説明

即席食品容器

【課題】嵌合式の即席食品容器の蓋体内に収納空間部を設けることによって、蓋体自体の剛性と、おもちゃなどの販促景
品を収納する構造と、熱湯によるやけどを防止する構造とを備え、さらに包装時の食材の封入性と、熱湯調理時の容器本体と蓋体の再封性ならびに密封性を備える即席食品容器の提供を図る。
【解決手段】即席麺などの食材を収納するテーパ状に形成される容器本体と、該容器本体に嵌合して納められる蓋体と、該容器本体と、蓋体と、を包装するフィルム包装体と、で構成される即席食品容器であって、前記蓋体は、上端部に鍔部を形成すると共に、下方に向かってテーパ状に縮形する収納空間部を有する筒状のテーパ嵌合壁と、該テーパ嵌合壁の内壁面に形成される蓋天板と、該蓋天板の周縁近くに設けられる通気孔を塞ぐ密封シールと、で構成される手段を採る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌合式の即席食品容器の蓋体内に収納空間部を設けることによって、蓋体自体の剛性と、おもちゃなどの販促景品を収納する構造と、熱湯によるやけどを防止する構造とを備え、さらに包装時の食材の封入性と、熱湯調理時の容器本体と蓋体の再封性ならびに密封性を備える即席食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の即席食品容器の多くは、紙などの単層材料または、アルミ箔、紙、合成樹脂フィルムなどを組み合わせた多層材料で形成されている。例えば、ポリスチレン樹脂やポリプロピレン樹脂シートなどの単層シート材料を真空成形法などによりシート成形し、容器本体の開口部に係合させて嵌合する冠着型と、カップ開口縁部を紙、ポリエチレン、アルミ箔等の多層シートからなる蓋体にヒートシールラッカーを塗布してヒートシールするイージーヒール型とがある。
【0003】
また、広義的な食品容器としては、紅茶缶やペンキ缶などの金属缶をテーパ状の金属蓋で嵌合させて密封する嵌合式の蓋缶が広く知られている。
【0004】
しかしながら、上記の即席食品容器においては、下記に示す問題点を解決することが望まれるものである。
(a)イージーヒール型の蓋体は、一端、蓋を剥がすと再封性(リクローズ性)がないため、蓋体と容器本体の密封性が維持されないことから、熱湯調理中に蓋体が捲れ上がったり、一度食べ始めたら一挙に食べきらなければならない。
(b)アルミ箔などの金属成分が含まれる多層材料で形成される蓋体は、最終品質検査時において金属探知器に反応してしまうため、ヒートシール工程以降の金属探知検査体制が取れない。
(c)容器本体や蓋体の素材にアルミ箔や石油資源樹脂材料が使用されているため、即席食品容器の最終廃棄時には有害廃棄物処分となり、資源の有効利用が図れない。
(d)蓋体が真空成形法などによりシート成形されるため、複雑な金型の製作が必要となる。
(e)容器本体に溝や逆テーパ部などが形成されるため、複雑な金型の製作が必要となるため、即席食品容器の製造コストが高騰する。
(f)熱湯調理時や食事時に即席食品容器が転倒すると手や足にヤケドを負う危険性がある。
(g)熱湯調理された即席麺を容器本体から直接食した場合、高温のスープによって口や舌にヤケドを負う危険性がある。
(h) 即席食品容器の使用後におけるリサイクル利用がなされない。
(i) 即席食品容器の使用後は、容器本体と蓋体が家庭用のゴミとして出されるため、廃棄時の分別作業を必要とする。
(j) 再封性がない上に密封性が持続されないため、ドライブ中や車両内での携帯用食品容器として使用できない。
(k) キャップ状の膨出蓋体が、容器本体の上部に大きく突出して即席食品容器全体ならびに梱包容積を大きくする。
(ℓ)金属缶のように嵌合による変形圧力に耐える剛性を有していない。
【0005】
そこで、上記の問題点を解決しようとする冠着型の即席食品容器が提案されている。例えば、即席麺等を収納する容器本体と、その容器本体の開口部を覆い、冠着できる蓋とを備えた即席食品容器において、上記蓋中央部に容器本体との冠着時に注湯線以下の深さを有するスープ等の収納部が凹設された「スープ等の予備溶解部を備えた即席麺容器」(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。しかしながら、該提案は、蓋の中央部にスープ等が収納される収納部が凹設されて蓋の有効活用がなされているものではあるが、蓋の構造が、容器本体に対して単に開口部を覆って冠着する構造であるため、上記(f)、(g)、(h) 、(i)、(j)の問題点が指摘されるものである。
【0006】
また、上記の問題点を解決しようとする冠着ならびに嵌合構造を有する即席食品容器の蓋体が提案されている。例えば、容器本体の鍔状部に嵌めこむための環状の凹入溝の内壁部に凹入溝内に向けて膨出する突出部を設けるとともに、凹入溝で囲まれる部分の所定箇所に凹入溝の深さ方向に張り出した膨出部を設け、この膨出部の端縁外表面を突出部の外表面に対向させた「即席食品容器の蓋体」(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。しかしながら、該提案は、冠着ならびに勘合構造によって即席食品容器と蓋体を係合させて密封性を高めようとしているが、蓋の構造が、容器本体に対して単に開口部を覆って冠着する構造と、蓋体の突出部の外表面と即席食品容器の内表面が内側からの付勢力を要しない状態で当接する嵌合状態で形成されているため、上記(d) 、(f)、(g)、(h) 、(i)、(j)の問題点が指摘されるものである。
【0007】
