説明

半導体発光装置及びそれを用いた光源装置

【課題】複数の半導体発光装置を高密度で実装することができ、放熱板等の部材を削減でき、且つ、半導体発光素子から発生する熱を効率良く放熱することが可能な光源装置を得る。
【解決手段】半導体発光装置100は、半導体材料を用いて光を出射することができ、主面の平面形状が多角形であり、金属からなる基台121と、基台121の主面の上に搭載された半導体発光素子110とを備えている。基台121は、その側面に、同一の構成を有する他の半導体発光装置100の基台121と嵌合可能な嵌合部150a、150b、151a及び151bを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体発光装置及びそれを用いた光源装置に関し、特に、互いに嵌合できる半導体発光装置及びそれを用いた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体材料を用いて光を出射することができる半導体レーザ装置等の半導体発光装置は、安価、小型及び長寿命等の特徴を有する。特に、半導体レーザ装置等のように導波路を有する半導体発光装置は、指向性が優れているという特徴がある。そこで、このような半導体発光装置を光源として用いたプロジェクタ及び液晶バックライト等のディスプレイ装置の開発が進んでいる。また、このような半導体発光装置を産業用途に応用することも進んでいる。例えば、半導体レーザ装置を光源とするレーザスクライブ装置及びレーザアニール装置は実用化が進んでいる。これらの装置に用いる光源装置は、光出力が1ワット以上の高い光出力を必要とするため、例えば、半導体発光素子が実装された半導体発光装置には、高い放熱特性が要求され、このような半導体発光装置が複数搭載された光源装置が用いられる。
【0003】
従来の半導体発光装置及び光源装置について図10〜図13を参照しながら説明する。TO型パッケージと呼ばれる金属パッケージがキャップにより封止された構成を有する、従来の汎用型半導体レーザ装置が特許文献1等に提示されている。図10に示すように、第1の従来例に係る半導体発光装置900は、半導体発光素子901、ステム910及びキャップ920により構成される。ステム910は、基台911、該基台911の上に形成された素子搭載台912及び外部電源(図示せず)と接続されたリード913により構成されている。キャップ920は、開口部921a及びフランジ部921bを有するカバー921と、開口部921aを塞ぐように形成された光取り出し窓922とにより構成されている。
【0004】
素子搭載台912にはサブマウント902が形成され、サブマウント902に半導体発光素子901が搭載されている。半導体発光素子901は、ボンディングワイヤ930によって任意のリードに対して電気的に接続されている。半導体発光素子901から発生した光は、光取り出し窓922を通って半導体発光装置900の外部に放出される。また、フランジ部921bはステム910の基台911の主面に対して溶接されている。このため、キャップ920の内部は気密に封止されている。
【0005】
このような半導体発光装置を複数備えている従来の光源装置が特許文献2等に提示されている。図11及び図12に示すように、第2の従来例に係る光源装置940は、複数の半導体発光装置941により構成されている。各半導体発光装置941は、放熱板942及び保持体943に形成された貫通孔944にそれぞれ収まるように取り付けられ、放熱板942と保持体943とに挟まれるように実装されている。放熱板942及び保持体943は、取り付け台945に固定されている。半導体発光装置941から発生した光は、コリメートレンズ946及び集光レンズ947を通って、光源装置940の外部に放出される。放熱板942の一部は、半導体発光装置941のステムの基台の背面の一部と接触している。各半導体発光装置941から発生した熱は、この接触面を経由して放熱板942に伝導され、大気中に放出される。
【0006】
このような構成では、半導体発光装置から発生した熱を放熱する経路を確保するために、放熱板は重要である。一方、製造コストを低減するために、部品点数の削減も重要である。
【0007】
そこで、ステムの基台を放熱板とする従来の半導体発光装置が特許文献3等に提示されている。図13に示すように、第3の従来例に係る半導体発光装置970は、ステム980、キャップ990及び半導体発光素子(図中、キャップ990の内部に配置されている。)によって構成されている。半導体発光装置970は、図10に示す装置の構成とほぼ同一であるが、ステム980の基台981の形状が異なる。半導体発光装置970では、基台981が大きく張り出した形状となっており、図10に示す装置よりもその表面積が大きい。これにより、基台981自体が放熱板の機能を有するようになるため、このような半導体発光装置を用いた光源装置では放熱板が不要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−135235号公報
