説明

半導体装置およびワイヤボンディング最適化方法

【課題】パッケージに対するチップの実装位置ずれが生じた場合に、ボンディングワイヤ間のショートを回避するワイヤボンディング最適化方法および半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体チップ1のパッド2とパッケージ基板のボンディングポイントBPとを接続するワイヤボンディングにおいて、半導体チップ辺上のいずれかのパッドに対してボンディングポイントが複数個設定されるように、複数個のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する第1の工程S1と、半導体チップのパッケージ基板に対する位置ずれ量を検出する第2の工程S2と、検出した位置ずれ量に基づいて、複数のボンディングポイントの中から最適ボンディングポイントを検出する第3の工程S3と、最適ボンディングポイントのインスタンス情報をワイヤボンディング装置に伝達する第4の工程S4とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ内に半導体チップを収容してパッケージ封止した半導体装置および半導体チップのワイヤボンディング最適化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、QFP(Quad Flat Package)やBGA(Ball GridArray)などの樹脂封止型のLSIパッケージは、LSIの多機能化、高速化に伴う半導体チップ上のパッド数およびパッケージ側のリードフレーム/基板ボンディングフィンガー数の増大により、隣接するボンディングワイヤ間のクリアランスを大きく確保することが困難になってきている。
【0003】
図26に、一般的に設計するシステムインパッケージ(SiP)の半導体装置として、半導体チップを半導体パッケージ基板に搭載してワイヤボンディングを行った部分的な構成例を示す。図26において、1は半導体チップ、2は半導体チップ1のパッド、3はパッケージ基板配線、4はボンディングフィンガー、5はボンディングワイヤである。図26に示すようなかたちで、設計者は半導体チップがパッケージ基板に対して全くずれずに搭載された理想的な状態で半導体パッケージ設計を行っているのが一般的である。
【0004】
ところで、半導体チップをパッケージ基板に接着させるダイボンディング装置の機械精度は[x,y,θ]においてばらつきがあり、パッケージ基板に対して半導体チップの実装位置ずれが生じてしまう。たとえ半導体チップがパッケージ基板に対して全くずれていない理想的な状態で接着されたとしても、端子(ピン)数の増大により、隣接する各ボンディングワイヤ間が非常に近接した状態となってきていることから、半導体チップの位置ずれの問題は無視できないものとなっている。
【0005】
このように、ボンディングワイヤ間の設計マージンが減少することによる、半導体チップの位置ずれ問題が顕著化し、ボンディングワイヤ間のショート不良が発生するという課題がある。これは、リードフレームを用いるパッケージなど、パッケージの種類を問わず起こり得る課題である。
【0006】
従来、自由度を持たせたワイヤリング設計方法として、中継点を設けて迂回させる構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。これは、パッケージ内のベッドあるいは半導体チップ中に、ボンディングワイヤについての中継点を少なくとも1箇所以上設け、ボンディングワイヤ同士の接触が懸念される箇所についてはワイヤを中継点で中継させて迂回させるものである。この構成により、ボンディングワイヤ間の接触が懸念される箇所に対しては、ボンディングワイヤを迂回させることが可能となる。
【特許文献1】特開昭59−138353号公報(第2頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の方法では、半導体チップの実装位置ずれに関する考慮がなされておらず、位置ずれに対するマージンが取られていないことから、やはり半導体チップの実装位置ずれが生じた場合にはボンディングワイヤ間のショート不良が発生するという課題は解決できない。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、半導体チップの実装位置ずれが生じた場合でも、ボンディングワイヤ間のショート不良を起こさせない最適な箇所へのワイヤボンディングを可能とし、歩留りの向上を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために本発明は、パッケージ基板/リードフレーム設計において、半導体チップの1つ以上のパッドに対して複数のボンディングポイントを設定可能なパッケージ基板パターン/リードフレームパターンを設計することと、ワイヤボンディング装置にボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド座標を入力し、半導体チップの実装位置ずれ量を検出し、位置ずれ量から最適なボンディングポイントを検出することからなる。
【0010】
本発明によるワイヤボンディング最適化方法は、パッケージ基板上に搭載された半導体チップのパッドと前記パッケージ基板のボンディングポイントとを接続するワイヤボンディングにおいて、
前記半導体チップ辺上のいずれかのパッドに対して前記ボンディングポイントが複数個設定されるように、複数個のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および前記半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する第1の工程と、
前記半導体チップの前記パッケージ基板に対する位置ずれ量を検出する第2の工程と、
検出した前記位置ずれ量に基づいて、複数個設定した前記ボンディングポイントの中から最適なボンディングポイントを検出する第3の工程と、
前記最適ボンディングポイントのインスタンス情報を前記ワイヤボンディング装置に伝達する第4の工程とを有するものである。
【0011】
この構成において、半導体パッケージに対して半導体チップを実装したときに、たとえ半導体チップの実装位置が予定していた位置からずれていたとしても、位置ずれ量を検出し、複数設定されたボンディングポイントの中から、検出した位置ずれ量に応じて最適ボンディングポイントを選択するので、ワイヤ間ショート不良を起こさない適切な箇所へワイヤボンディングを行うことが可能となり、生産歩留りを向上させることが可能になる。
【0012】
また、本発明によるワイヤボンディング最適化方法は、ダイパッド上に搭載された半導体チップのパッドとインナーリードのボンディングポイントとを接続するワイヤボンディングにおいて、
前記半導体チップのいずれかのパッドに対して前記ボンディングポイントが複数個設定されるように、複数個のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および前記半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する第1の工程と、
前記半導体チップの前記ダイパッドに対する位置ずれ量を検出する第2の工程と、
検出した前記位置ずれ量に基づいて、複数個設定した前記ボンディングポイントの中から最適なボンディングポイントを検出する第3の工程と、
前記最適ボンディングポイントのインスタンス情報を前記ワイヤボンディング装置に伝達する第4の工程とを有するものである。
【0013】
この構成において、ダイパッドに対して半導体チップを実装したときに、たとえ半導体チップの実装位置が予定していた位置からずれていたとしても、位置ずれ量に応じて最適ボンディングポイントを選択するので、ワイヤ間ショート不良を起こさない適切な箇所へワイヤボンディングを行うことが可能となり、生産歩留りを向上させることが可能になる。
【0014】
上記において、前記第1の工程は、さらに優先順位番号の入力を行い、前記第3の工程は、複数個設定した前記ボンディングポイントに対して前記優先順位番号順にワイヤリングのシミュレーションを行い、前記シミュレーションによるデザインルールチェック結果から、前記チェック結果が不可(NG)であれば、前記チェック結果が可(OK)となるまで次の優先順位のボンディングポイントでのシミュレーションを実施し、前記チェック結果が可となるボンディングポイントを最適ボンディングポイントと決定するという態様がある。
【0015】
このようにすれば、デザインルールチェックを優先順位番号順に実施することで、デザインルールチェックを全ワイヤに対して実施する必要がなくなり、デザインルールチェックの実施回数が削減される。
【0016】
また上記において、前記第3の工程は、前記半導体チップが前記パッケージ基板に対してX方向とY方向ともに、またはどちらか一方向にだけずれた場合、前記ボンディングポイントの前記座標に対して前記ずれ量を付加するという態様がある。
【0017】
このようにすれば、デザインルールチェックを行わなくてもよく、処理の高速化が図られる。
【0018】
