説明

印刷装置、情報処理装置、及び情報処理方法

【課題】高速に多種の画像を印刷する。
【解決手段】レシートに印刷する印刷画像25を、雛形画像21、文字情報22、変換画像23に分けて用意する。雛形画像21には、文字情報22を挿入する領域と、変換画像23を挿入する領域が形成されており、これらの領域に文字情報22と変換画像23を挿入すると印刷画像25が形成される。変換画像23は、所定のウェブサイトに対応づけられた情報が埋め込まれており、携帯電話のカメラで撮影すると、携帯電話を当該ウェブサイトに接続させることができる。文字情報22は、例えば、変換画像23で接続されるウェブサイトの内容を視覚的に表示する。プリンタは、変換画像23を予め記憶しており、店舗サーバから文字情報22と変換画像23を受信すると、雛形画像21に文字情報22と変換画像23を挿入して印刷画像25をレシートに印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、情報処理装置、及び情報処理方法に関し、例えば、レシートなどに端末が所定の接続先に接続するための接続情報を印刷するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ機能、ネットワーク接続機能を有する携帯電話が日常的に用いられており、携帯電話のカメラで2次元バーコードなどを撮影させ、携帯電話を所定のウェブサイトに接続させるサービスが行われている。
【0003】
これは、2次元バーコードに接続先のウェブサイトのURL(Uniform Resource Locators)を埋め込んでおき、これを携帯電話が撮影して解析することにより、自動的に当該ウェブサイトに接続するものである。
【0004】
この技術は、例えば、広告ポスターの隅に2次元バーコードを印刷しておき、ユーザにこれを携帯電話で撮影させ、より詳細な情報を提供するウェブサイトに誘導するのに用いられている。
【0005】
また、接続先の情報を電子透かしによって画像に埋め込み、これをユーザに提供することも提案されている。電子透かしは、例えば、広告画像などに目立たないように埋め込むことができるため、2次元バーコードのように印刷スペースを要しないなどの利点がある。
このような技術を用いたものに次の特許文献1の「印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラム」がある。
【特許文献1】特開2006−130801公報
【0006】
この技術は、例えば、店舗で顧客に発行するレシートの画像に所定のウェブサイトへの接続情報を対応づけた電子透かしを埋め込むことにより、レシートという限られた印刷スペースを有効に活用するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、レシートの印刷は、会計処理に際して行うため、顧客を待たせないように高速で行う必要がある。
そこで、レシートに画像を高速に印刷するため、レシートの印刷装置は、画像データを高速にアクセスできるメモリに予め格納しておき、これを用いて印刷を行うなどの工夫がされている。
ところが、このような方法は、画一的な画像を印刷する場合には適しているが、例えば、顧客が購入する商品に応じて印刷する画像を変えるなど、多種の画像を印刷する場合には、格納する画像データが多くなり、必ずしも適した方法ではなかった。
【0008】
そこで、本発明は、高速に多種の画像を印刷することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像を取得する接続情報画像取得手段と、文字を表示する文字情報を取得する文字情報取得手段と、接続情報画像挿入領域と、文字情報挿入領域が形成されている雛形画像を取得する雛形画像取得手段と、前記取得した雛形画像の接続情報画像挿入領域に前記取得した接続情報画像を挿入すると共に、当該雛形画像の文字情報挿入領域に前記取得した文字情報を挿入して印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記生成した印刷データを用いて印刷媒体に印刷する印刷手段と、を具備したことを特徴とする印刷装置を提供する(第1の構成)。
また、本発明は、第1の構成において、雛形画像を記憶する雛形画像記憶手段と、前記記憶した雛形画像を指定する雛形画像特定情報を取得する雛形画像特定情報取得手段と、を具備し、前記雛形画像取得手段は、前記取得した雛形画像特定情報で特定される雛形画像を前記雛形画像記憶手段で検索することにより取得することを特徴とする印刷装置を提供する(第2の構成)。
