説明

半導体装置、その製造方法及びその検査方法

【課題】半導体装置の配線層或いはビア層の観察に際し、所望の配線層或いはビア層を容易に識別し特定する。
【解決手段】半導体装置100は、複数の配線層1〜5と、これら配線層1〜5の間に設けられたビア層11〜14と、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ61〜65と、を有している。識別用アクセサリ61〜65は、複数の配線層1〜5のうちの所定の配線層に形成された識別パターン81〜85を含む。各識別パターン81〜85は、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、その製造方法及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置における特定の配線層或いはビア層の検査のためには、例えば、所望の配線層或いはビア層が表面に露出するまで半導体装置を研磨し、露出した配線層或いはビア層の観察を行う。
【0003】
なお、特許文献1には、不良解析用の位置合わせマークを複数層に重ねて形成する技術が記載されている。
同文献には、2層目の位置合わせマークを基準にして2層目の導電性パターンを観察検査した後、2層目の導電性パターンを除去して1層目の導電性パターンの観察検査を行う際には、2層目の位置合わせマークが消失していても、1層目の位置合わせマークを基準として1層目の導電性パターンの位置を特定し観察検査を行うことができる旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−249661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置における配線の配置は、回路の集積度向上に伴い複雑化している。このため、所望の配線層或いはビア層を光学的に探索し特定することは容易ではなく、多くの時間を要する。
【0006】
このため、特定の配線層或いはビア層の探索が容易な構造の半導体装置及び検査方法の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の配線層と、
前記複数の配線層の間に設けられたビア層と、
少なくとも1つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリと、
を有し、
前記識別用アクセサリは、前記複数の配線層のうちの所定の配線層に形成された識別パターンを含み、
前記識別パターンは、前記少なくとも1つの配線層が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されていることを特徴とする半導体装置を提供する。
【0008】
この半導体装置によれば、半導体装置の配線層或いはビア層の観察検査に際し、識別用アクセサリの識別パターンを確認しながら半導体装置を研磨することによって、所望の配線層或いはビア層を容易に識別し特定することができる。
【0009】
また、本発明は、基板上に複数の配線層とビア層とを交互に重なるように形成する工程を有し、
前記工程では、前記複数の配線層のうちの所定の配線層に、少なくとも1つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる平面形状を有する識別パターンを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、複数の配線層と、前記複数の配線層の間に設けられたビア層と、少なくとも1つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリと、を有し、前記識別用アクセサリは前記複数の配線層のうちの所定の配線層に形成された識別パターンを含み、前記識別パターンは前記少なくとも1つの配線層が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されている半導体装置を検査対象として準備する第1工程と、
前記識別パターンの観察により研磨中の層を確認しながら、所望の前記配線層又は所望の前記ビア層が表面に露出するまで前記半導体装置を研磨する第2工程と、
表面に露出した前記所望の配線層又はビア層を検査する第3工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の検査方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、半導体装置の配線層或いはビア層の観察検査に際し、所望の配線層或いはビア層を容易に識別し特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る半導体装置の斜視図である。
【図2】実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【図3】実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図4】実施形態に係る半導体装置の平面図であり、図2よりも広範囲を示す。
【図5】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図6】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図7】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図8】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図9】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図10】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図11】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図12】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図13】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図14】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図15】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図16】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図17】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図18】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図19】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図20】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図21】実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を説明する図である。
