説明

印刷システム、送信制御装置及びプログラム

【課題】予め印刷対象に指定しておいた電子データに基づく印刷処理を画像形成装置に対するユーザーの指示に応じて実行させる場合において、画像形成装置の設置場所におけるユーザーの待ち時間の短縮を図る。
【解決手段】ユーザーと当該ユーザーに携帯される携帯端末装置10とを対応付けすると共に、ユーザーと当該ユーザーにより印刷対象に指定されてファイル管理装置30に登録されたファイルとを対応付けすることで、印刷対象に指定されたファイルと携帯端末装置10とを間接的に対応付けしておき、印刷対象に指定されたファイルに対応付けられた携帯端末装置10(を携帯するユーザー)と出力端末50との距離を測定し、当該測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置10と出力端末50との組み合わせについて、当該携帯端末装置10に対応付けられたファイルを当該出力端末50へダウンロードさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、送信制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷対象に指定された電子データに基づく画像を画像形成装置により用紙等の記録材に形成して出力する印刷処理に関し、種々の発明が提案されている。
例えば、特許文献1には、各々が画像データの入力を受けてそのデータに応じた画像を記録材に形成する各画像形成装置のアドレスと、それらの各画像形成装置の設置位置を示す位置情報とを各々対応付けて記憶した記憶手段と、自装置の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報が示す現在位置と前記記憶手段にて各アドレスと対応付けられた位置情報が示す設置位置の間の距離を求め、求めた距離が最も近い設置位置の位置情報と対応付けて前記記憶手段に記憶されたアドレスへ画像データの出力先を切り替える出力先切替手段と、前記切り替えられたアドレスの画像形成装置へ画像データを出力する出力手段とを備えた画像データ出力装置などの発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献2には、無線通信端末と通信し、該無線通信端末との間の距離を計測する距離計測手段と、プリントデータを取得するプリントデータ取得手段と、画像を形成する画像形成手段と、前記計測された距離が第1の閾値以下となることに応じて、前記画像形成手段に画像を形成させるための準備動作を開始する準備動作開始手段と、前記計測された距離が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以下となることに応じて、前記画像形成手段に前記取得されたプリントデータに基づいた画像を形成させる画像形成開始手段と、を備えた画像形成装置などの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−304981号公報
【特許文献2】特開2008−017381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、予め印刷対象に指定しておいたファイル(電子データの一例)に基づく印刷処理を画像形成装置に対するユーザー(利用者)の指示に応じて実行させることが考えられている。具体的には、例えば、ユーザーは、印刷を所望するファイルを予めサーバに登録しておき、その後、コンビニエンスストア等に訪れて、そこに設置された画像形成装置において印刷指示を行うことで、当該画像形成装置がサーバから該当するファイルを取得して印刷処理を行う、という具合である。
【0006】
本発明は、上記のような、予め印刷対象に指定しておいた電子データに基づく印刷処理を画像形成装置に対するユーザーの指示に応じて実行させる場合において、画像形成装置の設置場所におけるユーザーの待ち時間の短縮を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、印刷対象に指定された電子データと携帯端末装置とを対応付ける対応付け手段と、前記対応付け手段により電子データに対応付けられた携帯端末装置と画像形成装置との距離を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置と画像形成装置との組み合わせについて、当該携帯端末装置に対応付けられた電子データを当該画像形成装置へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする印刷システムである。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の印刷システムにおいて、前記閾値は、印刷対象に設定された電子データのデータ量に基づいて設定される、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の印刷システムにおいて、前記送信手段は、印刷対象に設定された電子データの送信を段階的に行うものであり、段階毎に設定された閾値を用いて電子データの段階的な送信を制御する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の印刷システムにおいて、前記送信手段は、電子データを複数に分割した部分データ毎に設定された閾値により、電子データを複数に分割した部分データ毎の送信を制御する