説明

印刷装置およびプログラム

【課題】プレビューモニターとしてのディスプレーを大型化することなく、印刷対象となる画像データの選択や、操作画面の操作などにおいて、利便性が高い印刷装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】操作画面を拡大投写する投写部22と、操作画面をディスプレー上に表示する表示部21と、外部メディアMから複数の画像データを読み出す外部メディアインターフェース28と、複数の画像データの中から印刷対象となる画像データを選択するための各種ボタン群25と、選択された画像データを印刷する印刷部24と、を備え、投写部22は、外部メディアMから読み出した複数の画像データを一覧表示し、表示部21は、各画像データの詳細表示を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
操作画面を用いて、印刷設定および各種操作を行い得る印刷装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレー(プレビューモニター)上に操作画面を表示し、印刷モードの設定やスキャンモードの設定などを行い得る複合機が知られている。この種の複合機では、外部記憶媒体を装着するスロットが搭載され、外部記憶媒体から読み出した画像データ(写真データ)を、ディスプレー上に表示して、印刷対象となる画像データを選択できるものが一般的である。これにより、外部記憶媒体に格納されている画像データを、パーソナルコンピューターを用いることなく、直接印刷することができるといった利点がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−94426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、複合機に搭載されるディスプレーは3インチ〜5インチ程度と、小型である場合が多く、写真画像をサムネイル表示すると、個々の画像を詳細に確認することができないといった問題がある。そのため、多くても一度に十数枚程度の画像しか表示することができず、外部記憶媒体に多数の画像データが格納されている場合は、全ての画像を確認するために、何度も画面を切り替える必要があり、不便であった。
【0005】
また、近年、複合機や印刷装置は、多機能化の傾向にあり、操作画面(操作メニュー)も複雑化してきている。利便性を追求すると、ディスプレーの大型化が望ましいが、筐体が大型化してしまうことやコスト面の問題があり、ディスプレーの大型化は困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、プレビューモニターとしてのディスプレーを大型化することなく、印刷対象となる画像データの選択や、操作画面の操作などにおいて、利便性が高い印刷装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の印刷装置は、操作画面を拡大投写する投写手段と、操作画面を操作するための操作手段と、操作手段の操作結果に基づいて、印刷を行う印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、操作画面を拡大投写する投写手段を備えているため、ユーザーは、大きな操作画面を視認しながら操作することができ、利便性が良い。また、操作画面が大きいため、多数の画像データに基づく画像をサムネイル表示することができ、印刷対象となる画像を迅速に選択することができる。
なお、投写手段により投写を行う投写面は、印刷装置に設けられていても良いし、外部(天井、壁など)に設けられていても良い。
【0009】
上記に記載の印刷装置において、操作画面を、ディスプレー上に表示する表示手段をさらに備えたことが好ましい。
【0010】
上記に記載の印刷装置において、外部記憶媒体から、画像データを読み出す画像データ読み出し手段をさらに備え、投写手段は、複数の画像データを一覧表示し、表示手段は、各画像データの詳細表示を行うことが好ましい。
【0011】
一般に、投写画像より、ディスプレー上に表示された表示画像の方が、画質が良いため、写真画像などを鮮明に表示することができる。これらの構成によれば、プレビューモニターとしてのディスプレーを備えているため、外部記憶媒体から読み出した画像データに基づく画像を、投写手段によりサムネイル表示し、表示手段により詳細表示する(例えば、1枚ずつ表示する)、といった制御が可能である。つまり、両者の長所を生かした画像表示(視認化)を行うことができる。
【0012】
上記に記載の印刷装置において、読み取り面および天板を有するスキャナー手段をさらに備え、投写手段は、読み取り面と略同一面に投写口が設けられ、当該投写口は天板に向けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、スキャナー手段の天板を、投写面として利用することができる。これにより、投写面とするための部材を別途用意する必要がない。また、スキャナー手段の天板は白色であるため、鮮明な投写画像を投射することができる。また、投写手段の投写口は、スキャナー手段の読み取り面と略同一面に設けられているため、天板を開いた状態で、投写可能な状態とすることができる。つまり、非使用時は、天板が閉じられているため、投写口に粉塵が付着することを防止できる。また、投写口は、天板を最大限開いた状態で良好な投写画像が得られるように、その角度を固定することができるため、ユーザーによる細かい調整を必要としない。
