説明

半導体チップ及び半導体チップ製造方法

【課題】高い取出効率を有する半導体チップの簡易な製造方法を提供する。
【解決手段】半導体チップ及び半導体チップを製造する方法。半導体チップ1は、放射を発生するために設けられた活性領域23を有する半導体連続層を有する半導体ボディ2を含んで、半導体連続層が半導体ボディ2を形成する。コンタクト部4が半導体ボディ2の上に配置される。注入障壁5がコンタクト部4と活性領域23の間に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップ及び半導体チップを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED半導体チップでは、取出効率、すなわち、半導体中で発生された放射電力に対する半導体から発出する放射電力の比は、多々ある損失過程により影響をこうむる。吸収損失は、とりわけ、取出効率の減少の原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、取出効率を向上させた半導体チップを明示することである。さらに、本発明は、高い取出効率を有する半導体チップの簡易な製造方法を明示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの目的は、請求項1に記載の半導体チップにより、及び請求項12に記載の方法によりそれぞれ達成される。従属請求項は、本発明の有利な構成と展開に関する。
【0005】
一つの実施形態によれば、本発明による半導体チップは、放射を発生するために設けられた活性領域を有する半導体連続層を有する半導体ボディを含んでなる。コンタクト部が、半導体ボディの上に配置される。注入障壁が、コンタクト部と活性領域の間に形成される。
【0006】
半導体チップの稼動中、コンタクト部から活性領域への電荷キャリアの垂直方向の注入は、注入障壁によって減少される。半導体チップの平面図において、電荷キャリアはコンタクト部の横に位置する活性領域へ大部分は注入される。この目的で、コンタクト部は、適切には、活性領域よりも縮小した横方向の広がりをもつ。コンタクト部の下では、反対に、電荷キャリアの活性領域への注入が減少される。このようにして、コンタクト部の下の活性領域で発生され、その後コンタクト部に吸収される放射の可能性を減少させることができる。言い換えれば、放射は半導体チップの活性領域において、垂直方向に放出された放射が上にあるコンタクト部によって吸収されず、むしろ半導体チップから発出できる横の領域で主に発生される。したがって、半導体チップの取出効率を増大することができる。
【0007】
一つの好適な構成では、注入障壁の横方向の形状は、コンタクト部の横方向の形状に適合される。半導体チップの平面図において、注入障壁はコンタクト部に好ましくは完全に重なることができる。さらに平面図において、注入障壁は、好ましくはコンタクト部と同じ基本的幾何学的形状をもつ。
【0008】
この場合に横方向は、半導体連続層の半導体層の主たる延在方向に沿って伸びる方向であると理解される。これに対して、垂直方向は、前記半導体層の主たる延在方向に対して垂直に交わる方向である。
【0009】
一つの構成の変形では、注入障壁は、コンタクト部と半導体ボディの間の界面部に形成される。この場合には、注入障壁は、電位障壁によって、具体的にはショットキーコンタクト、すなわち、コンタクト部と半導体ボディ間の金属・半導体接合によって典型的に実現され得る。
【0010】
さらに、注入障壁は、半導体ボディの凹部の中に形成することができる。一例では、コンタクト部に対して比較的低い接触抵抗をもつ半導体ボディの材料物質を凹部によって除去できる。その結果、コンタクト部に対してより高い接触抵抗をもつ半導体ボディの材料物質を露出することができる。このようにして、凹部に配置されたコンタクト部は、横方向よりも垂直方向で半導体ボディに対してより高い接触抵抗をもつことができる。コンタクト部から活性領域への直接的な垂直の注入が、このようにして低下される。
【0011】
この点で、金属コンタクトと半導体層の間の製造の指示により完全に回避できない接触抵抗、特に、線形のまたは少なくともほぼ線形の電流−電圧特性曲線を示すオーミック接触抵抗は、本発明の意味において注入障壁としてみなされないことに留意すべきである。むしろ、半導体チップの稼動中に外部電圧によってコンタクト部に印加された電荷キャリアが、半導体チップの平面図における注入障壁の領域では、活性領域へ注入されないように、または少なくとも、注入障壁の外側に比べてきわめて低い可能性で活性領域へ注入されるように、注入障壁は好ましくは形成される。この場合には、注入障壁は、活性領域よりも縮小した横方向の広がりをもつ。
【0012】
代替的な構成の変形では、注入障壁は半導体ボディの中に形成される。好ましくは、注入障壁は、活性領域とコンタクト部の間に配置された半導体層の導電率が局部的に低下されている領域によって形成される。したがって、この領域における半導体層の導電率はこの領域外よりも低い。言い換えれば、この領域では、半導体層の横に隣接する領域に比べて導電率が減少されている。さらに、低下した導電率のこの領域は、横方向に好ましくは島のように形成され、その横方向の形状は、特に好ましくはコンタクト部の横方向の形状に適合される。
【0013】
導電率が低下されている領域は、コンタクト部から垂直方向に隔てられている。この場合には、半導体チップの稼動中、電荷キャリアはコンタクト部から半導体ボディへ垂直方向に直接注入され得る。さらに活性領域へ達しようとする垂直の注入は、低い導電率のこの領域のために阻止される、または少なくとも、この領域外での注入の増加を有利にするよう減少される。したがって、半導体ボディの取出効率を増大することができる。
【0014】
さらに別の代替的な構成の変形では、注入障壁は半導体ボディの外側に形成される。好ましくは、注入障壁は、半導体ボディとコンタクト部の間に配置された絶縁層によって形成される。さらに、複数の絶縁層が半導体ボディとコンタクト部の間に形成され得る。特に好ましくは、複数の絶縁層がブラッグ反射鏡に従って形成される。したがって、誘電体反射鏡が絶縁層によって形成され得る。
【0015】
注入障壁は、したがって、活性領域で発生された放射に対する反射鏡の機能をさらに果たすことができる。前記放射の吸収をしたがって大幅に減少させ得る。注入障壁、詳しく言えば誘電体反射鏡で反射された放射は、その後半導体チップから発出できる。したがって、半導体チップの取出効率をより大幅に増大することができる。
【0016】
一つの好適な構成では、コンタクト部は、半導体ボディから遠い側のコンタクト部の縁面にコンタクト層を有する。コンタクト層は、例えば、ボンディングワイヤによる外部コンタクトと半導体チップとの接触を形成する役目をもつ。コンタクト層は、好ましくは、例えばAu、Ti、PtまたはNiといった金属または前記の物質の少なくとも一つを含んでなる金属合金を含有する。
【0017】
コンタクト部は、好ましくは、コンタクト層と半導体ボディの間に配置された反射鏡層を有する。反射鏡層は、好ましくは、活性領域で発生された放射に対する高い反射率をもつ。反射鏡層は、好ましくは、例えば、金、アルミニウム、銀、パラジウムまたはロジウムといった金属または上記の金属の少なくとも一つを含む金属合金を含有する。活性領域で発生された放射のコンタクト層での吸収は、反射鏡層によって回避できる。半導体チップの取出効率をこれにより増大できる。
【0018】
