説明

印刷装置

【課題】ドットパターンを含む画像を印刷装置で記録媒体に印刷出力したときのドットサイズが、電子ペン等を用いたドットパターンの読み取りに適合するように、当該ドットサイズを印刷装置単体で補正することができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の印刷装置1は、像保持体を用いて記録媒体に画像を印刷出力する印刷出力部15と、印刷出力部15によって記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値を検出する要素値検出部16と、要素値検出部16によって検出された要素値に基づいて、記録媒体にドットパターンを印刷したときのドットサイズを予測するドットサイズ予測部17と、ドットサイズ予測部17によって予測されたドットサイズの予測値に基づいて、ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量を求める印刷補正部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペン(デジタルペン)を用いて読み取られる微細なドットのパターン(以下、「ドットパターン」と記す)をもつ帳票を印刷装置で印刷するにあたって、データ処理装置のデータベースに記憶されているドットサイズデータに基づいてドットパターンを生成し、当該ドットパターンを含む印刷データを適用して帳票にドットパターンを印刷するとともに、当該帳票中のドットパターンを電子ペンなどの読み取り器で読み取り、その読み取り結果に基づいて上記ドットサイズデータを補正する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ドットパターンを含む画像を印刷装置で記録媒体に印刷出力したときのドットサイズが、電子ペン等を用いたドットパターンの読み取りに適合するように、当該ドットサイズを印刷装置単体で補正することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、像保持体を用いて記録媒体に画像を印刷出力する印刷出力手段と、前記印刷出力手段によって前記記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記要素値に基づいて、前記記録媒体に前記ドットパターンを印刷したときのドットサイズを予測する予測手段と、前記予測手段によって予測された前記ドットサイズの予測値に基づいて、前記ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量を求める補正手段とを備える印刷装置に係るものである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、前記補正手段は、前記ドットサイズの予測値と予め設定されたドットサイズの目標値との差が小さくなるように前記補正量を求めるものである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記検出手段は、前記要素値として、前記印刷出力手段の経時変化値を検出するものである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記検出手段は、前記要素値として、印刷環境値を検出するものである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記検出手段は、前記要素値として、前記印刷出力手段の像保持体に形成される、前記ドットパターンを含むパッチ画像の濃度値を検出するものである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記検出手段は、前記要素値として、前記ドットパターンの背景部分の濃度値を検出するものである。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記補正手段は、前記補正量として、前記ドットパターンの印刷に適用する印刷出力条件の補正量を求めるものである。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記補正手段は、前記補正量として、前記ドットパターンの印刷に適用するドットサイズの補正量を求めるものである。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1又は2記載の印刷装置において、前記補正手段は、前記補正量として、前記ドットパターンの印刷に適用するドットパターン背景部の濃度補正量を求めるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、ドットパターンを含む画像を印刷装置で記録媒体に印刷出力したときのドットサイズが、電子ペン等を用いたドットパターンの読み取りに適合するように、当該ドットサイズを印刷装置単体で補正することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、目標値に近いドットサイズで記録媒体にドットパターンを印刷出力することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、印刷出力手段の経時変化に合わせてドットサイズを補正することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、印刷装置の印刷環境に合わせてドットサイズを補正することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、印刷出力手段の像保持体に形成されるパッチ画像の濃度に合わせてドットサイズを補正することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、ドットパターンの背景部の濃度に合わせてドットサイズを補正することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、ドットパターンの印刷に適用する印刷出力条件を補正することで、記録媒体に印刷出力されるドットパターンのドットサイズを変えることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、ドットパターンの印刷に適用するドットサイズを補正することで、記録媒体に印刷出力されるドットパターンのドットサイズを変えることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明によれば、ドットパターンの印刷に適用するドットパターン背景部の濃度を補正することで、記録媒体に印刷出力されるドットパターンのドットサイズを変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置を含む印刷システムの概略構成図である。
【図2】ドットパターンの一例を示す図である。
【図3】印刷積算枚数とドットサイズの相関データの一例を示す図である。
【図4】露光光強度とドットサイズの相関を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置で行なわれる画像印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置で行なわれる補正量生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】濃度センサ読み値とドットサイズの相関データの一例を示す図である。
【図8】背景の違いによって生じるドットサイズの変化を示す図である。
【図9】背景部の濃度とドットサイズの相関データの一例を示す図である。
【図10】濃度センサの構成例を示す図である。
【図11】ドットパターンの印刷に適用されるドットサイズの一例を示す図である。
【図12】ドットパターン背景部の濃度と露光光強度の相関データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に記述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
【0025】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置を含む印刷システムの概略構成図である。印刷装置1は、複数(図例では2台)の端末装置2,3とともに、ネットワーク4に接続されている。端末装置2,3は、それぞれパーソナルコンピュータ等を用いて構成されるものである。ネットワーク4は、例えば、LAN(Local Area Network)等を用いて構成されるものである。なお、ここでは印刷装置1と端末装置2,3をネットワーク4で接続しているが、これに限らず、双方向通信可能なローカルインターフェース(例えば、パラレルポート、USBポートなど)で接続してもよい。
【0026】
(印刷装置の構成)
印刷装置1は、印刷制御部10と、印刷画像入力部11と、ページ記述言語解析部12と、印刷画像描画部13と、ドットパターン検出部14と、印刷出力部15と、要素値検出部16と、ドットサイズ予測部17と、印刷補正部18と、記憶部19を備えた構成となっている。
【0027】
印刷制御部10は、印刷装置1全体の処理及び動作を統括的に制御するものである。
【0028】
印刷画像入力部11は、印刷用の画像データを入力するものである。本実施の形態においては、印刷用の画像データが、端末装置2又は端末装置3からネットワーク4を介して印刷装置1宛てに送信されるものとする。そうした場合、印刷画像入力部11は、端末装置2又は端末装置3から送信された画像データを受信することで、印刷画像の入力を行なう。ただし、印刷画像の入力は、ネットワーク4を利用した画像データの送受信に限らず、例えば、USBメモリなどの携帯型記憶装置からの読み取りによって行なうものであってもよい。
【0029】
ページ記述言語解析部12は、印刷画像入力部11によって入力された印刷用の画像データを解析することにより、当該画像データをビットマップ画像生成のための中間データ(中間コード)に変換するものである。
【0030】
印刷画像描画部13は、ページ記述言語解析部12での解析結果として得られる中間データからビットマップ画像を描画(レンダリング)するものである。
【0031】
ドットパターン検出部14は、印刷画像描画部13で描画されたビットマップ画像を順に走査して解析することにより、当該ビットマップ画像からドットパターンを検出するものである。ドットパターンは、微細な点(ドット)の集合で表される点状画像である。ドットパターン検出部14は、例えば、検出対象となるドットパターンのドットサイズ及びドット間隔を規定した基準ドットパターンを用いたパターンマッチング処理により、ビットマップ画像からドットパターンを検出する。基準ドットパターンとしては、例えば、情報埋め込み用のドットパターンとして公知のアノト(登録商標)のドットパターン(図2を参照)を用いるとよい。パターンマッチング処理では、基準ドットパターンとの類似度を求めて、この類似度が予め設定された閾値以上に高いパターンをドットパターンとして検出する。
