説明

印刷装置、印刷装置の制御方法、及び制御プログラム

【課題】用紙が排出口から排出される際に、用紙の詰まりを抑制する印刷装置、印刷装置の制御方法、及び制御プログラムを提供すること。
【解決手段】印刷装置1は、記録媒体にデータの書き込みを行う印刷部11と、印刷部11にデータを書き込まれた記録媒体を搬送し、記憶媒体を排出口から外部に排出する搬送部12と、排出口外部に設けられ、排出口の外部に障害物があるか否かを検出する障害物検出部13と、搬送部12が記憶媒体を排出口から排出する際に、障害物検出部13により障害物が検出されている場合、搬送部12による記憶媒体の排出速度を調整する搬送制御部14とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシート等を印刷するのに好適な印刷装置、印刷装置の制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばATM等でレシート等を印刷する印刷装置の排出口の外部に障害物がある場合、そのまま印刷物を排出してしまうと、排出口に印刷物がつまり、故障の原因となることがあった。
【0003】
特許文献1には、排出口の下のガイドプレートの長さを、上のガイドプレートより短くすることにより、排出口から排出される用紙の進行方向が阻害された際に、用紙が下側へ撓むように許容するプリンタが記載されている。
【0004】
特許文献2には、排出口の近傍に携帯型プリンタを把持する指が位置した場合に検出する指検出部を有し、当該指検出部の検出結果に基づいて、プリンタ動作を制限する携帯型プリンタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−83448号公報
【特許文献2】特開2007−105940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、排出口の塞ぎ方によっては、用紙の排出を阻害して、排出口に用紙が詰まる可能性があった。また、特許文献1に記載の技術では、排出口にユーザが指を当てた場合に、レシートが下方にたわむように、排出口の上のガイドプレートを排出口の下のガイドプレートより長くするように構成するため、排出口の上部だけが飛び出した形状となって見た目が悪くなり、意匠上の制限が大きくなるという問題があった。
【0007】
引用文献2に記載の技術では、排出口の近傍に指があることを検出した場合、印刷動作そのものを中止してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、用紙が排出口から排出される際に、用紙の詰まりを抑制する印刷装置、印刷装置の制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる印刷装置は、記録媒体にデータの書き込みを行う印刷部と、印刷部にデータを書き込まれた記録媒体を搬送し、記憶媒体を排出口から外部に排出する搬送部と、排出口外部に設けられ、排出口の外部に障害物があるか否かを検出する障害物検出部と、搬送部が記憶媒体を排出口から排出する際に、障害物検出部により障害物が検出されている場合、搬送部による記憶媒体の排出速度を調整する搬送制御部と、を有するものである。
【0010】
本発明にかかる印刷装置の制御方法は、記録媒体にデータの書き込みを行い、データを書き込まれた記録媒体を搬送して記憶媒体を排出口から外部に排出し、記憶媒体が排出口から排出される際に、障害物が排出口近傍に検出されている場合、記憶媒体の排出速度を調整する。
【0011】
本発明にかかるプログラムは、所定の動作をコンピュータに実行させるための印刷装置の制御プログラムであって、印刷部に記録媒体へのデータの書き込みを行わせ、印刷部にデータを書き込まれた記録媒を搬送部に搬送させ、記憶媒体を排出口から外部に排出させ、搬送部が記憶媒体を排出口から排出する際に、排出口の外部に障害物があることが検出されている場合、搬送部による記憶媒体の排出速度を調整することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明によれば、用紙が排出口から排出される際に、用紙が排出口に詰まることを抑制する印刷装置、印刷装置の制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1にかかる印刷装置を示す図である。