コンタクト層は、少なくとも複数の横方向領域で反射鏡層よりも外側へ突出することができる。具体的には、コンタクト層は、横方向に反射鏡層にかぶさるように成形することができる。すなわち、コンタクト層は反射鏡層を少なくとも一つのその横の区域を覆う。コンタクト層から横方向にコンタクト層と境を接する層への電荷キャリアの直接注入が、このようにすれば簡単に行なえるようになる。この場合には、反射鏡層は、コンタクト部から半導体ボディへの電荷キャリアの注入には全く寄与しない、または少なくとも大きな寄与はしない。
【0019】
さらに、絶縁層または複数の絶縁層の活性領域から遠い側の面に反射鏡層を配置することができる。絶縁層により透過された放射をこのようにすれば反射鏡層によって反射することができる。活性領域で発生された放射に対する高い全反射率をもつ反射鏡集合体をこのようにして簡単に形成することができる。
【0020】
一つの好適な構成では、半導体チップは、コンタクト部に電気的導通をもつように接続される電流拡散層を有する。半導体チップの稼動中、電流拡散層は、平面図において注入障壁の外側の活性領域に電荷キャリアを注入するために設けられる。
【0021】
電流拡散層は、好ましくは、コンタクト部に比較して大きい横方向の広がりをもつ。電流拡散層は、特に好ましくは、活性領域を横方向に区切る半導体ボディの横側の領域と境を接する。活性領域への広い面域にわたる電荷キャリアの注入が、これにより簡単に行なわれる。
【0022】
一つの好適な構成では、電流拡散層は、コンタクト部がその中に配置される凹部を有する。凹部は、電流拡散層を垂直方向に通り抜けるように拡張することできる。コンタクト部から電流拡散層への電荷キャリアの垂直の注入をこれにより減少させることができる。
【0023】
この場合には、電流拡散層とコンタクト部は、少なくとも複数の領域で互いに境を接することができる。したがって、電荷キャリアをコンタクト部から電流拡散層へ直接注入できる。
【0024】
代替として、電流拡散層とコンタクト部は、横方向に互いから隔てられるようにできる。この場合には、電流拡散層とコンタクト部は、好ましくは、コンタクト部と活性領域の間に配置された層によって電気的導通をもつように接続される。
【0025】
さらに別の好適な構成では、電流拡散層は非金属である。さらに、電流拡散層は、好ましくは、活性領域で発生された放射に対して透過性である物質によって形成される。
【0026】
本発明の文脈では、非金属の電流拡散層は、層または連続層の個々の層が金属を含有できるが、前記層または複数の層が金属の特性をもたない層または連続層であると理解される。
【0027】
具体的には、非金属の電流拡散層は、半導体物質を基にする、または半導体物質からなることができる。電流拡散層は、したがって半導体ボディの中に形成され得る。この場合には、電流拡散層は好ましくは一つの半導体層であり、当該半導体層と活性領域の間に配置されたさらに別の半導体層とは導電型が異なる。
【0028】
代替として、電流拡散層は半導体ボディの外側に配置され得る。好ましくは、半導体ボディの外側に配置された電流拡散層は、TCO物質(透明導電性酸化物)を含有する。
【0029】
TCO物質は透明導電性酸化物であり、一般には、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)等の金属酸化物である。例えば、ZnO、SnOまたはIn等の二元金属酸化物と共に、TCOのグループは、例えば、ZnSnO、CdSnO、ZnSnO、MgIn、GaInO、ZnInまたはInSn12等の三元金属酸化物、または異なる透明導電性酸化物の混合物も含む。さらにTCOは必ずしも化学量論的組成に一致しなくもよく、pまたはnドーピングすることもできる。
【0030】
さらに別の好適な構成では、接続層が電流拡散層と半導体ボディの間に配置される。接続層は、適切には、半導体層への低接触抵抗の導電性接続をもたらすために使用できる物質を含有する。好ましくは、接続層は、例えばチタン、プラチナ、ニッケル、ロジウムといった金属、または上記の金属の少なくとも一つを含んでなる金属合金を含有する。接続層は、さらに好ましくは、活性領域で発生された放射に対して少なくとも部分的に透過性であるように十分に薄くされる。特に好ましくは、接続層の厚さは最大でも10nmである。
【0031】
さらに別の好適な構成では、トンネルコンタクト層が電流拡散層と活性領域の間に配置される。トンネルコンタクト層は、当該トンネルコンタクト層と活性領域の間に配置されたさらに別の半導体層とは導電型が異なる。トンネルコンタクト層は、好ましくは高度にドーピングされた半導体層である。ドーピング濃度は、好ましくは、少なくとも1018cm−3、特に好ましくは、少なくとも1019cm−3である。
【0032】
電流拡散層から活性領域への電荷キャリアの注入は、トンネルコンタクト層によって簡単に行なえるようになる。
【0033】
一つの好適な展開では、さらに別のトンネルコンタクト層が、トンネルコンタクト層の前記活性領域に対向する側の面に配置される。さらに別のトンネルコンタクト層は、トンネルコンタクト層とは異なる導電型をもつ。さらに、さらに別のトンネルコンタクト層は、好ましくは同様に高いドーピング濃度をもつ。
【0034】
さらに別の好適な展開では、注入障壁は、さらに別のトンネルコンタクト層の導電率が局部的に低下されている領域によって形成される。この場合には、注入障壁は、したがって半導体ボディの中に形成される。さらに、トンネルコンタクト層をコンタクト部とさらに別のトンネルコンタクト層の間に形成できる。したがって、局部的に低下された導電率の領域は、コンタクト部から垂直方向に隔てられるようにできる。半導体チップの稼動中、電荷キャリアは、したがってコンタクト部からトンネルコンタクト層へ移動し、横方向へ伝播できる。電荷キャリアの横方向の伝播は、さらに半導体ボディ内または外に配置された電流拡散層により促進され得る。トンネルコンタクト層から、電荷キャリアは次に、局部的に低下された導電率の領域の外側で、さらに別のトンネルコンタクト層を介して活性領域へ注入され得る。
【0035】
トンネルコンタクト層及び/またはさらに別のトンネルコンタクト層は、比較的薄くされ得る。その厚さは、100nm以下、好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nmとすることができる。
【0036】
一つの好適な構成では、電流拡散層はトンネルコンタクト層として実現される。電流拡散層は、したがって高度にドーピングされた半導体層であり、つまり半導体ボディの一部をなす。この場合には、電流拡散と電荷キャリアを活性領域に横方向に一様に印加するために半導体ボディの外側に配置されるさらに別の層は、省くことができる。
【0037】
トンネルコンタクト層の活性領域に対向する側の面にさらに別のトンネルコンタクト層を次に配置することができ、このさらに別のトンネルコンタクト層はトンネルコンタクト層とは異なる導電型をもつ。
【0038】
半導体チップは、好ましくは、インコヒーレント放射または主としてインコヒーレント放射を発生させるように提供される。一例として、半導体チップをLEDチップとして、さらにRCLEDチップ(共振器型発光ダイオード)として実現することができる。RCLEDチップの場合は、活性領域はキャビティ内に配置される。
【0039】
半導体チップは、コヒーレント放射を発生させるように提供されてもよい。この場合には、半導体チップを半導体レーザチップとして、特に、内部共振器を有する面発光半導体レーザチップ(垂直キャビティ面発光レーザ、VCSEL)または外部の共振器と共に動作する面発光半導体チップ(垂直外部キャビティ面発光レーザ、VECSEL)として実現することができる。
【0040】
半導体ボディ、詳しく言えば活性領域は、好ましくは、III−V半導体物質を含有する。III−V半導体物質によって、高い効率の赤外線から紫外線までのスペクトル領域の放射を発生することが可能である。