【0032】
印刷出力部15は、印刷画像描画部13で描画されたビットマップ画像を図示しない記録媒体(用紙等)に印刷出力するものである。印刷出力部15は、例えば、感光体(感光体ドラム等)や転写体(中間転写ベルト等)などの像担持体を用いた電子写真方式に基づいて画像の印刷出力を行なう。電子写真方式に基づく画像の印刷工程は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程を含む。
【0033】
要素値検出部16は、印刷出力部15によって記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値を検出するものである。ドットパターンのドットサイズは、ドットパターンを構成する各々の点の大きさ(外径)を表す寸法である。ドットサイズに影響を与える要素としては、様々な要素が考えられるが、本実施の形態においては、要素値の一例として印刷出力部15の経時変化値を検出するものとする。印刷出力部15の経時変化値は、印刷装置1を使用するなかで経時的に変化する値であって、特に、印刷出力部15の印刷特性の変化を反映するものである。
【0034】
要素値検出部16は、印刷出力部15の経時変化値として、例えば、記録媒体の印刷積算枚数を検出する。記録媒体の印刷積算枚数は、印刷出力部15を用いて画像が印刷された記録媒体を印刷装置の本体から1枚排出するたびに1ずつ加算するように、積算カウンタ等を用いて計数されるものである。両面印刷機能を有する印刷装置の場合は、1頁分の画像を印刷するたびに印刷積算枚数が1ずつ加算されるものとなる。印刷出力部15の経時変化値としては、印刷積算枚数の他にも、例えば、露光光源の駆動時間(発光時間)を積算した値や、感光体ドラムの回転数(又は回転駆動時間)を積算した値などを用いてもかまわない。
【0035】
ドットサイズ予測部17は、要素値検出部16によって検出された要素値に基づいて、記録媒体にドットパターンを印刷したときのドットサイズ(以下、「印刷時のドットサイズ」とも記す)を予測するものである。前述したように要素値として印刷積算枚数の値を用いる場合、ドットサイズ予測部17は、印刷積算枚数とドットサイズの相関を示す相関データを用いて、印刷時のドットサイズを予測する。
【0036】
相関データは、印刷装置の使用に伴う印刷積算枚数の経時的な変化(増加)に伴って、実際に記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズがどのように変化するかを示すデータであって、予め実験等によって得られる。相関データは、予め記憶部19に記憶される。ドットサイズ予測部17は、記憶部19に記憶された相関データを参照することにより、印刷時のドットサイズを予測する。
【0037】
図3は印刷積算枚数とドットサイズの相関を示す相関データの一例を示す図である。図示した相関データにおいては、横軸に印刷積算枚数の値をとり、縦軸にドットサイズの予測に適用する寸法割合(%)をとっている。記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズは、電子的に同じドットサイズデータを適用して印刷を行なったとしても、印刷出力部15のマシンを構成する部品(露光器、感光体ドラム、転写ベルト等)の消耗等により徐々(経時的)に変化する。このため、図示した相関データにおいては、印刷積算枚数が10000枚に到達するまでは、印刷積算枚数の増加に伴ってドットサイズの寸法割合(%)が徐々に大きくなるように変化し、印刷積算枚数が10000枚に到達した以降は、ドットサイズの寸法割合が一定値(100%)のまま推移している。
【0038】
印刷補正部18は、ドットサイズ予測部17によって予測されたドットサイズの予測値に基づいて、ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量を求めるものである。ドットパターンを含む画像とは、上述したように予め設定された基準ドットパターンとの比較(パターンマッチング処理)で、類似度が閾値以上に高いと判断されたドットパターンを含む画像をいう。印刷補正部18は、ドットサイズ予測部17によって予測されたドットサイズの予測値と予め設定されたドットサイズの目標値との差が小さくなるように上記補正量を求める。
【0039】
ドットサイズの目標値は、ドットパターンの読み取りに用いられる読み取り器(電子ペンなど)の可読性に基づいて予め設定されるものである。例えば、記録媒体に印刷されたドットパターンを読み取り器で読み取るときに、当該読み取り器で読み取れるドットサイズの範囲(可読範囲)の中間値に合わせて目標値が設定される。ドットサイズの目標値は、予め記憶部19に記憶される。このため、印刷補正部18は、ドットサイズ予測部17が予測したドットサイズの予測値と、記憶部19に記憶されたドットサイズの目標値との差が小さくなるように、上記補正量を求める。記憶部19に記憶されたドットサイズの目標値は、印刷補正部18自身が読み出す仕組みにしてもよいし、印刷制御部10が読み出して印刷補正部18に通知する仕組みにしてもよい。
【0040】
