半導体装置の製造方法および半導体ウエーハ
【課題】pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制すること。
【解決手段】半導体基板10とpn接合を形成する第1拡散領域32を備える電子回路を形成する工程と、前記電子回路が形成される回路領域20の少なくとも一辺とスクライブライン26との間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域24を形成する工程と、前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲む第1金属層18aを形成する工程と、前記回路領域の前記少なくとも一辺の前記スクライブラインに対し反対側に前記スクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように第2金属層18bを形成する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【解決手段】半導体基板10とpn接合を形成する第1拡散領域32を備える電子回路を形成する工程と、前記電子回路が形成される回路領域20の少なくとも一辺とスクライブライン26との間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域24を形成する工程と、前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲む第1金属層18aを形成する工程と、前記回路領域の前記少なくとも一辺の前記スクライブラインに対し反対側に前記スクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように第2金属層18bを形成する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体ウエーハに関し、例えば、pn接合を備える半導体装置の製造方法および半導体ウエーハに関する。
【背景技術】
【0002】
受光素子等のpn接合ダイオードを備える半導体装置は、例えば半導体撮像装置等に用いられている。pn接合ダイオードにおいて、逆方向リーク電流が生じることがある。そこで、メイン回路とは別にダイオード等の特性を確認するためのモニタを設けることがある。モニタを測定することにより、メイン回路内のダイオードの特性を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−300905号公報
【特許文献2】特開2009−089078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
pn接合ダイオードの電流特性を測定するモニタは、接合面積が小さい場合、pn接合に形成された欠陥によるリーク電流を検出することができない。一方、pn接合ダイオードの接合面積を大きくすると、ウエーハ内に配置できる半導体チップが減ってしまいコストアップとなる。さらに、pn接合ダイオードの接合面積を大きくすると寄生抵抗が大きくなり、リーク電流測定の精度が低下するまたは接合容量を測定することが難しくなる。
【0005】
本半導体装置の製造方法および半導体ウエーハは、モニタ用pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路を形成する工程と、前記電子回路が形成される回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域を形成する工程と、前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲む第1金属層を形成する工程と、前記回路領域の前記少なくとも一辺の前記スクライブラインに対し反対側に前記スクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように第2金属層を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を用いる。
【0007】
例えば、半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路が形成された回路領域と、前記回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成するように形成された第2拡散領域と、前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲み形成された第1金属層と、前記回路領域の前記少なくとも一辺のスクライブラインに対し反対側にスクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように形成された第2金属層と、を具備することを特徴とする半導体ウエーハを用いる。
【発明の効果】
【0008】
本半導体装置の製造方法および半導体ウエーハによれば、pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1のウエーハの一部の平面図である。
【図2】図2(a)から図2(c)は、実施例1の製造方法を示す図1のA−A断面図である。
【図3】図3(a)は、図1の領域Bの拡大図、図3(b)は、実施例1の回路模式図である。
【図4】図4(a)は、比較例1の平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。
【図5】図5(a)は、図4(a)の領域Bの拡大図である。図5(b)は、比較例の回路模式図である
【図6】図6(a)は、実施例2のウエーハの平面図、図6(b)は、ショット領域の平面図、図6(c)は、回路模式図である。
【図7】図7(a)は、実施例3のウエーハの平面図、図7(b)は回路模式図である。
【図8】図8は、実施例4のウエーハの平面図である。
【図9】図9は、実施例4の第1金属層および第2金属層の平面図である。
【図10】図10(a)は、図9のA−A断面図、図10(b)は、図9のB−B断面図、図10(c)は回路模式図である。
【図11】図11(a)は、実施例5のウエーハの平面図である。図11(b)は、実施例5の回路模式図の例、図11(c)は、実施例5の回路模式図である。
【図12】図12は、実施例5の変形例1の平面図である。
【図13】図13は、実施例5の変形例2の平面図である。
【図14】図14は、実施例5の変形例3の平面図である。
【図15】図15は、実施例6に係る半導体装置の断面模式図である。
【図16】図16(a)および図16(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図17】図17(a)および図17(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図18】図18(a)および図18(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図19】図19(a)および図19(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図20】図20(a)および図20(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図21】図21は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図22】図22は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図23】図23は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1のウエーハの一部の平面図である。図1のように、電子回路が形成された回路領域20aおよび20bはスクライブライン26に囲まれている。回路領域20aおよび20bには、電子回路以外にも電子回路と電気的に接続するためのパッドが形成されている。電子回路は、pn接合ダイオードを含む回路である。pn接合ダイオードは、例えば受光素子であり、電子回路は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサのような半導体画像装置である。回路領域20aおよび20bとスクライブライン26との間には、回路領域20aおよび20bを囲むようにそれぞれ第1金属層18aおよび第2金属層18bが形成されている。スクライブライン26内に第1パッド28および第2パッド29が形成されている。第1パッド28は、第1金属層18aに電気的に接続されている。第2パッド29は、第2金属層18bに電気的に接続されている。スクライブライン26内には、電子回路が含むトランジスタ等の特性を測定するためのモニタ102が設けられている。スクライブライン26内に、モニタ102と電気的に接続するパッド101が設けられている。スクライブライン26において、ウエーハを例えばダイシング法を用い切断すると、スクライブライン26の中心付近が切りしろとなる。モニタ102は、ウエーハを切断した後に用いることはない。そこで、モニタ102をスクラインブライン26に設けることにより、回路領域20aおよび20bの面積を抑制することができる。
【0012】
図2(a)から図2(c)は、実施例1の製造方法を示す図1のA−A断面図である。図2(a)のように、例えばp型の半導体基板(または半導体基板内に形成された拡散領域)10内にイオン注入法によりn型の第1拡散領域32および第2拡散領域24を同時に形成する。半導体基板10がn型であり、第1拡散領域32および第2拡散領域24が同じp型でもよい。第1拡散領域32と半導体基板10との間にpn接合が形成される。第2拡散領域24と半導体基板10との間にpn接合が形成される。第2拡散領域24は、スクライブライン26aと回路領域20aとの間に形成するが、スクライブライン26aと回路領域20bとの間には形成しない。
【0013】
図2(b)のように、半導体基板10上に絶縁膜12を形成する。絶縁膜12は、例えば配線の層間絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜である。絶縁膜12は、1層から形成されていてもよいし、複数の層から形成されていてもよい。絶縁膜12内に第1金属層18aおよび第2金属層18bを形成する。第1金属層18aは、スクライブライン26aと回路領域20aとの間の半導体基板10上に形成する。第1金属層18aは第2拡散領域24と電気的に接触している。第2金属層18bは、半導体基板10に電気的に接触している。第2金属層18bが接触する半導体基板10内には、半導体基板10よりp型ドーパント濃度の高いp型拡散領域が形成されていてもよい。これにより、第2金属層18bと半導体基板10との接触抵抗を抑制できる。第1拡散領域32と半導体基板10とにより第1pn接合ダイオード33が形成される。第2拡散領域24と半導体基板10とにより第2pn接合ダイオード23が形成される。第1pn接合ダイオード33が電子回路が含むダイオードであり、第2pn接合ダイオード23がモニタ用ダイオードである。
【0014】
図2(c)のように、絶縁膜12上に保護膜として絶縁膜14を形成する。第1金属層18aおよび第2金属層18b上には金属層19が形成されていてもよい。
【0015】
図3(a)は、図1の領域Bの拡大図である。図3(a)のように、第1パッド28は、配線90を介し第1金属層18aと電気的に接続されている。第2パッド29は、配線92を介し第2金属層18bと電気的に接続されている。図3(b)は、実施例1の回路模式図である。第1金属層18aを破線、第2金属層18bを破線で示している。図3(b)のように、第1金属層18aは半導体基板10内のn型の第2拡散領域24に電気的に接続されている。一方第2金属層18bはp型の半導体基板10に電気的に接続されている。これにより、第2金属層18bから第1金属層18aに順方向にpn接合ダイオード23が形成される。
