説明

印刷データ生成装置及び印刷データ生成方法

【課題】印刷データをマスクデータで確実にマスクし、各ピクセルが色情報の組み合わせによるインクジェット方式の印刷において、画像の印刷を容易に行う。
【解決手段】印刷設定情報と印刷データと印刷領域と非印刷領域とに分けられ印刷データ全体を覆うマスクデータを格納する情報記憶部から、印刷設定情報と印刷データとマスクデータとを抽出する抽出ステップ(ステップS801)と、印刷データとマスクデータの大きさが異なる場合に、印刷データがマスクデータによって覆われるよう、印刷設定情報に基づきマスクデータを変形する変形ステップと、マスクデータを構成する各ピクセル情報と印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって、印刷データのうち非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する生成ステップ(ステップS805)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ生成装置及び印刷データ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ユーザーニーズの多様化に伴い、CDやDVDなどのレーベル上の印刷可能領域の形状は多彩している。また、CD自体の形状にも名刺型や星型、ハート型など多様な形状が利用されつつある。
【0003】
特許文献1には、CDのレーベル面を印刷領域と非印刷領域とに分け、さらに印刷領域を複数の要素領域に分割し、1つの画像データから印刷領域に対応する画像データを要素領域ごとに切り抜き、切り抜いた要素領域から印刷画像を生成するよう構成された印刷データ生成装置が記載されている。このように、印刷領域を複数の要素領域に分割し、要素領域を組み合わせて印刷画像を生成することによって、印刷領域内に非印刷領域が入り組んだ複雑な画像印刷にも対応することができるようになっている。
【0004】
ところで、定形フォーム、あるいは所定の文字または図形のデータ等をプリンタに予め登録しておき、これにホストコンピュータから送信されたテキストデータ等を重ねて印刷を行うオーバーレイ印刷という技術が知られている。特許文献2には、オーバーレイ印刷に使用するオーバーレイデータを複数のレイヤに階層化し、レイヤ毎に管理するオーバーレイデータ記憶部を備えた印刷制御装置が記載されている。オーバーレイデータは、例えば帳票などの定形フォームのフレームを印刷するためのデータや、スタンプマークあるいはウォーターマークなどと呼ばれ、テキストデータの背景に文字、図形、模様などを印刷するためのデータである。
【0005】
また、特許文献3には、オーバーレイデータを複数の印刷用紙に跨るよう合成し、見開き印刷することができる印刷制御方法が記載されている。1つのオーバーレイデータを見開き頁に対応させて分割して分割オーバーレイデータを生成し、製本時の印刷位置に合わせて、生成した分割オーバーレイデータと、印刷データとを合成するよう構成されている。
【0006】
また、特許文献4には、非印刷領域をマスク画像でマスクする技術が記載されている。図13に示すように、基礎画像G00を、印刷する画素(例えば黒で図示のABCDEの各文字の部分)に相当するドットを論理的に正の正ドットとし、他の部分(各文字の背景等の白で図示の部分)を論理的に負の負ドットとしたドットマトリクスから成る画像(データ)とすると、同図(b)のマスク画像MS0は、非印刷領域(画像データ)NA0を構成するドットを負ドットとし、印刷領域(画像データ)ES0を正ドットとするドットマトリクスから成る画像(データ)である。このため、これらの間で、対応するドット同士の論理積演算(すなわち正ドット同士の部分のみを正ドットとし、他は負ドットとする論理演算)を行うことにより、同図(c)に示すように、基礎画像(データ)G00のうちの非印刷領域(画像データ)NA0をマスクした印刷画像(データ)GS0を容易に作成できるよう構成されている。
【0007】
そして、特許文献5には、選択された画像領域の印刷可能領域における位置と大きさとを、その画像領域の操作と連動させて位置情報表示部に表示し、ユーザーが画像領域の位置と大きさとを見ながら画像領域をレイアウトすることができ、ユーザーが所望する位置に画像領域をレイアウトすることができるよう構成されたレイアウト制御装置が記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−090382号公報
【特許文献2】特開2003−303089号公報
【特許文献3】特開2006−139702号公報
【特許文献4】特開2005−132051号公報
【特許文献5】特開2004−015215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のように、印刷領域を複数の要素領域に分割する方法では、印刷画像が複雑化するにしたがって印刷領域を多数の要素領域に分割しなければならず、複数の演算ステップを含むことになるため、画像が複雑化するのに伴って演算処理に時間を要する可能性がある。
【0010】
また、特許文献4に記載のように、オーバーレイ技術を応用し、印刷画像をマスク画像によってマスクすることによって、結果的に印刷画像のうちの非印刷領域だけをマスクすることで、複雑化した画像に対応することも可能であるが、印刷画像とマスク画像の画像サイズ(大きさ)が異なれば、うまい具合に非印刷領域をマスクすることができない場合も発生する。
【0011】
特許文献5に記載のように、ユーザーが画像領域の位置と大きさとを見ながら画像領域をレイアウトする方法を採用して、印刷画像とマスク画像とを合わせても、ユーザーの目分量に頼るため、正確な位置合わせができず、非印刷領域をマスクできない可能性がある。