更に、本発明は、第2の構成において、文字情報、接続情報画像、及び雛形画像特定情報を含む印刷指令を受信する印刷指令受信手段を具備し、前記雛形画像特定情報取得手段は、前記印刷指令に含まれる雛形画像特定情報を取得し、前記接続情報画像取得手段は、前記印刷指令に含まれる接続情報画像を取得し、前記文字情報取得手段は、前記印刷指令に含まれる文字情報を取得することを特徴とする印刷装置を提供する(第3の構成)。
また、本発明は、前記目的を達成するために、顧客が購入した商品の商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記取得した商品情報を用いて、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像と、当該接続画像に対応する文字を表す文字情報を特定する画像文字特定手段と、前記特定した接続情報画像を挿入する接続情報画像挿入領域と、前記特定した文字情報を挿入する文字情報挿入領域が形成されている雛形画像を特定する雛形画像特定手段と、を具備したことを特徴とする情報処理装置を提供する(第4の構成)。
また、本発明は、第4の構成において、前記特定した接続情報画像を取得する接続情報画像取得手段と、前記特定した文字情報を取得する文字情報取得手段と、前記取得した接続情報画像と、前記取得した文字情報と、前記特定した雛形画像を指定する雛形画像特定情報と、を含む印刷指令を印刷装置に送信する印刷指令送信手段と、を具備したことを特徴とする情報処理装置を提供する(第5の構成)。
また、本発明は、前記目的を達成するために、商品情報取得手段と、接続情報画像特定手段と、文字情報特定手段と、雛形画像特定手段と、を備えたコンピュータにおいて、前記商品情報取得手段で、顧客が購入した商品の商品情報を取得する商品情報取得ステップと、前記画像文字特定手段で、前記取得した商品情報を用いて、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像と、当該接続画像に対応する文字を表す文字情報を特定する画像文字特定ステップと、前記雛形画像特定手段で、前記特定した接続情報画像を挿入する接続情報画像挿入領域と、前記特定した文字情報を挿入する文字情報挿入領域が形成されている雛形画像を特定する雛形画像特定ステップと、から構成されたことを特徴とする情報処理方法を提供する(第6の構成)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予め雛形となる画像を用意し、当該画像に挿入する情報を可変とすることにより高速に多種の画像を印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(1)実施の形態の概要
図2の各図に示したようにレシートに印刷する印刷画像25を、雛形画像21、文字情報22、変換画像23に分けて用意する。
雛形画像21には、文字情報22を挿入する領域と、変換画像23を挿入する領域が形成されており、これらの領域に文字情報22と変換画像23を挿入すると印刷画像25が形成される。
変換画像23は、所定のウェブサイトに対応づけられた情報が埋め込まれており、携帯電話のカメラで撮影すると、携帯電話を当該ウェブサイトに接続させることができる。文字情報22は、例えば、変換画像23で接続されるウェブサイトの内容を視覚的に表示するものである。
【0012】
プリンタは、変換画像23を予め記憶しており、店舗サーバから文字情報22と変換画像23を受信すると、雛形画像21に文字情報22と変換画像23を挿入して印刷画像25をレシートに印刷する。
このように、プリンタは、印刷する雛形画像21を予め記憶しているため高速に印刷画像25を印刷できると共に、雛形画像21に挿入する文字情報22と変換画像23が可変であるため、他種類の印刷画像25を高速に印刷することができる。
【0013】
(2)実施の形態の詳細
本実施の形態では、先の特許文献1と同様の電子透かし技術を用いる。
そこで、まず、図1を用いて本実施の形態に係る電子透かし技術について説明する。
この技術では、虚軸と実軸で張られた周波数空間101に信号を分布させた信号パターン116を定義する。
ここで、図中の黒丸は信号が配置されていることを示し、白丸は信号が配置されていないことを示している。即ち、信号パターン116では、周波数空間101での所定の位置に信号が「ある場合」か「ない場合」かの2値の情報が定義されている。
【0014】
次に、信号パターン116を逆離散フーリエ変換して画像空間における透かしパターン102を生成する。
必要がある場合には、これを2値化して2値化透かしパターン103を生成し、階調調節などをしてこれを画像に重ね合わせて印刷する。
図の例では、「明日は特売日」なる文字データ105に2値化透かしパターン103を加算又は減算して重ねて印刷してある。
