説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】III-V族窒化物半導体からなるデバイス構造の結晶性を損なうことなく、該デバイス構造を支持する厚膜半導体層の膜厚を十分に大きくできるようにする。
【解決手段】半導体装置におけるデバイス構造体20は、それぞれがIII-V族窒化物半導体からなり、第1半導体層11、発光層12及び第2半導体層13を有している。第2半導体層13における発光層12の反対側の面上には、厚さが約100μmと比較的に厚く、且つ結晶欠陥密度がデバイス構造体20を構成する各半導体層11、12、13よりも大きい、n型窒化ガリウムからなる第3半導体層14が接合されて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短波長発光ダイオード素子又は短波長半導体レーザ素子等の半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
III-V族窒化物半導体からなる半導体材料は、広い禁制帯幅を持つという特徴を生かして、発光デバイス、すなわち、青色、緑色又は白色という可視領域光を発光可能な発光ダイオード素子や短波長半導体レーザ素子に応用することができる。また、広い禁制帯幅を有し且つ電子の飽和ドリフト速度が大きいという特徴から、高周波デバイス又は高出力デバイス等の電子デバイス用材料としても期待されている。
【0003】
なかでも、発光ダイオード素子は、大型ディスプレイ装置及び交通信号機等で既に実用化されており、さらに、青色光又は紫外光により蛍光材料を励起することで白色光を発光する白色発光ダイオード素子は、電球又は蛍光灯と置き換わり、照明器具に応用が可能であるためその期待は大きい。また、半導体レーザ素子についても、より大容量の光ディスク装置向けを中心に、サンプル出荷及び少量生産のレベルにまで達している。
【0004】
窒化物半導体のうち窒化ガリウム(GaN)を主な組成とする、いわゆる窒化ガリウム(GaN)系半導体発光素子においては、窒化ガリウムからなる基板の作製が困難であり、シリコン(Si)又はヒ化ガリウム(GaAs)からなる半導体材料の場合のように、エピタキシャル成長層と同一の組成を持つ基板上への成長を行なうことができない。このため、一般には、組成がエピタキシャル成長層と異なる基板を用いるヘテロエピタキシャル成長が行なわれる。これまでに、ヘテロエピタキシャル成長用の基板として、最も広く用いられ、最も優れたデバイス特性を示しているのはサファイアである。ところが、サファイアは絶縁性であるため、サファイアからなる基板上にpn接合又はpin接合を含む半導体発光素子を形成するには、エピタキシャル成長後にp層又はn層のうちの基板側に成長した層を部分的に露出して、p側電極及びn側電極をいずれも基板の素子領域側に形成する必要がある。このため、素子における直列抵抗の低減が困難である。また、半導体レーザ素子に応用する場合は、共振器構造をへき開により形成する必要があるが、サファイアはへき開が困難であり、さらに窒化ガリウムのへき開面とサファイアのへき開面とが面内で互いに30°だけ回転しているため、良好なへき開面を持つ共振器を得ることは困難である。
【0005】
直列抵抗を低減し且つへき開を容易にする手法として、発光層と基板との間に、例えばハイドライドVPE法により、厚さが100μm以上の窒化ガリウムからなる厚膜を設ける方法がある。このように、厚膜を発光層と基板との間に設けることにより、直列抵抗の低減とへき開の容易性とを実現できる。
【0006】
また、レーザ素子構造を形成した後に基板を除去することにより、半導体レーザ素子の動作特性の改善が図られている。
【0007】
以下、厚膜半導体層を備えた従来の半導体装置とその製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0008】
(第1の従来例)
図11は第1の従来例に係る半導体装置の断面構成を示している。
【0009】
まず、図11に示すように、厚さが300μmのサファイアからなる基板101の上に、有機金属気相成長法により、厚さが約0.5μmのアンドープの窒化ガリウムからなる下地層102を成長する。
【0010】
続いて、ハイドライド気相成長法により、下地層102の上に、厚さが約100μmのn型窒化ガリウムからなる厚膜半導体層104を成長する。
【0011】
続いて、有機金属気相成長法により、厚膜半導体層104の上に、n型の窒化ガリウムからなる第1半導体層105と、InAlGaNからなるダブルへテロ構造を持つ発光層106と、p型の窒化ガリウムからなる第2半導体層107とを順次成長する。ここで、発光層106は、電子及び正孔の閉じ込めとこれらの再結合による生成光の閉じ込めとを同時に行なえる構造を持つ。
【0012】
続いて、塩素ガスを用いたドライエッチングにより、第2半導体層107、発光層106及び第1半導体層105に対してエッチングを行なって、第1半導体層105を選択的に露出する。その後、第2半導体層107の上にp側電極108を形成し、露出した第1半導体層105の上にn側電極109を形成する。
【0013】
(第2の従来例)
図12は第2の従来例に係る半導体装置の断面構成を示している。
【0014】
第2の従来例に係る半導体装置は、第1の従来例と同様に、第2半導体層107までを形成した後、基板101及び下地層102を、例えば研磨法により順次除去されて形成されている。従って、n側電極109は、厚膜半導体層104のp側電極108に対して反対側の面上に形成することができ、さらには、第1半導体層105を露出するエッチングが不要となる。
【0015】
(第3の従来例)
第3の従来例として、特開平10−65214号公報には、pn接合を含むデバイス構造の上に、窒化ガリウムからなり補強層と呼ばれる厚膜半導体層を形成する半導体発光素子の製造方法が開示されている。具体的には、サファイアからなる基板上に酸化亜鉛からなるバッファ層を形成し、その後、有機金属気相成長法により、pn接合を含むデバイス構造を形成する。続いて、ハイドライド気相成長法により、厚膜半導体層を形成した後、バッファ層及び基板をデバイス構造から分離する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前記第1の従来例に係る半導体装置の製造方法は、厚膜半導体層104の上に、発光層106を含む第1及び第2半導体層105、107(デバイス構造)を成長する必要があるため、結晶欠陥密度はできるだけ小さくすることが望ましい。ところが、結晶欠陥密度を小さくすると、サファイアからなる基板101と窒化ガリウムからなる厚膜半導体層104との間の格子不整合又は熱膨張係数の差によって生じるストレスが十分に緩和されなくなる。その結果、厚膜半導体層104におけるストレスが増加して、該厚膜半導体層104にクラックが発生するという問題がある。
【0017】
厚膜半導体層104に生じるクラックを防止するには、厚膜半導体層104の結晶欠陥密度を増大させるか又はその厚さを小さくする必要がある。しかしながら、結晶欠陥密度を増大させると、デバイス構造の欠陥密度も増大してしまい、発光強度及びしきい値電流の電流値等のデバイスの動作特性が悪化する。また、厚膜半導体層104の厚さを小さくした場合には、直列抵抗値が増大する。その上、デバイス構造をチップ状にへき開する際には、周知のようにサファイアの結晶面と窒化ガリウムの結晶面との間にはずれが生じており、厚膜半導体層104を薄膜化してしまうと、基板101のへき開面に占める割合が大きくなることから、デバイス構造に良好なへき開面を得られなくなるという問題がある。このように、厚膜半導体層104の厚膜化及び薄膜化にはそのいずれにも限界がある。
【0018】
