説明

印画物製造方法、印画物製造装置、および製本物

【課題】印画の位置合わせを正確に行いつつ、両面にグリップローラ痕等が形成されない意匠性の高い印画物を製造する印画物製造方法、印画物製造装置を提供する。
【解決手段】印画物製造装置1は、グリップローラ17aと従動ローラ19aによって第1の受像紙3aの基材103aの面を把持して第1の受像紙3aを搬送し、第1の受像紙3aの画像受容層101aに画像を形成する。同様に、グリップローラ17bと従動ローラ19bによって第2の受像紙3bの画像受容層101bの面と異なる面を把持して第2の受像紙3bを搬送し、第2の受像紙3bの画像受容層101bに画像を形成する。続いて、第1の受像紙3aの基材103aの面と、第2の受像紙3bの画像受容層101bの面と異なる面とが向き合うようにして、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bを貼り合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法、印画物製造装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来印画方法の一つとして、サーマルヘッドにより熱転写シートを記録紙に圧接し、サーマルヘッドの発熱部である発熱素子を印画する画像データに応じて発熱させ、熱転写シートの色材を記録紙に移行させて画像を記録する熱転写方式が知られている。
このような熱転写方式のプリンタにおいても、通常のプリンタと同様、記録紙の両面に印画を行いたいという場合が存在する。
熱転写方式のプリンタにおいて両面印画を可能とするものとして、特許文献1には、記録紙の一面にプリンティングが完了した後、その記録紙を反転させ記録紙の他面にプリンティングをし得るように、第1、2移送ローラ及び第1、2通路と排紙通路を有する熱転写プリンタが示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−193430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された仕組みでは、より正確に印画の位置合わせを行うために、移送ローラ等にグリップローラ(表面に凹凸形状を有し、凸部分が記録紙に食い込むことで、ずれを生じさせないローラ)を採用すると問題が発生する。グリップローラを採用する場合、印画面の裏面にグリップローラ痕が形成されることから、両面印画を行う場合には印画物の両面にグリップローラ痕が形成されることになり、印画物の意匠性が著しく損なわれるという問題が発生する。
【0005】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、印画の位置合わせを正確に行いつつ、両面にグリップローラ痕等が形成されない意匠性の高い印画物を製造する印画物製造方法、印画物製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために第1の発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法であって、片面に画像受容層が設けられた第1の受像紙と第2の受像紙であって、前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方は画像受容層と異なる面に粘着層を介して離型紙が設けられたものを用い、前記第1の受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記第1の受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記第1の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成工程と、前記第2の受像紙の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記第2の受像紙の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記第2の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成工程と、前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方に設けられた離型紙を剥離し、前記第1の受像紙の画像受容層と異なる面と前記第2の受像紙の画像受容層と異なる面が向き合うようにして、前記第1の受像紙と前記第2の受像紙を貼り合わせる貼り合わせ工程と、を含むことを特徴とする印画物製造方法である。
【0007】
第2の発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法であって、片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に画像受容層が設けられた中間転写媒体とを用い、前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成工程と、前記中間転写媒体の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記中間転写媒体の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記中間転写媒体の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成工程と、前記受像紙の画像受容層と異なる面に、前記中間転写媒体の画像受容層に形成された画像を転写する画像転写工程と、を含むことを特徴とする印画物製造方法である。
【0008】
第3の発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法であって、片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた補強紙を用い、前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する画像形成工程と、前記補強紙の離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層と異なる面と前記補強紙の粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記補強紙を貼り合わせる貼り合わせ工程と、を含むことを特徴とする印画物製造方法である。
【0009】
第3の発明は、更に、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた透明フィルムを用い、前記貼り合わせ工程は、更に、前記透明フィルムの離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層の面と前記透明フィルムの粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記透明フィルムを貼り合わせるようにしても良い。
【0010】