【0014】
上記に記載の印刷装置において、天板の開閉状態を検出する開閉検出手段をさらに備え、表示手段は、開閉検出手段の検出結果に応じて、表示内容が変化することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、天板の開いているとき(すなわち、投写手段による操作画面の投写が可能な状態にあるとき)と、天板の閉じているとき(すなわち、投写手段による操作画面の投写ができない状態にあるとき)とで、表示内容を変化させることができる。例えば、表示手段が、外部記憶媒体から読み出した画像データを表示する場合、投写手段による操作画面の投写が可能な状態にあるときは、画像を1枚ずつ表示し、投写手段による操作画面の投写ができない状態にあるときは、小さい画面ながらも画像をサムネイル表示するなど、天板の開閉状態に応じて、適切な表示形態とすることができる。
【0016】
本発明のプログラムは、コンピューターを、上記に記載の印刷装置における各手段として機能させるためのものであることを特徴とする。
【0017】
このプログラムを用いることにより、プレビューモニターとしてのディスプレーを大型化することなく、印刷対象となる画像データの選択や、操作画面の操作などにおいて、利便性が高い印刷装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の印刷装置を適用した複合機の外観斜視図である。
【図2】複合機の操作パネル周りの拡大平面図である。
【図3】操作画面の具体例を示す図である。
【図4】複合機の制御ブロック図である。
【図5】複合機の印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】画像データ選択画面の投写表示例および画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る印刷装置およびプログラムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態では、プリント機能、スキャナー機能、およびコピー機能を実現可能な複合機に、本発明の印刷装置を適用した場合について説明する。なお、本実施形態の複合機は、これらの機能以外に、プロジェクター機能を搭載したことを特徴とするものである。
【0020】
図1は、複合機1の外観斜視図である。複合機1は、本体11と、本体11を覆う天板12と、から成る。本体11の前面部には、各種ボタン群25(ボタン41〜49)や、プレビューモニター5(ディスプレー)を有する操作パネル14が配設されている。また、本体11の上面部には、スキャン時に原稿が載置される原稿台13(読み取り面)と、プロジェクター機能を実現するための投写口15と、が設けられている。投写口15は、その先端(投写レンズ)が、本体11の上面(原稿台13と同一の面)から突出しないように、陥没した位置に配置される。また、本体11の前面下部には、用紙を排出するための排紙トレイ16と、メモリーカード等の外部メディアM(図4参照)を挿入するためのメディアスロット17と、が設けられている。
【0021】
一方、天板12の下面には、原稿カバー18が設けられている。当該原稿カバー18は、スキャン時に外部の光をさえぎるために用いられる白色カバーである。本実施形態では、投写口15からの投写画像を表示するための投写面としても機能する。
【0022】
次に、図2を参照し、複合機1の操作パネル14周りについて説明する。操作パネル14には、各種ボタン群25として、複合機1の電源をオン/オフするための電源ボタン41と、インク残量の確認、ノズルチェック、ヘッドクリーニング指示、用紙設定など、各種設定を行うための設定ボタン42と、実行中の動作を中止するためのストップボタン43と、プリント機能やスキャナー機能の実行開始時に押下される、カラーとモノクロの2種類のスタートボタン44(44a,44b)と、が設けられている。
【0023】
また、プレビューモニター5や原稿カバー18(投写面)に表示された操作画面Dを操作するための操作ボタン群40(操作手段)として、印刷枚数や印刷部数をインクリメントまたはデクリメントするための2種類の印刷数設定ボタン45(45a,45b)と、項目や設定値を選択するためのカーソルボタン46と、選択した設定を確定するためのOKボタン47と、操作中の設定をキャンセルするための戻るボタン48と、操作対象となる画面を切り替えるための切替ボタン49と、が設けられている。
【0024】
切替ボタン49は、その押下毎に、プレビューモニター5に表示される操作画面D(以下、「表示画面」とも称する)と、原稿カバー18に表示される操作画面D(以下、「投写画面」とも称する)と、のいずれかを、操作ボタン群40の操作対象として切り替え可能となっている。
