説明

医薬としての非酸性シクロペンタンヘプタン酸,2−シクロアルキルまたはアリールアルキル誘導体

【課題】眼圧降下剤および平滑筋弛緩剤を提供する。
【解決手段】本発明は、1位においてハロ、メチル、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、アミド、アジド、オキシム、シアノ、チオール、エーテルまたはチオエーテル基で置換されたシクロペンタンヘプタン酸,2−シクロアルキルまたはアリールアルキル誘導体、例えば1−OHシクロペンタンヘプタン酸,2−(シクロアルキルまたはアリールアルキル)誘導体に関する。本発明のシクロペンタンヘプタン酸,2−(シクロアルキルまたはアリールアルキル)誘導体は有効な眼圧降下剤であり、緑内障の処置に特に適当である。更に、本発明のシクロペンタンヘプタン酸,2−(シクロアルキルまたはアリールアルキル)誘導体は、全身性高血圧および肺疾患において広範に適用し得る平滑筋弛緩剤であり、胃腸疾患、生殖、受胎力、失禁、ショックなどに関して適用し得る平滑筋弛緩剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1位においてハロ、ヒドリル、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、アミド、アジド、オキシム、シアノ、チオール、エーテルまたはチオエーテル基で置換されたシクロペンタンヘプタン酸,2−シクロアルキルまたはアリールアルキル誘導体、例えば1−OHシクロペンタンヘプタン酸,2−(シクロアルキルまたはアリールアルキル)誘導体に関する。本発明のシクロペンタンヘプタン酸,2−(シクロアルキルまたはアリールアルキル)誘導体は有効な眼圧降下剤であり、緑内障の処置に特に適当である。更に、本発明のシクロペンタンヘプタン酸,2−(シクロアルキルまたはアリールアルキル)誘導体は、全身性高血圧および肺疾患において広範に適用し得る平滑筋弛緩剤であり、胃腸疾患、生殖、受胎力、失禁、ショックなどに関して適用し得る平滑筋弛緩剤である。
【背景技術】
【0002】
眼圧降下剤は、多様な高眼圧症状、例えば術後およびレーザートラベクレクトミー後の高眼圧や、緑内障の処置において、並びに術前の補助薬として有用である。
【0003】
緑内障は、眼圧の上昇により特徴付けられる眼疾患である。緑内障は、その病因により、原発性または続発性として分類されている。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角緑内障であるか、または急性もしくは慢性の閉塞隅角緑内障であり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍または拡大した白内障のような既存の眼疾患から生じる。
【0004】
原発性緑内障の原因は、未だ解明されていない。その眼圧上昇は、房水流出遮断による。慢性開放隅角緑内障においては、前房およびその解剖学的構造は正常に見えるが、房水の排出は妨げられる。急性または慢性の閉塞隅角緑内障においては、前房が浅く、透過角が狭く、虹彩がシュレンム管の入口の小柱網を閉塞し得る。瞳孔の拡張により、虹彩根部が隅角に対して前方に押され、および瞳孔ブロックを起こして、病状を急進し得る。前房隅角の狭い眼は、種々の重篤度の急性閉塞隅角緑内障に患る素因を有する。
【0005】
続発性緑内障は、後房から前房、次いでシュレンム管への房水の流れのいかなる妨害によっても起こる。前房の炎症性疾患は、膨隆虹彩における完全な虹彩後癒着を起こすことにより房水排出を妨げ得、排液路を滲出物で閉塞し得る。他の通常の原因は、眼内腫瘍、拡大した白内障、網膜中心静脈閉塞、眼の外傷、手術操作および眼内出血である。
【0006】
すべての種類を考慮すると、緑内障は、40歳を超えるすべての人の約2%に起こり、視力が急速に損われるまで何年間も無症候性であり得る。手術が指示されない場合、局所用β−アドレナリン受容体拮抗剤が、従来、緑内障処置薬物として選択されている。
【0007】
プロスタグランジンはかつて、有効な眼圧上昇剤であると見なされていた; しかし、過去20年間に蓄積された証拠によると、いくつかのプロスタグランジンは非常に有効な眼圧降下剤であり、緑内障の長期処置に好適であることがわかった。[例えば、スター,エム・エス(Starr,M.S.)、エクスペリメンタル・アイ・リサーチ(Exp.Eye Res.)、1971、11、170〜177頁;ビト,エル・ゼット(Bito,L.Z.)、バイオロジカル・プロテクション・ウィズ・プロスタグランジンズ(Biological Protection with Prostagandins)、コーヘン,エム・エム(Cohen,M.M.)編、ボカ・レイトン(Boca Raton)、フロリダ、CRCプレス社(CRC Press Inc.)、1985、231〜252頁;並びにビト,エル・ゼット、アプライド・ファーマコロジー・イン・ザ・メディカル・トリートメント・オブ・グラウコマズ(Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas)、ドランス,エス・エム(Drance,S.M.)およびニューフェルド,エイ・エイチ(Neufeld,A.H.)編、ニューヨーク、グルーン・アンド・ストラットン(Grune & Stratton)、1984、477〜505頁参照。] そのようなプロスタグランジンは、PGF、PGF、PGE2、およびそれらの脂溶性エステル(例えば、1−イソプロピルエステルのようなC1−C5アルキルエステル)を包含する。
【0008】
米国特許第4599353号において、ある種のプロスタグランジン、とりわけPGE2およびPGF並びに後者のC1−C5アルキルエステルが眼圧降下活性を有することが報告され、緑内障処置に使用することが提案された。
【0009】
プロスタグランジンによる眼圧降下の詳しいメカニズムは未だわかっていないが、最近の実験結果により、ブドウ膜強膜流出の増加によるものであることが示された[ニルソン(Nilsson)ら、インベスティゲイティブ・オフサルモロジー・アンド・ビジュアル・サイエンス(Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.)28(補遺)、284(1987)]。
【0010】
PGFのイソプロピルエステルは、親化合物よりもはるかに大きい降圧活性を有することがわかっている。これは、角膜透過性がより高いことによると考えられる。1987年にこの化合物は、「かつて報告されたうちで最も強力な眼圧降下剤」であると文献に記載された[例えば、ビト,エル・ゼット、アーカイブズ・オブ・オフサルモロジー(Arch.Ophthalmol.)、105、1036(1987)、およびシーボルド(Siebold)ら、プロドラッグ(Prodrug)5、3(1989)参照]。
【0011】
プロスタグランジンは顕著な眼内副作用を持たないと考えられるが、眼表面(結膜)充血および異物感は、ヒトの眼に対するそのような化合物(とりわけPGFおよびそのプロドラッグ、例えば1−イソプロピルエステル)の局所適用に伴って起こる。高眼圧を伴う症状(例えば緑内障)の処置におけるプロスタグランジンの臨床的使用可能性は、上記のような副作用の故に非常に制限されている。
【0012】
欧州特許出願第0364417号においては、ある種のフェニルおよびフェノキシモノ、トリおよびテトラノルプロスタグランジン、並びにその1−エステルが、緑内障または高眼圧の処置に有用であると開示されている。
【0013】
アラーガン社(Allergan,Inc.)に譲渡された一連の同時係属米国特許出願において、眼圧降下活性が高く、副作用は無い、または実質的に副作用の無いプロスタグランジンエステルが開示されている。同時係属米国特許出願第386835号(1989年7月27日出願)は、ある種の11−アシル−プロスタグランジン、例えば11−ピバロイル、11−アセチル、11−イソブチリル、11−バレリル、および11−イソバレリルPGFに関する。同時係属米国特許出願第357394号(1989年5月25日出願)には、眼圧降下作用を有する15−アシルプロスタグランジンが開示されている。同様に、プロスタグランジンの11,15−、9,15−および9,11−ジエステル、例えば11,15−ジピバロイルPGFも、眼圧降下活性を有することが知られている。同時係属米国特許出願第385645号(1990年7月27日出願、米国特許第4494274号に対応);第584370号(米国特許出願第386312号の継続出願);第585284号(米国特許第5034413号に対応、米国特許出願第386834号の継続出願)(親出願は1989年7月27日出願)参照。上記特許出願の開示を、特に引用により本発明の一部とする。
【発明の概要】
【0014】
ある種のシクロペンタンヘプタン酸,2−シクロアルキルまたはアリールアルキル誘導体であって、カルボン酸基を非酸性置換基に置き換えたものは、平滑筋に顕著に作用し、有効な眼圧降下剤であることがわかった。更に、そのような化合物は、その親化合物よりも有意に強力であり得、緑内障の場合驚くべきことに、眼表面の充血を起こさないか、または親化合物よりも有意に軽度にしか起こさないということもわかった。
【0015】
本発明は、心血管、肺−呼吸器、胃腸、生殖器およびアレルギー疾患、ショック並びに高眼圧を処置する方法であって、式I:
【化1】