印刷補正部18は、上記補正量として、ドットパターンの印刷に適用する印刷出力条件の補正量を求める構成となっている。印刷出力条件には種々の条件があるが、ここではドットサイズに影響を与える印刷出力条件の1つとして、静電潜像を形成する際の露光光強度の補正量を求めることとする。露光光強度は、露光用の光源(例えば、半導体レーザー素子等)から出力される露光光の強度である。露光光強度を増加させると、それに応じて露光量が増加し、露光光強度を減少させると、それに応じて露光量が減少する。露光光強度に関しては、図4(A),(B)に示すように、露光光強度を相対的に弱くした場合(露光量を相対的に少なくした場合)と、露光光強度を相対的に強くした場合(露光量を相対的に多くした場合)で、実際に記録媒体に形成されるドットパターンのドットサイズを比較すると、露光光強度を強くした方がドットサイズは大きくなる。
【0041】
ドットサイズに影響を与える印刷出力条件は上記の露光光強度(露光量)に限らず、例えば現像バイアスであってもよい。現像バイアスは、静電潜像を現像装置で現像するにあたって、静電潜像を保持する静電潜像保持体と現像装置(現像電極)との間に加えられる電圧である。現像バイアスを大きくすると、より多くの現像剤で静電潜像が現像される。このため、同じドットサイズデータを適用してドットパターンを印刷する場合は、現像バイアスを大きくした方が、印刷時のドットサイズが大きくなる。
【0042】
記憶部19は、前述したドットサイズ予測のための相関データやドットサイズの目標値などを含めて、印刷装置1の処理に必要な各種のデータや情報を記憶するために用いられるものである。記憶部19は、例えば、不揮発性の記憶素子を用いて構成される。
【0043】
図5は本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置で行なわれる画像印刷処理の手順を示すフローチャートである。まず、印刷制御部10は、端末装置2,3から印刷指示があったかどうかを繰り返し確認する(ステップS1)。そして、いずれかの端末装置(2,3)から印刷指示があったと判断すると、印刷画像入力部11は、当該印刷指示で印刷対象に指定された印刷用の画像データを入力する(ステップS2)。印刷用の画像データは、印刷装置1に対して印刷指示を行なった端末装置から当該印刷指示と一緒にPDL(page description language)形式で印刷装置1に送信される。このため、印刷画像入力部11は、印刷指示と一緒に送られる印刷用の画像データを上記ステップS2で受信して印刷装置1内に取り込む。
【0044】
次に、ページ記述言語解析部12は、上記ステップS2で印刷画像入力部11が入力した印刷用の画像データ(PDLデータ)を解析し、描画のための中間データを生成する(ステップS3)。
【0045】
次に、印刷画像描画部13は、上記ステップS3でページ記述言語解析部12が生成した中間データをビットマップ画像に描画する(ステップS4)。
【0046】
次に、ドットパターン検出部14は、上記ステップS4で印刷画像描画部13が描画したビットマップ画像からドットパターンを検出する処理を行なう(ステップS5)。ドットパターン検出部14は、前述したようにパターンマッチング処理によってドットパターンの検出を行なう。
【0047】
次に、印刷制御部10は、上記ステップS5の検出処理でドットパターン検出部14が実際にドットパターンを検出したかどうかを確認する(ステップS6)。そして、ドットパターンを検出したと判断した場合は、後述する補正量生成処理によって生成される補正量を取得した後(ステップS7)、ステップS8に移行する。補正量生成処理によって生成される補正量は記憶部19に記憶される。このため、印刷制御部10は、記憶部19から補正量を読み出して取得する。また、ドットパターンを検出しなかったと判断した場合は、補正量を取得することなく、ステップS8に移行する。
【0048】
ステップS8においては、上記ステップS4で印刷画像描画部13が描画したビットマップ画像を印刷出力部15が記録媒体に印刷出力する。その際、ビットマップ画像にドットパターンが含まれる場合(換言すると、ドットパターン検出部14がドットパターンを検出した場合)は、上記ステップS7で印刷制御部10が取得した補正量を適用して、ドットパターンを含む画像の印刷出力が行なわれる。また、ビットマップ画像にドットパターンが含まれない場合(換言すると、ドットパターン検出部14がドットパターンを検出しなかった場合)は、補正量の適用なしで画像の印刷出力が行なわれる。
【0049】
図6は本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置で行なわれる補正量生成処理の手順を示すフローチャートである。まず、印刷制御部10は、補正量の更新時期になったかどうかを繰り返し確認する(ステップS11)。そして、補正量の更新時期になったと判断すると、要素値検出部16は、印刷積算枚数の値(要素値)を積算カウンタ等から読み出して検出する(ステップS12)。
【0050】
次に、ドットサイズ予測部17は、上記ステップS12で要素値検出部16が検出した印刷積算枚数の値を基に、記録媒体にドットパターンを印刷したときのドットサイズを予測する(ステップS13)。ドットサイズの予測は、上記図3に示す相関データを用いて行なう。具体的には、要素値検出部16が検出した印刷積算枚数の値に対応するドットサイズの寸法割合(%)を相関データから特定する。そして、特定したドットサイズの寸法割合を、例えば、記憶部19から読み出したドットサイズの目標値に掛け合わせることにより、印刷時のドットサイズを予測する。このため、ドットサイズ予測部17は、例えば、ドットサイズの目標値が120μmで、相関データから特定したドットサイズの寸法割合が90%であった場合は、“120×0.90”の計算により、印刷時のドットサイズを108μmと予測することになる。
