説明

印刷装置、制御プログラム、印刷システム

【課題】複数種類のカートリッジの内、規定印刷データに基づく印刷に適したカートリッジの情報を、使用実績に基づく適切な態様で報知可能な印刷装置、印刷装置の制御プログラム、印刷システムを提供する。
【解決手段】テープ印刷装置1は、複数種類のテープカセット30をカセット収納部20に装着可能に構成されており、装着されたテープカセット30を用いて印刷を行う。既定ラベルデータが選択されると、テープ印刷装置1は、カセット収納部20に装着されたテープカセットの種類を特定し(S3)、推奨カセットであるか否かを判定する。推奨カセットでない場合、テープ印刷装置1は、既定ラベルデータとカセット種類特定テーブル53Aに基づいて、推奨カセットの種類を特定し、その使用実績情報を参照する(S8)。テープ印刷装置1は、推奨カセットの使用実績に対応する態様で、推奨カセットの情報を液晶ディスプレイ5に表示する(S10、S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類のカートリッジを装着可能に構成され、装着されたカートリッジの被記録媒体に印刷可能な印刷装置、印刷装置の制御プログラム、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置においては、複数種類のカートリッジを装着部に対して選択的に装着可能に構成され、装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施すものが知られている。このような印刷装置に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。当該特許文献1記載の印字ラベル作成装置は、複数種類のカートリッジをカートリッジホルダに選択的に装着可能に構成されており、当該カートリッジホルダに装着されているカートリッジのテープに対して、印字データに基づく印刷を施すように構成されている。
【0003】
特許文献1記載の印字ラベル作成装置は、印字内容を示すラベル印字情報及び当該印字内容に適合するテープの要件(例えば、幅、材質、色等の条件)と、カートリッジホルダに装着されているカートリッジの種類を照合する。当該カートリッジの種類は、カートリッジ内のテープの幅、材質、インクリボン等に基づく印刷色、基材テープ等による背景色によって規定されている。ラベル印字情報の印字に適合するテープの要件と、カートリッジの種類の照合結果が適合しなかった場合、当該印字ラベル作成装置は、カートリッジを交換すべき旨のメッセージと共に、新たに装着すべきカートリッジの種類に関するガイダンスメッセージを、液晶ディスプレイに表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−214832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に係る発明のように、複数種類のカートリッジを使用可能に構成された印刷装置の場合、ユーザは、使用可能な複数種類のカートリッジから、任意のカートリッジを購入して使用する。従って、カートリッジの種類によっては、ユーザが購入したことも使用したこともない(即ち、使用実績のない)種類のカートリッジが存在する場合がある。
【0006】
又、特許文献1記載の印字ラベル作成装置は、ラベル印字情報の印字に適合するテープの要件と、カートリッジの種類の照合結果が適合しなかった場合、画一的なガイダンスメッセージを液晶ディスプレイに表示する。従って、当該特許文献1においては、ガイダンスメッセージが画一的であるため、当該ガイダンスメッセージが含む「新たに装着すべきカートリッジを特定する為の情報量」も一定となってしまう。
【0007】
一方、新たに装着すべきカートリッジを特定する為に必要な情報量は、ガイダンスメッセージを受け取るユーザの状況によって相違する。具体的には、当該ガイダンスメッセージの示すカートリッジについて、使用実績のあるユーザにとっては、ガイダンスメッセージには、必要最小限の情報量があれば、新たに装着すべきカートリッジの種類を特定することができるが、使用実績のないユーザにとっては、使用実績のあるユーザと同じ情報量では特定することができず、更に多くの「新たに装着すべきカートリッジを特定する為の情報」が必要となる。
【0008】
従って、特許文献1のように、画一的なガイダンスメッセージを表示する場合、当該ガイダンスメッセージの情報量を「使用実績のあるユーザ」を基準に設定してしまうと、「使用実績のないユーザ」にとっては、情報量が不足し、新たに装着すべきカートリッジの種類を特定し得ない状況が生まれてしまう。又、「使用実績のないユーザ」を基準に設定した場合、「使用実績のあるユーザ」にとっては、特に必要としない情報が含まれてしまい、迂遠なガイダンスメッセージとなってしまう。
【0009】
本発明は、複数種類のカートリッジを装着可能に構成され、装着されたカートリッジの被記録媒体に印刷可能な印刷装置等に関し、印刷に用いるカートリッジの情報を、使用実績に基づく適切な態様で報知可能な印刷装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る印刷装置は、被記録媒体を収納する複数種類のカートリッジを着脱可能に構成された装着部と、前記装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施す印刷手段と、を有する印刷装置であって、予め出力態様が規定された規定印刷データを記憶する既定印刷データ記憶手段と、前記規定印刷データ記憶手段に記憶された規定印刷データの中から、所望の規定印刷データを選択する選択手段と、前記複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定するカートリッジ種類特定手段と、前記印刷手段による被記録媒体の使用実績を示す使用実績情報を、前記カートリッジの種類毎に記憶する使用実績記憶手段と、前記選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
当該印刷装置は、装着部と、印刷手段とを有しており、複数種類のカートリッジから選択的に装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して、印刷手段によって印刷を行い得る。又、当該印刷装置は、規定印刷データ記憶手段と、選択手段と、カートリッジ種類特定手段と、使用実績記憶手段と、報知手段と、を有している。そして、当該印刷装置は、選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、使用実績記憶手段に記憶され、且つ、カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する。従って、当該印刷装置は、規定印刷データの出力条件と、カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に基づいて、特定されたカートリッジについて、当該規定印刷データの出力に関する適否を特定し得る。更に、当該印刷装置は、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する為、使用実績の有無に関わらず、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、適切な態様でユーザに伝達し得る。
【0012】
そして、請求項2記載の印刷装置は、請求項1記載の印刷装置であって、前記カートリッジ種類特定手段は、前記装着部に装着されている一のカートリッジの種類を特定し、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて定まり、前記印刷手段によって当該被記録媒体に対して印刷可能な条件を示すカートリッジ条件情報を、前記カートリッジの種類毎に記憶するカートリッジ条件記憶手段と、前記カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に基づいて、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶されているカートリッジ条件情報の中から、前記装着部に装着されたカートリッジに係るカートリッジ条件情報を特定するカートリッジ条件特定手段と、を有し、前記報知手段は、前記選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジ条件情報と、に基づいて、当該規定印刷データの出力に関し、前記装着部に装着されているカートリッジの適性を判定する適性判定手段と、前記適性判定手段による判定結果と、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、前記装着部に装着されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報の内容を特定して報知する報知制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
当該印刷装置は、カートリッジ条件記憶手段と、カートリッジ条件特定手段と、を有しており、カートリッジ種類特定手段は、装着部に装着されている一のカートリッジの種類を特定する。従って、当該印刷装置は、カートリッジ条件特定手段によって、カートリッジ条件記憶手段に記憶されているカートリッジ条件情報の中から、装着部に装着されたカートリッジに係るカートリッジ条件情報を特定し得る。そして、報知手段は、適性判定手段により、選択された規定印刷データの出力条件と、カートリッジ条件特定手段によって特定されたカートリッジ条件情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に関し、装着部に装着されたカートリッジの適性を判定し、報知制御手段によって、当該判定結果と、装着部に装着されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報の内容を特定して報知する。従って、当該印刷装置は、装着部に装着されたカートリッジの適性を踏まえ、且つ、使用実績に応じた態様で、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を報知する。この結果、ユーザは、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、装着部に装着されたカートリッジの適性及び使用実績を踏まえた態様で把握することができる。