【0041】
半導体チップ、詳しく言えば半導体ボディは、複数の活性領域、例えば、上下に重ねて配置された2つ以上の活性領域を有し得る。この場合には、半導体チップの上記の要素、具体的には電流拡散層、トンネルコンタクト層、さらに別のトンネルコンタクト層、及び接続層の活性領域に相対する配置は、コンタクト部に最も近い位置に配置される活性領域に関係する。
【0042】
一つの実施形態によれば、放射を発生するために設けられた活性領域を有する半導体連続層を有する半導体ボディを含んでなる半導体チップを製造する本発明による方法において、半導体ボディの上にコンタクト部が形成される。活性領域とコンタクト部の間に注入障壁が形成される。
【0043】
一つの好適な構成では、注入障壁は半導体ボディの中に形成される。これは、詳しくは、コンタクト部が半導体ボディの上に形成される前に行なわれる。好ましくは、注入障壁は、半導体層の、当該半導体層の導電率が局部的に低下されている領域によって形成される。
【0044】
半導体層の導電率の局部的低下は、例えば水晶構造の標的を絞った外乱によるドーピングの補正によって、例えば、達成し得る。一例として、当初pドーピングされた半導体層に標的を絞ったやり方で生じさせた水晶の欠陥は、p型ドーピングの完全なまたは少なくとも部分的な補正を起こさせることができる。この場合には、p導電半導体層のアクセプタによって生じた導電率をドナーとして動作する欠陥によって減少させる。これは、例えば、バックスパッタリングによって実現できる。バックスパッタリング中、好ましくは、例えばArイオンビーム等のイオンビームが半導体層に当てられる。
【0045】
導電率の局部的低下は、ドナーまたはアクセプタの少なくとも一部を不活性化することによっても達成することができる。そこで、例えば、水素プラズマによってp型導電半導体層に水素を導入できる。p導電型にドーピングされたInGaAlNベースの半導体層中のアクセプタ、例えばMgアクセプタをこれにより電気的に不活性化できる。
【0046】
当該半導体層に対して反対の電荷型をもつイオンの注入によって導電率を低下させることもできる。
【0047】
さらに別の好適な実施形態では、例えば、スパッタリングまたは真空蒸着によって電流拡散層が半導体ボディに被着される。横方向パターニングマスク層が、電流拡散層の上に形成または配置され得る。その後、マスク層が存在しない領域において電流拡散層と半導体ボディの材料物質を除去できる。電流拡散層及び半導体ボディの横方向パターニングは、したがって共通のマスク層によって行なえる。したがって、追加のマスク層を省くことができる。その結果、製造コストを削減できる。さらに、これにより、パターニング精度を上げることができる。
【0048】
一つの好適な展開では、さらに別の横方向パターニングマスク層が電流拡散層の上に形成される。これは、好ましくはマスク層の除去の後に行なわれる。
【0049】
さらに別のマスク層が存在しないさらに別の領域において、電流拡散層に凹部を形成できる。反射鏡層と続いてコンタクト層を凹部に被着できる。
【0050】
反射鏡層及びコンタクト層の形成における蒸着条件は、コンタクト層が横方向に反射鏡層よりも外に突出するように設定され得る。一例として、反射鏡層は垂直方向または実質的に垂直方向からを半導体ボディの上に蒸着可能であるが、コンタクト層は半導体ボディを同時に回転させつつ斜めから蒸着される。これにより達成できることは、コンタクト層が反射鏡層よりも大きい横方向の広がりをもつことであり、この目的のために異なるマスク層を用いる必要はない。
【0051】
さらに、コンタクト部またはコンタクト部の少なくとも一つの層、例えばコンタクト層または反射鏡層を、コンタクト部が電流拡散層から横方向に隔てられるように電流拡散層の凹部の中に形成できる。これは、上記の同じさらに別のマスク層によって行なえる。一例として、ウェット化学エッチングによって凹部を電流拡散層に形成できる。電流拡散層の凹部は、これにより、さらに別のマスク層の切欠き部よりも大きい横方向の広がりをとることができる。コンタクト部またはコンタクト部の少なくとも一つの層の横方向の広がりがさらに別のマスク層の切欠き部の横方向の広がり以下であるように、コンタクト部またはコンタクト部の少なくとも一つの層を次に蒸着することができる。これは、垂直方向または実質的に垂直方向からの蒸着におって行なえる。したがって、コンタクト部またはコンタクト部の少なくとも一つの層の間に少なくとも一つのすき間を形成することが可能である。
【0052】
半導体ボディの上に配置された各層、具体的には、電流拡散層、コンタクト層、反射鏡層、接続層の形成は、好ましくは、真空蒸着またはスパッタリングによって行なわれる。
【0053】
ここに述べた方法は、上述した半導体チップを製造するために特に適する。半導体チップに関連して説明した特徴はしたがって方法についても使用可能であるし、その逆も同様である。
【0054】
本発明のさらに他の特徴、有利な構成及び有用性は、図面と併せて説明する例示的な実施形態の以下の記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による半導体チップの第1の例示的な実施形態の概略断面図
【図2】本発明による半導体チップの第2の例示的な実施形態の概略断面図
【図3】本発明による半導体チップの第3の例示的な実施形態の概略断面図
【図4】本発明による半導体チップの第4の例示的な実施形態の概略断面図
【図5】本発明による半導体チップの第5の例示的な実施形態の概略断面図
【図6A】本発明による製造方法の第1の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図6B】本発明による製造方法の第1の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図6C】本発明による製造方法の第1の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図6D】本発明による製造方法の第1の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図6E】本発明による製造方法の第1の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図7A】本発明による製造方法の第2の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図7B】本発明による製造方法の第2の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図7C】本発明による製造方法の第2の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図7D】本発明による製造方法の第2の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図7E】本発明による製造方法の第2の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図8A】本発明による製造方法の第3の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図8B】本発明による製造方法の第3の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図8C】本発明による製造方法の第3の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図8D】本発明による製造方法の第3の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【図8E】本発明による製造方法の第3の例示的な実施形態の、数段階の中間工程に基づく概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0056】