【0051】
次に、印刷補正部18は、上記ステップS13でドットサイズ予測部17が予測したドットサイズの予測値に基づいて、ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量を求める(ステップS14)。印刷補正部18は、例えば、前述したようにドットサイズの予測値が108μmで、ドットサイズの目標値が120μmであった場合は、それらの差が小さくなる(理想的にはゼロになる)ように補正量を求める。ドットサイズの目標値が120μmで、ドットサイズの予測値が108μmであるとすると、それらの差は12μmとなる。このため、印刷補正部18は、実際に記録媒体にドットパターンを印刷したときのドットサイズが、ドットサイズの予測値(108μm)よりも大きくなる条件で、ドットパターンの印刷に適用する補正量を求める。
【0052】
第1の実施の形態においては、印刷補正部18が、上記補正量として、ドットパターンの印刷に適用する印刷出力条件の1つとなる露光光強度の補正量を求める構成となっている。そうした場合、ドットサイズの予測値がドットサイズの目標値よりも小さい場合は、現状の印刷出力条件よりも露光光強度を強めるように、印刷補正部18が露光光強度の補正量を求めることになる。また、ドットサイズの予測値がドットサイズの目標値よりも大きい場合は、現状の印刷出力条件よりも露光光強度を弱めるように、印刷補正部18が露光光強度の補正量を求めることになる。
【0053】
次に、印刷制御部10は、上記ステップS14で印刷補正部18が求めた補正量を記憶部19に記憶する(ステップS15)。このとき、前回の補正量生成処理によって生成された補正量が記憶部19に記憶されていた場合は、今回の補正量生成処理によって生成された補正量に書き換えることで、記憶部19に記憶(設定)する補正量を更新する。こうして記憶部19に記憶された補正量は、上記画像印刷処理のステップS7で印刷制御部10により読み出され、その後のステップS8で画像の印刷出力に適用される。
【0054】
補正量生成処理を実行する時期は、補正量の更新時期をどのような条件で設定するかによって変わる。例えば、補正量の更新時期を画像印刷処理の実行時に設定した場合は、前述した画像印刷処理を行なうたびに、当該画像印刷処理と並行して補正量生成処理を行なうことになる。また、補正量の更新時期を、印刷装置1の電源投入時に設定した場合は、印刷装置1の電源を投入するたびに、ウォームアップ処理と並行して補正量生成処理を行なうことになる。
【0055】
また、上記ステップS12の処理を上記ステップS11の処理よりも前に行なうものとした場合は、経時的な要素値の変化量に基づいて、補正量の更新時期を判断してもよい。具体的には、要素値の検出を予め設定された時間間隔で繰り返し行なうものとする。また、ステップS13でドットサイズの予測値に用いた要素値を記憶部19に記憶するものとする。そして、あるタイミングで要素値検出部16が検出した要素値と、そのときに記憶部19に記憶されている要素値との差分を印刷制御部10が求め、当該差分が予め設定された基準値を超えた段階で、印刷制御部10が補正量の更新時期になったと判断する仕組みとしてもよい。
【0056】
また、上記第1の実施の形態においては、印刷用の画像データを用いて展開されたビットマップ画像の中からドットパターン検出部14がドットパターンを検出した場合に、印刷制御部10が補正量を取得し、この補正量を適用して画像の印刷出力を行なうものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、端末装置から送信される印刷指示の中に、印刷用の画像データがドットパターンを含む画像データであることを示す属性情報を付加する仕組みとした場合は、この属性情報が印刷指示に付加されていると印刷制御部10が判断した場合に、印刷制御部10が補正量を取得し、この補正量を適用して画像の印刷出力を行なうものとしてもよい。
【0057】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る印刷装置1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。ただし、上記第1の実施の形態と比較すると、要素値検出部16が検出する要素値が異なる。すなわち、要素値検出部16は、印刷出力部15によって記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値として、印刷環境値を検出する。印刷環境値は、印刷装置1の印刷環境を示す値であって、例えば、温度や湿度などの値がこれに該当する。温度や湿度を印刷環境値として検出する場合は、温度センサや湿度センサなどによって要素値検出部16を構成すればよい。
【0058】
