説明

半導体装置のスクリーニング装置、半導体装置のスクリーニング方法及びプログラム

【課題】測定値のヒストグラムにおいて、複数の主分布を含む場合であっても、主分布から外れた特異値を示す半導体装置を特定できる半導体装置のスクリーニング装置が、望まれる。
【解決手段】半導体装置のスクリーニング装置は、半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割部と、複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出部と、第1の評価値に基づいて、複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換部と、データ変換部が変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出部と、第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のスクリーニング装置、半導体装置のスクリーニング方法及びプログラムに関する。特に、半導体装置の特性に関する測定結果に基づく、半導体装置のスクリーニング装置、半導体装置のスクリーニング方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、製造した半導体装置に対して各種の試験を実施する。試験を実施することにより、半導体装置の品質を確保する。
【0003】
ここで、特許文献1において、半導体装置の試験時の電圧値や電流値等の物理量を測定し、測定した物理量の分布を解析するスクリーニング装置が開示されている。特許文献1で開示されたスクリーニング装置は、測定対象である半導体装置について、そのウェハ上の位置と共に物理量をデータファイルとして記憶する。試験が終了した後、データファイルに記憶された物理量の分布を解析し、検査した結果、事前に定めた判定基準から外れている物理量を示す半導体装置を特定する。特定された半導体装置は、潜在的な不良要因を持つ半導体装置として、スクリーニングされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−002900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、上記先行技術文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0006】
図2は、ウェハ上に生成された半導体装置の一例を示す平面図である。ここで、図2に示す半導体装置の特性を測定する際に、同時に複数の半導体装置を測定することが行われる場合がある。同時に複数の半導体装置を測定することで、試験時間の短縮を図るためである。図2では、斜線で示す4つの半導体装置D01〜D04の特性が同時に測定されるものとする。このような特性の測定方法を多数個測定と呼び、以下の説明を行う。
【0007】
図3は、多数個測定時のテスタと半導体装置の接続構成の一例を示す図である。図3では、半導体装置D01〜D04の特性を、各測定ユニットTU01〜TU04が測定する。その際、各測定ユニットTU01〜TU04が持つ微少な特性差や、各測定ユニットと各半導体装置とを結ぶ回路の特性の差が、測定結果に影響を与える場合がある。そのため仮に、同じ半導体装置の特性を、各測定ユニットTU01〜TU04で測定したとしても、その測定結果は完全に同一にはならない。その結果、各測定ユニットTU01〜TU04から取得した測定値のヒストグラムは、測定ユニット毎に分離した分布を持つことになる。
【0008】
図4は、測定値のヒストグラムの一例を示す図である。図4に示すように、異なる測定ユニットを用いて複数の半導体装置の特性を同時に測定するならば、そのヒストグラムにおける分布は前述の特性の差に起因して測定ユニット毎に分かれた分布となる場合が多い。
【0009】
ここで、特許文献1が開示するスクリーニング装置は、ウェハ上の半導体装置の物理量(測定結果)に基づいて、潜在的な不良要因を持つ半導体装置を排除している。その際、半導体装置の物理量を測定した結果は、1つの主分布を持つことを前提としている。
【0010】
図5は、測定値のヒストグラムの一例を示す図である。図5に示すように、予め定められた規格値よりも大きな(小さな)値を示す半導体装置は不良判定される。規格値よりも小さな(大きな)値を示す半導体装置は良品と判定されるが、測定値の主分布に含まれない分布は外れ分布とされ、潜在的な不良を内在するものとしてスクリーニングされる。ここで、外れ分布は主分布の中心(平均値)からの隔たりの程度で判断される。しかし、上述のとおり、測定値のヒストグラムが図5に示すような1つの主分布を持つ形状とは限らない。
【0011】
図6は、測定値のヒストグラムの一例を示す図である。図6では、測定ユニットが2つの場合の測定値のヒストグラムを示している。分布1及び外れ分布1が1つの測定ユニットによる測定値のヒストグラムであり、分布2がもう1つの測定ユニットによる測定値のヒストグラムである。これらの分布は、図示していない予め定められた規格値の範囲内にあり、全ての半導体装置は良品判定されているものとする。この場合、分布1と分布2で1つの主分布を形成していると考えれば、分布1と分布2の間にある外れ分布1は正常な分布とみなされる。なぜなら外れ分布1は、分布1と分布2の間に埋没してしまうためである。従って、特許文献1で開示された判定方法では、このような外れ分布1を、正確に外れ分布と認識することができない。
【0012】
