説明

印刷装置、印刷方法、及びプログラム

【課題】作図に要する時間を短縮し、印刷速度を高める。
【解決手段】インクジェットプリンタ10であって、インクジェットヘッド12と、主走査をインクジェットヘッド12に行わせる主走査駆動部22と、印刷制御部18とを備え、印刷制御部18は、インクジェットヘッド12により作図が行われる領域の作図幅を、印刷データに基づいて取得する作図幅取得部と、インクジェットヘッド12を主走査方向へ移動させる移動速度を、作図幅取得部が取得する作図幅に応じて設定する速度設定部とを有し、作図時において、主走査駆動部22は、速度設定部が設定する移動速度でインクジェットヘッド12を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定の主走査方向へインクジェットヘッドを走査(スキャン)させることにより印刷を行うインクジェットプリンタが広く用いられている。インクジェットプリンタにおいては、通常、モードや解像度に応じて決定される移動速度でインクジェットヘッドを移動させつつ、その移動速度に対応する吐出周波数(印字周波数)でインク滴を吐出することにより、印刷を行う。また、従来、複数の記録スピード設定テーブルからプリントモード(記録モード)を選択し、記録速度を設定するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−164682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタで高速に印刷を行うためには、一般に、走査時におけるインクジェットヘッドの移動速度を高速にすることが有効と考えられている。しかし、本願の発明者が鋭意研究を行ったところ、インクジェットヘッドの移動速度を高速にするだけでは、かえって印刷速度が低下する場合があることを見出した。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置、印刷方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
主走査方向への走査時において、インクジェットヘッドは、予め設定された吐出周波数でインク滴を吐出しつつ移動する。また、この吐出周波数は、インクジェットヘッドの移動速度に応じて設定される。
【0006】
そのため、高い精度で適切に印刷を行うためには、インク滴の吐出によりインクジェットヘッドに作図を行わせる作図時において、インクジェットヘッドの移動速度を一定に保つ必要がある。また、作図時にインクジェットヘッドの移動速度を一定に保つためには、作図を行う作図領域の外で、その前後にインクジェットヘッドの加速及び減速を行うことが必要になる。
【0007】
ここで、本願の発明者は、印刷速度を適切に高めるためには、作図領域内でのインクジェットヘッドの移動速度だけではなく、加速及び減速に要する時間も考慮する必要があることに着目した。例えば、インクジェットヘッドの移動速度を高めた場合、加速及び減速に要する時間が増大する結果、かえって印刷速度が低下する場合もあり得ることを見出した。そして、この知見に基づいて鋭意研究を行い、作図領域の幅によっては、インクジェットヘッドの移動速度を小さく設定した方が、作図に要する時間を短縮し得る場合があることを更に見出し、印刷速度を適切に高め得る本発明に至った。本発明は、以下の構成を有する。
【0008】
(構成1)印刷データに基づいて媒体に印刷を行う印刷装置であって、媒体に作図を行う印刷ヘッドと、予め設定された主走査方向へ印刷ヘッドを移動させることにより、主走査方向への走査である主走査を印刷ヘッドに行わせる主走査駆動部と、主走査駆動部、及び印刷ヘッドの動作を制御する印刷制御部とを備え、印刷制御部は、印刷ヘッドにより作図が行われる領域の主走査方向における幅である作図幅を、印刷データに基づいて取得する作図幅取得部と、印刷ヘッドを主走査方向へ移動させる移動速度を、作図幅取得部が取得する作図幅に応じて設定する速度設定部とを有し、印刷ヘッドに作図を行わせる作図時において、主走査駆動部は、速度設定部が設定する移動速度で印刷ヘッドを移動させる。印刷ヘッドは、例えばインクジェットヘッドである。
【0009】
印刷ヘッドの加速及び減速に要する時間の印刷速度に対する影響は、作図幅によって異なる。例えば、作図幅が十分に広い場合、加速後の印刷ヘッドを移動させる時間が長くなるため、加速及び減速に要する時間の影響は小さくなる。そのため、この場合、加速及び減速に要する時間が長くなるとしても、印刷ヘッドを十分に高い速度に加速して作図を行うことにより、印刷速度を高めることができる。
【0010】
一方、例えば、作図幅が狭い場合、加速後の印刷ヘッドを移動させる時間は短くなる。この場合、加速後の印刷ヘッドを移動させる時間に対する加速及び減速に要する時間の割合が大きくなるため、加速及び減速に要する時間の影響がより大きくなる。そのため、印刷ヘッドを高い速度に加速しようとすれば、加速及び減速に要する時間も増大する結果、かえって印刷速度が低下する場合もある。
【0011】
これに対し、構成1のように構成すれば、例えば、作図時の印刷ヘッドの移動速度を、作図幅に応じて適切に設定できる。また、これにより、例えば、作図に要する時間を短縮し、印刷速度を適切に高めることができる。