[式中、Aは炭素原子数2〜6、例えば約4〜5のアルキレンまたはアルケニレン基であって、1個またはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシまたはアルキルカルボキシ基で置換されていてもよく、Bは炭素原子数3〜7、例えば約5〜6のシクロアルキル基であるか、またはヒドロカルビルアリールおよびヘテロアリール基(ヘテロ原子は窒素、酸素およびイオウ原子から成る群から選択する)から成る群から選択するアリール基であり、R1、R2およびXの定義は後述する通りである。]
で示されるシクロペンタンヘプタン酸,2−シクロアルキルまたはアリールアルキル非酸性誘導体の有効量を投与することを含んで成る方法に関する。例えば、Aは直鎖状アルキレン基(例えばペンチレン)、またはアルケニレン基(例えば3−ヒドロキシ−1−ペンチレニル)であり得、Bはシクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジルなどから成る群から選択し得る。Bは、後述の基Yで置換されていてもよい。
【0016】
より好ましくは、本発明の方法は、式II:
【化2】

[式中、yは0または1であり、αまたはω鎖は不飽和であり得、Yはハロ(例えばフルオロ、クロロなど)、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボキシなどから成る群から選択する基であり、nは0または1〜約3の整数であり、R1、R2、R3およびXの定義は後述する通りである。]
で示されるシクロペンタンヘプタン酸,2−(フェニルアルキル)非酸性誘導体を投与することを含んで成る。
【0017】
前記処置方法において使用する非酸性誘導体は、好ましくは、式III:
【化3】

[式中、ハッチングした線はα配置を、三角形に塗り潰した線はβ配置を表し; 点線を付した結合は、一重結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し; Xはハロ、ヒドリル、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、アミド、アジド、オキシム、シアノ、チオール、アルコキシ(エーテル)およびチオエーテル基から成る群から選択する基であり; R1およびR2のうちの一方は=O、−OHもしくは−O(CO)R6で、他方は−OHもしくは−O(CO)R6であるか、またはR1は=OでR2はHであり; R3は=O、−OHまたは−O(CO)R6であり; R6は炭素原子数1〜約20の飽和もしくは不飽和非環式炭化水素基、または−(CH2)mR7であり;mは0〜10であり、R7は炭素原子数約3〜7の脂環、またはアリールもしくはヘテロアリール環(前記と同様)である。]
で示される化合物または薬学的に許容し得るその塩である。R1、R2およびR3は好ましくは−OHである。
【0018】
他の態様においては、本発明は、心血管、肺−呼吸器、胃腸、生殖器およびアレルギー疾患、ショック並びに高眼圧を処置する方法であって、式IV:
【化4】

[式中、記号および置換基は前記と同意義である。]
で示される化合物の処置有効量を薬剤担体と共に含有する薬剤組成物を患者に投与することを含んで成る方法に関する。
【0019】
他の態様においては、本発明は、式I、II、IIIまたはIV[式中、記号は前記と同意義である。]で示される化合物または薬学的に許容し得るその塩の処置有効量を、薬学的に許容し得る無毒性液体賦形剤と共に含有する薬剤組成物に関する。
【0020】
更に別の態様においては、本発明は、前記式[式中、置換基および記号は前記と同意義である。]で示される非酸性シクロペンタンヘプタン酸,5−シス−2−(3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンチル)誘導体または薬学的に許容し得るその塩に関する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】PGFおよび17−フェニルPGFはいずれも、用量に相関して、3H−17−フェニルPGFと、そのレセプターを強力に競合することを示す。
【図2】シクロペンタンヘプテンアミン,5−シス−2−(3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]およびそのN−メチル誘導体が、3H−17−フェニルPGFとそのレセプターを競合する活性を、17−フェニルPGFと比較して示す。
【図3】16−m−クロロフェノキシPGF3H−17−フェニルPGFと強力に競合するが、16−m−クロロフェノキシPGFのその活性は、末端−COOH基を−CONH2で置換することによって、すなわちシクロペンタンヘプテンアミド,5−シス−2−(3−ヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]を用いた場合は、大きく低下することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、シクロペンタンヘプタン酸,2−シクロアルキルまたはアリールアルキル誘導体の、医薬(例えば眼圧降下剤)としての用途に関する。そのような医薬は、前記のような式I:
【化5】

