単一の部材からなる本体と、機械的伝動要素とツールヘッドの間を電気的かつ弾性的にリンクする要素を含んで形成される歯科用ハンドピース
本発明は、機械的な要素を含むタイプの歯科用ハンドピースに関し、アタッチメントと駆動軸(6)周りの歯科用具の回転駆動用のツールホルダ組立体及び動作伝達用の組立体を備え、前記機械的な要素は本体(2)とハンドル(3)のヘッド(4)内部にマウントされ、ボディー(2)は単一の部材あるいは外被(8)から形成され、一部分がハンドル、他の部分がヘッドを構成し、ヘッドが少なくとも一つの開口(7)を有する第1のハウジング(26)を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新しいタイプの歯科用ハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歯科用ハンドピースには2つのタイプ、すなわちストレートタイプのハンドピースおよびコントラアングルタイプのハンドピースがある。
【0003】
コントラアングルタイプのハンドピースの場合には、本体が肘状のハンドルとヘッドからなる。この構造は、本体の内部要素の組立体のために、少なくとも2部品を必要とする。3部品を必要とすることも多い。そして少なくとも3個のベアリングを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の構造では、ほとんどコストを低減できないことが認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の目的は、歯科用ハンドピースの構造に新しい概念を提案することであり、ハンドピースについての現在の概念を置き換えることができ、ハンドピースが機械的な手段あるいは空気タービンによって駆動されるものであっても、いずれでもハンドピースの本体を単一の部材で作ることを可能とする。
【0006】
この目的は、本発明が機械的な要素を含むタイプの歯科用ハンドピースからなることによって達成される。特に、アタッチメントと駆動軸周りの歯科用具の回転駆動用のツールホルダ組立体及び動作伝達用の組立体を備え、前記機械的な要素は本体とハンドル内部にマウントされ、本体は単一の部材あるいは外被から形成され、一部分がハンドル、他の部分がヘッドを構成し、ヘッドが少なくとも一つの開口を有する第1のハウジングを備え、開口は、内部へのパーツやヘッド内に入れる組立体の導入を可能とする寸法を有し、ハンドルは、第2の長手のハウジングを構成し、直線的な軸と外部への開口があり、一方のハンドルの先端は開口を介し、他方、第1のハウジング内で平行な開口を介して、ハンドルの内部要素の部品およびその組立体の導入を可能としてある。
【0007】
本発明の他の実施の形態では、ハンドピースは電気的な接続手段をなし、回転運動を伝えるための一連の機械的な伝動部品によって構成され、運動と、ハンドル末端での接続からの電気エネルギーの伝達を確実にし、ハンドピースを外部モータや装置と連携させる。
【0008】
本発明の別の変形例では、電気的に伝導性を有するワイヤーによって構成される電気的な接続手段を含む。
【0009】
また本発明の別の変形例では、機械的な伝動装置の構成部品とツールヘッドの電気的な接続のための弾性部品含む。
【0010】
さらに本発明の別の変形例では、ヘッドはタービンを含み、またハンドピースの本体は、その機能に必要な液体の流路を含む。
【0011】
ヘッドのハウジング内部は、ヘッドの機械的伝動装置構成部品からなるツールホルダ組立体を受け入れ得る。またツールまたは装置を締め付けあるいは解放手段をも受け入れ得る。前記ハウジングの開口はヘッドの上部に開き、ストッパ、蓋またはプッシュボタン状のもので閉じ得る。
【0012】
ハンドピースは、好ましくは、歯科用ツールあるいは用具のアタッチメントおよび回転運転のためのツールホルダ組立体のための構成を含む。前記ツールホルダ組立体は歯科用ハンドピースのヘッド内に一体化され、前記ハンドピースのハンドル内に一体化された動力伝達のための組立体に接続し、さらに、変形可能で弾性を有するベルト状の締め付け及び解放手段を備えている。そして少なくとも一部が溝または環状のスロットに係合するようにした断面形状を有する。この部分は用具の上部に設けてあり、締め付けることによって保持できるようになっている。前記締め付け及び解放手段は、装置を締め付け状態から解放するために、装置の締め付け力を解放する手段を備える。
【0013】
前記アタッチメントの配置は、好ましくはツールホルダに対して分離可能とする。
【0014】
本発明の一つの変形例では、ベルトは、変形可能な弾性材料で形成し、本質的には、スロットの高さでしっかりと適所にツールヘッドを保持するための中心部を形成する平行四辺形状の形状を有する。
【0015】
本発明の他の変形例では、変形可能な弾性材料からなるベルトは、スプリットリング状または環状の割りクリップ形状を有し、環状の肩部を形成し、ツールの環状部及びプッシュボタンの円錐形状の一部分に係合できる。
【0016】
本発明の変形例の実施及び/またはツールの動作速度については、アタッチメントの配置が1つのプッシュボタンを含み得るが、これはツールホルダに一体でも一体でなくてもいずれでもよく、例えばクリッピングによってヘッドの開口内に保持し得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は歯科用ハンドピースの構造に新しい概念を提案できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、図面を参照した以下の記述によってより容易に理解できるであろう。
【実施例】
【0019】
<ハンドピース本体の概念>
まず図1〜3の非限定的な実施例について言及する。本発明に係るハンドピース(1)の本体(2)は、ヘッド(4)と、直線の軸があるハンドル(3)を含む単一の部品からなる。ヘッド4には、駆動軸(6)を構成する部分(5)を備える。駆動軸(6)は、ハンドルの軸(7)と一線をなすことも、90度〜180°の予め定めた角度をなすこともいずれも可能である。また、図示の非限定的な実施例において例証されるように、100及び130°の間に位置させることもできる。
【0020】
外被(8)は筒状部材あるいは外装材によって形成する。単一の部材からなるものでも、あるいはそうでなくてもいずれでもよい。電気的絶縁性を有するもの、例えば、ポリマー、熱硬化性の加熱可塑性物からなるものも採用できる。熱硬化性の加熱可塑性物としては、できれば、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)が好ましい。電気的な接続手段とともにハンドルとヘッドの機械的な構成部品を組み込み、接続部(9)からの動力と電気エネルギーの伝動を確実に行えるようにする。接続部(9)は、外部モーター(図示せず)と接続するためにハンドルの末端部に設ける。できるだけヘッド(4)に取り付けたツール(5)から離すことが安全上から好ましい。
【0021】
図1〜3中で示した本発明に係るコントラアングルハンドピース(1)は、2つの軸(6)および(7)を有する。最も安定可能な出力を保証するように制限された関係で本来的な摩擦力を発生させ得るようにするためである。すなわちこの場合、ボールベアリングも外被(8)に一体化されることになる。この種のコントラアングルハンドピースの配置は、電気的根管長測定器とともに歯根管治療(endodonty)に特によく向いている。
【0022】
本発明に係るハンドピースは、モータに接続、連結し、したがって例えば、ツール(5)(根管処理用具)への例えば回転運動を作り出す。そしてこれによって、歯根尖の検知に利用できる電流を伝えることができる。モータとハンドピース(図2および図3を参照)の電気的な関係は、その他のどのような連係手段によって達成してもよい。連係手段は、例えばモータ用のアタッチメント・フックとソケット(11)のアタッチメント用溝(10)の間で連係させる。あるいは例えば遠隔操作用のボタンによっても行い得る。外被(8)(絶縁体からなる)は、施術者の手によって握り締められ、その末端に位置するヘッド(4)は患者の口内に入れられる。この形態では、機械的な伝動装置と電装部品の連係は、ハンドルの内部で以下のように構成する。電流の経路は、ソケット(11)から第1のベアリング(12)のアウターレースおよび第1のスプリング(13)へ、その後の第2のベアリング(14)のアウターレースへ、それからボディ(8)中の第1のショルダー部上で軸方向に保持されたリング(15)へ、その後、外被(8)の第2のショルダー部によって軸方向に保持されたスプリング(16)へ、となる。
【0023】
第1および第2のベアリング(12、14)は、ハンドルの縦の軸(7)あるいはハンドピース(1)の第1の軸に沿った伝動軸を形成し、また、スプリング(13、16)は、コイルが伝動軸(7)に関して外方へ伸びようとする圧縮ばねである。この段階では、電流は、コントラアングルあるいはハンドピース(1)のハンドル部分を横断する。変形例として、用具あるいはツール(5)との接触のために、モータの末端から導線をつなぐようにすることが可能である。
【0024】
第2の軸、すなわち駆動軸(6)を備えたコントラアングルハンドピースのヘッド(4)は、2つのボールベアリング(可能であれば傾斜した接触状態で)を支える。すなわち上部のベアリング(17)のアウターレースはハンドルの第2のスプリング(16)と接して相互に作用し、また下部のベアリング(18)(軸方向の作用は弾性ワッシャー(19)の助けを借りて行われる)とも接して相互に作用する。この種のベアリング組立体では、ベアリングのボールは、アウターレース、インナーレースと常に接しており、固定部分と可動部分の電気的な接続関係を保証している。
【0025】
駆動軸(6)上にマウントしたバレルピニオン(20)は、ハンドルの出力ピニオン(23)の歯(22)と噛み合う歯(21)を含む。バレルピニオン(20)はベアリングのインナーレースと伝導性をもって一体化してある。また、それは、ツール(5)への電気的な伝導性およびその機械的な駆動を保証している。ツールの末端に伝えられる電流は、ヘッド(4)に設けた外被(8)および押しボタン(55)の外部絶縁を考慮に入れ、抵抗の変化の影響によって歯根尖を定め得る。より詳しく後述する。
【0026】
変形例として、第2のベアリング(14)とツールのヘッド(40)の電気的な関係も弾性かつ導電性の接続要素(88)によって保証される。既述のように、バレルピニオン(20)によって同様にツール用の機械式駆動装置との関係も確保される。
【0027】
前記接続構成要素(88)は、例えば、ストリップ状あるいは棒状で円形あるいは長方形状の断面形状を有し、そして、第1の周縁セグメント(89)を構成してベアリング(14)のレース(15)中に形成したスロット(90)と係合し、反対の端部でツールのヘッド(40)に対して支持された他の周縁セグメント(91)に係合する。前記接続要素は、プッシュボタンがオフとされる場合、スロット(90)のために、ツールの軸に垂直に維持される。
【0028】
この変形例は、特に有利である。それは、一方では、プッシュボタン(55)上への支持は、ツールのヘッド(40)を受け入れないようにし、そして他方では、ヘッド(40)を備えた接続要素による接触を前記ヘッドの球面により、ツールの軸に対してセンタリングされ、従って、摩擦がほぼゼロに近づくからである。
