単一アクセスポートによる複数機器手術でのアクセスのためのシステム及び方法
単一機器ポートを通して体腔内において、複数器具による最少に侵襲的な医療手術を行うシステムであって、1対のカニューレ器具を運ぶ拡張可能なフレームを含み、各カニューレは体腔で手術を行うために使用される器具を受け入れるための管状気器を持つ。フレームは拡張可能であり、使用される器具を体腔の通常の位置で手術を実行するために都合の良い状態に置く様に、カニューレ器具を方向付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腹壁の単一ポートを通してアクセスし、腹膜腔での行う手術に用いる装置及び手法の分野に関する。
【0002】
本出願は2006年5月17日に出願された米国仮出願第60/801,113号、2006年5月17日に出願された米国仮出願第60/801,034号及び2006年7月7日に出願された米国仮出願第60/819,235号の利益を享受するものである。この出願はまた、2007年4月24日に出願された米国一部継続出願第11/789,381号であり、同出願は2006年4月24日に出願された米国仮出願第60/794,563号の利益を享受するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
腹腔中の外科手術は、通常開腹手術の技法又は腹腔鏡を用いた手法により実施される。これらの各手法では皮膚及び下層の筋肉及び腹膜組織を通して切開することが必要となり、そのため手術後の傷跡及び/又はヘルニアを残す可能性がある。腹腔鏡の手法では、開腹手術の技法ほど侵襲的ではないが、全手法を完了させるために必要な種々の器具及びスコープを用いて腹膜部位にアクセスするために小さい複数の切開部分又はポートを必要とする。本明細書に開示されたシステムは、単一ポートのみを用いて実施される手法を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1A】図1Aは単一ポート手術システムの第一の実施の態様を表す斜視図である。
【図1B】図1Bは図1Aの1B−1Bで示す面に沿った断面図である。
【図2A】図2Aは図1Aの単一ポート手術システムの末梢部分を示す上部斜視図である。
【図2B】図2Bは図2Aの連結アセンブリの上部平面図及び側面図である。
【図2C】図2Cは図2Aの連結アセンブリの上部平面図及び側面図である。図2Cでは、中央開創器が下方に傾いた位置に表されており、細線は開創器が上方に傾いた位置にある場合を示す。
【図2D】図2Dは図2Aの流線型の位置における連結アセンブリの上部平面図である。
【図2E】図2Eはカニューレ器具及び関連器具の典型的動作パターンを表す図2Aと同様の斜視図である。
【図3A】図3Aは代替連結構造を用いて僅かに変形された単一ポート手術システムの末梢端を示す斜視図である。
【図3B】図3Bは図3A中の3B−3Bの面に沿った断面図である。
【図4A】図4Aは追加のカニューレ器具を用いた他の実施の態様の末梢端の上部斜視図及び底面斜視図である。
【図4B】図4Bは追加のカニューレ器具を用いた他の実施の態様の末梢端の上部斜視図及び底面斜視図である。
【図5】図5はジンバルアセンブリの斜視図及び断面側面図である。
【図6】図6はジンバルアセンブリの斜視図及び断面側面図である。
【図7A】図7Aは2つの典型的なロック機構を示す図5のジンバルアセンブリ部の斜視図である。
【図7B】図7Bは2つの典型的なロック機構を示す図5のジンバルアセンブリ部の斜視図である。
【図8A】図8Aは代替のジンバルシステムの斜視図である。
【図8B】図8Bは代替のジンバルシステムの斜視図である。
【図9】図9は更に他の代替ジンバルシステムを用いた手術用カニューレ及び支持システムの近接端部の詳細斜視図である。
【図10】図10は図9の実施の態様のジンバルシステムを示す。
【図11】図11は図19のジンバルシステムの分解図である。
【図12】図12は図10のジンバルシステムの球の末端面の平面図である。
【図13】図13は図12のボールの蓋を外した近接面の平面図及び斜視図である。
【図14】図14は図1Aのシステムの代替ユーザーインターフェイスの斜視図である。
【図15】図15は取り外し可能な近接要素を持つ代替単一ポート手術システムを示す斜視図である。近接及び末梢部分はお互いに分離して示す。
【図16】図16はソケットとハブを示す図15のシステムの一部の詳細図である。ソケットはその内部にある特徴を見える様に一部を切り取ったものを示す。
【図17A】図17Aはけん引ワイアー ヘッド及びコントロールワイアーコネクターを結合するステップを説明する斜視図である。
【図17B】図17Bはけん引ワイアー ヘッド及びコントロールワイアーコネクターを結合するステップを説明する斜視図である。
【図18A】図18Aはアクセス カニューレのある実施の態様の斜視図である。
【図18B】図18Bはアクセス カニューレのある実施の態様の斜視図である。
【図19A】図19Aはアクセス カニューレの第二の実施の態様の斜視図である。
【図19B】図19Bは図19Aの実施の態様の変形の側面図である。
【図20】図20は手術台に取り付けられた図1の単一ポート手術システムを示し、その末梢端がアクセス カニューレを通してガスが吹送され膨張した腹腔まで伸びていることを示す概略説明図である。
【図21】図21は手術室の天井取り付け部に接続された図1Aの単一ポート手術システムであり、その末梢端がアクセス カニューレを通してガスが吹送され膨張した腹腔まで伸長されていることを示す概略説明図である。
【図22】図22は手術台にうつ伏せに横たわる患者と肝臓の手術に用いる図1Aのシステムの概略説明図である。患者はシステムが見える様に部分的に透明に描かれている。
【発明の詳細な説明】
【0005】
手術用カニューレ及び支持システム
添付図面に描かれたシステムは腹壁内に形成された単一ポートを通して手術が実施される手法を示す。
【0006】
ポートは選ばれた位置で従来の技術を用いて開けるか、又は臍孔を通して設けられる。
【0007】
ある手術では、外科医が単一ポート手術手法を、複数ポート腹腔鏡又は開腹手術手法を用いて、同じ構造に通常アプローチするのと同じ方向から腹膜腔内の手術目標に接近する方法と同じ方法で実施することができれば都合が良い。例えば、腹腔鏡又は外科技術を用いて実施される場合にもし特定の手法が、治療部位へ到達するため前方からのアプローチを採るとすると、単一ポート技術を用いる場合においても、外科医に前方から見た治療部位へのアプローチをさせることが望ましいであろう。また、これらの同じ道具が既知の腹腔鏡技術を用いて別々のポートを通して導入されるとする場合に、それらの器具が部位にアプローチするのと同じ方向から腹腔内の手術組織部位にアプローチする様に単一ポートシステムの器具を方向付けするのが望ましい。添付の図面に描かれたシステムでは、単一ポートアクセスにおいて、よく知られた腹腔鏡で用いられるアプローチを採ることができ、そしてそうすることにより外科医が単一ポート手術手法及び複数ポート腹腔鏡手法の間を容易かつ直観的に移り動くことができる。
【0008】
図1について説明すると、単一ポート手術システム100のある実施の態様においては、機器システム22及び支持システム24を含む。使用時には、支持システム24は身体の内部で一種の足場又はシャンデリアを形成し、外科医が機器システムの機器を所望のアプローチにより前進させることを可能にする位置で機器システム22を支持する。この様に、例えば、外科的に又は腹腔鏡により実施される場合に典型的に前方アプローチを使用する手法を実行する場合は、使用者は腹壁の内部に隣接して支持システム24を設けるであろう。
【0009】
支持システム24は、身体壁の開口を通して、好ましくは腹壁の切開部分又はトロカール穴に位置するアクセスカニューレ10を通して伸張が可能な細長い、オーバーチューブ(overtube)を含む。オーバーチューブ12は、より柔軟な状態で使用され、及びその後に出願人が2007年4月24日に出願した同時係属米国特許出願第11/789,381号(本出願は参照により本明細書に組み入れられる)に記載の固定脊椎に類似した、自己支持型の剛体状態に転換されて使用されてもよいが、オーバーチューブは剛体又は半剛体管状カニューレである。
【0010】
再び図1Aを参照すると、機器システム22はその各々が長さが伸張する管状気器を持つている一以上の手術用カニューレ又はカニューレ器具14を含む。機器16(例えば、かんし、内視鏡、縫合装置、ステイプラー)は手術用カニューレ14を通して伸張可能であり、腹膜腔の標的部位の位置におさまり、その装置のハンドル18は身体の外部に留まる。2又は3の手術用カニューレは複数の機器16を同時に使用させることができる点で有用である。図1Aの実施の態様においては、中央開創器14bはカニューレ器具14の間にある。開創器14bは開創器の顎を開閉する様に操作することができるハンドル18bを持つ。
【0011】
手術用カニューレ14及び中央開創器14bはオーバーチューブ12を通して伸張し、最小のスペースに留まる様にシステムを簡素化できる様にしている。内視鏡20(図4B)はまた、オーバーチューブ12を通して伸張することができ、使用者はシステムの抹消端で実行される手術を観察することができる。もし必要なら、他の機器を直接オーバーチューブ12を通して手術部位に伸張することができ、及び/又はそれらを追加的な手術用カニューレにより支持しも良い。
【0012】
もしシステムが吹送を必要とする手法で使用される場合には、オーバーチューブの長さの全て又は一部は図1Bに示す様なシリコン又はUV硬化ポリマーの様な充填材13で形成されるプラグで充填しても良い。充填材はオーバーチューブを通して吹送ガスの漏洩を防ぐために手術用カニューレの回りにシールを形成する。追加の内視鏡管状気器15が内視鏡を受容れるため充填材を通して伸張されても良い。中央開創器14bの内部の特徴は図1Bには示していない。
【0013】
オーバーチューブ12は、チューブより形成されている様に表されているが、カニューレ器具及び関連する機器又はカニューレ(例えば、内視鏡又は内視鏡用のカニューレ)を束ねる他の任意の構造に代えても良い。一つの例として、オーバーチューブを通してカニューレ器具等を伸張するのに代え、これらの機器は、収縮ラップ又は同様なプロセスにより束ねても良い。
【0014】
システム100は、ある手法に相応しい手術カニューレを支持し且つ方向付ける特徴を持つ。図1Aを参照して述べると、カニューレ器具は連結システム26により支持される。この実施の態様においては、連結システム26は一対の部材28を含む。各部材28は第一のヒンジ30により対応するカニューレ器具14の一つに取り付けられ、そして第二のヒンジにより中央開創器14b(又は代替的に、図4Aのカニューレ14aの様な縦方向のカニューレ器具に)に取り付けられる。ヒンジ30はカニューレ器具14上の対応するカラーに取り付けても良く、ヒンジ32は開創器14b上の類似するカラー36に取り付けても良い。連結部分が折畳んだ縮小した位置にある場合、部材28は図2Dに示す様な末梢方向に伸び、カニューレ器具14はアクセスカニューレ10を通る様にオーバーチューブの縦方向軸の近くに設けられる。連結部分26を広げるために、中央開創器14bは中央に引戻され、それにより部材28がヒンジ30,32で旋回する。
【0015】
図2Cについて述べると、中央開創器14bは近接部分38及び末梢部分40を含む。近接部分38は一以上のケーブル上に張った多くの部分からなり、より短い部分44及び末梢部分40上に機器の先端46を持つ。開創器14b内のケーブルは、ケーブルに張力がかけられているときは開創器が剛体となる様に配置され、またケーブル内の張力のバランスがハンドル18bにある、又は身体外の何処かにあるコントロール(示さず)を用いて変えられる場合、末梢部分40が偏向する様に配置される。例えば、カニューレ器具14の一つにより運ばれる機器が、作業対象である組織に作動することができる様に、図2Cに示す開創器が組織を持上げる様に、開創器14bは身体の方向に向け及びそれと反対方向に偏向されることもある。追加のけん引ケーブル(図示せず)が開創器先端46の顎の開閉をする様に操作される。