で示される化合物である。
【0023】
本発明に従って使用する好ましい非酸性シクロペンタンヘプタン酸,2−(フェニルアルキル)誘導体は、式II:
【化6】

[式中、置換基および記号は前記と同意義である。]
で示される。
【0024】
より好ましくは、非酸性誘導体は式III:
【化7】

[式中、置換基および記号は前記と同意義である。]
で示される。
【0025】
更に好ましくは、本発明において使用する非酸性誘導体は、式IV:
【化8】

[式中、置換基および記号は前記と同意義である。]
で示される化合物である。
【0026】
最も好ましくは、式V:
【化9】

で示される新規非酸性誘導体並びにその9−および/または11−および/または15−エステルを本発明において使用する。
【0027】
前記式および下記式のいずれにおいても、5および6位の炭素間(C−5)、13および14位の炭素間(C−13)、8および12位の炭素間(C−8)並びに10および11位の炭素間(C−10)の結合における点線は、その結合が一重結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合であることを表す。2本の実線を用いる場合は、その二重結合の配置を特定して示す。C−9、C−11およびC−15のハッチングした線は、α配置を表す。β配置は、三角形に塗り潰した線で表す。
【0028】
本発明に従って使用する化合物は、C−9またはC−11またはC−15の置換基がαまたはβ配置の化合物を包含する。前記のように、本明細書中のいずれの式においても、シクロペンタン環へのハッチングした線で表す結合は、その置換基がα配置であることを示す。シクロペンタン環への塗り潰した線で表す結合は、置換基がβ配置であることを示す。また、C−11およびC−15炭素原子へのヒドロキシル基または他の置換基の結合であって、ハッチング線で表したものは、α配置であることを示す。
【0029】
本発明において、特記しない限り、「アルキル」とは炭素原子数1〜10のアルキル基を意味し、「シクロアルキル」とは炭素原子数3〜7のシクロアルキル基を意味し、「アリール」とは炭素原子数4〜10のアリール基を意味する。「飽和もしくは不飽和非環式炭化水素基」とは、炭素原子数1〜約6(好ましくは1〜約4の直鎖または分枝鎖状飽和または不飽和炭化水素基を意味する。そのような基は、適当な鎖長のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基を包含し、好ましくはアルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルもしくはヘキシルまたはそれらの異性体)である。
【0030】
6の定義は、環式成分−(CH2)mR7[nは0〜10であり、R7は炭素原子数約3〜7の脂環、または芳香環もしくは複素環である]を包含し得る。「脂環」は、飽和または不飽和であってよく、好ましくは炭素原子数3〜7の飽和環である。芳香環としてのR7は好ましくはフェニルであり、複素環はヘテロ原子として酸素、窒素またはイオウを有する(すなわち、R7はチエニル、フラニル、ピリジルなどであり得る)。mは好ましくは0〜4である。
【0031】
Xは、−H、−F、−I、−NO2、−OH、−OH、−CO−N(R4)(R4)、−N(R4)(R4)、=N−OH、−C≡N、−SH、−SR5および−OR5(R4は水素またはC1−C3アルキルであり、R5はC1−C3アルキルである)から成る群から選択し得る。R4は好ましくは水素である。
【0032】
本発明の範囲に含まれる化合物の好ましい例は、Xが−OHである式Vで示される化合物、すなわちシクロペンタンヘプテノール,5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]並びに該化合物の9−および/または11−および/または15−エステルである(角括弧内の番号表示は、シクロペンタン環上の位置を示す)。
【0033】
本発明の薬剤組成物および処置方法において、以下の新規化合物を使用し得る。
(1)シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(2)シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(3)シクロペンタンN,N−ジメチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(4)シクロペンタンヘプテニルメトキシド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(5)シクロペンタンヘプテニルフロリド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
【0034】
(6)シクロペンタンヘプテニルニトレート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(7)シクロペンタンヘプテニルヨーダイド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(8)シクロペンタンヘプテンアミン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(9)シクロペンタンヘプテンシアニド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(10)シクロペンタンヘプテンアジド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
【0035】
(11)シクロペンタンヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α](Xが−H、すなわちヒドリルである場合は、正しい命名はヘプテンであることに注意)
(12)シクロペンタンN−イソプロピルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(13)シクロペンタンN−エチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(14)シクロペンタンN−メチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(15)シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
【0036】
(16)シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
(17)シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニルペンチル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
【0037】
本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩は、親化合物の活性を保持し、被投与体および投与を行う環境に対して不都合な影響を及ぼさないいずれの塩であってもよい。そのような塩は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属などの薬学的に許容し得る陽イオンと共に形成した塩である。
【0038】
薬剤組成物は、少なくとも1種の本発明化合物または薬学的に許容し得るその塩の処置有効量を活性成分として、薬学的に許容し得る通常の佐剤(例えば、眼科学的に許容し得る賦形剤)と組み合わせることによって、および薬学的使用(例えば点眼用)に適当な単位用量形態を形成することによって調製し得る。処置有効量は通例、液体製剤中約0.0001〜5%(w/v)、好ましくは約0.001〜1.0%(w/v)である。
【0039】
眼科的な適用のためには、主な賦形剤として生理食塩液を用いて溶液を調製することが好ましい。そのような眼用溶液のpHは、適当な緩衝系によって4.5〜8.0に保つことが好ましい。中性pHが好ましいが、本質的ではない。このような製剤は、薬学的に許容し得る通常の保存剤、安定剤および界面活性剤をも含有し得る。
【0040】
本発明の薬剤組成物中に使用し得る好ましい保存剤は、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀を包含するが、これらに限定されるものではない。好ましい界面活性剤は、例えば、トゥイーン(Tween)80である。同様に、本発明の眼用製剤中に種々の好ましい賦形剤を使用し得る。このような賦形剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シクロデキストリンおよび精製水を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0041】
必要に応じて、または好都合に、浸透圧調整剤を添加し得る。浸透圧調整剤は、塩、とりわけ塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリンを包含するが、これらに限定されるものではなく、眼科学的に許容し得る他の適当な浸透圧調整剤も使用し得る。
【0042】
眼科学的に許容し得る製剤が得られるのであれば、pH調整のためにどのような緩衝剤および手段を用いてもよい。緩衝剤は、酢酸、クエン酸、リン酸およびホウ酸の緩衝剤を包含する。製剤のpHを調整するために、必要に応じて酸または塩基を使用し得る。
【0043】
同様に、本発明において使用するための眼科学的に許容し得る抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンを包含するが、それらに限定されるものではない。
【0044】
本発明の眼用製剤が含有し得る他の佐剤成分はキレート化剤である。好ましいキレート化剤はエデト酸二ナトリウムであるが、その代わりに、またはそれと組み合わせて他のキレート化剤も使用し得る。
【0045】
上記成分は通例、次のような量で使用する:

【0046】
本発明の活性化合物の実際の用量は、化合物によって、および処置する症状によって異なる。当業者はその知識の範囲内で、適当な用量を選択することができる。
【0047】
本発明の眼用製剤は、眼への適用を容易にするよう、計量適用に適した形態(例えばドロッパー付き容器)に充填することが好都合である。滴下適用に適した容器は通例、不活性で無毒性の適当なプラスチック材料製であり、溶液を約0.5〜15ml収容する。容器1個が、1単位用量またはそれ以上を含有し得る。
【0048】
約10単位用量まで、好ましくは約5単位用量までを含有する再密閉不可能な容器内に入った、特に保存剤不含有の溶液をしばしば調製する。単位用量は通例、1〜約8滴、好ましくは1〜約3滴である。1滴の体積は通例、約20〜35μlである。
以下の実施例によって本発明を更に説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0049】
ラジオリガンド結合試験
ラット結腸から採った形質膜の試料を用いて、ラジオリガンド結合試験を行った(結果を図1〜3に示す)。組織を緩衝液(0.25Mショ糖、50mMトリス(TRIS): pH7.4)中で、ポリトロン(polytron)ホモジナイザーを用いてセッティング7で3秒間ホモジナイズした。ホモジネートを200gで遠心し、上清をガーゼで濾過し、濾液を177000gで40分間遠心した。次いで、二段階不連続勾配を用いて、濃縮形質膜フラクションを調製した。ラジオラベル17−フェニルPGF試験用に、177000gペレットをホモジネーション緩衝液に懸濁させ、0.842Mショ糖に重層した。その後、112700gで2時間遠心した。ショ糖層界面のバンドを注意深く吸引し、304000gで40分間遠心した。そのペレットを超音波により懸濁させて、ラジオリガンド結合アッセイに用いた。ラジオラベル17−フェニルPGFを用いた試験は、50mMトリス−HClおよび2.5mM MnCl2を含有するpH5.75の緩衝液中で行った。
【0050】
全体積200μlの5nM3H−17−フェニルPGFに対して競合試験を行った。結腸膜ホモジネートのタンパク質濃度は、約40μg/mlであった。ラベルしていない対応するリガンド10μMで、非特異的結合を観測した。反応停止は氷冷緩衝液を加えることによって行い、ブランデル(Brandel)細胞ハーベスターを用いてワットマン(Whatman)GF/Bフィルターで短時間で濾過した。
【0051】
図1に示すように、プロスタグランジンF(PGF)および17−フェニルPGFはいずれも、用量に相関して、3H−17−フェニルPGFと、そのレセプターを強力に競合する。対照的に、末端−COOH基をアミンまたはメチルアミド基で置換した場合は、3H−17−フェニルPGFと競合しない。図2参照; 図2においては、シクロペンタンヘプテンアミン,5−シス−2−(3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]およびそのN−メチル誘導体が、3H−17−フェニルPGFとそのレセプターを競合する活性を、17−フェニルPGFと比較して示す。更に図3にも例を示す; 図3においては、16−m−クロロフェノキシPGF3H−17−フェニルPGFと強力に競合するが、16−m−クロロフェノキシPGFのその活性は、末端−COOH基を−CONH2で置換することによって、すなわちシクロペンタンヘプテンアミド,5−シス−2−(3−ヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]を用いた場合は、大きく低下することを示す。
【実施例2】
【0052】
スイス(Swiss)3T3細胞中のCa2+シグナル
細胞内[Ca2+]を測定するために、ウッドウォード(Woodward)ら、アドバンシーズ・イン・プロスタグランジン, トロンボキサン・アンド・ロイコトリエン・リサーチ(Advances in Prostaglandin, Thromboxane and Leukotriene Research)21:367、1990に記載のように、懸濁液中のスイス3T3細胞に、Ca2+感受性蛍光プローブであるフラ(Fura)−2AMを導入した。蛍光測定は、パーキン−エルマー(Perkin−Elmer)LS−5分光光度計を用いて、励起および測定波長それぞれ340および492nmで行った。各測定には、シュミュールズ(Schmuells)緩衝液に懸濁した106細胞を用いた。Ca2+不含有シュミュールズ緩衝液中で試験するために、各キュベットは0.4mM EGTAをも含有していた。フラ2シグナルのキャリブレーションは、クイン(Quin)2およびフラ2に関してヤマグチ(Yamaguchi)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biological Chemistry)263:10745、1988に記載されているように行った。すなわち、細胞をジギトニン(10μl×100mg/mlDMSO)で溶解した。次いで、EGTA(100mM)およびpH8.5に調製するのに充分な10N−NaOHを順次加えて、最小蛍光を得た。
【0053】
細胞内[Ca2+]に対する試験化合物の作用を、最大PGF応答の50%をもたらすのに要する濃度として比較した(第1表)。末端−COOH基を非酸性置換基に置き換えると、全般に活性が著しく低下する。
【0054】
【表1】

Aは、シクロペンタンヘプテン酸,5−シス−2−(3−α−ヒドロキシ−1−トランス−オクテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]である。
Bは、シクロペンタンヘプテン酸,5−シス−2−(3−α−ヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]である。
【実施例3】
【0055】
スイス3T3細胞中のDNA合成
10%ウシ胎児血清(FBS)、2mM 1−グルタミンおよび1%抗生物質−抗真菌剤100Xを補足した低グルコースのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中に、スイスマウス3T3細胞を維持した。培養物を、5%CO2/空気中で37℃でインキュベートした。集密培養物をトリプシン処理し、実験用に4分して培地に入れた。6−ウェルクラスタープレート中の10%FBS含有DMEM中に、35mmウェル1個当たり1×105細胞を入れ、3日間集密化させた。次いで、細胞をハンクス液(HBSS)で洗い、0.5%FBS含有DMEM中で24時間インキュベートすることによって、静止状態とした。その後、培養物に、0.5%FBSおよび種々の濃度の試験化合物を含有する新しいDMEMを加えた。いずれの化合物も、無水エタノールに溶解し、滅菌濾過生理食塩液で希釈し、培地に加えて、最終的なエタノール対照培養物は0.01%またはそれ以下含有する培地中でインキュベートするようにした。この賦形剤対照培養物は、0.01%エタノール/生理食塩液を含有する培地中でインキュベートした。培養物を[3H]−TdRでパルスラベルするまで22時間インキュベートした。
【0056】
培養物のパルスラベルにおいては、調整した薬物処理または対照含有培地を取り、次いで、1μCi/ml[3H]−TdRを加え、培養物を[3H]−TdR含有培地中で5時間インキュベートした。その後、細胞をリン酸緩衝生理食塩液で洗い、6%トリクロロ酢酸(TCA)で固定した。細胞を培養ウェルから採り、試験管に移した。各ウェルを6%TCAで濯ぎ、濯ぎ液を試験管に加えた。室温において2800rpmで20分間遠心後、取り込まれなかった[3H]−TdRを含有する上清(S1)の試料をシンチレーションチューブに移した。ベックマン(Beckman)HPカクテルを用いて液体シンチレーションカウントにより放射能を測定した。残部のS1上清をデカントし、細胞ペレットに3%過塩素酸(PCA)を加えた。試験管を95℃の加熱ブロック中に20分間入れ、次いで氷浴に15分間入れることによって、DNAを変性した。前記のように遠心後、DNAに取り込まれた[3H]−TdRを含有する上清(S2)の試料の放射能を、シンチレーションカウントにより測定した。
【0057】
残部のS2上清の試料を、ジフェニルアミン法によるDNA定量に付した。サケ試験DNAから調製したDNA標準と試料とをジフェニルアミン試薬と混合し、30℃の水浴中で振とうしながら6〜24時間インキュベートした。ジフェニルアミン試薬は、氷酢酸中の1.5%ジフェニルアミンを用い、この溶液100ml当たり濃硫酸1.5mlおよび1.6%アセトアルデヒド0.5mlを加えることによって調製した。DNA標準および試料の吸光度を、ベックマン・バイオメック(Biomek)分光光度計を用いて波長600nmで測定した。
【0058】
データは、DNA1μg当たりのcpm(DNAに取り込まれた[3H]−TdR)として表し、試験毎に4試料の平均値を求めた。結果を、賦形剤対照に対する割合(%)で表した。
【0059】
第2表に示すように、PGFおよび17−フェニルPGFはDNA合成を顕著に高めたが、−COOH基を−OHで置換すると、活性は完全に失われた。この結果は、プロスタノイドによる線維症の可能性を、本発明の非酸性誘導体により回避し得ることを示唆するものである。
【表2】

