説明

印刷制御装置及びテンプレート管理方法

【課題】 本発明は、プリンタ本体からテンプレートを削除したとしても、印刷履歴にある画像データをテンプレート付きで印刷する可能な印刷制御装置を提供する。
【解決手段】 テンプレート格納部に格納される複数のテンプレートのうち、印刷履歴に残っているテンプレートについてはただ単に削除せずに、テンプレートを外部記録装置に転送し、その後テンプレート格納部から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンプレートを画像に合成して印刷可能な印刷制御装置、および、テンプレートと印刷履歴を管理するためのテンプレート管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラの普及に伴い、ダイレクトプリントの需要が高まってきた。デジタルカメラとプリンタを直接接続し、デジタルカメラで画像を選択して印刷するカメラダイレクトプリントやデジタルカメラで撮影した画像が格納されているメモリカードをプリンタに装着して画像を印刷するカードダイレクトプリント等である。それらの中には、あらかじめ画像と合成するためのスタンプやフレーム等のテンプレートを保持した製品も登場してきた。ここで、プリンタにおいてテンプレートを管理する従来手法について説明する。
【0003】
例えば、特許文献1では、テンプレートと画像データのコピーを特定のフォルダに格納し、そのフォルダ内のものを全て削除不可(ReadOnly)にしておく。これによって、画像データが割り付けられた状態でレイアウト定義データを誤って削除することを防止できる画像処理装置が提案されている。
【特許文献1】特開2006−285393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プリンタの印刷履歴で使用されているテンプレートが削除された場合、印刷履歴の画像データをテンプレート付きで印刷できなくなってしまうという問題点があった。特許文献1では、テンプレートと画像データをコピーすることでこの問題を回避しているが、テンプレートを削除することはできないのでデータ容量が増えてしまうという別の問題が発生してしまう。
【0005】
本発明では、テンプレートの削除の指定が可能な印刷装置において、印刷履歴で使用されているテンプレートの削除が指示された場合に、削除されるテンプレートを使用可能としながらテンプレートを削除可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の印刷制御装置は、印刷手段により画像を印刷するための制御を行う印刷制御装置であって、複数のテンプレートを格納するためのテンプレート格納手段と画像と共に印刷されたテンプレートを特定するための情報を含む印刷履歴を格納する印刷履歴格納手段と、複数のテンプレートのうちテンプレート格納手段から削除するテンプレートを指示する削除指示手段と、削除指示手段により削除指示されたテンプレートを使用している印刷履歴が印刷履歴格納手段に格納されているかを判断する判断手段と、判断手段により削除指示されたテンプレートを使用している印刷履歴が印刷履歴格納手段に格納されていると判断された場合に、削除指示されたテンプレートを外部記録装置に転送してからテンプレート格納手段から削除する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プリンタの印刷履歴で使用されているテンプレートがプリンタから削除されても、そのテンプレートを使用して画像データを印刷できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0009】
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は本実施形態のプリンタの構成を示すブロック図である。
【0011】
本実施例のプリンタ1は、プリンタに装着されたメモリーカード2、または、プリンタと接続されたホストコンピュータまたはデジタルカメラ3等から印刷対象の画像を取得して印刷することが可能である。2はプリンタ1に装着されるメモリーカードで、画像データが記録されている。メモリーカード等の記録媒体をプリンタのカードスロットに装着して、メモリーカードに記録されている画像データを印刷することができる。11は、プリンタ1全体を制御し、各種データ演算や処理を行うCPUである。12は、CPU11が演算や処理を行う際に各種データの格納や、ワークスペーストして用いるRAM、13はCPU11で実行されるプログラムや各種データを予め格納しておくROMである。