また上記において、前記第3の工程は、前記半導体チップが前記パッケージ基板に対してX方向とY方向ともに、またはどちらか一方向にだけずれた場合、前記ボンディングポイントの前記座標に対して前記ずれ量を差し引くという態様がある。
【0019】
このようにすれば、デザインルールチェックを行わなくてもよく、処理の高速化が図られる。
【0020】
また上記において、前記第1の工程は、さらにずれ許容値の入力を行い、前記第3の工程は、前記半導体チップのチップ辺方向に沿ったずれ量が前記ずれ許容値を超える場合、チップずれ方向の下手側の端部に位置するボンディングポイントを、前記半導体チップ辺に沿うパッド列の前記ずれ方向の下手側端部のパッドに対応するボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドのボンディングポイントを、前記検証の起点の隣接ボンディングポイントに仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに1つ隣のボンディングポイントに移行し、前記チェック結果が可となるまでボンディングポイント検証を1つずつ隣のボンディングポイントに移行していくことで、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していくという態様がある。
【0021】
このようにすれば、X方向およびY方向の半導体チップの位置ずれに対してボンディングポイント全箇所のフレキシブルな最適化が可能となる。
【0022】
また上記において、前記第1の工程は、さらにずれ許容値とボンディングポイント検証の単位ずらし量の入力を行い、前記第3の工程は、前記半導体チップのチップ辺方向に沿ったずれ量が前記ずれ許容値を超える場合、チップずれ方向の下手側の端部に位置するボンディングポイントを、前記半導体チップ辺に沿うパッド列の前記ずれ方向の下手側端部のパッドに対応するボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドのボンディングポイントを、前記検証の起点から前記単位ずらし量だけずらした箇所と仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに前記単位ずらし量だけずらした箇所に移行し、前記チェック結果が可となるまでボンディングポイント検証を前記単位ずらし量だけずらした箇所に移行していくことで、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していくという態様がある。
【0023】
このようにすれば、よりフレキシブルな最適化が可能となる。
【0024】
また上記において、前記第1の工程は、さらに入射角許容値の入力を行い、前記第3の工程は、前記半導体チップの実装後の前記半導体チップ辺上の両端パッドのワイヤ入射角を演算し、小さい側の前記入射角について前記入射角許容値と比較し、前記入射角が前記入射角許容値よりも小さい場合は前記入射角許容値以上となるまでボンディングポイント検証をボンディングポイント列の他端方向へ向けて1つずつ隣のボンディングポイントに移行し、前記入射角許容値以上となったボンディングポイントを前記端部のパッドに対応するボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドに対応するボンディングポイントを、前記検証の起点の隣接ボンディングポイントに仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに1つ隣のボンディングポイントに移行し、前記チェック結果が可となるまでボンディングポイント検証を1つずつ隣のボンディングポイントに移行していくことで、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していくという態様がある。
【0025】
このようにすれば、半導体チップの回転ずれが生じて大きくワイヤ入射角が変わったとしても、全体的なワイヤ入射角を改善することが可能となる。
【0026】
また上記において、前記第1の工程は、さらに入射角許容値とボンディングポイント検証の単位ずらし量の入力を行い、前記第3の工程は、前記半導体チップの実装後の前記半導体チップ辺の両端パッドのワイヤ入射角を演算し、小さい側の前記入射角について前記入射角許容値と比較し、前記入射角が前記入射角許容値よりも小さい場合は前記入射角許容値以上となるまでボンディングポイント検証をボンディングポイント列の他端方向へ向けて前記ボンディングポイント検証の単位ずらし量だけずらした箇所にボンディングポイントを移行し、前記入射角許容値以上となったボンディングポイントを前記端部のパッドのボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドのボンディングポイントを、前記検証の起点から前記単位ずらし量だけずらした箇所と仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに前記ボンディングポイント検証の単位ずらし量だけずらした箇所にボンディングポイントを移行し、前記チェック結果が可となるまで前記ボンディングポイント検証の単位ずらし量だけずらした箇所に検証ボンディングポイントを移行し、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していくという態様がある。
【0027】
このようにすれば、半導体チップの回転ずれに対してボンディングポイント全箇所のよりフレキシブルな最適化を可能とする。
【0028】
本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、一部のボンディングフィンガーにおいて、その先端が複数に分岐されていることを特徴としている。
【0029】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、一部のボンディングフィンガーにおいて、その先端がチップ辺方向に沿って拡幅されていることを特徴としている。
【0030】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、一部のボンディングフィンガーについて、チップ辺方向に対する垂直方向で複数のボンディングフィンガーが隔設されていることを特徴としている。
【0031】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、一部のボンディングフィンガーにおいて、その先端がチップ辺方向に対する垂直方向に沿って拡幅されていることを特徴としている。
【0032】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、前記パッケージ基板上方から見て列をなす一連の複数の前記ボンディングフィンガーがクロス配列となるように配置されていることを特徴としている。
【0033】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、前記パッケージ基板上において前記パッドの数に対して少なくとも1つ以上多く設けられたボンディング中継用ランドを介して前記ボンディングワイヤが掛け渡されていることを特徴としている。
【0034】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、前記パッケージ基板上に設けられた長尺なボンディング中継用ランドを介して前記ボンディングワイヤが掛け渡され、掛け渡された後にボンディングポイントを分離する状態に分割されていることを特徴としている。
【0035】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとリードフレームパッケージにおける複数のインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、少なくとも最端部に位置する前記インナーリードが分岐または変形されていることを特徴としている。
【0036】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーまたはインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、チップ辺方向の端部箇所に位置する前記ボンディングフィンガーまたは前記インナーリードが複数に分岐または変形されていることを特徴としている。
【0037】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーまたはインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、互いに近接し平面視でワイヤ同士にクロスポイントが存在する状態の前記ボンディングワイヤに対応する前記ボンディングフィンガーまたは前記インナーリードが複数に分岐または変形されていることを特徴としている。
【0038】
