印刷制御装置、会議資料配布システムおよび印刷制御方法
【課題】 会議資料のすべてを紙に印刷する場合に比較して紙の使用量を削減でき、会議資料を見やすく、内容の把握を容易にする装置や方法を提供する。
【解決手段】 この装置は、会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、表示装置の識別情報を読み出し取得する読取装置から、その識別情報を受信する情報受信部21と、その識別情報を用いて表示装置から画面情報を取得する画面情報取得部22と、データ記憶部20から会議資料データを読み出し、その識別情報を用いて会議資料データを表示装置へ配信するとともに、会議資料データから得られる会議資料の各ページの表示サイズと、画面情報から得られる画面サイズとを比較して、各ページにつき印刷させるか否かを判断し、印刷させる場合、そのページの印刷を印刷装置に実行させる比較判断部23を含む。
【解決手段】 この装置は、会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、表示装置の識別情報を読み出し取得する読取装置から、その識別情報を受信する情報受信部21と、その識別情報を用いて表示装置から画面情報を取得する画面情報取得部22と、データ記憶部20から会議資料データを読み出し、その識別情報を用いて会議資料データを表示装置へ配信するとともに、会議資料データから得られる会議資料の各ページの表示サイズと、画面情報から得られる画面サイズとを比較して、各ページにつき印刷させるか否かを判断し、印刷させる場合、そのページの印刷を印刷装置に実行させる比較判断部23を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信先の表示画面のサイズに応じて、会議資料を印刷するかどうかを判断する印刷制御装置、その印刷制御装置を含む会議資料配布システムおよび印刷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会議を行う場合、会議の内容を記載した会議資料を予め必要部数印刷しておき、それを会議が始まる前に参加者に配布し、その配布された資料を基に行うのが一般的である。近年では、ノートPCやプロジェクタの普及により、ノートPCを持ち込み、会議室に備え付けられたプロジェクタに接続し、そのプロジェクタへ配信して会議資料を表示させることが行われている。また、会議参加者がノートPCを持ち込む場合、LANケーブルを介して、あるいは無線通信により、会議資料を電子データとして会議参加者のノートPCへ配信することも行われている。
【0003】
このようにすることで、紙に印刷して配布する必要がなくなり、紙の使用量を削減して紙コストを低減するとともに、資料増大に伴うワークスペースの減少を防止し、不要になった資料を廃棄する場合の紙ゴミの増大を抑制している。
【0004】
これまでに、例えば、会議資料を無駄に印刷することを防ぐ目的で、会議参加者が表示装置を持ち込んだ場合、会議資料を電子データで提供し、会議資料を印刷しないようにすることで、余分な印刷を抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、無駄な印刷を抑制することを可能にする技術として、印刷スケジュールに基づいて複数の電子文書を印刷処理して印刷文書を生成する際、印刷文書の利用者の人数分だけ電子文書を印刷する技術が知られている(特許文献2参照)。
【0006】
さらに、会議参加者が資料の要否を指定でき、資料が必要なときに資料の印刷方法を指定できる会議予約システムも提案されている(特許文献3参照)。このシステムは、会議の開始時刻の所定時間前に、参加者別データ記憶テーブルに登録された内容に応じて、会議資料が必要な参加者毎に、会議資料を所定のプリンタにより印刷させ、また、参加者からのアクセスで、その内容を書き換えることができ、書き換えられた内容に基づき印刷させる機能を有するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の会議資料を配布するためのシステムでは、紙の資料を削減することによって紙コストを低減することを目的とし、表示装置の能力に関係なく、資料の配信を要求する参加者に対し、一律に会議資料の電子データを配信する。
【0008】
会議で配布する資料には、ページによって表示サイズが大きいものや小さいもの、例えばA4サイズのものとA3サイズのものとが混在している場合がある。各サイズの資料は、拡大および縮小することにより全体を表示したり、その一部を表示することができる。このため、小さなディスプレイをもった表示装置を持ち込み、会議に参加する参加者は、小さいサイズの資料はそのままディスプレイで見ることができ、大きいサイズの資料は縮小して見ることができる。
【0009】
しかしながら、図を含む大きなサイズの資料のように、図と文字部分とを両方同時に見たい場合、両方が表示画面内に入るように縮小すると、図および文字部分が見づらく、また、文字が小さくなりすぎて読めなくなり、会議中に資料の内容を十分に把握することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み、会議参加者が使用する表示装置の画面サイズと会議資料の表示サイズとを比較して、資料が画面内に収まるかどうかを判断し、収まらないと判断した場合は上記のように見づらく、文字が読めなくなることから、会議資料を印刷して配布する印刷制御装置を提供する。
【0011】
紙に印刷する場合があることから、紙の大幅な削減にはならないが、会議資料のすべてを紙に印刷する場合に比較して、紙の使用を削減することができ、それに加えて、会議資料が見やすくなり、資料の内容が把握しやすくなり、その結果、会議をスムーズに進めることができる。
【0012】
すなわち、この印刷制御装置は、会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、情報記録媒体が記憶する表示装置を識別するための識別情報を読み出し取得する読取装置から、その識別情報を受信する情報受信部と、受信された識別情報を使用して表示装置へアクセスし、その表示装置が有する画面情報を取得する画面情報取得部と、データ記憶部から1以上のページから構成される会議資料の会議資料データを読み出し、識別情報を用いてその会議資料データを表示装置へ配信するとともに、その会議資料データから得られる会議資料の各ページの表示サイズと、画面情報から得られる画面サイズとを比較して、各ページにつき印刷装置で印刷させるか否かを判断し、印刷させると判断した場合、前記会議資料データおよび印刷させるページを指定する情報を送信して該ページの印刷をその印刷装置に実行させる比較判断部とを含んで構成される。
【0013】
画面サイズ内にすべてのページの表示サイズが収まる場合、会議資料データを印刷装置へは送信せず、表示装置のみへ配信する。これにより、紙の使用量を削減することができる。画面サイズ内に収まらないページがある場合、表示装置への会議資料データの配信に加えて、会議資料データとそのページを指定するページ指定情報とを印刷装置へ送信し、そのページのみを紙に印刷して配布する。これにより、会議資料が見やすくなり、資料の内容が把握しやすくなる。
【0014】
データ記憶部は、少なくとも会議日時または参加者を識別するためのユーザ識別情報が関連付けられた複数の会議資料データを記憶し、情報受信部は、読取装置から参加者が入室した旨の通知を受信し、比較判断部は、その通知を受けた時刻より後で該時刻に最も近い会議日時が関連付けられた会議資料データを検索し読み出すことができる。また、比較判断部は、その通知に含まれる参加者の情報に一致するユーザ識別情報が関連付けられた会議資料データを検索し読み出すこともできる。参加者の情報としてはユーザ名等の参加者を識別することができる情報とされる。
【0015】
印刷装置は、機種によって対応可能な最大用紙サイズが異なる。紙に印刷して配布しようとする場合、最大用紙サイズに会議資料の表示サイズが収まるものでなければならない。そこで、印刷制御装置は、ネットワークを介して接続された1以上の印刷装置へアクセスし、各印刷装置から対応可能な最大用紙サイズを含む機器情報を取得する機器情報管理部をさらに含み、比較判断部は、印刷装置で印刷させると判断した場合、会議資料の表示サイズと、機器情報管理部から取得した各印刷装置の機器情報に含まれる対応可能な最大用紙サイズとを比較して、印刷を実行させる印刷装置を決定する。
【0016】
画面情報は、画面解像度とDPI(Dots Per Inch)設定値とを含む。これらからpixel(画素)単位のサイズを算出し、そのpixel単位のサイズで比較することができる。
【0017】
機器情報は、カラー印刷可能であるか否かの情報を含み、比較判断部は、会議資料データからカラーページの有無を判断し、カラーページが存在する場合、カラー印刷可能で、会議資料の表示サイズが収まる対応可能な最大用紙サイズをもつ印刷装置を、印刷を実行させる印刷装置として決定する。
【0018】
比較判断部は、決定した印刷装置の機器情報を表示装置へ送信することができる。これにより、表示装置を使用する参加者が、どの印刷装置で印刷されたかを知ることができる。
【0019】
また、機器情報管理部が、会議資料データを送信した印刷装置からエラー情報を取得し、比較判断部が、機器情報管理部から取得したエラー情報を、表示装置へ送信することも可能である。これにより、紙切れやインク切れ等のエラー内容を、表示装置の画面上で確認することができ、即座に給紙やインク交換等の対応をとることができる。
【0020】
比較判断部は、印刷装置へ送信する会議資料データに認証情報を関連付けて送信し、該会議資料データを該印刷装置に蓄積させるとともに、送信先の印刷装置の機器情報と会議資料データを識別するためのデータ識別情報と認証情報とを表示装置へ送信し、表示させることができる。認証情報は、例えばパスワードとすることができ、機器情報は、送信先の印刷装置のIPアドレスや装置名等、データ識別情報は文書名等とすることができる。認証情報を入力し、認証されなければ印刷出力されないので、第三者の会議資料の持ち去りを防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
【0021】
本発明では、上記の印刷制御装置のほか、この印刷制御装置を含む会議資料配布システム、また、この印刷制御装置により実行される印刷制御方法も提供することができ、この方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムや、このプログラムを記録した記録媒体等を提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の会議資料配布システムが設置されたオフィス環境を例示した図。
【図2】本実施形態の会議資料配布システムの構成例を示した図。
【図3】会議資料配布システムに用いられる印刷制御装置としての管理サーバの構成例を示した図。
【図4】管理サーバのデータ記憶部に記憶される会議資料データを例示した図。
【図5】会議参加者が使用する表示装置を例示した図。
【図6】表示装置の画面サイズと、会議資料データの1つのページの表示サイズとを比較し、画面内に会議資料が表示できるかどうかを判定しているところを示した図。
【図7】表示装置の画面サイズと、会議資料データの1つのページの表示サイズとを比較し、画面内に会議資料が表示できるかどうかを判定しているところを示した図。
【図8】管理サーバの機器情報管理部が管理する印刷装置の機器情報を例示した図。
【図9】管理サーバが行う会議資料の印刷制御処理の第1の流れを示したフローチャート図。
【図10】管理サーバが行う会議資料の印刷制御処理の第2の流れを示したフローチャート図。
【図11】管理サーバが行う会議資料の印刷制御処理の第3の流れを示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本実施形態の会議資料配布システムが設置されたオフィス環境を例示した図である。図1では、このシステムが、会議室1と居室スペース2が区切られているオフィススペースに設置されている。会議室1は、四方が壁で囲まれた空間を形成してなり、この会議室1内には、会議の参加者が使用するノートPC等の表示装置3〜6がテーブル上に配置され、会議室1の隅には、会議中に印刷可能にする印刷装置7が設置されている。
【0024】
会議室1外の居室スペース2には、所定の位置に印刷装置8〜10が設置され、このシステムを管理し、会議資料の印刷を制御するための管理サーバ11が印刷制御装置として設置されている。これらの表示装置3〜6、印刷装置7〜10および管理サーバ11は、図示しないネットワークに接続され、互いに通信可能とされている。
【0025】
このシステム構成では、会議室1の出入口に、会議の参加者が持ち運ぶ表示装置3〜6に取り付けられた情報記録媒体を検出し、その情報記録媒体に記憶された情報を読み出し取得する入退出リーダ12が設けられている。この入退出リーダ12も図示しないネットワークに接続されていて、会議資料データを記憶し管理する管理サーバ11は、この入退出リーダ12が情報記録媒体の検出したことを受けて、会議資料データの配信を行うように構成されている。しかしながら、本発明はこの構成に限られるものではなく、会議資料を配信するオフィス環境で会議資料を配信するタイミングが別のタイミングであってもよい。例えば、会議資料の配信を受けたい参加者が明示的にトリガーを引く方法(配信要求を管理サーバ11に対して送る等)を採用することができる。
【0026】
入退出リーダ12は、情報記録媒体を検出した際、情報記録媒体に記録されている情報を読み出し取得する。情報記録媒体には、情報記録媒体を識別するための媒体ID、ユーザ名やユーザID等の参加者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報、表示装置を識別するための識別情報が記憶され、それらの情報を読み取ることができる。入退出リーダ12は、例えば、同じ媒体IDをもつ情報記録媒体を検出した回数をカウントし、その回数が奇数である場合は入室、偶数である場合は退出と判断し、入室した旨の通知を管理サーバ11へ送信することができる。参加者は、一度退出した後に再入室する場合もあるからである。
【0027】