【0014】
又、請求項3記載の印刷装置は、請求項2に記載の印刷装置であって、前記出力条件は、前記規定印刷データに基づいて出力する際の出力範囲を含み、前記カートリッジ条件情報は、前記カートリッジに収納されている被記録媒体に対して印刷可能な印刷範囲を示す印刷範囲情報を含み、前記適性判定手段は、前記選択手段により選択された規定印刷データの出力条件における出力範囲と、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジ条件情報における印刷範囲情報と、に基づいて、当該規定印刷データを、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、印刷可能であるか否かを判定し、前記報知制御手段は、前記適性判定手段によって、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを印刷不能であると判定された場合、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を特定し、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知することを特徴とする。
【0015】
当該印刷装置において、出力条件は、規定印刷データを出力する際の出力範囲を含み、カートリッジ条件情報は、印刷範囲情報を含んでいる。当該印刷装置は、適性判定手段によって、選択された規定印刷データの出力範囲と、カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジの印刷範囲情報に基づいて、当該規定印刷データを、装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に印刷可能であるか否かを判定する。そして、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを印刷不能であると判定された場合、当該印刷装置は、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知する。従って、当該印刷装置によれば、装着部に装着されているカートリッジを用いて、選択された規定印刷データを出力し得ない場合であっても、ユーザは、当該規定印刷データを出力可能なカートリッジの種類を確実に特定することができる。
【0016】
又、請求項4記載の印刷装置は、請求項2又は請求項3に記載の印刷装置であって、前記出力条件は、前記規定印刷データの出力に適した適正配色条件を含み、前記カートリッジ条件情報は、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて規定される出力色条件を示す出力色情報を含み、前記適性判定手段は、前記選択手段により選択された規定印刷データの出力条件における適正配色条件と、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジ条件情報における出力色情報と、に基づいて、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷可能であるか否かを判定し、前記報知制御手段は、前記適性判定手段によって、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷不能であると判定された場合、当該適正配色条件で印刷可能なカートリッジの種類を特定し、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを適正な配色で印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知することを特徴とする。
【0017】
当該印刷装置において、出力条件は、規定印刷データの出力に適した適正配色条件を含み、カートリッジ条件情報は、出力色情報を含んでいる。当該印刷装置は、適性判定手段によって、選択された規定印刷データの適正配色条件と、カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジの印刷範囲情報に基づいて、当該規定印刷データを、装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に適正な配色で出力可能であるか否かを判定する。そして、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを適正配色条件に係る配色で印刷不能であると判定された場合、当該印刷装置は、適正配色条件に係る配色で当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知する。従って、当該印刷装置によれば、装着部に装着されているカートリッジを用いて、選択された規定印刷データを適正な配色で出力し得ない場合であっても、ユーザは、当該規定印刷データを適正な配色で出力可能なカートリッジの種類を確実に特定することができる。
【0018】
そして、請求項5記載の印刷装置の制御プログラムは、被記録媒体を収納する複数種類のカートリッジを着脱可能に構成された装着部と、前記装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施す印刷手段と、種々の情報を記憶する記憶手段と、前記印刷手段による印刷に関する種々の制御を行う制御手段と、を有する印刷装置の制御プログラムであって、前記制御手段に、前記記憶手段に記憶され、予め出力態様が規定された規定印刷データから、所望の規定印刷データの選択を受け付ける選択手順と、前記複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定するカートリッジ種類特定手順と、前記記憶手段に前記カートリッジの種類毎に記憶され、前記印刷手段による被記録媒体の使用実績を示す使用実績情報の内、特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報と、選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する報知手順と、を実行させることを特徴とする。
【0019】
当該印刷装置の制御プログラムは、装着部と、印刷手段と、記憶手段と、制御手段を有する印刷装置において、制御手段により実行される。当該印刷装置の制御プログラムは、制御手段によって実行されることで、請求項1記載の印刷装置と同様の効果を奏する。
【0020】
又、請求項6記載の印刷装置の制御プログラムは、請求項5記載の印刷装置の制御プログラムであって、前記制御手段に、前記カートリッジ種類特定手順において、前記装着部に装着されている一のカートリッジの種類を特定させ、前記記憶手段に前記カートリッジの種類毎に記憶されており、且つ、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて定まり、前記印刷手段によって当該被記録媒体に対して印刷可能な条件を示すカートリッジ条件情報から、前記特定されたカートリッジの種類に基づいて、前記装着部に装着されたカートリッジに係るカートリッジ条件情報を特定するカートリッジ条件特定手順を実行し、前記報知手順において、前記選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記カートリッジ条件特定手順によって特定されたカートリッジ条件情報と、に基づいて、当該規定印刷データの出力に関し、前記装着部に装着されているカートリッジの適性を判定する適性判定手順と、前記適性判定手順における判定結果と、前記特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報の内容を特定して報知する報知制御手順と、を実行させることを特徴とする。
【0021】
当該印刷装置の制御プログラムは、制御手段によって実行されることで、請求項2記載の印刷装置と同様の効果を奏する。
【0022】
又、請求項7記載の印刷装置の制御プログラムは、請求項6に記載の印刷装置の制御プログラムであって、前記制御手段に、前記適性判定手順において、前記選択された規定印刷データの出力条件に含まれ、当該規定印刷データに基づいて出力する際の出力範囲と、前記カートリッジ条件特定手順によって特定されたカートリッジ条件情報に含まれ、当該カートリッジに収納されている被記録媒体に対して印刷可能な印刷範囲を示す印刷範囲情報と、に基づいて、当該規定印刷データを、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、印刷可能であるか否かを判定させ、前記報知制御手順において、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを印刷不能であると判定された場合、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を特定させ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知させることを特徴とする。
【0023】
当該印刷装置の制御プログラムは、制御手段によって実行されることで、請求項3記載の印刷装置と同様の効果を奏する。
【0024】
又、請求項8記載の印刷装置の制御プログラムは、請求項6又は請求項7に記載の印刷装置の制御プログラムであって、前記制御手段に、前記適性判定手順において、前記選択手段により選択された規定印刷データの出力条件に含まれ、前記規定印刷データの出力に適した適正配色条件と、前記カートリッジ条件特定手順によって特定されたカートリッジ条件情報に含まれ、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて規定される出力色条件を示す出力色情報と、に基づいて、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷可能であるか否かを判定させ、前記報知制御手順において、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷不能であると判定された場合、当該適正配色条件で印刷可能なカートリッジの種類を特定させ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知させることを特徴とする。
【0025】