また、本発明による半導体装置は、半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーまたはインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされたものであって、互いに近接しワイヤ長の違うもの同士の前記ボンディングワイヤに対応する前記ボンディングフィンガーまたは前記インナーリードが複数に分岐または変形されていることを特徴としている。
【0039】
また、本発明による半導体装置は、前記半導体チップが複数積層されて搭載されたシステムインパッケージ構造を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、半導体パッケージに対して半導体チップを実装した後、たとえ半導体チップの実装位置が予定していた位置からずれていたとしても、ワイヤ間ショート不良を起こさない適切な箇所へワイヤボンディングを行うことが可能であり、生産歩留りを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明にかかわる半導体装置におけるワイヤボンディング最適化方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0042】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
図1において、S1は半導体チップ辺上のいずれかのパッドに対して、複数個のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する工程、S2は基板パッケージにおけるパッケージ基板に対する半導体チップのずれ検出工程、S3は検出した位置ずれ量に基づいて複数個設定されたボンディングポイントの中から最適なボンディングポイントを検出する工程、S4は最適ボンディングポイントのインスタンス情報をワイヤボンディング装置に伝達する工程である。
【0044】
まず、工程S1において、半導体パッド辺上のいずれかのパッドに対してボンディングポイントが複数個設定されるように複数のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する。すなわち、チップ位置ずれに対して最適なボンディングポイントが選択可能となるワイヤボンディング基本情報を入力する。
【0045】
次いで工程S2において、半導体チップの実装位置ずれ量を検出する。
【0046】
次いで工程S3において、検出した位置ずれ量に基づいて複数個設定されたボンディングポイントの中から最適なボンディングポイントを検出する。すなわち、ワイヤ間ショート不良の起きない箇所へのボンディングポイントを検出する。
【0047】
次いで工程S4において、最適ボンディングポイントのインスタンス情報をワイヤボンディング装置に伝達する。
【0048】
以上により、ショート不良を起こさないワイヤボンディングを実施することが可能となる。
【0049】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。これは、リードフレームパッケージに搭載する半導体チップの実装位置ずれに対するワイヤボンディング最適化方法である。図2において、実施の形態1の図1におけるのと同じ符号のステップは同一内容の処理を示している。本実施の形態に特有の処理は、工程S2aであり、リードフレームパッケージにおけるダイパッドに対する半導体チップのずれ量を検出する。その他の処理については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。本実施の形態においても、実施の形態1と同様な効果がある。
【0050】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。
【0051】
工程S1aにおいて、複数個のボンディングポイントの優先順位番号をワイヤボンディング装置に入力する。インスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド座標の入力も行う。
【0052】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3aにおいて、優先順位番号順にボンディングポイントに対するワイヤ周りのデザインルールチェック(DRC:Design Rule Check)を実施し、優先順位が第1位のボンディングポイントでデザインルールチェックによるチェック結果が不可となった場合は次の優先順位ポイントであるボンディングポイントでのデザインルールチェックを行い、チェック結果が可であればそのボンディングポイントを最適なボンディングポイントとする検出位置ずれ量に基づく最適化を、チェック結果が可となる順位まで行う。その他の処理については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
本実施の形態によれば、ショート不良を確実に防止できる最適化が可能となり、また、優先順位番号順に実施することで、デザインルールチェックを全ワイヤに対して実施する必要がなく、デザインルールチェックの実施回数を削減することができる。
【0054】
なお、ワイヤ流れを考慮したデザインルールチェックによるチェック結果を用いてもよい。
【0055】
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。図4において、実施の形態1の図1におけるのと同じ符号のステップは同一内容の処理を示している。
【0056】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3bにおいて、半導体チップがパッケージ基板に対してX方向とY方向ともに、もしくはどちらか一方向だけずれた場合に対して、設定するボンディングポイントの全箇所もしくは一部箇所のボンディングポイントの座標にずれ量を付加することで、ボンディングポイントの最適化を行う。その他の処理については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0057】
本実施の形態によれば、デザインルールチェックを行わなくてもよく、処理の高速化を実現できる。
【0058】
(実施の形態5)
図5は本発明の実施の形態5におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。図5において、実施の形態1の図1におけるのと同じ符号のステップは同一内容の処理を示している。
【0059】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3cにおいて、半導体チップがパッケージ基板に対してX方向とY方向ともに、もしくはどちらか一方向だけずれた場合に対して、設定するボンディングポイントの全箇所もしくは一部箇所のボンディングポイントの座標からずれ量を差し引くことで、ボンディングポイントの最適化を行う。その他の処理については、実施の形態4と同様であるので、説明を省略する。
【0060】
本実施の形態によれば、実施の形態4とは逆方向への最適化を行うことが可能で、デザインルールチェックを行わずに実施できることによる処理の高速化という効果がある。
【0061】
(実施の形態6)
図6は本発明の実施の形態6におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。図7は実施の形態6におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図である。
【0062】
図7において、1は半導体チップ、2は半導体チップ1のパッド、5はボンディングワイヤ、BPはボンディングポイント、Xはボンディングポイント検証方向、X′は半導体チップ1のパッケージ基板に対するずれ方向である。
【0063】
工程S1bにおいて、ずれ許容値Xthを、複数のボンディングポイントBPのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド座標とともにワイヤボンディング装置に入力する。
【0064】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3dにおいて、半導体チップ1がチップ辺方向に沿ってずれ許容値Xthを超えてずれた場合、利用可能な複数のボンディングポイントBP群のうちチップずれ方向X′の下手側の端部に位置するボンディングポイントBPを、半導体チップ1のチップ辺に沿うパッド2列の前記ずれ方向X′の下手側端部のパッド2に対応するボンディングポイントBPと決定した上でボンディングポイント検証の起点とする。そして、端部のパッド2の隣接パッド2のボンディングポイントBPを、前記検証の起点の隣接ボンディングポイントBPに仮決定し、ワイヤ周りのデザインルールチェックによるチェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに1つ隣のボンディングポイントBPに移行し、デザインルールチェックによるチェック結果が可となるまでボンディングポイント検証方向Xに沿ってボンディングポイント検証を1つずつ隣のボンディングポイントBPに移行していく。このようにして、半導体パッド2の1つずつについてボンディングポイントBPの最適化を行う。