【0025】
次に、図3を参照し、プレビューモニター5に表示される操作画面Dの具体例について説明する。図3(a)は、機能メニュー選択画面D1を示す図である。機能メニュー選択画面D1では、「写真印刷」、「コピー」、「スキャン」および「セットアップ」のうち、いずれかを選択可能となっている。なお、「写真印刷」は、プリント機能の一つであり、外部メディアMから読み出した画像データを印刷する、いわゆるダイレクト印刷機能を指す。また、「セットアップ」はインク残量の確認、ノズルチェック、ヘッドクリーニング指示、用紙設定など、各種設定を行うための機能である。なお、機能メニューとして「セットアップ」が選択された場合は、各設定/操作を行うための操作画面Dが表示されることとなる。上記の設定ボタン42(図2参照)が押下されたときも同様に、各設定/操作を行うための操作画面Dが表示される。
【0026】
図3(b)は、印刷モード選択画面D2を示す図である。印刷モード選択画面D2では、「写真を見ながら選んで印刷」、「全ての写真を印刷」および「オーダーシートを使って印刷」うち、いずれかを選択可能となっている。「写真を見ながら選んで印刷」が選択されると、画面上に表示された写真画像の中から所望の画像を選択して印刷することができる。また、「全ての写真を印刷」が選択されると、外部メディアMに格納されている全ての写真画像を印刷することができる。また、「オーダーシートを使った印刷」が選択されると、写真画像を一覧できるオーダーシートを印刷出力する。そして、当該オーダーシートにユーザーがマークをつけてスキャンすることにより、そのマークをつけた写真画像を印刷することができるようになっている。
【0027】
次に、図4を参照し、複合機1の制御構成について説明する。複合機1は、主な制御構成として、制御部20の他、表示部21、投写部22、画像読み取り部23、印刷部24、各種ボタン群25、サムネイル用バッファ26、符号データ用バッファ27、外部メディアインターフェース28および開閉センサー29を備えている。また、制御部20は、接続バス31を介して、これら各構成要素21〜29と接続されている。
【0028】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のメモリーを有し、複合機1を統括制御する。
【0029】
表示部21は、操作画面Dをプレビューモニター5上に表示する。なお、当該操作画面Dには、図3に示した機能メニュー選択画面D1や印刷モード選択画面D2の他、画像データ表示画面D3(図6参照)が含まれる。画像データ表示画面D3は、複数の画像データを一覧表示するサムネイル表示画面D3a(例えば、図6(a),(c))と、画像データを1枚ずつ表示する個別表示画面D3b(例えば、図6(b))と、に区別される。なお、プレビューモニター5としては、液晶ディスプレーや有機ELディスプレー等を採用可能である。
【0030】
投写部22は、投写口15からの投写画像を、原稿カバー18に拡大投写する。投写部22は、上記の表示部21と同様の表示を行うことができる。つまり、表示部21に表示されている操作画面Dを、そのまま拡大投写したり、各種ボタン群25(特に、操作ボタン群40)の操作結果を操作画面Dに反映させたりすることができる。なお、機能メニューや操作内容によって、表示部21と投写部22に、それぞれ異なる表示内容を表示させることが可能である。本実施形態では、機能メニューとして「写真印刷」が選択された場合に、異なる表示内容を表示するものとする(詳細については、後述する)。なお、投写部22には、光源ランプ、光変調手段(ライトバルブなど)、投写レンズなどが含まれるが、一般的なプロジェクターと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0031】
画像読み取り部23は、コピー機能やスキャナー機能を実現するために、原稿台13にセットされた原稿の画像読み取りを行う。
【0032】
印刷部24は、プリンタ機能を実現するものであり、例えばインクジェット方式により印刷を行う。印刷部24は、キャリッジモーターにより、インクジェットヘッドを保持するキャリッジを主走査方向に往復動させると共に、紙送りモーターにより、印刷用紙を副走査方向に搬送させることにより、印刷を行う。
【0033】
各種ボタン群25には、図2に示したボタン41〜49が含まれる。なお、本実施形態では、主に機能メニュー「写真印刷」の操作(例えば、所望する写真画像の選択など)を行うために、各種ボタン群25が用いられる。
【0034】
サムネイル用バッファ26は、ダイレクト印刷などを行う際に、印刷対象となる画像のサムネイル画像データを一時的に記憶する。つまり、表示部21および投写部22は、画像データのサムネイル表示(サムネイル表示画面D3aの表示)を行う場合、当該サムネイル用バッファ26に記憶された画像データを読み出して投写する。
【0035】
