説明

半導体センサ、放射線検出器及び放射線モニタ

【課題】振動や静電気の影響を軽減して信頼性の高い半導体センサ、放射線検出器及び放射線モニタを得る。
【解決手段】放射線を検出する半導体素子11の負及び正電極12a,12bに絶縁物15を介して対向して導電層16a,16bが設けられ、シールドケース3と導電層16a,16bが0V電圧で同電位に固定されているので、シールドケース3と導電層16a,16b間の浮遊容量が小さくなる。従って、半導体センサ1の振動によりシールドケース3と導電層16a,16bとの間隔が微量に変化しても半導体センサ1の対地浮遊容量がほとんど変動しないため、振動ノイズのない信頼性の高い半導体センサ1を得ることができる。また、放射線検出器10は半導体センサ1と前置増幅器2がシールドケース3に収容して構成しているので、外部電磁ノイズの影響を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子炉施設や粒子線使用施設等の放射線放出管理あるいは放射線管理に用いられる放射線を検出するための半導体センサ、放射線検出器及び放射線モニタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような施設では、従来から半導体素子を使用した放射線検出器が使用されており、半導体素子から出力される信号パルスの電荷量は、ノイズと識別するための波高弁別レベルにおいて10のマイナス15乗クーロンオーダと微小である。それゆえ外部から侵入する電磁ノイズ対策として、半導体素子の直近に前置増幅器を配置し、半導体素子と前置増幅器を一緒にシールドケース内に収容し、シールドケースを前置増幅器の電源の0V端子に接続している。半導体素子は、シリコン等の半導体の片方の表面に負電極が、反対側の表面に正電極が設けられており、湿気を遮断して電極間を高絶縁状態に維持するために樹脂で密閉されている。
【0003】
高感度の半導体素子はその検出部面積が大きくなり、それに伴い電極面積が大きくなり、各電極とシールドケース間に形成された浮遊容量のため、放射線検出器に振動または衝撃が加わって浮遊容量の値が変動すると、それに伴い各電極への電荷の出入りが生じ、該電荷の出入りにより前置増幅器にパルス状の電流が流れて振動ノイズが発生する。例えば、市販されている24mm×24mmの有感面積の半導体素子の場合、電極とシールドケースとの距離を5mmにすると浮遊容量は1pF程度となり、振動で上記距離が10μm変動すると浮遊容量は約0.002pF変動し、電極に印加する電圧を±12Vとすると約1.2×10のマイナス14乗クーロンの電荷が出入りすることになり、ノイズ弁別レベルに相当する信号電荷10のマイナス15乗クーロンオーダを超えることになり、振動で放射線検出器が誤動作して指示が上昇して誤警報が発信する不適合が発生することになる。これを防止するために、複数の半導体素子を三角形の2辺に、残りの1辺に前置増幅器を配置した断面構造となるようにして検出器の剛性を高める方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは半導体素子と前置増幅器の組み合わせを複数配置した検出器において、複数の前置増幅器の出力信号の非同時出力を計数して振動ノイズを排除する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−128454(段落番号0013及び図3)
【特許文献2】特開平4−303787(段落番号0011、0012及び図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放射線検出器の振動源は、周辺設備のモータの振動であったり、放射線検出器に人や物が接触することにより発生する振動であったりさまざまであるが、振動により半導体素子の電極に電荷の移動が誘導される。また、10のマイナス15乗クーロンオーダの微小な信号を取り扱う放射線検出器は、帯電している人や物が接触すると電撃により半導体素子の電極に電荷の移動が誘導される。特に上記施設内の放射線レベルを常時監視しているエリアモニタの検出値が上昇すると徹底した原因調査が行われるが、一過性の振動が原因の場合は原因調査が難航することが多く、半導体素子を使用した放射線検出器の振動対策及び静電気対策が課題となっている。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決して、振動や静電気の影響を軽減して信頼性の高い半導体センサ、放射線検出器及び放射線モニタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る半導体センサにおいては、一方の面に負電極を反対側の面に正電極を有し放射線を検出して電気信号を出力する半導体素子と、負電極及び正電極の表面に設けられた絶縁物と、絶縁物の表面に設けられ外部と電気的に接続しうるようにされた導電層とを備えたものである。
