説明

半導体装置の測定方法および検査装置

【課題】検査装置が設置されている室温や装置内部の雰囲気温度ならびに治具温度が変化しても、安定かつ正確に電気特性値を測定することを可能にする。
【解決手段】検査装置11に、半導体装置12を載置する測定部13と、コンピュータ装置14と、測定部13の近傍の雰囲気温度を検出する温度検出手段である温度センサ15とを設置し、コンピュータ装置14には、半導体装置12に電流を供給して駆動する駆動手段16と、駆動された半導体装置12の電気特性を測定する特性測定手段17と、温度センサ15により検出した温度に基づき、予め設定された演算方法で測定した電気特性値を補正演算する演算手段である補正手段18と、補正手段18により補正された電気特性値が判定基準に対して良品か不良品かを判定する判定手段19とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の特性を測定する測定方法、および半導体装置の特性を測定して半導体装置の良否判定を行う検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の電気特性の中で測定時の温度の影響を受け易いものがあり、その項目を測定するときには、半導体装置を恒温槽あるいは温度コントロールされた環境下で測定する必要があった。高温環境での電気特性検査は、通常、80℃あるいは100℃程度の温度で実施され、恒温槽内に測定装置を配置したり、あるいは所望の温度に上昇させることができるヒータープレートの上に半導体装置を載置して測定する方式が一般的に用いられている。
【0003】
しかしながら、高温環境での電気特性検査が必要なく、常温で電気特性検査を実施する場合には、これらの方式は用いられず、室温コントロールしているエアコンの温度制御で測定環境を保証している場合が多い。すなわち、半導体装置を測定検査する検査装置が常温の室内に置かれ、管理をエアコンで行っている。半導体装置の組立におけるクリーンルームでは一般に25℃±3℃で管理されている。
【0004】
また、半導体装置の検査装置には搬送システムを付属していることが多く、この搬送機構により半導体装置を検査装置の測定部へ自動搬送する。これにより作業者が、半導体装置が多数収納されているトレイを搬送システムの投入ポジションへ投入すれば、搬送機構が半導体装置を自動的に1個ずつ検査装置の測定部へ搬送し、測定後、良否判定を行い、良品は搬送システムの良品トレイへ、また不良品は不良トレイへ搬送して分類する機能を有している。
【0005】
従来の検査装置について図面を参照して説明する。
【0006】
図10は従来の半導体装置の検査装置の概略構成図である。
【0007】
検査装置31は、半導体装置32を載置する測定部33と、コンピュータ装置34とを有している。コンピュータ装置34は、半導体装置32に電流を供給して駆動する駆動手段35と、駆動された半導体装置32の電気特性を測定する測定手段36と、測定結果を判定基準に照合して判定する判定手段37とを有している。
【0008】
さらに検査装置31は、搬送システム38が設けられており、半導体装置32が複数個収納されている投入トレイ用カセット39と、投入トレイカセット39から半導体装置32を取り出して測定部33へ搬送し、かつ測定完了した半導体装置32を所定のトレイへ搬送する搬送機構40と、判定結果に基づいて半導体装置32が分類収納される良品トレイカセット41および不良品トレイカセット42とを有している。
【特許文献1】特開平4−250367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、図10に示す半導体装置の検査装置31において、温度が変化することで電気特性値が変化し易い半導体装置であった場合、検査装置31内、特に測定部33の温度が半導体装置自体の自己発熱や周囲環境の変動により温度が変化すると、測定した電気特性値が変化して、判定手段19で行った判定が正確でない可能性があり、その上、自動で半導体装置32を搬送する搬送システム38が必要であるため、検査システム全体のコストが高くなる。
【0010】
また、搬送システム38を廃止して手作業で測定部33へ半導体装置32を挿入したり、取り出す作業を行った場合には、作業者の体温が半導体装置32に伝導してしまい、電気特性値がますます正確に測定できない。
【0011】
図11は検査装置が設置されている室温と検査装置内部の雰囲気温度と半導体装置を載置した治具の温度を測定した結果を示す図であり、稼動開始から室温は上昇し始め、約1000秒後に、エアコンの温度管理の下において26±2℃程度の変動状態となる。検査装置内部の雰囲気温度は、ほぼこの室温と追随している。
【0012】