【0015】
この印刷をカメラで撮影して離散フーリエ変換すると、周波数空間101においてスペクトル画像101aが得られ、信号パターン106aが復元される。
なお、簡略化のためスペクトル画像101aでは、原画像によるスペクトルは省略し、信号パターン106aのみ示してある。
【0016】
この信号パターンを特定のURLなどに対応づけておくと、ユーザを当該URLのウェブサイトに誘導することができる。
このような仕組みを用いて、例えば、レシートに電子透かしを埋め込んでおき、ユーザが携帯電話のカメラでこれを撮影すると、携帯電話がレシートの電子透かしを解析して、購入商品などと関係のあるコンテンツを提供するウェブサイトに接続する、といったようなサービスを提供することができる。
【0017】
次に、図2の各図を用いて、本実施の形態で行う画像印刷の方法について説明する。
本実施の形態では、レシートに印刷する画像を図2(a)に示したように、文字情報22、変換画像23、及び雛形画像21に分解した状態で管理する。
文字情報22は、例えば、「○○百貨店大バーゲン」などと、テキストデータや画像データなどにより表された文字である。
【0018】
変換画像23は、URLに対応づけた信号パターンを逆フーリエ変換して生成した画像データであり、例えば、「検索」などの文字が加算又は減算などして埋め込まれている。
ここで、変換画像23は、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像として機能している。
変換画像は、繰り返す模様として信号パターンが表されているため、変換画像の一部が文字によってつぶれても、残りの部分をフーリエ変換することにより信号パターンを復元することができる。
【0019】
雛形画像21は、文字情報22と変換画像23と共に印刷される画像データであって、文字情報22を挿入する領域と、変換画像23を挿入する領域が形成されており、これらを印刷するためのテンプレートを構成している。
雛形画像21に文字情報22と変換画像23を挿入すると、図2(b)に示したような印刷画像25が得られる。
ここで、変換画像23を挿入する領域は接続情報画像挿入領域として機能し、文字情報22を挿入する領域は文字情報挿入領域として機能し、雛形画像21は、接続情報画像挿入領域と、文字情報挿入領域が形成されている雛形画像として機能している。
【0020】
なお、本実施の形態では、接続先のウェブサイトを周波数領域で設定した信号パターンで特定するが、例えば、離散コサイン変換やウェーブレット変換、など他の直交変換を用いて特定するように構成してもよい。
また、変換画像ではなく、例えば、2元バーコードなどを用いることも可能である。
更に、対象画像を一定の大きさのブロックに分割し、濃淡の重み付けをする方法や画素などの標本値に透かし情報を埋め込む方法などを用いて特定するように構成してもよい。
【0021】
図2(c)は、印刷画像を印刷したレシート10の一例を示した図である。
このようにレシート10には、印刷画像25、25、・・・が印刷され、ユーザに渡される。
変換画像23、・・・には、「001」、「002」、・・・なる信号パターンIDに対応づけられてた信号パターンを変換した電子透かしが埋め込まれており、ユーザが当該変換画像23を携帯電話で撮影して所定のウェブサイトに接続するのに用いられる。
【0022】
そして、変換画像23には、例えば、「検索」などの文字が記載されており、デコードを行う領域(即ち、電子透かしが埋め込まれている領域)がユーザに明確に分かるようになっている。
また、変換画像23に隣接して、接続先のウェブサイトの内容を表す情報が文字情報22によって印刷されているため、ユーザは、これを手がかりに当該ウェブサイトにアクセスするか否かを判断することができる。
【0023】
図3の各図は、雛形画像21の態様の例を示した図である。
図3(a)の雛形画像21aでは、「アクセス」なる文字と、携帯電話でウェブサイトに接続する様子を模写した画像が表示され、ユーザにウェブサイトへのアクセスを促している。
【0024】
図3(b)の雛形画像21bでは、「2007/11/15 解禁」などとワインの解禁日を文字にて表示しており、ワインの広告情報が表示されている。
図3(c)の雛形画像21cでは、「2007/11/15 ○○ショップで大特価」などと、安売りの広告が表示されている。
このように、雛形画像21には宣伝効果を高めるための各種の態様が可能である。
【0025】
図4は、本実施の形態に係る広告システム1の構成を示した図である。
広告システム1は、プリンタ2、店舗サーバ3、携帯電話4、URLサーバ5、サービスサーバ6などから構成されている。
【0026】