また、CPU11はROM13から必要なプログラムを読み出し、読み出したプログラムに基づいて各部の制御及び演算処理を行う。14はユーザインターフェースモジュールで、電源ボタンや画像送りボタンなどの操作キー等から構成される。ユーザにより操作キーを介して指示が入力されたことに応じて、その指示を受け付けて、CPUに伝える。CPUは、ユーザからの操作内容に応じて、各部の動作を制御する。15は、デジタルカメラやPC等と有線若しくは無線の通信インターフェースを介して接続し、データの送受信を行うためのI/Oポート部である。16は、画像データを印刷するプリントモジュールで、プリントヘッドや給排紙モータ、ヘッド、モータを制御するためのIC等を備えている。17は表示モジュールで、LCD、LCDドライバ、等から構成される。表示モジュール17は、LCDにメモリーカード2に記録されている画像を表示させたり、起動待機画面、印刷設定変更画面を表示させたりする。また、表示モジュール17は、ユーザが図2の操作キー等を操作したことに応じて、LCDの表示画面を変更したりする表示制御を行う。18は、メモリーカード2にアクセスしてデータを取得するためのメモリカードインターフェースである。19は、プリンタ1に電源を供給する電源モジュールである。20は、テンプレートデータが格納されたテンプレート格納部用のRAMである。21は、印刷したことがある画像データおよびテンプレートデータとのリンク情報が格納された印刷履歴格納部である。
【0012】
図2は、プリンタのユーザインターフェースとして、図2のような複数の操作部材および、LCD表示部を有している。
【0013】
201は電源ボタンで、プリンタ本体の電源をON、OFFするためのである。202はEDITボタンで、表示部に表示される画像へのトリミング枠の設定等の指示を行うための操作ボタンである。203はDISPボタンで、204は、画像にテンプレートの付加やカレンダーの作成といった特殊なプリントの設定を開始するためのCREATIVEボタンである。
【0014】
205はMENUボタンで、プリンタ本体の設定のための本体設定画面や印刷条件の設定を行う印刷設定画面の呼び出しに用いられる。206はLCD表示部で、メモリーカード2似記録されている画像を表示したり、プリンタ本体の設定画面、印刷条件の設定画面を表示したりする。207はTELEボタン、208はWIDEボタンで、LCD表示部206に表示されている画像の拡大や縮小の指示を行うためのボタンである。また、シングル表示、マルチ表示の切替えにもこのボタンが用いられる。さらに、トリミング領域の設定の際には、トリミング領域枠の拡大縮小の指示が可能である。209はPRINTボタンで、プリント開始の指示を与えるために用いられる。210はSETボタンで、各設定の決定するために用いる。211〜214は、十字キーで、211は右、212は下、213は左、214は上に対応している。設定画面における項目の選択のためのカーソル移動や、印刷枚数の設定、表示画像送り、戻しの指示等に用いられる。215は、選択された画像データやテンプレートデータを削除するためのDELETEボタンである。
【0015】
図3は、本実施形態のプリンタでテンプレート格納部に格納されているテンプレートを削除する際の手順である。テンプレートの削除の指示については後に説明する。
【0016】
ステップ301で、ユーザは削除したいテンプレートを選択して削除を実行する。ステップ302で、印刷履歴格納部のHistory.datを読み込む。ステップ303で、その削除の指示がされたテンプレートが印刷履歴で使用されているかを判定する。テンプレートが印刷履歴の中で使用されているかの判断は、印刷履歴格納部のHistory.datのリンク情報にそのテンプレートを示す情報が記録されているかを確認することにより判断する。本実施形態においては、削除指定されたテンプレートを示すリンク情報が記録されている場合は印刷履歴で使用されていると判断するが、他の方法を用いてもよい。たとえば印刷履歴で指定されているテンプレートの一覧情報を印刷履歴格納部またはテンプレート格納部に保持しておきその情報から判断しても良い。ステップ303においてテンプレートが印刷履歴で使用されていないと判断された場合、ステップ312でプリンタのテンプレート格納部から削除を指示されたテンプレートを削除する。削除を指示されたテンプレートが印刷履歴で使用されていると判断された場合、ステップ304では通信判定を行い、プリンタとPCが接続されているかを判定する。ステップ304の接続判定でプリンタとPCが接続されていないと判断された場合、ステップ305でプリンタとPCの接続を促すメッセージをプリンタのLCDに表示する。なお、このメッセージの表示、非表示はプリンタで切り替えられるものとする。