一方、治具温度は稼働開始から同様に上昇し始めるが、約1000秒後には27℃付近で若干雰囲気温度と連動しているものの一定状態となる。これは作業者の体温が治具に伝導し、雰囲気温度との中間で恒温状態になるためと考えられる。また、この治具に載置されている半導体装置が治具の温度に影響を受け易いのか、雰囲気温度に影響を受け易いのかは、半導体装置の熱容量と測定時間とにより異なり、半導体装置の熱容量が小さく測定時間が短いものは雰囲気温度に、また半導体装置の熱容量が大きく測定時間が長いものは治具温度に影響を受け易い。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決し、測定した電気特性値を温度変化に応じて補正して、正確な良品,不良品判定を行うことができる半導体装置の測定方法および検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明に係る半導体装置の測定方法は、半導体装置を検査装置内に入れて半導体装置の特性を測定する測定方法において、半導体装置の特性を測定した値を、前記検査装置の近傍部位の温度に基づいて補正演算することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る半導体装置の検査装置は、半導体装置の特性を測定する検査装置において、半導体装置の特性を測定する特性測定手段と、当該検査装置の近傍部位の温度を検出する温度検出手段と、前記特性測定手段によって測定された測定値を前記温度検出手段の温度検出結果により補正演算する演算手段と、該補正値とあらかじめ設定された判定基準とを比較して測定した半導体装置が良品か不良品かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
前記構成によって、半導体装置の特性測定値を、検査装置内外の装置近傍部位の温度に基づいて補正することができ、よって、補正値とあらかじめ設定された判定基準とを比較することにより、測定した半導体装置が良品か不良品かを正確に判定することが可能になる。例えば、測定した半導体装置の電気特性、あるいは半導体レーザ装置の波長特性が正確な値に補正される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る半導体装置の測定方法および検査装置によれば、半導体装置において温度に影響を受け易い電気特性項目であっても、検査装置内の発熱源や半導体装置自体から放出される熱や周辺の環境変化、ならびに作業者の体温による治具などの温度変化を検知して、測定した電気特性値に適切な補正をすることができるため、温度に影響を受けない安定した測定をすることができる。
【0018】
このように測定した電気特性値を温度変化に応じて補正することにより、半導体装置の正確な良品,不良品判定が行われる検査装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の半導体装置の検査装置およびその測定方法の実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本発明の第1の実施形態である半導体装置の検査装置の概略構成図である。
【0021】
図1において、検査装置11は、半導体装置12を載置する測定部13と、コンピュータ装置14と、測定部13の近傍の雰囲気温度を検出する温度検出手段である温度センサ15とを有している。
【0022】
コンピュータ装置14は、半導体装置12に電流を供給して駆動する駆動手段16と、駆動された半導体装置12の電気特性を測定する特性測定手段17と、温度センサ15により検出した温度に基づき、予め設定された演算方法で測定した電気特性値を補正演算する演算手段である補正手段18と、補正手段18により補正された電気特性値が判定基準に対して良品か不良品かを判定する判定手段19とを有している。
【0023】
補正手段18において補正演算を実行するに当たっては、予め温度変動に対して電気特性値が既知の基準半導体装置を元に算出する必要があるが、これは検査装置11を恒温槽に入れて基準半導体装置の電気特性を測定することで得ることができる。
【0024】
図2は検査装置11を恒温槽20に入れた状態を示した図であり、恒温槽20内の温度を変化させたときの電気特性値の変化を測定することにより基準半導体装置21の電気特性値を得る。このときの電気特性値は、恒温槽20内での温度で管理されており、基準半導体装置21に実装されている半導体素子も、この温度に平衡状態に管理されていると考えることができる。すなわち、半導体素子の温度変化に対する電気特性値の真値であると考えることができる。
【0025】
図3の(a)〜(b)は恒温槽20の温度変化に対する基準半導体装置21の真の電気特性測定値を示した一例である。
【0026】
次に、補正手段18で使用する補正式について前記基準半導体装置21を用いて算出する方法について図3を参照して説明する。図3に示す半導体装置の温度変動に対して真の電気特性値を測定済みの基準半導体装置21を用いて、図4に示すように、実際に検査装置11にて測定を行い、雰囲気温度(c)と仮の電気特性値(d)を求め、既知の値(b)と比較して差分Δx(e)を求める。
【0027】
図5は雰囲気温度(c)と差分Δx(e)の関係を示したグラフとその曲線の近似式の一例であり、近似式(1)は、
y=0.0964x3−7.4702x2+193.34x−1655.8‥‥(1)
と表される。
【0028】
すなわち、雰囲気温度をt、仮の電気特性値をk、補正後の電気特性値をhとすると、
h=k+0.0964t3−7.4702t2+193.34t−1655.8‥‥(2)
と表され、これが補正式(2)となる。
【0029】
判定手段19は、この補正後の電気特性値hと判定基準を比較して良品か不良品かを判定する。
【0030】
なお、第1の実施形態には、従来例のような搬送システムを図示していないが、検査装置11に設けてもよい。
【0031】