【特許文献2】特開2010−198772号公報
【特許文献3】特開2009−43878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、第2の従来例に係る光源装置には、実装密度を上げられないという問題が生じる。前記のように個々の半導体発光装置は、放熱板と保持体とに挟まれており、放熱板の機械的強度を保つためには、半導体発光装置同士の間は最低でも1mm程度離す必要がある。また、放熱板及び保持体は、用いる半導体発光装置の数に応じてそれぞれ設けられる必要がある。このため、部品を共通化してコストを削減することができない。
【0010】
また、第3の従来例に係る半導体発光装置は、ステムの基台自体が放熱板として機能するため、光源装置を形成する際に放熱板を必要としないが、基台の主面の表面積が大きいため、複数の半導体発光装置を用いた光源装置では、実装密度を高くすることができない。
【0011】
本発明は前記の問題に鑑み、その目的は、複数の半導体発光装置を高密度で実装することができ、放熱板等の部材を削減でき、且つ、半導体発光素子から発生する熱を効率良く放熱することが可能な光源装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記の目的を達成するために、複数の半導体発光装置を、互いに嵌合できる構成とする。
【0013】
具体的に、本発明に係る半導体発光装置は、主面の平面形状が多角形であり、金属からなる基台と、基台の主面の上に搭載された半導体発光素子とを備え、基台は、その側面に、同一の構成を有する他の半導体発光装置の基台と嵌合可能な嵌合部を有している。
【0014】
本発明に係る半導体発光装置によると、同一の構成を有する他の半導体発光装置の基台と嵌合可能な嵌合部を有しているため、半導体発光装置を高密度で実装することができる。その結果、放熱板等の部材を削減でき、且つ、半導体発光素子から発生する熱を効率良く放熱することが可能な光源装置を容易に得ることができる。
【0015】
本発明に係る半導体発光装置において、嵌合部は、基台の側面に形成された凹部及び凸部からなり、複数の前記半導体発光装置を組み付ける際に、隣り合う一方の半導体発光装置における凹部と他方の半導体発光装置における凸部が嵌合し、一方の半導体発光装置における凸部と他方の半導体発光装置における凹部が嵌合して、複数の半導体発光装置が組み付けられてもよい。
【0016】
本発明に係る半導体発光装置において、基台は、銅又はアルミニウムを主成分として含む金属からなることが好ましい。
【0017】
このようにすると、基台の熱伝導率を高くし、半導体発光素子から生じる熱を効率的に外部へ放出することができる。また、プレス加工による基台の作製を容易にし、低コストで大量に基台を作製することが可能となる。
【0018】
本発明に係る光源装置は、前記の半導体発光装置を複数備え、複数の半導体発光装置は、基台の側面において互いに嵌合している。
【0019】
本発明に係る光源装置によると、半導体発光装置の発光点の密度を高くすることができ、放熱板等の部材を削減でき、且つ、半導体発光装置から発生する熱を効率良く放熱することが可能となる。
【0020】
本発明に係る光源装置は、複数の半導体発光装置を固定する固定部材をさらに備え、固定部材は、その一部が複数の半導体発光装置の基台の側面と嵌合するように形成されていることが好ましい。
【0021】
このようにすると、基台の側面同士の接触がより確実となり、放熱性を向上できる。
【0022】
本発明に係る光源装置において、基台の側面同士は、半田材により接着されていることが好ましい。
【0023】
このようにすると、特定の固定部材を用いることなく、自立強度が高い複数の半導体発光装置を用いた光源装置を形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る半導体発光装置及びそれを用いた光源装置によると、複数の半導体発光装置の発光点の密度を高くすることができ、部品点数を削減し、且つ、半導体発光装置から発生する熱を効率良く放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置を示し、図1(a)のII−II線における断面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置を示す斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