【0016】
図3(a)において、第1パッド28および第2パッド29の幅L1は、例えば82μm、第2拡散領域24の幅L2は、例えば10μmである。第2拡散領域24間の間隔L3は例えば126μm、回路領域20aおよび20b間の間隔L4は、例えば146μmである。回路領域20aおよび20bの大きさは、例えば25mm×25mmである。第1pn接合ダイオード33の第1拡散領域32の大きさは例えば50μm×50μmである。
【0017】
第1パッド28と第2パッド29とにプローブ針を接触させ、第1パッド28と第2パッド29との間の電気的特性を測定することにより、第2pn接合ダイオード23の電気的特性を測定することができる。例えば、第2pn接合ダイオード23に逆方向バイアスを印加し、リーク電流を測定することにより、接合面における欠陥の有無を評価することができる。さらに、第2pn接合ダイオード23の容量を測定することができる。
【0018】
次に、実施例1の効果を説明するため、比較例について説明する。図4(a)は、比較例1の平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図4(a)および図4(b)のように、比較例においては、第2金属層18bに接続された第2パッド29が設けられておらず、半導体基板10と電気的に接続するパッド27が形成されている。また、第2金属層18bの下の半導体基板10に第2拡散領域24が形成されている。
【0019】
図5(a)は、図4(a)の領域Bの拡大図である。図5(a)のように、スクライブライン26内に半導体基板10と電気的に接続するパッド27が形成されている。図5(b)は、比較例の回路模式図である。図4(b)のように第1金属層18aおよび第2金属層18bともに第2拡散領域24に接続されているため、パッド27から両側の金属層18aおよび18bに順方向にダイオード23が接続されている。
【0020】
比較例においては、半導体基板10に接続されているのはパッド27である。このため、パッド27から遠いpn接合界面までの寄生抵抗が高くなってしまう。このため、pn接合の逆方向リーク電流が精度よく測定できない。また、pn接合の接合容量の測定が正確に行なわれなくなる。
【0021】
一方、実施例1においては、図1のように、スクライブライン26aを挟んだ両側に第2拡散領域24に接続された第1金属層18aおよび半導体基板10に接続された18bが形成されている。このため、第1パッド28および第2パッド29からpn接合界面までの寄生抵抗を抑制できる。よって、pn接合の逆方向リーク電流が精度よく測定できる。また、接合容量等の容量測定が可能となる。
【0022】
実施例1によれば、図1および図2(a)のように。回路領域20aの少なくとも一辺とスクライブライン26aとの間に、半導体基板10内に第2拡散領域24を形成する。第2拡散領域24上に第2拡散領域24と電気的に接触し、回路領域20aを囲む第1金属層18aを形成する。回路領域20aの少なくとも一辺のスクライブライン26aに対し反対側にスクライブライン26aに沿って半導体基板10上に、第2拡散領域24でないp型の半導体基板10と電気的に接触するように第2金属層18bを形成する。第2金属層18bは、例えば、回路領域20bとスクライブライン26aとの間に形成される。これにより、モニタ用pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制することができる。よって、リーク電流測定の精度を向上させることができる。また、接合容量を精度よく測定することができる。
【0023】
製造工程簡略化の観点から第1金属層18aと第2金属層18bとは同時に形成することが好ましい。また、寄生抵抗の抑制のためには、スクライブライン26aに沿った領域において第1金属層18aは連続的に第2拡散領域24と接触していることが好ましい。また、スクライブライン26aに沿った領域において第2金属層18bは連続的に半導体基板10と接触していることが好ましい。さらに、製造工程簡略化の観点から、第2拡散領域24を形成する工程、第1金属層18aを形成する工程、および第2金属層18bを形成する工程は、電子回路を形成する工程に含まれることが好ましい。
【0024】
さらに、第2拡散領域24が、回路領域20とスクライブライン26との間に設けられているため、第2pn接合ダイオード23の接合面積を大きくできる。第2pn接合ダイオード23の接合面積を大きくすることで、微小のリーク電流を測定することができる。これにより、例えばpn接合に形成された欠陥有無を評価することができる。pn接合面に形成される欠陥は、面積に依存する。電子回路内には、多くの第1pn接合ダイオード33が形成されている。そこで、電子回路内の第1pn接合ダイオード33の接合における欠陥を評価するためには、接合面積の大きいモニタpn接合ダイオードを形成することが好ましい。第2pn接合ダイオード23の接合面積は、回路領域20内の第1pn接合ダイオード33の接合面積より大きいことが好ましい。
【0025】
さらに、第1金属層18aが回路領域20aとスクライブライン26aとの間に第2拡散領域24と重なるように設けられているため、第2拡散領域24を設けることによる面積の増加を抑制できる。よって、コストダウンが可能となる。第1金属層18aおよび第2金属層18bは、例えば回路領域20aおよび20bへの水分の浸入を抑制する耐湿リングとすることができる。耐湿リングは、絶縁膜12に侵入した水分が回路領域20に至ることを抑制している。例えば、スクライブライン26でウエーハを切断した場合、絶縁膜12の切断面から水分が絶縁膜12に侵入する。回路領域20に水分が至ると、電子回路が劣化してしまう。耐湿リングを回路領域20を囲むように設けることで、電子回路の劣化を抑制できる。第1金属層18aおよび第2金属層18bを耐湿リングとして用いる場合、上視した場合回路領域20を全て囲むことが好ましいが、少なくとも一部を囲めばよい。また、面積縮小の観点から、第2拡散領域24が形成される領域は、全て第1金属層18a形成される領域に含まれることが好ましいが、第2拡散領域24は第1金属層18aと少なくとも一部が重なっていればよい。
【0026】
さらに、第1金属層18aは第2拡散領域24上に接して設けられ、第2金属層18bは半導体基板10上に接して設けられ、第1金属層18aおよび第2金属層18bは半導体基板10から最上配線層まで形成されていることが好ましい。これにより、第1金属層18aおよび第2金属層18bが、絶縁膜12に侵入した水分が回路領域20に至ることをより抑制することができる。
【0027】
第1拡散領域32と第2拡散領域24とは、同じドーパント、同じイオン注入エネルギーおよび同じドーズ量を用い形成されることが好ましい。例えば、第1拡散領域32と第2拡散領域24の不純物分布は同じであることが好ましい。これにより、第2pn接合ダイオード23の電気的特性を測定することにより、回路領域20内の第1pn接合ダイオード33の電気的特性をより正確に評価することができる。さらに、第1拡散領域32とpn接合する半導体基板10と、第2拡散領域24とpn接合する半導体基板10との不純物分布も同じであることが好ましい。これにより、回路領域20内の第1pn接合ダイオード33の電気的特性をより適切に評価することができる。
【0028】
さらに、第2拡散領域24に電気的に接続された第1パッド28と半導体基板10に電気的に接続された第2パッド29とがスクライブライン26に形成されている。これにより、チップ領域25の面積を抑制することができる。
【実施例2】
【0029】
実施例2はショット領域内に複数の回路領域を形成する例である。図6(a)は、実施例2のウエーハの平面図、図6(b)は、ショット領域の平面図、図6(c)は回路模式図である。図6(a)のように、ウエーハ110内には、複数のショット領域111が形成されている。ショット領域111は、例えば縮小露光装置を用いパターンを形成する際に、1回のショットで形成される領域である。同じマスクパターンを用いると、ショット領域111内のパターンは全て同じとなる。
【0030】
図6(b)のように、回路領域20aおよび20bは、ショット領域111内の列方向および行方向にそれぞれ偶数配列されている。図6(b)の例では、1ショット領域111内に2×2個の回路領域20aおよび20bが形成されている。回路領域20aとスクライブライン26との間には、第1金属層18aが回路領域20aを囲って形成されている。第1金属層18aは回路領域20aを囲む第2拡散領域24に接触して形成されている。回路領域20bとスクライブライン26との間には、第2金属層18bが回路領域20bを囲って形成されている。第2金属層18bは半導体基板10上に接触して形成されている。第1回路領域20aと第2回路領域20bとは交互に配列されている。第2回路領域20bの周囲の第2金属層18b同士は、接続部15により電気的に接続されている。接続部15は、第1金属層18aおよび第2金属層18bと同じ金属層でもよいし、第1金属層18aおよび第2金属層18b内の一部の金属層で形成されていてもよい。
【0031】
図6(c)のように、スクライブライン26の両側に形成された第1金属層18aと第2金属層18bとが並列に接続され、第1金属層18aと第2金属層18bとの間に接合面積の大きなpn接合ダイオード23が形成される。
【0032】
実施例2によれば、図2(a)において第2拡散領域24を形成する際に、第1回路領域20aを囲み第2拡散領域24を形成する。図2(b)において、第1金属層18aを形成する際は、第1回路領域20aを囲み第2拡散領域24に電気的に接触するように第1金属層18aを形成する。また、第2金属層18bを形成する際は、第2回路領域20bを囲み第2拡散領域24でないp型の半導体基板10に電気的に接触するように第2金属層18bを形成する。これにより、第1金属層18aと第2金属層18bが対向する領域が長くなりpn接合ダイオードの接合面積を拡大できる。さらに、接続部15を用い、複数のpn接合ダイオードを並列に接続することにより、pn接合ダイオードの接合面積をより大きくできる。
【実施例3】
【0033】
実施例3は、複数のショット領域で1つの回路領域を形成する例である。図7(a)は、実施例3のウエーハの平面図、図7(b)は回路模式図である。図7(a)のように、ウエーハ110内の複数のショット領域111(図7(a)では、4×4のショット領域)から1つの回路領域20が形成されている。ウエーハ110に1つの回路領域20を示しているが、回路領域20はウエーハ110内に複数形成されていてもよい。
【0034】
実施例3においては、ショットパターンとして、ショットパターン111、ショットパターン132aおよび132b、ショットパターン134aおよび134b、ショットパターン136a〜136dの9種類が用いられる。ここで、ショットパターン111は、主に回路領域20を形成するためのショットパターンである。ショットパターン132aおよび132bは、縦方向のスクライブライン26を形成するためのショットパターンである。ショットパターン134aおよび134bは、横方向のスクライブライン26を形成するためのショットパターンである。ショットパターン136a〜136dは、スクライブライン26のクロス領域を形成するためのショットパターンである。回路領域20とスクライブタイン26との間に回路領域20を囲むように第1金属層18aが形成される。第1金属層18aは半導体基板10内の第2拡散領域24と重なるように形成されている。第1金属層18aのスクライブライン26に対し反対側に第2金属層18bが形成されている。第2金属層18bはスクライブライン26のクロス部において接続部15を用い接続される。
【0035】
