説明

半導体メモリテスタ

【課題】高速メモリのテストを、複雑なプログラム処理を伴うことなくデバイスのパラメータ通りにプログラムすることで効率よく行える半導体メモリテスタを実現すること。
【解決手段】テスト対象メモリデバイスの良否判定を行う半導体メモリテスタであって、前記テスト対象メモリデバイスが出力するクロックに基づくタイミングで前記テスト対象メモリデバイスの出力と期待値とを比較する測定部を有することを特徴とするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体メモリテスタ(以下テスタという)に関し、詳しくは、DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)のテスト改善に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのメインメモリに使われる半導体メモリの一種に、ダブルデータレート(DDR)モードという高速なデータ転送機能を持ったDDR SDRAMがある。
【0003】
SDRAMは、外部バスインターフェースが一定周期のクロック信号に同期して動作するように構成されたDRAMである。DRAMは、コンデンサとトランジスタにより電荷を蓄えるように構成されたものであり、読み書きが自由に行えるが、情報を記憶する電荷が時間と共に減少することから、一定時間毎に記憶保持のための再書き込み(リフレッシュ)が行われる。コンピュータの電源を落とすと、記憶内容は消去される。
【0004】
DDRは、このようなSDRAMの転送速度を通常の2倍にしたものである。具体的には、コンピュータ内部で各回路間の同期を取るためのクロック信号の立ち上がり時と立ち下がり時の両方でデータの読み書きが行えるように同期タイミングを強化している。
【0005】
DDR SDRAMでは、従来からデータDQSが有効であるとしてデータの存在を相手に通知する手法が取られてきたが、DDR2までは殆ど有効に機能していなかった。これはクロックが比較的低速であり、クロック基準でもデータやDQSの試験が容易であったためである。
【0006】
これに対し、DDR3、次世代DDR−DRAMなど高速のデータを使うSDRAMのインターフェースでは、テスタから供給されるクロックの周波数をテスト対象である半導体メモリ(以下DUTという)内部で例えばPLL(Phase Locked Loop)を用いて逓倍することにより高速のクロック(例えば参照クロック133MHzをデバイス内部で24逓倍して3200MHzを得る)を生成し、その高速化したクロックを用いてDUT内部を駆動し、さらにDUT内部の動作タイミングを取るためにDLL(Delay Locked Loop)などを使ってクロックの整合を取ることが行われている。
【0007】
下記特許文献1の段落0035以降には、DDR SDRAMの構造とテストに関する記述がある。
【特許文献1】特開2002−230999号公報
【0008】
従来のこれらDDR SDRAMの試験を行う一般的なテスタでは、テスタ内部の基準タイミングを基にしてDUTからの入力信号に対する時間を設定し、入力信号をサンプルしてその値を論理比較することでパス/フェイルを判定している。これは、DUTがテスタから供給される基本的なタイミング(クロック)に完全に同期して動作することを前提としている。
【0009】
図8は、このようなDDR SDRAMテスタにおけるタイミングチャートの一例である。(a)はテスタから入力される基準クロックに基づきDUTの内部で生成されるシステムクロックである。(b)はDUTから出力される差動データストローブDQSである。(c)は複数のストローブ(図8の例では16個)よりなるマルチストローブであり、DQSの遷移点がどのあたりに存在するかを探るためのストローブである。(d)はヒストグラムであり、マルチストローブでDQSをサンプリングして求める。このヒストグラムのピーク位置からDQSの遷移点を「このあたり」と特定する。(e)はDUTから出力されるデータDQである。(f)はDQをサンプリングするためのストローブであり、ヒストグラムのピーク位置に対してデバイスが要求するオフセット時間Tosを加えるという操作を行っている。
【0010】
図9はDDR2−400のタイミングチャートの一例であり、図8と共通する部分には同一符号を付けている。(a)はDUTの内部で生成されるシステムクロック、(b)はDUTから出力される差動データストローブDQS、(c)はマルチストローブ、(d)はDUTから出力されるデータDQである。差動データストローブDQSの注目領域をシステムクロックの遷移点を中心にした±500ps以内と定義し、データDQのストローブ位置を差動データストローブDQSのクロス点から350psと定義し、データDQの注目領域はシステムクロックの立ち上がりを中心にした場合±600ps以内と定義している。
【0011】
図10はDDR3−800のタイミングチャートの一例であり、図9と共通する部分には同一符号を付けている。図10では、データDQのストローブ位置を差動データストローブDQSのクロス点から200psと定義し、データDQの注目領域はシステムクロックの立ち上がりを中心にした±150ps以内と定義している。