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明は、請求項3に記載の印刷システムにおいて、前記送信手段は、第1の送信速度による電子データの送信を第1の閾値により制御し、第1の送信速度より高速な第2の送信速度による電子データの送信を第1の閾値より短く設定された第2の閾値により制御する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明は、請求項3に記載の印刷システムにおいて、電子データを複数に分割した各部分データをそれぞれ異なる画像形成装置に送信した後に、一の画像形成装置へ他の画像形成装置から部分データを送信し、当該一の画像形成装置において電子データを復元するものであり、前記送信手段は、各画像形成装置に対する部分データの送信を第1の閾値により制御し、他の画像形成装置から一の画像形成装置への部分データの送信を第1の閾値より短く設定された第2の閾値により制御する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の印刷システムにおいて、携帯端末装置に対応付けられた電子データを画像形成装置に送信する処理が前記送信手段により開始された後に、当該携帯端末装置が当該画像形成装置に接近しつつある状態ではないと判定された場合に、当該画像形成装置へ送信された電子データを当該画像形成装置から削除する削除手段を備えた、ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明は、印刷対象に指定された電子データに対応付けられた携帯端末装置と画像形成装置との距離を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置と画像形成装置との組み合わせについて、当該携帯端末装置に対応付けられた電子データを当該画像形成装置へ送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする送信制御装置である。
【0015】
請求項9に記載の本発明は、コンピュータに、印刷対象に指定された電子データに対応付けられた携帯端末装置と画像形成装置との距離を測定する測定機能と、前記測定機能により測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置と画像形成装置との組み合わせについて、当該携帯端末装置に対応付けられた電子データを当該画像形成装置へ送信する送信機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、8、9に記載の本発明によれば、予め印刷対象に指定しておいた電子データに基づく印刷処理を画像形成装置に対するユーザーの指示に応じて実行させる場合において、本発明を適用しない場合に比べ、画像形成装置の設置場所におけるユーザーの待ち時間を短縮することができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明によれば、印刷対象に指定された電子データのデータ量に応じて送信タイミングを調整することができる。
【0018】
請求項3〜6に記載の本発明によれば、印刷対象に指定された電子データの送信に係る負荷を分散することができる。
【0019】
請求項7に記載の本発明によれば、画像形成装置に送信された電子データが印刷処理に用いられずに残留する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの概要を例示する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る印刷システムの構成を例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る印刷システムにおける印刷対象のファイルのダウンロードに係る処理のフローを例示する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る印刷システムにおいて送信制御装置として動作するコンピュータの主要なハードウェア構成を例示する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る印刷システムの第3変形例の構成を例示する図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る印刷システムにおいて送信制御装置として動作するコンピュータの主要なハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る印刷システムの概要を例示してある。
本例の印刷システムは、携帯端末装置10、ユーザー位置管理装置20、ファイル管理装置30、ダウンロード管理装置40(送信制御装置の一例)、出力端末50(画像形成装置の一例)等の装置により構成されている。
【0022】
本例の印刷システムの動作例を概略的に説明しておく。
本例の印刷システムでは、ユーザー(利用者)が携帯する携帯端末装置10の位置をユーザー位置管理装置20で管理しており、或るファイル(電子データの一例)の印刷を所望するユーザーは、まず、当該ファイルを印刷対象に指定してファイル管理装置30に登録し、その後、いずれかの出力端末50の設置位置(例えばコンビニエンスストア)に向かうと、ダウンロード管理装置40により、携帯端末装置10と各出力端末50との距離が測定され、当該測定された距離が予め設定された閾値(符号Rで示す範囲)以下となった出力端末50に対して、そのユーザーにより印刷対象に指定されたファイルの出力端末50へのダウンロード(送信)が開始されるように制御する。