当該印刷装置の制御プログラムは、制御手段によって実行されることで、請求項4記載の印刷装置と同様の効果を奏する。
【0026】
そして、請求項9に係る印刷システムは、被記録媒体を収納する複数種類のカートリッジを着脱可能に構成された装着部と、前記装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施す印刷手段と、を有する印刷装置と、前記印刷手段による印刷に関する種々の制御を行う制御手段と、を備える制御装置と、を有する印刷システムであって、予め出力態様が規定された規定印刷データを記憶する記憶手段と、前記印刷装置による被記録媒体の使用実績を示す使用実績情報を、前記カートリッジの種類毎に記憶する使用実績記憶手段と、を有し、前記制御装置は、前記記憶手段に記憶されている規定印刷データの中から、所望の規定印刷データを選択する選択手段と、前記複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定するカートリッジ種類特定手段と、前記選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
【0027】
当該印刷システムは、印刷装置と、制御装置と、記憶手段と、使用実績記憶手段とを有して構成されており、印刷装置は、装着部と、印刷手段とを有している。そして、制御装置は、制御手段と、選択手段と、カートリッジ種類特定手段と、報知手段とを有している。即ち、当該印刷システムは、上述した請求項1に係る印刷装置及び請求項4に係る印刷装置の制御プログラムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係るテープ印刷装置の上面図である。
【図2】テープ印刷装置の側面図である。
【図3】テープ印刷装置のカセット収納部周辺を示す説明図である。
【図4】テープ印刷装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】カセット種類特定テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】使用実績情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図7】規定ラベルデータ記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図8】ラベル印刷処理プログラムのフローチャートである。
【図9】推奨テープカセット報知画面の一例を示す説明図である。
【図10】印刷可能カセット報知処理プログラムのフローチャートである。
【図11】印刷可能カセット報知画面(1)の説明図である。
【図12】印刷可能カセット報知画面(2)の説明図である。
【図13】第2実施形態に係る印刷システムに関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るテープ印刷装置を、テープカセットのテープに対して印刷を行うテープ印刷装置1に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
先ず、第1実施形態に係るテープ印刷装置の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。図1及び図2に示すように、第1実施形態に係るテープ印刷装置1は、本体筐体2を有しており、本体筐体2内部にテープ印刷装置1を構成する各種構成部品を格納している。本体筐体2上面の後方には、収納カバー3が開閉自在に軸支されている。当該収納カバー3は、本体筐体2内部に形成されたカセット収納部20の上方を覆う。
【0031】
カセット収納部20には、後述するテープカセット30が着脱可能に装着される。そして、カセット収納部20には、プラテンローラ21と、テープサブローラ22と、テープ駆動ローラ軸23と、リボン巻取軸24と、サーマルヘッド25と、切断装置40が配設されている(図3参照)。カセット収納部20及びテープカセット30の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0032】
そして、本体筐体2には、テープ排出口6、アダプタ挿入口7、コネクタ8が形成されている。テープ排出口6は、カセット収納部20の左側面部に形成されている。印刷された印刷テープTは、当該テープ排出口6から本体筐体2外部へ排出される。アダプタ挿入口7及びコネクタ8は、本体筐体2の側面部に形成されている(図2参照)。アダプタ挿入口7には、テープ印刷装置1へ電源を供給する電源アダプタが取り付けられる。コネクタ8には、USBケーブルが取り付けられ、テープ印刷装置1と外部装置(例えば、コンピュータ装置70等)とを通信可能に接続する。
【0033】
テープ印刷装置1は、本体筐体2上面の前側部分に、キーボード10を有している。当該キーボード10は、文字入力キー11と、印刷キー12と、リターンキー13と、カーソルキー14と、機能キー15と、電源キー16と、既定ラベルキー17等の複数の入力キーを備える。文字入力キー11は、アルファベット、数字、記号等のキャラクタを示す複数のキーにより構成され、複数のキャラクタを含み得るテキストデータを作成する際に入力される。印刷キー12は、テキストデータや後述する規定ラベルデータ等を、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の印刷テープTに印刷する際に入力される。リターンキー13は、改行指令や各種処理の実行、選択確定を指令する際に入力される。カーソルキー14は、液晶ディスプレイ5に表示されたカーソルを、上下、左右に移動させる際に入力される。機能キー15は、テープ印刷装置1における各種機能を選択する際に入力される。電源キー16は、テープ印刷装置1に対する電源投入を切り替える際に入力される。既定ラベルキー17は、後述する既定ラベルデータ記憶領域54Aに格納されている既定ラベルデータに基づいて、既定ラベルを作成する際に入力される。又、キーボード10の下側には、後述する制御回路部50が形成された制御基板9が配設されている(図2参照)。
【0034】
そして、テープ印刷装置1は、本体筐体2上面のキーボード10後方部分に、液晶ディスプレイ5を有する。当該液晶ディスプレイ5は、文字入力キー11により入力されたテキストや、推奨テープカセット報知画面(図9参照)、印刷可能カセット報知画面(図11、図12参照)等を表示する。
【0035】
次に、テープ印刷装置1のカセット収納部20及びテープカセット30の構成について、図3を参照しつつ詳細に説明する。先ず、カセット収納部20の構成について説明する。
【0036】
上述したように、カセット収納部20には、サーマルヘッド25が配設されている。当該サーマルヘッド25は、所定個数(本実施形態では、256個)の発熱素子と、放熱板25Aにより構成される。放熱板25Aは、正面視略縦長四角形の平板状で、メッキ鋼板等により形成されている。そして、当該放熱板25Aには、所定個数の各発熱素子が、放熱板25Aの左端縁部の辺に平行に一列に配設され、接着剤等によって固着されている。そして、放熱板25Aは、テープカセット30の開口部35(図3参照)に対応する位置に、ビス止め等によって、カセット収納部20底面に略垂直に立設されて固設されている。従って、各発熱素子の配列方向は、印刷テープTの搬送方向に略直交する。
【0037】
又、当該カセット収納部20には、プラテンローラ21と、テープサブローラ22と、テープ駆動ローラ軸23と、リボン巻取軸24等が配設されている。プラテンローラ21は、上述したサーマルヘッド25と対向する位置に配設されており、印刷テープTをサーマルヘッド25の各発熱素子へ押圧しつつ搬送する。
【0038】
テープサブローラ22、テープ駆動ローラ軸23は、プラテンローラ21よりも印刷テープTの搬送方向下流側に配設されている。テープ駆動ローラ軸23は、テープサブローラ22と対向する位置に配設されており、ステッピングモータ等により構成されるテープ搬送モータ62(図4参照)によって回転駆動され、テープ搬送ローラ36(図3参照)を回転駆動する。リボン巻取軸24は、テープ搬送モータ62によって適宜の駆動機構を介して回転駆動され、テープカセット30内の印刷テープTを搬送する。
【0039】
そして、当該テープ印刷装置1においては、複数種類のテープカセット30を、カセット収納部20に装着可能に構成されている。テープカセット30の種類は、テープカセット30に収納されているテープの種類、背景色、印刷色、幅等により分類される。
【0040】
テープの種類としては、ラミネートテープ、レセプタテープ、布テープを挙げることができる。ラミネートテープは、印刷面を透明フィルムで保護するように構成されたテープであり、インクリボンを用いて印刷されるように構成されているテープである。そして、レセプタテープは、テープ表面(印刷面)を露出した構成のテープであり、感熱発色性を有するテープ(例えば、感熱テープ等)により構成される。布テープは、アイロンを使用して、衣類等に張り付けることができる布製のテープである。
【0041】
また、テープ幅は、印刷テープTの幅を意味し、6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、36mm等の種々の幅を含む。背景色は、印刷テープTの背景を構成する部分の色(地色)を意味し、印刷色は、印刷に用いられるインクリボンの色や、感熱発色した際に発色した色を意味する。
【0042】
次に、テープカセット30の構成について説明する。ここでは、テープカセット30の一例として、ラミネートテープを収容したテープカセット30について、図面を参照しつつ説明する。尚、レセプタテープを収容したテープカセット30、布テープを収容したテープカセット30の構成については、既に公知であるため、その説明は省略する。
【0043】
図3に示すように、ラミネートテープを収容したテープカセット30は、フィルムテープF、インクリボンI、両面粘着テープDを収容しており、リール31、リボン巻取リール32、テープスプール33、テープスプール34を備えている。
【0044】