【0029】
<アタッチメント配置、およびヘッド中のツールの締め付け、解放手段の概念>
ここで記述する例は、限定的なものではなくツールを締め付けて取り付け、緩めて解放する手段の好ましい具体例である。例えば、歯根管治療の間における臼歯へのアクセシビリティは、施術者および患者双方のための気楽さと質を保証するものである。このため本願出願人は、既にバイトホルダ組立体(24)を提案した。これはヘッドの機械的な伝動装置の構成部品からなるが、できるだけ小さく、コンパクトにすべきものである。
【0030】
本願出願人は、以下によりその目的を達成した。
−一つの新規な、コンパクトで、かさばらない締め付けおよび解放手段(25)であって、アタッチメント組立体の一部をなし、そしてプラスチック材料(例えばPEEK)で形成し、変形可能で弾性を有するベルト(25)からなり、そして締め付けおよび解放する機能を単独で行うことができ、前記解放は、ベルト上でのセンタリング動作を手動で行なう。また前記締め付けは、この動作を緩めることにより行なう。
−ヘッド中の内部ハウジング(26)は、バイトホルダ組立体(24)を受け入れるために設ける。また締め付けおよび解放手段(25)も受け入れる。前記ハウジングは、ヘッド上に開く開口(27)を備える。開口(27)は、栓、すなわちキャップ(28)によって閉じることができる。あるいはプッシュボタンを用いても良い。
【0031】
この解決手法は、以下に説明する2つの具体例についての説明を読むことにより、より容易に評価され得るであろう。
第1の具体例は、図4〜7を参照して説明する。この例では、解放はベルトを直接に手で動かすという行為によってコントロールする。
図示したバイトホルダ組立体(24)のハウジング(26)は、一方では、駆動軸(6)と共軸の低部側の円筒状の部分(29)を備えるが、その直径は、バレルピニオン(20)のバレル部(30)を受け入れ得るように構成してある。そして、他方では、上部側の本質的に円筒状の部分(31)は、同様に駆動軸(6)と共軸で、より大きな直径を有し、装置のインターロック手段とともにバレルピニオンの歯(21)を受け入れ得るように構成してある。後述する締め付け、解放装置も同様である。
ハウジング(31)の上部の吐出口(27)は、栓かキャップ(28)によって閉じるが、外被(8)と同材料で形成するのが好ましいが、必ずしもそうでなくても良い。ハウジング(31)の上部には、ハンドル(3)の内部ハウジング(33)に入り込む側面開口(32)を備える。バレルピニオン(20)の歯とハンドル(3)の出力ギア(23)の歯との係合を許容するのと同様の形態である。
【0032】
バレルピニオンは、ヘッド中で自由に回転する。またショルダー部を形成するハウジングの上部のベース(34)とストッパの前面(35)の間で軸の基準が確保される。前記バレルピニオンに生じる軸の自由度は、1ミリメートルの数百の部分の一のオーダーである。出力ピニオン(23)の回転運動はバレルピニオン(20)に伝わり、それから平面(36)によりツール(5)に伝わる。平面(36)、(37)によりツールと連係する。平面(36)、(37)は、バレルピニオン内部の穴(38)中に設ける。
【0033】
図4から図7で示すこの例で要求されるのは、締め付け及び解放手段が、変形可能で弾性材料で形成したベルト(25)からなり、中心域(39)を有する菱形の形状を示し、ツールのヘッド(40)を、ツール上部端に設けた環状のブロッキング・スロット(41)の高さの位置で安全に保持するようになっていることである。
【0034】
菱形の大きな対角線はその2つの末端が、2つの突部(42)としてヘッド(4)の外被を完全に越えて伸びることを保証する。それらの各々は、ヘッド中の各ノッチ(43))中に位置し、各ノッチ(43)は、一方では、ハウジングの上部(31)へ入り、そして、他方では、栓を受け入れる開口(27)内へ入る。2つの突部に対する手動による1つの直接的求心手動動作は、同時にツールの解放をもたらし、また、この動作を弛緩させると、前記ツールを締める。
【0035】
ノッチ(43)のフランジ(44)は、ベルトの回転に対するブロッキングから守る。すなわち、突部(42)の近傍に配した分離部(45)によりヘッド内でセンタリングし、そして、ハウジング(26)の上部の周縁(46)上に支持する。一方、ストッパの軸内空間(49)のベース(48)中に設けるショルダー部(47)によってベルトの軸規準が保証され、他方では、ノッチのベース(50)によってツールのヘッド(40)を提供する
【0036】
このように、ベルトは、バレルピニオンの回転部分に触れない。自由な状態で、前記ベルトがツールのヘッドの環状のスロットの上部のショルダー部(51)と関連し、前記ツールの第1軸方向の制限を生じさせ、バレルピニオン上の平面(52)によって確定される第2の軸方向の制限を、ツールの平面の交わる末端(53)で生じさせる。
【0037】
ツールのロックを解除することは、突部(42)への2つの全く反対の緊急の力の適用を回転軸線の方へ向けて生じさせる。これらの2つの力は直角の成分を生じさせ、それによってツールを解放する。ベルトの2つの耳を同時に直接に押す行為(例えば親指および人差し指で押す行為)は、例えば押しボタン方式と比較して、口をきちんと締めることを保証する。ツールのアタッチメントは、円錐形の部分(64)の配置のおかげで、ベルトの2つの耳に圧力を加えずに達成することができる。円錐形の部分(64)は、ベルトの中心域(39)の下面に設け、そのためツールの軸方向変位量は、ベルトの弾性により放射状の変位を引き起こし、ベルトは締め機能を保持するためにその形態をとり続ける。
【0038】
締めと解放手段を実現するための別のモードを、図8〜10と共に以下に記述する。
図8、図9に例示したように、弾性のベルト(25)は、菱形および中心域(39)の形状を有している。前の例のベルトとは異なり、ツールを安全にすることができる。その耳部(54)がベルトの面に垂直な突起を形成するためであり、またベルトと同じ側に位置し、そしてそれがバレルピニオンによって軸方向にかつ放射状に維持されるためである。
【0039】
この結果、
−ベルトの2つの末端は、バレルピニオン上部のフランジ(62)上に設けた2つの周面部ギャップ(61)と交差し(2つの周面部ギャップ(61)は径方向で対向し、駆動軸線(6)の横断面上に位置する)、
−2つの耳部(54)は、前述のフランジ上の2つのノッチ(63)によって回転を止められる。さらに、ヘッドは、ストッパが金属のインサートを有する押しボタン式(55)に交換されている点で従来のものと異なっており、例えば、製造がしやすくなっている。
【0040】
以上述べたように、この実施例では、押しボタンは例えばPEEKで作られており、多くの構成部品を備えている。すなわち、
−下端の弾性のリング(56)は、バレルピニオンの軸の自由を制限し、ヘッド(4)の押しボタンを保持し、
−中間の弾性域(57)は、押しボタン式の戻しスプリングの役割を果たし、
−内側円筒状インサート(58)は、押しボタンが押されるとき、弾性ベルトの変形、すなわちツールの解放を制御することを可能とし、また、この目的のために押しボタン(55)を押すと、スプリング(57)を圧縮し、そして、インサート(58)の内側円錐形状部(59)を補足的なベルトの耳部の円錐形のフランジ(60)と相互に作用させ、
−ベルトの耳部(54)上に生じる放射状の部分は、これに垂直な別の放射状の変形を引き起こし、
−この変形は、ツールを開けることを可能にする。
【0041】
ヘッド中へのツールの導入は、押しボタンを押すことにより達成できるが、押しボタンを押さないで行う場合は、ベルトの中心域(39)の下面上の円錐形の部位(64)は、ツールの導入を許容する。
ベルトは回転の間の遠心力による締め付けをしかりすることに寄与する。
【0042】
<押しボタンの概念>
小型化は、医療用具の分野において研究の一定の分野を占める。歯科用のコントラアングルハンドピースにおいても同様である。熱可塑性の材料あるいは熱硬化性の材料のような高分子材料の新素材を用いることが検討されている。従来のメカニズムも、これらの新素材の機械的な特性、物理的な特性および化学の特性を考慮に入れることにより再考し得る。そして、同時に、構成部品の数の縮小も図り得る。これは品質の改善および組み立てコストの低減に寄与し得る。これらのプラスチック部品は機械加工や射出成形によって製造し得る。小型化に加えて、もちろん、これらのプラスチック材料を用いることで、動的な機器に対してスライドし得る能力、滅菌または消毒に対する高い抵抗性、および好的な弾性特性を発揮し得る。そのため、これらのプラスチック材料は、歯科用ハンドピースの生産に利用できる。ツールを締めるかリリースするためには、一般にハンドピースのヘッド上で押しボタンを手動で操作する形式をとる。上述した概念によれば、この押しボタンは、歯内治療のための動的な組立体、すなわち振動や回転可能とするには不可欠かもしれない。そして固定式の押しボタンは上述した動的な組立体とは無関係である。
【0043】
適所にバーがあるハンドピースのヘッドは、図2および3を参照して、本発明の適用例として既に上述した。
ヘッド(4)の本体部が、ハンドル(3)を備えた単一ピースのものであるか否かにかかわらず、回転するバレルピニオン(20)を取り付けることを再びここで指摘する。バレルピニオン(20)は、ハンドル中のアウトプット・ピニオン(23)によって回転させる。バレルピニオンは自由に回転でき、軸を固定する接続、例えばボールベアリングのような構造を有する。もちろん、ボールベアリングを使用しない構造的解決を考えることもできる。その例を、図5および7中に示す。この例では、滑り軸受を挿入するか、あるいはヘッドを本体に滑り軸受を成形してある。
【0044】
バーの回転運動の伝達はバレルピニオン(4)の設けた平面(36)とツールの面(37)の結合によってなされる。ツールの軸の規準は、バレルピニオンの平面上の肩部、およびツールの補足的な平面上の肩部によって定まる。
【0045】
出発点としてこの共通の記述を採用すると、本発明に係る2つのタイプの押しボタンを識別することが可能である。すなわち、ツールホルダとして知られている動的な組立体と一体の押しボタン(図3および図16中に符号(55)で示す)であり、回転するロック組立体と押しボタンの間での永久的接触によって特徴づけられる。静止状態において、押しボタン(55)(例えばPEEKから作られている)は、弾性を有するスプリットリング(65)(やはり例えばPEEK製)に軸方向の限界を提供し、そして同時に、軸(6)に関してスプリットリング(65)をセンタリングさせる。リング(65)は円筒状の外形を持ち、また、その内部壁は、円錐形の勾配面(71)を備えた上部のフランジを含み、また、交差する肩状部(66)の形を有する中間部は軸(6)の方へ伸びる。弾性のリング(65)の肩部(66)はツール(5)を保持する。保持するのは、環状のスロット(41)に嵌まることで軸方向となる。押しボタン式の(55)は、1つ以上のセクターあるいは要素(87)によって、バレルピニオンの穴(38)の中で径方向でガイドされ、押しボタン(55)の下面の上で配置され、そして各々円錐形の末端によって止められ、弾性のリング(65)を形成する。押しボタン(55)の軸方向変位量は1以上のギャップ(68)の上側端と下側端の間に制限されている。ギャップ(68)はバレルピニオンの上部ボディ中に形成され、そしてギャップ(68)中では押しボタンの下面に設けた1以上のフック(67)が相互に作用する。弾性のリング(65)は押しボタン(55)の軸方向の要素を構成し、押しボタン(55)をその初期位置に戻すように作用する。それらの放射方向の弾性のおかげで、フックとセクター(87)の間に設けるスロット(69)により、フック(67)は、樽状部分で押しボタンの「クリッピング」係合を許容する。押しボタン(55)の圧迫は、円錐形の部分(70)によってツール(5)を開けることを可能にする。円錐形の部分(70)は、弾性リングの補足的な円錐形の傾斜面(71)に係合し、ショルダー部(66)を解放する。バレルピニオン中へのツール(5)の導入は自動的になし得る。押しボタンを押さなくても良いのは、ショルダー部(66)の末端で弾性のリングの下面上に設けた円錐形の部分(73)のためである。