第4の発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造装置であって、片面に画像受容層が設けられた第1の受像紙と第2の受像紙であって、前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方は画像受容層と異なる面に粘着層を介して離型紙が設けられたものを用い、前記第1の受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記第1の受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記第1の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成手段と、前記第2の受像紙の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記第2の受像紙の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記第2の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成手段と、前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方に設けられた離型紙を剥離し、前記第1の受像紙の画像受容層と異なる面と前記第2の受像紙の画像受容層と異なる面が向き合うようにして、前記第1の受像紙と前記第2の受像紙を貼り合わせる貼り合わせ手段と、を備えることを特徴とする印画物製造装置である。
【0011】
第5の発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造装置であって、片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に画像受容層が設けられた中間転写媒体とを用い、前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成手段と、前記中間転写媒体の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記中間転写媒体の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記中間転写媒体の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成手段と、前記受像紙の画像受容層と異なる面に、前記中間転写媒体の画像受容層に形成された画像を転写する画像転写手段と、を備えることを特徴とする印画物製造装置である。
【0012】
第6の発明は、熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造装置であって、片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた補強紙を用い、前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する画像形成手段と、前記補強紙の離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層と異なる面と前記補強紙の粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記補強紙を貼り合わせる貼り合わせ手段と、を備えることを特徴とする印画物製造装置である。
【0013】
第6の発明は、更に、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた透明フィルムを用い、前記貼り合わせ手段は、更に、前記透明フィルムの離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層の面と前記透明フィルムの粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記透明フィルムを貼り合わせるようにしても良い。
【0014】
第7の発明は、第1の発明または第2の発明の印画物製造方法によって製造された印画物を中身とし、第3の発明の印画物製造方法によって製造された印画物を表紙として構成される製本物である。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、印画の位置合わせを正確に行いつつ、両面にグリップローラ痕等が形成されない意匠性の高い印画物を製造する印画物製造方法、印画物製造装置を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】印画物製造装置の第1の実施形態の内部構成を示す図
【図2】熱転写シート13a(13b)の平面構成の一例を示す図
【図3】第1の受像紙3aの断面構成の一例を示す図
【図4】第2の受像紙3bの断面構成の一例を示す図
【図5】両面印画物2の断面構成の一例を示す図
【図6】印画物製造装置の第2の実施形態の内部構成を示す図
【図7】中間転写媒体43の断面構成の一例を示す図
【図8】両面印画物41の断面構成の一例を示す図
【図9】印画物製造装置の第3の実施形態の内部構成を示す図
【図10】補強紙53の断面構成の一例を示す図
【図11】片面印画物51の断面構成の一例を示す図
【図12】印画物製造装置の第4の実施形態の内部構成を示す図
【図13】透明フィルム64の断面構成の一例を示す図
【図14】片面印画物61の断面構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
最初に、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、製本物の中身のページとなる印画物を製造する。
図1は、印画物製造装置の第1の実施形態の内部構成を示す図である。図1に示す印画物製造装置1は、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bに対して、それぞれ片面印画を行った後、それぞれの印画面とは異なる面が互いに向き合うように、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bを貼り合わせて、両面印画物2を製造する。
【0019】
印画物製造装置1は、二つのサーマルヘッド5a、5bを備える。印画物製造装置1は、サーマルヘッド5aと協働して第1の受像紙3aに画像を印画するためのプラテンローラ7a、熱転写シート供給ローラ9a、熱転写シート巻取ローラ11a、熱転写シート13aを備える。同様に、印画物製造装置1は、サーマルヘッド5bと協働して第2の受像紙3bに画像を印画するためのプラテンローラ7b、熱転写シート供給ローラ9b、熱転写シート巻取ローラ11b、熱転写シート13bを備える。尚、熱転写シート供給ローラ9a、熱転写シート巻取ローラ11a、熱転写シート13aはカセットとして一体化され、印画物製造装置1から取り外し可能であることが好ましい。同様に、熱転写シート供給ローラ9b、熱転写シート巻取ローラ11b、熱転写シート13bはカセットとして一体化され、印画物製造装置1から取り外し可能であることが好ましい。
【0020】
図2は、熱転写シート13a(13b)の平面構成の一例を示す図である。
熱転写シート13a(13b)は、基材シート上に色材層を設けたものである。熱転写シート13a(13b)としては、従来の知られた種々のものを使用可能である。
図2に示すように、熱転写シート13a(13b)の平面構成は、Y(イエロー)やM(マゼンダ)やC(シアン)の色材層を有する領域が面順次に設けられる。色材の転写順は、例えば、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)となる。また、図2に示した平面構成に限らず、例えば転写された染料を保護する機能を付与する熱転写性保護層を有する領域を熱転写シートの平面構成としてさらに加えてもよい。また、K(ブラック)の色材層を有する領域を平面構成としてさらに加えることもできる。加えて、印画目的に応じて、金色・銀色の色材層・ホログラム層などを有する領域を加え、特色転写を行うこともできる。