【0016】
本明細書に開示された実施の態様において、各カニューレ器具14は好ましくはその末梢領域に事前に形成されたカーブを持つのが良い。カーブはカニューレ14を、その連結部分が開いているときは、カニューレ14の中央管状気器を通る機器16(図1A)が標準治療部位に接近することができる様にカニューレ14を方向付ける。事前のカーブの形成は多くの方法の何れを用いても行っても良い。例えば、カニューレ14は使用中に座屈しない様に十分な堅さを持つ、事前にカーブさせたチューブで作ることができる。ステンレス鋼又は他の材料でできた強化組ひもをカニューレ14の剛性部分の、チューブの壁に入れても良い。他の実施の態様においては、形成された領域は図2D(その中で連結部分は折り畳まれた状態にある)に示され2007年4月24日出願の同時係属米国特許出願第11/789,381号に開示された分割脊柱と類似する分割された構造を持っても良い。この設計では、個々の脊柱部分(spine segment)は一以上のケーブル上に撚り合わされている。これらの部分は個々の形を持ち、部分を通るケーブルが引張られる時に、全体的にカニューレ器具に望ましい偏向を与える(例えば、図2Aに示す様にカニューレに方向を与える)。カニューレの全体の長さに亘り分割されても良く、又は末梢部分をポリマーチューブで製作して柔軟性を与えても良い。
【0017】
図3Aはシステム100の末梢端を変形させた構造の斜視図であり、カニューレ器具14の末梢端を示す。この実施の態様においては、連結部分26aはカニューレ14に回転中心50において回転可能に連結されており、カニューレ14をオーバーチューブ12に結合する。連結部分26aはまたカニューレ器具14の末梢部分に構造的支持を与え、カニューレ14の相対的な方向を維持する。
【0018】
連結部分26aはオーバーチューブ12の末梢部分で旋回マウント52に取り付けられる。他の旋回マウント54は、オーバーチューブ12を通して身体の外部にある位置まで近接して伸びるけん引ワイアー56に連結している。図4A及び4Bに示す代替的な実施の態様においては、旋回マウント54はオーバーチューブ12から縦方向に伸びる第三の縦方向カニューレ器具14aの末梢部分に連結しても良く、又は同様に位置するシャフト器具(例えば、シャフト14b、図2A)に連結しても良い。代替的に、旋回マウント52、54の一方又は両方はカニューレ14a及び/又はオーバーチューブ12に取り付けないで、図に示す様に空間に自由に延びても良い。
【0019】
図3Aの破線は、折り畳まれた位置にある場合の実施の態様における、連結部分26a及び旋回マウント50の配置を示す。旋回マウント50が流線型の位置にある場合は、旋回マウント50は隣り合わせの位置にあり、そしてカニューレ器具14をお互いに隣接させる。展開した位置にある場合は、旋回マウントはおおよそ3−7インチ離れた位置にあり、より好ましくは4−6インチ離れているのが良い。換言すると、身体内のカニューレ器具間の横方向の分離間隔(すなわち、オーバーチューブ12の縦軸に直交する方向)は3−7インチの範囲にあっても良い。
【0020】
図3Aの連結部分26aはけん引ワイアー56を後退させることにより開いた位置に置くことができ、他方、図4A、4Bの実施の態様では、縦方向のカニューレ器具14cの末梢端を末梢方向に前進させることにより展開し、連結部分26aをアクセスカニューレの外に移動させ及び/又は連結部分を拡張した位置に展開させることができる。他の実施の態様においては、一以上の旋回点50,52,54は連結部分26aの拡張を容易にするためバネを用いてもよい。代わりにこれらの展開機構を任意に組み合わせ、又は特に記載されていない他の展開機構を、腹膜腔内に連結部26aを展開するのに用いても良い。
【0021】
連結部分を開くことによりカニューレ14を図2A,3B及び4A−4Bに示す位置に置き、それにより、カニューレ14に位置する機器16を全般的に手術組織部位に向ける。身体内に展開されると、システムは、好ましくはカニューレ器具14を、複数ポート腹腔鏡手術の場合に導入されるであろうこれらの機器のアプローチを模倣した角度からカニューレ内の機器16が組織部位にアプローチする様に方向付けるのが良い。この考え方は図22に関連してより詳細に検討する。
【0022】
各カニューレ器具14の末梢端は機器の手術部末端の配置及び操作を可能にするように複数方向に偏向が可能な領域を持つ。これにより操作に技巧を要する外科器具は不要になる。代わって、柔軟なシャフトを持つ機器16をカニューレ器具14内に置き、機器の操縦はカニューレ器具14を曲げることで行うことができる。機器16は柔軟性があるため、機器を旨く使うためには、機器16のシャフトを「硬化」させることが必要となることもある。スライド可能な硬化カニューレ60(図4A)はカニューレ器具14内から機器16の一部のシャフトの上を進み、手術中に機器のシャフトを効果的に硬化させ、そして機器を座屈させることなく押し付けて身体組織に接触させる。代わりに他の内部構造、例えば、硬化回転軸、強化カラー又は組み紐は、この目的のため使用しても良い。図2Dとの関係で上に記述した分割又は「形状固定」(shape-lock)構造はまた、機器の使用中にカニューレ器具によりカニューレに剛性を与えるために用いても良い。
【0023】
好ましい実施の態様においては、カニューレ器具14の偏向は、けん引ワイアーシステムを用いて実施される。図3Bによると、けん引ワイアー128は対応するけん引ワイアー 管状気器64を通して伸張され、好ましくは90度の間隔で配置されているのが良い。けん引ワイアーの末梢端はカニューレ14の末梢部分に固定されており、そのためカニューレの末梢部分は、所望の組合わせのけん引ワイアーを引くことにより所望の方向に偏向させることができる。図2Eの破線はカニューレ器具14の典型的作動パターンによる円錐形容量V1、及びカニューレ14内の機器16により規定される、対応する容量V2を表す。
【0024】
けん引ワイアーの作動は、使用中は身体の外部にある要素を用いて実施される。使用者がカニューレ器具内にある機器16のハンドル18を操作してある特定の一つのカニューレ器具14のけん引ワイアーを直観的に作動させることのできる偏向システムが提供される。例えば、もし使用者が機器の末梢端を下方に動かしたいと望む場合、使用者は直観的に機器のハンドル18を上げて、対応するカニューレ器具が下方に偏向するようにさせ、それによって機器を望む位置に動かす。
【0025】
図1Aを参照すると、けん引ワイアー62の基部に近接した端はカニューレ14の基部に近接した端から伸び、対応する偏向システムに入り、偏向システムは図解の実施の態様においては、制御ジンバル66である。
【0026】
ジンバル66は図1Aに示す作業台68に取り付けても良い。使用中は作業台68を患者の胴の上に置き、手術室内の固定具に取り付けても良い。固定具は手術台の一方又は両方のサイドレール(図20)、手術部屋の天井(図21)又は手術台の近くの台車である。何れにせよ、作業台68は、外科医が内視鏡ディスプレー(示さず)上で手術を観察しながら、ハンドル18に都合良く及び直観的にアクセスできる様な位置に置かれる。図14に示す様に、このシステムは使用者に「コックピット」を提供することによりそのシステムの使用を容易にし、「コックピット」は内視鏡ディスプレー70を、制御ジンバルを支持する作業台68、並びに内視鏡20の基部に近接した制御部分、及び任意選択的にアクセスカニューレを通して機器を腹膜腔に送るための他のポートに結びつける。
【0027】
作業台68のサイズは、外科医が機器16のハンドル18に手を掛けるのに容易な位置に自分自身を置くことができる様なものにする。好ましくは作業台68は、機器のハンドルが約10−15インチ離れた位置になるように置くのが良い。
【0028】
好ましい制御ジンバル66を図13に示す。ジンバルは作業台に取りつけられたベース72(図5には示さず)及びチャンネル74を持つ管状末梢部分を持つ。C-型マウント76がベース72に連結され、そして管状末梢部分74のチャンネルと連続する貫通穴を含む。僅かに変形すると場合、穴78は4つの別々の貫通穴78a-dを持ち、それらは以下に検討する図10の実施の態様において示す様にけん引ワイアーを収めるため用いても良い。リング80はピボット軸受82でマウント76に旋回可能に取りつけられている。半球形ボール84はピボット86でリング内に旋回可能に取りつけられている。4つのけん引ワイアーポート88はボール84の内部からその外部表面まで延びている。
【0029】
機器ポート90は末梢部開口94及び基部に近接した開口96を持つ側面チャンネル92を含む。カニューレ器具14からの4つのけん引ワイアー62は管状末梢部分74を通って伸び、各々が貫通穴78を通り、ボール84の内部の中空を通り、ボール中の対応するけん引ワイアーポート88より出る。けん引ワイアーは更に機器ポート側面チャンネル92内に伸びそこでアンカー98により固定される。
【0030】
機器ポート90は球形ボール84から近接して伸びる管状気器102を持つ。機器16のシャフト18(図12A参照、図13及び14には示さず)は管状気器102及びボール84、C-型マウント76の貫通穴78を通り、チューブ74及び作業台(図12A)を経て対応するカニューレ器具14中に伸びる。
【0031】
機器16の作業末端はカニューレ器具14の末梢端から伸びる。
【0032】
外科医が機器16の末梢端の方向を変える必要がある場合、外科医はその機器のハンドルを直観的に僅か動かせば良く、機器の末梢部分はカニューレ器具のけん引ワイアー上のジンバルの作用により偏向する。ハンドル18の垂直の動きによりボールがピボット86に対して相対的に回転し、それにより上部及び下部のけん引ワイアー62に張力を与えてカニューレ器具14(及び、それにより機器16の末梢端を)上方又は下方に偏向させる。ハンドル18の横方向の動きによりボール84及びリング80がピボットの回りに回転し、それにより側面けん引ワイアーの一つを引張り、カニューレ器具14の横方向の曲げを変える。制御ジンバルは、縦及び横方向を組み合わせた偏向を与え、図4Eに示す様に360℃の偏向を与える。この様に、使用者はカニューレ器具14内で縦方向に追加的に装置16を漸進/収縮させ、及び/又はもし必要ならカニューレ器具に対して装置16を軸方向に回転させても良い。
【0033】
制御ジンバル66は更に偏向が必要となるまで機器の方向を一時的に固定するロック機構を含む。この特徴により、使用者は、特定の位置に置いて続けて使用される複数の機器の軌道を固定させることができる。例えば、カニューレ器具14の方向が決まると、手術中のあるステップはそのカニューレを通した第一の機器を用いて行っても良い。異なる機器を用いることを必要とする次のステップを実施する場合、機器はカニューレ器具14を動かすことなく交換される。これにより第二の機器を、追加的な操作をすることなく必要な位置に正確に前進させることが出来る。ある典型的なロック機構は、C-マウント76をリング80にロックし、そしてリング80及びボール84をロックするために、図7Aに矢印で示す方向に締められる一対のロックネジ104を含む。代替的に、図7Bに示す様に、単一の空気式シャフトロック106を各ジンバルのピボット軸で用いることができる。ソレノイド又は同様の装置を空気式ロック106の代わりに用いても良い。
【0034】
代替的なジンバル配置を図8A及び8Bに示す。これに示す様に、円錐形の機器ポート108が各カニューレの基部に近接する末梢に取り付けられ、そして機器ポート108に挿入される機器シャフト114の周りをシールするスリット112を持つ隔膜シール110を含む。図16A及び16Bでは、周りの特長をより容易に見ることを可能にする様機器シャフト114のハンドルのみを示す。
【0035】
ジンバル116は機器ポート108上に設けたカラー118及びカラー118から放射する4つ翼120を含む。各けん引ワイアー62は翼120の一つに接続されている。
【0036】