【0065】
なお、半導体チップ1のずれ量がずれ許容値Xthを超えなかった場合には最適化処理は行わない。その他の処理については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
なお、ワイヤ流れを考慮したデザインルールチェックによるチェック結果を用いてもよい。
【0067】
本実施の形態によれば、半導体チップ1の位置ずれに対してボンディングポイントBP全箇所のフレキシブルな最適化が可能となる。さらに、ボンディングポイント検証の起点をチップずれ方向X′の下手側の端部にすることにより、他端部側パッド2のワイヤ入射角を、選択し得る最大限の角度にすることができ、ワイヤ間ショート回避を可能とする。
【0068】
(実施の形態7)
図8は本発明の実施の形態7におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。図9は実施の形態7におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図である。図9において、ΔXはボンディングポイント検証の単位ずらし量である。その他については図7と同様であるので、同一部分に同一符号を付す。
【0069】
工程S1cにおいて、ずれ許容値Xthおよびボンディングポイント検証の単位ずらし量ΔXを、複数のボンディングポイントBPのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド2の座標とともにワイヤボンディング装置に入力する。
【0070】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3eにおいて、もし半導体チップ1がチップ辺に対してずれ許容値Xthを超えるずれとなった場合、ボンディングフィンガー端部から単位ずらし量ΔXだけボンディングフィンガー内部方向にずらした箇所を起点とし、起点から隣へ検出ポイントを移行する際に、検証の起点から単位ずらし量ΔX分だけ隣に移行しながらその都度デザインルールチェックによるチェック結果をもとに隣接パッド2のボンディングポイントBPの検出を行う。
【0071】
なお、半導体チップ1のずれ量がずれ許容値Xthを超えなかった場合には最適化処理は行わない。その他の処理については、実施の形態6と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
なお、ワイヤ流れを考慮したデザインルールチェックによるチェック結果を用いてもよい。
【0073】
図7との相違点は、ボンディングポイント検証の起点の決定後にボンディングポイントBPを最適化するために、検証の起点から隣のボンディングポイントBPへ検出ポイントを移行していく際に、検証の単位ずらし量ΔX分だけボンディングポイント検証方向Xへ移行することである。
【0074】
本実施の形態によれば、よりフレキシブルな最適化が可能となる。
【0075】
(実施の形態8)
図10は本発明の実施の形態8におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。図11は実施の形態8におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図である。θはボンディングワイヤ5の入射角である。その他については図7と同様であるので、同一部分に同一符号を付す。
【0076】
工程S1dにおいて、ずれ許容値Xthの代わりに入射角許容値θthをワイヤボンディング装置に入力する。複数のボンディングポイントBPのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド2の座標も入力する。
【0077】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3fにおいて、半導体チップ1のチップ辺上のパッド2列の両端パッド2どちらかにおける半導体チップ1へのワイヤ入射角θが入射角許容値θthよりも小さい場合、どちらのワイヤ入射角θが小さいかを検出し、その入射角θの小さいワイヤを入射角許容値θth以上となるまでボンディングポイントBP列の他端方向へ向けて1つずつ隣のボンディングポイントBPへ移行させ、入射角許容値θth以上となった箇所を端部のパッド2に対応するボンディングポイントBPと決定し起点とする。同様に隣接パッド2のボンディングポイントBPを起点からのボンディングポイント検証方向Xに沿って、同様に1つずつボンディングポイントBPの最適化をワイヤ周りのデザインルールチェックによるチェック結果を用いて行っていく。
【0078】
なお、半導体チップ1のチップ辺上のパッド2列両端パッド2のワイヤ入射角θが入射角許容値θthよりも大きい場合には最適化処理は行わない。その他の処理については、実施の形態6(図6)と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
なお、ワイヤ流れを考慮したデザインルールチェックによるチェック結果を用いてもよい。
【0080】
本実施の形態によれば、半導体チップ1の回転ずれに対してボンディングポイントBP全箇所のフレキシブルな最適化が可能となる。
【0081】
図7との相違点は、起点となる端部ワイヤの半導体チップ1への入射角θが小さすぎないような起点を検出後、ボンディングポイント検証方向Xに沿ってデザインルールチェックによるチェック結果から1つずつボンディングポイントBPの最適化を行っていくことで、半導体チップ1の回転ずれが生じて大きくワイヤ入射角θが変わったとしても、全体的なワイヤ入射角θを改善することが可能となる。
【0082】
(実施の形態9)
図12は本発明の実施の形態9におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャートである。図13は実施の形態9におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図である。
【0083】
工程S1において、入射角許容値θthとボンディングポイント検証の単位ずらし量ΔXをワイヤボンディング装置に入力する。複数のボンディングポイントBPのインスタンス名、座標、接続情報および半導体チップのパッド2の座標も入力する。
【0084】
最適ボンディングポイントを検出する工程S3において、半導体チップ1のチップ辺上のパッド2列両端パッド2どちらかの、半導体チップ1へのワイヤ入射角θが入射角許容値θthよりも小さい場合、半導体チップ1のチップ辺上のどちらの端パッド2のワイヤ入射角θが小さいかを検出し、その入射角θの小さいワイヤを入射角許容値θth以上となるまでボンディングポイントBP列の他端方向へボンディングポイント検証の単位ずらし量ΔXずつボンディングポイントBPをずらしながら起点を決定する。そして、ボンディングポイント検証の起点から単位ずらし量ΔXずつボンディングポイントBPをずらしながら、同様にデザインルールチェックによるチェック結果より隣接パッド2の最適化を行っていく。
【0085】
なお、半導体チップ1のチップ辺上のパッド2列両端パッド2のワイヤ入射角θが入射角許容値θthよりも大きい場合には最適化処理は行わない。その他の処理については、実施の形態8(図10)と同様であるので、説明を省略する。
【0086】
なお、ワイヤ流れを考慮したデザインルールチェックによるチェック結果を用いてもよい。
【0087】
本実施の形態によれば、半導体チップ1の回転ずれに対してボンディングポイントBP全箇所のよりフレキシブルな最適化を自動で可能とする。
【0088】
図11との相違点は、起点を決定するためにボンディングポイントBP列の他端方向へ検出する場合に、ボンディングポイント検証の単位ずらし量ΔXをずらしながらデザインルールチェックによるチェック結果を用いた最適化を自動で行うことで、半導体チップ1の回転ずれが生じて大きくワイヤ入射角θが変わったとしても、全体的なワイヤ入射角θの改善を自動で行うことが可能となる。
【0089】
(実施の形態10)
図14は本発明の実施の形態10におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0090】
図14において、1は半導体チップ、2は半導体チップ1のパッド、3はパッケージ基板配線、4はパッケージ基板配線3の先端部でボンディングポイントBPを形成するボンディングフィンガーである。
【0091】
半導体チップ1のチップ辺にはワイヤボンディング用の複数のパッド2が並べて形成されている。半導体チップ1の外方にパッケージ基板からのパッケージ基板配線3がチップ辺方向に沿って複数並列されている。パッケージ基板配線3群のうちチップ辺方向の端部に位置するパッケージ基板配線3eにおいて、そのボンディングフィンガーが、ボンディングフィンガー4A,4Bと2つに分岐されている。そして、チップ辺方向の端部に位置するパッド2eと端部に位置するパッケージ基板配線3eの2つのボンディングフィンガー4A,4Bのいずれか一方との間でボンディングワイヤ5を渡すときに、ボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となる方のボンディングフィンガーを選択し、選択した方のボンディングフィンガーとの間でボンディングワイヤ5を渡す。