また、一般にハイドライド気相成長法により、比較的に厚い半導体層を成長すると、その表面が凹凸状となるため、その上に成長するデバイス構造にも凹凸が生じる。その結果、半導体レーザ素子を作製する場合には、活性層における利得が低下し、且つしきい値電流の値が増大するという問題が生じる。従って、デバイス構造を形成するよりも前に、例えば、平坦化が容易な有機金属気相成長法を用いた再成長によって平坦化するか、又は表面を研磨して平坦化するという工程が必要となる。しかしながら、有機金属気相成長法による再成長で平坦化するには、比較的に厚い層を形成する必要があるため、この再成長によってデバイス構造にクラックが生じやすくなる。また、研磨により平坦化を行なうと、厚膜半導体層を成長した後に生じた基板の反りによって、大面積を均一に研磨するのが困難となる。
【0019】
また、第3の従来例は、厚膜半導体層の欠陥密度がデバイス構造のそれと同等か又はそれよりも少ない場合には、厚膜半導体層と基板との熱膨張係数の差によって、成長後の冷却時にクラックが入りやすく、補強層として機能する例えば100μm以上の厚膜を得ることは困難である。
【0020】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、III-V族窒化物半導体からなるデバイス構造の結晶性を損なうことなく、該デバイス構造を支持する厚膜半導体層の膜厚を十分に大きくできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置及びその製造方法を、デバイス構造を構成する半導体の結晶性と比べて、該デバイス構造を支持する厚膜半導体層の結晶性を低くする構成とする。
【0022】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、活性領域を含む第1導電型の第1半導体層及び第2導電型の第2半導体層と、該第2半導体層側に形成され、結晶欠陥密度が第1半導体層及び第2半導体層よりも大きい第3半導体層とを備えている。
【0023】
本発明の半導体装置によると、結晶欠陥密度が活性領域を含む第1導電型の第1半導体層及び第2導電型の第2半導体層よりも大きい第3半導体層を備えているため、活性領域の結晶性が損なわれず、その上、第1及び第2半導体層に生じるストレスが緩和される。従って、第3の導体層は、クラックが生じることなく比較的に厚く形成できるため、例えば、半導体レーザ素子に適用した場合には、膜厚が比較的に大きい第3半導体層により第1及び第2半導体層に良好なへき開面を得ることができる。これと同時に、第3半導体層を低抵抗とすることにより直列抵抗を低減できるので、しきい値電流が低減する等のレーザ素子の動作特性を向上することができる。
【0024】
本発明の半導体装置において、活性領域が第1半導体層及び第2半導体層と異なるアンドープ又は不純物がドープされた他の半導体層からなることが好ましい。
【0025】
本発明に係る半導体装置において、第1半導体層及び第2半導体層が絶縁性基板の上に順次形成され、第3半導体層が第2半導体層の上に側形成され、第1半導体層の一部は第2半導体層及び第3半導体層から露出していることが好ましい。
【0026】
この場合に、絶縁性基板が、サファイア(単結晶酸化アルミニウム)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化リチウムガリウム又は酸化リチウムアルミニウムからなることが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置において、第1半導体層及び第2半導体層が導電性基板の上に順次形成され、第3半導体層が第2半導体層の上に形成されていることが好ましい。
【0028】
この場合に、導電性基板が、炭化シリコン、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛又は金属からなることが好ましい。
【0029】
本発明に係る半導体装置において、第1半導体層、第2半導体層及び第3半導体層のうちの少なくとも1つが、窒素を含む化合物半導体からなることが好ましい。
【0030】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1導電型の第1半導体層と該第1半導体層の上に第2導電型の第2半導体層を形成することにより、第1半導体層及び第2半導体層の間に活性領域を形成する第1の工程と、第2半導体層の上に、結晶欠陥密度が第2半導体層よりも大きい第3半導体層を形成する第2の工程とを備えている。
【0031】
本発明の半導体装置の製造方法によると、活性領域を含む第2半導体層の上に、結晶欠陥密度が第2半導体層よりも大きい第3半導体層を形成するため、活性領域の結晶性を損なうことなく、第3半導体層を形成することができる。その結果、第1及び第2半導体層に生じるストレスが第3半導体層により緩和されるため、第3半導体層は、クラックが生じることなく比較的に厚く形成することができる。その上、活性領域の平坦性が損なわれることがない。
【0032】
本発明の半導体装置の製造方法において、第1の工程が、第1半導体層と第2半導体層との間に、アンドープ又は不純物がドープされた他の半導体層として活性領域を形成する工程を含むことが好ましい。
【0033】
本発明の半導体装置の製造方法は、第1の工程において、第1半導体層を基板の上に形成し、第2の工程よりも後に、基板を第1半導体層から分離する第3の工程をさらに備えていることが好ましい。
【0034】
この場合に、基板が、サファイア(単結晶酸化アルミニウム)、炭化シリコン、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化リチウムガリウム又は酸化リチウムアルミニウムからなることが好ましい。
【0035】
この場合に、本発明の半導体装置の製造方法が、第2の工程と第3の工程との間に、第3半導体層の上面に該第3半導体層を支持する支持基板を貼り合わせる工程をさらに備えていることが好ましい。
【0036】
この場合の支持基板が、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム又は金属からなることが好ましい。
【0037】
また、第3の工程が、基板の第1半導体層からの分離を研磨法によって行なうことが好ましい。
【0038】
また、基板は、その禁制帯幅が第1半導体層の禁制帯幅よりも大きい材料からなり、第3の工程は、基板における第1半導体層の反対側の面から第1半導体層に対して照射光を照射する工程を含み、照射光のエネルギーは、基板の禁制帯幅よりも小さく且つ第1半導体層の禁制帯幅よりも大きいことが好ましい。
【0039】
この場合に、照射光がパルス状に発振するレーザ光であることが好ましい。
【0040】
又は、照射光が水銀ランプの輝線であることが好ましい。
【0041】
また、第3の工程が基板を加熱する工程を含むことが好ましい。
【0042】
また、第3の工程において、照射光を基板の面内をスキャンするように照射することが好ましい。
【0043】
本発明の半導体装置の製造方法は、第2の工程よりも後に、第2半導体層及び第3半導体層に対して、第1半導体層を選択的に露出するようにエッチングする第3の工程をさらに備えていることが好ましい。
【0044】
本発明の半導体装置の製造方法において、第1半導体層及び第2半導体層を、有機金属気相成長法又は分子線エピタキシ法により形成することが好ましい。
【0045】
また、本発明の半導体装置の製造方法において、第3半導体層を、ハイドライド気相成長法により形成することが好ましい。
【0046】
この場合に、第3半導体層を第1半導体層及び第2半導体層の形成温度と異なる温度で形成することが好ましい。