【0046】
図3中で、締めと緩めを行う手段は分離した弾性のリングである。このリングは、図3中に断面で示すように放射平面に沿って開いており、また、緩める力を適用する手段は、円錐形の斜面(71)によって構成される。
【0047】
<動的な組立体と無関係の押しボタン>
ツールが手に握り締められる位置で、押しボタンおよびロックする手段が分離していることが本発明の特徴である。このような具体例を図11〜15に示す。
静止状態において、動的状態であろうと無かろうと、および押しボタンの作動がなくても、円錐形の弾性の環状のクリップ(72)が、ツール(5)を軸方向に保持する。これは、そのアーム(73)(例えば6つのアーム)によるもので、各アームは軸(6)の方へ向かうショルダ(79)が各々の端部となる。クリップ(72)は、バレルピニオンに形成した開口(76)に対応するクリップの周縁の突起(74)により、回転するバレルピニオンと一体化する。クリップ中を完全に横切るスロット(77)は、バレルピニオンの穴の中でのクリップの組み立ておよび分解を可能とし、そのため、必要な放射方向の弾性が得られる。
【0048】
押しボタン(55)は軸方向に保持され、ヘッド中の開口(27)中のキャップに切り設けたられた弾性のブレード(75)によってセンタリングされる。これらのブレードは、ヘッド本体中でテンションを掛けた状態で組み立てる際、押しボタンの弾性軸に自由(軸6に沿った)を与える。図12および13は、これらのブレード(75)が強制位置にあり、またクリップ溝(80)を示す。切り取り溝(80)は、開口(27)へ押しボタン(55)をクリップするためにブレードの端部に設けてある。押しボタンを上から手動で軸方向に圧迫すると、その動きは押しボタンの円錐形のベース(78)の軸方向変位になり、またその後、その動きは、クリップのアーム内部の円錐形のキャビティの補助円錐部(82)と連携する。その後、ツールをリリースすると、前記アームの分離およびショルダー部(79)の係合が解消される。手動の圧を掛けなくした場合、押しボタンはその初期位置に戻り、2つの構成部品、すなわちそれぞれの円錐形の部品(55)と(72)は接しなくなる。
【0049】
図11〜15中に示したこの解決に従えば、締め付け及びリリース手段は弾性で円錐形のクリップ(72)であり、そのショルダー部(79)は、ツールの溝あるいは環状のスロット(28)に係合するようになっており、また、リリースする力を適用するための手段は、前記クリップ(72)の円錐形の内部形状(82)によって構成され、その放射状の変形はスロット(77)によって保証される。
【0050】
<グリースの塗布について>
図8は、図9の横断面図であり、ヘッドは、バレルレルピニオンの側部のまわりに、あるいはその側部に設けるキャビティ(83)を含み、これに固体のグリースを含ませるようになっている。グリースはオリフィス(84)を介して個々の用途に応じて少量ずつ、キャビティとバレルの間の分割壁(85)から投入され、バレルを円滑にする。
【0051】
<組立体について>
外被(8)は、プラスチック材料(例えばPEEK)のモールド成形により単一片で生産し得るが、電気的縁性を有すること、あるいは金属の介在物(例えば金属射出成形(MIM)によるもの)を含んでいるフリット化した材料であって、導電性を有するもの、あるいはその他の材料のいずれでもよい。この外被は次のものを含む。ヘッド中に、駆動軸(6)に沿った、バイトホルダおよびツールアタッチメント用の第1のハウジング(26)を有し、このハウジングは2つの開口の少なくとも一つによってヘッドの一方の側に開き、それらの開口である、開口(27)は、ヘッドのすべての構成部品と、ヘッド内の組み立て体の要素をハンドルの内部へ導入することを許す開口寸法を有し、また、ヘッドとハンドルの機械的な要素の間での相互作用を許す側面の開口(32)による最初のハウジング(26)中に、一方では開口(81)によってハンドルの遠位側の末端で開き、他方ではヘッドの中心に近い方の末端で開く直線の軸(7)を有する第2のハウジング(33)を有する。さらに、開口(81)は、ハンドルのすべての構成部品と、ハンドル内の組み立て体の要素をハンドルの内部へ導入することを許す開口寸法を有し、導入は、ハンドル(7)の直線的な軸線に沿って行う。コントラアングルハンドピースを作るために、外被は、軸(6)、(9)は例えば角度90〜180°の間の角度、好ましくは100〜130°の間の角度をなし、直線のハンドピースを作るために、軸(6)、(7)を平行かつ互い離して設けるように規定することが可能である。そのため、例えばヘッド(27)に開口を作り、内部部品の組み立て、および押しボタンのストッパを取り付けるのを可能にすることができる。
【0052】
この考え方は、以下の可能性を提供できるので、特に有利である。
−ベアリングの数の縮小、すなわちベアリングを除去すること、
−ハンドピースのコストの削減、
−ハンドピースの寸法の縮小、
−滑らかなリング郭であることによる掃除のしやすさの促進、
−単一片からなり接続部分がないので衛生面の改善。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るハンドピースの斜視図
【図2】図1中のハンドピースの縦断面図
【図3】本発明の非限定的な実施例の部分的な縦断面図
【図4】本発明の非限定的な他の実施例の部分破断斜視図であって、手動で解放できる菱形形の弾性ベルト形状を有する締め付け及び解放手段を示す図
【図5】図4の例の横断面図
【図6】弾性のベルトの高さで示した図4の例のヘッドの部分的な横断面図
【図7】図4のヘッドの部分的な断面を示す斜視図
【図8】別の非限定的な実施例の横断面図であり、締め付け及び解放手段が弾性ベルト状であり、プッシュボタンによって作動させ得るものを示す図
【図9】図8の例の具体的な部分的断面図
【図10】図8および図9中の弾性のベルトの斜視図
【図11】スプリットリングの形態で締め付け及び解放手段を構成した別の非限定的な実施例の横断面図
【図12】図11のプッシュボタン式の斜視図
【図13】図11のプッシュボタン式の斜視図
【図14】図11の分離した環状のクリップの形態を有する締め付け及び解放手段の斜視図
【図15】図11の分離した環状のクリップの形態を有する締め付け及び解放手段の斜視図
【図16】図3のプッシュボタンの斜視図
【図17】弾性を有する接続構成部分を含む図3の異なる実施例の図
【符号の説明】
【0054】
1:ハンドピース
2:本体
3:ハンドル
4:ヘッド
5:ツール
6:ヘッドの軸
7:ハンドルの軸
8:外被
11:ソケット
12:第1のベアリング
13:第1のスプリング
14:第2のベアリング
15:ベアリングのレース
16:スプリング
17:ベアリング
18:ベアリング
19:弾性ワッシャー
20:バレルピニオン
21:バレルピニオンの歯
22:出力ピニオンの歯
23:出力ピニオン
24:バイトホルダ組立体
25:ツールを締め付け解放する手段
26:第1のハウジング
27:開口
28:キャップ
32:開口
33:第2のハウジング
39:中心域
40:ヘッド
42:突部
43:ノッチ
45:分離部
46:周縁
54:耳部
55:押しボタン
56:リング
57:弾性域
58:インサート
59:内側円錐形状部
60:フランジ
64:円錐形の部分
65:スプリットリング
66、79:肩部
70:円錐形の末端
71:円錐形の部分
72:クリップ
73:円錐形の部分
75:ブレード
80:クリップ溝
81:開口
85:分割壁
87:セクター
88:接続装置
89:第1の周縁セグメント
90:スロット
91:周縁セグメント
【技術分野】
【0001】
本発明は新しいタイプの歯科用ハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の歯科用ハンドピースには2つのタイプ、すなわちストレートタイプのハンドピースおよびコントラアングルタイプのハンドピースがある。
【0003】
コントラアングルタイプのハンドピースの場合には、本体が肘状のハンドルとヘッドからなる。この構造は、本体の内部要素の組立体のために、少なくとも2部品を必要とする。3部品を必要とすることも多い。そして少なくとも3個のベアリングを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の構造では、ほとんどコストを低減できないことが認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の目的は、歯科用ハンドピースの構造に新しい概念を提案することであり、ハンドピースについての現在の概念を置き換えることができ、ハンドピースが機械的な手段あるいは空気タービンによって駆動されるものであっても、いずれでもハンドピースの本体を単一の部材で作ることを可能とする。
【0006】
この目的は、本発明が機械的な要素を含むタイプの歯科用ハンドピースからなることによって達成される。特に、アタッチメントと駆動軸周りの歯科用具の回転駆動用のツールホルダ組立体及び動作伝達用の組立体を備え、前記機械的な要素は本体とハンドル内部にマウントされ、本体は単一の部材あるいは外被から形成され、一部分がハンドル、他の部分がヘッドを構成し、ヘッドが少なくとも一つの開口を有する第1のハウジングを備え、開口は、内部へのパーツやヘッド内に入れる組立体の導入を可能とする寸法を有し、ハンドルは、第2の長手のハウジングを構成し、直線的な軸と外部への開口があり、一方のハンドルの先端は開口を介し、他方、第1のハウジング内で平行な開口を介して、ハンドルの内部要素の部品およびその組立体の導入を可能としてある。
【0007】
本発明の他の実施の形態では、ハンドピースは電気的な接続手段をなし、回転運動を伝えるための一連の機械的な伝動部品によって構成され、運動と、ハンドル末端での接続からの電気エネルギーの伝達を確実にし、ハンドピースを外部モータや装置と連携させる。
【0008】
本発明の別の変形例では、電気的に伝導性を有するワイヤーによって構成される電気的な接続手段を含む。
【0009】
また本発明の別の変形例では、機械的な伝動装置の構成部品とツールヘッドの電気的な接続のための弾性部品含む。
【0010】
さらに本発明の別の変形例では、ヘッドはタービンを含み、またハンドピースの本体は、その機能に必要な液体の流路を含む。
【0011】
