半導体装置
【課題】パワーMOSFET、IGBTのスイッチング素子のオン抵抗を低減する半導体装置を提供する。
【解決手段】p型半導体基板101の表面にソース拡散層であるn+領域102、ドレイン拡散層であるn+領域103、ゲート絶縁膜106および透明なゲート電極107を有するMOSFETに対して、透明なゲート電極107とゲート絶縁膜106を介して基板のチャネル領域にLED等の光源から光を照射することによって、チャネル抵抗を低減する。
【解決手段】p型半導体基板101の表面にソース拡散層であるn+領域102、ドレイン拡散層であるn+領域103、ゲート絶縁膜106および透明なゲート電極107を有するMOSFETに対して、透明なゲート電極107とゲート絶縁膜106を介して基板のチャネル領域にLED等の光源から光を照射することによって、チャネル抵抗を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、パワーMOSFET、IGBT等に適用して好適な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(横型)は、例えばp型基板表面のソース、ドレイン拡散層(n+領域)の間に、ゲート酸化膜を介してゲート電極が設けられ、所定のゲート電圧を与えると、基板中の電子がクーロン力によってゲート電極に引き寄せられ、チャネル領域が形成され電流が流れる。オン抵抗は、ゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)で決まる。MOSFETは、静電場を利用してデバイスのオン/オフ制御を行う。静電場を利用するデバイスには、JFET(Junction gate Field Effect Transistor)、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が知られている。
【0003】
パワーMOSFET(縦型)では、ドレイン端子が例えばn−基板底面に設けられ、n−エピタキシャル層のp領域内のn+領域に接続されたソース端子と、ゲート端子が、上側に取り付けてある。ゲート電極は、n−エピタキシャル層上に絶縁膜を介して設けられている。ゲート電極に正電位を与えると、基板側に電子が寄せられるので、n−エピタキシャル層とソースはp領域を通って導通し、最終的にドレインまで電子が流れる。ゲートを小型にして、基板上面全体に配設することでオン抵抗を下げる。縦型MOSFETは、横型MOSFETに比べて大電流を流すことができるが、大電流を流すためには基板が大型となる。この場合、ゲート容量が増大するので、高周波でのスイッチングは困難になる。
【0004】
大電力の制御に利用されているIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)においては、コレクタがp型基板底面にあり、エミッタとゲートが、エピタキシャル層の拡散層に接続されたエミッタ電極と、エピタキシャル層の上に絶縁膜を介して設けられたゲート電極より引き出される。MOSFET(縦型)との違いは、下側にp領域が設定されていることである。これによって、キャリア密度が高くなるため、オン抵抗が下がるので大電力用に向いている。スイッチ制御はユニポーラ型であり、制御電力が小さくできる。オン抵抗に関してはバイポーラ型になる。ターンオフ時間はMOSFETに比べて長くなり、スイッチング時間は長くなる。
【0005】
図10は、IGBTの構造とオン動作時のキャリアの流れを示す図(非特許文献1の図面をそのまま引用した)である。コレクタ側からホールが上向きに流れ、エミッタ側から電子が下向きに流れる。このため、中間部分でキャリアの再結合が生じる。また、図示のごとく、寄生npnトランジスタができるため、大きな電流が流れると、導通状態が保持され、ターンオフ機能を失う場合がある。また電流路比較的長い。したがって、オン抵抗を低減するために、トレンチ型IGBT(TIGBT)が開発されるに至った。
【0006】
図11は、トレンチ型IGBTの一例を示す図(三菱電機HPからそのまま引用した図)である。ゲート電極は、縦型であり、n−領域まで延在されている。このため、電流路が短くなり、オン抵抗が低減される。トレンチ型IGBTは、例えば、CSTBT(Carrier Stored Trench gateBipolar Transistor)等が知られている。CSTBTは、通常のTIGBTと比較すると、Carrier stored n層が存在する。トレンチ型の電極構造は、横型MOSFET等でも用いられており、DRAM等では、IGBTやパワーMOSFET等よりも以前から用いられており、低抵抗化の一般的な手段である。図5には、一つのユニットが示されているが、通常、複数のユニットが、同一チップ上に設けられる。
【0007】
図12は、パワーMOSFETのオン抵抗の説明する図であり、非特許文献1の図面からそのまま引用した。ソース抵抗Rs、ドレイン抵抗Rdは、ソース電極、ドレイン電極の電圧でそれぞれ決定され、相対的に低い。デバイスのオン抵抗は、Rch、Repiで決まる。Rch(チャネル抵抗)は、ゲートによって引き寄せられた電荷部分を通って流れる時の抵抗であり、チャネルの電流路は薄いため、大きな抵抗になる。また、Repiはエピタキシャル層を流れる時の抵抗であり、IGBT等では、キャリア密度が高くなるので、抵抗値は低くなる。
【0008】
図13は、IGBTやバイポーラ接合トランジスタ(BJT)のコレクタ・エミッタ間電圧(VCE:collector−to−emitter voltage)、及びMOSFETの場合にはドレイン・ソース間電圧(drain−to−source voltage)と出力電流の一般的な関係を示す図であり、非特許文献1の図面からそのまま引用した。バイポーラ素子は電圧が上昇すると急激に電流が増大するが、最終的には飽和する。一方、MOSFETは電圧を上げると単調に電流も増大する傾向を示す。
【0009】
【非特許文献1】山崎浩著、「よくわかるパワーMOSFET/IGBT入門」、日刊工業新聞、2002年、7月発刊
【非特許文献2】IEEE Photonics Technology Letters, Vol.16、No 1, p117, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、パワーMOSFET、IGBT等のパワー素子のチャネル抵抗を低減する半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願で開示される発明は、概略以下の構成とされる。
【0012】
本発明は、キャリアが走行するチャネル領域に光を照射する光源を備え、前記光源をオンさせ、チャネル電流を流す。
【0013】
本発明は、ゲート部に向けて光を照射する光源を半導体装置内に備え、前記光源はオン・オフ制御される。
【0014】
本発明の前記半導体装置は横型MOSFETを含む。
【0015】
本発明の半導体装置は縦型MOSFETを含む。
【0016】
本発明の前記半導体装置はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む。本発明において、IGBTのトレンチゲート電極のトレンチ底部に光反射板を備えている構成としてもよい。
【0017】
本発明は、ゲート電極及びゲート酸化膜が、前記光を透過する導電部材よりなる。
【0018】
本発明において、ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている。
【0019】
本発明において、前記縦型MOSFETのソース電極のゲート電極と対向する側と、前記ゲート電極との間の空間内に前記光源を備えている。
【0020】
本発明において、前記縦型MOSFETのソース電極に開口を備え、開口の一端はゲート電極と対向し、開口の他端には前記光源を備えている。
【0021】
本発明において、ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている。
【0022】
本発明において、前記IGBTのエミッタ電極に開口部を備え、前記開口部の一端側は、ゲート電極に対向し、前記開口部の他端は前記光源に対向し、前記光源の前記開口部の他端と反対側には光反射板が設けられている。
【0023】
本発明において、前記光源からの光を導波する光導波路を備えた構成としてもよい。
【0024】
本発明において、前記光源として前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して面発光素子が配設されている。
【0025】
本発明において、前記光源として前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して光源が配設され、前記光源と前記半導体装置との間に光拡散層が配設され、前記光源の前記光拡散層に対向する側と反対側に光反射板を備えた発光素子を備えている。