ドットサイズ予測部17は、要素値検出部16が検出する要素値の種別に応じて、温度とドットサイズの相関を示す相関データや、湿度とドットサイズの相関を示す相関データなどを用いて、印刷時のドットサイズを予測する構成となっている。いずれの相関データも予め実験等によって得られるもので、予め記憶部19に記憶される。なお、第2の実施の形態や後述する第3〜第6の実施の形態における、画像印刷処理や補正量生成処理の手順は、上記第1の実施の形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態に係る印刷装置1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。ただし、上記第1の実施の形態と比較すると、要素値検出部16が検出する要素値が異なる。すなわち、要素値検出部16は、印刷出力部15によって記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値として、ドットパターンを含むパッチ画像の濃度値を検出する。パッチ画像は、印刷出力部15で画像を記録媒体に印刷出力する際に、例えば、像保持体として用いられる転写ベルトに形成される試験画像である。一般に、パッチ画像は、印刷出力部15の階調補正用に形成される。このため、階調補正用のパッチ画像をドットパターンで形成し、その濃度値を要素値として検出してもよいし、ドットパターンのドットサイズを補正する目的で、それ専用のパッチ画像を形成し、その濃度値を要素値として検出してもよい。パッチ画像の濃度値を要素値として検出する場合は、濃度センサによって要素値検出部16を構成すればよい。
【0060】
ドットサイズ予測部17は、要素値検出部16が検出する要素値の種別に応じて、パッチ画像の濃度値とドットサイズの相関を示す相関データを用いて、印刷時のドットサイズを予測する構成となっている。基本的に、像保持体に形成されるドットパターンを含むパッチ画像の濃度値は、同じドットサイズデータを適用してパッチ画像を形成しても、当該パッチ画像に含まれるドットパターンのドットサイズが大きいほど、高くなる(パッチ画像の濃度が濃くなる)。このため、例えば、ドットパターンを含むパッチ画像の濃度を濃度センサで検出したときのセンサ読み値とドットサイズとの間に図7のような相関がある場合、ドットサイズ予測部17は、その相関データを用いて、印刷時のドットサイズを予測する。したがって、例えば、要素値検出部(濃度センサ)16が検出したパッチ画像の濃度値(センサ読み値)が150であった場合、ドットサイズ予測部17は、相関データを参照することで、印刷時のドットサイズを103μmと予測することになる。
【0061】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態に係る印刷装置1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。ただし、上記第1の実施の形態と比較すると、要素値検出部16が検出する要素値が異なる。すなわち、要素値検出部16は、印刷出力部15によって記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値として、ドットパターンの背景部分の濃度値を検出する。ドットパターンの背景部分の濃度値は、上述したパッチ画像の濃度値のように濃度センサを用いて検出してもよいし、印刷用の画像データでドットパターンの背景部分に指定された濃度値を読み出して検出してもよい。
【0062】
カラー印刷対応の印刷装置を用いて記録媒体にドットパターンを印刷出力する場合、ドットパターンの背景部分が白地の部分と色地の部分では、その上に形成されるドットパターンのドットサイズが変わる。具体的には、白地の背景部分の上に形成されたドットパターンと色地の背景部分の上に形成されたドットパターンで比較すると、同じドットサイズデータを適用してドットパターンを形成しても、図8(A),(B)に示すように、白地の方が色地よりもドットサイズが大きくなる。色地の背景部分とは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の現像剤(トナー等)のうち、少なくとも1色の現像剤を用いて形成される背景部分をいう。このような色地の背景部分の上に黒の現像剤を用いてドットパターンを形成した場合は、同じドットサイズデータを適用してドットパターンを形成しても、当該ドットパターンのドットサイズが背景部分の濃度によって変わる。具体的には、色地の背景部分の濃度が高いほど(背景部分の現像剤量が多いほど)、その上に形成されるドットパターンのドットサイズが小さくなる。
【0063】
ドットサイズ予測部17は、要素値検出部16が検出する要素値の種別に応じて、ドットパターンの背景部分の濃度値とドットサイズの相関を示す相関データを用いて、印刷時のドットサイズを予測する構成となっている。1頁分の画像データの中に、白地の背景部をもつドットパターンと色地の背景部をもつドットパターンが混在する場合は、それぞれの背景部の濃度値に基づいてドットサイズ予測部17が印刷時のドットサイズを予測する。この場合、白地の背景部の濃度値から予測したドットサイズの予測値がドットサイズの目標値からずれている場合は、そのずれを解消するように印刷補正部18が補正量を求める。同様に、色地の背景部の濃度値から予測したドットサイズの予測値がドットサイズの目標値からずれている場合は、そのずれを解消するように印刷補正部18が補正量を求める。このため、白地の背景部をもつドットパターンと色地の背景部をもつドットパターンが混在した画像を記録媒体に印刷出力する場合は、ドットパターンの背景部分が白地か色地かによって、適用する補正量が異なるものとなる。
【0064】
また、色地の背景部をもつドットパターンの濃度は、ドットパターンの背景部分を構成する現像剤の面積率(Cin)によって変わる。このため、ドットパターンの背景部分の濃度値を、イエロー、マゼンタ、シアンの3色の現像剤面積率の総和(最大で300%)で表すものとすると、ドットサイズ予測部17は、ドットパターンの背景部分の現像剤面積率とドットサイズの相関を示す相関データを用いて、印刷時のドットサイズを予測する。ドットサイズの予測で使用(参照)する相関データは、例えば、図9に示すように、イエロー、マゼンタ、シアンの各色と、それら3色の現像剤を重ね合わせて得られるプロセスブラック3K(Y,M,C)の色に分けて、背景部の現像剤面積率:Cin(%)とドットサイズの相関を示す相関データを記憶部19に記憶しておけばよい。