プリンタ2は、キャッシュレジスタに組み込まれるなどして店舗に設置されている。プリンタ2は、会計内容や印刷画像25を印刷し、レシート10を生成する。
店舗サーバ3は、プリンタ2がレシート10に印刷画像25を印刷するのを支援するサーバであって、プリンタ2に文字情報や変換画像、及び雛形画像を特定する雛形IDを送信する。
【0027】
携帯電話4は、カメラ機能とネットワーク接続機能を有しており、また、変換画像を解析して信号パターンIDを特定する機能、当該信号パターンIDをURLサーバ5に送信して接続先のURLを取得する機能、当該URLを用いてサービスサーバ6のウェブサイトに接続する機能などを実現するアプリケーションが組み込まれている。
【0028】
URLサーバ5は、信号パターンIDとURLを対応づけて記憶しており、携帯電話4から送信されてきた信号パターンIDに対して対応するURLを送信する。
サービスサーバ6は、携帯電話4で閲覧するウェブサイトを運用するサーバである。
【0029】
以下に、広告システム1で行われる情報処理手順を図中の括弧に示した番号に従って説明する。
(1)ユーザは、店舗にて購入する商品を会計エリアに持参し、会計担当者に渡す。会計担当者は、商品に表示されているバーコードをバーコードリーダで読み取るなどして商品情報をキャッシュレジスタに入力し、会計処理を行わせる。この際、プリンタ2は、商品情報を店舗サーバ3に送信する。商品情報には、ユーザが購入する商品の商品コードなどが含まれている。
【0030】
(2)店舗サーバ3は、プリンタ2から商品情報を受信すると、対応テーブルを参照して、当該商品情報に対応する文字情報、信号パターン、及び雛形画像を特定する。なお、対応テーブルは、商品情報に含まれる商品コード、文字情報、信号パターン、雛形画像を対応づけている。
次に、店舗サーバ3は、特定した信号パターンを信号パターンDB(データベース)から読み出して逆フーリエ変換し、変換画像を生成する。
そして、店舗サーバ3は、特定した文字情報を文字情報DBから読み出し、文字情報、変換画像、及び雛形画像を特定する雛形IDを含むコマンドデータを生成してプリンタ2に送信する。
【0031】
(3)プリンタ2は、雛形IDに対応づけて雛形画像を記憶しており、コマンドデータを受信して、コマンドデータに含まれる雛形IDの雛形画像を読み出す。
そして、プリンタ2は、コマンドデータに含まれている文字情報と変換画像を雛形画像に挿入して印刷画像を生成し、レシート10を印刷する。
【0032】
(4)ユーザは、レシート10を受け取ると、携帯電話4で変換画像読み取り用のアプリケーションを起動し、レシート10に印刷された変換画像を撮影する。
(5)携帯電話4は、変換画像を撮影すると、変換画像をフーリエ変換して信号パターンを復元する。携帯電話4は、信号パターンと信号パターンIDを対応づけた対応テーブルを記憶しており、これによって復元した信号パターンの信号パターンIDを特定し、これをURLサーバ5に送信する。
【0033】
(6)URLサーバ5は、信号パターンIDとURLの対応を記憶しており、携帯電話4から信号パターンIDを受信すると、これに対応するURLを携帯電話4に送信する。
携帯電話4は、URLサーバ5からURLを受信すると、これを用いてサービスサーバ6のウェブサイトに接続する。
【0034】
以上のようにして、レシート10を用いて携帯電話4をサービスサーバ6のウェブサイトに接続させることができる。
なお、以上に説明した実施の形態では、URLサーバ5で信号パターンとURLを対応づけ、携帯電話4の接続をURLサーバ5からサービスサーバ6にリダイレクトするように構成したが、変換画像(他の形態の画像に情報を埋め込む場合には当該他の形態の画像)に埋め込める情報量が多い場合には、URLなどの接続情報を直接画像に埋め込み、携帯電話4が当該接続情報を用いてサービスサーバ6に直接接続するように構成することも可能である。
【0035】
図5は、プリンタ2のハードウェア的な構成を説明するための図である。
プリンタ2は、CPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、印刷部34、通信制御部35、入出力I/F36、記憶媒体駆動部37、記憶部38、などの各機能部がバスラインで接続されて構成されている。
【0036】
CPU31は、所定のプログラムに従って、各種の演算処理、及び情報処理やプリンタ2を構成する各構成要素の制御を行ったりする中央処理装置である。
具体的には、例えば、CPU31は、商品情報を店舗サーバ3に送信したり、店舗サーバ3からコマンドデータを受信して印刷画像を生成し、印刷部34を駆動してレシートを印刷したりする。
【0037】