表示装置3〜6は、会議に参加する参加者が持ち込んでも、予め会議室1に備え付けられているものであってもよい。予め備え付けられているものを用いる場合、参加者が、ICカード等として情報記録媒体のみを所持する。これにより、入退出リーダ12が情報記録媒体を検出し、記憶されている情報を読み出し取得することができる。印刷装置7〜10は、会議室1内と外の両方に設置されているが、その設置位置は、オフィス内のどの位置であってもよい。
【0028】
管理サーバ11の構成および処理については後述するが、入退出リーダ12からの通知および情報を受け付け、会議室1への参加者の入退室管理を行い、会議資料データの記憶および管理を行い、会議資料の印刷管理を行う。また、管理サーバ11は、会議資料データを配信する表示装置の画面情報の取得、印刷装置の管理、入退室する参加者のユーザ情報の管理も行う。
【0029】
次に、図2を参照して、会議資料配布システムの構成およびその処理の概要について説明する。会議資料配布システムは、図2に示す例では、4つの表示装置3〜6と、4つの印刷装置7〜10と、管理サーバ11と、入退出リーダ12とがLAN13といったネットワークに接続され、互いに通信可能に構成されている。
【0030】
表示装置3〜6は、ユーザが会議室に持ち込む、あるいは会議室に備え付けられるノートPCやハンドヘルドコンピュータ(携帯情報端末)等とされる。ノートPCやハンドヘルドコンピュータは、表示装置であるディスプレイを備え、そのほか、入力装置としてのキーボードやタッチパッド、各種プログラムやデータを記憶する記憶装置、そのプログラムを読み出し実行するCPU、LAN13を介した通信を可能にするための通信インタフェース、Webカメラ等を備えている。また、表示装置3〜6は、会議の参加者により持ち運ばれる場合、情報記録媒体が取り付けられる。
【0031】
情報記録媒体は、一例として、情報を記録するICチップを備えたICカードとされ、表示装置3〜6に設けられるカードスロットに差し込むことにより装着される。
【0032】
印刷装置7〜10は、プリンタやMFP(Multi Function Peripheral)とされる。印刷装置7〜10としては、インクジェット方式のインクジェットプリンタや、電子写真方式のレーザプリンタを用いることができる。電子写真方式のプリンタの場合、画像を形成するためにレーザ光を照射する露光装置、そのレーザ光が照射され、表面に潜像が形成される感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電ユニット、感光体ドラムの表面にトナーを付着させて現像する現像ユニット、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を紙に転写する転写ユニット、転写されたトナー像を紙に定着させる定着ユニット、紙を供給する給紙ユニット、トナー像が定着された紙を排出する排紙ユニットを含んで構成される。また、画像データに基づき露光装置へレーザ光を照射する位置やタイミングを制御するコントローラと、LAN13を介した通信を可能にするための通信インタフェースとをさらに含んで構成される。コントローラは、管理サーバ11からの要求を受けて、各ユニットから情報を収集し、それらを機器情報として管理サーバ11へ送信することができる。
【0033】
管理サーバ11は、上記のノートPCと同様、各種管理を行うためのプログラムおよび会議資料データを記憶するHDD等の記憶装置、そのプログラムを読み出し実行するCPU、ネットワーク13を介した通信を可能にするための通信インタフェースを含んで構成される。この管理サーバ11は、CPUが記憶装置から読み出したプログラムを実行することにより、後述する各部として機能し、各処理を実行する。
【0034】
入退出リーダ12は、参加者が持ち運ぶ表示装置3〜6に取り付けられた情報記録媒体を検出し、その情報記録媒体から情報を無線通信により読み出し取得して、参加者が入室した旨の通知とともに取得した情報を、LAN13を介して管理サーバ11へ送信する。このため、入退出リーダ12は、この情報を受信する受信機と、通知を生成するための生成手段と、LAN13を介した通信を可能にするために通信インタフェースとを含んで構成される。
【0035】
図3を参照して、本実施形態の会議資料配布システムに用いられる会議資料の印刷を制御する印刷制御装置としての管理サーバ11について詳細に説明する。管理サーバ11は、CPUが記憶装置に記憶されている各種管理を行うためのプログラムを実行することにより各部として機能することから、以下の各部を備える。すなわち、管理サーバ11は、データ記憶部20、情報受信部21、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24、ユーザ情報管理部25を備える。この実施形態では、管理サーバ11はユーザ情報管理部25を備えているが、参加者にメールで通知する等の処理が必要なければ、ユーザ情報管理部25は備えていなくてもよい。
【0036】
データ記憶部20は、会議の参加者が所持し、または使用する表示装置へ配信すべき会議資料データを記憶する。この会議資料データは、会議の開催者が事前に作成し、管理サーバ11に登録することによりデータ記憶部20に記憶される。
【0037】
情報受信部21は、読取装置としての入退出リーダ12が送信した、参加者が会議室1に入室した旨の通知、表示装置を識別するための識別情報を受信し、それらをデータ記憶部20に記憶し管理する。この通知には、参加者を識別するためのユーザ識別情報が含まれる。
【0038】
画面情報取得部22は、会議室へ入室した参加者が持ち込む表示装置に取り付けられた情報記録媒体から入退出リーダ12が読み取った表示装置を識別するための識別情報を用い、その表示装置へアクセスし、画面解像度、DPI設定値といった表示装置の画面に関する画面情報を取得する。画面解像度は、横の画素数×縦の画素数(例えば1024pixel×768pixel)で、DPI(dots per inch)設定値は、1インチ当たりの点数(例えば72DPI、96DPI、120DPI)である。
【0039】
これらの情報は、入退出リーダ12から取得した装置識別情報としてのIPアドレスを使用して表示装置へアクセスし、その表示装置がもつOS(Operating System)のレジストリを参照し、OSレベルで管理しているディスプレイ情報の値を取得することにより、取得することができる。別の方法としては、アプリケーション開発、実行用に用意された環境を利用してOSのレジストリ値を取得する方法を挙げることができる。
【0040】
比較判断部23は、データ記憶部20から、配信すべき会議資料データを取得する。比較判断部23は、例えば、情報受信部21が表示装置を持ち運ぶ会議参加者が入室した旨の通知を受けたことに応答して、会議資料データを取得することができる。会議資料データは、1以上のページから構成される会議資料の文書データであって、複数記憶される場合、会議日時あるいは参加者を識別するためのユーザ識別情報と関連付けてデータ記憶部20に記憶される。この場合、比較判断部23は、上記の通知を受けた日と同じ日であって、その時刻より後でその時刻に最も近い会議の時刻の会議資料データを検索して読み出し、取得することができる。また、比較判断部23は、入退出リーダ12からの通知に含まれる参加者の情報に一致するユーザ識別情報が関連付けられた会議資料データを検索して読み出し、取得することもできる。
【0041】
そして、比較判断部23は、会議資料データを取得すると、会議資料の1ページ目から順に、それを画面に表示する場合の表示サイズを情報として会議資料データから取り出し、表示装置の画面情報から得られる画面サイズと比較し、会議資料の各ページにつき印刷するかどうかを判断する。
【0042】
印刷するかどうかの判断は後述するが、比較判断部23は、印刷すると判断した場合、会議資料データおよび印刷するページのページ番号を、ページを指定するためのページ指定情報として印刷装置へ送信する。また、比較判断部23は、印刷するかどうかに関わらず、会議資料データを表示装置へも送信する。印刷しないページについては表示装置に表示させる必要があるからである。しかしながら、すべてのページを印刷すると判断した場合については、会議資料データを送信しないようにすることもできる。
【0043】
したがって、表示装置は、管理サーバ11の比較判断部23から送信された会議資料データを使用して会議資料を表示し、印刷装置は、比較判断部23により判断された会議資料の印刷すべきページを印刷し、その参加者に提供する。このように見にくいページについては、紙に印刷した資料が提供されるため、参加者は、会議資料の内容を十分に把握することができ、会議をスムーズに進めることができる。
【0044】
機器情報管理部24は、同一ネットワーク内にある印刷装置の機器情報を取得する。図2で示されたシステム構成においては、同一LAN13内にある印刷装置7〜10についての機器情報を取得する。印刷装置の機器情報としては、IPネットワーク上のネットワーク機器を監視し、制御するための情報の通信方法を規定するSNMP(Simple Network Management Protocol)を使用して参照する管理情報であるMIB(Management Information Base)や、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等の通信プロトコルを使用してSOAPといった機器情報、例えば、使用可能な最大用紙サイズ(対応可能最大サイズ)、カラー印刷可能であるか否か、用紙残量、トナー残量等を挙げることができる。
【0045】
ユーザ情報管理部25は、ユーザ名やユーザIDといったユーザ識別情報に関連付けて、メールアドレスや電話番号等の情報をユーザ情報としてデータ記憶部20に記憶させ、それを管理する。
【0046】
図4は、管理サーバ11のデータ記憶部20に記憶される会議資料データの一例を示した図である。図4(a)〜(c)に、3つのデータ例を示す。この会議資料データは、管理サーバ11が備えるデータ記憶部20としてのHDD等に記憶される。会議資料データは、文書作成アプリケーション等を用い、印刷する用紙サイズを設定して作成され、1以上のページからなる文書の文書データとされる。図4(a)では会議資料のすべてのページがB5サイズで作成され、図4(b)ではすべてがA4サイズで作成され、図4(c)ではA4サイズとA3サイズで作成されている。このようなサイズをもつデータとしては、PDF(Portable Document Format)等のファイルフォーマットのデータが挙げられる。
【0047】
ここではB5、A4、A3といった用紙サイズに従った説明をしたが、pixel単位のサイズをもつデータであってもよい。pixel単位のサイズをもつデータとしては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等が挙げられる。また、HTML(HyperText Markup Language)等のページ記述言語を使用したデータであってもよく、この場合、タグ情報からpixel単位のサイズを取得することが可能である。
【0048】
図5は、表示装置の表示画面を例示した図である。表示装置の表示画面は、PCでは図5(a)に示すような横長の画面を有するものが一般的であるが、デスクトップPCの一部には図5に示すような縦長の画面を有するものが存在する。タブレットPC等では、配置する向きを変えることで、いずれの画面にもなりうる。現在のPCでは、最も一般的な画面サイズが、図5(a)に示された横長の画面では縦幅が1024pixel、横幅が768pixelで、図5(b)に示された縦長の画面では縦幅が768pixel、横幅が1024pixelである。これらの情報は、画面解像度の情報を取得することにより取得することができる。上記の1024pixel、768pixelという値は、あくまで例示であるので、これに限られるものではない。
【0049】
図6は、比較判断部23が行う比較処理において、表示画面上に会議資料を表示し、サイズ判定を行っているところを示した図である。図6(a)は、図5(a)に示された横長の画面(枠のみで表示された領域)上に、図4(a)に示されたB5サイズの任意のページの会議資料(塗り潰された領域)を表示した図であり、図6(b)は、図5(a)に示す横長の画面上に、図4(b)に示すA4サイズの任意のページの会議資料を表示した図であり、図6(c)は、図5(a)に示す横長の画面上に、図4(c)に示すA3サイズのページの会議資料を表示した図である。
【0050】
画面サイズは、上述した縦幅768pixelで、横幅1024pixelである。会議資料の各ページの表示サイズは、取得した会議資料データから得られ、A3サイズであれば、縦幅16.54inch(420mm)、横幅11.69inch(297mm)、A4サイズは、縦幅11.69inch(297mm)、横幅8.27inch(210mm)、B5サイズは、縦幅10.12inch(257mm)、横幅7.17inch(182mm)である。
【0051】
画面サイズとの比較を行うためには、単位を合わせる必要がある。画面サイズで用いられるpixelサイズは、表示装置のDPI設定値と、上記のinchサイズとを乗算することにより得ることができる。DPI設定値が72である場合、各値に72を乗算して、A3サイズの会議資料であれば縦幅1191pixel、横幅842pixelとなり、A4サイズの会議資料であれば縦幅842pixel、横幅595pixelとなり、B5サイズの会議資料であれば縦幅729pixel、横幅516pixelとなる。
【0052】
比較判断部23は、画面サイズである768×1024pixelと、上記の計算から得られた表示サイズがA3サイズの1191×842pixel、A4サイズの842×595pixel、B5サイズの729×516pixelをそれぞれ比較し、その画面サイズ内に収まるかどうかを判断する。
【0053】
A3サイズおよびA4サイズの会議資料は、横幅は収まるものの、縦幅が収まらない。これに対し、B5サイズの会議資料は、縦幅および横幅の両方とも収まる。このため、B5サイズの会議資料の場合、比較判断部23は、印刷装置で印刷させることはなく、表示装置に会議資料データを配信すると判断し、それ以外のA3サイズおよびA4サイズの会議資料の場合は、印刷装置で印刷させるとともに表示装置に会議資料データを配信すると判断し、印刷装置に印刷を実行させる。
【0054】
上記では横長の画面について説明したが、縦長の画面について図7を参照して説明する。図7(a)は、図5(b)に示す縦長の画面上に、図4(a)に示すB5サイズの任意のページの会議資料を表示した図であり、図7(b)は、図5(b)に示す縦長の画面上に、図4(b)に示すA4サイズの任意のページの会議資料を表示した図であり、図7(c)は、図5(b)に示す縦長の画面上に、図4(c)に示すA3サイズのページの会議資料を表示した図である。