【0047】
さらに、この場合に、第3半導体層を第1半導体層及び第2半導体層の形成温度よりも低い温度で形成することが好ましい。
【0048】
本発明の半導体装置の製造方法において、活性領域、第1半導体層及び第2半導体層が窒素を含む化合物半導体からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0049】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、結晶欠陥密度が活性領域を含む第1導電型の第1半導体層及び第2導電型の第2半導体層よりも大きい第3半導体層を、クラックが生じることなく比較的に厚く形成するため、半導体レーザ素子の場合には、膜厚が比較的に大きい第3半導体層により第1及び第2半導体層に良好なへき開面を得られると共に直列抵抗を低減できる。その結果、しきい値電流を低減できる等の動作特性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0051】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。
【0052】
図1に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、発光ダイオード素子又は半導体レーザ素子であって、p型の窒化ガリウム(GaN)からなる第1半導体層11とn型の窒化ガリウム(GaN)からなる第2半導体層13との間に形成された、InAlGaNを含む活性領域としての発光層12を有している。発光層12は、例えば、n型の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、アンドープの窒化インジウムガリウム(InGaN)及びp型の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるダブルへテロ構造を持つ。ここでの第1半導体層11、発光層12及び第2半導体層13を併せた3層の厚さは5μm程度である。以下、第1半導体層11、発光層12及び第2半導体層13をデバイス構造体20と呼ぶ。また、半導体レーザ素子の場合には、発光層12を、InGaNからなる井戸層がAlGaNからなる障壁層により挟まれてなる量子井戸構造としてもよい。
【0053】
デバイス構造体20の第2半導体層13における発光層12の反対側の面上には、厚さが約100μmと比較的に厚く、且つ結晶欠陥密度がデバイス構造体20を構成する第1半導体層11及び第2半導体層13よりも大きい、n型窒化ガリウム(GaN)からなる第3半導体層14が、デバイス構造体20を支持する厚膜半導体層として形成されている。
【0054】
第3半導体層14の上には、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)との積層体からなるn側電極15が形成され、第1半導体層11における発光層12の反対側の面上には、ニッケル(Ni)と金(Au)との積層体からなるp側電極16が形成されている。
【0055】
このように、第1の実施形態に係る半導体装置によると、デバイス構造体20を構成する第1半導体層11及び第2半導体層13よりも結晶の欠陥密度が大きい第3半導体層14がデバイス構造体20と接合するように形成されているため、デバイス構造体20を形成した後に、第3半導体層14を形成すれば、デバイス構造体20の結晶性を損なうことなく且つクラックを生じることなく、所望の厚さとなるまで厚膜化することができる。従って、デバイス構造体20を半導体レーザ素子に適用した場合には、該デバイス構造体20がその厚さと比べて20倍程度も大きい第3半導体層14と接合されているため、デバイス構造体20に良好なへき開面を得ることができる。
【0056】
また、第3半導体層14は、高密度の欠陥又はドーピングにより低抵抗化が可能であり、結果としてデバイスの直列抵抗を大幅に低減することが可能である。
【0057】
以下、前記のような構成を持つ半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0058】
図2(a)〜図2(e)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0059】
まず、図2(a)に示すように、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法により、例えばサファイア(単結晶Al)からなる基板30の上に、p型の窒化ガリウムからなる第1半導体層11、InAlGaNを含む発光層12及びn型の窒化ガリウムからなる第2半導体層13を順次成長して、第1半導体層11、発光層12及び第2半導体層13からなるデバイス構造体20を形成する。なお、第1半導体層11及び第2半導体層13の成長温度は、約1050℃に設定している。また、III族源には、例えば、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)及びトリメチルインジウム(TMIn)を用い、窒素源には、例えばアンモニア(NH)を用いている。また、n型ドーパントには、例えばモノシラン(SiH)ガスを用い、p型ドーパントには、例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いている。
【0060】
前述したように、デバイス構造体20の厚さは5μm程度であり、その結晶欠陥密度は10cm−2台と小さく且つその表面は平坦である。
【0061】
次に、図2(b)に示すように、ハイドライド気相成長(Hydride Vapor Phase Epitaxy:HVPE)法により、デバイス構造体20の上に、成長温度が約1000℃と第1半導体層11及び第2半導体層13よりも低い温度で、厚さが約100μmのn型の窒化ガリウムからなる第3半導体層14を成長する。ここでは、ガリウム源には、例えば、金属ガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)とが反応してなる塩化ガリウム(GaCl)を用い、窒素源には、例えばアンモニア(NH)を用いている。また、n型ドーパントにはモノシランガスを用いている。一般に、HVPE法による結晶成長は、100μm/h以上の成長速度を得られるため、比較的に厚い第3半導体層14をMOCVD法を用いるよりも短い時間で成膜することができる。その上、第3半導体層14の欠陥密度は、成長速度等の成長条件に大きく左右されるため、その結晶表面は欠陥密度が大きい程荒れた状態となる。これに対し、欠陥密度が小さくて結晶表面が平坦となるような成長条件の場合は、比較的に厚い第3半導体層14にはストレスが蓄積されるため、クラックが入りやすくなる。
【0062】
第1の実施形態においては、デバイス構造体20をMOCVD法により形成し、その上の第3半導体層14を、HVPE法により結晶欠陥密度を比較的に大きくして、クラックが生じないように成長させることにより、可能な限りその厚さを大きくする。
【0063】
具体的には、結晶欠陥密度は、デバイス構造体20においては10cm−2台であるが、第3半導体層14においては10cm−2台となるように設定している。このように、第3半導体層14は結晶欠陥密度が大きいため、その表面は平坦とならず凹部(窪み)を持つ荒れた状態となる。第1の実施形態においては、第3半導体層14を結晶欠陥密度が大きくなる成長条件とすることにより、平坦性が維持される成長条件の場合には20μm程度の厚さでクラックが生じていたものが、100μm程度の厚さでもクラックが生じなくなる。
【0064】