【図22】変形例に係る半導体装置の斜視図である。
【図23】他の変形例に係る半導体装置の斜視図である。
【図24】更に他の変形例に係る半導体装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0014】
図1及び図2は実施形態に係る半導体装置100の要部を示す図であり、このうち図1は斜視図、図2は平面図である。
なお、図1及び図2においては、配線層間絶縁膜21〜25、ビア層間絶縁膜41〜44及び基板102(何れも図4参照)の図示を省略している。
【0015】
本実施形態に係る半導体装置100は、複数の配線層1〜5と、これら配線層1〜5の間に設けられたビア層11〜14と、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ61〜65と、を有している。識別用アクセサリ61〜65は、複数の配線層1〜5のうちの所定の配線層に形成された識別パターン81〜85を含む。識別パターン81〜85は、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる平面形状(図2参照)に形成されている。
以下、詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る半導体装置100は、複数の配線層(例えば、5層の配線層1、2、3、4、5)と、ビア層(例えば、4層のビア層11、12、13、14)と、を有している。これらビア層11〜14は、隣り合う配線層の間に形成されている。
【0017】
図1及び図2に示すように、半導体装置100は、各配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ61〜65を含む識別用アクセサリ群60を有している。
【0018】
ここで、複数の配線層1〜5のうち、下層から数えて1番目の配線層1は、第1配線層1と称する。同様に、下層から数えて2番目〜5番目の各配線層2〜5は、それぞれ、第2配線層2、第3配線層3、第4配線層4、及び、第5配線層5とそれぞれ称する。
また、複数のビア層11〜14のうち、第1配線層1と第2配線層2との間のビア層は、第1ビア層11と称する。同様に、第2配線層2と第3配線層3との間のビア層は第2ビア層12と称し、第3配線層3と第4配線層4との間のビア層は第3ビア層13と称し、第4配線層4と第5配線層5との間のビア層は第4ビア層14と称する。
【0019】
識別用アクセサリ群60は、例えば、第1配線層1を識別させる第1識別用アクセサリ61と、第2配線層2を識別させる第2識別用アクセサリ62と、第3配線層3を識別させる第3識別用アクセサリ63と、第4配線層4を識別させる第4識別用アクセサリ64と、第5配線層5を識別させる第5識別用アクセサリ65と、を含む。
【0020】
各識別用アクセサリ61〜65は、例えば、平面視において互いに重ならないように、平面的な配置が互いに異なっていることが好ましい。
【0021】
第1乃至第5識別用アクセサリ61〜65の各々は、所定の配線層に形成された識別パターン81〜85を含む。
各識別パターン81〜85は、各配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されている。
【0022】
より具体的には、これら識別パターン81〜85は、各配線層1〜5を識別させる数字、文字、或いはその他の記号を模した平面形状に形成されている。
これら識別パターン81〜85のうち、第1識別パターン81は、例えば、数字の1を模した平面形状に形成されている。同様に、第2識別パターン82は、例えば、数字の2を模した平面形状に形成され、第3識別パターン83は、例えば、数字の3を模した平面形状に形成され、第4識別パターン84は、例えば、数字の4を模した平面形状に形成され、第5識別パターン85は、例えば、数字の5を模した平面形状に形成されている。
【0023】
半導体装置100は、少なくとも2つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ61〜65をそれぞれ有している。
そして、一の配線層(配線層1〜5の何れか)を識別させる識別用アクセサリ(識別用アクセサリ61〜65の何れか)に含まれる識別パターン(識別パターン81〜85の何れか)と、他の配線層(配線層1〜5の他の何れか)を識別させる識別用アクセサリ(識別用アクセサリ61〜65の他の何れか)に含まれる識別パターン(識別パターン81〜85の他の何れか)とは、互いに平面形状が異なる。
すなわち、識別パターン81〜85のうち、第1識別用アクセサリ61の第1識別パターン81と、第2識別用アクセサリ62の第2識別パターン82と、第3識別用アクセサリ63の第3識別パターン83と、第4識別用アクセサリ64の第4識別パターン84と、第5識別用アクセサリ65の第5識別パターン85とは、互いに異なる平面形状に形成されている。
【0024】
識別パターン81〜85は、例えば、各配線層1〜5に形成され実際に電気的接続を行う配線(図示略)と同じ材料によりパターン形成されている。
なお、各識別パターン81〜85は、電子顕微鏡を用いなくても、光学顕微鏡で識別可能な寸法に形成されている。具体的には、例えば、各識別パターン81〜85の縦寸法L(図2)及び横寸法W(図2)は、それぞれ2μm以上であることが好ましい。
【0025】
第1識別パターン81は、第1配線層1に形成されている。同様に、第2識別パターン82は第2配線層2に形成され、第3識別パターン83は第3配線層3に形成され、第4識別パターン84は第4配線層4に形成され、第5識別パターン85は第5配線層5に形成されている。
【0026】
各識別用アクセサリ61〜65は、更に、何れの識別パターン81〜85とも異なる形状に形成され、各識別パターン81〜84の上に重なるように配置された重なりパターン86、87、88、89を含んでいる。本実施形態の場合、これら重なりパターン86、87、88、89は、各識別パターン81〜84が形成されている配線層1〜4の1つ上の配線層2〜5に形成されている。すなわち、重なりパターン86は第1識別パターン81の上に重なるように第2配線層2に形成され、重なりパターン87は第2識別パターン82の上に重なるように第3配線層3に形成され、重なりパターン88は第3識別パターン83の上に重なるように第4配線層4に形成され、重なりパターン89は第4識別パターン84の上に重なるように第5配線層5に形成されている。