【0012】
図11はDDR3−1600のタイミングチャートの一例であり、図9および図10と共通する部分には同一符号を付けている。図11では、データDQのストローブ位置を差動データストローブDQSのクロス点から100psと定義し、データDQの注目領域はシステムクロックの立ち上がりを中心にした±150ps以内と定義している。
【0013】
ところが、テスタから入力されるクロックに対して内部で生成される高速クロックの位相関係を常に正確に保つことは困難であり、差動データストローブDQSとデータDQのの関係が前後してしまう場合がある。
【0014】
また、PLLやDLLの動作は、回路ノイズ、電源変動、デバイスの温度などデバイスの環境条件で異なり、周波数や遅延量が変化してしまう。この結果、1kbitを越えるような長いデータ列のバースト読み出しの場合には、テスタから供給されているクロックに対して一定の関係を保てなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、従来のテスタでは、前述のようにDQSの遷移点を得るために本来のDRAM試験とは異なるパターンを走らせてデータを取得するようにプログラムしているが、この時間は全体の試験時間40分程度に対して約5分になり、全体の試験時間の10%以上の時間を要することになる。
【0016】
また、前述のようにマルチストローブのストローブ間隔が20〜100ps以上と比較的粗いため、微細な時間を判定するのにあたってはストローブ発生点を少しずつずらすという操作が必要であり、時間がかかると共に、得られるデータはあくまで頻度データであることから正確ではない。
【0017】
さらに、一度はデータをサンプルするものの、その後のデバイス動作が一定である保証が無いので、固定タイミングで測定するテスタでフェイルを検出しても、実際のメモリと対象デバイス間のプロトコルでは何ら問題が無い可能性があり、良品であるにもかかわらず不良品と判定してしまうことになる。この傾向はデータレートが高速になるほど強い。
【0018】
これらの不都合を解決するためには、ユーザーはDQSに対してDQが成立している時間を試験したいだけなのに、仮のパターンを走行させてデータの演算を行い、オフセット時間を発生させて全体のタイミング補正を行うようにプログラムしなければならず、テスタプログラムの煩雑化は避けられないという問題がある。
【0019】
本発明の課題は、高速メモリのテストを、複雑なプログラム処理を伴うことなくデバイスのパラメータ通りにプログラムすることで効率よく行える半導体メモリテスタを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決する請求項1に記載の発明は、テスト対象メモリデバイスの良否判定を行う半導体メモリテスタであって、前記テスト対象メモリデバイスが出力するクロックに基づくタイミングで前記テスト対象メモリデバイスの出力と期待値とを比較する測定部を有することを特徴とする。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体メモリテスタにおいて、前記測定部は、前記テスト対象メモリデバイスの出力データが入力されるコンパレータと、このコンパレータの出力を比較タイミングでサンプリングするサンプリング部と、このサンプリング部の出力と期待値を比較してテスト対象メモリデバイスの良否判定を行うフェイル判定部、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の半導体メモリテスタにおいて、前記測定部は、前記テスト対象メモリデバイスの出力データの遅延時間を設定する可変遅延素子を有することを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体メモリテスタにおいて、前記測定部は、テスト対象メモリデバイスが出力するクロックを分周して比較タイミングを生成する分周手段を有することを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体メモリテスタにおいて、前記テスト対象メモリデバイスは、内部でクロックを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、高速メモリのテストを、従来のような複雑なプログラム処理を伴うことなく効率よく行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態の一例を示すブロック図である。テスタ100はDUT200に対して各種の試験信号を与え、DUT200はテスタ100から入力される試験信号に基づく応答信号をテスタ100に対して出力する。そして、テスタ100は、DUT200から入力される応答信号があらかじめ設定されている所定の時間関係を満たしているか否かを判断して良否判定を行う。
【0027】
テスタ100は、信号発生部Aと信号測定部Bに大別できる。