また、上記の問題点を解決しようとする容器本体に嵌合溝を有する即席食品容器が提案されている。例えば、即席食品容器は、容器本体の開口の上縁近くの内側に周方向に嵌合溝を設けるとともに、この嵌合溝に、中程に折線を有し、周縁近くに摘みを設けた半円状の開閉部を有する紙を主材とする蓋体を嵌合した「即席食品容器」(特許文献3参照)が提案され、公知技術となっている。しかしながら、該提案は、即席食品容器に嵌合溝を設けて再封性と密封性と、容器の転倒による安全性を確保しているが、上記 (g)、(h) 、(i)の問題点が指摘されるものである。
【0008】
また、上記の問題点を解決しようとするヒートシール構造と、嵌合構造とを有する容器蓋が提案されている。例えば、容器本体の開口フランジ部の上側面に被せて施蓋可能で、この容器蓋の蓋天板は薄板によって構成され、蓋天板の外周の一個の摘み片が形成され、蓋のほぼ中央部に折曲部が形成されてなる容器蓋において、蓋天板は容器本体開口部フランジ部の上側面に重なる蓋外周面と、この蓋外周面の内側に、容器本体の開口フランジ部の内側に沿って嵌合可能な下方に突き出た樹脂製突出部とが設けられ、この樹脂製突出部は、前記折曲部で不連続され、折曲部を挟んで対向する樹脂製突出部同士が前記折曲部に対して直角に設けられた樹脂製薄板によって繋がれてなり、この樹脂製突出部の外側面であって前記摘み片に近い部分に、容器本体の開口部内壁面に係止する係止部が形成された「容器蓋」(特許文献4参照)が提案され、公知技術となっている。しかしながら、該提案は、ヒートシール効果と勘合効果を利用して容器蓋の再封性を可能にしているが、上記
(d) 、(g)、(h) 、(i)の問題点が指摘されるものである。
【0009】
また、上記の問題点を解決しようとする冠着構造と、イージーヒール構造と、キャップ状の皿状蓋体と、を備える食品包装容器が提案されている。例えば、上端が開口したカップ状の容器本体と、外側が前記容器本体の側壁上端縁に剥離可能に封着される封口シートと、側壁内周に前記容器本体の側壁上端縁外周に嵌め込み可能な円周溝が形成された皿状蓋体とからなる「食品包装容器」(特許文献5参照)が提案され、公知技術となっている。しかしながら、該提案は、封口シートと、皿状蓋体との二種類の包装部材を備えると共に、開封ならびに熱湯調理時においては、その両方の諸作業を行なわなければならず、さらに上記に示す(d) 、 (f)、(h) 、(i)の問題点を解決していないものである。また、図中4に示されるように、熱湯調理時において容器本体の開口部に皿状蓋体を逆さまにして係止することで再封性を得ることができるが、皿状蓋体と容器本体の嵌合面が、面状に密着していないことから密封性が低いことや、特に(k)の問題点が指摘されるものであった。
【0010】
以上のように従来の冠着型の即席食品容器は、再封性は良いが密封性が悪く、一方イージーヒール型の即席食品容器は、密封性は良いが再封性が悪いと言った相反する特性を持つものである。また嵌合式の即席食品容器は、容器素材が、主に紙を主体としているため嵌合部の剛性を維持することが難しい特性があるもので、現在市販されている即席食品容器は、容器本体から蓋体を開封した時の食材と具材の見た目の美しさと、薬味袋の開封作業を必要としない利便性の理由からイージーヒール型が多く採用されている。
【0011】
しかしながら、それらのイージーヒール型の即席食品容器は、包装時の食品容器内に収容されている食材の封入性と、熱湯調理時の容器本体と蓋体との再封性と密封性を備える構造と、容器本体の転倒や直接麺を食する場合のやけどの危険性を防止する構造と、食品容器の使用後のリサイクル利用を可能とする構造と、ゴミ資源を削減する構造と、販売時の広告宣伝効果が得られる構造と、製造時のコスト削減が図れる構造を備えておらず、現在においても未だそれらの問題点を解決する術を備えていない。
【0012】
本出願人は、従来の冠着型と、イージーヒール型と、嵌合式と、を採用する即席食品容器の中から、特に嵌合式の即席食品容器の蓋体内に収納空間部を設けることによって、蓋体自体の剛性と、おもちゃなどの販促景品を収納する構造と、熱湯によるやけどを防止する構造とを備え、さらに包装時の食材の封入性と、熱湯調理時の容器本体と蓋体の再封性ならびに密封性を備える即席食品容器を開発し、本発明における即席食品容器の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実開平6-35176号公報
【特許文献2】特開平9-2539号公報
【特許文献3】特開平6-100050号公報
【特許文献4】特開2004-196306号公報
【特許文献5】特開平10-211953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑み、嵌合式の即席食品容器の蓋体内に収納空間部を設けることによって、蓋体自体の剛性と、おもちゃなどの販促景品を収納する構造と、熱湯によるやけどを防止する構造とを備え、さらに包装時の食材の封入性と、熱湯調理時の容器本体と蓋体の再封性ならびに密封性を備える即席食品容器の提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の即席食品容器は、即席麺などの食材を収納するテーパ状に形成される容器本体と、該容器本体に嵌合して納められる蓋体と、該容器本体と、蓋体と、を包装するフィルム包装体と、で構成される即席食品容器であって、前記蓋体は、上端部に鍔部を形成すると共に、下方に向かってテーパ状に縮形する収納空間部を有する筒状の嵌合壁と、該嵌合壁の内壁面に形成される蓋天板と、該蓋天板の周縁近くに設けられる通気孔を塞ぐ密封シールと、で構成されて成り、前記蓋体を前記容器本体に嵌合させて押し込むことにより、包装時の前記即席食品容器内に収容されている食材の封入性と、熱湯調理時の前記容器本体と前記蓋体の再封性ならびに密封性を備える手段を採る。