重なりパターン86〜89の平面形状は、何れの識別パターン81〜85とも異なる形状であれば、いかなる形状でも良いが、例えば、正方形とすることができる。
【0027】
また、第1識別用アクセサリ61は、第1識別パターン81と、この第1識別パターン81の上に重なるように配置された重なりパターン86と、を相互に接続する第1識別パターン接続ビア91を有している。同様に、第2識別用アクセサリ62は、第2識別パターン82と重なりパターン87とを相互に接続する第2識別パターン接続ビア92を有し、第3識別用アクセサリ63は、第3識別パターン83と重なりパターン88とを相互に接続する第3識別パターン接続ビア93を有し、第4識別用アクセサリ64は、第4識別パターン84と重なりパターン89とを相互に接続する第4識別パターン接続ビア94を有している。
すなわち、各識別用アクセサリ61〜65は、更に、配線層1〜4を識別させる識別パターン81〜84と、識別パターン81〜84の上に重なる重なりパターン86〜89と、を相互に接続する識別パターン接続ビア91〜94を有する。
【0028】
また、複数の第1識別パターン接続ビア91が、第1識別パターン81の延在方向に沿って配列されている(図7参照)。同様に、複数の第2識別パターン接続ビア92が第2識別パターン82の延在方向に沿って配列され、複数の第3識別パターン接続ビア93が第3識別パターン83の延在方向に沿って配列され、複数の第4識別パターン接続ビア94が第4識別パターン84の延在方向に沿って配列されている。
すなわち、複数の識別パターン接続ビア91〜94が、当該識別パターン接続ビア91〜94により接続される識別パターン81〜84の延在方向に沿って配列されている。
【0029】
更に、本実施形態に係る半導体装置100は、半導体装置100の仕上がりを観察するための仕上がり観察用アクセサリ70を有する。
【0030】
仕上がり観察用アクセサリ70は、互いに同一方向に直線状に延在するように各配線層1〜5に形成され、且つ、平面視において互いに重なる位置に配置されている直線状パターン71を含んで構成されている。
例えば、各配線層1〜5に、複数本ずつ(例えば、図1に示すように、5本ずつ)の直線状パターン71が、互いに近接して配置されている。
更に、仕上がり観察用アクセサリ70は、各配線層の直線状パターン71と、その隣の配線層の直線状パターン71と、を相互に接続する直線状パターン接続ビア72を含んで構成されている。
例えば、複数(例えば、5つ)の直線状パターン接続ビア72が、当該直線状パターン接続ビア72により接続される直線状パターン71の延在方向に沿って配列されている(図7参照)。
【0031】
以上のような構成の仕上がり観察用アクセサリ70と、上記のような構成の識別用アクセサリ群60は、例えば、互いに近接して配置されている。
【0032】
図3は半導体装置100の好ましい一例としての半導体チップ(以下、チップ)101の全体構成を示す模式的な平面図である。
【0033】
図3に示すように、チップ101は、トランジスタ等の素子を含む回路が形成された回路形成領域101aを有している。
上記の識別用アクセサリ群60及び仕上がり観察用アクセサリ70は、例えば、回路形成領域101aの外側の領域に配置されている。
なお、識別用アクセサリ群60及び仕上がり観察用アクセサリ70は、回路形成領域101aに配置しても良い。
また、識別用アクセサリ群60及び仕上がり観察用アクセサリ70は、チップ101における複数箇所にそれぞれ配置しても良い。
【0034】
なお、半導体装置100は、実際には、以下に説明する構成を更に有している。
【0035】
図4は仕上がり観察用アクセサリ70の形成箇所における半導体装置100の断面図である。
図4に示すように、半導体装置100は、基板(例えば、半導体基板)102を有している。
この基板102には、上述の回路形成領域101a(図3)においては、トランジスタなどの素子が形成されている。
この基板102上に、各配線層1〜5及び各ビア層11〜14が形成されている。
【0036】
第1配線層1は、基板102上に形成された層間絶縁膜10上に設けられている。この第1配線層1は、例えば、第1配線層間絶縁膜21と、第1配線層間絶縁膜21に埋め込まれた複数の第1アルミ配線31と、を有している。そして、一部の第1アルミ配線31により、第1配線層1における直線状パターン71及び第1識別パターン81が構成されている。
同様に、第2配線層2は、例えば、第2配線層間絶縁膜22と、第2配線層間絶縁膜22に埋め込まれた複数の第2アルミ配線32と、を有している。そして、一部の第2アルミ配線32により、第2配線層2における直線状パターン71、重なりパターン86及び第2識別パターン82が構成されている。
同様に、第3配線層3は、例えば、第3配線層間絶縁膜23と、第3配線層間絶縁膜23に埋め込まれた複数の第3アルミ配線33と、を有している。そして、一部の第3アルミ配線33により、第3配線層3における直線状パターン71、重なりパターン87及び第3識別パターン83が構成されている。
同様に、第4配線層4は、例えば、第4配線層間絶縁膜24と、第4配線層間絶縁膜24に埋め込まれた複数の第4アルミ配線34と、を有している。そして、一部の第4アルミ配線34により、第4配線層4における直線状パターン71、重なりパターン88及び第4識別パターン84が構成されている。
同様に、第5配線層5は、例えば、第5配線層間絶縁膜25と、第5配線層間絶縁膜25に埋め込まれた複数の第5アルミ配線35と、を有している。そして、一部の第5アルミ配線35により、第5配線層5における直線状パターン71、重なりパターン89及び第5識別パターン85が構成されている。
【0037】
また、第1ビア層11は、例えば、第1ビア層間絶縁膜41と、第1ビア層間絶縁膜41に埋め込まれた複数の第1ビア51と、を有している。そして、一部の第1ビア51により、第1ビア層11における直線状パターン接続ビア72及び第1識別パターン接続ビア91が構成されている。
同様に、第2ビア層12は、例えば、第2ビア層間絶縁膜42と、第2ビア層間絶縁膜42に埋め込まれた複数の第2ビア52と、を有している。そして、一部の第2ビア52により、第2ビア層12における直線状パターン接続ビア72及び第2識別パターン接続ビア92が構成されている。
同様に、第3ビア層13は、例えば、第3ビア層間絶縁膜43と、第3ビア層間絶縁膜43に埋め込まれた複数の第3ビア53と、を有している。そして、一部の第3ビア53により、第3ビア層13における直線状パターン接続ビア72及び第3識別パターン接続ビア93が構成されている。