しかし、分布1に含まれる測定値を取得した測定ユニットと、分布2に含まれる測定値を取得した測定ユニットは、互いに異なるため、外れ分布1に対応した測定値を持つ半導体装置は不良品(潜在的な不良要因を持つ半導体装置)としてスクリーニング対象と判断されるべきものである。このように、2以上の主分布を持つヒストグラムにおいて、各主分布間に埋没した外れ分布に含まれる測定値を示す半導体装置を特定することは困難である。そのため、測定値のヒストグラムにおいて、複数の主分布を含む場合であっても、主分布から外れた特異値を示す半導体装置を特定できる半導体装置のスクリーニング装置が、望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の視点によれば、半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割部と、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出部と、前記第1の評価値に基づいて、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換部と、前記データ変換部が変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出部と、前記第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定部と、を備える半導体装置のスクリーニング装置が提供される。
【0014】
本発明の第2の視点によれば、半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割工程と、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出工程と、前記第1の評価値に基づいて、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換工程と、前記データ変換工程で変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出工程と、前記第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定工程と、を含む半導体装置のスクリーニング方法が提供される。
【0015】
本発明の第3の視点によれば、半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割処理と、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出処理と、前記第1の評価値に基づいて、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換処理と、前記データ変換処理で変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出処理と、前記第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定処理と、をコンピュータに実行させることで、前記コンピュータを半導体装置のスクリーニング装置として動作させるプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。記憶媒体は、非トランジェント(non−transient)なものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の各視点によれば、測定値のヒストグラムにおいて、複数の主分布を含む場合であっても、主分布から外れた特異値を示す半導体装置を特定できる半導体装置のスクリーニング装置、半導体装置のスクリーニング方法及びプログラムが、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】ウェハ上に生成された半導体装置の一例を示す平面図である。
【図3】多数個測定時のテスタと半導体装置の接続構成の一例を示す図である。
【図4】測定値のヒストグラムの一例を示す図である。
【図5】測定値のヒストグラムの一例を示す図である。
【図6】測定値のヒストグラムの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るスクリーニング装置1の構成の一例を示す図である。
【図8】図7に示す計算機30の内部構成の一例を示す図である。
【図9】スクリーニング装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】集合Aの分割の一例を示す図である。
【図11】データ変換前の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。
【図12】データ変換後の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るスクリーニング装置2に含まれる計算機30aの内部構成の一例を示す図である。
【図14】スクリーニング装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】データ変換前の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。
【図16】データ変換後の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。
【図17】測定値のヒストグラムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0019】
上述のように、2以上の主分布を持つヒストグラムにおいて、各主分布間に埋没した外れ分布に含まれる測定値を示す半導体装置を特定することは困難である。そのため、測定値のヒストグラムにおいて、複数の主分布を含む場合であっても、主分布から外れた特異値を示す半導体装置を特定できる半導体装置のスクリーニング装置が、望まれる。
【0020】