ステップ306で、再度プリンタとPCが接続されているかを判定する。ただし、ステップ305が実行されない場合、ステップ306を実行しなくても良い。テンプレートが印刷履歴で使用されている、かつ、プリンタとPCが接続されている場合、ステップ307でプリンタからPCへ削除指定されたテンプレートを転送する。次に、ステップ308でHistory.datのテンプレートのリンク情報を変更する。リンク情報には、テンプレートが格納されているかを示す格納場所やテンプレートデータのファイル名を示す情報を記録する。どのPCに転送されたかを示すためのPC特定情報(機種情報、固有ID等)も記録しても良い。削除指定されたテンプレートをPCへ転送し、対応するリンク情報を更新したら、ステップ309で削除指定されたテンプレートをテンプレート格納部20から削除する。ステップ303、304でテンプレートが印刷履歴で使用されている。かつ、プリントPCが接続されていないと判定された場合、ステップ310、311でテンプレートに転送指定マークを付加して、後にPCが接続されたときにテンプレートを転送するための転送予約をする。まずステップ310で、テンプレート格納部のTemplate.datを読み込む。図10のように、Template.datは、Templateフォルダ(テンプレート格納部)に格納されているテンプレートがリストとして記録されている。そしてステップ311で、対象テンプレートの「Transfer Order」を「Yes」に変更する。本実施形態では、テンプレート格納部に記録されているテンプレートのリストが記述されているTemplate.datに転送マークを付加して転送の予約をしたが、それぞれのテンプレートデータファイルに転送マークを付加しても良い。Template.datに転送マークするほうが1つのファイルを読み込むだけでテンプレート格納部に格納されている全てのテンプレートの転送マークを確認できて便利である。転送指定マークが付加されたテンプレートは、PCとテンプレートが接続されると、プリンタからPCに転送される。このテンプレート転送の処理については後述する。ユーザがプリンタのテンプレートを削除する理由のひとつとして、新しいテンプレートを追加するための容量を確保することが挙げられる。新しいテンプレートを追加する場合、ユーザはプリンタとPCを接続する必要がある。そのため、PCとプリンタが接続された場合に、削除したいテンプレートを転送すれば良い。
【0017】
このように本実施形態では、印刷履歴で使用されているテンプレートを削除可能である。さらに、プリンタから削除するテンプレートが印刷履歴で使用されている場合は、削除指定されたテンプレートをPCに転送するように制御する。そのため、テンプレートを削除後にも、削除されたテンプレートに対応する印刷履歴に応じた印刷をPCを接続することにより可能となる。
【0018】
図4は、本実施形態のプリンタにおいて、印刷履歴に基づいて画像を印刷する際にテンプレート付き画像を印刷する場合の手順である。印刷履歴に基づいて印刷する画像を選択する場合の説明は後述する。また、テンプレートを合成しない画像の印刷は図4の手順を行わずに、印刷履歴格納部から印刷対象の画像データを読み出してプリントモジュールにより印刷する。
【0019】
ステップ401で、印刷履歴に基づいてテンプレートを合成した画像の印刷実行指示が入力される。ステップ402で、印刷履歴格納部のHistory.datを読み込む。ステップ403で、その印刷が指示された印刷履歴の画像に合成するテンプレートがプリンタ内に存在するかを判定する。プリンタ内に存在するか否かは、リンク情報によりプリンタに格納されているテンプレートかそれともPCに格納されているテンプレートかを確認することにより判定できる。ステップ404で、プリンタとPCが接続されているかを判定する。プリンタとPCが接続されていない場合、ステップ405でプリンタとPCの接続を促すメッセージをプリンタのLCDに表示する。なお、このメッセージの表示、非表示はプリンタで切り替えられるものとする。ステップ406で、再度プリンタとPCが接続されているかを判定する。ただし、ステップ405が実行されない場合、ステップ406も実行されないものとする。テンプレートがプリンタ内に存在する、またはテンプレートがプリンタ内に存在しないがプリンタとPCが接続されている場合、ステップ407でテンプレートを読み込む。テンプレートがPCにある場合はPCと通信しテンプレート取得する。次に、ステップ408で画像データとテンプレートをプリントモジュールへ転送する。テンプレートデータがプリンタ内に存在しない、かつプリンタとPCが接続されていない場合、ステップ409,410で画像ファイルに印刷指定マークを付加して、後にPCが接続された場合にこの印刷履歴に基づく印刷を行うための印刷予約をする。ステップ409で、印刷履歴格納部のHistory.datを読み込む。ステップ410で、対象画像ファイルの「Print Order」を「Yes」に変更する。