支柱122は翼120から基部に近接して伸張し、それを通して機器シャフト114が伸張するスリーブ124に結合する。カラー118は機器ポート108に対して動き、特にカラー118はその中心軸の周りに回転し複数方向に旋回可能である。カラー118が動くことにより一以上のけん引ワイアー62を引張り、そしてカニューレ14を偏向させる。機器シャフト114はストラット122によりカラー118に連結されるため、使用者は機器シャフト114のハンドルをジョイスティックと同様な直観的方法により操作することができ、それによってカニューレ14の末梢端を所望の方向に操縦することができる。
【0037】
図9−10は図5に関連して示すシステムと同様のジンバルシステムを表す。しかし図5は使用者にジンバルの感度を調整することができるように修正されている。換言すると、ジンバルは細かく調整することができ、そのためカニューレ器具の偏向される量は、使用者が器具のハンドル18をジンバルシステム内で動かす量に直接対応し、又はその偏向量は対応する器具ハンドルの動きより大きいことも、又は小さいこともあり得る。
【0038】
図10について言えば、ジンバル126の多くの特徴は図5及び6のジンバルのものと類似する。これらの類似の特徴にはベース72を含み、ベース72は作業台又はフレーム68に連結されている。4つの貫通穴78a-d(図10では内3つが見られる)そのそれぞれは各けん引ワイアーのものであるが、ベース72を通してC型マウントから伸びる。けん引ワイアーはフレーム68を通るケーブルハウジング128から貫通穴78a-dへ入る。けん引ワイアーのより末梢の部分はフレーム68から伸び、フレーム68から末梢に伸びるカニューレ器具14に入る。
【0039】
リング80はピボット82においてマウント76に旋回可能にマウントされ、半球状ボール84はピボット86においてリング80内で旋回可能にマウントされる。
【0040】
図10のジンバル126は微調整アセンブリ130の使用において図5及び6のジンバル66と異なる。従来のジンバルの配置の様に、一つのカニューレ器具の4つのけん引ワイアーは90度の四分円の状態でジンバル内で終了する。
【0041】
機器シャフト18(図1A)の動きは、種々のけん引ワイアーの張力を変え、それによりカニューレ器具先端の偏向及びカニューレ器具内の機器の対応する動作を引き起す。各けん引ワイアーの効果レバー腕は、図19の実施の態様においては、各けん引ワイアーの終了点をジンバルの回転中心に向け又はそれから反対の方向に動かすことにより変える。けん引ワイアーの終了点を回転中心から離すように動かすことによりカニューレ器具14の動きを器具ハンドル18の動きに対して増幅させるが、けん引ワイアーの終了点を回転中心に向けて動かすことにより増幅度が低減する。
【0042】
ボール84は図12に示す様に末梢面132及び図11に示す平面隣接面を含む。4つの放射状スロット136a-dは表面132,134の間を通って伸びる。図11について言えばは、4つのスライド終板138a-dは、夫々がけん引ワイアー終了点140a-d及び近接する伸張追随ピン142a-dを含み、平面隣接面134に接触する位置にある。各終板の末梢側のくい146はスロット136a-dの内の対応する一つのスロットで受けられる。
【0043】
カニューレ器具を偏向させるために用いる各けん引ワイアーはスロット136a-dの一つを通して伸張し、4つのスライド終板138a-dの一つの終了点140a-d内に固定される。図12はボール84の末梢側132を示し、終了点140a-dはスロット136a-d上にある。けん引ワイアー自体は示していない。
【0044】
管状機器ポート148はボール84の燐接面134の中央に位置する。固定具キャップ150は表面134を覆い、そのため機器ポート148は固定具キャップ中の中央開口152を通して伸張する。スライド終板138a-dは表面134と固定具キャップ150の間に挟まれる。図13はボール84から外したキャップ150の図を示す。キャップ150の内部の、末梢に面はらせん形スロット156を定めるらせん形肋材154を含む。終板138a-dの各追随ピン(follower pin)142a-dはらせん形スロット156内にある。
【0045】
止め輪158は機器ポート148に係合しキャップ150、終板138a-d及びボール84を共に保持するように機能し、そのため追随ピン142a-dはらせん形スロット156内に留まる。キャップは機器ポート148に対して時計周りに回転し、またそれと反対方向に回転する。キャップの回転はジンバルシステムの感度を増し又は低減させる。より具体的には、キャップが第一の方向に回転する場合、らせん形肋材154はピン142a-dをらせん形スロットを通してキャップの外円周に向けて前進させ、終板をスロット内で半径方向外部に向けてスライドさせ、それによりジンバル システムの感度を増大させる。
【0046】
もしキャップが第二の方向に回転すると、ピンはらせん形スロットを通してキャプの中心に向けて前進し、終板をスロット内で半径方向内部に向けてスライドさせそしてけん引ワイアーの張力を緩め、そしてジンバルシステムの感度を低減させる。キャップ150上のマーク160及び対応する指針158は使用者に、キャップが指針158に対して指示された回転位置の一つの位置にある場合に実現されるべき感度レベルについて指示を与える。
【0047】
ジンバルの感度を調整するための代替的構成では、使用者は異なるけん引ワイアーに対して異なる感度レベルを設定しても良い。システムセットは好ましくは使用者に本明細書に開示された方法によりシステムを使用するよう指示する使用指示書を含むキットとしてパッケージに含まれるのが良い。
【0048】
図15は図1Aのシステムとは異なる変形されたシステム100Aを示し、システム100Aは処理又は殺菌のための近接部分172から分離可能な末梢部分170を含む点で異なる。末梢部分170において、カニューレ器具14はハブ174から伸び、図に示す様にカニューレ器具14からの各けん引ワイアー62はハブを通って伸び、ハブの近傍で終了する。各けん引ワイアー62は図に示す様に近接末端にヘッド176又はクリンプを持つ。図15の実施の態様においては、中央カニューレ器具178はまたハブを通して伸び、そして連結部分26のピボットマウント52に結合する。追加のカニューレ180(又は代替的に、器具)はピボットマウント54に連結され、図4A及び4Bに関して記載されると同様の方法により連結部分を展開し又は折り畳む様に縦方向に動く。
【0049】
隣接部分172はハブ174を受けるためのソケット182を含む。末梢端を持った複数のコントロールワイアー184がソケット内部におかれる。各コントロールワイアー184はその末梢にコネクター186を持つ。各コントロールワイアー184はフレーム及びコントロールワイアーチューブ188を通して伸びる。各コントロールワイアー184の抹消端は、けん引ワイアーが図5−8Bのジンバルに連結されていると同じ方法でジンバル126に連結される。中央ポート180a(また図9を参照)はマウント68を通して伸び、そして内視鏡又は他の機器をカニューレ器具180内に通す。
【0050】
基部に近接した部分及び末梢部分172、170の組立てにおいて、コントロールワイアー184は対応するカニューレ器具のけん引ワイアー62の一つに連結され、ジンバル126内の装置のハンドル18(図1A)の操作により上に記載の方法と同様の方法によりカニューレ器具14を偏向させる。コントロールワイアー184及びけん引ワイアー62を接続するために、各けん引ワイアー62のヘッド176が、図17A及び17Bに示す様にコントロールワイアー184のコネクター186に挿入され、そして係合される。ハブ174はソケット182内に置かれて近接部分及び末梢部分172、170を確実に連結する。
【0051】
上に記載の実施の態様の様に、機器のシャフトはジンバルの機器ポートを通って伸びる(図10の実施の態様の機器148を参照)。再び図15について言えば、各器具のシャフト(図示せず、図1Aのシャフト17を参照)はジンバルを支持するマウントの部分にある開口部分189を通して伸び、コントロールワイアーチューブ188にほぼ平行に伸びる。シャフトは更にソケット182にあるポート191を通り、ハブ174の対応するポート193に入る。
【0052】
図18A及び18Bは身体壁に形成される切開部分に挿入可能な末梢端194を含む剛性アクセスカニューレ10の一つの例を示す。切開部分は腹壁又は他の身体壁又は臍点を通して形成される切開部分又はトロカール穴であっても良い。アクセスカニューレ10は追加のハードウエアによって支持されることはなく、又は手術台のサイドレールに連結されるマウントを含んでも良く、全手術を通じアクセスカニューレ10を支持し、かつ安定化させても良い。
【0053】
フランジ196はカニューレ10の外部表面周囲を囲み切開部分を囲む皮膚と接触するような位置に置かれる。側面ポート198は適当なソースからの吹送ガスを受入れる位置にある。
【0054】
ポート198から導入された吹送ガスは腹腔を脹らませ、手術のために利用可能な空間を広げる。腹腔の膨張によりシールがフランジ196と切開部分を囲む組織の間に形成される。もし必要なら、シーリングを容易にするために物質又は材料(例えば、シリコン、ゴム、接着剤、ゲルなど)をフランジと組織の間に置いても良い。
【0055】
一以上の柔軟な(例えば、ゴム)取り付け具200a-cがアクセスカニューレ10の基部の近接末端から伸びる。各取り付け具はアクセスカニューレ10の内部にアクセスを可能にする。個々の取り付け具200a-cはアクセスカニューレ内の別々の管状気器又は単一の共通管状気器に繋がっていも良い。ある好ましい実施の態様においては、内径が15−35の単一管状気器を用いても良い。システムの使用中に身体に送られる機器は取り付け具を通してアクセスカニューレに挿入される。図18Bに示す様に、シール202(例えば、シリコン、ゴム、又は他の好適な材料)は、それを通るオーバーチューブ12及び他の任意の機器の様な機器の外部表面をシールする位置にある。シールングは手術中の吹送圧力の損失を防ぐために望ましい。
【0056】
各シールは、好ましくはその中を通る各機器又は機器の集まりの外径よりも小さい内径をもつ中央開口部204を持つのが良い。アクセスカニューレ10は、好ましくは、各々又は全ての取り付け具200a-cが機器を持たない場合に、吹送圧力の損失を防ぐ内部シールを持つのが良い。例えば、もし各取り付け具が別の管状気器と結合する場合は、機器がその管状気器にない場合、幅広バルブを各管状気器内にシールを形成するように置いても良い。もし単一管状気器が用いられる場合、単一幅広バルブを使用しても良い。必要ならまたストッパーを取り付け具内に置いても良い。
【0057】
ある実施の態様においては、アクセスカニューレ10は約6インチの長さがある。図19Aに示す代替的アクセスカニューレ10aは単一管状気器206を含み、図18A/18Bの実施の態様の取り付け具を持たない。図19Aの実施の態様においては、一対の近接、中央、及び末梢環状板208、210、212はカニューレ10aの近接末端に連結される。近接シール214は近接板208及び中央板210の間に固定される。末梢シール216は中央板210及び末梢板212の間に固定され、それによりシールは互いに間隔をおいて配置される。記述したシールは、各々オーバーチューブ12の直径より小さい直径を持った開口部を持つ環状シールである。図19Bに示す他の態様では、アクセスカニューレ10bの一部又は取り付け具(図18A/18Bに示す一つ又は全て取り付け具を含み)は、面板209に対面して近接する、縦方向に膨張可能なふいご220を含む。ふいご220はそれが配置される前に膨張して結合部分を収納するが、連結部分が展開されるとアクセスカニューレ10の全長を小さくするために圧縮することができる。
【0058】
図1Aのシステム100は腹腔内で行われる切除、バイパス、及び/又は腸の吻合、虫垂切除、子宮摘出、卵巣摘出、胆嚢摘出を含む種々の手術、及び腹腔鏡又は回復技術を用いて現在実施されている手術を含む他の手術に用いることができる。へそを経るアクセスによる手術システム100の使用方法について次に図1Aのシステム100、図19Aのアクセスカニューレ10aを参照しつつ説明する。
【0059】