そこで、一例として図1に示す半導体装置のスクリーニング装置100を提供する。図1に示す半導体装置のスクリーニング装置100は、半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割部101と、複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出部102と、第1の評価値に基づいて、複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換部103と、データ変換部が変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出部104と、第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定部105と、を備えている。
【0021】
試験装置から得られた半導体装置の測定結果には、複数のウェハに含まれる半導体装置の測定結果及び複数の測定ユニットから測定された測定結果が含まれる。データ分割部101は、これらの測定結果から構成される測定値集合の分割を行う。具体的には、ウェハ毎、又は、測定ユニット毎に測定値集合を分割することが考えられる。さらに、測定値集合を分割して生成された測定値部分集合に含まれる測定値の評価値(第1の評価値)を算出する。データ変換部103では、この第1の評価値に基づいて、測定値部分集合に含まれる測定値を変換する。その際の変換は、第2の評価値算出部104が算出する評価値(第2の評価値)を用いた半導体装置の良否判定の評価基準が統一されるように行う。具体的には、第2の評価値として、測定値部分集合に含まれる測定値の平均値及び標準偏差を採用すれば、それぞれの測定値部分集合に含まれる平均値が一致するような変換を行う。その結果、測定値部分集合それぞれの分布が分離せず一致し、主分布から外れた特異値を示す半導体装置を特定できる半導体装置のスクリーニング装置が、提供できる。
【0022】
本発明において下記の形態が可能である。
【0023】
[形態1]上記第1の視点に係る半導体装置のスクリーニング装置のとおりである。
【0024】
[形態2]前記データ分割部は、測定対象の半導体装置が含まれるウェハごとに前記測定値集合を分割する第1のデータ分割部と、測定対象である半導体装置の測定を行った測定ユニットごとに、前記第1のデータ分割部が分割した後の部分集合を分割する第2のデータ分割部と、を含むことが好ましい。
【0025】
[形態3]前記第1の評価値算出部は、前記第1の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の平均値を算出することが好ましい。
【0026】
[形態4]前記データ変換部は、前記第1の評価値算出部が算出した平均値に対して加算する変換係数であって、前記第1の評価値算出部が算出した平均値それぞれを一致させる第1の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出し、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果に対して、前記第1の変換係数を加算する第1の変換を行うことが好ましい。
【0027】
[形態5]前記第1の評価値算出部は、前記第1の評価値として、さらに、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の標準偏差を算出し、前記データ変換部は、前記第1の評価値算出部が算出した標準偏差に対して乗じる変換係数であって、前記第1の評価値算出部が算出した標準偏差それぞれを一致させる第2の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出し、前記第1の変換後の測定結果に対し、前記第2の変換係数を乗じる第2の変換を行うことが好ましい。
【0028】
[形態6]前記第2の評価値算出部は、前記第2の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれ、前記データ変換部が変換した後の測定結果について、平均値及び標準偏差を算出することが好ましい。
【0029】
[形態7]前記判定部は、前記第2の評価値算出部が算出した平均値及び標準偏差と、予め定められた規格値情報に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定することが好ましい。
【0030】
[形態8]上記第2の視点に係る半導体装置のスクリーニング方法のとおりである。
【0031】
[形態9]前記第1の評価値算出工程は、前記第1の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の平均値を算出する工程を含み、前記データ変換工程は、前記第1の評価値算出工程で算出した平均値に対して加算する変換係数であって、前記第1の評価値算出工程で算出した平均値それぞれを一致させる第1の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する工程と、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果に対して、前記第1の変換係数を加算する第1の変換工程と、を含むことが好ましい。
【0032】
[形態10]前記第1の評価値算出工程は、前記第1の評価値として、さらに、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の標準偏差を算出する工程を含み、前記データ変換工程は、前記第1の評価値算出工程で算出した標準偏差に対して乗じる変換係数であって、前記第1の評価値算出工程で算出した標準偏差それぞれを一致させる第2の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する工程と、前記第1の変換工程後の測定結果に対し、前記第2の変換係数を乗じる第2の変換工程と、を含むことが好ましい。