【0055】
画面サイズは、上述した縦幅1024pixelで、横幅768pixelである。会議資料の各ページの表示サイズは、取得した会議資料データから得られる。例えば、DPI設定値が72である場合、A3サイズの会議資料は、1191×842pixel、A4サイズの会議資料は、842×595pixel、B5サイズの会議資料は、729×516pixelである。
【0056】
比較判断部23は、画面サイズである1024×768pixelと、A3サイズの1191×842pixel、A4サイズの842×595pixel、B5サイズの729×516pixelの縦幅および横幅をそれぞれ比較し、その画面サイズ内に収まるかどうかを判断する。
【0057】
A3サイズの会議資料は、縦幅、横幅ともに収まらない。これに対し、A4サイズおよびB5サイズの会議資料は、縦幅および横幅の両方とも収まる。このため、A4サイズおよびB5サイズの会議資料の場合、比較判断部23は、印刷装置へは会議資料データを送信せず、表示装置にのみその会議資料データを配信すると判断し、それ以外のA3サイズの会議資料の場合は、印刷装置へも会議資料データを送信すると判断し、印刷装置で印刷を実行させる。
【0058】
これまでinchサイズをpixelサイズへ変換し、画面サイズと比較して判断を行ってきたが、pixel単位のサイズをもつ画像データ、例えば上記のJPEGデータであれば、変換を行うことなく、直接比較して判断を行うことができる。また、HTMLで記述されたHTML文書データについても、タグ情報から直接pixel単位の表示サイズを取得することができるのであれば、その表示サイズを画面サイズと比較して判断を行うことができる。
【0059】
図8は、機器情報管理部24が管理する印刷装置の機器情報の一例を示した図である。図8では、印刷装置の機器情報をリスト化し、テーブルで管理しているのが示されている。機器情報管理部24は、印刷装置から取得した機器情報をテーブルの中の各フィールドに入力し、そのテーブルをデータ記憶部20に記憶し、機器情報を管理する。ここでは、印刷装置(1)〜(4)の対応可能最大サイズ、カラー印刷可能であるか否か、トレイ用紙残量、トナー残量という機器情報が取得され、テーブルに入力されている。
【0060】
比較判断部23が、図6および図7に示すように比較を行い、印刷装置へ会議資料データを送信すると判断した場合、機器情報管理部24は、印刷装置の機器情報を比較判断部23へ送る。比較判断部23は、機器情報を受け取り、印刷実行する対象となった会議資料データ内の該当ページについて機器情報を基に、どの印刷装置へ会議資料データを送り、印刷させるかを決定する。
【0061】
図4(c)に示した会議資料データを配信しようとする場合、比較判断部23は、表示装置から取得された画面サイズが縦長の1024×768pixelであれば、A4サイズのページは画面に収まるが、A3サイズのページは画面に収まらないので印刷装置へ会議資料データを送信し、印刷を実行させると判断する。この判断を受けて、機器情報管理部24は、自己が管理する機器情報を比較判断部23へ送り、比較判断部23が、対応可能最大サイズがA3以上である印刷装置を、データ送信先の印刷装置として決定する。この図8に示す情報であれば、比較判断部23は、印刷装置(1)〜(3)をデータ送信先の印刷装置として決定する。
【0062】
このように複数の印刷装置を送信先として決定した場合、比較判断部23は、機器情報に含まれる対応可能最大サイズ以外のトレイ用紙残量やトナー残量を比較して、用紙やトナーの残量が多い印刷装置を選択することができる。この例では、印刷装置(2)が用紙残量およびトナー残量が最も多いことから、比較判断部24は、印刷装置(2)を選択することができる。比較判断部23は、選択した印刷装置(2)の情報、例えば印刷装置名やIPアドレスのうち、IPアドレスを用い、会議資料データをA3サイズの資料があるページ番号といったページ指定情報とともに印刷装置(2)へ送信する。印刷装置(2)は、会議資料データおよびページ指定情報を受信し、それを基に印刷を実行する。例えば、比較判断部23は、印刷を実行させる際、PSコマンド(実行中のプロセスの情報を表示するコマンド)等で会議資料の何ページ目を印刷実行するかを指定し、それを印刷装置(2)へ送信して印刷を実行させることができる。
【0063】
これまで会議資料配布システムおよび管理サーバの構成、管理サーバが管理するデータについて詳細に説明してきた。ここからは、管理サーバ11が行う印刷制御処理について、図9〜図11に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0064】
図9は、管理サーバ11が行う1つの印刷制御処理の流れを示したフローチャート図である。会議の参加者が表示装置を持って会議室へ入ると、出入口にて、入退出リーダ12が参加者の会議室への入室を検出する。入退出リーダ12は、LAN13を経由して、参加者が入室した旨を管理サーバ11へ通知する。このとき、入退出リーダ12は、参加者がもつ表示装置の識別情報を読み取っており、この表示装置の識別情報も一緒に送る。表示装置の識別情報には、その表示装置のIPアドレスが含まれる。
【0065】
管理サーバ11の情報受信部21が、入退出リーダ12からの通知および表示装置の識別情報を受信したことを受けて、管理サーバ11が、ステップ900から配信制御を開始する。ステップ905で、情報受信部21が、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24へ参加者が入室した旨を通知し、受け取った表示装置の識別情報を画面情報取得部22へ送る。
【0066】
ステップ910において、画面情報取得部22は、情報受信部21から受け取った表示装置の識別情報を用い、その表示装置へアクセスして画面解像度やDPI設定値を画面情報として取得する。具体的には、画面情報取得部22は、情報受信部21が取得したIPアドレスを用い、表示装置へアクセスして、その表示装置が備えるレジストリを参照し、OSレベルで管理しているディスプレイ情報の値を取得、あるいはアプリケーション開発、実行環境を利用して、その表示装置の画面解像度やDPI設定値を取得する。
【0067】
ステップ915において、機器情報管理部24が、同一ネットワーク内にある印刷装置の機器情報を取得する。上述したSNMPやHTTP等の適切なプロトコルを使用し、MIBやSOAP等を取得することにより、印刷装置の対応可能最大用紙サイズ等の情報を取得することができる。
【0068】
次に、ステップ920において、比較判断部23は、配信すべき会議資料データを、それを記憶するデータ記憶部20から取得する。会議資料データが複数記憶されている場合、各会議資料データには会議日時または参加者を識別するためのユーザ識別情報が関連付けられており、比較判断部23は、入室した時刻より後で、その時刻に近い会議日時が関連付けられた会議資料データを取得することができ、または情報受信部21が受信した通知に含まれる参加者の情報を基に会議資料データを特定し、そのデータを取得することができる。
【0069】
ステップ925では、比較判断部23が、取得した会議資料データから、会議資料の1ページ目から順に表示サイズを情報として取得する。ここでは、ページを表示させた場合の表示サイズをpixelサイズ等として取得する。そして、ステップ930で、比較判断部23は、表示装置の画面情報から得られた画面サイズと、その表示サイズとを比較し、そのページの会議資料が表示装置の画面に収まるかどうかを判断する。
【0070】
収まると判断した場合は、ステップ940へ進み、収まらないと判断した場合は、ステップ935へ進む。この判断は、縦幅および横幅のpixelサイズを用いて行われ、表示サイズの縦幅および横幅の両方とも画面サイズの縦幅および横幅より小さい場合には収まると判断し、縦幅および横幅の少なくとも一方が画面サイズの縦幅および横幅より大きい場合は収まらないと判断する。
【0071】
ステップ935では、表示装置へその会議資料データを配信しても画面内に収まらないことから、印刷装置でその収まらないページの会議資料を印刷させるために、印刷装置への送信リストにこのページを追加する。そして、ステップ940で、最終ページまで終了したかが判断される。最終ページまで終了していない場合は、ステップ945へ進み、比較判断部23は、会議資料データから次のページの表示サイズを取得する。
【0072】
最終ページまで終了した場合は、ステップ950へ進み、比較判断部23は、機器情報管理部24から印刷装置の機器情報を取得し、ステップ955において、各印刷装置の対応可能最大サイズと送信リストの印刷対象ページの表示サイズとを比較し、そのページを印刷することができる印刷装置が存在するかを判断する。存在する場合は、ステップ960へ進み、比較判断部23は、その印刷装置を、そのページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報をその印刷装置へ送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信し、ステップ970でこの処理を終了する。
【0073】
存在しない場合は、ステップ965へ進み、比較判断部23は、印刷装置に印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信し、ステップ970でこの処理を終了する。
【0074】
図10は、管理サーバ11が行う別の印刷制御処理の流れを示したフローチャート図である。この場合も、会議の参加者が表示装置を持って会議室へ入ると、出入口にて、入退出リーダ12が参加者の会議室への入室を検出する。入退出リーダ12は、LAN13を経由して、参加者が入室した旨を管理サーバ11へ通知する。このとき、入退出リーダ12は、参加者がもつ表示装置の識別情報を読み取っており、この表示装置の識別情報も一緒に送る。表示装置の識別情報には、その表示装置のIPアドレスが含まれる。
【0075】
管理サーバ11の情報受信部21は、入退出リーダ12からの通知および表示装置の識別情報を受信したことを受けて、管理サーバ11が、ステップ1000から配信制御を開始する。ステップ1005で、情報受信部21が、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24へ参加者が入室した旨を通知し、受け取った表示装置の識別情報を画面情報取得部22へ送る。
【0076】
ステップ1010において、画面情報取得部22は、情報受信部21から受け取った表示装置の識別情報を用い、その表示装置へアクセスして画面解像度やDPI設定値を画面情報として取得する。この画面情報は、上記と同様の方法により取得することができる。
【0077】
ステップ1015において、機器情報管理部24が、同一ネットワーク内にある印刷装置の機器情報を取得する。この機器情報は、上記のSNMPやHTTP等の適切なプロトコルを使用し、MIBやSOAP等を取得することにより取得することができる。なお、この情報には、対応可能最大サイズのほか、カラーにも対応しているか、モノクロ印刷のみであるかの情報も含まれる。
【0078】
次に、ステップ1020において、比較判断部23は、配信すべき会議資料データを、それを記憶するデータ記憶部20から取得する。会議資料データが複数記憶されている場合、上記の方法により取得することができる。
【0079】
ステップ1025では、比較判断部23が、取得した会議資料データから、会議資料の1ページ目から順に表示サイズを情報として取得する。表示サイズは、pixelサイズとして取得することができる。そして、ステップ1030で、比較判断部23は、表示装置の画面情報から得られた画面サイズと、その表示サイズとを比較し、そのページの会議資料が表示装置の画面に収まるかどうかを判断する。
【0080】
収まると判断した場合は、ステップ1040へ進み、収まらないと判断した場合は、ステップ1035へ進む。この判断も、上記と同様の方法により行うことができる。
【0081】
ステップ1035では、表示装置へその会議資料データを配信しても画面内に収まらないことから、印刷装置でその収まらないページの会議資料を印刷させるために、印刷装置への送信リストにこのページを追加する。そして、ステップ1040で、最終ページまで終了したかが判断される。最終ページまで終了していない場合は、ステップ1045へ進み、比較判断部23は、会議資料データから次のページの表示サイズを取得する。
【0082】
最終ページまで終了した場合は、ステップ1050で、比較判断部23は、機器情報管理部24から印刷装置の機器情報を取得し、ステップ1055において、各印刷装置の対応可能最大サイズと送信リストの印刷対象ページの表示サイズとを比較し、そのページを印刷することができる印刷装置が存在するかを判断する。存在する場合は、ステップ1060へ進み、比較判断部23は、送信リストのすべてのページの中でカラーページが存在するかを判断する。一方、存在しない場合は、ステップ1065へ進み、比較判断部23は、印刷装置に会議資料データを送信して印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信する。ここで、カラーページであるか否かの判断は、PDFで会議資料が作成されている場合は、PDFのページ情報に含まれているカラー情報を利用し、HTML文書である場合は、タグを使用して行ったカラー指定等の各ページ情報に含まれているカラー情報を利用して行うことができる。
【0083】
ステップ1060で、カラーページが存在すると判定された場合、ステップ1070へ進み、比較判断部23は、対象の印刷装置がカラー印刷可能な印刷装置であるかを判定する。カラー印刷可能な印刷装置であるか否かは、図8に示したようなリスト化された機器情報を基に判断することができる。カラー印刷可能な印刷装置と判定された場合、ステップ1075へ進み、比較判断部23は、その印刷装置を、対象のページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報をその印刷装置へ送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信し、ステップ1080でこの処理を終了する。
【0084】