図において、同一の要素、同一の種類の要素、同一の働きをする要素には、同一の参照符号を付している。
【0057】
これらの図はいずれも概略図であるので、必ずしも実寸大ではない。むしろ、比較的小さい要素、特に、薄い層については、明確化するために誇張した大きさで図示される要素もある。
【0058】
本発明による半導体チップの第1の例示的な実施形態を図1に断面図の形で概略的に示す。半導体チップ1は、半導体連続層をもつ半導体ボディ2を有する。半導体連続層が半導体ボディを形成する。半導体ボディは、p導電型半導体層21とn導電型半導体層22の間に配置された活性領域23を有する。
【0059】
半導体ボディ2は、担持部20の上に配置される。担持部20は、例えば、半導体ボディ2の半導体連続層のための成長基板であり得る。一例として、担持部は、例えば、Si、Ge、GaAs、SiC、GaNまたはGaPを含有することができる、または上記の物質からなることができる。代替として、サファイアを含有する、またはサファイアからなる担持部を、例えば、適用することもできる。担持部は、導電率を上げるために適切にドーピングされ得る。成長基板上に半導体ボディ2の半導体連続層は、好ましくは、例えば、MBEまたはMOVPEによってエピタキシャルに蒸着される。
【0060】
コンタクト部4が半導体ボディ2の上に配置される。コンタクト部は、活性領域23から見て担持部20とは反対側に配置され、例えば、円形または長方形の基本形状をもち得る。コンタクト部4は、コンタクト層41と反射鏡層42を有する。反射鏡層は、コンタクト層と半導体ボディ2の間に配置される。注入障壁5が、コンタクト部4と半導体ボディ2の間に形成される。
【0061】
注入障壁は、担持部20から遠い側で半導体ボディの垂直方向の境界を定める、半導体ボディ2の界面部25に形成される。注入障壁は、コンタクト部4と半導体ボディ2の間のショットキーコンタクトとして、詳しく言えば、反射鏡層42とp導電型半導体層21の間のショットキーコンタクトとして実現される。この例では、注入障壁5の横方向の範囲は、コンタクト部4の横方向の範囲に一致する。
【0062】
さらに、電流拡散層31が半導体ボディ2の上に配置される。電流拡散層31は、コンタクト部4と同じ側の半導体ボディ2の面に配置される。この例では、電流拡散層の横方向の範囲は、コンタクト部4の横方向の範囲に比較して大きい。電流拡散層31は、凹部310を有する。切欠き部分の垂直方向の範囲は、好ましくは、電流拡散層31を通り抜ける。コンタクト部4、詳しく言えばコンタクト層41が前記凹部に配置される。
【0063】
コンタクト部4と電流拡散層31、詳しく言えば、コンタクト層41と電流拡散層31は横方向に互いに境を接する。半導体チップの稼動中にコンタクト層41へ注入された電荷キャリアは、したがって、横方向へコンタクト層41から電流拡散層31中へ直接移動することができる。電流拡散層31から、電荷キャリアは半導体ボディ、詳しくは、活性領域23へ垂直方向に注入され得る。一方、コンタクト層41から半導体ボディ2への直接の垂直方向の注入は、注入障壁5によってより困難にされる。半導体チップ1の平面図においては、したがって、注入障壁5の主に外側の活性領域において放射は発生される。半導体チップ1の取出効率は、これにより増大され得る。
【0064】
電流拡散層31は、好ましくは非金属形態で実現され、さらに好ましくは、活性領域で発生された放射に対して透過性であるように形成される。電流拡散層31は、好ましくは、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)または酸化亜鉛(ZnO)といったTCO物質を含有する。さらに他の前述のTCO物質も電流拡散層31に適合し得る。
【0065】
接続層32が、電流拡散層31と半導体ボディ2の間に形成される。接続層32によって、電荷キャリアを電流拡散層31から半導体ボディ2へ簡単に注入することができる。接続層があることにより、半導体ボディ2に対する低い、詳しくはオーミック接触抵抗を実現不可能であるような物質または実現できても困難を伴うような物質でも、したがって、電流拡散層に使用可能になる。電流拡散層31と半導体ボディ2の間の十分によい電気的接触が得られるならば、接続層はなくもよい。
【0066】
接続層32は、好ましくは、金属形態でまたは金属合金を基にして実現される。さらに、接続層は好ましくは、活性領域で発生された放射が少なくとも部分的に接続層を通過できる程度に薄くされる。
【0067】
接続層は、半導体層に対するよい接触特性を有する金属、例えば、チタン、プラチナ、ニッケル、ロジウムまたはその他の金属を含有することができる。代替的または補足的に、接続層は、好ましくは前述の物質の少なくとも一つを含んでなる金属合金を含有できる。プラチナは特に有利であることがわかった。接続層の厚さは、好ましくは、最大でも10nm、例えば3〜7nmである。一例として、6nmの厚さをもつプラチナ層は、青色スペクトル領域で約40%の透過率を有する。
【0068】
半導体チップ1の平面図においては、注入障壁5はコンタクト部4よりも外側へ、好ましくは完全に外側へ突出する。これにより、半導体チップ1の稼動中にコンタクト部4へ注入された電荷キャリアが、注入障壁があるために、垂直方向に半導体ボディ2へ直接注入されない、またはごく少ない比率でしか直接注入されないことを確実にできる。電荷キャリアの圧倒的大部分は、コンタクト層41から横方向へ電流拡散層31中へと注入され、注入領域5外の接続層32を介してp導電型半導体層21へ入り、続いて活性領域23へ入る。したがって、コンタクト部4の下では、比較的わずかな電荷キャリアしか活性領域23へ注入されない。半導体の平面図においては、活性領域では、コンタクト部4の外側で主に、放射は電荷キャリア再結合により発生される。活性領域23で発生され、その後コンタクト部4によって吸収される放射の比率をこれにより低下させることができる。
【0069】
反射鏡層42は、コンタクト部、詳しく言えばコンタクト層41における吸収をさらに低下させる役目を担う。反射鏡層は、適切には、活性領域で発生される放射に対して可能な限り最高の反射率を有する物質により形成される。好ましくは、反射鏡層は、金属形態でまたは金属合金を基にして実現される。一例をあげると、金が赤外線及び赤色スペクトル領域に適しており、アルミニウム、銀、パラジウム及びロジウムが青色及び紫外線スペクトル領域において比較的高い反射率を有する。
【0070】
コンタクト層41における活性領域23で発生された放射の吸収は、したがって反射鏡層42によって回避され得る。コンタクト層41用の材料物質は、したがって、例えば、ボンディングワイヤを用いた半導体チップのよい外部接触接続性を考慮して、光学特性とは概して無関係に選択可能である。具体的には、金属、例えば金、または金を含む合金、例えばAuSnが材料物質として適当である。
【0071】
さらに別のコンタクト部45が担持部20の半導体ボディ2から遠い側の面に配置される。コンタクト部4とさらに別のコンタクト部45の間に外部から電圧を印加することにより、電荷キャリアの活性領域への注入が可能となり、そこで発光と放射を伴う再結合が可能になる。
【0072】