同様に、第4ビア層14は、例えば、第4ビア層間絶縁膜44と、第4ビア層間絶縁膜44に埋め込まれた複数の第4ビア54と、を有している。そして、一部の第4ビア54により、第4ビア層14における直線状パターン接続ビア72及び第4識別パターン接続ビア94が構成されている。
【0038】
なお、識別用アクセサリ群60の第1乃至第5識別パターン81〜85、並びに、仕上がり観察用アクセサリ70の直線状パターン71は、例えば、何れも、チップ101の素子(トランジスタ等)には電気的に接続されておらず、電気的に浮いている(電気的にフローティング状態となっている)。
【0039】
次に、実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0040】
図5乃至図21は、この製造方法の一連の工程を説明する図である。このうち図5、図7、図9、図11、図13、図15、図17及び図19はそれぞれ要部の平面図である。また、図6(a)は図5のA−A矢視断面図、図6(b)は図のB−B矢視断面図である。同様に、図8、図10、図12、図14、図16、図18、図20及び図21の各図における(a)は、図7、図9、図11、図13、図15、図17、図19及び図2のA−A矢視断面図である。また、図8、図10、図12、図14、図16、図18、図20及び図21の各図における(b)は、図7、図9、図11、図13、図15、図17、図19及び図2のB−B矢視断面図である。なお、図5乃至図21においては、配線層間絶縁膜21〜25、ビア層間絶縁膜41〜44及び基板102(何れも図4参照)の図示を省略している。
【0041】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、基板102(図4)上に複数の配線層1〜5とビア層11〜14とを交互に重なるように形成する工程を有する。この工程では、複数の配線層1〜5のうちの所定の配線層に、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる平面形状を有する識別パターン81〜85を形成する。
以下、詳細に説明する。
【0042】
先ず、基板102(図4参照)に、回路を構成するトランジスタなどの素子(図示略)を形成する。
次に、以下に説明するようにして、基板102上に、複数の配線層1〜5とビア層11〜14とを交互に重なるように形成する。
【0043】
先ず、基板102上に第1配線層1を形成する。
第1配線層1を形成するには、先ず、基板102上に層間絶縁膜10を形成し、更に、この層間絶縁膜10上に第1配線層間絶縁膜21を形成する。次に、第1配線層間絶縁膜21に配線形成用溝(図示略)を形成した後で、この配線形成用溝を埋め込むように第1配線層間絶縁膜21上にアルミ膜を形成する。次に、配線形成用溝外のアルミ膜を研磨又はエッチバックなどにより除去することによって、各配線形成用溝内に第1アルミ配線31(直線状パターン71及び第1識別パターン81を含む)を形成する。
【0044】
ここで、第1配線層1における直線状パターン71及び第1識別パターン81(何れも第1アルミ配線31)について図5及び図6を参照して説明する。
第1配線層1には、例えば、5本の直線状パターン71(第1アルミ配線31)を互いに同一方向に延在するように並べて配置する。また、第1識別パターン81(第1アルミ配線31)は、図5に示すように、例えば、平面視において数字の1に見えるように、直線状に形成する。
【0045】
次に、第1配線層1上に第1ビア層11を形成する。
第1ビア層11を形成するには、先ず、基板102上に第1ビア層間絶縁膜41を形成する。次に、第1ビア層間絶縁膜41にビアホール(図示略)を形成した後で、このビアホールを埋め込むように第1ビア層間絶縁膜41上にアルミ膜を形成する。次に、ビアホール外のアルミ膜を研磨又はエッチバックなどにより除去することによって、各ビアホール内に第1ビア51(直線状パターン接続ビア72及び第1識別パターン接続ビア91を含む)を形成する。
【0046】
ここで、第1ビア層11における直線状パターン接続ビア72及び第1識別パターン接続ビア91(何れも第1ビア51)の配置について図7及び図8を参照して説明する。
例えば、第1配線層1における各直線状パターン71(第1アルミ配線31)の上に5個ずつ(計25個)の直線状パターン接続ビア72(第1ビア51)を配置する。
また、第1識別パターン81上に、該第1識別パターン81上の延在方向に沿って、例えば複数(例えば4個)の第1識別パターン接続ビア91(第1ビア51)を配置する。
【0047】
次に、第1配線層1と同様の形成方法により、第1ビア層11上に第2配線層2を形成する。
ここで、第2配線層2における直線状パターン71、重なりパターン86及び第2識別パターン82(何れも第2アルミ配線32)について図9及び図10を参照して説明する。
例えば、第1配線層1の5本の直線状パターン71(第1アルミ配線31)上にそれぞれ重なるように、5本の直線状パターン71(第2アルミ配線32)を互いに同一方向に延在するように並べて配置する。なお、この状態で、図10に示すように、第1配線層1の各直線状パターン71(第1アルミ配線31)と、第2配線層2の各直線状パターン71(第2アルミ配線32)とは、第1ビア層11の直線状パターン接続ビア72(第1ビア51)を介して相互に接続される。
また、第1配線層2の第1識別パターン81(第1アルミ配線31)上に重なるように、重なりパターン86(第2アルミ配線32)を配置する。なお、この状態で、第1識別パターン81(第1アルミ配線31)と、重なりパターン86(第2アルミ配線32)とは、第1ビア層11の第1識別パターン接続ビア91(第1ビア51)を介して相互に接続される。
また、図9に示すように、重なりパターン86の隣に第2識別パターン82(第2アルミ配線32)を配置する。この第2識別パターン82は、例えば、平面視において数字の2に見えるように形成する。
【0048】
次に、第1ビア層11と同様の形成方法により、第2配線層2上に第2ビア層12を形成する。
ここで、第2ビア層12における直線状パターン接続ビア72及び第2識別パターン接続ビア92(何れも第2ビア52)の配置について図11及び図12を参照して説明する。
例えば、第2配線層2における各直線状パターン71(第2アルミ配線32)の上に5個ずつ(計25個)の直線状パターン接続ビア72(第2ビア52)を配置する。
また、第2識別パターン82(第2アルミ配線32)上に、該第2識別パターン82の延在方向に沿って、複数(例えば、図11では9個)の第2識別パターン接続ビア92(第2ビア52)を配置する。
【0049】
次に、第1配線層1と同様の形成方法により、第2ビア層12上に第3配線層3を形成する。
ここで、第3配線層3における直線状パターン71、重なりパターン87及び第3識別パターン83(何れも第3アルミ配線33)について図13及び図14を参照して説明する。