次に、第1の実施形態の半導体装置の検査装置を用いた測定方法について、図1を参照して説明する。図1に示すように、半導体装置12を検査装置11の測定部13にセットし、駆動手段16により半導体装置12を駆動する。その後、特性測定手段17で電気特性を測定し、これを仮の電気特性値k1とする。
【0032】
測定された仮の電気特性値は補正手段18によって補正演算される。すなわち、温度センサ15で検出した温度t1と特性測定手段17で測定した仮の電気特性値kを補正式(g)に代入し、補正後の電気特性値hが求められる。
【0033】
このように補正式(g)に検出した温度と仮の電気特性値を代入することにより、補正後の電気特性値を求めることができる。この補正後の電気特性値と判定基準を比較して、測定した半導体装置が良品か不良品かを判定する。
【0034】
特性測定部13に対しては繰り返して、半導体装置12が作業者もしくは従来例で説明した搬送システム38(図10参照)により半導体装置12が供給される。
【0035】
なお、測定する半導体装置の特性としては、その特性の中で温度依存性が大きい特性を対象として測定することが有効である。
【0036】
図6は本発明の第2の実施形態である半導体装置の検査装置の概略構成図である。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、温度検出箇所が雰囲気ではなく測定部13を構成する半導体装置に近くの構造物、例えば半導体装置12を固定し駆動することにより発熱した熱や半導体装置を駆動させることにより発生した熱を放熱するプレートなどであることである。
【0037】
すなわち、温度センサ22は半導体装置12を固定し放熱する放熱プレート23に埋め込まれ、この放熱プレート23の温度を検出する。
【0038】
第2の実施形態において、検出した温度に基づき補正する方法、その補正結果に基づいて判定する方法については第1の実施形態と同様にして行う。放熱プレート23の温度を検出する理由は、半導体装置12に実装されている半導体素子に最も近く、その温度に最も近似すると考えられるためである。
【0039】
図7は本発明の第3の実施形態である半導体装置の検査装置の概略構成図である。第3の実施形態において、検査装置11は半導体装置12を載置し固定する治具24と、該治具24をセットして半導体装置12の電気的特性を測定する検査装置本体25とが分離されている。
【0040】
また、検査装置25は、コンピュータ装置14と、測定部13内に測定対象物である半導体装置12を固定した治具24を載置する測定ステージ26と、治具24の温度を測定する温度センサ27とを有している。
【0041】
コンピュータ装置14は、第1,第2の実施形態と同様に、半導体装置12に電流を供給して駆動する駆動手段16と、駆動された半導体装置の電気特性を測定する特性測定手段17と、温度センサ27により検出した温度に基づき予め設定された演算方法で測定した電気特性値を補正する補正手段18とを有している。
【0042】
温度センサ27は、治具24の温度を接触式で測定する表面温度計、あるいは非接触で測定できる赤外放射温度計を用いる。本実施形態では赤外放射温度計を用いている。
【0043】
半導体装置12を固定する治具24は、検査装置25が1個に対して、通常、2個以上のものを用いる。
【0044】
次に、第3の実施形態の半導体装置の検査装置を用いた測定方法について図7〜図9を参照して説明する。
【0045】
まず、図7に示すように、半導体素子が実装された半導体装置12を、作業者が手作業により真空ピンセットなどを用いて治具24にセットする。
【0046】
次に、図8に示すように、治具24を検査装置25の測定ステージ26に載置して固定し、駆動装置16により半導体装置12を駆動する。その後、特性測定手段17で半導体装置12の電気特性を測定する。
【0047】
測定された電気特性値は補正手段によって第1の実施形態と同様に補正演算される。第1の実施形態と異なるところは、温度センサ27が雰囲気温度を測定するのではなく、治具24の温度を直接的に測定するところであり、その他の補正式を求める方法、および、その補正結果に基づいて判定する方法については第1の実施形態と同じである。
【0048】
電気特性の測定が完了したら、図9に示すように、作業者が手で治具24を検査装置25の測定ステージ26から取り出し、測定済みの半導体装置12を治具24から取り外し、良否判定表示器等(図示せず)に基づき分類した後、次に測定したい半導体装置12’を治具24に取り付ける。
【0049】
その後、治具24を、再び検査装置25の測定ステージ26に載置して固定し、電気特性を測定する。
【0050】
このように、半導体装置12を順次載置した治具24を、検査装置25の測定ステージ26に対して繰り返して取り付け取り外すことにより、電気特性検査を進めていく。
【0051】
本実施形態では、検査装置25が1個に対して治具が1個の場合を説明したが、検査装置が1個に対して治具が2個以上の構成でも適用できる。この場合には、一方の治具による電気特性測定中に、他方の治具の測定済み半導体装置を取り外し、未測定の半導体装置を取り付けるようにすることができる。
【0052】
すなわち、一方の治具で電気測定中に、他方の治具の半導体装置の交換作業ができるため、効率よく測定の前段取り作業を行うことができる。
【0053】