【0033】
[形態11]上記第3の視点に係るプログラムのとおりである。
【0034】
[形態12]前記第1の評価値算出処理は、前記第1の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の平均値を算出する処理を実行し、前記データ変換処理は、前記第1の評価値算出処理で算出した平均値に対して加算する変換係数であって、前記第1の評価値算出処理で算出した平均値それぞれを一致させる第1の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する処理と、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果に対して、前記第1の変換係数を加算する第1の変換処理と、を実行することが好ましい。
【0035】
[形態13]前記第1の評価値算出処理は、前記第1の評価値として、さらに、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の標準偏差を算出する処理を実行し、前記データ変換処理は、前記第1の評価値算出処理で算出した標準偏差に対して乗じる変換係数であって、前記第1の評価値算出処理で算出した標準偏差それぞれを一致させる第2の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する処理と、前記第1の変換処理後の測定結果に対し、前記第2の変換係数を乗じる第2の変換処理と、を実行することが好ましい。
【0036】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0037】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0038】
図7は、第1の実施形態に係るスクリーニング装置1の構成の一例を示す図である。
【0039】
スクリーニング装置1は、テスタ10と、プローバ20と、計算機30と、記憶媒体40から構成されている。スクリーニング装置1は、ウェハ50に含まれる半導体装置の特性を測定し、測定結果に基づいて潜在的な不良要因を内在していると判定された半導体装置を特定する。特定された結果は、外部に出力される。
【0040】
テスタ10は、プローバ20を介してウェハ50に含まれる半導体装置と電気的に接続される。テスタ10は、計算機30からの指示に基づき動作する。さらに、テスタ10は、記憶媒体40と接続されている。また、テスタ10は、ウェハ50に含まれる半導体装置の位置情報(ウェハ50上での位置情報)及び半導体装置の特性に関する測定値をデータファイルとして記憶する。なお、テスタ10には、図3に示すように複数の測定ユニットが含まれている。
【0041】
プローバ20は、半導体装置のウェハ50上での位置情報をテスタ10に送信する。
【0042】
計算機30は、テスタ10、プローバ20及び記憶媒体40と接続されている。計算機30は、記憶媒体40に格納されたプログラムを読み出し、実行することで、テスタ10及びプローバ20の制御を行う。さらに、計算機30は、記憶媒体40に記憶されたデータファイルにアクセス可能であり、データファイルに記憶された半導体装置の特性に関する測定値を解析することができる。
【0043】
図8は、計算機30の内部構成の一例を示す図である。
【0044】
計算機30には、少なくても、第1のデータ分割部31と、第2のデータ分割部32と、第1の平均値&標準偏差算出部33と、データ変換部34と、第2の平均値&標準偏差算出部35と、判定部36と、が含まれている。
【0045】
第1のデータ分割部31は、指定された方法によってデータファイルから読み出す情報(半導体装置の測定値情報)を分割する。
【0046】
第2のデータ分割部32は、第1のデータ分割部31に接続されている。第2のデータ分割部32は、第1のデータ分割部31が分割した測定値情報を指定された方法で分割する。第1のデータ分割部31及び第2のデータ分割部32で実施する分割方法については後述する。
【0047】
第1の平均値&標準偏差算出部33は、第2のデータ分割部32に接続されている。第1の平均値&標準偏差算出部33は、第2のデータ分割部32の分割により生成された部分集合に含まれる測定値について、平均値及び標準偏差を算出する。なお、第1の平均値&標準偏差算出部33は、上述の第1の評価値算出部に相当する。
【0048】
データ変換部34は、第1の平均値&標準偏差算出部33に接続されている。データ変換部34は、第1の平均値&標準偏差算出部33が算出した平均値に基づいて、測定値のデータ変換を行う。データ変換の詳細は後述する。
【0049】
第2の平均値&標準偏差算出部35は、データ変換部34に接続されている。第2の平均値&標準偏差算出部35は、第2のデータ分割部32の分割により生成された部分集合毎に、データ変換後の測定値について、平均値及び標準偏差を算出する。なお、第2の平均値&標準偏差算出部35は、上述の第2の評価値算出部に相当する。
【0050】
判定部36は、第2の平均値&標準偏差算出部35に接続されている。判定部36は、予め定められた規格値と第2の平均値&標準偏差算出部35が算出する平均値及び標準偏差に基づいて、潜在的な不良要因を持つ半導体装置を特定し、その結果を出力する。
【0051】
次に、スクリーニング装置1の動作について説明する。
【0052】
図9は、スクリーニング装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS101では、計算機30が、テスタ10及びプローバ20を制御して、ウェハ50に含まれる半導体装置の特性を測定する。