例えば、第2配線層2の5本の直線状パターン71(第2アルミ配線32)上にそれぞれ重なるように、5本の直線状パターン71(第3アルミ配線33)を互いに同一方向に延在するように並べて配置する。なお、この状態で、図14に示すように、第2配線層2の各直線状パターン71(第2アルミ配線32)と、第3配線層3の各直線状パターン71(第3アルミ配線33)とは、第2ビア層12の直線状パターン接続ビア72(第2ビア52)を介して相互に接続される。
また、第2配線層2の第2識別パターン82(第2アルミ配線32)上に重なるように、重なりパターン87(第3アルミ配線33)を配置する。なお、この状態で、第2識別パターン82(第2アルミ配線32)と、重なりパターン87(第3アルミ配線33)とは、第2ビア層12の第2識別パターン接続ビア92(第2ビア52)を介して相互に接続される。
また、図13に示すように、重なりパターン87の隣に第3識別パターン83(第3アルミ配線33)を配置する。この第3識別パターン83は、例えば、平面視において数字の3に見えるように形成する。
【0050】
次に、第1ビア層11と同様の形成方法により、第3配線層3上に第3ビア層13を形成する。
ここで、第3ビア層13における直線状パターン接続ビア72及び第3識別パターン接続ビア93(何れも第3ビア53)の配置について図15及び図16を参照して説明する。
例えば、第3配線層3における各直線状パターン71(第3アルミ配線33)の上に5個ずつ(計25個)の直線状パターン接続ビア72(第3ビア53)を配置する。
また、第3識別パターン83(第3アルミ配線33)上に、該第3識別パターン83の延在方向に沿って、複数(例えば、図15では9個)の第3識別パターン接続ビア93(第3ビア53)を配置する。
【0051】
次に、第1配線層1と同様の形成方法により、第3ビア層13上に第4配線層4を形成する。
ここで、第4配線層4における直線状パターン71、重なりパターン88及び第3識別パターン83(何れも第4アルミ配線34)について図17及び図18を参照して説明する。
例えば、第3配線層3の5本の直線状パターン71(第3アルミ配線33)上にそれぞれ重なるように、5本の直線状パターン71(第4アルミ配線34)を互いに同一方向に延在するように並べて配置する。なお、この状態で、図18に示すように、第3配線層3の各直線状パターン71(第3アルミ配線33)と、第4配線層4の各直線状パターン71(第4アルミ配線34)とは、第3ビア層13の直線状パターン接続ビア72(第3ビア53)を介して相互に接続される。
また、第3配線層3の第3識別パターン83(第3アルミ配線33)上に重なるように、重なりパターン88(第4アルミ配線34)を配置する。なお、この状態で、第3識別パターン83(第3アルミ配線33)と、重なりパターン88(第4アルミ配線34)とは、第3ビア層13の第3識別パターン接続ビア93(第3ビア53)を介して相互に接続される。
また、図17に示すように、重なりパターン88の隣に第4識別パターン84(第4アルミ配線34)を配置する。この第4識別パターン84は、例えば、平面視において数字の4に見えるように形成する。
【0052】
次に、第1ビア層11と同様の形成方法により、第4配線層4上に第4ビア層14を形成する。
ここで、第4ビア層14における直線状パターン接続ビア72及び第4識別パターン接続ビア94(何れも第4ビア)の配置について図19及び図20を参照して説明する。
例えば、第4配線層4における各直線状パターン71(第4アルミ配線34)の上に5個ずつ(計25個)の直線状パターン接続ビア72(第4ビア54)を配置する。
また、第4識別パターン84(第4アルミ配線34)上に、該第4識別パターン84の延在方向に沿って、複数(例えば、図19では6個)の第4識別パターン接続ビア94(第4ビア54)を配置する。
【0053】
次に、第1配線層1と同様の形成方法により、第4ビア層14上に第5配線層5を形成する。
ここで、第5配線層5における直線状パターン71、重なりパターン89及び第5識別パターン85(何れも第5アルミ配線35)について図2及び図21を参照して説明する。
例えば、第4配線層4の5本の直線状パターン71(第4アルミ配線34)上にそれぞれ重なるように、5本の直線状パターン71(第5アルミ配線35)を互いに同一方向に延在するように並べて配置する。なお、この状態で、図21に示すように、第4配線層4の各直線状パターン71(第4アルミ配線34)と、第5配線層5の各直線状パターン71(第5アルミ配線35)とは、第4ビア層14の直線状パターン接続ビア72(第4ビア54)を介して相互に接続される。
また、第4配線層4の第4識別パターン84(第4アルミ配線34)上に重なるように、重なりパターン89(第5アルミ配線35)を配置する。なお、この状態で、第4識別パターン84(第4アルミ配線34)と、重なりパターン89(第5アルミ配線35)とは、第4ビア層14の第4識別パターン接続ビア94(第4ビア54)を介して相互に接続される。
また、図2に示すように、重なりパターン89の隣に第5識別パターン85(第5アルミ配線35)を配置する。この第5識別パターン85は、例えば、平面視において数字の5に見えるように形成する。
【0054】
その後、回路形成領域101aにおける第5アルミ配線35上に電極パッド(図示略)を形成し、更に、その上に保護絶縁膜(図示略)を形成する。次に、保護絶縁膜を選択的に除去することにより、該保護絶縁膜から電極パッドを露出させる開口を形成する。
【0055】
こうして、半導体装置100を製造することができる。
【0056】
次に、実施形態に係る半導体装置の検査方法を説明する。
【0057】
本実施形態に係る半導体装置の検査方法では、先ず、本実施形態に係る半導体装置100を検査対象として準備する。次に、識別パターン81〜85の観察により研磨中の層を確認しながら、所望の配線層又は所望のビア層が表面に露出するまで半導体装置100を研磨する。次に、表面に露出した所望の配線層又はビア層を検査する。
以下、詳細に説明する。
【0058】
何れかの配線層1〜5或いは何れかのビア層11〜14の検査を平面観察により行うには、所望の配線層或いは所望のビア層が表面に露出するまで半導体装置100を研磨する。この研磨は、識別用アクセサリ群60の識別パターン81〜85を目安にすることにより、容易且つ的確に行うことができる。
【0059】
上述のように、本実施形態に係る半導体装置100においては、第1識別パターン81は第1配線層1に、第2識別パターン82は第2配線層2に、第3識別パターン83は第3配線層3に、第4識別パターン84は第4配線層4に、第5識別パターン85は第5配線層5に、それぞれ形成されている。