フィルムテープFは、透明テープ等により構成され、回転可能に保持されたテープスプール34に巻回された状態でテープカセット30に収納されている。インクリボンIは、フィルムテープFに印刷を施す際に用いられ、回転可能に保持されたリール31に巻回された状態でテープカセット30に収納されている。従って、当該インクリボンIのインク色は、当該テープカセット30の印刷色に相当する。又、当該インクリボンIの一端部は、回転可能に保持されたリボン巻取リール32に接続されており、使用済みのインクリボンIは、当該リボン巻取リール32に巻回される。両面粘着テープDは、回転可能に保持されたテープスプール33に、片面に剥離紙を重ね合わされた状態で巻回されており、テープスプール33から引き出された両面粘着テープDは、フィルムテープFに裏貼りされる。従って、ラミネートタイプのテープカセット30においては、両面粘着テープDの地色が、背景色となる。
【0045】
続いて、当該テープ印刷装置1で印刷を行う際のテープカセット30の動作について説明する。印刷開始に伴い、インクリボンIは、リール31から引き出され、フィルムテープFと重ねあわされた状態で、開口部35へ搬送される。そして、フィルムテープF及びインクリボンIは、開口部35において、サーマルヘッド25及びプラテンローラ21の間を通過する。従って、テープ印刷装置1は、サーマルヘッド25の各発熱素子の発熱態様を制御することで、インクリボンIを用いて所望の感熱印刷を行い得る。開口部35を通過した後、インクリボンIは、フィルムテープFから引き離され、リボン巻取リール32により巻き取られる。
【0046】
一方、両面粘着テープDは、テープスプール33から引き出され、開口部35を通過したフィルムテープF(即ち、印刷が施されたフィルムテープF)と共に、テープ搬送モータ62の駆動を受けて回転するテープ搬送ローラ36と、テープ搬送ローラ36に対向配置されるテープサブローラ22との間へ搬送される。この時、両面粘着テープDは、粘着面がフィルムテープFに面する状態で、テープ搬送ローラ36とテープサブローラ22との間へ搬送される。従って、両面粘着テープDは、テープ搬送ローラ36とテープサブローラ22により挟持・搬送されることで、フィルムテープFに貼着される。フィルムテープFに両面粘着テープDが貼着されることで、印刷テープTを構成する。その後、印刷テープTは、テープ搬送ローラ36、テープサブローラ22の協働により、テープ排出口6から排出される。
【0047】
ここで、テープカセット30の底壁部には、突出片37が設けられている。突出片37は、4つの突出爪の有無の組合せにより、当該テープカセット30の種類(テープの種類、背景色、印刷色、幅の組合せ)を示す。又、カセット収納部20底面には、カセットセンサ58が、テープカセット30をカセット収納部20に装着した場合に、突出片37と対向する位置に配設されている。従って、カセットセンサ58は、突出片37を構成する突出爪の組合せに応じた検出信号により、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の種類を検出し得る。
【0048】
カセット収納部20の左側面には、切断装置40が配設されている(図3参照)。当該切断装置40は、補助フレーム41と、固定刃42と、枢支軸43と、操作レバー44と、可動刃45により構成されており、制御回路部50による制御に基づいて、印刷テープTを切断する。
【0049】
補助フレーム41は、テープ印刷装置1の本体フレームの直ぐ内側に立設固定された板状のフレームである。固定刃42は、当該補助フレーム41の上縁に沿って、上向きに固着されている。又、補助フレーム41には、枢支軸43が固着されており、当該枢支軸43は、前後方向に延びる操作レバー44の前端部を回動可能に枢支する。操作レバー44において、枢支軸43よりも前側部分には、可動刃45が、固定刃42と対向するように下向きに固着されている。そして、操作レバー44の後端部は、切断用モータ64(図4参照)に連結された揺動駆動機構(図示せず)に接続されている。従って、当該テープ印刷装置1は、制御回路部50の制御により、切断用モータ64を駆動することで、可動刃45を固定刃42に接近させ、固定刃42と可動刃45の間に位置する印刷テープTを剪断する。
【0050】
次に、テープ印刷装置1の制御系について図4を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、テープ印刷装置1の中枢を担う制御回路部50は、制御基板9上に形成されている。図4に示すように、制御回路部50は、CPU51と、CGROM52と、ROM53と、EEPROM54と、RAM55と、入出力I/F56と、通信用I/F57等を備えている。
【0051】
CPU51は、テープ印刷装置1の制御の中枢を担う中央演算装置であり、後述するROM53に記憶されている各種制御プログラム(例えば、図8、図10参照)を実行する。CGROM52は、各キャラクタに対応するドットパターンデータを記憶しており、液晶ディスプレイ5上にキャラクタを表示する際には、CPU51は、当該ドットパターンデータに基づいて表示する。
【0052】
ROM53は、テープ印刷装置1の制御に必要な各種制御プログラムやデータを記憶している。上記制御プログラムは、ラベル印刷処理プログラム(図8参照)、印刷可能カセット報知処理プログラム(図10参照)を含む。
【0053】
又、ROM53は、カセット種類特定テーブル53Aを格納している。図5に示すように、当該カセット種類特定テーブル53Aは、カセット収納部20に装着可能なテープカセット30の種類毎に、当該テープカセット30に収納されている印刷テープTのテープ幅、テープの種類、背景色、印刷色を示す情報を対応付けることによって構成されている。
従って、CPU51は、カセットセンサ58の検出信号により、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の種類を特定すれば、カセット種類特定テーブル53Aを参照することにより、当該テープカセット30に収容されている印刷テープTの詳細な情報(テープ幅等)を取得し得る。又、CPU51は、印刷テープTの詳細な情報(テープ幅等)を条件として特定すれば、当該カセット種類特定テーブル53Aを参照することで、条件に合致する印刷テープTを収容したテープカセット30の種類を特定し得る。
【0054】
EEPROM54は、テープ印刷装置1の電源をオフしてもこれらの記憶内容を保持可能な記憶装置であり、既定ラベルデータ記憶領域54A、使用実績情報記憶領域54Bを有している。図7に示すように、既定ラベルデータ記憶領域54Aは、印刷データである既定ラベルデータを複数記憶する記憶領域である。当該既定ラベルデータは、所定のデザインを示す画像データにより構成され、一の言語で表現されたメッセージを画像として含んでいる。例えば、ラベル名「注意」に係る既定ラベルデータは、「Warning−HOT!」のメッセージを画像として含んでいる(図7参照)。従って、当該既定ラベルデータを印刷対象とすれば、テープ印刷装置1は、既定ラベルデータが示す画像を、印刷テープTへ印刷し得る。
【0055】
又、各既定ラベルデータは、既定ラベルの出力に関する諸条件を示す情報を有している。既定ラベルの出力に関する諸条件としては、必要テープ幅、推奨テープ種類、推奨背景色、推奨印刷色を含んでいる。必要テープ幅は、当該既定ラベルデータに基づいて、既定ラベルを印刷テープTに印刷する為に必要な印刷テープTの幅を示す。推奨テープ種類は、当該既定ラベルデータに基づく既定ラベルの印刷に最適な印刷テープTの種類を示す。推奨背景色は、当該既定ラベルデータに基づく既定ラベルの印刷に最適な印刷テープTの背景色を示し、当該既定ラベルに係る画像及びメッセージの意味や概念、及び、既定ラベルの使用環境に対応して定められている。推奨印刷色は、当該既定ラベルデータに基づく既定ラベルの印刷に最適な印刷テープTの印刷色を示し、当該既定ラベルに係る画像及びメッセージの意味や概念、及び、既定ラベルの使用環境に対応して定められている。尚、図7の推奨テープ種類、推奨背景色、推奨印刷色における「−」の表記は、特定の種類や色に限定されることなく、種々のテープ種類や色を採用しても良い旨を意味している。
【0056】
図6に示すように、使用実績情報記憶領域54Bは、カセット収納部20に装着可能なテープカセット30の種類毎に、使用実績情報を格納している。使用実績情報は、当該テープ印刷装置1によって、当該テープカセット30に収納されている印刷テープTを使用した印刷を行ったことがあるか否かを示す。従って、使用実績情報は、初期状態では、印刷テープTを使用した印刷を行ったことがないことを意味する「×(実績なし)」を示し、印刷テープTを使用した印刷を行った時点で、CPU51により「○(実績あり)」に変更される。
【0057】
RAM55は、CPU51による各種演算結果を一時的に記憶する。当該RAM55には、印刷バッファ55A、編集入力領域55B、表示画像バッファ55C等の各種のメモリ領域が設けられている。印刷バッファ55Aには、複数の文字や記号等の印刷用ドットパターンを格納する。編集入力領域55Bは、印刷データを編集する際に印刷データを格納する。又、表示画像バッファ55Cは、液晶ディスプレイ5に表示される印刷イメージデータ等を格納する。
【0058】
入出力I/F56には、キーボード10と、カセットセンサ58と、液晶ディスプレイコントローラ60と、ヘッド駆動回路61と、搬送駆動回路63と、切断駆動回路65とが夫々接続されている。カセットセンサ58は、上述したように、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の種類を検出する。液晶ディスプレイコントローラ60は、液晶ディスプレイ5に表示データを出力する為のビデオRAMを有し、液晶ディスプレイ5の表示態様を制御する。ヘッド駆動回路61は、サーマルヘッド25の駆動制御を行う際に用いられ、サーマルヘッド25を構成する各発熱素子の発熱態様を制御する。搬送駆動回路63は、印刷データの印刷やフィード処理に際し、テープ搬送モータ62の駆動制御を行い、印刷テープTの搬送制御を行う。切断駆動回路65は、印刷テープTを切断する際に、切断用モータ64の駆動制御を行う。
【0059】
通信用I/F57は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等から構成され、外部装置(例えば、コンピュータ装置70)とUSBケーブル等によって接続され、当該外部装置との間で双方向データ通信を行う際に用いられる。
【0060】
続いて、第1実施形態に係るテープ印刷装置1のラベル印刷処理プログラムについて、図8を参照しつつ詳細に説明する。当該ラベル印刷処理プログラムは、既定ラベルキー17が入力され、既定ラベルデータ記憶領域54A内の既定ラベルデータから、カーソルキー14等の操作によって、ユーザ所望の規定ラベルデータが選択された時点で、CPU51により実行される。