【図2】実施の形態2にかかる印刷装置2を詳細に示すブロック図である。
【図3】本実施の形態3にかかる印刷装置3の構成を示す側面図である。
【図4】本実施の形態3にかかる印刷装置3のレシート排出口43付近を示す図である。
【図5】本実施の形態3にかかる印刷装置3のレシート排出口43の外部を示す図である。
【図6】本実施の形態3にかかる印刷装置3のレシート排出口43の付近を示す図である。
【図7】本実施の形態3にかかる印刷装置3の動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態3にかかる印刷装置3のレシート排出口43の付近を示す図である。
【図9】従来の印刷装置の排出口付近を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態は、本発明を、例えば銀行に設置されるATMレシート(ATMご利用明細)を印刷するATM装置等の印刷機に適用したものでる。図1は、本実施の形態にかかる印刷装置を示す図である。印刷装置1は、印刷部11と、搬送部12と、障害検出部13と、搬送制御部14とを有する。
【0015】
印刷部11は、記録媒体としてのレシートにデータの書き込みとしての印刷を行う。搬送部12は、印刷部11に印刷されたレシートを搬送し、当該レシートを排出口から外部に排出する。
【0016】
障害検出部13は、排出口外部に設けられ、排出口の外部に障害物があるか否かを検出する。搬送制御部14は、搬送部12がレシートを排出口から排出する際に、障害物検出部13により障害物が検出されている場合、搬送部12を制御して、レシートの排出速度を調整する。
【0017】
本実施の形態における印刷装置1では、レシートが排出される際、障害検出部13が排出口外部近傍に障害物があるか否か検出し、障害物が検出された場合には、当該検出結果に基づき、搬送制御部14が搬送部12を制御して、レシートの排出速度を遅くする。これにより、ユーザが排出口から障害物を移動させる時間の猶予ができる。
【0018】
ここで従来の印刷装置の問題点について説明しておく。図9は、従来の印刷装置の排出口付近を示す図である。従来の印刷装置によるレシートの排出では、レシート排出口を手や荷物で塞がれた場合にも通常通りにレシートを排出する。排出口が塞がれているとレシートが排出口から排出できないのにもかかわらず、レシートが排出口に搬送されるため、排出口部分でレシートが詰まってしまうという問題が発生する場合があった。
【0019】
これに対し、本実施の形態にかかる印刷装置1は、上述したように、排出口付近に障害物がある場合には、レシートの排出速度を調整するため、ユーザは、レシートが通常より遅く排出されているあいだに、障害物を排出口付近から移動させることができ、それにより、排出口の紙詰まりを抑制することができる。
【0020】
次に、本実施の形態にかかる印刷装置について、更に詳細に説明する。図2は、本実施の形態にかかる印刷装置2を詳細に示すブロック図である。印刷装置2は、印刷部21と、搬送部としての駆動部22及び搬送手段23と、障害検出部13としてのセンサ24と、搬送制御部25と、報知部としてのスピーカ26と、タイマ27と、搬送切替手段28と、を有する。
【0021】
駆動部22は、レシートを搬送する搬送手段を駆動する。搬送手段23は、駆動部により駆動され、レシートを排出口まで搬送する。搬送手段23とは、具体的にはレシートを搬送するローラ等であり、駆動部22とは、ローラを回転するモータ等である。
【0022】
搬送制御部25は、駆動部22及び搬送手段23を制御し、レシートが排出口から排出する際に、センサ24により、排出口部分に障害物が検出されている場合、駆動部22及び搬送手段23による、レシートの排出速度を調整する。すなわち、レシートの排出速度を通常の速度より遅くする乃至排出を一時停止する。
【0023】
ここで、レシートの排出速度の一例について説明する。例えば通常のレシートの排出速度は、200(mm/s)〜300(mm/s)である。センサが排出口に障害物を検出した場合は、レシートの排出速度を例えば、その1/4乃至1/6、すなわち50(mm/s)程度に減速する。
【0024】
