説明

医薬として有用な化合物

本発明により、癌の治療に有用な式(I)(式中、X、W,A1〜A5およびDは本明細書中に記載の意味を有する)の化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的に有用な化合物に関する。本発明は、また、癌の治療におけるこのような化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
AMP活性化プロテイン・キナーゼ(AMPK)は、癌を含む幾つかの疾患の治療の新たな標的である。
【0003】
脂肪過多は、程度の差はあれ、結腸直腸腺腫、乳癌(閉経後)、子宮内膜癌、腎臓癌、食道腺癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、胆嚢癌、肝臓癌および子宮頸癌などの癌の発生リスクの増加と関連する(Calle and Kaaks (2004), Nature Reviews Cancer, 4, 579−591)。
【0004】
研究から、癌細胞は侵潤性増殖や生存のため、脂肪酸およびタンパク質を多量に合成することを必要とすることが分かった。研究から、AMPK活性化剤を使用して癌細胞の増殖を抑制することが可能であることが分かった。この作用は、mTORおよびeEF2のダウンレギュレーションと関連している。AMPK活性化剤はまた腫瘍細胞での脂質合成も抑制する。また、AMPKと他の抗癌標的(LKB1およびカスパーゼ−3活性化など)との間に関連性があることも分かった。
【0005】
癌細胞は、正常細胞と比較してグルコースの消費量が多い(Warburg O, 1956)。ATPを産生するミトコンドリアでの酸化的リン酸化の代わりに、癌細胞は加水分解により糖代謝を行う。
【0006】
最近の研究は、高インスリン血症がとりわけ結腸癌や致死的な乳癌および前立腺癌の発生と相関することを示唆している。
【0007】
血漿遊離脂肪酸(FFA)の上昇は、膵臓β細胞を刺激し、高インスリン血症の一因となっている。
【0008】
前立腺癌において、高インスリン血症は、予期される死亡危険因子であることが分かったが、データから、インスリン濃度を前立腺予後マーカーとして使用できることが裏付けられている(Hammarsten and Hoegstedt (2005) European Journal of Cancer, 41, 2887)。
【0009】
幾つかの機構により、高インスリン血症と乳癌の発生および結果を関連付けることができる。第1に、慢性高インスリン血症のため、卵巣でのテストステロンおよびエストロゲンの産生が増加し、肝臓での性ホルモン結合グロブリンの産生が抑制され、乳癌に関連する性ホルモン・プロファイルが生じる。第2に、高インスリン血症は、肝臓でのインスリン様成長因子結合タンパク質−1(IGFBP−1)の産生を抑制し、従って、乳房組織に対して強力な分裂促進作用を有するIGF−1の血中濃度を増加させる。第3に、インスリン自体が乳癌細胞に対して直接的な分裂促進作用を有し得る。
【0010】
Hardy et al((2005)、J. Biol. Chem., 280, 13285)による研究から、FFAがGPR40依存的に乳癌細胞の増殖を直接促進することが分かる。さらに、乳癌患者120人から摘出された腫瘍組織で行った発現試験ではGPR40の高頻度の発現が認められ、これはHardyによる研究結果と臨床所見との関連を強調している(例えば、Ma et al., Cancer Cell (2004) 6, 445参照)。
【0011】
結腸癌患者を対象にした臨床物質に関する別の発現研究は、類似のメカニズムがこれらの悪性度にも関連している可能性があることを示唆している(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/geo/gds/gds#browse.cgi?gds=1263参照)。
【0012】
癌細胞は、一般に、非形質転換細胞と比較して異常な代謝を示す。新生物細胞は、正常細胞と比較して脂質の合成量がかなり多く、糖代謝が異なる。この異常代謝が治療の標的となることが示唆された。細胞代謝を調節する経路の1つ、または好ましくは幾つかを阻止することによって、癌細胞は非形質転換細胞より感受性が高くなり、このようにして治療機会(therapeutic window)が作り出される。経路/標的の例としては、解糖阻止剤、脂質合成経路、AMPK活性化剤およびミトコンドリア機能に影響を及ぼす薬剤が挙げられる。
【0013】
AMP活性化プロテイン・キナーゼ(AMPK)は、3つのタンパク質サブユニットからなるプロテイン・キナーゼ酵素であり、ホルモン、サイトカイン、運動、および細胞のエネルギー状態を低下させるストレス(例えば、グルコース欠乏)によって活性化される。AMPKの活性化により、アデノシン5’−三リン酸(ATP)を生成するプロセス(例えば、脂肪酸酸化)が亢進され、ATPを消費するが生存に切実に必要というわけではない脂肪酸合成、糖脂質合成およびタンパク質合成などの他のプロセスが抑制される。逆に、細胞が持続的に糖過剰状態である場合、AMPK活性は低下し、脂肪酸合成、糖脂質合成およびタンパク質合成が亢進される。AMPKは、このように、細胞のエネルギー恒常性において重要な役割を果たすプロテイン・キナーゼ酵素である。従って、AMPKの活性化により血糖低下作用が得られ、コレステロール合成、脂質生成、トリグリセリド合成の阻害、および高インスリン血症の低下を含む他の幾つかの生物学的作用が誘発される。
【0014】
上記に鑑みて、AMPKは、メタボリック・シンドロームおよびとりわけ2型糖尿病の治療の好ましい標的である。AMPKは、また、 多くの異なる疾患に重要な多数の経路にも関与している(例えば、AMPKは、また、CNS障害、線維化、骨粗鬆症、心不全および性機能不全に重要な多数の経路にも関与している。)。
【0015】
AMPKは、また、癌に重要な多数の経路にも関与している。幾つかの腫瘍抑制因子は、AMP経路の一部である。AMPKは、細胞成長および増殖の重要な調節因子である哺乳類TOR(mTOR)およびEF2経路の負の調節剤の役割を果たす。従って、調節解除は、癌(ならびに糖尿病)などの疾患と関連付けられる可能性がある。従って、AMPK活性化剤は、抗癌剤として有用となり得る。
【0016】
現在の糖尿病治療薬(例えば、メトホルミン、グリタゾン)は、あまり強力なAMPK活性化剤ではなく、AMPKを間接的にしか活性化させず、有効性が低いことが知られている。しかし、細胞レベルでの生物学的AMPK活性化作用のため、AMPK活性化剤である化合物、好ましくはAMPKの直接的な活性化剤は、抗癌剤として、ならびに他の多くの疾患の治療に有用となり得る。
【0017】
本明細書中の先行公開されていることが明らかである文献の記載または論述は、必ずしも、その文献が従来技術の一部であるかまたは共通の一般知識であることを認めるものと解釈すべきではない。
【0018】
本開示全体を通して、様々な出版物、特許および公開特許明細書は、識別引用により参照される。これらの出版物、特許および公開特許明細書の開示は、本発明に関係する従来技術をより詳細に説明するため、参照により本開示に援用される。
【0019】
Keilen et al.,Acta Chem. Scand. 1988, B42, 362−366は、1,2,4−チアジアゾロ活性化ピリミジノンの生成を記載している。また、特定の1,2,4−チアジアゾロ−3−オンも開示されている。しかし、この文献は、開示した化合物に関連する生物学的作用については開示しておらず、また少なくとも1つの置換芳香環を有するアミドまたはアミン誘導体で5位が置換された1,2,4−チアジアゾロ−3−オンも開示していない。
【0020】
Kaugars et al.,J. Org. Chem. 1979, 44 (22), 3840−3843は、2位がメチル基で置換されている1,2,4,チアジアゾール−3−オンの5−フェニル−および5−メチル−置換フェニル尿素誘導体を記載している。開示した化合物に関連する生物学的作用については言及していない。
【0021】
Cho et al J.Heterocyclic Chem. 1991, 28, 1645−1649は、様々な1,2,4−チアジアゾール−3−オンを開示している。しかし、2位と5位が芳香環を有する置換基を含有する1,2,4−チアジアゾール−3−オンは開示されていない。
【0022】
米国特許第4,093,624号明細書は、5位が−NH2または−NHAcで、かつ2位がHまたはリボフラノシルで置換されている1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン化合物を記載しており、この化合物は抗微生物活性を有すると記載されている。2位と5位が芳香環を有する置換基を含有する1,2,4−チアジアゾール−3−オンは開示されていない。
【0023】
Castro et al., Bioorg. Med. Chem. 2008, 16, 495−510は、アルツハイマー病の治療に有用な可能性がある、GSK−3β阻害剤としてのチアジアゾリジノン誘導体を記載している。このような化合物がAMPK活性化剤として有用となり得ることには言及していない。さらに、少なくとも1つの置換芳香環を有するアミドまたはアミン誘導体で5位が置換された1,2,4−チアジアゾール−3−オンについては言及していない。
【0024】
Martinez et al. Bioorg. Med. Chem. 1997, 7, 1275−1283は、平滑筋収縮(例えば、高血圧)を伴う疾患の治療に有用な可能性がある、カリウムチャンネル開口薬としてのアリールイミノ−1,2,4−チアジアゾリジノン誘導体を記載している。しかし、2位が芳香環で置換されたこのようなチアジアゾリジノンは開示されていない。
【0025】
米国特許出願公開第2003/0195238号明細書は、アルツハイマー病の治療に有用な可能性がある、GSK−3β阻害剤としてのチアジアゾリジン誘導体を記載している。しかし、この文献は主に2つのカルボニル/チオカルボニル基で置換されたチアジアゾリジン(それにより、例えば、3,5−ジオキソ−チアジアゾリジンまたは3−チオキソ−5−オキソ−チアジアゾリジンとなる)に関する。さらに、それは主に、チアジアゾリジンの両方の窒素原子が置換されている化合物に関する。この文献は、2位が芳香族基を有する基で、かつ5位が芳香族基を有するアミノまたはアミド誘導体で置換されたチアジアゾリジンに関するものではない。
【0026】
国際出願WO2007/010273号明細書およびWO2007/010281号明細書は両方とも、例えば、チアゾリジン−4−オンおよび1,1−ジオキソ−1,5−ジヒドロ−[1,4,2]ジチアゾール化合物を開示しており、これらはヒト乳癌細胞株(MDA−MB−231)を使用するアッセイで試験したとき、FFAの細胞増殖促進作用に拮抗することができる。このような化合物は、従って、癌の治療におよび/またはFFAの調節剤として適応される。 しかし、これらの文献は、チアジアゾリジノンを開示または示唆していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の実施形態によれば、式I、
【化1】

{式中、
Aは、C(=N−W−D)またはSを表し;
Bは、SまたはC(−NH−W−D)を表し;
AがC(=N−W−D)を表し、BがSを表す場合、BとNH原子との結合は単結合であるか;または
AがSを表し、BがC(−NH−W−D)を表す場合、BとNH原子との結合は二重結合であり;
Xは、−Q−[CRxyn−を表し;
Wは、−[CRxym−または−C(O)−[CRxyp−を表し;
Qは、結合、−N(Ra)−、−S−、または−O−を表し;
1〜A5は、それぞれC(R1)、C(R2)、C(R3)、C(R4)およびC(R5)を表すか、または、代わりに、A1〜A5の2つ以下が独立してNを表してもよく;
Dは、任意選択により1つ以上のR6基で置換されたフェニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し;
xおよびRyは、本発明で使用するときいずれの場合も、独立してH、ハロゲン、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)、アリール(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択されるか、またはRxとRyは結合して、それらが結合している炭素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の非芳香環を形成し、この環自体が任意選択によりハロゲンまたはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されており;
1〜R5は、独立してH、ハロゲン、−R7、−CF3、−CN、−NO2、−C(O)R7、−C(O)OR7、 −C(O)−N(R7a)R7b、−N(R7a)R7b、−N(R73+、−SR7、−OR7、−NH(O)R7、−SO37、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が、任意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表すか、または、互いに隣接するR1〜R5のいずれか2つは、任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
6は、本発明で使用するときいずれの場合も、独立してシアノ、−NO2、ハロゲン、−R8、 −OR8、−N(R8)C(O)R8、−NR910、−SR11、−Si(R123、−OC(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)R14、−C(O)NR15a15b、−S(O)2NR15c15d、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表すか、または、互いに隣接するいずれか2つのR6基が、任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
7は、本発明で使用するときいずれの場合も、HまたはC1−C6アルキル、C1−C6シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール(後の4つの基は任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択され;
7aおよびR7bは、独立してHもしくはC1−C6アルキル、C1−C6シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択されるか、または、R7aとR7bは任意選択により結合して、それらが結合している窒素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
a、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15a、R15b、R15cおよびR15dは、本発明で使用するときいずれの場合も、独立してHまたはR16を表し;
16は、本発明で使用するときいずれの場合も、任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されたC1ー6アルキルを表し;
nは、0、または、より好ましくは1もしくは2を表し;
mは、2、または、より好ましくは1もしくは0を表し;
pは、2、または、より好ましくは1もしくは0を表す}
の化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する(pharmaceutically functional)誘導体を提供するが、
ただし、Dがフェニルである場合、A1〜A5の少なくとも1つが(C−H)ではない、および/またはDが1つ以上の−R6基で置換されていることを条件とする。
【0028】
薬学的に許容される塩としては、酸付加塩および塩基付加塩を挙げることができる。このような塩は、例えば、遊離酸または遊離塩基の形態の式Iの化合物と1当量以上の適切な酸または塩基を、任意選択により溶媒中でまたは塩が溶解しない媒体中で反応させた後、標準的な方法を使用して(例えば、減圧下で、凍結乾燥により、または濾過により)前記溶媒または前記媒体を除去することなどによる従来の手段で形成されてもよい。また、塩の形態の式Iの化合物の対イオンを別の対イオンと、例えば、適したイオン交換樹脂を使用して交換することにより、塩を製造してもよい。
【0029】
薬学的に許容される付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸などの鉱酸から;酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、アリールスルホン酸などの有機酸から;およびナトリウム、マグネシウム、または好ましくはカリウムおよびカルシウムなどの金属から誘導されるものが挙げられる。
【0030】
本明細書で定義される式Iの化合物の「薬理機能を有する誘導体」は、エステル誘導体および/またはいずれかの当該化合物と同じ生物学的機能および/または生物活性を有するまたは提供する誘導体を含む。従って、本発明の目的では、この用語は、式Iの化合物のプロドラッグも含む。
【0031】
式Iの当該化合物の「プロドラッグ」という用語は、経口投与後または非経口投与後にin vivoで代謝されて、その化合物を実験により検出可能な量で、かつ所定の時間内に(例えば、6〜24時間(即ち、1日1回〜4回)の投与間隔内に)生成する任意の化合物を含む。誤解を避けるため、「非経口」投与という用語は、経口投与以外の全ての投与形態を含む。
【0032】
式Iの化合物のプロドラッグは、このようなプロドラッグを哺乳動物対象に投与したときin vivoで修飾が切断されるように、化合物に存在する官能基を修飾することによって製造されてもよい。修飾は、典型的にはプロドラッグ置換基を有する親化合物を合成することによって達成される。プロドラッグには、式Iの化合物中のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基またはカルボニル基がいずれかの基に結合しているが、その基がin vivoで切断されてそれぞれ元の遊離ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基またはカルボニル基を生成し得る、式Iの化合物が含まれる。
【0033】
プロドラッグの例としては、ヒドロキシ官能基のエステルおよびカルバメート、カルボキシル官能基のエステル、N−アシル誘導体およびN−マンニッヒ塩基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば、Bundegaard, H. "Design of Prodrugs" p.I−92, Elsevier, New York-Oxford (1985)に記載されている。
【0034】
式Iの化合物、ならびにこのような化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物および薬理機能を有する誘導体は、簡潔にするために、以下では、まとめて「式Iの化合物」と称する。
【0035】
式Iの化合物は二重結合を含有し得、従って、それぞれ個々の二重結合に関してE(トランス型(entgegen))およびZ(シス型(zusammen))幾何異性体として存在し得る。このような異性体およびその混合物は全て本発明の範囲内に含まれる。
【0036】
式Iの化合物は位置異性体として存在し得、また互変異性を示し得る。互変異性形態およびその混合物は全て本発明の範囲内に含まれる。例えば、次の互変異性体が本発明の範囲内に含まれる。
【化2】