これにより、ユーザーが出力端末50の設置場所でファイルのダウンロード完了を待つ時間が短縮され、出力端末50による印刷処理を速やかに行えるようになる。
【0023】
図2には、本例の印刷システムの構成を例示してある。
携帯端末装置10は、本例の印刷システムを利用する各ユーザーにより携帯可能な端末装置であり、位置検出部11、位置情報送信部12等の機能部を有している。携帯端末装置10としては、例えば、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistants)等の種々の装置を用いることができる。
【0024】
位置検出部11は、自己(携帯端末装置10)の現在位置を検出する。本例の携帯端末装置10は、位置検出部11の一例として、GPS(全地球測位システム;Global Positioning System)機能部を有しており、当該GPS機能部により現在位置を検出する。
【0025】
位置情報送信部12は、位置検出部11により検出された自己の現在位置を示す位置情報を無線通信によりユーザー位置管理装置20へ送信する。ユーザー位置管理装置20との通信は、例えば、自己の携帯端末ID(携帯端末装置10を識別する情報の一例)を用いて行われる。
【0026】
ユーザー位置管理装置20は、本例の印刷システムを利用する各ユーザーの位置を管理する装置であり、ユーザー位置検知部21、ユーザー位置記憶部22等の機能部を有している。
【0027】
ユーザー位置検知部21は、携帯端末装置10から送信される位置情報に基づいて、当該携帯端末装置10を携帯するユーザーの位置を検知する。本例では、ユーザーID(ユーザーを識別する情報の一例)と携帯端末IDとの対応(すなわち、ユーザーと携帯端末装置10との対応)を予め設定した対応表を有しており、位置情報の送信元を示す携帯端末IDを対応表に照らしてユーザーIDを取得し、当該ユーザーIDにより特定されるユーザーの位置を当該位置情報により特定(検知)する。
【0028】
ユーザー位置記憶部22は、ユーザー位置検知部21により検知されたユーザーの位置(当該ユーザーに携帯される携帯端末装置10の位置)を記憶する。本例では、ユーザーIDに対応付けて、当該ユーザーIDに対応するユーザーの現在位置を示す位置情報(すなわち、最新の位置情報)を記憶している。なお、当該ユーザーに係る過去の位置情報についても履歴として残すようにしてもよい。
【0029】
ファイル管理装置30は、本例の印刷システムを利用する各ユーザーにより印刷対象に指定されたファイルを登録(記憶)して管理する装置であり、ファイル記憶部31、ファイル検索部32等の機能部を有している。
【0030】
ファイル記憶部31は、ユーザーにより印刷対象に指定されたファイルの実データ及びファイル属性(ファイル名、ファイルサイズ、ページ数などの属性情報)を記憶する。本例では、印刷対象に指定されたファイルに、その指定を行ったユーザーのユーザーIDを対応付けている。ファイルに対応付けるユーザーIDは、携帯端末装置10又は他の装置においてユーザーにより印刷対象のファイルに指定されたファイルを登録する際に、その登録指示と共に送信元の装置(携帯端末装置10又は他の装置)から送信されるよう構成されている。
【0031】
ファイル検索部32は、種々の検索処理をファイル記憶部31に対して行う。一例として、ユーザーIDを指定してファイルの有無を問い合わせる検索要求に基づき、当該ユーザーIDに対応付けてファイル記憶部31に記憶されているファイルの有無を検索結果として要求元へ返す。一例として、ユーザーIDを指定してファイルのファイル属性を問い合わせる検索要求に基づき、当該ユーザーIDに対応付けてファイル記憶部31に記憶されているファイルのファイル属性を検索結果として要求元へ返す。一例として、ユーザーIDを指定してファイルの実データを問い合わせる検索要求に基づき、当該ユーザーIDに対応付けてファイル記憶部31に記憶されているファイルの実データを検索結果として要求元へ返す。
【0032】
ダウンロード管理装置40は、ユーザーに携帯された携帯端末装置10と出力端末50との距離に基づいて、当該ユーザーにより印刷対象に指定されたファイルのファイル管理装置30から出力端末50へのダウンロード(送信)処理などについて管理する装置であり、出力端末位置記憶部41、距離算出部42、ファイル取得判定部43、ファイル削除判定部44、ファイル取得部45、ファイル削除部46等の機能部を有している。
【0033】
出力端末位置記憶部41は、本例の印刷システムに設けられた各出力端末50の位置を記憶する。本例では、各出力端末50から送信された位置情報を、その送信元を示す出力端末ID(出力端末50を識別する情報の一例)に対応付けて記憶している。本例では、ダウンロード管理装置40からの要求に応じて、出力端末50から位置情報を送信させて記憶するようにしているが、例えば、印刷システムに出力端末50を追加する際に当該出力端末50から送信させて記憶しておくような構成や、ダウンロード管理装置40において本システムの管理者等により各出力端末50の出力端末ID及び位置情報の入力を受け付けて記憶しておくような構成を用いてもよい。
【0034】