符号データ用バッファ27は、ダイレクト印刷などを行う際に、外部メディアMから読み出された符号データ(例えば、JPEG形式のデータ)を、所定の単位転送量分だけ一時的に記憶する。つまり、印刷部24は、ユーザーにより選択された写真画像を印刷する場合、当該符号データ用バッファ27に記憶された符号データを読み出して印刷する。
【0036】
外部メディアインターフェース28は、上記のメディアスロット17により構成され、USBやIEEE1394等の所定の通信規格をサポートするインターフェースである。請求項における「画像データ読み出し手段」は、当該外部メディアインターフェース28を指す。なお、外部メディアインターフェース28は、画像データを供給する外部機器(例えば、パーソナルコンピューター)と接続可能としても良い。この場合、外部メディアMは、外部機器で読み出し可能な媒体(例えば、光ディスク)となる。
【0037】
開閉センサー29は、天板12の開閉状態を検出するためのセンサーである。請求項における「開閉検出手段」は、当該開閉センサー29を指す。本実施形態において、制御部20は、当該開閉センサー29の検出結果に応じて、投写部22による照明光の輝度調節を行う。つまり、天板12が開いている状態では、照明光の輝度を最大にし、天板12が閉じている状態では、照明光の輝度を最小にする(または光源ランプを消灯する)。また、制御部20は、当該開閉センサー29の検出結果に応じて、表示部21の表示内容を変化させる(詳細については、後述する)。なお、開閉センサー29としては、磁気センサーなどを採用可能である。
【0038】
次に、図5および図6を参照し、複合機1による印刷処理について説明する。ここでは、写真印刷を行う場合であって、外部メディアMに格納されている画像データ(写真データ)の中から、ユーザーが選択した画像データを印刷する場合について説明する。図5は、印刷処理を示すフローチャートであり、図6は、画像データ表示画面D3の具体例を示す図である。
【0039】
図5のフローチャートに示すように、電源オン後、メディアスロット17に外部メディアMが挿入され(S01)、機能メニュー選択画面D1(図3(a)参照)において「写真印刷」が選択されると共に(S02)、印刷モード選択画面D2(図3(b)参照)において「写真を見ながら選んで印刷」が選択された(S03)場合を例示する。
【0040】
ここで、まず天板12が開いているか否かを判別する(S04)。天板12の開閉状態は、上記の開閉センサー29の検出結果に基づいて判別する。天板12が開いている場合は(S04:Yes)、投写部22による投写が可能な状態であるため、原稿カバー18上に、図6(a)に示す画像データ表示画面D3を表示する。つまり、外部メディアMから最大16枚の画像データを読み出して、当該画像データに基づく写真画像をサムネイル表示する(S05)。また、プレビューモニター5には、図6(b)に示す画像データ表示画面D3を表示する。つまり、1枚の写真画像を詳細表示(拡大表示)する(S05)。なお、プレビューモニター5に表示される1枚の写真画像は、原稿カバー18上に表示されている16枚の写真画像のうちの、1枚に相当する。
【0041】
一方、天板12が開いていない場合は(S04:No)、投写部22による投写が不可能な状態であるため、原稿カバー18上への表示は行われず、プレビューモニター5に、図6(c)に示す画像データ表示画面D3を表示する。つまり、外部メディアMから最大4枚の画像データを読み出して、当該画像データに基づく写真画像をサムネイル表示する(S06)。
【0042】
画像データの表示後、ユーザーによる操作ボタン群40の操作により、印刷対象となる画像データが選択される(S07)。具体的には、図6(a)に示すように、画像データの一部に設けられたチェックボックス61に、所定のマークが付される。マークが付された写真画像が、印刷対象となる画像である。なお、チェックボックス61へのマークは、投写画面および表示画面のいずれを用いて行っても良い。どちらの画面にマークを付すかは、切替ボタン49(図2参照)の押下によって、切り替え可能である。
【0043】
画像データが選択され、画像データ表示画面D3の下部に表示される印刷開始ボタン62(図6参照)が選択されると(S08)、印刷部24により印刷処理が行われる(S09)。つまり、画像データ表示画面D3上でマークが付された写真画像の印刷が行われる。
【0044】
以上説明したとおり、本実施形態の複合機1によれば、操作画面Dを拡大投写する投写部22を備えているため、ユーザーは、大きな操作画面Dを視認しながら操作することができ、利便性が良い。また、操作画面Dが大きいため、多数の写真画像をサムネイル表示することができ、印刷対象となる写真画像を迅速に選択することができる。
【0045】
また、印刷モードとして「写真を見ながら選んで印刷」が選択された場合、画質が良いプレビューモニター5には、写真画像を1枚ずつ詳細表示し、大きな操作画面Dを投写可能な原稿カバー18には、複数の写真画像をサムネイル表示する。これにより、両者の画面の長所を生かした画像表示を行うことができる。また、天板12の開閉状態を検出して、プレビューモニター5の表示内容を変化させることで、原稿カバー18への投写画面の表示の有無に応じた適切な表示形態とすることができる。