システム100は機器16の末梢端を手術カニューレ14に入れることにより準備するが、機器の末梢端は好ましくは手術カニューレ14の管状気器内に残しておくのが良い。もし中央カニューレ器具14a が使用される場合は、中央の機器は同様にそのカニューレ14aを通して入れられ、内視鏡は好ましくはカニューレ器具の末梢端で見ることのできる位置に置くのが良い。連結部分26(これは手術カニューレ14をそれに結合させる)は折り畳んだ位置に置かれる。
【0060】
切開は腹壁の所望の位置を通して行われる。へそが切開の位置として選択されても良い。それにより、既にある傷跡を通してアクセスすることができ、さらに新たに傷を付けることを避けることができるからである。アクセスカニューレ10aが切開部分に挿入される。折り畳み連結部分26/手術カニューレ14アセンブリがアクセスカニューレ10aに挿入される。近接及び末梢シール214、216がオーバーチューブ12のシャフトをシールする。
【0061】
図18A/18Bのカニューレが代わりに用いられる場合は、折り畳み連結部分26/手術カニューレ14アセンブリは、アクセスカニューレ10の近接末梢端取り付け具200aに挿入されても良く、内視鏡は取り付け具200bに送られ、手術に必要な他の機器は取り付け具200cに送られる。取り付け具200a-c中のシールは手術カニューレ14、内視鏡等の外部表面をシールする。
【0062】
連結部分26/手術カニューレ14アセンブリがアクセスカニューレ10aから腹腔内に進む前に、吹送ガスがアクセスカニューレ19Aの吹送ポート198(図19A)を通して腔に送られる。腹腔を膨張させると、連結部分26を上に記載の様に拡張された位置まで移動させる(例えば、中央開創器又は手術カニューレ14a(図4A)を中央器具11/カニューレ14aのハンドル18aを用いて末梢方向に前進させることにより)。連結部分26の拡張により手術カニューレ14を図2Aに示す様な方向に向ける。
【0063】
機器16の末梢端は手術カニューレ14、14aから前進させ、手術を実施するのに用いられる。内視鏡20を前進させ、又は腹腔内で都合の良い位置に向ける。機器16の再方向付けが必要な場合は、その機器のハンドル18を操作し、関連するコントロールジンバル126を、その機器を運ぶ手術カニューレ14に関係するけん引ワイアーに係合させる。手術が終了すると、機器は手術カニューレ14に戻され連結部分は折り畳まれる(実際に、又はアクセスカニューレ10aに引き戻すことにより)。他の全ての機器が同様にアクセスカニューレから引き戻され、アクセスカニューレ10は身体から取出され、そして切開部分は通常の方法で閉じられる。
【0064】
図22は、図2に開示するシステムを、例えば、胆のう摘出手術に使用した場合を系統的に説明する。この様な手術では、オーバーチューブ12(その中を通って伸びる手術カニューレ14を備える)が単一の腹腔ポート(示さず)を通して腹膜腔に導入され、図に示す手術部位に向けられる。オーバーチューブは真直ぐであっても良いが、手術が実施される腹腔の四半部(quadrant)に向けて曲がっているのが好ましい。異なるアプローチには異なる形のオーバーチューブを用いても良い(例えば、上部右四半部に対して上部左四半部のアプローチ)。肝臓開創器16c又は開創器16a(図2A)は胆のう及び機器16の操作領域から肝臓を持上げ、及び上方に収縮させるのに用いる。機器16を手術カニューレを通して前進させ、そして手術を実施するために用いる。従来の腹腔鏡による手術は図22の3つの手術ポート、又は切開部分、Wマーク(開創器ポート)、Xマーク(右器具ポート)、Yマーク(スコープポート)、Zマーク(左器具ポート)を必要とするが、開示されたシステムによる胆のう摘出手術を実施する場合は、それほど侵襲的な切開を必要とせず、他方、外科医が腹腔鏡による手術を実施するのと同様の、馴れ親しんだ視覚からの手術を可能にする。連結システムを用いて、カニューレ器具中の機器、中央開創器及びスコープが、X,Y,W,及びZのポートを通して前進させたとおおよそ同様の方向から手術部位に接近させるように方向付けされる。
【0065】
記述された実施の態様では、単一ポート手術での内部足場装置を用いて腹壁に又はその近くに器具を配置するため、機器は腹腔鏡及び/又は開腹技術の経験のある外科医にとり直観的な方法で操作することができる。
【0066】
本明細書においてはある実施の態様について記述しているが、これらの実施の態様は例として挙げたものであり発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の形式及びその詳細の変更が可能であることは明らかである。これは特に将来開発されるであろう関連分野における技術及び一般的条件に照らし事実である。
【0067】
本明細書に記載の特許、特許出願及び刊行物は参照により本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は腹壁の単一ポートを通してアクセスし、腹膜腔での行う手術に用いる装置及び手法の分野に関する。
【0002】
本出願は2006年5月17日に出願された米国仮出願第60/801,113号、2006年5月17日に出願された米国仮出願第60/801,034号及び2006年7月7日に出願された米国仮出願第60/819,235号の利益を享受するものである。この出願はまた、2007年4月24日に出願された米国一部継続出願第11/789,381号であり、同出願は2006年4月24日に出願された米国仮出願第60/794,563号の利益を享受するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
腹腔中の外科手術は、通常開腹手術の技法又は腹腔鏡を用いた手法により実施される。これらの各手法では皮膚及び下層の筋肉及び腹膜組織を通して切開することが必要となり、そのため手術後の傷跡及び/又はヘルニアを残す可能性がある。腹腔鏡の手法では、開腹手術の技法ほど侵襲的ではないが、全手法を完了させるために必要な種々の器具及びスコープを用いて腹膜部位にアクセスするために小さい複数の切開部分又はポートを必要とする。本明細書に開示されたシステムは、単一ポートのみを用いて実施される手法を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1A】図1Aは単一ポート手術システムの第一の実施の態様を表す斜視図である。
【図1B】図1Bは図1Aの1B−1Bで示す面に沿った断面図である。
【図2A】図2Aは図1Aの単一ポート手術システムの末梢部分を示す上部斜視図である。
【図2B】図2Bは図2Aの連結アセンブリの上部平面図及び側面図である。
【図2C】図2Cは図2Aの連結アセンブリの上部平面図及び側面図である。図2Cでは、中央開創器が下方に傾いた位置に表されており、細線は開創器が上方に傾いた位置にある場合を示す。
【図2D】図2Dは図2Aの流線型の位置における連結アセンブリの上部平面図である。
【図2E】図2Eはカニューレ器具及び関連器具の典型的動作パターンを表す図2Aと同様の斜視図である。
【図3A】図3Aは代替連結構造を用いて僅かに変形された単一ポート手術システムの末梢端を示す斜視図である。
【図3B】図3Bは図3A中の3B−3Bの面に沿った断面図である。
【図4A】図4Aは追加のカニューレ器具を用いた他の実施の態様の末梢端の上部斜視図及び底面斜視図である。
【図4B】図4Bは追加のカニューレ器具を用いた他の実施の態様の末梢端の上部斜視図及び底面斜視図である。
【図5】図5はジンバルアセンブリの斜視図及び断面側面図である。
【図6】図6はジンバルアセンブリの斜視図及び断面側面図である。
【図7A】図7Aは2つの典型的なロック機構を示す図5のジンバルアセンブリ部の斜視図である。
【図7B】図7Bは2つの典型的なロック機構を示す図5のジンバルアセンブリ部の斜視図である。
【図8A】図8Aは代替のジンバルシステムの斜視図である。
【図8B】図8Bは代替のジンバルシステムの斜視図である。
【図9】図9は更に他の代替ジンバルシステムを用いた手術用カニューレ及び支持システムの近接端部の詳細斜視図である。
【図10】図10は図9の実施の態様のジンバルシステムを示す。
【図11】図11は図19のジンバルシステムの分解図である。
【図12】図12は図10のジンバルシステムの球の末端面の平面図である。
【図13】図13は図12のボールの蓋を外した近接面の平面図及び斜視図である。
【図14】図14は図1Aのシステムの代替ユーザーインターフェイスの斜視図である。
【図15】図15は取り外し可能な近接要素を持つ代替単一ポート手術システムを示す斜視図である。近接及び末梢部分はお互いに分離して示す。
【図16】図16はソケットとハブを示す図15のシステムの一部の詳細図である。ソケットはその内部にある特徴を見える様に一部を切り取ったものを示す。
【図17A】図17Aはけん引ワイアー ヘッド及びコントロールワイアーコネクターを結合するステップを説明する斜視図である。
【図17B】図17Bはけん引ワイアー ヘッド及びコントロールワイアーコネクターを結合するステップを説明する斜視図である。
【図18A】図18Aはアクセス カニューレのある実施の態様の斜視図である。
【図18B】図18Bはアクセス カニューレのある実施の態様の斜視図である。
【図19A】図19Aはアクセス カニューレの第二の実施の態様の斜視図である。
【図19B】図19Bは図19Aの実施の態様の変形の側面図である。
【図20】図20は手術台に取り付けられた図1の単一ポート手術システムを示し、その末梢端がアクセス カニューレを通してガスが吹送され膨張した腹腔まで伸びていることを示す概略説明図である。
【図21】図21は手術室の天井取り付け部に接続された図1Aの単一ポート手術システムであり、その末梢端がアクセス カニューレを通してガスが吹送され膨張した腹腔まで伸長されていることを示す概略説明図である。
【図22】図22は手術台にうつ伏せに横たわる患者と肝臓の手術に用いる図1Aのシステムの概略説明図である。患者はシステムが見える様に部分的に透明に描かれている。
【発明の詳細な説明】
【0005】
手術用カニューレ及び支持システム
添付図面に描かれたシステムは腹壁内に形成された単一ポートを通して手術が実施される手法を示す。
【0006】
ポートは選ばれた位置で従来の技術を用いて開けるか、又は臍孔を通して設けられる。
【0007】
ある手術では、外科医が単一ポート手術手法を、複数ポート腹腔鏡又は開腹手術手法を用いて、同じ構造に通常アプローチするのと同じ方向から腹膜腔内の手術目標に接近する方法と同じ方法で実施することができれば都合が良い。例えば、腹腔鏡又は外科技術を用いて実施される場合にもし特定の手法が、治療部位へ到達するため前方からのアプローチを採るとすると、単一ポート技術を用いる場合においても、外科医に前方から見た治療部位へのアプローチをさせることが望ましいであろう。また、これらの同じ道具が既知の腹腔鏡技術を用いて別々のポートを通して導入されるとする場合に、それらの器具が部位にアプローチするのと同じ方向から腹腔内の手術組織部位にアプローチする様に単一ポートシステムの器具を方向付けするのが望ましい。添付の図面に描かれたシステムでは、単一ポートアクセスにおいて、よく知られた腹腔鏡で用いられるアプローチを採ることができ、そしてそうすることにより外科医が単一ポート手術手法及び複数ポート腹腔鏡手法の間を容易かつ直観的に移り動くことができる。
【0008】
図1について説明すると、単一ポート手術システム100のある実施の態様においては、機器システム22及び支持システム24を含む。使用時には、支持システム24は身体の内部で一種の足場又はシャンデリアを形成し、外科医が機器システムの機器を所望のアプローチにより前進させることを可能にする位置で機器システム22を支持する。この様に、例えば、外科的に又は腹腔鏡により実施される場合に典型的に前方アプローチを使用する手法を実行する場合は、使用者は腹壁の内部に隣接して支持システム24を設けるであろう。
【0009】