一方、ステップ1060でカラーページが存在しないと判定された場合は、ステップ1075へ進み、ステップ1055で対象ページの印刷可能と判断された印刷装置を、対象ページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報を送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信し、ステップ1080でこの処理を終了する。
【0085】
他方、ステップ1070で、対象の印刷装置がカラー印刷可能な印刷装置ではないと判定された場合、ステップ1065へ進み、比較判断部23は、印刷装置に印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信する。会議資料データの送信が終了したところで、ステップ1080へ進み、この処理を終了する。
【0086】
図11は、管理サーバ11が行うさらに別の印刷制御処理の流れを示したフローチャート図である。この場合も、会議の参加者が表示装置を持って会議室へ入ると、出入口にて、入退出リーダ12が参加者の会議室への入室を検出する。入退出リーダ12は、LAN13を経由して、参加者が入室した旨を管理サーバ11へ通知する。このとき、入退出リーダ12は、参加者がもつ表示装置の識別情報を読み取っており、この表示装置の識別情報も一緒に送る。表示装置の識別情報には、その表示装置のIPアドレスが含まれる。
【0087】
管理サーバ11の情報受信部21が、入退出リーダ12からの通知および表示装置の識別情報を受信したことを受けて、管理サーバ11が、ステップ1100から配信制御を開始する。ステップ1105で、情報受信部21が、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24へ参加者が入室した旨を通知し、受け取った表示装置の識別情報を画面情報取得部22へ送る。
【0088】
ステップ1110において、画面情報取得部22は、情報受信部21から受け取った表示装置の識別情報を用い、その表示装置へアクセスして画面解像度やDPI設定値を画面情報として取得する。この画面情報は、上記と同様の方法により取得することができる。
【0089】
ステップ1115において、機器情報管理部24が、同一ネットワーク内にある印刷装置の情報を取得する。この機器情報は、上記のSNMPやHTTP等の適切なプロトコルを使用し、MIBやSOAP等を取得することにより取得することができる。
【0090】
次に、ステップ1120において、比較判断部23は、配信すべき会議資料データを、それを記憶するデータ記憶部20から取得する。会議資料データが複数記憶されている場合、上記の方法により取得することができる。
【0091】
ステップ1125では、比較判断部23が、取得した会議資料データから、会議資料の1ページ目から順に表示サイズを情報として取得する。表示サイズは、pixelサイズとして取得することができる。そして、ステップ1130で、比較判断部23は、表示装置の画面情報から得られた画面サイズと、その表示サイズとを比較し、そのページの会議資料が表示装置の画面に収まるかどうかを判断する。
【0092】
収まると判断した場合は、ステップ1140へ進み、収まらないと判断した場合は、ステップ1135へ進む。この判断も、上記と同様の方法により行うことができる。
【0093】
ステップ1135では、表示装置へその会議資料データを配信しても画面内に収まらないことから、印刷装置でその収まらないページの会議資料を印刷させるために、印刷装置への送信リストにこのページを追加する。そして、ステップ1140で、最終ページまで終了したかが判断される。最終ページまで終了していない場合は、ステップ1145へ進み、比較判断部23は、会議資料データから次のページの表示サイズを取得する。
【0094】
最終ページまで終了した場合は、ステップ1150へ進み、比較判断部23は、機器情報管理部24から印刷装置の機器情報を取得し、ステップ1155において、各印刷装置の対応可能最大サイズと送信リストの印刷対象ページの表示サイズとを比較し、そのページを印刷することができる印刷装置が存在するかを判断する。存在する場合は、ステップ1160へ進み、比較判断部23は、その印刷装置を、そのページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報をその印刷装置へ送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信する。存在しない場合は、ステップ1165へ進み、比較判断部23は、印刷装置に印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信する。
【0095】
ステップ1160で会議資料データを送信した後、ステップ1170へ進み、ユーザ情報管理部25から表示装置を使用する参加者のユーザ情報を取得する。なお、ユーザ情報は、予めユーザ情報管理部25によって登録され、データ記憶部20に記憶される。その登録される情報としては、メールアドレス、ユーザ名、ユーザID等で、表示装置の識別情報とともに登録される。この表示装置の識別情報は、上記と同様、IPアドレスが挙げられ、MACアドレス等であってもよい。
【0096】
その後、ステップ1175で参加者に印刷を実行した印刷装置の機器情報を通知し、ステップ1180でこの処理を終了する。なお、ステップ1165で会議資料データを送信した後も同様に、ステップ1180へ進み、処理を終了する。印刷装置の機器情報は、上記のメールアドレスを使用してメールにより通知することができる。この場合、比較判断部23は、ユーザ情報管理部25に対して指示し、ユーザ情報管理部25が管理するユーザ情報の中から、情報受信部21が受けた通知に含まれる参加者のユーザ情報を検索させ、そのユーザ情報の中からメールアドレスを取得させ、印刷実行した印刷装置の機器情報を機器情報管理部24から取得して、その機器情報を、取得したメールアドレスへ送信することにより通知することができる。
【0097】
上記の例では、印刷実行した印刷装置の機器情報を通知するものとしたが、印刷実行中に何らかのエラーが発生した場合、エラー通知を行うことも可能である。エラーとしては、例えば用紙切れやトナー切れ等を挙げることができる。これらのエラーは、印刷装置でエラーが発生した際、機器情報管理部24が、その印刷装置からエラー情報を取得し、比較判断部23が、機器情報管理部24からそのエラー情報を取得して、メールやMIB等を用いて表示装置へ通知することができる。なお、このシステムでは、印刷実行を管理サーバ11が行い、管理するため、エラー情報はこの管理サーバ11が受信し、管理サーバ11から表示装置へエラー内容がメールやMIB等により通知されることになる。
【0098】
会議資料データを印刷装置へ送信すると、印刷装置が印刷を実行し、印刷物が出力される。しかしながら、このように即座に印刷出力するのではなく、一旦データを蓄積し、印刷装置の操作パネル等で実行指示を与えることにより印刷出力することも可能である。例えば、印刷装置には、機密印刷機能や親展印刷機能等の蓄積機能を備えているものも多い。蓄積機能は、上記のような印刷装置のHDD等の記憶装置に受信した印刷データを一旦記憶し、印刷装置の操作パネル等で印刷データを選択し、印刷の再開処理を行い、印刷実行を行う機能である。印刷データにパスワードデータを付加することで印刷の再開処理には、パスワード入力を求めて、パスワード認証が一致した場合に再開を可能にし、紙の持ち去り等を防いでセキュリティ向上を図る場合もあるからである。
【0099】
このため、印刷装置で印刷実行した会議資料の持ち去りを防止するために上記の蓄積機能を用いて印刷対象の会議資料データに認証情報を関連付けて送信し、そのデータの蓄積の際、送信先の印刷装置の機器情報、会議資料データを識別するためのデータ識別情報、認証情報を表示装置へ送信し、表示させる。例えば、メールにより、印刷装置の装置名、蓄積したデータに付けられた文書名、認証情報としてのパスワードを送信して表示させることができる。参加者は、そのメールを見て、その印刷装置の前へ行き、パスワードを入力し、その文書名のデータを選択して印刷再開処理を行い、紙に出力した会議資料を入手する。これにより、そのメールの通知を受けた参加者のみに会議資料を印刷して配布することができる。
【0100】
これまで本発明を、会議資料の印刷を制御する印刷制御装置、その印刷制御装置を含む会議資料配布システムおよびその印刷制御装置により実行される印刷制御方法として上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、本発明は、その印刷制御方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムや、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【符号の説明】
【0101】
1…会議室、2…居室スペース、3〜6…表示装置、7〜10…印刷装置、11…管理サーバ、12…入退出リーダ、13…LAN、20…データ記憶部、21…情報受信部、22…画面情報取得部、23…比較判断部、24…機器情報管理部、25…ユーザ情報管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2008−125021号公報
【特許文献2】特開2007−047983号公報
【特許文献3】特開2006−277340号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信先の表示画面のサイズに応じて、会議資料を印刷するかどうかを判断する印刷制御装置、その印刷制御装置を含む会議資料配布システムおよび印刷制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会議を行う場合、会議の内容を記載した会議資料を予め必要部数印刷しておき、それを会議が始まる前に参加者に配布し、その配布された資料を基に行うのが一般的である。近年では、ノートPCやプロジェクタの普及により、ノートPCを持ち込み、会議室に備え付けられたプロジェクタに接続し、そのプロジェクタへ配信して会議資料を表示させることが行われている。また、会議参加者がノートPCを持ち込む場合、LANケーブルを介して、あるいは無線通信により、会議資料を電子データとして会議参加者のノートPCへ配信することも行われている。
【0003】
このようにすることで、紙に印刷して配布する必要がなくなり、紙の使用量を削減して紙コストを低減するとともに、資料増大に伴うワークスペースの減少を防止し、不要になった資料を廃棄する場合の紙ゴミの増大を抑制している。
【0004】
これまでに、例えば、会議資料を無駄に印刷することを防ぐ目的で、会議参加者が表示装置を持ち込んだ場合、会議資料を電子データで提供し、会議資料を印刷しないようにすることで、余分な印刷を抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、無駄な印刷を抑制することを可能にする技術として、印刷スケジュールに基づいて複数の電子文書を印刷処理して印刷文書を生成する際、印刷文書の利用者の人数分だけ電子文書を印刷する技術が知られている(特許文献2参照)。
【0006】
さらに、会議参加者が資料の要否を指定でき、資料が必要なときに資料の印刷方法を指定できる会議予約システムも提案されている(特許文献3参照)。このシステムは、会議の開始時刻の所定時間前に、参加者別データ記憶テーブルに登録された内容に応じて、会議資料が必要な参加者毎に、会議資料を所定のプリンタにより印刷させ、また、参加者からのアクセスで、その内容を書き換えることができ、書き換えられた内容に基づき印刷させる機能を有するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の会議資料を配布するためのシステムでは、紙の資料を削減することによって紙コストを低減することを目的とし、表示装置の能力に関係なく、資料の配信を要求する参加者に対し、一律に会議資料の電子データを配信する。
【0008】
会議で配布する資料には、ページによって表示サイズが大きいものや小さいもの、例えばA4サイズのものとA3サイズのものとが混在している場合がある。各サイズの資料は、拡大および縮小することにより全体を表示したり、その一部を表示することができる。このため、小さなディスプレイをもった表示装置を持ち込み、会議に参加する参加者は、小さいサイズの資料はそのままディスプレイで見ることができ、大きいサイズの資料は縮小して見ることができる。
【0009】
しかしながら、図を含む大きなサイズの資料のように、図と文字部分とを両方同時に見たい場合、両方が表示画面内に入るように縮小すると、図および文字部分が見づらく、また、文字が小さくなりすぎて読めなくなり、会議中に資料の内容を十分に把握することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題に鑑み、会議参加者が使用する表示装置の画面サイズと会議資料の表示サイズとを比較して、資料が画面内に収まるかどうかを判断し、収まらないと判断した場合は上記のように見づらく、文字が読めなくなることから、会議資料を印刷して配布する印刷制御装置を提供する。
【0011】
紙に印刷する場合があることから、紙の大幅な削減にはならないが、会議資料のすべてを紙に印刷する場合に比較して、紙の使用を削減することができ、それに加えて、会議資料が見やすくなり、資料の内容が把握しやすくなり、その結果、会議をスムーズに進めることができる。
【0012】
すなわち、この印刷制御装置は、会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、情報記録媒体が記憶する表示装置を識別するための識別情報を読み出し取得する読取装置から、その識別情報を受信する情報受信部と、受信された識別情報を使用して表示装置へアクセスし、その表示装置が有する画面情報を取得する画面情報取得部と、データ記憶部から1以上のページから構成される会議資料の会議資料データを読み出し、識別情報を用いてその会議資料データを表示装置へ配信するとともに、その会議資料データから得られる会議資料の各ページの表示サイズと、画面情報から得られる画面サイズとを比較して、各ページにつき印刷装置で印刷させるか否かを判断し、印刷させると判断した場合、前記会議資料データおよび印刷させるページを指定する情報を送信して該ページの印刷をその印刷装置に実行させる比較判断部とを含んで構成される。