ROM33は、プリンタ2を動作させるための基本的なプログラムやデータなどを記憶した読み出し専用のメモリである。
RAM32は、CPU31が動作するためのワーキングメモリを提供する読み書きが可能なメモリである。
【0038】
通信制御部35は、プリンタ2を通信ネットワークに接続する機能部であり、プリンタ2と店舗サーバ3やその他のサーバ装置との通信を制御する。
プリンタ2は、通信制御部35を介して、店舗サーバ3に商品情報を送信したり、店舗サーバ3からコマンドデータを受信したりする。
【0039】
入出力I/F36は、プリンタ2を外部の機器と接続するインターフェースである。
プリンタ2は、入出力I/F36を介してキャッシュレジスタと通信し、キャッシュレジスタから商品情報や、レシートに印刷する会計内容などを受信する。
記憶媒体駆動部37は、例えば、光磁気ディスクなど、着脱式の記憶媒体を駆動する機能部である。プリンタ2は、記憶媒体駆動部37を用いて記憶媒体に記憶されているプログラムをインストールしたりなどすることができる。
【0040】
記憶部38は、例えば、ハードディスクなどで構成された大容量で読み書き可能な記憶装置である。
記憶部38には、プログラム類を格納したプログラム格納部41とデータ類を記憶したデータ格納部42が形成されている。
【0041】
プログラム格納部41には、プリンタ2を動作させるための基本的なソフトウェアであるOS(Operating System)、店舗サーバ3と通信してレシートを印刷するレシート印刷プログラム、その他のプログラムが格納されている。
CPU31は、レシート印刷プログラムを実行することにより、文字情報や変換画像を雛形画像に挿入して印刷画像をレシートに印刷することができる。
データ格納部42には、雛形画像を記憶した雛形画像DBが形成されている。雛形画像DBは、雛形画像記憶手段として機能している。
【0042】
図6は、店舗サーバ3のハードウェア的な構成を説明するための図である。
店舗サーバ3は、CPU51、RAM52、ROM53、通信制御部54、入出力I/F55、記憶部56、などの各機能部がバスラインで接続されて構成されている。
【0043】
CPU51は、所定のプログラムに従って、各種の演算処理、及び情報処理や店舗サーバ3を構成する各構成要素の制御を行ったりする中央処理装置である。
具体的には、例えば、CPU51は、プリンタ2から商品情報を受信して、コマンドデータを生成し、プリンタ2に送信する。ここで、コマンドデータは印刷指令として機能している。
【0044】
ROM53は、店舗サーバ3を動作させるための基本的なプログラムやデータなどを記憶した読み出し専用のメモリである。
RAM52は、CPU51が動作するためのワーキングメモリを提供する読み書きが可能なメモリである。
【0045】
通信制御部54は、店舗サーバ3を通信ネットワークに接続する機能部であり、店舗サーバ3とプリンタ2やその他のサーバ装置との通信を制御する。
店舗サーバ3は、通信制御部54を介して、プリンタ2から商品情報を受信したり、プリンタ2にコマンドデータを送信したりする。
入出力I/F55は、店舗サーバ3を周辺機器などと接続するインターフェースである。
【0046】
記憶部56は、例えば、ハードディスクなどで構成された大容量で読み書き可能な記憶装置である。
記憶部56には、プログラム類を格納したプログラム格納部61とデータ類を記憶したデータ格納部62が形成されている。
【0047】
プログラム格納部61には、店舗サーバ3を動作させるための基本的なソフトウェアであるOS、プリンタ2から商品情報を受信してコマンドデータを生成してプリンタ2に送信する印刷支援プログラム、その他のプログラムが格納されている。
CPU31は、印刷支援プログラムを実行することにより、プリンタ2に対して印刷画像25をレシートに印刷するための印刷支援を行うことができる。
【0048】
データ格納部62には、文字情報を記憶した文字情報DB、信号パターンを記憶した信号パターンDB、商品コードと文字情報、信号パターン、雛形画像などとの対応を記憶した対応テーブルなどが記憶されている。
【0049】
次に、図7の各図を用いてデータベースなどの構成について説明する。
図7(a)は、プリンタ2が有する雛形画像DBの論理的な構成を説明するための図である。
雛形画像DBは、雛形画像を形成する画像データと、当該画像データの識別情報である雛形IDを対応づけて記憶している。ここで雛形IDは、雛形画像特定情報として機能している。
プリンタ2は、コマンドデータに含まれる雛形IDにより雛形画像を特定し、雛形画像DBから読み出すことができる。
【0050】
図7(b)は、店舗サーバ3が有する文字情報DBの論理的な構成を説明するための図である。