置を用いた光源装置を示し、(a)は模式的な断面図であり、(b)は模式的な平面図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置を用いた光源装置を示し、(a)は模式的な断面図であり、(b)は模式的な平面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVIb-VIb線における断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置を用いた光源装置を示す模式的な平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置を用いた光源装置を示す斜視図である。
【図10】第1の従来例に係る半導体発光装置を示す断面図である。
【図11】第2の従来例に係る半導体発光装置を用いた光源装置を示す斜視図である。
【図12】第2の従来例に係る半導体発光装置を用いた光源装置を示す断面図である。
【図13】第3の従来例に係る半導体発光装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置について図1〜図3を参照しながら説明する。
【0027】
図1〜図3に示すように、第1の実施形態の半導体発光装置100は、大別して、半導体発光素子110、ステム120及びキャップ130により構成されている。ステム120は、基台121、該基台121の主面の上に形成された素子搭載台122、基台121の主面の上において素子搭載台122を囲むように形成されたシールリング127により構成されている。また、ステム120は、例えば、基台121を貫通するように形成されたリード123a、123b及び基台121の素子搭載台122が形成された面と反対側の面に形成されたリード123cを含む。
【0028】
ステム120の素子搭載台122にはサブマウント111が形成されており、サブマウント111に半導体発光素子110が搭載されている。シールリング127を介して基台121の上には、半導体発光素子110を覆うようにキャップ130が形成されている。キャップ130は、開口部131a及びフランジ部131bを有するカバー131と、開口部131aを塞ぐように形成された光取り出し窓132とにより構成されている。なお、キャップ130のフランジ部131bがシールリング127と接着されている。半導体発光素子110の光出射面は、キャップ130の開口部131aに向くように配置されている。サブマウント111には、窒化アルミニウム(AlN)及び炭化珪素(SiC)等の高熱伝導性のセラミック材料が用いられている。半導体発光素子110及びサブマウント111の表面には、金(Au)等からなる電極(図示せず)が形成されている。これらの電極を介して半導体発光素子110とサブマウント111とは電気的に接続されている。また、サブマウント111の表面に形成された電極は、ボンディングワイヤ140aによりリード123aと接続されている。一方、半導体発光素子110の表面に形成された電極は、ボンディングワイヤ140bによりリード123bと接続され、半導体発光素子110への通電経路が確保されている。リード123a、123bを外部電源(図示せず)と接続し、通電することによって半導体発光素子110による発光が得られる。半導体発光素子110から出力された光は、光取り出し窓132を通過して、キャップ130の開口部131aから半導体発光装置100の外部に取り出される。
【0029】
図1(a)に示すように、ステム120の基台121は、主面側から見た平面形状は四角形である。基台121の4つの側面160a、161a、160b及び161bには、それぞれ嵌合部である凸部150a、151a及び凹部150b、151bが形成されている。ここで、凸部150aと凹部150bとは互いに嵌合するように寸法が設計されている。例えば、図1(a)に示す半導体発光装置100の隣に、同一の向きに半導体発光装置100と同一の構成を有する他の半導体発光装置を並べて接触させる場合、一方の装置の側面160aと他方の装置の側面160bとにおいて、一方の装置の凸部150aと他方の装置の凹部150bとが対向して嵌合する。その結果、一方の装置の側面160aと他方の装置の側面160bとは接触する。同様に、一方の装置の側面161aと他方の装置の側面161bとにおいても、一方の装置の凸部151aと他方の装置の凹部151bとが嵌合することにより接触する。
【0030】