距離算出部42は、印刷対象に指定されたファイルをファイル管理装置30に登録したユーザーと本例の印刷システムに設けられた各出力端末50との距離を算出する。本例では、ユーザー位置管理装置20に記憶されているユーザーの位置情報(現在位置)と出力端末位置記憶部41に記憶されている出力端末50の位置情報とに基づいて、当該ユーザーと当該出力端末50との距離を算出する。また、本例では、ユーザーの位置情報に示される地点と出力端末50の位置情報に示される地点との直線距離を算出するようにしているが、他の算出手法を用いて距離を算出してもよく、例えば、地図情報などを用いて道なりの距離を算出してもよい。また、地図情報などに基づいて、ユーザーの位置情報と出力端末50の位置情報とが地図上の同じ領域内(例えば、店舗内、フロアー内、会議室内など)に存在することを算出してもよい。なお、距離を算出するユーザーと出力端末50との組み合わせとしては、本例の印刷システムを利用する各ユーザーと本例の印刷システムに設けられた各出力端末50との全ての組み合わせとしてもよく、ファイル管理装置30に印刷対象のファイルを登録したユーザーについての組み合わせに限定してもよく、ユーザーが印刷に用いる候補となる1以上の出力端末50を当該ユーザーに予め対応付けて記憶しておき、当該対応付けに基づいて、出力端末50との組み合わせをユーザー毎に切り替えてもよく、システムの運用形態などに応じたものとすればよい。
【0035】
ファイル取得判定部43は、距離算出部42による算出結果に基づいて、ユーザーにより印刷対象に指定されたファイルのファイル管理装置30から出力端末50へのダウンロード処理の開始に関する判定を行う。本例では、当該ユーザーについて出力端末50毎に算出された距離を閾値と比較し、当該ユーザーとの距離が閾値以下となった出力端末50に対して当該ファイルのダウンロード処理を開始すると判定する。閾値としては、固定の閾値であってもよく、ダウンロード対象のファイルのファイル属性(ファイルサイズやページ数)などに応じて算出した閾値であってもよい。例えば、予め定められた単位距離をユーザーが移動する間に送信されることが想定されるデータ量を示す基準送信速度(単位距離あたりの送信データ量)を設定しておき、ダウンロード対象のファイルのファイルサイズを基準送信速度で除算した結果を閾値として用いることができる。なお、出力端末50毎に通信速度が異なる場合には、出力端末50毎に基準送信速度を予め設定しておいて、閾値の算出に用いるようにしてもよい。
【0036】
ファイル取得部45は、ファイル取得判定部43による判定結果に基づいて、ファイル管理装置30から出力端末50へのファイルのダウンロード処理を実行する。なお、ファイルをダウンロードする手法としては、ファイル管理装置30が送信先の出力端末50に宛てて該当するファイルを能動的に送信するPush型であってもよく、ファイル管理装置30が送信先の出力端末50からの要求に応じて該当するファイルを受動的に送信するPull型であってもよい。
【0037】
ファイル削除判定部44は、距離算出部42による算出結果に基づいて、出力端末50にダウンロードされたファイルの当該出力端末50からの削除処理に関する判定を行う。本例では、ユーザーに携帯された携帯端末装置10がダウンロード先の出力端末50に接近しつつある状態でないと想定される状況をファイルの削除条件として予め設定しており、ファイル取得部45によりダウンロード処理が開始された後において、当該削除条件に合致することが検出された場合に、当該出力端末50にダウンロードされたファイルを削除すると判定する。削除条件としては、例えば、ユーザーとの距離がダウンロード開始判定に係る閾値(ファイル取得判定部43で用いた閾値)を超えた場合、ユーザーとの距離が予め定められた時間を経過しても変化しない(変化の幅が予め定められた範囲に収まる)場合、ユーザーとの距離が増加傾向にある(距離の増加が予め定められた回数又は時間以上連続する)場合、などが挙げられる。
【0038】
ファイル削除部46は、ファイル削除判定部44による判定結果に基づいて、出力端末50にダウンロードされたファイルの当該出力端末50からの削除処理を実行する。出力端末50からのファイルの削除は、ファイル削除部46が直接出力端末50側のファイルを削除する構成であってもよく、出力端末50に対して削除対象のファイルを指定した削除指示を送信し、当該指示を受信した出力端末50が該当するファイルを削除する構成であってもよく、種々の構成により実現することができる。
【0039】
出力端末50は、ファイル管理装置30からダウンロードされたファイルに基づく印刷を、当該ファイルを印刷対象に指定したユーザーにより印刷指示を受け付けて実行する装置であり、位置情報送信部51、印刷出力部52等の機能部を有している。出力端末50としては、例えば、印刷機能を主たる機能として備えた印刷装置や、印刷機能の他に複写機能やファクシミリ機能等を複合的に備えた複合機などの画像形成装置を用いることができる。
【0040】
位置情報送信部51は、自己(出力端末50)の現在位置を示す位置情報をダウンロード管理装置40へ送信する。ダウンロード管理装置40との通信は、例えば、自己の出力端末ID(出力端末50を識別する情報の一例)を用いて行われる。本例では、出力端末50の設置時に設置作業者等により入力された位置情報を記憶してダウンロード管理装置40へ送信しているが、例えば、出力端末50にGPS機能部等の位置検出部を設け、当該位置検出部により自動的に位置情報を検出して送信するようにしてもよい。
【0041】