【0065】
なお、上記第1〜第4の実施の形態の中では、印刷出力部15によって記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値として、第1の実施の形態では印刷出力部15の経時変化値を検出し、第2の実施の形態では印刷環境値を検出し、第3の実施の形態では印刷出力部15の像保持体に形成される、ドットパターンを含むパッチ画像の濃度値を検出し、第4の実施の形態ではドットパターンの背景部分の濃度値を検出するものとしたが、本発明に係る印刷装置1が備える要素値検出部16は、各実施の形態に対応する4つの要素値のうち、2つ以上の要素値(例えば、印刷出力部15の経時変化値と印刷環境値)を検出するものであってもかまわない。
【0066】
また、ドットパターンを含むパッチ画像の濃度やドットパターンの背景部の濃度を、それぞれ濃度センサを用いて検出する場合は、図10に示すように、可視光域対応の光学センサ21と赤外域対応の光学センサ22を組み合わせた濃度センサ20を用いるとよい。可視光域対応の光学センサ21は、パッチ画像が形成された転写ベルト23に向けて光を出射する発光素子21aと、可視光域に受光感度を有し、発光素子21aから出射されて転写ベルト23上のパッチ画像から反射されてくる光を受光する受光素子21bとによって構成されるものである。赤外域対応の光学センサ22は、パッチ画像が形成された転写ベルト23に向けて光を出射する発光素子22aと、赤外域に受光感度を有し、発光素子22aから出射されて転写ベルト23上のパッチ画像から反射されてくる光を受光する受光素子22bとによって構成されるものである。
【0067】
上記構成の濃度センサ20を用いた場合は、図10(A)に示すように、イエローY、マゼンタM、シアンCの各色の現像剤を用いて階調補正用に形成されたパッチ画像の濃度や、黒Kの現像剤を用いて形成されたドットパターンの背景部(色地)の濃度を可視光域対応の光学センサ21で検出すればよい。また、図10(B)に示すように、ドットパターンの背景部が色地になっていて、その上に黒Kの現像剤を用いてドットパターンが形成されている場合に、ドットパターンのドットサイズを予測するためのパッチ画像の濃度を赤外域対応の光学センサ22で検出すればよい。ちなみに、印刷で使用されるイエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像剤は、いずれも赤外域の光を吸収せず、黒の現像剤は、赤外域の光を吸収する特性をもつ。
【0068】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態に係る印刷装置1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。ただし、上記第1の実施の形態と比較すると、印刷補正部18が求める補正量が異なる。すなわち、印刷補正部18は、ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量として、ドットパターンの印刷に適用するドットサイズの補正量を求める。ドットパターンの印刷に適用するドットサイズは、予め記憶部19に記憶されているドットサイズデータにしたがって設定される。ドットサイズデータは、例えば、m×nのピクセル(画素)構成でドットサイズを指定するデータである。ピクセルの最小サイズは共通であるため、m×nのピクセル構成で指定されるドットサイズは、m,nの値が大きくなるほど大きくなる。このため、例えば、図11(A),(B)に示すように、2×2のピクセル構成で指定されるドットサイズと、3×3のピクセル構成で指定されるドットサイズを比較すると、後者の方が前者よりもドットサイズが大きくなる。
【0069】
したがって、印刷補正部18が求めたドットサイズの補正量を適用して記録媒体に画像を印刷する場合、印刷制御部10は、記憶部19に記憶されているドットサイズデータそのものを変更するか、記憶部19から読み出したドットサイズデータを変更し、変更後のドットサイズデータを適用して、印刷出力部15に画像の印刷出力を実行させる。これにより、変更前のドットサイズデータが示すドットサイズに比べて、変更後のドットサイズデータが示すドットサイズが大きい場合は、変更前よりもドットサイズが大きくなるようにドットパターンの露光が行なわれる。反対に、変更前のドットサイズデータが示すドットサイズに比べて、変更後のドットサイズデータが示すドットサイズが小さい場合は、変更前よりもドットサイズが小さくなるようにドットパターンの露光が行なわれる。
【0070】
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態に係る印刷装置1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。ただし、上記第1の実施の形態と比較すると、印刷補正部18が求める補正量が異なる。すなわち、印刷補正部18は、ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量として、ドットパターンの印刷に適用するドットパターン背景部の濃度補正量を求める。前述したようにドットパターン背景部の濃度が高くなると、その上に形成されるドットパターンのドットサイズが小さくなる。このため、ドットサイズの予測値がドットサイズの目標値よりも大きい場合は、ドットパターン背景部の濃度が高くなる条件で上記濃度補正量を求め、ドットサイズの予測値がドットサイズの目標値よりも小さい場合は、ドットパターン背景部の濃度が低くなる条件で上記濃度補正量を求める。