【0012】
速度設定部は、例えば、作図幅がより狭い場合に印刷ヘッドの移動速度がより小さくなるように、印刷ヘッドの移動速度を設定する。速度設定部は、例えば2〜5段階の速度から作図幅に応じた速度を選択することにより、移動速度を設定してよい。この場合、例えば、作図幅が所定の上限値より広い場合、速度設定部は、印刷ヘッドの移動速度として、最大の速度を選択する。また、作図幅が所定の下限値以下の場合、速度設定部は、印刷ヘッドの移動速度として、最小の速度を選択する。このように構成すれば、例えば、印刷ヘッドの移動速度を容易かつ適切に設定できる。また、これにより、印刷速度を適切に高めることができる。
【0013】
尚、印刷ヘッドによる作図とは、例えば、媒体の被印刷面に文字又は図形を作図することである。各回の主走査において、印刷ヘッドは、例えば、印刷により作図されるべき文字や図形の一部を作図する。
【0014】
作図幅取得部が用いる印刷データは、例えば、印刷により作図されるべき文字や図形(以下、作図図形という)を示すデータである。この印刷データは、例えば印刷装置を制御するホストコンピュータにおいて、RIP処理により生成される。印刷データは、作図図形を示すデータの他に、作図幅を示すデータ等を更に含んでもよい。
【0015】
(構成2)印刷装置は、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、速度設定部は、設定する移動速度に応じて、インク滴の吐出周波数を更に設定し、作図時において、印刷ヘッドは、速度設定部が設定する移動速度で移動しつつ、速度設定部が設定する吐出周波数でインク滴を吐出する。
【0016】
このように構成すれば、印刷ヘッドの移動速度を変化させた場合にも、適切に印刷を行うことができる。また、これにより、印刷速度をより適切に高めることができる。
【0017】
(構成3)主走査において、主走査駆動部は、作図幅よりも広い走査幅の範囲で印刷ヘッドを移動させ、走査幅は、作図幅取得部が取得する作図幅の領域である作図領域へ印刷ヘッドが到達する手前の領域であり、作図領域に到達する前に印刷ヘッドを加速する領域である加速領域と、作図領域と、作図領域を通過した後に印刷ヘッドが到達する領域であり、作図領域を通過した後の印刷ヘッドを減速する領域である減速領域とを合わせた領域の幅であり、主走査駆動部は、加速領域及び減速領域の幅を、速度設定部が設定する移動速度に応じて異ならせ、少なくとも作図領域上において、印刷ヘッドを、速度設定部が設定する移動速度で移動させる。
【0018】
主走査駆動部は、例えば、速度設定部が設定する移動速度が大きい程、加速領域及び減速領域の幅をより広くする。このように構成すれば、例えば、印刷速度をより適切に高めることができる。また、作図時において、設定した移動速度で印刷ヘッドを適切に移動させることができる。
【0019】
(構成4)主走査方向と直交する副走査方向へ媒体に対して相対的に印刷ヘッドを移動させる副走査駆動部を更に備え、副走査駆動部は、予め設定された移動量ずつ繰り返し、副走査方向へ印刷ヘッドを移動させ、副走査駆動部が印刷ヘッドを移動させる毎に、主走査駆動部は、印刷ヘッドに主走査を行わせ、作図幅取得部は、予め設定された回数の主走査毎に、当該回数の主走査によって作図が行われる領域の作図幅を取得し、速度設定部は、当該回数の主走査において印刷ヘッドを移動させる移動速度を、当該回数の主走査に対応する作図幅に応じて設定し、主走査駆動部は、当該回数の主走査において、当該回数の主走査に対して速度設定部が設定する移動速度で、印刷ヘッドを移動させる。
【0020】
予め設定された回数の主走査によって作図が行われる領域の作図幅とは、例えば、この回数の主走査によって作図が行われる領域の最大幅である。このように構成すれば、例えば、印刷ヘッドの移動速度を、所定の回数の主走査毎に、適切に設定できる。また、これにより、例えば、主走査に要する時間を適切に短縮し、印刷速度を高めることができる。
【0021】
尚、この予め設定された回数は、例えば1回であってよい。この場合、作図幅取得部は、各回の主走査毎に、作図幅を取得する。主走査駆動部は、各回の主走査毎に設定された移動速度で、印刷ヘッドに主走査を行わせる。作図幅取得部は、例えば印刷ヘッドの主走査方向への往復となる2回の主走査毎に、作図幅を取得してもよい。作図幅取得部は、3回以上の主走査毎に、作図幅を取得してもよい。
【0022】
また、主走査駆動部は、例えば、予め設定された回数の主走査毎に設定された走査幅で、印刷ヘッドに主走査を行わせる。この場合、設定される作図幅による主走査の開始位置及び終了位置は、例えば、当該回数の主走査によって作図が行われる領域に応じて、当該回数の主走査毎に設定される。
【0023】
このように構成すれば、例えば、印刷ヘッドを移動させる幅を、作図図形の部分毎に適切に異ならせることができる。これにより、印刷ヘッドの移動距離を適切に低減し、印刷速度を適切に高めることができる。
【0024】
(構成5)主走査方向と直交する副走査方向へ媒体に対して相対的に印刷ヘッドを移動させる副走査駆動部を更に備え、副走査駆動部は、予め設定された移動量ずつ繰り返し、副走査方向へ印刷ヘッドを移動させ、副走査駆動部が印刷ヘッドを移動させる毎に、主走査駆動部は、印刷ヘッドに主走査を行わせ、作図幅取得部は、印刷データに応じて作図が行われる領域の全体の主走査方向の幅を、作図幅として取得し、速度設定部は、作図幅に応じて、全ての主走査の移動速度を、同じ速度に設定する。このように構成すれば、印刷ヘッドの移動速度を、より簡易かつ適切に設定できる。