【0012】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、印刷データをマスクオーバーレイデータ(マスクデータ)でマスクする場合に、印刷データを確実にマスクすることを目的とする。また、各ピクセルが複数の色情報の組み合わせによって構成されているビットマップ形式の印刷データを印刷するインクジェット方式のプリンタにおいてもマスクオーバーレイ技術を採用し、複雑化した画像の印刷を容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は以下の手段によって解決することができる。
本発明の印刷データ生成装置は、印刷設定情報と、印刷データと、印刷領域と非印刷領域とに分けられ前記印刷データ全体を覆うマスクデータと、を格納する情報記憶部と、
前記情報記憶部から前記印刷設定情報と前記印刷データと前記マスクデータとを抽出する情報抽出部と、
前記印刷データと前記マスクデータの大きさが異なる場合に、前記印刷データが前記マスクデータによって覆われるよう、前記印刷設定情報に基づき前記マスクデータを変形するマスクデータ加工部と、
前記マスクデータを構成する各ピクセル情報と前記印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって、前記印刷データのうち前記非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する合成印刷データ生成部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の印刷データ生成方法は、印刷設定情報と、印刷データと、印刷領域と非印刷領域とに分けられ前記印刷データ全体を覆うマスクデータと、を格納する情報記憶部から、前記印刷設定情報と前記印刷データと前記マスクデータとを抽出する抽出ステップと、
前記印刷データと前記マスクデータの大きさが異なる場合に、前記印刷データが前記マスクデータによって覆われるよう、前記印刷設定情報に基づき前記マスクデータを変形する変形ステップと、
前記マスクデータを構成する各ピクセル情報と前記印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって、前記印刷データのうち前記非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する生成ステップと、を有することを特徴とする
【0014】
上記構成によれば、印刷データとマスクデータの大きさが異なる場合に、印刷データがマスクデータによって覆われるよう、印刷設定情報に基づきマスクデータを変形するよう構成されている。したがって、印刷データを確実にマスクすることが可能である。また、マスクデータを構成する各ピクセル情報と印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって合成印刷データを生成するので、各ピクセルが複数の色情報の組み合わせによって構成されているビットマップ形式の印刷データを印刷するインクジェット方式のプリンタにおいてもマスクオーバーレイ技術を採用することが可能である。
【0015】
また、本発明において、前記印刷設定情報には、前記印刷データ及び前記マスクデータの縦サイズと、前記印刷データ及び前記マスクデータの横サイズと、が含まれ、
前記マスクデータ加工部は、前記マスクデータの縦サイズに対する前記印刷データの縦サイズの縦比率と、前記マスクデータの横サイズに対する前記印刷データの横サイズの横比率と、を求め、前記縦比率と前記横比率のどちらか大きいほうの比率にしたがって、前記マスクデータを拡大あるいは縮小することを特徴とする。
また、本発明において、前記印刷設定情報には、前記印刷データ及び前記マスクデータの縦サイズと、前記印刷データ及び前記マスクデータの横サイズと、が含まれ、
前記変形ステップにおいて、前記マスクデータの縦サイズに対する前記印刷データの縦サイズの縦比率と、前記マスクデータの横サイズに対する前記印刷データの横サイズの横比率と、を求め、前記縦比率と前記横比率のどちらか大きいほうの比率にしたがって、前記マスクデータを拡大あるいは縮小することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、マスクデータの縦サイズに対する印刷データの縦サイズの縦比率と、マスクデータの横サイズに対する印刷データの横サイズの横比率のうち、どちらか大きいほうの比率にしたがって、マスクデータを拡大あるいは縮小するよう構成されている。したがって、印刷データがマスクデータより大きい場合、印刷データがマスクデータより小さい場合、印刷データとマスクデータの縦横の比率が異なる場合、等にも確実に印刷データをマスクデータによってマスクすることが可能である。
【0017】
また、本発明において、前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの色の組み合わせからなる場合には、
前記マスクデータ加工部は、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記合成印刷データ生成部は、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理OR演算することを特徴とする。
また、本発明において、前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの色の組み合わせからなる場合には、