この場合、平面観察による検査のための半導体装置100の研磨は、所望の配線層(配線層1〜5の何れか)であることを識別させる識別パターン(識別パターン81〜85の何れか)が表面に露出するまで行うか、又は、所望ビア層(ビア層11〜14の何れか)よりも上層の配線層(配線層2〜5の何れか)であることを識別させる識別パターン(識別パターン82〜85の何れか)が除去されて、所望のビア層が表面に露出するまで行うと良い。
【0060】
半導体装置100を第5配線層5の側の面(基板102の反対側の面)から研磨すると、半導体装置100の露出した表面は、やがて、図2の状態となる。更に、図2の状態の次に図19の状態へと変化し、更に順次、図17、図15、図13、図11、図9、図7、図5の状態へと変化する。
半導体装置100の露出した表面が図2の状態となることにより、つまり、数字の5を模した第5識別パターン85が表面に露出することにより、第5配線層5が表面に露出したことを容易に認識することができる。
更に、半導体装置100の露出した表面が図2の状態から図19の状態へ変化することにより、つまり、数字の5を模した第5識別パターン85が除去されるとともに、その下層に位置する第4識別パターン接続ビア94が表面に露出することにより、第4ビア層14が表面に露出したことを容易に認識することができる。
また、半導体装置100の露出した表面が図19の状態から図17の状態へ変化することにより、つまり、第4識別パターン接続ビア94が除去されるとともに、数字の4を模した第4識別パターン84が表面に露出することにより、第4配線層4が表面に露出したことを容易に認識することができる。
以下、同様に、図17から図15への変化、図15から図13への変化、図13から図11への変化、図11から図9への変化、図9から図7への変化、及び、図7から図5への変化により、第3ビア層13が表面に露出したこと、第3配線層3が表面に露出したこと、第2ビア層12が表面に露出したこと、第2配線層2が表面に露出したこと、第1ビア層11が表面に露出したこと、第1配線層1が表面に露出したことを、それぞれ容易に認識することができる。
具体的には、例えば、第3配線層3を平面観察する場合には、数字の4を模した第4識別パターン84が除去され、更に、その下層のビア(つまり第3識別パターン接続ビア93:第3ビア層13に形成)が除去されて、数字の3を模した第3識別パターン83が表面に露出するまで研磨を行うと良い。この研磨により、第3配線層3が表面に露出する。
また、具体的には、例えば、第2ビア層12を平面観察する場合には、数字の3を模した第3識別パターン83が除去されて、その下層のビア(第2識別パターン接続ビア92:第2ビア層12に形成)が露出するまで研磨すると良い。
【0061】
また、このように所望の配線層或いは所望のビア層を表面に露出させた後は、例えば、予め検出した不良箇所を探索してその不良箇所の平面観察検査を行ったり、或いは、所望箇所の出来栄え(仕上がり)を平面観察検査したりすることができる。
【0062】
また、例えば、第1乃至第5配線層1〜5、及び、第1乃至第4ビア層11〜14の断面構造観察を一度に実施したい場合は、仕上がり観察用アクセサリ70を観察することにより、効率的な観察が可能である。
つまり、例えば、図2のA−A矢視断面図である図21(a)の位置、或いは、図2のB−B矢視断面図である図21(b)の位置に観察装置の焦点を合わせて観察することにより、第1乃至第5配線層1〜5及び第1乃至第4ビア層11〜14の断面構造観察を一度に実施することができる。
このような断面観察用の観察装置としては、例えば、SEM(Scanning Electron Microscope)、STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)、TEM(Transmission Electron Microscope)或いはFIB(Focused Ion Beam)等を用いることができる。
【0063】
このような断面観察では、例えば、各アルミ配線31〜32の高さ又は幅、或いは、各ビア51〜54の高さ又は幅が、設計通りの寸法になっているかどうかの確認を行うことができる。更に、各アルミ配線31〜32、各ビア51〜54、各配線層間絶縁膜21〜25、各ビア層間絶縁膜41〜44が、設計通りに埋め込まれているかどうか、或いは、設計通りの形状になっているかどうかの確認を行うことができる。
【0064】
そして、このように仕上がり観察用アクセサリ70の断面を観察することにより、第1乃至第5配線層1〜5、或いは、第1乃至第4ビア層11〜14における仕上がり観察用アクセサリ70以外の部分(例えば、回路形成領域101a)における形状、寸法、出来栄えを推定することができる。
【0065】
以上のような第1の実施形態によれば、半導体装置100は、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ61〜65を有し、識別用アクセサリ61〜65は、複数の配線層1〜5のうちの所定の配線層に形成された識別パターン81〜85を含む。そして、識別パターン81〜85は、各配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されている。
よって、半導体装置100の配線層1〜5或いはビア層11〜14の観察検査に際し、識別用アクセサリ61〜65の識別パターン81〜85を確認しながら半導体装置100を研磨することによって、所望の配線層1〜5或いはビア層11〜14を容易に識別し特定することができる。
すなわち、何れの層に識別パターン81〜85を形成したのかを前もって知っておかなくても、識別パターン81〜85の平面形状を手がかりに、少なくとも1つの配線層1〜5が何れの層であるかを識別することができる。
【0066】
ここで、半導体装置100の歩留まりを向上させるためには、半導体装置100に電気的な特性不良が発生した場合に、その不良箇所を速やかに検出し、その不良箇所の観察検査を行って不良原因を解析し、その解析結果を直ちに製造工程にフィードバックすることが重要である。本実施形態の場合、所望の配線層1〜5或いはビア層11〜14を速やかに特定できるため、不良解析も迅速に行うことができる。よって、製造工程へのフィードバックも迅速に実施でき、歩留りを早急に改善することが可能となる。
【0067】
また、識別パターン81〜85は、各配線層1〜5を識別させる数字或いは文字を模した平面形状に形成されているので、各配線層1〜5の識別を一層容易に行うことができる。
【0068】
また、半導体装置100は、n(nは2以上の整数)層(例えば、5層)の配線層1〜5を有し、下層から数えてm(mは1以上n以下の整数)番目の配線層を識別させる識別パターンは、下層から数えてm番目の配線層に形成されている。