両面印画物2のサイズは、熱転写シート13a(13b)の種類を変えたり、各領域の転写範囲を変えたりすることで変更することができる。
【0021】
図3は、第1の受像紙3aの断面構成の一例を示す図である。
第1の受像紙3aは、少なくとも、色材の染着性を持つ画像受容層101a、紙等の基材103aが順次設けられる構成となっている。第1の受像紙3aは、基材103aの強度や耐熱性、画像受容層101aの染着性などを考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。
【0022】
図4は、第2の受像紙3bの断面構成の一例を示す図である。
第2の受像紙3bは、少なくとも、色材の染着性を持つ画像受容層101b、紙等の基材103b、粘着層105b、離型紙107bが順次設けられる構成となっている。第2の受像紙3bは、離型紙107bを剥離することで、粘着層105bを介して、第1の受像紙3aの基材103aと接着する。第2の受像紙3bは、基材103bの強度や耐熱性、画像受容層101bの染着性、粘着層105bの粘着性などを考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。
【0023】
図1の説明に戻る。印画物製造装置1は、第1の受像紙3aをロール状に保持する受像紙供給体15a、グリップローラ17a、従動ローラ19a、搬送ローラ27aを備える。同様に、第2の受像紙3bをロール状に保持する受像紙供給体15b、グリップローラ17b、従動ローラ19b、搬送ローラ27bを備える。また、第2の受像紙3bから剥離された離型紙107bを巻き取るための離型紙巻取ローラ23、ガイドローラ25を備える。
【0024】
グリップローラ17aは、金属材料等で形成され、その表面に小さな多数の凹凸を形成した凹凸面を有する。グリップローラ17aは、第1の受像紙3aの印画面(画像受容層101a)と異なる面(基材103a)を把持するように設けられる。従動ローラ19aは、プラスチック、金属、合成ゴム等で形成され、グリップローラ17aに対して、所定の力で付勢され、第1の受像紙3aを所定の力で押さえる。
同様に、グリップローラ17bは、金属材料で形成され、その表面に小さな多数の凹凸を形成した凹凸面を有する。グリップローラ17bは、第2の受像紙3bの印画面(画像受容層101b)と異なる面(離型紙107b)を把持するように設けられる。従動ローラ19bは、プラスチック、金属、合成ゴム等で形成され、グリップローラ17bに対して、所定の力で付勢され、第2の受像紙3bを所定の力で押さえる。
尚、図1では、グリップローラ17a、従動ローラ19aの設置位置は、第1の受像紙3aの搬送路においてサーマルヘッド5aよりも上流となっているが、下流としても良い。同様に、グリップローラ17b、従動ローラ19bの設置位置も、第2の受像紙3bの搬送路においてサーマルヘッド5bよりも下流としても良い。
【0025】
また、印画物製造装置1は、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bを貼り合わせるための貼り合わせローラ29、31、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bの貼り合わせ位置を制御するためのセンサ33a、33bを備える。
【0026】
続いて、印画物製造装置1による第1の受像紙3aの印画方法について説明する。
印画物製造装置1は、熱転写シート11aのY(イエロー)の色材層が設けられた領域の一端がサーマルヘッド5aの位置にくるように頭出しを行う。同時に、印画物製造装置1は、第1の受像紙3aに対する印画開始位置がプラテンローラ7aの上部でサーマルヘッド5aの位置にくるように、第1の受像紙3aを搬送する。印画物製造装置1は、グリップローラ17aと従動ローラ19aによって第1の受像紙3aを把持し、所定の送り量だけ第1の受像紙3aを搬送する。これによって第1の受像紙3aを確実に把持し、印画の位置合わせを正確に行うことができる。
尚、グリップローラ17aは、第1の受像紙3aの印画面(画像受容層101a)と異なる面(基材103a)を把持するように設けられるので、第1の受像紙3aの印画面と異なる面にはグリップローラ痕が形成される。一方、第1の受像紙3aの印画面にはグリップローラ痕は形成されない。
【0027】
次に、サーマルヘッド5aが、熱転写シート13aの色材層が設けられた面を第1の受像紙3aの画像受容層101aが設けられた面に押し付ける。すなわち、印画制御装置1は、熱転写シート13aの色材層と第1の受像紙3aの画像受容層101aが接するように、サーマルヘッド5aとプラテンローラ7aの間で熱転写シート13aと第1の受像紙3aを重ね合わせて圧接する。
【0028】
その後、第1の受像紙3aと熱転写シート13aを搬送しながら、印画する画像のY(イエロー)成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。すなわち、サーマルヘッド5aの発熱部の発熱素子が画像データのY(イエロー)成分量に応じて発熱し、画像データのY(イエロー)成分量に応じた量だけ、熱転写シート13aのY(イエロー)の色材が第1の受像紙3aの画像受容層101aに転写される。
【0029】
Y(イエロー)の色材の転写を終えると、印画物製造装置1は、サーマルヘッド5aを上げて熱転写シート13aを第1の受像紙3aから離し、第1の受像紙3aを引き戻す。第1の受像紙3aを引き戻す量は、画像転写時に第1の受像紙3aを搬送した量と同量であり、第1の受像紙3aに対する印画開始位置がサーマルヘッド5aと再び同じ位置になる。同時に、印画物製造装置1は、サーマルヘッド5aの位置に熱転写シート13aのM(マゼンダ)の色材層の領域の一端が来るように、熱転写シート13aを搬送し、頭出しを行う。第1の受像紙3aの搬送時には、グリップローラ17aと従動ローラ19aによって第1の受像紙3aを把持する。
【0030】
その後、同様の手順でM(マゼンダ)、C(シアン)の色材を画像データの各色の成分量に応じて転写していく。また、印画目的に応じてK(ブラック)や金色・銀色の色材・ホログラム・保護層の転写など行うことができる。
このようにして、各色の色材等を画像データに合わせて転写し、第1の受像紙3aの画像受容層101aに画像が形成される。
【0031】
続いて、印画物製造装置1による第2の受像紙3bの印画方法について説明する。印画物製造装置1は、第1の受像紙3aに画像を形成するとともに、以下に示す第2の受像紙3bの印画方法によって、第2の受像紙3bに画像を形成することができる。これによって、片面ずつ印画するよりも印画時間を大幅に短縮することができる。
【0032】
印画物製造装置1は、熱転写シート11bのY(イエロー)の色材層が設けられた領域の一端がサーマルヘッド5bの位置にくるように頭出しを行う。同時に、印画物製造装置1は、第2の受像紙3bに対する印画開始位置がプラテンローラ7bの上部でサーマルヘッド5bの位置にくるように、第2の受像紙3bを搬送する。印画物製造装置1は、グリップローラ17bと従動ローラ19bによって第2の受像紙3bを把持し、所定の送り量だけ第2の受像紙3bを搬送する。これによって第2の受像紙3bを確実に把持し、印画の位置合わせを正確に行うことができる。
尚、グリップローラ17bは、第2の受像紙3bの印画面(画像受容層101b)と異なる面(離型紙107b)を把持するように設けられるので、第2の受像紙3bの印画面と異なる面にはグリップローラ痕が形成される。一方、第2の受像紙3bの印画面にはグリップローラ痕は形成されない。