半導体ボディ2、詳しく言えば活性領域23は、好ましくは、III−V半導体物質を含有する。III−V半導体物質は、紫外線(In Ga Al1−x−y N)から可視(詳しくは青色〜緑色放射用にはIn Ga Al1−x−y N、または詳しくは黄色から赤色放射用にはIn Ga Al1−x−y P)を通じ赤外線(In Ga Al1−x−y As)までにわたるスペクトル領域における放射を発生させるのに特に適している。ここで、0≦x≦1、0≦y≦1及びx+y≦1がいずれの場合にも当てはまり、詳しくはここで、x≠1、y≠1、x≠0及び/またはy≠0である。III−V半導体物質の使用により、特に前述の物質系から、放射の発生において高い内部量子効率をさらに得ることができる。
【0073】
保護層7が半導体ボディ2の上に配置され、好ましくはその側面領域も含めて半導体ボディを覆う。前記保護層は、例えば、湿気等の有害な外部環境の影響から半導体ボディを保護する役目をする。しかし、このような保護層は絶対に必要なものではない。保護層は誘電方式でエピタキシャルに形成され、酸化物、例えば酸化シリコン、窒化物、例えば窒化シリコン、または酸窒化物、例えばシリコン酸窒化物を好ましくは含有する。
【0074】
半導体層のドーピングは、本例示的な実施形態における一例として明示されるに過ぎない。特に、半導体層の導電型は、n型ドーピングされたものとして記述された半導体層がp型ドーピングされたり、p型ドーピングされたものとして記述された半導体層がn型ドーピングされたりするように、その変形では逆になり得る。
【0075】
半導体チップ1はLED半導体として実現され、インコヒーレント放射を発生させるように提供される。その変形では、半導体チップをRCLED半導体チップとして実現することもできる。このような半導体チップでは、活性領域はキャビティ内に配置される。代替として、半導体チップを、コヒーレント放射を発生させるように実現することもできる。具体的には、面発光半導体レーザチップ(VCSEL)として、または外部の共振器において動作する面発光半導体チップ(VECSEL)として半導体チップを実現することができる。
【0076】
本発明による半導体チップの第2の例示的な実施形態を図2に概略的に示す。第2の例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と大体は同じである。第1の例示的な実施形態と対比して、半導体ボディ2はトンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24を追加して有する。トンネルコンタクト層とさらに別のトンネルコンタクト層はどちらも、好ましくは少なくとも1018cm−3、特に好ましくは少なくとも1019cm−3の高い電荷キャリアを有する。
【0077】
さらに、トンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24は、互いに反対の符号でドーピングされる。この例では、トンネルコンタクト層34は、活性領域23とトンネルコンタクト層の間に配置された半導体層21とは異なる導電型をもつ。一例として述べるケースでは、半導体層21はp型導電方式でドーピングされ、したがって、コンタクト層34はn型導電方式でドーピングされる。対応的に、さらに別のトンネルコンタクト層24は、境を接する半導体層21と同じくp型導電方式でドーピングされ、ここで、さらに別のトンネルコンタクト層24は半導体層21よりも高いドーピング濃度をもつ。
【0078】
電流拡散層31は、トンネルコンタクト層の活性領域23から遠い側の面に形成される。電流拡散層31から半導体ボディ2への電荷キャリアの注入は、トンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24によって簡単に行なえるようになる。図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と対比して、したがって、半導体層は接続層の機能を果たす。半導体ボディ2と電流拡散層31の間に配置された追加の接続層は、これにより省くことができる。
【0079】
さらに、第1の例示的な実施形態と対比して、注入障壁5は半導体ボディ2中に形成される。注入障壁5は、さらに別のトンネルコンタクト層24の一領域240となる。この領域でのさらに別のトンネルコンタクト層24は、さらに別のトンネルコンタクト層24の横方向に隣接する領域245に比べて低い導電率をもつ。半導体チップ1の平面図においては、コンタクト部4は、注入障壁5、すなわち、さらに別のトンネルコンタクト層24の領域240と一致した、または少なくとも実質的に一致した横方向に拡がる範囲をもつ。その形状がコンタクト部の形状に適合される注入障壁によって、コンタクト部4の下の活性領域への電荷キャリアの注入を特に効率的に低下させることができる。
【0080】
トンネルコンタクト層34は、注入障壁5とコンタクト部4の間に配置される。コンタクト部4と注入障壁5、すなわち、低下した導電率の領域240は、したがって、垂直方向で互いから隔てられている。半導体チップ1の稼動中、電荷キャリアはコンタクト部4からトンネルコンタクト層34へ垂直方向に注入され得る。しかし、活性領域の方向へさらに垂直に移動する電荷キャリアの流れは、注入障壁によって回避される、または少なくとも大幅に減少される。
【0081】
電荷キャリアの可能な注入経路を、矢印を用いて、図2の拡大抜き出し部に概略的に示す。電荷キャリアは、コンタクト部4からトンネルコンタクト層34を介して、半導体ボディの外側に配置された電流拡散層31へ移動することができる。前記電流拡散層では、電流は横方向へ拡散し、その後トンネルコンタクト層34を介して半導体ボディ2へ注入可能である。トンネルコンタクト層34の横導電率が比較的低い場合でも、このように広い面域にわたる電荷キャリアの注入が電流拡散層31によって可能になる。トンネルコンタクト層34は、したがって、非常に薄くすることができ、その厚さは、例えば、100nm以下、好ましくは20nm、特に好ましくは10nmであればよい。
【0082】
さらに、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と対比して、コンタクト部4、詳しく言えばコンタクト層41は、横方向で電流拡散層31から隔てられている。したがって、コンタクト部と電流拡散層は、直接接続されるのではなく、トンネルコンタクト層34を介して互いに電気的導通をもつように接続される。第1の例示的な実施形態と対比して、したがって、電荷キャリアの半導体ボディへの注入は、コンタクト部4、詳しく言えばコンタクト層41が半導体ボディと境を接する、半導体ボディ2の界面部25の領域において生起される。この例では、コンタクト部4は、好ましくは、半導体ボディ2に対する低い接触抵抗を考慮して形成される。
【0083】
図2に示した半導体チップは、さらには、保護層を有しない。しかし、具体的には第1の例示的な実施形態で説明したように、このような保護層を提供し、実現することも同様に可能である。
【0084】
本発明による半導体チップの第3の例示的な実施形態を図3に概略断面図の形で示す。第3の例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と大体は同じである。これと対比して、図2に関連して説明したように、半導体ボディ2はトンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24を有する。
【0085】