前記変形ステップにおいて、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記生成ステップにおいて、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理OR演算することを特徴とする。
【0018】
また、本発明において、前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、少なくとも藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)の3つの色を含む組み合わせである場合には、
前記マスクデータ加工部は、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記合成印刷データ生成部は、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理AND演算することを特徴とする。
また、本発明において、前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、少なくとも藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)の3つの色を含む組み合わせである場合には、
前記変形ステップにおいて、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記生成ステップにおいて、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理AND演算することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、印刷データを構成する各ピクセル情報が、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの色の組み合わせからなる場合には論理OR演算を行い、印刷データを構成する各ピクセル情報が、少なくとも藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)の3つの色を含む組み合わせである場合には論理AND演算を行うだけで、合成印刷データを生成することができるので、単純な演算ステップを踏むだけで容易に印刷画像を生成することができる。また、各ピクセルが複数の色情報の組み合わせによって構成されているビットマップ形式の印刷データを印刷するインクジェット方式のプリンタにおいてもマスクオーバーレイ技術を採用することができ、様々な形状の印刷画像を容易に生成することが可能となる。
【0020】
また、本発明において、マスクデータ作成情報に基づき前記マスクデータを作成するマスクデータ作成部を備えたことを特徴とする。
また、本発明において、マスクデータ作成情報に基づき前記マスクデータを作成するマスクデータ作成ステップを有することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、マスクデータ作成情報に基づき新たなマスクデータを作成することが可能なため、多様なマスクデータを作成し複雑な印刷画像を容易に生成し、印刷することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る印刷データ生成装置及び印刷データ生成方法の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態では、プリンタ等の画像形成装置に対して印刷指示や印刷データを与えるホストコンピュータに、本発明に係る印刷データ生成装置を備えたものとして以下説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る印刷データ生成装置を備えたホストコンピュータと、ホストコンピュータと通信可能に接続された画像形成装置を含む印刷システムを示すシステム構成図である。
ホストコンピュータ100及び200は、文書作成ソフト等で文書等の作成や、印刷設定並びに印刷指示等を行うユーザーが使用する端末である。また、ホストコンピュータ100及び200は、ネットワーク104を介して画像形成装置300とデータの送受信が可能である。ここでネットワーク104とはLAN(ローカルエリアネットワーク)等のことであって、画像形成装置300とホストコンピュータ100及び200がデータの送受信が可能であれば、どのようなネットワーク形態でも構わない。尚、図1のネットワーク104上に接続される各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。つまり、本発明の機能が実現されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークを介して処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【0024】
(ホストコンピュータのハードウエア構成について)
次に、図1に示すホストコンピュータ100又は200のハードウエア構成について、図2を参照して説明する。図2は本実施形態におけるホストコンピュータの機械的構成を示すブロック図の一例である。なお、ここでは、ホストコンピュータ200について説明するが、ホストコンピュータ100もホストコンピュータ200と同様の機械的構成を備えていてもよい。
【0025】