半導体発光素子110は、通電時に光と共に熱を発生する。半導体発光素子110に対する投入電力が光出力に変換される割合(電力−光変換効率)は、通常、50%以下である。光に変換されなかった電力の大部分は、ジュール熱として半導体発光素子110から放出される。その熱は、熱伝導によってサブマウント111及び素子搭載台122を経由して、基台121に伝わって、半導体発光装置100の外部に放出される。半導体発光素子110から生じた熱を効率良く半導体発光装置100の外部に放出するために、ステム120を構成する基台121及び素子搭載台122には高い熱伝導性が求められる。さらに、ステム120はプレス加工によって安価で大量に作製される必要がある。このため、ステム120には熱伝導性に加えて、プレス加工が容易であることが求められる。これらを達成できる材料として、銅(Cu)若しくは銅を主成分とする合金、又はアルミニウム(Al)若しくはアルミニウムを主成分とする合金が適している。本発明では、基台121の材料に熱伝導率が高い無酸素銅(OFCu)を用いている。
【0031】
一方、キャップ130を構成するカバー131には、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金、Fe−Ni−コバルト(Co)合金(Kovar)等の鉄を含む合金が用いられる。これらの材料は、光取り出し窓132に用いられる光学ガラスと熱膨張係数が近い特性を有している。低融点ガラスを用いて、キャップ130の開口部131aを塞ぐように光取り出し窓132を取り付ける工程では、両者の熱膨張係数が近いことが求められる。両者の熱膨張係数が大きく異なると、熱歪みによって空隙が発生し、キャップ130が本来有する機能である気密性が損なわれる。本実施形態では、キャップ130のカバー131にはFe−Ni−Co合金を用いている。
【0032】
半導体発光装置100の組み立て工程では、ステム120の基台121とキャップ130との溶接は、電流印加による方法を用いることが簡便である。この方法を用いるためには、溶接箇所の材料同士は同一である、又は組成が類似している必要がある。本発明による半導体発光装置100では、基台121にはOFCuを用いているため、キャップ130のカバー131であるFe−Ni−Co合金とは材料が大きく異なる。そこで、基台121の主面の上には、Fe−Ni−Co合金からなるシールリング127を銀ろう付けにより取り付けている。これにより、キャップ130を電流印加による加熱溶接によって、ステム120に簡単に取り付けられるようになっている。
【0033】
次に、本発明の第1の実施形態に係る複数の半導体発光装置が組み付けられて構成された光源装置について図4及び図5を参照しながら説明する。図4及び図5では、シールリング127及びフランジ部131bを省略している。
【0034】
図4(a)及び(b)に示すように、光源装置200を構成する複数の半導体発光装置100のそれぞれの基台121は、それらの側面同士において接触している。複数の半導体発光装置100は、全て同一の向きに揃えて二次元的に配置されている。このため、基台121の側面に形成された凸部150aと凹部150b及び凸部151aと凹部151bとはそれぞれ対抗して嵌合している。その結果、隣接する半導体発光装置100の基台121の側面同士は接触している。さらに、複数の半導体発光装置100のそれぞれの相対的な位置は、凸部150a、151aと凹部150b、151bとの嵌合によって決まるため、複数の半導体発光装置100のそれぞれの位置合わせをする必要がない。また、複数の半導体発光装置100の基台121がそれぞれ機械的に接続しているため、これら全ての基台121自体が放熱板の機能を有している。図13に示した第3の従来例の技術では、放熱板等が必要であったが、本実施形態の構成にすると、放熱板等は必要ない。
【0035】
一般に、従来型パッケージのステムの基台は、直径が5.8mmの円形で作られることが多い。そこで、本実施形態では、比較のために半導体発光装置100の基台121の大きさを5.8mm×5.8mmとした。図11及び図12に示した従来の半導体発光装置を用いた光源装置では、隣接する半導体発光装置同士の間には1mmの隙間が必要であった。その結果、半導体発光装置の発光点の間隔は6.8mmとなる。一方、本実施形態に係る光源装置200では、半導体発光装置100同士を密着させて配置することができる。このため、半導体発光装置100の発光点の間隔は5.8mmとなり、より高密度の実装が可能となる。
【0036】