【0020】
ステップ409、410で印刷予約する前に、PCを接続することにより今すぐ印刷可能なことを通知し、PCを接続するか後で印刷するための予約をするかを選択させるための表示を行っても良い。この場合はPCを接続するを選択されるとステップ407、408の処理を行い、後で印刷を選択されるとステップ409,410の処理を行う。
【0021】
このように、本実施形態のプリンタにおいては、印刷履歴に基づいてテンプレート付の画像を印刷する際に、テンプレートがプリンタに格納されている場合は通常の履歴印刷を実行し、テンプレートがPCに転送されている場合は、印刷指定マークを付加する。そして、次回プリンタと接続した際に、印刷指定マークで印刷予約されている印刷履歴に基づいて印刷を行うための制御する。このようなシステムにより、プリンタから削除したテンプレートに基づく履歴印刷を可能としている。また、上記の手順では印刷指定マークを付加し、後にPCと接続された際に印刷指定され印刷履歴の画像を印刷するものとしたが、PCと接続することにより今すぐに印刷可能であることを通知するための表示を行っても良い。また,リンク情報にPCの機種名や固有情報等のPCを特定するための情報を記録している場合は、どのPCに接続することにより印刷が可能であるかをあわせて表示しても良い。
【0022】
図5は、図3のステップ311で転送指定マークを付加されたテンプレートを、後にPCとプリンタが接続された際にプリンタからPCに転送するための手順である。
【0023】
ステップ501で、プリンタとPCを接続する。ステップ502で、テンプレート格納部のTemplate.datを読み込む。ステップ503で、転送指定マーク付きテンプレートが存在するかを判定する。Template.datファイルの「Transfer Order」が「Yes」のテンプレートがその対象である。前記テンプレートが存在する場合、ステップ504でプリンタからPCへテンプレートを転送する。次に、ステップ505で、テンプレートの「Transfer Order」を「No」に変更する。
【0024】
図6は、図4のステップ410において印刷指定マークを付加された印刷履歴の画像を、PCとプリンタが接続された際に印刷するための手順である。
【0025】
ステップ601で、プリンタとPCを接続する。ステップ602で、印刷履歴格納部のHistory.datを読み込む。ステップ603で、印刷指定マーク付き画像が存在するかを判定する。History.datファイルの「Print Order」が「Yes」の画像ファイルがその対象である。前記画像データが存在する場合、ステップ604でPCからテンプレートを読み込む。ステップ605で、画像データとテンプレートをプリントモジュールへ転送し、印刷履歴に基づいてテンプレートと画像データを合成した画像を印刷する。画像の印刷が終了すると、ステップ606で、対象画像ファイルの「Print Order」を「No」に変更する。
【0026】
図9は、印刷履歴格納部のデータ構造例である。
【0027】
901は、プリンタの印刷履歴格納部を表すルートディレクトリである。このディレクトリの下に、ユーザが印刷したことのある画像ファイルと、印刷履歴のリスト、テンプレートのリンク情報および印刷指定マークを管理したリストが格納されている。格納できる画像ファイルの枚数は、印刷履歴格納部のRAMサイズによって異なる。印刷履歴格納部に保存できる画像ファイルの枚数が制限値を超えた場合、プリンタは古い画像ファイルから自動的に削除する。902は、ユーザが印刷したことがある画像ファイルのうちのひとつ「IMG_0001.JPG」である。ここでは、印刷したことのある画像ファイルがファイル名順に表示されているが、印刷した日付順および枚数順に画像ファイルが表示されていても良いものとする。903は、印刷履歴のリストで、画像ファイルとテンプレートのリンク情報および印刷指定マークも管理している「History.dat」である。印刷履歴のリストであるHistory.dat内には、それぞれの印刷履歴に関して、904〜906のデータが記録されている。904は画像ファイル名、905は画像ファイルと関連付けられているテンプレートの格納場所、そして、906は画像ファイルに印刷指定マークが付加されているかを示している。例えば、907は画像ファイル「IMG_0001.JPG」が、プリンタのテンプレート格納部に格納された「TempA.svg」を使用して印刷したことがあり、印刷指定マークが付加されていないことを示す。