ホストコンピュータ200は、ROM203あるいは外部メモリ210に記憶されている制御プログラムに基づいてCPU(中央演算処理装置)201がシステムバス211に接続されている各デバイスを総括的に制御する構成となっている。システムバス211に接続されている各デバイスを説明すると、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。また、ROM203あるいは外部メモリ210には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラムや、各画像形成装置あるいは各ホストコンピュータの実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。CPU201は、処理の実行に際して必要な各種プログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。ここで各種プログラム等とはROM203あるいは外部メモリ210に記憶されている文書処理プログラム等のプログラムや各種図形、イメージ、フォントデータ、表等の各種データである。
【0026】
キーボード・コントローラ206は、キーボード209や、ポインティングデバイス(図示しない)からのキー入力を制御する。ディスプレイ装置コントローラ205は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置208の表示を制御する。メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザーファイル、編集ファイル等を記憶するハードディスク(HD)等の外部メモリ210とのアクセスを制御する。通信I/F(通信インターフェース)204は、通信回線104を介して画像形成装置300に接続され、双方向通信が可能である。
【0027】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置208上で見たものがそのまま画像形成装置300で出力できる、いわゆるWYSIWYG(What You See Is What You Get)を可能としている。
また、CPU201は、ディスプレイ装置208上のマウスカーソル(図示しない)等で指示されたコマンドに基づいて、登録された種々なウィンドウを開き、種々のデータ処理を実行する。
【0028】
(画像形成装置のハードウエア構成について)
次に、画像形成装置300のハードウエア構成について、図3を参照して説明する。図3は本実施形態における画像形成装置の機械的構成を示すブロック図の一例である。画像形成装置300は、ROM303あるいは外部メモリ309に記憶されている制御プログラムに基づいてCPU301がシステムバス310に接続されている各デバイスとのアクセスを総括的に制御し、印刷部インターフェース(I/F)305を介して接続される印刷部(プリンタエンジン)307に出力情報として画像信号を出力する。通信I/F(通信インターフェース)304は、通信回線104を介してホストコンピュータ200に接続され、双方向通信が可能である。
【0029】
RAM302は、ワークエリアとして機能しCPU301の主メモリである。増設ポート(図示しない)に接続されているオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。ハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ309は、メモリコントローラ306によりアクセス制御される。外部メモリ309はオプションとして接続され、フォームデータ、エミュレーションプログラム、フォントデータ等を記憶する。また、外部メモリ309は1個に限らず、少なくとも1個以上備え、内部フォントに加えてオプションフォントカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。
【0030】
次に、本実施形態のホストコンピュータ200が行う合成印刷データ生成に関する動作概要を、図4から図7を用いて説明する。図4はディスプレイ装置208に表示される印刷設定画面、図5はプロパティ画面、図6はページオプション画面、図7は、合成印刷データ生成処理にあたってCPU201が行う内部処理を説明する機能ブロック図である。
【0031】
印刷の命令をCPU201が検知すると、CPU201は外部メモリ210あるいはROM203から印刷機器を管理するプログラム、例えばプリンタドライバプログラム等をRAM202に呼び出し、このプリンタドライバプログラム等の制御によって、ディスプレイ装置208等の出力機器に図4に示すような印刷設定画面が表示し、印刷準備がなされる。
【0032】
図4の示す印刷設定画面は、印刷出力を行うプリンタの選択、印刷範囲の指定、印刷部数の指定等を設定できる画面であり、「OK」ボタン501が押下されると、それをCPU201が検知し印刷処理を実行する。また、「キャンセル」ボタン502が押下されると、それをCPU201が検知して、印刷処理をキャンセルする。
印刷設定画面に表示されている「プロパティ」ボタン503が押下されると、それをCPU201が検知して図5に示すプロパティ画面を表示する。プロパティ画面は、図4の印刷設定画面で選択されたプリンタのプロパティ画面である。
【0033】
図5に示すプロパティ画面では、給紙元、排紙先、カラーモード等を設定できる画面であり、プロパティ画面の各印刷設定がなされると、それをCPU201が検知して「プレビュー画面」601にプロパティの各印刷設定に基づいた印刷プレビューの画面を表示する。例えば、「メディアタイプ」602で「ワイドタイプ」を選択すると、「プレビュー画面」601にワイドタイプのメディアの印刷プレビューを表示する。
「OK」ボタン604が押下されると、CPU201は図5のプロパティ画面で設定された印刷設定情報をRAM202や外部メモリ210等の情報記憶部220に格納し、図5に示すプロパティ画面を閉じる。
【0034】