この光源装置200をプロジェクタ等の装置に搭載する場合には、図5(a)及び(b)に示すように、光源装置200の周縁部に配置された半導体発光装置100の基台121の側面を光源装置200の外側から内側に押さえるように搭載することが好ましい。具体的に、図5(b)に示すように、光源装置200の周縁部の四つの側面を構成する基台121に対向するように、固定部材である取り付け板210a、210b、211a及び211bを取り付けて、それぞれ図中の矢印の方向に押し付けるように光源装置200を固定する。これにより、光源装置200を構成する複数の半導体発光装置100の基台121の側面同士の密着性が向上することにより、基台121同士の間の熱伝導の効率を向上することができる。
【0037】
取り付け板210a、210b、211a及び211bによる光源装置200の固定ができない場合は、隣接する基台121の側面同士を半田付けにより接着させることも可能である。但し、半導体発光素子110及びサブマウント111の素子搭載台122への実装温度(約300℃)を超えない温度で半田付けをする必要がある。なお、半田付けには、SnAgCu及びSnZnBi等の鉛フリーの半田材を用いることが好ましい。このような半田付けによって、光源装置200を構成する複数の半導体発光装置100のそれぞれが固定されるため、光源装置200の機械的な強度が増大する。
【0038】
本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置及びそれを用いた光源装置によると、半導体発光装置の発光点の密度を高くすることができ、部品点数を削減し、且つ、半導体発光素子で発生する熱を効率良く放熱することが可能となる。
【0039】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置について図6を参照しながら説明する。本実施形態において、第1の実施形態と同一の部材については同一の符号を付けることにより説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0040】
図6(a)及び(b)に示すように、第2の実施形態に係る半導体発光装置300は、第1の実施形態と比較して、ステム320の基台321の形状が異なっている。具体的に、本実施形態では、基台321は、主面側から見た平面形状は六角形である。基台321の六つの側面には、それぞれ凸部350a、351a及び352a並びに凹部350b、351b及び352bが形成されている。また、凸部350aと凹部350b、凸部351aと凹部351b及び凸部352aと凹部352bとは、それぞれ嵌合するように設計されている。
【0041】
次に、第2の実施形態に係る複数の半導体発光装置300が組み付けられて構成された光源装置400について図7を参照しながら説明する。図7では、シールリング127及びフランジ部131bを省略している。
【0042】
図7に示すように、本実施形態に係る複数の半導体発光装置300を互いに同一の向きに二次元的に並べると、凸部350aと凹部350b、凸部351aと凹部351b及び凸部352aと凹部352bとがそれぞれ隣接するように配置することができる。ここで、隣接する凸部と凹部とはそれぞれ嵌合するように設計されている。光源装置400を構成する複数の半導体発光装置300のうちの一つの半導体発光装置300に着目すると、60°ずつ六方向に他の半導体発光装置300が隣接し、周期的に並んでいる。
【0043】
本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置及びそれを用いた光源装置によると、半導体発光装置の発光点の密度をより高くすることができ、部品点数を削減し、且つ、半導体発光素子で発生する熱を効率良く放熱することが可能となる。本実施形態において、基台の主面側から見た平面形状は六角形であるが、これに限らず、三角形等の多角形であってもよく、平面充填が可能な多角形であることが好ましい。また、装置の目的及び大きさ等の条件によって半導体発光装置のステムの基台の外形は変更しても構わない。
【0044】
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置について図8を参照しながら説明する。本実施形態において、第1の実施形態と同一の部材については同一の符号を付けることにより説明を省略し、異なる部材についてのみ説明する。
【0045】
図8に示すように、第3の実施形態に係る半導体発光装置500は、第1の実施形態と比較してステム520の基台521の形状が異なっている。具体的に、基台521の側面に設けられた凸部550a、551a及び凹部550b、551bの形状は台形状である。なお、凸部550aと凹部550b及び凸部551aと凹部551bとは互いに隣接したときに嵌合可能な形状である。ここで、凸部550aにおいて、基台521の中心に近い部分の幅550a1は、基台の外周部に近い部分の幅550a2よりも小さい。すなわち、凸部550aの幅は、基台521の中心に近いほど小さくなっている。また、凹部550bにおいて、基台521の外周部に近い部分の幅550b1は、基台521の中心に近い部分の幅550b2よりも小さい。すなわち、凹部550bの幅は、基台521の中心に近いほど大きくなっている。凸部551a及び凹部551bも同様の寸法の関係とする。