信号発生部Aには、DUT200に与えるフレームパターンを出力フレームパターンとしてフォーマッタ123〜12nに入力するとともにDUT200から出力されるフレームの良否判断の基準になる期待値フレームパターンを入力フレームパターンとして信号測定部Bのフェイル判定部に入力するフレームパターン発生部101、タイミング発生部111とフォーマッタ121とドライバ131とで構成される基準クロックの出力系統、タイミング発生部112とフォーマッタ122とドライバ132とで構成されるDQS入力ピンの出力系統、タイミング発生部113〜11nとフォーマッタ123〜12nとドライバ133〜13nとで構成される所定のパケットフレームを出力するための複数のコマンド/アドレス/データピンの出力系統が設けられている。
【0028】
信号測定部Bには、レシーバ141と分周分配ユニット151とフェイル判定部161とタイミング発生部171とで構成されるDQSクロックピン系統、コンパレータ142〜14nと分配ユニット152〜15nとフェイル判定部162〜16nとタイミング発生部172〜17nとで構成される複数のDQ測定系統が設けられている。
【0029】
タイミング発生部111〜11nは、各出力信号系統に応じて設定されている所定の時間関係のタイミング信号を後段のフォーマッタ121〜12nに出力する。
【0030】
フォーマッタ121〜12nは、フレームパターン発生部101から入力されるフレームパターン信号およびタイミング発生部111〜11nから入力されるタイミング信号に基づき、各出力信号系統に応じて設定されているリターンゼロ(RZ)やノンリターンゼロ(NRZ)などの所定の信号形式にフォーマットされた信号を、後段のドライバ131〜13nに出力する。フォーマッタ121は基準クロックの信号形式にフォーマットし、フォーマッタ122はDQS入力の信号形式(RZ)にフォーマットし、フォーマッタ123〜12nは例えば6ビット幅18ワードでコマンド/アドレス/データとエラー検出ビットを含むパケットフレームを出力するための信号形式(NRZ)にフォーマットする。
【0031】
ドライバ131〜13nは、DUT200の所定のピンに対して差動信号を出力するように構成されている。
【0032】
レシーバ141は、DUT200のDQSクロックを差動形態で受信して分周分配ユニット151に差動信号を出力する。
【0033】
分周分配ユニット151は、レシーバ141を介して入力されるDQSクロックを分周し他の分配ユニット152〜15nにクロックとして出力するとともに、フェイル判定部161の一方の入力端子にも出力する。
【0034】
タイミング発生部171は、フェイル判定部161の他方の入力端子に、DUT200から出力されるDQSクロックの時間関係について、期待値パターンが表す所定の仕様を満たしているか否かを判定するための基準となるタイミング信号を出力する。
【0035】
フェイル判定部161は、フレームパターン発生部101から入力される期待値フレームパターンおよびタイミング発生部171のタイミング信号に基づき、分周分配ユニット151の出力信号についての良否判定を行う。
【0036】
コンパレータ142〜14nは、ウィンドウ型のコンパレータとして構成されたものであり、DUT200の出力データDQの値が所定の上限値Hおよび下限値Lに対してどのような大小関係にあるのかを比較してその比較結果を分配ユニット152〜15nに出力する。
【0037】
分配ユニット152〜15nは、コンパレータ142〜14nの出力信号を分周分配ユニット151で分周されたクロックに基づいてサンプリングし、フェイル判定部162〜16nの一方の入力端子に出力する。
【0038】
タイミング発生部172〜17nは、フェイル判定部162〜16nの他方の入力端子に、分配ユニット152〜15nでサンプリングされたDUT200の出力データDQの時間関係について、期待値パターンが表す所定の仕様を満たしているか否かを判定するための基準となるタイミング信号を出力する。
【0039】
フェイル判定部162〜16nは、フレームパターン発生部101から入力される期待値フレームパターンおよびタイミング発生部172〜17nのタイミング信号に基づき、分配ユニット152〜15nでサンプリングされたDUT200の出力データDQについての良否判定を行う。
【0040】
図2はDUT200の構成例を示すブロック図である。
内部クロック発生回路201は、テスタ100から入力される基準クロック(例えば133MHz)を逓倍(例えば24倍)して所定周波数(例えば3200MHz)の内部クロックDQSを生成し、入力クロック同期回路202の一方の入力端子および出力クロック回路203に出力する。
【0041】
入力クロック同期回路202の他方の入力端子には書き込みクロックが入力され、内部クロックに同期した書き込みクロックとしてコマンドデコード入力データアドレス回路204に出力する。
【0042】
出力クロック回路203は、外部に読み出しクロックとして出力するとともに、出力データ回路207にも読み出しクロックを出力する。
【0043】
コマンドデコード入力データアドレス回路204は、入力クロック同期回路202から入力される書き込みクロックに基づいて外部から入力されるパケットフレーム形式のコマンド/アドレス/入力データを取り込み、ラインバッファ205を介してメモリコア206に書き込む。
【0044】