【0033】
次に、サーマルヘッド5bが、熱転写シート13bの色材層が設けられた面を第2の受像紙3bの画像受容層101bが設けられた面に押し付ける。すなわち、印画制御装置1は、熱転写シート13bの色材層と第2の受像紙3bの画像受容層101bが接するように、サーマルヘッド5bとプラテンローラ7bの間で熱転写シート13bと第2の受像紙3bを重ね合わせて圧接する。
【0034】
その後、第2の受像紙3bと熱転写シート13bを搬送しながら、印画する画像のY(イエロー)成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。すなわち、サーマルヘッド5bの発熱部の発熱素子が画像データのY(イエロー)成分量に応じて発熱し、画像データのY(イエロー)成分量に応じた量だけ、熱転写シート13bのY(イエロー)の色材が第2の受像紙3bの画像受容層101bに転写される。
【0035】
Y(イエロー)の色材の転写を終えると、印画物製造装置1は、サーマルヘッド5bを上げて熱転写シート13bを第2の受像紙3bから離し、第2の受像紙3bを引き戻す。第2の受像紙3bを引き戻す量は、画像転写時に第2の受像紙3bを搬送した量と同量であり、第2の受像紙3bに対する印画開始位置がサーマルヘッド5bと再び同じ位置になる。同時に、印画物製造装置1は、サーマルヘッド5bの位置に熱転写シート13bのM(マゼンダ)の色材層の領域の一端が来るように、熱転写シート13bを搬送し、頭出しを行う。第2の受像紙3bの搬送時には、グリップローラ17bと従動ローラ19bによって第2の受像紙3bを把持する。
【0036】
その後、同様の手順でM(マゼンダ)、C(シアン)の色材を画像データの各色の成分量に応じて転写していく。また、印画目的に応じてK(ブラック)や金色・銀色の色材・ホログラム・保護層の転写など行うことができる。
このようにして、各色の色材等を画像データに合わせて転写し、第2の受像紙3bの画像受容層101bに画像が形成される。
【0037】
続いて、印画物製造装置1による第1の受像紙3aと第2の受像紙3bの貼り合わせ方法について説明する。
印画物製造装置1は、第2の受像紙3bの画像受容層101bに画像を形成した後、第2の受像紙3bの離型紙107bを剥離し、ガイドローラ25を介して離型紙巻取ローラ23によって巻き取る。
【0038】
続いて、印画物製造装置1は、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bを貼り合わせローラ29、31に向けて搬送する。印画物製造装置1は、センサ33aによって第1の受像紙3aを検知するとともに、センサ33bによって第2の受像紙3bを検知し、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。センサ33aは、第1の受像紙3aの先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ第1の受像紙3aを搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。同様に、センサ33bは、第2の受像紙3bの先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ第2の受像紙3bを搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。
貼り合わせ位置の位置合わせは、第1の受像紙3aや第2の受像紙3bに検知マークを形成し、検知マークを検知する方法も考えられる。しかし、検知マークを検知する方法では、両面印画物2のサイズを変えるごとに、検知マークが異なる位置に形成された他の受像紙に変更する必要がある。一方、受像紙の先端部分を検知する方法では、両面印画物2のサイズが変更になっても同じ受像紙を使用することができる。
【0039】
印画物製造装置1は、第1の受像紙3aの基材103aの面(画像受容層101aと異なる面)をグリップローラ17aによって把持し、第2の受像紙3bの離型紙107bの面(画像受容層101bと異なる面)をグリップローラ17bによって把持し、貼り合わせローラ29、31の間に第1の受像紙3aと第2の受像紙3bを搬送する。そして、印画物製造装置1は、第1の受像紙3aの基材103aの面と、第2の受像紙3bの粘着層105bの面(離型紙107bが剥離された領域)とが向き合うようにして、貼り合わせローラ29、31によって第1の受像紙3aと第2の受像紙3bを圧接し、画像が形成されている領域を貼り合わせる。その後、第1の受像紙3aと第2の受像紙3bの貼り合わせ物は、裁断機(図示しない)によって所定の大きさに裁断される。
このようにして、第1の受像紙3aの画像受容層101aを一方の面、第2の受像紙3bの画像受容層101bを他方の面とした両面印画物2が製造される。
【0040】
図5は、両面印画物2の断面構成の一例を示す図である。
図5に示すように、両面印画物2は、画像受容層101a、基材103a、粘着層105b、基材103b、画像受容層101bが順次設けられる構成となっている。基材103aには、グリップローラ痕35が形成されている。
従来、グリップローラを用いて両面に受容層を有する受像紙に両面印画を行うと、表面の印画時には裏面にグリップローラ痕が形成され、裏面の印画時には表面にグリップローラ痕が形成されることにより、印画物の表面と裏面の両面にグリップローラ痕が形成されていた。
一方、第1の実施形態によって製造される両面印画物2は、グリップローラ痕35が形成される基材103aが中間層になるように貼り合わされるので、表面にも裏面にもグリップローラ痕が形成されない。すなわち、両面印画物2の最上層、最下層となる画像受容層101a、101bにはグリップローラ痕35が形成されず、意匠性を損なうことはない。
また、前述したように、グリップローラ17a、17bを用いて第1の受像紙3a、第2の受像紙3bを搬送することで正確に印画位置、貼り合わせ位置を合わせることができるので、印画ずれ、貼り合わせずれが発生しない。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、製本物の中身のページとなる印画物を製造する。
以下、第1の実施形態と同種の構成要素については同一の参照番号で示し、説明を省略する。
図6は、印画物製造装置の第2の実施形態の内部構成を示す図である。図6に示す印画物製造装置1cは、受像紙42と中間転写媒体43に対して、それぞれ片面印画を行った後、受像紙42の印画面とは異なる面に中間転写媒体43に形成された画像を転写し、両面印画物41を製造する。
【0042】
印画物製造装置1cは、二つのサーマルヘッド5a、5bを備える。印画物製造装置1は、サーマルヘッド5aと協働して受像紙42に画像を印画するためのプラテンローラ7a、熱転写シート供給ローラ9a、熱転写シート巻取ローラ11a、熱転写シート13aを備える。同様に、印画物製造装置1cは、サーマルヘッド5bと協働して中間転写媒体43に画像を印画するためのプラテンローラ7b、熱転写シート供給ローラ9b、熱転写シート巻取ローラ11b、熱転写シート13bを備える。
【0043】
熱転写シート13a(13b)の平面構成は、例えば図2と同様である。また、受像紙42の断面構成は、例えば図3と同様である。
【0044】
図7は、中間転写媒体43の断面構成の一例を示す図である。