【0037】
式Iの化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有し、従って光学異性および/またはジアステレオ異性を示し得る。ジアステレオ異性体は、従来の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶を使用して分離されてもよい。様々な立体異性体は、化合物のラセミ混合物または他の混合物を従来の方法、例えば、分別結晶法またはHPLC法を使用して分離することにより単離されてもよい。或いは、所望の光学異性体は、適切な光学活性出発物質をラセミ化またはエピマー化を引き起こさない条件下で反応させること(即ち、「キラルプール」法)により、適切な出発物質を、後で適切な段階で除去できる「キラル補助剤」と反応させることにより、例えばホモキラル酸で誘導体化(即ち、動的分割を含む分割)した後、クロマトグラフィーなどの従来の手段でジアステレオマー誘導体を分離することにより、または適切なキラル試薬もしくはキラル触媒と反応させることにより(これらは全て当業者に既知の条件で行われる)、製造されてもよい。立体異性体およびその混合物は全て、本発明の範囲内に含まれる。
【0038】
他の記載がない限り、「アルキル」という用語は、(例えば、1個以上のハロゲン原子で)置換されていてもまたは置換されていなくてもよい、非分枝状または分枝状、環状、飽和または不飽和(従って、例えば、アルケニルまたはアルキニルとなる)ヒドロカルビル基を指す。「アルキル」という用語が非環式基を指す場合、それは好ましくはC1-10アルキル、より好ましくはC1-6アルキル(エチル、プロピル(例えば、n−プロピルまたはイソプロピル)、ブチル(例えば、分枝状または非分枝状ブチル)、ペンチル、またはより好ましくはメチルなど)である。「アルキル」という用語が環式基である場合(この場合、「シクロアルキル」基と明記してもよい)、それは、好ましくはC3-12シクロアルキル、より好ましくはC5-10(例えば、C5-7)シクロアルキルである。
【0039】
本明細書で使用する場合、アルキレンは、C1-10(例えば、C1-5)アルキレン、好ましくはC1-3アルキレン、例えば、ペンチレン、ブチレン(分枝状または非分枝状)、好ましくはプロピレン(n−プロピレンまたはイソプロピレン)、エチレン、または、より好ましくはメチレン(即ち、−CH2−)を指す。
【0040】
「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0041】
「アリール」という用語は、本明細書で使用する場合、C6-14(C6-13(例えば、C6-10)など)アリール基を含む。このような基は、単環式、二環式または三環式であってもよく、6〜14個の環炭素原子を有してもよく、その少なくとも1つの環は芳香環である。アリール基の結合点は、環系のどの原子であってもよい。しかし、アリール基が二環式または三環式である場合、それらは芳香環を介して分子の残りの部分に結合している。C6-14アリール基としては、フェニル、およびナフチル等、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルおよびフルオレニルが挙げられる。最も好ましいアリール基としてはフェニルが挙げられる。
【0042】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用する場合、好ましくはN、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子(例えば、1〜4個のヘテロ原子)を含有する芳香族基(従って、例えば、単環式、二環式、または三環式複素芳香族基となる)を指す。ヘテロアリール基としては、5〜14(例えば、10)員のものが挙げられ、単環式、二環式または三環式であってもよいが、ただし、環の少なくとも1つが芳香環であることを条件とする。しかし、ヘテロアリール基が二環式または三環式である場合、それらは芳香環を介して分子の残りの部分に結合している。複素環基としては、ベンゾチアジアゾリル(2,1,3−ベンゾチアジアゾリルを含む)、イソチオクロマニル、および、より好ましくは、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキソリル(1,3−ベンゾジオキソリルを含む)、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル(2,1,3−ベンゾキサジアゾリルを含む)、ベンゾキサジニル(3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジニルを含む)、ベンゾキサゾリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾセレナジアゾリル(2,1,3−ベンゾセレナジアゾリルを含む)、ベンゾチエニル、カルバゾリル、クロマニル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、 イミダゾ[1,2−a]ピリジル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアジオリル、イソキサゾリル、ナフチリジニル(1,6−ナフチリジニル、または好ましくは1,5−ナフチリジニルおよび1,8−ナフチリジニルを含む)、オキサジアゾリル(1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリルおよび1,3,4−オキサジアゾリルを含む)、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、プテリジニル、 プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルおよび5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニルを含む)、テトラヒドロキノリニル(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルおよび5,6,7,8−テトラヒドロキノリニルを含む)、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリルおよび1,3,4−チアジアゾリルを含む)、チアゾリル、チオクロマニル、チオフェネチル、チエニル、およびトリアゾリル(1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルおよび1,3,4−トリアゾリルを含む)等を挙げることができる。ヘテロアリール基の置換基は、適宜、ヘテロ原子を含む環系の任意の原子上に位置してもよい。ヘテロアリール基の結合点は、(適宜)ヘテロ原子(窒素原子など)を含む環系の任意の原子であっても、または環系の一部として存在し得る任意の縮合炭素環上の原子であってもよい。ヘテロアリール基は、また、N−またはS−酸化形態であってもよい。特に好ましいヘテロアリール基としては、ピリジル、ピロリル、キノリニル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、インドリル、ピラジニル、インダゾリル、ピリミジニル、チオフェネチル、チオフェニル、ピラニル、カルバゾリル、アクリジニル、キノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、シノリニルおよびプテリジニル(pterdinyl)が挙げられる。特に好ましいヘテロアリール基としては、単環式ヘテロアリール基が挙げられる。
【0043】
誤解を避けるため、式Iの化合物中の2つ以上の置換基の識別が同じである場合、各置換基の実際の識別は決して相互依存しない。例えば、Dが任意選択により1つ以上のR6基で置換されている場合、それらのR6基は同じであっても、または異なっていてもよい。同様に、R6とR7が両方とも1つ以上のC1-6アルキル基で置換されたアリール基である場合、当該アルキル基は同じであってもまたは異なってもよい。さらに、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15a、R15b、R15cおよびR15dが独立してR16を表す場合、それらのR16基は同じであっても、または異なってもよい。
【0044】
誤解を避けるため、本明細書で「A1〜A5」などの用語を使用する場合、これは、A1、A2、A3、A4およびA5のいずれか(即ち、該当する場合、幾つかまたは全て)を包括的に意味するものと当業者に理解される。
【0045】
本明細書に記載の個々の特徴(例えば、好ましい特徴)は全て、本明細書に記載の他のいずれかの特徴(好ましい特徴を含む)と切り離してまたは組み合わせて考えられてもよい(従って、好ましい特徴は、他の好ましい特徴と共に、またはそれらと独立して考えられてもよい)。
【0046】
当業者には、本発明の化合物の特定の好ましい実施形態では、上記の条件(a)〜(c)の幾つかまたは全てが不要になる(例えば、A1〜A5を含有する環の少なくとも一方(または両方)および/または環Dが水素以外の置換基を有すると記載されている場合、上記の条件(a)〜(c)の全てが不要である)ことが分かるであろう。
【0047】
本発明の一実施形態では、式I(式中、AはC(=N−W−D)を表し、Wは−C(O)−[CRxyp−を表す)の化合物を提供する。
【0048】
本発明の別の実施形態では、式I(式中、AはC(=N−W−D)を表し、Wは−[CRxym−を表す)の化合物を提供する。
【0049】
本発明のさらに別の実施形態では、式I(式中、BはC(−NH−W−D)を表し、Wは−C(O)−[CRxyp−を表す)の化合物を提供する。
【0050】
本発明のさらに別の実施形態では、式I(式中、BはC(−NH−W−D)を表し、Wは−[CRxym−を表す)の化合物を提供する。
【0051】
式Iの好ましい化合物としては、A1〜A5の少なくとも1つが(C−H)ではなく、Dが1つ以上の−R6基で置換されているものが挙げられる。A1〜A5を含有する環または環DのどちらかがH以外の置換基で置換されていることが好ましい。
【0052】
本明細書で、A1〜A5の少なくとも1つが(C−H)ではない、または環DがH以外の置換基で置換されていると記載されている場合、
1〜A5の1つがNを表すか、または、好ましくはA1〜A5の1つがC(R1)、C(R2)、C(R3)、C(R4)もしくはC(R5)(適宜)を表し、式中、R1、R2、R3、R4もしくはR5の少なくとも1個がH以外の置換基を表す(即ち、R1〜R5置換基の少なくとも1つが、ハロゲン、−R7、−CF3、−CN、−NO2、−C(O)R7、−C(O)OR7、−C(O)−N(R7a)R7b、−N(R7a)R7b、−N(R73+、−SR7、−OR7、−NH(O)R7、−SO37、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が、任意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表すか、または、互いに隣接するR1〜R5のいずれか2つが本明細書で定義されるように結合している);または
環Dはピリジルもしくはピリミジニルを表すか、または、好ましくは環Dは1つ以上のR6基で置換されている
ことを意味する。
【0053】
式Iのより好ましい化合物としては、
1〜A5の1つがNを表すか、または、好ましくはA1〜A5の1つがC(R1)、C(R2)、C(R3)、C(R4)もしくはC(R5)(適宜)を表し、式中、R1、R2、R3、R4もしくはR5の少なくとも1つがH以外の置換基(例えば、本明細書で定義される置換基)を表し;
環Dがピリジルもしくはピリミジニルを表すか、または、好ましくは環Dが1つ以上のR6基で置換されたフェニルである
ものを挙げることができる。
【0054】
式Iの好ましい化合物としては、AがSを表すものを挙げることができる。
【0055】
式Iのより好ましい化合物としては、BがSを表すことができる。
【0056】
式Iの化合物としては、
各−[CRxy]−単位が独立して、
(a)RxおよびRyが独立してH、ハロゲン、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される単位;および
(b)RxとRyが結合して、それらが結合している炭素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲンまたはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されている単位;
から選択されてもよいが、
ただし、(b)から選択される単位が1個以下であることを条件とする;
(例えば、各−[CRxy]−単位が独立して、
(a)RxおよびRyが独立してH、ハロゲン、C1-3アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される(例えば、RxとRyの少なくとも1つがHである)単位;
(b)RxとRyが結合して、それらが結合している炭素原子と共に、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、または、特にシクロプロピルから選択される非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲンまたはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されている単位;
から選択されてもよいが、
ただし、(b)から選択される単位が1個以下であることを条件とする)
ものを挙げることができる。
【0057】
式Iの化合物としては、
xとRyが結合して、それらが結合している炭素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲンおよび/またはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されている
ものを挙げることができる。
【0058】
式Iの別の化合物としては、
xとRyが結合して、それらが結合している炭素原子と共に、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、または、特にシクロプロピル環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲンおよび/またはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている、または、より好ましくは非置換である)から選択される1つ以上の置換基で置換されている
ものを挙げることができる。
【0059】
式Iの別の化合物としては、
1つの−[CRxy]−単位が、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲンまたはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されており、他の−[CRxy]−単位が存在する場合、その追加のRx基とRy基が独立して、H、ハロゲン、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)またはアリール(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される
ものを挙げることができる。
【0060】
式Iの別の化合物としては、
1つの−[CRxy]−単位が結合して、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはより好ましくはシクロプロピル環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲンまたはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されているか、またはより好ましくは非置換である)から選択される1つ以上の置換基で置換されており、他の−[CRxy]−単位が存在する場合、その追加のRx基とRy基が独立して、フェニル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)または、より好ましくはH、ハロゲン、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される
ものを挙げることができる。
【0061】
上記の−[CRxy]−に関する選択は、特に、当該単位が置換基Xの一部である化合物に関して適用される。
【0062】
式Iの化合物としては、
xとRyが独立してフェニル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)または、より好ましくはH、ハロゲン、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される
ものを挙げることができる。
【0063】
式Iの別の化合物としては、
Qが−S−、好ましくは−N(CH3)−、−O−または、より好ましくは結合を表す
ものを挙げることができる。
【0064】
式Iの化合物としては、
Xが−Q−[CRxyn−を表す場合、−[CRxyn−部分は、好ましくは−CRxy−(例えば、−CH2−、−C(−CH2CH2−)−、即ち、−C(シクロプロピル)−、もしくは−C(H)(アリール)−)または−[CRxy2−(例えば、−CH2CH2−)を表し;
nが1を表す場合、RxとRyが独立してC1-6(例えば、C1-3)アルキル、または好ましくはハロゲンもしくはアリール(例えば、任意選択により1個以上のハロゲン(例えば、塩素)原子で置換されたフェニル;従って、例えば、クロロフェニル基となる)を表すか、またはRxとRyが一緒に結合して、3〜6員の非芳香族炭素環式スピロ環(好ましくは、シクロプロピル)を形成し、この環は好ましくは非置換であり;
xとRyが両方とも、同じ炭素原子に結合している場合、好ましくは任意選択により置換されたアリールを表さず;
nが2を表す場合、RxとRyは独立してC1-6(例えば、C1-3)アルキル、または好ましくは水素を表し;
例えば、Qが結合を表す場合、nは1または2を表す
ものを挙げることができる。
【0065】
Xが表し得る最も好ましい基としては、−CH2−、−CH2CH2−、−O−CH2CH2−、−N(CH3)−CH2CH2−、−S−CH2CH2−、1,1−シクロプロピルおよび−C(H)(4−クロロフェニル)−が挙げられる(即ち、Xが直接結合ではなく、少なくとも1個の結合原子を含有する基を表すことが好ましい)。
【0066】
式Iの化合物としては、
mおよびpが独立して0または1を表し;
Wが−[CRxym−または−[CRxyp−を表す場合、RxおよびRyは独立してC1-6アルキル、または好ましくは水素を表し;
Wが直接結合(即ち、mが0を表す)、−CH2−、−C(O)−(即ち、pが0を表す)または−C(O)CH2−を表す
ものを挙げることができる。
【0067】
1〜A5を含有する環は、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジルまたは6−ピリジル)であってもよいが、好ましくはフェニルである。Dは、好ましくはピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジルまたは6−ピリジル)、または、より好ましくはフェニルである。各環は、非置換であっても、または本明細書で定義される1つまたは2つの置換基で(適宜、R1〜R6で)置換されていてもよい。本明細書に記載のように、本発明の好ましい実施形態では、これらの環の1つは、本明細書で定義されるように、H以外の少なくとも1つの置換基で(適宜、R1〜R6で)置換されている。
【0068】
式Iの最も好ましい化合物としては、
1〜A5がそれぞれC(R1)、C(R2)、C(R3)、C(R4)およびC(R5)を表し;
Dが、任意選択により1つ以上のR6基で置換されたフェニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し;
xとRyが、本明細書で使用するときいずれの場合も、独立してフッ素、好ましくは、H、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のフッ素原子で置換されている)、アリール(任意選択により1個以上のハロゲン(例えば、塩素)原子で置換されている)から選択されるか、またはRxとRyが結合して、それらが結合している炭素原子と共に、3〜8員の非芳香環(例えば、3〜6員環)を形成し、この環自体が、任意選択によりフッ素および/またはC1-6(例えば、C1-3(C1-2など))アルキル(任意選択により1個以上のフッ素原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されているが、この3〜8員環(例えば、3〜6員環)は、好ましくは非置換(例えば、非置換シクロプロピル)であり;
1〜R5が、独立して−CN、−N(R7a)R7b、−N(R73+、−SR7、または、好ましくは、H、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)、−R7、−CF3、−C(O)−N(R7a)R7b、−OR7またはヘテロアリール(例えば、好ましくは1〜3個のヘテロ原子(好ましくは、窒素ヘテロ原子)を含有する5員または6員のヘテロアリール基、このヘテロアリール基は、任意選択によりR16、および好ましくはハロゲン(例えば、塩素)から選択される1つ以上の基で置換されている)を表し;
6が、明細書で使用するときいずれの場合も、独立して−NO2、−NR910、−SR11、または好ましくはシアノ、ハロゲン、−R8または−OR8を表し;
7が、本明細書で使用するときいずれの場合も、H、および任意選択により1個以上のフッ素原子で置換されたC1-6(例えば、C1-3)アルキル(例えば、メチル)(従って、例えば、−CHF2基、または好ましくは−CF3基となる)から選択され;
7aおよびR7bが、独立して、H、および任意選択により1個以上のフッ素原子で置換されたC1-6(例えば、C1-3)アルキル(例えば、メチル)(従って、例えば、−CHF2基、または好ましくは−CF3基となる)から選択されるか;または、R7aとR7bが、任意選択により結合して、それらが結合している窒素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子(好ましくはNヘテロ原子)を含有する3〜6員の芳香環もしくは非芳香環(好ましくは5員または6員の芳香環)を形成し、この環自体が、任意選択によりフッ素、−R7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
a、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15a、R15b、R15cおよびR15dが、本明細書で使用するときいずれの場合も、独立してHまたはR16を表し(しかし、RaおよびR8は、より好ましくはR16を表し);
16が、本明細書で使用するときいずれの場合も、任意選択により1つ以上のフッ素原子で置換されたC1-6(C1-3)アルキル(従って、例えば−CHF2、または好ましくは−CF3基となる)を表す
ものが挙げられる。
【0069】
式Iの別の化合物としては、
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、ハロゲン、−R7、−CF3、−CN、−C(O)R7、−C(O)OR7、−C(O)−N(R7a)R7b、−N(R73+、−SR7、−OR7もしくは−NH(O)R7を表すか、または互いに隣接するR1〜R5のいずれか2つが任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されている
ものを挙げることができる。
【0070】
式Iの別の化合物としては、
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、ヘテロアリール、−OR7、ハロゲン、−CF3、−CN、−C(O)R7、−C(O)−N(R7a)R7b、−C(O)OR7、−N(R73+もしくは−NH(O)R7を表すか、または互いに隣接するR1〜R5のいずれか2つが、任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニルまたはテトラヒドロキノリニルから選択される3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成する
ものを挙げることができる。
【0071】
式Iの別の化合物としては、
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、ヘテロアリール、−OR7、ハロゲン、−CF3、−CN、−C(O)R7、−C(O)OR7、−C(O)−N(R7a)R7b、−N(R73+または−NH(O)R7を表す
ものを挙げることができる。
【0072】
式Iのさらに別の化合物としては、
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、4H−[1,2,4]−トリアゾリル、−OR7(例えば、−OCH3、またはより好ましくは、−OCHF2もしくは−OCF3)、またはより好ましくは、−Cl、−F、−CF3、−CNもしくは−C(O)−N(R7a)R7bを表す
ものを挙げることができる。
【0073】
式Iのさらに別の化合物としては、
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、−OR7、またはより好ましくは、−Cl、−F、−CF3、−CNもしくは−C(O)−N(R7a)R7bを表す
ものを挙げることができる。
【0074】
式Iの化合物としては、
6が、独立して−C(O)NR15a15b、または、より好ましくはシアノ、−NO2、−Br、−Cl、−F、−R8、−OR8、−NR910、−SR11、−C(O)OR13、−C(O)R14、−S(O)2NR15c15d、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が任意選択によりかつ独立して、ハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表すか、または、互いに隣接するいずれか2つのR6基が任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリンもしくはテトラヒドロイソキノリンを形成し、そのキノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリンもしくはテトラヒドロイソキノリン部分の追加の環系自体が任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されている
ものを挙げることができる。
【0075】
式Iの別の化合物としては、
6が、独立して−C(O)NR15a15b、またはより好ましくは−R8、またはさらにより好ましくは、シアノ、−NO2、−Br、−Cl、−F、−OR8、−NR910、−SR11、−C(O)OR13、−C(O)R14、−S(O)2NR15c15d、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が任意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表す
ものを挙げることができる。
【0076】
式Iのさらに別の化合物としては、
6が、独立して−C(O)NR15a15b、−R8、またはより好ましくは、−CN、−NO2、−Br、−Cl、−F、−OR8、−NR910、−SR11、−C(O)OR13もしくは−C(O)R14を表す
ものを挙げることができる。
【0077】
式Iのさらに別の化合物としては、
6が、独立して−R8、またはより好ましくは−CN、−OCF3、−NO2、−Br、−Cl、−F、−OR8、−NR910もしくは−SR11を表す
ものを挙げることができる。
【0078】
式Iのさらに別の化合物としては、
6が、独立して−CN、−CF3、−OCF3、−F、または最も好ましくは−Clを表す
ものを挙げることができる。
【0079】
式Iの化合物としては、
nが2、またはより好ましくは1を表す
ものを挙げることができる。
【0080】
式Iの別の化合物としては、
mが1、またはより好ましくは0を表し;
pが1、またはより好ましくは0を表す
ものを挙げることができる。
【0081】
式Iの別の化合物としては、
5がN、またはより好ましくはC(Cl)もしくはC(H)を表す
ものを挙げることができる。
【0082】
式Iの別の化合物としては、
1およびA3が、独立してN、またはより好ましくはC(H)を表す
ものを挙げることができる。
【0083】
式Iの別の化合物としては、
2がC(R2)を表し;
1およびA3〜A5が、独立してC(H)またはNを表す
ものを挙げることができる。
【0084】
式Iのさらに別の化合物としては、
2がC(R2)を表し;
2が−CF3を表し;
1およびA3〜A5が、独立してC(H)を表す
ものを挙げることができる。
【0085】
式Iの別の化合物としては、
5がC(R5)を表し;
1〜A4が、独立してC(H)またはNを表す
ものを挙げることができる。
【0086】
式Iのさらに別の化合物としては、
5がC(R5)を表し;
5が−Clを表し;
1〜A4が、独立してC(H)を表す
ものを挙げることができる。
【0087】
式Iの化合物としては、
Dが(o−、p−)ジクロロフェニルを表す
ものを挙げることができる。
【0088】
式Iの化合物としては、
Dがp−クロロフェニルを表す
ものを挙げることができる。
【0089】
式Iのより好ましい化合物としては、後述の実施例のものが挙げられる。
【0090】
式Iの好ましい化合物としては、
i)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
ii) 5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(4−メトキシフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
iii)4−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
iv)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
v)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
vi)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[フェニルメチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
vii)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−フェネチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
viii)4−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
ix)4−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
x)3−[[(5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル]メチル]−N−メチルベンズアミド;
xi)5−[(6−クロロ−3−ピリジル)イミノ]−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xii)4−[[4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]アミノ]ベンゾニトリル;
xiii)4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xiv)4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xv)3−[5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル]メチル]ベンゾニトリル;
xvi)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xvii)4−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−5−(4−クロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xviii)5−[(4−クロロフェニル)メチルイミノ]−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xix)4−フルオロ−N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xx)2−(4−フルオロフェニル)−N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]アセトアミド;
xxi)4−クロロ−N−[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxii)4−クロロ−N−(2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxiii)4−クロロ−N−[2−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxiv)4−クロロ−N−[2−[2−(フェノキシ)エチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxv)4−クロロ−N−[2−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxvi)4−クロロ−N−[2−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxvii)3,4−ジクロロ−N−[2−[1−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxviii)3,4−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxix)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
xxx)2,6−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxi)2,4−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxii)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)−ベンズアミド;
xxxiii) N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンズアミド;
xxxiv)3,4−ジフルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxv)2−クロロ−6−フルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxvi)3,5−ジフルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxvii)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−(2−フェノキシエチル)−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xxxviii)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(2−フェノキシエチル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xxxix)4−ベンズヒドリル−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xl)4−クロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド;
xli)4−クロロ−N−[4−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド;
xlii)4−クロロ−N−[3−オキソ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−ベンズアミド;
xliii)N−[4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−4−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド;
xliv) N−[4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
xlv)N−[4−[(3,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド;
xlvi)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(4−メトキシベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xlvii)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xlviii)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(3,4−ジフルオロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xlix)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(3−フルオロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
l)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(ベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
li)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−フェネチル−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
lii)2−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−5−[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
liii)2−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−5−[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
liv)3−[[5−[(4−クロロフェニル)アミノ]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−2−イル]メチル]−N−メチル−ベンズアミド;
lv)5−[(6−クロロ−3−ピリジル)アミノ]−2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lvi)2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lvii)2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lviii)5−[(4−クロロフェニル)アミノ]−2−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lix)5−[(3,4−ジクロロフェニル)メチルアミノ]−2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lx)3,4−ジクロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド;
lxi)2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxii)2−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxiii)2−[(3−フルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxiv)2−[フェニルエチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxv)2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
Ixvi) 2−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxvii)2−[(3−フルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
Ixviii)2−[フェニルエチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;および
lxix)4−[[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]アミノ]ベンゾニトリル
が挙げられる。
【0091】
化合物の名称は、市販のソフトウェアパッケージAutonom(MDL Information Systemsによって販売されているSymyx Draw 2.1(登録商標)オフィススイートで使用されるアドオンとして提供される命名法ソフトウェアのブランド)を使用して得られた。
【0092】
本明細書全体を通して、構造は化学名と共に表されることもあれば、化学名と共に表されないこともある。命名法に関して疑問が生じた場合、構造が優先する。化合物が互変異性体として存在し得る場合、記載された構造は、存在し得る互変異性体の形態の1つを表し、観察される実際の互変異性体の形態は、溶媒、温度またはpHなどの環境要因によって変わり得る。
【0093】
式Iの化合物は、例えば後述のように、当業者に周知の方法に従って製造されてもよい。
【0094】
本発明の別の実施形態により、以下を含む式Iの化合物の製造方法を提供する。
(i)式I(式中、AはSを表す)の化合物では、式IIa、
【化3】