【実施例4】
【0060】
血管緊張低下
血管緊張低下試験のために、ウサギ外頚静脈を使用した。クレブス緩衝液および1μMインドメタシンを含有する5ml臓器浴中に、3mmリングを吊した。リングは、血管緊張低下を評価できるように、10-5Mヒスタミンで予め収縮させた。
【0061】
この試験の結果を第3表に示す。強力な血管拡張作用が明らかであり、イソプロピルアミド置換体は驚くべきことに非常に活性の高い血管拡張剤であった。
【0062】
【表3】

【実施例5】
【0063】
平滑筋刺激
本発明の非酸性誘導体が種々の平滑筋に及ぼす収縮作用を調べた。従来の方法で、臓器浴およびフォース・ディスプレイスメント・トランスジューサーを使用して、分離した平滑筋の応答を測定した。平滑筋試料は、ネコ虹彩、回腸(モルモットおよびニワトリ)、ラット結腸およびラット大動脈であった。結果を第4表に示す。
【0064】
化合物のカルボン酸部分を置換すると、動脈平滑筋(大動脈)または回腸の収縮は軽減されるか、起こらないことがわかる。一方、驚くべきことに、ネコ虹彩およびラット結腸に対する強い活性は維持される。
【0065】
【表4−1】

【0066】
【表4−2】

Cは、シクロペンタンヘプテン酸,5−シス−2−(3−α−ヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2α,4α,5β]である。
Dは、シクロペンタンヘプテン酸,5−シス−2−(3−α−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2α,4α,5β]である。
【実施例6】
【0067】
眼圧
雄および雌のビーグル犬(10〜15kg)において、眼圧を気動眼圧測定(pneumatonometry)により測定した。測定は、気動眼圧測定に馴らした意識のある動物に対して行った。一方の眼には薬物を25μl滴として局所投与し、他方の眼には対照として賦形剤を投与した。統計学的分析は、スチューデントのt検定(Student's paired t test)によって行った。
【0068】
−COOHを種々の置換基に置き換えると、強力な眼圧降下剤となった。一方、それらの剤がプロスタノイドレセプターに結合せず、またはCa2+に対する作用が異なることは、前記の通りである。眼圧測定結果を第5表に示す。
【0069】
【表5−1】

【0070】
【表5−2】

【実施例7】
【0071】
神経を介する精管収縮の抑制
分離したモルモット精管をフィールド刺激すると、該組織の収縮が起こる。これは、交感神経伝達に対する薬物の作用を評価するために有用である。17−フェニルPGFは、その応答を抑制したが、この系列の化合物中の−COOH部分を置換すると、活性が低下または消失した(第6表参照)。
【0072】
【表6】