【0061】
図8に示すように、ラベル印刷処理プログラムの実行を開始すると、CPU51は、先ず、ユーザによって選択された既定ラベルデータのラベル印刷条件を取得する(S1)。具体的には、CPU51は、ユーザ所望の規定ラベルデータの必要テープ幅、推奨テープ種類、推奨背景色、推奨印刷色の情報を取得する。ラベル印刷条件を取得した後、CPU51は、S2に処理を移行する。
【0062】
S2では、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号の有無に基づいて、カセット収納部20にテープカセット30が装着されているか否かを判断する。テープカセット30がカセット収納部20に装着されている場合(S2:YES)、CPU51は、S3に処理を移行する。一方、テープカセット30がカセット収納部20に装着されていない場合(S2:NO)、CPU51は、S13に処理を移行する。
【0063】
S3においては、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号と、カセット種類特定テーブル(図5参照)に基づいて、装着カセット種別特定処理を実行する。装着カセット種別特定処理(S3)では、CPU51は、カセットセンサ58からの検出信号に基づいて、カセット収納部20に装着されているテープカセット30(以下、装着カセットという)の種類を特定する。そして、CPU51は、セット種類特定テーブル(図5参照)を参照して、特定した装着カセットに収容されている印刷テープTのテープ幅、テープの種類、背景色、印刷色を示す情報を取得する。これらの情報をRAM55に格納し、装着カセット種別特定処理(S3)を終了すると、CPU51は、S4に処理を移行する。
【0064】
S4に移行すると、CPU51は、既定ラベルデータの必要テープ幅と、装着カセットに係るテープ幅の情報に基づいて、装着カセットに収納されている印刷テープT(以下、装着テープという)に対して、既定ラベルデータを印刷可能であるか否かを判断する。装着テープに印刷可能である場合(S4:YES)、CPU51は、S5に処理を移行する。一方、装着テープに印刷できない場合(S4:NO)、CPU51は、S13に処理を移行する。
【0065】
S5では、CPU51は、既定ラベルデータの推奨テープ種別と、装着カセットに係るテープ種類の情報に基づいて、装着テープの種別(ラミネートテープ、レセプタテープ、布テープ等)が既定ラベルデータに係る推奨テープ種別であるか否かを判断する。装着テープの種別が推奨テープ種別である場合(S5:YES)、CPU51は、S6に処理を移行する。一方、装着テープの種別が推奨テープ種別でない場合(S5:NO)、CPU51は、S8に処理を移行する。
【0066】
S6においては、CPU51は、既定ラベルデータの推奨背景色と、装着カセットに係る印刷テープTの背景色に関する情報に基づいて、装着テープの背景色が既定ラベルデータに係る推奨背景色であるか否かを判断する。装着テープの背景色が推奨背景色である場合(S6:YES)、CPU51は、S7に処理を移行する。一方、装着テープの背景色が推奨背景色でない場合(S6:NO)、CPU51は、S8に処理を移行する。
【0067】
S7に移行すると、CPU51は、既定ラベルデータの推奨印刷色と、装着カセットに係る印刷テープTの印刷色に関する情報に基づいて、装着テープの印刷色が既定ラベルデータに係る推奨印刷色であるか否かを判断する。装着テープの印刷色が推奨印刷色である場合(S7:YES)、CPU51は、S14に処理を移行する。一方、装着テープの印刷色が推奨印刷色でない場合(S7:NO)、CPU51は、S8に処理を移行する。
【0068】
ここで、S8に移行する場合は、S4〜S7の処理結果により、「カセット収納部20には、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30が装着されているが、当該既定ラベルデータの印刷出力により適した種類のテープカセット30が存在する」と判定された場合である。
【0069】
S8では、CPU51は、先ず、既定ラベルデータに係る必要テープ幅、推奨テープ種別、推奨背景色、推奨印刷色と、カセット種別特定テーブル(図5参照)に基づいて、推奨カセットを特定する。推奨カセットとは、既定ラベルデータに係る必要テープ幅、推奨テープ種別、推奨背景色、推奨印刷色の全てを満たす印刷テープTが収容されているテープカセット30の種類を意味する。推奨カセットの種類を特定した後、CPU51は、使用実績情報記憶領域54Bを参照して、当該推奨カセットの使用実績情報を確認する。その後、CPU51は、S9に処理を移行する。
【0070】
S9においては、CPU51は、S8における確認結果に基づいて、推奨カセットの使用実績があるか否かを判断する。推奨カセットの使用実績がある場合(S9:YES)、CPU51は、S10に処理を移行する。一方、推奨カセットの使用実績がない場合(S9:NO)、CPU51は、S11に処理を移行する。
【0071】
S10に移行すると、CPU51は、推奨テープカセット報知画面(図9(A)参照)を液晶ディスプレイ5に表示し、装着カセットよりも既定ラベルデータの出力に適したテープカセット30(推奨カセット)の種類をユーザに報知する。推奨テープカセット報知画面(図9(A)参照)を液晶ディスプレイ5に表示した後、CPU51は、S12に処理を移行する。
【0072】
図9(A)に示すように、S10で表示される推奨テープカセット報知画面は、推奨カセットに係るカセット名(例えば、テープカセット(H)等)を表示する。このS10に移行する場合、当該推奨カセットについての使用実績があるので、ユーザは、少なくとも1回以上、推奨カセットに係るテープカセット30を使用した経験があると考えられる。従って、図9(A)のように、推奨テープカセット報知画面において、推奨カセットのカセット名を報知すれば、ユーザは、テープ種別や背景色等の詳細な情報がなくとも、推奨カセットに係るテープカセット30の種類を特定し得る。
【0073】
S11においては、CPU51は、推奨テープカセット報知画面(図9(B)参照)を液晶ディスプレイ5に表示し、推奨カセットの種類をユーザに報知する。推奨テープカセット報知画面(図9(B)参照)を液晶ディスプレイ5に表示した後、CPU51は、S12に処理を移行する。
【0074】
図9(B)に示すように、S11で表示される推奨テープカセット報知画面は、推奨カセットに係るカセット名(例えば、テープカセット(H)等)に加え、推奨カセットに係るテープ種類、背景色、印刷色の内容を表示する。このS11に移行する場合、当該推奨カセットについての使用実績がないので、ユーザは、推奨カセットに係るテープカセット30を1回も使用したことがないと考えられる。従って、図9(A)のように、推奨テープカセット報知画面において、推奨カセットのカセット名のみを報知しても、当該推奨カセットに該当するテープカセット30の種類を特定し得ない場合がある。この点、S11では、推奨テープカセット報知画面において、テープ種別や背景色等の詳細な情報も報知するので、ユーザは、推奨カセットに係るテープカセット30の種類を、確実に特定し得る。
【0075】
S12では、CPU51は、キーボード10の操作信号に基づいて、当該既定ラベルデータの印刷を続行するか否かを判断する。図9に示すように、S10、S11で表示される推奨テープカセット報知画面には、何れも「YES」「NO」の2つの選択肢が含まれている。従って、CPU51は、これらの選択肢の何れが選択されたかに基づいて、S12の判断を行う。既定ラベルデータの印刷を続行すべく、選択肢「YES」が選択された場合(S12:YES)、CPU51は、S14に処理を移行する。一方、既定ラベルデータの印刷を中止すべく、選択肢「NO」が選択された場合(S12:NO)、CPU51は、S15に処理を移行する。
【0076】
S13においては、CPU51は、カセット収納部20にテープカセット30が装着されていないこと(S2:NO)、又は、既定ラベルデータを印刷することができないテープカセット30がカセット収納部20に装着されていること(S4:NO)に基づいて、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30(以下、印刷可能カセットという)を報知すべく、印刷可能カセット報知処理を実行する。具体的には、CPU51は、印刷可能カセット報知処理プログラム(図10参照)を実行することで、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30の種類を、ユーザに報知する。印刷可能カセット報知処理(S13)の詳細については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。印刷可能カセット報知処理(S13)終了後、CPU51は、S15に処理を移行する。
【0077】
S14では、CPU51は、既定ラベル印刷処理を実行する。具体的には、CPU51は、既定ラベルデータに基づいて、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の印刷テープTに対する印刷を行う。これにより、テープ印刷装置1は、カセット収納部20に装着されているテープカセット30に係る条件で、既定ラベルデータに基づく既定ラベルを出力し得る。この時、CPU51は、カセット収納部20に装着されている該テープカセット30に係る使用実績情報を、「○(実績あり)」に変更する。既定ラベル印刷処理を終了すると、CPU51は、ラベル印刷処理プログラムを終了する。
【0078】
S15に移行すると、CPU51は、キャンセル処理を実行し、現在選択されている既定ラベルデータの印刷出力に関する処理を取り消す。具体的には、CPU51は、既定ラベルデータの選択解除等の種々の処理を実行する。その後、CPU51は、ラベル印刷処理プログラムを終了する。
【0079】
続いて、印刷可能カセット報知処理プログラムについて、図10を参照しつつ詳細に説明する。印刷可能カセット報知処理(S13)に移行すると、CPU51は、印刷可能カセット報知処理プログラムの実行を開始する。図10に示すように、CPU51は、既定ラベルデータ記憶領域54Aを参照し、選択されている既定ラベルデータに関する推奨印刷条件があるか否かを判断する(S21)。ここで、推奨印刷条件とは、推奨テープ種別、推奨背景色、推奨印刷色に既定された特定のテープ種別、背景色、印刷色を意味する。推奨印刷条件がある場合(S21:YES)、CPU51は、S22に処理を移行する。一方、推奨印刷条件がない場合(S21:NO)、CPU51は、S27に処理を移行する。