ヘッドのハウジング内部は、ヘッドの機械的伝動装置構成部品からなるツールホルダ組立体を受け入れ得る。またツールまたは装置を締め付けあるいは解放手段をも受け入れ得る。前記ハウジングの開口はヘッドの上部に開き、ストッパ、蓋またはプッシュボタン状のもので閉じ得る。
【0012】
ハンドピースは、好ましくは、歯科用ツールあるいは用具のアタッチメントおよび回転運転のためのツールホルダ組立体のための構成を含む。前記ツールホルダ組立体は歯科用ハンドピースのヘッド内に一体化され、前記ハンドピースのハンドル内に一体化された動力伝達のための組立体に接続し、さらに、変形可能で弾性を有するベルト状の締め付け及び解放手段を備えている。そして少なくとも一部が溝または環状のスロットに係合するようにした断面形状を有する。この部分は用具の上部に設けてあり、締め付けることによって保持できるようになっている。前記締め付け及び解放手段は、装置を締め付け状態から解放するために、装置の締め付け力を解放する手段を備える。
【0013】
前記アタッチメントの配置は、好ましくはツールホルダに対して分離可能とする。
【0014】
本発明の一つの変形例では、ベルトは、変形可能な弾性材料で形成し、本質的には、スロットの高さでしっかりと適所にツールヘッドを保持するための中心部を形成する平行四辺形状の形状を有する。
【0015】
本発明の他の変形例では、変形可能な弾性材料からなるベルトは、スプリットリング状または環状の割りクリップ形状を有し、環状の肩部を形成し、ツールの環状部及びプッシュボタンの円錐形状の一部分に係合できる。
【0016】
本発明の変形例の実施及び/またはツールの動作速度については、アタッチメントの配置が1つのプッシュボタンを含み得るが、これはツールホルダに一体でも一体でなくてもいずれでもよく、例えばクリッピングによってヘッドの開口内に保持し得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は歯科用ハンドピースの構造に新しい概念を提案できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、図面を参照した以下の記述によってより容易に理解できるであろう。
【実施例】
【0019】
<ハンドピース本体の概念>
まず図1〜3の非限定的な実施例について言及する。本発明に係るハンドピース(1)の本体(2)は、ヘッド(4)と、直線の軸があるハンドル(3)を含む単一の部品からなる。ヘッド4には、駆動軸(6)を構成する部分(5)を備える。駆動軸(6)は、ハンドルの軸(7)と一線をなすことも、90度〜180°の予め定めた角度をなすこともいずれも可能である。また、図示の非限定的な実施例において例証されるように、100及び130°の間に位置させることもできる。
【0020】
外被(8)は筒状部材あるいは外装材によって形成する。単一の部材からなるものでも、あるいはそうでなくてもいずれでもよい。電気的絶縁性を有するもの、例えば、ポリマー、熱硬化性の加熱可塑性物からなるものも採用できる。熱硬化性の加熱可塑性物としては、できれば、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂(PEEK)が好ましい。電気的な接続手段とともにハンドルとヘッドの機械的な構成部品を組み込み、接続部(9)からの動力と電気エネルギーの伝動を確実に行えるようにする。接続部(9)は、外部モーター(図示せず)と接続するためにハンドルの末端部に設ける。できるだけヘッド(4)に取り付けたツール(5)から離すことが安全上から好ましい。
【0021】
図1〜3中で示した本発明に係るコントラアングルハンドピース(1)は、2つの軸(6)および(7)を有する。最も安定可能な出力を保証するように制限された関係で本来的な摩擦力を発生させ得るようにするためである。すなわちこの場合、ボールベアリングも外被(8)に一体化されることになる。この種のコントラアングルハンドピースの配置は、電気的根管長測定器とともに歯根管治療(endodonty)に特によく向いている。
【0022】
本発明に係るハンドピースは、モータに接続、連結し、したがって例えば、ツール(5)(根管処理用具)への例えば回転運動を作り出す。そしてこれによって、歯根尖の検知に利用できる電流を伝えることができる。モータとハンドピース(図2および図3を参照)の電気的な関係は、その他のどのような連係手段によって達成してもよい。連係手段は、例えばモータ用のアタッチメント・フックとソケット(11)のアタッチメント用溝(10)の間で連係させる。あるいは例えば遠隔操作用のボタンによっても行い得る。外被(8)(絶縁体からなる)は、施術者の手によって握り締められ、その末端に位置するヘッド(4)は患者の口内に入れられる。この形態では、機械的な伝動装置と電装部品の連係は、ハンドルの内部で以下のように構成する。電流の経路は、ソケット(11)から第1のベアリング(12)のアウターレースおよび第1のスプリング(13)へ、その後の第2のベアリング(14)のアウターレースへ、それからボディ(8)中の第1のショルダー部上で軸方向に保持されたリング(15)へ、その後、外被(8)の第2のショルダー部によって軸方向に保持されたスプリング(16)へ、となる。
【0023】
第1および第2のベアリング(12、14)は、ハンドルの縦の軸(7)あるいはハンドピース(1)の第1の軸に沿った伝動軸を形成し、また、スプリング(13、16)は、コイルが伝動軸(7)に関して外方へ伸びようとする圧縮ばねである。この段階では、電流は、コントラアングルあるいはハンドピース(1)のハンドル部分を横断する。変形例として、用具あるいはツール(5)との接触のために、モータの末端から導線をつなぐようにすることが可能である。
【0024】
第2の軸、すなわち駆動軸(6)を備えたコントラアングルハンドピースのヘッド(4)は、2つのボールベアリング(可能であれば傾斜した接触状態で)を支える。すなわち上部のベアリング(17)のアウターレースはハンドルの第2のスプリング(16)と接して相互に作用し、また下部のベアリング(18)(軸方向の作用は弾性ワッシャー(19)の助けを借りて行われる)とも接して相互に作用する。この種のベアリング組立体では、ベアリングのボールは、アウターレース、インナーレースと常に接しており、固定部分と可動部分の電気的な接続関係を保証している。
【0025】
駆動軸(6)上にマウントしたバレルピニオン(20)は、ハンドルの出力ピニオン(23)の歯(22)と噛み合う歯(21)を含む。バレルピニオン(20)はベアリングのインナーレースと伝導性をもって一体化してある。また、それは、ツール(5)への電気的な伝導性およびその機械的な駆動を保証している。ツールの末端に伝えられる電流は、ヘッド(4)に設けた外被(8)および押しボタン(55)の外部絶縁を考慮に入れ、抵抗の変化の影響によって歯根尖を定め得る。より詳しく後述する。
【0026】
変形例として、第2のベアリング(14)とツールのヘッド(40)の電気的な関係も弾性かつ導電性の接続要素(88)によって保証される。既述のように、バレルピニオン(20)によって同様にツール用の機械式駆動装置との関係も確保される。
【0027】
前記接続構成要素(88)は、例えば、ストリップ状あるいは棒状で円形あるいは長方形状の断面形状を有し、そして、第1の周縁セグメント(89)を構成してベアリング(14)のレース(15)中に形成したスロット(90)と係合し、反対の端部でツールのヘッド(40)に対して支持された他の周縁セグメント(91)に係合する。前記接続要素は、プッシュボタンがオフとされる場合、スロット(90)のために、ツールの軸に垂直に維持される。
【0028】
この変形例は、特に有利である。それは、一方では、プッシュボタン(55)上への支持は、ツールのヘッド(40)を受け入れないようにし、そして他方では、ヘッド(40)を備えた接続要素による接触を前記ヘッドの球面により、ツールの軸に対してセンタリングされ、従って、摩擦がほぼゼロに近づくからである。
【0029】
<アタッチメント配置、およびヘッド中のツールの締め付け、解放手段の概念>
ここで記述する例は、限定的なものではなくツールを締め付けて取り付け、緩めて解放する手段の好ましい具体例である。例えば、歯根管治療の間における臼歯へのアクセシビリティは、施術者および患者双方のための気楽さと質を保証するものである。このため本願出願人は、既にバイトホルダ組立体(24)を提案した。これはヘッドの機械的な伝動装置の構成部品からなるが、できるだけ小さく、コンパクトにすべきものである。
【0030】
本願出願人は、以下によりその目的を達成した。
−一つの新規な、コンパクトで、かさばらない締め付けおよび解放手段(25)であって、アタッチメント組立体の一部をなし、そしてプラスチック材料(例えばPEEK)で形成し、変形可能で弾性を有するベルト(25)からなり、そして締め付けおよび解放する機能を単独で行うことができ、前記解放は、ベルト上でのセンタリング動作を手動で行なう。また前記締め付けは、この動作を緩めることにより行なう。
−ヘッド中の内部ハウジング(26)は、バイトホルダ組立体(24)を受け入れるために設ける。また締め付けおよび解放手段(25)も受け入れる。前記ハウジングは、ヘッド上に開く開口(27)を備える。開口(27)は、栓、すなわちキャップ(28)によって閉じることができる。あるいはプッシュボタンを用いても良い。
【0031】
この解決手法は、以下に説明する2つの具体例についての説明を読むことにより、より容易に評価され得るであろう。
第1の具体例は、図4〜7を参照して説明する。この例では、解放はベルトを直接に手で動かすという行為によってコントロールする。
図示したバイトホルダ組立体(24)のハウジング(26)は、一方では、駆動軸(6)と共軸の低部側の円筒状の部分(29)を備えるが、その直径は、バレルピニオン(20)のバレル部(30)を受け入れ得るように構成してある。そして、他方では、上部側の本質的に円筒状の部分(31)は、同様に駆動軸(6)と共軸で、より大きな直径を有し、装置のインターロック手段とともにバレルピニオンの歯(21)を受け入れ得るように構成してある。後述する締め付け、解放装置も同様である。
ハウジング(31)の上部の吐出口(27)は、栓かキャップ(28)によって閉じるが、外被(8)と同材料で形成するのが好ましいが、必ずしもそうでなくても良い。ハウジング(31)の上部には、ハンドル(3)の内部ハウジング(33)に入り込む側面開口(32)を備える。バレルピニオン(20)の歯とハンドル(3)の出力ギア(23)の歯との係合を許容するのと同様の形態である。
【0032】
バレルピニオンは、ヘッド中で自由に回転する。またショルダー部を形成するハウジングの上部のベース(34)とストッパの前面(35)の間で軸の基準が確保される。前記バレルピニオンに生じる軸の自由度は、1ミリメートルの数百の部分の一のオーダーである。出力ピニオン(23)の回転運動はバレルピニオン(20)に伝わり、それから平面(36)によりツール(5)に伝わる。平面(36)、(37)によりツールと連係する。平面(36)、(37)は、バレルピニオン内部の穴(38)中に設ける。
【0033】
図4から図7で示すこの例で要求されるのは、締め付け及び解放手段が、変形可能で弾性材料で形成したベルト(25)からなり、中心域(39)を有する菱形の形状を示し、ツールのヘッド(40)を、ツール上部端に設けた環状のブロッキング・スロット(41)の高さの位置で安全に保持するようになっていることである。