例えば、下層から数えて5番目の配線層5を識別させる識別パターン85は、下層から数えて5番目の配線層5に形成されている。同様に、下層から数えて4番目の配線層4を識別させる識別パターン84は、下層から数えて4番目の配線層4に形成されている。同様に、下層から数えて3番目の配線層3を識別させる識別パターン83は、下層から数えて3番目の配線層3に形成され、下層から数えて2番目の配線層2を識別させる識別パターン82は、下層から数えて2番目の配線層2に形成され、下層から数えて1番目の配線層1を識別させる識別パターン81は、下層から数えて1番目の配線層1に形成されている。
このため、平面観察による検査のための研磨は、所望の配線層1〜5であることを識別させる識別パターン81〜85が表面に露出するまで行うか、又は、所望のビア層11〜14よりも上層の配線層2〜5であることを識別させる識別パターン82〜85が除去されて、所望のビア層11〜14が表面に露出するまで行うと良い。
【0069】
半導体装置100は、より具体的には、例えば、n(nは2以上の整数)層(例えば、5層)の配線層1〜5を有し、下層から数えてm(mは1以上(n−1)以下の整数)番目の配線層(例えば、第1乃至第4配線層1〜4)を識別させる識別パターン(例えば、第1乃至第4識別パターン81〜84)は、下層から数えてm番目の配線層に形成されている。また、下層から数えてn番目の配線層(例えば、第5配線層5)を識別させる識別パターン(例えば、第5識別パターン85)は、下層から数えてn番目の配線層に形成されている。そして、識別用アクセサリ61〜65は、更に、何れの識別パターン81〜85とも異なる形状に形成され、下層から数えてm番目の配線層1〜4を識別させる識別パターン81〜84の上に重なるように配置された重なりパターン86〜89を含む。そして、下層から数えてm番目の配線層1〜4を識別させる識別パターン81〜84の上に重なる重なりパターン86〜89は、少なくとも、下層から数えてm+1番目の配線層2〜5に形成されている。
これにより、各重なりパターン86〜89の下に、識別パターン81〜84が存在することを、前もって認識することができ、識別パターン81〜84を容易に発見できるようになる。
【0070】
また、識別用アクセサリ群60は、下層から数えてm番目の配線層81〜84を識別させる識別パターン81〜84と、当該識別パターン81〜84の上に重なる重なりパターン86〜89と、を相互に接続する識別パターン接続ビア91〜94を有するので、所望のビア層11〜14の識別が一層容易となる。
【0071】
また、複数の識別パターン接続ビア91〜94が、当該識別パターン接続ビア91〜94により接続される識別パターン81〜85の延在方向に沿って配列されているので、識別パターン接続ビア91〜94の識別、ひいては、所望のビア層91〜94の識別が一層容易となる。
【0072】
また、半導体装置100は、その仕上がりを観察するための仕上がり観察用アクセサリ70を有している。この仕上がり観察用アクセサリ70は、互いに同一方向に直線状に延在するように各配線層1〜5に形成され、且つ、平面視において互いに重なる位置に配置されている直線状パターン71と、各配線層1〜5の直線状パターン71と、その隣の配線層1〜5の直線状パターン71と、を相互に接続する直線状パターン接続ビア72と、を含む。このように、単純で一様なレイアウトの直線状パターン71及び直線状パターン接続ビア72により構成された仕上がり観察用アクセサリ70を観察することにより、仕上がりの観察を極めて容易に行うことができる。
【0073】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0074】
例えば、上記の実施形態では、重なりパターン86は第2配線層2に、重なりパターン87は第3配線層3に、重なりパターン88は第4配線層4に、重なりパターン89は第5配線層5に、それぞれ形成されている例を説明した。
これに対し、例えば、図22に示すように、重なりパターン86を第2乃至第5配線層2〜5のそれぞれに形成し、重なりパターン87を第3乃至第5配線層3〜5のそれぞれに形成し、重なりパターン88を第4及び第5配線層4、5のそれぞれに形成しても良い。
すなわち、半導体装置は、n(nは2以上の整数)層の配線層を有し、下層から数えてm(mは1以上(n−1)以下の整数)番目の配線層を識別させる識別パターンの上に重なる重なりパターンは、下層から数えてm+1番目からn番目までの配線層にそれぞれ形成されている構成としても良い。
更に、重なりパターン86〜88と識別パターン81〜83とを識別パターン接続ビア91〜93で接続しているのと同様に、上下に重なる重なりパターン86〜88どうしをビア52〜53で接続しても良い。
【0075】
また、例えば、図23及び図24に示すように、重なりパターン86〜89を設けない構成としても良い。
この場合に、図23に示すように、識別パターン接続ビア91〜94を設けない構成としても良い。或いは、図24に示すように、各識別パターン81〜84上にビア51〜54を設けても良い。
【0076】
また、上記の実施形態では、各配線層1〜5が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ61〜65を設ける例を説明したが、この例に限らない。何れか1つの配線層(例えば、第3配線層3)が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリ(例えば、第3識別用アクセサリ63)のみを設けても良い。
【0077】
また、上記の実施形態では、各識別パターン81〜85が数字を模した例を説明したが、文字(アルファベット等)を模していても良いし、或いは、その他の記号等を模していても良い。
【0078】
また、上記の実施形態では、各配線層1〜5の配線がアルミ配線(第1〜第5アルミ配線31〜35)である例を説明したが、本発明は、各配線層の配線が銅配線である場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 第1配線層
2 第2配線層
3 第3配線層
4 第4配線層
5 第5配線層
10 層間絶縁膜
11 第1ビア層
12 第2ビア層
13 第3ビア層
14 第4ビア層
21 第1配線層間絶縁膜
22 第2配線層間絶縁膜
23 第3配線層間絶縁膜
24 第4配線層間絶縁膜
25 第5配線層間絶縁膜
31 第1アルミ配線
32 第2アルミ配線
33 第3アルミ配線
34 第4アルミ配線
35 第5アルミ配線
41 第1ビア層間絶縁膜
42 第2ビア層間絶縁膜
43 第3ビア層間絶縁膜
44 第4ビア層間絶縁膜
51 第1ビア
52 第2ビア
53 第3ビア
54 第4ビア
60 識別用アクセサリ群
61 第1識別用アクセサリ
62 第2識別用アクセサリ
63 第3識別用アクセサリ
64 第4識別用アクセサリ
65 第5識別用アクセサリ