ここで、50(mm/s)というレシートの排出速度について更に説明する。レシートが排出される際、例えばレシートがユーザの指に当たった場合に、ユーザが指を排出口付近からどかす時間を0.5(秒)とすると、排出されたレシートの長さが25(mm)程度ならば、レシートは排出口に詰まることなく排出される。そのため、本実施の形態においては、一例として50(mm/s)という排出速度を記載している。本実施の形態においてはレシートの排出速度であるために、50(mm/s)を記載したが、例えば、排出されるレシートの形状や、レシートの弾力性、障害物を検出してからレシートを排出するまでのタイミング等により、調整することが可能であることはもちろんである。
【0025】
本実施の形態では、排出口の近傍に障害物がある場合に、通常より遅い速度でレシートを排出することにより、ユーザが障害物を排出口近傍から移動させるための時間的な猶予を作る。これにより、排出口の紙詰まりの発生を抑制することができる。また、例えば障害物が、ユーザの指であった場合、ゆっくりとレシートを排出することにより、ユーザの指にレシートが当ることで、レシートの排出をユーザに知らせることができる。
【0026】
また、駆動部22及び搬送手段23がレシートを排出口から排出する際に、センサ24により排出口部分に障害物が検出されている場合、検出結果を外部に、スピーカ26からの音声により報知する。ここで、外部への報知方法はスピーカからの音声案内に限らず、アラーム音としてもよいし、音による報知に限らず、ライトを点滅させたり、ディスプレイ(不図示)に障害物を検出した旨を表示させたりする等するようにしてもよい。
【0027】
さらに、本実施の形態においては、レシートがユーザにより受け取られず、レシートが排出されてから所定の時間以上放置された場合には、当該レシートを、所定の収納場所に保存する。
【0028】
タイマ27は、排出口からレシートが排出された後の時間をカウントする。タイマ27は、レシートが排出口から排出された後、予め定められた一定時間以上レシートが放置された場合には、搬送制御部25にその検出信号を送信する。
【0029】
搬送制御部25は、タイマ27からレシートの放置時間が所定の時間以上であることを示す上述の検出信号を受け取ると、搬送切替手段28により搬送経路を切り替え、さらに、レシートを搬送するローラを逆回転させる。これによりレシートは搬送路を逆向きに搬送され、その途中に設けられた回収ボックス46に回収される(図3参照)。ここで、搬送切替手段28とは、具体的には、搬送経路の途中に設けられた切換え弁48(図3参照)である。
【0030】
排出されたレシートを回収することにより、例えば連続してレシートが排出される際に、直前に排出されたレシートが受け取られないことにより、複数のレシートが排出口に詰まる、等のトラブルを回避することができる。また、例えば、排出されるレシートにユーザの個人情報が記載されている場合には、ユーザがレシートを受け取り忘れると、他者に個人情報が流出してしまう可能性がある。しかし、本実施の形態においては、ユーザがレシートを受け取らない場合や、受け取り忘れたような場合であっても、レシートが回収ボックスに回収されるので、レシートの受け取り忘れによる個人情報の流出を防ぐことができる。
【0031】
本実施の形態は、印刷装置において、レシート排出の際に、排出口の近傍で、ユーザの手指、または装置に乗せられた荷物等の障害物の存在を検知し、これを外部に報知したり、レシート排出速度を遅くしたりする。これにより、ユーザに注意喚起して排出口が塞がれた状態を解除させ、また、レシートが排出口に詰まってしまうことを防止することができる。
【0032】
次に、本実施の形態にかかる印刷装置について、更に具体的に説明する。図3は、本実施の形態にかかる印刷装置3の構成を示す側面図である。印刷装置3には、印刷装置3を構成する筐体32の内部にレシート印字ユニット31が配置されている。
【0033】
レシート印字ユニット31は、レシートロール紙33、ロール紙ホッパ34、搬送ローラ35a〜35b、プラテン366、印字ヘッド37、カッタ38、第1排出ローラ39a〜39d、第2排出ローラ41、出口センサ42、レシート排出口43、排出口センサ44、回収ローラ45a〜45b、回収ボックス46、フリッカーランプ47、切換え弁48を有する。
【0034】