【0016】
また本発明は、前記通気孔が、複数の湯切り用孔で形成される手段を採る。
【0017】
また本発明は、前記蓋体のテーパ嵌合壁の外周面にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、前記容器本体の内壁面に熱接着した手段を採る。
【0018】
また本発明は、前記蓋体の鍔部下面の周縁にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、前記容器本体の鍔部の上面に熱接着した手段を採る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の即席食品容器によれば、即席食品容器の蓋体内に収納空間部を設けることによって、該収納空間部を形成する蓋天板が、蓋体ならびにテーパ嵌合壁の補強リブの役割を果たすことによって蓋体自体の剛性を備えることができる優れた効果を奏する。
【0020】
本発明の即席食品容器によれば、即席食品容器の蓋体内に収納空間部を形成するテーパ嵌合壁が設けられることによって、包装時の封入性と、熱湯調理時の再封性ならびに密封性を備えることができる優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明の即席食品容器によれば、即席食品容器の蓋体内に収納空間部を形成するテーパ嵌合壁が設けられることによって、何度もリクローズできる再封性が得られることにより、一度に食事を完了させなくても済む優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明の即席食品容器によれば、蓋体を仰向けにすることで取り皿や小皿として利用することができるもので、熱湯調理された食材を容器本体から直接食した場合、高温のスープによって口や舌がヤケドすることを防止する優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明の即席食品容器によれば、容器本体のテーパ状の内壁面に蓋体のテーパ嵌合壁が嵌合されて押し込まれることによって、蓋体のテーパ嵌合壁が容器本体のテーパ状の内壁面に向かって付勢力が発生して強固に密封されるため、即席食品容器自体が転倒しても容器本体内の熱湯がこぼれ出すことがない優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明の即席食品容器によれば、容器本体や蓋体が紙を主体とした素材を使用していることから、廃棄時の即席食品容器素材の資源再生が可能となると共に、家庭用ゴミとしての分別作業を必要としない優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明の即席食品容器によれば、容器本体と蓋体を嵌合させて押し込む方式を採用しているため、即席食品容器製造時における蓋体のヒートシール工程が省略される優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明の即席食品容器によれば、容器本体に溝や逆テーパ部などの複雑な形状が施されていないため、即席食品容器本体の製造コストの低廉が図れる優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明の即席食品容器によれば、アルミ箔などの金属成分が含まれない蓋体で形成できることから、金属探知器による検査の厳格化が図れる優れた効果を奏する。
【0028】
また、本発明の即席食品容器によれば、熱湯調理時に即席食品容器が転倒や傾いて熱湯やスープ、液状の調理素材などが漏れ出すことがないことから、生ラーメン、生うどん、蕎麦、焼きそば、スパゲッティ、カレーライス、シチュー、調理ご飯などが弁当仕出し店、ドライブイン、コンビニ、サービスエリアの飲食店などで店頭販売されるテイクアウト用やドライブスルー用の食品容器として利用できる優れた効果を奏する。
【0029】
また、本発明の即席食品容器によれば、蓋体の上側収納空間部にトレーディングカード、クジ袋、PRカード、キャラクターおもちゃ、試食品などを入れることにより、視覚的効果が高い宣伝広告手段が採れる優れた効果を奏する。
【0030】
また、本発明の即席食品容器によれば、使用後の再利用がなされるもので、例えば、植木鉢、貯金箱、小物入れ、コースター、ペン立て、簡易如雨露、簡易昆虫籠などに利用することができる優れた効果を奏する。
【0031】
また、本発明の即席食品容器によれば、蓋体のテーパ嵌合壁の外周面にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、容器本体の内壁面に熱接着することによって、封入性と、再封性と、密封性が得られる優れた効果を奏する。
【0032】
また、本発明の即席食品容器によれば、蓋体の鍔部下面の周縁にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、容器本体の鍔部の上面に熱接着することによって、封入性と、再封性と、密封性が得られる優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の即席食品容器における実施形態を示す説明図である。(実施例1)
【図2】本発明の即席食品容器における嵌合時の拡大説明図である。(実施例2)