【0054】
計算機30からの指示を受けたテスタ10は、予め指定された電力を、プローバ20を介してウェハ50に含まれる半導体装置に供給する。さらに、テスタ10は、予め指定された電気信号を半導体装置に印加すると共に、半導体装置の特性を示す電流値及び電圧値等を取得する。その際、ウェハ50には複数の半導体装置が含まれており、予め指定された数の半導体装置に対して同時に電気信号を印加し、それぞれの半導体装置の特性を同時に取得するものとする(多数個測定を実施する)。
【0055】
テスタ10は、半導体装置のウェハ50上における位置情報と、半導体装置の測定値(電流値及び電圧値等)と、それぞれの半導体装置を測定した測定ユニットに関する情報(測定ユニット情報)と、をデータファイルに記憶する。
【0056】
ステップS102では、計算機30が、記憶媒体40にアクセスし、データファイルを読み出す。計算機30が、データファイルに記憶された情報を読み出すタイミングは、ウェハ50に含まれる全ての半導体装置の測定が終了した後であっても、一部の半導体装置の測定が終了した後であっても良い。計算機30は、データファイルから、測定対象である半導体装置に関する位置情報、測定値情報及び測定ユニット情報を読み出す。
【0057】
ここで、計算機30が読み出した測定値情報から構成される集合を集合Aと定める。即ち、集合Aの各要素は、測定対象である半導体装置に関する測定値情報を含む。また、Aの各要素に対応する半導体装置は、予め定められた規格値によって良品と判定された半導体装置である。
【0058】
さらに、本ステップでは、第1のデータ分割部31が、集合Aを予め定める方法で分割する。より具体的には、同じウェハから取得された測定値は、同じ集合となるように集合Aを分割する。
【0059】
図10は、集合Aの分割の一例を示す図である。集合Aは、第1のデータ分割部31によって、A1、A2、・・・、An(nは1以上の整数、以下同じ)の各集合に分割される。その際、第1のデータ分割部31は、計算機30が読み出した測定対象の半導体装置に関する位置情報を使用する。第1のデータ分割部31は、同じウェハから取得された測定値は、同じ集合となるように集合Aを分割するので、部分集合A1〜Anには、同じウェハから取得された測定値のみが含まれている。
【0060】
ステップS103では、第2のデータ分割部32が、ウェハ毎に分割された部分集合A1〜Anを、さらに、測定ユニット毎に分割する。より具体的には、同じ測定ユニットから取得された測定値は、同じ集合となるように分割する。例えば部分集合A1は、A11、A12、・・・、A1m(mは2以上の整数、以下同じ)のように分割される。その際、第2のデータ分割部32は、計算機30が読み出した測定ユニット情報を使用する。第1のデータ分割部31及び第2のデータ分割部32によって、集合Aは、図10に示すように分割される。即ち、集合Aは、A11、A12、…、A1m、A21、…、A2m、…、Anmと分割される。
【0061】
ステップS104では、第1の平均値&標準偏差算出部33が、部分集合A11〜Anmに含まれる測定値の平均値及び標準偏差を算出する。なお、部分集合Aij(iは1以上n以下の整数、jは1以上m以下の整数、i及びj共に以下同じ)に含まれる測定値についての平均値をAVEij、標準偏差をSDijと表記する。
【0062】
本ステップでは、第1のデータ分割部31による分割、第2のデータ分割部32による分割によって得られた部分集合A11〜Anm毎に、平均値AVE11〜AVEnm及び標準偏差SD11〜SDnmが算出される。
【0063】
ステップS105では、データ変換部34が、部分集合A11〜Anmに含まれる各測定値に対し、一定値を加算するデータ変換を実施する。ここで、データ変換部34が加算する一定値を部分集合A11〜Anmに対応させ、D11〜Dnmと表記する。また、一定値D11〜Dnmを、下記の式(1)が成立するように定める。

AVE11+D11=AVE12+D12=・・・=AVE1m+D1m=AVE1
AVE21+D21=AVE22+D22=・・・=AVE2m+D2m=AVE2

AVEn1+Dn1=AVEn2+Dn2=・・・=AVEnm+Dnm=AVEn ・・・(1)
即ち、部分集合Aijに含まれる各要素の測定値に対しDijを加算するデータ変換を実施する。なお、AVE1〜AVEnは任意の有限値である。
【0064】
このようにして得られたデータ変換後の測定値について、平均値及び標準偏差を計算すると、集合Aiの部分集合Ai1〜Aimの平均値は、いずれもAVEiになる。より具体的には、例えば部分集合A1の部分集合A11〜A1mの平均値は、いずれもAVE1である。一方、標準偏差はデータ変換の前後で値が異なることはなく、SD11〜SD1mとなる。他の部分集合A2〜Anについても同様である。
【0065】
図11は、データ変換前の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。図11では、部分集合A11及びA12に含まれる測定値についてのヒストグラムを示す。部分集合A11に含まれる測定値の分布は分布3と外れ分布2であり、分布3が主分布とみなされる。部分集合A12に含まれる測定値の分布は分布4である。分布3と外れ分布2からなる分布の平均値はAVE11、分布4の平均値はAVE12である。
【0066】
図11には、分布3から外れた測定値を持つ外れ分布2が存在する。ここで、分布3、外れ分布2及び分布4を1つの分布とみなしてしまうと、図11の外れ分布2に対応する測定値を持つ半導体装置を不良品(潜在的な不良要因を持つ半導体装置)と判断することができない。なぜならば、分布の平均値からの隔たりの大きさの程度によって外れ分布を定義する観点においては、このような分布では外れ分布2を外れ分布であると定義することができないからである。