図5に示す「ページオプション」ボタン603が押下されると、CPU201はそれを検知して図6に示すページオプション画面を表示する。図6に示すページオプション画面の「オーバーレイデータ」コンボボックス702でオーバーレイデータが選択され、「マスクオーバーレイ」チェックボックス701がチェックされ、OKボタン703が押されると、情報抽出部230が情報記憶部220から「オーバーレイデータ」コンボボックス702で指定されたマスクオーバーレイデータ(以下、「マスクデータ」という。)、印刷データ及び印刷設定情報を抽出する。
「キャンセル」ボタン704が押下されると、それをCPU201は検知してマスクデータを作成せず、ページオプション画面を閉じる。
【0035】
なお、印刷設定情報には、マスクオーバーレイ処理を行うか否かの情報、マスクオーバーレイ処理を行う場合には、ページオプション画面で選択されたマスクデータの横サイズ,縦サイズ(Lx,Ly)と、印刷データの横サイズ,縦サイズ(Px,Py)が少なくとも含まれている。
【0036】
ここで、マスクデータとは、印刷領域と非印刷領域とを区別するために用いる白黒2色のみで作成されるオーバーレイデータである。また、そのマスクデータを印刷データと合成し、印刷データのうち非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する処理のことをマスクオーバーレイ処理という。
【0037】
情報抽出部230によって抽出された印刷設定情報及びマスクデータに基づき、マスクデータ加工部240が、マスクデータの縦サイズ(Ly)に対する印刷データの縦サイズ(Py)の縦比率(Py/Ly)と、マスクデータの横サイズ(Lx)に対する印刷データの横サイズ(Px)の横比率(Px/Lx)と、を求め、縦比率と横比率のどちらか大きいほうの比率にしたがって、マスクデータを拡大あるいは縮小する。
【0038】
合成印刷データ生成部250は、マスクデータ加工部240によって加工されたマスクデータで、情報抽出部230が情報記憶部220から抽出した印刷データを覆い、マスクデータを構成する各ピクセル情報と印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって、印刷データのうち非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する。
【0039】
なお、本実施形態では、予めROM203等に格納されているマスクデータを情報抽出部230が抽出し、マスクデータ加工部240が抽出されたマスクデータに加工するものとして説明するが、必ずしもマスクデータは予めROM203等に格納されている必要はなく、新たに作成することも可能である。この場合には、ユーザーがマスクデータ作成画面等を介して入力したマスクデータ作成情報に基づきマスクデータを作成するマスクデータ作成部260を設けることも可能である。マスクデータ作成部260によって新たに作成されたマスクデータは、情報記憶部220に格納され、図6に示すページオプション画面の「オーバーレイデータ」コンボボックス702に新しいマスクデータとして選択可能になる。
【0040】
(オーバーレイ印刷処理について)
次に、マスクオーバーレイデータを用いたオーバーレイ印刷処理について図8から図11を参照して説明する。図8は、オーバーレイ印刷処理を説明するための全体のフローチャートであり、図9は、マスクデータ作成処理を説明するためのフローチャートであり、図10は、マスクデータ変形処理を説明するフローチャートであり、図11は、マスクデータ変形処理を具体的に表した模式図である。
【0041】
まず、情報抽出部230が情報記憶部220に格納されている印刷設定情報を抽出する(ステップS801)。抽出された印刷設定情報からオーバーレイ印刷が設定されているか否かを判断し、印刷設定情報にマスクオーバーレイ処理を実行するように設定されていれば(ステップS802:Yes)、マスクデータ作成処理を実行する(ステップS804)。マスクデータ加工部240によってマスクデータが作成されると、合成印刷データ生成部250が作成されたマスクデータを印刷データに合成して、合成印刷データを生成し(ステップS805)、印刷ジョブを作成して、合成印刷データが通信I/F204を介して画像形成装置300へ送信される(ステップS806)。
【0042】
一方、ステップS802で、マスクオーバーレイ処理を実行するように設定されていなければ(ステップS802:No)、印刷ジョブを作成し、通常の印刷データが通信I/F204を介して画像形成装置300へ送信される(ステップS806)。
【0043】
(マスクデータ作成処理について)
次に、マスクデータ作成処理について説明する。
オーバーレイ構造体に格納されているファイルパスに基づいて、情報抽出部230がマスクデータを情報記憶部220から抽出し、マスクデータ加工部240が印刷データ全体を覆うような白黒2色から成るマスクデータを作成する(ステップS901)。具体的には、情報抽出部230が印刷設定情報に含まれるマスクデータの横サイズ,縦サイズの値(Lx,Ly)を抽出し(ステップS902)、印刷データの横サイズ,縦サイズの値(Px,Py)を抽出する(ステップS903)。これらの縦横サイズの値を元にマスクデータの変形処理を行う(ステップS904)。
【0044】
(マスクデータ変形処理について)
ステップS902で抽出したマスクデータの縦横の値と、ステップS903で抽出した印刷データの縦横の値とを比較し、縦横各々の値が等しければ(Lx=Px、Ly=Py)マスクデータと印刷データの大きさが等しいため、縮尺/拡大率を等倍としてマスクデータの大きさを変形しない(ステップS1001:Yes,ステップS1005)。
【0045】
一方、縦横各々の値が等しくなければ(Lx≠Px、Ly≠Py)、マスクデータの縦サイズに対する印刷データの縦サイズの縦比率(Py/Ly)と、マスクデータの横サイズに対する印刷データの横サイズの横比率(Px/Lx)とが等しいか否かを判断し、等しければ(ステップS1002:Yes)、縦比率あるいは横比率をオーバーレイ縮尺/拡大率Sとして保存し、マスクデータをS倍に拡大あるいは縮小する(ステップS1004,ステップS1005)。