【0013】
画面サイズ内にすべてのページの表示サイズが収まる場合、会議資料データを印刷装置へは送信せず、表示装置のみへ配信する。これにより、紙の使用量を削減することができる。画面サイズ内に収まらないページがある場合、表示装置への会議資料データの配信に加えて、会議資料データとそのページを指定するページ指定情報とを印刷装置へ送信し、そのページのみを紙に印刷して配布する。これにより、会議資料が見やすくなり、資料の内容が把握しやすくなる。
【0014】
データ記憶部は、少なくとも会議日時または参加者を識別するためのユーザ識別情報が関連付けられた複数の会議資料データを記憶し、情報受信部は、読取装置から参加者が入室した旨の通知を受信し、比較判断部は、その通知を受けた時刻より後で該時刻に最も近い会議日時が関連付けられた会議資料データを検索し読み出すことができる。また、比較判断部は、その通知に含まれる参加者の情報に一致するユーザ識別情報が関連付けられた会議資料データを検索し読み出すこともできる。参加者の情報としてはユーザ名等の参加者を識別することができる情報とされる。
【0015】
印刷装置は、機種によって対応可能な最大用紙サイズが異なる。紙に印刷して配布しようとする場合、最大用紙サイズに会議資料の表示サイズが収まるものでなければならない。そこで、印刷制御装置は、ネットワークを介して接続された1以上の印刷装置へアクセスし、各印刷装置から対応可能な最大用紙サイズを含む機器情報を取得する機器情報管理部をさらに含み、比較判断部は、印刷装置で印刷させると判断した場合、会議資料の表示サイズと、機器情報管理部から取得した各印刷装置の機器情報に含まれる対応可能な最大用紙サイズとを比較して、印刷を実行させる印刷装置を決定する。
【0016】
画面情報は、画面解像度とDPI(Dots Per Inch)設定値とを含む。これらからpixel(画素)単位のサイズを算出し、そのpixel単位のサイズで比較することができる。
【0017】
機器情報は、カラー印刷可能であるか否かの情報を含み、比較判断部は、会議資料データからカラーページの有無を判断し、カラーページが存在する場合、カラー印刷可能で、会議資料の表示サイズが収まる対応可能な最大用紙サイズをもつ印刷装置を、印刷を実行させる印刷装置として決定する。
【0018】
比較判断部は、決定した印刷装置の機器情報を表示装置へ送信することができる。これにより、表示装置を使用する参加者が、どの印刷装置で印刷されたかを知ることができる。
【0019】
また、機器情報管理部が、会議資料データを送信した印刷装置からエラー情報を取得し、比較判断部が、機器情報管理部から取得したエラー情報を、表示装置へ送信することも可能である。これにより、紙切れやインク切れ等のエラー内容を、表示装置の画面上で確認することができ、即座に給紙やインク交換等の対応をとることができる。
【0020】
比較判断部は、印刷装置へ送信する会議資料データに認証情報を関連付けて送信し、該会議資料データを該印刷装置に蓄積させるとともに、送信先の印刷装置の機器情報と会議資料データを識別するためのデータ識別情報と認証情報とを表示装置へ送信し、表示させることができる。認証情報は、例えばパスワードとすることができ、機器情報は、送信先の印刷装置のIPアドレスや装置名等、データ識別情報は文書名等とすることができる。認証情報を入力し、認証されなければ印刷出力されないので、第三者の会議資料の持ち去りを防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
【0021】
本発明では、上記の印刷制御装置のほか、この印刷制御装置を含む会議資料配布システム、また、この印刷制御装置により実行される印刷制御方法も提供することができ、この方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムや、このプログラムを記録した記録媒体等を提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の会議資料配布システムが設置されたオフィス環境を例示した図。
【図2】本実施形態の会議資料配布システムの構成例を示した図。
【図3】会議資料配布システムに用いられる印刷制御装置としての管理サーバの構成例を示した図。
【図4】管理サーバのデータ記憶部に記憶される会議資料データを例示した図。
【図5】会議参加者が使用する表示装置を例示した図。
【図6】表示装置の画面サイズと、会議資料データの1つのページの表示サイズとを比較し、画面内に会議資料が表示できるかどうかを判定しているところを示した図。
【図7】表示装置の画面サイズと、会議資料データの1つのページの表示サイズとを比較し、画面内に会議資料が表示できるかどうかを判定しているところを示した図。
【図8】管理サーバの機器情報管理部が管理する印刷装置の機器情報を例示した図。
【図9】管理サーバが行う会議資料の印刷制御処理の第1の流れを示したフローチャート図。
【図10】管理サーバが行う会議資料の印刷制御処理の第2の流れを示したフローチャート図。
【図11】管理サーバが行う会議資料の印刷制御処理の第3の流れを示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本実施形態の会議資料配布システムが設置されたオフィス環境を例示した図である。図1では、このシステムが、会議室1と居室スペース2が区切られているオフィススペースに設置されている。会議室1は、四方が壁で囲まれた空間を形成してなり、この会議室1内には、会議の参加者が使用するノートPC等の表示装置3〜6がテーブル上に配置され、会議室1の隅には、会議中に印刷可能にする印刷装置7が設置されている。
【0024】
会議室1外の居室スペース2には、所定の位置に印刷装置8〜10が設置され、このシステムを管理し、会議資料の印刷を制御するための管理サーバ11が印刷制御装置として設置されている。これらの表示装置3〜6、印刷装置7〜10および管理サーバ11は、図示しないネットワークに接続され、互いに通信可能とされている。
【0025】
このシステム構成では、会議室1の出入口に、会議の参加者が持ち運ぶ表示装置3〜6に取り付けられた情報記録媒体を検出し、その情報記録媒体に記憶された情報を読み出し取得する入退出リーダ12が設けられている。この入退出リーダ12も図示しないネットワークに接続されていて、会議資料データを記憶し管理する管理サーバ11は、この入退出リーダ12が情報記録媒体の検出したことを受けて、会議資料データの配信を行うように構成されている。しかしながら、本発明はこの構成に限られるものではなく、会議資料を配信するオフィス環境で会議資料を配信するタイミングが別のタイミングであってもよい。例えば、会議資料の配信を受けたい参加者が明示的にトリガーを引く方法(配信要求を管理サーバ11に対して送る等)を採用することができる。
【0026】
入退出リーダ12は、情報記録媒体を検出した際、情報記録媒体に記録されている情報を読み出し取得する。情報記録媒体には、情報記録媒体を識別するための媒体ID、ユーザ名やユーザID等の参加者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報、表示装置を識別するための識別情報が記憶され、それらの情報を読み取ることができる。入退出リーダ12は、例えば、同じ媒体IDをもつ情報記録媒体を検出した回数をカウントし、その回数が奇数である場合は入室、偶数である場合は退出と判断し、入室した旨の通知を管理サーバ11へ送信することができる。参加者は、一度退出した後に再入室する場合もあるからである。
【0027】
表示装置3〜6は、会議に参加する参加者が持ち込んでも、予め会議室1に備え付けられているものであってもよい。予め備え付けられているものを用いる場合、参加者が、ICカード等として情報記録媒体のみを所持する。これにより、入退出リーダ12が情報記録媒体を検出し、記憶されている情報を読み出し取得することができる。印刷装置7〜10は、会議室1内と外の両方に設置されているが、その設置位置は、オフィス内のどの位置であってもよい。
【0028】
管理サーバ11の構成および処理については後述するが、入退出リーダ12からの通知および情報を受け付け、会議室1への参加者の入退室管理を行い、会議資料データの記憶および管理を行い、会議資料の印刷管理を行う。また、管理サーバ11は、会議資料データを配信する表示装置の画面情報の取得、印刷装置の管理、入退室する参加者のユーザ情報の管理も行う。
【0029】
次に、図2を参照して、会議資料配布システムの構成およびその処理の概要について説明する。会議資料配布システムは、図2に示す例では、4つの表示装置3〜6と、4つの印刷装置7〜10と、管理サーバ11と、入退出リーダ12とがLAN13といったネットワークに接続され、互いに通信可能に構成されている。
【0030】
表示装置3〜6は、ユーザが会議室に持ち込む、あるいは会議室に備え付けられるノートPCやハンドヘルドコンピュータ(携帯情報端末)等とされる。ノートPCやハンドヘルドコンピュータは、表示装置であるディスプレイを備え、そのほか、入力装置としてのキーボードやタッチパッド、各種プログラムやデータを記憶する記憶装置、そのプログラムを読み出し実行するCPU、LAN13を介した通信を可能にするための通信インタフェース、Webカメラ等を備えている。また、表示装置3〜6は、会議の参加者により持ち運ばれる場合、情報記録媒体が取り付けられる。
【0031】
情報記録媒体は、一例として、情報を記録するICチップを備えたICカードとされ、表示装置3〜6に設けられるカードスロットに差し込むことにより装着される。
【0032】
印刷装置7〜10は、プリンタやMFP(Multi Function Peripheral)とされる。印刷装置7〜10としては、インクジェット方式のインクジェットプリンタや、電子写真方式のレーザプリンタを用いることができる。電子写真方式のプリンタの場合、画像を形成するためにレーザ光を照射する露光装置、そのレーザ光が照射され、表面に潜像が形成される感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電ユニット、感光体ドラムの表面にトナーを付着させて現像する現像ユニット、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を紙に転写する転写ユニット、転写されたトナー像を紙に定着させる定着ユニット、紙を供給する給紙ユニット、トナー像が定着された紙を排出する排紙ユニットを含んで構成される。また、画像データに基づき露光装置へレーザ光を照射する位置やタイミングを制御するコントローラと、LAN13を介した通信を可能にするための通信インタフェースとをさらに含んで構成される。コントローラは、管理サーバ11からの要求を受けて、各ユニットから情報を収集し、それらを機器情報として管理サーバ11へ送信することができる。
【0033】
管理サーバ11は、上記のノートPCと同様、各種管理を行うためのプログラムおよび会議資料データを記憶するHDD等の記憶装置、そのプログラムを読み出し実行するCPU、ネットワーク13を介した通信を可能にするための通信インタフェースを含んで構成される。この管理サーバ11は、CPUが記憶装置から読み出したプログラムを実行することにより、後述する各部として機能し、各処理を実行する。
【0034】
入退出リーダ12は、参加者が持ち運ぶ表示装置3〜6に取り付けられた情報記録媒体を検出し、その情報記録媒体から情報を無線通信により読み出し取得して、参加者が入室した旨の通知とともに取得した情報を、LAN13を介して管理サーバ11へ送信する。このため、入退出リーダ12は、この情報を受信する受信機と、通知を生成するための生成手段と、LAN13を介した通信を可能にするために通信インタフェースとを含んで構成される。
【0035】
図3を参照して、本実施形態の会議資料配布システムに用いられる会議資料の印刷を制御する印刷制御装置としての管理サーバ11について詳細に説明する。管理サーバ11は、CPUが記憶装置に記憶されている各種管理を行うためのプログラムを実行することにより各部として機能することから、以下の各部を備える。すなわち、管理サーバ11は、データ記憶部20、情報受信部21、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24、ユーザ情報管理部25を備える。この実施形態では、管理サーバ11はユーザ情報管理部25を備えているが、参加者にメールで通知する等の処理が必要なければ、ユーザ情報管理部25は備えていなくてもよい。
【0036】
データ記憶部20は、会議の参加者が所持し、または使用する表示装置へ配信すべき会議資料データを記憶する。この会議資料データは、会議の開催者が事前に作成し、管理サーバ11に登録することによりデータ記憶部20に記憶される。
【0037】
情報受信部21は、読取装置としての入退出リーダ12が送信した、参加者が会議室1に入室した旨の通知、表示装置を識別するための識別情報を受信し、それらをデータ記憶部20に記憶し管理する。この通知には、参加者を識別するためのユーザ識別情報が含まれる。
【0038】
画面情報取得部22は、会議室へ入室した参加者が持ち込む表示装置に取り付けられた情報記録媒体から入退出リーダ12が読み取った表示装置を識別するための識別情報を用い、その表示装置へアクセスし、画面解像度、DPI設定値といった表示装置の画面に関する画面情報を取得する。画面解像度は、横の画素数×縦の画素数(例えば1024pixel×768pixel)で、DPI(dots per inch)設定値は、1インチ当たりの点数(例えば72DPI、96DPI、120DPI)である。
【0039】
これらの情報は、入退出リーダ12から取得した装置識別情報としてのIPアドレスを使用して表示装置へアクセスし、その表示装置がもつOS(Operating System)のレジストリを参照し、OSレベルで管理しているディスプレイ情報の値を取得することにより、取得することができる。別の方法としては、アプリケーション開発、実行用に用意された環境を利用してOSのレジストリ値を取得する方法を挙げることができる。
【0040】
