印刷装置
【課題】操作者の無駄な待ち時間をなくすことで作業効率の向上を図ることができる印刷装置を提供する。
【解決手段】第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第一印刷開始ボタン281と、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第二印刷開始ボタン271と、第一被印刷媒体に対する印刷の実行中に第二印刷開始ボタン271の操作入力があった場合、第一被印刷媒体に対する印刷の終了後、若しくは、第一被印刷媒体に対する印刷の開始後終了前に、第二被印刷媒体に対する印刷を行うように制御する。
【解決手段】第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第一印刷開始ボタン281と、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第二印刷開始ボタン271と、第一被印刷媒体に対する印刷の実行中に第二印刷開始ボタン271の操作入力があった場合、第一被印刷媒体に対する印刷の終了後、若しくは、第一被印刷媒体に対する印刷の開始後終了前に、第二被印刷媒体に対する印刷を行うように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛に対し印刷を行う印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、布帛を保持する平面上のプラテンに対して、インクを吐出する印刷ヘッドを搬送する1つのキャリッジと、1つの操作パネル、1組のカラーインクセットを備えた布帛印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この布帛印刷装置では、プラテンの副走査方向への移動と、キャリッジの主走査方向への移動とにより、印刷データを布帛に印刷する。
【0003】
また、印刷動作を高速化するために、本体装置を大型化し、複数の同一サイズのプラテンを同一平面上に左右に並べ、1つの印刷ヘッドから連続して印刷する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−268506号公報
【特許文献2】米国特許出願公開US2005/0179708A1号公報 FIG.7C,FIG.7B
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の印刷装置では、一方のプラテン側で印刷が実行されているときに他方のプラテン側でロード・アンロード工程を同時に実行することにより、左右のプラテンでの印刷処理を実質的に連続的に行わせ、印刷効率を改善することを可能としている。しかしながら、このように左右のプラテンでの印刷処理を連続的に行わせる場合、上記特許文献2には特に記載されていないが、一般に操作者は一方のプラテン側の印刷処理の完了後にもう一方のプラテン側の印刷開始操作を行うという手順を繰り返す必要があり、操作パネルの前で待機する必要があった。このため、無駄な待ち時間が生じることとなり、作業効率が低下していた。
【0005】
本発明の目的は、操作者の無駄な待ち時間をなくすことで作業効率の向上を図ることができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1発明の印刷装置は、第1被印刷媒体を保持する保持面を備えた第1媒体保持手段と、第2被印刷媒体を保持する保持面を備えた第2媒体保持手段と、印刷データに応じ、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する少なくとも1つの印刷ヘッドと、前記少なくとも1つの印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して主走査方向にそれぞれ相対移動する少なくとも1つの印刷ヘッド搬送手段と、前記第1媒体保持手段を、前記主走査方向と直交する副走査方向に往復移動可能な第1媒体搬送手段と、前記第2媒体保持手段を、前記副走査方向に往復移動可能な第2媒体搬送手段と、前記少なくとも1つの印刷ヘッドへインクをそれぞれ供給する少なくとも1つのインクカートリッジとを備えた印刷装置において、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第1操作手段と、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第2操作手段と、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を行うように、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する連携制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の印刷装置は、第1媒体保持手段と第2媒体保持手段の、2つの媒体保持手段を有する。第1媒体保持手段は保持面に第1被印刷媒体を保持し、第1被印刷媒体を保持した状態の第1媒体保持手段を第1媒体搬送手段が副走査方向に往復移動させる。第2媒体保持手段は保持面に第2被印刷媒体を保持し、第2被印刷媒体を保持した状態の第2媒体保持手段を第2媒体搬送手段が副走査方向に往復移動させる。副走査方向に移動する第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し、少なくとも1つの印刷ヘッドがインクカートリッジからのインクを吐出する。印刷ヘッド搬送手段が少なくとも1つの印刷ヘッドを主走査方向に相対移動することにより、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し所定の印刷面を形成する第1印刷処理及び第2印刷処理を実行することができる。
【0008】
第1被印刷媒体に対する第1印刷処理に対応して第1操作手段を設け、第2被印刷媒体に対する第2印刷処理に対応して第2操作手段を設けている。操作者が第1操作手段を操作することで、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、及び第1媒体搬送手段が第1被印刷媒体に対する第1印刷処理を開始する。操作者が第2操作手段を操作することで、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、及び第2媒体搬送手段が第2被印刷媒体に対する第2印刷処理を開始する。
【0009】
操作者が第1操作手段を操作して第1印刷処理を開始した後に、操作者が第2操作手段を操作した場合には、連携制御手段が対応する連携制御を行う。連携制御手段は、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御し、第1印刷処理の終了後、若しくは、第1印刷処理の開始後終了前に、第2印刷処理を開始させる。これにより、第1印刷処理を行っている間の第2操作手段の操作により、後の第2印刷処理の実行を設定する、言い換えれば第2印刷処理の予約を行うことができる。予め第2印刷処理の予約を行えるので、操作者は、第1印刷処理が終了するまでの間待機する必要が無くなる。無駄な待ち時間がなくなることにより、操作者は、第1印刷処理が終了するまでの間、印刷が完了した布帛の乾燥作業等の別の作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0010】
第2発明の印刷装置は、上記第1発明において、前記印刷ヘッドを複数設け、前記複数の印刷ヘッドは、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第1印刷ヘッドと、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第2印刷ヘッドとを含み、前記印刷ヘッド搬送手段を複数設け、前記複数の印刷ヘッド搬送手段は、前記第1印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第1印刷ヘッド搬送手段と、前記第2印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第2印刷ヘッド搬送手段とを含み、前記インクカートリッジを複数設け、前記複数のインクカートリッジは、前記第1印刷ヘッドへインクを供給する第1インクカートリッジと、前記第2印刷ヘッドへインクを供給する第2インクカートリッジとを含み、前記第1操作手段は、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する前記第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、前記第2操作手段は、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する前記第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0011】
本願第2発明の印刷装置は、第1印刷ヘッドと第2印刷ヘッドの、2つの印刷ヘッドにより印刷を行う。第1印刷ヘッド搬送手段が第1印刷ヘッドを主走査方向に相対移動し、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し第1印刷処理及び第2印刷処理を実行する。第2印刷ヘッド搬送手段が第2印刷ヘッドを主走査方向に相対移動し、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し第1印刷処理及び第2印刷処理を実行する。第1印刷ヘッドと第2印刷ヘッドの2つを用いることにより、各印刷処理において形成できる印刷面の色彩や濃淡の種類を多くすることができる。
【0012】
第2印刷処理の予約を行った場合には、第1印刷ヘッドによる第1印刷処理における第1被印刷媒体へのインクの吐出が終了したら、第1印刷ヘッドを第2印刷処理における第2被印刷媒体へのインクの吐出へ移行させることができる。
【0013】
第3発明の印刷装置は、上記第2発明において、前記連携制御手段は、前記第1印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第1印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第1印刷ヘッド制御手段と、前記第2印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第2印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第2印刷ヘッド制御手段とを含み、前記第1操作手段の操作入力に応じた前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の実行中に、前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0014】
操作者の第1操作手段の操作による第1印刷処理と、操作者の第2操作手段の操作による第2印刷処理とにより、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し所定の印刷面を形成する。第1印刷ヘッド制御手段の制御に基づき、第1印刷ヘッドは、第1印刷処理において第1被印刷媒体への印刷を行い、第2印刷処理において第2被印刷媒体への印刷を行う。第2印刷ヘッド制御手段の制御に基づき、第2印刷ヘッドは、第1印刷処理において第1被印刷媒体への印刷を行い、第2印刷処理において第2被印刷媒体への印刷を行う。
【0015】
操作者が第1操作手段を操作して第1印刷処理を開始した後に、操作者が第2操作手段を操作した場合には、連携制御手段が対応する連携制御を行う。連携制御手段は、第1印刷ヘッド制御手段及び第2印刷ヘッド制御手段による第1被印刷媒体への第1印刷処理の終了後、若しくは、第1印刷処理の開始後終了前に、第1印刷ヘッド制御手段及び第2印刷ヘッド制御手段による第2被印刷媒体への第2印刷処理を開始させる。第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッドを用いた第1印刷処理を行っている間の第2操作手段の操作により、後の第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッドを用いた第2印刷処理の実行の予約を行うことができる。
【0016】
第4発明の印刷装置は、上記第3発明において、前記第1印刷ヘッドは、前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第1吐出処理、及び、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第2吐出処理を実行可能であり、前記第2印刷ヘッドは、前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第3吐出処理と、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第4吐出処理とを実行可能であり、前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷ヘッド制御手段が、前記第1吐出処理の終了後に前記第2吐出処理を開始するように、前記第1印刷ヘッドを制御し、前記第2印刷ヘッド制御手段が、前記第3吐出処理の終了後に前記第4吐出処理を開始するように、前記第2印刷ヘッドを制御することを特徴とする。
【0017】
本願第4発明の印刷装置は、連携制御手段が、第1印刷ヘッドに対応した第1印刷ヘッド制御手段と、第2印刷ヘッドに対応した第2印刷ヘッド制御手段とを有する。
【0018】
第1印刷ヘッド制御手段は、操作者が第1印刷処理を開始した後に第2操作手段を操作した場合には、第1印刷ヘッドに対し、第1印刷処理の一部を構成する第1吐出処理の終了後、第2印刷処理の一部を構成する第2吐出処理を開始させる。第2印刷ヘッド制御手段は、操作者が第1印刷処理を開始した後に第2操作手段を操作した場合には、第2印刷ヘッドに対し、第1印刷処理の一部を構成する第3吐出処理の終了後、第2印刷処理の一部を構成する第4吐出処理を開始させる。
【0019】
第1印刷ヘッドの第1吐出処理及び第2吐出処理を連続的に行うことができ、第2印刷ヘッドの第3吐出処理及び第4吐出処理を連続的に行うことができるので、印刷ヘッドの非稼働時間を低減することができる。これによっても、作業効率の向上を図ることができる。
【0020】
第5発明の印刷装置は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッド内における前記インクの気泡を除去処理するための気泡処理手段を有し、前記第1印刷処理は、前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理を含み、前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づき、前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0021】
第1印刷ヘッドの気泡除去処理中に操作者が第2操作手段を操作した場合でも、後の第2印刷処理の実行を予約することができる。したがって、操作者の利便性を向上することができる。
【0022】
第6発明の印刷装置は、上記第2乃至第5発明のいずれかにおいて、前記連携制御手段は、前記第1被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置へ搬送するように前記第1媒体搬送手段を制御する第1搬送制御手段と、前記第2被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御する第2搬送制御手段とを含み、前記第1印刷処理は、前記第1被印刷媒体の前記第1位置への位置決めを含み、前記第2印刷処理は、前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含み、前記第2搬送制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第2被印刷媒体を前記第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御することを特徴とする。
【0023】
本願第6発明の印刷装置は、第1被印刷媒体を第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置まで移動させる途中に操作者が第2操作手段を操作した場合でも、後の第2印刷処理の実行を予約することができる。第2印刷処理の予約により、第2媒体搬送手段が、第2被印刷媒体を、第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置まで移動させる。予め第2非印刷媒体が第2位置まで移動していることにより、第2印刷処理の完了までの時間を短くすることができる。したがって、作業効率を向上することができる。
【0024】
第7発明の印刷装置は、上記第6発明において、前記第1媒体搬送手段又は前記第2媒体搬送手段による搬送中の、前記第1被印刷媒体又は前記第2被印刷媒体の高さ方向寸法を検出する検出手段を有し、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合で、前記第1媒体搬送手段で前記第1位置へ搬送する際の前記第1被印刷媒体に対する前記検出手段の検出結果が所定のしきい値以上であった場合には、前記連携制御手段は、前記第2搬送制御手段の制御による前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含む前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0025】
本願第7発明の印刷装置では、第1印刷処理又は第2印刷処理の開始に際し搬送する第1被印刷媒体又は第2被印刷媒体の高さ方向寸法を、検出手段が検出する。第1位置へ搬送する第1被印刷媒体の検出結果が所定のしきい値以上であった場合で、第2印刷処理の予約状態であった場合には、これに対応した連携制御を連携制御手段が実行する。連携制御手段は、第1印刷ヘッド、第2印刷ヘッド、第1印刷ヘッド搬送手段、第2印刷ヘッド搬送手段、及び第2媒体搬送手段を制御し、第2印刷処理を開始させる。第2媒体搬送手段は、第2被印刷媒体を搬送して第2位置へ位置決めする。
【0026】
第2印刷処理の予約状態で、第1被印刷媒体の高さオーバーを検出した場合には第1印刷処理を中止して第2印刷処理を開始することにより、印刷装置の非稼働時間をなくし、作業効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、操作者の無駄な待ち時間をなくすことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。まず、図1乃至図3を参照して、本実施形態のインクジェットプリンタ(印刷装置)について説明する。
【0029】
図1は、インクジェットプリンタ1の平面図であり、図2は、インクジェットプリンタ1の正面図であり、図3は、インクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態では、インクジェットプリンタ1は、白インクを噴射するノズル面を具備するインクジェット方式の第一プリントヘッド23、及びシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)のインクを噴射するノズル面を具備するインクジェット方式の第二プリントヘッド21に各色のインクを各々供給して、被印刷媒体へ印刷を行う周知のインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ1は、被印刷媒体としてTシャツ等の布帛を扱い、入力した画像情報等に基づいてTシャツ等の布帛への印刷を行う。図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1は平面板状のベース2を下面に備え、また、装置本体を覆う本体カバー10を備えている。
【0031】
なお、本実施形態では、図1における左側をインクジェットプリンタ1の前側、図1における上側及び図2における左側をインクジェットプリンタ1の左側とし、図1における下側及び図2における右側をインクジェットプリンタ1の右側とする。そして、インクジェットプリンタ1の左右方向(図1における上下方向)が第二プリントヘッド21(印刷ヘッド、第2印刷ヘッド)、第一プリントヘッド23(印刷ヘッド、第1印刷ヘッド)が往復運動をする方向である主走査方向となる。
【0032】
本体カバー10内の印刷機構は、周知のインクジェット式印刷機構である。本体カバー10内の奥側(図1における右側)には、インクジェットプリンタ1の左右方向(図1における上下方向)に第一プリントヘッド23を搭載した第一キャリッジ26(印刷ヘッド搬送手段、第1印刷ヘッド搬送手段)の移動を案内するためのガイドレール12を架設している。このガイドレール12の左端付近(図1における上端部付近)に第一キャリッジモータ25を設け、右端付近(図1における下端部付近)にプーリ(図示せず)を設け、その間にキャリッジベルト(図示せず)を架設している。キャリッジベルトは第一キャリッジ26の背面に固定しており、第一キャリッジモータ25が駆動すると、第一キャリッジ26がガイドレール12に沿って往復移動する。
【0033】
なお、ガイドレール12の右端側に、第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ機構41を設けている。パージ機構41は、図2に示すように、第一プリントヘッド23のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ(図示せず)と、吸引キャップ内の空気圧を調整するバルブ42と、インクを吸引するための動力機構である吸引ポンプ43と、吸引したインクを貯留する廃液タンク44と、廃液タング44へのインクの流入を制御する廃液バルブ45と、これらを接続するチューブ配管46とを備えている。バルブ42は、吸引キャップが第一プリントヘッド23に密着する直前に大気開放し、吸引キャップが第一プリントヘッド23に密着すると閉鎖する。さらに、吸引キャップが第一プリントヘッド23から離脱する前に開放し、吸引キャップ内でインクに気泡等が発生しないように空気圧を調整する。そして、各吸引キャップが第一プリントヘッド23に密着しているときに吸引ポンプ43が動作することにより、吸引キャップを介して第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引を行うことが可能となっている。
【0034】
また、本体カバー10内のガイドレール12の手前側(図1における左側)には、インクジェットプリンタ1の左右方向(図1における上下方向)に第二プリントヘッド21を搭載した第二キャリッジ22(印刷ヘッド搬送手段、第2印刷ヘッド搬送手段)の移動を案内するためのガイドレール11を架設している。このガイドレール11の左端付近(図1における上端部付近)に第二キャリッジモータ24を設け、右端付近(図1における下端部付近)にプーリ(図示せず)を設け、その間にキャリッジベルト(図示せず)を架設している。キャリッジベルトは第二キャリッジ22の背面に固定しており、第二キャリッジモータ24が駆動すると、第二キャリッジ22がガイドレール11に沿って往復移動する。
【0035】
なお、ガイドレール11の左端側に、前述したパージ機構41と同様の構成である、第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ機構91を設けている。パージ機構91は、図2に示すように、第二プリントヘッド21のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ(図示せず)と、吸引キャップ内の空気圧を調整するバルブ92と、インクを吸引するための動力機構である吸引ポンプ93と、吸引したインクを貯留する廃液タンク94と、廃液タング94へのインクの流入を制御する廃液バルブ95と、これらを接続するチューブ配管96とを備えている。