中間転写媒体43は、少なくとも、色材の染着性を持つ画像受容層101c、プラスチックフィルム等の基材103cが順次設けられる構成となっている。中間転写媒体43の画像受容層101cに形成される画像は、後述するように、受像紙42の103aに転写される。尚、中間転写媒体43は、画像受容層101cと基材103cとの間に離型層(図示しない)を設けて、画像受容層101cが基材103cから剥離し易いようにしても良い。その場合、離型層は、基材103c側に残る。中間転写媒体43は、基材103cの強度や耐熱性、画像受容層101cの染着性などを考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。
【0045】
図6の説明に戻る。印画物製造装置1cは、受像紙42をロール状に保持する受像紙供給体15a、グリップローラ17a、従動ローラ19a、搬送ローラ27aを備える。同様に、中間転写媒体43をロール状に保持する中間転写媒体供給体44、グリップローラ17b、従動ローラ19b、搬送ローラ27bを備える。また、中間転写媒体43から剥離された基材103cを巻き取るための基材巻取ローラ45を備える。
【0046】
グリップローラ17aは、受像紙42の印画面(画像受容層101a)と異なる面(基材103a)を把持するように設けられる。
同様に、グリップローラ17bは、中間転写媒体43の印画面(画像受容層101c)と異なる面(基材103c)を把持するように設けられる。
尚、図6では、グリップローラ17a、従動ローラ19aの設置位置は、受像紙42の搬送路においてサーマルヘッド5aよりも上流となっているが、下流としても良い。同様に、グリップローラ17b、従動ローラ19bの設置位置も、中間転写媒体43の搬送路においてサーマルヘッド5bよりも下流としても良い。
【0047】
また、印画物製造装置1cは、受像紙42の基材103aに中間転写媒体43の画像受容層101cに形成された画像を転写するための加熱手段46、従動ローラ47、転写位置を制御するためのセンサ33a、33bを備える。加熱手段46は、サーマルヘッド、ヒートローラ等である。
加熱手段46の熱と圧力により、中間転写媒体43の画像受容層101cが受像紙42の基材103aの面に転写され、中間転写媒体43の基材103cは基材巻取ローラ45に巻き取られる。
【0048】
印画物製造装置1cによる受像紙3aの印画方法は、印画物製造装置1による第1の受像紙3aの印画方法と同様であるため説明を省略する。
同様に、印画物製造装置1cによる中間転写媒体43の印画方法は、印画物製造装置1による第2の受像紙3bの印画方法と同様であるため説明を省略する。尚、中間転写媒体43の画像受容層101cには、両面印画物41に形成すべき画像の逆転像を形成しておく必要がある。
【0049】
続いて、印画物製造装置1cによる受像紙42への転写方法について説明する。
印画物製造装置1cは、中間転写媒体43の画像受容層101cに画像を形成した後、受像紙42と中間転写媒体43を加熱手段46、従動ローラ47に向けて搬送する。印画物製造装置1cは、センサ33aによって受像紙42を検知するとともに、センサ33bによって中間転写媒体43を検知し、転写位置の位置合わせを行う。センサ33aは、例えば、受像紙42の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ受像紙42を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。同様に、センサ33bは、例えば、中間転写媒体43の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ中間転写媒体43を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。
また、センサ33bは、中間転写媒体43の印画面(画像受容層101c)、または印画面とは異なる面(基材103c)の所定の位置に形成された検知マーク(図示しない)を検知するものでも良い。この場合、印画物製造装置1は、検知マークから所定の長さだけ中間転写媒体43を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。
【0050】
印画物製造装置1cは、受像紙42の基材103aの面(画像受容層101aと異なる面)をグリップローラ17aによって把持し、中間転写媒体43の離型紙107cの面をグリップローラ17bによって把持し、加熱手段46、従動ローラ47の間に受像紙42と中間転写媒体43を搬送する。そして、印画物製造装置1cは、受像紙42の基材103aの面と、中間転写媒体43の印画面(画像受容層101b)とが向き合うようにして、加熱手段46、従動ローラ47によって受像紙42と中間転写媒体43を圧接するとともに熱を加えることで、中間転写媒体43の画像受容層101cに形成された画像を受像紙42の画像受容層101aに転写する。その後、中間転写媒体43の基材103cは基材巻取ローラ45に巻き取られ、受像紙43は画像形成部分が裁断機(図示しない)によって所定の大きさに裁断される。
このようにして、受像紙42の画像受容層101aを一方の面、中間転写媒体43の画像受容層101cを他方の面とした両面印画物41が製造される。
【0051】
図8は、両面印画物41の断面構成の一例を示す図である。
図8に示すように、両面印画物41は、画像受容層101a、基材103a、画像受容層101cが順次設けられる構成となっている。基材103aには、グリップローラ痕35が形成されている。
第2の実施形態によって製造される両面印画物41は、両面に受容層を有する受像紙にグリップローラを用いて両面印画を行うと、表面と裏面の両面にグリップローラ痕が形成されてしまうという従来の不具合を解決し、表面にも裏面にもグリップローラ痕が形成されない。すなわち、両面印画物41の最上層、最下層となる画像受容層101a、101cにはグリップローラ痕35が形成されず、意匠性を損なうことはない。
また、前述したように、グリップローラ17a、17bを用いて受像紙42、中間転写媒体43を搬送することで正確に印画位置、貼り合わせ位置を合わせることができるので、印画ずれ、貼り合わせずれが発生しない。
更に、第2の実施形態によって製造される両面印画物2と異なり、基材が一つの層のみとなるので、両面印画物の厚さを調整することが容易となる。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、製本物の表紙のページとなる印画物を製造する。
以下、第1、第2の実施形態と同種の構成要素については同一の参照番号で示し、説明を省略する。
図9は、印画物製造装置の第3の実施形態の内部構成を示す図である。図9に示す印画物製造装置1dは、受像紙52に対して片面印画を行った後、受像紙52の印画面とは異なる面と補強紙53の離型紙が設けられる面とが互いに向き合うように、受像紙52と補強紙53を貼り合わせて、片面印画物51を製造する。
【0053】
印画物製造装置1dは、一つのサーマルヘッド5aを備える。印画物製造装置1dは、サーマルヘッド5aと協働して受像紙52に画像を印画するためのプラテンローラ7a、熱転写シート供給ローラ9a、熱転写シート巻取ローラ11a、熱転写シート13aを備える。
【0054】
熱転写シート13aの平面構成は、例えば図2と同様である。また、受像紙52の断面構成は、例えば図3と同様である。
【0055】
図10は、補強紙53の断面構成の一例を示す図である。
補強紙53は、少なくとも、紙等の基材103d、粘着層105d、離型紙107dが順次設けられる構成となっている。補強紙53は、後述するように、離型紙107dを剥離することで、粘着層105dを介して、受像紙52の基材103aと接着する。補強紙53は、基材103dの強度、粘着層105dの粘着性などを考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。