【0034】
菱形の大きな対角線はその2つの末端が、2つの突部(42)としてヘッド(4)の外被を完全に越えて伸びることを保証する。それらの各々は、ヘッド中の各ノッチ(43))中に位置し、各ノッチ(43)は、一方では、ハウジングの上部(31)へ入り、そして、他方では、栓を受け入れる開口(27)内へ入る。2つの突部に対する手動による1つの直接的求心手動動作は、同時にツールの解放をもたらし、また、この動作を弛緩させると、前記ツールを締める。
【0035】
ノッチ(43)のフランジ(44)は、ベルトの回転に対するブロッキングから守る。すなわち、突部(42)の近傍に配した分離部(45)によりヘッド内でセンタリングし、そして、ハウジング(26)の上部の周縁(46)上に支持する。一方、ストッパの軸内空間(49)のベース(48)中に設けるショルダー部(47)によってベルトの軸規準が保証され、他方では、ノッチのベース(50)によってツールのヘッド(40)を提供する
【0036】
このように、ベルトは、バレルピニオンの回転部分に触れない。自由な状態で、前記ベルトがツールのヘッドの環状のスロットの上部のショルダー部(51)と関連し、前記ツールの第1軸方向の制限を生じさせ、バレルピニオン上の平面(52)によって確定される第2の軸方向の制限を、ツールの平面の交わる末端(53)で生じさせる。
【0037】
ツールのロックを解除することは、突部(42)への2つの全く反対の緊急の力の適用を回転軸線の方へ向けて生じさせる。これらの2つの力は直角の成分を生じさせ、それによってツールを解放する。ベルトの2つの耳を同時に直接に押す行為(例えば親指および人差し指で押す行為)は、例えば押しボタン方式と比較して、口をきちんと締めることを保証する。ツールのアタッチメントは、円錐形の部分(64)の配置のおかげで、ベルトの2つの耳に圧力を加えずに達成することができる。円錐形の部分(64)は、ベルトの中心域(39)の下面に設け、そのためツールの軸方向変位量は、ベルトの弾性により放射状の変位を引き起こし、ベルトは締め機能を保持するためにその形態をとり続ける。
【0038】
締めと解放手段を実現するための別のモードを、図8〜10と共に以下に記述する。
図8、図9に例示したように、弾性のベルト(25)は、菱形および中心域(39)の形状を有している。前の例のベルトとは異なり、ツールを安全にすることができる。その耳部(54)がベルトの面に垂直な突起を形成するためであり、またベルトと同じ側に位置し、そしてそれがバレルピニオンによって軸方向にかつ放射状に維持されるためである。
【0039】
この結果、
−ベルトの2つの末端は、バレルピニオン上部のフランジ(62)上に設けた2つの周面部ギャップ(61)と交差し(2つの周面部ギャップ(61)は径方向で対向し、駆動軸線(6)の横断面上に位置する)、
−2つの耳部(54)は、前述のフランジ上の2つのノッチ(63)によって回転を止められる。さらに、ヘッドは、ストッパが金属のインサートを有する押しボタン式(55)に交換されている点で従来のものと異なっており、例えば、製造がしやすくなっている。
【0040】
以上述べたように、この実施例では、押しボタンは例えばPEEKで作られており、多くの構成部品を備えている。すなわち、
−下端の弾性のリング(56)は、バレルピニオンの軸の自由を制限し、ヘッド(4)の押しボタンを保持し、
−中間の弾性域(57)は、押しボタン式の戻しスプリングの役割を果たし、
−内側円筒状インサート(58)は、押しボタンが押されるとき、弾性ベルトの変形、すなわちツールの解放を制御することを可能とし、また、この目的のために押しボタン(55)を押すと、スプリング(57)を圧縮し、そして、インサート(58)の内側円錐形状部(59)を補足的なベルトの耳部の円錐形のフランジ(60)と相互に作用させ、
−ベルトの耳部(54)上に生じる放射状の部分は、これに垂直な別の放射状の変形を引き起こし、
−この変形は、ツールを開けることを可能にする。
【0041】
ヘッド中へのツールの導入は、押しボタンを押すことにより達成できるが、押しボタンを押さないで行う場合は、ベルトの中心域(39)の下面上の円錐形の部位(64)は、ツールの導入を許容する。
ベルトは回転の間の遠心力による締め付けをしかりすることに寄与する。
【0042】
<押しボタンの概念>
小型化は、医療用具の分野において研究の一定の分野を占める。歯科用のコントラアングルハンドピースにおいても同様である。熱可塑性の材料あるいは熱硬化性の材料のような高分子材料の新素材を用いることが検討されている。従来のメカニズムも、これらの新素材の機械的な特性、物理的な特性および化学の特性を考慮に入れることにより再考し得る。そして、同時に、構成部品の数の縮小も図り得る。これは品質の改善および組み立てコストの低減に寄与し得る。これらのプラスチック部品は機械加工や射出成形によって製造し得る。小型化に加えて、もちろん、これらのプラスチック材料を用いることで、動的な機器に対してスライドし得る能力、滅菌または消毒に対する高い抵抗性、および好的な弾性特性を発揮し得る。そのため、これらのプラスチック材料は、歯科用ハンドピースの生産に利用できる。ツールを締めるかリリースするためには、一般にハンドピースのヘッド上で押しボタンを手動で操作する形式をとる。上述した概念によれば、この押しボタンは、歯内治療のための動的な組立体、すなわち振動や回転可能とするには不可欠かもしれない。そして固定式の押しボタンは上述した動的な組立体とは無関係である。
【0043】
適所にバーがあるハンドピースのヘッドは、図2および3を参照して、本発明の適用例として既に上述した。
ヘッド(4)の本体部が、ハンドル(3)を備えた単一ピースのものであるか否かにかかわらず、回転するバレルピニオン(20)を取り付けることを再びここで指摘する。バレルピニオン(20)は、ハンドル中のアウトプット・ピニオン(23)によって回転させる。バレルピニオンは自由に回転でき、軸を固定する接続、例えばボールベアリングのような構造を有する。もちろん、ボールベアリングを使用しない構造的解決を考えることもできる。その例を、図5および7中に示す。この例では、滑り軸受を挿入するか、あるいはヘッドを本体に滑り軸受を成形してある。
【0044】
バーの回転運動の伝達はバレルピニオン(4)の設けた平面(36)とツールの面(37)の結合によってなされる。ツールの軸の規準は、バレルピニオンの平面上の肩部、およびツールの補足的な平面上の肩部によって定まる。
【0045】
出発点としてこの共通の記述を採用すると、本発明に係る2つのタイプの押しボタンを識別することが可能である。すなわち、ツールホルダとして知られている動的な組立体と一体の押しボタン(図3および図16中に符号(55)で示す)であり、回転するロック組立体と押しボタンの間での永久的接触によって特徴づけられる。静止状態において、押しボタン(55)(例えばPEEKから作られている)は、弾性を有するスプリットリング(65)(やはり例えばPEEK製)に軸方向の限界を提供し、そして同時に、軸(6)に関してスプリットリング(65)をセンタリングさせる。リング(65)は円筒状の外形を持ち、また、その内部壁は、円錐形の勾配面(71)を備えた上部のフランジを含み、また、交差する肩状部(66)の形を有する中間部は軸(6)の方へ伸びる。弾性のリング(65)の肩部(66)はツール(5)を保持する。保持するのは、環状のスロット(41)に嵌まることで軸方向となる。押しボタン式の(55)は、1つ以上のセクターあるいは要素(87)によって、バレルピニオンの穴(38)の中で径方向でガイドされ、押しボタン(55)の下面の上で配置され、そして各々円錐形の末端によって止められ、弾性のリング(65)を形成する。押しボタン(55)の軸方向変位量は1以上のギャップ(68)の上側端と下側端の間に制限されている。ギャップ(68)はバレルピニオンの上部ボディ中に形成され、そしてギャップ(68)中では押しボタンの下面に設けた1以上のフック(67)が相互に作用する。弾性のリング(65)は押しボタン(55)の軸方向の要素を構成し、押しボタン(55)をその初期位置に戻すように作用する。それらの放射方向の弾性のおかげで、フックとセクター(87)の間に設けるスロット(69)により、フック(67)は、樽状部分で押しボタンの「クリッピング」係合を許容する。押しボタン(55)の圧迫は、円錐形の部分(70)によってツール(5)を開けることを可能にする。円錐形の部分(70)は、弾性リングの補足的な円錐形の傾斜面(71)に係合し、ショルダー部(66)を解放する。バレルピニオン中へのツール(5)の導入は自動的になし得る。押しボタンを押さなくても良いのは、ショルダー部(66)の末端で弾性のリングの下面上に設けた円錐形の部分(73)のためである。
【0046】
図3中で、締めと緩めを行う手段は分離した弾性のリングである。このリングは、図3中に断面で示すように放射平面に沿って開いており、また、緩める力を適用する手段は、円錐形の斜面(71)によって構成される。
【0047】
<動的な組立体と無関係の押しボタン>
ツールが手に握り締められる位置で、押しボタンおよびロックする手段が分離していることが本発明の特徴である。このような具体例を図11〜15に示す。
静止状態において、動的状態であろうと無かろうと、および押しボタンの作動がなくても、円錐形の弾性の環状のクリップ(72)が、ツール(5)を軸方向に保持する。これは、そのアーム(73)(例えば6つのアーム)によるもので、各アームは軸(6)の方へ向かうショルダ(79)が各々の端部となる。クリップ(72)は、バレルピニオンに形成した開口(76)に対応するクリップの周縁の突起(74)により、回転するバレルピニオンと一体化する。クリップ中を完全に横切るスロット(77)は、バレルピニオンの穴の中でのクリップの組み立ておよび分解を可能とし、そのため、必要な放射方向の弾性が得られる。
【0048】
押しボタン(55)は軸方向に保持され、ヘッド中の開口(27)中のキャップに切り設けたられた弾性のブレード(75)によってセンタリングされる。これらのブレードは、ヘッド本体中でテンションを掛けた状態で組み立てる際、押しボタンの弾性軸に自由(軸6に沿った)を与える。図12および13は、これらのブレード(75)が強制位置にあり、またクリップ溝(80)を示す。切り取り溝(80)は、開口(27)へ押しボタン(55)をクリップするためにブレードの端部に設けてある。押しボタンを上から手動で軸方向に圧迫すると、その動きは押しボタンの円錐形のベース(78)の軸方向変位になり、またその後、その動きは、クリップのアーム内部の円錐形のキャビティの補助円錐部(82)と連携する。その後、ツールをリリースすると、前記アームの分離およびショルダー部(79)の係合が解消される。手動の圧を掛けなくした場合、押しボタンはその初期位置に戻り、2つの構成部品、すなわちそれぞれの円錐形の部品(55)と(72)は接しなくなる。
【0049】
図11〜15中に示したこの解決に従えば、締め付け及びリリース手段は弾性で円錐形のクリップ(72)であり、そのショルダー部(79)は、ツールの溝あるいは環状のスロット(28)に係合するようになっており、また、リリースする力を適用するための手段は、前記クリップ(72)の円錐形の内部形状(82)によって構成され、その放射状の変形はスロット(77)によって保証される。