【0046】
ステップS1002で、縦比率と横比率とが異なる場合には(ステップS1002:No)、縦比率と横比率のどちらか大きいほうの比率をオーバーレイ縮尺率あるいは拡大率Sとして保存し、マスクデータをS倍に拡大あるいは縮小する(ステップS1003,ステップS1005)。以上の処理により印刷データ全体を覆うようなオーバーレイデータを作成することができる。
【0047】
ここで、ステップS1002で縦比率と横比率とが等しい場合のオーバーレイ縮尺率あるいは拡大率Sの決定方法について図11(a)に基づき説明する。まず、図11(a)では横サイズをX、縦サイズをYとする印刷データPに対して、横サイズをX/2、縦サイズをY/2とするマスクデータM1が選択された場合、マスクデータM1の横サイズに対する印刷データPの横サイズの横比率は、Px/Lx=X/(X/2)=2、マスクデータM1の縦サイズに対する印刷データの縦サイズの縦比率は、Py/Ly=Y/(Y/2)=2である。したがって、オーバーレイ拡大率S=縦比率あるいは横比率=2として保存し、マスクデータM1を2倍に拡大し、変形後マスクデータM1'を得る。
【0048】
また、ステップS1002で縦比率と横比率とが異なる場合のオーバーレイ縮尺率/拡大率Sの決定方法について図11(b)に基づき説明すると、図11(b)では横サイズをX、縦サイズをYとする印刷データPに対して、横サイズをX/2、縦サイズをY/
4とするマスクデータM2が選択された場合、マスクデータM2の横サイズに対する印刷データPの横サイズの横比率は、Px/Lx=X/(X/2)=2、マスクデータM2の縦サイズに対する印刷データの縦サイズの縦比率は、Py/Ly=Y/(Y/4)=4である。この場合には、比率の大きい縦比率をオーバーレイ拡大率S=4として保存し、マスクデータM2を4倍に拡大し、変形後マスクデータM2'を得る。
【0049】
このように、縦比率と横比率とが異なる場合には、大きいほうの比率を採用して拡大あるいは縮小することによって、印刷データPの全体を確実に覆うマスクデータを作成することができる。
【0050】
(合成印刷データ生成処理について)
次に、図12を参照して、図8のステップS805における合成印刷データ生成処理について説明する。図12は、合成印刷データ生成処理を具体的に表した模式図である。
<論理OR演算子(+)を用いる方法>
印刷データPを構成する各ピクセル情報が、[赤(R),緑(G),青(B)]の3つの色の組み合わせで構成され、各色0〜255の階調で表現されている場合には、図9のステップS901において、マスクデータMの非印刷領域Maの各ピクセルの色データを黒[0,0,0]とし、印刷領域Mbの各ピクセルの色データを白[255,255,255](以下、[FF,FF,FF]として表記する。)として、白黒2色のマスクデータMを作成する。
この、白と黒を反転させると、非印刷領域Ma'の各ピクセルの色データが白[FF,FF,FF]なり、印刷領域Mb'の各ピクセルの色データが黒[0,0,0]となった、マスクデータM'を得る。
【0051】
印刷データPの有色領域Paを構成するピクセルの色データを[100,100,100]と仮定すると、印刷データPを構成する各ピクセルの色データとマスクデータM'を構成する各ピクセルの色データとで論理OR演算を行うと、非印刷領域Ma'の白[FF,FF,FF]でOR演算を行ったピクセルの色データは必ず白[FF,FF,FF]になる。白いデータを印刷すると言うことは、画像形成装置300においては印刷されないと言うことであり、結果的に非印刷領域Ma'がマスクされた合成印刷データMPを得ることができる。
【0052】
一方、印刷領域Mb'は反転した結果、黒[0,0,0]となり、印刷データPの有色領域Paを構成するピクセルの色データ[100,100,100]に対して、黒[0,0,0]のデータで論理OR演算(+)を行うと、黒[0,0,0]でOR演算を行ったピクセルの色データはもとの色データがそのまま残り、印刷データPの非有色領域Pbを構成するピクセルの色データもそのまま残ることとなる。結果的に印刷領域Mb'には元の印刷データの色データ[100,100,100]がそのまま印刷されるため、印刷領域Mb'に対応する領域だけ、図12に示す市松模様が表現された合成印刷データMPを得ることができる。
【0053】
<論理AND演算子(×)を用いる方法>
印刷データPを構成する各ピクセル情報が、少なくとも[藍色(Cyan),深紅色(Magenta),黄色(Yellow)]の3つの色を含む組み合わせで構成され、各色0〜255の階調で表現されている場合には、マスクデータMのうち非印刷領域Maの各ピクセルの色データを黒[FF,FF,FF]とし、印刷領域Mbの各ピクセルの色データを白[0,0,0]として、白黒2色のマスクデータMを作成する。
この、白と黒を反転させると、非印刷領域Ma'の各ピクセルの色データが白[0,0,0]なり、印刷領域Mb'の各ピクセルの色データが黒[FF,FF,FF]となった、マスクデータM'を得る。
【0054】
印刷データPの有色領域Paを構成するピクセルの色データを[100,100,100]と仮定すると、印刷データPを構成する各ピクセルの色データとマスクデータM'を構成する各ピクセルの色データとで論理AND演算を行うと、非印刷領域Ma'の白[0,0,0]でAND演算を行ったピクセルの色データは必ず白[0,0,0]になる。白いデータを印刷すると言うことは、画像形成装置300においては印刷されないと言うことであり、結果的に非印刷領域Ma'がマスクされた合成印刷データMPを得ることができる。