ユーザが印刷履歴から画像ファイル「IMG_0001.JPG」をテンプレート付きで再印刷する場合、プリンタのテンプレート格納部に格納された「TempA.svg」を使用して印刷することができる。一方、908は画像ファイル「IMG_0003.JPG」が、PCのテンプレート格納部に格納された「TempC.svg」を使用して印刷したことがあり、印刷指定マークが付加されていることを示す。ユーザが印刷履歴から画像ファイル「IMG_0003.JPG」をテンプレート付きで再印刷する場合、テンプレート「TempC.svg」はPCのテンプレート格納部に保存されているため、ユーザはPCとプリンタを接続する必要がある。しかし、908では印刷指定マークが付加されているので、PCとプリンタが接続されていない状態で「IMG_0003.JPG」をテンプレート付きで印刷したことを意味している。なお、印刷指定マークが付加された画像ファイルは、PCとプリンタが接続されると、図6の処理手順に従って印刷される。
【0028】
図10は、テンプレート格納部のデータ構造例である。
【0029】
1001は、プリンタのテンプレート格納部を表すルートディレクトリである。このディレクトリの下に、プリンタにセットされたテンプレートデータと転送指定マークを管理したリストが格納されている。格納できるテンプレートデータの枚数は、テンプレート格納部のRAMサイズによって異なる。1002は、プリンタにセットされたテンプレートデータのうちのひとつ「TempA.svg」である。ここでは、テンプレートデータがファイル名順に表示されているが、テンプレートの使用回数順または使用日時順にテンプレートデータが表示されていても良いものとする。1003は、テンプレートの転送指定マークを管理するリスト「Template.dat」である。テンプレートのリストであるTemplate.datには、それぞれのテンプレートデータについて、1004、1005のデータが記録されている。1004はテンプレートデータの画像ファイル名(ファイル名だけでなく画像の格納場所を記録しても良い)、1005はテンプレートデータに転送指定マークが付加されているかを示している。例えば、1006はテンプレート「TempA.svg」に転送指定マークが付加されていないことを示す。これは、ユーザがこのテンプレートをプリンタから削除指定していないことを示している。一方、1007はテンプレート「TempC.svg」に転送指定マークが付加されていることを示す。これは、ユーザがこのテンプレートをプリンタから削除指定したことを示している。このテンプレートは印刷履歴で使用されていたため、プリンタはプリンタからPCへ転送することを試みる。しかし、プリンタとPCが接続されていないため、このテンプレートデータには転送指定マークが付加されている。なお、転送指定マークが付加されたテンプレートデータは、PCとプリンタが接続されると、図5の処理手順に従って転送される。
【0030】
図11は、本発明を適用できるプリンタでテンプレート選択画面をLCDに表示する手順である。テンプレート選択画面は印刷履歴に基づく印刷ではなく、通常の画像を選択して印刷する場合に、テンプレートを合成しての印刷が選択されると表示される。そして、テンプレート選択画面表示でユーザは上下左右ボタンやSRTボタンを操作して、画像に合成するテンプレートを選択することができる。テンプレート選択画面では、テンプレート格納部に格納されているテンプレートが表示されるが、転送マークが付加されているテンプレートは削除指示されたテンプレートであるため、テンプレート選択画面には表示させず、選択不可とする。また、テンプレート選択画面だけでなく図13、図14のような削除するテンプレートを選択するための画面でも同様の処理を行う。
【0031】
ステップ1101で、テンプレート格納部のTemplate.datを読み込む。ステップ1102で、「Transfer Order」が「No」のテンプレートを読み込む。ステップ1103で、1102で該当したテンプレートをプリンタの表示モジュールへ転送する。Template.dat ファイルの「Transfer Order」が「Yes」のテンプレートをLCDに表示しない理由は、「Yes」のテンプレートは、ユーザが既に削除したと思っているからである。そのテンプレートがプリンタのLCDに表示されてしまうと、混乱を招いてしまう。そのため、プリンタのLCDには、「Transfer Order」が「No」のテンプレートのみを表示させ、選択可能とする必要がある。
【0032】
図12は、本発明を適用できるプリンタでプリンタとPCの接続要求をLCDに表示した画面図である。