なお、HVPE法によって成長した第3半導体層14は、MOCVD法における高速成長が可能な成長条件で成長してもよい。但し、この場合でもHVPE法と比べればその成長速度は小さいため、実際には厚膜化に限界がある。
【0065】
次に、図2(c)に示すように、基板30におけるデバイス構造体20の反対側の面(裏面)から、波長が248nmのフッ化クリプトン(KrF)によるキシマレーザ光を基板30の全面をスキャンしながら照射する。このエキシマレーザ光の光エネルギーは、基板30を構成するサファイアの禁制帯幅が持つエネルギーよりも小さく且つ窒化ガリウムの禁制帯幅が持つエネルギーよりも大きい。このため、照射されたレーザ光は基板30では吸収されず、デバイス構造体20、特に第1半導体層11で吸収される。その結果、レーザ光が局所的に吸収されることにより生じる発熱により、基板30と第1半導体層11との界面及びその近傍において、第1半導体層11を構成する窒化ガリウムが分解する。これにより、図2(d)に示すように、基板30がデバイス構造体20から分離されて、第3半導体層14を接合した状態のデバイス構造体20を得ることができる。このとき、エキシマレーザ光を基板30の全面をスキャンしながら照射するため、基板30の面積が比較的に大きい場合でも、レーザ光のビームサイズに依らずに、デバイス構造体20から確実に分離することができる。
【0066】
また、第3半導体層14を結晶成長した後の冷却時には、窒化ガリウムとサファイアとの互いの熱膨張係数の差によって、ストレスが生じる。このストレスをを緩和するために、基板30を500℃程度に加熱してもよい。さらには、基板30を500℃程度に加熱しながらエキシマレーザ光を照射すると、基板30のレーザ光により加熱されて生じる熱ストレスに起因するクラックの発生をも防止することができる。
【0067】
また、照射するエキシマレーザ光は、パルス状に発振することが好ましい。このようにすると、レーザ光の出力パワーを増大させることができるため、基板30のデバイス構造体20からの分離が容易となる。
【0068】
また、照射光をエキシマレーザ光に代えて、波長が355nm(禁制帯幅が3.5eVに相当)のYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)レーザの第3高調波光を用いてもよい。さらには、波長が365nm(禁制帯幅が3.4eVに相当)の水銀(Hg)ランプの輝線を用いた場合には、光の出力パワーではレーザシステムに劣るものの、スポットサイズを大きくできるため、基板30の分離を短時間で行なうことが可能となる。
【0069】
さらに、基板30をデバイス構造体20から分離する他の方法として、レーザ光等を照射する代わりに、研磨法によって基板30を除去してもよい。
【0070】
ここで、基板30の分離法として、光照射法を用いる場合には、分離の際にデバイス構造体20に与えるダメージを小さくできると共に、基板30が反った状態であっても、容易に分離を行なえる。これに対し、研磨法を用いる場合には、光源が不要となるため、製造コストを低減することができる。
【0071】
次に、図2(e)に示すように、例えば電子ビーム蒸着法により、第3半導体層14の上に、チタンとアルミニウムとを順次蒸着してその積層膜からなるn側電極15を形成する。続いて、デバイス構造体20におけるn側電極15の反対側の面上に、ニッケルと金とを順次蒸着してその積層体からなるp側電極16を形成する。その後、デバイス構造体20における所定の領域に対して、ダイシングするか又は半導体レーザ素子の場合にはへき開することにより、デバイス構造体20からデバイスチップを得る。
【0072】
ところで、第3半導体層14を設けずに、デバイス構造体20から基板30を分離する場合には、デバイス構造体20の厚さでは、該デバイス構造体20をその後のプロセスで保持又は搬送するのが困難であるため、例えばシリコン(Si)からなる支持基板をデバイス構造体20の上面に貼り合わせる工程が必要となる。その後、前述したように、電極を形成して、ダイシング又はへき開を行なう。このとき、例えば半導体レーザ素子を作製する場合には、支持基板の貼り合わせは、該支持基板のへき開面と窒化ガリウムのへき開面とが平行となるようにして行なうが、実際の位置合わせの精度は決して高くない。また、基板30の上に成長したデバイス構造体20は、たとえその厚さが5μm程度と薄い場合であっても、基板30との熱膨張係数の差により、断面凸状に反っている。このため、表面が平坦な支持基板との貼り合わせ自体が困難である。その結果、デバイスの歩留まりは低く、デバイスのコストは必然的に高くなる。
【0073】
しかしながら、第1の実施形態においては、デバイス構造体20に、厚さが100μm程度で、しかもクラックを生じさせないように成長させた比較的に厚い第3半導体層14を接合しているため、支持基板を貼り合わせる工程が不要となる。その結果、貼り合わせに関する問題が生じなくなるため、歩留まりが向上し、ひいてはデバイスの低コスト化を実現できる。
【0074】
また、第3半導体層14を含むデバイス構造体20に対するへき開は、窒化ガリウムの固有のへき開面でのみ確実に行なうことができるため、デバイス構造体20に良好なへき開面を得られるようになる。その結果、デバイス構造体20をレーザ素子に適用する場合には、ミラー特性が良好な共振器構造を形成することができるので、デバイスチップの高性能化を達成することができる。
【0075】
さらには、成長用の基板30をデバイス構造体20から分離し除去しているため、n側電極15及びp側電極16を発光層12を挟んで対向するように形成できるため、チップサイズを小さくできると共に直列抵抗の低減を図ることができる。その上、p側電極16のコンタクト領域を形成するための第1半導体層11を露出するドライエッチング工程が不要となる。これによっても、デバイスのコストを低減できる。
【0076】
また、基板30がサファイアのような放熱性が比較的に良好でない材料からなる場合には、該基板30を除去しているため、サファイアよりも放熱性が優れたパッケージ材又はマウント材にデバイスチップを実装すれば、該デバイスチップの放熱性が改善され、例えば半導体レーザ素子の場合にはその長寿命化を達成することができる。
【0077】
なお、基板30には、サファイアに代えて、酸化マグネシウム(MgO)、酸化リチウムガリウム(LiGaO)、酸化リチウムアルミニウム(LiAlO)又は酸化亜鉛(ZnO)からなる単結晶基板を用いてもよい。これらの単結晶基板は、格子定数の値がIII-V族窒化物半導体と近似しているため、該単結晶基板上に窒化物半導体結晶が良好に成長するので、高性能な青色又は青紫色可視域発光素子、すなわち、発光ダイオード素子又は半導体レーザ素子を実現できる。
【0078】
なお、デバイス構造体20の形成方法は、MOCVD法に限られず、分子線エピタキシ(molecular beam epitaxy:MBE)法により形成してもよい。このように、MOCVD法又はMBE法によると、成長する半導体層を数原子層オーダーで制御できるため、多層構造体を容易に且つ再現性良く形成することができる。このため、例えば半導体レーザ素子に適用する場合には、その活性領域として好ましい量子井戸構造を確実に形成できるので、半導体レーザ素子のしきい値電流を低減することができる等の動作特性の向上を図ることができる。
【0079】
また、デバイス構造体20から分離された基板30は、損傷なく分離できた場合には、新たなデバイス構造体の成長用基板として再利用してもよく、資源の有効利用及び半導体装置の製造コストの低減にも有効である。
【0080】
(第1の実施形態の第1変形例)