【0036】
次に、インクジェットプリンタ1において、被印刷媒体である布帛等を保持する第一プラテン5(第1媒体保持手段)及び第二プラテン6(第2媒体保持手段)の構造について説明する。なお、以下、第一プラテン5が保持する被印刷媒体を第一被印刷媒体(第1被印刷媒体)、第二プラテン6が保持する被印刷媒体を第二被印刷媒体(第2被印刷媒体)と記載する。また、第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体への印刷が、特許請求の範囲各項記載の第1印刷処理に相当し、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体への印刷が、第2印刷処理に相当する。
【0037】
インクジェットプリンタ1では、通常のインクジェットプリンタとは異なり、同一形状の第一プラテン5及び第二プラテン6を一組備えている。第一プラテン5及び第二プラテン6は、第二プリントヘッド21及び第一プリントヘッド23の主走査方向と直交する副走査方向(インクジェットプリンタ1の前後方向、図1における左右方向)に平行に移動可能となっている。
【0038】
したがって、インクジェットプリンタ1は、ベース2に、第一被印刷媒体を保持する第一プラテン5の副走査方向への移動を案内するための第一送り機構7と、同様に第二被印刷媒体を保持する第二プラテン6の副走査方向への移動を案内するための第二送り機構8とを並列(平行)に設けている。第一送り機構7(第1媒体搬送手段)は、図2に示すようにガイドレール77,77と、当該ガイドレール77,77の後端部(図1における右側の端部)に設けたステッピングモータからなる第一プラテン搬送モータ71等(図1参照)とを有しており、第一プラテン搬送モータ71の駆動により第一プラテン5が、第一送り機構7のガイドレール77,77に沿って副走査方向に往復運動する。
【0039】
第二送り機構8(第2媒体搬送手段)も、第一送り機構7と同様に、図2に示すようにガイドレール87,87と、当該ガイドレール87,87の後端部(図1における右側の端部)に設けたステッピングモータからなる第二プラテン搬送モータ81等(図1参照)とを有しており、第二プラテン搬送モータ81の駆動により第二プラテン6が、送り機構8のガイドレール87,87に沿って副走査方向に往復運動する。
【0040】
第一プラテン5及び第二プラテン6は、図1に示すように、平面視五角形(詳細には、長方形状の板体の操作者に対向する側の短辺の中央が突出した形状の五角形)であり、その上面(保持面)に例えばTシャツなどの布帛からなる被印刷媒体を水平に載置するのに適した形状となっている。
【0041】
またインクジェットプリンタ1は、第一プラテン5及び第二プラテン6の上方におけるガイドレール11より前方側(図1における左側)の位置に、第一プラテン5及び第二プラテン6による搬送中の被印刷媒体の高さ方向寸法が所定の高さ以上であるか否かを各々検出する第一障害物センサ55(検出手段)及び第二障害物センサ65(検出手段)を有している。第一障害物センサ55は、第一プラテン5の上面と所定の高さ方向の間隙を有して主走査方向に延設した板部材56と、この板部材56を軸57,57を介して回動可能に支持する支持部材58,58とを有している。同様に第二障害物センサ65は、第二プラテン6の上面と所定の高さ方向の間隙を有して主走査方向に延設した板部材66と、この板部材66を軸67,67を介して回動可能に支持する支持部材68,68とを有している。これら第一及び第二障害物センサ55,65は、被印刷媒体である布帛の皺を検出するセンサとして機能する。すなわち、布帛に皺がよっていることにより布帛が所定の高さ以上となっている場合、当該布帛が搬送中に障害物センサ55,65の板部材56,66に接触して板部材56,66を回動させる。障害物センサ55,65は、この回動を検出することで布帛の皺を検出することが可能となっている。
【0042】
またインクジェットプリンタ1は、第一プラテン5及び第二プラテン6の下方に、当該第一プラテン5及び第二プラテン6の上面と略平行な底面を有したトレー4,4,4,4を備えている。このトレー4,4,4,4は、第一プラテン5、第二プラテン6の下方位置においてそれぞれ左右に固定されており、第一プラテン5、第二プラテン6と一体に移動可能である。トレー4,4,4,4は、利用者がTシャツ等の被印刷媒体を第一プラテン5及び第二プラテン6に載置する際に、Tシャツの袖などがベース2へ落ちないように、被印刷媒体のプラテンからはみ出した部分(袖など)を受けるものである。
【0043】
また図2に示すように、本体カバー10の右端部には、第一プリントヘッド23用の白色のインクカートリッジ321,322,323,324(第一インクカートリッジ)を収納した第一インクカートリッジ収納部32を設けている。この第一インクカートリッジ収納部32には、インクカートリッジ321,322,323,324を各々固定する固定機構325,326,327,328を設けている。
【0044】
また、本体カバー10の左端部には、第二プリントヘッド21用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のインクカートリッジ311,312,313,314(第二インクカートリッジ)を収納した第二インクカートリッジ収納部31を設けている。この第二インクカートリッジ収納部31には、インクカートリッジ311,312,313,314を各々固定する固定機構315,316,317,318を設けている。インクカートリッジ収納部31,32に収納された白色及びCMYKの各インクカートリッジは、インク供給チューブを介して第一、第二プリントヘッド23,21に各々接続し、当該第一、第二プリントヘッド23,21へ各色のインクを各々供給している。
【0045】
また、図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1の前面の右端部の位置には、インクジェットプリンタ1の第一プラテン5、第一プリントヘッド23若しくは第二プリントヘッド21、及び第一キャリッジ26若しくは第二キャリッジ22の操作を行うための第一操作パネル28を設けている。この第一操作パネル28には、第一被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第一印刷開始ボタン281(第1操作手段)、各種の表示を行うLCDから構成されたディスプレイ284、印刷命令をキャンセルする第一キャンセルボタン283、印刷データの取り込みを指示する第一印刷データ取込ボタン282、データを受信したことを示すデータランプ286及びエラーを表示するエラーランプ287等を設けている。また、第一操作パネル28は、警告音を発するスピーカー285を有している。
【0046】
また、図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1の前面の左端部の位置には、インクジェットプリンタ1の第二プラテン6、第二プリントヘッド21若しくは第一プリントヘッド23、及び第二キャリッジ22若しくは第一キャリッジ26の操作を行うための第二操作パネル27を設けている。この第二操作パネル27には、第二被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第二印刷開始ボタン271(第2操作手段)、各種の表示を行うLCDから構成されたディスプレイ274、印刷命令をキャンセルする第二キャンセルボタン273、印刷データの取り込みを指示する第二印刷データ取込ボタン272、データを受信したことを示すデータランプ276及びエラーを表示するエラーランプ277等を設けている。また、第二操作パネル27は、警告音を発するスピーカー275を有している。
【0047】
次に、図3を参照して、インクジェットプリンタ1の電気的な構成について説明する。図3に示すように、インクジェットプリンタ1は、インクジェットプリンタ1のうち、第一プラテン5の移動制御、及び第一キャリッジ26若しくは第二キャリッジ22による印刷制御(言い換えれば第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に関する制御全般)を司る、第一操作パネル28内に設けた第一制御回路100と、第二プラテン6の移動制御、及び第二キャリッジ22若しくは第一キャリッジ26による印刷制御(言い換えれば第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に関する制御全般)を司る、第二操作パネル27内に設けた第二制御回路200と、第一プラテン5、第一プリントヘッド23及び第一キャリッジ26(これらを以下、「第一印刷部」という)の制御を行う第一印刷部制御回路120と、第二プラテン6、第二プリントヘッド21及び第二キャリッジ22(これらを以下、「第二印刷部」という)の制御を行う第二印刷部制御回路140とを有している。
【0048】
第一制御回路100は、コンピュータとしてのCPU101と、CPU101が実行する各種の制御プログラム等を記憶したROM102と、データを一時的に記憶するRAM103とを有している。同様に、第二制御回路200は、コンピュータとしてのCPU201と、CPU201が実行する各種の制御プログラム等を記憶したROM202と、データを一時的に記憶するRAM203とを有している。第一制御回路100(CPU101)と第二制御回路200(CPU201)とは、インターフェース104(例えばLVDS:Low Voltage Differential Signaling)を介して相互に情報送受信可能に接続しており、制御に必要な各種情報(第一及び第二キャリッジ26,22の動作状態を表すステータス情報等。詳細は後述)を共有している。また、第一及び第二制御回路100,200は、インターフェース104及びバス105,106を介して、第一印刷部制御回路120と第二印刷部制御回路140とに接続している。さらに、第一及び第二制御回路100,200は、インターフェース104及び通信処理部107を介して、印刷データを作成するパーソナルコンピュータ90に接続している。
【0049】
第一印刷部制御回路120は、第一プリントヘッド23の各チャンネルに設けた圧電アクチュエータを駆動制御させるための第一プリントヘッド駆動回路121、第一キャリッジモータ25を駆動制御させるための第一キャリッジモータ駆動回路122、第一プラテン搬送モータ71を駆動制御させるための第一プラテンモータ駆動回路123を有している。また第一印刷部制御回路120は、第一印刷開始ボタン281、第一印刷データ取込ボタン282、第一キャンセルボタン283、スピーカー285の警告音を停止するための警告OFFボタン288、第一プラテン5の位置を検出する第一プラテン位置センサ291、及び第一障害物センサ55からの入力を受け付ける第一センサ入出力回路124と、データランプ286、エラーランプ287、警告OFFボタン288の押下を表示する警告OFFランプ289、ディスプレイ284及びスピーカー285を制御する報知制御回路125とを備えている。
【0050】
また、第二印刷部制御回路140は、第二プリントヘッド21の各チャンネルに設けた圧電アクチュエータを駆動制御させるための第二プリントヘッド駆動回路141、第二キャリッジモータ24を駆動制御させるための第二キャリッジモータ駆動回路142、第二プラテン搬送モータ81を駆動制御させるための第二プラテンモータ駆動回路143を有している。また第二印刷部制御回路140は、第二印刷開始ボタン271、第二印刷データ取込ボタン272、第二キャンセルボタン273、スピーカー285の警告音を停止するための警告OFFボタン278、第二プラテン6の位置を検出する第二プラテン位置センサ292、及び第二障害物センサ65からの入力を受け付ける第二センサ入出力回路144と、データランプ276、エラーランプ277、警告OFFボタン278の押下を表示する警告OFFランプ279、ディスプレイ274及びスピーカー275を制御する報知制御回路145とを備えている。
【0051】
次に、図4及び図5を参照して、インクジェットプリンタ1の第一プラテン5の第一送り機構7について説明する。図4は、第一プラテン5の送り機構を模式化した平面図であり、図5は、第一プラテン5の送り機構を模式化した左側面図である。なお、図4及び図5における左側がインクジェットプリンタ1の前側であり、右側がインクジェットプリンタ1の奥側である。
【0052】
図4及び図5に示すように、第一送り機構7では、第一プラテン搬送モータ71の回転に伴い回転するモータプーリ73と大プーリ72とにモータベルト79が巻回しており、第一プラテン搬送モータ71の回転に伴い、モータプーリ73が回転し、大プーリ72が回転する。そして、大プーリ72の回転軸と同じ軸を回転軸とする第一ベルトプーリ74が、大プーリ72の回転と同期して回転する。これらの第一プラテン搬送モータ71、モータプーリ73、大プーリ72、第一ベルトプーリ74は、インクジェットプリンタ1の本体カバー10の内部の第一プラテン5の移動面よりも下方に位置している。そして、第一ベルトプーリ74に対応して、インクジェットプリンタ1の手前側(図1、図4及び図5における左側)に第二ベルトプーリ75を設け、第一ベルトプーリ74と第二ベルトプーリ75との間にタイミングベルト78を巻回している。この第二ベルトプーリ75の直径は第一ベルトプーリ74と同じサイズである。
【0053】
また、タイミングベルト78は、インクジェットプリンタ1の第一プリントヘッド23の主走査方向(ガイドレール12の延設方向)と垂直に延びるように設けている。さらにタイミングベルト78と第一プラテン5とはプラテン取付部51により固定しており、タイミングベルト78の回転に伴い、第一プラテン5がインクジェットプリンタ1の前後方向(図4及び図5に示す矢印A方向)に移動する。このようにして、第一プラテン搬送モータ71の回転運動を、モータプーリ73、モータベルト79、大プーリ72、第一ベルトプーリ74、タイミングベルト78、第二ベルトプーリ75を介して第一プラテン5の水平運動に換えている。
【0054】
なお、第二プラテン6を搬送する第二送り機構8も上記第1送り機構7と同様の構成となっている。
【0055】
次に、図6乃至図10に示すフローチャートを参照して、本インクジェットプリンタ1における印刷制御について説明する。図6は、第一制御回路100のCPU101又は第二制御回路200のCPU201で行われる印刷制御のフローチャートであり、図7は白CRパージ処理のサブルーチンのフローチャート、図8は白CR印刷処理のサブルーチンのフローチャート、図9はカラーCRパージ処理のサブルーチンのフローチャート、図10はカラーCR印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。これらの処理の制御プログラムは、第一制御回路100のROM102及び第二制御回路200のROM202に記憶されており、それぞれのCPU101及びCPU201によって同時に並行して行われるものである。
【0056】
なお、図6乃至図10において、「白CR」は白印刷用の第一プリントヘッド23を搭載した第一キャリッジ26を指し、「カラーCR」はカラー印刷用の第二プリントヘッド21を搭載した第二キャリッジ22を指している。また、図7乃至図10において「他方」とは、制御主体が第一制御回路100のCPU101である場合には第二制御回路200のCPU201のことを指し、制御主体が第二制御回路200のCPU201である場合には、第一制御回路100のCPU101のことを指すものである。以下、第一制御回路100のCPU101が制御主体である場合について説明する。
【0057】
まずステップS5では、CPU101は、操作者が第一印刷開始ボタン281を押下したか否かを、第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124からの入力信号に基づき判定する。第一印刷開始ボタン281の押下を検出すると、次のステップS10に移行する。
【0058】
ステップS10では、CPU101は、第一プリントヘッド23又は第二プリントヘッド21で印刷する白又はカラーの印刷データが第一制御回路100のRAM103にあるか否かを判定する。RAM103に白又はカラーの印刷データがない場合には、ステップS15に移行し、CPU101は、第一印刷部制御回路120の報知制御回路125に制御信号を出力して、スピーカー285から警告音を発生させる等のエラー処理を行う。一方、RAM103に白又はカラーの印刷データがある場合には、次のステップS20に移行する。
【0059】
ステップS20では、CPU101は、第一プリントヘッド23で印刷する白の印刷データが第一制御回路100のRAM103にあるか否かを判定する。RAM103に白の印刷データがない場合には、後述するステップS35に移行する。一方、RAM103に白の印刷データがある場合には、次のステップS25に移行する。
【0060】
ステップS25では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスが「待機状態」であるか否かを判定する。第一キャリッジ26のステータスが「待機状態」となるまで本ステップを繰り返し、「待機状態」となったら次のステップS30に移行する。なお、このステータスとは、第一キャリッジ26及び第二キャリッジ22の各々の動作状態を表す情報のことであり、本実施形態ではパージ処理を実行中であることを表す「パージ中」、印刷実行中であることを表す「印刷中」、これら以外の状態である「待機状態」が含まれる。
【0061】
ステップS30では、CPU101は、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷を何回実行したかを表す変数Nwが予め設定した所定回数N1以上であるか否か、又は第一キャリッジ26で最後に白印刷を行った後の印刷を実行しない放置時間が予め設定した所定時間以上であるか否かを判定する。変数Nwが所定回数N1より小さく、且つ第一キャリッジ26の放置時間が所定時間より小さい場合には、後述するステップS200に移行する。一方、変数Nwが所定回数N1以上、又は第一キャリッジ26の放置時間が所定時間以上である場合には、次のステップS100に移行する。
【0062】
ステップS100では、CPU101は、第一キャリッジ26が搭載する第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行する白CRパージ処理を実行する。ここで、白CRパージ処理について、図7に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まずステップS110では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0064】
次のステップS120では、CPU101は、第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ処理を行う。具体的には、まず廃液タンク44へのインク流路であるチューブ配管46を閉ざしている廃液バルブ45を開放し、第一キャリッジモータ25を駆動させて、第一キャリッジ26をパージ位置に移動させる。次に、吸引キャップからのインク流路であるチューブ配管46のバルブ42を開放し、吸引キャップを第一プリントヘッド23に向かって上昇させて、そのノズル面を吸引キャップで覆った後バルブ42を閉鎖する。そして、吸引ポンプ43を作動させて、第一プリントヘッド23の噴射ノズルからインクを吸引する。吸引したインクは、廃インクとして廃液バルブ45を経由して廃液タンク44に流入させ、貯留する。その後、バルブ42を開放し、第一プリントヘッド23から吸引キャップを離脱させる。
【0065】
次のステップS130では、CPU101は、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷を何回実行したかを表す変数Nwを0にリセットすると共に、放置時間の時間経過を算出する際の起算時間を今回パージ処理が行われた時間に更新し、本サブルーチンを終了する。
【0066】
図6に戻り、次のステップS200では、CPU101は、第一キャリッジ26が搭載する第一プリントヘッド23による白印刷を実行する白CR印刷処理を実行する。ここで、白CR印刷処理について、図8に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0067】
まずステップS205では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0068】
次のステップS210では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71を駆動させて、第一プラテン5の白印刷開始位置への移動を開始する。
【0069】
次のステップS215では、CPU101は、第一障害物センサ55が異常を検出したか否かを第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124からの入力信号に基づき判定する。第一障害物センサ55が異常を検出した場合には、次のステップS220に移行し、CPU101は、第一印刷部制御回路120の報知制御回路125に制御信号を出力して、スピーカー285から警告音を発生させる等のエラー処理を行う。
【0070】
次のステップS225では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71の駆動を減速又は停止させて、第一プラテン5の移動を減速又は停止させる。
【0071】
次のステップS230では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。そして、本サブルーチンを終了する。
【0072】
一方、上記ステップS215において、第一障害物センサ55が異常を検出しなかった場合には、次のステップS235に移行し、CPU101は、第一プラテン5が白印刷開始位置へ到達したか否かを、第一プラテン位置センサ291から第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124を介して入力する入力信号に基づき判定する。第一プラテン5が白印刷開始位置へ到達していない場合には、ステップS215に戻る。一方、第一プラテン5が白印刷開始位置へ到達した場合には、次のステップS240へ移行する。
【0073】
ステップS240では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一キャリッジモータ駆動回路122、第一プリントヘッド駆動回路121及び第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一キャリッジ26、第一プリントヘッド23及び第一プラテン5を連携制御して、第一プリントヘッド23による白印刷を実行する。すなわち、第一キャリッジ26を主走査方向に一行分走査して一行分の白インクを吐出させた後、プラテン5を副走査方向に一行分移動させ、再び第一キャリッジ26による次の行分の白インクの吐出を実行することを繰り返す。
【0074】
次のステップS245では、CPU101は、白印刷が完了したか否かを判定する。白印刷が完了するまで本ステップを繰り返し、白印刷が完了した場合には次のステップS250に移行する。
【0075】
ステップS250では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0076】
次のステップS255では、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷を何回実行したかを表す変数Nwに1を加えて、本サブルーチンを終了する。
【0077】
図6に戻り、次のステップS35では、CPU101は、第二プリントヘッド21で印刷するカラーの印刷データが第一制御回路100のRAM103にあるか否かを判定する。RAM103にカラーの印刷データがない場合には、後述するステップS55に移行する。一方、RAM103にカラーの印刷データがある場合には、次のステップS40に移行する。