文字情報DBは、雛形画像21に挿入する文字情報と、当該文字情報の識別情報である文字情報IDを対応づけて記憶している。
店舗サーバ3は、文字情報IDにより文字情報を特定して文字情報DBから読み出すことができる。
【0051】
図7(c)は、店舗サーバ3が有する信号パターンDBの論理的な構成を説明するための図である。
信号パターンDBは、周波数空間で定義された信号パターンと、当該信号パターンを識別する情報である信号パターンIDを対応づけて記憶している。
店舗サーバ3は、信号パターンIDにより信号パターンを特定して信号パターンDBから読み出すことができる。
【0052】
図7(d)は、店舗サーバ3が有する対応テーブルの論理的な構成を説明するための図である。
対応テーブルは、商品コード、文字情報ID、信号パターンID、雛形IDを対応づけて記憶している。
店舗サーバ3は、プリンタ2から受信した商品情報に含まれる商品コードを対応テーブルで照合することにより、コマンドデータに含める文字情報ID、信号パターンID、雛形IDを特定することができる。
【0053】
図8(a)は、印刷画像25の各種変形例を説明するための図である。
何れの図も、変換画像が印刷されている領域をドットにて着色して示してある。
印刷画像25aは、図2(b)に示した形態であり、変換画像23に隣接して文字情報22が印刷されている。
印刷画像25bは、印刷画像25全体に変換画像を埋め込んだ例である。図示しないが変換画像の上に「○○百貨店大バーゲン、ここを撮影」などの文字が印刷してあり、ユーザが印刷画像25bのどの領域を撮影してもよい。
【0054】
印刷画像25cは、文字情報22に変換画像を埋め込んだ例である。図示しないが変換画像の上に「○○百貨店大バーゲン、ここを撮影」などの文字が印刷してある。
印刷画像25dは、印刷画像25の文字情報22以外の領域に変換画像を印刷した例である。文字情報と変換画像が別の領域に印刷されているため文字情報が視認し易くなると共に、変換画像が印刷されている領域の面積も大きいため、撮影の失敗を低減することができる。
【0055】
図8(b)は、レシートの全体に変換画像を印刷する例である。図示しないが、変換画像上に会計内容や、変換画像によって接続する接続先ウェブサイトの広告などが印刷されている。
【0056】
以上のように構成されたプリンタ2や店舗サーバ3を用いてレシートを印刷する手順を図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、会計エリアの担当者がキャッシュレジスタに会計対象の商品情報を入力していく。そして、担当者が入力を終えて、所定のキーを押下すると、プリンタ2は、キャッシュレジスタから商品情報を受信し、これを店舗サーバ3に送信する(ステップ5)。
【0057】
店舗サーバ3は、商品情報を受信すると、商品情報に含まれている商品コードのうち、所定のアルゴリズムを用いて広告に適する1の商品コードを選択する。このように、店舗サーバ3は、顧客が購入した商品の商品情報を取得する商品情報取得手段を備えている。
そして、店舗サーバ3は、当該商品コードを対応テーブルで参照し、当該商品コードに対応づけられている文字情報IDによって文字情報を特定し(ステップ10)、当該文字情報を文字情報DBから読み出す。
【0058】
次に、店舗サーバ3は、対応テーブルで当該商品コードに対応づけられている信号パターンIDによって信号パターンを特定し(ステップ15)、当該信号パターンを信号パターンDBから読み出す。
次いで、店舗サーバ3は、読み出した信号パターンを逆フーリエ変換して変換画像を生成する(ステップ20)。
【0059】
次に、店舗サーバ3は、対応テーブルで当該商品コードに対応づけられている雛形IDを特定する(ステップ25)。
店舗サーバ3は、以上のようにして商品コードに対応する文字情報、変換画像、及び雛形IDを得ると、これらを含むコマンドデータを生成してプリンタ2に送信する(ステップ30)。
【0060】
ここで、文字情報は対応テーブルによって信号パターンに対応づけられており、また、信号パターンは、変換画像に対応している。
このため、店舗サーバ3は、商品情報を用いて、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像(変換画像)と、当該接続画像に対応する文字を表す文字情報を特定する画像文字特定手段を備えていると共に、この接続情報画像を挿入する接続情報画像挿入領域と、この文字情報を挿入する文字情報挿入領域が形成された雛形画像を特定する雛形画像特定手段を備えている。
【0061】
また、店舗サーバ3は、信号パターンDBから信号パターンを読み出して変換し、当該特定した接続情報画像を取得する接続情報画像取得手段と、当該特定した文字情報を文字情報DBから取得する文字情報取得手段を備えている。