(式中、A1〜A5、X、WおよびDは前記定義の通りである)の化合物を、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Castro et al.(Bioorganic. Med. Chem. 2008, 16, 495−510) もしくはKaugars et al.(J. Org. Chem. 1979, 44 (22), 3840−3843)に記載のように、適した臭素源(例えば、N−ブロモスクシンイミドまたは臭素)および適した溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル)の存在下、適温(例えば、−10℃〜80℃)で、または、Castro et al.(ibid)、Cho et al. (J. Heterocyclic Chem. 1991, 28, 1645−1649)およびEncinas et al.(Eur. J. Org. Chem. 2007, 5603−5608)に記載のように、適した塩基(例えば、水酸化ナトリウム)の存在下、適した溶媒(例えば、過酸化水素含有水(例えば、30%H22水溶液))中、適温(例えば、−10℃〜100℃)で環化する工程;
(ii)式I(AはSを表し、Wは−[CRxym−を表し、mは1または2を表す)の化合物では、式III、
【化4】

(式中、A1〜A5およびXは前記定義の通りである)の化合物を式IV、
2−W1−D IV
(式中、L2はハロゲン(例えば、塩素)などの適した脱離基を表し、W1は−[CRxym−(式中、mは1を表す)を表し、Dは前記定義の通りである)の化合物と、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Hurst, D. T.; Stacey, A.D., Nethercleft, M., Rahim, A., Harnden, M.R. Aust. J. Chem. 1998, 41, 1221に記載のように、例えば、適した塩基(例えば、NaH、NaOH、トリエチルアミン、ピリジン、工程段階で記載の別の適した塩基またはこれらの混合物)および溶媒(例えば、ピリジン(塩基および溶媒の役割をし得る)、DMFまたはジクロロメタンの存在下(例えば、さらに、水および、任意選択により、相間移動触媒の存在下))、例えば室温で反応させる工程;
(iii)式Iの化合物(式中、AはSを表し、Wは−[CRxym−を表し、mは0を表す)では、前記で定義した式IIIの化合物を式V、
3−D V
(式中、L3は適した脱離基(例えば、ハロゲン)であり、Dは前記定義の通りである)の化合物と、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Harwig et al. J. Am. Chem. Soc. (1994), 116, 5969−5970、Buchwald et al. J. Am. Chem. Soc. (1994), 116, 7901−7902およびBuchwald et al. Org. Process Res. Dev. (2006) 10 (4), 762−769に記載のように、例えば、適した塩基(例えば、トリブチルスズアミンまたはシクロヘキシルアミンおよびリチウムビス(トリメチルシリル)アミド)、適した触媒(例えば、PdCl2(P(o−トルイル)32)、適した溶媒(例えば、トルエン)の存在下、適温(例えば、室温〜105℃)で反応させる工程;
(iv)式I(式中、AはSを表し、Wは−C(O)−[CRxyp−を表す)の化合物では、前記で定義した式IIIの化合物を、式VI、
4−W2−D VI
(式中、L4は適した脱離基(例えば、ハロゲン)または−OHであり、W2は−C(O)−[CRxyp−を表し、Dは前記定義の通りである)の化合物と反応させる工程であって、L4が適した脱離基を表す場合、当業者に既知の反応条件で、例えば、適切な溶媒(例えば、トルエン、キシレン、DCM、クロロホルム)中、任意選択により塩基(例えば、ピリジン、Hunig塩基、トリエチルアミン)の存在下、低温〜高温(例えば、0℃〜140℃)で、または、L4がOHを表す場合、標準的なカップリング反応条件下で、例えば、適したカップリング試薬(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド(または、その塩酸塩)、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウム(phosponium)ヘキサフルオロホスフェート、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロカーボネートまたは1−シクロヘキシルカルボジイミド−3−プロピルオキシメチルポリスチレン)の存在下、任意選択により適した塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリジノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、水酸化ナトリウム、N−エチルジイソプロピルアミン、N−(メチルポリスチレン)−4−(メチルアミノ)ピリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)−アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジンまたはこれらの混合物)および適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミド)の存在下、低温〜高温(例えば、0℃〜140℃)で反応させる工程;
(v)式I(式中、AはSを表し、Qは結合であり、かつnは0、1もしくは2であるか、またはQは−O−もしくは−S−であり、かつnは1もしくは2である)の化合物では、式VII、
【化5】

(式中、WおよびDは前記定義の通りである)の化合物を、式VIII、
【化6】

(式中、A1〜A5、RxおよびRyは前記定義の通りであり、L5は適した脱離基(例えば、臭素、塩素、ヨウ素)であり、Qは結合であり、かつnは0、1もしくは2であるか、または、Qは−O−もしくは−S−であり、かつnは1もしくは2である)の化合物と、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Hurst, D.T.; Stacey, A.D., Nethercleft, M., Rahim, A., Harnden, M.R. Aust. J. Chem. 1998, 41, 1221に記載のように、例えば、適した塩基(例えば、NaH、NaOH、トリエチルアミン、ピリジン)および溶媒(例えば、ピリジン(これは塩基と溶媒の役割をし得る)、DMFまたはジクロロメタン(例えば、さらに水、および任意選択により相間移動触媒の存在下))の存在下、例えば室温で反応させる工程;
(vi)式I(式中、ASを表し、Wは−[CRxCRym−を表す)の化合物では、式IX、
【化7】

(式中、L6は適した脱離基(例えば、ハロゲン)を表し、A1〜A5およびXは前記定義の通りである)の化合物を、式X、
2N−W−D X
(式中、WおよびD1〜D5は前記定義の通りである)の化合物と、例えば、Keilen et al(Acta Chemica Scandinavica 1988, B 42, 363−366)により記載されているものなどの当業者に既知の反応条件下で、例えば、適した溶媒(例えば、クロロホルム、塩化メチレン)中、適した塩基(例えば、Hunig塩基、トリエチルアミン)の存在下、適温(例えば、室温〜150℃(100℃未満など))で反応させる工程;および
(vii)式I(式中、BはSを表す)の化合物では、式IIa、
【化8】

の化合物を環化する工程。
【0095】
式IIaの化合物は、式XI、
【化9】

(式中、A1〜A5およびXは前記定義の通りである)の化合物を、式XII、
【化10】

(式中、WおよびD1〜D5は前記定義の通りである)の化合物と、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Castro et al.(Bioorganic. Med. Chem. 2008, 16, 495−510)またはKaugars et al. (J. Org. Chem. 1979, 44 (22), 3840−3843)に記載のように、例えば、適した溶媒(例えば、アセトン、ジメチルホルムアミド、または20%ジメチルホルムアミド/アセトニトリル)中、適温(例えば、−10℃〜50℃)で、塩基の非存在下で反応させることによって製造されてもよい。或いは、式Iの化合物は、このようにして生成される生成物を、前述(例えば、上記の工程段階(i))のものなどの反応条件下で直接処理することによって直接生成されてもよい。
【0096】
式IIbの化合物は、前述の式XIの化合物を式XIIの化合物と、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Castro et al. (Bioorganic. Med. Chem. 2008, 16, 495−510)またはKaugars et al. (J. Org. Chem. 1979, 44 (22), 3840−3843)に記載のように、例えば、適した溶媒(例えば、アセトン、ジメチルホルムアミド)中、適温(例えば、−10℃〜50℃)で、適した塩基(例えば、n−ブチルリチウム)の存在下で反応させることによって製造されてもよい。或いは、式Iの化合物は、このようにして生成される生成物を、前述(例えば、上記の工程段階(vii))のものなどの反応条件下で直接処理することによって直接生成されてもよい。
【0097】
或いは、式IIbの化合物は、Castro et al (Bioorganic. Med. Chem. 2008, 16, 495−510)によって記載されているように、N−(3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン)アミド誘導体の選択的N−アルキル化によって生成されてもよい。
【0098】
式IXの化合物は、式IIIの化合物をNaNO2および適したハロゲン源(例えば、塩酸)と、例えば、Foroumadi et al. (1999) Arzneim. Forsch. 49, 1035−1038またはForoumadi et al. (2005) Arch. Pharm. Chem. Life Sci. 338, 112−116に記載のものなどの当業者に既知の反応条件下で、例えば、適した金属(例えば、銅粉末)の存在下で反応させることによって製造されてもよい。
【0099】
式XIの化合物は、Xu et al. (Tetrahedron Lett. 1998, 39, 1107−1110)およびKatritsky et al. (ARKIVOC (Archive for Organic Chemistry) 2003 (viii) 8−14)に記載の方法と同様に製造されてもよい。
【0100】
式XII(式中、Wは−C(O)−を表す)の化合物では、式XIII、
【化11】