【0025】
(構成6)印刷データに基づいて媒体に印刷を行う印刷方法であって、媒体に作図を行う印刷ヘッドにより作図が行われる領域の、予め設定された主走査方向における幅である作図幅を、印刷データに基づいて取得し、印刷ヘッドを主走査方向へ移動させる移動速度を、取得された作図幅に応じて設定し、主走査方向への走査である主走査を印刷ヘッドに行わせて、印刷ヘッドに作図を行わせ、印刷ヘッドに作図を行わせる作図時において、作図幅に応じて設定した移動速度で主走査方向へ印刷ヘッドを移動させる。このようにすれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
【0026】
(構成7)印刷データに基づいて媒体に印刷を行う印刷装置を制御するプログラムであって、印刷装置は、媒体に作図を行う印刷ヘッドと、予め設定された主走査方向へ印刷ヘッドを移動させることにより、主走査方向への走査である主走査を印刷ヘッドに行わせる主走査駆動部と、主走査駆動部、及び印刷ヘッドの動作を制御する印刷制御部とを備え、プログラムは、印刷制御部に、印刷ヘッドにより作図が行われる領域の主走査方向における幅である作図幅を、印刷データに基づいて取得する作図幅取得処理と、印刷ヘッドを主走査方向へ移動させる移動速度を、作図幅取得処理により取得された作図幅に応じて設定する速度設定処理とを行わせ、印刷ヘッドに作図を行わせる作図時において、主走査駆動部は、速度設定処理により設定される移動速度で印刷ヘッドを移動させる。このように構成すれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、例えば、作図に要する時間を短縮し、印刷速度を適切に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の構成の一例を示す図である。
【図2】印刷制御部18の機能構成の一例を示す図である。
【図3】インクジェットプリンタ10による作図の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】主走査の動作の第1の例を示す図である。図4(a)は、主走査時のインクジェットヘッド12の経路の一例を示す。図4(b)は、1回の主走査中のインクジェットヘッド12の速度変化の一例を示す。
【図5】主走査の動作の他の例を示す図である。図5(a)は、主走査の動作の第2の例を示す。図5(b)は、主走査の動作の第3の例を示す。
【図6】主走査の動作の更なる他の例を示す図である。図6(a)は、主走査の動作の第4の例を示す。図6(b)は、主走査の動作の第5の例を示す。
【図7】実施例1についての作図時間を算出した計算結果を示す図である。図7(a)は、実施例1における計算結果を示す表である。図7(b)は、計算結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の構成の一例を示す。インクジェットプリンタ10は、印刷データに基づいてインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であり、プラテン24、インクジェットヘッド12、ガイドレール14、ローラ16、印刷制御部18、副走査駆動部20、及び主走査駆動部22を備える。プラテン24は、媒体50を保持する台である。インクジェットヘッド12は、印刷ヘッドの一例であり、媒体50へインク滴を吐出することにより、媒体50に作図を行う。
【0030】
ガイドレール14は、所定の主走査方向(Y方向)へのインクジェットヘッド12の移動をガイドするレール部材である。ローラ16は、媒体50を搬送するローラであり、主走査方向と直交する搬送方向へ媒体50を搬送する。これにより、ローラ16は、搬送方向と平行な副走査方向(X方向)へ、媒体50に対して相対的に、インクジェットヘッド12を移動させる。
【0031】
印刷制御部18は、インクジェットプリンタ10の動作を制御する制御部である。本例において、印刷制御部18は、例えばインクジェットプリンタ10のCPUであり、例えば外部のホストコンピュータから受け取る印刷データに基づいて主走査駆動部22、副走査駆動部20、及びインクジェットヘッド12を制御することにより、その印刷データが示す文字や図形である作図図形の作図をインクジェットプリンタ10に行わせる。この制御において、印刷制御部18は、例えば、主走査駆動部22を制御することにより、インクジェットヘッド12に主走査を行わせる。また、副走査駆動部20を介してローラ16を制御することにより、ローラ16に媒体50を搬送させる。また、主走査時において、印刷制御部18は、インクジェットヘッド12にインク滴を吐出させることにより、媒体50の各位置に作図を行わせる。
【0032】
尚、本例において、印刷制御部18は、更に、作図図形の幅に基づき、主走査時のインクジェットヘッド12の移動速度(作図速度)と、インク滴の吐出周波数とを設定する。印刷制御部18のこの動作については、後に更に詳しく説明する。