加えて、店舗サーバ3は、このようにして取得した接続情報画像と文字情報と、当該特定した雛形画像を指定する雛形画像特定情報(雛形ID)と、を含む印刷指令(コマンドデータ)を印刷装置に送信する印刷指令送信手段を備えている。
【0062】
プリンタ2は、店舗サーバ3からコマンドデータを受信すると(ステップ35)、コマンドデータから文字情報、変換画像、及び雛形IDを取得する。
このように、プリンタ2は、文字情報、接続情報画像(変換画像)、及び雛形画像特定情報(雛形ID)を含む印刷指令(コマンドデータ)を受信する印刷指令受信手段を備えており、また、端末(携帯電話4)が接続する接続先を特定する接続情報(信号パターン)を含んだ接続情報画像(変換画像)を取得する接続情報画像取得手段と、文字を表示する文字情報を取得する文字情報取得手段を備えている。
また、プリンタ2は、雛形画像DBに記憶した雛形画像を指定する雛形画像特定情報をコマンドデータから取得する雛形画像特定情報取得手段を備えている。
【0063】
そして、プリンタ2は、取得した雛形IDに対応する雛形画像を雛形画像DBから読み出す(ステップ40)。
このように、プリンタ2は、コマンドデータから取得した雛形画像特定情報(雛形ID)で特定される雛形画像を雛形画像記憶手段(雛形画像DB)で検索することにより取得する。
【0064】
次に、プリンタ2は、読み出した雛形画像にコマンドデータから取得した文字情報と変換画像を挿入して印刷画像を生成する。
更に、プリンタ2は、会計内容なども加えてレシートに印刷する印刷データを生成し(ステップ45)、これを用いてレシートを印刷する(ステップ50)。
【0065】
以上本実施の形態について説明したが、各種の変形が可能である。例えば、プリンタ2と店舗サーバ3の通信速度が十分に速い場合、印刷画像の生成までを店舗サーバ3で行ってプリンタ2に送信し、これを印刷するように構成することができる。
この場合の手順を図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図9と同じステップには、同じステップ番号を付し、説明を省略、又は簡略化する。
【0066】
ステップ5からステップ25までは、図9と同じである。
店舗サーバ3は、雛形IDと対応づけて雛形画像を記憶しており、ステップ25で特定した雛形IDに対応する雛形画像を読み出す(ステップ60)。
そして、店舗サーバ3は、読み出した雛形画像に文字情報と変換画像を挿入して印刷画像を生成し、これをプリンタ2に送信する(ステップ65)。
【0067】
プリンタ2は、店舗サーバ3から印刷画像を受信すると、これに会計内容なども加えてレシートに印刷する印刷データを生成し(ステップ45)、これを用いてレシートを印刷する(ステップ50)。
【0068】
以上の例では、店舗サーバ3で印刷画像を生成したが、プリンタ2に文字情報DB、信号パターンDB、及び雛形画像DBを記憶させておき、店舗サーバ3が文字情報ID、信号パターンID、及び雛形IDを指定して、プリンタ2に印刷画像を生成させるように構成することもできる。
また、以上の例では、店舗サーバ3は、信号パターンを都度変換画像に変換したが、信号パターンを変換した変換画像を記憶した変換画像DBを用意しておき、これから直接変換画像を読み出すように構成することもできる。
【0069】
以上に説明した本実施の形態、又は変形例によって次のような効果を得ることができる。
(1)レシートに印刷する画像を雛形化することにより、雛形、文字情報、変換画像の各種組合せにより多彩な印刷画像を高速に印刷することができる。
(2)変換画像の近傍に例えば隣接して文字情報を印刷することにより、視認性を高めることができ、また、ユーザの興味を喚起して広告効果を高めることができる。
(3)例えば、「検索」なる文字を変換画像に重ねて印刷することにより、ユーザは、デコードを行う領域(変換画像が印刷された領域)を容易に判別することができる。このため、カメラの焦点を変換画像に容易に合わせることができる。
(4)文字情報により、ユーザは変換画像で接続されるウェブサイトの内容を予め知ることができ、自分の興味のある変換画像を選択して携帯電話で撮影することができる。
(5)雛形画像を印刷の前に読み出すことにより、印刷データのデータ量を削減し、印字速度の低下を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】電子透かし技術について説明するための図である。
【図2】画像印刷の方法について説明するための図である。
【図3】雛形画像の態様の例を示した図である。
【図4】広告システムの構成を示した図である。
【図5】プリンタのハードウェア的な構成を説明するための図である。