(式中、D1〜D5は前記定義の通りである)の化合物、または対応するハロゲン化アシル(例えば、塩化アシル)、またはその誘導体を、チオシアン酸塩(例えば、アルカリ金属チオシアン酸塩(チオシアン酸カリウムなど))と、当業者に既知の反応条件下で、例えば、Cho et al, J. Heterocyclic Chem. 1991, 28, 1645−1649)に記載のように、適した溶媒(アセトンなど)の存在下で反応させる。
【0101】
式III、IV、V、VI、VII、VIII、XおよびXIIIの化合物は、市販されているか、文献で知られているか、または本明細書に記載の方法(または、本明細書に記載の参考文献に記載の方法)と同様に、もしくは従来の合成手順で、標準的な方法により、入手可能な出発物質から適切な試薬および反応条件を使用して得ることができる。
【0102】
式Iの最終化合物(またはその前駆体および他の当該中間体)中のR2、R3およびR4などの置換基は、前述の工程の後または工程中に1回以上、当業者に周知の方法で修飾されてもよい。このような方法の例としては、置換、還元(例えば、LiBH4またはNaBH4などの適したおよび必要に応じて化学選択的な還元剤の存在下におけるカルボニル結合の還元)、酸化、アルキル化、アシル化、加水分解、エステル化、およびエーテル化が挙げられる。反応手順の任意の時点で、前駆体基をこのような異なる基に、または式Iで定義した基に変化させることができる。
【0103】
従来の方法を使用して、式Iの化合物を反応混合物から単離してもよい。
【0104】
当業者には、前述および後述の方法では、中間化合物の官能基を保護基で保護する必要がある可能性があることが分かるであろう。
【0105】
前述のスキーム中の反応の前または後に、官能基の保護および脱保護を行ってもよい。
【0106】
当業者に周知の方法により、および後述のように保護基を除去してもよい。例えば、本明細書に記載の保護された化合物/中間体を、標準的な脱保護法を使用して保護されていない化合物に化学的に変換してもよい。
【0107】
関与する化学の種類によって、保護基の必要性および種類、ならびに合成を達成する手順が決まることになる。
【0108】
保護基の使用については、"Protective Groups in Organic Chemistry", edited by J W F McOmie, Plenum Press (1973)、および"Protective Groups in Organic Synthesis", 3rd edition, T.W. Greene & P.G.M. Wutz, Wiley-lnterscience (1999)に詳細に記載されている。
【0109】
本明細書で使用する場合、「官能基」という用語は、保護されていない官能基の場合、ヒドロキシ官能基、チオキソ(thiolo-)官能基、アミノ官能基、カルボン酸を意味し、保護された官能基の場合、低級アルコキシ、N−アセチル、O−アセチル、S−アセチル、カルボン酸エステルを意味する。
【0110】
医療用途および薬学的用途
式Iの化合物は、医薬として適応される。本発明の別の実施形態により、医薬として使用される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を提供する。
【0111】
有利には、式Iの化合物はAMPKアゴニストとなり得る、即ち、それらはAMPKを活性化し得る。「AMPKを活性化する」とは、AMPK−αサブユニットのThr−172部分のリン酸化の定常状態レベルが、アゴニストの非存在下におけるリン酸化の定常状態レベルと比較して上昇することを意味する。代わりに、またはそのうえ、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)などのAMPKの下流にある任意のタンパク質のリン酸化の定常状態レベルが比較的高いことを意味する。
【0112】
式Iの化合物がAMPK活性化剤となり得る場合、それらは、従って、本明細書に記載のものなどの疾患、とりわけ癌の治療に有用となり得る。
【0113】
式Iの化合物は、ヒト乳癌細胞株(例えば、MDA−MB−231)を使用するアッセイで試験した場合、細胞増殖の速度を低下させ得る。化合物は、従って、この種の腫瘍、および一般に癌の生存能力に対して有益な抑制作用を有し得る。式Iの化合物はまた、p53状態に関係なく、MCF−7、PC−3、ジャーカット(Jurkat)、SK−OV−3、HL60、MV4−11、HT−29、K562、MDA−MB−231、HCT116wt、A−549、DU−145、LOVO、HCT−116およびPANC−1など(しかし、これらに限定されるものではない)の、他の癌細胞株(例えば、任意のp53突然変異体またはp53ヌル細胞株)で試験した場合、細胞増殖の速度を低下させ得る。
【0114】
式Iの化合物は、従って、細胞増殖の抑制に適応される。式Iの化合物は、従って癌の治療に適応される。
【0115】
本発明の別の実施形態により、癌治療用の医薬品を製造するための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体の使用を提供する。
【0116】
式Iの化合物は、原発癌と転移癌の両方の治療に有用となり得る。
【0117】
「癌」という用語は、当業者には、制御不能の細胞分裂およびこれらの細胞が他の組織に侵入する能力、侵入、増殖による隣接組織への直接浸潤、または転移による遠隔部位への着床を特徴とする障害の種類の1つ以上の疾患を含むものと理解されるであろう。
【0118】
好ましい実施形態では、式Iの化合物は、癌細胞の増殖を抑制することができる。「増殖」とは、癌細胞の数および/またはサイズの増大を含む。
【0119】
代わりに、または好ましくはそのうえ、式Iの化合物は癌細胞の転移を抑制することができる。
【0120】

「転移」とは、癌細胞が対象の体内の原発腫瘍部位から対象の体内の他の1つ以上の領域(ここで、細胞はその後、二次性腫瘍を形成し得る)に移動または移行すること(例えば、侵襲性(invasiveness))を意味する。従って、一実施形態では、本発明は、担癌対象の二次性腫瘍の形成を、全部または一部抑制する化合物および方法を提供する。当業者には、「転移」に対する式Iの化合物の作用は、このような化合物が癌細胞の増殖に対して有し得るまたは有し得ないどのような作用とも異なることが分かるであろう。
【0121】
有利には、式Iの化合物は、癌細胞の増殖および/または転移を選択的に抑制できる可能性がある。
【0122】
「選択的に」とは、併用製品(combination product)が非癌細胞の機能(例えば、増殖)を調節する以上に、癌細胞の増殖および/または転移を抑制することを意味する。好ましくは、化合物は、癌細胞の増殖および/または転移のみを抑制する。
【0123】
式Iの化合物は、あらゆる腫瘍(非固形腫瘍、および好ましくは固形腫瘍、例えば、器官に関係なく、癌、腺腫、腺癌、血液癌など)を含む、どのような種類の癌の治療にも適している可能性がある。例えば、癌細胞は、乳房、胆管、脳、結腸、胃、生殖器、甲状腺、造血系、肺および気道、皮膚、胆嚢、肝臓、鼻咽頭、神経細胞、腎臓、前立腺、リンパ腺ならびに胃腸管の癌細胞からなる群から選択され得る。好ましくは、癌は大腸癌(結腸直腸腺腫を含む)、乳癌(例えば、閉経後乳癌)、子宮体癌、造血系の癌(例えば、白血病、リンパ腫など)、甲状腺癌、腎臓癌、食道腺癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、胆嚢癌、肝臓癌、および子宮頸癌からなる群から選択される。さらに好ましくは、癌は、大腸癌、前立腺癌、および特に乳癌からなる群から選択される。癌が非固形腫瘍である場合、それは、好ましくは、白血病(例えば、急性骨髄性白血病 (AML)、慢性骨髄性白血病 (CML)、急性リンパ性白血病 (ALL)、慢性リンパ性白血病 (CLL))などの造血器腫瘍である。
【0124】
好ましくは、癌細胞は乳癌細胞である。
【0125】
本発明の別の実施形態により、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を有効量投与することを含む、癌の治療方法を提供する。
【0126】
式Iの化合物はまた、AMPKの活性化により寛解する障害または症状の治療に有用となり得る。
【0127】
式Iの化合物は、癌によって起こる副作用(例えば、悪質液)の治療に使用するのに適している可能性がある。
【0128】
本発明の別の実施形態により、AMPKの活性化により寛解する障害または症状を治療する医薬を製造するための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体の使用を提供する。
【0129】
「AMPKの活性化により寛解する障害または症状」という用語は、当業者には、癌の他に、糖尿病、高インスリン血症およびそれに伴う症状、線維化が関与する症状/障害、性機能不全、骨粗鬆症、および神経変性疾患を含むものと理解されるであろう。
【0130】
従って、式Iの化合物はまた、高インスリン血症によって起こる、高インスリン血症に関連する、または高インスリン血症が一因となる障害または症状の治療に適応され得る。
【0131】
「高インスリン血症によって起こる、高インスリン血症に関連する、または高インスリン血症が一因となる障害または症状」または「高インスリン血症およびそれに伴う症状の治療」という用語は、当業者には、高インスリン血症およびそれに伴う症状、例えば、2型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、メタボリック・シンドローム、異脂肪血症、小児高インスリン血症、高コレステロール血症、高血圧、肥満、脂肪肝状態、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、脳血管症状(脳卒中など)、全身性エリトマトーデス、神経変性疾患(アルツハイマー病など)、および多嚢胞性卵巣症候群を含むものと理解されるであろう。他の疾患状態としては、慢性腎不全などの進行性腎疾患が挙げられる。好ましい障害としては、高インスリン血症、および特に2型糖尿病が挙げられる。
【0132】
式Iの特定の化合物はまた、部分的なアゴニスト活性を示すというさらなる利点を有し得、従って、インスリン産生の促進が必要な晩期2型糖尿病などの症状に有用となり得る。「アゴニスト活性」とは、直接および間接的に作用するアゴニストを含む。
【0133】
本発明の別の実施形態により、このような治療を必要とする患者に式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を有効量投与することを含む、AMPKの活性化により寛解する障害または症状の治療方法を提供する。有効量は、医師が決定することができ、以下に限定されるものではないが、疾患の段階、年齢、性別および病理組織学的所見を含む患者の臨床パラメータを評価することにより、特定の患者に対して決定されることになる。
【0134】
従って、式Iの化合物はまた、線維化が関与する症状/障害の治療にも有用となり得る。式Iの化合物はまた、性機能不全の治療(例えば、勃起不全の治療)にも有用となり得る。
【0135】
線維症が関与する症状/障害としては、瘢痕の治癒、ケロイド、強皮症、肺線維症(特発性肺線維症を含む)、腎原発性全身性線維症、および心血管線維症(心内膜心筋線維症を含む)、全身性硬化症、肝硬変、眼黄斑変性、網膜および硝子体網膜症、クローン病/炎症性腸疾患、術後瘢痕組織形成、放射線および化学療法薬によって誘発される線維症、ならびに心血管線維症が挙げられる(しかし、これらに限定されるものではない)。
【0136】
従って、式Iの化合物はまた、骨粗鬆症の治療にも有用となり得る。
【0137】
従って、式Iの化合物はまた、炎症の治療にも有用となり得る。
【0138】
従って、式Iの化合物はまた、性機能不全の治療にも有用となり得る。
【0139】
従って、式Iの化合物はまた、心不全の治療にも有用となり得る。
【0140】
従って、式Iの化合物はまた、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ポリグルタミン病(脊髄延髄筋萎縮症(SBMA)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、および多数の脊髄小脳失調症(SCA)など))の治療にも有用となり得る。
【0141】
誤解を避けるため、本発明に関して、「治療」、「療法」、および「治療方法」という用語は、必要とする患者の治療的処置または対症療法、ならびに当該疾患状態に罹りやすい患者の予防的処置および/または診断を含む。
【0142】
「患者」は、哺乳動物(ヒトを含む)患者を含む。
【0143】
「有効量」という用語は、治療を受ける患者に治療効果をもたらす(例えば、疾患の治療または予防に十分な)化合物の量を指す。この効果は、客観的(即ち、何らかの試験またはマーカーによって測定可能)であっても、または主観的(即ち、対象が効果を示すまたは感じる)であってもよい。
【0144】
本発明により式Iの化合物は単独で投与されてもよいが、好ましくは、化合物を薬学的に許容される剤形で含む医薬製剤の形態で、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮膚投与、皮下投与、経粘膜(例えば、舌下またはバッカル)投与、直腸投与、経皮投与、経鼻投与、経肺(例えば、経気管または経気管支)投与、局所投与、他の任意の非経口経路で投与される。好ましい投与方法としては、経口投与、静脈内投与、皮膚または皮下投与、経鼻投与、筋肉内投与、または腹腔内投与が挙げられる。
【0145】
式Iの化合物は、一般に、目的の投与経路および標準的な薬務を十分考慮して選択され得る薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合された医薬製剤として投与されるであろう。このような薬学的に許容される担体は、薬理活性化合物に対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害な副作用または毒性のないものとすることができる。適した医薬製剤は、例えば、Remington The Science and Practice of Pharmacy, 19th ed., Mack Printing Company, Easton, Pennsylvania (1995)に記載されている。非経口投与では、発熱性物質を含有せず、必要なpH、等張性、および安定性を有する非経口投与に許容される水溶液を使用してもよい。適した溶液は当業者に周知であり、多数の方法が文献に記載されている。また、薬物投与方法の簡単な総括は、例えば、Langer, Science 249, 1527 (1990)に記載されている。
【0146】
他に、適した製剤の製造は、常法を使用して、および/または、標準的なおよび/または一般に許容された薬務に従って、当業者により本発明の方法以外で達成されてもよい。
【0147】
本発明の別の態様は、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体と、薬学的に許容される製剤添加物(補助剤、賦形剤または担体など)を組み合わせて含む、医薬組成物を含む。
【0148】
製剤中の式Iの化合物の量は、治療する症状の重症度、および治療を受ける患者、ならびに使用する化合物によって決まることになるが、当業者により本発明以外の方法で決定されてもよい。
【0149】
式Iの化合物は、治療する障害、および治療を受ける患者、ならびに投与経路に応じて、様々な治療有効量で、それを必要とする患者に投与されてもよい。
【0150】
しかし、本発明に関して、哺乳動物、特にヒトに投与される用量は、妥当な時間枠で哺乳動物に治療反応を生じさせるのに十分でなければならない。当業者には、正確な用量および組成の選択ならびに最も適切な投与計画(delivery regimen)は、とりわけ、製剤の薬理学的特性、治療する症状の性質および重症度、および治療を受ける患者の体調および精神的明瞭性、ならびに特定の化合物の効力、治療を受ける患者の年齢、症状、体重、性別および反応、および疾患の段階/重症度に影響されることが分かるであろう。
【0151】
投与は、連続投与であってもまたは間欠投与(例えば、ボーラス注射による)であってもよい。用量は、また、投与のタイミングおよび頻度によって決定されてもよい。経口投与または非経口投与の場合、用量は、1日当たり式Iの化合物約0.01mg〜約1000mg(または、使用される場合、それに対応する量の薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ)の範囲であってもよい。
【0152】
いずれにしても、開業医または他の当業者は、個々の患者に最適となる実際の用量を慣例的に決定することができるであろう。前述の用量は、平均的な場合の典型例であり、もちろん、個々にそれより高用量または低用量の方が有利な場合もあり、このような用量も本発明の範囲に入る。
【0153】
式Iの化合物は、併用療法で、癌の治療に有用な他の1種類以上の薬物と併用または併用投与されてもよい。
【0154】
本発明の別の実施形態により、
(A)式Iの化合物;および
(B)癌の治療に有用な他の治療薬、
を含み、
成分(A)および(B)がそれぞれ、薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合して製剤化されている、
併用製品を提供する。
【0155】
癌の治療に有用な別の治療手段としては、医師に既知のものの中でもとりわけ、細胞増殖抑制剤、放射線療法および光線力学的治療法などの標準的な癌治療法が挙げられる。
【0156】
他の治療薬が細胞増殖抑制剤(タキサン(例えば、ドセタキセル、および特にパクリタキセル)または、好ましくはプラチン(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン)またはアントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン)など)または血管新生阻害剤、またはこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体であることが好ましい。しかし、他の治療薬はまた、以下、
(i)タモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(ii)アロマターゼ阻害剤 (即ち、末梢組織におけるアロマターゼ経路による副腎アンドロゲンからのエストロゲンの産生を阻止する化合物)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体。好ましいAIとしては、アナストロゾール、レトロゾール、およびエキセメスタン(exemastane)が挙げられる;
(iii)トラスツズマブ(Herceptin)、または癌の治療に有用な別の抗体(ベバシズマブ、セツキシマブまたはパニツムマブなど);
(iv)チロシンキナーゼ阻害剤(即ち、チロシン残基の自己リン酸化を、測定可能な程度、阻止し(または阻止することができ)、それによって腫瘍細胞内の細胞内シグナル伝達経路の活性化を防止する化合物)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体。好ましいTKIとしては、TKに属する血管内皮成長因子(VEGF)ファミリー、および/またはHERファミリー(HER−1/ヒト上皮成長因子(EGFR;erbB1)、HER3(erbB3)、HER4(erbB4)、および特にHER2(erbB2)など)の阻害剤が挙げられる。好ましいTKIとしては、例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、カネルチニブ、スニチニブ、ザクティマ、バタラニブ、ソラフェニブ、レフルノミド、および特にラパチニブが挙げられる;
(v)グリタゾン(トログリタゾン、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンなど)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(vi)ビグアナイド(フェンホルミン、ブホルミン、または最も好ましくはメトホルミンなど)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(vii)スタチン(フルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、および特にロバスタチンなど)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(viii)哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)の活性阻害剤(ラパマイシンなど)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(ix)オリゴマイシン(オリゴマイシンA、オリゴマイシンB、オリゴマイシンC、オリゴマイシンD(ルタマイシンA)、オリゴマイシンE、オリゴマイシンF、ルタマイシンB、44−ホモオリゴマイシンAおよび44−ホモオリゴマイシンBなど)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(x)AICAR(アミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチド)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xi)ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)アゴニスト(チアゾリジンジオンも含む)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xii)A−769662、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xiii)D942(5−(3−(4−(2−(4−フルオロフェニル)エトキシ)−フェニル)プロピル)フラン−2−カルボン酸)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xiv)AM251(CB1受容体アンタゴニスト)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xv)SIRT1活性化剤(レスベラトロールおよびSRT−1720(N−[2−[3−(ピペラジン−1−イルメチル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−6−イル]フェニル]キノキサリン−2−カルボキサミド)など)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;および/または
(xvi)サリドロシド、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
から選択されてもよい。
【0157】
「アゴニスト」とは、直接および間接的に作用するアゴニストを含む。
【0158】
前述の種類の化合物(v)〜(vii)を前述のように癌の治療に使用し得ることが、最近、文献(例えば、Mol. Cancer Ther, 5, 430 (2006), Cancer Res., 66, 10269 (2006) およびInt. J. Cancer, 118, 773 (2006)を参照)に示唆された。
【0159】
他の治療薬が(特に)上記の部類(i)または(ii)に入る場合、本発明の実施形態による併用製品は、ER陽性癌および/または初期乳癌の治療に、例えば、補助療法(即ち、手術後の癌の再発のリスクを低下させる)に、術前補助療法(腫瘍摘出術が可能となるように、手術前に大きい乳癌を退縮させる)に、初期治療後に再発した乳癌のコントロールに、または最初の診断時に切除不可能である乳癌のコントロールに、特に有用である。本発明の実施形態によるこのような併用製品は、また、乳癌のリスクが高い患者の治療にも特に有用である。
【0160】
他の治療薬が(特に)上記の部類(iii) または(iv)に入る場合、本発明の実施形態による併用製品は、HER2陽性癌の治療に特に有用である。
【0161】
上記の部類(i)、(ii)および(iv)〜(xvi)に記載の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体は、前述の通りである。特に、他の治療薬がタモキシフェンである場合、好ましい薬学的に許容される塩としてはクエン酸塩が挙げられ、他の治療薬がイマチニブである場合、好ましい薬学的に許容される塩としてはメタンスルホン酸塩が挙げられ、他の治療薬がスニチニブである場合、好ましい薬学的に許容される塩としてはマレイン酸塩が挙げられる。
【0162】
本明細書に記載の併用製品は、式Iの化合物と他の治療薬との併用投与を提供し、従って、それらの製剤の少なくとも1つが式Iの化合物を含み、少なくとも1つが他の治療薬を含む別々の製剤として提供されてもよく、または、配合剤として提供(即ち、製剤化)されてもよい(即ち、式Iの化合物と他の治療薬を含む単一の製剤として提供されてもよい)。
【0163】
従って、さらに、
(1)式Iの化合物;癌の治療に有用な他の治療薬;および薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体を含む医薬製剤;ならびに
(2)以下の成分、
(a)薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合された式Iの化合物を含む医薬製剤;および
(b)薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合された、癌の治療に有用な他の治療薬を含む医薬製剤、
を含み、これらの成分(a)および(b)がそれぞれ他方と併用投与されるのに適した形態で提供される、複数部分からなるキット、
を提供する。
【0164】
前述の複数部分からなるキットの成分(a)および(b)は、同時に投与されてもまたは順次投与されてもよい。
【0165】
本発明の別の実施形態により、前記で定義した複数部分からなるキットの製造方法を提供するが、本方法は、前記で定義した成分(a)を前記で定義した成分(b)と組み合わせて、このようにして2つの成分を互いに併用投与するのに適したものにすることを含む。
【0166】
2つの成分を互いに「組み合わせる」とは、複数部分からなるキットの成分(a)および(b)を、
(i)別々の製剤として(即ち、互いに独立して)提供し、併用療法で互いに併用するために、それらを後で合わせ得る;または
(ii)併用療法で互いに併用するために、「併用パック」の別々の成分として一緒に包装し、提供し得る;
ことを含む。
【0167】
従って、さらに、
(I)本明細書で定義した成分(a)および(b)の一方;ならびに
(II)その成分を2つの成分の他方と併用するための使用説明書、
を含む、複数部分からなるキットを提供する。
【0168】
本明細書に記載の複数部分からなるキットは、繰り返し投与するために、適切な量/用量の式Iの化合物を含む1種類以上の製剤、および/または適切な量/用量の他の治療薬を含む1種類以上の製剤を含んでもよい。1種類以上の製剤(どちらかの薬理活性化合物を含む)が存在する場合、このような製剤は、どちらかの化合物の用量、化学的組成および/または物理的形態に関して、同じであっても、または異なってもよい。
【0169】
本明細書に記載の複数部分からなるキットに関して、「併用投与」とは、式Iの化合物および他の治療薬を含む各製剤が、当該症状の治療期間中、順次、別々に、および/または同時に投与されることを含む。
【0170】
従って、本発明の実施形態による併用製品に関して、「併用投与」という用語は、当該症状の治療期間中、併用製品の2つの成分(式Iの化合物と他の治療薬)を一緒に、または時間的に十分近接して(任意選択により繰り返し)投与し、同じ治療期間中に式Iの化合物を含む製剤または他の治療薬を含む製剤のどちらかを他方の成分の非存在下で単独で(任意選択により繰り返し)投与する場合よりも大きい有益な効果を患者にもたらすことができるようにすることを含む。併用により、特定の症状に関して、および特定の症状の治療期間中に、より大きい有益な効果が得られるかどうかの判定は、治療または予防する症状によるが、当業者によって慣例的に達成されてもよい。
【0171】
さらに、本発明の実施形態による複数部分からなるキットに関して、「併用」という用語は、2種類の製剤の一方または他方が、他方の成分の投与前に、他方の成分の投与後に、および/または他方の成分の投与と同時に(任意選択により繰り返し)投与され得ることを含む。これに関して使用する場合、「同時投与」および「同時に投与」という用語は、式Iの化合物と他の治療薬の個々の用量が互いに48時間以内(例えば、24時間以内)に投与されることを含む。
【0172】
本明細書に記載の化合物/併用/方法/使用は、本明細書に記載の症状の治療において、それらが、これらの症状の治療に使用される従来技術で既知の類似の化合物、併用、方法(治療)、もしくは使用と比較して、または、さもなければ、例えば、国際出願WO2007/010273号明細書およびWO2007/010281号明細書に開示されている化合物と比較して、医師および/または患者に好都合である、有効性が高い、毒性が低い、選択性が高い、活性範囲が広い、強力である、副作用が少ない、または他の有用な薬理学的特性を有する可能性があるという利点を有し得る。
【0173】
さらに、このような利点は、式Iの化合物がAMPK活性化剤であることからもたらされる可能性がある(例えば、とりわけ、本明細書に記載の化合物は、比較的選択性が高く、副作用、例えば、胃腸の副作用が少ない可能性があると記載されている場合)。
【0174】
ここで、本発明の特定の態様を具体化する好ましい非限定例を、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】AMPKリン酸化に対する実施例1の化合物または実施例2cの化合物の作用を示す図である。血清非含有培地中でPC3細胞を24時間飢餓処理した後、実施例1の化合物または実施例2cの化合物0.3μM、0.6μM、1.2μMおよび2.5μMを添加し、さらに4時間インキュベートした。図は、実施例1の化合物または実施例2cの化合物によるAMPKリン酸化の典型的な免疫ブロットを示す。実施例1の化合物および実施例2cの化合物は、PC3細胞中のAMPKリン酸化を促進する。
【図2】全AMPKレベルと比較したAMPKリン酸化に対する、およびアセチル補酵素A(アセチル−CoA)カルボキシラーゼ・リン酸化(AMPKの基質)に対する実施例の選択された化合物の作用を示す図である。血清非含有培地中でPC3細胞を16時間飢餓処理した後、選択された化合物1μMおよび5μMを添加し、さらに4時間インキュベートした。図は、全AMPKレベル(Pan-AMPK)、および、AMPKレベルおよび実施例の選択された化合物によるアセチル−CoAカルボキシラーゼ・リン酸化の典型的な免疫ブロットを示す。実施例の選択された化合物は、PC3細胞中のAMPKリン酸化を促進し、アセチル−CoAカルボキシラーゼのリン酸化を誘導する。
【図3】図3は、実施例1および実施例2cの化合物がAMPKのPP2C−α1介在脱リン酸化を低減し得ることを示す図である。化合物をアッセイで2.5μM、5μMおよび10μMの濃度で(図に示す通り)試験した。
【発明を実施するための形態】
【0176】
以下の実施例で本発明を説明するが、実施例では以下の略語を使用することがある。
BrdU 5−ブロモ−2−デオキシウリジン
nBuLi N−ブチルリチウム
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ES エレクトロ・スプレー
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
LC 液体クロマトグラフィー
MeOH メタノール
MS 質量分析法
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
NMR 核磁気共鳴
THF テトラヒドロフラン
【0177】
製造経路が記載されていない場合、当該中間体は市販されている(例えば、Chemical Diversity, San Diego, CA,USAまたは他の利用可能な販売元から)。
【0178】
一般的手順
LC−MSは、ACE 3 C8カラム(30×3.0mm)を備えたSciex API 150 LC/ES−MSで1mL/分の流量を使用して行った。アセトニトリル/水(0.1%TFAを含有する)の2つの勾配系:A)10分未満で5〜100%、その後2分間100%定組成、またはB)2分未満で90〜100%、その後2分間100%定組成を溶離に使用する。また、直接注入ES−MSはBruker Esquire LC/ES−MSで行った。1H核磁気共鳴は、Bruker Avance DRX 400分光計で、400.01MHzで、残留溶媒を内部標準として使用して記録した。
【0179】
塩化ベンゾイルからベンゾイルイソチオシアネートを合成する一般的手順
塩化ベンゾイル(5mmol)およびトリブチルアミンブロマイド(0.15mmol)をトルエン(10mL)中で混合したものに、イソチオシアン酸カリウム(13mmol)の水(10mL)溶液を室温で添加した。この混合物を室温で18時間撹拌した。相を分離し、水相をトルエン(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、短いシリカ・ゲル・プラグでろ過し、蒸発させて、高純度のベンゾイルイソチオシアネート(1H NMRによる)を得た。この物質を、さらに精製することなく次の工程に使用する。
【実施例】
【0180】
実施例1
5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化12】