【0008】
この発明に係る放射線検出器においては、上記半導体センサと、コモン電位部を有し半導体センサの出力する電気信号を増幅して増幅信号を出力する増幅器と、放射線検出器と増幅器とを収容し物理的電気的に保護するシールドケースとを備え、半導体センサの導電層と増幅器のコモン電位部とシールドケースとを接続して検出器共通電位部とされたものである。
【0009】
この発明に係る放射線モニタにおいては、上記放射線検出器と、測定部共通電位部を有し放射線検出器の出力する増幅信号に基づいて放射線を測定する測定部と、電気的遮蔽体を有するものであって放射線検出器と測定部とを収容し物理的電気的に保護する保護筐体とを備え、保護筐体の電気的遮蔽体と放射線検出器の検出器共通電位部と測定部の測定部共通電位部とを接続するとともに1点接地するようにされたものである。
【0010】
この発明に係る放射線モニタにおいては、上記放射線検出器と、測定部共通電位部を有し放射線検出器の出力する増幅信号に基づいて放射線を測定する測定部と、電気的遮蔽体を有するものであって放射線検出器と測定部とを収容し物理的電気的に保護する保護筐体とを備え、保護筐体の電気的遮蔽体を放射線検出器近傍において1点接地するとともに、放射線検出器の検出器共通電位部と測定部の測定部共通電位部とを接続するとともに1点接地するようにされたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る半導体センサにおいては、一方の面に負電極を反対側の面に正電極を有し放射線を検出して電気信号を出力する半導体素子と、負電極及び正電極の表面に設けられた絶縁物と、絶縁物の表面に設けられ外部と電気的に接続しうるようにされた導電層とを備えたものであるので、導電層を外部例えばシールドケースと接続することにより半導体センサが振動してもシールドケースと同電位に保たれるので、両者間の浮遊容量が小さくなるため、振動により正負各電極への電荷の出入りが小さくなって振動ノイズの発生が軽減されるため、振動の影響をなくすことができる。
【0012】
この発明に係る放射線検出器においては、上記半導体センサと、コモン電位部を有し半導体センサの出力する電気信号を増幅して増幅信号を出力する増幅器と、放射線検出器と増幅器とを収容し物理的電気的に保護するシールドケースとを備え、半導体センサの導電層と増幅器のコモン電位部とシールドケースとを接続して検出器共通電位部とされたものであるので、半導体センサの導電層とシールドケースとを接続することにより半導体センサが振動してもシールドケースと同電位に保たれるので、両者間の浮遊容量がなくなり、振動により正負各電極への電荷の出入りが小さくなって振動ノイズの発生が軽減されるため、振動の影響をなくすことができる。
【0013】
この発明に係る放射線モニタにおいては、上記放射線検出器と、測定部共通電位部を有し放射線検出器の出力する増幅信号に基づいて放射線を測定する測定部と、電気的遮蔽体を有するものであって放射線検出器と測定部とを収容し物理的電気的に保護する保護筐体とを備え、保護筐体の電気的遮蔽体と放射線検出器の検出器共通電位部と測定部の測定部共通電位部とを接続するとともに1点接地するようにされたものであるので、振動の影響をなくすことができるとともに、保護筐体により静電気の影響を軽減できる。
【0014】
この発明に係る放射線モニタにおいては、上記放射線検出器と、測定部共通電位部を有し放射線検出器の出力する増幅信号に基づいて放射線を測定する測定部と、電気的遮蔽体を有するものであって放射線検出器と測定部とを収容し物理的電気的に保護する保護筐体とを備え、保護筐体の電気的遮蔽体を放射線検出器近傍において1点接地するとともに、放射線検出器の検出部共通電位部と測定部の測定部共通電位部とを接続するとともに1点接地するようにされたものであるので、振動の影響をなくすことができるとともに、保護筐体により静電気の影響を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1である放射線モニタの構成を示す断面図である。図1において、放射線検出器10は半導体センサ1と前置増幅器2を備え、半導体センサ1は放射線を検出して電流パルス信号を出力し、前置増幅器2は上記電流パルスを電圧パルスに変換増幅する。シールドケース3は、半導体センサ1と前置増幅器2を一緒に収容して外来ノイズから電気的に遮蔽する。