【0067】
図12は、データ変換後の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。図12では、図11の分布3と外れ分布2の各測定値にD11=AVE1−AVE11を加算し、分布4の各測定値にD12=AVE1−AVE12を加算している。その結果、分布3は分布5に、分布4は分布6に、外れ分布2は外れ分布3にそれぞれ変換される。変換後の分布5と外れ分布3及び分布6の平均値は、いずれもAVE1となり、各分布はほぼ重なり合うことが分かる。即ち、データ変換部34によるデータ変換操作は、各分布をX軸方向に平行移動し、各部分集合の平均値を一致させる変換といえる。図12から、分布5、外れ分布3及び分布6を1つの分布とみなしたとしても、分布の平均値からの隔たりの大きさの程度によって外れ分布を定義する観点においては外れ分布3は突出しており、外れ分布3に対応する測定値を持つ半導体装置をスクリーニング対象として特定することができる。
【0068】
ステップS106では、第2の平均値&標準偏差算出部35が、データ変換後の部分集合A1〜Anの平均値及び標準偏差を求める。
【0069】
ステップS107では、判定部36が、部分集合A1〜Anのそれぞれに含まれる測定値に対応した半導体装置について、平均値M及び標準偏差SDと予め定められた規格値情報を用いて、スクリーニングする(良否の判断をする)。例えば、規格値の下限値をα、上限値をβとする。この場合、ある半導体装置の測定値が、M+α×SDよりも小さければ潜在的な不良要因を持つ半導体装置であると、判断する。同様に、ある半導体装置の測定値が、M+β×SDよりも大きければ潜在的な不良要因を持つ半導体装置であると、判断する。
【0070】
以上のように、本実施形態に係るスクリーニング装置1は、複数のウェハ及び複数の測定ユニットから取得された測定値を、ウェハ毎及び測定ユニット毎の部分集合に分割する。分割された部分集合に対して、各部分集合に含まれる測定値の平均値が一致するようにデータ変換を行う。データ変換後の測定値に対して、再び、平均値及び標準偏差を算出することで、潜在的な不良要因を持つ半導体装置を特定する。
【0071】
即ち、複数の分布が存在する場合には、検出できない外れ分布を、分離した分布の平均値同士が一致するように一定値を測定値に加えるデータ変換操作を行うことで、外れ分布が容易に検出できるようなる。
【0072】
仮に、図11に示すように測定値の分布が分離していた場合、分布全体としての分布の広がりは大きなものとなってしまい、外れ分布2が分布の広がりの範囲内に埋没してしまうことで、外れ分布2に含まれる測定値を規格外と判定できなくなる可能性がある。一方、測定値に対するデータ変換操作を行い、分離した分布を互いに一致させることで全体の分布の広がりを小さなものとすることが可能である。これにより、外れ分布が分布の広がりの中に埋没することはなく、外れ分布の検出を容易なものとし、潜在的な不良要因を持つ半導体装置のスクリーニングが可能になる。
【0073】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0074】
図13は、本実施形態に係るスクリーニング装置2に含まれる計算機30aの内部構成の一例を示す図である。図13において図8と同一構成要素には、同一の符号を表し、その説明を省略する。なお、スクリーニング装置1及び2の全体構成には、相違する点は存在しないため、スクリーニング装置2についての図7に相当する説明は省略する。
【0075】
計算機30と計算機30aの相違点は、データ変換部34に代えてデータ変換部34aを備えている点である。
【0076】
図14は、スクリーニング装置2の動作の一例を示すフローチャートである。図14と図9のフローチャートにおける相違点は、ステップS105とステップS205の処理である。従って、ステップS205の処理に限り説明を行う。
【0077】
ステップS205では、データ変換部34aが、各部分集合の各測定値に一定値を乗じた後、一定値を加算する変換を行うことで、各部分集合の平均値、および標準偏差を一致させる。
【0078】
まず、標準偏差SD11〜SDnmに対して、以下の式(2)が成立するような一定値F11〜Fnmを定める。

F11×SD11=F12×SD12=・・・=F1m×SD1m=SD1
F21×SD21=F22×SD22=・・・=F2m×SD2m=SD2

Fn1×SDn1=Fn2×SDn2=・・・=Fnm×SDnm=SDn・・・(2)
なお、SD1〜SDnは任意の有限値である。
【0079】
続いて、平均値AVE11〜AVEnmに対して、以下の式(3)が成立するような一定値G11〜Gnmを定める。

F11×AVE11+G11=F12×AVE12+G12=・・・=F1m×AVE1m+G1m=AVE1
F21×AVE21+G21=F22×AVE22+G22=・・・=F2m×AVE2m+G2m=AVE2

Fn1×AVEn1+Gn1=Fn2×AVEn2+Gn2=・・・=Fnm×AVEnm+Gnm=AVEn・・・(3)
なお、AVE1〜AVEnは任意の有限値である。
【0080】
続いて、部分集合Aijの各要素に含まれる測定値pに対し、一定値Fijを乗じ、乗算後の測定値に対して、一定値Gijを加える変換を施す。すると、下記の式(4)が得られる。

p×Fij+Gij ・・・(4)
【0081】
このような変換後の測定値について、各部分集合A1〜Anの平均値及び標準偏差を算出すると、それぞれ、平均値はAVE1〜AVEn、標準偏差はSD1〜SDnとなり、各部分集合Aiの各部分集合Aijの平均値及び標準偏差はそれぞれ等しくなる。
【0082】