【0071】
これにより、ドットパターン背景部の濃度補正量を、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像剤面積率(Cin)を加算した値(最大で300%)で表すものとすると、印刷制御部10は、印刷補正部18がドットパターン背景部の濃度補正量として求めた3色分の現像剤面積率(Cin)から、ドットパターンの露光に適用する露光光強度を決定する。例えば、印刷補正部18がドットパターン背景部の濃度補正量として求めた3色分現像剤面積率(総和)が210%である場合、印刷制御部10は、図12に示す相関データを用いて、露光光強度を2.0(nJ/mm2)に決定する。
【0072】
なお、上記第1の実施の形態では、ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量として、ドットパターンの印刷に適用する印刷出力条件(露光光強度)の補正量を求めるものとし、第5の実施の形態では、ドットパターンの印刷に適用するドットサイズの補正量を求めるものとし、第6の実施の形態では、ドットパターンの印刷に適用するドットパターン背景部の濃度補正量を求めるものとしたが、それら3種の補正量の中から任意に選択される2種の補正量、又は3種すべての補正量を印刷補正部18で求めるものとしてもよい。そして、例えば2種の補正量を求める場合は、一方の補正量に50%、他方の補正量に50%の割合で、それぞれ補正の比率を割り当てるように構成してもよい。
【0073】
また、上記第1〜第6の実施の形態においては、印刷補正部18が求めた補正量を適用して、ドットパターンを含む画像を印刷する場合に、ビットマップ画像の画像領域のなかでドットパターンが存在する領域とドットパターンが存在しない領域をドットパターン検出部14で判別し、この判別結果を基に、ドットパターンが存在する領域に対してのみ、上記補正量を適用して印刷するように、印刷制御部10が印刷出力部15を制御する仕組みとしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…印刷装置、2,3…端末装置、4…ネットワーク、10…印刷制御部、11…印刷画像入力部、12…ページ記述言語解析部、13…印刷画像描画部、14…ドットパターン検出部、15…印刷出力部、16…要素値検出部、17…ドットサイズ予測部、18…印刷補正部、19…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体を用いて記録媒体に画像を印刷出力する印刷出力手段と、
前記印刷出力手段によって前記記録媒体に印刷されるドットパターンのドットサイズに影響を与える要素値を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記要素値に基づいて、前記記録媒体に前記ドットパターンを印刷したときのドットサイズを予測する予測手段と、
前記予測手段によって予測された前記ドットサイズの予測値に基づいて、前記ドットパターンを含む画像の印刷出力に適用する補正量を求める補正手段と
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記ドットサイズの予測値と予め設定されたドットサイズの目標値との差が小さくなるように前記補正量を求める
請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記要素値として、前記印刷出力手段の経時変化値を検出する
請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記要素値として、印刷環境値を検出する
請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記要素値として、前記印刷出力手段の像保持体に形成される、前記ドットパターンを含むパッチ画像の濃度値を検出する
請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記要素値として、前記ドットパターンの背景部分の濃度値を検出する
請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項7】
前記補正手段は、前記補正量として、前記ドットパターンの印刷に適用する印刷出力条件の補正量を求める
請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記補正量として、前記ドットパターンの印刷に適用するドットサイズの補正量を求める
請求項1又は2記載の印刷装置。
【請求項9】
前記補正手段は、前記補正量として、前記ドットパターンの印刷に適用するドットパターン背景部の濃度補正量を求める
請求項1又は2記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−224202(P2010−224202A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71223(P2009−71223)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】