【0080】
S22においては、CPU51は、推奨カセット特定処理を実行する。具体的には、CPU51は、既定ラベルデータに係る必要テープ幅、推奨テープ種別、推奨背景色、推奨印刷色と、カセット種別特定テーブル(図5参照)に基づいて、推奨カセットを特定する。特定した推奨カセットに関する情報をRAM55に格納した後、CPU51は、S23に処理を移行する。
【0081】
S23では、CPU51は、推奨カセット特定処理(S22)で特定された推奨カセットに関して、使用実績確認処理を実行する。具体的には、CPU51は、使用実績情報記憶領域54Bを参照して、当該推奨カセットの使用実績情報の内容を確認する。その後、CPU51は、S24に処理を移行する。
【0082】
S24に移行すると、CPU51は、使用実績確認処理(S23)の処理結果に基づいて、推奨カセットに使用実績があるか否かを判断する。推奨カセットに使用実績がある場合(S24:YES)、CPU51は、S25に処理を移行する。一方、推奨カセットに使用実績がない場合(S24:NO)、CPU51は、S26に処理を移行する。
【0083】
S25においては、CPU51は、印刷可能カセット報知画面(図11参照)を液晶ディスプレイ5に表示し、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30の種類をユーザに報知する。尚、推奨カセット特定処理(S22)で特定された推奨カセットは、既定ラベルデータの出力に適したテープカセット30であるため、印刷可能カセットの一つに該当する。印刷可能カセット報知画面を液晶ディスプレイ5に表示した後、CPU51は、印刷可能カセット報知処理プログラムを終了し、ラベル印刷処理プログラムのS15に処理を移行する。
【0084】
図11に示すように、S25で表示される印刷可能カセット報知画面は、当該既定ラベルデータを出力する為に必要な印刷テープTのテープ幅と共に、当該既定ラベルデータに係る印刷可能カセットのカセット名(例えば、テープカセット(H)等)を表示する。このS25に移行する場合、当該推奨カセットについての使用実績があるので、ユーザは、少なくとも1回以上、印刷可能カセットであり、且つ、推奨カセットに該当するテープカセット30を使用した経験があると考えられる。従って、印刷可能カセット報知画面(図11参照)において、当該テープカセット30のカセット名を報知すれば、ユーザは、テープ種別や背景色等の詳細な情報がなくとも、印刷可能カセットに該当するテープカセット30の種類を特定し得る。
【0085】
S26では、CPU51は、印刷可能カセット報知画面(図12(A)参照)を液晶ディスプレイ5に表示し、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30の種類をユーザに報知する。印刷可能カセット報知画面(図12(A)(B)参照)を液晶ディスプレイ5に表示した後、CPU51は、印刷可能カセット報知処理プログラムを終了し、ラベル印刷処理プログラムのS15に処理を移行する。
【0086】
具体的に説明すると、S26で表示される印刷可能カセット報知画面は、図11と同様に、当該既定ラベルデータを出力する為に必要な印刷テープTのテープ幅の表示と共に、リンクボタンLを含んでいる(図12(A)参照)。そして、リンクボタンLが入力された場合、CPU51は、テープカセット詳細画面を表示する。図12(B)に示すように、当該テープカセット詳細画面は、推奨カセット特定処理(S22)で特定された推奨カセットのカセット名、当該推奨カセットに収納されている印刷テープTのテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を、ユーザに報知する。
【0087】
このS26に移行する場合、当該推奨カセットについての使用実績がないので、ユーザは、印刷可能カセットであり、且つ、推奨カセットに該当するテープカセット30を、1回も使用したことがないと考えられる。従って、印刷可能カセット報知画面及びテープカセット詳細画面(図12(A)(B)参照)において、当該テープカセット30のカセット名に加えて、当該テープカセットに収納されている印刷テープTのテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を報知すれば、ユーザは、印刷可能カセットに該当するテープカセット30の種類を、確実に特定し得る。
【0088】
S27においては、CPU51は、印刷可能カセット特定処理を実行する。具体的には、CPU51は、既定ラベルデータに係る必要テープ幅と、カセット種別特定テーブル(図5参照)に既定されている各テープカセット30のテープ幅に基づいて、カセット収納部20に装着可能なテープカセット30の内、必要テープ幅以上のテープ幅を有する印刷テープTを収納したテープカセット30の種類を、印刷可能カセットとして特定する。特定した印刷可能カセットに関する情報をRAM55に格納した後、CPU51は、S28に処理を移行する。
【0089】
S28では、CPU51は、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された印刷可能カセットに関して、使用実績確認処理を実行する。具体的には、CPU51は、使用実績情報記憶領域54Bを参照して、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された印刷可能カセットの使用実績情報の内容を夫々確認する。その後、CPU51は、S29に処理を移行する。
【0090】
S29に移行すると、CPU51は、使用実績確認処理(S28)の処理結果に基づいて、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された印刷可能カセットに使用実績があるか否かを判断する。印刷可能カセットに使用実績がある場合(S29:YES)、CPU51は、S30に処理を移行する。一方、推奨カセットに使用実績がない場合(S29:NO)、CPU51は、S31に処理を移行する。
【0091】
S30においては、CPU51は、印刷可能カセット報知画面(図11参照)を液晶ディスプレイ5に表示し、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30の種類をユーザに報知する。尚、このS30においては、CPU51は、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された全ての印刷可能カセットのカセット名を、印刷可能カセット報知画面上に表示する。印刷可能カセット報知画面を液晶ディスプレイ5に表示した後、CPU51は、印刷可能カセット報知処理プログラムを終了し、ラベル印刷処理プログラムのS15に処理を移行する。
【0092】
そして、S30の場合においても、印刷可能カセット報知画面は、当該既定ラベルデータを出力する為に必要な印刷テープTのテープ幅と共に、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された全ての印刷可能カセットのカセット名(例えば、テープカセット(H)等)を表示する。上述したように、このS30に移行する場合、当該印刷可能カセットについての使用実績があるので、ユーザは、少なくとも1回以上、印刷可能カセットに該当するテープカセット30を使用した経験があると考えられる。従って、印刷可能カセット報知画面において、当該テープカセット30のカセット名を報知すれば、ユーザは、テープ種別や背景色等の詳細な情報がなくとも、印刷可能カセットに該当するテープカセット30の種類を特定し得る。
【0093】
S31では、CPU51は、印刷可能カセット報知画面(図12)(A)参照)を液晶ディスプレイ5に表示し、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30の種類をユーザに報知する。印刷可能カセット報知画面(図12(A)(C)参照)を液晶ディスプレイ5に表示した後、CPU51は、印刷可能カセット報知処理プログラムを終了し、ラベル印刷処理プログラムのS15に処理を移行する。
【0094】
S31で表示される印刷可能カセット報知画面は、図11と同様に、当該既定ラベルデータを出力する為に必要な印刷テープTのテープ幅の表示と共に、リンクボタンLを含んでいる(図12(A)参照)。そして、リンクボタンLが入力された場合、CPU51は、テープカセット詳細画面(図12(C)参照)を表示する。当該テープカセット詳細画面は、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された印刷可能カセットの内、一のテープカセット30のカセット名、当該テープカセット30内の印刷テープTのテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色の表示と共に、候補変更ボタンNを含む。更に、候補変更ボタンNが入力された場合、CPU51は、当該テープカセット詳細画面における表示対象である印刷カセットの種類を、印刷可能カセット特定処理(S27)で特定された他の印刷可能カセットに変更して、変更後の印刷カセットの詳細を表示する。
【0095】
このS31に移行する場合、印刷可能カセットについての使用実績がないので、ユーザは、印刷可能カセットに該当するテープカセット30を、1回も使用したことがないと考えられる。従って、印刷可能カセット報知画面及びテープカセット詳細画面(図12(A)(C)参照)において、当該テープカセット30のカセット名に加えて、当該テープカセットに収納されている印刷テープTのテープ幅、テープ種類、背景色、印刷色を報知すれば、ユーザは、印刷可能カセットに該当するテープカセット30の種類を、より具体的に特定し得る。
【0096】
以上、説明したように、第1実施形態に係るテープ印刷装置1は、カセット収納部20に装着されたテープカセット30の印刷テープTに対して、サーマルヘッド25を用いて所望の印刷を行い得る。そして、当該テープ印刷装置1は、キーボード10と、既定ラベルデータ記憶領域54Aと、カセットセンサ58と、使用実績情報記憶領域54Bと、液晶ディスプレイ5を有している。そして、当該テープ印刷装置1は、ユーザによって選択された規定ラベルデータの出力態様を示す出力条件と、カセットセンサ58からの検出信号に基づき特定されたテープカセット30の使用実績情報に基づいて、当該既定ラベルデータの出力可能なテープカセット30の種類(推奨カセット、印刷可能カセット)に関する情報を、液晶ディスプレイ5に表示する(図9、図11、図12参照)。