【実施例8】
【0073】
シクロペンタンメチルヘプテノエート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
アセトン(0.6ml)中のシクロペンタンヘプテン酸,5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α](24mg、0.0565ミリモル)の撹拌した溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデカ−7−エン(DBU)(40μl、0.27ミリモル)およびヨウ化メチル(20μl、0.32ミリモル)を室温で加えた。DBU添加により、反応混合物は黄変した。反応混合物を室温に6.5時間保った後、酢酸エチル(30ml)で希釈し、酢酸エチルを用いてセライトで濾過した。減圧濃縮後、残渣を酢酸エチル(EtOAc)を用いて20mm×160mmシリカカラムに通して、所望のメチルエステルを得た。
【実施例9】
【0074】
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
NH3中の実施例8のメチルエステル(9.2mg、0.0222ミリモル)およびNH4Cl(10mg、0.187ミリモル)の混合物を、80℃に12時間加熱した。室温に冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーに付して、標記アミドを無色透明液体(7.2mg)として得た。
【実施例10】
【0075】
シクロペンタンメチルヘプテノエート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
アセトン(0.6ml)中のシクロペンタンヘプテン酸,5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α](24mg、0.0565ミリモル)の撹拌した溶液に、DBU(40μl、0.27ミリモル)およびヨウ化メチル(20μl、0.32ミリモル)を室温で加えた。DBU添加により、反応混合物は黄変した。反応混合物を室温に6.5時間保った後、酢酸エチル(30ml)で希釈し、酢酸エチルを用いてセライトで濾過した。減圧濃縮後、残渣を酢酸エチル(EtOAc)を用いて20mm×160mmシリカカラムに通して、所望のメチルエステルを得た。
【実施例11】
【0076】
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
NH3中の実施例10のメチルエステルおよびNH4Clの溶液を、密閉管内で80℃に36時間加熱した。反応器を−78℃に冷却後、栓を取り、室温に昇温させながらアンモニアを蒸発させた。残渣をEtOAc(30ml)に溶解し、セライトで濾過した。減圧濃縮により黄色透明油状物を得、それをEtOAcを用いて160mm×1mmシリカカラムによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記アミドを得た。
【実施例12】
【0077】
シクロペンタンN,N−ジメチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
ジメチルアミン(8ml)中の実施例10のメチルエステル(29.1mg、0.0723ミリモル)およびメタノール(MeOH)(2ml)の溶液を、80〜85℃に36時間加熱した。室温に冷却後、密閉管を開け、過剰のアミンを蒸発させた。残渣を減圧濃縮後、10%EtOAc/MeOHを用いる20mm×120mmシリカカラムによるフラッシュクロマトグラフィーに付して、標記アミドを黄色がかった透明油状物(9.2mg)として得、エステル14.8mgを回収した。同様に、ジメチルアミンの代わりにイソプロピルアミン、メチルアミンおよびエチルアミンを用いることにより、N−イソプロピル、N−メチルおよびN−エチル誘導体を合成し得る。
【実施例13】
【0078】
シクロペンタンヘプテンアミン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
テトラヒドロフラン(THF)中の実施例11のアミドの溶液に0℃で、THF中の水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)の溶液を滴下した。この添加中に、反応混合物は白濁した。2時間後、反応混合物を氷浴から外し、15分間にわたって室温に昇温させた。室温に達したら、反応混合物に1N−HCl(〜0.5ml)を注意深く加えて反応を停止し、次いで減圧濃縮してTHFを除去した。残渣をLiOH(0.5ml)〜1mlと共に粉砕し、クロロホルム(5ml)で抽出した。次いで、クロロホルム相を減圧濃縮した。8:1:1EtOAc:MeOH:トリエチルアミン(Et3N)を用いて10mm×100mmシリカゲルカラムによるフラッシュクロマトグラフィーに付して、所望のアミンを透明油状物(10.7mg)として得た。この油状物を高度の減圧下に一晩蒸発させて恒量とした。同様にして、実施例11のアミドの代わりに実施例12の1−ジメチルアミド誘導体を用いることにより、1−ジメチルアミノ誘導体を合成し得る。
【実施例14】
【0079】
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
エチルエーテル(Et2O)中のシクロペンタンヘプテン酸−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]の溶液に、混合物が黄変するまでCH22溶液を加えた。次いで、混合物に、無色になるまで酢酸を加えて反応を停止した。溶媒を減圧除去し、残渣を高度の減圧下に数時間吸引した。得られたメチルエステルを次いでCH2Cl2に溶解し、乾燥氷/アセトン浴中で−78℃に冷却した。次いで、水素化ジブチルアルミニウム溶液を1時間毎に加え、得られた反応混合物を5時間にわたって室温に昇温させた。混合物にMeOHを加えて反応を停止した。得られた溶液をフラスコに移し、CH2Cl2(〜5ml)で希釈した。飽和酒石酸ナトリウムカリウム四水和物溶液(〜5ml)を加え、得られた濁った混合物を3時間撹拌すると、溶液は透明となり、有機相および水相に分離した。混合物を分液漏斗に移し、分液した。有機相をH2O(〜5ml)および塩水(〜5ml)で順次洗い、MgSO4で乾燥し、濃縮して黄色油状物を得た。1〜5%MeOH/CH2Cl2を溶離剤とするSiO2フラッシュクロマトグラフィーにより、所望の生成物32.2mgを無色油状物として得た。
【実施例15】
【0080】
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
THF中のシクロペンタンヘプテン酸−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α](24.0mg、0.0565ミリモル)の溶液に0℃で、LiAlHの溶液(1.0m、0.11ml、0.11ミリモル)を加えた。得られた混合物を0℃に2時間保った後、1N−HCl(〜0.2ml)を加えて反応を停止した。反応混合物を、塩水(5ml)およびCHCl3(10ml)を用いて分液漏斗に移した。相を分離し、更に水相をCHCl3(2×5ml)で抽出した。次いで、合した有機相を濃縮し、5%MeOH/EtOAcを溶離剤としてシリカカラムに通すことにより精製した。
【実施例16】
【0081】
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−α−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジ−テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ,[1α,2β,3α,5α]
実施例14の標記化合物の「保護」メチルスルホネートエステルを、該化合物の誘導体の調製によって行うが、この方法において、当分野で既知の方法により、ヒドロキシル基をテトラヒドロピラニル誘導体への変換によって保護する。例えば、1979年5月15日発行の、ジョンソン(Johnson)らの米国特許第4154949号参照。その誘導体を塩化メチレンで希釈し、0℃に冷却し、Et3NおよびCH3SO2Clを順次加え、有機相を抽出し、MgSO4で乾燥する。溶媒を蒸発させて、「保護」誘導体のメチルスルホネートエステルを得る。上記方法において実施例15の標記化合物を代わりに用いることにより、同様にして実施例15の「保護」誘導体のメチルスルホネートエステルを調製し得る。
【実施例17】
【0082】
シクロペンタンヘプテニルヨーダイド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
実施例16の「保護」化合物をアセトンに溶解し、次いでNaIおよびCaCO3を加える。混合物を週末中室温で撹拌し、濾過してCaCO3を除去した後、EtOAc、塩水およびH2Oで処理する。水相をEtOAcで抽出し、抽出物を有機相と合し、濃縮する。濃縮物をMgSO4で乾燥する。残留溶媒の蒸発により、生成物を回収する、得られた「保護」1−ヨーダイド生成物を、MeOHおよびピリジニウム−p−トルエンスルホネート(PPTS)の混合物に溶解し、撹拌しながら50℃に加熱することによって「脱保護」する。得られた溶液を、10%クエン酸、EtOAc、塩水およびNaHCO3で順次抽出する。水相をEtOAcで抽出し、抽出物を有機相と合し、濃縮し、MgSO4で乾燥する。蒸発により、標記化合物を得る。この方法において、実施例15の化合物の「保護」誘導体のメチルスルホネートエステルを代わりに用いることにより、同様にして4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル誘導体を得ることができる。
【実施例18】
【0083】
シクロペンタンヘプテンアジド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
標記化合物を合成するために、実施例16の「保護」化合物を、ジメチルホルムアミド(DMF)中のNaN3の溶液に溶解し、室温で20時間撹拌する。得られた混合物を、水、塩水およびEtOAcで順次抽出する。水相をEtOAcで抽出し、抽出物を有機相と合し、濃縮し、MgSO4で乾燥する。溶媒を蒸発させ、残渣を、20%EtOAc/ヘキサンを溶媒とするクロマトグラフィーにより精製する。実施例17に記載の方法により、「保護」生成物を「脱保護」して標記化合物を得る。
【実施例19】
【0084】
シクロペンタンメトキシヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,4α,5α]
DMF中の実施例16の「保護」化合物の溶液を、DMF中のNaHの溶液に、窒素雰囲気中0℃で撹拌しながら滴下する。撹拌を続け、溶液を室温に昇温させ、15分間撹拌を続ける。次いで、溶液を0℃に冷却し、ヨウ化メチルを加え、溶液を室温に昇温させる。得られた混合物を、10%クエン酸、塩水およびEtOAcで順次抽出する。得られた水相をEtOAcで抽出し、抽出物を有機相と合し、MgSO4で乾燥する。溶媒の蒸発により、標記化合物のテトラヒドロピラニル誘導体を含有する粗生成物を得る。粗生成物を30〜40%EtOAc/ヘキサンを用いる薄層クロマトグラフィー(TLC)により精製する。得られたヒドロピラニル誘導体を、実施例17の方法を用いて「脱保護」する。「脱保護」生成物を、1〜5%酢酸/EtOAcを用いるTLCにより精製する。
【実施例20】
【0085】
シクロペンタンヘプテニルフロリド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
実施例16の化合物(実施例14の化合物から誘導したもの)0.098ミリモルを、THF中のテトラブチルアンモニウムフロリド(Bu4NF)の1.0M溶液に溶解し、室温で一晩撹拌する。(Bu4NF全量0.196ミリモル) TLCにより実質的スルホネートの残留が示されるので、Bu4NFを更に2.0m.(全量4m.)を加える。混合物を室温で更に8時間撹拌した後、H2O、塩水およびEtOAcで処理する。水相をEtOAc(3×10ml)で抽出し、有機相を濃縮し、MgSO4で乾燥する。溶媒を蒸発させて、標記化合物の「保護」誘導体65mgを得る。標記化合物の「保護」誘導体を、20%EtOAc/ヘキサンを用いて精製する。標記化合物の「保護」誘導体を、実施例17の方法によって「脱保護」して、標記化合物を得る。
【実施例21】
【0086】
シクロペンタンヘプテニルニトレート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
実施例20の方法においてNaNO2を代わりに用いることにより、標記化合物を合成する。あるいは、実施例17の「保護」1−ヨーダイド生成物とNaNO2とをジメチルスルホキシド(DMSO)中で反応させ、得られた生成物を実施例17に記載のように「脱保護」することによって、標記化合物を合成する。
【実施例22】
【0087】
シクロペンタンヘプテンシアニド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α
実施例20の方法においてNaCNを代わりに用いることにより、標記化合物を合成する。
【実施例23】
【0088】
シクロペンタンヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタフラン−2−オン,5−テトラヒドロピラニルオキシ,4−(3−テトラヒドロピラニルオキシ−1−オクテン)0.293ミリモルをCH2Cl2に溶解し、−78℃に冷却し、CH2Cl2中の1.0M DiBAHを、DiBAH0.586ミリモルが溶液に入るまで加える。2時間撹拌を続け、メタノールを加えて反応を停止する。反応停止した混合物をCH2Cl210mlで分液漏斗に洗い入れ、水で洗う。相が分離するまで酢酸を加える。有機相を塩水で洗う。合した水相をCH2Cl2で2回洗う。合した有機相をMgSO4で乾燥し、濃縮してラクトール誘導体を得る。ラクトール誘導体0.331ミリモルを、THF中の(トリフェニル)(n−ペンチル)ホスホニウムブロミドおよびKN(Si(CH3)3)2各0.993ミリモルの溶液に、−78℃で加える。得られた溶液を一晩室温に昇温させた後、EtOAc20mlで分離し、希酢酸、水および塩水で順次洗う。有機相をMg2SO4で乾燥し、濃縮して黄色油状物を得、それをEtOAc/ヘキサンを用いてTLCにより精製する。得られた「保護」誘導体を、実施例17の方法によって「脱保護」して、シクロペンタンヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−オクテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]を得る。前記シクロペンタフラン−2−オンの代わりにフェニルペンテニル誘導体を用いることにより、標記化合物を合成する。
【0089】
以上、本発明の実施のために用いることのできる特定の方法および組成物を詳細に説明した。それらは、本発明の好ましい態様である。しかし、所望の薬理学的性質を有する他の化合物を同様の方法で合成し得ること、並びに開示した化合物は、異なる出発物質から異なる化学反応によっても得られることは、当業者には明らかである。また、実質的に同様の結果をもたらす他の薬剤組成物を調製することもできる。すなわち、前記のように詳細な説明を行ったが、それは本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではなく、本発明の範囲は請求の範囲によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心血管、肺−呼吸器、胃腸、生殖器およびアレルギー疾患並びにショックを処置するための医薬組成物であって、式I:
【化1】