【0026】
本発明において、前記ゲート電極を覆う絶縁樹脂が前記光源の光を透過する。
【0027】
本発明において、前記光源がLED(Light Emitting Diode)を含む。
【0028】
本発明において、前記半導体装置と前記発光素子の接合面において、光を遮る部位に遮光膜を備えている。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ゲート電圧印加と光照射とにより、チャネル電流を制御するため、オン抵抗を低減している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
上記した本発明についてさらに詳細に説述すべく、添付図面を参照して以下に説明する。図1(A)は、本発明の一実施形態のMOSFETの原理を説明する図である。p基板101の表面に、n+領域(ソース拡散層)102とn+領域(ドレイン拡散層)103を作成し、それぞれにソース電極とドレイン電極になる、電極104、105を設ける。電極104、105として、周知の半導体製造工程にしたがって配設され、アルミニウムや銅が利用される。ゲート電極107(透明電極)は、p型基板101上にゲート絶縁膜106を介して配設される。ゲート絶縁膜106は、p型基板101がシリコンやSiCである場合、二酸化シリコン(SiO2)が用いられる。特に制限されないが、膜厚は例えば1um程度とされる。よく知られているように、二酸化シリコン(SiO2)は光学的に透明であり、赤外から可視光、紫外領域までの光を通す。
【0031】
ゲート電極107は、光学的に透明な導電材料として、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)やZnO酸化亜鉛等が用いられる。あるいは、有機材料等を用いてもよい。
【0032】
本実施形態においては、ソース・ドレイン間に電流(チャネル電流)を流すためには、透明なゲート電極107に、ゲート電圧を印加するだけでなく、背後から光を照射する。ゲート電極107に電位が印加されるので、MOSFETと同様に、キャリアとなる電子が引き寄せられ、ソース102とドレイン103間にチャネル領域が形成され、ソース102とドレイン103間に電流が流れる。図1(B)は、図1(A)の等価回路である。背後から光を照射すると、光ダイオードと同じ原理で、逆電圧になっていてもオンする。そして、光の波長を適切に選択することによって、光は基板101内に入射する。チャネル電流の領域が広がり、オン抵抗が低減する。このようなデバイス構造を、便宜上、「Optical MOSFET」と呼ぶ。また、光照射によりチャネル抵抗の低減を図るゲート構造を、「Optical Gate」(光学的ゲート)とも呼ぶ。特に制限されないが、本実施の形態では、光源としてLED(Light Emitting Diode)を利用する。
【0033】
MOSFETでは、光の照射によりリーク電流(例えばゲート電圧が閾値以下で流れるソース・ドレイン間電流)が大きくなることから、通常、半導体基板をパッケージして遮光している。
【0034】
これに対して、本実施の形態では、光を利用して、MOSFETのオン/オフを制御し、オン抵抗を低減させるものである。ゲート電圧を印加し、静電的に電子を引き寄せてチャネルを作る場合には、チャネル領域の厚さは1um(micrometer)程度である。
【0035】
本実施の形態において、光吸収によって、MOSFETをオンさせるには、照射する光のエネルギーは、バンドギャップより高いことが必要である。光の到達深度は、吸収係数に依存するが、チャネル領域に到達するようにすることで、ソース・ドレイン間の導通が確保される。シリコン基板では、到達深度は、可視光領域で、例えば数十umから100um程度であり、基板表面のチャネル領域に達する。
【0036】
このように、本実施の形態では、静電的な方法(ゲート電圧印加)のみを利用する場合と比べて、チャネル抵抗を低減する。
【0037】
また、本実施形態によれば、トレンチ電極を用いることなく同等の効果を奏する。すなわち、半導体基板にトレンチを形成しなくても、オン抵抗を低減することができ、大電流を流すことができる。
【0038】
ゲート電圧によりオン・オフを行うデバイスにおいて、高周波でスイッチングを行う場合、ゲート容量を小さくするため、ゲート寸法の縮減、ゲートの分割等が行われる。
本実施の形態において、光源のLEDは、印加電圧2V程度で発光する。LEDを並列に接続して照射する場合には、低いゲート電圧でトランジスタをオン状態とすることが出来る。また、LEDの消費電力を見積もっても、デバイス全体の消費電力の低減できる場合がある。小型のLEDのスイッチング周波数は、GHzオーダとされ、IGBTやMOSFETに本発明を適用した場合、スイッチング周波数は、従来のデバイスよりも高くなる。
【0039】
本実施の形態は、光源(LED)からの光を、トランジスタのオン/オフ制御に用いることでトランジスタのスイッチング周波数を向上しており、本発明の特徴の1つをなしている。本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0040】
<実施例1>
図2は、本発明の第1の実施例の構成を示す図である。図2には、縦型MOSFETに「Optical Gate」構成を備え、デバイス上部から光を照射する。ゲート絶縁膜209は透明部材の絶縁膜、ゲート電極210は透明部材の導電膜よりなり、照射光を透過する。ソース、ドレイン拡散層をなすn+領域205、206からp層(p型ウエル)203、204を通り、n−エピタキシャル層202を通して電流が流れる。光吸収に応じて電流通路が確保される。n−エピタキシャル層202にも光が導入されるので、n−エピタキシャル層202の抵抗も低減できる。これは光伝導効果の一例である。なお、図9は、縦型MOSFETの構成を示したが、IGBTにも同様に適用できる。
【0041】
光を利用すればソース電極207と接合しているn+層205での電子密度は、低く設定できる。これにより、絶縁耐圧特性等を改善する。特に制限されないが、ゲート電極(透明電極)210は、数um程度のディメンジョンに形成される。
【0042】
<実施例2>
図3は、トレンチ型IGBTに、本発明を適用した実施例であり、「Optical Gate」構造を備え、上部から光を照射する。ゲート絶縁膜309及びゲート電極310は照射光を透過する。n+領域205、306からpベース層304を通り、n−エピタキシャル層303、n+バッファ層302、p+基板301を透過し、電流通路が確保される。n−エピタキシャル層303にも光が導入されるので、n−エピタキシャル層303の抵抗も低減できる。波長の異なった光を用いると、素子を作る材料中の吸収される距離が異なるため、それに応じて電流チャネルが制御できる。波長の異なるLED光源を利用してもよい。
【0043】
ゲート直下、ソース、ドレイン拡散層をなすn+領域305、306の間にトレンチ311が形成され、トレンチ内壁は絶縁膜311で覆われ、さらに、トレンチ底部に、先端が突起した円錐型の光反射板314を備え、トレンチ内の光反射板314の上方には導電部材313が埋設され、導電部材313の上端はゲート電極310底面と当接し、トレンチ型のゲート電極を構成している。トレンチ内の光反射板314により、トレンチ状のゲート電極に沿ってチャネル領域の形成を確保しやすくしている。
【0044】
<比較例>
図4は、比較例として、従来のMOSFET(縦型)のソース及びゲート側の電極構造の例を示す図である(非特許文献1からの引用)。ソース301には大電流が、流れるので、主面(表面)にはほぼ全面に電極が取り付けられ、抵抗を低減し、さらに放熱作用により発熱を低減している。ゲート402にはそれほど大きな電流が流れないので、ゲート電極を延ばして、端部でそれらを束ねて、素子のゲートとしている。
【0045】
<実施例3>
図4に示した構成のデバイスに本発明を適用した例を説明する。光源(LED)を取り付け、それからの光をゲート部に照射するには、2つの手法がある。
【0046】
MOSFETの場合には、ソース電極(IGBTではエミッタ電極)の内側にLEDを設置する。LEDの発光部を0.1mm角程度の大きさとする。
【0047】
図5は、本発明の第3の実施例の構成を示す図であり、ソース拡散層(n+領域505、506)に接続するソース電極509の内側にLED510を配置したものである。なお、ソース電極509と基板表面の間、ゲート電極507の間の空間は、不図示の絶縁層(層間絶縁膜)が堆積されている。LED510はゲート電極507の寸法よりも小さい。なお、ゲート電極507は、紙面に垂直方向に延在されている。
【0048】
LED510への配線形態として、一端はゲート電極507につながり、他端はソース電極509に接続される。ゲート電圧を、例えば10V前後にする場合には、LEDには、高電圧となるので、LEDを直列接続するようにしてもよい。