次に、第3の実施形態を半導体装置が半導体レーザ装置であった場合に限定して、より具体的に図7〜図9を参照して説明する。基本的構成は既に説明した構成と同様のものである。
【0054】
図7において、検査装置11は、半導体レーザ装置12を載置して固定する治具24と、該治具24をセットして半導体レーザ装置12の波長特性などの電気的特性を測定する検査装置25とが分離されている。
【0055】
検査装置25は、コンピュータ装置14と、測定部13内に測定対象物である半導体レーザ装置12を固定した治具24を載せる測定ステージ26と、治具24の温度を測定する温度センサ27とを有している。
【0056】
コンピュータ装置14は、第1,第2の実施形態と同様に、半導体レーザ装置12に電流を供給して駆動する駆動手段16と、駆動された半導体レーザ装置の電気特性を測定する測定手段17と、温度センサ27により検出した温度に基づき予め設定された演算方法で測定した電気特性の内で温度に影響を受け易い波長特性値を補正する補正手段18とを有している。
【0057】
温度センサ27は治具24の温度を接触式で測定する表面温度計、あるいは非接触で測定できる赤外放射温度計を用いる。本実施形態では赤外放射温度計を用いている。
【0058】
半導体レーザ装置12を固定する治具24は、検査装置25が1個に対して、通常、2個以上で用いる。
【0059】
次に、第3の実施形態の半導体レーザ装置の検査装置を用いた測定方法について図7〜図9を参照して説明する。
【0060】
まず、図7のように半導体レーザ素子が実装された半導体レーザ装置12を、作業者が手作業により真空ピンセットなどを用いて治具24にセットする。
【0061】
次に、図8に示すように、治具24を検査装置25の測定ステージ26に載置して固定し、駆動装置16により半導体レーザ装置12を駆動する。その後、特性測定手段17で半導体レーザ装置12の電気特性を測定する。
【0062】
測定された電気特性値の内の波長特性値は、補正手段18によって第1の実施形態と同様に補正演算される。第1の実施形態と異なるところは、温度センサ27が雰囲気温度を測定するのではなく、治具24の温度を直接的に測定するところであり、その他、補正式を求める方法、その補正結果に基づいて判定する方法については第1の実施形態と同じである。
【0063】
波長特性を含む電気特性の測定が完了した後、図9に示すように、作業者が手で治具24を検査装置25の測定ステージ26から取り出し、測定済みの半導体レーザ装置12を治具24から取り外し、良否判定表示器等(図示せず)に基づき分類した後、次に測定したい半導体レーザ装置12’を治具24に取り付ける。
【0064】
その後、治具24を再び検査装置本体25の測定ステージ26に載置して固定し、波長特性などの電気特性を測定する。
【0065】
このように、半導体装置12を順次載置した治具24を、検査装置25の測定ステージ26に対して繰り返して取り付け取り外すことにより、電気特性検査を進めていく。
【0066】
本実施形態では、検査装置25が1個に対して治具が1個の場合を説明したが、検査装置が1個に対して治具が2個以上の構成でも適用できる。この場合には、一方の治具による電気特性測定中に、他方の治具の測定済み半導体レーザ装置を取り外し、未測定の半導体レーザ装置を取り付けるようにすることができる。
【0067】
すなわち、一方の治具で電気測定中に、他方の治具の半導体レーザ装置の交換作業ができるため、効率よく測定の前段取り作業を行うことができる。
【0068】
このように、本実施形態では、検査装置の測定部の構造物などに温度センサを埋設し、リアルタイムに温度検出を行い、その温度によって予め設定された補正方法に基づき補正し、半導体装置の測定した電気特性値を正確な値に補正することができる。
【0069】
また、検査装置本体と半導体装置をセットする治具が分離してあることにより、治具を入れ替えることにより半導体装置を次々と検査を行い、また、治具が2個以上あるときは一方が測定中に他方の治具の半導体装置を入れ替えることができる。また、治具温度を非接触でリアルタイムで検出する放射温度センサを備え、その温度によって予め設定された補正方法に基づき補正し、測定した電気特性値を正確な値に補正することができる。
【0070】
さらに、半導体装置本体から治具を分離した検査システムにすることによって、半導体装置の搬送を手作業で行うことが可能になり、検査装置のコストを大幅に削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、半導体装置の電気特性、特に温度に影響を受け易い電気特性を測定するための測定方法および検査装置として有用であって、半導体装置の組立の最終工程で電気特性を測定して良否判定を行う検査装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態である半導体装置の検査装置の概略構成図
【図2】第1の実施形態の基準半導体装置を得るための検査装置の概略構成図
【図3】第1の実施形態の基準半導体装置の温度変化に伴う電気特性値の変化を示す図
【図4】第1の実施形態の基準半導体装置の温度変化に伴う電気特性値の変化を測定する検査装置の概略構成図
【図5】第1の実施形態の基準半導体装置の温度補正を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態である半導体装置の検査装置を示す概略構成図