【0033】
1201は、ボタン205を押下すると、プリンタ本体の設定のための本体設定画面に戻ることを示している。1202は、ボタン210を押下すると、プリンタとPCが接続された場合、次の画面へ遷移することを示し、プリンタとPCが接続されていない場合、再度接続を促すメッセージをLCDに表示することを示している。なお、プリンタ本体の設定でこの表示のON・OFFを切り替えられるものとする。
【0034】
図13は、テンプレート格納部20に格納されているテンプレートをマルチ表示した場合の画面図である。1301は、プリンタにセットされたテンプレートのひとつを示す。1302は、テンプレートが選択されていることを示す表示枠である。ユーザは、十字キー211〜214を用いて選択したいテンプレートを変更できる。また、TELEボタン207、WIDEボタン208を操作することによって、LCD表示部206に表示されているテンプレートのシングル表示、マルチ表示を切り替えることができる。1303は、ボタン215を押下すると、1302で選択されたテンプレートの削除を行うことを確認するメッセージをLCDに表示する。ユーザが了承した場合、プリンタは図3の手順に従ってそのテンプレートを処理する。1304は、ボタン209を押下すると、1302で選択されたテンプレートに使用する画像を選択する画面に遷移する。なお、画像が既に選択されていた状態でボタン209が押下された場合、印刷設定を確認する画面に遷移または印刷を実行する。この設定はプリンタ本体で切り替えられるものとする。
【0035】
図14は、プリンタでテンプレート格納部に格納されているテンプレートをシングル表示した場合の画面図である。
【0036】
1401は、ボタン215を押下すると、1302で選択されたテンプレートの削除を行うことを確認するメッセージをLCDに表示する。ユーザが了承した場合、プリンタは図3の手順に従ってそのテンプレートを処理する。1402は、ボタン209を押下すると、LCDに表示されたテンプレートに使用する画像を選択する画面に遷移する。なお、画像が既に選択されていた状態でボタン209が押下された場合、印刷設定を確認する画面に遷移または印刷を実行する。この設定はプリンタ本体で切り替えられるものとする。また、TELEボタン207、WIDEボタン208を操作することによって、LCD表示部206に表示されている画像ファイルのシングル表示、マルチ表示を切り替えることができる。
【0037】
図7は、プリンタで印刷したことがある画像をマルチ表示した場合の印刷履歴選択画面、図8は、プリンタで印刷したことがある画像をシングル表示した場合の印刷履歴選択画面である。つまり、図7,8の画面では、印刷履歴格納部に格納されている印刷履歴に基づいて画像が表示される。ユーザはこの画面で印刷履歴を選択することにより、印刷履歴に基づく印刷、つまり前に印刷した時と同じ設定で印刷し、同じ印刷結果を取得することが可能である。ユーザはこの画面を用いて印刷履歴による印刷を指示し、印刷指示された印刷履歴においてテンプレートが使用される場合は図4の処理を行う。テンプレートが使用されていない場合は、印刷履歴格納部に記録されている画像データと履歴データを用いて印刷を行うことになる。
【0038】
図7において、701は、印刷したことがある画像ファイルが選択されていることを示す表示枠である。ユーザは、十字キー211〜214を用いて選択したい画像を変更できる。また、TELEボタン207、WIDEボタン208を操作することによって、LCD表示部206に表示されている画像ファイルのシングル表示、マルチ表示を切り替えることができる。702および703は、プリンタで印刷したことがあるテンプレート付き画像ファイルであり、異なる種類のテンプレートを使用して同一の画像ファイルを印刷したことがあることを示している。704は、テンプレート付き画像ファイル702の印刷枚数を表している。印刷枚数は、705は、ボタン209を押下すると、701で選択されたテンプレート付き画像ファイルの印刷設定を確認する画面に遷移または印刷を実行する。この設定はプリンタ本体で切り替えられるものとする。
【0039】
図8において、801は、LCDに表示されたテンプレート付き画像ファイルの印刷枚数を表している。ユーザは、十字キー212または214を用いて印刷枚数を変更することができる。また、TELEボタン207、WIDEボタン208を操作することによって、LCD表示部206に表示されている画像ファイルのシングル表示、マルチ表示を切り替えることができる。802は、ボタン209を押下すると、LCDに表示されたテンプレート付き画像の印刷設定を確認する画面に遷移または印刷を実行する。この設定はプリンタ本体で切り替えられるものとする。