印刷出力部52は、ファイル管理装置30からダウンロードされたファイルについて、当該ファイルを印刷対象に指定してファイル管理装置30に登録したユーザーから印刷指示を受け付けたことに応じて、当該ファイルに基づく画像を用紙等の記録材に形成して出力する印刷処理を行う。本例では、出力端末50においてユーザーからユーザーIDの入力を受け付けてユーザー認証を行い、当該ユーザーにより印刷対象に指定されたファイルに基づく印刷指示を受け付けるように構成してあるが、例えば、出力端末50に携帯端末装置10の提示部を設けておき、当該提示部に提示された携帯端末装置10からユーザーIDを読み取り(或いは、当該提示部に提示された携帯端末装置10から携帯端末IDを読み取って、携帯端末IDとユーザーIDとの対応表に照らしてユーザーIDを取得し)、当該ユーザーIDに基づいてユーザー認証を行うような構成などの他の認証方式を用いてもよい。また、例えば、印刷対象に指定されたファイルをファイル管理装置30に登録する際に、当該ファイルの印刷処理の実行に際して入力を求める文字列や番号などの鍵情報をユーザーに提示しておき、出力端末50において鍵情報の入力をユーザーから受け付けた場合に、当該鍵情報に対応するファイルの印刷処理を行うようにしてもよい。
【0042】
本例の印刷システムにおける印刷対象のファイルのダウンロードに係る処理の一例について、図3に例示するフローを参照して説明する。
本例のダウンロード管理装置40では、まず、ユーザー位置管理装置20に位置情報が記憶されているユーザーのユーザーID(D1)を取得し(ステップS11)、ファイル管理装置30に登録されているファイルのファイル属性(D2)を取得し(ステップS12)、本例の印刷システムに設けられている出力端末50の位置情報(D3)を取得する(ステップS13)。
【0043】
その後、予め定められた時間間隔毎に、距離算出部42が、ユーザー位置管理装置20に記憶されているユーザーの位置情報(当該ユーザーに携帯される携帯端末装置10の位置情報)(D4)を取得し(ステップS14)、取得したユーザーの位置情報と出力端末50の位置情報とに基づいてユーザーと出力端末50との距離を算出し(ステップS15)、また、当該ユーザーにより印刷対象に指定されたファイルがダウンロード中か否かを判定する(ステップS16)。
【0044】
ステップS16においてファイルがダウンロード中でないと判定された場合には、ファイル取得判定部43が、距離算出部42により算出された距離が当該ファイルに応じて決定された閾値以下であるか否かに基づいて、当該ファイルのダウンロード処理を開始するか否かを判定する(ステップS17)。その結果、距離算出部42により算出された距離が閾値以下でなく、ダウンロード処理を開始しないと判定された場合には、ステップS14の処理に戻り、一方、距離算出部42により算出された距離が閾値以下であり、ダウンロード処理を開始すると判定された場合には、ファイル取得部45が、当該ファイルの実データ(D5)についてファイル管理装置30から出力端末50へのダウンロード処理を実行する(ステップS18)。
【0045】
ステップS16においてファイルがダウンロード中であると判定された場合には、ダウンロード処理が完了しているか否かを判定する(ステップS19)。ダウンロード処理が完了していないと判定された場合には、ファイル取得判定部43が、距離算出部42により算出された距離に基づいて、ユーザーがダウンロード先の出力端末50に接近しつつある状態であるか否かに基づいて、出力端末50にダウンロードされたファイルを当該出力端末50から削除するか否かを判定する(ステップS20)。その結果、ユーザーがダウンロード先の出力端末50に接近しつつある状態であり、出力端末50にダウンロードされたファイルを当該出力端末50から削除しないと判定された場合には、ステップS14の処理に戻り、一方、ユーザーがダウンロード先の出力端末50に接近しつつある状態でなく、出力端末50にダウンロードされたファイルを当該出力端末50から削除すると判定された場合には、ファイル削除部46が、出力端末50にダウンロードされたファイルの当該出力端末50からの削除処理を実行する(ステップS21)。
【0046】
以上のように、本例の印刷システムでは、ユーザーと当該ユーザーに携帯される携帯端末装置10とを対応付けすると共に、ユーザーと当該ユーザーにより印刷対象に指定されてファイル管理装置30に登録されたファイルとを対応付けすることで、印刷対象に指定されたファイルと携帯端末装置10とを間接的に対応付けしており、印刷対象に指定されたファイルに対応付けられた携帯端末装置10(を携帯するユーザー)と出力端末50との距離を測定し、当該測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置10と出力端末50との組み合わせについて、当該携帯端末装置10に対応付けられたファイルを当該出力端末50へダウンロード(送信)させるようにしている。
なお、本例のようにファイルと携帯端末装置10とを間接的に対応付けする構成ではなく、ファイルと携帯端末装置10とを直接的に対応付けする構成としてもよい。
【0047】
次に、本例の印刷システムの変形例について説明する。
第1の変形例として、印刷対象に設定されたファイルを複数個に分割した単位での段階的なダウンロードを行う構成について説明する。