支持システム24は、身体壁の開口を通して、好ましくは腹壁の切開部分又はトロカール穴に位置するアクセスカニューレ10を通して伸張が可能な細長い、オーバーチューブ(overtube)を含む。オーバーチューブ12は、より柔軟な状態で使用され、及びその後に出願人が2007年4月24日に出願した同時係属米国特許出願第11/789,381号(本出願は参照により本明細書に組み入れられる)に記載の固定脊椎に類似した、自己支持型の剛体状態に転換されて使用されてもよいが、オーバーチューブは剛体又は半剛体管状カニューレである。
【0010】
再び図1Aを参照すると、機器システム22はその各々が長さが伸張する管状気器を持つている一以上の手術用カニューレ又はカニューレ器具14を含む。機器16(例えば、かんし、内視鏡、縫合装置、ステイプラー)は手術用カニューレ14を通して伸張可能であり、腹膜腔の標的部位の位置におさまり、その装置のハンドル18は身体の外部に留まる。2又は3の手術用カニューレは複数の機器16を同時に使用させることができる点で有用である。図1Aの実施の態様においては、中央開創器14bはカニューレ器具14の間にある。開創器14bは開創器の顎を開閉する様に操作することができるハンドル18bを持つ。
【0011】
手術用カニューレ14及び中央開創器14bはオーバーチューブ12を通して伸張し、最小のスペースに留まる様にシステムを簡素化できる様にしている。内視鏡20(図4B)はまた、オーバーチューブ12を通して伸張することができ、使用者はシステムの抹消端で実行される手術を観察することができる。もし必要なら、他の機器を直接オーバーチューブ12を通して手術部位に伸張することができ、及び/又はそれらを追加的な手術用カニューレにより支持しも良い。
【0012】
もしシステムが吹送を必要とする手法で使用される場合には、オーバーチューブの長さの全て又は一部は図1Bに示す様なシリコン又はUV硬化ポリマーの様な充填材13で形成されるプラグで充填しても良い。充填材はオーバーチューブを通して吹送ガスの漏洩を防ぐために手術用カニューレの回りにシールを形成する。追加の内視鏡管状気器15が内視鏡を受容れるため充填材を通して伸張されても良い。中央開創器14bの内部の特徴は図1Bには示していない。
【0013】
オーバーチューブ12は、チューブより形成されている様に表されているが、カニューレ器具及び関連する機器又はカニューレ(例えば、内視鏡又は内視鏡用のカニューレ)を束ねる他の任意の構造に代えても良い。一つの例として、オーバーチューブを通してカニューレ器具等を伸張するのに代え、これらの機器は、収縮ラップ又は同様なプロセスにより束ねても良い。
【0014】
システム100は、ある手法に相応しい手術カニューレを支持し且つ方向付ける特徴を持つ。図1Aを参照して述べると、カニューレ器具は連結システム26により支持される。この実施の態様においては、連結システム26は一対の部材28を含む。各部材28は第一のヒンジ30により対応するカニューレ器具14の一つに取り付けられ、そして第二のヒンジにより中央開創器14b(又は代替的に、図4Aのカニューレ14aの様な縦方向のカニューレ器具に)に取り付けられる。ヒンジ30はカニューレ器具14上の対応するカラーに取り付けても良く、ヒンジ32は開創器14b上の類似するカラー36に取り付けても良い。連結部分が折畳んだ縮小した位置にある場合、部材28は図2Dに示す様な末梢方向に伸び、カニューレ器具14はアクセスカニューレ10を通る様にオーバーチューブの縦方向軸の近くに設けられる。連結部分26を広げるために、中央開創器14bは中央に引戻され、それにより部材28がヒンジ30,32で旋回する。
【0015】
図2Cについて述べると、中央開創器14bは近接部分38及び末梢部分40を含む。近接部分38は一以上のケーブル上に張った多くの部分からなり、より短い部分44及び末梢部分40上に機器の先端46を持つ。開創器14b内のケーブルは、ケーブルに張力がかけられているときは開創器が剛体となる様に配置され、またケーブル内の張力のバランスがハンドル18bにある、又は身体外の何処かにあるコントロール(示さず)を用いて変えられる場合、末梢部分40が偏向する様に配置される。例えば、カニューレ器具14の一つにより運ばれる機器が、作業対象である組織に作動することができる様に、図2Cに示す開創器が組織を持上げる様に、開創器14bは身体の方向に向け及びそれと反対方向に偏向されることもある。追加のけん引ケーブル(図示せず)が開創器先端46の顎の開閉をする様に操作される。
【0016】
本明細書に開示された実施の態様において、各カニューレ器具14は好ましくはその末梢領域に事前に形成されたカーブを持つのが良い。カーブはカニューレ14を、その連結部分が開いているときは、カニューレ14の中央管状気器を通る機器16(図1A)が標準治療部位に接近することができる様にカニューレ14を方向付ける。事前のカーブの形成は多くの方法の何れを用いても行っても良い。例えば、カニューレ14は使用中に座屈しない様に十分な堅さを持つ、事前にカーブさせたチューブで作ることができる。ステンレス鋼又は他の材料でできた強化組ひもをカニューレ14の剛性部分の、チューブの壁に入れても良い。他の実施の態様においては、形成された領域は図2D(その中で連結部分は折り畳まれた状態にある)に示され2007年4月24日出願の同時係属米国特許出願第11/789,381号に開示された分割脊柱と類似する分割された構造を持っても良い。この設計では、個々の脊柱部分(spine segment)は一以上のケーブル上に撚り合わされている。これらの部分は個々の形を持ち、部分を通るケーブルが引張られる時に、全体的にカニューレ器具に望ましい偏向を与える(例えば、図2Aに示す様にカニューレに方向を与える)。カニューレの全体の長さに亘り分割されても良く、又は末梢部分をポリマーチューブで製作して柔軟性を与えても良い。
【0017】
図3Aはシステム100の末梢端を変形させた構造の斜視図であり、カニューレ器具14の末梢端を示す。この実施の態様においては、連結部分26aはカニューレ14に回転中心50において回転可能に連結されており、カニューレ14をオーバーチューブ12に結合する。連結部分26aはまたカニューレ器具14の末梢部分に構造的支持を与え、カニューレ14の相対的な方向を維持する。
【0018】
連結部分26aはオーバーチューブ12の末梢部分で旋回マウント52に取り付けられる。他の旋回マウント54は、オーバーチューブ12を通して身体の外部にある位置まで近接して伸びるけん引ワイアー56に連結している。図4A及び4Bに示す代替的な実施の態様においては、旋回マウント54はオーバーチューブ12から縦方向に伸びる第三の縦方向カニューレ器具14aの末梢部分に連結しても良く、又は同様に位置するシャフト器具(例えば、シャフト14b、図2A)に連結しても良い。代替的に、旋回マウント52、54の一方又は両方はカニューレ14a及び/又はオーバーチューブ12に取り付けないで、図に示す様に空間に自由に延びても良い。
【0019】
図3Aの破線は、折り畳まれた位置にある場合の実施の態様における、連結部分26a及び旋回マウント50の配置を示す。旋回マウント50が流線型の位置にある場合は、旋回マウント50は隣り合わせの位置にあり、そしてカニューレ器具14をお互いに隣接させる。展開した位置にある場合は、旋回マウントはおおよそ3−7インチ離れた位置にあり、より好ましくは4−6インチ離れているのが良い。換言すると、身体内のカニューレ器具間の横方向の分離間隔(すなわち、オーバーチューブ12の縦軸に直交する方向)は3−7インチの範囲にあっても良い。
【0020】
図3Aの連結部分26aはけん引ワイアー56を後退させることにより開いた位置に置くことができ、他方、図4A、4Bの実施の態様では、縦方向のカニューレ器具14cの末梢端を末梢方向に前進させることにより展開し、連結部分26aをアクセスカニューレの外に移動させ及び/又は連結部分を拡張した位置に展開させることができる。他の実施の態様においては、一以上の旋回点50,52,54は連結部分26aの拡張を容易にするためバネを用いてもよい。代わりにこれらの展開機構を任意に組み合わせ、又は特に記載されていない他の展開機構を、腹膜腔内に連結部26aを展開するのに用いても良い。
【0021】
連結部分を開くことによりカニューレ14を図2A,3B及び4A−4Bに示す位置に置き、それにより、カニューレ14に位置する機器16を全般的に手術組織部位に向ける。身体内に展開されると、システムは、好ましくはカニューレ器具14を、複数ポート腹腔鏡手術の場合に導入されるであろうこれらの機器のアプローチを模倣した角度からカニューレ内の機器16が組織部位にアプローチする様に方向付けるのが良い。この考え方は図22に関連してより詳細に検討する。
【0022】
各カニューレ器具14の末梢端は機器の手術部末端の配置及び操作を可能にするように複数方向に偏向が可能な領域を持つ。これにより操作に技巧を要する外科器具は不要になる。代わって、柔軟なシャフトを持つ機器16をカニューレ器具14内に置き、機器の操縦はカニューレ器具14を曲げることで行うことができる。機器16は柔軟性があるため、機器を旨く使うためには、機器16のシャフトを「硬化」させることが必要となることもある。スライド可能な硬化カニューレ60(図4A)はカニューレ器具14内から機器16の一部のシャフトの上を進み、手術中に機器のシャフトを効果的に硬化させ、そして機器を座屈させることなく押し付けて身体組織に接触させる。代わりに他の内部構造、例えば、硬化回転軸、強化カラー又は組み紐は、この目的のため使用しても良い。図2Dとの関係で上に記述した分割又は「形状固定」(shape-lock)構造はまた、機器の使用中にカニューレ器具によりカニューレに剛性を与えるために用いても良い。
【0023】
好ましい実施の態様においては、カニューレ器具14の偏向は、けん引ワイアーシステムを用いて実施される。図3Bによると、けん引ワイアー128は対応するけん引ワイアー 管状気器64を通して伸張され、好ましくは90度の間隔で配置されているのが良い。けん引ワイアーの末梢端はカニューレ14の末梢部分に固定されており、そのためカニューレの末梢部分は、所望の組合わせのけん引ワイアーを引くことにより所望の方向に偏向させることができる。図2Eの破線はカニューレ器具14の典型的作動パターンによる円錐形容量V1、及びカニューレ14内の機器16により規定される、対応する容量V2を表す。
【0024】
けん引ワイアーの作動は、使用中は身体の外部にある要素を用いて実施される。使用者がカニューレ器具内にある機器16のハンドル18を操作してある特定の一つのカニューレ器具14のけん引ワイアーを直観的に作動させることのできる偏向システムが提供される。例えば、もし使用者が機器の末梢端を下方に動かしたいと望む場合、使用者は直観的に機器のハンドル18を上げて、対応するカニューレ器具が下方に偏向するようにさせ、それによって機器を望む位置に動かす。
【0025】
図1Aを参照すると、けん引ワイアー62の基部に近接した端はカニューレ14の基部に近接した端から伸び、対応する偏向システムに入り、偏向システムは図解の実施の態様においては、制御ジンバル66である。
【0026】
ジンバル66は図1Aに示す作業台68に取り付けても良い。使用中は作業台68を患者の胴の上に置き、手術室内の固定具に取り付けても良い。固定具は手術台の一方又は両方のサイドレール(図20)、手術部屋の天井(図21)又は手術台の近くの台車である。何れにせよ、作業台68は、外科医が内視鏡ディスプレー(示さず)上で手術を観察しながら、ハンドル18に都合良く及び直観的にアクセスできる様な位置に置かれる。図14に示す様に、このシステムは使用者に「コックピット」を提供することによりそのシステムの使用を容易にし、「コックピット」は内視鏡ディスプレー70を、制御ジンバルを支持する作業台68、並びに内視鏡20の基部に近接した制御部分、及び任意選択的にアクセスカニューレを通して機器を腹膜腔に送るための他のポートに結びつける。
【0027】
作業台68のサイズは、外科医が機器16のハンドル18に手を掛けるのに容易な位置に自分自身を置くことができる様なものにする。好ましくは作業台68は、機器のハンドルが約10−15インチ離れた位置になるように置くのが良い。
【0028】