【図6】店舗サーバのハードウェア的な構成を説明するための図である。
【図7】データベースなどの構成について説明するための図である。
【図8】印刷画像の各種変形例を説明するための図である。
【図9】レシートを印刷する手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】レシートを印刷する手順の変形例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 広告システム
2 プリンタ
3 店舗サーバ
4 携帯電話
5 URLサーバ
6 サービスサーバ
10 レシート
21 雛形画像
22 文字情報
23 変換画像
25 印刷画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像を取得する接続情報画像取得手段と、
文字を表示する文字情報を取得する文字情報取得手段と、
接続情報画像挿入領域と、文字情報挿入領域が形成されている雛形画像を取得する雛形画像取得手段と、
前記取得した雛形画像の接続情報画像挿入領域に前記取得した接続情報画像を挿入すると共に、当該雛形画像の文字情報挿入領域に前記取得した文字情報を挿入して印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記生成した印刷データを用いて印刷媒体に印刷する印刷手段と、
を具備したことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
雛形画像を記憶する雛形画像記憶手段と、
前記記憶した雛形画像を指定する雛形画像特定情報を取得する雛形画像特定情報取得手段と、
を具備し、
前記雛形画像取得手段は、前記取得した雛形画像特定情報で特定される雛形画像を前記雛形画像記憶手段で検索することにより取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
文字情報、接続情報画像、及び雛形画像特定情報を含む印刷指令を受信する印刷指令受信手段を具備し、
前記雛形画像特定情報取得手段は、前記印刷指令に含まれる雛形画像特定情報を取得し、前記接続情報画像取得手段は、前記印刷指令に含まれる接続情報画像を取得し、前記文字情報取得手段は、前記印刷指令に含まれる文字情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
顧客が購入した商品の商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記取得した商品情報を用いて、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像と、当該接続画像に対応する文字を表す文字情報を特定する画像文字特定手段と、
前記特定した接続情報画像を挿入する接続情報画像挿入領域と、前記特定した文字情報を挿入する文字情報挿入領域が形成されている雛形画像を特定する雛形画像特定手段と、
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記特定した接続情報画像を取得する接続情報画像取得手段と、
前記特定した文字情報を取得する文字情報取得手段と、
前記取得した接続情報画像と、前記取得した文字情報と、前記特定した雛形画像を指定する雛形画像特定情報と、を含む印刷指令を印刷装置に送信する印刷指令送信手段と、
を具備したことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
商品情報取得手段と、画像文字特定手段と、雛形画像特定手段と、を備えたコンピュータにおいて、
前記商品情報取得手段で、顧客が購入した商品の商品情報を取得する商品情報取得ステップと、
前記画像文字特定手段で、前記取得した商品情報を用いて、端末が接続する接続先を特定する接続情報を含んだ接続情報画像と、当該接続画像に対応する文字を表す文字情報を特定する画像文字特定ステップと、
前記雛形画像特定手段で、前記特定した接続情報画像を挿入する接続情報画像挿入領域と、前記特定した文字情報を挿入する文字情報挿入領域が形成されている雛形画像を特定する雛形画像特定ステップと、
から構成されたことを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−196324(P2009−196324A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43492(P2008−43492)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】