【図3】本発明の即席食品容器における蓋体の詳細構造を示す模式的説明図である。(実施例3)
【図4】本発明の即席食品容器における蓋体の別の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
【図5】本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。(実施例5)
【図6】本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。(実施例6)
【図7】本発明の即席食品容器における食事時の使用手順を示す説明図である。(実施例7)
【図8】本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。(実施例8)
【図9】本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。(実施例9)
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の即席食品容器は、即席麺などの食材を収納するテーパ状に形成される容器本体と、該容器本体に嵌合して納められる蓋体と、該容器本体と、蓋体と、を包装するフィルム包装体と、で構成される即席食品容器であって、前記蓋体は、上端部に鍔部を形成すると共に、下方に向かってテーパ状に縮形される収納空間部を有する筒状のテーパ嵌合壁と、該テーパ嵌合壁の内壁面に形成される蓋天板と、該蓋天板の周縁近くに設けられる通気孔を塞ぐ密封シールと、で構成されて成り、前記蓋体を前記容器本体に嵌合させて押し込むことにより、包装時の前記即席食品容器内に収容されている食材の封入性と、熱湯調理時の前記容器本体と前記蓋体の再封性ならびに密封性を備える手段と、前記通気孔が、複数の湯切り用孔で形成される手段と、前記蓋体のテーパ嵌合壁の外周面にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、前記容器本体の内壁面に熱接着した手段と、前記蓋体の鍔部下面の周縁にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、前記容器本体の鍔部の上面に熱接着した手段を採ったことを最大の特徴とするもので、以下、実施例を図面を基に説明する。
【0035】
また、本実施例で示される即席食品容器の容器本体ならびに蓋体の形態は、下記に述べる実施例に特に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に逸脱しない範囲で任意に変更することができる。
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明の即席食品容器の蓋体における実施形態を示す説明図である。
図(a)は、包装時の全体斜視図を示し、図(b)は、分離時の全体斜視図を示す。
本発明の即席食品容器1は、即席麺などの食材Sを収納するテーパ状に形成される立て型の容器本体10と、該容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合して押し込まれる形状を有する蓋体20と、即席食品容器1全体を包装するフィルム包装体40とで構成される。
【0037】
容器本体10の素材は、紙を主体として紙/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレンを組み合わせた多層材料の素材で成型加工されている。
【0038】
図(c)は、分離時の切断端面図を示す。
容器本体10は、即席麺などの食材Sを収納する容積を有してテーパ状のカップ型に形成し、蓋体20によって嵌合されて押し込まれる形状を有する。
【0039】
図(d)は、合体時の拡大切断端面図を示す。
容器本体10のテーパ状の内壁面11には、図に示されるように、蓋体20のテーパ嵌合壁22が嵌合して押し込まれるため、容器本体10と蓋体20が食材Sを封入して密封する構造で形成されている。つまり、フィルム包装体40を開封する前は、フィルム包装体40の熱収縮力と、蓋体20のテーパ嵌合壁22が容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合されて押し込まれることで外方向に働く付勢力とで封入性が維持され、フィルム包装体40を開封した後は、蓋体20のテーパ嵌合壁22が、容器本体10のテーパ形状の内壁面11に嵌合されて押し込まれることで外方向に働く付勢力で密封性が維持され、その後、蓋体20のリクローズが自由にできるものである。
【0040】
蓋体20は、上端部21に鍔部29を形成すると共に、下方に縮径する筒状のテーパ嵌合壁22と、該テーパ嵌合壁22の内壁面23の内側に収納空間部24が設けられ、該収納空間部24は、上部収納空間部24aと下部収納空間部24bを仕切る蓋天板26と、で形成され、テーパ嵌合壁22の上部開口径22aが、容器本体10の上部開口径11aに対して大径に形成し、蓋天板26の周縁付近には、密封シール28で塞がれる通気孔27を設けて成り、蓋体20が、容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合して外方向に付勢することで、蓋体20と容器本体10を強固に密封する構造を有する。また、容器本体10の上端部12から大きく膨出しない状態で容器本体10の内側空間部25内に納まる構造を有するため、即席食品容器1全体の容積を上方に大きく突出することなく形成されると共に、従来の容器本体10内に熱湯を注ぐ調理空間である内側空間部25の有効利用が図れるものである。
【0041】