【0040】
本実施例の印刷履歴選択画面では印刷履歴格納部に格納されている全ての印刷履歴を印刷履歴選択画面に表示して印刷履歴を選択可能としている。そして、選択された印刷履歴で使用されるテンプレートがプリンタ内に格納されていない場合は、PCからテンプレートを取得することで履歴印刷を可能としている。
【0041】
また、PCが接続されていない場合は、PC接続語に印刷予約をすることでPC接続後に直ちに印刷されるようにしている。しかし、テンプレートが格納されているPCと接続されていない場合は、取得不可能なテンプレートを使用している印刷履歴を印刷履歴選択画面に表示させずに選択不可能とし、すぐに印刷を実行可能な印刷履歴のみ表示・選択させるようにしても良い。
【0042】
(その他の実施例)
上述の実施形態ではプリンタに本発明を適応した場合について説明したが、印刷履歴およびテンプレートを保持可能であり、プリンタと通信可能な印刷制御装置に適応しても良い。また、印刷履歴格納部やテンプレート格納部のために2つの記録媒体を用意しても良いし、1つ記録媒体に印刷履歴とテンプレートの両方を記録し、印刷履歴格納部とテンプレート格納部を兼用するようにしても良い。また、上記実施例におけるPCについてもこれに限定されず、プリンタや印刷制御装置と通信可能な外部記録装置であれば適応できる。
【0043】
また、上述の実施形態を実現するためのプログラムのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPU)が記憶媒体からプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。
【0044】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0045】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM等を用いることができる。
【0046】
また、記憶媒体から読み出されたプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0047】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれるようにしてもよい。そして、その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】プリンタのユーザインターフェース図である。
【図3】テンプレートをPCに転送する手順である。
【図4】テンプレート付き画像を印刷する手順である。
【図5】転送指定マーク付きテンプレートをPCに転送する手順である。
【図6】印刷指定マーク付き画像を印刷する手順である。
【図7】印刷履歴をマルチ表示した場合の画面の一例である。
【図8】印刷履歴をシングル表示した場合の画面の一例である。
【図9】印刷履歴格納部のデータ構造例である。
【図10】テンプレート格納部のデータ構造例である。
【図11】テンプレートをLCDに表示する手順である。
【図12】プリンタとPCの接続要求をLCDに表示した画面図である。
【図13】テンプレートをマルチ表示した場合の画面の一例である。
【図14】テンプレートをシングル表示した場合の画面の一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷手段により画像を印刷するための制御を行う印刷制御装置であって、
複数のテンプレートを格納するためのテンプレート格納手段と
画像と共に印刷されたテンプレートを特定するための情報を含む印刷履歴を格納する印刷履歴格納手段と、
前記複数のテンプレートのうち前記テンプレート格納手段から削除するテンプレートを指示する削除指示手段と、
前記削除指示手段により削除指示されたテンプレートを使用している印刷履歴が前記印刷履歴格納手段に格納されているかを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記削除指示されたテンプレートを使用している印刷履歴が前記印刷履歴格納手段に格納されていると判断された場合に、前記削除指示されたテンプレートを外部記録装置に転送してから前記テンプレート格納手段から削除する制御手段とを有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記印刷履歴は、印刷された画像データと、テンプレートへのリンク情報とを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記外部記録装置と通信可能であるかを判定する通信判定手段を有し、
