卵のひび割れ検出
卵を搬送する搬送装置が、搬送方向を横断して延びるローラを設けられているエンドレスコンベヤを備える。ローラは対で配置され、且つローラの各対は、卵が両方のローラ上に載るように収容される収容スペースを形成する。搬送装置は、卵をトレーからピックアップしてコンベヤ上に配置する複数のピックアップ要素を設けられている移送装置をさらに備える。移送装置上のピックアップ要素は、搬送方向で見た場合、トレー上の個々の卵間の距離に対応する距離に互いに離れて位置する第1の位置と、2つの収容スペースの中心間距離に対応する第2の位置との間を移動することができる。使用時に、ローラは回転状態にされ、その結果、当該ローラ上に載っている卵が回転状態にされ、これは、コンベヤ上の卵の亀裂を検査する必要がある場合に有利である。この場合、固定位置に順次配置される複数のレーザによって、レーザビームが卵の移動中に卵に向けられ、卵の表面の光透過率が光学的観察手段によって観察される。データ処理手段が、観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有しているか否かを判定するように設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひび割れを有する卵の検出に関する。卵の選別の際、漏れを生じている卵、いわゆるひび割れ卵は、機械の汚れ及び他の卵の汚れを引き起こす。したがって、これらのひび割れ卵は、他の卵を汚さずに、可能な限り早期段階で検出する必要がある。したがって、漏れを生じている卵を検出及び除去するシステムは、2つの関連する態様(検出前に汚れを防止すると共に破損した卵を除去すること、及び破損した卵自体を検出すること)を有する。
【0002】
本発明は、第1の態様によれば、卵を搬送する搬送装置に関し、当該搬送装置は、搬送方向を横断して延びる複数のローラを設けられているエンドレスコンベヤを備え、前記ローラは中央間距離をもって互いに離れて配置されて前記ローラ間に収容スペースを形成し、使用時に卵が両方のローラ上に載るように収容スペースに収容され、前記両方のローラは回転可能に取り付けられかつ使用時には回転中のローラ上に1つの卵が載っている状態を得るように駆動することができ、前記搬送装置は、卵をトレーからピックアップして前記コンベヤ上に配置する複数のピックアップ要素を設けられている移送装置をさらに備える。
【背景技術】
【0003】
そのような搬送装置が既知である。既知の装置の場合、卵は、移送装置によって厚紙トレーからピックアップされ、次いで、機械、例えば選別機のコンベヤ上に配置される。装置はいくつかのピックアップ要素、例えば吸盤を有し、当該ピックアップ要素は、対応のチャネルによって、圧力が同じ空間にそれぞれ接続されており、当該空間には、真空ポンプによって真空を適用することができる。移送装置は、複数の列の卵をトレーから吸盤によって1つずつピックアップし、次いで、当該卵を搬送装置のコンベヤ上に配置する。既知の搬送装置におけるコンベヤの収容スペースは、2つの連続したローラによって形成されており、各ローラが2つの収容スペースの境界を定めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送方向の2つの収容スペースの中心間距離は、トレー上の2つの卵の中心間距離に概ね対応する。2つの卵がほぼ各ローラに載るため、1つの卵が割れるか又は亀裂を生じる場合、その卵の中身が回転中のローラによって1つの卵から他の卵へと伝わって行くおそれがある。破損した卵の中身によるこの汚損の結果、コンベヤ及び当該コンベヤ上の卵が急速に汚損されるため、これは望ましくない。
【0005】
本発明の目的は、汚損問題を解消する、改良した搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は本発明によれば、請求項1のプリアンブルに記載の搬送装置によって達成される。当該搬送装置において、ローラは対で配置され、且つ各収容スペースは一対のローラによって形成され、移送装置上のピックアップ要素は、搬送方向で見た場合、該ピックアップ要素がトレー上の個々の卵間の距離に対応する距離に互いに離れて位置する第1の位置と、搬送方向で見た場合、コンベヤ上の2つの収容スペースの中心間距離に対応する第2の位置との間を移動することができることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、連続した収容スペースは、一対の連続したローラによって形成される収容スペースとして画定され、この場合、各ローラは、従来技術から既知である搬送装置とは異なり、一対のローラのみに属するため、1つのみの卵が一般的に各ローラ上に載り、汚損の影響が防止される。