【0049】
ソース電極509(IGBTではエミッタ電極)は、金属部材よりなるため、内側の光の当たる表面は、アルミニウムや銀等でメッキしても良い。LED510とゲート電極507の間の層間絶縁膜は、透明の樹脂(プラスチック)等が充填される。
【0050】
LED510を、微細加工したゲート電極507毎に実装するのではなく、ソース電極509に開口を設け、開口部から、光をゲートに照射するようにしてもよい。あるいは、開口に透明電極材料を充填してもよい。
【0051】
<実施例4>
図6は、本発明の第4の実施例の構成を示す図であり、IGBTへの応用例を示している。エミッタ電極609の上方にLED610がマウントされている。光をゲート電極直下のチャネル形成領域に導くために、エミッタ電極609には開口613が設けられている。ゲート部の上にあるエミッタ電極609を、ゲート電極608が配置されている方向に切って、溝を作るようにしてもよい。この場合、数ミクロンから10ミクロン程度のゲート寸法において、光の回折は生じにくい。
【0052】
また、LED610を間に、エミッタ電極609の上面と対向する側に、光反射板611を備えている。光反射板611は、表面を反射材でコーティングするか、あるいはメッキ処理してもよい。エミッタ電極609において、LED光源からの光が当たる領域は、表面を反射材でコーティングするか、あるいはメッキ処理するようにしてもよい。
【0053】
また、LED610からの光の通過する開口613内は、絶縁性の透明樹脂(不図示)を埋設されている。本実装例においても、複数のLEDを実装してもよい。光の半導体基板への透過を考慮して波長の選択を行うようにしてもよい。
【0054】
LEDでIBGTやMOSFET全体を照射するためには、LEDから出て光を拡散させてからゲート直下のチャネル形成領域に導くために、LEDとエミッタ電極の間に光拡散板を配置するようにしてもよい。
【0055】
<光導波路の参考例>
図7は、非特許文献2(IEEE Photonics Technology Letters, Vol.16、No 1, p117, 2004)からそのまま引用したものである。(図7に示した非特許文献2でなされた研究に、本願発明者はいっさい関与していない。)本願明細書であえて非特許文献2の図面を引用した趣旨は、あくまでも、導波路のイメージの理解を援けるためである。マイクロ光導波路(図7(A)、図7(B))及び、それのソケット(図7(D))と光コンピュータの部分(図7(C))を示している。図7(A)は、多数の光を導くための光導波路(Wave Guide)であり、図7(B)はその一つの部分拡大図である。光導波路は円柱状であり、その直径は5um程度である。
【0056】
上記したIGBTやパワーMOSFET等のゲートの寸法と同程度である。光導波路は、図7(C)のソケット部を通り固定され、光回路を形成し、一列に並んだソケットやマトリックス状のソケットの試作が報告されている(非特許文献2)。
【0057】
<実施例5>
図7に示されているような、光導波路とソケットを利用することによって、半導体デバイスの必要な部分に光を導くことができる。すなわち、光源から、光導波路、ソケットを通して、素子のゲート領域に光を照射するようにしてもよい。
【0058】
有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイは、よく知られているように、面発光素子であり、微細構造素子であり、発光強度が調節自在であり、種種の波長の光が発光できる、等の特徴を有する。LEDは、発光素子の寸法は0.1mm角くらいから0.3mm角程度であり、IGBTやパワーMOSFETの半導体基板のサイズは10mm角程度であるため、光を全体に渡らせるには、光拡散する方法が必要になる。
【0059】
<実施例6>
「Optical Gate」構造の光源として、面発光素子を用いた場合、そのような構造は不要であり、光でスイッチングすることが出来る。ゲート電極が透明電極材料からなるIGBTやパワーMOSFETを作製し、例えば図6に示したようにエミッタ電極に開口を備えた構造にしてから、ゲート側に面発光素子を貼り付けることで素子として完成する。その後、遮光用に樹脂等で封止する。なお、ディスプレイ用の光源は周波数応答が相対的に低いことから、高速スイッチングには向いていない。
【0060】
図8は、面発光素子(有機EL)815をIGBT上にマウントした例を示している。光はほぼIGBTのゲート側に垂直に入射される。エミッタ電極809及びゲート電極808は、紙面垂直方向に延在され、不図示の端部でそれぞれ接合されている。
【0061】
IGBT側は、接合面812より下方の領域は、透明樹脂等の絶縁膜810が充填されており、光を透過させる。また必要に応じて、例えばn+領域805、806等に対応する位置には、遮光部材(遮光膜)814を配設してもよい。図8の面発光素子815は薄型である。
【0062】
<実施例7>
図9は、本発明の第7の実施例の断面構成を模式的に示す図である。LED913よりなる点光源光と、光拡散層(光拡散板)916を備えている。LED913の光拡散層(光拡散板)916の対向面と反対側には、光反射板915が配設されている。光拡散層916は、点光源であるLED913からの光を拡散し、ゲート部等の光照射先に均等に光が到達する作用を有する。また、図8と同様に、接合面912の所定の箇所に、遮光膜914を設けてもよい。透明絶縁樹脂910をIGBT上に堆積してから、発光部917と接合する。LED916は、有機EL等に比べて発光効率は高く、高い周波数特性があるため、スイッチング周波数も高くできる。
【0063】
本実施例では、点光源と光拡散層を用いた例を説明したが、点光源を利用する場合には、これ以外にも、光ファイバを利用してもよいし、あるいは、光学材料を適宜選択するか、あるいは、光学材料の屈折率や透過率等を制御することによって、必要な部分に集中的に光を照射するようにしてもよい。
【0064】
透明ゲート電極と透明ゲート絶縁膜の境界面の面粗度を下げ光を拡散する構成としてもよい。あるいは、ゲート電極とゲート絶縁膜の境界面に、無反射コーティング被膜を備えた構成としてもよい。
【0065】
本実施例において、ゲート部を照射する光源を半導体レーザで構成してもよい。
本実施例において、半導体レーザはシリコン半導体レーザ(シリコンレーザ)で構成してもよい。
本実施例において、光源を、スイッチング素子と同一のシリコンウエハ上に形成されるシリコン半導体レーザで構成してもよい。
本実施例において、前記シリコン半導体レーザからの光が、前記スイッチング素子のゲート部を照射するように、前記シリコン半導体レーザは前記ゲート部の隣に配置され、前記シリコン半導体レーザからの出射光が前記ゲート部の上部を照射するように案内される構成としてもよい。本実施例において、前記シリコン半導体レーザからの出射光を反射し、前記反射光を前記ゲート部の上部を照射させるミラーを備えた構成としてもよい。
【0066】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図4】公知の半導体デバイスの概略構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第5の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第6の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第7の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図10】IGBT動作時のキャリアの流れを示す図(非特許文献1からそのまま引用)である。
【図11】トレンチ型IGBTの構造を説明する図(三菱電機株式会社のHPからそのまま引用)である。
【図12】パワーMOSFETのオン抵抗を説明する図(非特許文献1からそのまま引用)である。
【図13】パワーMOSFETのオン抵抗の電圧電流特性説明する図(非特許文献1からそのまま引用)である。
【符号の説明】
【0068】
101 P基板
102 n+領域(ソース拡散層)
103 n+領域(ドレイン拡散層)
201 n+基板
202 n−エピタキシャル層
203、204 p層(pウエル)
205 n+領域(ソース拡散層)
206 n+領域(ドレイン拡散層)
207 ソース電極
208 ドレイン電極
209 ゲート絶縁膜
210 ゲート電極
301 p+基板
302 n+バッファ層
303 n−エピタキシャル層
304 pベース層
305 n+領域(ソース拡散層)
306 n+領域(ドレイン拡散層)
307 ソース電極
308 ドレイン電極
309 ゲート絶縁膜
310 ゲート電極
311 トレンチ
312 絶縁膜