【0055】
一方、印刷領域Mb'は反転した結果、黒[FF,FF,FF]となり、印刷データPの有色領域Paを構成するピクセルの色データ[100,100,100]に対して、黒[FF,FF,FF]のデータで論理AND演算(×)を行うと、黒[FF,FF,FF]でAND演算を行ったピクセルの色データはもとの色データがそのまま残り、印刷データPの非有色領域Pbを構成するピクセルの色データもそのまま残ることとなる。結果的に印刷領域Mb'は元の印刷データの色データ[100,100,100]がそのまま印刷されるため、印刷領域Mb'に対応する領域だけ、図12に示す市松模様が表現された合成印刷データMPを得ることができる。
【0056】
このように、本実施形態の印刷データ生成装置を備えたホストコンピュータによれば、印刷データPとマスクデータMの大きさが異なる場合には、印刷データPがマスクデータMによって覆われるよう、印刷設定情報に基づきマスクデータMを変形するよう構成されている。したがって、印刷データPを確実にマスクすることが可能である。また、マスクデータMを構成する各ピクセル情報と印刷データPを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって合成印刷データMPを生成するので、各ピクセルが複数の色情報の組み合わせによって構成されているビットマップ形式の印刷データPを印刷するインクジェット方式のプリンタにおいてもマスクオーバーレイ技術を採用することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態の印刷データ生成装置を備えたホストコンピュータによれば、マスクデータMの縦サイズに対する印刷データPの縦サイズの縦比率(Py/Ly)と、マスクデータMの横サイズに対する印刷データPの横サイズの横比率(Px/Lx)のうち、どちらか大きいほうの比率にしたがって、マスクデータMを拡大あるいは縮小するよう構成されている。したがって、印刷データPがマスクデータMより大きい場合、印刷データPがマスクデータMより小さい場合、印刷データPとマスクデータMの縦横の比率が異なる場合、等にも確実に印刷データPをマスクデータMによってマスクすることが可能である。
【0058】
また、本実施形態の印刷データ生成装置を備えたホストコンピュータによれば、印刷データPを構成する各ピクセル情報が、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの色の組み合わせからなる場合には論理OR演算を行い、印刷データPを構成する各ピクセル情報が、少なくとも藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)の3つの色を含む組み合わせである場合には論理AND演算を行うだけで、合成印刷データMPを生成することができるので、単純な演算ステップを踏むだけで容易に印刷画像を生成することができる。また、各ピクセルが複数の色情報の組み合わせによって構成されているビットマップ形式の印刷データPを印刷するインクジェット方式のプリンタにおいてもマスクオーバーレイ技術を採用することができ、様々な形状の印刷画像を容易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る印刷データ生成装置を備えたホストコンピュータと、ホストコンピュータと通信可能に接続された画像形成装置を含む印刷システムを示すシステム構成図である。
【図2】本実施形態におけるホストコンピュータの機械的構成を示すブロック図の一例である。
【図3】本実施形態における画像形成装置の機械的構成を示すブロック図の一例である。
【図4】ホストコンピュータのディスプレイ装置に表示される印刷設定画面である。
【図5】ホストコンピュータのディスプレイ装置に表示されるプロパティ画面である。
【図6】ホストコンピュータのディスプレイ装置に表示されるページオプション画面である。
【図7】合成印刷データ生成部にあたってホストコンピュータのCPUが行う内部処理を説明する機能ブロック図である。
【図8】オーバーレイ印刷処理を説明するための全体のフローチャートである。
【図9】マスクデータ作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】マスクデータ変形処理を説明するフローチャートである。
【図11】マスクデータ変形処理を具体的に表した模式図である。
【図12】合成印刷データ生成処理を具体的に表した模式図である。
【図13】従来の、論理演算を採用したマスク処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0060】
200:ホストコンピュータ、201:CPU、220:情報記憶部、230:情報抽出部、240:マスクデータ加工部、250:合成印刷データ生成部、260:マスクデータ作成部、P:印刷データ、M:マスクデータ、Ma,Ma':非印刷領域、Mb,Mb':印刷領域、MP:合成印刷データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷設定情報と、印刷データと、印刷領域と非印刷領域とに分けられ前記印刷データ全体を覆うマスクデータと、を格納する情報記憶部と、
前記情報記憶部から前記印刷設定情報と前記印刷データと前記マスクデータとを抽出する情報抽出部と、
前記印刷データと前記マスクデータの大きさが異なる場合に、前記印刷データが前記マスクデータによって覆われるよう、前記印刷設定情報に基づき前記マスクデータを変形するマスクデータ加工部と、