【0097】
ここで、当該テープ印刷装置1は、既定ラベルデータを出力可能なテープカセット30の種類(推奨カセット、印刷可能カセット)を報知する際に、当該テープカセット30に係る使用実績がある場合には、当該テープカセット30の種類を端的に示す当該テープカセット30のカセット名を報知し(図9(A)、図11参照)し、使用実績がない場合には、当該テープカセット30に係るカセット名に加え、更に詳細な情報(例えば、印刷色や背景色等)を報知する(図9(B)、図12参照)。従って、テープ印刷装置1は、推奨テープカセット報知画面(図9参照)や、印刷可能カセット報知画面(図11、図12)により、ユーザの使用経験に応じた態様で、既定ラベルデータを出力可能なテープカセット30の種類を報知する。これにより、ユーザは、推奨テープカセット報知画面(図9参照)や、印刷可能カセット報知画面(図11、図12)を視認することで、既定ラベルデータを出力可能なテープカセット30の種類を、確実に把握することができ、既定ラベルデータの出力に関する適切な措置(例えば、印刷可能カセットへの交換等)を講じることができる。
【0098】
又、当該テープ印刷装置1は、既定ラベルデータに係る必要テープ幅(出力範囲)と、カセット種類特定テーブル53Aにおける各テープカセット30のテープ幅(印刷範囲情報)に基づいて、既定ラベルデータを印刷可能なテープカセット30の種類を特定して、印刷可能カセットとして報知する。従って、当該テープ印刷装置1によれば、カセット収納部20に装着されているテープカセット30を用いて、選択された規定ラベルデータを出力し得ない場合であっても、ユーザは、当該規定ラベルデータを出力可能なテープカセット30の種類を確実に特定することができる。
【0099】
更に、当該テープ印刷装置1は、既定ラベルデータに係る推奨印刷条件(推奨テープ種類、推奨印刷色、推奨背景色)と、カセット種類特定テーブル53Aにおける各テープカセット30のテープ種類、印刷色、背景色に基づいて、既定ラベルデータの印刷に関して推奨されるテープカセット30の種類を特定して、推奨カセットとして報知する。ここで、印刷色及び背景色は、テープ印刷装置1における印刷に関する配色を意味する。又、既定ラベルデータは、所定の意味内容を示す画像等により構成されているため、印刷時の配色によっては、当該既定ラベルの意味内容を明確に伝達可能となったり、意味内容が不明確となる場合がある。従って、当該テープ印刷装置1によれば、カセット収納部20に装着されているテープカセット30を用いて、選択された規定ラベルデータを適正な配色で出力し得ない場合であっても、ユーザは、当該規定ラベルデータを適性な配色で出力可能なテープカセット30の種類を確実に特定することができ、既定ラベルデータが示す意味内容を明確に伝達可能な態様で出力可能なテープカセット30を、カセット収納部20に装着し得る。
【0100】
又、ラベル印刷処理プログラム(図8参照)、印刷可能カセット報知処理プログラム(図10参照)は、液晶ディスプレイ5、制御回路部50、カセット収納部20、カセットセンサ58を有するテープ印刷装置1で実行されることで、上述したテープ印刷装置1と同様の効果を生じさせ得る。
【0101】
〈第2実施形態〉
次に、上述した第1実施形態と異なる別の実施形態(第2実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。第2実施形態は、本発明を印刷システムに適用した実施形態である。第2実施形態に係る印刷システム100は、テープ印刷装置1と、コンピュータ装置70とを通信可能に接続して構成されている。
【0102】
尚、第2実施形態に係るテープ印刷装置1は、第1実施形態に係るテープ印刷装置1と同一の基本的構成を有しており、ラベル印刷処理プログラム(図8参照)、印刷可能カセット報知処理プログラム(図10参照)、カセット種類特定テーブル(図5参照)、既定ラベルデータ記憶領域54A(図7参照)、使用実績情報記憶領域54B(図6参照)を、ROM53やEEPROM54に格納していない点が第1実施形態と相違する。従って、第1実施形態と同一の構成に関する説明は省略する。
【0103】
第2実施形態に係るコンピュータ装置70は、所謂、パーソナルコンピュータであり、制御部71を含む本体部72と、ディスプレイ73と、入力操作部74を有している。当該制御部71は、CPU、ROM、RAM、HDDにより構成されており、コンピュータ装置70に対する制御の中枢を担う。CPUは、制御部71による制御の中枢を担う中央演算装置であり、ROMに格納されているラベル印刷処理プログラム(図8参照)、印刷可能カセット報知処理プログラム(図10参照)や、HDDに格納されている各種アプリケーションプログラム(例えば、文書作成プログラム等)を実行する。ROMは、コンピュータ装置70の制御を行う上で必要な各種データや制御プログラムを格納している。RAMは、CPUによる演算結果等を一時的に記憶するメモリである。
【0104】
HDDは、コンピュータ装置70の制御に必要なOS(オペレーティングシステム)等の基本プログラムや、ラベル印刷処理プログラム(図8参照)、印刷可能カセット報知処理プログラム(図10参照)、カセット種類特定テーブル(図5参照)や各種アプリケーションプログラムを格納する補助記憶装置であり、既定ラベルデータ記憶領域54A(図7参照)、使用実績情報記憶領域54B(図6参照)を有している。
【0105】
又、当該制御部71は、ディスプレイ73、入力操作部74と接続されている。ディスプレイ73は、コンピュータ装置70(即ち、制御部71)の制御に基づいて、種々の情報を表示する。入力操作部74は、キーボードやマウス等により構成され、種々の指令を入力する際に用いられる。従って、当該制御部71は、入力操作部74の操作に基づいて、種々の制御を行うことができる。又、当該コンピュータ装置70は、制御部71による制御の結果に基づいて、ディスプレイ73に種々の情報(即ち、推奨テープカセット報知画面や、印刷可能カセット報知画面等)を表示し得る。
【0106】
第2実施形態においては、制御部71のCPUは、HDDに格納されているラベル印刷処理プログラム(図8参照)を実行することにより、第1実施形態に係るテープ印刷装置1と同様の効果を奏し得る。尚、第2実施形態においては、コンピュータ装置70のCPUは、ラベル印刷処理プログラム(図8参照)等を実行することにより、推奨テープカセット報知画面(図9参照)や、印刷可能カセット報知画面(図11、図12)を、ディスプレイ73に表示する。
【0107】
尚、第2実施形態においては、制御部71のCPUは、テープ印刷装置1のカセット収納部20に装着されているテープカセット30の種類を特定する際に、カセットセンサ58の検出信号をテープ印刷装置1から取得する。又、既定ラベル印刷処理(S13)において、制御部71のCPUは、テープ印刷装置1に対して、既定ラベルデータと印刷実行指示を出力することで、テープ印刷装置1に、既定ラベルデータに基づく印刷を実行させる。これらの点を除き、第2実施形態において、制御部71のCPUがラベル印刷処理プログラム(図8参照)に従って実行する処理内容は、第1実施形態と同様である。従って、第2実施形態に係る印刷システム100においても、第1実施形態に係るテープ印刷装置1と同様の効果を奏する。
【0108】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、カセットセンサ58により、カセット収納部20に装着されているテープカセット30の種類を特定する構成であったが、「複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定する構成」に関しては、この態様に限定されるものではない。例えば、液晶ディスプレイ5上に、カセット収納部20に装着可能なテープカセット30の種類をリスト表示し、所望のテープカセット30の種類を、ユーザによるキーボード10の入力操作で選択・特定する構成であってもよい。これにより、ユーザは、実際にテープカセット30を装着することなく、選択したテープカセット30が、所望の規定ラベルデータを出力可能なテープカセット30であるか否か、所望の規定ラベルデータを出力可能なテープカセット30の種類等を把握し得る。
【0109】
又、上述した実施形態においては、印刷装置として、テープカセットに収納されたテープに印刷するテープ印刷装置を採用していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、ロール状のラベルシートを保持したラベルホルダを、所定の収容部に装着可能に構成されたラベルプリンタを採用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 テープ印刷装置
5 液晶ディスプレイ
10 キーボード
20 カセット収納部
25 サーマルヘッド
30 テープカセット
50 制御回路部
51 CPU
53 ROM
53A カセット種類特定テーブル
54 EEPROM
54A 既定ラベルデータ記憶領域
54B 使用実績情報記憶領域
58 カセットセンサ
70 コンピュータ装置
71 制御部
73 ディスプレイ
74 入力操作部
100 印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を収納する複数種類のカートリッジを着脱可能に構成された装着部と、
前記装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施す印刷手段と、を有する印刷装置であって、
予め出力態様が規定された規定印刷データを記憶する既定印刷データ記憶手段と、
前記規定印刷データ記憶手段に記憶された規定印刷データの中から、所望の規定印刷データを選択する選択手段と、
前記複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定するカートリッジ種類特定手段と、
前記印刷手段による被記録媒体の使用実績を示す使用実績情報を、前記カートリッジの種類毎に記憶する使用実績記憶手段と、
前記選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する報知手段と、を有する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置であって、