ここで、図3における搬送ローラ35a乃至35b、第1排出ローラ39a乃至39d及び第2排出ローラ41は、図2の搬送手段23に対応する。また、図3のプラテン366及び印字ヘッド37は図2の印刷部21に、図3の切換え弁48は図2の搬送切替手段28に、図3の排出口センサ44は図2のセンサ24に対応するものである。なお、実施の形態2における駆動部22、搬送制御部25、及びタイマ27は、図3乃至図8においては図示しない。
【0035】
レシートロール紙33はロール紙ホッパ34にセットされ、繰出し機構(不図示)によりロール部分が回転して繰り出される。そして、駆動モータ(不図示)により、同時に回転する搬送ローラ35a及び35bにより、搬送される。
【0036】
印字ヘッド38はプラテン36に押し付けられ、プラテン36の回転によりレシートロール紙33を搬送しながら、印字を行う。
【0037】
印字ヘッド38の先には、カッタ38が設置されている。印字されたレシートロール紙33は、カッタ38により、所定の位置にてカットされる。
【0038】
カットされたレシートは、駆動モータ(不図示)により連動して回転する第1の排出ローラ39a〜39d、第2の排出ローラ41により、レシート排出口43付近まで搬送される。
【0039】
図4は、レシート排出口43付近を示す図である。レシートは、一旦排出口43付近まで搬送される。第2の排出ローラ41と、レシート排出口43の間、すなわち、レシートの搬送路の出口近傍には、レシートを検出する出口センサ42が設置されている。当該出口センサ42は、レシートの有無を検出して、搬送制御部25(図2参照)にレシートが排出口近傍まで搬送されたことを検出する。搬送制御部25は、当該レシートが排出口近傍まで搬送されたことを検出した検出結果を受け取ると、排出口センサ44により、排出口の外部近傍に、障害物があるか否か検出する。
【0040】
図5は、レシート排出口43の外部を示す図である。排出口43の上には、ユーザに報知するためのフリッカーランプ47が設けられている。本実施の形態では、レシートが排出される際の、排出口からレシート排出される方向の近傍に、障害物があるか否かを検出するように、レシート排出口43の左右に排出口センサ44a、44b(以下区別する必要がない場合は排出口センサ44と記載する)が設けられている。本実施の形態において、排出口センサ44は、光センサであり、排出口付近に向かいあう2の突出部を設け、突出部の一方排出口センサ44aには投光素子を有し、他方排出口センサ44bには受光素子を有する。排出口センサ44は、投光素子が発する赤外線を受光素子により受光して、その赤外線の受光強度により排出口の付近に障害物があるか否か検出して、検出結果を、搬送制御部25(図2参照)に出力する。
【0041】
搬送制御部25は、排出口センサ44から、排出口外部近傍に障害物がない旨を受け取ると、第2排出ローラ41を制御して、レシートを排出する。
【0042】
図6は、レシート排出口43の付近を示す図である。レシートは、搬送ガイドa49及び搬送ガイドb50により、図6に示すように、一部を外部に排出した形で保持される。
【0043】
レシート排出口43からレシートが排出されると、ユーザがレシートを受け取る。第2の排出ローラ41は、図示しないクラッチにより規定量の空転が可能であり、ユーザがレシートを受け取る際は、この空転を利用してレシートを受け取る。
【0044】
出口センサ42は、搬送ガイドa49及び搬送ガイドb50に保持されたレシートの有無を検出することにより、レシートがユーザにより受け取られたか否か、検出結果をタイマ(不図示)に出力する。タイマは検出結果に基づき、レシートが排出されてからの時間を測定する。
【0045】
図3に戻って、所定の時間が経過してもレシートがユーザにより受け取られない場合には、タイマ27(図2参照)の計測結果に基づき、搬送制御部25(図2参照)が、駆動部22(図2参照)及び搬送切替手段28(図2参照)としての切換え弁48を制御して、レシートを回収ボックス46に回収する。すなわち、切換え弁48が、レシートの搬送経路を切り替え、さらに、第1の排出ローラ39a、第2の排出ローラ41、回収ローラ45aを排出する際の回転方向と逆方向に回転させることにより、回収ボックス46にレシートを回収する。
【0046】