第1の実施形態の第1変形例として、半導体装置の種類又は形態によっては、図3(a)に示すように、基板分離工程の前に、すなわち基板30にエキシマレーザ光を照射する前に、貼り合わせ法により、例えば、厚さが300μmのシリコン(Si)からなる支持基板40を第3半導体層14の上面に貼り合わせてもよい。具体的には、第3半導体層14の上面に、インジウム(In)からなる第1の融着層41とパラジウム(Pd)からなる第2の融着層42とを順次蒸着し、その後、600℃程度の温度で加熱することにより、第3半導体層14と支持基板40との間で合金化(混晶化)を図る。このとき、支持基板40をデバイス構造20のへき開面とシリコンのへき開面とが互いに平行となるように貼り合わせれば、支持基板40を含めデバイス構造体20のへき開を容易に且つ確実に行なえるようになる。
【0081】
ここで、他の貼り合わせ法として、例えば第3半導体層14と支持基板40との接合面に金(Au)を蒸着した後、380℃程度の温度で加熱することにより、第3半導体層14と支持基板40との間で金の共晶化を図る方法もある。
【0082】
なお、支持基板40にシリコンを用いる場合には、n側電極17として、例えば0.1%のアンチモン(Sb)を含む金(Au)合金(Au−Sb合金(0.1%Sb))を用いると良い。
【0083】
また、基板30と比べて放熱性に優れた金属、例えば銅(Cu)からなる支持基板40を貼り合わせれば、デバイス構造体20の放熱性がさらに向上する。
【0084】
なお、支持基板40は、シリコン及び銅に限られず、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)又はリン化インジウム(InP)を用いてもよい。これにより、例えばデバイス構造体20を半導体レーザ素子とする場合には、しきい値電流の低減及び素子の長寿命化を図ることができる。
【0085】
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図面を参照しながら説明する。
【0086】
図4は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の断面構成を示している。ここで、図4において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0087】
図4に示すように、第2変形例に係る半導体装置は、デバイス構造体20を構成するp型の窒化ガリウムからなる第1半導体層11における発光層12の反対側の面上に、デバイス構造体20よりも結晶欠陥密度が大きく、且つその厚さが約100μmと比較的に厚いp型の窒化ガリウムからなる第3半導体層24が結晶成長により形成されている。すなわち、図1に示す第1の実施形態に係る半導体装置とは、対応する各半導体層の導電型が互いに逆となっている。
【0088】
このように、第2変形例においても、第1の実施形態と同様に、HVPE法により、厚膜半導体層としてのp型の第3半導体層24を、デバイス構造体20のp型の第1半導体層11の上に、活性領域を含むデバイス構造体20よりも欠陥密度を大きくしてクラックが生じないように形成している。さらに、第3半導体層24の成膜後には、デバイス構造体20の成長用の基板を除去している。これにより、デバイス構造体20を挟んで対向するようにn側電極15及びp側電極16を形成できるため、デバイス構造体20の直列抵抗を低減できると共に、チップサイズを小さくすることができ、その上、放熱性が良好となる。
【0089】
また、n型の第2半導体層13を発光層12側から露出するドライエッチング等のエッチング工程が不要となるため、プロセスを簡略化できる。
【0090】
また、基板30を除去しているため、デバイス構造体20には良好なへき開面を得られるようになるため、デバイス構造体20をレーザ素子に適用する場合には、ミラー特性が良好な共振器構造を形成することができる。
【0091】
また、第2変形例においても、第3半導体層24の上面に支持基板40を貼り合わせてもよい。
【0092】
(第1の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例について図面を参照しながら説明する。
【0093】
図5は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置の断面構成を示している。ここで、図5において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0094】
図5に示すように、第3変形例に係る半導体装置は、サファイアからなる基板30と、該基板30上に、MOCVD法等により成膜されたデバイス構造体20と、該デバイス構造体20の上に、HVPE法により成膜され、デバイス構造体20よりも結晶欠陥密度が大きく、且つその厚さが約100μmと比較的に厚いn型の窒化ガリウムからなる第3半導体層14とを有している。
【0095】
このように、第3変形例は、第1の実施形態と同様に、第3半導体層14をデバイス構造体20の第2半導体層13の上に、HVPE法により、活性領域を含むデバイス構造体20よりも欠陥密度を大きくしてクラックが生じないように形成している。
【0096】
また、第3変形例は、デバイス構造体20の成長用の基板30を除去しない構成であるため、p型窒化ガリウムからなる第1半導体層11の一部にp側電極16を形成するためのコンタクト領域を設けている。
【0097】
この第1半導体層11におけるコンタクト領域の具体的な形成方法は、第3半導体層14を成膜した後に、リソグラフィ法により、第3半導体層14の上に、コンタクト領域の上側に開口部を有するレジストパターンを形成した後、形成ししたレジストパターンをマスクとし、例えば塩素(Cl)ガスをエッチングガスとして、第3半導体層14、第2半導体層13、発光層12に対して順次ドライエッチングを行なうことにより、第1半導体層11のコンタクト領域を露出する。なお、第3半導体層14の表面は、前述したように、結晶欠陥密度が比較的に大きいことから荒れているため、図示はしていないが、露出した第1半導体層11のコンタクト領域の表面も荒れている。従って、ドライエッチングに用いるガス種を変えて、発光層12及び第1半導体層11の上部のみを選択的に除去するようにすると、露出した第1半導体層11のコンタクト領域の表面を平坦化することも可能である。
【0098】
このように、第3変形例によると、基板30をデバイス構造体20から除去しない構成であっても、デバイス構造体20よりもその厚さが20倍程度も大きい第3半導体層14をデバイス構造体20と接合して形成しているため、デバイスチップを得るためのへき開は、第3半導体層14である窒化ガリウム固有のへき開面で行なえるので、所望のへき開面を得ることができる。これにより、半導体レーザ素子に適用する場合には、しきい値電流の低減を図ることができ、該半導体レーザ素子の動作特性を向上することができる。
【0099】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0100】
図6は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。ここで、図6において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0101】
第2の実施形態は、デバイス構造体20の成長用の基板に、サファイアを用いる代わりに、p型の炭化シリコン(SiC)からなる基板31を用いている。基板31は導電性を有するため、該基板31をデバイス構造体20から分離せずに接合したままであっても、基板31におけるデバイス構造体20の反対側の面(裏面)上にp側電極18を形成することができる。ここでは、p側電極18には、アルミニウム(Al)とシリコン(Si)との合金を用いている。