【0046】
また、スキャナー機能を実現するための天板12(原稿カバー18)を、投写面として利用することにより、投写面とするための部材を別途用意する必要がない。また、原稿カバー18は白色無地であるため、鮮明な投写画像を投射することができる。また、投写口15は、原稿台13と略同一面に設けられているため、天板12を開いた状態で、投写可能な状態とすることができる。つまり、非使用時は、天板12が閉じられているため、投写口15に粉塵が付着することを防止できる。また、投写口15は、天板12を最大限開いた状態で良好な投写画像が得られるように、その角度を固定することができるため、ユーザーによる細かい調整を必要としない。
【0047】
なお、上記の実施形態では、投写画面を投射する投写面として、天板12の下面に設けられた原稿カバー18を利用したが、複合機1の他の部分を利用しても良いし、投写面となる部材を複合機1に新たに設けても良い。また、投写面を、複合機1の外部(天井、壁など)に設けても良い。
【0048】
また、上記の実施形態では、天板12が開いている状態で、プレビューモニター5に画像データ表示画面D3を表示する場合、写真画像を1枚ずつ表示するものとしたが、2枚または3枚など、小数枚を同時に表示しても良い。また、この場合、1枚を拡大表示し、その他を縮小表示するようにしても良い。
【0049】
また、上記の実施形態では、画像データ表示画面D3を表示する場合、開閉センサー29の検出結果に応じて、プレビューモニター5の表示を変更するものとしたが、プレビューモニター5にどのような表示を行わせるかについて、ユーザーが設定可能としても良い。また、原稿カバー18に操作画面Dを表示させるか否か(投写部22を利用するか否か)、プレビューモニター5に操作画面Dを表示させるか否か(表示部21を利用するか否か)についても、設定可能としても良い。また、いずれか一方のみを利用する場合は、他方の表示をどうするか(非表示とするか、操作画面D以外の表示を行なうか、など)についても、設定可能としても良い。
【0050】
また、上記の実施形態に示した複合機1の各部をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、複合機1の各部として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、複合機1以外の印刷装置に本発明を適用するなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…複合機 5…プレビューモニター 12…天板 15…投写口 17…メディアスロット 18…原稿カバー 20…制御部 21…表示部 22…投写部 23…画像読み取り部 24…印刷部 25…各種ボタン群 28…外部メディアインターフェース 29…開閉センサー D…操作画面 D1…機能メニュー選択画面 D2…印刷モード選択画面 D3…画像データ選択画面 M…外部メディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を拡大投写する投写手段と、
前記操作画面を操作するための操作手段と、
前記操作手段の操作結果に基づいて、印刷を行う印刷手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記操作画面を、ディスプレー上に表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
外部記憶媒体から、画像データを読み出す画像データ読み出し手段をさらに備え、
前記投写手段は、複数の前記画像データを一覧表示し、
前記表示手段は、各画像データの詳細表示を行うことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
読み取り面および天板を有するスキャナー手段をさらに備え、
前記投写手段は、前記読み取り面と略同一面に投写口が設けられ、当該投写口は前記天板に向けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記天板の開閉状態を検出する開閉検出手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記開閉検出手段の検出結果に応じて、表示内容が変化することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
コンピューターを、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の印刷装置における各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−212823(P2010−212823A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54403(P2009−54403)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】