説明

半導体集積回路の回路シミュレーション方法及び装置

【課題】 高耐圧MOSトランジスタを含む半導体集積回路のシミュレーション精度を向上できる回路シミュレーション方法及び装置を提供する。
【解決手段】 高耐圧MOSトランジスタについてのパラメータモデル(BSIM3モデル)として、ゲート幅範囲を複数に分割し、各分割範囲毎に、その分割範囲に属する高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現したパラメータモデルを用意しておき、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタのゲート幅に応じ、複数のパラメータモデルから適用するものを選択して、シミュレーションを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体集積回路の回路シミュレーション方法及び装置に関し、特に、高耐圧、高電圧、大電流のMOSトランジスタを使用した半導体集積回路の回路設計を支援するためのシミュレーション方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路では、電源用ICやドライバなどで、高耐圧、高電圧、大電流のMOSトランジスタ(以下、高耐圧MOSトランジスタと呼ぶ)が使われており、回路シミュレーションを行う場合、様々なゲート幅、ゲート長を持つ高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を精度良く表現する必要がある。例えば、一般的なMOSトランジスタがゲートあるいはドレインに3.3Vや5V程度を印加するものであるが、高耐圧MOSトランジスタは、そのような印加電圧の数倍の電圧がゲートあるいはドレインに印加されるものである(一般には、定格電圧が10V以上のものが高耐圧MOSトランジスタと呼ばれている)。
【0003】
MOSトランジスタモデルとしては、様々なモデルが提案されている。例えば、その一例としてBSIM3モデルを挙げることができ、広く使われている(特許文献1〜特許文献4)。
【0004】
MOSモデル(BSIM3モデルを含む)は、ドレイン電流がゲート幅に対して、ある一定の割合で増加する場合は、パラメータにゲート幅依存性の係数(Binning係数)を持たせることにより、様々なゲート幅のMOSトランジスタの電流電圧特性を精度良く表現することが可能である。
【特許文献1】特開2000−307096号公報
【特許文献2】特開2002−134742号公報
【特許文献3】特開2002−124666号公報
【特許文献4】特開2003−271692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ドレイン電流がゲート幅に対してある一定の割合で増加する、という従来のMOSモデル(BSIM3モデルを含む)が前提としている現象が、高耐圧MOSトランジスタでは成り立っていない。
【0006】
図2は、ドレイン電圧及びゲート電圧を一定値としたあるバイアス条件における、高耐圧MOSトランジスタのドレイン電流Idsとゲート幅Wの関係を概念的に示す特性図である。この図2から明らかなように、ゲート幅Wが大きい範囲Bでは、高耐圧MOSトランジスタに特有の物理現象(セルフヒーティング効果など)が顕著になり、ゲート幅Wに対するドレイン電流Idsの増加の割合は、ゲート幅Wが小さい範囲Aに比較して小さくなる。
【0007】
このため、MOSモデル(BSIM3モデル)で様々なゲート幅の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を精度良く表現できず、その結果、高耐圧MOSトランジスタを含む半導体集積回路の回路シミュレーションの精度向上の妨げとなっていた。
【0008】
そのため、高耐圧MOSトランジスタを含む半導体集積回路のシミュレーション精度を向上できる回路シミュレーション方法及び装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、高耐圧MOSトランジスタについてのパラメータモデルを記憶しておき、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタに対し、その記憶されているパラメータモデルを適用してシミュレーションを行う半導体集積回路の回路シミュレーション方法において、上記パラメータモデルとして、ゲート幅範囲を複数に分割し、各分割範囲毎に、その分割範囲に属する高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現したパラメータモデルを用意しておき、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタのゲート幅に応じ、複数のパラメータモデルから適用するものを選択して、シミュレーションを行うことを特徴とする。
【0010】
また、第2の本発明は、高耐圧MOSトランジスタについてのパラメータモデルを記憶しておき、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタに対し、その記憶されているパラメータモデルを適用してシミュレーションを行う半導体集積回路の回路シミュレーション装置において、上記パラメータモデルとして、ゲート幅範囲を複数に分割し、各分割範囲毎に、その分割範囲に属する高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現したパラメータモデルを記憶しているパラメータモデル記憶手段と、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタのゲート幅に応じ、複数のパラメータモデルから適用するものを選択する適用パラメータモデル選択手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高耐圧MOSトランジスタに対しては、そのゲート幅に応じて、適用するパラメータモデルを選択するようにしたので、高耐圧MOSトランジスタを含む半導体集積回路のシミュレーション精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による半導体集積回路の回路シミュレーション方法及び装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図3は、第1の実施形態の回路シミュレーション装置1は、回路データ入力部10、シミュレーション実行部11、シミュレーション結果出力部12、モデルパラメータ記憶部13、モデルパラメータ抽出部14及び特性測定部15などを有する。