【0033】
副走査駆動部20は、例えばローラ16を駆動する駆動部であり、ローラ16を駆動することにより、媒体50に対して相対的に、インクジェットヘッド12を移動させる。また、本例において、副走査駆動部20は、例えば印刷制御部18の指示に応じて、所定の搬送量の媒体50の搬送を、ローラ16に繰り返し行わせる。これにより、副走査駆動部20は、この搬送量に対応する移動量ずつ繰り返し、媒体50に対して相対的に、副走査方向へインクジェットヘッド12を移動させる。
【0034】
主走査駆動部22は、主走査方向へのインクジェットヘッド12移動を行わせる駆動部である。本例において、主走査駆動部22は、媒体50の搬送により副走査駆動部20がインクジェットヘッド12を副走査方向へ移動させる毎に、インクジェットヘッド12に主走査を行わせる。これにより、インクジェットヘッド12は、媒体50の各部にインク滴を吐出し、作図図形の作図を行う。
【0035】
図2は、印刷制御部18の機能構成の一例を示す。本例において、印刷制御部18は、印刷データ管理部102、作図幅取得部104、速度設定部106、及び走査制御部108を有する。
【0036】
印刷データ管理部102は、印刷データをインクジェットヘッド12へ送る動作を管理する。例えば、印刷データ管理部102は、ホストコンピュータから受け取る印刷データを、インクジェットヘッド12のメモリに格納する。そして、インクジェットヘッド12による主走査の繰り返しによる印刷動作の進行に応じて、印刷データにおいて各回の主走査に対応する部分のデータを、メモリからインクジェットヘッド12へ順次送信する。また、本例において、印刷データ管理部102は、作図幅取得部104の要求に応じて、印刷データ又はその一部を、作図幅取得部104へ供給する。
【0037】
尚、印刷データとは、例えば、作図図形を示すデータであり、ホストコンピュータにおいて、例えばRIP処理により生成される。作図図形を示すデータとは、例えば、ラスタイメージのデータである。印刷データは、作図図形を示すデータの他に、作図幅を直接示すデータ等を更に含んでもよい。
【0038】
作図幅取得部104は、印刷データ管理部102から受け取る印刷データに基づき、作図図形の作図幅を取得する。この作図幅は、例えば、インクジェットヘッド12により作図が行われる領域の主走査方向における幅である。尚、作図幅取得部104は、印刷データの一部を受け取ってもよい。また、この場合、作図幅取得部104は、印刷データの一部に基づき、作図図形において当該一部に対応する部分の作図幅を取得してよい。
【0039】
本例において、作図幅取得部104は、例えば、予め設定された回数の主走査毎に、その回数の主走査によって作図が行われる領域の作図幅を取得する。この作図幅は、例えば、作図図形において、その回数の主走査によって作図される部分の幅である。主走査によって作図される部分の幅とは、例えば、媒体50上に実際にインク滴が吐出される領域の幅である。
【0040】
例えば、作図幅取得部104は、例えば、各回の主走査毎に、その主走査に対応する作図幅を取得する。また、作図幅取得部104は、予め設定された複数回の主走査毎に、それらの主走査に対応する作図幅を取得してもよい。また、作図幅取得部104は、全ての主走査に対して共通の作図幅を取得してもよい。この場合、作図幅取得部104は、例えば、印刷データに応じて作図が行われる領域の全体の主走査方向の幅を、作図幅として取得する。
【0041】
尚、作図幅取得部104は、例えば、印刷データに含まれるラスタイメージに基づき、作図幅を取得する。また、作図幅を示すデータを印刷データが含む場合、作図幅取得部104は、このデータに基づき、作図幅を取得してもよい。
【0042】
速度設定部106は、作図幅取得部104が取得する作図幅に応じて、主走査時にインクジェットヘッド12を主走査方向へ移動させる移動速度を設定する。また、設定する移動速度に応じて、インク滴の吐出周波数を更に設定する。インク滴の吐出周波数とは、主走査時にインクジェットヘッド12からインク滴を吐出するタイミングを示す周波数である。
【0043】
尚、速度設定部106は、例えば、作図幅がより狭い場合にインクジェットヘッド12の移動速度がより小さくなるように、移動速度を設定する。速度設定部106は、例えば2〜5段階の速度から作図幅に応じた速度を選択することにより、移動速度を設定してよい。また、本例において、速度設定部106は、作図幅の取得が行われる単位の主走査毎に、その主走査における移動速度及び吐出周波数を設定する。例えば、各回の主走査毎に作図幅が取得される場合、速度設定部106は、各回の主走査毎に、移動速度及び吐出周波数を設定する。また、予め設定された複数回の主走査毎に作図幅が取得される場合、速度設定部106は、それらの主走査毎に、移動速度及び吐出周波数を設定する。また、全ての主走査に対して共通の作図幅が取得される場合、速度設定部106は、全ての主走査に対して、共通の移動速度及び吐出周波数を設定する。
【0044】
走査制御部108は、副走査駆動部20及び主走査駆動部22の駆動動作と、インクジェットヘッド12によるインク滴の吐出とを制御する。これにより、走査制御部108は、インクジェットヘッド12に、副走査及び主走査を行わせる。
【0045】