具体的には、例えば、ダウンロード管理装置40は、1ページ以上のページ単位でのダウンロードに関し、予め定められた単位距離をユーザーが移動する間に送信されることが想定されるページ数を示す基準送信速度(単位距離あたりの送信ページ数)を設定しておき、ダウンロードの開始ページ位置を示す取得開始ページ番号及びダウンロードの残量を示す残ページ数の初期値として、ダウンロード対象のファイルの先頭ページのページ番号及び当該ファイルの全ページ数を設定し、残ページ数を基準送信速度で除算した結果をダウンロード開始判定に係る閾値として用い、携帯端末装置10(を携帯するユーザー)が出力端末50に近づいて両者の距離が閾値以下となった段階で、取得開始ページ番号から順に(末尾ページ側に向かって)部分的なダウンロードを開始させる。この際にダウンロードするページ数(取得ページ数という)は、後述するように、ユーザーと出力端末50との距離に応じて決定する。その後、現在の取得開始ページ番号に取得ページ数を加算した結果で取得開始ページ番号を更新すると共に、現在の残ページ数から取得ページ数を減算した結果で残ページ数を更新し、更新後の残ページ数を基準送信速度で除算した結果を新たな閾値として次なる部分的なダウンロードについての処理を行うことを、残ページ数が0になるまで繰り返していく。ここで、取得ページ数は、例えば、以下の数式により算出される(但し、小数点以下は切り上げとする)。
取得ページ数=残ページ数×{1−(ユーザー距離/ダウンロード開始距離)}
上記の数式において、ユーザー距離はユーザーと出力端末50との距離を表しており、また、ダウンロード開始距離はダウンロード開始判定に係る閾値に相当する。なお、他の数式により取得ページ数を算出するようにしてもよい。
【0048】
第2の変形例として、印刷対象に設定されたファイルのダウンロードをダウンロード速度の切り替えながら段階的に行う構成について説明する。
具体的には、例えば、ダウンロード管理装置40は、比較的に低速なダウンロードである低速ダウンロードの開始タイミングを判定するための第1の閾値と、当該速度より高速なダウンロードである高速ダウンロードの開始タイミングを判定するための閾値であり第1の閾値より短く設定された第2の閾値とを用い、携帯端末装置10(を携帯するユーザー)が出力端末50に近づいて両者の距離が第1の閾値(符号R1で示す範囲)以下となった段階でファイルの低速ダウンロードを開始させ、その後、携帯端末装置10が出力端末50に更に近づいて両者の距離が第2の閾値(符号R2で示す範囲)以下となった段階で高速ダウンロードを開始させる。一例として、低速ダウンロードにおいては、50000byte/秒の転送量(送信速度)でダウンロードを実行し、高速ダウンロードにおいては、1000000byte/秒の転送量(送信速度)でダウンロードを実行する。もちろん、本例示以外の転送量でダウンロードを実行してもよい。
【0049】
図4には、第2の変形例に係る印刷システムの概要を例示してある。
図4の例では、複数であるn台の出力端末50−1、50−2、・・・、50−nが比較的近距離(本例では、出力端末50毎に設定された第1の閾値により定まる範囲R1が互いに重なり合う位置関係)に配置されている。そして、例えば、ユーザーとの距離が第1の閾値以下となった出力端末50として、出力端末50−1、50−2、・・・、50−nのn台が存在し、それぞれの出力端末50−1、50−2、・・・、50−nに対して低速ダウンロードが開始されているとする。この状態において、いずれかの出力端末50(図4の例では出力端末50−2)との距離が第2の閾値(符号R2で示す範囲)以下となった場合には、当該出力端末50に対して高速ダウンロードを開始させる一方で、他の出力端末50に対して開始されている低速ダウンロードを中止させる。
【0050】
なお、低速ダウンロードを中止した時点で他の出力端末(図4の例では出力端末50−2以外)に途中までダウンロードされたファイルは、ファイル削除判定部44による判定に基づいて、ファイル削除部44による削除処理によって削除される。ファイル削除判定部44では、例えば、いずれかの出力端末50においてファイルの高速ダウンロードが開始された時点で削除すると判定する手法や、いずれかの出力端末50でファイルの高速ダウンロードが完了し、その出力端末50による印刷処理が完了した時点で削除すると判定する手法や、第1の閾値以内の位置にある携帯端末装置10が第1の閾値以上の距離である第3の閾値により定まる範囲の外部に出たことが距離算出部42の算出結果より判明した時点で削除すると判定する手法などの様々な手法により、低速ダウンロードを中止した場合の出力端末50側のファイルの削除の判定が行われてもよい。
【0051】
また、第1の閾値は、本例のように、それぞれの出力端末50に個別に設定してもよいし、複数の出力端末50で共通に設定してもよい。複数の出力端末50で共通に設定する場合には、例えば、比較的近距離に設置された複数の出力端末50をグループとして扱い、そのグループの重心位置からの距離に係る閾値を用いてもよく、地図情報などに基づいて、複数の出力端末50を含む領域に対する距離に係る閾値を用いてもよく、その他の形式の閾値を用いてもよい。なお、これらの閾値は、例えば、ダウンロード管理装置40内の記憶部に記憶されており、必要に応じて読み出されて判定処理に用いられる。
【0052】
第3の変形例として、比較的近距離に設置された複数の出力端末50をグループとして扱い、印刷対象に設定されたファイルを分割した各ファイル部分をグループ内の出力端末50に別々にダウンロードさせた後に、一の出力端末50にファイル部分を集約して結合させる構成について説明する。