【0078】
ステップS40では、CPU101は、上述した白CR印刷処理において障害物センサ55が異常を検出したか否かを判定する。白CR印刷処理において障害物センサ55が異常を検出していた場合には、第一プラテン5に保持した第一被印刷媒体の印刷を中止し、後述するステップS55に移行する。異常を検出していない場合には、次のステップS45に移行する。
【0079】
ステップS45では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスが「待機状態」であるか否かを判定する。第二キャリッジ22のステータスが「待機状態」となるまで本ステップを繰り返し、「待機状態」となったら次のステップS50に移行する。
【0080】
ステップS50では、CPU101は、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷を何回実行したかを表す変数Ncが予め設定した所定回数N2以上であるか否か、又は第二キャリッジ22で最後にカラー印刷を行った後の印刷を実行しない放置時間が予め設定した所定時間以上であるか否かを判定する。変数Ncが所定回数N2より小さく、且つ第二キャリッジ22の放置時間が所定時間より小さい場合には、後述するステップS400に移行する。一方、変数Ncが所定回数N2以上、又は第二キャリッジ22の放置時間が所定時間以上である場合には、次のステップS300に移行する。
【0081】
ステップS300では、CPU101は、第二キャリッジ22が搭載する第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するカラーCRパージ処理を実行する。ここで、カラーCRパージ処理について、図9に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0082】
まずステップS310では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0083】
次のステップS320では、CPU101は、第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ処理を行う。具体的には、まず廃液タンク94へのインク流路であるチューブ配管96を閉ざしている廃液バルブ95を開放し、第二キャリッジモータ24を駆動させて、第二キャリッジ22をパージ位置に移動させる。次に、吸引キャップからのインク流路であるチューブ配管96のバルブ92を開放し、吸引キャップを第二プリントヘッド21に向かって上昇させて、そのノズル面を吸引キャップで覆った後バルブ92を閉鎖する。そして、吸引ポンプ93を作動させて、第二プリントヘッド21の噴射ノズルからインクを吸引する。吸引したインクは、廃インクとして廃液バルブ95を経由して廃液タンク94に流入させ、貯留する。その後、バルブ92を開放し、第二プリントヘッド21から吸引キャップを離脱させる。
【0084】
次のステップS330では、CPU101は、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷を何回実行したかを表す変数Ncを0にリセットすると共に、放置時間の時間経過を算出する際の起算時間を今回パージ処理が行われた時間に更新し、本サブルーチンを終了する。
【0085】
図6に戻り、次のステップS400では、CPU101は、第二キャリッジ22が搭載する第二プリントヘッド21によるカラー印刷を実行するカラーCR印刷処理を実行する。ここで、カラーCR印刷処理について、図10に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0086】
まずステップS405では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0087】
次のステップS410では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71を駆動させて、第一プラテン5のカラー印刷開始位置への移動を開始する。
【0088】
次のステップS415では、CPU101は、第一障害物センサ55が異常を検出したか否かを第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124からの入力信号に基づき判定する。第一障害物センサ55が異常を検出した場合には、次のステップS420に移行し、CPU101は、第一印刷部制御回路120の報知制御回路125に制御信号を出力して、スピーカー285から警告音を発生させる等のエラー処理を行う。
【0089】
次のステップS425では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71の駆動を減速又は停止させて、第一プラテン5の移動を減速又は停止させる。
【0090】
次のステップS430では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。そして、本サブルーチンを終了する。
【0091】
一方、上記ステップS415において、第一障害物センサ55が異常を検出しなかった場合には、次のステップS435に移行し、CPU101は、第一プラテン5がカラー印刷開始位置へ到達したか否かを、第一プラテン位置センサ291から第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124を介して入力する入力信号に基づき判定する。第一プラテン5がカラー印刷開始位置へ到達していない場合には、ステップS415に戻る。一方、第一プラテン5がカラー印刷開始位置へ到達した場合には、次のステップS440へ移行する。
【0092】
ステップS440では、CPU101は、第二印刷部制御回路140の第二キャリッジモータ駆動回路142、第二プリントヘッド駆動回路141、及び第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第二キャリッジ22、第二プリントヘッド21及び第一プラテン5を連携制御して、第二プリントヘッド21によるカラー印刷を実行する。すなわち、第二キャリッジ22を主走査方向に一行分走査して一行分のカラーインクを吐出させた後、プラテン5を副走査方向に一行分移動させ、再び第二キャリッジ22による次の行分のカラーインクの吐出を実行することを繰り返す。
【0093】
次のステップS445では、CPU101は、カラー印刷が完了したか否かを判定する。カラー印刷が完了するまで本ステップを繰り返し、カラー印刷が完了した場合には次のステップS450に移行する。
【0094】
ステップS450では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0095】
次のステップS455では、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷を何回実行したかを表す変数Ncに1を加えて、本サブルーチンを終了する。
【0096】
図6に戻り、次のステップS55では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71を駆動させて、第一プラテン5を第一被印刷媒体の脱着位置(図1に示す位置)へ移動させる。そして、本フローを終了する。
【0097】
なお、以上は第一制御回路100のCPU101が制御主体である場合について説明したが、第二制御回路200のCPU201が制御主体である場合も、上記と同様である。
【0098】
上記において、CPU101が実行するステップS200が、特許請求の範囲各項記載の第1印刷処理において第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第1吐出処理を構成し、CPU101が実行するステップS400が、第1印刷処理において第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第3吐出処理を構成する。また、CPU201が実行するステップS200が、第2印刷処理において第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第2吐出処理を構成し、CPU201が実行するステップS400が、第2印刷処理において第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第4吐出処理を構成する。
【0099】
また上記において、CPU101が実行するステップS200及びCPU201が実行するステップS200は、特許請求の範囲各項記載の第1印刷ヘッドによる第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体への印刷制御を行う第1印刷ヘッド制御手段を構成し、CPU101が実行するステップS400及びCPU201が実行するステップS400は、第2印刷ヘッドによる第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体への印刷制御を行う第2印刷ヘッド制御手段を構成する。また、これらCPU101,201が各々実行するステップS200及びステップS400と、CPU101,201が各々実行するステップS25及びステップS45とが、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、第1媒体搬送手段、及び第2媒体搬送手段を連携して制御する連携制御手段を構成する。
【0100】
また上記において、CPU101,201が各々実行するステップS100及びステップS300が、第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッド内におけるインクの気泡を除去処理するための気泡処理手段を構成する。
【0101】
次に、図11及び図12に示すタイムチャートを参照して、本インクジェットプリンタ1における印刷動作について説明する。図11は、白印刷及びカラー印刷の両方を行う場合(例えば黒色のTシャツ等の濃色の被印刷媒体に印刷を行う場合)の印刷動作であり、図12は、カラー印刷のみを行う場合(例えば白色のTシャツ等の淡色の被印刷媒体に印刷を行う場合)の印刷動作である。なお、図11及び図12のいずれも、第一及び第二プラテン5,6を用いて同じ被印刷媒体に対し同じ印刷データの印刷を連続して行う場合を示している。また、これら図11及び図12においては、説明を簡易とするために、白印刷とカラー印刷に要する時間が等しくなるように図示している。
【0102】
図11において、操作者が第一プラテン5に第一被印刷媒体(この例ではTシャツ)を装着し(501)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(502)、第一制御回路100のCPU101は第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理(図6に示すステップS200参照)を実行する(503)。このとき、前述したように、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図8に示すステップS205参照)。
【0103】
操作者が第一印刷開始ボタン281の押下を行った後、第一キャリッジ26による白CR印刷処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体(この例ではTシャツ)を装着して(601)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(602)、第二制御回路200のCPU201は、第一キャリッジ26のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(603。図6に示すステップS25も参照)。
【0104】
第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白印刷処理が完了すると、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図8に示すステップS250参照)。その結果、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理を開始する(604。図6に示すステップS25及びステップS200も参照)。
【0105】
CPU101は、白CR印刷処理の完了後、続けて第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理(図6に示すステップS400参照)を実行する(504)。またCPU101は、この第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS450参照)。そして、第一プラテン5を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取外す(505)。これにより、1枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0106】
一方、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理が完了すると、CPU201は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第一制御回路100のCPU101に送信する(図8に示すステップS250参照)。その後、上述したように第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理は完了して第二キャリッジ22のステータスは「待機中」となっていることから、続けて第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(605)。この第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、CPU201は、第二プラテン6を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取り外す(606)。これにより、1枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0107】
このようにして、第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体への白CR印刷処理及びカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0108】
次に、操作者が第一プラテン5に2枚目の第一被印刷媒体を装着し(506)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(507)、上述したように第一キャリッジ26のステータスは「待機中」であるため、CPU101は第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理を実行する(508)。また白CR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスは「待機中」となっているため、CPU101は、続けて第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(509)。カラーCR印刷処理が完了すると、第一プラテン5を脱着位置へ移動させ、操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取り外す(510)。これにより、2枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0109】
一方、操作者が第二プラテン6に2枚目の第二被印刷媒体を装着して(607)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(608)、第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理は完了して第一キャリッジ26のステータスは「待機中」となっているため、CPU201は、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理を実行する(609)。なおこのとき、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷の実行回数Nwが、予め設定した所定回数N1以上になったものとする(図8に示すステップS255参照)。そして白CR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスは「待機中」となっているため、CPU201は、続けて第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(610)。カラーCR印刷処理が完了すると、第二プラテン6を脱着位置へ移動させ、操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取外す(611)。これにより、2枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0110】
次に、操作者が第一プラテン5に3枚目の第一被印刷媒体を装着し(511)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(512)、上述したように最後のパージ処理後の白印刷の実行回数Nwが予め設定した所定回数N1以上となっていることから、CPU101は、第一キャリッジ26が搭載する第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行する白CRパージ処理を実行する(513。図6に示すステップS30及びステップS100も参照)。このとき、前述したように、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図7に示すステップS110参照)。
【0111】
操作者が3枚目の第一被印刷媒体に対する第一印刷開始ボタン281の押下を行った後、第一キャリッジ26の白CRパージ処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体を装着して(612)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(613)、第二制御回路200のCPU201は、第一キャリッジ26のステータスが「パージ中」であるため、印刷待機状態となる(614。図6に示すステップS25も参照)。
【0112】
第一キャリッジ26のパージ処理が完了すると、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「パージ中」とさせたままで(図7参照)、続けて第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理を実行する(514)。これにより、CPU201は、印刷待機状態を解除することなく継続させる(614)。その後、CPU101は、白印刷処理が完了した際に、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図8に示すステップS250参照)。その結果、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理を開始する(615。図6に示すステップS25及びステップS200も参照)。
【0113】
CPU101は、第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると(515)、第一プラテン5を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取外す(516)。これにより、3枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0114】
一方、CPU201は、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理が完了すると、続けて第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行し(616)、このカラーCR印刷処理が完了すると、第二プラテン6を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取外す(617)。これにより、3枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0115】
このようにして、第一キャリッジ26の白CRパージ処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体への白CR印刷処理及びカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0116】
この後の動作については上述した内容と同様であるので、説明を省略する。なお、以上では特に説明しなかったが、白CR印刷処理又はカラーCR印刷処理において、障害物センサ55,65による異常検出があった場合には、前述したように第一キャリッジ26又は第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」として他方側に送信する結果(図8に示すステップS230又は図10に示すステップS430参照)、他方側で印刷開始ボタン281,271が押下されている(言い換えれば予約されている)場合には、当該他方側の印刷待機が解除されて印刷処理が開始される。
【0117】
次に、カラー印刷のみを行う場合の印刷動作を図12を参照しつつ説明する。図12において、操作者が第一プラテン5に第一被印刷媒体を装着し(521)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(522)、第一制御回路100のCPU101は第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理(図6に示すステップS400参照)を実行する(523)。このとき、前述したように、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS405参照)。
【0118】
操作者が第一印刷開始ボタン281の押下を行った後、第二キャリッジ22によるカラーCR印刷処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体を装着し(621)、第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(622)、第二制御回路200のCPU201は、第二キャリッジ22のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(623。図6に示すステップS45も参照)。
【0119】
CPU101は、第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS450参照)。これにより、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を開始する(624。図6に示すステップS45及びステップS400も参照)。
【0120】
その後、CPU101は、第一プラテン5を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取外す(524)。これにより、1枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0121】
一方、上記第二キャリッジ22による第二印刷媒体へのカラーCR印刷処理中に(624)、操作者が第一プラテン5に2枚目の第一被印刷媒体を装着し(525)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(526)、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(527。図6に示すステップS45も参照)。