【0056】
図9の説明に戻る。印画物製造装置1dは、受像紙52をロール状に保持する受像紙供給体15a、グリップローラ17a、従動ローラ19a、搬送ローラ27a、27bを備える。また、補強紙53をロール状に保持する補強紙供給体54、補強紙53から剥離された離型紙107dを巻き取るための離型紙巻取ローラ23dを備える。
【0057】
グリップローラ17aは、受像紙52の印画面(画像受容層101a)と異なる面(基材103a)を把持するように設けられる。
尚、図9では、グリップローラ17a、従動ローラ19aの設置位置は、受像紙52の搬送路においてサーマルヘッド5aよりも上流となっているが、下流としても良い。
【0058】
また、印画物製造装置1dは、受像紙52と補強紙53を貼り合わせるための貼り合わせローラ29、31、受像紙52と補強紙53の貼り合わせ位置を制御するためのセンサ33a、33bを備える。
【0059】
印画物製造装置1dによる受像紙52の印画方法は、印画物製造装置1による第1の受像紙3aの印画方法と同様であるため説明を省略する。
【0060】
続いて、印画物製造装置1dによる受像紙52と補強紙53の貼り合わせ方法について説明する。
印画物製造装置1dは、受像紙52の画像受容層101aに画像を形成した後、補強紙53の離型紙107dを剥離し、離型紙巻取ローラ23dによって巻き取る。
【0061】
続いて、印画物製造装置1dは、受像紙52と補強紙53を貼り合わせローラ29、31に向けて搬送する。印画物製造装置1dは、センサ33aによって受像紙52を検知するとともに、センサ33bによって補強紙53を検知し、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。センサ33aは、受像紙52の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ受像紙52を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。同様に、センサ33bは、補強紙53の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ補強紙53を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。
【0062】
印画物製造装置1dは、受像紙52の基材103aの面(画像受容層101aと異なる面)をグリップローラ17aによって把持し、貼り合わせローラ29、31の間に受像紙52と補強紙53を搬送する。そして、印画物製造装置1dは、受像紙52の基材103aの面と、補強紙53の粘着層105dの面(離型紙107dが剥離された領域)とが向き合うようにして、貼り合わせローラ29、31によって受像紙52と補強紙53を圧接し、画像が形成されている領域を貼り合わせる。その後、受像紙52と補強紙53の貼り合わせ物は、裁断機(図示しない)によって所定の大きさに裁断される。
このようにして、受像紙52の画像受容層101aを一方の面、補強紙53の基材103dを他方の面とした片面印画物51が製造される。
【0063】
図11は、片面印画物51の断面構成の一例を示す図である。
図11に示すように、片面印画物51は、画像受容層101a、基材103a、粘着層105d、基材103dが順次設けられる構成となっている。基材103aには、グリップローラ痕35が形成されている。
第3の実施形態によって製造される片面印画物51は、グリップローラ痕35が形成される基材103aが中間層となるように貼り合わされるので、片面印画物51の表面にも裏面にもグリップローラ痕35は形成されない。
仮に、予め受像紙と補強紙とが貼り合わせ済みの用紙を用いて印画する場合、用紙をロール状に保持するロールの径が大きくなってしまう。また、補強紙側にグリップローラ痕が形成されてしまう。更に、補強紙の種類によってはグリップ保持力不足となってしまい、印画ずれが発生してしまう。そして、これらの不具合を極力抑えようとすると、補強紙の選択の幅が狭くなる。一方、第3の実施形態のように、印画を行った後で受像紙と補強紙を貼り合わせることで、前述の不具合が発生せず、補強紙の選択の幅が広くなる。
【0064】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、製本物の表紙のページとなる印画物を製造する。
以下、第1、第2、第3の実施形態と同種の構成要素については同一の参照番号で示し、説明を省略する。
図12は、印画物製造装置の第4の実施形態の内部構成を示す図である。図12に示す印画物製造装置1eは、受像紙62に対して片面印画を行った後、受像紙62の印画面とは異なる面と補強紙63の粘着層が設けられる面とが互いに向き合うように、受像紙62と補強紙63を貼り合わせる。それと同時に、受像紙62の印画面と透明フィルム64の粘着層が設けられる面とが互いに向き合うように受像紙62と透明フィルム64を貼り合わせることで、片面印画物61を製造する。
【0065】
印画物製造装置1eは、一つのサーマルヘッド5aを備える。印画物製造装置1eは、サーマルヘッド5aと協働して受像紙62に画像を印画するためのプラテンローラ7a、熱転写シート供給ローラ9a、熱転写シート巻取ローラ11a、熱転写シート13aを備える。
【0066】
熱転写シート13aの平面構成は、例えば図2と同様である。また、受像紙52の断面構成は、例えば図3と同様である。また、補強紙63の断面構成は、例えば図10と同様である。
【0067】
図13は、透明フィルム64の断面構成の一例を示す図である。
透明フィルム64は、少なくとも、PETシート109e、粘着層105e、離型紙107eが順次設けられる構成となっている。透明フィルム64は、後述するように、離型紙107eを剥離することで、粘着層105eを介して、受像紙62の画像受容層101aと接着する。透明フィルム64は、PETシート109eの意匠性、離型紙107eの強度、粘着層105eの粘着性などを考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。例えば、PETシート109eは、表面平滑性(光沢度)の高いものが望ましい。
透明フィルム64を用いることで、第4の実施形態によって製造される片面印画物61は、耐久性が高く、光沢度の高いものとなる。第4の実施形態によって製造される片面印画物61は、例えば、通常の写真以上の耐久性が求められるフォトブックの表紙に好適である。
【0068】
図12の説明に戻る。印画物製造装置1eは、受像紙62をロール状に保持する受像紙供給体15a、グリップローラ17a、従動ローラ19a、搬送ローラ27a、27b、27eを備える。また、補強紙63をロール状に保持する補強紙供給体65、補強紙63から剥離された離型紙107dを巻き取るための離型紙巻取ローラ23dを備える。また、透明フィルム64をロール状に保持する透明フィルム供給体66、透明フィルム64から剥離された離型紙107eを巻き取るための離型紙巻取ローラ23eを備える。
【0069】
グリップローラ17aは、受像紙62の印画面(画像受容層101a)と異なる面(基材103a)を把持するように設けられる。
尚、図12では、グリップローラ17a、従動ローラ19aの設置位置は、受像紙62の搬送路においてサーマルヘッド5aよりも上流となっているが、下流としても良い。
【0070】
また、印画物製造装置1eは、受像紙62、補強紙63、透明フィルム64を貼り合わせるための貼り合わせローラ29、31、受像紙62、補強紙63、透明フィルム64の貼り合わせ位置を制御するためのセンサ33a、33b、33eを備える。
【0071】