図7(b)においては、図7(a)の右側のスクライブラインにおける回路模式図を右側に、左側のスクライブラインにおける回路模式図を左側に示している。スクライブライン26の回路領域20側の第1金属層18aは、第2拡散領域24に電気的に接続されている。スクライブライン26の回路領域20と反対側の第2金属層18bは、半導体基板10に電気的に接続されている。これにより、図7(b)のように、回路領域20の左側と右側とでは、端子の向きが対称なpn接合ダイオードが形成される。回路領域20の上下においても同様である。
【実施例4】
【0036】
実施例4は、ショットの種類を減らした例である。図8は、実施例4のウエーハの平面図である。図8のように、縦方向のスクライブライン26を形成するためのショット132は同じパターンである。また、横方向のスクライブライン26を形成するためのショット134は同じパターンである。スクライブライン26のクロス領域を形成するためのショット136も同じパターンである。これにより、4種類のショットパターンを用い、ウエーハ110内のパターンを形成することができる。
【0037】
図9は、実施例4の第1金属層18aおよび第2金属層18bの平面図である。図10(a)は、図9のA−A断面図、図10(b)は、図9のB−B断面図、図10(c)は、回路模式図である。なお、図10(a)および図10(b)においては、絶縁膜等は図示していない。また、第1金属層18aおよび第2金属層18bは、実施例6において説明する複数の金属層の積層として図示している。図9および図10(a)のように、回路領域20の右側のスクライブライン26aと左側のスクライブライン26bに同じショットパターンを用いている。このため、スクライブライン26aおよび26bの右側の金属層が第1金属層18a、左側の金属層が第2金属層18bとなっている。第1金属層18aは第2拡散領域24上に形成されている。第2金属層18bは、第2拡散領域24でないp型の半導体基板10上に形成されている。半導体基板10の表面の一部には素子分離酸化膜36が形成されている。図10(c)のように、両方のスクライブライン26aおよび26bにおいて、左から右にむけて順方向のダイオード23aおよび23bが接続される。
【0038】
図10(b)のように、図10(a)のスクライブライン26aの左側の第2金属層18bとスクライブライン26bの右側の第1金属層18aとは、第2金属層18bにより電気的に接続されている。これにより、図10(c)のように、右側のダイオード23aのアノードと左側のダイオード23bのカソードは、図9の上側の第2金属層18bおよび下側の第1金属層18aにより電気的に短絡している。しかしながら、例えば図10(c)のように、左側のダイオード23bのアノードと右側のダイオード23aのカソードが開放されている。これにより、右側のダイオード23aの第1金属層18aと第2金属層18bとの間に電圧140を印加し、ダイオード23aを流れる電流を測定することができる。同様に、ダイオード23aの接合容量を測定することができる。
【0039】
実施例4によれば、図2(a)のように第2拡散領域24を形成する際に、図10(a)のように、回路領域20の両側(辺21aおよび21b側)のスクライブライン26aおよび26bのそれぞれ同じ側に第2拡散領域24を形成する。回路領域20の両側のスクライブライン26aおよび26bのそれぞれ同じ側とは反対の側に第2拡散領域24を形成しない。図2(b)のように第1金属層18aおよび第2金属層18bを形成する際に、回路領域20の両側のスクライブライン26aおよび26bのそれぞれ同じ側の第2拡散領域24上に第1金属層18aを形成する。回路領域20の両側のスクライブライン26aおよび26bの反対の側に、第2拡散領域24が形成されないp型の半導体基板と電気的に接触するように第2金属層18bを形成する。これにより、図8のように、スクライブライン26aおよび26bを形成するためのショットパターン132を1種類とすることができる。よって、実施例4の図7(a)の場合のショットパターン132aおよび132bの2種類に比べ、ショットパターン数を少なくすることができる。
【実施例5】
【0040】
図11(a)は、実施例5のウエーハの平面図である。図11(b)は、実施例5の回路模式図の例、図11(c)は、実施例5の回路模式図である。図11(a)のように、実施例5においては、スクライブライン26のクロス領域136の左右の外側にショットを露光しない。
【0041】
実施例4においては、図8のようにウエーハ110の外周に金属線112が形成されることがある。これは、例えばCMP(Chemical Mechanical Polish)を用い絶縁膜上の金属を除去した際に、ウエーハ110の外周に除去した金属が金属線112として残存するためである。図11(b)のように、実施例4においてはダイオード23aのカソードとダイオード23bのアノードが金属線112を介し電気的に接続されることがある。このため、ダイオード23aの測定が困難となる。
【0042】
実施例5によれば、第1金属層18aと第2金属層18bとがウエーハ110の周辺部に形成された金属線112を介し電気的に接続されない。これにより、図11(c)のように、ダイオード23aのカソードとダイオード23bのアノードが電気的にショートせず、ダイオード23aの測定を行なうことができる。また、ショットパターンの数も実施例4と同じとすることができる。
【0043】
図12は、実施例5の変形例1の平面図である。図12にように、スクライブライン26のクロス領域の左右に加え上下の外側のショットを露光しない。これにより、回路領域20の上下に形成されるダイオードの測定も可能となる。
【0044】
図13は、実施例5の変形例2の平面図である。図13のように、スクライブライン26のクロス領域の左右の外側にクロス領域と同じショット136のパターンを形成する。これにより、ダイオード23aのカソードとダイオード23bのアノードが金属線112を介し電気的にショートすることを抑制できる。よって、回路領域20の左右に形成されるダイオードの測定が可能となり、かつショットパターンの数も実施例5と同じとすることができる。
【0045】
図14は、実施例5の変形例3の平面図である。図14のように、スクライブライン26のクロス領域の左右に加え上下の外側にクロス領域と同じショット136のパターンを形成する。これにより、回路領域20の左右に加え上下に形成されるダイオードの測定が可能となり、かつショットパターンの数も実施例5と同じとすることができる。
【実施例6】
【0046】
実施例6は、実施例1から実施例5の製造方法を示す例である。図15は、実施例6に係る半導体装置の断面模式図である。回路領域20内のpn接合ダイオード33が形成される領域104、パッド22、第2拡散領域24および第1金属層18aが形成される領域100a、第2金属層18bが形成される領域100bおよびスクライブライン26内のモニタトランジスタ領域を図示している。パッド22下には電子回路のトランジスタ35が形成されている。スクライブライン26には、モニタトランジスタ37が形成されている。領域104には第1pn接合ダイオード33が形成されている。領域100aには第2pn接合ダイオード23が形成されている。第1pn接合ダイオード33および第2pn接合ダイオード23が形成される領域には、p型半導体基板10内にn型の第1拡散領域32および第2拡散領域24が形成されている。モニタトランジスタ37およびトランジスタ35が形成される領域には、半導体基板10内にp型の拡散領域34が形成されている。各ダイオードおよびトランジスタ間を電気的に分離するため半導体基板10内に素子分離酸化膜36が形成されている。
【0047】
トランジスタ35およびモニタトランジスタ37の拡散領域34上にゲート電極40がゲート絶縁膜38を介し形成されている。ゲート電極40の側面にサイドウォール42が形成されている。半導体基板10上にシリサイド抑制膜44およびエッチングストッパ膜46が形成されている。さらに、半導体基板10上に絶縁膜52が形成されている。絶縁膜52を上下に貫通するビア内にバリア層54が形成されている。バリア層54内にプラグ金属層56が形成されている。バリア層54とプラグ金属層56とは金属層58を形成する。
【0048】
絶縁膜52および金属層58上にエッチングストッパ膜60aが形成されている。エッチングストッパ膜60a上に絶縁膜62aが形成されている。絶縁膜62aを上下に貫通するビア内にバリア層64aが形成されている。バリア層64a内に配線層66aが形成されている。バリア層64aと配線層66aとは金属層68aを形成する。絶縁膜62aおよび金属層68a上にエッチングストッパ膜60bが形成されている。エッチングストッパ膜60b上に絶縁膜62bが形成されている。絶縁膜62bを上下に貫通するビア内にバリア層64bが形成されている。バリア層64b内にプラグ金属層66bが形成されている。バリア層64bとプラグ金属層66bとは金属層68bを形成する。
【0049】
絶縁膜62bおよび金属層68b上にエッチングストッパ膜60cが形成されている。エッチングストッパ膜60c上に絶縁膜62cが形成されている。絶縁膜62cを上下に貫通するビア内にバリア層64cが形成されている。バリア層64c内に配線層66cが形成されている。バリア層64cと配線層66cとは金属層68cを形成する。絶縁膜62cおよび金属層68c上にエッチングストッパ膜60dが形成されている。エッチングストッパ膜60d上に絶縁膜62dが形成されている。絶縁膜62dを上下に貫通するビア内にバリア層64dが形成されている。バリア層64d内にプラグ金属層66dが形成されている。バリア層64dとプラグ金属層66dとは金属層68dを形成する。
【0050】
絶縁膜62d上に、金属層68dに電気的に接続する金属層78が形成されている。金属層78は、例えばバリア層74、配線層76および表面層77から形成される。絶縁膜62d上および金属層78を覆うように、カバー膜として酸化シリコン膜72および窒化シリコン膜80が形成されている。カバー膜に開口82が設けられている。開口82を介し金属層78に外部より電気的に接続することができる。第1金属層18aは、金属層78、68d、68c、68b、68aおよび58が積層され形成されている。金属層58は、第2拡散領域24と電気的に接触している。第2金属層18bは、金属層78、68d、68c、68b、68aおよび58が積層され形成されている。金属層58は、半導体基板10と電気的に接触している。
【0051】
実施例6のように、第1金属層18aおよび第2金属層18bは、第2拡散領域24または半導体基板10上に接して設けられ、半導体基板10から最上配線層(金属層78)まで形成されていることが好ましい。これにより、耐湿リングとしての機能を高めることができる。なお、耐湿リングとしての機能をより高めるため、各プラグ金属層56、66bおよび66dは、電子回路を囲むようにリング状に形成されていることが好ましい。各配線層66a、66cおよび76は、回路領域20を囲むようにリング状に形成されていることが好ましい。
【0052】
図16(a)から図23は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)および図20(a)はフォトマスク上の平面図である。図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)および図21から図22は、断面図であり、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)および図20(a)のA−A断面に相当する。
【0053】
図16(b)のように、半導体基板10内に素子分離絶縁膜36を形成する。トランジスタが形成される領域の半導体基板10内にp型拡散領域34を形成する。半導体基板10は、例えばシリコン基板であり、p型の不純物濃度は、例えば1×1015cm−3である。素子分離絶縁膜36は、例えば酸化シリコン膜である。p型拡散領域34は、半導体基板10内にB等の不純物をイオン注入し、その後熱処理することにより形成される。図16(a)のように、素子分離絶縁膜36を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードおよびトランジスタが形成される領域以外の領域に素子分離絶縁膜36が形成されるように設けられている。拡散領域34を形成するマスクのパターンの端は、素子分離絶縁膜36上に一部重なるように設けられている。なお、図16(a)内のクロスで示した領域が素子分離絶縁膜36が形成される領域である。