(i)1−[(3,4−ジクロロフェニル)カルバモチオイル]−1−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]尿素
窒素下で3−トリフルオロメチルベンジル尿素(218mg、1mmol)の無水THF(2mL)溶液にn−BuLi(ヘキサン中2.5M、0.4mL)を滴下した。この混合物を室温で30分間撹拌した後、3,4−ジクロロフェニルイソチオシアネート(204mg、1mmol)の無水THF(2mL)溶液を滴下した。5分後のHPLC分析から、期待の生成物に完全に反応したことが分かった。飽和NaHCO3(5mL)およびEt2O(15mL)を添加して、相を分離した。水相をEt2O(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。減圧濃縮し、黄色油状物412mgを得た。フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカ、20〜30%EtOAc/n−ヘキサン)で精製し、純粋な生成物(1H NMRによる)193mg(46%)を得た。
MS:m/z:422(M+H);純度(HPLC):95.2%;1H NMR(500MHz,クロロホルム−d)δ ppm 13.34(s,1H)7.81(s,1H)7.54−7.65(m,4H)7.47(s,2H)5.82(s,2H)5.02(br.s.,2H)
【0181】
(ii)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
臭素(EtOH0.5mL中16mg)を1−[(3,4−ジクロロフェニル)カルバモチオイル]−1−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]尿素(42mg、0.1mmol)のEtOH(0.5mL)溶液に0℃で滴下した。HPLC−MS分析から、30分間撹拌した後、生成物にほぼ完全に変換したことが分かった。反応を1.5時間後に完了させた。水(3mL)を添加し、得られた水相をEt2O(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮して、粗製物43.5mg(純度約90%)を得た。粗製物を分取HPLC(塩基性条件)(XTerra Prep MS C18 5mm 19x50mmカラム、流量25ml/分、50mM pH10 NH4HCO3/ACN、6分で5〜97%ACN、UV−シグナル(254nm)に基づいて画分を収集)で精製し、生成物21.7mg(52%)を得た。HPLC純度:98.5%,MS:m/z:420(M+H),1H NMR(500MHz,クロロホルム−d)δ ppm 7.81(s,1H)7.70(d,J=7.81Hz,1H)7.60(d,J=7.81Hz,1H)7.49(t,J=7.69Hz,1H)7.40(d,J=8.55Hz,1H)7.06(d,J=2.44Hz,1H)6.79(dd,J=8.55,2.44Hz,1H)5.04(s,2H).
【0182】
実施例2
次の化合物は、上記明細書中に記載の手順を使用して製造した(化合物(c)および(e))、または上記明細書中に記載の手順を使用して製造してもよい。
a)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(4−メトキシフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化13】

b)4−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化14】

c)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化15】

1H NMR(500MHz,メタノール−d4)δ ppm 7.48(d,J=8.55Hz,1H)7.39(ddd,J=11.35,7.81,1.83Hz,1H)7.22−7.31(m,2H)7.15(d,J=2.44Hz,1H)6.92(dd,J=8.55,2.69Hz,1H)4.97(s,2H).ESI MS m/z=388 [M+H]+
d)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化16】

e)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[フェニルメチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化17】

1H NMR(500MHz,メタノール−d4)δ ppm 7.47(d,J=8.55Hz,1H)7.45(d,J=7.32Hz,2H)7.35(t,J=7.32Hz,2H)7.28−7.33(m,1H)7.14(d,J=2.44Hz,1H)6.92(dd,J=8.55,2.44Hz,1H)5.01(s,2H).ESI MS m/z=352[M+H]+
f)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−フェネチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
【化18】

g)4−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化19】

h)4−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化20】

i)3−[[(5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル]メチル]−N−メチルベンズアミド
【化21】

j)5−[(6−クロロ−3−ピリジル)イミノ]−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化22】

k)4−[[4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]アミノ]ベンゾニトリル
【化23】

l)4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化24】

m)4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化25】

n)3−[5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル]メチル]ベンゾニトリル
【化26】

o)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化27】

p)4−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−5−(4−クロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化28】

q)5−[(4−クロロフェニル)メチルイミノ]−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化29】

【0183】
実施例3
N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化30】

(i)N−[3−(3−トリフルオロメチルベンジル)−ウレイドカルボチオイル]−ベンズアミド
(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−尿素(218mg;1.0mmol)および163mg(1.0mmol)ベンゾイルイソチオシアネートをアセトンに溶解し、混合物を加熱還流した。18時間還流した後、HPLC−MSから、非常にクリーンな反応で期待の生成物にほぼ完全に変換したことが分かった。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc(40mL)に溶解した。2M HCl(5mL)、水(2×5mL)および飽和食塩水(5mL)で洗浄し、有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、淡黄色固体347mgを得た。HPLC−MSから、純度約90%であることが分かった。
【0184】
粗製物の一部は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR(500MHz,メタノール−d4)δ ppm 7.95(dd,J=8.30,1.22Hz,2H)7.68(d,J=0.98Hz,1H)7.65(dd,J=8.79,7.57Hz,2H)7.59(d,J=7.08Hz,1H)7.51−7.57(m,3H)4.63(s,2H).
【0185】
(ii)N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
臭素(EtOH0.5mL中17mg、0.1mmol)を、N−[3−(3−トリフルオロメチルベンジル)−ウレイドカルボチオイル]−ベンズアミド(上記工程(i)から)(40mg(0.1mmol))のEtOH(3.5mL)溶液に室温で滴下した。HPLC−MSから、15分後に反応が完了したことが分かった。溶媒を減圧除去して、橙色固体51mgを得た。固体をEtOAcでトリチュレートし、乾燥後に純粋な生成物25mg(63%)をオフホワイトの固体として得た。
30MS:[M+H]:380.0,HPLC純度:99%.
1H NMR(500MHz,メタノール−d4)δ ppm 8.11(dd,J=8.42,1.10Hz,2H)7.70(s,1H)7.63−7.69(m,3H)7.57−7.62(m,1H)7.55(t,J=7.69Hz,2H)4.97(s,2H).
【0186】
実施例4
次の化合物は、上記明細書中に記載の手順を使用して製造した(化合物(a)〜(f)および(j)〜(r))、または上記明細書中に記載の手順を使用して製造してもよい。
a)4−フルオロ−N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化31】