【0092】
なお、ボンディングフィンガーを複数に分岐させる構成は、チップ辺方向の端部だけでなく任意の箇所のパッケージ基板配線3において適用してもよい。
【0093】
本実施の形態によれば、パッケージ基板に対する半導体チップ1の位置ずれに対して、パッケージ基板配線3の先端で分岐された複数のボンディングフィンガーのうちからボンディングポイントBPを選択するので、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0094】
(実施の形態11)
図15は本発明の実施の形態11におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0095】
図15において、図14におけるのと同じ符号は同一構成要素を指している。
【0096】
チップ辺方向に沿って並列されているパッケージ基板配線3群のうちチップ辺方向の端部に位置するパッケージ基板配線3eにおいて、そのボンディングフィンガー4Cがチップ辺方向で拡幅されている。そして、チップ辺方向の端部に位置するパッド2eと端部に位置するパッケージ基板配線3eの幅広のボンディングフィンガー4Cとの間でボンディングワイヤ5を渡すときに、幅広のボンディングフィンガー4Cの面積範囲のうちボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となる位置を選択し、その選択した位置との間でボンディングワイヤ5を渡す。
【0097】
なお、ボンディングフィンガーを幅広にする構成は、チップ辺方向の端部だけでなく任意の箇所のパッケージ基板配線3において適用してもよい。
【0098】
本実施の形態によれば、パッケージ基板に対する半導体チップ1の位置ずれに対して、パッケージ基板配線3の先端で拡幅された幅広のボンディングフィンガー4Cの面積範囲内でボンディングポイントBPを選択するので、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0099】
(実施の形態12)
図16は本発明の実施の形態12におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0100】
図16において、図14におけるのと同じ符号は同一構成要素を指している。Yはチップ辺方向に対する垂直方向である。
【0101】
チップ辺方向に沿って並列されているパッケージ基板配線3群のうちチップ辺方向の両端部に位置するいくつかのパッケージ基板配線3eにおいて、そのボンディングフィンガーがチップ辺方向に対する垂直方向Yに隔てて2つのボンディングフィンガー4,4Dとして設けられている。つまり、ボンディングフィンガーが2列となっている。
【0102】
なお、ボンディングフィンガーの列数は2列に限定するものではなく、3列以上でもよい。また、ボンディングフィンガーを複数列にするのは、チップ辺方向の両端部に限定する必要性はなく、どの位置であってもよい。
【0103】
本実施の形態によれば、パッケージ基板に対するチップ辺方向に対する垂直方向Yでの半導体チップ1の位置ずれに対して、垂直方向Yで隔設された複数のボンディングフィンガーのうちからボンディングポイントBPを選択するので、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0104】
(実施の形態13)
図17は本発明の実施の形態13におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0105】
図17において、図16におけるのと同じ符号は同一構成要素を指している。
【0106】
チップ辺方向に沿って並列されているパッケージ基板配線3群のうちチップ辺方向の両端部に位置するいくつかのパッケージ基板配線3eにおいて、そのボンディングフィンガー4Eがチップ辺方向に対する垂直方向Yに細長いものに形成されている。そして、チップ辺方向の端部側のパッド2eと端部側のパッケージ基板配線3eの細長いボンディングフィンガー4Eとの間でボンディングワイヤ5を渡すときに、細長いボンディングフィンガー4Eの長さ範囲のうちボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となる位置を選択し、その選択した位置との間でボンディングワイヤ5を渡す。
【0107】
なお、ボンディングフィンガーを細長く形成する構成は、チップ辺方向の両端部に限定する必要性はなく、どの位置であってもよい。
【0108】
本実施の形態によれば、パッケージ基板に対するチップ辺方向に対する垂直方向Yでの半導体チップ1の位置ずれに対して、パッケージ基板配線3の先端で細長いボンディングフィンガー4Eの長さ範囲内でボンディングポイントBPを選択するので、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができ、ボンディングフィンガーの列を増やす必要はない。
【0109】
(実施の形態14)
図18は本発明の実施の形態14におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0110】
図18において、図16におけるのと同じ符号は同一構成要素を指している。
【0111】
チップ辺方向に沿って並列されているパッケージ基板配線3群において、中央のいくつかのパッケージ基板配線3を除くほぼすべてのパッケージ基板配線3で、その長さ方向に2つのボンディングフィンガー4F,4Gが隔設されている。2つのボンディングフィンガー4F,4Gの間隔は、チップ辺方向の外側にいくほど大きくなっている。結果として、2つのボンディングフィンガー4F,4Gは、パッケージ基板上方から見て「X」字状のクロス配列となるように配置されている。1列のボンディングフィンガー4Fはチップ辺方向に対して右下がりに傾斜し、他の1列のボンディングフィンガー4Gはチップ辺方向に対して左下がりに傾斜している。
【0112】
図示の状態で半導体チップ1は時計方向に回転ずれを生じていて右肩下がりに傾斜している。これに対応して、2つのボンディングフィンガー4F,4Gのうち、右下がりに傾斜している方のボンディングフィンガー4Fの方が選択され、半導体チップ1のパッド2とボンディングフィンガー4Fとがボンディングワイヤ5で接続されている。
【0113】
もし、半導体チップ1が反時計方向に回転ずれを生じ左肩下がりに傾斜しているときは、左下がりに傾斜している方のボンディングフィンガー4Gが選択される。
【0114】
なお、チップ辺方向の中央部でのボンディングフィンガーの数は2つであってもよい。
【0115】
本実施の形態によれば、パッケージ基板に対する半導体チップ1の回転ずれに対して、傾斜角度を互いに異にしてクロス配列された2つのボンディングフィンガー4F,4Gから選択するので、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0116】
(実施の形態15)
図19は本発明の実施の形態15におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0117】
半導体チップ1のチップ辺にはワイヤボンディング用の複数のパッド2が並べて形成されている。2Aはパッド列を表す。半導体チップ1の外方にパッケージ基板からのパッケージ基板配線3がチップ辺方向に沿って複数並列され、それぞれの先端部はボンディングフィンガー4となっているとともに、パッケージ基板配線3群と半導体チップ1との間に複数のボンディング中継用ランド4Hがチップ辺方向に沿って配列されている。ボンディング中継用ランド4Hは、ワイヤリング対応する半導体チップ1のパッド列2Aにおけるパッド2の数よりも1つ以上多く配置されている。
【0118】
半導体チップ1のパッド2とパッケージ基板配線3とを電気的に接続するに際しては、パッド2とボンディング中継用ランド4Hとの間にボンディングワイヤ5aを渡し、さらにボンディング中継用ランド4Hとパッケージ基板配線3のボンディングフィンガー4との間にボンディングワイヤ5bを渡す。パッド2とボンディング中継用ランド4Hとの間にボンディングワイヤ5aを渡すときに、ボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となるボンディング中継用ランド4Hを選択した上で、ボンディングワイヤ5aを渡す。
【0119】
本実施の形態によれば、チップ辺方向での半導体チップ1の位置ずれに対して、中間に位置するボンディング中継用ランド4Hを用いるので、すべてのパッド2においてボンディングポイントの選択がフレキシブルなものとなり、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0120】
(実施の形態16)
図20は本発明の実施の形態16におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。
【0121】