なお、本実施の形態においては、排出口センサ44が障害物を検出した際、レシートの排出速度を遅くするものとしているが、その他、例えば、レシートの排出を一時停止し、所定の時間が経過しても障害物が排除されなかった場合には、レシートを排出せずに、回収ボックス46に回収するようにしてもよい。
【0047】
次に、本実施の形態にかかる印刷装置の動作について、図4乃至図8を用いて更に詳細に説明する。図7は本実施の形態にかかる印刷装置3の動作を示すフローチャートである。図8は、レシート排出口43近傍を示す図である。
【0048】
まず、印字ヘッド38によりレシートロール紙33に印字する(ステップS1)。次に、レシートロール33をカッタ38により規定寸法でカットする(ステップS2)、カットしたレシートを、第1排出ローラ39a乃至39d、及び第2排出ローラ41により搬送する(ステップS3)。
【0049】
レシートは、排出口43の手前でいったん停止し、搬送制御部25(図2参照)は、レシート排出口センサ44が障害物を検出しているか否かを確認する(ステップS4)。
【0050】
図4のように、排出口近傍に障害物がなく(ステップS4:Yes)、レシートが通常通り排出可能な場合は、レシートを通常の速度で放出する(ステップS5)。
【0051】
図8のように、排出口付近に障害物、例えばユーザの指等がある場合(ステップS4:No)、フリッカーランプ47(図5参照)の点滅及びガイダンススピーカ(不図示)により、排出口を塞がないように注意喚起させ、ユーザに障害物を排除するように促す(ステップS6)。
【0052】
ステップS6の後、排出口センサ44が、障害物が取り除かれたことを検出した場合(ステップS7:Yes)、レシート排出口43近傍に障害物はないと搬送制御部25が判断し、通常の速度でレシートを排出する(ステップS5)。
【0053】
ステップS6の後、レシート排出口センサ44が、障害物が取り除かれたことを検出しなかった場合(ステップS7:No)、フリッカーランプ47(図5参照)の点滅及びガイダンススピーカ(不図示)の警告が規定回数内であるか否か確認する(ステップS8)。警告が規定回数内である場合(ステップS8:Yes)、ステップS6に戻り、再度警告する。警告が規定回数以上である場合(ステップS8:No)、レシートを通常よりも遅い速度で排出する(ステップS9)。
【0054】
図6のようにレシートが排出され、排出口43に保持された状態になった後に、出口近傍の搬送路に設けられた出口センサ42が、ユーザによってレシートが受け取られたことを検出すると(ステップS10:Yes)、レシートの排出処理が終了する。一方、一定時間経過しても出口センサ42が通光しない場合(ステップS10:No)、ユーザがレシートを取り忘れたと判断し、レシートを回収ボックス46に回収する。
【0055】
本実施の形態にかかる印刷装置3によれば、排出口部分に手や荷物等の障害物があった場合にユーザに報知することで、排出口が塞がれている状態を解除するよう促すことができる。また、排出口の外部近傍に障害物が存在する場合、レシートの排出速度を低速にし、レシートが排出口に詰まらないようにし、レシートをユーザに接触させることで、排出を知らせることが可能となる。
【0056】
さらに、レシートをユーザが受け取らない、又はとり忘れた場合には、回収ボックスにレシートを回収するため、連続してレシートが排出される際にも、前に排出されたレシートのために排出口が詰まることがなく、排出がより効率よく行われる。
【0057】
上記の実施の形態では、レシートの排出について記載しているが、例えば、ATM装置の場合、カード、通帳、及び紙幣排出口(取り出し口)にそれぞれセンサを追加することで、これらの排出時の障害物検出にも適用することができる。
【0058】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0059】
例えば、上述の実施の形態における処理のうち、搬送手段の制御等、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。
【0060】
また、上述の例において、プログラムは様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0061】
1 印刷装置
2 印刷装置
3 印刷装置
11 印刷部
12 搬送部
13 障害検出部
14 搬送制御部
21 印刷部
22 駆動部
23 搬送手段