好ましい制御ジンバル66を図13に示す。ジンバルは作業台に取りつけられたベース72(図5には示さず)及びチャンネル74を持つ管状末梢部分を持つ。C-型マウント76がベース72に連結され、そして管状末梢部分74のチャンネルと連続する貫通穴を含む。僅かに変形すると場合、穴78は4つの別々の貫通穴78a-dを持ち、それらは以下に検討する図10の実施の態様において示す様にけん引ワイアーを収めるため用いても良い。リング80はピボット軸受82でマウント76に旋回可能に取りつけられている。半球形ボール84はピボット86でリング内に旋回可能に取りつけられている。4つのけん引ワイアーポート88はボール84の内部からその外部表面まで延びている。
【0029】
機器ポート90は末梢部開口94及び基部に近接した開口96を持つ側面チャンネル92を含む。カニューレ器具14からの4つのけん引ワイアー62は管状末梢部分74を通って伸び、各々が貫通穴78を通り、ボール84の内部の中空を通り、ボール中の対応するけん引ワイアーポート88より出る。けん引ワイアーは更に機器ポート側面チャンネル92内に伸びそこでアンカー98により固定される。
【0030】
機器ポート90は球形ボール84から近接して伸びる管状気器102を持つ。機器16のシャフト18(図12A参照、図13及び14には示さず)は管状気器102及びボール84、C-型マウント76の貫通穴78を通り、チューブ74及び作業台(図12A)を経て対応するカニューレ器具14中に伸びる。
【0031】
機器16の作業末端はカニューレ器具14の末梢端から伸びる。
【0032】
外科医が機器16の末梢端の方向を変える必要がある場合、外科医はその機器のハンドルを直観的に僅か動かせば良く、機器の末梢部分はカニューレ器具のけん引ワイアー上のジンバルの作用により偏向する。ハンドル18の垂直の動きによりボールがピボット86に対して相対的に回転し、それにより上部及び下部のけん引ワイアー62に張力を与えてカニューレ器具14(及び、それにより機器16の末梢端を)上方又は下方に偏向させる。ハンドル18の横方向の動きによりボール84及びリング80がピボットの回りに回転し、それにより側面けん引ワイアーの一つを引張り、カニューレ器具14の横方向の曲げを変える。制御ジンバルは、縦及び横方向を組み合わせた偏向を与え、図4Eに示す様に360℃の偏向を与える。この様に、使用者はカニューレ器具14内で縦方向に追加的に装置16を漸進/収縮させ、及び/又はもし必要ならカニューレ器具に対して装置16を軸方向に回転させても良い。
【0033】
制御ジンバル66は更に偏向が必要となるまで機器の方向を一時的に固定するロック機構を含む。この特徴により、使用者は、特定の位置に置いて続けて使用される複数の機器の軌道を固定させることができる。例えば、カニューレ器具14の方向が決まると、手術中のあるステップはそのカニューレを通した第一の機器を用いて行っても良い。異なる機器を用いることを必要とする次のステップを実施する場合、機器はカニューレ器具14を動かすことなく交換される。これにより第二の機器を、追加的な操作をすることなく必要な位置に正確に前進させることが出来る。ある典型的なロック機構は、C-マウント76をリング80にロックし、そしてリング80及びボール84をロックするために、図7Aに矢印で示す方向に締められる一対のロックネジ104を含む。代替的に、図7Bに示す様に、単一の空気式シャフトロック106を各ジンバルのピボット軸で用いることができる。ソレノイド又は同様の装置を空気式ロック106の代わりに用いても良い。
【0034】
代替的なジンバル配置を図8A及び8Bに示す。これに示す様に、円錐形の機器ポート108が各カニューレの基部に近接する末梢に取り付けられ、そして機器ポート108に挿入される機器シャフト114の周りをシールするスリット112を持つ隔膜シール110を含む。図16A及び16Bでは、周りの特長をより容易に見ることを可能にする様機器シャフト114のハンドルのみを示す。
【0035】
ジンバル116は機器ポート108上に設けたカラー118及びカラー118から放射する4つ翼120を含む。各けん引ワイアー62は翼120の一つに接続されている。
【0036】
支柱122は翼120から基部に近接して伸張し、それを通して機器シャフト114が伸張するスリーブ124に結合する。カラー118は機器ポート108に対して動き、特にカラー118はその中心軸の周りに回転し複数方向に旋回可能である。カラー118が動くことにより一以上のけん引ワイアー62を引張り、そしてカニューレ14を偏向させる。機器シャフト114はストラット122によりカラー118に連結されるため、使用者は機器シャフト114のハンドルをジョイスティックと同様な直観的方法により操作することができ、それによってカニューレ14の末梢端を所望の方向に操縦することができる。
【0037】
図9−10は図5に関連して示すシステムと同様のジンバルシステムを表す。しかし図5は使用者にジンバルの感度を調整することができるように修正されている。換言すると、ジンバルは細かく調整することができ、そのためカニューレ器具の偏向される量は、使用者が器具のハンドル18をジンバルシステム内で動かす量に直接対応し、又はその偏向量は対応する器具ハンドルの動きより大きいことも、又は小さいこともあり得る。
【0038】
図10について言えば、ジンバル126の多くの特徴は図5及び6のジンバルのものと類似する。これらの類似の特徴にはベース72を含み、ベース72は作業台又はフレーム68に連結されている。4つの貫通穴78a-d(図10では内3つが見られる)そのそれぞれは各けん引ワイアーのものであるが、ベース72を通してC型マウントから伸びる。けん引ワイアーはフレーム68を通るケーブルハウジング128から貫通穴78a-dへ入る。けん引ワイアーのより末梢の部分はフレーム68から伸び、フレーム68から末梢に伸びるカニューレ器具14に入る。
【0039】
リング80はピボット82においてマウント76に旋回可能にマウントされ、半球状ボール84はピボット86においてリング80内で旋回可能にマウントされる。
【0040】
図10のジンバル126は微調整アセンブリ130の使用において図5及び6のジンバル66と異なる。従来のジンバルの配置の様に、一つのカニューレ器具の4つのけん引ワイアーは90度の四分円の状態でジンバル内で終了する。
【0041】
機器シャフト18(図1A)の動きは、種々のけん引ワイアーの張力を変え、それによりカニューレ器具先端の偏向及びカニューレ器具内の機器の対応する動作を引き起す。各けん引ワイアーの効果レバー腕は、図19の実施の態様においては、各けん引ワイアーの終了点をジンバルの回転中心に向け又はそれから反対の方向に動かすことにより変える。けん引ワイアーの終了点を回転中心から離すように動かすことによりカニューレ器具14の動きを器具ハンドル18の動きに対して増幅させるが、けん引ワイアーの終了点を回転中心に向けて動かすことにより増幅度が低減する。
【0042】
ボール84は図12に示す様に末梢面132及び図11に示す平面隣接面を含む。4つの放射状スロット136a-dは表面132,134の間を通って伸びる。図11について言えばは、4つのスライド終板138a-dは、夫々がけん引ワイアー終了点140a-d及び近接する伸張追随ピン142a-dを含み、平面隣接面134に接触する位置にある。各終板の末梢側のくい146はスロット136a-dの内の対応する一つのスロットで受けられる。
【0043】
カニューレ器具を偏向させるために用いる各けん引ワイアーはスロット136a-dの一つを通して伸張し、4つのスライド終板138a-dの一つの終了点140a-d内に固定される。図12はボール84の末梢側132を示し、終了点140a-dはスロット136a-d上にある。けん引ワイアー自体は示していない。
【0044】
管状機器ポート148はボール84の燐接面134の中央に位置する。固定具キャップ150は表面134を覆い、そのため機器ポート148は固定具キャップ中の中央開口152を通して伸張する。スライド終板138a-dは表面134と固定具キャップ150の間に挟まれる。図13はボール84から外したキャップ150の図を示す。キャップ150の内部の、末梢に面はらせん形スロット156を定めるらせん形肋材154を含む。終板138a-dの各追随ピン(follower pin)142a-dはらせん形スロット156内にある。
【0045】
止め輪158は機器ポート148に係合しキャップ150、終板138a-d及びボール84を共に保持するように機能し、そのため追随ピン142a-dはらせん形スロット156内に留まる。キャップは機器ポート148に対して時計周りに回転し、またそれと反対方向に回転する。キャップの回転はジンバルシステムの感度を増し又は低減させる。より具体的には、キャップが第一の方向に回転する場合、らせん形肋材154はピン142a-dをらせん形スロットを通してキャップの外円周に向けて前進させ、終板をスロット内で半径方向外部に向けてスライドさせ、それによりジンバル システムの感度を増大させる。
【0046】
もしキャップが第二の方向に回転すると、ピンはらせん形スロットを通してキャプの中心に向けて前進し、終板をスロット内で半径方向内部に向けてスライドさせそしてけん引ワイアーの張力を緩め、そしてジンバルシステムの感度を低減させる。キャップ150上のマーク160及び対応する指針158は使用者に、キャップが指針158に対して指示された回転位置の一つの位置にある場合に実現されるべき感度レベルについて指示を与える。
【0047】
ジンバルの感度を調整するための代替的構成では、使用者は異なるけん引ワイアーに対して異なる感度レベルを設定しても良い。システムセットは好ましくは使用者に本明細書に開示された方法によりシステムを使用するよう指示する使用指示書を含むキットとしてパッケージに含まれるのが良い。
【0048】
図15は図1Aのシステムとは異なる変形されたシステム100Aを示し、システム100Aは処理又は殺菌のための近接部分172から分離可能な末梢部分170を含む点で異なる。末梢部分170において、カニューレ器具14はハブ174から伸び、図に示す様にカニューレ器具14からの各けん引ワイアー62はハブを通って伸び、ハブの近傍で終了する。各けん引ワイアー62は図に示す様に近接末端にヘッド176又はクリンプを持つ。図15の実施の態様においては、中央カニューレ器具178はまたハブを通して伸び、そして連結部分26のピボットマウント52に結合する。追加のカニューレ180(又は代替的に、器具)はピボットマウント54に連結され、図4A及び4Bに関して記載されると同様の方法により連結部分を展開し又は折り畳む様に縦方向に動く。
【0049】
隣接部分172はハブ174を受けるためのソケット182を含む。末梢端を持った複数のコントロールワイアー184がソケット内部におかれる。各コントロールワイアー184はその末梢にコネクター186を持つ。各コントロールワイアー184はフレーム及びコントロールワイアーチューブ188を通して伸びる。各コントロールワイアー184の抹消端は、けん引ワイアーが図5−8Bのジンバルに連結されていると同じ方法でジンバル126に連結される。中央ポート180a(また図9を参照)はマウント68を通して伸び、そして内視鏡又は他の機器をカニューレ器具180内に通す。
【0050】
基部に近接した部分及び末梢部分172、170の組立てにおいて、コントロールワイアー184は対応するカニューレ器具のけん引ワイアー62の一つに連結され、ジンバル126内の装置のハンドル18(図1A)の操作により上に記載の方法と同様の方法によりカニューレ器具14を偏向させる。コントロールワイアー184及びけん引ワイアー62を接続するために、各けん引ワイアー62のヘッド176が、図17A及び17Bに示す様にコントロールワイアー184のコネクター186に挿入され、そして係合される。ハブ174はソケット182内に置かれて近接部分及び末梢部分172、170を確実に連結する。
【0051】
上に記載の実施の態様の様に、機器のシャフトはジンバルの機器ポートを通って伸びる(図10の実施の態様の機器148を参照)。再び図15について言えば、各器具のシャフト(図示せず、図1Aのシャフト17を参照)はジンバルを支持するマウントの部分にある開口部分189を通して伸び、コントロールワイアーチューブ188にほぼ平行に伸びる。シャフトは更にソケット182にあるポート191を通り、ハブ174の対応するポート193に入る。