この構造は、2つの収容スペースの中心間距離が、従来技術から既知である搬送装置の2つの収容スペースの中心間距離よりも長いことを意味する。これは、トレー上の2つの卵の中心間距離と、2つの収容スペースの中心間距離とがもはや対応しないことを意味する。本発明による搬送装置における移送装置によって、卵は、トレーからピックアップされた後に、コンベヤの収容スペースの相互位置に対応する距離に互いに離れるまで個別に移動する。次いで、卵は、移送装置によって、移動中のコンベヤ上の所定の収容スペースに載置される。
【0008】
本発明によれば、コンベヤ上の卵用の収容スペースが、より長い距離に互いに離れているため、同じ搬送能力を達成するために、コンベヤをより速く走行させることが望ましい。使用するコンベヤは、好ましくは、上述の従来技術によるコンベヤにおいて使用されているものと同じコンベヤであり、これは既に入手可能である。この場合、次いで、卵は常に一列の収容スペースに配置され、コンベヤに元から存在している後続の列の収容スペースは空のままである。同じ搬送能力を達成するために、このコンベヤは、全ての列が満たされている場合よりも2倍の速さで移動する必要があるであろう。この解決策に付随して起こり得る問題は、移送装置が、収容スペースの(搬送方向の)中間に正確に卵を配置しないことである。卵は直立位置に載置されるため、卵がローラを越えて反転し、汚損を回避するために空けておく必要がある収容スペースの誤った位置に入る可能性がある。この理由のために、本発明の好ましい実施の形態によれば、二対のローラ間のスペースにそれぞれ位置決めされるか又は位置決めされることができるブロッキング要素が、当該スペースに卵が誤って位置することを阻止するために設けられる。この解決策は、述べたような既知のコンベヤの場合だけでなく、対のローラがより近くに共に配置されているコンベヤの場合にも作用する。
【0009】
さらに好ましい実施の形態が従属請求項3〜12及び請求項20に記載される。
【0010】
本発明の別の態様は、卵の亀裂の検査に関する。特にこの態様は、卵の亀裂を検査する検査装置に関し、当該検査装置は、卵をレーザビームに露光させるレーザ装置と、卵による光透過率を観察する光学的観察手段と、観察手段によって観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有するか否かの判断を表わす判定信号を発信するようになっているデータ処理手段と、また、卵をレーザ装置及び観察手段に通して搬送する搬送手段であって、搬送中に卵を回転させるようにさらに適合されている、搬送手段とを備える。
【0011】
本出願人名義のオランダ特許第7701472号が、卵をローラによってコンベヤ上で回転させる装置を開示している。さらに、環状ミラー及び回転プリズムによって、レーザビームが、卵の回転方向に垂直である軸を中心に卵の周囲に回転する。このようにして、卵の表面がレーザビームによって十分に走査される。既知の装置も光検出器を有する。レーザ光の一部が卵殻を透過して、卵の内部で均一に分散され、その結果、卵から光が出る。この光の一部が光検出器に入る。レーザビームが亀裂に達すると、亀裂のためにレーザ光のより多くの部分が殻を貫通して卵に入る。この結果として、光検出器は、卵から分散された光のより多くの光強度を検出し、これに基づいて、卵が亀裂を含んでいることを立証することができる。
【0012】
本目的は、上述のタイプの改良した検査装置を提供することである。
【0013】
本目的は、本発明の本態様によれば、請求項13のプリアンブルに記載の検査装置によって達成される。当該装置は、卵を搬送装置によって移動している間に固定レーザビームに当該卵を順次露光させるために、搬送方向において固定位置に順次配置される複数のレーザを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、この解決策の場合、レーザビームは卵の任意の箇所に向けられる。したがって、従来技術の場合のように卵の表面は走査されない。好ましくは少なくとも1つのカメラを含む観察手段が、卵がレーザに通されて搬送されている間に回転するため、卵の表面全体を観察する。卵殻を貫通して卵に入るレーザ光は卵内で分散し、卵殻を貫通して再び出る。卵が亀裂を有している場合、より多くの光がその箇所から出て、これを観察手段が観察する。これに基づいて、卵が亀裂を生じているか又は破損していることを立証することができる。カメラの代わりに、複数の光電素子を有する観察手段を使用することもでき、当該複数の光電素子によって、卵の表面の様々な部分の光強度を互いに比較することができる。