前記カートリッジ種類特定手段は、前記装着部に装着されている一のカートリッジの種類を特定し、
前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて定まり、前記印刷手段によって当該被記録媒体に対して印刷可能な条件を示すカートリッジ条件情報を、前記カートリッジの種類毎に記憶するカートリッジ条件記憶手段と、
前記カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に基づいて、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶されているカートリッジ条件情報の中から、前記装着部に装着されたカートリッジに係るカートリッジ条件情報を特定するカートリッジ条件特定手段と、を有し、
前記報知手段は、
前記選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジ条件情報と、に基づいて、当該規定印刷データの出力に関し、前記装着部に装着されているカートリッジの適性を判定する適性判定手段と、
前記適性判定手段による判定結果と、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、前記装着部に装着されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報の内容を特定して報知する報知制御手段と、を有する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記出力条件は、前記規定印刷データに基づいて出力する際の出力範囲を含み、
前記カートリッジ条件情報は、前記カートリッジに収納されている被記録媒体に対して印刷可能な印刷範囲を示す印刷範囲情報を含み、
前記適性判定手段は、
前記選択手段により選択された規定印刷データの出力条件における出力範囲と、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジ条件情報における印刷範囲情報と、に基づいて、当該規定印刷データを、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、印刷可能であるか否かを判定し、
前記報知制御手段は、
前記適性判定手段によって、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを印刷不能であると判定された場合、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を特定し、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の印刷装置であって、
前記出力条件は、前記規定印刷データの出力に適した適正配色条件を含み、
前記カートリッジ条件情報は、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて規定される出力色条件を示す出力色情報を含み、
前記適性判定手段は、
前記選択手段により選択された規定印刷データの出力条件における適正配色条件と、前記カートリッジ条件記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ条件特定手段により特定されたカートリッジ条件情報における出力色情報と、に基づいて、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷可能であるか否かを判定し、
前記報知制御手段は、
前記適性判定手段によって、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷不能であると判定された場合、当該適正配色条件で印刷可能なカートリッジの種類を特定し、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
被記録媒体を収納する複数種類のカートリッジを着脱可能に構成された装着部と、
前記装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施す印刷手段と、
種々の情報を記憶する記憶手段と、
前記印刷手段による印刷に関する種々の制御を行う制御手段と、を有する印刷装置の
制御プログラムであって、
前記制御手段に、
前記記憶手段に記憶され、予め出力態様が規定された規定印刷データから、所望の規定印刷データの選択を受け付ける選択手順と、
前記複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定するカートリッジ種類特定手順と、
前記記憶手段に前記カートリッジの種類毎に記憶され、前記印刷手段による被記録媒体の使用実績を示す使用実績情報の内、特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報と、選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する報知手順と、
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項6】
請求項5記載の制御プログラムであって、
前記制御手段に、
前記カートリッジ種類特定手順において、前記装着部に装着されている一のカートリッジの種類を特定させ、
前記記憶手段に前記カートリッジの種類毎に記憶されており、且つ、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて定まり、前記印刷手段によって当該被記録媒体に対して印刷可能な条件を示すカートリッジ条件情報から、前記特定されたカートリッジの種類に基づいて、前記装着部に装着されたカートリッジに係るカートリッジ条件情報を特定するカートリッジ条件特定手順を実行し、
前記報知手順において、
前記選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記カートリッジ条件特定手順によって特定されたカートリッジ条件情報と、に基づいて、当該規定印刷データの出力に関し、前記装着部に装着されているカートリッジの適性を判定する適性判定手順と、
前記適性判定手順における判定結果と、前記特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報の内容を特定して報知する報知制御手順と、
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷装置の制御プログラムであって、
前記制御手段に、
前記適性判定手順において、
前記選択された規定印刷データの出力条件に含まれ、当該規定印刷データに基づいて出力する際の出力範囲と、前記カートリッジ条件特定手順によって特定されたカートリッジ条件情報に含まれ、当該カートリッジに収納されている被記録媒体に対して印刷可能な印刷範囲を示す印刷範囲情報と、に基づいて、当該規定印刷データを、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、印刷可能であるか否かを判定させ、
前記報知制御手順において、
前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを印刷不能であると判定された場合、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を特定させ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知させる
ことを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の印刷装置の制御プログラムであって、
前記制御手段に、
前記適性判定手順において、
前記選択手段により選択された規定印刷データの出力条件に含まれ、前記規定印刷データの出力に適した適正配色条件と、前記カートリッジ条件特定手順によって特定されたカートリッジ条件情報に含まれ、前記カートリッジに収納されている被記録媒体の種類に応じて規定される出力色条件を示す出力色情報と、に基づいて、前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷可能であるか否かを判定させ、
前記報知制御手順において、
前記装着部に装着されているカートリッジに対して、当該規定印刷データを、前記適正配色条件に係る配色で印刷不能であると判定された場合、当該適正配色条件で印刷可能なカートリッジの種類を特定させ、特定されたカートリッジに係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データを印刷可能なカートリッジの種類を、当該カートリッジの使用実績に応じた内容で報知させる
ことを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
被記録媒体を収納する複数種類のカートリッジを着脱可能に構成された装着部と、
前記装着部に装着されたカートリッジの被記録媒体に対して印刷を施す印刷手段と、を有する印刷装置と、
前記印刷手段による印刷に関する種々の制御を行う制御手段と、を備える制御装置と、を有する印刷システムであって、
予め出力態様が規定された規定印刷データを記憶する記憶手段と、
前記印刷装置による被記録媒体の使用実績を示す使用実績情報を、前記カートリッジの種類毎に記憶する使用実績記憶手段と、を有し、
前記制御装置は、
前記記憶手段に記憶されている規定印刷データの中から、所望の規定印刷データを選択する選択手段と、
前記複数種類のカートリッジから、一のカートリッジの種類を特定するカートリッジ種類特定手段と、
前記選択手段により選択された規定印刷データの出力態様を示す出力条件と、前記使用実績記憶手段に記憶され、且つ、前記カートリッジ種類特定手段により特定されたカートリッジの種類に係る使用実績情報に基づいて、当該規定印刷データの出力に用いるカートリッジに関する情報を、当該使用実績情報に対応する内容で報知する報知手段と、を有する
ことを特徴とする印刷システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−49240(P2013−49240A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189572(P2011−189572)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】