MS:[M+H]:398.0,HPLC純度:100%,1H NMR(500MHz,メタノール−d4)δ ppm:8.19(dd,J=8.79,5.37Hz,2H)7.69(s,1H)7.62−7.67(m,2H)7.56−7.62(m,1H)7.26(t,J=8.79Hz,2H)4.94(s,2H);
b)2−(4−フルオロフェニル)−N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]アセトアミド
【化32】

MS:[M+H]:412,HPLC純度:100%,1H NMR(500MHz,メタノール−d4)δ ppm 7.64(s,1H)7.60−7.63(m,1H)7.57−7.60(m,1H)7.53−7.57(m,1H)7.31(dd,J=8.55,5.37Hz,2H)7.06(t,J=8.79Hz,2H)4.95(s,2 H)3.86(s,2H);
c)4−クロロ−N−[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化33】

MS:[M+H]:382.0,HPLC純度:100%,1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 8.10(d,J=8.79Hz,2H)7.62(d,J=8.30Hz,2H)7.38−7.49(m,2H)7.21(ddd,J=6.23,4.15,2.08Hz,1H)4.78(s,2H)
d)4−クロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化34】

MS:[M+H]:364.0,HPLC純度:100%,1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 8.10(d,J=8.55Hz,2H)7.62(d,J=8.79Hz,2H)7.41(dd,J=8.67,5.49Hz,2H)7.21(t,J=8.91Hz,2H)4.78(s,2H);
e)4−クロロ−N−[2−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化35】

MS:[M+H]:380.0,HPLC純度:100%,1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 8.10(d,J=8.55Hz,2H)7.63(d,J=8.55Hz,2H)7.44(d,J=8.55Hz,2H)7.38(d,J=8.55Hz,2H)4.79(s,2H);
f)4−クロロ−N−[2−[2−(フェノキシ)エチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化36】

MS:[M+H]:377.0,HPLC純度:100%,1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 8.12(d,J=8.55Hz,2H)7.63(d,J=8.79Hz,2H)7.30(dd,J=8.55,7.32Hz,2H)6.93−6.99(m,3H)4.20(t,J=5.00Hz,2H)3.97(t,J=5.01Hz,2H);
g)4−クロロ−N−[2−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化37】

h)4−クロロ−N−[2−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化38】

i)3,4−ジクロロ−N−[2−[1−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化39】

j)3,4−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化40】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.78(s,2H)7.18−7.24(m,2H)7.38−7.43(m,2H)7.83(d,J=8.30Hz,1H)8.02(dd,J=8.55,1.95Hz,1H)8.24(d,J=1.95Hz,1H);
k)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−4−メトキシ−ベンズアミド
【化41】

MS:[M+H]:360,HPLC純度:95%;
l)2,6−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化42】

MS:[M+H]:398,HPLC純度:95%;
m)2,4−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1 ,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化43】

MS:[M+H]:398,HPLC純度:98%
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.80(s,2H)7.19−7.24(m,2H)7.39−7.44(m,2H)7.60(dd,J=8.42,2.08Hz,1H)7.79(d,J=1.71Hz,1H)7.91(br.s.,1H)13.71(br.s.,1H);
n)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)−ベンズアミド
【化44】

MS:[M+H]:414,HPLC純度:100%;
o)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンズアミド
【化45】

MS:[M+H]:466,HPLC純度:95%;
p)3,4−ジフルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化46】

MS:[M+H]:366,HPLC純度:100%;
q)2−クロロ−6−フルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化47】

MS:[M+H]:382,HPLC純度:100%;および
r)3,5−ジフルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド
【化48】

MS:[M+H]:366,HPLC純度:95%.
【0187】
化合物4j−4rは、式IIIの化合物から、式IV(式中、L2は塩素であり、W1は−C(O)−である)の化合物(置換塩化ベンゾイル)との反応により合成した。
【0188】
化合物4j−4rは、次のように小規模な化合物ライブラリーとして合成した。
5−アミノ−2−(4−フルオロ−ベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オンおよびピリジンをアセトニトリル400μl中で混合した。酸塩化物のアセトニトリル(100μl)溶液を添加した。終夜、反応を撹拌した。2M KOH50μlを添加して、二置換副生成物を加水分解した。1日後に、反応をTFA100μlで酸性化し、DMSO/メタノール/水で2mlに希釈し、逆相クロマトグラフィー(Ace C8,5μm、21×50mm、流量25ml/分、勾配:6分間にわたり水+0.1%TFA/アセトニトリル)で精製した。
【0189】
実施例5
a)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−(2−フェノキシエチル)−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;および
b)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(2−フェノキシエチル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化49】

(i)(2−フェノキシエチル)−尿素
2−フェノキシエチルアミン(137mg、1mmol)および尿素(300mg、5mmol)を2mLのマイクロ波合成用バイアルに入れた。濃HCl(200μL)および水(500μL)を添加し、マイクロ波を照射して混合物を150℃に30分間加熱した。冷却後、バイアルは白色沈殿で一杯であった。固体を濾過により捕集し、水で数回に分けて洗浄した。真空乾燥器で乾燥した後、生成物167mg(93%)を白色結晶性物質として単離した。HPLC−MSから、生成物は、生成物67%とジアルキル化生成物33%の混合物からなることが分かった。フラッシュ・クロマトグラフィー:(シリカ、4〜5%MeOH/CH2Cl2)で精製することにより、純粋な生成物79mg(44%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ ppm 7.28(dd,J=8.91,7.20Hz,2H)6.90−6.99(m,3H)4.02(t,J=5.37Hz,2H)3.51(t,J=5.37Hz,2H)
【0190】
(ii)(a)1−[(3,4−ジクロロフェニル)カルバモチオイル]−1−(2−フェノキシエチル)尿素
(b)1−[(3,4−ジクロロフェニル)カルバモチオイル]−1−(2−フェノキシエチル)尿素
(2−フェノキシエチル)−尿素(79mg、0.44mmol、上記工程(i)から)の無水THF(2mL)溶液に、n−BuLiを滴下した。混合物を室温で15分間撹拌した後、3,4−ジクロロフェニルイソチオシアネート(89mg、0.44mmol)の無水THF(2mL)溶液を滴下した。1.5時間後のHPLCから、出発物質がほぼ完全に消失したことが分かった。飽和NaHCO3(5mL)およびEtOAc(20mL)を添加して、相を分離した。水相をさらに20mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機相を水(5mL)、飽和食塩水(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥した。減圧濃縮し、黄色油状物158mgを得た。HPLC−MSは、期待の分子量(m/z=384)を有する2種類の生成物を示した。
フラッシュ・クロマトグラフィー(シリカ、30%EtOAc/n−ヘキサン)で精製し、
生成物a:29mg,Tr=2.875分(ACE、3分間で10〜97%CH3CN、1mL/分):純度73%,m/z=384
生成物b:34mg(Fr 11−16)Tr=2.908分(ACE、3分間で10〜97%CH3CN、1mL/分):純度97%,m/z=384
を得た。
【0191】
2種類の生成物について、それ以上キャラクタリゼーションは行わなかった。それらを2つの別々の実験で環化した。
【0192】
iii)(a)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−(2−フェノキシエチル)−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
(b)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(2−フェノキシエチル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
実施例1の工程(ii)に記載の方法により、工程(ii)(a)および(ii)(b)の化合物を環化して生成物を得た。RP−HPLCで精製し、所望の化合物を得た。
5(a):MS:[M+H]:385.0,HPLC純度:97%,1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 7.42(d,J=8.67Hz,1H)7.24−7.31(m,2H)7.05(d,J=2.44Hz,1H)6.99−7.03(m,2H)6.92(tt,J=7.32,1.04Hz,1H)6.87(dd,J=8.67,2.52Hz,1H)4.10−4.16(m,2H)3.95−4.02(m,2H)
5(b):MS:[M+H]385.0,HPLC純度:100%;1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 11.01(S,1H)8.05(d,J=2.20Hz,1H)7.62(d,J=8.79Hz,1H)7.44(dd,J=8.79,2.44Hz,1H)7.27−7.34(m,2H)6.93−6.99(m,3H)4.17(t,J=4.88Hz,2H)4.00(t,J=4.88Hz,2H).
【0193】
実施例6
4−ベンズヒドリル−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン
【化50】

次の化合物は、最後の環化工程で溶媒としてEtOHの代わりにEtOAcを使用したことを除き、実施例1および5に関して記載したのと同じ方法を使用し、適切な出発物質を用いて生成した。
MS:m/z=428[M+H]+,HPLC純度:98%(ACE),96%(XTerra);1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 10.95(br.s.,1H)8.02(br.s.,1H)7.61(d,J=8.79Hz,1H)7.38−7.45(m,5H)7.33−7.38(m,2H)7.22(d,J=7.32Hz,4H)6.62(s,1H).
【0194】
実施例7
a)4−クロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド
【化51】

(i)N−(カルバモイルカルバモチオイル)−4−クロロ−ベンズアミド
4−クロロベンゾイルイソチオシアネート(395mg)および600mg尿素(5当量)をアセトン30mL中で混合し、1日還流撹拌した。反応を濃縮し、残留物をジエチルエーテルでスラリー化した。残留物を濾過により捕集し、ジエチルエーテルで洗浄した。白色固体を酢酸エチル(10ml)に溶解し、得られた溶液を水(10ml)および飽和食塩水(10ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して白色固体(0.35g、1.4mmol、収率70%)を得た。
【0195】
(ii)4−クロロ−N−(3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンズアミド
上記工程(i)で得られたN−(カルバモイルカルバモチオイル)−4−クロロ−ベンズアミド(350mg)を酢酸エチル50mLと混合した。臭素(224mg)の酢酸エチル(5mL)溶液を添加した。30分後に、水10mLおよびメタノール10mLを添加した。混合物を濃縮し、残留物を水/メタノールでトリチュレートし、減圧乾燥して、生成物を白色固体(0.25g、0.98mmol、収率70%)として得た。
【0196】
(iii)3,4−ジクロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド
4−クロロ−N−(3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ベンズアミド(50mg、0.20mmol、1当量)および炭酸カリウム55mg(0.40mmol、2当量)をDMF5mL中で混合した。4−フルオロベンジルブロマイド38mg(0.20mmol、1当量)のDMF(2mL)溶液を滴下した。混合物を15分間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル100mLおよび水100mLで希釈した。有機相を水2×100mLおよび飽和食塩水50mLで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(シリカ、40%EtOAc/ヘキサン)で精製し、生成物を白色固体(8mg、22μmol、11%)として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 5.17(s,2H)7.16−7.22(m,2H)7.50−7.56(m,2H)7.61−7.65(m,2H)8.19−8.23(m,2H)10.46(br.s.,1H),MS:[M+H]+,HPLC純度:93%
【0197】
次の化合物は、実施例7(a)で開示した方法により製造してもよい。
b)4−クロロ−N−[4−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド
【化52】

c)4−クロロ−N−[3−オキソ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド
【化53】

d)N−[4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化54】

e)N−[4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化55】

f)N−[4−[(3,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
【化56】

g)3,4−ジクロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−ベンズアミド
【化57】

【0198】
実施例8
次の化合物は、工程(i)において、
(i)尿素誘導体の第1級窒素へのイソチオシアネート誘導体のカップリングを確実にするため、第1の工程で塩基を使用しない;
(ii)20%DMF/アセトニトリルを溶媒として使用する;および
(iii)反応混合物を48時間80℃で撹拌した、
ことを除き、実施例1に記載の手順を使用して製造した(a〜d、f、k、l、o〜rおよびw)、または実施例1に記載の手順を使用して製造してもよい。
【0199】
a)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(4−メトキシベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化58】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.74(s,3H)4.72(s,2H)6.92(q,J=5.13Hz,2H)7.24(q,J=5.13Hz,2H)7.45(dd,J=8.79,2.44Hz,1H)7.62(d,J=8.79Hz,1H)8.04(d,J=2.44Hz,1H),ESI MS m/z=382[M+H]+,HPLC純度:100%;
b)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化59】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.81(s,2H)7.32(d,J=8.55Hz,2H)7.42−7.47(m,3H)7.63(d,J=8.79Hz,1H)8.05(d,J=2.44Hz,1H),MS:ESI MS m/z=386[M+H]+;HPLC純度:95%;
c)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(3,4−ジフルオロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化60】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.80(s,3H)7.14−7.17(m,1H)7.36−7.47(m,3H)7.63(d,J=8.79Hz,1H)8.05(d,J=2.44Hz,1H),ESI MS m/z=388[M+H]+;HPLC純度:100%;
d)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(3−フルオロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化61】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.83(s,2H)7.09−7.18(m,3H)7.38−7.48(m,2H)7.63(d,J=8.79Hz,1H)8.05(d,J=1.22Hz,1H),MS:371[M+H]+,HPLC純度:97%;
e)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(ベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化62】

f)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−フェネチル−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
【化63】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 2.89(t,J=7.08Hz,2H)3.87(t,J=7.08Hz,2H)7.19−7.34(m,5H)7.42(dd,J=8.79,2.44Hz,1H)7.62(d,J=8.79Hz,1H)8.02(d,J=1.71Hz,1H),MS:367[M+H]+,HPLC純度:97%;
g)2−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−5−[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化64】

h)2−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−5−[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化65】

i)3−[[5−[(4−クロロフェニル)アミノ]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−2−イル]メチル]−N−メチル−ベンズアミド
【化66】

j)5−[(6−クロロ−3−ピリジル)アミノ]−2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化67】

k)2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
【化68】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.82(s,2H)7.13−7.21(m,1H)7.36−7.48(m,2H)7.72−7.77(m,2H)7.78−7.84(m,2H),MS:388[M+H]+,HPLC純度:95%;
l)2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
【化69】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.79(s,2H)7.12−7.20(m,1H)7.33−7.49(m,4H)7.70(d,J=9.03 Hz,2H),MS:404[M+H]+ ,HPLC純度:100%;
m)5−[(4−クロロフェニル)アミノ]−2−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化70】

n)5−[(3,4−ジクロロフェニル)メチルアミノ]−2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化71】

o)2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化72】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 3.74(s,3H)4.74(s,2H)6.89−6.97(m,2H)7.22−7.29(m,2H)7.71−7.76(m,2H)7.76−7.82(m,2H),MS:382[M+H]+,HPLC純度:100%;
p)2−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化73】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.82(s,2H)7.29−7.36(m,2H)7.41−7.47(m,2H)7.73−7.77(m,2H)7.77−7.83(m,2H),MS:387[M+H]+,HPLC純度:100%;
q)2−[(3−フルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化74】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.84(s,2H)7.10−7.20(m,3H)7.37−7.46(m,1H)7.72−7.78(m,2H)7.77−7.84(m,2H),MS:370[M+H]+,HPLC純度:100%;
r)2−[フェニルエチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化75】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 2.90(t,J=7.08Hz,2H)3.88(t,J=7.08Hz,2H)7.19−7.34(m,5H)7.71−7.76(m,2H)7.76−7.82(m,2H),MS:360[M+H]+,HPLC純度:95%;
s)2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化76】

t)2−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化77】

u)2−[(3−フルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化78】

v)2−[フェニルエチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン
【化79】

w)4−[[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]アミノ]ベンゾニトリル
【化80】

1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ ppm 4.82(s,2H)7.13−7.20(m,1H)7.36−7.48(m,2H)7.75−7.82(m,2H)7.82−7.88(m,2H),MS:345[M+H]+,HPLC純度:95%.
【0200】
生物試験
供給源、腫瘍の種類、および組織形態を含む癌細胞株の説明は、the American Type Culture Collection (ATCC)またはそのウェブサイト(www.atcc.org)から得ることができる。細胞株は原発腫瘍と転移部位の両方に由来する(例えば、試験したものの中でもとりわけ、MCF−7、 MDA−MB231、HT−29、SKOV−3およびPC−3)。
【0201】
試験A
細胞増殖アッセイ
試薬
Dulbecco改変Eagle培地(D−MEM)+1000mg/Lグルコース+GlutaMAXTM1+ピルビン酸塩(Gibco #21885−025)
V/V牛胎児血清(Gibco 10500−064)
5−ブロモ−2−デオキシウリジン(BrdU)
30ジメチルスルホキシド(DMSO)
【0202】
PC−3癌細胞株を、10%牛胎児血清を添加したD−MEM(Gibco 21885)中で増殖させた。96ウェル・プレートに1ウェル当たり15000個の細胞を播種し、終夜インキュベートした。培養培地を血清非含有D−MEMに24時間変更した。次いで、溶媒対照として0.2%DMSO、または0.2%DMSO中0.3μM、0.6μM、1.2μMもしくは2.5μM(もしくは1.25μM、2.5μM、5μM、10μM(下記の表1に示す通り))の実施例1〜実施例8の選択された化合物を含有する血清非含有D−MEMに、クアドリュプリケート(quadruplicate)で培養培地を変更した。18時間インキュベートした後、製造業者の推奨に従いBrdUを添加した。BrdUの存在下で6時間インキュベートした後、培養培地を除去し、製造業者の推奨に従い、"Cell Proliferation ELISA, BrdU colorimetric" Roche (11647229001)を使用してBrdU取り込みを測定した。
【0203】
結果
BrdU取り込みで測定した場合、PC−3細胞の増殖速度は、当該濃度の被験化合物によって低下する。例えば、上記アッセイにおいて、実施例1〜実施例8の選択された化合物は、溶媒対照(1単位のBrdU取り込みを示す)と比較して、下記の表1に示す濃度で次の(おおよその)単位のBrdU取り込みを示した。
【0204】
【表1】