【0122】
そして、CPU201は、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第一制御回路100のCPU101に送信する(図10に示すステップS450参照)。これにより、CPU101は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22による2枚目の第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を開始する(528。図6に示すステップS45及びステップS400も参照)。
【0123】
その後、CPU201は、第二プラテン6を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取外す(625)。これにより、1枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0124】
このようにして、第二キャリッジ22による第一被印刷媒体(又は第二被印刷媒体)へのカラーCR印刷処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271(又は第一印刷開始ボタン281)の操作により、後の第二被印刷媒体(又は第一被印刷媒体)へのカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0125】
同様の動作を繰り返した後、第二キャリッジ22による第二印刷媒体へのカラーCR印刷処理中に(626)、操作者が第一プラテン5に第一被印刷媒体を装着し(529)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(530)、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(531。図6に示すステップS45も参照)。そして、CPU201は、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」としてCPU101に送信する(図10に示すステップS450参照)。なおこのとき、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷の実行回数(Nc)が、予め設定した所定回数(N2)以上になったものとする(図10に示すステップS455参照)。これにより、CPU101は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22が搭載する第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するカラーCRパージ処理を実行する(532。図6に示すステップS45、ステップS50及びステップS300参照)。このとき、前述したように、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図9に示すステップS310参照)。
【0126】
上記第二キャリッジ22のカラーCRパージ処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体を装着して(627)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(628)、第二制御回路200のCPU201は、第二キャリッジ22のステータスが「パージ中」であるため、印刷待機状態となる(629。図6に示すステップS45も参照)。
【0127】
CPU101は、第二キャリッジ22のパージ処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「パージ中」とさせたままで(図9参照)、続けて第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(533)。これにより、CPU201は、印刷待機状態を解除することなく継続させる(629)。その後、CPU101は、カラー印刷処理が完了した際に、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS450参照)。その結果、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を開始する(630。図6に示すステップS45及びステップS400も参照)。
【0128】
このようにして、第二キャリッジ22のカラーCRパージ処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0129】
この後の動作については上述した内容と同様であるので、説明を省略する。なお、以上では特に説明しなかったが、前述した図11と同様に、カラーCR印刷処理において、障害物センサ55,65による異常検出があった場合には、前述したように第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」として他方側に送信する結果(図10に示すステップS430参照)、他方側で印刷開始ボタン281,271が押下されている(言い換えれば予約されている)場合には、当該他方側の印刷待機が解除されて印刷処理が開始される。
【0130】
以上説明した実施形態のインクジェットプリンタ1においては、操作者が第一印刷開始ボタン281を操作して第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対する印刷を開始した後に、操作者が第二印刷開始ボタン271を操作した場合には、第一被印刷媒体に対する印刷の終了後(上記実施形態における図12のカラー印刷523等の終了後)、若しくは、第一被印刷媒体に対する印刷の開始後終了前(上記実施形態における図11の白印刷503の終了後)に、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に対する印刷を開始させる。これにより、第一被印刷媒体に対する印刷を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体に対する印刷の実行を設定する、言い換えれば予約を行うことができる。予め第二被印刷媒体に対する印刷の予約を行えるので、操作者は、第一被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間(例えば操作パネル28,27の前等に)待機する必要が無くなる。無駄な待ち時間がなくなることにより、操作者は、第一被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間、印刷が完了した被印刷媒体の乾燥作業等の別の作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0131】
また、本実施形態では特に、操作者が第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対する印刷を開始した後に第二印刷開始ボタン271を操作した場合には、第1プリントヘッド23に対し、第一被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU101の制御による)白CR印刷処理の終了後、第二被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU201の制御による)白CR印刷処理を開始させる。また、第2プリントヘッド21に対し、第一被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU101の制御による)カラーCR印刷処理の終了後、第二被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU201の制御による)カラーCR印刷処理を開始させる。これにより、第1プリントヘッド23の(CPU101の制御による)白CR印刷処理及び(CPU201の制御による)白CR印刷処理を連続的に行うことができ、第2プリントヘッド21の(CPU101の制御による)カラーCR印刷処理及び(CPU201の制御による)カラーCR印刷処理を連続的に行うことができるので、プリントヘッド23,21の非稼働時間を低減することができる。これによっても、作業効率の向上を図ることができる。
【0132】
また、本実施形態では特に、第1プリントヘッド23のパージ処理中に第二印刷開始ボタン271の操作入力があった場合、パージ処理後の第一被印刷媒体に対する印刷の終了後(上記実施形態における図12のカラー印刷533の終了後)、若しくは、パージ処理後の第一被印刷媒体に対する印刷の開始後終了前(上記実施形態における図11の白印刷514の終了後)に、第二被印刷媒体に対する印刷を開始するように制御する。これにより、第1プリントヘッド23のパージ処理中に操作者が第二印刷開始ボタン271を操作した場合でも、後の第二被印刷媒体に対する印刷の実行を予約することができる。したがって、操作者の利便性を向上することができる。
【0133】
また、本実施形態では特に、第一被印刷媒体又は第二被印刷媒体に対する印刷の開始に際し搬送する第一被印刷媒体又は第二被印刷媒体の高さ方向寸法を、障害物センサ55,65が検出する。印刷開始位置へ搬送する第一被印刷媒体の検出結果が所定のしきい値以上であった場合で、第二被印刷媒体に対する印刷の予約状態であった場合には、第二被印刷媒体に対する印刷を開始させるように制御する。このように、第二被印刷媒体に対する印刷の予約状態で、第一被印刷媒体の高さオーバーを検出した場合には第一被印刷媒体に対する印刷を中止して第二被印刷媒体に対する印刷を開始することにより、インクジェットプリンタ1の非稼働時間をなくし、作業効率を向上することができる。
【0134】
また、本実施形態では特に、インクジェットプリンタ1は、白印刷用の第一プリントヘッド23と、カラー印刷用の第二プリントヘッド21の、2つの印刷ヘッドにより印刷を行う。これにより、各印刷処理において形成できる印刷面の色彩や濃淡の種類を多くすることができる。
【0135】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0136】
例えば以上においては、第一制御回路100のCPU101が、第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に関する印刷制御を司り、第二制御回路200のCPU201が、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に関する印刷制御を司るような構成としたが、これに限らない。すなわち、第一制御回路100のCPU101が、第一プラテン5の移動制御及び第一キャリッジ26による白印刷制御を司り、第二制御回路200のCPU201が、第二プラテン6の移動制御及び第二キャリッジ22によるカラー印刷制御を司るようにしてもよい。この場合において、第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対し第二キャリッジ22によるカラー印刷を行う場合、及び第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に対し第一キャリッジ26による白印刷を行う場合には、第一制御回路100のCPU101と第二制御回路200のCPU201とが、インターフェース104を介して情報送受信を行いつつ連携制御を行えばよい。
【0137】
また以上では、第一制御回路100のCPU101と第二制御回路200のCPU201とが連携して制御を行うようにしたが、これに限らず、単一のCPUにより同様の内容の制御を行うようにしてもよい。
【0138】
また以上では、操作者が第二被印刷媒体に対する印刷を予約した場合、第一被印刷媒体に対する印刷の終了後に、第二プラテン6の移動を開始して第二被印刷媒体に対する印刷を開始させるようにしたが、必ずしも印刷が終了するまで第二プラテン6の移動を停止させておく必要はない。すなわち、操作者が第一被印刷媒体に対する印刷を予約した場合には、第二被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間に、第一送り機構7が第一プラテン5を移動させて第一被印刷媒体を第一プリントヘッド23による印刷が可能な印刷開始位置(第1位置)まで移動させ、操作者が第二被印刷媒体に対する印刷を予約した場合には、第一被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間に、第二送り機構8が第二プラテン6を移動させて第二被印刷媒体を第一プリントヘッド23による印刷が可能な印刷開始位置(第2位置)まで移動させるように、CPU101,201で制御してもよい。このように、予め第一又は第二被印刷媒体が印刷開始位置まで移動していることにより、第一又は第二被印刷媒体に対する印刷の完了までの時間を短くすることができる。したがって、作業効率をさらに向上することができる。なお、本変形例において、第一送り機構7を制御するCPU101が、特許請求の範囲各項記載の第1被印刷媒体を第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置へ搬送するように第1媒体搬送手段を制御する第1搬送制御手段を構成し、第二送り機構8を制御するCPU201が、第2被印刷媒体を、第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置へ搬送するように第2媒体搬送手段を制御する第2搬送制御手段を構成する。
【0139】
また以上では、第一キャリッジ26及び第二キャリッジ22の各々の動作状態を表すステータス情報として、パージ処理を実行中であることを表す「パージ中」、印刷実行中であることを表す「印刷中」、これら以外の状態である「待機状態」を例示したが、例えば第一及び第二プリントヘッド23,21のノズル面のワイプを実行中である「ワイプ中」等、これら以外の動作状態を表すステータスを設けてもよい。
【0140】
また以上では、白印刷及びカラー印刷の両方を行う場合において、第二被印刷媒体に対する印刷を予約した場合、第一被印刷媒体に対する白印刷の終了後に、第二被印刷媒体に対する白印刷を開始させるようにしたが、これに限らず、第一被印刷媒体に対する白印刷及びカラー印刷の終了後に、第二被印刷媒体に対する白印刷を開始させるようにしてもよい。
【0141】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0142】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】インクジェットプリンタの平面図である。
【図2】インクジェットプリンタの正面図である。
【図3】インクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】プラテンの送り機構を模式化した平面図である。
【図5】プラテンの送り機構を模式化した左側面図である。
【図6】第一制御回路のCPU又は第二制御回路のCPUで行われる印刷制御のフローチャートである。
【図7】白CRパージ処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図8】白CR印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図9】カラーCRパージ処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図10】カラーCR印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】白印刷及びカラー印刷の両方を行う場合のインクジェットプリンタの印刷動作を表すタイムチャートである。
【図12】カラー印刷のみを行う場合のインクジェットプリンタの印刷動作を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0144】
1 インクジェットプリンタ(印刷装置)
5 第一プラテン(第1媒体保持手段)
6 第二プラテン(第2媒体保持手段)
7 第一送り機構(第1媒体搬送手段)
8 第二送り機構(第2媒体搬送手段)
21 第二プリントヘッド(印刷ヘッド、第2印刷ヘッド)
22 第二キャリッジ(印刷ヘッド搬送手段、第2印刷ヘッド搬送手段)
23 第一プリントヘッド(印刷ヘッド、第1印刷ヘッド)
26 第一キャリッジ(印刷ヘッド搬送手段、第1印刷ヘッド搬送手段)
55 第一障害物センサ(検出手段)
65 第二障害物センサ(検出手段)
271 第二印刷開始ボタン(第2操作手段)
281 第一印刷開始ボタン(第1操作手段)
311〜314 インクカートリッジ(第二インクカートリッジ)
321〜324 インクカートリッジ(第一インクカートリッジ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛に対し印刷を行う印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、布帛を保持する平面上のプラテンに対して、インクを吐出する印刷ヘッドを搬送する1つのキャリッジと、1つの操作パネル、1組のカラーインクセットを備えた布帛印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この布帛印刷装置では、プラテンの副走査方向への移動と、キャリッジの主走査方向への移動とにより、印刷データを布帛に印刷する。
【0003】
また、印刷動作を高速化するために、本体装置を大型化し、複数の同一サイズのプラテンを同一平面上に左右に並べ、1つの印刷ヘッドから連続して印刷する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−268506号公報
【特許文献2】米国特許出願公開US2005/0179708A1号公報 FIG.7C,FIG.7B
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の印刷装置では、一方のプラテン側で印刷が実行されているときに他方のプラテン側でロード・アンロード工程を同時に実行することにより、左右のプラテンでの印刷処理を実質的に連続的に行わせ、印刷効率を改善することを可能としている。しかしながら、このように左右のプラテンでの印刷処理を連続的に行わせる場合、上記特許文献2には特に記載されていないが、一般に操作者は一方のプラテン側の印刷処理の完了後にもう一方のプラテン側の印刷開始操作を行うという手順を繰り返す必要があり、操作パネルの前で待機する必要があった。このため、無駄な待ち時間が生じることとなり、作業効率が低下していた。
【0005】
本発明の目的は、操作者の無駄な待ち時間をなくすことで作業効率の向上を図ることができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1発明の印刷装置は、第1被印刷媒体を保持する保持面を備えた第1媒体保持手段と、第2被印刷媒体を保持する保持面を備えた第2媒体保持手段と、印刷データに応じ、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する少なくとも1つの印刷ヘッドと、前記少なくとも1つの印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して主走査方向にそれぞれ相対移動する少なくとも1つの印刷ヘッド搬送手段と、前記第1媒体保持手段を、前記主走査方向と直交する副走査方向に往復移動可能な第1媒体搬送手段と、前記第2媒体保持手段を、前記副走査方向に往復移動可能な第2媒体搬送手段と、前記少なくとも1つの印刷ヘッドへインクをそれぞれ供給する少なくとも1つのインクカートリッジとを備えた印刷装置において、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第1操作手段と、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第2操作手段と、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を行うように、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する連携制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の印刷装置は、第1媒体保持手段と第2媒体保持手段の、2つの媒体保持手段を有する。第1媒体保持手段は保持面に第1被印刷媒体を保持し、第1被印刷媒体を保持した状態の第1媒体保持手段を第1媒体搬送手段が副走査方向に往復移動させる。第2媒体保持手段は保持面に第2被印刷媒体を保持し、第2被印刷媒体を保持した状態の第2媒体保持手段を第2媒体搬送手段が副走査方向に往復移動させる。副走査方向に移動する第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し、少なくとも1つの印刷ヘッドがインクカートリッジからのインクを吐出する。印刷ヘッド搬送手段が少なくとも1つの印刷ヘッドを主走査方向に相対移動することにより、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し所定の印刷面を形成する第1印刷処理及び第2印刷処理を実行することができる。
【0008】
第1被印刷媒体に対する第1印刷処理に対応して第1操作手段を設け、第2被印刷媒体に対する第2印刷処理に対応して第2操作手段を設けている。操作者が第1操作手段を操作することで、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、及び第1媒体搬送手段が第1被印刷媒体に対する第1印刷処理を開始する。操作者が第2操作手段を操作することで、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、及び第2媒体搬送手段が第2被印刷媒体に対する第2印刷処理を開始する。
【0009】
操作者が第1操作手段を操作して第1印刷処理を開始した後に、操作者が第2操作手段を操作した場合には、連携制御手段が対応する連携制御を行う。連携制御手段は、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御し、第1印刷処理の終了後、若しくは、第1印刷処理の開始後終了前に、第2印刷処理を開始させる。これにより、第1印刷処理を行っている間の第2操作手段の操作により、後の第2印刷処理の実行を設定する、言い換えれば第2印刷処理の予約を行うことができる。予め第2印刷処理の予約を行えるので、操作者は、第1印刷処理が終了するまでの間待機する必要が無くなる。無駄な待ち時間がなくなることにより、操作者は、第1印刷処理が終了するまでの間、印刷が完了した布帛の乾燥作業等の別の作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0010】
第2発明の印刷装置は、上記第1発明において、前記印刷ヘッドを複数設け、前記複数の印刷ヘッドは、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第1印刷ヘッドと、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第2印刷ヘッドとを含み、前記印刷ヘッド搬送手段を複数設け、前記複数の印刷ヘッド搬送手段は、前記第1印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第1印刷ヘッド搬送手段と、前記第2印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第2印刷ヘッド搬送手段とを含み、前記インクカートリッジを複数設け、前記複数のインクカートリッジは、前記第1印刷ヘッドへインクを供給する第1インクカートリッジと、前記第2印刷ヘッドへインクを供給する第2インクカートリッジとを含み、前記第1操作手段は、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する前記第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、前記第2操作手段は、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する前記第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0011】