特性測定部15を除き、他の構成要素10〜14は、例えば、コンピュータシステム上に構成されたものである。
【0014】
例えば、ファイル読込装置(例えばHDD装置)などが該当する回路データ入力部10から、シミュレーション対象の半導体集積回路の回路データが入力されると、シミュレーション実行部11が、モデルパラメータ記憶部13の記憶データを参照しつつ、シミュレーションを実行し、得られたシミュレーション結果をファイル記憶装置やディスプレイ装置などが該当するシミュレーション結果出力部12から出力させる。
【0015】
この第1の実施形態の場合、モデルパラメータ記憶部13に記憶されている高耐圧MOSトランジスタのモデルパラメータ(MOSモデル)13Mは、図1に示すように、2個のMOSモデル(BSIM3モデル)MOS−A、MOS−Bから構成されている。シミュレーション実行部11は、シミュレーション対象の半導体集積回路に、高耐圧MOSトランジスタが含まれていれば、その高耐圧MOSトランジスタのゲート幅によって定まる一方のMOSモデルMOS−A又はMOS−Bを適用する。
【0016】
一方のMOSモデルMOS−Aは、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルであり、他方のMOSモデルMOS−Bは、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルである。
【0017】
モデルパラメータ抽出部14は、特性測定部15による所定の特性の測定結果に基づいて、モデルパラメータを抽出してモデルパラメータ記憶部13に記憶させるものである。ここで、モデルパラメータ抽出部14は、当然に、MOSモデル13Mをも抽出してモデルパラメータ記憶部13に記憶させる。
【0018】
図4は、モデルパラメータ抽出部14によるMOSモデル13Mの抽出方法の流れを示している。
【0019】
ステップS1;最初に、ゲート幅が小さい範囲(図3の範囲A)の複数の高耐圧MOSトランジスタと、ゲート幅が大きい範囲(図3の範囲B)の複数の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を測定する。ここでの電流電圧特性は、図5(A)に示すようなドレイン電流−ドレイン電圧特性(Ids−Vds特性)と、図5(B)に示すようなゲート電流−ドレイン電圧特性(Ids−Vgs特性)の2つの特性を指している。
【0020】
例えば、2種類のゲート幅範囲を区分する境界のゲート幅としては、測定値に基づいて、ドレイン電流Idsとゲート幅Wの関係を、折曲点が1個の上述した図3に示したような折線グラフに近似し、その折曲点のゲート幅W0を適用する。又は、測定値に基づいて、ドレイン電流Idsとゲート幅Wとが線形関係と見なせるゲート幅の小さい範囲を、図3の範囲Aに決定し、それより大きい範囲を、図3の範囲Bに決定する。従って、いずれの場合にも、複数の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を測定した段階では、ゲート幅が小さい範囲(図3の範囲A)と、ゲート幅が大きい範囲(図3の範囲B)とは定まっておらず、測定値から、ゲート幅が小さい範囲とゲート幅が大きい範囲とを定める。
【0021】
ステップS2;次に、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対して、パラメータ(SPICEパラメータ)を合わせ込み、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルMOS−Aを作成する。
【0022】
ステップS3;最後に、作成されたMOSモデルMOS−Aを初期値として、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトラシジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込み、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルMOS−Bを作成する。
【0023】
以上のように、第1の実施形態の半導体集積回路の回路シミュレーション方法及び装置によれば、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込んだMOSモデルMOS−Aと、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込んだMOSモデルMOS−Bを適用することにより、高耐圧MOSトランジスタを使用した半導体集積回路の回路シミュレーションを様々なゲート幅に対して精度良く行うことができる。
【0024】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による半導体集積回路の回路シミュレーション方法及び装置の第2の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0025】