【0046】
次に、第3の実施形態に係る複数の半導体発光装置500が組み付けられて構成された光源装置について図9を参照しながら説明する。
【0047】
図9に示すように、第3の実施形態に係る複数の半導体発光装置500を同一の向きに二次元的に並べることにより光源装置600が構成されている。光源装置600を構成する複数の半導体発光装置500は、その側面同士が嵌合することによって接続されている。ここで、隣接する基台521の側面において、凸部と凹部の形状が台形状であるため、基台521の主面の面内方向の引っ張りによって、半導体発光装置同士は互いに外れない。
【0048】
本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置及びそれを用いた光源装置によると、半導体発光装置の発光点の密度を高くすることができ、部品点数を削減し、且つ、半導体発光素子で発生する熱を効率良く放熱することが可能となる。さらに、特別な機械的支持部材を用いることなく、より自立強度が高い光源装置を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る半導体発光装置は、複数の半導体発光装置の発光点の密度を高くすることができ、部品点数を削減し且つ半導体発光装置から発生する熱を効率良く放熱することができ、特に、互いに嵌合できる半導体発光装置及びそれを用いた光源装置等に有用である。
【符号の説明】
【0050】
100、300、500 半導体発光装置
110 半導体発光素子
111 サブマウント
120、320、520 ステム
121、321、521 基台
122 素子搭載台
123a、123b、123c リード
127 シールリング
130 キャップ
131 カバー
131a 開口部
131b フランジ部
132 光取り出し窓
140a、140b ボンディングワイヤ
150a、151a、350a、351a、352a、550a、551a 凸部(嵌合部)
150b、151b、350b、351b、352b、550b、551b 凹部(嵌合部)
160a 基台側面
160b 基台側面
161a 基台側面
162b 基台側面
200、400、600 光源装置
210a、210b、211c、211d 取り付け板(固定部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料を用いて光を出射することができる半導体発光装置であって、
主面の平面形状が多角形であり、金属からなる基台と、
前記基台の主面の上に搭載された半導体発光素子とを備え、
前記基台は、その側面に、前記半導体発光装置と同一の構成を有する他の半導体発光装置の基台と嵌合可能な嵌合部を有していることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記基台の側面に形成された凹部及び凸部からなり、
複数の前記半導体発光装置を組み付ける際に、隣り合う一方の半導体発光装置における凹部と他方の半導体発光装置における凸部が嵌合し、一方の半導体発光装置における凸部と他方の半導体発光装置における凹部が嵌合して、複数の半導体発光装置が組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記基台は、銅又はアルミニウムを主成分として含む金属からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体発光装置を複数備え、
前記複数の半導体発光装置は、前記基台の側面において互いに嵌合していることを特徴とする光源装置。
【請求項5】
前記複数の半導体発光装置を固定する固定部材をさらに備え、
前記固定部材は、その一部が前記複数の半導体発光装置の前記基台の側面と嵌合するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記基台の側面同士は、半田材により接着されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−174954(P2012−174954A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36652(P2011−36652)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】