図20において、図19におけるのと同じ符号は同一構成要素を指している。
【0122】
パッケージ基板配線3群と半導体チップ1との間に単一で横方向に長尺なボンディング中継用ランド4Iがチップ辺方向に沿って配置されている。この長尺なボンディング中継用ランド4Iは、中継用のボンディングポイントBPが決定された後に分割されるようになっている。
【0123】
半導体チップ1のパッド2とパッケージ基板配線3とを電気的に接続するに際しては、パッド2と長尺なボンディング中継用ランド4Iとの間にボンディングワイヤ5aを渡し、さらに長尺なボンディング中継用ランド4Iとパッケージ基板配線3のボンディングフィンガー4との間にボンディングワイヤ5bを渡す。パッド2と長尺なボンディング中継用ランド4Iとの間にボンディングワイヤ5aを渡すときに、ボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となる位置をボンディング中継用ランド4I上で選択した上で、ボンディングワイヤ5aを渡す。そして、ボンディングワイヤ5bを渡した後に、長尺なボンディング中継用ランド4Iにおける複数のボンディングポイントBPを互いに分離するように長尺なボンディング中継用ランド4Iを分割する。この分割に際しては、レーザー切断やエッチング等がある。分割の方向については、直角でも斜めでも曲線でもかまわない。
【0124】
なお、長尺なボンディング中継用ランド4Iを複数配置してもよい。また、その形状は必ずしも長方形でなくてもよい。
【0125】
本実施の形態によれば、チップ辺方向での半導体チップ1の位置ずれに対して、長尺なボンディング中継用ランド4Iを用い、ワイヤボンディング後に分割するので、すべてのパッド2においてボンディングポイントの選択がフレキシブルなものとなり、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。とりわけ、ボンディングポイントBPの決定においては長尺なボンディング中継用ランド4Iの連続範囲内の任意の箇所を選択できるので、ボンディングポイントBPの狭ピッチ対応が可能となる。
【0126】
(実施の形態17)
図21は本発明の実施の形態17におけるリードフレームパターンを模式的に示す平面図である。
【0127】
半導体チップ1の外方にリードフレームからのインナーリード6がチップ辺方向に沿って複数並列されている。インナーリード6群のうちチップ辺方向の端部に位置するインナーリード6eの形態が他のインナーリード6と異なっている。
【0128】
図21(a)の場合、端部のインナーリード6eはその先端が二股状に分岐されている。そして、チップ辺方向の端部に位置するパッド2eと端部のインナーリード6eの2つの分岐部のいずれか一方との間でボンディングワイヤ5を渡すときに、ボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となる方の分岐部を選択し、選択した方の分岐部との間でボンディングワイヤ5を渡す。
【0129】
図21(b)の場合、端部のインナーリード6eはその幅が幅広にされている。図21(c)の場合、端部のインナーリード6eはその先端のみが外側に幅広にされたL字形となっている。図21(d)の場合、端部のインナーリード6eはその先端のみが逆に内側に幅広にされたL字形となっている。そして、いずれにしろ、チップ辺方向の端部に位置するパッド2eと端部のインナーリード6eとの間でボンディングワイヤ5を渡すときに、ボンディングワイヤ間のショート不良を避ける上で最適となるインナーリード6上の位置を選択し、選択した位置に対してボンディングワイヤ5を渡す。
【0130】
なお、変形させるインナーリード6については、チップ辺方向の端部のものだけでなく任意の箇所のインナーリード6において適用してもよい。
【0131】
本実施の形態によれば、リードフレームに対する半導体チップ1の位置ずれに対して、変形されたインナーリード6においてボンディングポイントBPを選択するので、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0132】
(実施の形態18)
図22(a)は本発明の実施の形態18における基板パッケージの場合のパターンを模式的に示す平面図、図22(b)はリードフレームパッケージの場合のパターンを模式的に示す平面図である。本実施の形態は、半導体チップ1の位置ずれの結果、ボンディングワイヤ間のショート不良を起こすおそれがある場合において、ボンディングポイントの最適化を図るために、チップ辺方向の端部箇所ではボンディングフィンガー4やインナーリード6を変形するものである。
【0133】
すなわち、チップ辺方向の端部箇所のボンディングフィンガー4eは幅広に形成されている。また、チップ辺方向の端部箇所のインナーリード6eは幅広に形成されている。破線で示すボンディングワイヤ5Aは最適化前のワイヤ位置を表し、実線で示すボンディングワイヤ5Bが最適化後のワイヤ位置を表している。
【0134】
なお、変形だけでなく、先端の分岐の場合にも当てはまる。また、リング電源配線7に対しても、ボンディングワイヤ5Aからボンディングワイヤ5Bへの位置替えを行う場合もある。
【0135】
本実施の形態によれば、チップ辺方向の端部箇所において、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0136】
(実施の形態19)
図23(a)は本発明の実施の形態19における基板パッケージの場合のパターンを模式的に示す平面図、図23(b)はリードフレームパッケージの場合のパターンを模式的に示す平面図である。本実施の形態は、近接する2つのボンディングワイヤ5,5Aが平面視でクロスする結果、ボンディングワイヤ間のショート不良を起こすおそれがある場合において、ボンディングポイントの最適化を図るために、ボンディングフィンガー4やインナーリード6の変形や分岐を行うものである。
【0137】
ボンディングワイヤ5と最適化前のボンディングワイヤ5Aとは平面視でクロスしている。ボンディングワイヤ5,5Aはパッド2の位置から上昇し、頂点に達してからさらに降下し、ボンディングポイントBP1,BP2に達している。図では平面視で両ボンディングワイヤ5,5Aは交差接触しているように見えるが、実際は、両ボンディングワイヤ5,5Aとも湾曲していて、立体交差であり、接触はしていない。
【0138】
ボンディングワイヤ5が着地するボンディングポイントBP1とボンディングワイヤ5Aが着地するボンディングポイントBP2は接近しすぎていることから、ボンディングワイヤ間のショート不良を引き起こすおそれがある。そこで、ボンディングフィンガー4が拡幅されている。また、インナーリード6の先端が分岐されている。ボンディングワイヤ5Aをボンディングワイヤ5Bに切り替える。ボンディングワイヤ5Bの出発点はボンディングワイヤ5Aの出発点と同じパッド2であるが、着地先のボンディングポイントBP3はボンディングポイントBP2よりもボンディングポイントBP1から離れたものになる。その結果、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0139】
(実施の形態20)
図24は本発明の実施の形態20における基板パッケージの場合のパターンを模式的に示す平面図である。本実施の形態は、半導体チップ1におけるパッド2が千鳥状の2列になっており、これに合わせて、パッケージ基板配線3は別電位2列の配列となっている場合において、接近する2つのボンディングワイヤ5,5Aのワイヤ長が異なる結果、ボンディングワイヤ間のショート不良を起こすおそれがある場合において、ボンディングポイントの最適化を図るために、ボンディングフィンガー4やインナーリード6の分岐や変形を行うものである。
【0140】
ボンディングワイヤ5は2列のパッド2のうち外側(上側)のものと2列のボンディングフィンガー4のうち内側のものとの間に渡されている。このボンディングワイヤ5は相対的に短いものとなっている。最適化前のボンディングワイヤ5Aは2列のパッド2のうち内側(下側)のものと2列のボンディングフィンガー4のうち外側のものとの間に渡されている。このボンディングワイヤ5Aは相対的に長いものとなっている。ボンディングワイヤ5,5Aはパッド2の位置から上昇し、頂点に達してからさらに降下し、ボンディングフィンガー4a,4bに達している。図では平面視で両ボンディングワイヤ5,5Aは交差接触しているように見えるが、実際は、両ボンディングワイヤ5,5Aとも湾曲していて、立体交差であり、接触はしていない。
【0141】
ボンディングワイヤ5が着地するボンディングフィンガー4aとボンディングワイヤ5Aが着地するボンディングフィンガー4bは接近しすぎていることから、ボンディングワイヤ間のショート不良を引き起こすおそれがある。そこで、ボンディングフィンガー4bからボンディングフィンガー4cが分岐されている。ボンディングワイヤ5Aをボンディングワイヤ5Bに切り替える。ボンディングワイヤ5Bの出発点はボンディングワイヤ5Aの出発点と同じパッド2であるが、着地先のボンディングフィンガー4cはボンディングフィンガー4bよりもボンディングフィンガー4aから離れたものになる。その結果、ボンディングワイヤ間のショート不良を避けることができる。