比較判断部23は、データ記憶部20から、配信すべき会議資料データを取得する。比較判断部23は、例えば、情報受信部21が表示装置を持ち運ぶ会議参加者が入室した旨の通知を受けたことに応答して、会議資料データを取得することができる。会議資料データは、1以上のページから構成される会議資料の文書データであって、複数記憶される場合、会議日時あるいは参加者を識別するためのユーザ識別情報と関連付けてデータ記憶部20に記憶される。この場合、比較判断部23は、上記の通知を受けた日と同じ日であって、その時刻より後でその時刻に最も近い会議の時刻の会議資料データを検索して読み出し、取得することができる。また、比較判断部23は、入退出リーダ12からの通知に含まれる参加者の情報に一致するユーザ識別情報が関連付けられた会議資料データを検索して読み出し、取得することもできる。
【0041】
そして、比較判断部23は、会議資料データを取得すると、会議資料の1ページ目から順に、それを画面に表示する場合の表示サイズを情報として会議資料データから取り出し、表示装置の画面情報から得られる画面サイズと比較し、会議資料の各ページにつき印刷するかどうかを判断する。
【0042】
印刷するかどうかの判断は後述するが、比較判断部23は、印刷すると判断した場合、会議資料データおよび印刷するページのページ番号を、ページを指定するためのページ指定情報として印刷装置へ送信する。また、比較判断部23は、印刷するかどうかに関わらず、会議資料データを表示装置へも送信する。印刷しないページについては表示装置に表示させる必要があるからである。しかしながら、すべてのページを印刷すると判断した場合については、会議資料データを送信しないようにすることもできる。
【0043】
したがって、表示装置は、管理サーバ11の比較判断部23から送信された会議資料データを使用して会議資料を表示し、印刷装置は、比較判断部23により判断された会議資料の印刷すべきページを印刷し、その参加者に提供する。このように見にくいページについては、紙に印刷した資料が提供されるため、参加者は、会議資料の内容を十分に把握することができ、会議をスムーズに進めることができる。
【0044】
機器情報管理部24は、同一ネットワーク内にある印刷装置の機器情報を取得する。図2で示されたシステム構成においては、同一LAN13内にある印刷装置7〜10についての機器情報を取得する。印刷装置の機器情報としては、IPネットワーク上のネットワーク機器を監視し、制御するための情報の通信方法を規定するSNMP(Simple Network Management Protocol)を使用して参照する管理情報であるMIB(Management Information Base)や、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等の通信プロトコルを使用してSOAPといった機器情報、例えば、使用可能な最大用紙サイズ(対応可能最大サイズ)、カラー印刷可能であるか否か、用紙残量、トナー残量等を挙げることができる。
【0045】
ユーザ情報管理部25は、ユーザ名やユーザIDといったユーザ識別情報に関連付けて、メールアドレスや電話番号等の情報をユーザ情報としてデータ記憶部20に記憶させ、それを管理する。
【0046】
図4は、管理サーバ11のデータ記憶部20に記憶される会議資料データの一例を示した図である。図4(a)〜(c)に、3つのデータ例を示す。この会議資料データは、管理サーバ11が備えるデータ記憶部20としてのHDD等に記憶される。会議資料データは、文書作成アプリケーション等を用い、印刷する用紙サイズを設定して作成され、1以上のページからなる文書の文書データとされる。図4(a)では会議資料のすべてのページがB5サイズで作成され、図4(b)ではすべてがA4サイズで作成され、図4(c)ではA4サイズとA3サイズで作成されている。このようなサイズをもつデータとしては、PDF(Portable Document Format)等のファイルフォーマットのデータが挙げられる。
【0047】
ここではB5、A4、A3といった用紙サイズに従った説明をしたが、pixel単位のサイズをもつデータであってもよい。pixel単位のサイズをもつデータとしては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等が挙げられる。また、HTML(HyperText Markup Language)等のページ記述言語を使用したデータであってもよく、この場合、タグ情報からpixel単位のサイズを取得することが可能である。
【0048】
図5は、表示装置の表示画面を例示した図である。表示装置の表示画面は、PCでは図5(a)に示すような横長の画面を有するものが一般的であるが、デスクトップPCの一部には図5に示すような縦長の画面を有するものが存在する。タブレットPC等では、配置する向きを変えることで、いずれの画面にもなりうる。現在のPCでは、最も一般的な画面サイズが、図5(a)に示された横長の画面では縦幅が1024pixel、横幅が768pixelで、図5(b)に示された縦長の画面では縦幅が768pixel、横幅が1024pixelである。これらの情報は、画面解像度の情報を取得することにより取得することができる。上記の1024pixel、768pixelという値は、あくまで例示であるので、これに限られるものではない。
【0049】
図6は、比較判断部23が行う比較処理において、表示画面上に会議資料を表示し、サイズ判定を行っているところを示した図である。図6(a)は、図5(a)に示された横長の画面(枠のみで表示された領域)上に、図4(a)に示されたB5サイズの任意のページの会議資料(塗り潰された領域)を表示した図であり、図6(b)は、図5(a)に示す横長の画面上に、図4(b)に示すA4サイズの任意のページの会議資料を表示した図であり、図6(c)は、図5(a)に示す横長の画面上に、図4(c)に示すA3サイズのページの会議資料を表示した図である。
【0050】
画面サイズは、上述した縦幅768pixelで、横幅1024pixelである。会議資料の各ページの表示サイズは、取得した会議資料データから得られ、A3サイズであれば、縦幅16.54inch(420mm)、横幅11.69inch(297mm)、A4サイズは、縦幅11.69inch(297mm)、横幅8.27inch(210mm)、B5サイズは、縦幅10.12inch(257mm)、横幅7.17inch(182mm)である。
【0051】
画面サイズとの比較を行うためには、単位を合わせる必要がある。画面サイズで用いられるpixelサイズは、表示装置のDPI設定値と、上記のinchサイズとを乗算することにより得ることができる。DPI設定値が72である場合、各値に72を乗算して、A3サイズの会議資料であれば縦幅1191pixel、横幅842pixelとなり、A4サイズの会議資料であれば縦幅842pixel、横幅595pixelとなり、B5サイズの会議資料であれば縦幅729pixel、横幅516pixelとなる。
【0052】
比較判断部23は、画面サイズである768×1024pixelと、上記の計算から得られた表示サイズがA3サイズの1191×842pixel、A4サイズの842×595pixel、B5サイズの729×516pixelをそれぞれ比較し、その画面サイズ内に収まるかどうかを判断する。
【0053】
A3サイズおよびA4サイズの会議資料は、横幅は収まるものの、縦幅が収まらない。これに対し、B5サイズの会議資料は、縦幅および横幅の両方とも収まる。このため、B5サイズの会議資料の場合、比較判断部23は、印刷装置で印刷させることはなく、表示装置に会議資料データを配信すると判断し、それ以外のA3サイズおよびA4サイズの会議資料の場合は、印刷装置で印刷させるとともに表示装置に会議資料データを配信すると判断し、印刷装置に印刷を実行させる。
【0054】
上記では横長の画面について説明したが、縦長の画面について図7を参照して説明する。図7(a)は、図5(b)に示す縦長の画面上に、図4(a)に示すB5サイズの任意のページの会議資料を表示した図であり、図7(b)は、図5(b)に示す縦長の画面上に、図4(b)に示すA4サイズの任意のページの会議資料を表示した図であり、図7(c)は、図5(b)に示す縦長の画面上に、図4(c)に示すA3サイズのページの会議資料を表示した図である。
【0055】
画面サイズは、上述した縦幅1024pixelで、横幅768pixelである。会議資料の各ページの表示サイズは、取得した会議資料データから得られる。例えば、DPI設定値が72である場合、A3サイズの会議資料は、1191×842pixel、A4サイズの会議資料は、842×595pixel、B5サイズの会議資料は、729×516pixelである。
【0056】
比較判断部23は、画面サイズである1024×768pixelと、A3サイズの1191×842pixel、A4サイズの842×595pixel、B5サイズの729×516pixelの縦幅および横幅をそれぞれ比較し、その画面サイズ内に収まるかどうかを判断する。
【0057】
A3サイズの会議資料は、縦幅、横幅ともに収まらない。これに対し、A4サイズおよびB5サイズの会議資料は、縦幅および横幅の両方とも収まる。このため、A4サイズおよびB5サイズの会議資料の場合、比較判断部23は、印刷装置へは会議資料データを送信せず、表示装置にのみその会議資料データを配信すると判断し、それ以外のA3サイズの会議資料の場合は、印刷装置へも会議資料データを送信すると判断し、印刷装置で印刷を実行させる。
【0058】
これまでinchサイズをpixelサイズへ変換し、画面サイズと比較して判断を行ってきたが、pixel単位のサイズをもつ画像データ、例えば上記のJPEGデータであれば、変換を行うことなく、直接比較して判断を行うことができる。また、HTMLで記述されたHTML文書データについても、タグ情報から直接pixel単位の表示サイズを取得することができるのであれば、その表示サイズを画面サイズと比較して判断を行うことができる。
【0059】
図8は、機器情報管理部24が管理する印刷装置の機器情報の一例を示した図である。図8では、印刷装置の機器情報をリスト化し、テーブルで管理しているのが示されている。機器情報管理部24は、印刷装置から取得した機器情報をテーブルの中の各フィールドに入力し、そのテーブルをデータ記憶部20に記憶し、機器情報を管理する。ここでは、印刷装置(1)〜(4)の対応可能最大サイズ、カラー印刷可能であるか否か、トレイ用紙残量、トナー残量という機器情報が取得され、テーブルに入力されている。
【0060】
比較判断部23が、図6および図7に示すように比較を行い、印刷装置へ会議資料データを送信すると判断した場合、機器情報管理部24は、印刷装置の機器情報を比較判断部23へ送る。比較判断部23は、機器情報を受け取り、印刷実行する対象となった会議資料データ内の該当ページについて機器情報を基に、どの印刷装置へ会議資料データを送り、印刷させるかを決定する。
【0061】
図4(c)に示した会議資料データを配信しようとする場合、比較判断部23は、表示装置から取得された画面サイズが縦長の1024×768pixelであれば、A4サイズのページは画面に収まるが、A3サイズのページは画面に収まらないので印刷装置へ会議資料データを送信し、印刷を実行させると判断する。この判断を受けて、機器情報管理部24は、自己が管理する機器情報を比較判断部23へ送り、比較判断部23が、対応可能最大サイズがA3以上である印刷装置を、データ送信先の印刷装置として決定する。この図8に示す情報であれば、比較判断部23は、印刷装置(1)〜(3)をデータ送信先の印刷装置として決定する。
【0062】
このように複数の印刷装置を送信先として決定した場合、比較判断部23は、機器情報に含まれる対応可能最大サイズ以外のトレイ用紙残量やトナー残量を比較して、用紙やトナーの残量が多い印刷装置を選択することができる。この例では、印刷装置(2)が用紙残量およびトナー残量が最も多いことから、比較判断部24は、印刷装置(2)を選択することができる。比較判断部23は、選択した印刷装置(2)の情報、例えば印刷装置名やIPアドレスのうち、IPアドレスを用い、会議資料データをA3サイズの資料があるページ番号といったページ指定情報とともに印刷装置(2)へ送信する。印刷装置(2)は、会議資料データおよびページ指定情報を受信し、それを基に印刷を実行する。例えば、比較判断部23は、印刷を実行させる際、PSコマンド(実行中のプロセスの情報を表示するコマンド)等で会議資料の何ページ目を印刷実行するかを指定し、それを印刷装置(2)へ送信して印刷を実行させることができる。
【0063】
これまで会議資料配布システムおよび管理サーバの構成、管理サーバが管理するデータについて詳細に説明してきた。ここからは、管理サーバ11が行う印刷制御処理について、図9〜図11に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0064】
図9は、管理サーバ11が行う1つの印刷制御処理の流れを示したフローチャート図である。会議の参加者が表示装置を持って会議室へ入ると、出入口にて、入退出リーダ12が参加者の会議室への入室を検出する。入退出リーダ12は、LAN13を経由して、参加者が入室した旨を管理サーバ11へ通知する。このとき、入退出リーダ12は、参加者がもつ表示装置の識別情報を読み取っており、この表示装置の識別情報も一緒に送る。表示装置の識別情報には、その表示装置のIPアドレスが含まれる。
【0065】
管理サーバ11の情報受信部21が、入退出リーダ12からの通知および表示装置の識別情報を受信したことを受けて、管理サーバ11が、ステップ900から配信制御を開始する。ステップ905で、情報受信部21が、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24へ参加者が入室した旨を通知し、受け取った表示装置の識別情報を画面情報取得部22へ送る。
【0066】
ステップ910において、画面情報取得部22は、情報受信部21から受け取った表示装置の識別情報を用い、その表示装置へアクセスして画面解像度やDPI設定値を画面情報として取得する。具体的には、画面情報取得部22は、情報受信部21が取得したIPアドレスを用い、表示装置へアクセスして、その表示装置が備えるレジストリを参照し、OSレベルで管理しているディスプレイ情報の値を取得、あるいはアプリケーション開発、実行環境を利用して、その表示装置の画面解像度やDPI設定値を取得する。
【0067】
ステップ915において、機器情報管理部24が、同一ネットワーク内にある印刷装置の機器情報を取得する。上述したSNMPやHTTP等の適切なプロトコルを使用し、MIBやSOAP等を取得することにより、印刷装置の対応可能最大用紙サイズ等の情報を取得することができる。