【0052】
図18A及び18Bは身体壁に形成される切開部分に挿入可能な末梢端194を含む剛性アクセスカニューレ10の一つの例を示す。切開部分は腹壁又は他の身体壁又は臍点を通して形成される切開部分又はトロカール穴であっても良い。アクセスカニューレ10は追加のハードウエアによって支持されることはなく、又は手術台のサイドレールに連結されるマウントを含んでも良く、全手術を通じアクセスカニューレ10を支持し、かつ安定化させても良い。
【0053】
フランジ196はカニューレ10の外部表面周囲を囲み切開部分を囲む皮膚と接触するような位置に置かれる。側面ポート198は適当なソースからの吹送ガスを受入れる位置にある。
【0054】
ポート198から導入された吹送ガスは腹腔を脹らませ、手術のために利用可能な空間を広げる。腹腔の膨張によりシールがフランジ196と切開部分を囲む組織の間に形成される。もし必要なら、シーリングを容易にするために物質又は材料(例えば、シリコン、ゴム、接着剤、ゲルなど)をフランジと組織の間に置いても良い。
【0055】
一以上の柔軟な(例えば、ゴム)取り付け具200a-cがアクセスカニューレ10の基部の近接末端から伸びる。各取り付け具はアクセスカニューレ10の内部にアクセスを可能にする。個々の取り付け具200a-cはアクセスカニューレ内の別々の管状気器又は単一の共通管状気器に繋がっていも良い。ある好ましい実施の態様においては、内径が15−35の単一管状気器を用いても良い。システムの使用中に身体に送られる機器は取り付け具を通してアクセスカニューレに挿入される。図18Bに示す様に、シール202(例えば、シリコン、ゴム、又は他の好適な材料)は、それを通るオーバーチューブ12及び他の任意の機器の様な機器の外部表面をシールする位置にある。シールングは手術中の吹送圧力の損失を防ぐために望ましい。
【0056】
各シールは、好ましくはその中を通る各機器又は機器の集まりの外径よりも小さい内径をもつ中央開口部204を持つのが良い。アクセスカニューレ10は、好ましくは、各々又は全ての取り付け具200a-cが機器を持たない場合に、吹送圧力の損失を防ぐ内部シールを持つのが良い。例えば、もし各取り付け具が別の管状気器と結合する場合は、機器がその管状気器にない場合、幅広バルブを各管状気器内にシールを形成するように置いても良い。もし単一管状気器が用いられる場合、単一幅広バルブを使用しても良い。必要ならまたストッパーを取り付け具内に置いても良い。
【0057】
ある実施の態様においては、アクセスカニューレ10は約6インチの長さがある。図19Aに示す代替的アクセスカニューレ10aは単一管状気器206を含み、図18A/18Bの実施の態様の取り付け具を持たない。図19Aの実施の態様においては、一対の近接、中央、及び末梢環状板208、210、212はカニューレ10aの近接末端に連結される。近接シール214は近接板208及び中央板210の間に固定される。末梢シール216は中央板210及び末梢板212の間に固定され、それによりシールは互いに間隔をおいて配置される。記述したシールは、各々オーバーチューブ12の直径より小さい直径を持った開口部を持つ環状シールである。図19Bに示す他の態様では、アクセスカニューレ10bの一部又は取り付け具(図18A/18Bに示す一つ又は全て取り付け具を含み)は、面板209に対面して近接する、縦方向に膨張可能なふいご220を含む。ふいご220はそれが配置される前に膨張して結合部分を収納するが、連結部分が展開されるとアクセスカニューレ10の全長を小さくするために圧縮することができる。
【0058】
図1Aのシステム100は腹腔内で行われる切除、バイパス、及び/又は腸の吻合、虫垂切除、子宮摘出、卵巣摘出、胆嚢摘出を含む種々の手術、及び腹腔鏡又は回復技術を用いて現在実施されている手術を含む他の手術に用いることができる。へそを経るアクセスによる手術システム100の使用方法について次に図1Aのシステム100、図19Aのアクセスカニューレ10aを参照しつつ説明する。
【0059】
システム100は機器16の末梢端を手術カニューレ14に入れることにより準備するが、機器の末梢端は好ましくは手術カニューレ14の管状気器内に残しておくのが良い。もし中央カニューレ器具14a が使用される場合は、中央の機器は同様にそのカニューレ14aを通して入れられ、内視鏡は好ましくはカニューレ器具の末梢端で見ることのできる位置に置くのが良い。連結部分26(これは手術カニューレ14をそれに結合させる)は折り畳んだ位置に置かれる。
【0060】
切開は腹壁の所望の位置を通して行われる。へそが切開の位置として選択されても良い。それにより、既にある傷跡を通してアクセスすることができ、さらに新たに傷を付けることを避けることができるからである。アクセスカニューレ10aが切開部分に挿入される。折り畳み連結部分26/手術カニューレ14アセンブリがアクセスカニューレ10aに挿入される。近接及び末梢シール214、216がオーバーチューブ12のシャフトをシールする。
【0061】
図18A/18Bのカニューレが代わりに用いられる場合は、折り畳み連結部分26/手術カニューレ14アセンブリは、アクセスカニューレ10の近接末梢端取り付け具200aに挿入されても良く、内視鏡は取り付け具200bに送られ、手術に必要な他の機器は取り付け具200cに送られる。取り付け具200a-c中のシールは手術カニューレ14、内視鏡等の外部表面をシールする。
【0062】
連結部分26/手術カニューレ14アセンブリがアクセスカニューレ10aから腹腔内に進む前に、吹送ガスがアクセスカニューレ19Aの吹送ポート198(図19A)を通して腔に送られる。腹腔を膨張させると、連結部分26を上に記載の様に拡張された位置まで移動させる(例えば、中央開創器又は手術カニューレ14a(図4A)を中央器具11/カニューレ14aのハンドル18aを用いて末梢方向に前進させることにより)。連結部分26の拡張により手術カニューレ14を図2Aに示す様な方向に向ける。
【0063】
機器16の末梢端は手術カニューレ14、14aから前進させ、手術を実施するのに用いられる。内視鏡20を前進させ、又は腹腔内で都合の良い位置に向ける。機器16の再方向付けが必要な場合は、その機器のハンドル18を操作し、関連するコントロールジンバル126を、その機器を運ぶ手術カニューレ14に関係するけん引ワイアーに係合させる。手術が終了すると、機器は手術カニューレ14に戻され連結部分は折り畳まれる(実際に、又はアクセスカニューレ10aに引き戻すことにより)。他の全ての機器が同様にアクセスカニューレから引き戻され、アクセスカニューレ10は身体から取出され、そして切開部分は通常の方法で閉じられる。
【0064】
図22は、図2に開示するシステムを、例えば、胆のう摘出手術に使用した場合を系統的に説明する。この様な手術では、オーバーチューブ12(その中を通って伸びる手術カニューレ14を備える)が単一の腹腔ポート(示さず)を通して腹膜腔に導入され、図に示す手術部位に向けられる。オーバーチューブは真直ぐであっても良いが、手術が実施される腹腔の四半部(quadrant)に向けて曲がっているのが好ましい。異なるアプローチには異なる形のオーバーチューブを用いても良い(例えば、上部右四半部に対して上部左四半部のアプローチ)。肝臓開創器16c又は開創器16a(図2A)は胆のう及び機器16の操作領域から肝臓を持上げ、及び上方に収縮させるのに用いる。機器16を手術カニューレを通して前進させ、そして手術を実施するために用いる。従来の腹腔鏡による手術は図22の3つの手術ポート、又は切開部分、Wマーク(開創器ポート)、Xマーク(右器具ポート)、Yマーク(スコープポート)、Zマーク(左器具ポート)を必要とするが、開示されたシステムによる胆のう摘出手術を実施する場合は、それほど侵襲的な切開を必要とせず、他方、外科医が腹腔鏡による手術を実施するのと同様の、馴れ親しんだ視覚からの手術を可能にする。連結システムを用いて、カニューレ器具中の機器、中央開創器及びスコープが、X,Y,W,及びZのポートを通して前進させたとおおよそ同様の方向から手術部位に接近させるように方向付けされる。
【0065】
記述された実施の態様では、単一ポート手術での内部足場装置を用いて腹壁に又はその近くに器具を配置するため、機器は腹腔鏡及び/又は開腹技術の経験のある外科医にとり直観的な方法で操作することができる。
【0066】
本明細書においてはある実施の態様について記述しているが、これらの実施の態様は例として挙げたものであり発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の形式及びその詳細の変更が可能であることは明らかである。これは特に将来開発されるであろう関連分野における技術及び一般的条件に照らし事実である。
【0067】
本明細書に記載の特許、特許出願及び刊行物は参照により本明細書に組み入れられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一ポート手術システムであって、
体腔内に配置可能なフレームを含み、前記フレームは折り畳まれた及び拡張された形態を持ち、;
前記フレームに結合した少なくとも2つのカニューレ器具を含み、各カニューレ器具は体腔内で手術を実施するための器具を受け入れる管状気器を持ち、
前記拡張した形態のフレームは、カニューレ内にある器具が通常の手術部位にアクセスできるように管状気器の位置を定める、
前記システム。
【請求項2】
前記システムがオーバーチューブを含み、及び前記カニューレ器具がオーバーチューブを通して伸びる、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記カニューレ器具がオーバーチューブ内に固定されている、請求項2のシステム。
【請求項4】
更にオーバーチューブを通して伸びる内視鏡を含む、請求項2のシステム。
【請求項5】
更に、第一のカニューレ器具と動作可能に結合されている少なくとも一つのアクチュエーターを含み、前記アクチュエーターの操作により第一のカニューレ器具の末梢部分を偏向させる、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記第一のカニューレ器具が、その末梢部分と結合する複数のけん引ワイアーを含み、前記末梢部分が少なくとも一つのけん引ワイアーに張力を与えることに反応して偏向する、請求項5のシステム。
【請求項7】
アクチュエーターがジンバルを含み、けん引ワイアーがジンバルと結合する近接末端を含み、ジンバルがけん引ワイアーに張力を与える様に複数の方向に動作可能である、請求項6のシステム。
【請求項8】
前記ジンバルが開口を持つ器具ポートを含み、前記ジンバルは器具ポートの動作により作動可能であり、及び器具の末梢端がカニューレ器具内に前進すると、器具ポートが器具の末梢端を受け入れる様に調節されている、請求項7のシステム。
【請求項9】
前記器具ポートが器具ポート内に位置する器具のハンドルの動きに反応して動作可能である、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記フレームが少なくとも2つのフレーム部材を含み、各フレーム部材は、カニューレ器具の一つに旋回可能に結合される、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記カニューレ器具が第一及び第二のカニューレ器具であり、及び拡張した位置にあるフレームは、第一及び第二のカニューレ器具の間の横方向の距離が3インチ以上である様に第一及び第二のカニューレ器具の位置を定める、請求項1のシステム。
【請求項12】
前記カニューレ器具が第一及び第二のカニューレ器具であり、及び拡張した位置にあるフレームは、第一及び第二のカニューレ器具の間の横方向の距離が4インチ以上である様に第一及び第二のカニューレ器具の位置を定める、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記システムが更に体壁内の開口に挿入可能なアクセスカニューレを含み、前記フレームが折り畳まれた状態にある場合に、前記フレーム及びカニューレ器具が、アクセスカニューレの管状気器を通して挿入可能である、請求項1のシステム。