前記通信判定手段により前記外部記録装置と通信可能でないと判定された場合に、前記外部記録装置との接続を促すための表示を行う表示手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記表示手段により接続を促すための表示を行った後に前記外部記録装置と通信可能でないと判断した場合に、前記外部記録装置と接続されたときに前記削除指示されたテンプレートを前記外部記録装置に転送するための転送予約をする転送予約手段を有することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記外部記録装置と通信可能であるかを判定する通信判定手段を有し、
前記通信判定手段により前記外部記録装置と通信可能でないと判定された場合には、前記外部記録装置と接続されたときに前記削除指示されたテンプレートを前記外部記録装置に転送するための転送予約をする転送予約手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記外部記録装置と接続された場合に、前記転送予約手段により転送予約されたテンプレートを前記外部記録装置に転送し、転送したテンプレートを前記テンプレート格納手段から削除することを特徴とする請求項4または5に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
画像と共に印刷するテンプレートデータを選択するためのテンプレート選択手段を有し、
前記選択手段は、前記転送予約手段により転送予約されたテンプレートを選択不可とすることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
画像と共に印刷するテンプレートデータを選択するためのテンプレート選択画面を表示する選択画面表示手段を有し、
前記選択画面表示手段は、前記転送予約手段により転送予約されたテンプレートを表示させないことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項9】
前記印刷履歴格納手段に格納される複数の印刷履歴の中から印刷履歴を選択する履歴選択手段と、
前記選択された印刷履歴において使用されるテンプレートが前記テンプレート格納手段に格納されているかを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により前記テンプレート格納手段に格納されていないと判断された場合に、前記外部記録装置からテンプレートを取得するためのテンプレート取得手段とを有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項10】
前記第2の判断手段により前記テンプレート格納手段に格納されていないと判断され、さらに、前記外部記録装置と接続されていない場合は、前記外部記録装置が接続された時に前記履歴選択手段により選択された印刷履歴に基づく印刷を実行するための予約をする印刷予約手段を有することを特徴とする請求項9に記載の印刷制御装置。
【請求項11】
前記印刷履歴格納手段に格納される複数の印刷履歴の中から印刷履歴を選択する履歴選択手段を有し、
履歴選択手段は、前記外部記録装置と接続されていない場合には、前記テンプレート格納手段に格納されていないテンプレートを使用する印刷履歴を選択不可とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項12】
前記複数のテンプレートが格納された前記テンプレート格納手段から削除するテンプレートを指示する削除指示工程と、
画像と共に印刷されたテンプレートを特定するための情報を含む印刷履歴を格納する印刷履歴格納手段に、前記削除指示工程で削除指示されたテンプレートを使用している印刷履歴が格納されているかを判断する判断工程と、
前記判断工程で前記削除指示されたテンプレートを使用している印刷履歴が前記印刷履歴格納手段に格納されていると判断された場合に、前記削除指示されたテンプレートを外部記録装置に転送する転送工程と、
前記転送工程で転送されたテンプレートを前記テンプレート格納手段から削除する削除工程とを有することを特徴とするテンプレート管理方法。
【請求項13】
請求項12に記載のテンプレート管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−131907(P2010−131907A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311227(P2008−311227)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】