第2の実施形態は、モデルパラメータ記憶部13に記憶されている高耐圧MOSトランジスタのモデルパラメータ(MOSモデル)13Mが、第1の実施形態と異なっており、図6に示すように、第1の実施形態のMOSモデル(BSIM3モデル)MOS−Aに代え、MOSモデル(BSIM3モデル)MOS−Cが記憶されている。
【0026】
第2の実施形態で適用されたMOSモデルMOS−Cは、ゲート幅がデザインルールで定まっている最小値から50μmまでの範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルである。なお、2個のMOSモデルにおける他方のMOSモデルMOS−Bは、第1の実施形態と同様に、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルである。ここで、ゲート幅が50μm以下の範囲を、図3に示したゲート幅が小さい範囲Aに見なすようにしたのは経験による。
【0027】
適用する一方のMOSモデルが置き換わっているが、MOSモデルの抽出方法は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0028】
すなわち、最初に、ゲート幅がデザインルールで定まっている最小値から50μmまでの範囲の複数の高耐圧MOSトランジスタと、ゲート幅が大きい範囲(図3の範囲B)の複数の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を測定する。測定する電流電圧特性の種類は、第1の実施形態と同様である。なお、測定時点では、ゲート幅が大きい範囲(図3の範囲B)は定まっていないが、測定値に基づき、第1の実施形態で説明した方法によって、ゲート幅が大きい範囲(図3の範囲B)を定める。
【0029】
次に、ゲート幅がデザインルールで定まっている最小値から50μmまでの範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込み、ゲート幅がデザインルールで定まっている最小値から50μmまでの範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルMOS−Cを作成する。
【0030】
次に、MOSモデルMOS−Cを初期値として、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込み、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルMOS−Bを作成する。なお、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタに係るMOSモデルを、第1の実施形態のようにMOS−Bと表記したが、作成処理での初期値がMOS−AからMOS−Cに変更されているので、第1の実施形態のものとは必ずしも一致しない。
【0031】
第2の実施形態によれば、高耐圧MOSトランジスタを使用した半導体集積回路の回路シミュレーションを様々なゲート幅に対して精度良く行うことができるという第1の実施形態と同様な効果に加え、第1の実施形態に比較し、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの回路シミュレーション精度が向上するという効果が期待できる。
【0032】
(C)第3の実施形態
次に、本発明による半導体集積回路の回路シミュレーション方法及び装置の第3の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0033】
第3の実施形態は、モデルパラメータ記憶部13に記憶されている高耐圧MOSトランジスタのモデルパラメータ(MOSモデル)13Mが、第1の実施形態と異なっており、図7に示すように、第1の実施形態のMOSモデル(BSIM3モデル)MOS−Bに代え、MOSモデル(BSIM3モデル)MOS−Dが記憶されている。
【0034】
第3の実施形態で適用されたMOSモデルMOS−Dは、ゲート幅が50μmより大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルである。なお、2個のMOSモデルにおける他方のMOSモデルMOS−Aは、第1の実施形態と同様に、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルである。
【0035】
適用する一方のMOSモデルが置き換わっているが、MOSモデルの抽出方法は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0036】
最初に、ゲート幅が小さい範囲の複数の高耐圧MOSトランジスタと、ゲート幅が50μmより大きい範囲の複数の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を測定する。測定する電流電圧特性の種類は、第1の実施形態と同様である。なお、測定時点では、ゲート幅が小さい範囲(図3の範囲A)は定まっていないが、測定値に基づき、第1の実施形態で説明した方法によって、ゲート幅が小さい範囲(図3の範囲A)を定める。
【0037】
次に、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込み、ゲート幅が小さい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルMOS−Aを作成する。
【0038】
さらに、MOSモデルMOS−Aを初期値として、ゲート幅が50μmより大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性に対してパラメータを合わせ込み、ゲート幅が50μmより大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現するMOSモデルMOS−Dを作成する。
【0039】