【0205】
試験B
in vivoマウスモデル−試験1
5週齢のAthymic BALB/cAヌードマウスはTaconic (Denmark)から納品され、それをバリア条件下で飼育し、1週間馴化させる。6週目に、1.8×106個のMDA−MB−231ヒト乳癌細胞(LGC Promochem‐ATCC)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco 10010−015, Invitrogen)およびMatrigel HC (BD Biosciences)の50/50v/v溶液に懸濁したものをマウス17匹の側腹部に皮下注射する。
【0206】
11日後、マウス16匹の触診可能な腫瘍を観察した。マウス2匹を犠牲にし、腫瘍を解剖し、検査した。それぞれマウス7匹からなる2群は、被験化合物1〜10mg/kg(体重)の79%PBS/20% Solutol HS 15 (BASF)/1%DMSO溶液または溶媒対照を腹腔内注射することにより、1日1回、それぞれ5〜30日間処置される。マウスを頚椎脱臼により犠牲にし、腫瘍を解剖する。
【0207】
病理組織学的検査
腫瘍組織をPBS(4%w/vパラホルムアルデヒド(Scharlau PA0095, Scharlau Chemie SA, Spain)含有)で、+4℃で終夜固定した。30%w/vスクロース(BDH #102745C(www.vwr.com))を含有するPBS中、+4℃で24時間インキュベートすることにより腫瘍組織を凍結保存し、Tissue-Tek包埋剤(Sakura Finetek Europa BV, Netherlands)に包埋する。10μm凍結切片を作製し、Mayers Hematoxylin (Dako)で5分間染色し、水道水中で3×10分間脱染した。Dako faramount水性封入剤を使用してスライドを封入し、Nikon Eclipse TS100顕微鏡を使用して検査し、Nikon coolpix 4500を使用して記録する。
【0208】
被験化合物および溶媒で処置したマウスから採取した腫瘍の組織形態は、ヘマトキシリン染色凍結切片を顕微鏡検査することにより分析した。
【0209】
in vivoマウスモデル−試験2
上記試験手順に従うが、マウス16匹(17匹ではなく)に皮下注射する。
【0210】
6日後、マウス16匹の触診可能な腫瘍を観察してもよい。それぞれマウス8匹からなる2群に、被験化合物7.5mg/kg(体重)の79%PBS/20%Solutol HS 15(BASF)/1%DMSO溶液または溶媒対照を腹腔内注射することにより、1日1回、それぞれ27日間処置を行う。3日毎に腫瘍サイズをカリパスで測定する。
【0211】
ある一定の日数後に、(被験化合物で処置した)第1群のマウスの腫瘍面積の結果を第2(「非処置」)群のマウスと比較する。
【0212】
前述の試験Bは、考えられる多くのin vivo異種移植モデルの1つを提供することが分かるであろう。上記の試験Bに変更を行ってもよい(例えば、被験化合物の配合、細胞株、および使用するマウスの種類の幾つかまたは全てを変更することにより)。
【0213】
試験C
AMPKおよびS−79ACCの活性化
被験化合物
実施例1、4〜6および8の選択された化合物を製造した。化合物を100%DMSOに溶解することにより、10μMの保存溶液を調製した。
【0214】
細胞株および細胞培養
ヒトPC3細胞は、LGC Promochem-ATCC(ATCCカタログ番号CRL−1435)から購入した。PC3細胞を5%牛胎児血清(Gibco 10500−064)、25μg/mlゲンタマイシン(Gibco 20 15750)および1×非必須アミノ酸(Gibco 11140)を含有するDulbecco改変Eagle培地(Gibco 21885)中で維持培養した。5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で細胞をインキュベートし、トリプシン処理することにより3日毎に継代した。実験のため、PC3細胞を直径60mmのディッシュ内の10%牛胎児血清を含有する完全培地で培養し、70〜80%集密状態になるまで増殖させ、血清非含有Dulbecco改変Eagle培地中で5時間培養した。次いで、細胞を実施例1の化合物10μMで24時間処置した。DMSOの最終濃度は0.1%を超えず、0.1%ではAMPKまたはeEF2リン酸化に影響を及ぼさなかった(0.1%DMSOを対照として使用した)。
【0215】
ウェスタンブロット解析
PC3細胞を緩衝液(100mM TRIS pH6.8、2%w/vドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、10mM NaF、10mMβ−グリセロリン酸塩、1mMバナジン酸Na)に溶解させた。細胞片を4℃で、14,000×gで15分間遠心分離することにより除去し、得られる上清をウェスタン・ブロッティングに使用する。BCAタンパク質アッセイ・キット(Pierce #23225)を使用して溶解物のタンパク質濃度を測定した。ウェスタン・ブロッティングを行うため、タンパク質15μgを、AMPKまたはS−79ACC検出用の4〜12%bis‐trisゲル(Criterion precast gel Bio-Rad #345−0117)を有する各ウェルに添加し、製造業者の推奨に従って実施した。ゲルをニトロセルロース・フィルター(Hybond-C extra Amersham #RPN203E)にブロットした。フィルターを、20mM TRIS pH7.5、137mM NaCl、25%v/v Tween 20および5%w/v無脂肪粉乳中で30分間ブロッキングした。phospho-AMPK(Thr172)もしくはphospho-acetyl CoA carboxylase(Cell signalling #2531および#3661)を含有する、またはpan‐AMPK antibody(Cell signalling #2532)を含有するブロキング溶液中でフィルターを終夜インキュベートした。
フィルターを、20mM TRIS pH 7.5、137mM NaCl、25%v/v Tween 20中で3×5分間洗浄した。二次抗体、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Jackson immunoResearch #111−035−003)を含有するブロキング溶液中でフィルターを室温で1時間インキュベートした。フィルターを上記のように3×10分間洗浄した。SuperSignal West Dura ECL kit (Pierce #1859024)でシグナルを発生させ、Hyperfilm ECL(Amersham #28906837)に感光させた。
【0216】
結果
ウェスタンブロットの結果から、実施例1、4〜6および8の選択された化合物は、図1および図2に示すように、AMPKε−サブユニットのThr−172のリン酸化を促進し(対照と比較して)、リン酸化アセチル補酵素A(AMPKの基質)の産生を増加することが分かった。
【0217】
試験D
96ウェル・プレート中での幾つかの細胞株に関するin vitro細胞毒性データ
SRB細胞毒性試験
細胞を播種し、様々な濃度の被験化合物の存在下で3日間(72時間)増殖させる。次いで、細胞をプレートに固定し、染色剤スルホローダミンB(SRB)で染色した。様々な量の増殖阻害剤から標準曲線を作成し、これからIC50値を求める。
【0218】
セクションA:プレートへの細胞の播種
このアッセイの96ウェル・プレートに、各細胞株に対して決定された播種密度で相応に播種する。
【0219】
接着細胞:
1.細胞を採取し、計数する。採取および細胞懸濁液の調製に関する手順は全て、クラスIIフード内で行うものとする。
2.アッセイは、滅菌96ウェル・プレート細胞培養プレート(Microtest flat bottom tissue culture plate, Falcon 3072)を使用する。
3.細胞を適切な播種密度に希釈する。
4.細胞懸濁液100μLをウェルB1〜G12に添加する。
5.培地100μLを全てのブランク・ウェル(A1〜A12、H1〜H12)に添加する。
6.プレートを終夜37℃で、5%CO2インキュベータ内でインキュベートする。
【0220】
懸濁細胞:
1.細胞を採取し、計数する。採取および細胞懸濁液の調製に関する手順は全て、クラスIIフード内で行うものとする。
2.アッセイは、滅菌96ウェル・プレート細胞培養プレート(Microtest flat bottom tissue culture plate, Falcon 072)を使用する。
3.細胞を適切な播種密度に希釈する。
4.細胞懸濁液100μLをウェルB1〜G12に添加する。
5.培地100μLを全てのブランク・ウェル(A1〜A12、H1〜H12)に添加する。
6.プレーティング直後に薬物を細胞に添加する。
【0221】
セクションB:細胞への被験化合物の添加
7.被験化合物用の化合物プレートを準備し、希釈した化合物をセクションAで準備したアッセイ・プレートに移す。
8.化合物プレートのウェルB3−G3〜B10−G10に細胞培養培地100μLを添加する。
9.被験物を別のチューブ内の細胞培養培地で250μMに希釈し、それを出発濃度50μMにする。被験化合物の保存液濃度は10mMであり、従って1:40に希釈して、250μMの濃度を得る。
10.希釈した薬物バッチ200μLを空のウェルB2〜G2に添加し、上下に3回ピペッティングすることにより混合する。
11.これらのウェルのそれぞれから100μLを(マルチチャネル・ピペットを使用して)ウェルB2−G2等に移し、プレートを端から縦列10まで1:2に希釈し続ける。縦列10の各横列から余分の100μLを廃棄する。縦列11には、DMSO対照が入る。横列12にはブランク培地100μLが入る。
12.DMSO対照は薬物と同様に、100%DMSOを培地で1:40に希釈する。100μLをピペットで化合物プレートの空の横列11に移す。これから25μLを、細胞を含有するアッセイ・プレートに添加し、それによって最終濃度は0.5%となる。
ブランク対照:ブランク培地100μLをピペットで横列1および12に移し、これから25μLを、細胞を含有するアッセイ・プレートに添加する。
13.新しいチップのセットを使用して、薬物希釈物を化合物プレートから細胞を含有するアッセイ・プレートに移す(希釈した薬物25μLをアッセイ・プレート内の細胞100μLに移した。最終体積は125μLとなる)。最も低い薬物濃度から開始する。
14.アッセイ・プレートを37℃、5%CO2インキュベータ内で3日間インキュベートする。
【0222】
セクションC:細胞の固定および染色
インキュベート終了時に、細胞を固定しSRBアッセイを後述のように行う必要がある。
1.プレートをインキュベータから4℃の細胞培養室(cell culture suite)に移し、細胞を1時間放置する。
2.接着細胞株:冷50%v/vトリクロロ酢酸(TCA BDH 102863H)30μLを既にウェル内にある細胞培養培地に、TCAの最終濃度が10%v/vとなるように慎重に添加することによって、細胞をプレートに固定する。
【0223】
懸濁細胞株:冷80%v/vトリクロロ酢酸(TCA BDH 102863H)30μLを既にウェル内にある細胞培養培地に、TCAの最終濃度が16%v/vとなるように慎重に添加することによって、細胞をプレートに固定する。
1.4℃で1時間インキュベートする。
2.各ウェルが水で満たされるように、プレートを蒸留水の入ったプラスチック容器に沈める。1分間浸漬する。洗浄液をシンクに払い落とし、この洗浄工程をさらに4回繰り返す。最後に、洗浄液を払い落とし、空気乾燥させる。
3.ウェルが完全に乾燥したら、1%v/v酢酸中0.4%w/vのスルホローダミンB(SRB Sigma S1402)100μlを各ウェルに添加し、室温で30分間インキュベートする。
4.SRBを払い落とし、プレートを1%v/v酢酸中に1分間沈めることによって4回洗浄する。洗浄液を払い落とし、空気乾燥させる。
5.ウェルが完全に乾燥したら、10mM Tris塩基pH10.5(水酸化ナトリウム溶液を使用してpHを10.5に調整した)100μLを添加する。プレート振盪器に載せ、5分間混合する。SPECTRAmax マイクロプレート分光光度計を使用して、プレートを564nmで読み取り、データを取得する。
【0224】
試験E
クローン原性アッセイ結果
セクションA:アッセイ・プレートの播種
このアッセイの24ウェル・プレート(Falconカタログ番号:353047)に、各細胞株について決定された播種密度で相応に播種する。
【0225】
下層寒天培地:
1.1.6%寒天(invitrogen Select Agar)をマイクロ波で溶かし、水浴で40〜42℃に冷却する。
2.細胞培養培地+20%FBS+2×必要な他の任意の細胞培養用添加剤を、水浴で40〜42℃に加温する。温度が平衡に達するのに少なくとも30分見ておく。
3.同体積の2種類の溶液を混合し、0.8%寒天+培地+10%FBS+1×細胞培養用添加剤を得る。
4.0.2ml/ウェルを添加し、凝固させる。プレートは4℃で1週間まで保存することができる。
【0226】
上層寒天培地:
1.0.8%寒天(invitrogen Select Agar)をマイクロ波で溶かし、水浴で40℃に冷却する。
2.培地+20%FBS+2×必要な他の任意の細胞培養用添加剤を、同じ温度に加温する。
3.細胞を採取し、計数する。採取および細胞懸濁液の調製に関する手順は全て、クラスIIフード内で行うものとする。
4.細胞を培地で適切な播種密度に希釈する。
5.24ウェル・プレートを下層寒天培地で適切に標識する(プレートを冷蔵庫内で保存する場合、プレーティングの約30分前にプレートを4℃から取り出し、室温に温まるようにする)。
6.播種用混合物を得るため、同体積の培地+20%FBS+2×細胞培養用添加剤+細胞および軟質寒天0.8%溶液を15mlの蓋付き遠心管に入れて穏やかに混合し、各同型(replicate)ウェルに0.2ml添加する(通常、クアドリュプリケートでプレーティングする)。
7.プレートを37℃、5%CO2インキュベータ内で終夜インキュベートする。
【0227】
セクションB:細胞への被験化合物の添加
1.被験化合物用の化合物プレートを準備した後、希釈した化合物をセクションAで準備したアッセイ・プレートに移す。
2.被験物を、別のチューブ内の細胞培養培地で120μMに希釈し、それを出発濃度40μMにする。
被験化合物の保存液濃度は10mMであり、従って1:83.3に希釈して、120μMの濃度を得る。
3.薬物被験溶液を120μMの出発濃度から1:2で3回希釈し、20μM、10μMおよび5μMの被験薬物濃度に調製する。
4.各試験濃度から200μLを各ウェルにクアドリュプリケートで移す。縦列6には、40μMの被験化合物が入る。縦列5には20μMの被験化合物が入り、縦列4には10μMの被験化合物が入り、縦列3には5μMの被験化合物が入る。
5.DMSO対照は薬物と同様に:100%DMSOを培地で1:83.3に希釈する。200μLをピペットで化合物プレートの縦列2にクアドリュプリケートで移し、それによって最終濃度は0.4%となる。
6.ブランク対照:1ウェル当たりブランク培地200μLをピペットで縦列1にクアドリュプリケートで移す。
7.アッセイ・プレートを37℃、5%CO2インキュベータ内で2〜3週間インキュベートする。
【0228】
セクションC:細胞コロニーの染色および計数
インキュベート終了時に、後述のように細胞コロニーを染色し、計数する必要がある:
1.各ウェルの底部に、各ウェルを少なくとも4つのセクションに分割する印を付ける。
2.プレートを0.005%クリスタルバイオレット0.2mlで、37℃、5%CO2の加湿インキュベータ内で1時間染色する。
3.解剖顕微鏡を使用して、各試験群について1ウェル当たりのコロニー数を計数する。
4.1群の細胞をコロニーと見なすには、 少なくとも各コロニーが50個の細胞を有していなければならない。
5.1群当たりの各ウェルのコロニー数の平均を算出し、被験化合物によって生じる細胞コロニー形成の抑制%を、式%T/C(式中、Tは試験群であり、Cは対照である)を使用して算出する。
【0229】
試験F
PP2Cの脱リン酸化アッセイ
Invitrogen製の過リン酸化AMPK三量体10(ng)(α1/β1/γ1)(PV4672)を、40mM Hepes pH7.45、2mM MnCl2、0.5mM DTTおよび0.125ng組換え型PP2C−α1(Abeam Ab51205)を含有する緩衝液中で、相互作用/酵素反応の阻害剤となり得る物質の存在下または非存在下、合計体積10μLで、30℃にて20分間インキュベートした。1%牛血清アルブミン(BSA)、10mM EDTAおよび1/1000に希釈したanti Phospho−AMPKα(Thr172) Antibody (Cell signalling #2531)を含有する停止溶液40μLを添加することにより反応を停止させた。試料をグルタチオンでコーティングした96ウェル・プレート(Pierce #15140)に移し、O/N+4℃でインキュベートした。プレートをPBS/0.05%Triton X−100(3×200μL)で洗浄した。プレートをPBS/1%BSAおよび1/10000に希釈した西洋わさびペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ抗体(Jackson immunoresearch Laboratories Inc. #111−035−003)と共に2時間、室温でインキュベートした。プレートをPBS/0.05%Triton X−100(3×200μL)で洗浄した。Liquid Substrate System for ELISA(Sigma, T0440)100μLを添加することにより5〜30分間アッセイを発色させた。各ウェルに1M(25μL)を添加することにより発色反応を停止させた。吸光度を450nmで測定したが、この吸光度はp−T172 AMPKの量と相関する。
【0230】
結果
図3に示すように、実施例1および実施例2cの化合物は、PP2C−α1が介在するAMPKの脱リン酸化を低下させる能力を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、
【化1】