【0015】
レーザは、レーザの前方に卵があるとスイッチが入り、卵が通過し終わると再びスイッチが切れる。レーザビームがコンベヤの開口に入って観察手段に直接当たり、当該観察手段を観察不能にすることを防止するために、レーザのスイッチを切ることが必要である。
【0016】
検査装置は、好ましくは、卵が2つのローラ間の収容スペース内に存在しているか否かを検出する検出手段を備え、当該検出手段はレーザ用の制御装置に接続されており、当該制御装置は、卵を収容している収容スペースが特定のレーザを通過しているときに、検出手段による卵の検出に応じてレーザのスイッチを連続して入れるように、且つ収容スペースが、関係するレーザを通過し終わったときに、当該レーザのスイッチを再び切るように設けられる。
【0017】
本発明の第2の態様による検査装置には、有利には、本発明の第1の態様による搬送装置が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の態様による搬送装置の側面図である。
【図2】図1に示す装置の詳細を示す図である。
【図3】ブロッキング手段を設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の好ましい実施形態の詳細を示す図である。
【図4】ブロッキング手段を設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の別の好ましい実施形態の概略図である。
【図5】図4の装置の詳細を示す図である。
【図6】図4の原理に従って動作する搬送装置用のブロッキング手段を有するブロッキング装置の側面図である。
【図7】図6のブロッキング装置用のブロッキングリップを設けられているフレームの斜視図である。
【図8】図7のフレームの側面図である。
【図9】ブロッキング手段を設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置のさらに別の好ましい実施形態を示す図である。
【図10】図9の装置の詳細を示す図である。
【図11】本発明の第2の態様による検査装置の好ましい実施形態の側面図である。
【図12】図11の検査装置の断面図である。
【図13a】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図13b】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図13c】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図14a】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の別の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図14b】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の別の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図15】本発明の第2の態様による検査装置の別の好ましい実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0020】
図1は、卵5を搬送する搬送装置1を概略的に示している。搬送装置1は、搬送方向を横断して延びるローラ3を設けられているエンドレスコンベヤ2を備える。ローラ3は、チェーン4によって互いに接続されている。ローラ3は、好ましくは、同一の形状及び寸法である。概して、コンベヤ2は、横方向に互いに隣り合って配置される複数(例えば6又は6の倍数)のローラ3の列を有する。ローラ3の列は、チェーンによって互いに接続される。ローラ3は、当該ローラが、図2において明白に分かるように、卵5が使用時に両方のローラ3上に載るように収容される収容スペース7を当該ローラ間に形成するような、搬送方向(矢印6によって示す)の中心間距離d4に配置される。ローラ3は対で配置され、各収容スペース7は、一対の同一のローラ3によって形成される。本発明によれば、汚損を防止するために、二対のローラ間のスペース8には卵を配置せず、当該スペース8は、示されている場合では、収容スペース7と同じサイズである。ローラ3は、回転可能に取り付けられ、且つ卵から離れて面している側では支持面9に対して作用し、それによって、コンベヤ2の移動を通じてローラ3が回転し、且つ使用時には卵5が、回転中の当該ローラ上に摩擦接触によって載っている状態にする。ローラ3は、別の方法で回転状態にすることもできる。