ここで、本例において、走査制御部108は、主走査の設定として、速度設定部106が設定する移動速度及び吐出周波数を用いる。これにより、インクジェットヘッド12に作図を行わせる作図時において、主走査駆動部22は、速度設定部106が設定する移動速度で、インクジェットヘッド12を移動させる。また、インクジェットヘッド12は、その移動速度で移動しつつ、速度設定部106が設定する吐出周波数で、インク滴を吐出する。
【0046】
本例によれば、例えば、作図時のインクジェットヘッド12の移動速度等を、作図幅に応じて適切に設定できる。また、これにより、例えば、印刷速度を適切に高めることができる。以下、インクジェットプリンタ10による作図の動作について更に詳しく説明する。
【0047】
図3は、インクジェットプリンタ10による作図の動作の一例を示すフローチャートである。インクジェットプリンタ10は、例えばファームウェア等のプログラムに従って、以下の動作を行う。
【0048】
インクジェットプリンタ10による印刷時においては、先ず、作図幅取得部104が、印刷データに基づき、作図幅を取得する(S102)。そして、取得された作図幅を元に、速度設定部106は、所定の計算等を行い、その取得幅に対して最適の移動速度及び吐出周波数を決定する(S104)。また、決定した移動速度及び吐出周波数に応じて、速度設定部106及び走査制御部108は、例えばインクジェットヘッド12の動作設定等の印刷動作の各種設定を行う(S106)。そして、設定された動作に応じて、副走査駆動部20は、ローラ16に、媒体50を搬送させる。また、主走査駆動部22は、インクジェットヘッド12に主走査を行わせる。これにより、インクジェットヘッド12は、媒体50に対して作図を行う(S108)。
【0049】
本例によれば、作図幅に応じたインクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数により、適切に作図を行うことができる。また、これにより、作図に要する時間を短縮し、印刷速度を適切に高めることができる。
【0050】
尚、本例において、インクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数の決定及び設定するS106までの動作は、例えば、全ての主走査に対し、作図前に一括して行う。作図前に一括して行うとは、例えば、最初の主走査を行う前に、全ての主走査に対する移動速度及び吐出周波数の決定及び設定を行うことである。インクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数の決定及び設定は、各走査毎に個別に、各走査の前に行ってもよい。
【0051】
以下、本例による主走査の動作をより具体的に説明する。図4は、主走査の動作の第1の例を示す。図4(a)は、主走査時のインクジェットヘッド12の経路の一例を示す。図4(b)は、1回の主走査中のインクジェットヘッド12の速度変化の一例を示す。
【0052】
尚、図において、主走査の数や幅、加減速領域の幅、インクジェットヘッド12の移動速度等は、図示の便宜上簡略化したものである。これらの各種パラメータについては、インクジェットプリンタ10の性能等に応じて、適宜最適化されることが好ましい。
【0053】
本例において、インクジェットプリンタ10は、複数回の主走査302−1〜nにより、作図領域202に作図を行う。また、各回の主走査において、主走査駆動部22は、必ずしもインクジェットヘッド12を媒体50の端まで移動させず、作図に必要な範囲内で、インクジェットヘッド12を移動させる。また、主走査駆動部22は、作図領域202の幅である作図幅よりも広い走査幅の範囲で印刷ヘッドを移動させる。これにより、主走査駆動部22は、作図領域202の前後の領域である加減速領域204において、インクジェットヘッド12を加速又は減速させる。
【0054】
この場合、作図幅取得部104は、例えば、各回の主走査毎に、作図幅を取得する。この作図幅は、例えば、作図領域202において各回の主走査で作図される領域の幅である。また、この作図幅に基づき、主走査駆動部22は、主走査方向において作図領域202の両側に加減速領域204を加えた領域の幅を、走査幅に設定する。これにより、主走査駆動部22は、各回の主走査毎に設定された走査幅で、インクジェットヘッド12に主走査を行わせる。
【0055】
尚、例えば主走査302−nの場合について図4(b)に示すように、加減速領域204は、主走査の方向に応じて、加速領域又は減速領域となる。加速領域とは、例えば、作図領域202へインクジェットヘッド12が到達する前にインクジェットヘッド12を加速する領域である。また、減速領域とは、例えば、作図領域202を通過した後のインクジェットヘッド12を減速する領域である。
【0056】
加減速領域204の幅は、インクジェットヘッド12の移動速度に応じて、加速及び減速に必要な幅に設定される。これにより、主走査駆動部22は、加減速領域204の幅を、速度設定部106が設定する移動速度に応じて異ならせる。この場合、主走査駆動部22は、例えば、移動速度が大きい程、加減速領域204の幅をより広くする。これにより、主走査駆動部22は、少なくとも作図領域202上において、インクジェットヘッド12を、速度設定部106が設定する移動速度で移動させる。