313 導電部材(ゲート電極)
314 光反射板
315 コレクタ電極
401 ソース
402 ゲート
403 ドレイン
501 n+基板
502 n−エピタキシャル層
503、504 p層(pウエル)
505 n+領域(ソース拡散層)
506 n+領域(ドレイン拡散層)
507 ゲート絶縁膜
508 ゲート電極
509 ソース電極
510 LED
511 ドレイン電極
601 p+基板
602 n−エピタキシャル層
603、604 p層(pウエル)
605 n+領域(ソース拡散層)
606 n+領域(ドレイン拡散層)
607 ゲート絶縁膜
608 ゲート電極
609 エミッタ電極
610 LED
611 光反射板
612 コレクタ電極
801 p+基板
802 n−エピタキシャル層
803、804 p層(pウエル)
805 n+領域(ソース拡散層)
806 n+領域(ドレイン拡散層)
807 ゲート絶縁膜
808 ゲート電極
809 エミッタ電極
810 透明絶縁樹脂
811 コレクタ電極
812 接合面
813 光発光層
814 遮光膜
815 面発光素子
901 p+基板
902 n−エピタキシャル層
903、904 p層(pウエル)
905 n+領域(ソース拡散層)
906 n+領域(ドレイン拡散層)
907 ゲート絶縁膜
908 ゲート電極
909 エミッタ電極
910 透明絶縁樹脂
911 コレクタ電極
912 接合面
913 LED(点光源)
914 遮光膜
915 光反射板
916 光拡散層
917 光学素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、パワーMOSFET、IGBT等に適用して好適な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(横型)は、例えばp型基板表面のソース、ドレイン拡散層(n+領域)の間に、ゲート酸化膜を介してゲート電極が設けられ、所定のゲート電圧を与えると、基板中の電子がクーロン力によってゲート電極に引き寄せられ、チャネル領域が形成され電流が流れる。オン抵抗は、ゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)で決まる。MOSFETは、静電場を利用してデバイスのオン/オフ制御を行う。静電場を利用するデバイスには、JFET(Junction gate Field Effect Transistor)、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が知られている。
【0003】
パワーMOSFET(縦型)では、ドレイン端子が例えばn−基板底面に設けられ、n−エピタキシャル層のp領域内のn+領域に接続されたソース端子と、ゲート端子が、上側に取り付けてある。ゲート電極は、n−エピタキシャル層上に絶縁膜を介して設けられている。ゲート電極に正電位を与えると、基板側に電子が寄せられるので、n−エピタキシャル層とソースはp領域を通って導通し、最終的にドレインまで電子が流れる。ゲートを小型にして、基板上面全体に配設することでオン抵抗を下げる。縦型MOSFETは、横型MOSFETに比べて大電流を流すことができるが、大電流を流すためには基板が大型となる。この場合、ゲート容量が増大するので、高周波でのスイッチングは困難になる。
【0004】
大電力の制御に利用されているIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)においては、コレクタがp型基板底面にあり、エミッタとゲートが、エピタキシャル層の拡散層に接続されたエミッタ電極と、エピタキシャル層の上に絶縁膜を介して設けられたゲート電極より引き出される。MOSFET(縦型)との違いは、下側にp領域が設定されていることである。これによって、キャリア密度が高くなるため、オン抵抗が下がるので大電力用に向いている。スイッチ制御はユニポーラ型であり、制御電力が小さくできる。オン抵抗に関してはバイポーラ型になる。ターンオフ時間はMOSFETに比べて長くなり、スイッチング時間は長くなる。
【0005】
図10は、IGBTの構造とオン動作時のキャリアの流れを示す図(非特許文献1の図面をそのまま引用した)である。コレクタ側からホールが上向きに流れ、エミッタ側から電子が下向きに流れる。このため、中間部分でキャリアの再結合が生じる。また、図示のごとく、寄生npnトランジスタができるため、大きな電流が流れると、導通状態が保持され、ターンオフ機能を失う場合がある。また電流路比較的長い。したがって、オン抵抗を低減するために、トレンチ型IGBT(TIGBT)が開発されるに至った。
【0006】
図11は、トレンチ型IGBTの一例を示す図(三菱電機HPからそのまま引用した図)である。ゲート電極は、縦型であり、n−領域まで延在されている。このため、電流路が短くなり、オン抵抗が低減される。トレンチ型IGBTは、例えば、CSTBT(Carrier Stored Trench gateBipolar Transistor)等が知られている。CSTBTは、通常のTIGBTと比較すると、Carrier stored n層が存在する。トレンチ型の電極構造は、横型MOSFET等でも用いられており、DRAM等では、IGBTやパワーMOSFET等よりも以前から用いられており、低抵抗化の一般的な手段である。図5には、一つのユニットが示されているが、通常、複数のユニットが、同一チップ上に設けられる。
【0007】
図12は、パワーMOSFETのオン抵抗の説明する図であり、非特許文献1の図面からそのまま引用した。ソース抵抗Rs、ドレイン抵抗Rdは、ソース電極、ドレイン電極の電圧でそれぞれ決定され、相対的に低い。デバイスのオン抵抗は、Rch、Repiで決まる。Rch(チャネル抵抗)は、ゲートによって引き寄せられた電荷部分を通って流れる時の抵抗であり、チャネルの電流路は薄いため、大きな抵抗になる。また、Repiはエピタキシャル層を流れる時の抵抗であり、IGBT等では、キャリア密度が高くなるので、抵抗値は低くなる。
【0008】
図13は、IGBTやバイポーラ接合トランジスタ(BJT)のコレクタ・エミッタ間電圧(VCE:collector−to−emitter voltage)、及びMOSFETの場合にはドレイン・ソース間電圧(drain−to−source voltage)と出力電流の一般的な関係を示す図であり、非特許文献1の図面からそのまま引用した。バイポーラ素子は電圧が上昇すると急激に電流が増大するが、最終的には飽和する。一方、MOSFETは電圧を上げると単調に電流も増大する傾向を示す。
【0009】
【非特許文献1】山崎浩著、「よくわかるパワーMOSFET/IGBT入門」、日刊工業新聞、2002年、7月発刊
【非特許文献2】IEEE Photonics Technology Letters, Vol.16、No 1, p117, 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、パワーMOSFET、IGBT等のパワー素子のチャネル抵抗を低減する半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願で開示される発明は、概略以下の構成とされる。
【0012】
本発明は、キャリアが走行するチャネル領域に光を照射する光源を備え、前記光源をオンさせ、チャネル電流を流す。
【0013】
本発明は、ゲート部に向けて光を照射する光源を半導体装置内に備え、前記光源はオン・オフ制御される。
【0014】
本発明の前記半導体装置は横型MOSFETを含む。
【0015】
本発明の半導体装置は縦型MOSFETを含む。
【0016】
本発明の前記半導体装置はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む。本発明において、IGBTのトレンチゲート電極のトレンチ底部に光反射板を備えている構成としてもよい。
【0017】
本発明は、ゲート電極及びゲート酸化膜が、前記光を透過する導電部材よりなる。
【0018】
本発明において、ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている。
【0019】
本発明において、前記縦型MOSFETのソース電極のゲート電極と対向する側と、前記ゲート電極との間の空間内に前記光源を備えている。
【0020】
本発明において、前記縦型MOSFETのソース電極に開口を備え、開口の一端はゲート電極と対向し、開口の他端には前記光源を備えている。
【0021】
本発明において、ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている。
【0022】
本発明において、前記IGBTのエミッタ電極に開口部を備え、前記開口部の一端側は、ゲート電極に対向し、前記開口部の他端は前記光源に対向し、前記光源の前記開口部の他端と反対側には光反射板が設けられている。