【0021】
1つ又は複数のブラシ30(図1を参照)が、損傷した卵、又はローラ3からの他の汚れを除去するために、コンベヤ2のリターンサイド(return side:逆走行側)に設けられる。
【0022】
搬送装置1は、卵5をトレー12からピックアップしてコンベヤ2上に配置する、吸盤11の形態の複数のピックアップ要素を設けられている移送装置10をさらに備える。少なくとも卵をトレー12から取ってコンベヤ2上に配置する領域では、コンベヤ2は実質的に水平方向に延びる。吸盤11は、トレー12上の卵5に対して上部に配置されており、次いで、真空空間(図示せず)から真空が周囲に対して吸盤11に適用され、その結果、卵5が吸盤11に吸い上げられる。これによって、卵5をトレー12から持ち上げてコンベヤ2へ移動させるのに十分な保持力が提供される。卵5を解放するために、例えば周囲から、制御可能な弁(図示せず)を通じて空気を入れることによって、真空空間の真空が除去される。
【0023】
吸盤11は、第1の位置(図1の右に示す)を移送装置10上に有し、当該第1の位置では、当該吸盤11が、搬送方向6で見た場合、トレー12上の卵5間の距離に対応する距離dに互いに離れて位置決めされる。卵5をピックアップした後、移送装置上の吸盤11は、第2の位置(図1の左に示す)に移動することができ、当該第2の位置では、当該吸盤が、コンベヤ2上の2つの収容スペース7の中心間距離に対応する距離d3に互いに離れて位置決めされる。示されている場合では、スペース8はローラの対間が空いたままであり、且つ一対のローラの収容スペース7は同じサイズであり、それによって、搬送方向6から見た場合、吸盤11間の距離が、2つのローラ3の中心間距離d4の2倍に対応する。
【0024】
卵5は直立位置に載置され、したがって安定していないため、当該卵がローラ3を越えて反転し、汚損を防止するために空けておく必要があるスペース8に誤って着地する可能性がある。この理由のために、卵5が移送装置10によってコンベヤ2上に配置されているときに二対のローラ間のスペースにそれぞれ位置決めされているブロッキング要素が、これらのスペース8に卵5が誤って配置されることを阻止するために設けられることが好ましい。
【0025】
図3は、搬送方向6から見た場合、一対のローラのうちの後方のローラ3bと、真後ろに位置する一対のローラのうちの前方のローラ3aとを、接続要素13によって互いに接続する方法を示す。上方突出部材14を接続要素13上に設ける。ブロッキングバー15等を上方突出部材14上に固定することができ、当該ブロッキングバー等は、コンベヤ2の横断方向にローラ3間のスペースへ延びる。
【0026】
図4及び図5は、別の好ましい実施形態を例示しており、当該実施形態では、ブロッキングピン17又は他のブロッキング要素がコンベヤチェーン16又は別のエンドレス循環要素に設けられ、当該ブロッキング要素は、チェーン16に実質的に垂直方向に延びる。チェーン16は、コンベヤ2の搬送方向6に、移送装置10によってコンベヤ2上に1つずつ順次配置される複数の卵5に少なくとも対応する長さに沿って延びる。動作中、チェーン16は、コンベヤ2と同じ速度で走行する。チェーン16とコンベヤ2とが同期して走行するため、この実施形態におけるブロッキングピン17は、下側から二対のローラ間のスペース8にそれぞれ挿入されることができる。
【0027】
図6〜図8は、ブロッキング装置の好ましい実施形態をさらに詳細に示している。図7は、5枚の細長い板71が互いに平行に装着されているフレーム70を示す。細長い板71の上側には、6つのブロッキングリップ72が設けられる。示されている実施形態では、2つの板が常に横方向に互いに隣り合って配置され、それによって、12個のブロッキングリップ72が、したがって、12列を有するコンベヤ2と共に使用されるために互いに隣り合って配置される。フレーム70は、2本のクロスバー73及び74をそれぞれ有し、当該クロスバーは、複数の長手方向ストリップ75によって接続されている。ブロッキングリップ72を有する細長い板71は、上部から、長手方向ストリップ75内の収容スリット76内に押入され(図8を参照)、ばね等を設けられて、中央に配置されている締め付け機構77によってスリット76内で保持される。ブロッキングリップ72を有する細長い板71は、締め付け機構77を解放することによって、清掃のためにフレーム70から取り外すことができる。