なお、第1及び第2の実施形態で説明した各処理は、コンピュータに半導体装置のスクリーニングプログラムを実行させることで実現されるようにしても良い。また、コンピュータとサーバを、ネットワークを介して接続し、サーバに接続された記憶媒体に半導体装置のスクリーニングプログラムを格納する。記憶媒体に格納された半導体装置のスクリーニングプログラムは、ネットワークを介してコンピュータによって実行され、半導体装置のスクリーニングを行っても良い。
【0083】
図15は、データ変換前の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。図15に示すヒストグラムでは、測定値の分布が分離しているだけではなく、各分布の広がりが異なっている。そのため、分布7の外れ分布4を検出することはより困難となる。
【0084】
図16は、データ変換後の測定値におけるヒストグラムの一例を示す図である。図16に示す測定値の分布は、分布9及び分布10の平均値が一致し、かつ、分布9及び分布10の標準偏差も一致する。即ち、分布9及び分布10とも同程度の分布の広がりを持つように、変換される。その結果、外れ分布5の検出が容易に行える。
【0085】
以上のように、本実施形態に係るスクリーニング装置2は、各部分集合の平均値を一致させるだけではなく、各分布の広がりも平準化するように各部分集合の測定値に対してデータ変換を施す。その結果、各部分集合の広がりが不均一な場合であっても、主分布から外れた外れ分布を容易に検出することができる。
【0086】
図17は、測定値のヒストグラムの一例を示す図である。図17に示すように、データ変換後の分布11及び分布12の平均値が一致していたとしても、その広がりが異なっている場合には、それぞれの分布からの外れ分布を定義するのは困難である。各測定値が外れ分布に含まれるか否かの判断は、各分布の広がりに依存するためである。従って、図17に示すように単純に各測定値に補正値を加算し、各分布の平均値を一致させる操作によって分布を重ねただけでは、各分布の広がりは補正できない。そのため、外れ分布を識別することができない恐れがある。
【0087】
そこで、各分布の広がりについても補正を行うことで、分布間の広がりを均一とする。その結果、図16に示すように、各分布の平均値が一致すると共に、分布の広がりを示す標準偏差の値も一致する。各部分集合の評価基準となる平均値と標準偏差が一致することで、潜在的な不良要因を持つ半導体装置のスクリーニングが可能になる。
【0088】
なお、引用した上記の特許文献の開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
1、2、100 スクリーニング装置
10 テスタ
20 プローバ
30、30a 計算機
31 第1のデータ分割部
32 第2のデータ分割部
33 第1の平均値&標準偏差算出部
34、34a、103 データ変換部
35 第2の平均値&標準偏差算出部
36、105 判定部
40 記憶媒体
50 ウェハ
101 データ分割部
102 第1の評価値算出部
104 第2の評価値算出部
D01〜D04 半導体装置
TU01〜TU04 測定ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割部と、
前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出部と、
前記第1の評価値に基づいて、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換部と、
前記データ変換部が変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出部と、
前記第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項2】
前記データ分割部は、
測定対象の半導体装置が含まれるウェハごとに前記測定値集合を分割する第1のデータ分割部と、
測定対象である半導体装置の測定を行った測定ユニットごとに、前記第1のデータ分割部が分割した後の部分集合を分割する第2のデータ分割部と、
を含む請求項1の半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項3】
前記第1の評価値算出部は、前記第1の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の平均値を算出する請求項1又は2の半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項4】
前記データ変換部は、
前記第1の評価値算出部が算出した平均値に対して加算する変換係数であって、前記第1の評価値算出部が算出した平均値それぞれを一致させる第1の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出し、
前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果に対して、前記第1の変換係数を加算する第1の変換を行う請求項3の半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項5】
前記第1の評価値算出部は、前記第1の評価値として、さらに、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の標準偏差を算出し、
前記データ変換部は、
前記第1の評価値算出部が算出した標準偏差に対して乗じる変換係数であって、前記第1の評価値算出部が算出した標準偏差それぞれを一致させる第2の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出し、