前記マスクデータを構成する各ピクセル情報と前記印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって、前記印刷データのうち前記非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する合成印刷データ生成部と、を備えたことを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項2】
前記印刷設定情報には、前記印刷データ及び前記マスクデータの縦サイズと、前記印刷データ及び前記マスクデータの横サイズと、が含まれ、
前記マスクデータ加工部は、前記マスクデータの縦サイズに対する前記印刷データの縦サイズの縦比率と、前記マスクデータの横サイズに対する前記印刷データの横サイズの横比率と、を求め、前記縦比率と前記横比率のどちらか大きいほうの比率にしたがって、前記マスクデータを拡大あるいは縮小することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ生成装置。
【請求項3】
前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの色の組み合わせからなる場合には、
前記マスクデータ加工部は、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記合成印刷データ生成部は、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理OR演算することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷データ生成装置。
【請求項4】
前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、少なくとも藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)の3つの色を含む組み合わせである場合には、
前記マスクデータ加工部は、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記合成印刷データ生成部は、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理AND演算することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷データ生成装置。
【請求項5】
マスクデータ作成情報に基づき前記マスクデータを作成するマスクデータ作成部を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の印刷データ生成装置。
【請求項6】
印刷設定情報と、印刷データと、印刷領域と非印刷領域とに分けられ前記印刷データ全体を覆うマスクデータと、を格納する情報記憶部から、前記印刷設定情報と前記印刷データと前記マスクデータとを抽出する抽出ステップと、
前記印刷データと前記マスクデータの大きさが異なる場合に、前記印刷データが前記マスクデータによって覆われるよう、前記印刷設定情報に基づき前記マスクデータを変形する変形ステップと、
前記マスクデータを構成する各ピクセル情報と前記印刷データを構成する各ピクセル情報とを論理演算することによって、前記印刷データのうち前記非印刷領域に対応する部分だけがマスクされた合成印刷データを生成する生成ステップと、を有することを特徴とする印刷データ生成方法。
【請求項7】
前記印刷設定情報には、前記印刷データ及び前記マスクデータの縦サイズと、前記印刷データ及び前記マスクデータの横サイズと、が含まれ、
前記変形ステップにおいて、前記マスクデータの縦サイズに対する前記印刷データの縦サイズの縦比率と、前記マスクデータの横サイズに対する前記印刷データの横サイズの横比率と、を求め、前記縦比率と前記横比率のどちらか大きいほうの比率にしたがって、前記マスクデータを拡大あるいは縮小することを特徴とする請求項6に記載の印刷データ生成方法。
【請求項8】
前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの色の組み合わせからなる場合には、
前記変形ステップにおいて、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記生成ステップにおいて、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理OR演算することを特徴とする請求項6または7に記載の印刷データ生成方法。
【請求項9】
前記印刷データを構成する各ピクセル情報が、少なくとも藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)の3つの色を含む組み合わせである場合には、
前記変形ステップにおいて、前記非印刷領域に対応する各ピクセル情報を白、印刷領域に対応する各ピクセル情報を黒とする2色マスクデータを作成し、
前記生成ステップにおいて、前記印刷データと前記2色マスクデータとで論理AND演算することを特徴とする請求項6または7に記載の印刷データ生成方法。
【請求項10】
マスクデータ作成情報に基づき前記マスクデータを作成するマスクデータ作成ステップを有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の印刷データ生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−117088(P2008−117088A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298303(P2006−298303)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】