蓋体20の素材は、容器本体10の素材と同じく紙を主体として紙/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレンを組み合わせた多層材料で形成され、容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合して押し込むことができる寸法形状で形成されている。
【0042】
蓋体20の上端部21は、鍔部29を形成すると共に、容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合させて最大限に押し込んだ場合、その鍔部29が容器本体10の鍔部13と当接される形状を有する。
【0043】
テーパ嵌合壁22は、容器本体10の上部開口径11aに対して大径として下方に向かって縮径する筒状に形成され、容器本体10のテーパ形状の内壁面11に当接して嵌合される。さらに上方から力を加えて押し込むことで、蓋体20のテーパ嵌合壁22が容器本体10のテーパ状の内壁面11の外方向に向かって付勢力が発生することになり、最終的に蓋体20のテーパ嵌合壁22と容器本体10のテーパ状の内壁面11が密接に当接することによって、容器本体10内の食材Sが、蓋体20で封入されて密封されるものである。
【0044】
収納空間部24は、蓋体20の内壁面23の内側に形成されるもので、収納空間部24を仕切る蓋天板26が、蓋体20ならびにテーパ嵌合壁22の補強リブの役割を果たすことによって蓋体20自体の剛性を備える収納空間を形成している。
【0045】
上部収納空間部24aは、蓋体20の内壁面23の内側を蓋天板26で上部と下部に仕切ることによって形成される即席食品容器1の外観部に露出する上側の収納空間部で、販促宣伝カードHやキャラクターおもちゃなどの販促品が、容器本体10内に収まる形状を形成している。
【0046】
下部収納空間部24bは、蓋体20の内壁面23の内側を蓋天板26で上部と下部に仕切ることによって形成される即席食品容器1の内部に設けられる下側の収納空間部で、熱湯調理時に発生する湯気の滴受けとしてや、食事時の取り皿や小皿52として使用することができる形状を形成している。
【0047】
蓋天板26は、蓋体20のテーパ嵌合壁22の内壁面23の内側に形成される収納空間部24の上部と下部に仕切る天板である。
【0048】
通気孔27は、容器本体10に蓋体20を押し込む時の内側空間部25の空気抜きの孔であって、容器本体10に蓋体20を押し込む時は、密封シール28を半開きの状態に剥がして空気抜きを行い、調理時や食事時は、塞いだ状態で使用される。
【0049】
フィルム包装体40は、即席食品容器1全体を包装する透明なプラスチックフィルムで形成され、熱収縮性によって即席食品容器1全体をシュリンク包装するものである。また、容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合されて押し込まれた蓋体20を、フィルム自体の包装時の熱収縮力を利用して外部から押さえ込むもので、即席食品容器1内の食材Sの封入性を維持する役割も果たしている。
【実施例2】
【0050】
図2は、本発明の即席食品容器における嵌合時の拡大説明図である。
図(a)は、蓋体20が容器本体10に押し込まれる前の状態を示す。
蓋体20の下部開口径22bは、容器本体10の上部開口径11aより小径で形成され、他方、蓋体20の上部開口径22aは、容器本体10の上部開口径11aより大径で形成されているため、蓋体20の下部開口径22bは、容器本体10の上部開口径11a内に嵌め込むことができる。
【0051】
所要寸法の一例を挙げると、容器本体10は、高さ110mm、上部開口径11a(内寸)89mm、下部開口径11b(内寸)65mm、厚さ1mmで形成される。また、蓋体20は、高さ20〜25mm、上部開口径22a(外寸)89mm(+1〜2mm)、下部開口径22b(外寸)略85mm(+1〜2mm)、厚さ1mmで容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合して押し込むことができる寸法形状で形成される。
【0052】
図(b)は、蓋体20を容器本体10に押し込んで嵌合している状態を示す。
蓋体20のテーパ嵌合壁22が、容器本体10の内壁面11に沿って嵌合しながら降下していき、蓋体20の上部開口径22aと容器本体10の上部開口径11aの開口径が一致した位置で停止する。(通常の嵌合状態)
【0053】
図(c)は、蓋体20を容器本体10にさらに押し込んで外方向に付勢している状態を示す。
上記の嵌合状態から、さらに蓋体20の上方から力を加えて蓋体20を容器本体10内に押し込むと、蓋体20のテーパ嵌合壁22が、外方向の容器本体10の内壁面11に付勢して蓋体20と容器本体10を強固に密封するものである。
【0054】
その強固に密封される状態を本発明の各部の呼称と対応させて説明すると、従来の嵌合部を有する冠着型の即席食品容器1は、蓋体20の上端部21の上部開口径22aが、容器本体10の上端部12の上部開口径11aに対して開口径を同一または小径として嵌合している。さらに蓋体20の上端部21の鍔部29が容器本体10の上端部12の鍔部13に被冠していることで、蓋体20が、下方に降下して嵌合度合いを強める動きを制限していることから、蓋体20と容器本体10の嵌合状態は、常に互いの嵌合面が隙間を有して当接し、鍔部13,29同士で係止若しくは被冠している状態に過ぎないものであって、従来の嵌合部を有する冠着型の即席食品容器の多くは本構造を採用している。
【0055】