前記第1の変換後の測定結果に対し、前記第2の変換係数を乗じる第2の変換を行う請求項4の半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項6】
前記第2の評価値算出部は、前記第2の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれ、前記データ変換部が変換した後の測定結果について、平均値及び標準偏差を算出する請求項1乃至5のいずれか一に記載の半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記第2の評価値算出部が算出した平均値及び標準偏差と、予め定められた規格値情報に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する請求項6の半導体装置のスクリーニング装置。
【請求項8】
半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割工程と、
前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出工程と、
前記第1の評価値に基づいて、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換工程と、
前記データ変換工程で変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出工程と、
前記第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置のスクリーニング方法。
【請求項9】
前記第1の評価値算出工程は、前記第1の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の平均値を算出する工程を含み、
前記データ変換工程は、
前記第1の評価値算出工程で算出した平均値に対して加算する変換係数であって、前記第1の評価値算出工程で算出した平均値それぞれを一致させる第1の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する工程と、
前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果に対して、前記第1の変換係数を加算する第1の変換工程と、
を含む請求項8の半導体装置のスクリーニング方法。
【請求項10】
前記第1の評価値算出工程は、前記第1の評価値として、さらに、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の標準偏差を算出する工程を含み、
前記データ変換工程は、
前記第1の評価値算出工程で算出した標準偏差に対して乗じる変換係数であって、前記第1の評価値算出工程で算出した標準偏差それぞれを一致させる第2の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する工程と、
前記第1の変換工程後の測定結果に対し、前記第2の変換係数を乗じる第2の変換工程と、
を含む請求項9の半導体装置のスクリーニング方法。
【請求項11】
半導体装置の特性に関する測定結果から構成される測定値集合を、所定の規則に基づき分割することで、複数の測定値部分集合を生成するデータ分割処理と、
前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の評価基準となる第1の評価値を算出する第1の評価値算出処理と、
前記第1の評価値に基づいて、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果を変換するデータ変換処理と、
前記データ変換処理で変換した後の測定結果の評価基準となる第2の評価値を算出する第2の評価値算出処理と、
前記第2の評価値に基づいて、測定対象である半導体装置の良否を判定する判定処理と、
をコンピュータに実行させることで、前記コンピュータを半導体装置のスクリーニング装置として動作させるプログラム。
【請求項12】
前記第1の評価値算出処理は、前記第1の評価値として、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の平均値を算出する処理を実行し、
前記データ変換処理は、
前記第1の評価値算出処理で算出した平均値に対して加算する変換係数であって、前記第1の評価値算出処理で算出した平均値それぞれを一致させる第1の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する処理と、
前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果に対して、前記第1の変換係数を加算する第1の変換処理と、
を実行する請求項11のプログラム。
【請求項13】
前記第1の評価値算出処理は、前記第1の評価値として、さらに、前記複数の測定値部分集合それぞれに含まれる測定結果の標準偏差を算出する処理を実行し、
前記データ変換処理は、
前記第1の評価値算出処理で算出した標準偏差に対して乗じる変換係数であって、前記第1の評価値算出処理で算出した標準偏差それぞれを一致させる第2の変換係数を、前記複数の測定値部分集合それぞれについて算出する処理と、
前記第1の変換処理後の測定結果に対し、前記第2の変換係数を乗じる第2の変換処理と、
を実行する請求項12のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−89804(P2013−89804A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229728(P2011−229728)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】