24 センサ
25 搬送制御部
26 スピーカ
27 タイマ
28 搬送切替手段
31 レシート印字ユニット
32 筐体
33 レシートロール
34 ロール紙ホッパ
35a 搬送ローラ
35b 搬送ローラ
36 プラテン
37 印字ヘッド
38 カッタ
39a 第1排出ローラ
39b 第1排出ローラ
39c 第1排出ローラ
39d 第1排出ローラ
41 第2排出ローラ
42 出口センサ
43 レシート排出口
44 排出口センサ
44a 排出口センサ
44b 排出口センサ
45a 回収ローラ
45b 回収ローラ
46 回収ボックス
47 フリッカーランプ
48 切換え弁
49 搬送ガイドa
50 搬送ガイドb

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にデータの書き込みを行う印刷部と、
前記印刷部にデータを書き込まれた前記記録媒体を搬送し、前記記憶媒体を排出口から外部に排出する搬送部と、
前記排出口外部に設けられ、前記排出口の外部に障害物があるか否かを検出する障害物検出部と、
前記搬送部が前記記憶媒体を前記排出口から排出する際に、前記障害物検出部により障害物が検出されている場合、前記搬送部による前記記憶媒体の排出速度を調整する搬送制御部と、を有する印刷装置。
【請求項2】
前記搬送制御部は、前記搬送部が前記記憶媒体を前記排出口から排出する際に、前記障害物検出部により、障害物が検出されている場合、前記搬送部による前記記憶媒体の排出速度を低速にするか、又は排出を一時停止する請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記搬送部が前記記憶媒体を前記排出口から排出する際に、前記障害検出部により障害物が検出されている場合、前記検出結果を外部に報知する報知部を更に有する請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記搬送部により前記排出口から排出された後の時間を測定するタイマと、
前記搬送部の搬送経路を切り替える搬送切替部を更に有し、
前記タイマの測定時間が、予め定められた所定の時間以上である場合、前記搬送制御部は、前記搬送切替部による前記搬送経路を切り替え、前記記憶媒体を収納する収納部に搬送する請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項5】
記録媒体にデータの書き込みを行い、
前記データを書き込まれた前記記録媒体を搬送して前記記憶媒体を排出口から外部に排出し、
前記記憶媒体が前記排出口から排出される際に、障害物が前記排出口近傍に検出されている場合、前記記憶媒体の排出速度を調整する印刷装置の制御方法。
【請求項6】
前記記憶媒体が前記排出口から排出される際に、障害物が前記排出口近傍に検出されている場合、前記記憶媒体の排出を一時停止する請求項5記載の印刷装置の制御方法。
【請求項7】
前記記憶媒体が前記排出口から排出される際に、障害物が前記排出口近傍に検出されている場合、外部に報知する請求項5又は6記載の印刷装置の制御方法。
【請求項8】
前記排出口から排出された前記記憶媒体がユーザにより受け取られるまでの時間を測定し、予め定められた所定の時間以上受け取られなかった場合、当該記憶媒体を収納する請求項5乃至7のうちいずれか1項記載の印刷装置の制御方法。
【請求項9】
所定の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
印刷部に記録媒体へのデータの書き込みを行わせ、
前記印刷部にデータを書き込まれた前記記録媒を搬送部に搬送させ、前記記憶媒体を排出口から外部に排出させ、
前記搬送部が前記記憶媒体を前記排出口から排出する際に、前記排出口の外部に障害物があることが検出されている場合、前記搬送部による前記記憶媒体の排出速度を調整することを特徴とする印刷装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−22738(P2013−22738A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156315(P2011−156315)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】