【0028】
図6は、6つのフレーム70を有するブロッキング装置を示しており、当該フレームは、チェーンによって互いに接続されている。フレーム70は、いわゆる数珠状(連続移動)システムの周囲を搬送される。循環中、ここではフレーム70は水平に保たれ、ブロッキングリップ72は鉛直方向に上方に向けられて保たれる。フレーム70は、数珠状システムによってその周囲に搬送されるため、ブロッキングリップ72は、低部からローラ3間のスペース8へ概ね真っ直ぐに挿入され、複数の当該ローラが例示の目的のために点線で示されている。上方移動中(図6の右側)、フレーム70の一端はチェーンホイール(chain wheel:スプロケット)78によって駆動され、フレーム70の他端はガイドトラック80によって案内される。下方移動中、各フレーム70の一端はチェーンホイール79によって、他端は、半径方向に延びるベーン82を有する回転サポート要素81によって駆動される。
【0029】
図9及び図10は、さらに別の好ましい実施形態を概略的に示しており、当該実施形態では、ブロッキングバー19を有するチェーン18又は別のエンドレス循環要素がコンベヤ2の上方に装着されている。チェーン18は、コンベヤ2の搬送方向6に、移送手段10によってコンベヤ2上に1つずつ順次配置される複数の卵5に少なくとも対応する長さに沿って延びる。動作中、ブロッキングバー19を有するチェーン18は、コンベヤ2と同期して走行する。ブロッキングバー19は、空けておく必要がある、ローラの対間のスペース8の上方をチェーンと共に走行するか、又はコンベヤ2の上側から当該スペースに挿入され、その場合、当該スペース8を仕切る。卵5が収容スペース7に載置されているときに吸盤11を通すために、平行するブロッキングバー19間に経路20が設けられる。
【0030】
図13及び図14は、代替的な実施形態を概略的に示しており、当該実施形態では、光電セル130又は別の適した検出手段がコンベヤ2の上方に配置される。収容スペース7と、ローラの対間に位置するスペース8とを有するローラ3の対は、光電セル130を通過し、当該光電セルは、卵5が収容スペース7に存在しているか否か、又は卵5が当該スペースの前方のスペース8に存在しているか若しくは後方のスペース8に存在しているかを検出する。誤って配置されている卵5を、その位置に応じて、二対のローラ間のスペース8から前方又は後方の正しい収容スペース7に移動させるために、光電セル130は、制御装置131によって移動手段に接続されることが好ましい。
【0031】
図13に示す実施形態では、装置は、搬送方向に前後に位置する2つの移動要素を有し、当該移動要素はそれぞれ、突き出し要素132及び133の形態であり、当該突き出し要素は、2つのローラ3間の底部から移動することができ、且つそうする際に、スペース8に存在している卵5を上方に押し上げることができる。図13aに示されているように、コンベヤ2の搬送方向6で見た場合、前方の押し出し要素132は、後方に傾いている変位面132aを有し、当該変位面によって、誤って位置している卵5がその後方のローラ3を越えて、適当な収容スペース7へ落ちる。図13bに示されているように、搬送方向6で見た場合、後方の突き出し要素133は、前方に傾いている変位面133aを有し、当該変位面によって、誤って位置している卵5がその前方のローラ3を越えて、適当な収容スペース7へ落ちる。突き出し要素132、133は、制御装置131によって個々に動作することができる。代替形態として、図13cに示すように、突き出し要素132、133は互いに物理的に接続されており、したがって、制御装置131によって同時に動作することも考えられる。突き出し要素132及び133はそれぞれ、ローラ3の上方に配置することもでき、この場合、これらの突き出し要素は、卵が誤った位置にあるときに下方に移動する。
【0032】
図13による装置は、以下のように作用する:
図13aに示すように、光電セル130が、コンベヤ2上の卵5が入っている収容スペース7を検出し、次いで、後続のスペース8内の卵5の存在を検出する場合、制御装置131は、後者の卵5が(本来あるべき地点より)1つ前にあることを立証することができる。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って満たされているスペース8が前方の突き出し要素132を通過するときに、この突き出し要素132に制御信号を送信し、それによって、卵5がローラ3を越えて、当該スペースの後方に位置する収容スペース7へ落ちる。