{式中、
Aは、C(=N−W−D)またはSを表し;
Bは、SまたはC(−NH−W−D)を表し;
AがC(=N−W−D)を表し、BがSを表す場合、BとNH原子との結合は単結合であるか;または
AがSを表し、BがC(−NH−W−D)を表す場合、BとNH原子との結合は二重結合であり;
Xは、−Q−[CRxyn−を表し;
Wは、−[CRxym−または−C(O)−[CRxyp−を表し;
Qは、結合、−N(Ra)−、−S−、または−O−を表し;
1〜A5は、それぞれC(R1)、C(R2)、C(R3)、C(R4)およびC(R5)を表すか、または、代わりに、A1〜A5の2つ以下が独立してNを表してもよく;
Dは、任意選択により1つ以上のR6基で置換されたフェニル、ピリジルまたはピリミジニルを表し;
xおよびRyは、本発明で使用するときいずれの場合も、独立してH、ハロゲン、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)、アリール(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択されるか、またはRxとRyは結合して、それらが結合している炭素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の非芳香環を形成し、この環自体が任意選択によりハロゲンまたはC1-6アルキル(任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択される1つ以上の置換基で置換されており;
1〜R5は、独立してH、ハロゲン、−R7、−CF3、−CN、−NO2、−C(O)R7、−C(O)OR7、 −C(O)−N(R7a)R7b、−N(R7a)R7b、−N(R73+、−SR7、−OR7、−NH(O)R7、−SO37、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が任意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表すか、または、互いに隣接するR1〜R5のいずれか2つは、任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2つの原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
6は、本発明で使用するときいずれの場合も、独立してシアノ、−NO2、ハロゲン、−R8、 −OR8、−N(R8)C(O)R8、−NR910、−SR11、−Si(R123、−OC(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)R14、−C(O)NR15a15b、−S(O)2NR15c15d、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が任意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基で置換されている)を表すか、または、互いに隣接するいずれか2つのR6基が、任意選択により結合して、式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
7は、本発明で使用するときいずれの場合も、HまたはC1−C6アルキル、C1−C6シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール(後の4つの基は任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されている)から選択され;
7aおよびR7bは、独立してHもしくはC1−C6アルキル、C1−C6シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択されるか、または、R7aとR7bは任意選択により結合して、それらが結合している窒素原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されており;
a、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15a、R15b、R15cおよびR15dは、本発明で使用するときいずれの場合も、独立してHまたはR16を表し;
16は、本発明で使用するときいずれの場合も、任意選択により1個以上のハロゲン原子で置換されたC1ー6アルキルを表し;
nは、0または1または2を表し;
mは、0、1または2を表し;
pは、0、1または2を表す}
の化合物、または、その薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体
(ただし、Dがフェニルである場合、A1〜A5の少なくとも1つが(C−H)ではない、および/またはDが1つ以上の−R6基で置換されていることを条件とする)。
【請求項2】
1〜A5の少なくとも1つが(C−H)ではない、および/またはDが1つ以上の−R6基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
BがSを表す、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
xとRyが独立してH、C1-6アルキル(任意選択により1個以上のフッ素原子で置換されている)、アリール(任意選択により1個以上のハロゲン(例えば、塩素)原子で置換されている)から選択されるか、またはRxとRyが結合して、それらが結合している炭素原子と共に、3〜6員の非置換非芳香環を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
Xが、−CH2−、−CH2CH2−、−O−CH2CH2−、−N(CH3)−CH2CH2−、−S−CH2CH2−、1,1−シクロプロピルまたは−C(H)(4−クロロフェニル)−を表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、ハロゲン、−R7、−CF3、−CN、−C(O)R7、−C(O)OR7、−C(O)−N(R7a)R7b、−N(R73+、−SR7、−OR7もしくは−NH(O)R7を表すか、または、互いに隣接するR1〜R5のいずれか2つが任意選択により結合して、前記式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、任意選択によりO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する3〜8員の芳香環もしくは非芳香環を形成し、この環自体が、任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
1〜R5(存在する場合)の少なくとも1つが、4H−[1,2,4]−トリアゾリル、−OR7、−Cl、−F、−CF3、−CNまたは−C(O)−N(R7a)R7bを表す、請求項6に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
6が、独立して−C(O)NR15a15b、シアノ、−NO2、−Br、−Cl、−F、−R8、−OR8、−NR910、−SR11、−C(O)OR13、−C(O)R14、−S(O)2NR15c15d、アリールもしくはヘテロアリール(アリール基およびヘテロアリール基自体が、任意選択により、かつ独立してハロゲンおよびR16から選択される1つ以上の基によって置換されている)を表すか、または、互いに隣接するいずれか2つのR6基が任意選択により結合して、前記式Iの化合物中の必須のベンゼン環の2個の原子と共に、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリンもしくはテトラヒドロイソキノリンを形成し、前記キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリンもしくはテトラヒドロイソキノリン部分の追加の環系自体が任意選択によりハロゲン、−R7、−OR7および=Oから選択される1つ以上の置換基で置換されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
6が、独立して−R8、−CN、−OCF3、−NO2、−Br、−Cl、−F、−OR8、−NR910または−SR11を表す、請求項8に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
nが1または2を表す;mが0または1を表す;および/またはpが0または1を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
Wが、直接結合、−CH2−、−C(O)−または−C(O)CH2−を表す、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
i)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
ii) 5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(4−メトキシフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
iii)4−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
iv)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
v)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
vi)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[フェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
vii)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−フェネチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
viii)4−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
ix)4−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
x)3−[[(5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル]メチル]−N−メチルベンズアミド;
xi)5−[(6−クロロ−3−ピリジル)イミノ]−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xii)4−[[4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]アミノ]ベンゾニトリル;
xiii)4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xiv)4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xv)3−[5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル]メチル]ベンゾニトリル;
xvi)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−[[4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xvii)4−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−5−(4−クロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xviii)5−[(4−クロロフェニル)メチルイミノ]−4−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xix)4−フルオロ−N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xx)2−(4−フルオロフェニル)−N−[3−オキソ−2−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]アセトアミド;
xxi)4−クロロ−N−[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxii)4−クロロ−N−(2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxiii)4−クロロ−N−[2−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxiv)4−クロロ−N−[2−[2−(フェノキシ)エチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxv)4−クロロ−N−[2−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxvi)4−クロロ−N−[2−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxvii)3,4−ジクロロ−N−[2−[1−(4−フルオロフェニル)シクロプロピル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxviii)3,4−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxix)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−4−メトキシ−ベンズアミド;
xxx)2,6−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxi)2,4−ジクロロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxii)N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)−ベンズアミド;
xxxiii) N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンズアミド;
xxxiv)3,4−ジフルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxv)2−クロロ−6−フルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxvi)3,5−ジフルオロ−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]ベンズアミド;
xxxvii)5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−4−(2−フェノキシエチル)−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xxxviii)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(2−フェノキシエチル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xxxix)4−ベンズヒドリル−5−(3,4−ジクロロフェニル)イミノ−1,2,4−チアジアゾリジン−3−オン;
xl)4−クロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド;
xli)4−クロロ−N−[4−[(4−クロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド;
xlii)4−クロロ−N−[3−オキソ−4−[[3−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−ベンズアミド;
xliii)N−[4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−4−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド;
xliv) N−[4−[(3−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
xlv)N−[4−[(3,4−ジクロロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド;
xlvi)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(4−メトキシベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xlvii)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(4−クロロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xlviii)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(3,4−ジフルオロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
xlix)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(3−フルオロベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
l)1,5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−(ベンジル)−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
li)5−(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−フェネチル−[1,2,4]チアジアゾール−3−オン;
lii)2−[2−[(4−クロロフェニル)−メチル−アミノ]エチル]−5−[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
liii)2−[2−(4−クロロフェニル)スルファニルエチル]−5−[(3,4−ジクロロフェニル)アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
liv)3−[[5−[(4−クロロフェニル)アミノ]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−2−イル]メチル]−N−メチル−ベンズアミド;
lv)5−[(6−クロロ−3−ピリジル)アミノ]−2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lvi)2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lvii)2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lviii)5−[(4−クロロフェニル)アミノ]−2−[1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lix)5−[(3,4−ジクロロフェニル)メチルアミノ]−2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lx)3,4−ジクロロ−N−[4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾリジン−5−イリデン]ベンズアミド;
lxi)2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxii)2−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxiii)2−[(3−フルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxiv)2−[フェニルエチル]−5−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxv)2−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxvi) 2−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxvii)2−[(3−フルオロフェニル)メチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;
lxviii)2−[フェニルエチル]−5−[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]−1,2,4−チアジアゾール−3−オン;および
lxix)4−[[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−3−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−5−イル]アミノ]ベンゾニトリル;
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
医薬として使用される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体。
【請求項14】
薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合された、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を含む、医薬製剤。
【請求項15】
(A)請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体;および
(B)癌の治療に有用な他の治療薬、
を含み、
成分(A)および(B)がそれぞれ、薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合して製剤化されている、併用製品。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体;癌の治療に有用な他の治療薬;および、薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体を含む医薬製剤を含む、請求項15に記載の併用製品。
【請求項17】
以下の成分、
(a)薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合された、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を含む医薬製剤;および
(b)薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と混合された、癌の治療に有用な他の治療薬を含む医薬製剤、
を含み、これらの成分(a)および(b)がそれぞれ他方と併用投与されるのに適した形態で提供される、複数部分からなるキットを含む、請求項15に記載の併用製品。
【請求項18】
成分(A)および(B)が、癌の治療に順次、別々におよび/または同時に使用するのに適している、請求項17に記載の複数部分からなるキット。
【請求項19】
前記他の治療薬が、
(i)細胞増殖抑制剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(ii)血管新生阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(iii)タモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(iv)アロマターゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(v)トラスツズマブ(Herceptin)、または癌の治療に有用な別の抗体;
(vi)チロシンキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(vii)グリタゾン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(viii)ビグアナイド、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(ix)スタチン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(x)哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)の活性阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xi)オリゴマイシン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xii)AICAR(アミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチド)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xiii)ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)アゴニスト、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xiv)A−769662、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xv)D942(5−(3−(4−(2−(4−フルオロフェニル)エトキシ)−フェニル)プロピル)フラン−2−カルボン酸)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xvi)AM251、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;
(xvii)SIRT1活性化剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体;および/または
(xviii)サリドロシド、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物または薬理機能を有する誘導体
から選択される、請求項15〜18のいずれか1項に記載の併用製品。
【請求項20】
前記他の治療薬が、シスプラチン、ドキソルビシン、タモキシフェン、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン(exemastane)、herceptin、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、カネルチニブ、スニチニブ、ザクティマ、バタラニブ、ソラフェニブ、レフルノミド、ラパチニブ、ロシグリタゾン、メトホルミン、フルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチンおよびラパマイシンから選択される、請求項19に記載の併用製品。
【請求項21】
前記他の治療薬が、シスプラチン、ドキソルビシン、タモキシフェンおよびherceptinから選択される、請求項20に記載の併用製品。
【請求項22】
癌治療用の医薬品を製造するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体、または請求項15〜21のいずれか1項に記載の併用製品の使用。
【請求項23】
癌の治療に使用される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体、または請求項15〜21のいずれか1項に記載の併用製品。
【請求項24】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体、または請求項15〜21のいずれか1項に記載の併用製品を有効量、このような治療を必要とする患者に投与することを含む、細胞増殖の抑制方法。
【請求項25】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体、または請求項15〜21のいずれか1項に記載の併用製品を有効量、このような治療を必要とする患者に投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項26】
前記癌が固形腫瘍または造血器腫瘍である、請求項18に記載の複数部分からなるキット、請求項22に記載の使用、請求項23に記載の化合物もしくは併用製品、請求項24に記載の方法、または請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記癌が大腸、乳房、または前立腺の固形腫瘍である、請求項25に従属する請求項26に記載の複数部分からなるキット、使用、化合物、併用または方法。
【請求項28】
前記癌が乳癌である、請求項25に従属する請求項26に記載の複数部分からなるキット、使用、化合物、併用または方法。
【請求項29】
前記癌が造血器腫瘍であり、前記造血器腫瘍が白血病である、請求項25に従属する請求項26に記載の複数部分からなるキット、使用、化合物、併用または方法。
【請求項30】
(I)請求項17、請求項18〜21または請求項26〜29(請求項17に従属する)のいずれか1項に記載の成分(a)および(b)の一方;ならびに
(II)前記成分を前記2つの成分の他方と併用するための使用説明書、
を含む、複数部分からなるキット。
【請求項31】
請求項17、請求項18〜21または請求項26〜29(請求項17に従属する)のいずれか1項に記載の複数部分からなるキットの製造方法であって、成分(a)を成分(b)と組み合わせて、前記2つの成分を互いに併用投与するのに適するようにする工程を含む方法。
【請求項32】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の製造方法であって、
(i)式I(式中、AはSを表す)の化合物では、式IIa、
【化2】

(式中、A1〜A5、X、WおよびDは、請求項1に記載の通りである)の化合物を環化する工程;
(ii)式I(AはSを表し、Wは−[CRxym−を表し、mは1または2を表す)の化合物では、式III、
【化3】

(式中、A1〜A5およびXは、請求項1に記載の通りである)の化合物を式IV、
2−W1−D IV
(式中、L2は適した脱離基を表し、W1は−[CRxym−(式中、mは1を表す)を表し、Dは請求項1に記載の通りである)の化合物と反応させる工程;
(iii)式I(式中、AはSを表し、Wは−[CRxym−を表し、mは0を表す)の化合物では、前記式IIIの化合物を式V、
3−D V
(式中、L3は適した脱離基であり、Dは請求項1に記載の通りである)の化合物と反応させる工程;
(iv)式I(式中、AはSを表し、Wは−C(O)−[CRxyp−を表す)の化合物では、前記式IIIの化合物を式VI、
4−W2−D VI
(式中、L4は適した脱離基または−OHであり、W2は−C(O)−[CRxyp−を表し、Dは請求項1に記載の通りである)の化合物と反応させる工程;
(v)式I(式中、AはSを表し、Qは結合であり、かつnは0、1もしくは2であるか、またはQは−O−もしくは−S−であり、かつnは1もしくは2である)の化合物では、式VII、
【化4】

(式中、WおよびDは請求項1に記載の通りである)の化合物を式VIII、
【化5】

(式中、A1〜A5、RxおよびRyは請求項1に記載の通りであり、L5は適した脱離基であり、Qは結合であり、かつnは0、1もしくは2であるか、または、Qは−O−もしくは−S−であり、かつnは1もしくは2である)の化合物と反応させる工程;
(vi)式I(式中、Wは−[CRxCRym−である)の化合物では、式IX、
【化6】

(式中、L6は適した脱離基を表し、A1〜A5およびXは請求項1に記載の通りである)の化合物を式X、
2N−W−D X
(式中、WおよびDは請求項1に記載の通りである)の化合物と反応させる工程;および
(vii)式I(式中、BはSを表す)の化合物では、式IIb、
【化7】

(式中、A1〜A5、X、WおよびDは、上記請求項1に記載の通りである)
の化合物を環化させる工程;
を含む方法。
【請求項33】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を、薬学的に許容される補助剤、賦形剤または担体と組み合わせる工程を含む、請求項14に記載の医薬製剤の製造方法。
【請求項34】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物、または薬理機能を有する誘導体を、癌の治療に有用な前記他の治療薬と組み合わせる工程を含む、請求項15〜21のいずれか1項に記載の併用製品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−532854(P2012−532854A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519055(P2012−519055)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001315
【国際公開番号】WO2011/004162
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(512005623)バルティック バイオ アーベー (1)
【Fターム(参考)】