【0142】
なお、分岐だけでなく、変形の場合にも当てはまる。
【0143】
(実施の形態21)
図25(a)は本発明の実施の形態21におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図である。図25(b)は実施の形態21における基板パッケージの断面図である。図において、8は封止樹脂、9はパッケージ端子、10はパッケージ基板である。上述した実施の形態10〜20においては、半導体チップ1が複数枚積層されるようなシステムインパッケージ(SiP)構造であっても実施可能である。これは、リードフレームパッケージにおいても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0144】
以上、説明してきたように、本発明のボンディングポイント最適化方法を用いること、およびそれらの実現を可能とするボンディングフィンガーパターンやインナーリードパターンといった半導体装置設計を行うことにより、パッケージに対する半導体チップ実装位置ずれが生じた場合でもワイヤ間ショートを回避することが可能となる。このため、不良防止による歩留り向上や、信頼性の向上に大きな効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施の形態1におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図2】本発明の実施の形態2におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態3におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態4におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態5におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態6におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態6におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図
【図8】本発明の実施の形態7におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態7におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図
【図10】本発明の実施の形態8におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態8におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図
【図12】本発明の実施の形態9におけるワイヤボンディング最適化方法の処理の手順を示すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態9におけるワイヤボンディング最適化方法の処理を模式的に示す平面図
【図14】本発明の実施の形態10におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図15】本発明の実施の形態11におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図16】本発明の実施の形態12におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図17】本発明の実施の形態13におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図18】本発明の実施の形態14におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図19】本発明の実施の形態15におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図20】本発明の実施の形態16におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図21】本発明の実施の形態17におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図
【図22】本発明の実施の形態18における基板パッケージとリードフレームパッケージのパターンを模式的に示す平面図
【図23】本発明の実施の形態19における基板パッケージとリードフレームパッケージのパターンを模式的に示す平面図
【図24】本発明の実施の形態20における基板パッケージパターンを模式的に示す平面図
【図25】は本発明の実施の形態21におけるパッケージ基板パターンを模式的に示す平面図と基板パッケージの断面図
【図26】従来の半導体チップ位置ずれを考慮しない理想的半導体パッケージ設計例を示す図
【符号の説明】
【0146】
1 半導体チップ
2 半導体チップのパッド
2A 半導体チップのパッド列
3 パッケージ基板配線
4 ボンディングフィンガー
4A〜4G ボンディングフィンガー
4H〜4I ボンディング中継用ランド
5 ボンディングワイヤ
5A 最適化前のボンディングワイヤ
5B 最適化後のボンディングワイヤ
6 インナーリード
7 リング電源配線
8 パッケージ封止樹脂
9 パッケージ端子
10 パッケージ基板
X ボンディングポイント検証方向
X′ 半導体チップのずれ方向
ΔX ボンディングポイントの単位ずらし量
θ ワイヤ入射角
BP ボンディングポイント
S1 ワイヤリング装置に各種情報を入力する工程
S2 パッケージに対する半導体チップ位置ずれ量を検出する工程
S3 最適なボンディングポイントを検出する工程
S4 最適ボンディングポイントのインスタンス情報をワイヤボンディング装置に伝達する工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板上に搭載された半導体チップのパッドと前記パッケージ基板のボンディングポイントとを接続するワイヤボンディングにおいて、
前記半導体チップ辺上のいずれかのパッドに対して前記ボンディングポイントが複数個設定されるように、複数個のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および前記半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する第1の工程と、
前記半導体チップの前記パッケージ基板に対する位置ずれ量を検出する第2の工程と、
検出した前記位置ずれ量に基づいて、複数個設定した前記ボンディングポイントの中から最適なボンディングポイントを検出する第3の工程と、
前記最適ボンディングポイントのインスタンス情報を前記ワイヤボンディング装置に伝達する第4の工程とを有するワイヤボンディング最適化方法。
【請求項2】
ダイパッド上に搭載された半導体チップのパッドとインナーリードのボンディングポイントとを接続するワイヤボンディングにおいて、
前記半導体チップのいずれかのパッドに対して前記ボンディングポイントが複数個設定されるように、複数個のボンディングポイントのインスタンス名、座標、接続情報および前記半導体チップのパッド座標をワイヤボンディング装置に入力する第1の工程と、
前記半導体チップの前記ダイパッドに対する位置ずれ量を検出する第2の工程と、
検出した前記位置ずれ量に基づいて、複数個設定した前記ボンディングポイントの中から最適なボンディングポイントを検出する第3の工程と、
前記最適ボンディングポイントのインスタンス情報を前記ワイヤボンディング装置に伝達する第4の工程とを有するワイヤボンディング最適化方法。
【請求項3】
前記第1の工程は、さらに優先順位番号の入力を行い、
前記第3の工程は、複数個設定した前記ボンディングポイントに対して前記優先順位番号順にワイヤリングのシミュレーションを行い、前記シミュレーションによるデザインルールチェック結果から、前記チェック結果が不可であれば、前記チェック結果が可となるまで次の優先順位のボンディングポイントでのシミュレーションを実施し、前記チェック結果が可となるボンディングポイントを最適ボンディングポイントと決定する請求項1または請求項2に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項4】
前記第3の工程は、前記半導体チップが前記パッケージ基板に対してX方向とY方向ともに、またはどちらか一方向にだけずれた場合、前記ボンディングポイントの前記座標に対して前記ずれ量を付加する請求項1または請求項2に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項5】
前記第3の工程は、前記半導体チップが前記パッケージ基板に対してX方向とY方向ともに、またはどちらか一方向にだけずれた場合、前記ボンディングポイントの前記座標に対して前記ずれ量を差し引く請求項1または請求項2に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項6】