【0033】
図13bに示すように、光電セル130が、2つの空きスペース8及び7をそれぞれ検出する場合、制御装置131は、卵5がこの地点からかなり後方にあることを立証する。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って満たされているスペース8が後方の突き出し要素133を通過するときに、この突き出し要素133に制御信号を送信し、それによって、卵5がローラ3を越えて、当該スペースの前方に位置する収容スペース7へ落ちる。
【0034】
図13cの実施形態は、図13a及び図13bの実施形態と同じ方法で作用するが、唯一の違いは、2つの突き出し要素132及び133が同時に移動し、したがって、これらの突き出し要素の一方がダミー移動を実行する、すなわち、当該突き出し要素が卵5を押さないことである。
【0035】
図14に示す実施形態は、その移動手段として、半径方向に延びる押し出し要素141を有するロータ(rotor:回転体)140を有し、ロータ140は、コンベヤ2の上方に装着される。押し出し要素141のそれぞれの端領域は、ロータ140の回転時に卵5に対して作用することができる。
【0036】
図14aに示すように、光電セル130が、コンベヤ2上の卵5が入っている収容スペース7を検出し、次いで、後続のスペース8内の卵5の存在を検出する場合、制御装置131は、後者の卵5がかなり前にあることを立証することができる。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って配置されている卵5がロータ140の範囲内に入るときに、ロータ140に制御信号を送信し、次いで、当該ロータがそのような方法(図14a及び図14bの反時計回り)で回転し始め、押し出し要素141のうちの1つが、誤って配置されている卵5を後方のローラ3を越えて後方に(すなわち、コンベヤ2の搬送方向6とは反対方向に)押し、それによって、卵5が正しい収容スペース7に入る。
【0037】
図14bに示すように、光電セル130が、2つの空きスペース8及び7をそれぞれ検出する場合、制御装置131は、卵5がこの地点からかなり後方にあることを立証する。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って配置されている卵5がロータ140の範囲内に入るときに、ロータ140に制御信号を送信し、次いで、当該ロータがそのような方法で回転し始め、押し出し要素141のうちの1つが、誤って配置されている卵5を前方のローラ3を越えて前方に(すなわち、コンベヤ2の搬送方向6に)押し、それによって、卵5が正しい収容スペース7に入る。
【0038】
押し出し要素141は、可撓性材料から成ることが好ましい。押し出し要素を有するロータは、ブラシの類として設計することもできる。
【0039】
ロータ140の代替形態として、左から右へ、又はその逆に一定の行程を有して回転可能/移動可能であるフラップを有することも考えられる。さらに、吸盤を移動手段として使用することも可能であり、当該吸盤は、誤って配置されている卵をピックアップし、当該卵を正しい収容スペース7に載置するように、制御装置131によって制御される。
【0040】
図11及び図12は、卵5の亀裂を検査する検査装置21を概略的に示している。検査装置21は、図1〜図10を参照して上述したタイプの搬送装置1を備える。コンベヤ2は、互いに横方向に隣り合って配置される一般的に複数の、例えば6つのローラの列を備える(図12を参照)。したがって、6つの卵5をコンベヤ2上に互いに横方向に隣り合わせて配置することができる。検査装置21は、搬送方向6において固定位置に前後に配置される、卵の列毎の複数の、示している例では8個のレーザ22a〜22hを有する。一列毎に6つの卵5がある場合、したがって、48個のレーザが設けられる。レーザ22a〜22hは、図12に示すように、搬送方向6に対して横断方向のレーザビーム23に卵を露光させるために、卵5のコンベヤベルトの下で傾いている位置に配置される。レーザ22a〜22hは、卵5の搬送ベルトの真下に配置されないことから、例えば、卵5が破損する場合に当該レーザ上に落ちてくるものは全くないため、極めて早期に汚れた状態になることはない。レーザ22a〜22hを配置するのに十分なスペースが卵5のコンベヤベルトの側にない場合、図12において最も良く分かるように、遮蔽板24を代替部材又は追加部材として装着することができる。