【0023】
本発明において、前記光源からの光を導波する光導波路を備えた構成としてもよい。
【0024】
本発明において、前記光源として前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して面発光素子が配設されている。
【0025】
本発明において、前記光源として前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して光源が配設され、前記光源と前記半導体装置との間に光拡散層が配設され、前記光源の前記光拡散層に対向する側と反対側に光反射板を備えた発光素子を備えている。
【0026】
本発明において、前記ゲート電極を覆う絶縁樹脂が前記光源の光を透過する。
【0027】
本発明において、前記光源がLED(Light Emitting Diode)を含む。
【0028】
本発明において、前記半導体装置と前記発光素子の接合面において、光を遮る部位に遮光膜を備えている。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ゲート電圧印加と光照射とにより、チャネル電流を制御するため、オン抵抗を低減している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
上記した本発明についてさらに詳細に説述すべく、添付図面を参照して以下に説明する。図1(A)は、本発明の一実施形態のMOSFETの原理を説明する図である。p基板101の表面に、n+領域(ソース拡散層)102とn+領域(ドレイン拡散層)103を作成し、それぞれにソース電極とドレイン電極になる、電極104、105を設ける。電極104、105として、周知の半導体製造工程にしたがって配設され、アルミニウムや銅が利用される。ゲート電極107(透明電極)は、p型基板101上にゲート絶縁膜106を介して配設される。ゲート絶縁膜106は、p型基板101がシリコンやSiCである場合、二酸化シリコン(SiO2)が用いられる。特に制限されないが、膜厚は例えば1um程度とされる。よく知られているように、二酸化シリコン(SiO2)は光学的に透明であり、赤外から可視光、紫外領域までの光を通す。
【0031】
ゲート電極107は、光学的に透明な導電材料として、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)やZnO酸化亜鉛等が用いられる。あるいは、有機材料等を用いてもよい。
【0032】
本実施形態においては、ソース・ドレイン間に電流(チャネル電流)を流すためには、透明なゲート電極107に、ゲート電圧を印加するだけでなく、背後から光を照射する。ゲート電極107に電位が印加されるので、MOSFETと同様に、キャリアとなる電子が引き寄せられ、ソース102とドレイン103間にチャネル領域が形成され、ソース102とドレイン103間に電流が流れる。図1(B)は、図1(A)の等価回路である。背後から光を照射すると、光ダイオードと同じ原理で、逆電圧になっていてもオンする。そして、光の波長を適切に選択することによって、光は基板101内に入射する。チャネル電流の領域が広がり、オン抵抗が低減する。このようなデバイス構造を、便宜上、「Optical MOSFET」と呼ぶ。また、光照射によりチャネル抵抗の低減を図るゲート構造を、「Optical Gate」(光学的ゲート)とも呼ぶ。特に制限されないが、本実施の形態では、光源としてLED(Light Emitting Diode)を利用する。
【0033】
MOSFETでは、光の照射によりリーク電流(例えばゲート電圧が閾値以下で流れるソース・ドレイン間電流)が大きくなることから、通常、半導体基板をパッケージして遮光している。
【0034】
これに対して、本実施の形態では、光を利用して、MOSFETのオン/オフを制御し、オン抵抗を低減させるものである。ゲート電圧を印加し、静電的に電子を引き寄せてチャネルを作る場合には、チャネル領域の厚さは1um(micrometer)程度である。
【0035】
本実施の形態において、光吸収によって、MOSFETをオンさせるには、照射する光のエネルギーは、バンドギャップより高いことが必要である。光の到達深度は、吸収係数に依存するが、チャネル領域に到達するようにすることで、ソース・ドレイン間の導通が確保される。シリコン基板では、到達深度は、可視光領域で、例えば数十umから100um程度であり、基板表面のチャネル領域に達する。
【0036】
このように、本実施の形態では、静電的な方法(ゲート電圧印加)のみを利用する場合と比べて、チャネル抵抗を低減する。
【0037】
また、本実施形態によれば、トレンチ電極を用いることなく同等の効果を奏する。すなわち、半導体基板にトレンチを形成しなくても、オン抵抗を低減することができ、大電流を流すことができる。
【0038】
ゲート電圧によりオン・オフを行うデバイスにおいて、高周波でスイッチングを行う場合、ゲート容量を小さくするため、ゲート寸法の縮減、ゲートの分割等が行われる。
本実施の形態において、光源のLEDは、印加電圧2V程度で発光する。LEDを並列に接続して照射する場合には、低いゲート電圧でトランジスタをオン状態とすることが出来る。また、LEDの消費電力を見積もっても、デバイス全体の消費電力の低減できる場合がある。小型のLEDのスイッチング周波数は、GHzオーダとされ、IGBTやMOSFETに本発明を適用した場合、スイッチング周波数は、従来のデバイスよりも高くなる。
【0039】
本実施の形態は、光源(LED)からの光を、トランジスタのオン/オフ制御に用いることでトランジスタのスイッチング周波数を向上しており、本発明の特徴の1つをなしている。本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0040】
<実施例1>
図2は、本発明の第1の実施例の構成を示す図である。図2には、縦型MOSFETに「Optical Gate」構成を備え、デバイス上部から光を照射する。ゲート絶縁膜209は透明部材の絶縁膜、ゲート電極210は透明部材の導電膜よりなり、照射光を透過する。ソース、ドレイン拡散層をなすn+領域205、206からp層(p型ウエル)203、204を通り、n−エピタキシャル層202を通して電流が流れる。光吸収に応じて電流通路が確保される。n−エピタキシャル層202にも光が導入されるので、n−エピタキシャル層202の抵抗も低減できる。これは光伝導効果の一例である。なお、図9は、縦型MOSFETの構成を示したが、IGBTにも同様に適用できる。
【0041】
光を利用すればソース電極207と接合しているn+層205での電子密度は、低く設定できる。これにより、絶縁耐圧特性等を改善する。特に制限されないが、ゲート電極(透明電極)210は、数um程度のディメンジョンに形成される。
【0042】
<実施例2>
図3は、トレンチ型IGBTに、本発明を適用した実施例であり、「Optical Gate」構造を備え、上部から光を照射する。ゲート絶縁膜309及びゲート電極310は照射光を透過する。n+領域205、306からpベース層304を通り、n−エピタキシャル層303、n+バッファ層302、p+基板301を透過し、電流通路が確保される。n−エピタキシャル層303にも光が導入されるので、n−エピタキシャル層303の抵抗も低減できる。波長の異なった光を用いると、素子を作る材料中の吸収される距離が異なるため、それに応じて電流チャネルが制御できる。波長の異なるLED光源を利用してもよい。
【0043】
ゲート直下、ソース、ドレイン拡散層をなすn+領域305、306の間にトレンチ311が形成され、トレンチ内壁は絶縁膜311で覆われ、さらに、トレンチ底部に、先端が突起した円錐型の光反射板314を備え、トレンチ内の光反射板314の上方には導電部材313が埋設され、導電部材313の上端はゲート電極310底面と当接し、トレンチ型のゲート電極を構成している。トレンチ内の光反射板314により、トレンチ状のゲート電極に沿ってチャネル領域の形成を確保しやすくしている。
【0044】
<比較例>
図4は、比較例として、従来のMOSFET(縦型)のソース及びゲート側の電極構造の例を示す図である(非特許文献1からの引用)。ソース301には大電流が、流れるので、主面(表面)にはほぼ全面に電極が取り付けられ、抵抗を低減し、さらに放熱作用により発熱を低減している。ゲート402にはそれほど大きな電流が流れないので、ゲート電極を延ばして、端部でそれらを束ねて、素子のゲートとしている。
【0045】
<実施例3>
図4に示した構成のデバイスに本発明を適用した例を説明する。光源(LED)を取り付け、それからの光をゲート部に照射するには、2つの手法がある。
【0046】
MOSFETの場合には、ソース電極(IGBTではエミッタ電極)の内側にLEDを設置する。LEDの発光部を0.1mm角程度の大きさとする。