【図7】本発明の第3の実施形態である半導体装置の検査装置を示す概略構成図
【図8】第3の実施形態の半導体装置の検査装置に治具をセットした状態を示す構成図
【図9】第3の実施形態の半導体装置の検査装置から治具を外した状態を示す構成図
【図10】従来例である半導体装置の検査装置の概略構成図
【図11】検査装置の治具温度と検査装置内の雰囲気温度および室温の経時変化を示す図
【符号の説明】
【0073】
11,25,31 検査装置
12,32 半導体装置
13,33 測定部
14,34 コンピュータ装置
15,22,27 温度センサ
16,35 駆動手段
17,36 特性測定手段
18 補正手段
19,37 判定手段
20 恒温槽
21 基準半導体装置
23 放熱プレート
24 治具
26 測定ステージ
38 搬送システム
39 投入トレイ
40 搬送機構
41 良品トレイ
42 不良品トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を検査装置内に入れて半導体装置の特性を測定する測定方法において、半導体装置の特性を測定した値を、前記検査装置の近傍部位の温度に基づいて補正演算することを特徴とする半導体装置の測定方法。
【請求項2】
前記補正演算を、測定時の前記検査装置内の雰囲気温度に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の導体装置の測定方法。
【請求項3】
前記補正演算を、半導体装置近傍の前記検査装置における構成部材の温度に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の測定方法。
【請求項4】
前記補正演算を、半導体装置をセットし固定する治具を入れ替えることにより半導体装置を順次測定する際、前記治具の温度に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の測定方法。
【請求項5】
非接触にて前記治具の温度を検出することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の測定方法。
【請求項6】
少なくとも2個の前記治具の温度を検出することを特徴とする請求項4または5記載の半導体装置の測定方法。
【請求項7】
測定する半導体装置の前記特性として、該半導体装置の特性の中で温度依存性が大きい特性を対象として測定することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の測定方法。
【請求項8】
前記半導体装置が半導体レーザ装置であって、該半導体レーザ装置の波長特性を測定することを特徴とする請求項7記載の半導体装置の測定方法。
【請求項9】
半導体装置の特性を測定する検査装置において、半導体装置の特性を測定する特性測定手段と、当該検査装置の近傍部位の温度を検出する温度検出手段と、前記特性測定手段によって測定された測定値を前記温度検出手段の温度検出結果により補正演算する演算手段と、該補正値とあらかじめ設定された判定基準とを比較して測定した半導体装置が良品か不良品かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする半導体装置の検査装置。
【請求項10】
前記温度検出手段により測定時の当該検査装置内の雰囲気温度を検出することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の検査装置。
【請求項11】
前記温度検出手段により半導体装置近傍の当該検査装置における構成部材の温度を検出することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の検査装置。
【請求項12】
半導体装置をセットして固定する治具を入れ替えることにより半導体装置を順次測定する構成であって、前記温度検出手段により前記治具の温度を検出することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の検査装置。
【請求項13】
前記温度検出手段により非接触にて前記治具の温度を検出することを特徴とする請求項12記載の半導体装置の検査装置。
【請求項14】
前記治具が少なくとも2個であることを特徴とする請求項12または13記載の半導体装置の検査装置。
【請求項15】
測定する半導体装置の前記特性として、該半導体装置の特性の中で温度依存性が大きい特性を対象として測定することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の検査装置。
【請求項16】
前記半導体装置が半導体レーザ装置であって、該半導体レーザ装置の波長特性を測定することを特徴とする請求項15記載の半導体装置の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−103469(P2008−103469A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283606(P2006−283606)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】