【0050】
<グリースの塗布について>
図8は、図9の横断面図であり、ヘッドは、バレルレルピニオンの側部のまわりに、あるいはその側部に設けるキャビティ(83)を含み、これに固体のグリースを含ませるようになっている。グリースはオリフィス(84)を介して個々の用途に応じて少量ずつ、キャビティとバレルの間の分割壁(85)から投入され、バレルを円滑にする。
【0051】
<組立体について>
外被(8)は、プラスチック材料(例えばPEEK)のモールド成形により単一片で生産し得るが、電気的縁性を有すること、あるいは金属の介在物(例えば金属射出成形(MIM)によるもの)を含んでいるフリット化した材料であって、導電性を有するもの、あるいはその他の材料のいずれでもよい。この外被は次のものを含む。ヘッド中に、駆動軸(6)に沿った、バイトホルダおよびツールアタッチメント用の第1のハウジング(26)を有し、このハウジングは2つの開口の少なくとも一つによってヘッドの一方の側に開き、それらの開口である、開口(27)は、ヘッドのすべての構成部品と、ヘッド内の組み立て体の要素をハンドルの内部へ導入することを許す開口寸法を有し、また、ヘッドとハンドルの機械的な要素の間での相互作用を許す側面の開口(32)による最初のハウジング(26)中に、一方では開口(81)によってハンドルの遠位側の末端で開き、他方ではヘッドの中心に近い方の末端で開く直線の軸(7)を有する第2のハウジング(33)を有する。さらに、開口(81)は、ハンドルのすべての構成部品と、ハンドル内の組み立て体の要素をハンドルの内部へ導入することを許す開口寸法を有し、導入は、ハンドル(7)の直線的な軸線に沿って行う。コントラアングルハンドピースを作るために、外被は、軸(6)、(9)は例えば角度90〜180°の間の角度、好ましくは100〜130°の間の角度をなし、直線のハンドピースを作るために、軸(6)、(7)を平行かつ互い離して設けるように規定することが可能である。そのため、例えばヘッド(27)に開口を作り、内部部品の組み立て、および押しボタンのストッパを取り付けるのを可能にすることができる。
【0052】
この考え方は、以下の可能性を提供できるので、特に有利である。
−ベアリングの数の縮小、すなわちベアリングを除去すること、
−ハンドピースのコストの削減、
−ハンドピースの寸法の縮小、
−滑らかなリング郭であることによる掃除のしやすさの促進、
−単一片からなり接続部分がないので衛生面の改善。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るハンドピースの斜視図
【図2】図1中のハンドピースの縦断面図
【図3】本発明の非限定的な実施例の部分的な縦断面図
【図4】本発明の非限定的な他の実施例の部分破断斜視図であって、手動で解放できる菱形形の弾性ベルト形状を有する締め付け及び解放手段を示す図
【図5】図4の例の横断面図
【図6】弾性のベルトの高さで示した図4の例のヘッドの部分的な横断面図
【図7】図4のヘッドの部分的な断面を示す斜視図
【図8】別の非限定的な実施例の横断面図であり、締め付け及び解放手段が弾性ベルト状であり、プッシュボタンによって作動させ得るものを示す図
【図9】図8の例の具体的な部分的断面図
【図10】図8および図9中の弾性のベルトの斜視図
【図11】スプリットリングの形態で締め付け及び解放手段を構成した別の非限定的な実施例の横断面図
【図12】図11のプッシュボタン式の斜視図
【図13】図11のプッシュボタン式の斜視図
【図14】図11の分離した環状のクリップの形態を有する締め付け及び解放手段の斜視図
【図15】図11の分離した環状のクリップの形態を有する締め付け及び解放手段の斜視図
【図16】図3のプッシュボタンの斜視図
【図17】弾性を有する接続構成部分を含む図3の異なる実施例の図
【符号の説明】
【0054】
1:ハンドピース
2:本体
3:ハンドル
4:ヘッド
5:ツール
6:ヘッドの軸
7:ハンドルの軸
8:外被
11:ソケット
12:第1のベアリング
13:第1のスプリング
14:第2のベアリング
15:ベアリングのレース
16:スプリング
17:ベアリング
18:ベアリング
19:弾性ワッシャー
20:バレルピニオン
21:バレルピニオンの歯
22:出力ピニオンの歯
23:出力ピニオン
24:バイトホルダ組立体
25:ツールを締め付け解放する手段
26:第1のハウジング
27:開口
28:キャップ
32:開口
33:第2のハウジング
39:中心域
40:ヘッド
42:突部
43:ノッチ
45:分離部
46:周縁
54:耳部
55:押しボタン
56:リング
57:弾性域
58:インサート
59:内側円錐形状部
60:フランジ
64:円錐形の部分
65:スプリットリング
66、79:肩部
70:円錐形の末端
71:円錐形の部分
72:クリップ
73:円錐形の部分
75:ブレード
80:クリップ溝
81:開口
85:分割壁
87:セクター
88:接続装置
89:第1の周縁セグメント
90:スロット
91:周縁セグメント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的な要素を含むタイプの歯科用ハンドピース(1)であって、特に、アタッチメントと駆動軸(6)の周りの歯科用具の回転駆動用のツールホルダ組立体、そして動作伝達用の組立体を備え、前記機械的な要素は本体(2)とハンドル(3)のヘッド(4)内部にマウントされ、前記本体(2)は単一の部材あるいは外被(8)とともに形成され、一部分がハンドル、他の部分がヘッドを構成し、該ヘッドが、少なくとも一つの開口を有する第1のハウジング(26)を備え、該開口は、内部へのパーツの導入や前記ヘッド内に入れる組立体の導入を可能とする寸法を有し、前記ハンドルは、第2の細長いハウジング(33)を構成し、直線的な軸(7)と外部への開口(81)を有し、該開口(81)は、前記一方のハンドルの先端は該開口を介し、他方、前記第1のハウジング内で平行な開口(32)を介して、前記ハンドルの内部に位置する要素と組立体の導入を可能としてあることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項2】
請求項1の歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドの軸(6)と前記ハンドルの軸(7)が予め定めた角度αを形成し得ることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項3】
請求項2の歯科用ハンドピースにおいて、前記角度αが100〜130°であることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項4】
請求項1の歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドの軸(6)および前記ハンドルの軸(7)を平行かつ互い離して設けて直線状とし得ることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記外被(8)をモールド成形してなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項6】
請求項5の歯科用ハンドピースにおいて、前記外被(8)を高分子材料で形成してなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項7】
請求項6の歯科用ハンドピースにおいて、前記外被(8)を好ましくはPEEで形成してなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項8】
請求項6または7の歯科用ハンドピースにおいて、回転運動の機械伝動装置用の一連の要素部品によって構成された電気的な接続手段を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項9】
請求項8の歯科用ハンドピースにおいて、前記回転運動の機械伝動装置用の一連の要素部品が、前記ハンドルの内部に位置し、電流の経路は、ソケット(11)から第1のベアリング(12)のアウターレースおよび第1のスプリング(13)へ、その後の第2のベアリング(14)のアウターレースへ、それから本体中の第1のショルダー部上で軸方向に保持されたリング(15)へ、その後、前記外被(8)の第2のショルダー部によって軸方向に保持されたスプリング(16)へ流れ、前記第1および第2のベアリング(12、14)は、前記ハンドルの縦の軸(7)あるいは前記ハンドピース(1)の第1の軸に沿った伝動軸を形成し、また前記スプリング(13、16)は、コイルが伝動軸(7)に関して外方へ伸びようとする圧縮ばねであり、コントラアングルの前記ヘッド(4)中で、その第2の軸あるいは駆動軸(6)で、2つのボールベアリング、すなわち上側のベアリング(17)を支持し、前記ベアリング(17)の外部レースは、前記ハンドルの前記第2のスプリング(16)と相互に作用し、また軸方向の作用は弾性ワッシャー(19)のサポートにより行われる下部のベアリング(18)とも相互に作用し、前記駆動軸(6)上にマウントしたバレルピニオン(20)は、前記ハンドルの出力ピニオン(23)の歯(22)と噛み合う歯(21)を含み、前記バレルピニオン(20)は前記ベアリングのインナーレースと伝導性を持って一体化してあり、ツール(5)への電気的伝導性およびその機械的な駆動を確保することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項10】
請求項6または7の歯科用ハンドピースにおいて、前記電気的な接続手段が導線であることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項11】
請求項6または7の歯科用ハンドピースにおいて、前記電気的な接続手段が弾性の接続装置(88)を含み、機械伝動装置の要素部品とツールのヘッドの間を電気的に接続させることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項12】
請求項11の歯科用ハンドピースにおいて、第1の周縁セグメント(89)を構成してベアリング(14)のレース(15)中に形成したスロット(90)と係合し、反対の端部でツールのヘッド(40)に対して支持された他の周縁セグメント(91)に係合することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項13】
請求項5の歯科用ハンドピースにおいて、前記外被がMIM(金属射出成形)で形成されてなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項14】