【0102】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、HVPE法により、第3半導体層14をデバイス構造体20の第2半導体層13の上に、活性領域を含むデバイス構造体20よりも欠陥密度を大きくしてクラックが生じないように形成している。ここでも、デバイス構造体の結晶欠陥密度は1×10cm−2程度であり、第3半導体層14の結晶欠陥密度は1×10cm−2程度である。さらに、第3半導体層14の成膜後には、基板31の裏面にp側電極18を形成する。これにより、デバイス構造体20を挟んで対向するようにn側電極15及びp側電極18を形成できるため、チップサイズを小さくすることができる。
【0103】
また、第1半導体層11を発光層12側から露出するエッチング工程が不要となるため、プロセスを簡略化できる。その上、デバイス構造体20の直列抵抗値をも低減することができる。
【0104】
通常、炭化シリコンを基板31に用いた場合には、窒化ガリウムに対する格子不整合が3.5%程度だけ存在しており、へき開面は厳密には一致していないため、良好なへき開面を得るのが困難である。
【0105】
第2の実施形態においては、例えば基板31の厚さを100μm未満と第3半導体層14の厚さよりも小さくすると、第3半導体層14の方が基板31よりも厚くなるため、第3半導体層14による良好なへき開面を得ることができるようになる。
【0106】
その上、炭化シリコンは熱伝導率が大きく放熱性に優れるため、例えば半導体レーザ素子に適用する場合には、該レーザ素子の長寿命化等の高性能化を図ることができる。
【0107】
なお、各半導体層の導電型を互いに入れ換えた構成であってもよい。すなわち、基板31のn型の炭化シリコンを用い、該基板31上に、MOCVD法又はMBE法により、第3半導体層13、発光層12及び第1半導体層11を順次成膜する。その後、p型の第3半導体層14をHVPE法により成膜する。
【0108】
この場合には、n側電極にはニッケル(Ni)を用い、p側電極にはニッケル(Ni)と金(Au)との積層体を用いる。
【0109】
また、基板31には、炭化シリコンに代えて、シリコン(Si)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、酸化亜鉛(ZnO)又は金属、例えば銅(Cu)からなる基板を用いてもよい。ここで、例えば、酸化亜鉛は、格子定数の値がIII-V族窒化物半導体と近似しているため、また、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム及びリン化インジウムは、いずれも結晶性が優れているため、その上に窒化物半導体結晶が良好に成長するので、高性能な青色又は青紫色可視域発光素子、すなわち、発光ダイオード素子又は半導体レーザ素子を実現できる。
【0110】
また、金属を用いた場合には、素子の放熱性が改善されるため、例えば半導体レーザ素子に適用した場合には、高温下での動作が可能となり、また素子の長寿命化を図ることができる。
【0111】
また、基板31とデバイス構造体20との間に、基板31の導電型と同一の導電型、すなわち第3半導体層14と反対の導電型を有する、厚さが数十μm程度の第4半導体層を形成してもよい。また、この場合に第4半導体層をHVPE法により成長してもよい。但し、第4半導体層の結晶欠陥密度は、デバイス構造体20の結晶欠陥密度とほぼ同等かそれ以下とすることはいうまでもない。
【0112】
また、デバイス構造体20は、MOCVD法に限らず、MBE法を用いて形成してもよい。
【0113】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0114】
図7は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。ここで、図7において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0115】
図7に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置は、デバイス構造体20における第3半導体層14の反対側の面上に、すなわち、p型の第1半導体層11と接合するように、厚さが約10μmのp型の窒化ガリウムからなる第4半導体層25が形成されている。従って、ニッケル及び金の積層体からなるp側電極16は、第4半導体層25におけるデバイス構造体20の反対側の面上に形成されている。
【0116】
以下、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の概略を説明する。
【0117】
まず、サファイアからなる基板上に、例えばHVPE法により、厚さが約10μmのp型の窒化ガリウムからなる第4半導体層25を成長する。その後は、第1の実施形態と同様にして、MOCVD法により、p型の第1半導体層11、発光層12及びn型の第2半導体層13を順次成長する。
【0118】
HVPE法による結晶成長は、結晶欠陥密度が最も小さくなるような成長条件を選ぶことにより、結晶表面の平坦化が可能である。このように、結晶表面が平坦化される成長条件を選ぶことによって、第4半導体層25は、基板上に成長するに連れて、その結晶欠陥密度は減少し、通常のMOCVD法による結晶成長と比べてもさらに結晶欠陥密度を減少させることが可能となる。第3の実施形態においては、第4半導体層25及びデバイス構造体20における結晶欠陥密度は10cm−2台と小さい。
【0119】
次に、第1の実施形態と同様に、デバイス構造体20の上に、厚さが約100μmのn型の第3半導体層14を、結晶欠陥密度が比較的に大きくなる成長条件、例えば10cm−2程度となる成長条件のHVPE法により、クラックが生じないように成長させる。
【0120】
次に、KrFエキシマレーザ光、YAGレーザの第3高調波光又は水銀ランプの輝線を照射するか、又は研磨法により、基板を第4半導体層25から分離する。その後、第3半導体層14の上にn側電極15を形成し、第4半導体層25におけるn側電極15と反対側の面上にp電極16を形成する。
【0121】
その後は、第3半導体層14及び第4半導体層25を含めデバイス構造体20を所定の領域でダイシング又はへき開して、デバイスチップを得る。
【0122】
以上説明したように、第3の実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得られる上に、基板とデバイス構造体20との間にHVPE法による高品質な第4半導体層25を設けているため、デバイス構造体20の結晶欠陥密度を一層低減することができる。その上、第4半導体層25を設けたことにより、基板を分離する際に、デバイス構造体20が被る照射光によるダメージ又は研磨時の機械的なダメージを低減することができる。その結果、発光層12に発光強度の低下を生じなくなるので、基板の分離の際に生じる素子の動作特性の劣化を防止することができる。
【0123】
また、デバイス構造体20は、MOCVD法に限らず、MBE法を用いて形成してもよい。
【0124】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0125】
図8は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示している。ここで、図8において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0126】
図8に示すように、第4の実施形態に係る半導体装置は、そのデバイス構造体20における第1半導体層11を、p型窒化ガリウムからなる下地層32の上に、該下地層32の上に形成されたマスク膜33の露出部分から選択的に横方向成長させる選択的横方向成長(Epitaxial Lateral Overgrowth:ELO)法により形成されていることを特徴とする。