前記第1の工程は、さらにずれ許容値の入力を行い、
前記第3の工程は、前記半導体チップのチップ辺方向に沿ったずれ量が前記ずれ許容値を超える場合、チップずれ方向の下手側の端部に位置するボンディングポイントを、前記半導体チップ辺に沿うパッド列の前記ずれ方向の下手側端部のパッドに対応するボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドのボンディングポイントを、前記検証の起点の隣接ボンディングポイントに仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに1つ隣のボンディングポイントに移行し、前記チェック結果が可となるまでボンディングポイント検証を1つずつ隣のボンディングポイントに移行していくことで、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していく請求項1に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項7】
前記第1の工程は、さらにずれ許容値とボンディングポイント検証の単位ずらし量の入力を行い、
前記第3の工程は、前記半導体チップのチップ辺方向に沿ったずれ量が前記ずれ許容値を超える場合、チップずれ方向の下手側の端部に位置するボンディングポイントを、前記半導体チップ辺に沿うパッド列の前記ずれ方向の下手側端部のパッドに対応するボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドのボンディングポイントを、前記検証の起点から前記単位ずらし量だけずらした箇所と仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに前記単位ずらし量だけずらした箇所に移行し、前記チェック結果が可となるまでボンディングポイント検証を前記単位ずらし量だけずらした箇所に移行していくことで、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していく請求項1に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項8】
前記第1の工程は、さらに入射角許容値の入力を行い、
前記第3の工程は、前記半導体チップの実装後の前記半導体チップ辺上の両端パッドのワイヤ入射角を演算し、小さい側の前記入射角について前記入射角許容値と比較し、前記入射角が前記入射角許容値よりも小さい場合は前記入射角許容値以上となるまでボンディングポイント検証をボンディングポイント列の他端方向へ向けて1つずつ隣のボンディングポイントに移行し、前記入射角許容値以上となったボンディングポイントを前記端部のパッドに対応するボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドに対応するボンディングポイントを、前記検証の起点の隣接ボンディングポイントに仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに1つ隣のボンディングポイントに移行し、前記チェック結果が可となるまでボンディングポイント検証を1つずつ隣のボンディングポイントに移行していくことで、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していく請求項1に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項9】
前記第1の工程は、さらに入射角許容値とボンディングポイント検証の単位ずらし量の入力を行い、
前記第3の工程は、前記半導体チップの実装後の前記半導体チップ辺の両端パッドのワイヤ入射角を演算し、小さい側の前記入射角について前記入射角許容値と比較し、前記入射角が前記入射角許容値よりも小さい場合は前記入射角許容値以上となるまでボンディングポイント検証をボンディングポイント列の他端方向へ向けて前記ボンディングポイント検証の単位ずらし量だけずらした箇所にボンディングポイントを移行し、前記入射角許容値以上となったボンディングポイントを前記端部のパッドのボンディングポイントと決定した上でボンディングポイント検証の起点とし、前記端部のパッドの隣接パッドのボンディングポイントを、前記検証の起点から前記単位ずらし量だけずらした箇所と仮決定し、前記チェック結果が可であれば本決定とし、前記チェック結果が不可であればさらに前記ボンディングポイント検証の単位ずらし量だけずらした箇所にボンディングポイントを移行し、前記チェック結果が可となるまで前記ボンディングポイント検証の単位ずらし量だけずらした箇所に検証ボンディングポイントを移行し、全ワイヤの最適ボンディングポイントを決定していく請求項1に記載のワイヤボンディング最適化方法。
【請求項10】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、一部のボンディングフィンガーにおいて、その先端が複数に分岐されている半導体装置。
【請求項11】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、一部のボンディングフィンガーにおいて、その先端がチップ辺方向に沿って拡幅されている半導体装置。
【請求項12】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、一部のボンディングフィンガーについて、チップ辺方向に対する垂直方向で複数のボンディングフィンガーが隔設されている半導体装置。
【請求項13】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、一部のボンディングフィンガーにおいて、その先端がチップ辺方向に対する垂直方向に沿って拡幅されている半導体装置。
【請求項14】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、前記パッケージ基板上方から見て列をなす一連の複数の前記ボンディングフィンガーがクロス配列となるように配置されている半導体装置。
【請求項15】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、前記パッケージ基板上において前記パッドの数に対して少なくとも1つ以上多く設けられたボンディング中継用ランドを介して前記ボンディングワイヤが掛け渡されている半導体装置。
【請求項16】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、前記パッケージ基板上に設けられた長尺なボンディング中継用ランドを介して前記ボンディングワイヤが掛け渡され、掛け渡された後にボンディングポイントを分離する状態に分割されている半導体装置。
【請求項17】
半導体チップにおける複数のパッドとリードフレームパッケージにおける複数のインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、少なくとも最端部に位置する前記インナーリードが分岐または変形されている半導体装置。
【請求項18】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーまたはインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、チップ辺方向の端部箇所に位置する前記ボンディングフィンガーまたは前記インナーリードが複数に分岐または変形されている半導体装置。
【請求項19】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーまたはインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、互いに近接し平面視でワイヤ同士にクロスポイントが存在する状態の前記ボンディングワイヤに対応する前記ボンディングフィンガーまたは前記インナーリードが複数に分岐または変形されている半導体装置。
【請求項20】
半導体チップにおける複数のパッドとパッケージ基板における複数のボンディングフィンガーまたはインナーリードとがボンディングワイヤを介してボンディングされた半導体装置であって、互いに近接しワイヤ長の違うもの同士の前記ボンディングワイヤに対応する前記ボンディングフィンガーまたは前記インナーリードが複数に分岐または変形されている半導体装置。
【請求項21】
前記半導体チップが複数積層されて搭載されたシステムインパッケージ構造を有している請求項10から請求項20までのいずれかに記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−258334(P2007−258334A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78582(P2006−78582)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】