それに対して本発明の即席食品容器1は、蓋体20の上端部21の上部開口径22aが、容器本体10の上端部12の上部開口径11aに対して開口径を大径として嵌合しているもので、蓋体20の上端部21の鍔部29が、容器本体10の上端部12の鍔部13の上方に位置して下方に押し込む余地をテーパ嵌合壁22の上方に残していることから、蓋体20を容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合している状態からさらに下方に押し込むことができるため、蓋体20のテーパ嵌合壁22が、外方向(容器本体の方向)に付勢して容器本体10の内壁面11に隙間がない状態で強固に密封することができるものであって、本発明の蓋体20の嵌合・押込み構造は、冠着型の被冠ならびに嵌合構造や、従来のイージーヒール型の開封構造とは、大きく構造を異にして形成されるものである。
【実施例3】
【0056】
図3は、本発明の即席食品容器における蓋体の詳細構造を示す模式的説明図である。
図(a)は、蓋体20が紙を主体とする素材を使用した状態を示す切断端面図を示す。
蓋体20の素材は、容器本体10の素材と同じく紙を主体として紙/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレンを組み合わせた多層材料で貼り合わされて形成され、容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合して押し込むことができる寸法形状で形成されている。構造的には、容器本体10と同様な製造工程を経て製造されることから、製造時のコストダウンが図られ、テーパ嵌合壁22の内壁面23内の収納空間部24に蓋天板26が形成されていることから剛性的にも嵌合して押し込む強度に耐えられるものである。
【0057】
図(b)は、蓋体20が合成樹脂素材を使用した状態を示す切断端面図を示す。
蓋体20の素材は、プラスチック合成樹脂による単層材料で形成され、容器本体10のテーパ状の内壁面11に嵌合して押し込むことができる寸法形状で形成されている。構造的には、射出成型で一体的に成型され、大量生産を可能にすることから、製造時のコストダウンが図られ、剛性的にも嵌合して押し込む強度に耐えられるものであるが、合成樹脂素材を使用していることから資源の有効活用が図れないため、本発明における参考実施例として記述するに留める。
【実施例4】
【0058】
図4は、本発明の即席食品容器における蓋体の別の実施形態を示す説明図である。
図(a)は、収納空間部24を仕切る蓋天板26を上端部21付近に設けた状態を示す切断端面図を示す。
上部収納空間部24aの収容容積を小さく取り、下部収納空間部24bの収容容積を大きく取ったもので、上部収納空間部24aには、比較的形状が薄い販促宣伝カードHや、トレーディングカードなどの販促景品Kが納められ、下部収納空間部24bは、底の深い取り皿や小皿52として使用することができる。
【0059】
図(b)は、収納空間部24を仕切る蓋天板26を中間部付近に設けた状態を示す切断端面図を示す。
上部収納空間部24aと、下部収納空間部24bの収容容積を同じくしたもので、上部収納空間部24aには、キャラクターおもちゃなどの販促景品Kが納められ、下部収納空間部24bは、取り皿や小皿52として使用することができる。
【0060】
図(c)は、収納空間部24を仕切る蓋天板26を上端部21に設けた状態を示す切断端面図を示す。
下部収納空間部24bの収容容積を大きく取って上端面を平坦にしたもので、即席食品容器1自体を外観上スタンダードな形状とするもので、従来の即席食品容器と略外形形状を同じくするものである。
【実施例5】
【0061】
図5は、本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。
図(a)は、即席食品容器1を構成する容器本体10と蓋体20を示す全体斜視図である。
本発明の即席食品容器1は、ヒートシールラッカー41を蓋体20のテーパ嵌合壁22の外周面に帯状に塗布し、ヒートシール加工を施して容器本体10の内壁面11に熱接着した構造で形成されている。尚、ヒートシールラッカーが塗布される面は、当接される容器本体10と蓋体20の両方または何れかの面に塗布することを特に指定するものではない。
【0062】
図(b)は、即席食品容器1を構成する容器本体10と蓋体20の塞蓋状態示す切断端面図である。
前述(段落55)で説明したように、蓋体20のテーパ嵌合壁22が、外方向(容器本体の方向)に付勢して容器本体10の内壁面11に隙間がない状態で密着している状態から、さらにヒートシールラッカー41をテーパ嵌合壁22の外周面に帯状に塗布し、容器本体10と蓋体20とをヒートシール加工によって密閉する手段を採ることで、外部との空気を完全に遮断することにより、食材Sの酸化による劣化を防ぐことができるものであり、請求項1記載の実施形態より増して容器本体10と蓋体20の封入性と再封性が得られるものである。
【0063】
また、開封時ならびに再封時は、片方の手で容器本体10を掴み、もう片方の手で蓋体20を掴んで捩じ上げたり、捩じ込んだりすることによって容器本体10と蓋体20を容易に分離したり、再入したりすることができるもので、嵌合と押し込みによってある一定の封入性と密封性が維持されているため、外部との空気を遮断することを目的とするヒートシールの粘着性は、従来のような粘着面積や粘着強度を特に必要としない。
【0064】
さらに、蓋体20の鍔部29の周縁に凹凸部を設けたり、容器本体10の鍔部13に対して蓋体20の鍔部29の外形をやや大きくしたりして捩じり易くする構造を採ることもできる。