【0068】
次に、ステップ920において、比較判断部23は、配信すべき会議資料データを、それを記憶するデータ記憶部20から取得する。会議資料データが複数記憶されている場合、各会議資料データには会議日時または参加者を識別するためのユーザ識別情報が関連付けられており、比較判断部23は、入室した時刻より後で、その時刻に近い会議日時が関連付けられた会議資料データを取得することができ、または情報受信部21が受信した通知に含まれる参加者の情報を基に会議資料データを特定し、そのデータを取得することができる。
【0069】
ステップ925では、比較判断部23が、取得した会議資料データから、会議資料の1ページ目から順に表示サイズを情報として取得する。ここでは、ページを表示させた場合の表示サイズをpixelサイズ等として取得する。そして、ステップ930で、比較判断部23は、表示装置の画面情報から得られた画面サイズと、その表示サイズとを比較し、そのページの会議資料が表示装置の画面に収まるかどうかを判断する。
【0070】
収まると判断した場合は、ステップ940へ進み、収まらないと判断した場合は、ステップ935へ進む。この判断は、縦幅および横幅のpixelサイズを用いて行われ、表示サイズの縦幅および横幅の両方とも画面サイズの縦幅および横幅より小さい場合には収まると判断し、縦幅および横幅の少なくとも一方が画面サイズの縦幅および横幅より大きい場合は収まらないと判断する。
【0071】
ステップ935では、表示装置へその会議資料データを配信しても画面内に収まらないことから、印刷装置でその収まらないページの会議資料を印刷させるために、印刷装置への送信リストにこのページを追加する。そして、ステップ940で、最終ページまで終了したかが判断される。最終ページまで終了していない場合は、ステップ945へ進み、比較判断部23は、会議資料データから次のページの表示サイズを取得する。
【0072】
最終ページまで終了した場合は、ステップ950へ進み、比較判断部23は、機器情報管理部24から印刷装置の機器情報を取得し、ステップ955において、各印刷装置の対応可能最大サイズと送信リストの印刷対象ページの表示サイズとを比較し、そのページを印刷することができる印刷装置が存在するかを判断する。存在する場合は、ステップ960へ進み、比較判断部23は、その印刷装置を、そのページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報をその印刷装置へ送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信し、ステップ970でこの処理を終了する。
【0073】
存在しない場合は、ステップ965へ進み、比較判断部23は、印刷装置に印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信し、ステップ970でこの処理を終了する。
【0074】
図10は、管理サーバ11が行う別の印刷制御処理の流れを示したフローチャート図である。この場合も、会議の参加者が表示装置を持って会議室へ入ると、出入口にて、入退出リーダ12が参加者の会議室への入室を検出する。入退出リーダ12は、LAN13を経由して、参加者が入室した旨を管理サーバ11へ通知する。このとき、入退出リーダ12は、参加者がもつ表示装置の識別情報を読み取っており、この表示装置の識別情報も一緒に送る。表示装置の識別情報には、その表示装置のIPアドレスが含まれる。
【0075】
管理サーバ11の情報受信部21は、入退出リーダ12からの通知および表示装置の識別情報を受信したことを受けて、管理サーバ11が、ステップ1000から配信制御を開始する。ステップ1005で、情報受信部21が、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24へ参加者が入室した旨を通知し、受け取った表示装置の識別情報を画面情報取得部22へ送る。
【0076】
ステップ1010において、画面情報取得部22は、情報受信部21から受け取った表示装置の識別情報を用い、その表示装置へアクセスして画面解像度やDPI設定値を画面情報として取得する。この画面情報は、上記と同様の方法により取得することができる。
【0077】
ステップ1015において、機器情報管理部24が、同一ネットワーク内にある印刷装置の機器情報を取得する。この機器情報は、上記のSNMPやHTTP等の適切なプロトコルを使用し、MIBやSOAP等を取得することにより取得することができる。なお、この情報には、対応可能最大サイズのほか、カラーにも対応しているか、モノクロ印刷のみであるかの情報も含まれる。
【0078】
次に、ステップ1020において、比較判断部23は、配信すべき会議資料データを、それを記憶するデータ記憶部20から取得する。会議資料データが複数記憶されている場合、上記の方法により取得することができる。
【0079】
ステップ1025では、比較判断部23が、取得した会議資料データから、会議資料の1ページ目から順に表示サイズを情報として取得する。表示サイズは、pixelサイズとして取得することができる。そして、ステップ1030で、比較判断部23は、表示装置の画面情報から得られた画面サイズと、その表示サイズとを比較し、そのページの会議資料が表示装置の画面に収まるかどうかを判断する。
【0080】
収まると判断した場合は、ステップ1040へ進み、収まらないと判断した場合は、ステップ1035へ進む。この判断も、上記と同様の方法により行うことができる。
【0081】
ステップ1035では、表示装置へその会議資料データを配信しても画面内に収まらないことから、印刷装置でその収まらないページの会議資料を印刷させるために、印刷装置への送信リストにこのページを追加する。そして、ステップ1040で、最終ページまで終了したかが判断される。最終ページまで終了していない場合は、ステップ1045へ進み、比較判断部23は、会議資料データから次のページの表示サイズを取得する。
【0082】
最終ページまで終了した場合は、ステップ1050で、比較判断部23は、機器情報管理部24から印刷装置の機器情報を取得し、ステップ1055において、各印刷装置の対応可能最大サイズと送信リストの印刷対象ページの表示サイズとを比較し、そのページを印刷することができる印刷装置が存在するかを判断する。存在する場合は、ステップ1060へ進み、比較判断部23は、送信リストのすべてのページの中でカラーページが存在するかを判断する。一方、存在しない場合は、ステップ1065へ進み、比較判断部23は、印刷装置に会議資料データを送信して印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信する。ここで、カラーページであるか否かの判断は、PDFで会議資料が作成されている場合は、PDFのページ情報に含まれているカラー情報を利用し、HTML文書である場合は、タグを使用して行ったカラー指定等の各ページ情報に含まれているカラー情報を利用して行うことができる。
【0083】
ステップ1060で、カラーページが存在すると判定された場合、ステップ1070へ進み、比較判断部23は、対象の印刷装置がカラー印刷可能な印刷装置であるかを判定する。カラー印刷可能な印刷装置であるか否かは、図8に示したようなリスト化された機器情報を基に判断することができる。カラー印刷可能な印刷装置と判定された場合、ステップ1075へ進み、比較判断部23は、その印刷装置を、対象のページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報をその印刷装置へ送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信し、ステップ1080でこの処理を終了する。
【0084】
一方、ステップ1060でカラーページが存在しないと判定された場合は、ステップ1075へ進み、ステップ1055で対象ページの印刷可能と判断された印刷装置を、対象ページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報を送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信し、ステップ1080でこの処理を終了する。
【0085】
他方、ステップ1070で、対象の印刷装置がカラー印刷可能な印刷装置ではないと判定された場合、ステップ1065へ進み、比較判断部23は、印刷装置に印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信する。会議資料データの送信が終了したところで、ステップ1080へ進み、この処理を終了する。
【0086】
図11は、管理サーバ11が行うさらに別の印刷制御処理の流れを示したフローチャート図である。この場合も、会議の参加者が表示装置を持って会議室へ入ると、出入口にて、入退出リーダ12が参加者の会議室への入室を検出する。入退出リーダ12は、LAN13を経由して、参加者が入室した旨を管理サーバ11へ通知する。このとき、入退出リーダ12は、参加者がもつ表示装置の識別情報を読み取っており、この表示装置の識別情報も一緒に送る。表示装置の識別情報には、その表示装置のIPアドレスが含まれる。
【0087】
管理サーバ11の情報受信部21が、入退出リーダ12からの通知および表示装置の識別情報を受信したことを受けて、管理サーバ11が、ステップ1100から配信制御を開始する。ステップ1105で、情報受信部21が、画面情報取得部22、比較判断部23、機器情報管理部24へ参加者が入室した旨を通知し、受け取った表示装置の識別情報を画面情報取得部22へ送る。
【0088】
ステップ1110において、画面情報取得部22は、情報受信部21から受け取った表示装置の識別情報を用い、その表示装置へアクセスして画面解像度やDPI設定値を画面情報として取得する。この画面情報は、上記と同様の方法により取得することができる。
【0089】
ステップ1115において、機器情報管理部24が、同一ネットワーク内にある印刷装置の情報を取得する。この機器情報は、上記のSNMPやHTTP等の適切なプロトコルを使用し、MIBやSOAP等を取得することにより取得することができる。
【0090】
次に、ステップ1120において、比較判断部23は、配信すべき会議資料データを、それを記憶するデータ記憶部20から取得する。会議資料データが複数記憶されている場合、上記の方法により取得することができる。
【0091】
ステップ1125では、比較判断部23が、取得した会議資料データから、会議資料の1ページ目から順に表示サイズを情報として取得する。表示サイズは、pixelサイズとして取得することができる。そして、ステップ1130で、比較判断部23は、表示装置の画面情報から得られた画面サイズと、その表示サイズとを比較し、そのページの会議資料が表示装置の画面に収まるかどうかを判断する。
【0092】
収まると判断した場合は、ステップ1140へ進み、収まらないと判断した場合は、ステップ1135へ進む。この判断も、上記と同様の方法により行うことができる。
【0093】
ステップ1135では、表示装置へその会議資料データを配信しても画面内に収まらないことから、印刷装置でその収まらないページの会議資料を印刷させるために、印刷装置への送信リストにこのページを追加する。そして、ステップ1140で、最終ページまで終了したかが判断される。最終ページまで終了していない場合は、ステップ1145へ進み、比較判断部23は、会議資料データから次のページの表示サイズを取得する。
【0094】
最終ページまで終了した場合は、ステップ1150へ進み、比較判断部23は、機器情報管理部24から印刷装置の機器情報を取得し、ステップ1155において、各印刷装置の対応可能最大サイズと送信リストの印刷対象ページの表示サイズとを比較し、そのページを印刷することができる印刷装置が存在するかを判断する。存在する場合は、ステップ1160へ進み、比較判断部23は、その印刷装置を、そのページを印刷させる印刷装置として決定し、会議資料データおよびページ指定情報をその印刷装置へ送って送信リストの内容を実行させ、表示装置にも会議資料データを送信する。存在しない場合は、ステップ1165へ進み、比較判断部23は、印刷装置に印刷を実行させることなく、表示装置にのみ会議資料データを送信する。
【0095】
ステップ1160で会議資料データを送信した後、ステップ1170へ進み、ユーザ情報管理部25から表示装置を使用する参加者のユーザ情報を取得する。なお、ユーザ情報は、予めユーザ情報管理部25によって登録され、データ記憶部20に記憶される。その登録される情報としては、メールアドレス、ユーザ名、ユーザID等で、表示装置の識別情報とともに登録される。この表示装置の識別情報は、上記と同様、IPアドレスが挙げられ、MACアドレス等であってもよい。
【0096】
その後、ステップ1175で参加者に印刷を実行した印刷装置の機器情報を通知し、ステップ1180でこの処理を終了する。なお、ステップ1165で会議資料データを送信した後も同様に、ステップ1180へ進み、処理を終了する。印刷装置の機器情報は、上記のメールアドレスを使用してメールにより通知することができる。この場合、比較判断部23は、ユーザ情報管理部25に対して指示し、ユーザ情報管理部25が管理するユーザ情報の中から、情報受信部21が受けた通知に含まれる参加者のユーザ情報を検索させ、そのユーザ情報の中からメールアドレスを取得させ、印刷実行した印刷装置の機器情報を機器情報管理部24から取得して、その機器情報を、取得したメールアドレスへ送信することにより通知することができる。
【0097】
上記の例では、印刷実行した印刷装置の機器情報を通知するものとしたが、印刷実行中に何らかのエラーが発生した場合、エラー通知を行うことも可能である。エラーとしては、例えば用紙切れやトナー切れ等を挙げることができる。これらのエラーは、印刷装置でエラーが発生した際、機器情報管理部24が、その印刷装置からエラー情報を取得し、比較判断部23が、機器情報管理部24からそのエラー情報を取得して、メールやMIB等を用いて表示装置へ通知することができる。なお、このシステムでは、印刷実行を管理サーバ11が行い、管理するため、エラー情報はこの管理サーバ11が受信し、管理サーバ11から表示装置へエラー内容がメールやMIB等により通知されることになる。
【0098】