メモリコア206に書き込まれたデータは、ラインバッファ205を介して出力データ回路207に読み出され、出力クロック回路203から出力される読み出しクロックに基づき出力データとして外部に出力される。
【0045】
図3は図1の信号測定部Bのみを示したブロック図である。DUT200から出力されるDQSクロックを分周分配ユニット151で分周することでテスタ100の必要周波数帯域を制限できることになり、各DQピン系統でこれら分周されたクロックを使用してデータDQをサンプルする。
【0046】
図4は分周分配ユニット151の具体例を示すブロック図であり、図1および図3と共通する部分には同一の符号を付けている。レシーバ141の非反転出力は、非反転入力1/4分周器151aと反転入力1/4分周器151bに入力されるとともに、フリップフロップ151eの非反転入力端子Dとフリップフロップ151fの反転入力端子Dに入力されている。レシーバ141の反転出力は、非反転入力1/4分周器151cと反転入力1/4分周器151dに入力されるとともに、フリップフロップ151gの非反転入力端子Dとフリップフロップ151hの反転入力端子Dに入力されている。
【0047】
非反転入力1/4分周器151aの出力は可変遅延素子151jを介してフリップフロップ151eのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ151nに入力され、反転入力1/4分周器151bの出力は可変遅延素子151kを介してフリップフロップ151fのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ151nに入力され、非反転入力1/4分周器151cの出力は可変遅延素子151lを介してフリップフロップ151fのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ151nに入力され、反転入力1/4分周器151dの出力は可変遅延素子151mを介してフリップフロップ151hのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ151nに入力されている。
【0048】
フリップフロップ151e〜151hのQ出力はフェイル判定部161に入力されている。
【0049】
分周分配ユニット151に設けられている可変遅延素子151j〜151mの各遅延時間により、DUT200で定義されるDQSとデータDQの相対的な遅延時間を設定することができる。ここで、サンプルクロックとしてDUT200の出力を使用するので、仮にDUT200側の理由でクロック周波数DQSが変化したとしてもそれによって生成されるデータDQとの関係が変化することはなく、安定にデータDQを取得できる。
【0050】
なお分配ユニット152〜15nは、分周分配ユニット151と同一構成の半導体チップを用い、その分配機能のみを利用するようにしてもよい。
【0051】
図5は分配ユニット152の具体例を示すブロック図であり、図1および図3と共通する部分には同一の符号を付けている。図5において、コンパレータ142の上限値H側出力はフリップフロップ152eの非反転入力端子Dとフリップフロップ152fの反転入力端子Dに入力され、コンパレータ142の下限値L側出力はフリップフロップ152gの非反転入力端子Dとフリップフロップ152hの反転入力端子Dに入力されている。
【0052】
入力バッファ152iには分周分配ユニット151の出力バッファ151nから分周信号が入力され、これら分周信号は出力バッファ152nを介して次段の入力バッファに出力されている。非反転入力1/4分周器151aの出力系統は可変遅延素子152jを介してフリップフロップ152eのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ152nに入力され、反転入力1/4分周器151bの出力系統は可変遅延素子152kを介してフリップフロップ152fのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ152nに入力され、非反転入力1/4分周器151cの出力は可変遅延素子152lを介してフリップフロップ152fのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ152nに入力され、反転入力1/4分周器151dの出力は可変遅延素子152mを介してフリップフロップ152hのクロック端子に入力されるとともに出力バッファ152nに入力されている。
【0053】
フリップフロップ152e〜152hのQ出力はフェイル判定部162に入力されている。
【0054】
分配ユニット152に設けられている可変遅延素子152j〜152mの各遅延時間により、DUT200で定義されるDQSとデータDQの相対的な遅延時間を設定することができる。ここで、サンプルクロックとしてDUT200の出力を使用するので、仮にDUT200側の理由でクロック周波数DQSが変化したとしてもそれによって生成されるデータDQとの関係が変化することはなく、安定にデータDQを取得できる。
【0055】
なお、図5ではDUT200の出力データDQをウィンドウ型のコンパレータ142を介して入力する例を示したが、用途に応じて図6に示すように図4と同様な差動構成のレシーバ142'を介して入力してもよい。