【0057】
本例によれば、例えば、作図時において、設定した移動速度でインクジェットヘッド12を適切に移動させることができる。また、例えば、インクジェットヘッド12を移動させる幅を、作図図形の部分毎に適切に異ならせることができる。そのため、インクジェットヘッド12の移動距離を適切に低減できる。また、これにより、印刷速度を適切に高めることができる。
【0058】
また、本例において、速度設定部106は、例えば、作図幅がより狭い場合にインクジェットヘッド12の移動速度がより小さくなるように移動速度を設定する。そして、移動速度の設定に合わせ、加減速領域204の幅を設定する。これにより、速度設定部106は、例えば、加減速に要する時間も考慮した上で、主走査の時間がより短くなるように、インクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数を決定する。本例によれば、印刷速度を適切に高めることができる。
【0059】
図5は、主走査の動作の他の例を示す。図5(a)は、主走査の動作の第2の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、本例の動作は、図4に示した第1の例と同一又は同様である。
【0060】
本例において、速度設定部106は、インクジェットヘッド12の移動速度を、低速、中速、高速の3段階で設定する。この場合、速度設定部106は、吐出周波数も、移動速度に応じて、3段階で設定する。また、本例において、主走査駆動部22は、各主走査における走査幅を、設定する速度に応じて、3段階で設定する。本例によれば、作図幅に応じた移動速度の設定を、より簡単に行うことができる。また、これにより、印刷速度を適切に高めることができる。
【0061】
図5(b)は、主走査の動作の第3の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、本例の動作は、図5(a)に示した第2の例と同一又は同様である。
【0062】
本例においても、図5(a)に示した第2の例と同様に、速度設定部106は、インクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数を、3段階で設定する。一方、移動速度及び吐出周波数の設定が同じ場合であっても、主走査駆動部22は、走査幅を、作図領域202においてその主走査において作図すべき部分の幅に応じて異ならせる。
【0063】
この場合、主走査駆動部22は、例えば、加速領域及び減速領域のそれぞれの幅を、インクジェットヘッド12の移動速度に応じた一定の幅とする。そして、作図領域202においてその主走査において作図すべき部分の幅に加速領域及び減速領域の幅を加えた幅を、走査幅に設定する。本例によれば、作図幅に応じた移動速度の設定を、簡単かつより適切に行うことができる。また、これにより、印刷速度を適切に高めることができる。
【0064】
図6は、主走査の動作の更なる他の例を示す。図6(a)は、主走査の動作の第4の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、本例の動作は、図4に示した第1の例と同一又は同様である。
【0065】
本例において、作図幅取得部104は、主走査方向への往復となる2回の主走査のグループ304−1〜(n/2)毎に、作図幅を取得する。そして、各グループ304−1〜(n/2)毎の作図幅に応じて、速度設定部106は、各グループ304−1〜(n/2)毎に、インクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数を設定する。また、各グループ304−1〜(n/2)毎の移動速度に合わせ、主走査駆動部22は、各グループ304−1〜(n/2)毎に設定された走査幅で、インクジェットヘッド12に主走査を行わせる。
【0066】
本例によれば、例えば、複数回の主走査を単位にインクジェットヘッド12の動作を制御することにより、インクジェットヘッド12の動作の管理がより行いやすくなる。そのため、例えば、作図幅に応じた移動速度の設定を、より簡単に行うことができる。また、これにより、印刷速度を適切に高めることができる。
【0067】
尚、速度設定部106は、インクジェットヘッド12の移動速度の設定を、例えば図5(a)を用いて説明した例と同様に、段階的に行ってもよい。また、主走査駆動部22は、各主走査の走査幅を、例えば図5(b)を用いて説明した例と同様にして、各グループ304−1〜(n/2)毎に異ならせてもよい。
【0068】
また、速度設定部106は、3以上の主走査を含むグループ毎に、移動速度及び吐出周波数を設定してもよい。この場合、各グループは、複数の主走査を含むことが好ましい。このように構成すれば、往復の主走査を同じグループ内に含めることにより、インクジェットヘッド12の動作の管理がより行いやすくなる。
【0069】
また、この場合、作図幅取得部104は、例えば、各グループ毎に、作図幅を取得する。また、速度設定部106は、各グループの主走査においてインクジェットヘッド12を移動させる移動速度を、そのグループに対応する作図幅に応じて設定する。主走査駆動部22は、そのグループの主走査において、そのグループに対して速度設定部106が設定する移動速度で、インクジェットヘッド12を移動させる。この場合も、作図幅に応じた移動速度の設定を、簡単かつ適切に行うことができる。