印画物製造装置1eによる受像紙62の印画方法は、印画物製造装置1による第1の受像紙3aの印画方法と同様であるため説明を省略する。
【0072】
続いて、印画物製造装置1eによる受像紙62、補強紙63、透明フィルム64の貼り合わせ方法について説明する。
印画物製造装置1eは、受像紙62の画像受容層101aに画像を形成した後、補強紙63の離型紙107dを剥離し、離型紙巻取ローラ23dによって巻き取る。また、同時に、透明フィルム64の離型紙107eを剥離し、離型紙巻取ローラ23eによって巻き取る。
【0073】
続いて、印画物製造装置1eは、受像紙62、補強紙63、透明フィルム64を貼り合わせローラ29、31に向けて搬送する。印画物製造装置1eは、センサ33aによって受像紙62を検知し、センサ33bによって補強紙63を検知し、センサ33eによって透明フィルム64を検知し、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。センサ33aは、受像紙62の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ受像紙62を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。同様に、センサ33bは、補強紙63の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ補強紙63を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。同様に、センサ33eは、透明フィルム64の先端部分を検知するものである。印画物製造装置1は、検知した先端部分から所定の長さだけ透明フィルム64を搬送することで、貼り合わせ位置の位置合わせを行う。
【0074】
印画物製造装置1eは、受像紙62の基材103aの面(画像受容層101aと異なる面)をグリップローラ17aによって把持し、貼り合わせローラ29、31の間に受像紙62、補強紙63、透明フィルム64を搬送する。そして、印画物製造装置1eは、受像紙62の基材103aの面と、補強紙63の粘着層105dの面(離型紙107dが剥離された領域)とが向き合うようにし、受像紙62の画像受容層101aの面と、透明フィルム64の粘着層105eの面(離型紙107eが剥離された領域)とが向き合うようにして、貼り合わせローラ29、31によって受像紙62、補強紙63、透明フィルム64を圧接し、画像が形成されている領域を貼り合わせる。その後、受像紙62、補強紙63、透明フィルム64の貼り合わせ物は、裁断機(図示しない)によって所定の大きさに裁断される。
このようにして、透明フィルム64のPETシート109eを一方の面、補強紙63の基材103dを他方の面とした片面印画物61が製造される。
【0075】
図14は、片面印画物61の断面構成の一例を示す図である。
図14に示すように、片面印画物61は、PETシート109e、粘着層105e、画像受容層101a、基材103a、粘着層105d、基材103dが順次設けられる構成となっている。基材103aには、グリップローラ痕35が形成されている。
第4の実施形態によって製造される片面印画物61は、グリップローラ痕35が形成される基材103aが中間層となるように貼り合わされるので、片面印画物61の表面にも裏面にもグリップローラ痕35は形成されない。そして、第3の実施形態と同様、第4の実施形態においても補強紙の選択の幅が広くなる。
また、前述したように、グリップローラ17aを用いて受像紙62を搬送することで正確に印画位置、貼り合わせ位置を合わせることができるので、印画ずれ、貼り合わせずれが発生しない。
更に、第4の実施形態によって製造される片面印画物61は、透明フィルム64を貼り合わせるので、耐久性が高く、かつ光沢度の高いものとなる。
【0076】
本発明によって、例えば、フォトブックのように、両面に写真が印刷される両面印刷物を中身とし、片面に写真等が印刷される片面印刷物を表示とする製本物を製造することができる。本発明によって製造される製本物は、どの印刷物にもグリップローラ痕等が形成されずに意匠性が高く、かつ印画ずれ、貼り合わせずれが発生しない。
また、貼り合わせる受像紙等の組み合わせは、第1の実施形態から第4の実施形態に限られない。例えば、第1の実施形態や第2の実施形態において、透明フィルムを両面に貼り合わせることができる。透明フィルムを両面に貼り合わせることで、耐久性の高い両面印画物を製造することができる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る印画物製造方法等の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0078】
1、1c、1d、1e………印画物製造装置
2、41………両面印画物
3a………第1の受像紙
3b………第2の受像紙
5a、5b………サーマルヘッド
7a、7b………プラテンローラ
9a、9b………熱転写シート供給ローラ
11a、11b………熱転写シート巻取ローラ
13a、13b………熱転写シート
15a、15b………受像紙供給体
17a、17b………グリップローラ
19a、19b………従動ローラ
23、23d、23e………離型紙巻取ローラ
25………ガイドローラ
27a、27b、27e………搬送ローラ
29、31………貼り合わせローラ
33a、33b、33e………センサ
35………グリップローラ痕
42、52、62………受像紙
43………中間転写媒体
44………中間転写媒体供給体
45………基材巻取ローラ
46………加熱手段
47………従動ローラ
51、61………片面印画物
53、63………補強紙
54、65………補強紙供給体
64………透明フィルム
66………透明フィルム供給体
101a、101b………画像受容層
103a、103b、103c、103d………基材
105b、105d、105e………粘着層
107b、107d、107e………離型紙
109e………PETシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法であって、
片面に画像受容層が設けられた第1の受像紙と第2の受像紙であって、前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方は画像受容層と異なる面に粘着層を介して離型紙が設けられたものを用い、
前記第1の受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記第1の受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記第1の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成工程と、
前記第2の受像紙の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記第2の受像紙の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記第2の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成工程と、
前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方に設けられた離型紙を剥離し、前記第1の受像紙の画像受容層と異なる面と前記第2の受像紙の画像受容層と異なる面が向き合うようにして、前記第1の受像紙と前記第2の受像紙を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を含むことを特徴とする印画物製造方法。