【請求項14】
前記システムが更にマウント、及びマウント上の一対のアクチュエーターを含む、請求項5のシステム。
【請求項15】
各カニューレ器具がカニューレ器具の末梢部分に結合した複数のけん引ワイアーを含み、前記カニューレ器具の抹消部分は一以上のけん引ワイアーに張力を与えることに反応して偏向し、各カニューレ器具のけん引ワイアーはアクチュエーターの一つに結合している、請求項14のシステム。
【請求項16】
各アクチュエーターが機器ポートを含み、カニューレ器具の一つに位置する器具が対応する一つの機器ポートを通して伸び、機器ポート内の器具のハンドルの動作が対応するアクチュエーターを作動させてカニューレ器具を偏向させる、請求項14のシステム。
【請求項17】
前記マウントが手術室の固定具に取り付け可能な、請求項14のシステム。
【請求項18】
前記固定具が手術台、天井の固定具及び台車より成る固定具から選択される、請求項17のシステム。
【請求項19】
前記マウントが、各機器ポートに位置する器具のハンドルの横方向の間隔が8インチ以上となる様に調節されている、請求項16のシステム。
【請求項20】
前記マウントが、各機器ポートに位置する器具のハンドルの横方向の間隔が10インチ以上となる様に調節されている、請求項16のシステム。
【請求項21】
各カニューレ器具が、カニューレ器具の末梢部分に結合されている複数のけん引ワイアーを含み、各カニューレ器具のけん引ワイアーがアクチュエーターの一つに結合され、及び機器ポート中の器具のハンドルの動作が対応するけん引ワイアーを作動させる、請求項16のシステム。
【請求項22】
前記マウントが末梢部分、及び末梢部分から分離可能な近接部分を含み、前記カニューレ器具が末梢部分に取り付けられ、前記アクチュエーターが近接部分に取り付けられている、請求項14のシステム。
【請求項23】
前記システムが更に、請求項24乃至32のいずれか1項の方法による最少限に侵襲的な手術を行うための方法を記述する指示を含む、請求項1のシステム。
【請求項24】
最少限に侵襲的な医療手法であり、
身体壁に切開部分を形成し;
前記切開部分を通して体腔にフレームを挿入し、体腔内で前記フレームを拡張させ、前記フレームはフレームに結合した一対のカニューレ器具を持ち;
カニューレ器具内で医療器具の位置を定め、前記医療器具を用いて体腔内で手術を行う、
ステップを含む、前記方法。
【請求項25】
前記カニューレ器具がアクチュエーターに結合され、前記方法は更にカニューレ器具の末梢部分を偏向させるためにアクチュエーターを操作することを含み、前記偏向は体腔内の医療器具の方向を変える、請求項24の方法。
【請求項26】
前記アクチュエーターを操作することによりカニューレ器具の末梢部分に結合する一以上のけん引ワイアーに張力を与える、請求項25の方法。
【請求項27】
前記器具の近接部分が器具ポートを通して伸び、前記けん引ワイアーが器具ポートに結合し、及び前記アクチュエーターを操作することには、器具の近接部分を操作することを含む、請求項26の方法。
【請求項28】
前記方法が、カニューレ器具の偏向が器具の対応する動作に対して増幅される量を調整することを含む、請求項27の方法。
【請求項29】
更に、カニューレ器具を偏向した位置に固定するステップを含む、請求項25の方法。
【請求項30】
更にカニューレ器具を偏向した位置に固定して、カニューレ器具から器具を引き戻し、そしてカニューレ器具に第二の器具を挿入するステップを含む、請求項29の方法。
【請求項31】
前記方法がアクセスカニューレを切開部分に挿入し、折り畳んだ状態のフレームをアクセスカニューレを通して送り、及びフレームを折り畳んだ状態に拡張する、請求項24の方法。
【請求項32】
前記フレームの拡張がカニューレ器具の末梢開口を身体内の標的部位に向ける、請求項24の方法。
【請求項1】
単一ポート手術システムであって、
体腔内に配置可能なフレームを含み、前記フレームは折り畳まれた及び拡張された形態を持ち、;
前記フレームに結合した少なくとも2つのカニューレ器具を含み、各カニューレ器具は体腔内で手術を実施するための器具を受け入れる管状気器を持ち、
前記拡張した形態のフレームは、カニューレ内にある器具が通常の手術部位にアクセスできるように管状気器の位置を定める、
前記システム。
【請求項2】
前記システムがオーバーチューブを含み、及び前記カニューレ器具がオーバーチューブを通して伸びる、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記カニューレ器具がオーバーチューブ内に固定されている、請求項2のシステム。
【請求項4】
更にオーバーチューブを通して伸びる内視鏡を含む、請求項2のシステム。
【請求項5】
更に、第一のカニューレ器具と動作可能に結合されている少なくとも一つのアクチュエーターを含み、前記アクチュエーターの操作により第一のカニューレ器具の末梢部分を偏向させる、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記第一のカニューレ器具が、その末梢部分と結合する複数のけん引ワイアーを含み、前記末梢部分が少なくとも一つのけん引ワイアーに張力を与えることに反応して偏向する、請求項5のシステム。
【請求項7】
アクチュエーターがジンバルを含み、けん引ワイアーがジンバルと結合する近接末端を含み、ジンバルがけん引ワイアーに張力を与える様に複数の方向に動作可能である、請求項6のシステム。
【請求項8】
前記ジンバルが開口を持つ器具ポートを含み、前記ジンバルは器具ポートの動作により作動可能であり、及び器具の末梢端がカニューレ器具内に前進すると、器具ポートが器具の末梢端を受け入れる様に調節されている、請求項7のシステム。
【請求項9】
前記器具ポートが器具ポート内に位置する器具のハンドルの動きに反応して動作可能である、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記フレームが少なくとも2つのフレーム部材を含み、各フレーム部材は、カニューレ器具の一つに旋回可能に結合される、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記カニューレ器具が第一及び第二のカニューレ器具であり、及び拡張した位置にあるフレームは、第一及び第二のカニューレ器具の間の横方向の距離が3インチ以上である様に第一及び第二のカニューレ器具の位置を定める、請求項1のシステム。
【請求項12】
前記カニューレ器具が第一及び第二のカニューレ器具であり、及び拡張した位置にあるフレームは、第一及び第二のカニューレ器具の間の横方向の距離が4インチ以上である様に第一及び第二のカニューレ器具の位置を定める、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記システムが更に体壁内の開口に挿入可能なアクセスカニューレを含み、前記フレームが折り畳まれた状態にある場合に、前記フレーム及びカニューレ器具が、アクセスカニューレの管状気器を通して挿入可能である、請求項1のシステム。
【請求項14】
前記システムが更にマウント、及びマウント上の一対のアクチュエーターを含む、請求項5のシステム。
【請求項15】
各カニューレ器具がカニューレ器具の末梢部分に結合した複数のけん引ワイアーを含み、前記カニューレ器具の抹消部分は一以上のけん引ワイアーに張力を与えることに反応して偏向し、各カニューレ器具のけん引ワイアーはアクチュエーターの一つに結合している、請求項14のシステム。
【請求項16】
各アクチュエーターが機器ポートを含み、カニューレ器具の一つに位置する器具が対応する一つの機器ポートを通して伸び、機器ポート内の器具のハンドルの動作が対応するアクチュエーターを作動させてカニューレ器具を偏向させる、請求項14のシステム。
【請求項17】
前記マウントが手術室の固定具に取り付け可能な、請求項14のシステム。
【請求項18】
前記固定具が手術台、天井の固定具及び台車より成る固定具から選択される、請求項17のシステム。
【請求項19】
前記マウントが、各機器ポートに位置する器具のハンドルの横方向の間隔が8インチ以上となる様に調節されている、請求項16のシステム。
【請求項20】
前記マウントが、各機器ポートに位置する器具のハンドルの横方向の間隔が10インチ以上となる様に調節されている、請求項16のシステム。
【請求項21】
各カニューレ器具が、カニューレ器具の末梢部分に結合されている複数のけん引ワイアーを含み、各カニューレ器具のけん引ワイアーがアクチュエーターの一つに結合され、及び機器ポート中の器具のハンドルの動作が対応するけん引ワイアーを作動させる、請求項16のシステム。
【請求項22】
前記マウントが末梢部分、及び末梢部分から分離可能な近接部分を含み、前記カニューレ器具が末梢部分に取り付けられ、前記アクチュエーターが近接部分に取り付けられている、請求項14のシステム。
【請求項23】
前記システムが更に、請求項24乃至32のいずれか1項の方法による最少限に侵襲的な手術を行うための方法を記述する指示を含む、請求項1のシステム。
【請求項24】
最少限に侵襲的な医療手法であり、
身体壁に切開部分を形成し;
前記切開部分を通して体腔にフレームを挿入し、体腔内で前記フレームを拡張させ、前記フレームはフレームに結合した一対のカニューレ器具を持ち;
カニューレ器具内で医療器具の位置を定め、前記医療器具を用いて体腔内で手術を行う、
ステップを含む、前記方法。
【請求項25】
前記カニューレ器具がアクチュエーターに結合され、前記方法は更にカニューレ器具の末梢部分を偏向させるためにアクチュエーターを操作することを含み、前記偏向は体腔内の医療器具の方向を変える、請求項24の方法。
【請求項26】
前記アクチュエーターを操作することによりカニューレ器具の末梢部分に結合する一以上のけん引ワイアーに張力を与える、請求項25の方法。
【請求項27】
前記器具の近接部分が器具ポートを通して伸び、前記けん引ワイアーが器具ポートに結合し、及び前記アクチュエーターを操作することには、器具の近接部分を操作することを含む、請求項26の方法。
【請求項28】
前記方法が、カニューレ器具の偏向が器具の対応する動作に対して増幅される量を調整することを含む、請求項27の方法。
【請求項29】
更に、カニューレ器具を偏向した位置に固定するステップを含む、請求項25の方法。
【請求項30】
更にカニューレ器具を偏向した位置に固定して、カニューレ器具から器具を引き戻し、そしてカニューレ器具に第二の器具を挿入するステップを含む、請求項29の方法。
【請求項31】
前記方法がアクセスカニューレを切開部分に挿入し、折り畳んだ状態のフレームをアクセスカニューレを通して送り、及びフレームを折り畳んだ状態に拡張する、請求項24の方法。
【請求項32】
前記フレームの拡張がカニューレ器具の末梢開口を身体内の標的部位に向ける、請求項24の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2009−537225(P2009−537225A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511061(P2009−511061)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/011795
【国際公開番号】WO2007/136683
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(505448947)シネコー・エルエルシー (15)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/011795
【国際公開番号】WO2007/136683
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(505448947)シネコー・エルエルシー (15)
【Fターム(参考)】
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