【0056】
図7は図4の動作を説明するタイミングチャートである。(a)はDUTの内部で生成されるクロックDQS、(b)はクロックDQSを1/4に分周した分周クロック、(c)はDUTから出力されるデータDQ、(d)はフリップフロップ151e〜151hでストローブされるフェイル判定対象データである。図7に示すように、フェイル判定対象データとして4クロック分が保持される。
【0057】
これにより、デバイスから出力されるクロックDQSが変化してもデータDQとの相対関係が崩れない限り常にデータDQを正しくストローブできるトラッキング機能が実現できる。
【0058】
そして、テスタのプログラムにあたり、従来のような到来するクロックの測定、変位の検出、タイミングの再プログラムを不要になり、デバイスのパラメータ通りにプログラムすることができる。
【0059】
なお、上記実施例では、クロックを分周する例について説明したが、クロックを分周せずにそのまま必要なピンへテスタ内部で分配するようにしてもよい。
【0060】
また、可変遅延素子は、クロックに追従同期するPLLを使用し、その制御電圧でデータの遅延を制御するようにしてもよい。
【0061】
また、タイムインターバルアナライザなどの微小時間幅測定手段を使用してクロックのタイミング値を測定し、その測定結果に基づき追従制御を行ってもよい。
【0062】
以上説明したように、本発明によれば、前述のような回路ノイズ、電源変動、デバイスの温度など、デバイスの環境条件の影響による周波数や遅延量の変化が発生しても、従来必要とされたストローブ位置を検出して全データのサンプルタイミングを計算し再設定していた複雑な操作を行うことなく、テスタ側でデータを取得することができ、デバイスの仕様値をそのまま使用でき、高速メモリのテストを効率よく行える半導体メモリテスタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】DUT200の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の信号測定部Bのみを示したブロック図である。
【図4】分周分配ユニット151の具体例を示すブロック図である。
【図5】分配ユニット152の具体例を示すブロック図である。
【図6】分配ユニット152の他の具体例を示すブロック図である。
【図7】図4の動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】DDR SDRAMテスタにおけるタイミングチャートの一例である。
【図9】DDR2−400のタイミングチャートの一例である。
【図10】DDR3−800のタイミングチャートの一例である。
【図11】DDR3−1600のタイミングチャートの一例である。
【符号の説明】
【0064】
100 テスタ
200 DUT
111〜11n タイミング発生部
121〜12n フォーマッタ
131〜13n ドライバ
141 レシーバ
142〜14n コンパレータ
151 分周分配ユニット
152〜15n 分配ユニット
161〜16n フェイル判定部
171〜17n タイミング発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テスト対象メモリデバイスの良否判定を行う半導体メモリテスタであって、
前記テスト対象メモリデバイスが出力するクロックに基づくタイミングで前記テスト対象メモリデバイスの出力と期待値とを比較する測定部を有することを特徴とする半導体メモリテスタ。
【請求項2】
前記測定部は、
前記テスト対象メモリデバイスの出力データが入力されるコンパレータと、
このコンパレータの出力を比較タイミングでサンプリングするサンプリング部と、
このサンプリング部の出力と期待値を比較してテスト対象メモリデバイスの良否判定を行うフェイル判定部、を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体メモリテスタ。
【請求項3】
前記測定部は、
前記テスト対象メモリデバイスの出力データの遅延時間を設定する可変遅延素子を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体メモリテスタ。
【請求項4】
前記測定部は、
テスト対象メモリデバイスが出力するクロックを分周して比較タイミングを生成する分周手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体メモリテスタ。
【請求項5】
前記テスト対象メモリデバイスは、内部でクロックを生成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体メモリテスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−4237(P2008−4237A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175545(P2006−175545)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】