【0054】
図17(b)のように、pn接合ダイオードが形成される領域に第1拡散領域32および第2拡散領域24を形成する。第1拡散領域32および第2拡散領域24は、例えばPイオンを350keVの注入エネルギー、5×1012cm−2のドーズ量、7°のチルトでイオン注入する。その後熱処理する。これにより、半導体基板10と第1拡散領域32および第2拡散領域24との間にpn接合が形成される。図17(a)のように、第1拡散領域32および第2拡散領域24を形成するマスクのパターンは、素子分離絶縁膜36より内側に設けられている。
【0055】
図18(b)のように、半導体基板10上にゲート絶縁膜38を形成する。ゲート絶縁膜38上にゲート電極40を形成する。ゲート電極40をマスクにゲート絶縁膜38をエッチングする。半導体基板10上にゲート電極40を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜を異方性エッチングすることにより、ゲート電極40の両側側面にサイドウォール42を、半導体基板10上にシリサイド抑制膜44を形成する。ゲート電極40の上面、トランジスタのソースおよびドレインとなる領域の半導体基板10の上面、pn接合ダイオードのコンタクト領域45の半導体基板10の上面をシリサイド化する。このとき。pn接合ダイオードの半導体基板10の上面は、コンタクト領域45以外はシリサイド化されない。ゲート絶縁膜38は例えば酸化シリコン膜により形成する。ゲート電極40は、例えば多結晶シリコン膜により形成する。サイドウォール42およびシリサイド抑制膜44は、例えば酸化シリコン膜により形成する。シリサイド化は、例えばCoを用いコバルトシリサイドを形成する。
【0056】
図18(a)のように、ゲート電極40を形成するマスクのパターンは、トランジスタを形成する領域の素子分離絶縁膜36を横切るように設けられる。シリサイド抑制膜44を形成するマスクのパターンは、トランジスタが形成される領域の素子分離絶縁膜36から半導体基板が露出する領域とゲート電極40が露出するように設けられる。また、シリサイド抑制膜44を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードが形成される領域のコンタクト領域45に設けられる。
【0057】
図19(b)のように、半導体基板10上にエッチングストッパ膜46を形成する。コンタクト領域45以外の第2pn接合ダイオード23および33上にはエッチングストッパ膜46が残存しないようにエッチングストッパ膜46をエッチングする。エッチングストッパ膜46は、例えば窒化シリコン膜である。図19(a)のように、エッチングストッパ膜46を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードが形成される領域においてコンタクト領域45以外にエッチングストッパ膜46が残存しないように設けられる。
【0058】
図20(b)のように、シリサイド抑制膜44およびエッチングストッパ膜46上に絶縁膜52を形成する。エッチングストッパ膜46および絶縁膜52を上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜52上にバリア層54を形成する。ビア内のバリア層54内および絶縁膜52上のバリア層54上にプラグ金属層56を形成する。CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い、絶縁膜52上の余分なバリア層54およびプラグ金属層56を除去する。バリア層54およびプラグ金属層56により金属層58が形成される。エッチングストッパ膜46は、ビアを形成する際のストッパ膜として機能する。例えば、絶縁膜52を貫通するビアを形成する際に、エッチングストッパ膜46はエッチングされない。その後、エッチングストッパ膜を貫通するビアを形成する。これにより、シリサイド化された半導体基板10およびゲート電極40の上面へのダメージが緩和される。バリア層54は、例えばTiN膜を用い形成する。プラグ金属層56は、例えばW膜を用い形成する。図19(a)のように、金属層58を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードが形成される領域のコンタクト領域にビアが形成されるように設けられる。また、金属層58を形成するマスクのパターンは、トランジスタが形成される領域のゲート電極40、ソース領域、ドレイン領域にビアが形成されるように設けられる。
【0059】
図21のように、絶縁膜52および金属層58上にエッチングストッパ膜60aを形成するエッチングストッパ膜60a上に絶縁膜62aを形成する。エッチングストッパ膜60aおよび絶縁膜62aを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62a上にバリア層64aを形成する。ビア内のバリア層64a内および絶縁膜62a上のバリア層64a上に配線層66aを形成する。CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い、絶縁膜62a上の余分なバリア層64aおよび配線層66aを除去する。バリア層64aおよび配線層66aにより金属層68aが形成される。例えば、絶縁膜62aを貫通するビアを形成する際に、エッチングストッパ膜60aはエッチングされない。その後、エッチングストッパ膜60aを貫通するビアを形成する。エッチングストッパ膜60aは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62aは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層64aは、例えばTa膜を用い形成する。配線層66aは、例えばCu膜を用い形成する。
【0060】
図22のように、絶縁膜62aおよび金属層68a上にエッチングストッパ膜60bを形成する。エッチングストッパ膜60b上に絶縁膜62bを形成する。絶縁膜62b上にエッチングストッパ膜60cを形成する。エッチングストッパ膜60c上に絶縁膜62cを形成する。エッチングストッパ膜60bおよび絶縁膜62bを上下に貫通するビアと、エッチングストッパ膜60cおよび絶縁膜62cを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62c上にバリア層64bおよび64cを形成する。ビア内のバリア層64bおよび64c内および絶縁膜62c上のバリア層64c上にプラグ金属層66bおよび配線層66cをめっき法を用い同時に形成する。CMP法を用い、絶縁膜62c上の余分なバリア層64cおよび配線層66cを除去する。バリア層64bおよびプラグ金属層66bにより金属層68bが形成される。バリア層64cおよび配線層66cにより金属層68cが形成される。エッチングストッパ膜60bおよび60cは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62bおよび62cは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層64bおよび64cは、例えばTa膜を用い形成する。プラグ金属層66bおよび配線層66cは、例えばCu膜を用い形成する。このように、配線は例えばデュアルダマシン法を用い形成される。
【0061】
図23のように、絶縁膜62cおよび金属層68c上にエッチングストッパ膜60dを形成する。エッチングストッパ膜60d上に絶縁膜62dを形成する。エッチングストッパ膜60dおよび絶縁膜62dを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62d上にバリア層74を形成する。ビア内のバリア層74内および絶縁膜62c上のバリア層74上に配線層76を形成する。配線層76上に表面層77を形成する。バリア層74、配線層76および表面層77により金属層78が形成される。バリア層64cおよび配線層66cにより金属層68cが形成される。エッチングストッパ膜60dは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62dは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層74は、例えばTiN膜を用い形成する。配線層76は、例えばAlCu膜を用い形成する。表面層77は、例えばTiN膜を用い形成する。
【0062】
絶縁膜62d上に金属層78を覆うように、カバー膜として酸化シリコン膜72および窒化シリコン膜80を形成する。カバー膜に開口82を形成する。以上により、図15の半導体装置が完成する。
【0063】
図16(a)から図23を用い、実施例6に係る半導体装置の製造方法の一例を説明したが、言うまでもなく、その他の方法を用い、実施例6に係る半導体装置を形成してもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 半導体基板
18a 第1金属層
18b 第2金属層
20 回路領域
23 第2pn接合ダイオード
24 第2拡散領域
26 スクライブライン
32 第1拡散領域
33 第1pn接合ダイオード
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体ウエーハに関し、例えば、pn接合を備える半導体装置の製造方法および半導体ウエーハに関する。
【背景技術】
【0002】
受光素子等のpn接合ダイオードを備える半導体装置は、例えば半導体撮像装置等に用いられている。pn接合ダイオードにおいて、逆方向リーク電流が生じることがある。そこで、メイン回路とは別にダイオード等の特性を確認するためのモニタを設けることがある。モニタを測定することにより、メイン回路内のダイオードの特性を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−300905号公報
【特許文献2】特開2009−089078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
pn接合ダイオードの電流特性を測定するモニタは、接合面積が小さい場合、pn接合に形成された欠陥によるリーク電流を検出することができない。一方、pn接合ダイオードの接合面積を大きくすると、ウエーハ内に配置できる半導体チップが減ってしまいコストアップとなる。さらに、pn接合ダイオードの接合面積を大きくすると寄生抵抗が大きくなり、リーク電流測定の精度が低下するまたは接合容量を測定することが難しくなる。
【0005】
本半導体装置の製造方法および半導体ウエーハは、モニタ用pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路を形成する工程と、前記電子回路が形成される回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域を形成する工程と、前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲む第1金属層を形成する工程と、前記回路領域の前記少なくとも一辺の前記スクライブラインに対し反対側に前記スクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように第2金属層を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法を用いる。
【0007】