【0127】
ところで、現在、最も有効な欠陥低減方法はこのELO法である。すなわち、窒化ガリウムからなる下地層の上に、複数の開口部を有するマスク用の薄膜を形成し、その開口部から窒化物半導体の再成長を行なうと、該薄膜上において開口部からの成長を基点とする横方向(基板面に平行な方向)成長が支配的となり、この横方向成長を促進することにより、薄膜の上側に成長する窒化物半導体層に生じる結晶欠陥を大幅に低減するという結晶成長方法である。この方法によると、従来は1×10cm−2程度であった転位密度が10cm−2台にまで低減する。
【0128】
ここで、ELO法におけるマスク用の薄膜であるマスク膜33は、その上に窒化ガリウム等のIII-V族窒化物半導体が実質的に成長しない材料であれば良く、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化チタン(TiO)、タングステン(W)若しくはタングステンを含む金属、又はこれらの積層体を用いることが好ましい。
【0129】
また、マスク膜33のマスクパターンはストライプ状でもよく、また、ドット(島)状でもよい。
【0130】
以下、前記のような構成を持つ半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0131】
図9(a)〜図9(d)及び図10(a)〜図10(c)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の断面構成を示している。
【0132】
まず、図9(a)に示すように、MOCVD法により、例えばサファイアからなる基板30の上に、厚さが0.5μm程度のp型の窒化ガリウムからなる下地層32を成長する。続いて、例えばシラン(SiH)ガスと酸素(O)ガスとを反応させるCVD法により、下地層32の上に、膜厚が約200nmの酸化シリコンからなるマスク形成膜を堆積する。その後、フォトリソグラフィ法及びフッ酸によるウエットエッチング法を用いて、マスク形成膜から開口部33aを有するストライプ状のマスク膜33を形成する。
【0133】
次に、図9(b)に示すように、MOCVD法により、下地層32上におけるマスク膜33の開口部33aから露出する部分に、マスク膜33の上面を覆い且つその表面が平坦化されるように、厚さが約0.5μmのp型の窒化ガリウムからなる第1半導体層11をELO成長する。このようにすると、厚さが約1μmのp型の窒化ガリウムからなる半導体層中に、マスク膜33が基板面に沿って選択的に埋め込まれた構造を得られる。
【0134】
第4実施形態に係る第1半導体層11は、下地層32の結晶状態の影響を受けることなく、基板面に平行な方向(横方向)に再成長している。このため、第1半導体層11の結晶性は、下地層32の結晶性よりも向上する。例えば、下地層32の結晶欠陥密度は1×10cm−2程度であり、第1半導体層11の結晶欠陥密度は10cm−2台に低減される。
【0135】
続いて、MOCVD法により、第1半導体層11の上に、InAlGaNを含む発光層12及びn型の窒化ガリウムからなる第2半導体層13を順次成長して、第1半導体層11、発光層12及び第2半導体層13からなるデバイス構造体20を形成する。なお、第1半導体層11及び第2半導体層13の成長温度は、約1050℃に設定しており、発光層12及び第2半導体層13の表面は平坦である。
【0136】
次に、図9(c)に示すように、第1の実施形態と同様に、HVPE法により、デバイス構造体20の上に、成長温度が約1000℃と第1半導体層11及び第2半導体層13よりも低い温度で、厚さが約100μmのn型の窒化ガリウムからなる第3半導体層14を成長する。このときの第3半導体層14の結晶欠陥密度は、デバイス構造体20の10cm−2台に対して10cm−2台である。第3半導体装置14の結晶欠陥密度がこのような比較的に大きい値となる場合には、前述したように、第3半導体層14の表面は平坦とはならず凹部を有する荒れた状態となる。その結果、第3半導体層14には、ストレスが蓄積されず、従ってクラックが生じないため、その厚さを100μmと比較的に厚く成長させることができる。
【0137】
次に、図9(d)に示すように、基板30におけるデバイス構造体20の反対側の面(裏面)から、パルス状のKrFエキシマレーザ光を基板30の全面をスキャンしながら照射して、図10(a)に示すように、基板30を下地層32から分離して除去する。このとき、基板30を500℃程度の温度に加熱してもよい。また、基板30は研磨して除去してもよい。
【0138】
次に、図10(b)に示すように、下地層32及びマスク膜33を研磨して除去する。
【0139】
次に、図10(c)に示すように、第3半導体層14の上にn側電極15を形成し、デバイス構造体20におけるn側電極15の反対側の面上に、p側電極16を形成する。その後、デバイス構造体20における所定の領域に対して、スクライブするか又は半導体レーザ素子の場合にはへき開することにより、デバイス構造体20からデバイスチップを得る。
【0140】
なお、図10(b)に示した下地層32及びマスク膜33を除去する工程、いわゆる裏面研磨工程は必ずしも行なわなくてもよい。
【0141】
以上説明したように、第4の実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得られる上に、デバイス構造体20における第1半導体層11にELO法を用いているため、デバイス構造体20の結晶性が向上する。
【0142】
なお、基板30には、サファイアに代えて、酸化マグネシウム、酸化リチウムガリウム又は酸化リチウムアルミニウムからなる単結晶基板を用いてもよい。
【0143】
また、半導体装置の形態によっては、図9(d)の基板分離工程の前に、例えばシリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム、又は金属からなる支持基板を第3半導体層14の上面に貼り合わせてもよい。
【0144】
また、デバイス構造体20から分離された基板30は、新たなデバイス構造体の成長用基板として再利用してもよい。
【0145】
また、これまでに説明した各実施形態及びその変形例に用いた基板30、31の主面の面方位は、特定の面に限られない。例えば、サファイアや炭化シリコンの典型的な面方位である(0001)面はいうまでもなく、該(0001)面からわずかにオフセットした、いわゆるオフアングルを持つ主面でもよい。
【0146】
また、各実施形態における発光層12は、p型又はn型にドープされていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図2】(a)〜(e)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法を示す部分的な工程順の構成断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第2形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す構成断面図である。
【図9】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図11】第1の従来例に係る半導体装置を示す構成断面図である
【図12】第2の従来例に係る半導体装置を示す構成断面図である
【符号の説明】
【0148】
11 第1半導体層
12 発光層(活性領域)
13 第2半導体層
14 第3半導体層(厚膜半導体層)
15 n側電極
16 p側電極
17 n側電極
18 p側電極
20 デバイス構造体
24 第3半導体層(厚膜半導体層)