本願第2発明の印刷装置は、第1印刷ヘッドと第2印刷ヘッドの、2つの印刷ヘッドにより印刷を行う。第1印刷ヘッド搬送手段が第1印刷ヘッドを主走査方向に相対移動し、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し第1印刷処理及び第2印刷処理を実行する。第2印刷ヘッド搬送手段が第2印刷ヘッドを主走査方向に相対移動し、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し第1印刷処理及び第2印刷処理を実行する。第1印刷ヘッドと第2印刷ヘッドの2つを用いることにより、各印刷処理において形成できる印刷面の色彩や濃淡の種類を多くすることができる。
【0012】
第2印刷処理の予約を行った場合には、第1印刷ヘッドによる第1印刷処理における第1被印刷媒体へのインクの吐出が終了したら、第1印刷ヘッドを第2印刷処理における第2被印刷媒体へのインクの吐出へ移行させることができる。
【0013】
第3発明の印刷装置は、上記第2発明において、前記連携制御手段は、前記第1印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第1印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第1印刷ヘッド制御手段と、前記第2印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第2印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第2印刷ヘッド制御手段とを含み、前記第1操作手段の操作入力に応じた前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の実行中に、前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0014】
操作者の第1操作手段の操作による第1印刷処理と、操作者の第2操作手段の操作による第2印刷処理とにより、第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体に対し所定の印刷面を形成する。第1印刷ヘッド制御手段の制御に基づき、第1印刷ヘッドは、第1印刷処理において第1被印刷媒体への印刷を行い、第2印刷処理において第2被印刷媒体への印刷を行う。第2印刷ヘッド制御手段の制御に基づき、第2印刷ヘッドは、第1印刷処理において第1被印刷媒体への印刷を行い、第2印刷処理において第2被印刷媒体への印刷を行う。
【0015】
操作者が第1操作手段を操作して第1印刷処理を開始した後に、操作者が第2操作手段を操作した場合には、連携制御手段が対応する連携制御を行う。連携制御手段は、第1印刷ヘッド制御手段及び第2印刷ヘッド制御手段による第1被印刷媒体への第1印刷処理の終了後、若しくは、第1印刷処理の開始後終了前に、第1印刷ヘッド制御手段及び第2印刷ヘッド制御手段による第2被印刷媒体への第2印刷処理を開始させる。第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッドを用いた第1印刷処理を行っている間の第2操作手段の操作により、後の第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッドを用いた第2印刷処理の実行の予約を行うことができる。
【0016】
第4発明の印刷装置は、上記第3発明において、前記第1印刷ヘッドは、前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第1吐出処理、及び、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第2吐出処理を実行可能であり、前記第2印刷ヘッドは、前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第3吐出処理と、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第4吐出処理とを実行可能であり、前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷ヘッド制御手段が、前記第1吐出処理の終了後に前記第2吐出処理を開始するように、前記第1印刷ヘッドを制御し、前記第2印刷ヘッド制御手段が、前記第3吐出処理の終了後に前記第4吐出処理を開始するように、前記第2印刷ヘッドを制御することを特徴とする。
【0017】
本願第4発明の印刷装置は、連携制御手段が、第1印刷ヘッドに対応した第1印刷ヘッド制御手段と、第2印刷ヘッドに対応した第2印刷ヘッド制御手段とを有する。
【0018】
第1印刷ヘッド制御手段は、操作者が第1印刷処理を開始した後に第2操作手段を操作した場合には、第1印刷ヘッドに対し、第1印刷処理の一部を構成する第1吐出処理の終了後、第2印刷処理の一部を構成する第2吐出処理を開始させる。第2印刷ヘッド制御手段は、操作者が第1印刷処理を開始した後に第2操作手段を操作した場合には、第2印刷ヘッドに対し、第1印刷処理の一部を構成する第3吐出処理の終了後、第2印刷処理の一部を構成する第4吐出処理を開始させる。
【0019】
第1印刷ヘッドの第1吐出処理及び第2吐出処理を連続的に行うことができ、第2印刷ヘッドの第3吐出処理及び第4吐出処理を連続的に行うことができるので、印刷ヘッドの非稼働時間を低減することができる。これによっても、作業効率の向上を図ることができる。
【0020】
第5発明の印刷装置は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッド内における前記インクの気泡を除去処理するための気泡処理手段を有し、前記第1印刷処理は、前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理を含み、前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づき、前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0021】
第1印刷ヘッドの気泡除去処理中に操作者が第2操作手段を操作した場合でも、後の第2印刷処理の実行を予約することができる。したがって、操作者の利便性を向上することができる。
【0022】
第6発明の印刷装置は、上記第2乃至第5発明のいずれかにおいて、前記連携制御手段は、前記第1被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置へ搬送するように前記第1媒体搬送手段を制御する第1搬送制御手段と、前記第2被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御する第2搬送制御手段とを含み、前記第1印刷処理は、前記第1被印刷媒体の前記第1位置への位置決めを含み、前記第2印刷処理は、前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含み、前記第2搬送制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第2被印刷媒体を前記第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御することを特徴とする。
【0023】
本願第6発明の印刷装置は、第1被印刷媒体を第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置まで移動させる途中に操作者が第2操作手段を操作した場合でも、後の第2印刷処理の実行を予約することができる。第2印刷処理の予約により、第2媒体搬送手段が、第2被印刷媒体を、第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置まで移動させる。予め第2非印刷媒体が第2位置まで移動していることにより、第2印刷処理の完了までの時間を短くすることができる。したがって、作業効率を向上することができる。
【0024】
第7発明の印刷装置は、上記第6発明において、前記第1媒体搬送手段又は前記第2媒体搬送手段による搬送中の、前記第1被印刷媒体又は前記第2被印刷媒体の高さ方向寸法を検出する検出手段を有し、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合で、前記第1媒体搬送手段で前記第1位置へ搬送する際の前記第1被印刷媒体に対する前記検出手段の検出結果が所定のしきい値以上であった場合には、前記連携制御手段は、前記第2搬送制御手段の制御による前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含む前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御することを特徴とする。
【0025】
本願第7発明の印刷装置では、第1印刷処理又は第2印刷処理の開始に際し搬送する第1被印刷媒体又は第2被印刷媒体の高さ方向寸法を、検出手段が検出する。第1位置へ搬送する第1被印刷媒体の検出結果が所定のしきい値以上であった場合で、第2印刷処理の予約状態であった場合には、これに対応した連携制御を連携制御手段が実行する。連携制御手段は、第1印刷ヘッド、第2印刷ヘッド、第1印刷ヘッド搬送手段、第2印刷ヘッド搬送手段、及び第2媒体搬送手段を制御し、第2印刷処理を開始させる。第2媒体搬送手段は、第2被印刷媒体を搬送して第2位置へ位置決めする。
【0026】
第2印刷処理の予約状態で、第1被印刷媒体の高さオーバーを検出した場合には第1印刷処理を中止して第2印刷処理を開始することにより、印刷装置の非稼働時間をなくし、作業効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、操作者の無駄な待ち時間をなくすことにより、作業効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。まず、図1乃至図3を参照して、本実施形態のインクジェットプリンタ(印刷装置)について説明する。
【0029】
図1は、インクジェットプリンタ1の平面図であり、図2は、インクジェットプリンタ1の正面図であり、図3は、インクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態では、インクジェットプリンタ1は、白インクを噴射するノズル面を具備するインクジェット方式の第一プリントヘッド23、及びシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)のインクを噴射するノズル面を具備するインクジェット方式の第二プリントヘッド21に各色のインクを各々供給して、被印刷媒体へ印刷を行う周知のインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ1は、被印刷媒体としてTシャツ等の布帛を扱い、入力した画像情報等に基づいてTシャツ等の布帛への印刷を行う。図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1は平面板状のベース2を下面に備え、また、装置本体を覆う本体カバー10を備えている。
【0031】
なお、本実施形態では、図1における左側をインクジェットプリンタ1の前側、図1における上側及び図2における左側をインクジェットプリンタ1の左側とし、図1における下側及び図2における右側をインクジェットプリンタ1の右側とする。そして、インクジェットプリンタ1の左右方向(図1における上下方向)が第二プリントヘッド21(印刷ヘッド、第2印刷ヘッド)、第一プリントヘッド23(印刷ヘッド、第1印刷ヘッド)が往復運動をする方向である主走査方向となる。
【0032】
本体カバー10内の印刷機構は、周知のインクジェット式印刷機構である。本体カバー10内の奥側(図1における右側)には、インクジェットプリンタ1の左右方向(図1における上下方向)に第一プリントヘッド23を搭載した第一キャリッジ26(印刷ヘッド搬送手段、第1印刷ヘッド搬送手段)の移動を案内するためのガイドレール12を架設している。このガイドレール12の左端付近(図1における上端部付近)に第一キャリッジモータ25を設け、右端付近(図1における下端部付近)にプーリ(図示せず)を設け、その間にキャリッジベルト(図示せず)を架設している。キャリッジベルトは第一キャリッジ26の背面に固定しており、第一キャリッジモータ25が駆動すると、第一キャリッジ26がガイドレール12に沿って往復移動する。
【0033】
なお、ガイドレール12の右端側に、第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ機構41を設けている。パージ機構41は、図2に示すように、第一プリントヘッド23のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ(図示せず)と、吸引キャップ内の空気圧を調整するバルブ42と、インクを吸引するための動力機構である吸引ポンプ43と、吸引したインクを貯留する廃液タンク44と、廃液タング44へのインクの流入を制御する廃液バルブ45と、これらを接続するチューブ配管46とを備えている。バルブ42は、吸引キャップが第一プリントヘッド23に密着する直前に大気開放し、吸引キャップが第一プリントヘッド23に密着すると閉鎖する。さらに、吸引キャップが第一プリントヘッド23から離脱する前に開放し、吸引キャップ内でインクに気泡等が発生しないように空気圧を調整する。そして、各吸引キャップが第一プリントヘッド23に密着しているときに吸引ポンプ43が動作することにより、吸引キャップを介して第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引を行うことが可能となっている。
【0034】
また、本体カバー10内のガイドレール12の手前側(図1における左側)には、インクジェットプリンタ1の左右方向(図1における上下方向)に第二プリントヘッド21を搭載した第二キャリッジ22(印刷ヘッド搬送手段、第2印刷ヘッド搬送手段)の移動を案内するためのガイドレール11を架設している。このガイドレール11の左端付近(図1における上端部付近)に第二キャリッジモータ24を設け、右端付近(図1における下端部付近)にプーリ(図示せず)を設け、その間にキャリッジベルト(図示せず)を架設している。キャリッジベルトは第二キャリッジ22の背面に固定しており、第二キャリッジモータ24が駆動すると、第二キャリッジ22がガイドレール11に沿って往復移動する。
【0035】
なお、ガイドレール11の左端側に、前述したパージ機構41と同様の構成である、第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ機構91を設けている。パージ機構91は、図2に示すように、第二プリントヘッド21のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ(図示せず)と、吸引キャップ内の空気圧を調整するバルブ92と、インクを吸引するための動力機構である吸引ポンプ93と、吸引したインクを貯留する廃液タンク94と、廃液タング94へのインクの流入を制御する廃液バルブ95と、これらを接続するチューブ配管96とを備えている。
【0036】
次に、インクジェットプリンタ1において、被印刷媒体である布帛等を保持する第一プラテン5(第1媒体保持手段)及び第二プラテン6(第2媒体保持手段)の構造について説明する。なお、以下、第一プラテン5が保持する被印刷媒体を第一被印刷媒体(第1被印刷媒体)、第二プラテン6が保持する被印刷媒体を第二被印刷媒体(第2被印刷媒体)と記載する。また、第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体への印刷が、特許請求の範囲各項記載の第1印刷処理に相当し、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体への印刷が、第2印刷処理に相当する。
【0037】
インクジェットプリンタ1では、通常のインクジェットプリンタとは異なり、同一形状の第一プラテン5及び第二プラテン6を一組備えている。第一プラテン5及び第二プラテン6は、第二プリントヘッド21及び第一プリントヘッド23の主走査方向と直交する副走査方向(インクジェットプリンタ1の前後方向、図1における左右方向)に平行に移動可能となっている。
【0038】
したがって、インクジェットプリンタ1は、ベース2に、第一被印刷媒体を保持する第一プラテン5の副走査方向への移動を案内するための第一送り機構7と、同様に第二被印刷媒体を保持する第二プラテン6の副走査方向への移動を案内するための第二送り機構8とを並列(平行)に設けている。第一送り機構7(第1媒体搬送手段)は、図2に示すようにガイドレール77,77と、当該ガイドレール77,77の後端部(図1における右側の端部)に設けたステッピングモータからなる第一プラテン搬送モータ71等(図1参照)とを有しており、第一プラテン搬送モータ71の駆動により第一プラテン5が、第一送り機構7のガイドレール77,77に沿って副走査方向に往復運動する。
【0039】
第二送り機構8(第2媒体搬送手段)も、第一送り機構7と同様に、図2に示すようにガイドレール87,87と、当該ガイドレール87,87の後端部(図1における右側の端部)に設けたステッピングモータからなる第二プラテン搬送モータ81等(図1参照)とを有しており、第二プラテン搬送モータ81の駆動により第二プラテン6が、送り機構8のガイドレール87,87に沿って副走査方向に往復運動する。
【0040】
第一プラテン5及び第二プラテン6は、図1に示すように、平面視五角形(詳細には、長方形状の板体の操作者に対向する側の短辺の中央が突出した形状の五角形)であり、その上面(保持面)に例えばTシャツなどの布帛からなる被印刷媒体を水平に載置するのに適した形状となっている。
【0041】
またインクジェットプリンタ1は、第一プラテン5及び第二プラテン6の上方におけるガイドレール11より前方側(図1における左側)の位置に、第一プラテン5及び第二プラテン6による搬送中の被印刷媒体の高さ方向寸法が所定の高さ以上であるか否かを各々検出する第一障害物センサ55(検出手段)及び第二障害物センサ65(検出手段)を有している。第一障害物センサ55は、第一プラテン5の上面と所定の高さ方向の間隙を有して主走査方向に延設した板部材56と、この板部材56を軸57,57を介して回動可能に支持する支持部材58,58とを有している。同様に第二障害物センサ65は、第二プラテン6の上面と所定の高さ方向の間隙を有して主走査方向に延設した板部材66と、この板部材66を軸67,67を介して回動可能に支持する支持部材68,68とを有している。これら第一及び第二障害物センサ55,65は、被印刷媒体である布帛の皺を検出するセンサとして機能する。すなわち、布帛に皺がよっていることにより布帛が所定の高さ以上となっている場合、当該布帛が搬送中に障害物センサ55,65の板部材56,66に接触して板部材56,66を回動させる。障害物センサ55,65は、この回動を検出することで布帛の皺を検出することが可能となっている。
【0042】
またインクジェットプリンタ1は、第一プラテン5及び第二プラテン6の下方に、当該第一プラテン5及び第二プラテン6の上面と略平行な底面を有したトレー4,4,4,4を備えている。このトレー4,4,4,4は、第一プラテン5、第二プラテン6の下方位置においてそれぞれ左右に固定されており、第一プラテン5、第二プラテン6と一体に移動可能である。トレー4,4,4,4は、利用者がTシャツ等の被印刷媒体を第一プラテン5及び第二プラテン6に載置する際に、Tシャツの袖などがベース2へ落ちないように、被印刷媒体のプラテンからはみ出した部分(袖など)を受けるものである。
【0043】
また図2に示すように、本体カバー10の右端部には、第一プリントヘッド23用の白色のインクカートリッジ321,322,323,324(第一インクカートリッジ)を収納した第一インクカートリッジ収納部32を設けている。この第一インクカートリッジ収納部32には、インクカートリッジ321,322,323,324を各々固定する固定機構325,326,327,328を設けている。
【0044】
また、本体カバー10の左端部には、第二プリントヘッド21用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色のインクカートリッジ311,312,313,314(第二インクカートリッジ)を収納した第二インクカートリッジ収納部31を設けている。この第二インクカートリッジ収納部31には、インクカートリッジ311,312,313,314を各々固定する固定機構315,316,317,318を設けている。インクカートリッジ収納部31,32に収納された白色及びCMYKの各インクカートリッジは、インク供給チューブを介して第一、第二プリントヘッド23,21に各々接続し、当該第一、第二プリントヘッド23,21へ各色のインクを各々供給している。
【0045】
また、図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1の前面の右端部の位置には、インクジェットプリンタ1の第一プラテン5、第一プリントヘッド23若しくは第二プリントヘッド21、及び第一キャリッジ26若しくは第二キャリッジ22の操作を行うための第一操作パネル28を設けている。この第一操作パネル28には、第一被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第一印刷開始ボタン281(第1操作手段)、各種の表示を行うLCDから構成されたディスプレイ284、印刷命令をキャンセルする第一キャンセルボタン283、印刷データの取り込みを指示する第一印刷データ取込ボタン282、データを受信したことを示すデータランプ286及びエラーを表示するエラーランプ287等を設けている。また、第一操作パネル28は、警告音を発するスピーカー285を有している。
【0046】
また、図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1の前面の左端部の位置には、インクジェットプリンタ1の第二プラテン6、第二プリントヘッド21若しくは第一プリントヘッド23、及び第二キャリッジ22若しくは第一キャリッジ26の操作を行うための第二操作パネル27を設けている。この第二操作パネル27には、第二被印刷媒体に対する印刷の実行開始を操作者が操作入力するための第二印刷開始ボタン271(第2操作手段)、各種の表示を行うLCDから構成されたディスプレイ274、印刷命令をキャンセルする第二キャンセルボタン273、印刷データの取り込みを指示する第二印刷データ取込ボタン272、データを受信したことを示すデータランプ276及びエラーを表示するエラーランプ277等を設けている。また、第二操作パネル27は、警告音を発するスピーカー275を有している。
【0047】
次に、図3を参照して、インクジェットプリンタ1の電気的な構成について説明する。図3に示すように、インクジェットプリンタ1は、インクジェットプリンタ1のうち、第一プラテン5の移動制御、及び第一キャリッジ26若しくは第二キャリッジ22による印刷制御(言い換えれば第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に関する制御全般)を司る、第一操作パネル28内に設けた第一制御回路100と、第二プラテン6の移動制御、及び第二キャリッジ22若しくは第一キャリッジ26による印刷制御(言い換えれば第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に関する制御全般)を司る、第二操作パネル27内に設けた第二制御回路200と、第一プラテン5、第一プリントヘッド23及び第一キャリッジ26(これらを以下、「第一印刷部」という)の制御を行う第一印刷部制御回路120と、第二プラテン6、第二プリントヘッド21及び第二キャリッジ22(これらを以下、「第二印刷部」という)の制御を行う第二印刷部制御回路140とを有している。