具体的には、例えば、ダウンロード管理装置40は、グループとして扱う複数の出力端末50の情報を記憶しており、各ファイル部分のダウンロードの開始タイミングを判定するための第1の閾値と、各ファイル部分を集約して結合するタイミングを判定するための第2の閾値とを用い、携帯端末装置10(を携帯するユーザー)と出力端末50のグループとの距離が第1の閾値以下となった段階で、ダウンロード対象のファイルをグループ内の出力端末50の台数に応じて分割したファイル部分についてグループ内のそれぞれ異なる出力端末50に対するダウンロードを開始させ、グループ内のいずれかの出力端末50との距離が第2の閾値以下となった段階で、当該出力端末50(及び他の出力端末50)にその旨を通知し、他の出力端末50にダウンロードされたファイル部分を当該出力端末50に転送させて当該出力端末50にファイル部分を集約させ、当該出力端末50においてこれらのファイル部分を結合させてファイルを復元させる。
【0053】
なお、携帯端末装置10と出力端末50のグループとの距離の測定における出力端末50のグループの位置としては、グループに属する各出力端末50の位置の平均でもよく、測定対象の携帯端末装置10に最も近い又は最も遠い(或いはN番目に近い又はN番目に遠い)出力端末50でもよく、その他の手法により算出される値でもよい。
また、グループとして扱う複数の出力端末50としては、例えば、ルータ等を用い構成されたLAN(Local Area Network)内に設けられた複数の出力端末50が挙げられ、この場合には、出力端末50間におけるファイル部分の転送を、LAN回線を用いて行う構成とすることができる。
【0054】
図5には、第3の変形例に係る印刷システムの構成を例示してある。
本例の出力端末50は、位置情報送信部51、印刷出力部52に加え、ファイル部分転送部53、ファイル部分結合部54を更に備えた構成となっている。
本例では、ダウンロード管理装置40から、ファイル部分の集約先に決定された出力端末50に対してファイルの復元指示が送信され、他の出力端末50に対してファイルの転送指示が送信される。この転送指示には、ファイル部分の集約先に決定された出力端末50の出力端末IDが付されているものとする。
【0055】
ファイルの転送指示を受信した出力端末50では、ファイル部分転送部53が、ダウンロード済みのファイル部分を当該転送指示に付された出力端末IDにより特定される出力端末50に宛てて送信する。
ファイルの復元指示を受信した出力端末50では、ファイル部分結合部54が、他の出力端末50からのファイル部分の送信が完了するまで待機し、復元対象のファイルに係る全てのファイル部分が揃ったことに応じて、これらのファイル部分の結合処理を行ってファイルを復元する。本例では、各ファイル部分に、復元対象のファイルにおけるファイル部分の位置(すなわち、ファイル部分の結合順)などの、ファイル部分の結合に必要な情報が付加されており、当該情報に基づいて各ファイル部分を結合し、ファイルの復元を行う。
【0056】
なお、各出力端末50がグループ内の他の出力端末50を認識している構成の場合には、ダウンロード管理装置40が、ファイル部分の集約先に決定された出力端末50に対してファイルの復元指示を送信し、当該復元指示を受信した出力端末50が、グループ内の他の出力端末50に対してファイル部分の転送指示を送信するようにしてもよく、当該転送指示に自己の出力端末IDを付しておけばよい。
【0057】
ここで、これまでの説明では、印刷対象に指定されたファイルをファイル管理装置30に登録しておき、携帯端末装置10(を携帯するユーザー)との距離に基づいて、当該ファイルをファイル管理装置30から出力端末50へダウンロードする場合について説明したが、他の形式の電子データを対象としてもよい。例えば、Webサーバ上で公開されているWebコンテンツを対象としてもよく、この場合には、当該Webコンテンツのアドレスをファイル管理装置30に登録し、携帯端末装置10(を携帯するユーザー)との距離に基づいて、ファイル管理装置30に登録されたアドレスが指し示すWebコンテンツを該当するWebサーバから出力端末50へダウンロードすればよい。
【0058】
図4には、本例の印刷システムにおいてダウンロード管理装置40(送信制御装置の一例)として動作するコンピュータの主要なハードウェア構成を例示してある。
本例では、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)61、CPU61の作業領域となるRAM(Random Access Memory)62や基本的な制御プログラムを記録したROM(Read Only Memory)63等の主記憶装置、本発明の一実施形態に係るプログラムや各種データを記憶する補助記憶装置(例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスクや、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリなど)64、各種情報を表示出力するための表示装置及び操作者により入力操作に用いられる操作ボタンやタッチパネル等の入力機器とのインターフェースである入出力I/F65、他の装置又はシステムとの間で有線又は無線により通信を行うインターフェースである通信I/F66、等のハードウェア資源を有するコンピュータにより構成されている。
そして、本発明の一実施形態に係るプログラムを補助記憶装置64等から読み出してRAM62に展開し、これをCPU61により実行させることで、本発明の一実施形態に係る送信制御装置の各機能を複写機1のコンピュータ上に実現している。
【0059】