【0041】
検査装置21は、卵5による光透過率の光学的な観察のためにカメラ25等をさらに備える。カメラ25の視野は、コンベヤ2の全体幅を、且つ8列の収容スペース7を、したがって、本発明の第1の態様による列は交互に満たされているため、4列の卵を常にカバーする。カメラ25は、横方向に互いに対向して配置され、横方向の上部から或る角度で、それぞれ異なる側から卵5を見る。卵5はコンベヤ2によって回転状態にされているため、カメラ25は卵5の移動中に全体表面を見る。
【0042】
検査装置21は、卵5の殻の表面を貫通するレーザ光の光透過率の局所的に観察された増加を処理すると共に、当該増加を、卵5が亀裂を含んでいるという判定を表わす判定信号に変換するデータ処理手段26、例えば画像処理手段をさらに備える。次いで、亀裂を有する卵5は、コンベヤ2の突き出し手段(図示せず)によって除去されることができる。破損した卵はこのように除外される。
【0043】
検査手段21は、例えばキャパシテブリミットスイッチ(capacitive limit switch)、超音波スイッチ若しくはさらには機械スイッチのような光電セル27又は別の、好ましくは非接触型の検出手段をさらに備える。収容スペース7がレーザ22a〜22hを通って移動し始める前に、卵5が収容スペース7内の2つのローラ3間に存在しているか否かを検出するように、光電セル27は、搬送方向から見た場合、レーザ22a〜22hの前方に配置される。光電セル27は、レーザ22a〜22h用の制御装置28に接続される。制御装置28は、レーザ22a〜22hに接続されると共に、卵5を収容する収容スペース7が、関係するレーザ22a〜22hを通過するときに、光電セル27によって発信された検出信号に応じてレーザ22a〜22hのスイッチを順次入れるように、且つ収容スペース7が、関係するレーザ22a〜22hを通過し終わったときに、当該レーザのスイッチを再び切るように設けられる。したがって、検出される卵5毎に、前方のレーザ22aがまずスイッチを入れられ、卵5が通過し終わったときにスイッチを切られる一方、第2のレーザ22bがスイッチを入れられる等である。このようにして、搬送方向6に順次位置決めされている8つのレーザ22a〜22hが、再びスイッチを順次オン及びオフにされる。それぞれのレーザ22a〜22hのこのスイッチオン及びスイッチオフは、レーザビーム23がコンベヤ2の開口を通ってカメラに直接当たって当該カメラを観察不能にしないことを確実にするために必要である。したがって、収容スペース7において卵5が検出されない場合、レーザ22a〜22hは、当該収容スペース7が通過するときにスイッチを入れられない。
【0044】
図15は、代替的なレーザ配置を示している。この実施形態では、1組のレーザのうち4個のレーザ22a〜22d及び22e〜22hのそれぞれが、それぞれ上下に配置される。レーザ22a〜22d及び22e〜22hの各組がそれぞれ、汚れを防止するために遮蔽板24の下に配置される。1組のレーザ22a〜22dが、コンベヤ2の搬送方向6に或る角度で上方に光る。他の組のレーザ22e〜22hが、コンベヤ2の搬送方向6とは反対方向に上方に光る。レーザ22a〜22hは、コンベヤの比較的近くに配置されるため、レーザ22a〜22hの位置合せを高水準に設定する必要はない。カメラ25が卵を見る平面の下には、反射を通じて亀裂の検出に干渉し得るレーザ又は他の構造部品の必要はないことがさらに有利である。カメラ25は、150によって示される、図面に対して垂直な平面に位置することが好ましい。
【0045】
レーザ22a〜22hは、上記の実施形態の場合のようにスイッチをオンオフにされる。図15に示す状況では、レーザ22b、22d、22f及び22hはスイッチを入れられており、且つ残りのレーザはスイッチを切られている。レーザに対するコンベヤ2のさらなる移動の際に、レーザ22b、22d、22f及び22hはスイッチを切られ、残りのレーザはスイッチを入れられる。このようにして、一列のうち、4つの卵5が、8個のレーザ22a〜22hのうちの4個にそれぞれ露光される。
【0046】