さらに、半導体ボディ2は凹部200を有する。p導電型半導体層21はこの切欠き部分によって露出される。トンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24は、したがって、コンタクト部4の領域内では除去される。p導電型半導体層21は、トンネルコンタクト層24、34よりも低いドーピング濃度をもつので、高電位の障壁、具体的にはショットキー障壁が、コンタクト部4、詳しく言えば反射鏡層42と半導体ボディ、詳しく言えばp導電型半導体層21の間に簡単に形成され得る。コンタクト部4から活性領域23への直接的な垂直の注入をこれにより低下することができる。
【0086】
図2に関連して説明したように、トンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態の接続層32の機能を果たす。半導体ボディ2の上に配置され、電流拡散層31と半導体ボディの間に置かれる接続層は、したがって備えられていない。
【0087】
半導体チップ1の稼動中、電荷キャリアはコンタクト層41へ注入される。ここから、電荷キャリアは、横方向でコンタクト層と直接境を接する電流拡散層31中へと横方向に移動する。電流拡散層から、電荷キャリアは半導体ボディ2へ垂直方向に注入され、ひいては活性領域23へと移動するが、コンタクト部の下の活性領域への注入はこの場合も低下される。
【0088】
本発明による半導体チップの第4の例示的な実施形態を図4に概略断面図の形で示す。この第4の例示的な実施形態は、図1に関連して説明した第1の例示的な実施形態と大体は同じである。第1の例示的な実施形態と対比して、半導体ボディ2はトンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24を有する。トンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24は、p導電型半導体層21の上の全面域にわたり拡がる。
【0089】
第4の例示的な実施形態では、注入障壁5は、半導体ボディ上に配置された複数の絶縁層51、52によって形成される。注入障壁は、したがって、半導体ボディ2の外側に配置され、少なくともコンタクト部4と半導体ボディ2の間の領域に置かれる。コンタクト部4から、絶縁層と境を接する、半導体ボディの領域への電荷キャリアの注入は、絶縁層によって簡単に回避され得る。
【0090】
各絶縁層51と52は層ペアを形成するが、各層は互いに異なる屈折率を有する。ブラッグ反射鏡の形態の誘電体反射鏡が、前記層ペアによって形成される。半導体チップ1の稼動中に活性領域23で発生され、コンタクト部4の方向へ放出され、誘電体層51、52に入射する放射は、したがって、好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%の比較的高い反射率で、半導体ボディ方向へ戻るように反射され得る。前記放射は、その後半導体チップ1から発出する。半導体チップの取出効率をこのようにして増大することができる。層ペアの数がより多いほど、ブラッグ反射鏡の反射率をより高くすることができる。注入障壁は、したがって、非常に効率のよい反射鏡の機能を同時に果たすことができる。他方、絶縁層の数が増加するにつれて、蒸着期間も増大する。したがって、短い蒸着期間を特に考慮すれば、図示したこの例示的な実施形態の変形では、半導体ボディ2とコンタクト部4の間にただ一つの個別の絶縁層を形成してもよい。
【0091】
コンタクト部4は、この場合も、コンタクト層41と反射鏡層42を有する。反射鏡層42は、絶縁層51、52の上を覆う。半導体チップ1の活性領域23で発生され、絶縁層51、52によって形成されたブラッグ反射鏡を透過した放射は、したがって、反射鏡層42から半導体ボディ2の方向へ戻るように反射され得る。特に高い全反射率を有する反射鏡が、ブラッグ反射鏡の上に半導体ボディから遠い側の面に配置された反射鏡層によって形成され得る。特に、ブラッグ反射鏡によって透過される放射の部分は、反射鏡層によって半導体ボディ2の方向へ戻るように反射可能であり、その後半導体チップ1から発出する。
【0092】
さらに、図1に示した例示的な実施形態に対比して、コンタクト層41は、反射鏡層42よりも横方向の広がりが大きくなっている。したがって、コンタクト層41は、反射鏡層42の上に、特に完全にかぶさる形に成形できる。横方向にコンタクト層41は、したがって、電流拡散層31と注入障壁5、すなわち、絶縁層51,52の間に延在する。さらに、コンタクト層は、反射鏡層42と電流拡散層31の間に横方向に延在する。電荷キャリアは、これによりコンタクト層から電流拡散層へ簡単に直接移動することができる。可能な電流経路が、ここでも、図4に矢印を用いて示される。
【0093】
この例では、絶縁層51、52によって形成されたブラッグ反射鏡の可能な限り最良の反射性被覆部を特に考慮して、前記反射鏡の半導体ボディから遠い側の面に、反射鏡層42は電気的接触特性とは無関係に形成され得る。
【0094】
本発明による半導体チップの第5の例示的な実施形態を図5に概略断面図を用いて示す。先の例示的な実施形態に対比して、電流拡散層31が半導体ボディ2中に組み込まれている。この例では、電流拡散層31はトンネルコンタクト層34によって形成される。コンタクト部4は、トンネルコンタクト層の活性領域23から遠い側の面の上に配置される。注入障壁5は、図2に関連して説明したように、トンネルコンタクト層24の一部の領域240によって形成される。この領域においては、さらに別のトンネルコンタクト層24の導電率が、この領域外、すなわち横に隣接する領域245よりも低い。この例示的な実施形態では、トンネルコンタクト層34は、十分に高い横導電率をもてるほどに厚くなっている。注入障壁5の外側での活性領域23への広い面域にわたる電荷キャリアの注入が、これにより簡単になる。半導体ボディの外側に配置される電流拡散層は、この例では省くことができる。
【0095】
この例示的な実施形態では、コンタクト部4は、好ましくは、半導体ボディ2に対する可能な限り最低の、詳しくはオーミック接触抵抗をもつ。この目的で、コンタクト層41を多層に形成することもできる。一例として、半導体ボディから見て、チタン、プラチナ及び金の順に連続層がコンタクト層に適する。半導体チップの稼動中、電荷キャリアは、コンタクト部から最初に垂直方向に半導体ボディ2へ、詳しく言えば電流拡散層へ注入される。さらに活性領域へ達しようとする垂直の注入は、導電率の低い領域240によって減少される。
【0096】
コンタクト部4は、電流拡散層31の上に配置される。この例示的な実施形態では、電流拡散層は横方向のパターニングがない。したがって、半導体チップの製造が簡単になる。この変形では、しかし、電流拡散層に凹部を設けて、前記凹部にコンタクト部を配置することが可能である。
【0097】
半導体チップの製造のための本発明による方法の第1の例示的な実施形態を、図6A〜6Eに断面図で概略的に示した数段階の中間工程に基づいて示す。図6Aに示すように、半導体連続層を有する半導体ボディ2が提供される。半導体ボディ2を形成する半導体連続層は、成長基板としての役割をする担持部20の上に、例えばMOVPEやMBEによって、好ましくはエピタキシャルに蒸着される。
【0098】
その後、図6Bに示すように、接続層32と電流拡散層31が半導体ボディの上に蒸着される。これは、いずれの場合も、好ましくは真空蒸着またはスパッタリングによって行なわれる。この例では、接続層を最初に蒸着し、次に電流拡散層31を蒸着する。
【0099】
横パターニングをもつマスク層61が、電流拡散層の上に形成される。マスク層61の切欠き部610では、電流拡散層31が露出される。マスク層は、好ましくはリソグラフィー処理によってパターニングされる。この例では、マスク層は、好ましくは、例えば感光レジスト層のような感光層である。