半導体センサ1は、半導体素子11と絶縁物15と導電層16a,16bを有する。半導体素子11は、片方の表面に負電極12aが、反対側の表面に正電極12bが設けられており、負電極12aと正電極12bにはそれぞれ導電性接着剤13a,13bでリード線14a,14bが接着されて引き出されている。半導体素子11の表面全体は、防湿のため負電極12aと正電極12bの表面を含めて絶縁物15を密着させて設けることにより密閉され、半導体素子11の負電極12a及び正電極12bの表面に設けられた絶縁物15の表面には、絶縁物15を介して負電極12aと正電極12bnとが対向するようにしてそれぞれ導電層16a,16bがリード線14a,14bの引き出し箇所を除き絶縁物に密着して設けられている。
【0016】
前置増幅器2にはマイナス電圧線4とプラス電圧線5が接続されて直流電圧が印加され、半導体素子11にはフィルタ6a、高抵抗7aを通して負電極12aにマイナス電圧が印加され、フィルタ6b、高抵抗7bを通して正電極12bにプラス電圧が印加される。また、前置増幅器2のコモン電位部である0V電圧線81がシールドケース3に接続されている。導電層16a,16bにはそれぞれ導電性接着剤13c、13dでリード線14c、14dが接着されて引き出され、それぞれ対地電圧が0Vであるシールドケース3に接続され、前置増幅器2のコモン電位部である0V電圧線81、シールドケース3、導電層16a,16bは同じ電位に固定され、これらが放射線検出器10の検出器共通電位部となっている。なお、導電層16a,16bは、リード線14a,14bの引き出し箇所を除いて一体に形成したものであってもよい。
【0017】
上記のように負電極12aと正電極12bは、それぞれの表面に絶縁物15を介して対向するようにして絶縁物15に密着固定して導電層16a,16bが設けられているため負電極12aと導電層16aとの間隔が固定され、同様に正電極12bと導電層16bとの間隔が固定され、シールドケース3と導電層16a,16bが0V電圧で同電位に固定されることによりシールドケース3と導電層16a,16b間に浮遊容量が存在しなくなる。従って、半導体センサ1が振動して振動でシールドケース3と導電層16a,16bとの間隔が微量に変化しても半導体センサ1の対地浮遊容量の変動が軽減されるため、振動ノイズの影響の少ない信頼性の高い放射線検出器10を得ることができる。また、半導体センサ1と前置増幅器2はシールドケース3に収容されているので、外部の電磁ノイズの影響を低減できる。
【0018】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2である半導体センサの構成を示す断面図である。図2において、導電層としての金属シート26a,26bは実施の形態1の導電層16a.16bと同様に機能するもので、例えば容易に入手できかつ安価なアルミニュウムシートを用いる。金属シート26a,26bは、接着剤27a,27bで絶縁物15に密着して固定する。
【0019】
この実施の形態によれば、容易に入手できかつ安価な金属シート26a,26bを接着材27a,27bで絶縁物15に接着することにより、低コストで振動ノイズのない信頼性の高い半導体センサを得ることができる。
【0020】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3である半導体センサの構成を示す断面図である。図3において、導電層としての粘着金属シート36a,36bは実施の形態1の導電層16a.16bと同様に機能するもので、例えば容易に入手できる粘着アルミニュウムシートを用いる。そして、粘着金属シート36a,36bの周辺部が剥がれないように接着材38a,38bで補強するとよい。
【0021】
この実施の形態によれば、容易に入手できかつ安価な粘着金属シート36a,36bを用いて導電層を構成することにより、低コストで振動ノイズのない信頼性の高い半導体センサを得ることができる。
【0022】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4である半導体センサの構成を示す断面図である。図4において、導電層としての金属薄膜46は絶縁物15に蒸着により金属膜を強固に密着してして形成したものである。金属薄膜46に導電性接着材13cでリード線14eが接着されて引き出され、0V電圧線81に接続されている。
【0023】
この実施の形態によれば、絶縁物15に金属を蒸着して金属薄膜46を形成することにより、絶縁物15に強固に密着した経年的に安定な導電層が得られるので、信頼性の高い長寿命の半導体センサを得ることができる。
【0024】
実施の形態5.