例えば、半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路が形成された回路領域と、前記回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成するように形成された第2拡散領域と、前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲み形成された第1金属層と、前記回路領域の前記少なくとも一辺のスクライブラインに対し反対側にスクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように形成された第2金属層と、を具備することを特徴とする半導体ウエーハを用いる。
【発明の効果】
【0008】
本半導体装置の製造方法および半導体ウエーハによれば、pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1のウエーハの一部の平面図である。
【図2】図2(a)から図2(c)は、実施例1の製造方法を示す図1のA−A断面図である。
【図3】図3(a)は、図1の領域Bの拡大図、図3(b)は、実施例1の回路模式図である。
【図4】図4(a)は、比較例1の平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。
【図5】図5(a)は、図4(a)の領域Bの拡大図である。図5(b)は、比較例の回路模式図である
【図6】図6(a)は、実施例2のウエーハの平面図、図6(b)は、ショット領域の平面図、図6(c)は、回路模式図である。
【図7】図7(a)は、実施例3のウエーハの平面図、図7(b)は回路模式図である。
【図8】図8は、実施例4のウエーハの平面図である。
【図9】図9は、実施例4の第1金属層および第2金属層の平面図である。
【図10】図10(a)は、図9のA−A断面図、図10(b)は、図9のB−B断面図、図10(c)は回路模式図である。
【図11】図11(a)は、実施例5のウエーハの平面図である。図11(b)は、実施例5の回路模式図の例、図11(c)は、実施例5の回路模式図である。
【図12】図12は、実施例5の変形例1の平面図である。
【図13】図13は、実施例5の変形例2の平面図である。
【図14】図14は、実施例5の変形例3の平面図である。
【図15】図15は、実施例6に係る半導体装置の断面模式図である。
【図16】図16(a)および図16(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図17】図17(a)および図17(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図18】図18(a)および図18(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図19】図19(a)および図19(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図20】図20(a)および図20(b)は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図21】図21は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図22】図22は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図23】図23は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1のウエーハの一部の平面図である。図1のように、電子回路が形成された回路領域20aおよび20bはスクライブライン26に囲まれている。回路領域20aおよび20bには、電子回路以外にも電子回路と電気的に接続するためのパッドが形成されている。電子回路は、pn接合ダイオードを含む回路である。pn接合ダイオードは、例えば受光素子であり、電子回路は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサのような半導体画像装置である。回路領域20aおよび20bとスクライブライン26との間には、回路領域20aおよび20bを囲むようにそれぞれ第1金属層18aおよび第2金属層18bが形成されている。スクライブライン26内に第1パッド28および第2パッド29が形成されている。第1パッド28は、第1金属層18aに電気的に接続されている。第2パッド29は、第2金属層18bに電気的に接続されている。スクライブライン26内には、電子回路が含むトランジスタ等の特性を測定するためのモニタ102が設けられている。スクライブライン26内に、モニタ102と電気的に接続するパッド101が設けられている。スクライブライン26において、ウエーハを例えばダイシング法を用い切断すると、スクライブライン26の中心付近が切りしろとなる。モニタ102は、ウエーハを切断した後に用いることはない。そこで、モニタ102をスクラインブライン26に設けることにより、回路領域20aおよび20bの面積を抑制することができる。
【0012】
図2(a)から図2(c)は、実施例1の製造方法を示す図1のA−A断面図である。図2(a)のように、例えばp型の半導体基板(または半導体基板内に形成された拡散領域)10内にイオン注入法によりn型の第1拡散領域32および第2拡散領域24を同時に形成する。半導体基板10がn型であり、第1拡散領域32および第2拡散領域24が同じp型でもよい。第1拡散領域32と半導体基板10との間にpn接合が形成される。第2拡散領域24と半導体基板10との間にpn接合が形成される。第2拡散領域24は、スクライブライン26aと回路領域20aとの間に形成するが、スクライブライン26aと回路領域20bとの間には形成しない。
【0013】
図2(b)のように、半導体基板10上に絶縁膜12を形成する。絶縁膜12は、例えば配線の層間絶縁膜であり、例えば酸化シリコン膜である。絶縁膜12は、1層から形成されていてもよいし、複数の層から形成されていてもよい。絶縁膜12内に第1金属層18aおよび第2金属層18bを形成する。第1金属層18aは、スクライブライン26aと回路領域20aとの間の半導体基板10上に形成する。第1金属層18aは第2拡散領域24と電気的に接触している。第2金属層18bは、半導体基板10に電気的に接触している。第2金属層18bが接触する半導体基板10内には、半導体基板10よりp型ドーパント濃度の高いp型拡散領域が形成されていてもよい。これにより、第2金属層18bと半導体基板10との接触抵抗を抑制できる。第1拡散領域32と半導体基板10とにより第1pn接合ダイオード33が形成される。第2拡散領域24と半導体基板10とにより第2pn接合ダイオード23が形成される。第1pn接合ダイオード33が電子回路が含むダイオードであり、第2pn接合ダイオード23がモニタ用ダイオードである。
【0014】
図2(c)のように、絶縁膜12上に保護膜として絶縁膜14を形成する。第1金属層18aおよび第2金属層18b上には金属層19が形成されていてもよい。
【0015】
図3(a)は、図1の領域Bの拡大図である。図3(a)のように、第1パッド28は、配線90を介し第1金属層18aと電気的に接続されている。第2パッド29は、配線92を介し第2金属層18bと電気的に接続されている。図3(b)は、実施例1の回路模式図である。第1金属層18aを破線、第2金属層18bを破線で示している。図3(b)のように、第1金属層18aは半導体基板10内のn型の第2拡散領域24に電気的に接続されている。一方第2金属層18bはp型の半導体基板10に電気的に接続されている。これにより、第2金属層18bから第1金属層18aに順方向にpn接合ダイオード23が形成される。
【0016】
図3(a)において、第1パッド28および第2パッド29の幅L1は、例えば82μm、第2拡散領域24の幅L2は、例えば10μmである。第2拡散領域24間の間隔L3は例えば126μm、回路領域20aおよび20b間の間隔L4は、例えば146μmである。回路領域20aおよび20bの大きさは、例えば25mm×25mmである。第1pn接合ダイオード33の第1拡散領域32の大きさは例えば50μm×50μmである。
【0017】
第1パッド28と第2パッド29とにプローブ針を接触させ、第1パッド28と第2パッド29との間の電気的特性を測定することにより、第2pn接合ダイオード23の電気的特性を測定することができる。例えば、第2pn接合ダイオード23に逆方向バイアスを印加し、リーク電流を測定することにより、接合面における欠陥の有無を評価することができる。さらに、第2pn接合ダイオード23の容量を測定することができる。
【0018】
次に、実施例1の効果を説明するため、比較例について説明する。図4(a)は、比較例1の平面図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図4(a)および図4(b)のように、比較例においては、第2金属層18bに接続された第2パッド29が設けられておらず、半導体基板10と電気的に接続するパッド27が形成されている。また、第2金属層18bの下の半導体基板10に第2拡散領域24が形成されている。
【0019】
図5(a)は、図4(a)の領域Bの拡大図である。図5(a)のように、スクライブライン26内に半導体基板10と電気的に接続するパッド27が形成されている。図5(b)は、比較例の回路模式図である。図4(b)のように第1金属層18aおよび第2金属層18bともに第2拡散領域24に接続されているため、パッド27から両側の金属層18aおよび18bに順方向にダイオード23が接続されている。
【0020】
比較例においては、半導体基板10に接続されているのはパッド27である。このため、パッド27から遠いpn接合界面までの寄生抵抗が高くなってしまう。このため、pn接合の逆方向リーク電流が精度よく測定できない。また、pn接合の接合容量の測定が正確に行なわれなくなる。
【0021】
一方、実施例1においては、図1のように、スクライブライン26aを挟んだ両側に第2拡散領域24に接続された第1金属層18aおよび半導体基板10に接続された18bが形成されている。このため、第1パッド28および第2パッド29からpn接合界面までの寄生抵抗を抑制できる。よって、pn接合の逆方向リーク電流が精度よく測定できる。また、接合容量等の容量測定が可能となる。
【0022】
実施例1によれば、図1および図2(a)のように。回路領域20aの少なくとも一辺とスクライブライン26aとの間に、半導体基板10内に第2拡散領域24を形成する。第2拡散領域24上に第2拡散領域24と電気的に接触し、回路領域20aを囲む第1金属層18aを形成する。回路領域20aの少なくとも一辺のスクライブライン26aに対し反対側にスクライブライン26aに沿って半導体基板10上に、第2拡散領域24でないp型の半導体基板10と電気的に接触するように第2金属層18bを形成する。第2金属層18bは、例えば、回路領域20bとスクライブライン26aとの間に形成される。これにより、モニタ用pn接合ダイオードの寄生抵抗を抑制することができる。よって、リーク電流測定の精度を向上させることができる。また、接合容量を精度よく測定することができる。
【0023】
製造工程簡略化の観点から第1金属層18aと第2金属層18bとは同時に形成することが好ましい。また、寄生抵抗の抑制のためには、スクライブライン26aに沿った領域において第1金属層18aは連続的に第2拡散領域24と接触していることが好ましい。また、スクライブライン26aに沿った領域において第2金属層18bは連続的に半導体基板10と接触していることが好ましい。さらに、製造工程簡略化の観点から、第2拡散領域24を形成する工程、第1金属層18aを形成する工程、および第2金属層18bを形成する工程は、電子回路を形成する工程に含まれることが好ましい。
【0024】