または式I’:
【化2】

[式中、点線を付した結合は、一重結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し; Aは炭素原子数2〜6のアルキレンまたはアルケニレン基であって、1個またはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシまたはアルキルカルボキシ基で置換されていてもよく; Bは炭素原子数3〜7のシクロアルキル基であるか、またはヒドロカルビルアリールおよびヘテロアリール基(ヘテロ原子は窒素、酸素およびイオウ原子から成る群から選択する)から成る群から選択するアリール基であり; Xはハロ、ヒドリル、ニトロ、アミノ、アジド、オキシム、シアノ、チオール、アルコキシおよびチオエーテル基から成る群から選択する基であり; R1およびR2のうちの一方は=O、−OHもしくは−O(CO)R6で、他方は−OHもしくは−O(CO)R6であるか、またはR1は=OでR2はHであり; R6は炭素原子数1〜約20の飽和もしくは不飽和非環式炭化水素基、または−(CH2)mR7であり;mは0〜10であり、R7は炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、またはヒドロカルビルアリールもしくはヘテロアリール(前記と同様)であり;R4は水素またはC1−C3アルキルである。]
で示される化合物または薬学的に許容し得るその塩の有効量を、薬学的に許容し得る賦形剤と共に含有する組成物。
【請求項2】
化合物は、式II:
【化3】

または式II’:
【化4】

[式中、yは0または1であり、αまたはω鎖は不飽和であり得、Yはハロ、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシおよびアルキルカルボキシから成る群から選択する基であり、nは0または1〜3の整数であり、R3は=O、−OHまたは−O(CO)R6である。]
で示される化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
化合物は、式III:
【化5】

または式III’:
【化6】

[式中、ハッチングした線はα配置を、三角形に塗り潰した線はβ配置を表す。]
で示される化合物である請求項2記載の組成物。
【請求項4】
化合物は、式IV:
【化7】

または式IV’:
【化8】

で示される化合物である請求項3記載の組成物。
【請求項5】
化合物は、式V:
【化9】

または式V’:
【化10】

で示される化合物並びにその9−および/または11−および/または15−エステルである請求項4記載の組成物。
【請求項6】
Xは、−H、−F、−I、−NO2、−N(R4)(R4)、=N−OH、−C≡N、−SH、−SR5および−OR5(R5はC1−C3アルキルである)から成る群から選択する請求項1記載の組成物。
【請求項7】
化合物は、
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN,N−ジメチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルメトキシド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルフロリド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルニトレート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルヨーダイド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンシアニド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアジド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−イソプロピルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−エチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−メチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
および
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
から成る群から選択する請求項1記載の組成物。
【請求項8】
化合物は、
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
および
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
から成る群から選択する請求項7記載の組成物。
【請求項9】
化合物は式I’で示される化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項10】
基R4の一方は水素で、他方はエチルである請求項9記載の組成物。
【請求項11】
高眼圧または緑内障を処置するための医薬組成物であって、式I:
【化11】