図5は、実施の形態5である放射線モニタの構成を示すブロック図である。図5において、放射線モニタ500は放射線検出器10と測定部8と保護筐体としての保護ケース50から構成されている。測定部8は、放射線検出器10から出力された検出器信号を入力して放射線量を測定し、保護ケース50は、放射線検出器10と測定部8とを収容してこれらを物理的かつ電気的に保護する。保護ケース50は、樹脂製ケース501と遮蔽導電層としての金属層502を有し、樹脂製ケース501の内面に金属層502が密着して設けられている。保護ケース50の遮蔽導電層としての金属層502及び放射線検出器10の検出器共通電位部である0V電圧線81を、測定部8の測定部共通電位部である0V電圧線82経由で接地電極91に1点接地する。金属層502は、例えばアルミニュウム、銅等の金属シートを用い、これを図示しない接着剤にて樹脂製ケース501に接着する。あるいは、アルミニュウム、銅等の金属を樹脂製ケース501に蒸着して形成する。金属層502は、接地電極91に接続されている。
【0025】
上記のように構成することにより、帯電した人や物が金属層502に直接接触することがなくなり、上記半導体センサの電極に電荷の出入りが誘導されることがなくなるため、帯電現象に対しても信頼性の高い放射線検出器を提供できる。すなわち、保護ケース50の表面側を絶縁物の樹脂製ケース501で構成することにより、帯電した人や物と保護ケース50との間の放電が発生しにくくなる。また、軽微な放電が発生しても放電に伴い発生する誘導ノイズは、接地された樹脂内面の金属層502により、内部への侵入が軽減される。また、保護ケース50の金属層502と放射線検出器10のシールドケース5の0V電圧線81を接地電極91に1点接地してループをつくらないようにすることにより、外来のノイズが侵入しににくなる。これらの相乗作用により、放射線検出器10へのノイズの誘導が一層抑制されるため、帯電現象に対しても信頼性の高い放射線モニタを得ることができる。
【0026】
実施の形態6.
図6は、実施の形態6である放射線モニタの構成を示すブロック図である。図6において、放射線モニタ600は放射線検出器10と測定部8と保護筐体としての保護ケース40と検出器ケーブル65から構成されている。保護ケース60は、放射線検出器10を収容して物理的かつ電気的に保護し、検出器ケーブル65は、放射線検出器10から出力された検出器信号を測定部8に遠隔伝送する。保護ケース60は、樹脂製ケース601とその内面に密着して設けられた遮蔽導電層としての金属層602を有し、遮蔽導電層としての金属層602は放射線検出器10の近傍の接地電極91に1点接地され、放射線検出器10の検出器共通電位部である0V電圧線81は、検出器ケーブル65を経由し、測定部8の測定部共通電位部である0V電圧線82経由で測定部8近傍の接地電極92に1点で接地される。
【0027】
上記のように構成することにより、実施の形態5と同等の効果を奏することに加えて、樹脂製ケース601の内面に金属層602を密着して設け、金属層602を放射線検出器10の近傍の接地電極91に1点接地し、放射線検出器10の0V電圧線82を測定部8近傍の接地電極92に1点接地し、接地を分けて放射線検出器10周辺のノイズ環境から共通電位部の0V電圧線81,82の電位を安定させることにより、帯電現象に対して更に信頼性の高い放射線モニタを得ることができる。
【0028】
実施の形態7.