70 観察用アクセサリ
71 直線状パターン
72 直線状パターン接続ビア
81 第1識別パターン
82 第2識別パターン
83 第3識別パターン
84 第4識別パターン
85 第5識別パターン
86 重なりパターン
87 重なりパターン
88 重なりパターン
89 重なりパターン
91 第1識別パターン接続ビア
92 第2識別パターン接続ビア
93 第3識別パターン接続ビア
94 第4識別パターン接続ビア
100 半導体装置
101 チップ
101a 回路形成領域
102 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配線層と、
前記複数の配線層の間に設けられたビア層と、
少なくとも1つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリと、
を有し、
前記識別用アクセサリは、前記複数の配線層のうちの所定の配線層に形成された識別パターンを含み、
前記識別パターンは、前記少なくとも1つの配線層が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記識別パターンは、前記少なくとも1つの配線層を識別させる数字或いは文字を模した平面形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
少なくとも2つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリをそれぞれ有し、
一の前記配線層を識別させる前記識別用アクセサリに含まれる前記識別パターンと、他の前記配線層を識別させる前記識別用アクセサリに含まれる前記識別パターンとは、互いに平面形状が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
n(nは2以上の整数)層の前記配線層を有し、
下層から数えてm(mは1以上n以下の整数)番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンは、下層から数えてm番目の前記配線層に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
n(nは2以上の整数)層の前記配線層を有し、
下層から数えてm(mは1以上(n−1)以下の整数)番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンは、下層から数えてm番目の前記配線層に形成され、
下層から数えてn番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンは、下層から数えてn番目の前記配線層に形成され、
前記識別用アクセサリは、更に、何れの前記識別パターンとも異なる形状に形成され、下層から数えてm番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンの上に重なるように配置された重なりパターンを含み、
下層から数えてm番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンの上に重なる前記重なりパターンは、少なくとも、下層から数えてm+1番目の前記配線層に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
更に、下層から数えてm番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンと、当該識別パターンの上に重なる前記重なりパターンと、を相互に接続する識別パターン接続ビアを有することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
複数の前記識別パターン接続ビアが、当該識別パターン接続ビアにより接続される前記識別パターンの延在方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
当該半導体装置は、更に、当該半導体装置の仕上がりを観察するための仕上がり観察用アクセサリを有し、
前記仕上がり観察用アクセサリは、
互いに同一方向に直線状に延在するように各配線層に形成され、且つ、平面視において互いに重なる位置に配置されている直線状パターンと、
各配線層の前記直線状パターンと、その隣の前記配線層の前記直線状パターンと、を相互に接続する直線状パターン接続ビアと、
を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
基板上に複数の配線層とビア層とを交互に重なるように形成する工程を有し、
前記工程では、前記複数の配線層のうちの所定の配線層に、少なくとも1つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる平面形状を有する識別パターンを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
複数の配線層と、前記複数の配線層の間に設けられたビア層と、少なくとも1つの前記配線層が何れの層であるかを識別させる識別用アクセサリと、を有し、前記識別用アクセサリは前記複数の配線層のうちの所定の配線層に形成された識別パターンを含み、前記識別パターンは前記少なくとも1つの配線層が何れの層であるかを識別させる平面形状に形成されている半導体装置を検査対象として準備する第1工程と、
前記識別パターンの観察により研磨中の層を確認しながら、所望の前記配線層又は所望の前記ビア層が表面に露出するまで前記半導体装置を研磨する第2工程と、
表面に露出した前記所望の配線層又はビア層を検査する第3工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の検査方法。
【請求項11】
前記半導体装置は、
n(nは2以上の整数)層の前記配線層を有し、
下層から数えてm(mは1以上n以下の整数)番目の前記配線層を識別させる前記識別パターンが、下層から数えてm番目の前記配線層に形成され、
前記第2工程では、前記所望の配線層であることを識別させる前記識別パターンが表面に露出するまで前記研磨を行うか、又は、前記所望のビア層よりも上層の前記配線層であることを識別させる前記識別パターンが除去されて、前記所望のビア層が表面に露出するまで前記研磨を行うことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−216613(P2011−216613A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82279(P2010−82279)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】