【実施例6】
【0065】
図6は、本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。
図(a)は、即席食品容器1を構成する容器本体10と蓋体20を示す全体斜視図である。
本発明の即席食品容器1は、ヒートシールラッカー41を蓋体20の鍔部29の下面の周縁に帯状に塗布し、ヒートシール加工を施して容器本体10の鍔部13の上面に熱接着した構造で形成されている。尚、ヒートシールラッカーが塗布される面は、当接される容器本体10と蓋体20の両方または何れかの面に塗布することを特に指定するものではない。
【0066】
図(b)は、即席食品容器1を構成する容器本体10と蓋体20の塞蓋状態示す切断端面図である。
前述(段落55)で説明したように、蓋体20のテーパ嵌合壁22が、外方向(容器本体の方向)に付勢して容器本体10の内壁面11に適度に嵌合している状態において、容器本体10の鍔部13と、蓋体20の鍔部29にヒートシールラッカー41を塗布することで外部との空気を完全に遮断すると共に、食材Sの酸化による劣化を防ぐことができるものであり、請求項1記載の実施形態より増して容器本体10と蓋体20の封入性と再封性が得られるものである。
【0067】
また、開封時ならびに再封時は、片方の手で容器本体10を掴み、もう片方の手で蓋体20を掴んで捩じ上げたり、捩じ込んだりすることによって容器本体10と蓋体20を容易に分離したり、再入したりすることができるもので、嵌合と押し込みによってある一定の封入性と密封性が維持されているため、外部との空気を遮断することを目的とするヒートシールの粘着性は、従来のような粘着面積や粘着強度を特に必要としない。
【0068】
また、蓋体20の鍔部29の周縁に凹凸部を設けたり、容器本体10の鍔部13に対して蓋体20の鍔部29の外形をやや大きくしたりして捩じり易くする構造を採ることもできる。
【0069】
また、容器本体10の鍔部13の上面と、蓋体20の鍔部29の下面が熱溶着で当接されることから、蓋体20の上部開口径22aと下部開口径22bの寸法は、請求項1から請求項3の寸法と比較してやや小さく形成されるもので、容器本体10の鍔部13の上面と、蓋体20の鍔部29の下面が当接される寸法形状ならびに寸法公差が優先されて設計されるものであるが、容器本体10に蓋体20を嵌合し、押し込んだ状態でヒートシール加工する場合は、差程厳格な寸法公差は要求されない。
【0070】
本実施例の即席食品容器1は、紙を主体とした多層材料で形成され、さらに剛性を備える蓋体20で構成される食品容器であることから、従来の捲れ易いイージーヒール型の即席食品容器が抱える多くの問題点を一挙に解決することができるものである。
【0071】
以上のように、実施例5ならびに実施例6における密封性を目的として熱接着されるヒートシール手段を、蓋体20の脱落防止を目的とするスポット熱接着とする手段とすることで、嵌合による容器本体10と蓋体20の嵌め合い状態を確実に確保できる手段とすることもできる。
【実施例7】
【0072】
図7は、本発明の即席食品容器における食事時の使用手順を示す説明図である。
(1)即席食品容器を準備する。
食材Sが収納された容器本体10に蓋体20を被せ、該蓋体20の上部収納部24に景品Kを収納し、フィルム包装体40でシュリンク包装した販売商品である。蓋体20は、蓋体20の上からフィルム包装体40でシュリンク包装されているため、容器本体10の嵌合状態を維持し、且つ離脱することなく封入されている。
(2)蓋体を開ける。
フィルム包装体40を開封し、販促景品Kを取り出し、容器本体10から蓋体20を開ける。
(3)熱湯を注ぐ。
即席食品容器1の食材Sが熱湯調理される指定位置まで熱湯を注ぐ。
(4)蓋体を閉じる。
蓋体20の通気孔27を塞ぐ密封シール28を半開きの状態にして蓋体20で容器本体10を塞ぐ。(容器本体10の内側空間部25の空気抜きを行なう)
(5)熱湯調理する。
蓋体20の通気孔27を密封シール28で塞ぎ、指定の熱湯調理時間で調理する。蓋体20の再封性と密封性によって熱湯調理中に即席食品容器1を倒した場合においても手や足にヤケドを負うことがない。
(6)蓋体を開ける。
片方の手で容器本体10を掴み、もう片方の手で蓋体20を掴んで捩じ上げるように開けると開けやすい。
(7)食材を食する。
熱湯調理された食材Sを容器本体10から直接食する場合、蓋体20を取り皿や小皿52として利用することで口や舌にヤケドを負うことがない。
(8)リサイクル利用する。(その1)
食事が終了したら容器本体10と蓋体20を洗って卓上の植木鉢50としてリサイクル利用するもので、容器本体10の底部に円形の切り込みを入れ、その切込みを突き破って水抜き穴とし、容器本体10に土と草花を植え込み、蓋体20を水受け皿として使用する。
(9)リサイクル利用する。(その2)
食事が終了したら容器本体10と蓋体20を洗って貯金箱51としてリサイクル利用するもので、蓋体20の中央にコイン状の矩形の切り込みを入れ、その切込みを突き破ってコイン投入口とし、容器本体10と蓋体20とをセロハンテープで封着して使用する。
【0073】
上記の(8)、(9)のように即席食品容器1のリサイクル利用を図る上で、容器本体10に印刷されるこれまでの商品ロゴRや注意書きは、容器本体10をロール状に覆う紙体または透明のフィルム包装体40に印刷されることが望ましく、従来の即席食品容器1の使用寿命に対して、今後はリサイクルにおける有効利用寿命を考慮した即席食品容器1の印刷手段が望まれるものである。例えば、容器本体10をパステルカラーに着色したり、シンプルなロゴデザインを施すことで消費者の嗜好にあったデザインや色彩を取り入れることにより、結果的に長く使用され認知されることになり、目先の宣伝効果に捉われることなく愛着を持たれながら長期間に亘って宣伝することができるものである。