【0047】
図5は、本発明の第3の実施例の構成を示す図であり、ソース拡散層(n+領域505、506)に接続するソース電極509の内側にLED510を配置したものである。なお、ソース電極509と基板表面の間、ゲート電極507の間の空間は、不図示の絶縁層(層間絶縁膜)が堆積されている。LED510はゲート電極507の寸法よりも小さい。なお、ゲート電極507は、紙面に垂直方向に延在されている。
【0048】
LED510への配線形態として、一端はゲート電極507につながり、他端はソース電極509に接続される。ゲート電圧を、例えば10V前後にする場合には、LEDには、高電圧となるので、LEDを直列接続するようにしてもよい。
【0049】
ソース電極509(IGBTではエミッタ電極)は、金属部材よりなるため、内側の光の当たる表面は、アルミニウムや銀等でメッキしても良い。LED510とゲート電極507の間の層間絶縁膜は、透明の樹脂(プラスチック)等が充填される。
【0050】
LED510を、微細加工したゲート電極507毎に実装するのではなく、ソース電極509に開口を設け、開口部から、光をゲートに照射するようにしてもよい。あるいは、開口に透明電極材料を充填してもよい。
【0051】
<実施例4>
図6は、本発明の第4の実施例の構成を示す図であり、IGBTへの応用例を示している。エミッタ電極609の上方にLED610がマウントされている。光をゲート電極直下のチャネル形成領域に導くために、エミッタ電極609には開口613が設けられている。ゲート部の上にあるエミッタ電極609を、ゲート電極608が配置されている方向に切って、溝を作るようにしてもよい。この場合、数ミクロンから10ミクロン程度のゲート寸法において、光の回折は生じにくい。
【0052】
また、LED610を間に、エミッタ電極609の上面と対向する側に、光反射板611を備えている。光反射板611は、表面を反射材でコーティングするか、あるいはメッキ処理してもよい。エミッタ電極609において、LED光源からの光が当たる領域は、表面を反射材でコーティングするか、あるいはメッキ処理するようにしてもよい。
【0053】
また、LED610からの光の通過する開口613内は、絶縁性の透明樹脂(不図示)を埋設されている。本実装例においても、複数のLEDを実装してもよい。光の半導体基板への透過を考慮して波長の選択を行うようにしてもよい。
【0054】
LEDでIBGTやMOSFET全体を照射するためには、LEDから出て光を拡散させてからゲート直下のチャネル形成領域に導くために、LEDとエミッタ電極の間に光拡散板を配置するようにしてもよい。
【0055】
<光導波路の参考例>
図7は、非特許文献2(IEEE Photonics Technology Letters, Vol.16、No 1, p117, 2004)からそのまま引用したものである。(図7に示した非特許文献2でなされた研究に、本願発明者はいっさい関与していない。)本願明細書であえて非特許文献2の図面を引用した趣旨は、あくまでも、導波路のイメージの理解を援けるためである。マイクロ光導波路(図7(A)、図7(B))及び、それのソケット(図7(D))と光コンピュータの部分(図7(C))を示している。図7(A)は、多数の光を導くための光導波路(Wave Guide)であり、図7(B)はその一つの部分拡大図である。光導波路は円柱状であり、その直径は5um程度である。
【0056】
上記したIGBTやパワーMOSFET等のゲートの寸法と同程度である。光導波路は、図7(C)のソケット部を通り固定され、光回路を形成し、一列に並んだソケットやマトリックス状のソケットの試作が報告されている(非特許文献2)。
【0057】
<実施例5>
図7に示されているような、光導波路とソケットを利用することによって、半導体デバイスの必要な部分に光を導くことができる。すなわち、光源から、光導波路、ソケットを通して、素子のゲート領域に光を照射するようにしてもよい。
【0058】
有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイは、よく知られているように、面発光素子であり、微細構造素子であり、発光強度が調節自在であり、種種の波長の光が発光できる、等の特徴を有する。LEDは、発光素子の寸法は0.1mm角くらいから0.3mm角程度であり、IGBTやパワーMOSFETの半導体基板のサイズは10mm角程度であるため、光を全体に渡らせるには、光拡散する方法が必要になる。
【0059】
<実施例6>
「Optical Gate」構造の光源として、面発光素子を用いた場合、そのような構造は不要であり、光でスイッチングすることが出来る。ゲート電極が透明電極材料からなるIGBTやパワーMOSFETを作製し、例えば図6に示したようにエミッタ電極に開口を備えた構造にしてから、ゲート側に面発光素子を貼り付けることで素子として完成する。その後、遮光用に樹脂等で封止する。なお、ディスプレイ用の光源は周波数応答が相対的に低いことから、高速スイッチングには向いていない。
【0060】
図8は、面発光素子(有機EL)815をIGBT上にマウントした例を示している。光はほぼIGBTのゲート側に垂直に入射される。エミッタ電極809及びゲート電極808は、紙面垂直方向に延在され、不図示の端部でそれぞれ接合されている。
【0061】
IGBT側は、接合面812より下方の領域は、透明樹脂等の絶縁膜810が充填されており、光を透過させる。また必要に応じて、例えばn+領域805、806等に対応する位置には、遮光部材(遮光膜)814を配設してもよい。図8の面発光素子815は薄型である。
【0062】
<実施例7>
図9は、本発明の第7の実施例の断面構成を模式的に示す図である。LED913よりなる点光源光と、光拡散層(光拡散板)916を備えている。LED913の光拡散層(光拡散板)916の対向面と反対側には、光反射板915が配設されている。光拡散層916は、点光源であるLED913からの光を拡散し、ゲート部等の光照射先に均等に光が到達する作用を有する。また、図8と同様に、接合面912の所定の箇所に、遮光膜914を設けてもよい。透明絶縁樹脂910をIGBT上に堆積してから、発光部917と接合する。LED916は、有機EL等に比べて発光効率は高く、高い周波数特性があるため、スイッチング周波数も高くできる。
【0063】
本実施例では、点光源と光拡散層を用いた例を説明したが、点光源を利用する場合には、これ以外にも、光ファイバを利用してもよいし、あるいは、光学材料を適宜選択するか、あるいは、光学材料の屈折率や透過率等を制御することによって、必要な部分に集中的に光を照射するようにしてもよい。
【0064】
透明ゲート電極と透明ゲート絶縁膜の境界面の面粗度を下げ光を拡散する構成としてもよい。あるいは、ゲート電極とゲート絶縁膜の境界面に、無反射コーティング被膜を備えた構成としてもよい。
【0065】
本実施例において、ゲート部を照射する光源を半導体レーザで構成してもよい。
本実施例において、半導体レーザはシリコン半導体レーザ(シリコンレーザ)で構成してもよい。
本実施例において、光源を、スイッチング素子と同一のシリコンウエハ上に形成されるシリコン半導体レーザで構成してもよい。
本実施例において、前記シリコン半導体レーザからの光が、前記スイッチング素子のゲート部を照射するように、前記シリコン半導体レーザは前記ゲート部の隣に配置され、前記シリコン半導体レーザからの出射光が前記ゲート部の上部を照射するように案内される構成としてもよい。本実施例において、前記シリコン半導体レーザからの出射光を反射し、前記反射光を前記ゲート部の上部を照射させるミラーを備えた構成としてもよい。
【0066】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図4】公知の半導体デバイスの概略構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第5の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第6の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第7の実施例の概略構成を模式的に示す図である。
【図10】IGBT動作時のキャリアの流れを示す図(非特許文献1からそのまま引用)である。
【図11】トレンチ型IGBTの構造を説明する図(三菱電機株式会社のHPからそのまま引用)である。
【図12】パワーMOSFETのオン抵抗を説明する図(非特許文献1からそのまま引用)である。
【図13】パワーMOSFETのオン抵抗の電圧電流特性説明する図(非特許文献1からそのまま引用)である。
【符号の説明】
【0068】
101 P基板
102 n+領域(ソース拡散層)
103 n+領域(ドレイン拡散層)