なお、本例では、ダウンロード管理装置40の各機能部を1台のコンピュータに設ける構成としてあるが、各機能部を複数台のコンピュータに分散して設ける構成としてもよい。また、ダウンロード管理装置40を他の管理装置(例えば、ユーザー位置管理装置20やファイル管理装置30など)と一体に設ける構成としてもよく、或いは、ダウンロード管理装置40を各出力端末50に設ける構成としてもよく、この場合には、各出力端末50は自己(出力端末50)のみを対象にして携帯端末装置10(を携帯するユーザー)との距離を測定すればよい。
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、例えば、当該プログラムを記憶したCD−ROM等の外部記憶媒体から読み込む形式や、通信回線等を介して受信する形式などにより、本例に係るコンピュータに設定される。
また、本例のようなソフトウェア構成により各機能部を実現する態様に限られず、それぞれの機能部を専用のハードウェアモジュールで実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10:携帯端末装置、 11:位置検出部、 12:位置情報送信部、
20:ユーザー位置管理装置、 21:ユーザー位置検知部、 22:ユーザー位置記憶部、
30:ファイル管理装置、 31:ファイル記憶部、 32:ファイル検索部、
40:ダウンロード管理装置、 41:出力端末位置記憶部、 42:距離算出部、 43:ファイル取得判定部、 44:ファイル削除判定部、 45:ファイル取得部、 46:ファイル削除部、
50:出力端末、 51:位置情報送信部、 52:印刷出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象に指定された電子データと携帯端末装置とを対応付ける対応付け手段と、
前記対応付け手段により電子データに対応付けられた携帯端末装置と画像形成装置との距離を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置と画像形成装置との組み合わせについて、当該携帯端末装置に対応付けられた電子データを当該画像形成装置へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記閾値は、印刷対象に設定された電子データのデータ量に基づいて設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記送信手段は、印刷対象に設定された電子データの送信を段階的に行うものであり、段階毎に設定された閾値を用いて電子データの段階的な送信を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記送信手段は、電子データを複数に分割した部分データ毎に設定された閾値により、電子データを複数に分割した部分データ毎の送信を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記送信手段は、第1の送信速度による電子データの送信を第1の閾値により制御し、第1の送信速度より高速な第2の送信速度による電子データの送信を第1の閾値より短く設定された第2の閾値により制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項6】
電子データを複数に分割した各部分データをそれぞれ異なる画像形成装置に送信した後に、一の画像形成装置へ他の画像形成装置から部分データを送信し、当該一の画像形成装置において電子データを復元するものであり、
前記送信手段は、各画像形成装置に対する部分データの送信を第1の閾値により制御し、他の画像形成装置から一の画像形成装置への部分データの送信を第1の閾値より短く設定された第2の閾値により制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項7】
携帯端末装置に対応付けられた電子データを画像形成装置に送信する処理が前記送信手段により開始された後に、当該携帯端末装置が当該画像形成装置に接近しつつある状態ではないと判定された場合に、当該画像形成装置へ送信された電子データを当該画像形成装置から削除する削除手段を備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
印刷対象に指定された電子データに対応付けられた携帯端末装置と画像形成装置との距離を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置と画像形成装置との組み合わせについて、当該携帯端末装置に対応付けられた電子データを当該画像形成装置へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする送信制御装置。
【請求項9】
コンピュータに、
印刷対象に指定された電子データに対応付けられた携帯端末装置と画像形成装置との距離を測定する測定機能と、
前記測定機能により測定された距離が閾値以下となった携帯端末装置と画像形成装置との組み合わせについて、当該携帯端末装置に対応付けられた電子データを当該画像形成装置へ送信する送信機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−118922(P2012−118922A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270449(P2010−270449)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】