【0100】
図6Cに示すように、マスク層61の切欠き部610の下に位置する電流拡散層の、接続層32の、及び半導体ボディ2の材料物質が除去される。電流拡散層と半導体ボディは、したがって、横方向において共通のマスク層61によりパターニングされる。電流拡散層31、接続層32、及び半導体ボディ2の横方向パターニングの後、マスク層は除去される。マスク層61の横方向の構成は、電流拡散層31、接続層32、及び半導体ボディ2に、好ましくは化学的処理において、詳しく言えば、例えば反応性イオンエッチングまたはバックスパッタリングといったウェット化学エッチングまたはドライ化学エッチングにおいて移転される。
【0101】
例えば、スパッタリングまたは真空蒸着によって、保護層7を選択的に半導体ボディの上に次に被着することができる。
【0102】
さらに別のマスク層62が、電流拡散層31、または保護層7(保護層が被着された場合)の上に被着される。前記さらに別のマスク層62は、この場合も、横にパターニングされ、切欠き部620を有する。さらに別のマスク層62の横方向の構成は、次に電流拡散層31と、保護層7(保護層が被着された場合)に移転される。その結果、凹部310が電流拡散層に形成される。これは、前述と同じくウェット化学エッチングまたはドライ化学エッチング工程によって行なわれる。
【0103】
さらに次の工程において、図6Dに示すように、反射鏡層42用の材料物質と続いてコンタクト層41用の材料物質が半導体ボディ2の上に蒸着される。反射鏡層42とコンタクト層41は、好ましくは真空蒸着またはスパッタリングによって蒸着される。
【0104】
さらに別のマスク層62の切欠き部620の外側に被着された反射鏡層42用の材料物質420は、さらに別のマスク層62と一緒に半導体ボディから上方へ取り去られる。マスク層62の切欠き部620の外側に被着されたコンタクト層41用の材料物質も、この例では同様に取り去される。
【0105】
半導体チップ1を完成させるために、図6Eに示すように、さらに別のコンタクト部45が、担持部20の半導体ボディ2から遠い側の面に形成される。さらに別のコンタクト部45は、好ましくは、例えば、金、銀、ニッケル、チタンまたはプラチナといった金属、または前記の金属の少なくとも一つを含んでなる金属合金を含有する。さらに別のコンタクト部は、好ましくは真空蒸着またはスパッタリングによって蒸着される。
【0106】
非導電性の成長基板の場合には、例えば、半導体ボディ2が露出される領域においてさらに別のコンタクト部45によって半導体ボディとのコンタクトを形成できるように、一部の領域で基板を除去できる。
【0107】
代替として、成長基板を完全に除去する、または少なくとも薄くすることもできる。これにより、担持部20を成長基板とは異なるものにできる。成長基板が除去される、または薄くされる半導体は、薄膜半導体とも呼ばれる。
【0108】
本発明の文脈において、例えば、薄膜発光ダイオードチップといった薄膜半導体は、以下の特徴の少なくとも一つによってさらに区別できる。
【0109】
− 半導体連続層、詳しく言えば連続したエピタキシャル層を含んでなる半導体ボディの(担持部要素、例えば、担持部20に対向する)第1の主面域に、反射鏡層が、例えば、半導体連続層にブラッグ反射鏡として組み込まれるようにして被着、形成されており、前記層は半導体連続層中で発生された放射の少なくとも一部を半導体層中へ戻すように反射する、
− 半導体連続層は、約20μm以下、とりわけ約10μm以下の厚さをもつ、及び/または
− 半導体連続層は、半導体連続層中に光のほぼエルゴード的な分布を理想的にもたらす、すなわち可能な限りエルゴード的確率の散乱挙動をもつ混合構成を有する、少なくとも一つの面域をもつ少なくとも一つの半導体層を含む。
【0110】
薄膜発光ダイオードチップの基本原理は、例えば、I. Schnitzerほか、Appl. Phys. Lett. 63 (16), October 18, 1993, 2174 - 2176に記載されている。上記文献の開示内容は、これに関して参照することにより本出願に援用される。
【0111】
本発明による方法の第2の例示的な実施形態を、図7A〜7Eに概略的に示す。図7Aに示すように、半導体連続層を有する半導体ボディ2が提供される。半導体ボディ2の半導体連続層は、図4に関連して説明したように、トンネルコンタクト層34とさらに別のトンネルコンタクト層24を有する。
【0112】
電流拡散層31が半導体ボディ2の上に被着される。前記電流拡散層31と半導体ボディ2は、図6Bと6Cに関連して説明したように、次に横方向にパターニングされる。この例では、この横方向のパターンニングは、前述と同じく、図7Bに明示していないが、マスク層によって行なうことができる。
【0113】
半導体ボディ2は、その上を保護層7によって完全に被覆される(図7C)。保護層7は、例えば、真空蒸着またはスパッタリングによって蒸着され得る。
【0114】
図6Bに関連して説明したように、切欠き部620を有するさらに別のマスク層62が形成される。切欠き部620の下の被覆されていない電流拡散層31の領域が除去される。図7Dの変形では、しかし、電流拡散層31は、電流拡散層を垂直方向に完全に貫通しない切欠き部を有するようにもできる。
【0115】
半導体ボディ2の上に、別の絶縁連続層51と52が次に半導体ボディに蒸着される。絶縁層は、好ましくはスパッタリングまたは真空蒸着によって蒸着される。この例では、図4に関連して明示したように、絶縁層51とさらに別の絶縁層52は、異なる屈折率をもつ層を有する層ペアを作る。誘電体反射鏡が複数の層ペアによって形成される。次の工程では、反射鏡層42が絶縁層51、52の上に蒸着される。
【0116】
絶縁層51、52と反射鏡層42の蒸着は、前記各層が横方向で電流拡散層31から隔てられるように行なわれる。この目的で、一例として、電流拡散層31に凹部310をウェット化学エッチングによって形成することができる。その結果生じる切欠き部により、電流拡散層31の凹部310は、さらに別のマスク層62の切欠き部620よりも横方向の範囲を大きくできる。
【0117】
例えば、絶縁層51、52と反射鏡層42を垂直方向または実質的に垂直方向から蒸着することにより、これらの層と電流拡散層の間に、したがってすき間ができ得る。
【0118】
コンタクト層41が次に蒸着され、コンタクト層は前記すき間を好ましくは完全に埋める。この目的で、コンタクト層41は、好ましくは、垂直方向からでなくむしろ半導体ボディに対して斜めの方向から、半導体ボディを同時に回転させつつ行なわれる。このようにして、コンタクト層41が横方向で反射鏡層42と絶縁層51、52に完全にかぶさるように成形することができる。
【0119】
図7Dの変形では、さらに別のマスク層62とその上に置かれた材料物質を一緒に除去した後に、別の工程でコンタクト層41用の材料物質を蒸着することもできる。この場合、コンタクト層41の横方向のパターン形成は、図に明示されない第3のマスク層を用いてなし得る。前記第3のマスク層は、好ましくは、コンタクト層が半導体ボディ2の上に蒸着される前に形成されて、横方向にパターニングされる。この場合、第3のマスク層は、さらに別のマスク層62の切欠き部620よりも大きい切欠き部を有し得る。
【0120】
本発明による方法の第3の例示的な実施形態を、図8A〜8Eに断面図で概略的に示した数段階の中間工程に基づいて示す。半導体ボディ2と半導体ボディ上に形成された電流拡散層31は、図7Aに関連して説明したのと同様に実現される。したがって、図8Bは図7Bに対応する。
【0121】