【実施例8】
【0074】
図8は、本発明の即席食品容器における別の実施形態を示す説明図である。
図(a)は、密封シール31を剥がした状態図を示し、図(b)は、湯切り時の状態図を示す。
焼きソバ、スパゲッティ、生めんなどの湯切り調理する時の密封シール31と湯切り用孔30を設けた即席食品容器1として使用するもので、蓋体20の設けられる湯切り用孔30は、請求項1記載の通気孔27と兼用されるものである。
【実施例9】
【0075】
図9は、本発明の食品容器における別の実施形態を示す説明図である。
図(a)は、即席食品容器1が、テイクアウト用のフィルム包装体40で簡易包装された全体図を示す。
生ラーメン、生うどん、蕎麦、焼きそば、スパゲッティ、カレーライス、シチュー、調理ご飯などが弁当仕出し店、ドライブイン、コンビニ、サービスエリアの飲食店などで店頭販売されるテイクアウト用の食品容器60としてドライブ中や車両内で利用することができるものである。また、即席食品容器1をフィルム包装体40で簡易パウチ包装することによって封入性ならびに密封性が維持されるため、店頭販売でのテイクアウト用の食品容器60として食材Sを溢すことなく安全に引き渡すことができるものである。
【0076】
図(b)は、即席食品容器1がテーパ形状の四角形体で形成された全体図を示す。
即席焼きそば、即席スパゲッティなど湯切りを必要とするテイクアウト用の角型の食品容器60としてドライブ中や車両内で利用できるものである。
【0077】
図(c)は、食品容器1がテーパ形状のどんぶり型で形成された全体図を示す。
生ラーメン、生うどん、蕎麦、焼きそば、スパゲッティ、カレーライス、シチュー、牛丼、カツ丼、うな丼、どんぶり定食、おでんなどあらゆる料理(特に水分を多く含んだ料理)のテイクアウト用のどんぶり型の食品容器60として利用できるものである。
【0078】
図(d)、図(e)は、食品容器1がテーパ形状の弁当型で形成された全体図を示す。
弁当、駅弁、寿司、惣菜などの食品容器60として利用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の即席食品容器は、嵌合式の即席食品容器の蓋体内に収納空間部を設けることによって、包装時の食品容器内に収容されている食材の封入性と、熱湯調理時の容器本体と蓋体の再封性と、密封性を備える構造と、食品容器の使用後のリサイクル利用を可能とする構造と、販売時の広告宣伝効果が得られる構造を備える即席食品容器であると共に、テイクアウト用やドライブスルー用の食品容器として利用できることから、本発明における即席食品容器の産業上の利用可能性は大とするものと解する。
【符号の説明】
【0080】
1 即席食品容器
10 容器本体
11 内壁面
11a上部開口径
11b下部開口径
12 上端部
13 鍔部
20 蓋体
21 上端部
22 テーパ嵌合壁
22a上部開口径
22b下部開口径
23 内壁面
24 収納空間部
24a上部収納空間部
24b下部収納空間部
25 内側空間部
26 蓋天板
27 通気孔
28 密封シール
29 鍔部
30 湯切り用孔
31 密封シール
40 フィルム包装体
41 ヒートシールラッカー
50 植木鉢
51 貯金箱
52 取り皿、小皿
60 食品容器
S 食材
K 販促景品
H 販促宣伝カード
R 商品ロゴ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
即席麺などの食材を収納するテーパ状に形成される容器本体と、
該容器本体に嵌合して納められる蓋体と、
該容器本体と、蓋体と、を包装するフィルム包装体と、
で構成される即席食品容器であって、
前記蓋体は、上端部に鍔部を形成すると共に、
下方に向かってテーパ状に縮形する収納空間部を有する筒状のテーパ嵌合壁と、
該テーパ嵌合壁の内壁面に形成される蓋天板と、
該蓋天板の周縁近くに設けられる通気孔を塞ぐ密封シールと、
で構成されて成り、
前記蓋体を前記容器本体に嵌合させて押し込むことにより、
包装時の前記即席食品容器内に収容されている食材の封入性と、
熱湯調理時の前記容器本体と前記蓋体の再封性ならびに密封性と、
を備えることを特徴とする即席食品容器。
【請求項2】
前記通気孔が、複数の湯切り用孔で形成されることを特徴とする請求項1記載の即席食品容器。
【請求項3】
前記蓋体のテーパ嵌合壁の外周面にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、
前記容器本体の内壁面に熱接着したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の即席食品容器。
【請求項4】
前記蓋体の鍔部下面の周縁にヒートシールラッカーを帯状に塗布し、
前記容器本体の鍔部の上面に熱接着したことを特徴とする請求項1または請求項2の記載の即席食品容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−46450(P2011−46450A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−273546(P2010−273546)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(597116252)
【Fターム(参考)】