタの係合部が係合された状態を示す斜視図。
【図30】本発明の第5の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成図。
【図31】本発明の第6の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成図。
【図32】本発明の第7の実施の形態の医療装置のシステム全体の概略構成図。
【符号の説明】
【0137】
10…挿入部、11…パワーユニット(第1の接続部材)、32…管路コネクタ(第2の接続部材)、114…挿入部コネクタ、115…第1のコネクタ部、116…第2のコネクタ部、117a…前方送水口金、117b…送水口金、117c…送気口金、122…ライトガイド接続部(第2の外部機器コネクタ)、123…電気接点(第2の外部機器コネクタ)、124…カップリング部(第2の外部機器コネクタ)、151a,151b…係合凸部(外部機器間コネクタ)、131…管路コネクタ装着部、153…係合凹部(外部機器間コネクタ)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と着脱可能に接続される少なくとも第1,第2の内蔵物が内蔵された細長い挿入部と、
前記挿入部の基端部に設けられ、前記第1の内蔵物に接続された第1のコネクタ部と前記第2の内蔵物に接続された第2のコネクタ部とを有する挿入部コネクタと、
前記第1のコネクタ部と着脱可能に接続される第1の外部機器コネクタを有する第1の接続部材と、
前記第2のコネクタ部と着脱可能に接続される第2の外部機器コネクタを有する第2の接続部材と、
前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を着脱可能に接続する外部機器間コネクタと、を具備し、
前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、前記外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定したことを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記挿入部コネクタは、前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をA、前記第2のコネクタ部と前記第2の外部機器コネクタとの接続強度をBとしたとき、A<Bに設定したことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記第1の内蔵物は、流体管路、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記流体管路に対して流体を供給可能な流体供給用の管路コネクタを有するとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記第1のコネクタ部は、流体管路接続用の口金部材、前記第2のコネクタ部は、動力、光、信号のうち少なくとも1つの伝送路の接続用の接続部を備え、
前記管路コネクタは、前記口金部材に接続可能な接続端部を有し、前記パワーユニットは、前記接続部に接続可能な接続端部を有することを特徴とする請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記外部機器間コネクタは、前記パワーユニットに設けられた係合受け部と、前記管路コネクタに設けられ、前記係合受け部と係脱可能に係合される係合部とを有することを特徴とする請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記係合受け部は、前記パワーユニットに形成された係合凹部を有し、
前記管路コネクタは、前記係合凹部と係脱可能に係合される係合凸部を有し、
前記係合受け部は、前記係合凹部から前記係合凸部が抜けることを防止する抜け止め部を有することを特徴とする請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記管路コネクタの前記接続端部は、前記第1のコネクタ部の前記口金部材が挿入される挿入穴を有する弾性体製の雌口金によって形成され、
前記第1のコネクタ部の前記口金部材は、前記雌口金よりも硬質な材料製の雄口金によって形成され、
前記雌口金は、前記挿入穴の内周面に前記雄口金の外径よりも小径なシール用の凸部が前記挿入穴の周方向全体に延設されていることを特徴とする請求項4に記載の医療装置。
【請求項8】
前記係合受け部は、前記係合凹部と前記係合凸部との係合部分に遊嵌状態で固定して前記雌口金の前記挿入穴と、前記雄口金との間の軸ずれを許容する軸ずれ調整部を有することを特徴とする請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記挿入部は、電動湾曲式の電子内視鏡の挿入部によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記内視鏡に流体を供給するポンプユニットによって形成され、
前記パワーユニットは、前記内視鏡の湾曲部を電動駆動するモータと、前記内視鏡に照明光を導光するライトガイドと、前記内視鏡の撮像系との信号伝送路とを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項10】
前記挿入部は、ヒートプローブ処置具の挿入部によって形成され、
前記第1の内蔵物は、ヒートプローブ、前記第2の内蔵物は、送水管路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ヒートプローブに接続されるヒートプローブ制御装置であるとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記送水管路に対して送水する送水装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項11】
前記第1の内蔵物は、ライトガイド、前記第2の内蔵物は、動力、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ライトガイドに接続される光源装置であるとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項12】
前記第1の内蔵物は、内視鏡挿入形状観測装置の信号線、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記信号線に接続される内視鏡挿入形状観測装置であるとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項1】