さらに、第2拡散領域24が、回路領域20とスクライブライン26との間に設けられているため、第2pn接合ダイオード23の接合面積を大きくできる。第2pn接合ダイオード23の接合面積を大きくすることで、微小のリーク電流を測定することができる。これにより、例えばpn接合に形成された欠陥有無を評価することができる。pn接合面に形成される欠陥は、面積に依存する。電子回路内には、多くの第1pn接合ダイオード33が形成されている。そこで、電子回路内の第1pn接合ダイオード33の接合における欠陥を評価するためには、接合面積の大きいモニタpn接合ダイオードを形成することが好ましい。第2pn接合ダイオード23の接合面積は、回路領域20内の第1pn接合ダイオード33の接合面積より大きいことが好ましい。
【0025】
さらに、第1金属層18aが回路領域20aとスクライブライン26aとの間に第2拡散領域24と重なるように設けられているため、第2拡散領域24を設けることによる面積の増加を抑制できる。よって、コストダウンが可能となる。第1金属層18aおよび第2金属層18bは、例えば回路領域20aおよび20bへの水分の浸入を抑制する耐湿リングとすることができる。耐湿リングは、絶縁膜12に侵入した水分が回路領域20に至ることを抑制している。例えば、スクライブライン26でウエーハを切断した場合、絶縁膜12の切断面から水分が絶縁膜12に侵入する。回路領域20に水分が至ると、電子回路が劣化してしまう。耐湿リングを回路領域20を囲むように設けることで、電子回路の劣化を抑制できる。第1金属層18aおよび第2金属層18bを耐湿リングとして用いる場合、上視した場合回路領域20を全て囲むことが好ましいが、少なくとも一部を囲めばよい。また、面積縮小の観点から、第2拡散領域24が形成される領域は、全て第1金属層18a形成される領域に含まれることが好ましいが、第2拡散領域24は第1金属層18aと少なくとも一部が重なっていればよい。
【0026】
さらに、第1金属層18aは第2拡散領域24上に接して設けられ、第2金属層18bは半導体基板10上に接して設けられ、第1金属層18aおよび第2金属層18bは半導体基板10から最上配線層まで形成されていることが好ましい。これにより、第1金属層18aおよび第2金属層18bが、絶縁膜12に侵入した水分が回路領域20に至ることをより抑制することができる。
【0027】
第1拡散領域32と第2拡散領域24とは、同じドーパント、同じイオン注入エネルギーおよび同じドーズ量を用い形成されることが好ましい。例えば、第1拡散領域32と第2拡散領域24の不純物分布は同じであることが好ましい。これにより、第2pn接合ダイオード23の電気的特性を測定することにより、回路領域20内の第1pn接合ダイオード33の電気的特性をより正確に評価することができる。さらに、第1拡散領域32とpn接合する半導体基板10と、第2拡散領域24とpn接合する半導体基板10との不純物分布も同じであることが好ましい。これにより、回路領域20内の第1pn接合ダイオード33の電気的特性をより適切に評価することができる。
【0028】
さらに、第2拡散領域24に電気的に接続された第1パッド28と半導体基板10に電気的に接続された第2パッド29とがスクライブライン26に形成されている。これにより、チップ領域25の面積を抑制することができる。
【実施例2】
【0029】
実施例2はショット領域内に複数の回路領域を形成する例である。図6(a)は、実施例2のウエーハの平面図、図6(b)は、ショット領域の平面図、図6(c)は回路模式図である。図6(a)のように、ウエーハ110内には、複数のショット領域111が形成されている。ショット領域111は、例えば縮小露光装置を用いパターンを形成する際に、1回のショットで形成される領域である。同じマスクパターンを用いると、ショット領域111内のパターンは全て同じとなる。
【0030】
図6(b)のように、回路領域20aおよび20bは、ショット領域111内の列方向および行方向にそれぞれ偶数配列されている。図6(b)の例では、1ショット領域111内に2×2個の回路領域20aおよび20bが形成されている。回路領域20aとスクライブライン26との間には、第1金属層18aが回路領域20aを囲って形成されている。第1金属層18aは回路領域20aを囲む第2拡散領域24に接触して形成されている。回路領域20bとスクライブライン26との間には、第2金属層18bが回路領域20bを囲って形成されている。第2金属層18bは半導体基板10上に接触して形成されている。第1回路領域20aと第2回路領域20bとは交互に配列されている。第2回路領域20bの周囲の第2金属層18b同士は、接続部15により電気的に接続されている。接続部15は、第1金属層18aおよび第2金属層18bと同じ金属層でもよいし、第1金属層18aおよび第2金属層18b内の一部の金属層で形成されていてもよい。
【0031】
図6(c)のように、スクライブライン26の両側に形成された第1金属層18aと第2金属層18bとが並列に接続され、第1金属層18aと第2金属層18bとの間に接合面積の大きなpn接合ダイオード23が形成される。
【0032】
実施例2によれば、図2(a)において第2拡散領域24を形成する際に、第1回路領域20aを囲み第2拡散領域24を形成する。図2(b)において、第1金属層18aを形成する際は、第1回路領域20aを囲み第2拡散領域24に電気的に接触するように第1金属層18aを形成する。また、第2金属層18bを形成する際は、第2回路領域20bを囲み第2拡散領域24でないp型の半導体基板10に電気的に接触するように第2金属層18bを形成する。これにより、第1金属層18aと第2金属層18bが対向する領域が長くなりpn接合ダイオードの接合面積を拡大できる。さらに、接続部15を用い、複数のpn接合ダイオードを並列に接続することにより、pn接合ダイオードの接合面積をより大きくできる。
【実施例3】
【0033】
実施例3は、複数のショット領域で1つの回路領域を形成する例である。図7(a)は、実施例3のウエーハの平面図、図7(b)は回路模式図である。図7(a)のように、ウエーハ110内の複数のショット領域111(図7(a)では、4×4のショット領域)から1つの回路領域20が形成されている。ウエーハ110に1つの回路領域20を示しているが、回路領域20はウエーハ110内に複数形成されていてもよい。
【0034】
実施例3においては、ショットパターンとして、ショットパターン111、ショットパターン132aおよび132b、ショットパターン134aおよび134b、ショットパターン136a〜136dの9種類が用いられる。ここで、ショットパターン111は、主に回路領域20を形成するためのショットパターンである。ショットパターン132aおよび132bは、縦方向のスクライブライン26を形成するためのショットパターンである。ショットパターン134aおよび134bは、横方向のスクライブライン26を形成するためのショットパターンである。ショットパターン136a〜136dは、スクライブライン26のクロス領域を形成するためのショットパターンである。回路領域20とスクライブタイン26との間に回路領域20を囲むように第1金属層18aが形成される。第1金属層18aは半導体基板10内の第2拡散領域24と重なるように形成されている。第1金属層18aのスクライブライン26に対し反対側に第2金属層18bが形成されている。第2金属層18bはスクライブライン26のクロス部において接続部15を用い接続される。
【0035】
図7(b)においては、図7(a)の右側のスクライブラインにおける回路模式図を右側に、左側のスクライブラインにおける回路模式図を左側に示している。スクライブライン26の回路領域20側の第1金属層18aは、第2拡散領域24に電気的に接続されている。スクライブライン26の回路領域20と反対側の第2金属層18bは、半導体基板10に電気的に接続されている。これにより、図7(b)のように、回路領域20の左側と右側とでは、端子の向きが対称なpn接合ダイオードが形成される。回路領域20の上下においても同様である。
【実施例4】
【0036】
実施例4は、ショットの種類を減らした例である。図8は、実施例4のウエーハの平面図である。図8のように、縦方向のスクライブライン26を形成するためのショット132は同じパターンである。また、横方向のスクライブライン26を形成するためのショット134は同じパターンである。スクライブライン26のクロス領域を形成するためのショット136も同じパターンである。これにより、4種類のショットパターンを用い、ウエーハ110内のパターンを形成することができる。
【0037】
図9は、実施例4の第1金属層18aおよび第2金属層18bの平面図である。図10(a)は、図9のA−A断面図、図10(b)は、図9のB−B断面図、図10(c)は、回路模式図である。なお、図10(a)および図10(b)においては、絶縁膜等は図示していない。また、第1金属層18aおよび第2金属層18bは、実施例6において説明する複数の金属層の積層として図示している。図9および図10(a)のように、回路領域20の右側のスクライブライン26aと左側のスクライブライン26bに同じショットパターンを用いている。このため、スクライブライン26aおよび26bの右側の金属層が第1金属層18a、左側の金属層が第2金属層18bとなっている。第1金属層18aは第2拡散領域24上に形成されている。第2金属層18bは、第2拡散領域24でないp型の半導体基板10上に形成されている。半導体基板10の表面の一部には素子分離酸化膜36が形成されている。図10(c)のように、両方のスクライブライン26aおよび26bにおいて、左から右にむけて順方向のダイオード23aおよび23bが接続される。
【0038】
図10(b)のように、図10(a)のスクライブライン26aの左側の第2金属層18bとスクライブライン26bの右側の第1金属層18aとは、第2金属層18bにより電気的に接続されている。これにより、図10(c)のように、右側のダイオード23aのアノードと左側のダイオード23bのカソードは、図9の上側の第2金属層18bおよび下側の第1金属層18aにより電気的に短絡している。しかしながら、例えば図10(c)のように、左側のダイオード23bのアノードと右側のダイオード23aのカソードが開放されている。これにより、右側のダイオード23aの第1金属層18aと第2金属層18bとの間に電圧140を印加し、ダイオード23aを流れる電流を測定することができる。同様に、ダイオード23aの接合容量を測定することができる。
【0039】
実施例4によれば、図2(a)のように第2拡散領域24を形成する際に、図10(a)のように、回路領域20の両側(辺21aおよび21b側)のスクライブライン26aおよび26bのそれぞれ同じ側に第2拡散領域24を形成する。回路領域20の両側のスクライブライン26aおよび26bのそれぞれ同じ側とは反対の側に第2拡散領域24を形成しない。図2(b)のように第1金属層18aおよび第2金属層18bを形成する際に、回路領域20の両側のスクライブライン26aおよび26bのそれぞれ同じ側の第2拡散領域24上に第1金属層18aを形成する。回路領域20の両側のスクライブライン26aおよび26bの反対の側に、第2拡散領域24が形成されないp型の半導体基板と電気的に接触するように第2金属層18bを形成する。これにより、図8のように、スクライブライン26aおよび26bを形成するためのショットパターン132を1種類とすることができる。よって、実施例4の図7(a)の場合のショットパターン132aおよび132bの2種類に比べ、ショットパターン数を少なくすることができる。
【実施例5】
【0040】
図11(a)は、実施例5のウエーハの平面図である。図11(b)は、実施例5の回路模式図の例、図11(c)は、実施例5の回路模式図である。図11(a)のように、実施例5においては、スクライブライン26のクロス領域136の左右の外側にショットを露光しない。
【0041】