【0070】
図6(b)は、主走査の動作の第5の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、本例の動作は、図4に示した第1の例と同一又は同様である。
【0071】
本例において、作図幅取得部104は、作図領域202の全体の幅を、作図幅として取得する。これにより、作図幅取得部104は、全ての主走査に対して、共通の作図幅を取得する。また、速度設定部106は、この作図幅に基づき、例えば、全ての主走査におけるインクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数を、同じ速度に設定する。
【0072】
この場合も、作図領域202の幅に応じて、インクジェットヘッド12の移動速度及び吐出周波数を適切に設定できる。また、これにより、印刷速度を適切に高めることができる。
【0073】
続いて、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。インクジェットヘッド12の移動速度と印刷速度との関係を確認するため、以下の条件により、作図時間の計算を行った。
【0074】
(実施例1)
長さ1000mmの媒体に対し、作図幅を100mm、300mm、及び600mmとし、それぞれ印刷を行った。また、それぞれの作図幅に対し、吐出周波数を5.0〜13.0の範囲で異ならせ、作図に要する時間(作図時間)の計算を行った。
【0075】
ここで、本実施例においては、計算の便宜上、計算時に直接変更するパラメータとして、インクジェットヘッド12の移動速度ではなく、吐出周波数を用いた。インクジェットヘッド12の移動速度は、それぞれの吐出周波数に応じて設定され、吐出周波数が高い程、移動速度は大きくなる。そして、片方向印字により、解像度を360×360dpiとし、4回のパスにて印刷を行った。
【0076】
また、インクジェットヘッド12としては、ヘッド幅が20mmの公知のインクジェットヘッドを用いた。印字速度の設定である倍速モードは1倍とした。また、計算に使用した構成において、インクジェットヘッド12の加速の加速度は、0.5G、加速安定時間は100m秒であった。
【0077】
図7は、実施例1についての作図時間を算出した計算結果を示す。図7(a)は、実施例1における計算結果を示す表である。図7(b)は、計算結果を示すグラフである。
【0078】
表及びグラフからわかるように、作図幅が600mmの場合のように、作図幅が十分大きい場合には、吐出周波数を高め、移動速度を最大にすることにより、作図時間を最小にできる。しかし、作図幅が100mm、300mmの場合のように、作図幅が小さい場合、吐出周波数を高くし、インクジェットヘッド12の移動速度を大きくすると、かえって作図時間が増大する。
【0079】
例えば、作図幅が100mmの場合、吐出周波数を6.0kHzとした場合に、作図時間が最小になる。また、作図幅が300mmの場合、吐出周波数を9.0kHzとした場合に、作図時間が最小になる。そして、それぞれの作図幅における最小の作図時間を、移動速度が最大の場合に相当する吐出周波数である13kHzの場合と比べると、作図時間の差は、それぞれ、32.64秒、及び9.36秒となる。
【0080】
そのため、これらの場合には、インクジェットヘッド12の移動速度を最大にするよりも、それぞれの作図幅に応じた移動速度とすることにより、印刷速度を高め得ることがわかる。また、このことから、図1〜6を用いて説明したインクジェットプリンタ10によれば、作図幅に応じてインクジェットヘッド12の移動速度を設定することにより、印刷速度を適切に高め得ることがわかる。
【0081】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0083】
10・・・インクジェットプリンタ、12・・・インクジェットヘッド、14・・・ガイドレール、16・・・ローラ、18・・・印刷制御部、20・・・副走査駆動部、22・・・主走査駆動部、24・・・プラテン、102・・・印刷データ管理部、104・・・作図幅取得部、106・・・速度設定部、108・・・走査制御部、202・・・作図領域、204・・・加減速領域、302・・・主走査、304・・・グループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づいて媒体に印刷を行う印刷装置であって、
前記媒体に作図を行う印刷ヘッドと、
予め設定された主走査方向へ前記印刷ヘッドを移動させることにより、前記主走査方向への走査である主走査を前記印刷ヘッドに行わせる主走査駆動部と、
前記主走査駆動部、及び前記印刷ヘッドの動作を制御する印刷制御部と
を備え、
前記印刷制御部は、
前記印刷ヘッドにより作図が行われる領域の前記主走査方向における幅である作図幅を、前記印刷データに基づいて取得する作図幅取得部と、
前記印刷ヘッドを前記主走査方向へ移動させる移動速度を、前記作図幅取得部が取得する前記作図幅に応じて設定する速度設定部と
を有し、