請求項から13のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッド中の内部のハウジング(26)は、前記ヘッドの機械伝動装置要素からなるバイトホルダ組立体を受け入れ得るとともに、ツール(5)を締め付けまたは解放する手段(25)を受け入れ得るものであり、前記ハウジングは開口(27)を介して前記ヘッド上に開き、開口(27)を栓あるいはキャップ(28)あるいは押しボタンによって閉じ得ることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドがタービンを含み、前記本体は、その機能に必要な流路を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドは、固体のグリースを含ませるためのキャビティを有し、該グリースはオリフィスを介して個々の用途に応じて、前記キャビティとバレルピニオンの間の分割壁(85)から投入され、バレルピニオンを円滑にすることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントと前記駆動軸(6)の周りの歯科用具の回転駆動用のバイトホルダ組立体に歯科用のツールを取り付け得るものであり、前記バイトホルダ組立体(24)は前記ハンドピースのヘッド(4)と一体化してあり、前記ハンドピース(1)の前記ハンドル(3)中で一体化された伝動装置に接続し、そして変形可能で弾性を有する略ベルト状の締め付け解放手段(25)を備え、少なくとも該締め付け解放手段の一部が溝または環状のスロットに係合するようになっている断面形状を有し、前記スロットは前記ツールの上部中に設けられ、締め付けることにより前記ツールを保持し、前記締め付けを解放する手段はまた締め付け力を解放する手段を有し、前記ツールを解放するようになっていることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項18】
請求項17の歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントがバイトホルダ組立体(24)から分離可能に配置してあることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項19】
請求項17または18の歯科用ハンドピースにおいて、前記ベルト(25)が変形可能で弾性材料で形成され、本質的に中心域(39)を有する平行四辺形を有して前記ツールのヘッド(40)をしっかりと前記スロットの高さ位置に保持し、平行四辺形の長い対角線を有することが該保持をしっかりしたものとし、その2つの対角線の末端は、2つの突部(42)として前記ヘッド(4)の外被を完全に越えて伸び、それらの各々は、前記ヘッド中の各ノッチ(43)中に位置し、前記各突部は、前記ベルトの解放のための手動での直接操作可能な手段を構成することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項20】
請求項19の歯科用ハンドピースにおいて、前記ベルト(25)は前記突部(42)の近傍に配した分離部(45)を含み、前記ハウジング(26)の上部の周縁(46)上に支持されることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項21】
請求項19の歯科用ハンドピースにおいて、本質的に平行四辺形を示す前記弾性ベルト(25)が中心域(39)を有し、しっかりと適所に前記ツールを保持するようにされ、前記適所が、前記ベルトと同じ側に位置しかつ前記ベルト面に垂直な突起を形成する耳部(54)を有し、2つの該耳部が、前記バレルピニオンを介して締め付け力を適用するための手段を構成することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項22】
請求項20の歯科用ハンドピースにおいて、前記耳部が円錐形のフランジ(60)を有することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項23】
請求項19から22のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ベルトは、前記中心域(39)の下面上で円錐形の部分(64)を示すことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項24】
請求項21から22のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに多くの構成部品を示す押しボタンを含み、下端の弾性のリング(56)は、前記バレルピニオンの軸の自由を制限し、前記ヘッド(4)の押しボタンを保持し、中間の弾性域(57)は、前記押しボタンの戻しスプリングの役割を果たし、内側円筒状インサート(58)は、前記押しボタンが押されるとき、前記ベルトの弾性変形、すなわち前記ツールの解放を制御することを可能とすることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項25】
請求項22から24のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記インサート(58)は内側円錐形状部(59)を含み、補足的なベルトの耳部の円錐形のフランジ(60)と相互に作用するようにしてなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項26】
請求項17から18のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記変形可能で弾性を有するベルトは、スプリットリング(65)の形状あるいは分離した環状のクリップ(72)の形状を示し、環状の肩部(66)、(79)を含み、前記ツールおよび円錐形の部分(71)で環状のキャップ(28)に係合して押しボタンの補足的な円錐形の部分と相互に作用するようにしてなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項27】
請求項26の歯科用ハンドピースにおいて、前記スプリットリングは、該スプリットリングの下面上に前記ツールの導入に供する円錐形の部分(73)を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項28】
請求項27の歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに1以上のセクター(87)によって軸方向にガイドされる押しボタン(55)を含み、前記セクターは前記アタッチメントの下面上に設けられ、各々が円錐形の末端(70)を有することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項29】
請求項27の歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに押しボタン(55)を含み、押しボタン(55)は、そのキャップに切られ、クリップ溝(80)により終了する弾性のブレード(75)を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項30】
請求項17から18のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに締め付け解放手段に解放力を与えるための押しボタンを含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項31】
請求項30の歯科用ハンドピースにおいて、前記押しボタンがバイトホルダと一体であることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項32】
請求項30から31のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記押しボタンが、ヘッドの穴中のクリップによって保持されることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項1】
機械的な要素を含むタイプの歯科用ハンドピース(1)であって、特に、アタッチメントと駆動軸(6)の周りの歯科用具の回転駆動用のツールホルダ組立体、そして動作伝達用の組立体を備え、前記機械的な要素は本体(2)とハンドル(3)のヘッド(4)内部にマウントされ、前記本体(2)は単一の部材あるいは外被(8)とともに形成され、一部分がハンドル、他の部分がヘッドを構成し、該ヘッドが、少なくとも一つの開口を有する第1のハウジング(26)を備え、該開口は、内部へのパーツの導入や前記ヘッド内に入れる組立体の導入を可能とする寸法を有し、前記ハンドルは、第2の細長いハウジング(33)を構成し、直線的な軸(7)と外部への開口(81)を有し、該開口(81)は、前記一方のハンドルの先端は該開口を介し、他方、前記第1のハウジング内で平行な開口(32)を介して、前記ハンドルの内部に位置する要素と組立体の導入を可能としてあることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項2】
請求項1の歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドの軸(6)と前記ハンドルの軸(7)が予め定めた角度αを形成し得ることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項3】
請求項2の歯科用ハンドピースにおいて、前記角度αが100〜130°であることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項4】
請求項1の歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドの軸(6)および前記ハンドルの軸(7)を平行かつ互い離して設けて直線状とし得ることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記外被(8)をモールド成形してなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項6】
請求項5の歯科用ハンドピースにおいて、前記外被(8)を高分子材料で形成してなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項7】
請求項6の歯科用ハンドピースにおいて、前記外被(8)を好ましくはPEEで形成してなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項8】
請求項6または7の歯科用ハンドピースにおいて、回転運動の機械伝動装置用の一連の要素部品によって構成された電気的な接続手段を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項9】
請求項8の歯科用ハンドピースにおいて、前記回転運動の機械伝動装置用の一連の要素部品が、前記ハンドルの内部に位置し、電流の経路は、ソケット(11)から第1のベアリング(12)のアウターレースおよび第1のスプリング(13)へ、その後の第2のベアリング(14)のアウターレースへ、それから本体中の第1のショルダー部上で軸方向に保持されたリング(15)へ、その後、前記外被(8)の第2のショルダー部によって軸方向に保持されたスプリング(16)へ流れ、前記第1および第2のベアリング(12、14)は、前記ハンドルの縦の軸(7)あるいは前記ハンドピース(1)の第1の軸に沿った伝動軸を形成し、また前記スプリング(13、16)は、コイルが伝動軸(7)に関して外方へ伸びようとする圧縮ばねであり、コントラアングルの前記ヘッド(4)中で、その第2の軸あるいは駆動軸(6)で、2つのボールベアリング、すなわち上側のベアリング(17)を支持し、前記ベアリング(17)の外部レースは、前記ハンドルの前記第2のスプリング(16)と相互に作用し、また軸方向の作用は弾性ワッシャー(19)のサポートにより行われる下部のベアリング(18)とも相互に作用し、前記駆動軸(6)上にマウントしたバレルピニオン(20)は、前記ハンドルの出力ピニオン(23)の歯(22)と噛み合う歯(21)を含み、前記バレルピニオン(20)は前記ベアリングのインナーレースと伝導性を持って一体化してあり、ツール(5)への電気的伝導性およびその機械的な駆動を確保することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項10】