第3の実施形態によれば、高耐圧MOSトランジスタを使用した半導体集積回路の回路シミュレーションを様々なゲート幅に対して精度良く行うことができるという第1の実施形態と同様な効果に加え、第1の実施形態に比較し、ゲート幅が大きい範囲の高耐圧MOSトランジスタの回路シミュレーション精度が向上するという効果を期待できる。
【0040】
(D)他の実施形態
上記各実施形態においては、少なくとも一方のゲート幅の範囲を演算によって決定するものを示したが、ゲート幅の範囲の境界値を固定値(例えば50μm)に設定してモデル化を行っても良い。
【0041】
上記各実施形態においては、高耐圧MOSトランジスタに対するモデルを、ゲート幅の範囲に基づいて、2種類用意するものを示したが、ゲート幅の範囲に基づいて、3種類以上用意してシミュレーションで利用させるようにしても良い。ここで、複数のゲート幅範囲を切り分ける境界値は、固定値に設定しても良く、また、近似した折線グラフを算出させることで得るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施形態のMOSモデルの構成を示す説明図である。
【図2】高耐圧MOSトランジスタのドレイン電流とゲート幅の関係を示す特性図である。
【図3】第1の実施形態の回路シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態のMOSモデルの作成手順を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態のMOSモデルの作成処理で測定する特性の説明図である。
【図6】第2の実施形態のMOSモデルの構成を示す説明図である。
【図7】第3の実施形態のMOSモデルの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1…回路シミュレーション装置、10…回路データ入力部、11…シミュレーション実行部、12…シミュレーション結果出力部、13…モデルパラメータ記憶部、13M…MOSモデル、14…モデルパラメータ抽出部、15…特性測定部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高耐圧MOSトランジスタについてのパラメータモデルを記憶しておき、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタに対し、その記憶されているパラメータモデルを適用してシミュレーションを行う半導体集積回路の回路シミュレーション方法において、
上記パラメータモデルとして、ゲート幅範囲を複数に分割し、各分割範囲毎に、その分割範囲に属する高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現したパラメータモデルを用意しておき、
シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタのゲート幅に応じ、複数のパラメータモデルから適用するものを選択して、シミュレーションを行う
ことを特徴とする半導体集積回路の回路シミュレーション方法。
【請求項2】
上記ゲート幅範囲の分割数を2分割とし、ゲート幅が小さい方の範囲を、ゲート幅が50μm以下の範囲として、2種類のパラメータモデルを用意していることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路の回路シミュレーション方法。
【請求項3】
上記ゲート幅範囲の分割数を2分割とし、ゲート幅が大きい方の範囲を、ゲート幅が50μmより大きい範囲として、2種類のパラメータモデルを用意していることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路の回路シミュレーション方法。
【請求項4】
高耐圧MOSトランジスタについてのパラメータモデルを記憶しておき、シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタに対し、その記憶されているパラメータモデルを適用してシミュレーションを行う半導体集積回路の回路シミュレーション装置において、
上記パラメータモデルとして、ゲート幅範囲を複数に分割し、各分割範囲毎に、その分割範囲に属する高耐圧MOSトランジスタの電流電圧特性を表現したパラメータモデルを記憶しているパラメータモデル記憶手段と、
シミュレーション対象の半導体集積回路に含まれている高耐圧MOSトランジスタのゲート幅に応じ、複数のパラメータモデルから適用するものを選択する適用パラメータモデル選択手段と
を有することを特徴とする半導体集積回路の回路シミュレーション装置。
【請求項5】
上記パラメータモデル記憶手段は、上記ゲート幅範囲を2分割した、各分割範囲に対応する2種類のパラメータモデルを記憶しているものであり、ゲート幅が小さい方の分割範囲のパラメータモデルは、ゲート幅が50μm以下の範囲のパラメータモデルであることを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路の回路シミュレーション装置。
【請求項6】
上記パラメータモデル記憶手段は、上記ゲート幅範囲を2分割した、各分割範囲に対応する2種類のパラメータモデルを記憶しているものであり、ゲート幅が大きい方の分割範囲のパラメータモデルは、ゲート幅が50μmより大きい範囲のパラメータモデルであることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体集積回路の回路シミュレーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−202966(P2006−202966A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12832(P2005−12832)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】