前記印刷ヘッドに作図を行わせる作図時において、前記主走査駆動部は、前記速度設定部が設定する前記移動速度で前記印刷ヘッドを移動させることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷装置は、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、
前記速度設定部は、設定する前記移動速度に応じて、インク滴の吐出周波数を更に設定し、
前記作図時において、前記印刷ヘッドは、前記速度設定部が設定する前記移動速度で移動しつつ、前記速度設定部が設定する前記吐出周波数でインク滴を吐出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記主走査において、前記主走査駆動部は、前記作図幅よりも広い走査幅の範囲で前記印刷ヘッドを移動させ、
前記走査幅は、
前記作図幅取得部が取得する前記作図幅の領域である作図領域へ前記印刷ヘッドが到達する手前の領域であり、前記作図領域に到達する前に前記印刷ヘッドを加速する領域である加速領域と、
前記作図領域と、
前記作図領域を通過した後に前記印刷ヘッドが到達する領域であり、前記作図領域を通過した後の前記印刷ヘッドを減速する領域である減速領域と
を合わせた領域の幅であり、
前記主走査駆動部は、
前記加速領域及び前記減速領域の幅を、前記速度設定部が設定する前記移動速度に応じて異ならせ、
少なくとも前記作図領域上において、前記印刷ヘッドを、前記速度設定部が設定する前記移動速度で移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に前記印刷ヘッドを移動させる副走査駆動部を更に備え、
前記副走査駆動部は、予め設定された移動量ずつ繰り返し、前記副走査方向へ前記印刷ヘッドを移動させ、
前記副走査駆動部が前記印刷ヘッドを移動させる毎に、前記主走査駆動部は、前記印刷ヘッドに前記主走査を行わせ、
前記作図幅取得部は、予め設定された回数の前記主走査毎に、当該回数の主走査によって作図が行われる領域の前記作図幅を取得し、
前記速度設定部は、当該回数の主走査において前記印刷ヘッドを移動させる前記移動速度を、当該回数の主走査に対応する前記作図幅に応じて設定し、
前記主走査駆動部は、当該回数の主走査において、当該回数の主走査に対して前記速度設定部が設定する前記移動速度で、前記印刷ヘッドを移動させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に前記印刷ヘッドを移動させる副走査駆動部を更に備え、
前記副走査駆動部は、予め設定された移動量ずつ繰り返し、前記副走査方向へ前記印刷ヘッドを移動させ、
前記副走査駆動部が前記印刷ヘッドを移動させる毎に、前記主走査駆動部は、前記印刷ヘッドに前記主走査を行わせ、
前記作図幅取得部は、前記印刷データに応じて作図が行われる領域の全体の前記主走査方向の幅を、前記作図幅として取得し、
前記速度設定部は、前記作図幅に応じて、全ての主走査の前記移動速度を、同じ速度に設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷データに基づいて媒体に印刷を行う印刷方法であって、
前記媒体に作図を行う印刷ヘッドにより作図が行われる領域の、予め設定された主走査方向における幅である作図幅を、前記印刷データに基づいて取得し、
前記印刷ヘッドを前記主走査方向へ移動させる移動速度を、前記取得された前記作図幅に応じて設定し、
前記主走査方向への走査である主走査を前記印刷ヘッドに行わせて、前記印刷ヘッドに作図を行わせ、
前記印刷ヘッドに作図を行わせる作図時において、前記作図幅に応じて設定した前記移動速度で前記主走査方向へ前記印刷ヘッドを移動させることを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
印刷データに基づいて媒体に印刷を行う印刷装置を制御するプログラムであって、
前記印刷装置は、
前記媒体に作図を行う印刷ヘッドと、
予め設定された主走査方向へ前記印刷ヘッドを移動させることにより、前記主走査方向への走査である主走査を前記印刷ヘッドに行わせる主走査駆動部と、
前記主走査駆動部、及び前記印刷ヘッドの動作を制御する印刷制御部と
を備え、
前記プログラムは、前記印刷制御部に、
前記印刷ヘッドにより作図が行われる領域の前記主走査方向における幅である作図幅を、前記印刷データに基づいて取得する作図幅取得処理と、
前記印刷ヘッドを前記主走査方向へ移動させる移動速度を、前記作図幅取得処理により取得された前記作図幅に応じて設定する速度設定処理と
を行わせ、
前記印刷ヘッドに作図を行わせる作図時において、前記主走査駆動部は、前記速度設定処理により設定される前記移動速度で前記印刷ヘッドを移動させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−51130(P2011−51130A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199663(P2009−199663)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000137823)株式会社ミマキエンジニアリング (437)
【Fターム(参考)】