実施例4においては、図8のようにウエーハ110の外周に金属線112が形成されることがある。これは、例えばCMP(Chemical Mechanical Polish)を用い絶縁膜上の金属を除去した際に、ウエーハ110の外周に除去した金属が金属線112として残存するためである。図11(b)のように、実施例4においてはダイオード23aのカソードとダイオード23bのアノードが金属線112を介し電気的に接続されることがある。このため、ダイオード23aの測定が困難となる。
【0042】
実施例5によれば、第1金属層18aと第2金属層18bとがウエーハ110の周辺部に形成された金属線112を介し電気的に接続されない。これにより、図11(c)のように、ダイオード23aのカソードとダイオード23bのアノードが電気的にショートせず、ダイオード23aの測定を行なうことができる。また、ショットパターンの数も実施例4と同じとすることができる。
【0043】
図12は、実施例5の変形例1の平面図である。図12にように、スクライブライン26のクロス領域の左右に加え上下の外側のショットを露光しない。これにより、回路領域20の上下に形成されるダイオードの測定も可能となる。
【0044】
図13は、実施例5の変形例2の平面図である。図13のように、スクライブライン26のクロス領域の左右の外側にクロス領域と同じショット136のパターンを形成する。これにより、ダイオード23aのカソードとダイオード23bのアノードが金属線112を介し電気的にショートすることを抑制できる。よって、回路領域20の左右に形成されるダイオードの測定が可能となり、かつショットパターンの数も実施例5と同じとすることができる。
【0045】
図14は、実施例5の変形例3の平面図である。図14のように、スクライブライン26のクロス領域の左右に加え上下の外側にクロス領域と同じショット136のパターンを形成する。これにより、回路領域20の左右に加え上下に形成されるダイオードの測定が可能となり、かつショットパターンの数も実施例5と同じとすることができる。
【実施例6】
【0046】
実施例6は、実施例1から実施例5の製造方法を示す例である。図15は、実施例6に係る半導体装置の断面模式図である。回路領域20内のpn接合ダイオード33が形成される領域104、パッド22、第2拡散領域24および第1金属層18aが形成される領域100a、第2金属層18bが形成される領域100bおよびスクライブライン26内のモニタトランジスタ領域を図示している。パッド22下には電子回路のトランジスタ35が形成されている。スクライブライン26には、モニタトランジスタ37が形成されている。領域104には第1pn接合ダイオード33が形成されている。領域100aには第2pn接合ダイオード23が形成されている。第1pn接合ダイオード33および第2pn接合ダイオード23が形成される領域には、p型半導体基板10内にn型の第1拡散領域32および第2拡散領域24が形成されている。モニタトランジスタ37およびトランジスタ35が形成される領域には、半導体基板10内にp型の拡散領域34が形成されている。各ダイオードおよびトランジスタ間を電気的に分離するため半導体基板10内に素子分離酸化膜36が形成されている。
【0047】
トランジスタ35およびモニタトランジスタ37の拡散領域34上にゲート電極40がゲート絶縁膜38を介し形成されている。ゲート電極40の側面にサイドウォール42が形成されている。半導体基板10上にシリサイド抑制膜44およびエッチングストッパ膜46が形成されている。さらに、半導体基板10上に絶縁膜52が形成されている。絶縁膜52を上下に貫通するビア内にバリア層54が形成されている。バリア層54内にプラグ金属層56が形成されている。バリア層54とプラグ金属層56とは金属層58を形成する。
【0048】
絶縁膜52および金属層58上にエッチングストッパ膜60aが形成されている。エッチングストッパ膜60a上に絶縁膜62aが形成されている。絶縁膜62aを上下に貫通するビア内にバリア層64aが形成されている。バリア層64a内に配線層66aが形成されている。バリア層64aと配線層66aとは金属層68aを形成する。絶縁膜62aおよび金属層68a上にエッチングストッパ膜60bが形成されている。エッチングストッパ膜60b上に絶縁膜62bが形成されている。絶縁膜62bを上下に貫通するビア内にバリア層64bが形成されている。バリア層64b内にプラグ金属層66bが形成されている。バリア層64bとプラグ金属層66bとは金属層68bを形成する。
【0049】
絶縁膜62bおよび金属層68b上にエッチングストッパ膜60cが形成されている。エッチングストッパ膜60c上に絶縁膜62cが形成されている。絶縁膜62cを上下に貫通するビア内にバリア層64cが形成されている。バリア層64c内に配線層66cが形成されている。バリア層64cと配線層66cとは金属層68cを形成する。絶縁膜62cおよび金属層68c上にエッチングストッパ膜60dが形成されている。エッチングストッパ膜60d上に絶縁膜62dが形成されている。絶縁膜62dを上下に貫通するビア内にバリア層64dが形成されている。バリア層64d内にプラグ金属層66dが形成されている。バリア層64dとプラグ金属層66dとは金属層68dを形成する。
【0050】
絶縁膜62d上に、金属層68dに電気的に接続する金属層78が形成されている。金属層78は、例えばバリア層74、配線層76および表面層77から形成される。絶縁膜62d上および金属層78を覆うように、カバー膜として酸化シリコン膜72および窒化シリコン膜80が形成されている。カバー膜に開口82が設けられている。開口82を介し金属層78に外部より電気的に接続することができる。第1金属層18aは、金属層78、68d、68c、68b、68aおよび58が積層され形成されている。金属層58は、第2拡散領域24と電気的に接触している。第2金属層18bは、金属層78、68d、68c、68b、68aおよび58が積層され形成されている。金属層58は、半導体基板10と電気的に接触している。
【0051】
実施例6のように、第1金属層18aおよび第2金属層18bは、第2拡散領域24または半導体基板10上に接して設けられ、半導体基板10から最上配線層(金属層78)まで形成されていることが好ましい。これにより、耐湿リングとしての機能を高めることができる。なお、耐湿リングとしての機能をより高めるため、各プラグ金属層56、66bおよび66dは、電子回路を囲むようにリング状に形成されていることが好ましい。各配線層66a、66cおよび76は、回路領域20を囲むようにリング状に形成されていることが好ましい。
【0052】
図16(a)から図23は、実施例6に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)および図20(a)はフォトマスク上の平面図である。図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)および図21から図22は、断面図であり、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)および図20(a)のA−A断面に相当する。
【0053】
図16(b)のように、半導体基板10内に素子分離絶縁膜36を形成する。トランジスタが形成される領域の半導体基板10内にp型拡散領域34を形成する。半導体基板10は、例えばシリコン基板であり、p型の不純物濃度は、例えば1×1015cm−3である。素子分離絶縁膜36は、例えば酸化シリコン膜である。p型拡散領域34は、半導体基板10内にB等の不純物をイオン注入し、その後熱処理することにより形成される。図16(a)のように、素子分離絶縁膜36を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードおよびトランジスタが形成される領域以外の領域に素子分離絶縁膜36が形成されるように設けられている。拡散領域34を形成するマスクのパターンの端は、素子分離絶縁膜36上に一部重なるように設けられている。なお、図16(a)内のクロスで示した領域が素子分離絶縁膜36が形成される領域である。
【0054】
図17(b)のように、pn接合ダイオードが形成される領域に第1拡散領域32および第2拡散領域24を形成する。第1拡散領域32および第2拡散領域24は、例えばPイオンを350keVの注入エネルギー、5×1012cm−2のドーズ量、7°のチルトでイオン注入する。その後熱処理する。これにより、半導体基板10と第1拡散領域32および第2拡散領域24との間にpn接合が形成される。図17(a)のように、第1拡散領域32および第2拡散領域24を形成するマスクのパターンは、素子分離絶縁膜36より内側に設けられている。
【0055】
図18(b)のように、半導体基板10上にゲート絶縁膜38を形成する。ゲート絶縁膜38上にゲート電極40を形成する。ゲート電極40をマスクにゲート絶縁膜38をエッチングする。半導体基板10上にゲート電極40を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜を異方性エッチングすることにより、ゲート電極40の両側側面にサイドウォール42を、半導体基板10上にシリサイド抑制膜44を形成する。ゲート電極40の上面、トランジスタのソースおよびドレインとなる領域の半導体基板10の上面、pn接合ダイオードのコンタクト領域45の半導体基板10の上面をシリサイド化する。このとき。pn接合ダイオードの半導体基板10の上面は、コンタクト領域45以外はシリサイド化されない。ゲート絶縁膜38は例えば酸化シリコン膜により形成する。ゲート電極40は、例えば多結晶シリコン膜により形成する。サイドウォール42およびシリサイド抑制膜44は、例えば酸化シリコン膜により形成する。シリサイド化は、例えばCoを用いコバルトシリサイドを形成する。
【0056】
図18(a)のように、ゲート電極40を形成するマスクのパターンは、トランジスタを形成する領域の素子分離絶縁膜36を横切るように設けられる。シリサイド抑制膜44を形成するマスクのパターンは、トランジスタが形成される領域の素子分離絶縁膜36から半導体基板が露出する領域とゲート電極40が露出するように設けられる。また、シリサイド抑制膜44を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードが形成される領域のコンタクト領域45に設けられる。
【0057】
図19(b)のように、半導体基板10上にエッチングストッパ膜46を形成する。コンタクト領域45以外の第2pn接合ダイオード23および33上にはエッチングストッパ膜46が残存しないようにエッチングストッパ膜46をエッチングする。エッチングストッパ膜46は、例えば窒化シリコン膜である。図19(a)のように、エッチングストッパ膜46を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードが形成される領域においてコンタクト領域45以外にエッチングストッパ膜46が残存しないように設けられる。
【0058】
図20(b)のように、シリサイド抑制膜44およびエッチングストッパ膜46上に絶縁膜52を形成する。エッチングストッパ膜46および絶縁膜52を上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜52上にバリア層54を形成する。ビア内のバリア層54内および絶縁膜52上のバリア層54上にプラグ金属層56を形成する。CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い、絶縁膜52上の余分なバリア層54およびプラグ金属層56を除去する。バリア層54およびプラグ金属層56により金属層58が形成される。エッチングストッパ膜46は、ビアを形成する際のストッパ膜として機能する。例えば、絶縁膜52を貫通するビアを形成する際に、エッチングストッパ膜46はエッチングされない。その後、エッチングストッパ膜を貫通するビアを形成する。これにより、シリサイド化された半導体基板10およびゲート電極40の上面へのダメージが緩和される。バリア層54は、例えばTiN膜を用い形成する。プラグ金属層56は、例えばW膜を用い形成する。図19(a)のように、金属層58を形成するマスクのパターンは、pn接合ダイオードが形成される領域のコンタクト領域にビアが形成されるように設けられる。また、金属層58を形成するマスクのパターンは、トランジスタが形成される領域のゲート電極40、ソース領域、ドレイン領域にビアが形成されるように設けられる。