【請求項2】
熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法であって、
片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に画像受容層が設けられた中間転写媒体とを用い、
前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成工程と、
前記中間転写媒体の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記中間転写媒体の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記中間転写媒体の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成工程と、
前記受像紙の画像受容層と異なる面に、前記中間転写媒体の画像受容層に形成された画像を転写する画像転写工程と、
を含むことを特徴とする印画物製造方法。
【請求項3】
熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造方法であって、
片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた補強紙を用い、
前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する画像形成工程と、
前記補強紙の離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層と異なる面と前記補強紙の粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記補強紙を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
を含むことを特徴とする印画物製造方法。
【請求項4】
更に、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた透明フィルムを用い、
前記貼り合わせ工程は、更に、前記透明フィルムの離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層の面と前記透明フィルムの粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記透明フィルムを貼り合わせることを特徴とする請求項3に記載の印画物製造方法。
【請求項5】
熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造装置であって、
片面に画像受容層が設けられた第1の受像紙と第2の受像紙であって、前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方は画像受容層と異なる面に粘着層を介して離型紙が設けられたものを用い、
前記第1の受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記第1の受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記第1の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成手段と、
前記第2の受像紙の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記第2の受像紙の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記第2の受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成手段と、
前記第1の受像紙または前記第2の受像紙のいずれか一方に設けられた離型紙を剥離し、前記第1の受像紙の画像受容層と異なる面と前記第2の受像紙の画像受容層と異なる面が向き合うようにして、前記第1の受像紙と前記第2の受像紙を貼り合わせる貼り合わせ手段と、
を備えることを特徴とする印画物製造装置。
【請求項6】
熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造装置であって、
片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に画像受容層が設けられた中間転写媒体とを用い、
前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する第1の画像形成手段と、
前記中間転写媒体の画像受容層とは異なる面を第2のグリップローラによって把持して第2のサーマルヘッドと第2のプラテンローラの間に搬送し、前記中間転写媒体の画像受容層と第2の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第2のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第2の熱転写シートの色材層の色材を前記中間転写媒体の画像受容層に転写することにより画像を形成する第2の画像形成手段と、
前記受像紙の画像受容層と異なる面に、前記中間転写媒体の画像受容層に形成された画像を転写する画像転写手段と、
を備えることを特徴とする印画物製造装置。
【請求項7】
熱転写方式によって画像が形成された印画物を製造する印画物製造装置であって、
片面に画像受容層が設けられた受像紙と、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた補強紙を用い、
前記受像紙の画像受容層とは異なる面を第1のグリップローラによって把持して第1のサーマルヘッドと第1のプラテンローラの間に搬送し、前記受像紙の画像受容層と第1の熱転写シートの色材層とが向き合うようにして圧接し、前記第1のサーマルヘッドを画像データに応じて発熱させ、前記第1の熱転写シートの色材層の色材を前記受像紙の画像受容層に転写することにより画像を形成する画像形成手段と、
前記補強紙の離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層と異なる面と前記補強紙の粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記補強紙を貼り合わせる貼り合わせ手段と、
を備えることを特徴とする印画物製造装置。
【請求項8】
更に、片面に粘着層を介して離型紙が設けられた透明フィルムを用い、
前記貼り合わせ手段は、更に、前記透明フィルムの離型紙を剥離し、前記受像紙の画像受容層の面と前記透明フィルムの粘着層の面が向き合うようにして、前記受像紙と前記透明フィルムを貼り合わせることを特徴とする請求項7に記載の印画物製造装置。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の印画物製造方法によって製造された印画物を中身とし、請求項3または請求項4に記載の印画物製造方法によって製造された印画物を表紙として構成される製本物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−228289(P2010−228289A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78321(P2009−78321)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】