または式I’:
【化12】

[式中、点線を付した結合は、一重結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し; Aは炭素原子数2〜6のアルキレンまたはアルケニレン基であって、1個またはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシまたはアルキルカルボキシ基で置換されていてもよく; Bは炭素原子数3〜7のシクロアルキル基であるか、またはヒドロカルビルアリールおよびヘテロアリール基(ヘテロ原子は窒素、酸素およびイオウ原子から成る群から選択する)から成る群から選択するアリール基であり; Xはハロ、ヒドリル、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、オキシム、シアノ、チオール、アルコキシおよびチオエーテル基から成る群から選択する基であり; R1およびR2のうちの一方は=O、−OHもしくは−O(CO)R6で、他方は−OHもしくは−O(CO)R6であるか、またはR1は=OでR2はHであり; R6は炭素原子数1〜約20の飽和もしくは不飽和非環式炭化水素基、または−(CH2)mR7であり;mは0〜10であり、R7は炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、またはヒドロカルビルアリールもしくはヘテロアリール(前記と同様)であり;R4は水素またはC1−C3アルキルである。]
で示される化合物または薬学的に許容し得るその塩の処置有効量を、眼科学的に許容し得る賦形剤と共に含有する組成物。
【請求項12】
化合物は、式II:
【化13】

または式II’:
【化14】

[式中、yは0または1であり、αまたはω鎖は不飽和であり得、Yはハロ、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシおよびアルキルカルボキシから成る群から選択する基であり、nは0または1〜3の整数であり、R3は=O、−OHまたは−O(CO)R6である。]
で示される化合物である請求項11記載の組成物。
【請求項13】
化合物は、式III:
【化15】

または式III’:
【化16】

[式中、ハッチングした線はα配置を、三角形に塗り潰した線はβ配置を表す。]
で示される化合物である請求項12記載の組成物。
【請求項14】
化合物は、式IV:
【化17】

または式IV’:
【化18】

で示される化合物である請求項13記載の組成物。
【請求項15】
化合物は、式V:
【化19】

または式V’:
【化20】

で示される化合物並びにその9−および/または11−および/または15−エステルである請求項14記載の組成物。
【請求項16】
Xは、−H、−F、−I、−NO2、−OH、=N−OH、−C≡N、−SH、−SR5および−OR5(R5はC1−C3アルキルである)から成る群から選択する請求項11記載の組成物。
【請求項17】
化合物は、
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN,N−ジメチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルメトキシド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルフロリド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルニトレート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルヨーダイド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンシアニド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアジド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−イソプロピルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−エチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−メチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
および
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニルペンチル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
から成る群から選択する請求項11記載の組成物。
【請求項18】
化合物は、
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
および
シクロペンタンヘプテノール−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニルペンチル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
から成る群から選択する請求項17記載の組成物。
【請求項19】
化合物は式I’で示される化合物である請求項11記載の組成物。
【請求項20】
基R4の一方は水素で、他方はエチルである請求項19記載の組成物。
【請求項21】
式I:
【化21】

または式I’:
【化22】

[式中、点線を付した結合は、一重結合、またはシスもしくはトランス配置であり得る二重結合を表し; Aは炭素原子数2〜6のアルキレンまたはアルケニレン基であって、1個またはそれ以上のヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシまたはアルキルカルボキシ基で置換されていてもよく; Bは炭素原子数3〜7のシクロアルキル基であるか、またはヒドロカルビルアリールおよびヘテロアリール基(ヘテロ原子は窒素、酸素およびイオウ原子から成る群から選択する)から成る群から選択するアリール基であり; Xはハロ、ヒドリル、ニトロ、アミノ、アジド、オキシム、シアノ、チオール、アルコキシおよびチオエーテル基から成る群から選択する基であり; R1およびR2のうちの一方は=O、−OHもしくは−O(CO)R6で、他方は−OHもしくは−O(CO)R6であるか、またはR1は=OでR2はHであり; R6は炭素原子数1〜約20の飽和もしくは不飽和非環式炭化水素基、または−(CH2)mR7であり;mは0〜10であり、R7は炭素原子数3〜7のシクロアルキル基、またはヒドロカルビルアリールもしくはヘテロアリール(前記と同様)であり;R4は水素またはC1−C3アルキルである。]
で示される化合物から成る群から選択する化合物、または薬学的に許容し得るその塩。
【請求項22】
化合物は、式II:
【化23】

または式II’:
【化24】

[式中、yは0または1であり、αまたはω鎖は不飽和であり得、Yはハロ、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシおよびアルキルカルボキシから成る群から選択する基であり、nは0または1〜3の整数であり、R3は=O、−OHまたは−O(CO)R6である。]
で示される化合物である請求項21記載の化合物。
【請求項23】
化合物は、式III:
【化25】

または式III’:
【化26】

[式中、ハッチングした線はα配置を、三角形に塗り潰した線はβ配置を表す。]
で示される化合物である請求項22記載の化合物。
【請求項24】
化合物は、式IV:
【化27】

または式IV’:
【化28】

で示される化合物である請求項23記載の化合物。
【請求項25】
化合物は、式V:
【化29】

または式V’:
【化30】

で示される化合物並びにその9−および/または11−および/または15−エステルである請求項24記載の化合物。
【請求項26】
Xは、−H、−F、−I、−NO2、−N(R4)(R4)、=N−OH、−C≡N、−SH、−SR5および−OR5(R5はC1−C3アルキルである)から成る群から選択する請求項21記載の化合物。
【請求項27】
化合物は、
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN,N−ジメチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルメトキシド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルフロリド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルニトレート−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテニルヨーダイド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンシアニド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアジド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−イソプロピルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−エチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンN−メチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
および
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
から成る群から選択する請求項21記載の化合物。
【請求項28】
化合物は、
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
シクロペンタンヘプテンアミン−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
および
シクロペンタンヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−4−m−クロロフェノキシ−1−トランス−ブテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]
から成る群から選択する請求項27記載の化合物。
【請求項29】
化合物は式I’で示される化合物である請求項21記載の化合物。
【請求項30】
基R4の一方は水素で、他方はエチルである請求項29記載の化合物。
【請求項31】
シクロペンタンN−エチルヘプテンアミド−5−シス−2−(3−αヒドロキシ−5−フェニル−1−トランス−ペンテニル)−3,5−ジヒドロキシ,[1α,2β,3α,5α]。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−52014(P2011−52014A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269407(P2010−269407)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【分割の表示】特願2004−201577(P2004−201577)の分割
【原出願日】平成5年9月9日(1993.9.9)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】