【0048】
第一制御回路100は、コンピュータとしてのCPU101と、CPU101が実行する各種の制御プログラム等を記憶したROM102と、データを一時的に記憶するRAM103とを有している。同様に、第二制御回路200は、コンピュータとしてのCPU201と、CPU201が実行する各種の制御プログラム等を記憶したROM202と、データを一時的に記憶するRAM203とを有している。第一制御回路100(CPU101)と第二制御回路200(CPU201)とは、インターフェース104(例えばLVDS:Low Voltage Differential Signaling)を介して相互に情報送受信可能に接続しており、制御に必要な各種情報(第一及び第二キャリッジ26,22の動作状態を表すステータス情報等。詳細は後述)を共有している。また、第一及び第二制御回路100,200は、インターフェース104及びバス105,106を介して、第一印刷部制御回路120と第二印刷部制御回路140とに接続している。さらに、第一及び第二制御回路100,200は、インターフェース104及び通信処理部107を介して、印刷データを作成するパーソナルコンピュータ90に接続している。
【0049】
第一印刷部制御回路120は、第一プリントヘッド23の各チャンネルに設けた圧電アクチュエータを駆動制御させるための第一プリントヘッド駆動回路121、第一キャリッジモータ25を駆動制御させるための第一キャリッジモータ駆動回路122、第一プラテン搬送モータ71を駆動制御させるための第一プラテンモータ駆動回路123を有している。また第一印刷部制御回路120は、第一印刷開始ボタン281、第一印刷データ取込ボタン282、第一キャンセルボタン283、スピーカー285の警告音を停止するための警告OFFボタン288、第一プラテン5の位置を検出する第一プラテン位置センサ291、及び第一障害物センサ55からの入力を受け付ける第一センサ入出力回路124と、データランプ286、エラーランプ287、警告OFFボタン288の押下を表示する警告OFFランプ289、ディスプレイ284及びスピーカー285を制御する報知制御回路125とを備えている。
【0050】
また、第二印刷部制御回路140は、第二プリントヘッド21の各チャンネルに設けた圧電アクチュエータを駆動制御させるための第二プリントヘッド駆動回路141、第二キャリッジモータ24を駆動制御させるための第二キャリッジモータ駆動回路142、第二プラテン搬送モータ81を駆動制御させるための第二プラテンモータ駆動回路143を有している。また第二印刷部制御回路140は、第二印刷開始ボタン271、第二印刷データ取込ボタン272、第二キャンセルボタン273、スピーカー285の警告音を停止するための警告OFFボタン278、第二プラテン6の位置を検出する第二プラテン位置センサ292、及び第二障害物センサ65からの入力を受け付ける第二センサ入出力回路144と、データランプ276、エラーランプ277、警告OFFボタン278の押下を表示する警告OFFランプ279、ディスプレイ274及びスピーカー275を制御する報知制御回路145とを備えている。
【0051】
次に、図4及び図5を参照して、インクジェットプリンタ1の第一プラテン5の第一送り機構7について説明する。図4は、第一プラテン5の送り機構を模式化した平面図であり、図5は、第一プラテン5の送り機構を模式化した左側面図である。なお、図4及び図5における左側がインクジェットプリンタ1の前側であり、右側がインクジェットプリンタ1の奥側である。
【0052】
図4及び図5に示すように、第一送り機構7では、第一プラテン搬送モータ71の回転に伴い回転するモータプーリ73と大プーリ72とにモータベルト79が巻回しており、第一プラテン搬送モータ71の回転に伴い、モータプーリ73が回転し、大プーリ72が回転する。そして、大プーリ72の回転軸と同じ軸を回転軸とする第一ベルトプーリ74が、大プーリ72の回転と同期して回転する。これらの第一プラテン搬送モータ71、モータプーリ73、大プーリ72、第一ベルトプーリ74は、インクジェットプリンタ1の本体カバー10の内部の第一プラテン5の移動面よりも下方に位置している。そして、第一ベルトプーリ74に対応して、インクジェットプリンタ1の手前側(図1、図4及び図5における左側)に第二ベルトプーリ75を設け、第一ベルトプーリ74と第二ベルトプーリ75との間にタイミングベルト78を巻回している。この第二ベルトプーリ75の直径は第一ベルトプーリ74と同じサイズである。
【0053】
また、タイミングベルト78は、インクジェットプリンタ1の第一プリントヘッド23の主走査方向(ガイドレール12の延設方向)と垂直に延びるように設けている。さらにタイミングベルト78と第一プラテン5とはプラテン取付部51により固定しており、タイミングベルト78の回転に伴い、第一プラテン5がインクジェットプリンタ1の前後方向(図4及び図5に示す矢印A方向)に移動する。このようにして、第一プラテン搬送モータ71の回転運動を、モータプーリ73、モータベルト79、大プーリ72、第一ベルトプーリ74、タイミングベルト78、第二ベルトプーリ75を介して第一プラテン5の水平運動に換えている。
【0054】
なお、第二プラテン6を搬送する第二送り機構8も上記第1送り機構7と同様の構成となっている。
【0055】
次に、図6乃至図10に示すフローチャートを参照して、本インクジェットプリンタ1における印刷制御について説明する。図6は、第一制御回路100のCPU101又は第二制御回路200のCPU201で行われる印刷制御のフローチャートであり、図7は白CRパージ処理のサブルーチンのフローチャート、図8は白CR印刷処理のサブルーチンのフローチャート、図9はカラーCRパージ処理のサブルーチンのフローチャート、図10はカラーCR印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。これらの処理の制御プログラムは、第一制御回路100のROM102及び第二制御回路200のROM202に記憶されており、それぞれのCPU101及びCPU201によって同時に並行して行われるものである。
【0056】
なお、図6乃至図10において、「白CR」は白印刷用の第一プリントヘッド23を搭載した第一キャリッジ26を指し、「カラーCR」はカラー印刷用の第二プリントヘッド21を搭載した第二キャリッジ22を指している。また、図7乃至図10において「他方」とは、制御主体が第一制御回路100のCPU101である場合には第二制御回路200のCPU201のことを指し、制御主体が第二制御回路200のCPU201である場合には、第一制御回路100のCPU101のことを指すものである。以下、第一制御回路100のCPU101が制御主体である場合について説明する。
【0057】
まずステップS5では、CPU101は、操作者が第一印刷開始ボタン281を押下したか否かを、第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124からの入力信号に基づき判定する。第一印刷開始ボタン281の押下を検出すると、次のステップS10に移行する。
【0058】
ステップS10では、CPU101は、第一プリントヘッド23又は第二プリントヘッド21で印刷する白又はカラーの印刷データが第一制御回路100のRAM103にあるか否かを判定する。RAM103に白又はカラーの印刷データがない場合には、ステップS15に移行し、CPU101は、第一印刷部制御回路120の報知制御回路125に制御信号を出力して、スピーカー285から警告音を発生させる等のエラー処理を行う。一方、RAM103に白又はカラーの印刷データがある場合には、次のステップS20に移行する。
【0059】
ステップS20では、CPU101は、第一プリントヘッド23で印刷する白の印刷データが第一制御回路100のRAM103にあるか否かを判定する。RAM103に白の印刷データがない場合には、後述するステップS35に移行する。一方、RAM103に白の印刷データがある場合には、次のステップS25に移行する。
【0060】
ステップS25では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスが「待機状態」であるか否かを判定する。第一キャリッジ26のステータスが「待機状態」となるまで本ステップを繰り返し、「待機状態」となったら次のステップS30に移行する。なお、このステータスとは、第一キャリッジ26及び第二キャリッジ22の各々の動作状態を表す情報のことであり、本実施形態ではパージ処理を実行中であることを表す「パージ中」、印刷実行中であることを表す「印刷中」、これら以外の状態である「待機状態」が含まれる。
【0061】
ステップS30では、CPU101は、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷を何回実行したかを表す変数Nwが予め設定した所定回数N1以上であるか否か、又は第一キャリッジ26で最後に白印刷を行った後の印刷を実行しない放置時間が予め設定した所定時間以上であるか否かを判定する。変数Nwが所定回数N1より小さく、且つ第一キャリッジ26の放置時間が所定時間より小さい場合には、後述するステップS200に移行する。一方、変数Nwが所定回数N1以上、又は第一キャリッジ26の放置時間が所定時間以上である場合には、次のステップS100に移行する。
【0062】
ステップS100では、CPU101は、第一キャリッジ26が搭載する第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行する白CRパージ処理を実行する。ここで、白CRパージ処理について、図7に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まずステップS110では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0064】
次のステップS120では、CPU101は、第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ処理を行う。具体的には、まず廃液タンク44へのインク流路であるチューブ配管46を閉ざしている廃液バルブ45を開放し、第一キャリッジモータ25を駆動させて、第一キャリッジ26をパージ位置に移動させる。次に、吸引キャップからのインク流路であるチューブ配管46のバルブ42を開放し、吸引キャップを第一プリントヘッド23に向かって上昇させて、そのノズル面を吸引キャップで覆った後バルブ42を閉鎖する。そして、吸引ポンプ43を作動させて、第一プリントヘッド23の噴射ノズルからインクを吸引する。吸引したインクは、廃インクとして廃液バルブ45を経由して廃液タンク44に流入させ、貯留する。その後、バルブ42を開放し、第一プリントヘッド23から吸引キャップを離脱させる。
【0065】
次のステップS130では、CPU101は、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷を何回実行したかを表す変数Nwを0にリセットすると共に、放置時間の時間経過を算出する際の起算時間を今回パージ処理が行われた時間に更新し、本サブルーチンを終了する。
【0066】
図6に戻り、次のステップS200では、CPU101は、第一キャリッジ26が搭載する第一プリントヘッド23による白印刷を実行する白CR印刷処理を実行する。ここで、白CR印刷処理について、図8に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0067】
まずステップS205では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0068】
次のステップS210では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71を駆動させて、第一プラテン5の白印刷開始位置への移動を開始する。
【0069】
次のステップS215では、CPU101は、第一障害物センサ55が異常を検出したか否かを第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124からの入力信号に基づき判定する。第一障害物センサ55が異常を検出した場合には、次のステップS220に移行し、CPU101は、第一印刷部制御回路120の報知制御回路125に制御信号を出力して、スピーカー285から警告音を発生させる等のエラー処理を行う。
【0070】
次のステップS225では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71の駆動を減速又は停止させて、第一プラテン5の移動を減速又は停止させる。
【0071】
次のステップS230では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。そして、本サブルーチンを終了する。
【0072】
一方、上記ステップS215において、第一障害物センサ55が異常を検出しなかった場合には、次のステップS235に移行し、CPU101は、第一プラテン5が白印刷開始位置へ到達したか否かを、第一プラテン位置センサ291から第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124を介して入力する入力信号に基づき判定する。第一プラテン5が白印刷開始位置へ到達していない場合には、ステップS215に戻る。一方、第一プラテン5が白印刷開始位置へ到達した場合には、次のステップS240へ移行する。
【0073】
ステップS240では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一キャリッジモータ駆動回路122、第一プリントヘッド駆動回路121及び第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一キャリッジ26、第一プリントヘッド23及び第一プラテン5を連携制御して、第一プリントヘッド23による白印刷を実行する。すなわち、第一キャリッジ26を主走査方向に一行分走査して一行分の白インクを吐出させた後、プラテン5を副走査方向に一行分移動させ、再び第一キャリッジ26による次の行分の白インクの吐出を実行することを繰り返す。
【0074】
次のステップS245では、CPU101は、白印刷が完了したか否かを判定する。白印刷が完了するまで本ステップを繰り返し、白印刷が完了した場合には次のステップS250に移行する。
【0075】
ステップS250では、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0076】
次のステップS255では、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷を何回実行したかを表す変数Nwに1を加えて、本サブルーチンを終了する。
【0077】
図6に戻り、次のステップS35では、CPU101は、第二プリントヘッド21で印刷するカラーの印刷データが第一制御回路100のRAM103にあるか否かを判定する。RAM103にカラーの印刷データがない場合には、後述するステップS55に移行する。一方、RAM103にカラーの印刷データがある場合には、次のステップS40に移行する。
【0078】
ステップS40では、CPU101は、上述した白CR印刷処理において障害物センサ55が異常を検出したか否かを判定する。白CR印刷処理において障害物センサ55が異常を検出していた場合には、第一プラテン5に保持した第一被印刷媒体の印刷を中止し、後述するステップS55に移行する。異常を検出していない場合には、次のステップS45に移行する。
【0079】
ステップS45では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスが「待機状態」であるか否かを判定する。第二キャリッジ22のステータスが「待機状態」となるまで本ステップを繰り返し、「待機状態」となったら次のステップS50に移行する。
【0080】
ステップS50では、CPU101は、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷を何回実行したかを表す変数Ncが予め設定した所定回数N2以上であるか否か、又は第二キャリッジ22で最後にカラー印刷を行った後の印刷を実行しない放置時間が予め設定した所定時間以上であるか否かを判定する。変数Ncが所定回数N2より小さく、且つ第二キャリッジ22の放置時間が所定時間より小さい場合には、後述するステップS400に移行する。一方、変数Ncが所定回数N2以上、又は第二キャリッジ22の放置時間が所定時間以上である場合には、次のステップS300に移行する。
【0081】
ステップS300では、CPU101は、第二キャリッジ22が搭載する第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するカラーCRパージ処理を実行する。ここで、カラーCRパージ処理について、図9に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0082】
まずステップS310では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0083】
次のステップS320では、CPU101は、第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するパージ処理を行う。具体的には、まず廃液タンク94へのインク流路であるチューブ配管96を閉ざしている廃液バルブ95を開放し、第二キャリッジモータ24を駆動させて、第二キャリッジ22をパージ位置に移動させる。次に、吸引キャップからのインク流路であるチューブ配管96のバルブ92を開放し、吸引キャップを第二プリントヘッド21に向かって上昇させて、そのノズル面を吸引キャップで覆った後バルブ92を閉鎖する。そして、吸引ポンプ93を作動させて、第二プリントヘッド21の噴射ノズルからインクを吸引する。吸引したインクは、廃インクとして廃液バルブ95を経由して廃液タンク94に流入させ、貯留する。その後、バルブ92を開放し、第二プリントヘッド21から吸引キャップを離脱させる。
【0084】
次のステップS330では、CPU101は、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷を何回実行したかを表す変数Ncを0にリセットすると共に、放置時間の時間経過を算出する際の起算時間を今回パージ処理が行われた時間に更新し、本サブルーチンを終了する。
【0085】
図6に戻り、次のステップS400では、CPU101は、第二キャリッジ22が搭載する第二プリントヘッド21によるカラー印刷を実行するカラーCR印刷処理を実行する。ここで、カラーCR印刷処理について、図10に示すサブルーチンのフローチャートを用いて説明する。
【0086】
まずステップS405では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0087】
次のステップS410では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71を駆動させて、第一プラテン5のカラー印刷開始位置への移動を開始する。
【0088】
次のステップS415では、CPU101は、第一障害物センサ55が異常を検出したか否かを第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124からの入力信号に基づき判定する。第一障害物センサ55が異常を検出した場合には、次のステップS420に移行し、CPU101は、第一印刷部制御回路120の報知制御回路125に制御信号を出力して、スピーカー285から警告音を発生させる等のエラー処理を行う。
【0089】
次のステップS425では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71の駆動を減速又は停止させて、第一プラテン5の移動を減速又は停止させる。
【0090】
次のステップS430では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。そして、本サブルーチンを終了する。
【0091】
一方、上記ステップS415において、第一障害物センサ55が異常を検出しなかった場合には、次のステップS435に移行し、CPU101は、第一プラテン5がカラー印刷開始位置へ到達したか否かを、第一プラテン位置センサ291から第一印刷部制御回路120の第一センサ入出力回路124を介して入力する入力信号に基づき判定する。第一プラテン5がカラー印刷開始位置へ到達していない場合には、ステップS415に戻る。一方、第一プラテン5がカラー印刷開始位置へ到達した場合には、次のステップS440へ移行する。
【0092】
ステップS440では、CPU101は、第二印刷部制御回路140の第二キャリッジモータ駆動回路142、第二プリントヘッド駆動回路141、及び第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第二キャリッジ22、第二プリントヘッド21及び第一プラテン5を連携制御して、第二プリントヘッド21によるカラー印刷を実行する。すなわち、第二キャリッジ22を主走査方向に一行分走査して一行分のカラーインクを吐出させた後、プラテン5を副走査方向に一行分移動させ、再び第二キャリッジ22による次の行分のカラーインクの吐出を実行することを繰り返す。
【0093】
次のステップS445では、CPU101は、カラー印刷が完了したか否かを判定する。カラー印刷が完了するまで本ステップを繰り返し、カラー印刷が完了した場合には次のステップS450に移行する。
【0094】
ステップS450では、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して他方(ここでは第二制御回路200のCPU201)に送信する。
【0095】
次のステップS455では、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷を何回実行したかを表す変数Ncに1を加えて、本サブルーチンを終了する。
【0096】
図6に戻り、次のステップS55では、CPU101は、第一印刷部制御回路120の第一プラテンモータ駆動回路123に制御信号を出力し、第一プラテン搬送モータ71を駆動させて、第一プラテン5を第一被印刷媒体の脱着位置(図1に示す位置)へ移動させる。そして、本フローを終了する。
【0097】
なお、以上は第一制御回路100のCPU101が制御主体である場合について説明したが、第二制御回路200のCPU201が制御主体である場合も、上記と同様である。
【0098】
上記において、CPU101が実行するステップS200が、特許請求の範囲各項記載の第1印刷処理において第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第1吐出処理を構成し、CPU101が実行するステップS400が、第1印刷処理において第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第3吐出処理を構成する。また、CPU201が実行するステップS200が、第2印刷処理において第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第2吐出処理を構成し、CPU201が実行するステップS400が、第2印刷処理において第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第4吐出処理を構成する。