25 第4半導体層(厚膜半導体層)
30 基板
31 基板
32 下地層
33 マスク層
33a 開口部
40 支持基板
41 第1の融着層
42 第2の融着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
III-V族窒化物半導体からなる第1導電型の第1半導体層、III-V族窒化物半導体からなる活性層及びIII-V族窒化物半導体からなる第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層側に形成され、結晶欠陥密度が前記第1半導体層及び第2半導体層よりも大きい第3半導体層とを備え、
前記第3半導体層は、前記第1半導体層及び第2半導体層よりも結晶欠陥密度が大きくなるように形成され、且つ前記第3半導体層は表面に凹凸状を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記活性層は、前記第1半導体層及び第2半導体層と異なるアンドープ又は不純物がドープされた他の半導体層からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1半導体層及び第2半導体層は絶縁性基板の上に順次形成され、前記第3半導体層は前記第2半導体層の上に形成され、前記第1半導体層の一部は、前記第2半導体層及び第3半導体層から露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記絶縁性基板は、サファイア、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化リチウムガリウム又は酸化リチウムアルミニウムからなることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1半導体層及び第2半導体層は導電性基板の上に順次形成され、前記第3半導体層は前記第2半導体層の上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記導電性基板は、炭化シリコン、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛又は金属からなることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
III-V族窒化物半導体からなる第1導電型の第1半導体層、III-V族窒化物半導体からなる活性層及びIII-V族窒化物半導体からなる第2導電型の第2半導体層とを順次形成する第1の工程と、
前記第2半導体層の上に、結晶欠陥密度が前記第2半導体層よりも大きい第3半導体層を形成する第2の工程とを備え、
前記第3半導体層はその表面に凹凸状を有するように形成されていることを特徴する半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の工程は、前記第1半導体層と第2半導体層との間に、アンドープ又は不純物がドープされた他の半導体層として前記活性層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1の工程において、前記第1半導体層を基板の上に形成し、
前記第2の工程よりも後に、前記基板を前記第1半導体層から分離する第3の工程をさらに備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記基板は、サファイア、炭化シリコン、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化リチウムガリウム又は酸化リチウムアルミニウムからなることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第2の工程と前記第3の工程との間に、前記第3半導体層の上面に該第3半導体層を支持する支持基板を貼り合わせる工程をさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記支持基板は、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム又は金属からなることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第3の工程は、前記基板の前記第1半導体層からの分離を研磨法によって行なうことを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記基板は、その禁制帯幅が前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きい材料からなり、前記第3の工程は、前記基板における前記第1半導体層の反対側の面から前記第1半導体層に対して照射光を照射する工程を含み、
前記照射光のエネルギーは、前記基板の禁制帯幅よりも小さく且つ前記第1半導体層の禁制帯幅よりも大きいことを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記照射光は、パルス状に発振するレーザ光であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記照射光は、水銀ランプの輝線であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第3の工程は、前記基板を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項14〜16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第3の工程において、前記照射光は、前記基板の面内をスキャンするように照射することを特徴とする請求項14〜17のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2の工程よりも後に、
前記第2半導体層及び第3半導体層に対して、前記第1半導体層を選択的に露出するようにエッチングする第3の工程をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1半導体層及び第2半導体層は、有機金属気相成長法又は分子線エピタキシ法により形成することを特徴とする請求項7〜19のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記第3半導体層は、ハイドライド気相成長法により形成することを特徴とする請求項7〜19のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
前記第3半導体層は、前記第1半導体層及び第2半導体層の形成温度と異なる温度で形成することを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記第3半導体層は、前記第1半導体層及び第2半導体層の形成温度よりも低い温度で形成することを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−300146(P2007−300146A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213555(P2007−213555)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【分割の表示】特願2002−64726(P2002−64726)の分割
【原出願日】平成14年3月11日(2002.3.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】