201 n+基板
202 n−エピタキシャル層
203、204 p層(pウエル)
205 n+領域(ソース拡散層)
206 n+領域(ドレイン拡散層)
207 ソース電極
208 ドレイン電極
209 ゲート絶縁膜
210 ゲート電極
301 p+基板
302 n+バッファ層
303 n−エピタキシャル層
304 pベース層
305 n+領域(ソース拡散層)
306 n+領域(ドレイン拡散層)
307 ソース電極
308 ドレイン電極
309 ゲート絶縁膜
310 ゲート電極
311 トレンチ
312 絶縁膜
313 導電部材(ゲート電極)
314 光反射板
315 コレクタ電極
401 ソース
402 ゲート
403 ドレイン
501 n+基板
502 n−エピタキシャル層
503、504 p層(pウエル)
505 n+領域(ソース拡散層)
506 n+領域(ドレイン拡散層)
507 ゲート絶縁膜
508 ゲート電極
509 ソース電極
510 LED
511 ドレイン電極
601 p+基板
602 n−エピタキシャル層
603、604 p層(pウエル)
605 n+領域(ソース拡散層)
606 n+領域(ドレイン拡散層)
607 ゲート絶縁膜
608 ゲート電極
609 エミッタ電極
610 LED
611 光反射板
612 コレクタ電極
801 p+基板
802 n−エピタキシャル層
803、804 p層(pウエル)
805 n+領域(ソース拡散層)
806 n+領域(ドレイン拡散層)
807 ゲート絶縁膜
808 ゲート電極
809 エミッタ電極
810 透明絶縁樹脂
811 コレクタ電極
812 接合面
813 光発光層
814 遮光膜
815 面発光素子
901 p+基板
902 n−エピタキシャル層
903、904 p層(pウエル)
905 n+領域(ソース拡散層)
906 n+領域(ドレイン拡散層)
907 ゲート絶縁膜
908 ゲート電極
909 エミッタ電極
910 透明絶縁樹脂
911 コレクタ電極
912 接合面
913 LED(点光源)
914 遮光膜
915 光反射板
916 光拡散層
917 光学素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアが走行するチャネル領域の近辺に光を照射する光源を備え、
前記光源をオンさせ、チャネル電流を流す、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
スイッチング素子と、
オン・オフ制御され、オン時に、光を、前記スイッチング素子のゲート部に照射する光源を備えている、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子のオン時には、前記ゲート部への光の照射と、ゲート電極への電圧の印加とが行われる、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の前記半導体装置は横型MOSFETを含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の前記半導体装置は縦型MOSFETを含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の前記半導体装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、JFET(Junction gate Field Effect Transistor)、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)の少なくとも一つを含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
トレンチゲート電極のトレンチ底部に光反射板を備えている、ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
ゲート電極が前記光を透過する導電部材よりなり、ゲート絶縁膜が前記光を透過する絶縁部材よりなる、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項9】
ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項10】
前記縦型MOSFETのソース電極のゲート電極と対向する側と、前記ゲート電極との間の空間内に前記光源を備えている、ことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項11】
前記縦型MOSFETのソース電極に開口を備え、開口の一端はゲート電極と対向し、開口の他端には前記光源を備えている、ことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項12】
ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている、ことを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
【請求項13】
ソース電極の表面に、コーティング処理又は鍍金処理された光反射部材を備えることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
【請求項14】
前記IGBTのエミッタ電極に開口部を備え、前記開口部の一端側は、ゲート電極に対向し、前記開口部の他端は前記光源に対向し、
前記光源の前記開口部の他端と反対側には光反射板が設けられている、ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項15】
前記光源からの光を導波する光導波路を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項16】
前記光源として、前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して面発光素子が配設されている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記光源からの光を導波する光導波路に光拡散層を備え、前記光源からの光を拡散することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記光源として前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して光源が配設され、前記光源と前記半導体装置との間に光拡散層が配設され、前記光源の前記光拡散層に対向する側と反対側に光反射板を備えた発光素子を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記ゲート電極を覆う絶縁樹脂が前記光源の光を透過することを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項20】
ゲート電極が前記光を透過する導電部材よりなり、ゲート絶縁膜が前記光を透過する絶縁部材よりなり、
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁膜の境界面に面粗度を相対的に下げた領域を備え、光を拡散する、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項21】
ゲート電極とゲート絶縁膜の境界面に、無反射コーティング被膜を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項22】
前記光源がLED(Light Emitting Diode)を含むことを特徴とする請求項1乃至15、18、19のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記光源がLED(Light Emitting Diode)を含み、1つ又は複数のLEDが前記ソース電極と前記ゲート電極の間に接続されている、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記半導体装置と前記発光素子の接合面において、所定の部位に遮光部材を備えていることを特徴とする請求項16又は18に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記面発光素子は有機EL(Electro Luminescence)素子を含む、ことを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
【請求項26】
前記光源が半導体レーザを含むことを特徴とする請求項1乃至15、18、19のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項27】