【0099】
また上記において、CPU101が実行するステップS200及びCPU201が実行するステップS200は、特許請求の範囲各項記載の第1印刷ヘッドによる第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体への印刷制御を行う第1印刷ヘッド制御手段を構成し、CPU101が実行するステップS400及びCPU201が実行するステップS400は、第2印刷ヘッドによる第1被印刷媒体及び第2被印刷媒体への印刷制御を行う第2印刷ヘッド制御手段を構成する。また、これらCPU101,201が各々実行するステップS200及びステップS400と、CPU101,201が各々実行するステップS25及びステップS45とが、印刷ヘッド、印刷ヘッド搬送手段、第1媒体搬送手段、及び第2媒体搬送手段を連携して制御する連携制御手段を構成する。
【0100】
また上記において、CPU101,201が各々実行するステップS100及びステップS300が、第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッド内におけるインクの気泡を除去処理するための気泡処理手段を構成する。
【0101】
次に、図11及び図12に示すタイムチャートを参照して、本インクジェットプリンタ1における印刷動作について説明する。図11は、白印刷及びカラー印刷の両方を行う場合(例えば黒色のTシャツ等の濃色の被印刷媒体に印刷を行う場合)の印刷動作であり、図12は、カラー印刷のみを行う場合(例えば白色のTシャツ等の淡色の被印刷媒体に印刷を行う場合)の印刷動作である。なお、図11及び図12のいずれも、第一及び第二プラテン5,6を用いて同じ被印刷媒体に対し同じ印刷データの印刷を連続して行う場合を示している。また、これら図11及び図12においては、説明を簡易とするために、白印刷とカラー印刷に要する時間が等しくなるように図示している。
【0102】
図11において、操作者が第一プラテン5に第一被印刷媒体(この例ではTシャツ)を装着し(501)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(502)、第一制御回路100のCPU101は第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理(図6に示すステップS200参照)を実行する(503)。このとき、前述したように、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図8に示すステップS205参照)。
【0103】
操作者が第一印刷開始ボタン281の押下を行った後、第一キャリッジ26による白CR印刷処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体(この例ではTシャツ)を装着して(601)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(602)、第二制御回路200のCPU201は、第一キャリッジ26のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(603。図6に示すステップS25も参照)。
【0104】
第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白印刷処理が完了すると、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図8に示すステップS250参照)。その結果、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理を開始する(604。図6に示すステップS25及びステップS200も参照)。
【0105】
CPU101は、白CR印刷処理の完了後、続けて第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理(図6に示すステップS400参照)を実行する(504)。またCPU101は、この第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS450参照)。そして、第一プラテン5を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取外す(505)。これにより、1枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0106】
一方、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理が完了すると、CPU201は、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第一制御回路100のCPU101に送信する(図8に示すステップS250参照)。その後、上述したように第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理は完了して第二キャリッジ22のステータスは「待機中」となっていることから、続けて第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(605)。この第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、CPU201は、第二プラテン6を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取り外す(606)。これにより、1枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0107】
このようにして、第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体への白CR印刷処理及びカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0108】
次に、操作者が第一プラテン5に2枚目の第一被印刷媒体を装着し(506)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(507)、上述したように第一キャリッジ26のステータスは「待機中」であるため、CPU101は第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理を実行する(508)。また白CR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスは「待機中」となっているため、CPU101は、続けて第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(509)。カラーCR印刷処理が完了すると、第一プラテン5を脱着位置へ移動させ、操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取り外す(510)。これにより、2枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0109】
一方、操作者が第二プラテン6に2枚目の第二被印刷媒体を装着して(607)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(608)、第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理は完了して第一キャリッジ26のステータスは「待機中」となっているため、CPU201は、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理を実行する(609)。なおこのとき、第一キャリッジ26による最後のパージ処理後の白印刷の実行回数Nwが、予め設定した所定回数N1以上になったものとする(図8に示すステップS255参照)。そして白CR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスは「待機中」となっているため、CPU201は、続けて第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(610)。カラーCR印刷処理が完了すると、第二プラテン6を脱着位置へ移動させ、操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取外す(611)。これにより、2枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0110】
次に、操作者が第一プラテン5に3枚目の第一被印刷媒体を装着し(511)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(512)、上述したように最後のパージ処理後の白印刷の実行回数Nwが予め設定した所定回数N1以上となっていることから、CPU101は、第一キャリッジ26が搭載する第一プリントヘッド23のノズル面からインクの吸引処理を実行する白CRパージ処理を実行する(513。図6に示すステップS30及びステップS100も参照)。このとき、前述したように、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図7に示すステップS110参照)。
【0111】
操作者が3枚目の第一被印刷媒体に対する第一印刷開始ボタン281の押下を行った後、第一キャリッジ26の白CRパージ処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体を装着して(612)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(613)、第二制御回路200のCPU201は、第一キャリッジ26のステータスが「パージ中」であるため、印刷待機状態となる(614。図6に示すステップS25も参照)。
【0112】
第一キャリッジ26のパージ処理が完了すると、CPU101は、第一キャリッジ26のステータスを「パージ中」とさせたままで(図7参照)、続けて第一キャリッジ26による第一被印刷媒体への白CR印刷処理を実行する(514)。これにより、CPU201は、印刷待機状態を解除することなく継続させる(614)。その後、CPU101は、白印刷処理が完了した際に、第一キャリッジ26のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図8に示すステップS250参照)。その結果、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理を開始する(615。図6に示すステップS25及びステップS200も参照)。
【0113】
CPU101は、第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると(515)、第一プラテン5を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取外す(516)。これにより、3枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0114】
一方、CPU201は、第一キャリッジ26による第二被印刷媒体への白CR印刷処理が完了すると、続けて第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行し(616)、このカラーCR印刷処理が完了すると、第二プラテン6を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取外す(617)。これにより、3枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0115】
このようにして、第一キャリッジ26の白CRパージ処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体への白CR印刷処理及びカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0116】
この後の動作については上述した内容と同様であるので、説明を省略する。なお、以上では特に説明しなかったが、白CR印刷処理又はカラーCR印刷処理において、障害物センサ55,65による異常検出があった場合には、前述したように第一キャリッジ26又は第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」として他方側に送信する結果(図8に示すステップS230又は図10に示すステップS430参照)、他方側で印刷開始ボタン281,271が押下されている(言い換えれば予約されている)場合には、当該他方側の印刷待機が解除されて印刷処理が開始される。
【0117】
次に、カラー印刷のみを行う場合の印刷動作を図12を参照しつつ説明する。図12において、操作者が第一プラテン5に第一被印刷媒体を装着し(521)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(522)、第一制御回路100のCPU101は第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理(図6に示すステップS400参照)を実行する(523)。このとき、前述したように、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「印刷中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS405参照)。
【0118】
操作者が第一印刷開始ボタン281の押下を行った後、第二キャリッジ22によるカラーCR印刷処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体を装着し(621)、第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(622)、第二制御回路200のCPU201は、第二キャリッジ22のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(623。図6に示すステップS45も参照)。
【0119】
CPU101は、第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS450参照)。これにより、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を開始する(624。図6に示すステップS45及びステップS400も参照)。
【0120】
その後、CPU101は、第一プラテン5を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第一プラテン5から印刷が完了した第一被印刷媒体を取外す(524)。これにより、1枚目の第一被印刷媒体への印刷が完了する。
【0121】
一方、上記第二キャリッジ22による第二印刷媒体へのカラーCR印刷処理中に(624)、操作者が第一プラテン5に2枚目の第一被印刷媒体を装着し(525)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(526)、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(527。図6に示すステップS45も参照)。
【0122】
そして、CPU201は、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第一制御回路100のCPU101に送信する(図10に示すステップS450参照)。これにより、CPU101は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22による2枚目の第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を開始する(528。図6に示すステップS45及びステップS400も参照)。
【0123】
その後、CPU201は、第二プラテン6を脱着位置へ移動させる(図6に示すステップS55参照)。操作者は、第二プラテン6から印刷が完了した第二被印刷媒体を取外す(625)。これにより、1枚目の第二被印刷媒体への印刷が完了する。
【0124】
このようにして、第二キャリッジ22による第一被印刷媒体(又は第二被印刷媒体)へのカラーCR印刷処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271(又は第一印刷開始ボタン281)の操作により、後の第二被印刷媒体(又は第一被印刷媒体)へのカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0125】
同様の動作を繰り返した後、第二キャリッジ22による第二印刷媒体へのカラーCR印刷処理中に(626)、操作者が第一プラテン5に第一被印刷媒体を装着し(529)、第一操作パネル28の第一印刷開始ボタン281の押下を行うと(530)、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスが「印刷中」であるため、印刷待機状態となる(531。図6に示すステップS45も参照)。そして、CPU201は、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」としてCPU101に送信する(図10に示すステップS450参照)。なおこのとき、第二キャリッジ22による最後のパージ処理後のカラー印刷の実行回数(Nc)が、予め設定した所定回数(N2)以上になったものとする(図10に示すステップS455参照)。これにより、CPU101は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22が搭載する第二プリントヘッド21のノズル面からインクの吸引処理を実行するカラーCRパージ処理を実行する(532。図6に示すステップS45、ステップS50及びステップS300参照)。このとき、前述したように、CPU101は、第二キャリッジ22のステータスを「パージ中」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図9に示すステップS310参照)。
【0126】
上記第二キャリッジ22のカラーCRパージ処理中に、第二プラテン6に第二被印刷媒体を装着して(627)第二操作パネル27の第二印刷開始ボタン271の押下を行うと(628)、第二制御回路200のCPU201は、第二キャリッジ22のステータスが「パージ中」であるため、印刷待機状態となる(629。図6に示すステップS45も参照)。
【0127】
CPU101は、第二キャリッジ22のパージ処理が完了すると、第二キャリッジ22のステータスを「パージ中」とさせたままで(図9参照)、続けて第二キャリッジ22による第一被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を実行する(533)。これにより、CPU201は、印刷待機状態を解除することなく継続させる(629)。その後、CPU101は、カラー印刷処理が完了した際に、第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」とし、当該ステータス情報をインターフェース104を介して第二制御回路200のCPU201に送信する(図10に示すステップS450参照)。その結果、CPU201は、印刷待機状態を解除し、第二キャリッジ22による第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理を開始する(630。図6に示すステップS45及びステップS400も参照)。
【0128】
このようにして、第二キャリッジ22のカラーCRパージ処理を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体へのカラーCR印刷処理の実行の設定(言い換えれば予約)を行うことができる。
【0129】
この後の動作については上述した内容と同様であるので、説明を省略する。なお、以上では特に説明しなかったが、前述した図11と同様に、カラーCR印刷処理において、障害物センサ55,65による異常検出があった場合には、前述したように第二キャリッジ22のステータスを「待機状態」として他方側に送信する結果(図10に示すステップS430参照)、他方側で印刷開始ボタン281,271が押下されている(言い換えれば予約されている)場合には、当該他方側の印刷待機が解除されて印刷処理が開始される。
【0130】
以上説明した実施形態のインクジェットプリンタ1においては、操作者が第一印刷開始ボタン281を操作して第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対する印刷を開始した後に、操作者が第二印刷開始ボタン271を操作した場合には、第一被印刷媒体に対する印刷の終了後(上記実施形態における図12のカラー印刷523等の終了後)、若しくは、第一被印刷媒体に対する印刷の開始後終了前(上記実施形態における図11の白印刷503の終了後)に、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に対する印刷を開始させる。これにより、第一被印刷媒体に対する印刷を行っている間の第二印刷開始ボタン271の操作により、後の第二被印刷媒体に対する印刷の実行を設定する、言い換えれば予約を行うことができる。予め第二被印刷媒体に対する印刷の予約を行えるので、操作者は、第一被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間(例えば操作パネル28,27の前等に)待機する必要が無くなる。無駄な待ち時間がなくなることにより、操作者は、第一被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間、印刷が完了した被印刷媒体の乾燥作業等の別の作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0131】
また、本実施形態では特に、操作者が第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対する印刷を開始した後に第二印刷開始ボタン271を操作した場合には、第1プリントヘッド23に対し、第一被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU101の制御による)白CR印刷処理の終了後、第二被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU201の制御による)白CR印刷処理を開始させる。また、第2プリントヘッド21に対し、第一被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU101の制御による)カラーCR印刷処理の終了後、第二被印刷媒体に対する印刷の一部である(CPU201の制御による)カラーCR印刷処理を開始させる。これにより、第1プリントヘッド23の(CPU101の制御による)白CR印刷処理及び(CPU201の制御による)白CR印刷処理を連続的に行うことができ、第2プリントヘッド21の(CPU101の制御による)カラーCR印刷処理及び(CPU201の制御による)カラーCR印刷処理を連続的に行うことができるので、プリントヘッド23,21の非稼働時間を低減することができる。これによっても、作業効率の向上を図ることができる。
【0132】
また、本実施形態では特に、第1プリントヘッド23のパージ処理中に第二印刷開始ボタン271の操作入力があった場合、パージ処理後の第一被印刷媒体に対する印刷の終了後(上記実施形態における図12のカラー印刷533の終了後)、若しくは、パージ処理後の第一被印刷媒体に対する印刷の開始後終了前(上記実施形態における図11の白印刷514の終了後)に、第二被印刷媒体に対する印刷を開始するように制御する。これにより、第1プリントヘッド23のパージ処理中に操作者が第二印刷開始ボタン271を操作した場合でも、後の第二被印刷媒体に対する印刷の実行を予約することができる。したがって、操作者の利便性を向上することができる。