会議資料データを印刷装置へ送信すると、印刷装置が印刷を実行し、印刷物が出力される。しかしながら、このように即座に印刷出力するのではなく、一旦データを蓄積し、印刷装置の操作パネル等で実行指示を与えることにより印刷出力することも可能である。例えば、印刷装置には、機密印刷機能や親展印刷機能等の蓄積機能を備えているものも多い。蓄積機能は、上記のような印刷装置のHDD等の記憶装置に受信した印刷データを一旦記憶し、印刷装置の操作パネル等で印刷データを選択し、印刷の再開処理を行い、印刷実行を行う機能である。印刷データにパスワードデータを付加することで印刷の再開処理には、パスワード入力を求めて、パスワード認証が一致した場合に再開を可能にし、紙の持ち去り等を防いでセキュリティ向上を図る場合もあるからである。
【0099】
このため、印刷装置で印刷実行した会議資料の持ち去りを防止するために上記の蓄積機能を用いて印刷対象の会議資料データに認証情報を関連付けて送信し、そのデータの蓄積の際、送信先の印刷装置の機器情報、会議資料データを識別するためのデータ識別情報、認証情報を表示装置へ送信し、表示させる。例えば、メールにより、印刷装置の装置名、蓄積したデータに付けられた文書名、認証情報としてのパスワードを送信して表示させることができる。参加者は、そのメールを見て、その印刷装置の前へ行き、パスワードを入力し、その文書名のデータを選択して印刷再開処理を行い、紙に出力した会議資料を入手する。これにより、そのメールの通知を受けた参加者のみに会議資料を印刷して配布することができる。
【0100】
これまで本発明を、会議資料の印刷を制御する印刷制御装置、その印刷制御装置を含む会議資料配布システムおよびその印刷制御装置により実行される印刷制御方法として上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、本発明は、その印刷制御方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムや、そのプログラムが記録された記録媒体も提供することができるものである。
【符号の説明】
【0101】
1…会議室、2…居室スペース、3〜6…表示装置、7〜10…印刷装置、11…管理サーバ、12…入退出リーダ、13…LAN、20…データ記憶部、21…情報受信部、22…画面情報取得部、23…比較判断部、24…機器情報管理部、25…ユーザ情報管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2008−125021号公報
【特許文献2】特開2007−047983号公報
【特許文献3】特開2006−277340号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のページから構成される会議資料の印刷を制御する印刷制御装置であって、
会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、前記情報記録媒体が記憶する表示装置を識別するための識別情報を読み出し取得する読取装置から、前記識別情報を受信する情報受信部と、
受信された前記識別情報を使用して前記表示装置へアクセスし、前記表示装置が有する画面情報を取得する画面情報取得部と、
データ記憶部から前記会議資料の会議資料データを読み出し、前記識別情報を用いて前記会議資料データを前記表示装置へ配信するとともに、前記会議資料データから得られる前記会議資料の各ページの表示サイズと、前記画面情報から得られる画面サイズとを比較して、前記各ページにつき印刷装置で印刷させるか否かを判断し、印刷させると判断した場合、前記会議資料データおよび印刷させるページを指定する情報を送信して該ページの印刷を前記印刷装置に実行させる比較判断部とを含む、印刷制御装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続される1以上の前記印刷装置へアクセスし、各前記印刷装置から対応可能な最大用紙サイズを含む機器情報を取得する機器情報管理部をさらに含み、
前記比較判断部は、印刷装置で印刷させると判断した場合、前記会議資料の表示サイズと、前記機器情報管理部から取得した各前記印刷装置の機器情報に含まれる前記最大用紙サイズとを比較して、印刷を実行させる印刷装置を決定する、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記機器情報は、カラー印刷可能であるか否かの情報を含み、前記比較判断部は、前記会議資料データからカラーページの有無を判断し、カラーページが存在する場合、カラー印刷可能で、前記会議資料の表示サイズが収まる最大用紙サイズをもつ印刷装置を、印刷を実行させる印刷装置として決定する、請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記比較判断部は、決定した前記印刷装置の前記機器情報を前記機器情報管理部から受け付け、該機器情報を前記表示装置へ送信する、請求項2または3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記機器情報管理部は、印刷を実行する前記印刷装置からエラー情報を取得し、前記比較判断部が、前記機器情報管理部から取得した前記エラー情報を、前記表示装置へ送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記比較判断部は、前記印刷装置へ送信する前記会議資料データに認証情報を関連付けて送信し、該会議資料データを該印刷装置に蓄積させるとともに、送信先の前記印刷装置の機器情報と前記会議資料データを識別するためのデータ識別情報と認証情報とを前記表示装置へ送信し、表示させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記データ記憶部は、少なくとも会議日時または参加者を識別するためのユーザ識別情報が関連付けられた複数の前記会議資料データを記憶し、前記情報受信部は、前記読取装置から前記参加者が入室した旨の通知を受信し、前記比較判断部は、前記通知を受けた時刻より後で該時刻に最も近い会議日時が関連付けられた会議資料データ、または前記通知に含まれる前記参加者の情報に一致する前記ユーザ識別情報が関連付けられた会議資料データを検索し読み出す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷制御装置と、前記印刷制御装置から送信された会議資料データを使用して会議資料を表示する表示装置と、前記印刷制御装置により判断された前記会議資料の印刷すべきページの印刷を実行する印刷装置とを含む、会議資料配布システム。
【請求項9】
1以上のページから構成される会議資料の印刷を制御する印刷制御装置により実行される印刷制御方法であって、前記印刷制御装置は、情報受信部と、画面情報取得部と、比較判断部とを含み、
前記情報受信部が、会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、前記情報記録媒体が記憶する表示装置を識別するための識別情報を読み出し取得する読取装置から、前記識別情報を受信するステップと、
前記画面情報取得部が、受信された前記識別情報を使用して前記表示装置へアクセスし、前記表示装置が有する画面情報を取得するステップと、
前記比較判断部が、データ記憶部から前記会議資料の会議資料データを読み出し、前記識別情報を用いて前記会議資料データを前記表示装置へ配信するとともに、前記会議資料データから得られる前記会議資料の各ページの表示サイズと、前記画面情報から得られる画面サイズとを比較して、前記各ページにつき印刷装置で印刷させるか否かを判断し、印刷させると判断した場合、前記会議資料データおよび印刷させるページを指定する情報を送信して該ページの印刷を前記印刷装置に実行させるステップとを含む、印刷制御方法。
【請求項10】
前記印刷制御装置は、さらに機器情報管理部を含み、
前記機器情報管理部が、ネットワークを介して接続される1以上の前記印刷装置へアクセスし、各前記印刷装置から対応可能な最大用紙サイズを含む機器情報を取得するステップと、
前記比較判断部が、前記実行させるステップにおいて前記印刷装置で印刷させると判断した場合に、前記会議資料の表示サイズと、前記機器情報管理部から取得した各前記印刷装置の機器情報に含まれる前記最大用紙サイズとを比較して、印刷を実行させる印刷装置を決定するステップとをさらに含む、請求項9に記載の印刷制御方法。
【請求項1】
1以上のページから構成される会議資料の印刷を制御する印刷制御装置であって、
会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、前記情報記録媒体が記憶する表示装置を識別するための識別情報を読み出し取得する読取装置から、前記識別情報を受信する情報受信部と、
受信された前記識別情報を使用して前記表示装置へアクセスし、前記表示装置が有する画面情報を取得する画面情報取得部と、
データ記憶部から前記会議資料の会議資料データを読み出し、前記識別情報を用いて前記会議資料データを前記表示装置へ配信するとともに、前記会議資料データから得られる前記会議資料の各ページの表示サイズと、前記画面情報から得られる画面サイズとを比較して、前記各ページにつき印刷装置で印刷させるか否かを判断し、印刷させると判断した場合、前記会議資料データおよび印刷させるページを指定する情報を送信して該ページの印刷を前記印刷装置に実行させる比較判断部とを含む、印刷制御装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続される1以上の前記印刷装置へアクセスし、各前記印刷装置から対応可能な最大用紙サイズを含む機器情報を取得する機器情報管理部をさらに含み、
前記比較判断部は、印刷装置で印刷させると判断した場合、前記会議資料の表示サイズと、前記機器情報管理部から取得した各前記印刷装置の機器情報に含まれる前記最大用紙サイズとを比較して、印刷を実行させる印刷装置を決定する、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記機器情報は、カラー印刷可能であるか否かの情報を含み、前記比較判断部は、前記会議資料データからカラーページの有無を判断し、カラーページが存在する場合、カラー印刷可能で、前記会議資料の表示サイズが収まる最大用紙サイズをもつ印刷装置を、印刷を実行させる印刷装置として決定する、請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記比較判断部は、決定した前記印刷装置の前記機器情報を前記機器情報管理部から受け付け、該機器情報を前記表示装置へ送信する、請求項2または3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記機器情報管理部は、印刷を実行する前記印刷装置からエラー情報を取得し、前記比較判断部が、前記機器情報管理部から取得した前記エラー情報を、前記表示装置へ送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記比較判断部は、前記印刷装置へ送信する前記会議資料データに認証情報を関連付けて送信し、該会議資料データを該印刷装置に蓄積させるとともに、送信先の前記印刷装置の機器情報と前記会議資料データを識別するためのデータ識別情報と認証情報とを前記表示装置へ送信し、表示させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記データ記憶部は、少なくとも会議日時または参加者を識別するためのユーザ識別情報が関連付けられた複数の前記会議資料データを記憶し、前記情報受信部は、前記読取装置から前記参加者が入室した旨の通知を受信し、前記比較判断部は、前記通知を受けた時刻より後で該時刻に最も近い会議日時が関連付けられた会議資料データ、または前記通知に含まれる前記参加者の情報に一致する前記ユーザ識別情報が関連付けられた会議資料データを検索し読み出す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷制御装置と、前記印刷制御装置から送信された会議資料データを使用して会議資料を表示する表示装置と、前記印刷制御装置により判断された前記会議資料の印刷すべきページの印刷を実行する印刷装置とを含む、会議資料配布システム。
【請求項9】
1以上のページから構成される会議資料の印刷を制御する印刷制御装置により実行される印刷制御方法であって、前記印刷制御装置は、情報受信部と、画面情報取得部と、比較判断部とを含み、
前記情報受信部が、会議の参加者が所持する情報記録媒体を検出し、前記情報記録媒体が記憶する表示装置を識別するための識別情報を読み出し取得する読取装置から、前記識別情報を受信するステップと、
前記画面情報取得部が、受信された前記識別情報を使用して前記表示装置へアクセスし、前記表示装置が有する画面情報を取得するステップと、
前記比較判断部が、データ記憶部から前記会議資料の会議資料データを読み出し、前記識別情報を用いて前記会議資料データを前記表示装置へ配信するとともに、前記会議資料データから得られる前記会議資料の各ページの表示サイズと、前記画面情報から得られる画面サイズとを比較して、前記各ページにつき印刷装置で印刷させるか否かを判断し、印刷させると判断した場合、前記会議資料データおよび印刷させるページを指定する情報を送信して該ページの印刷を前記印刷装置に実行させるステップとを含む、印刷制御方法。
【請求項10】
前記印刷制御装置は、さらに機器情報管理部を含み、
前記機器情報管理部が、ネットワークを介して接続される1以上の前記印刷装置へアクセスし、各前記印刷装置から対応可能な最大用紙サイズを含む機器情報を取得するステップと、
前記比較判断部が、前記実行させるステップにおいて前記印刷装置で印刷させると判断した場合に、前記会議資料の表示サイズと、前記機器情報管理部から取得した各前記印刷装置の機器情報に含まれる前記最大用紙サイズとを比較して、印刷を実行させる印刷装置を決定するステップとをさらに含む、請求項9に記載の印刷制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−235385(P2012−235385A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103594(P2011−103594)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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