図8Aは、マスク層61(図7Aと7Bには示されていない)が電流拡散層31の上に置かれる中間工程を明示する。図6Dに関連して説明したように、切欠き部620を有するさらに別のマスク層62が、電流拡散層31の上に形成される。マスク層62の横方向の構成は、さらに別のマスク層62の切欠き部620の下に凹部310を電流拡散層31に形成するようにして、電流拡散層31へ移転される。
【0122】
注入障壁5が、さらに別のトンネルコンタクト層24の領域240において、この領域の導電率を局所的に低下することの効果により形成される。
【0123】
例えばMgのようなアクセプタ、または例えばSiのようなドナーを電気的に不活性化できるプラズマ法が、例えば、この目的に適する。一例として、水素プラズマを用いて、さらに別のマスク層62の切欠き部620を通して、さらに別のトンネルコンタクト層24に水素を導入することができる。これにより、さらに別のトンネルコンタクト層中のアクセプタ、例えば、InAlGa1−x−yN半導体層(ここで0≦x≦1及び0≦y≦1)のMgアクセプタを電気的に不活性化することが可能である。プラズマ法は、導電率を低下させる領域が半導体ボディ2の界面部25から、好ましくは100nm以下、特に好ましくは10nm以下のわずかな距離にある場合には特に適する。
【0124】
領域240と半導体ボディ2の界面部25の間の距離がもっと大きい場合には特に、別のマスク層62の切欠き部620を通してイオンを注入することにより導電率を局部的に低下させることもできる。代替として、標的を絞ったやり方で水晶構造を局部的に外乱させることもできる。例えばArイオンビームによるバックスパッタリングが、例えば、この目的に適する。バックスパッタリングの場合には特に、この例では半導体ボディ2の材料物質を除去することもできる。
【0125】
図2に関連して説明したように実現された、完成した半導体チップ1が図8Eに示される。この半導体チップは、図6Eに関連して説明したように形成された、さらに別のコンタクト45を有する。
【0126】
本特許出願は、ドイツ特許出願10 2007 032 555.1の優先権を主張し、その開示内容は参照することにより本文書に援用される。
【0127】
本発明の保護の範囲は、上述した実施例に限定されない。本発明は、請求項に記述される各特徴の任意のあらゆる組み合わせを特に含む、新規な各特徴及びいくつかの特徴の各組み合わせにおいて(この特徴または特徴の組み合わせが請求項または実施例に明示されていないとしても)実現される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射を発生するために設けられた活性領域(23)を有する半導体連続層を有する半導体ボディ(2)を有する半導体チップ(1)であって、
前記半導体ボディ(2)の上にコンタクト部(4)が配置され、前記コンタクト部(4)と前記活性領域(23)の間に注入障壁(5)が形成され、
前記半導体チップ(1)は、前記コンタクト部(4)に電気的導通をもつように接続された電流拡散層(31)を有し、
前記電流拡散層(31)は、トンネルコンタクト層(34)として形成され、
さらに別のトンネルコンタクト層(24)が、前記トンネルコンタクト層(34)の前記活性領域(23)に対向する側の面に配置され、
前記別のトンネルコンタクト層(24)は、前記トンネルコンタクト層(34)とは異なる導電型をもち、
前記注入障壁(5)は、前記別のトンネルコンタクト層(24)の導電率が局部的に低下されている領域(240)によって形成される、
半導体チップ(1)。
【請求項2】
前記注入障壁(5)の横方向の形状は、前記コンタクト部(4)の横方向の形状に適合される、請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項3】
前記コンタクト部(4)は、前記半導体ボディ(2)から遠い側の前記コンタクト部(4)の縁面にコンタクト層(41)を有する、請求項1又は請求項2に記載の半導体チップ。
【請求項4】
前記コンタクト部(4)は、前記コンタクト層(41)と前記半導体ボディ(2)との間に配置された反射鏡層(42)を有する、請求項3に記載の半導体チップ。
【請求項5】
前記コンタクト層(41)は、少なくとも複数の横方向領域で前記反射鏡層(42)よりも外側へ突出する、請求項4に記載の半導体チップ。
【請求項6】
前記電流拡散層(31)は、前記半導体チップ(1)の稼動中に前記注入障壁(5)の外側の横方向で前記活性領域(23)に電荷キャリアを注入するために設けられる、請求項1から請求項5のいずれかに記載の半導体チップ。
【請求項7】
前記電流拡散層(31)は、凹部(310)を有し、前記凹部(310)の中に前記コンタクト部(4)が配置される、請求項1から請求項6のいずれかに記載の半導体チップ。
【請求項8】
前記電流拡散層(31)と前記コンタクト部(4)は、少なくとも複数の領域で互いに境を接する、請求項1から請求項7のいずれかに記載の半導体チップ。
【請求項9】
前記電流拡散層(31)と前記コンタクト部(4)は、互いに横方向で離れている、請求項1から請求項8のいずれかに記載の半導体チップ。
【請求項10】
前記電流拡散層(31)は非金属であり、活性領域(23)で発生された放射に対して透過性である、請求項1から請求項9のいずれかに記載の半導体チップ。
【請求項11】
LED半導体チップとして、RCLED半導体チップとして、または面発光半導体レーザチップ実現される、請求項1から請求項10のいずれかに記載の半導体チップ。
【請求項12】
放射を発生するために設けられた活性領域(23)を有する半導体連続層を有する半導体ボディ(2)を有する半導体チップ(1)の製造方法であって、
前記半導体チップ(1)は、電流拡散層(31)を有し、
前記電流拡散層(31)が、トンネルコンタクト層(34)として形成され、
さらに別のトンネルコンタクト層(24)が、前記トンネルコンタクト層(34)の前記活性領域(23)に対向する側の面に、前記トンネルコンタクト層(34)とは異なる導電型をもって配置され、
コンタクト部(4)が、前記電流拡散層(31)に電気的導通をもつように、前記半導体ボディ(2)に設けられ、
前記注入障壁(5)が、前記コンタクト部(4)と前記活性領域(23)の間に、前記別のトンネルコンタクト層(24)の導電率が局部的に低下されている領域(240)によって形成される、
半導体チップ(1)の製造方法。
【請求項13】
前記別のトンネルコンタクト層(24)の導電率は、イオン注入によって局部的に低下されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記別のトンネルコンタクト層(24)の導電率は、プラズマ法及び/またはバックスパッタリングによって局部的に低下されている、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から請求項11のいずれかに記載の半導体チップ(1)が製造される、請求項12から請求項14のいずれかに記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【公開番号】特開2012−256933(P2012−256933A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−188817(P2012−188817)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【分割の表示】特願2008−180584(P2008−180584)の分割
【原出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】