外部機器と着脱可能に接続される少なくとも第1,第2の内蔵物が内蔵された細長い挿入部と、
前記挿入部の基端部に設けられ、前記第1の内蔵物に接続された第1のコネクタ部と前記第2の内蔵物に接続された第2のコネクタ部とを有する挿入部コネクタと、
前記第1のコネクタ部と着脱可能に接続される第1の外部機器コネクタを有する第1の接続部材と、
前記第2のコネクタ部と着脱可能に接続される第2の外部機器コネクタを有する第2の接続部材と、
前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間を着脱可能に接続する外部機器間コネクタと、を具備し、
前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をa、前記外部機器間コネクタの接続強度をbとしたとき、a<bに設定したことを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記挿入部コネクタは、前記第1のコネクタ部と前記第1の外部機器コネクタとの接続強度をA、前記第2のコネクタ部と前記第2の外部機器コネクタとの接続強度をBとしたとき、A<Bに設定したことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記第1の内蔵物は、流体管路、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記流体管路に対して流体を供給可能な流体供給用の管路コネクタを有するとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記第1のコネクタ部は、流体管路接続用の口金部材、前記第2のコネクタ部は、動力、光、信号のうち少なくとも1つの伝送路の接続用の接続部を備え、
前記管路コネクタは、前記口金部材に接続可能な接続端部を有し、前記パワーユニットは、前記接続部に接続可能な接続端部を有することを特徴とする請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記外部機器間コネクタは、前記パワーユニットに設けられた係合受け部と、前記管路コネクタに設けられ、前記係合受け部と係脱可能に係合される係合部とを有することを特徴とする請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記係合受け部は、前記パワーユニットに形成された係合凹部を有し、
前記管路コネクタは、前記係合凹部と係脱可能に係合される係合凸部を有し、
前記係合受け部は、前記係合凹部から前記係合凸部が抜けることを防止する抜け止め部を有することを特徴とする請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記管路コネクタの前記接続端部は、前記第1のコネクタ部の前記口金部材が挿入される挿入穴を有する弾性体製の雌口金によって形成され、
前記第1のコネクタ部の前記口金部材は、前記雌口金よりも硬質な材料製の雄口金によって形成され、
前記雌口金は、前記挿入穴の内周面に前記雄口金の外径よりも小径なシール用の凸部が前記挿入穴の周方向全体に延設されていることを特徴とする請求項4に記載の医療装置。
【請求項8】
前記係合受け部は、前記係合凹部と前記係合凸部との係合部分に遊嵌状態で固定して前記雌口金の前記挿入穴と、前記雄口金との間の軸ずれを許容する軸ずれ調整部を有することを特徴とする請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記挿入部は、電動湾曲式の電子内視鏡の挿入部によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記内視鏡に流体を供給するポンプユニットによって形成され、
前記パワーユニットは、前記内視鏡の湾曲部を電動駆動するモータと、前記内視鏡に照明光を導光するライトガイドと、前記内視鏡の撮像系との信号伝送路とを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項10】
前記挿入部は、ヒートプローブ処置具の挿入部によって形成され、
前記第1の内蔵物は、ヒートプローブ、前記第2の内蔵物は、送水管路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ヒートプローブに接続されるヒートプローブ制御装置であるとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記送水管路に対して送水する送水装置であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項11】
前記第1の内蔵物は、ライトガイド、前記第2の内蔵物は、動力、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記ライトガイドに接続される光源装置であるとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項12】
前記第1の内蔵物は、内視鏡挿入形状観測装置の信号線、前記第2の内蔵物は、動力、光、信号のうち少なくとも1つを伝送する伝送路によって形成され、
前記第1の接続部材は、前記挿入部の前記信号線に接続される内視鏡挿入形状観測装置であるとともに、
前記第2の接続部材は、前記挿入部の前記伝送路に対して動力、光、信号のうち少なくとも1つを供給するパワーユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図23】
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【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
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【公開番号】特開2008−272299(P2008−272299A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121125(P2007−121125)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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