【0133】
また、本実施形態では特に、第一被印刷媒体又は第二被印刷媒体に対する印刷の開始に際し搬送する第一被印刷媒体又は第二被印刷媒体の高さ方向寸法を、障害物センサ55,65が検出する。印刷開始位置へ搬送する第一被印刷媒体の検出結果が所定のしきい値以上であった場合で、第二被印刷媒体に対する印刷の予約状態であった場合には、第二被印刷媒体に対する印刷を開始させるように制御する。このように、第二被印刷媒体に対する印刷の予約状態で、第一被印刷媒体の高さオーバーを検出した場合には第一被印刷媒体に対する印刷を中止して第二被印刷媒体に対する印刷を開始することにより、インクジェットプリンタ1の非稼働時間をなくし、作業効率を向上することができる。
【0134】
また、本実施形態では特に、インクジェットプリンタ1は、白印刷用の第一プリントヘッド23と、カラー印刷用の第二プリントヘッド21の、2つの印刷ヘッドにより印刷を行う。これにより、各印刷処理において形成できる印刷面の色彩や濃淡の種類を多くすることができる。
【0135】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0136】
例えば以上においては、第一制御回路100のCPU101が、第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に関する印刷制御を司り、第二制御回路200のCPU201が、第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に関する印刷制御を司るような構成としたが、これに限らない。すなわち、第一制御回路100のCPU101が、第一プラテン5の移動制御及び第一キャリッジ26による白印刷制御を司り、第二制御回路200のCPU201が、第二プラテン6の移動制御及び第二キャリッジ22によるカラー印刷制御を司るようにしてもよい。この場合において、第一プラテン5が保持する第一被印刷媒体に対し第二キャリッジ22によるカラー印刷を行う場合、及び第二プラテン6が保持する第二被印刷媒体に対し第一キャリッジ26による白印刷を行う場合には、第一制御回路100のCPU101と第二制御回路200のCPU201とが、インターフェース104を介して情報送受信を行いつつ連携制御を行えばよい。
【0137】
また以上では、第一制御回路100のCPU101と第二制御回路200のCPU201とが連携して制御を行うようにしたが、これに限らず、単一のCPUにより同様の内容の制御を行うようにしてもよい。
【0138】
また以上では、操作者が第二被印刷媒体に対する印刷を予約した場合、第一被印刷媒体に対する印刷の終了後に、第二プラテン6の移動を開始して第二被印刷媒体に対する印刷を開始させるようにしたが、必ずしも印刷が終了するまで第二プラテン6の移動を停止させておく必要はない。すなわち、操作者が第一被印刷媒体に対する印刷を予約した場合には、第二被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間に、第一送り機構7が第一プラテン5を移動させて第一被印刷媒体を第一プリントヘッド23による印刷が可能な印刷開始位置(第1位置)まで移動させ、操作者が第二被印刷媒体に対する印刷を予約した場合には、第一被印刷媒体に対する印刷が終了するまでの間に、第二送り機構8が第二プラテン6を移動させて第二被印刷媒体を第一プリントヘッド23による印刷が可能な印刷開始位置(第2位置)まで移動させるように、CPU101,201で制御してもよい。このように、予め第一又は第二被印刷媒体が印刷開始位置まで移動していることにより、第一又は第二被印刷媒体に対する印刷の完了までの時間を短くすることができる。したがって、作業効率をさらに向上することができる。なお、本変形例において、第一送り機構7を制御するCPU101が、特許請求の範囲各項記載の第1被印刷媒体を第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置へ搬送するように第1媒体搬送手段を制御する第1搬送制御手段を構成し、第二送り機構8を制御するCPU201が、第2被印刷媒体を、第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置へ搬送するように第2媒体搬送手段を制御する第2搬送制御手段を構成する。
【0139】
また以上では、第一キャリッジ26及び第二キャリッジ22の各々の動作状態を表すステータス情報として、パージ処理を実行中であることを表す「パージ中」、印刷実行中であることを表す「印刷中」、これら以外の状態である「待機状態」を例示したが、例えば第一及び第二プリントヘッド23,21のノズル面のワイプを実行中である「ワイプ中」等、これら以外の動作状態を表すステータスを設けてもよい。
【0140】
また以上では、白印刷及びカラー印刷の両方を行う場合において、第二被印刷媒体に対する印刷を予約した場合、第一被印刷媒体に対する白印刷の終了後に、第二被印刷媒体に対する白印刷を開始させるようにしたが、これに限らず、第一被印刷媒体に対する白印刷及びカラー印刷の終了後に、第二被印刷媒体に対する白印刷を開始させるようにしてもよい。
【0141】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0142】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】インクジェットプリンタの平面図である。
【図2】インクジェットプリンタの正面図である。
【図3】インクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】プラテンの送り機構を模式化した平面図である。
【図5】プラテンの送り機構を模式化した左側面図である。
【図6】第一制御回路のCPU又は第二制御回路のCPUで行われる印刷制御のフローチャートである。
【図7】白CRパージ処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図8】白CR印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図9】カラーCRパージ処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図10】カラーCR印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】白印刷及びカラー印刷の両方を行う場合のインクジェットプリンタの印刷動作を表すタイムチャートである。
【図12】カラー印刷のみを行う場合のインクジェットプリンタの印刷動作を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0144】
1 インクジェットプリンタ(印刷装置)
5 第一プラテン(第1媒体保持手段)
6 第二プラテン(第2媒体保持手段)
7 第一送り機構(第1媒体搬送手段)
8 第二送り機構(第2媒体搬送手段)
21 第二プリントヘッド(印刷ヘッド、第2印刷ヘッド)
22 第二キャリッジ(印刷ヘッド搬送手段、第2印刷ヘッド搬送手段)
23 第一プリントヘッド(印刷ヘッド、第1印刷ヘッド)
26 第一キャリッジ(印刷ヘッド搬送手段、第1印刷ヘッド搬送手段)
55 第一障害物センサ(検出手段)
65 第二障害物センサ(検出手段)
271 第二印刷開始ボタン(第2操作手段)
281 第一印刷開始ボタン(第1操作手段)
311〜314 インクカートリッジ(第二インクカートリッジ)
321〜324 インクカートリッジ(第一インクカートリッジ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1被印刷媒体を保持する保持面を備えた第1媒体保持手段と、
第2被印刷媒体を保持する保持面を備えた第2媒体保持手段と、
印刷データに応じ、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する少なくとも1つの印刷ヘッドと、
前記少なくとも1つの印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して主走査方向にそれぞれ相対移動する少なくとも1つの印刷ヘッド搬送手段と、
前記第1媒体保持手段を、前記主走査方向と直交する副走査方向に往復移動可能な第1媒体搬送手段と、
前記第2媒体保持手段を、前記副走査方向に往復移動可能な第2媒体搬送手段と、
前記少なくとも1つの印刷ヘッドへインクをそれぞれ供給する少なくとも1つのインクカートリッジと
を備えた印刷装置において、
前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第1操作手段と、
前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第2操作手段と、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を行うように、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する連携制御手段と
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置において、
前記印刷ヘッドを複数設け、
前記複数の印刷ヘッドは、
前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第1印刷ヘッドと、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第2印刷ヘッドとを含み、
前記印刷ヘッド搬送手段を複数設け、
前記複数の印刷ヘッド搬送手段は、前記第1印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第1印刷ヘッド搬送手段と、前記第2印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第2印刷ヘッド搬送手段とを含み、
前記インクカートリッジを複数設け、
前記複数のインクカートリッジは、前記第1印刷ヘッドへインクを供給する第1インクカートリッジと、前記第2印刷ヘッドへインクを供給する第2インクカートリッジとを含み、
前記第1操作手段は、
前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する前記第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、
前記第2操作手段は、
前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する前記第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、
前記連携制御手段は、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、
前記連携制御手段は、
前記第1印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第1印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第1印刷ヘッド制御手段と、
前記第2印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第2印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第2印刷ヘッド制御手段と
を含み、
前記第1操作手段の操作入力に応じた前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の実行中に、前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項3記載の印刷装置において、
前記第1印刷ヘッドは、
前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第1吐出処理、及び、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第2吐出処理を実行可能であり、
前記第2印刷ヘッドは、
前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第3吐出処理と、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第4吐出処理とを実行可能であり、
前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、
前記第1印刷ヘッド制御手段が、前記第1吐出処理の終了後に前記第2吐出処理を開始するように、前記第1印刷ヘッドを制御し、
前記第2印刷ヘッド制御手段が、前記第3吐出処理の終了後に前記第4吐出処理を開始するように、前記第2印刷ヘッドを制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッド内における前記インクの気泡を除去処理するための気泡処理手段を有し、
前記第1印刷処理は、
前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理を含み、
前記連携制御手段は、
前記第1操作手段の操作入力に基づき、前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記連携制御手段は、
前記第1被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置へ搬送するように前記第1媒体搬送手段を制御する第1搬送制御手段と、
前記第2被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御する第2搬送制御手段とを含み、
前記第1印刷処理は、前記第1被印刷媒体の前記第1位置への位置決めを含み、
前記第2印刷処理は、前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含み、
前記第2搬送制御手段は、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第2被印刷媒体を前記第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項6記載の印刷装置において、
前記第1媒体搬送手段又は前記第2媒体搬送手段による搬送中の、前記第1被印刷媒体又は前記第2被印刷媒体の高さ方向寸法を検出する検出手段を有し、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合で、前記第1媒体搬送手段で前記第1位置へ搬送する際の前記第1被印刷媒体に対する前記検出手段の検出結果が所定のしきい値以上であった場合には、
前記連携制御手段は、
前記第2搬送制御手段の制御による前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含む前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項1】
第1被印刷媒体を保持する保持面を備えた第1媒体保持手段と、
第2被印刷媒体を保持する保持面を備えた第2媒体保持手段と、
印刷データに応じ、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する少なくとも1つの印刷ヘッドと、
前記少なくとも1つの印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して主走査方向にそれぞれ相対移動する少なくとも1つの印刷ヘッド搬送手段と、
前記第1媒体保持手段を、前記主走査方向と直交する副走査方向に往復移動可能な第1媒体搬送手段と、
前記第2媒体保持手段を、前記副走査方向に往復移動可能な第2媒体搬送手段と、
前記少なくとも1つの印刷ヘッドへインクをそれぞれ供給する少なくとも1つのインクカートリッジと
を備えた印刷装置において、
前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第1操作手段と、
前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力するための第2操作手段と、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を行うように、前記印刷ヘッド、前記印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する連携制御手段と
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置において、
前記印刷ヘッドを複数設け、
前記複数の印刷ヘッドは、
前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第1印刷ヘッドと、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対してそれぞれインクを吐出可能な第2印刷ヘッドとを含み、
前記印刷ヘッド搬送手段を複数設け、
前記複数の印刷ヘッド搬送手段は、前記第1印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第1印刷ヘッド搬送手段と、前記第2印刷ヘッドを、前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体に対して前記主走査方向に相対移動する第2印刷ヘッド搬送手段とを含み、
前記インクカートリッジを複数設け、
前記複数のインクカートリッジは、前記第1印刷ヘッドへインクを供給する第1インクカートリッジと、前記第2印刷ヘッドへインクを供給する第2インクカートリッジとを含み、
前記第1操作手段は、
前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第1媒体搬送手段による前記第1被印刷媒体に対する前記第1印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、
前記第2操作手段は、
前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段による前記第2被印刷媒体に対する前記第2印刷処理の実行開始を操作者が操作入力し、
前記連携制御手段は、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、
前記連携制御手段は、
前記第1印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第1印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第1印刷ヘッド制御手段と、
前記第2印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を互いに連携して制御し、前記第2印刷ヘッドによる前記第1被印刷媒体及び前記第2被印刷媒体への印刷制御を行う第2印刷ヘッド制御手段と
を含み、
前記第1操作手段の操作入力に応じた前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の実行中に、前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第1印刷ヘッド制御手段及び前記第2印刷ヘッド制御手段による前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項3記載の印刷装置において、
前記第1印刷ヘッドは、
前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第1吐出処理、及び、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第2吐出処理を実行可能であり、
前記第2印刷ヘッドは、
前記第1印刷処理において前記第1被印刷媒体に対しインクを吐出する第3吐出処理と、前記第2印刷処理において前記第2被印刷媒体に対してインクを吐出する第4吐出処理とを実行可能であり、
前記連携制御手段は、前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、
前記第1印刷ヘッド制御手段が、前記第1吐出処理の終了後に前記第2吐出処理を開始するように、前記第1印刷ヘッドを制御し、
前記第2印刷ヘッド制御手段が、前記第3吐出処理の終了後に前記第4吐出処理を開始するように、前記第2印刷ヘッドを制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッド内における前記インクの気泡を除去処理するための気泡処理手段を有し、
前記第1印刷処理は、
前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理を含み、
前記連携制御手段は、
前記第1操作手段の操作入力に基づき、前記気泡処理手段による前記第1印刷ヘッド内の前記気泡の除去処理中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第1印刷処理の終了後、若しくは、前記第1印刷処理の開始後終了前に、前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、前記第1媒体搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記連携制御手段は、
前記第1被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第1位置へ搬送するように前記第1媒体搬送手段を制御する第1搬送制御手段と、
前記第2被印刷媒体を、前記第1印刷ヘッドによる印刷が可能な第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御する第2搬送制御手段とを含み、
前記第1印刷処理は、前記第1被印刷媒体の前記第1位置への位置決めを含み、
前記第2印刷処理は、前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含み、
前記第2搬送制御手段は、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合、前記第2被印刷媒体を前記第2位置へ搬送するように前記第2媒体搬送手段を制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項6記載の印刷装置において、
前記第1媒体搬送手段又は前記第2媒体搬送手段による搬送中の、前記第1被印刷媒体又は前記第2被印刷媒体の高さ方向寸法を検出する検出手段を有し、
前記第1操作手段の操作入力に基づく前記第1印刷処理の実行中に前記第2操作手段の操作入力があった場合で、前記第1媒体搬送手段で前記第1位置へ搬送する際の前記第1被印刷媒体に対する前記検出手段の検出結果が所定のしきい値以上であった場合には、
前記連携制御手段は、
前記第2搬送制御手段の制御による前記第2被印刷媒体の前記第2位置への位置決めを含む前記第2印刷処理を開始するように、前記第1印刷ヘッド、前記第2印刷ヘッド、前記第1印刷ヘッド搬送手段、前記第2印刷ヘッド搬送手段、及び前記第2媒体搬送手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−226768(P2009−226768A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75698(P2008−75698)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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