請求項6または7の歯科用ハンドピースにおいて、前記電気的な接続手段が導線であることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項11】
請求項6または7の歯科用ハンドピースにおいて、前記電気的な接続手段が弾性の接続装置(88)を含み、機械伝動装置の要素部品とツールのヘッドの間を電気的に接続させることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項12】
請求項11の歯科用ハンドピースにおいて、第1の周縁セグメント(89)を構成してベアリング(14)のレース(15)中に形成したスロット(90)と係合し、反対の端部でツールのヘッド(40)に対して支持された他の周縁セグメント(91)に係合することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項13】
請求項5の歯科用ハンドピースにおいて、前記外被がMIM(金属射出成形)で形成されてなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項14】
請求項から13のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッド中の内部のハウジング(26)は、前記ヘッドの機械伝動装置要素からなるバイトホルダ組立体を受け入れ得るとともに、ツール(5)を締め付けまたは解放する手段(25)を受け入れ得るものであり、前記ハウジングは開口(27)を介して前記ヘッド上に開き、開口(27)を栓あるいはキャップ(28)あるいは押しボタンによって閉じ得ることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドがタービンを含み、前記本体は、その機能に必要な流路を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ヘッドは、固体のグリースを含ませるためのキャビティを有し、該グリースはオリフィスを介して個々の用途に応じて、前記キャビティとバレルピニオンの間の分割壁(85)から投入され、バレルピニオンを円滑にすることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントと前記駆動軸(6)の周りの歯科用具の回転駆動用のバイトホルダ組立体に歯科用のツールを取り付け得るものであり、前記バイトホルダ組立体(24)は前記ハンドピースのヘッド(4)と一体化してあり、前記ハンドピース(1)の前記ハンドル(3)中で一体化された伝動装置に接続し、そして変形可能で弾性を有する略ベルト状の締め付け解放手段(25)を備え、少なくとも該締め付け解放手段の一部が溝または環状のスロットに係合するようになっている断面形状を有し、前記スロットは前記ツールの上部中に設けられ、締め付けることにより前記ツールを保持し、前記締め付けを解放する手段はまた締め付け力を解放する手段を有し、前記ツールを解放するようになっていることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項18】
請求項17の歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントがバイトホルダ組立体(24)から分離可能に配置してあることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項19】
請求項17または18の歯科用ハンドピースにおいて、前記ベルト(25)が変形可能で弾性材料で形成され、本質的に中心域(39)を有する平行四辺形を有して前記ツールのヘッド(40)をしっかりと前記スロットの高さ位置に保持し、平行四辺形の長い対角線を有することが該保持をしっかりしたものとし、その2つの対角線の末端は、2つの突部(42)として前記ヘッド(4)の外被を完全に越えて伸び、それらの各々は、前記ヘッド中の各ノッチ(43)中に位置し、前記各突部は、前記ベルトの解放のための手動での直接操作可能な手段を構成することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項20】
請求項19の歯科用ハンドピースにおいて、前記ベルト(25)は前記突部(42)の近傍に配した分離部(45)を含み、前記ハウジング(26)の上部の周縁(46)上に支持されることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項21】
請求項19の歯科用ハンドピースにおいて、本質的に平行四辺形を示す前記弾性ベルト(25)が中心域(39)を有し、しっかりと適所に前記ツールを保持するようにされ、前記適所が、前記ベルトと同じ側に位置しかつ前記ベルト面に垂直な突起を形成する耳部(54)を有し、2つの該耳部が、前記バレルピニオンを介して締め付け力を適用するための手段を構成することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項22】
請求項20の歯科用ハンドピースにおいて、前記耳部が円錐形のフランジ(60)を有することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項23】
請求項19から22のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記ベルトは、前記中心域(39)の下面上で円錐形の部分(64)を示すことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項24】
請求項21から22のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに多くの構成部品を示す押しボタンを含み、下端の弾性のリング(56)は、前記バレルピニオンの軸の自由を制限し、前記ヘッド(4)の押しボタンを保持し、中間の弾性域(57)は、前記押しボタンの戻しスプリングの役割を果たし、内側円筒状インサート(58)は、前記押しボタンが押されるとき、前記ベルトの弾性変形、すなわち前記ツールの解放を制御することを可能とすることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項25】
請求項22から24のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記インサート(58)は内側円錐形状部(59)を含み、補足的なベルトの耳部の円錐形のフランジ(60)と相互に作用するようにしてなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項26】
請求項17から18のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記変形可能で弾性を有するベルトは、スプリットリング(65)の形状あるいは分離した環状のクリップ(72)の形状を示し、環状の肩部(66)、(79)を含み、前記ツールおよび円錐形の部分(71)で環状のキャップ(28)に係合して押しボタンの補足的な円錐形の部分と相互に作用するようにしてなることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項27】
請求項26の歯科用ハンドピースにおいて、前記スプリットリングは、該スプリットリングの下面上に前記ツールの導入に供する円錐形の部分(73)を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項28】
請求項27の歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに1以上のセクター(87)によって軸方向にガイドされる押しボタン(55)を含み、前記セクターは前記アタッチメントの下面上に設けられ、各々が円錐形の末端(70)を有することを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項29】
請求項27の歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに押しボタン(55)を含み、押しボタン(55)は、そのキャップに切られ、クリップ溝(80)により終了する弾性のブレード(75)を含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項30】
請求項17から18のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記アタッチメントの配置が、さらに締め付け解放手段に解放力を与えるための押しボタンを含むことを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項31】
請求項30の歯科用ハンドピースにおいて、前記押しボタンがバイトホルダと一体であることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【請求項32】
請求項30から31のいずれかの歯科用ハンドピースにおいて、前記押しボタンが、ヘッドの穴中のクリップによって保持されることを特徴とする歯科用ハンドピース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2007−512066(P2007−512066A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540499(P2006−540499)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002392
【国際公開番号】WO2005/063140
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595167018)ミクロ メガ インターナショナル マニュファクチャーズ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002392
【国際公開番号】WO2005/063140
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595167018)ミクロ メガ インターナショナル マニュファクチャーズ (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]