前記半導体レーザはシリコン半導体レーザである、ことを特徴とする請求項26記載の半導体装置。
【請求項28】
前記光源が、前記スイッチング素子と同一チップ上に実装されるシリコン半導体レーザである、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項29】
前記シリコン半導体レーザからの光が前記スイッチング素子のゲート部を照射するように、前記シリコン半導体レーザが前記ゲートの隣に配置され、前記シリコン半導体レーザからの出射光が前記ゲート部の上部を照射するように案内される、ことを特徴とする請求項28記載の半導体装置。
【請求項30】
前記シリコン半導体レーザからの出射光を反射し、前記反射光を前記ゲート部の上部を照射させるミラーが設けられることを特徴とする請求項29記載の半導体装置。
【請求項1】
キャリアが走行するチャネル領域の近辺に光を照射する光源を備え、
前記光源をオンさせ、チャネル電流を流す、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
スイッチング素子と、
オン・オフ制御され、オン時に、光を、前記スイッチング素子のゲート部に照射する光源を備えている、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子のオン時には、前記ゲート部への光の照射と、ゲート電極への電圧の印加とが行われる、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の前記半導体装置は横型MOSFETを含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の前記半導体装置は縦型MOSFETを含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の前記半導体装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、JFET(Junction gate Field Effect Transistor)、MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)の少なくとも一つを含む、ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
トレンチゲート電極のトレンチ底部に光反射板を備えている、ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
ゲート電極が前記光を透過する導電部材よりなり、ゲート絶縁膜が前記光を透過する絶縁部材よりなる、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項9】
ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項10】
前記縦型MOSFETのソース電極のゲート電極と対向する側と、前記ゲート電極との間の空間内に前記光源を備えている、ことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項11】
前記縦型MOSFETのソース電極に開口を備え、開口の一端はゲート電極と対向し、開口の他端には前記光源を備えている、ことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項12】
ゲート電極と前記光源間には、前記光を透過する絶縁樹脂が充填されている、ことを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
【請求項13】
ソース電極の表面に、コーティング処理又は鍍金処理された光反射部材を備えることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
【請求項14】
前記IGBTのエミッタ電極に開口部を備え、前記開口部の一端側は、ゲート電極に対向し、前記開口部の他端は前記光源に対向し、
前記光源の前記開口部の他端と反対側には光反射板が設けられている、ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項15】
前記光源からの光を導波する光導波路を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項16】
前記光源として、前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して面発光素子が配設されている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記光源からの光を導波する光導波路に光拡散層を備え、前記光源からの光を拡散することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記光源として前記半導体装置のゲート電極が配設される面と対向して光源が配設され、前記光源と前記半導体装置との間に光拡散層が配設され、前記光源の前記光拡散層に対向する側と反対側に光反射板を備えた発光素子を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記ゲート電極を覆う絶縁樹脂が前記光源の光を透過することを特徴とする請求項17に記載の半導体装置。
【請求項20】
ゲート電極が前記光を透過する導電部材よりなり、ゲート絶縁膜が前記光を透過する絶縁部材よりなり、
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁膜の境界面に面粗度を相対的に下げた領域を備え、光を拡散する、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項21】
ゲート電極とゲート絶縁膜の境界面に、無反射コーティング被膜を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項22】
前記光源がLED(Light Emitting Diode)を含むことを特徴とする請求項1乃至15、18、19のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項23】
前記光源がLED(Light Emitting Diode)を含み、1つ又は複数のLEDが前記ソース電極と前記ゲート電極の間に接続されている、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項24】
前記半導体装置と前記発光素子の接合面において、所定の部位に遮光部材を備えていることを特徴とする請求項16又は18に記載の半導体装置。
【請求項25】
前記面発光素子は有機EL(Electro Luminescence)素子を含む、ことを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
【請求項26】
前記光源が半導体レーザを含むことを特徴とする請求項1乃至15、18、19のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項27】
前記半導体レーザはシリコン半導体レーザである、ことを特徴とする請求項26記載の半導体装置。
【請求項28】
前記光源が、前記スイッチング素子と同一チップ上に実装されるシリコン半導体レーザである、ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項29】
前記シリコン半導体レーザからの光が前記スイッチング素子のゲート部を照射するように、前記シリコン半導体レーザが前記ゲートの隣に配置され、前記シリコン半導体レーザからの出射光が前記ゲート部の上部を照射するように案内される、ことを特徴とする請求項28記載の半導体装置。
【請求項30】
前記シリコン半導体レーザからの出射光を反射し、前記反射光を前記ゲート部の上部を照射させるミラーが設けられることを特徴とする請求項29記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−193063(P2008−193063A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337579(P2007−337579)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(597008728)株式会社ワイ・ワイ・エル (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(597008728)株式会社ワイ・ワイ・エル (16)
【Fターム(参考)】
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