図7は、実施の形態7である保護ケースの構造を示す。図7において、保護筐体としての保護ケース70は導電層としての炭素繊維701に所定の性状の樹脂702を含浸成型させた炭素繊維強化樹脂成形品にて製作される。炭素繊維701は、表面が炭素繊維701に含浸された樹脂702で絶縁されており、保護ケース70の内面を削って露出した炭素繊維701にリード線14hが導電性接着材13hで接着され、接地電極91に接続されている。このような保護ケース70は、例えば図5における保護ケース50の代わりに用いられる。なお、図6の保護ケース60の代わりにこのような構成の保護ケースを用いることもできる。
【0029】
この実施の形態によれば、保護ケース70を炭素繊維701で強化した炭素繊維強化樹脂成形品で構成することにより、実施の形態5及び実施の形態6に比べて樹脂製ケース501,601の内面に金属層502、602を密着させる工数が削減できるため、低コストで保護ケース70を製作できる。また、同一強度で保護ケース70の単位面積当たりの質量を低減できるので、入射するγ線の減衰を小さくできるため、低エネルギーのγ線まで精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態1である放射線検出器の断面図である。
【図2】実施の形態2である半導体センサの断面図である。
【図3】実施の形態3である半導体センサの断面図である。
【図4】実施の形態4である半導体センサの断面図である。
【図5】実施の形態5である放射線モニタの構成を示す構成図である。
【図6】実施の形態6である放射線モニタの構成を示す構成図である。
【図7】実施の形態7である保護ケースの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1,201,301,401 半導体センサ、2 前置増幅器、3 シールドケース、
4 マイナス電圧線、5 プラス電圧線、8 測定部、10 放射線検出器、
11 半導体素子、12a 負電極、12b 正電極、15 絶縁物、
16a,16b 導電層、26a,26b 金属シート、27a,27b 接着材、
36a,36b 粘着金属シート、46 金属薄膜、81,82 0V電圧線、
91,92 接地点、50,60 保護ケース、501 樹脂製ケース、
502 金属層、601 樹脂製ケース、602 金属層、65 検出器ケーブル、
500,600 放射線モニタ、70炭素繊維強化樹脂、701 炭素繊維、
702 樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に負電極を反対側の面に正電極を有し放射線を検出して電気信号を出力する半導体素子と、上記負電極及び上記正電極の表面に設けられた絶縁物と、上記絶縁物の表面に設けられ外部と電気的に接続しうるようにされた導電層とを備えた半導体センサ。
【請求項2】
上記絶縁物は、上記半導体素子の全表面を覆ったものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ。
【請求項3】
上記導電層は、金属シートを上記絶縁物の表面に接着したものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ。
【請求項4】
上記導電層は、金属薄膜を上記絶縁物の表面に蒸着形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体センサと、コモン電位部を有し上記半導体センサの出力する電気信号を増幅して増幅信号を出力する増幅器と、上記放射線検出器と上記増幅器とを収容し物理的電気的に保護するシールドケースとを備え、上記半導体センサの上記導電層と上記増幅器の上記コモン電位部と上記シールドケースとを接続して検出器共通電位部とされた放射線検出器。
【請求項6】
請求項5に記載の放射線検出器と、測定部共通電位部を有し上記放射線検出器の出力する増幅信号に基づいて放射線を測定する測定部と、電気的遮蔽体を有するものであって上記放射線検出器と上記測定部とを収容し物理的電気的に保護する保護筐体とを備え、上記保護筐体の上記電気的遮蔽体と上記放射線検出器の上記検出器共通電位部と上記測定部の上記測定部共通電位部とを接続するとともに1点接地するようにされた放射線モニタ。
【請求項7】
請求項5に記載の放射線検出器と、測定部共通電位部を有し上記放射線検出器の出力する増幅信号に基づいて放射線を測定する測定部と、電気的遮蔽体を有するものであって上記放射線検出器と上記測定部とを収容し物理的電気的に保護する保護筐体とを備え、上記保護筐体の上記電気的遮蔽体を上記放射線検出器近傍において1点接地するとともに、上記放射線検出器の上記検出器共通電位部と上記測定部の上記測定部共通電位部とを接続するとともに1点接地するようにされた放射線モニタ。
【請求項8】
上記保護筐体は、樹脂製の筐体本体部とこの筐体本体部の内面側に設けられた電気的遮蔽体としての遮蔽導電層を有するものであることを特徴とする請求項6または7に記載の放射線モニタ。
【請求項9】
上記保護筐体は、電気的遮蔽体としての炭素繊維に樹脂を含浸して形成されたものであることを特徴とする請求項6または7に記載の放射線モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−209294(P2008−209294A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47263(P2007−47263)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】