【0059】
図21のように、絶縁膜52および金属層58上にエッチングストッパ膜60aを形成するエッチングストッパ膜60a上に絶縁膜62aを形成する。エッチングストッパ膜60aおよび絶縁膜62aを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62a上にバリア層64aを形成する。ビア内のバリア層64a内および絶縁膜62a上のバリア層64a上に配線層66aを形成する。CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い、絶縁膜62a上の余分なバリア層64aおよび配線層66aを除去する。バリア層64aおよび配線層66aにより金属層68aが形成される。例えば、絶縁膜62aを貫通するビアを形成する際に、エッチングストッパ膜60aはエッチングされない。その後、エッチングストッパ膜60aを貫通するビアを形成する。エッチングストッパ膜60aは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62aは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層64aは、例えばTa膜を用い形成する。配線層66aは、例えばCu膜を用い形成する。
【0060】
図22のように、絶縁膜62aおよび金属層68a上にエッチングストッパ膜60bを形成する。エッチングストッパ膜60b上に絶縁膜62bを形成する。絶縁膜62b上にエッチングストッパ膜60cを形成する。エッチングストッパ膜60c上に絶縁膜62cを形成する。エッチングストッパ膜60bおよび絶縁膜62bを上下に貫通するビアと、エッチングストッパ膜60cおよび絶縁膜62cを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62c上にバリア層64bおよび64cを形成する。ビア内のバリア層64bおよび64c内および絶縁膜62c上のバリア層64c上にプラグ金属層66bおよび配線層66cをめっき法を用い同時に形成する。CMP法を用い、絶縁膜62c上の余分なバリア層64cおよび配線層66cを除去する。バリア層64bおよびプラグ金属層66bにより金属層68bが形成される。バリア層64cおよび配線層66cにより金属層68cが形成される。エッチングストッパ膜60bおよび60cは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62bおよび62cは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層64bおよび64cは、例えばTa膜を用い形成する。プラグ金属層66bおよび配線層66cは、例えばCu膜を用い形成する。このように、配線は例えばデュアルダマシン法を用い形成される。
【0061】
図23のように、絶縁膜62cおよび金属層68c上にエッチングストッパ膜60dを形成する。エッチングストッパ膜60d上に絶縁膜62dを形成する。エッチングストッパ膜60dおよび絶縁膜62dを上下に貫通するビアを形成する。ビア内および絶縁膜62d上にバリア層74を形成する。ビア内のバリア層74内および絶縁膜62c上のバリア層74上に配線層76を形成する。配線層76上に表面層77を形成する。バリア層74、配線層76および表面層77により金属層78が形成される。バリア層64cおよび配線層66cにより金属層68cが形成される。エッチングストッパ膜60dは例えば炭化酸化シリコン膜から形成される。絶縁膜62dは、例えば酸化シリコン膜から形成される。バリア層74は、例えばTiN膜を用い形成する。配線層76は、例えばAlCu膜を用い形成する。表面層77は、例えばTiN膜を用い形成する。
【0062】
絶縁膜62d上に金属層78を覆うように、カバー膜として酸化シリコン膜72および窒化シリコン膜80を形成する。カバー膜に開口82を形成する。以上により、図15の半導体装置が完成する。
【0063】
図16(a)から図23を用い、実施例6に係る半導体装置の製造方法の一例を説明したが、言うまでもなく、その他の方法を用い、実施例6に係る半導体装置を形成してもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 半導体基板
18a 第1金属層
18b 第2金属層
20 回路領域
23 第2pn接合ダイオード
24 第2拡散領域
26 スクライブライン
32 第1拡散領域
33 第1pn接合ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路を形成する工程と、
前記電子回路が形成される回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域を形成する工程と、
前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲む第1金属層を形成する工程と、
前記回路領域の前記少なくとも一辺の前記スクライブラインに対し反対側に前記スクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように第2金属層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記回路領域は、ショット領域内の列方向および行方向にそれぞれ偶数配列され、前記回路領域のうち第1回路領域と第2回路領域とが交互に配列され、
前記第2拡散領域を形成する工程においては、前記第1回路領域を囲むように前記第2拡散領域を形成し、
前記第1金属層を形成する工程においては、前記第1回路領域を囲み前記第2拡散領域に電気的に接触するように第1金属層を形成し、
前記第2金属層を形成する工程においては、前記第2回路領域を囲み前記半導体基板に電気的に接触するように前記第2金属層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2拡散領域を形成する工程は、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ同じ側に第2拡散領域を形成し、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ前記同じ側とは反対の側に第2拡散領域を形成せず、
前記第1金属層を形成する工程は、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ前記同じ側の前記第2拡散領域上に前記第1金属層を形成し、
前記第2金属層を形成する工程は、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ前記同じ側とは反対の側に、前記半導体基板と電気的に接触するように前記第2金属層を形成する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1金属層と前記第2金属層とは、ウエーハの周辺部に形成された金属線を介し電気的に接続されないことを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路が形成された回路領域と、
前記回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成するように形成された第2拡散領域と、
前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲み形成された第1金属層と、
前記回路領域の前記少なくとも一辺のスクライブラインに対し反対側にスクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように形成された第2金属層と、
を具備することを特徴とする半導体ウエーハ。
【請求項1】
半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路を形成する工程と、
前記電子回路が形成される回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成する第2拡散領域を形成する工程と、
前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲む第1金属層を形成する工程と、
前記回路領域の前記少なくとも一辺の前記スクライブラインに対し反対側に前記スクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように第2金属層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記回路領域は、ショット領域内の列方向および行方向にそれぞれ偶数配列され、前記回路領域のうち第1回路領域と第2回路領域とが交互に配列され、
前記第2拡散領域を形成する工程においては、前記第1回路領域を囲むように前記第2拡散領域を形成し、
前記第1金属層を形成する工程においては、前記第1回路領域を囲み前記第2拡散領域に電気的に接触するように第1金属層を形成し、
前記第2金属層を形成する工程においては、前記第2回路領域を囲み前記半導体基板に電気的に接触するように前記第2金属層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2拡散領域を形成する工程は、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ同じ側に第2拡散領域を形成し、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ前記同じ側とは反対の側に第2拡散領域を形成せず、
前記第1金属層を形成する工程は、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ前記同じ側の前記第2拡散領域上に前記第1金属層を形成し、
前記第2金属層を形成する工程は、前記回路領域の両側のスクライブラインのそれぞれ前記同じ側とは反対の側に、前記半導体基板と電気的に接触するように前記第2金属層を形成する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1金属層と前記第2金属層とは、ウエーハの周辺部に形成された金属線を介し電気的に接続されないことを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体基板とpn接合を形成する第1拡散領域を備える電子回路が形成された回路領域と、
前記回路領域の少なくとも一辺とスクライブラインとの間に、前記半導体基板内に前記半導体基板とpn接合を形成するように形成された第2拡散領域と、
前記第2拡散領域上に前記第2拡散領域と電気的に接触し、前記回路領域を囲み形成された第1金属層と、
前記回路領域の前記少なくとも一辺のスクライブラインに対し反対側にスクライブラインに沿って前記半導体基板上に、前記半導体基板と電気的に接触するように形成された第2金属層と、
を具備することを特徴とする半導体ウエーハ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−119506(P2012−119506A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268273(P2010−268273)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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