これは現時点で好ましくないが、別の実施形態(図示せず)では、レーザを全てコンベヤ2の一方の側の脇に配置することができる。利点は、レーザがコンベヤの脇に位置しているため、レーザの汚れが全く起きないことである。不利点は、レーザの、反対側の卵からの距離が比較的長く、その結果、レーザの位置合せの要件がより高く設定されることである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひび割れを有する卵の検出に関する。卵の選別の際、漏れを生じている卵、いわゆるひび割れ卵は、機械の汚れ及び他の卵の汚れを引き起こす。したがって、これらのひび割れ卵は、他の卵を汚さずに、可能な限り早期段階で検出する必要がある。したがって、漏れを生じている卵を検出及び除去するシステムは、2つの関連する態様(検出前に汚れを防止すると共に破損した卵を除去すること、及び破損した卵自体を検出すること)を有する。
【0002】
本発明は、第1の態様によれば、卵を搬送する搬送装置に関し、当該搬送装置は、搬送方向を横断して延びる複数のローラを設けられているエンドレスコンベヤを備え、前記ローラは中央間距離をもって互いに離れて配置されて前記ローラ間に収容スペースを形成し、使用時に卵が両方のローラ上に載るように収容スペースに収容され、前記両方のローラは回転可能に取り付けられかつ使用時には回転中のローラ上に1つの卵が載っている状態を得るように駆動することができ、前記搬送装置は、卵をトレーからピックアップして前記コンベヤ上に配置する複数のピックアップ要素を設けられている移送装置をさらに備える。
【背景技術】
【0003】
そのような搬送装置が既知である。既知の装置の場合、卵は、移送装置によって厚紙トレーからピックアップされ、次いで、機械、例えば選別機のコンベヤ上に配置される。装置はいくつかのピックアップ要素、例えば吸盤を有し、当該ピックアップ要素は、対応のチャネルによって、圧力が同じ空間にそれぞれ接続されており、当該空間には、真空ポンプによって真空を適用することができる。移送装置は、複数の列の卵をトレーから吸盤によって1つずつピックアップし、次いで、当該卵を搬送装置のコンベヤ上に配置する。既知の搬送装置におけるコンベヤの収容スペースは、2つの連続したローラによって形成されており、各ローラが2つの収容スペースの境界を定めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送方向の2つの収容スペースの中心間距離は、トレー上の2つの卵の中心間距離に概ね対応する。2つの卵がほぼ各ローラに載るため、1つの卵が割れるか又は亀裂を生じる場合、その卵の中身が回転中のローラによって1つの卵から他の卵へと伝わって行くおそれがある。破損した卵の中身によるこの汚損の結果、コンベヤ及び当該コンベヤ上の卵が急速に汚損されるため、これは望ましくない。
【0005】
本発明の目的は、汚損問題を解消する、改良した搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は本発明によれば、請求項1のプリアンブルに記載の搬送装置によって達成される。当該搬送装置において、ローラは対で配置され、且つ各収容スペースは一対のローラによって形成され、移送装置上のピックアップ要素は、搬送方向で見た場合、該ピックアップ要素がトレー上の個々の卵間の距離に対応する距離に互いに離れて位置する第1の位置と、搬送方向で見た場合、コンベヤ上の2つの収容スペースの中心間距離に対応する第2の位置との間を移動することができることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、連続した収容スペースは、一対の連続したローラによって形成される収容スペースとして画定され、この場合、各ローラは、従来技術から既知である搬送装置とは異なり、一対のローラのみに属するため、1つのみの卵が一般的に各ローラ上に載り、汚損の影響が防止される。この構造は、2つの収容スペースの中心間距離が、従来技術から既知である搬送装置の2つの収容スペースの中心間距離よりも長いことを意味する。これは、トレー上の2つの卵の中心間距離と、2つの収容スペースの中心間距離とがもはや対応しないことを意味する。本発明による搬送装置における移送装置によって、卵は、トレーからピックアップされた後に、コンベヤの収容スペースの相互位置に対応する距離に互いに離れるまで個別に移動する。次いで、卵は、移送装置によって、移動中のコンベヤ上の所定の収容スペースに載置される。
【0008】
本発明によれば、コンベヤ上の卵用の収容スペースが、より長い距離に互いに離れているため、同じ搬送能力を達成するために、コンベヤをより速く走行させることが望ましい。使用するコンベヤは、好ましくは、上述の従来技術によるコンベヤにおいて使用されているものと同じコンベヤであり、これは既に入手可能である。この場合、次いで、卵は常に一列の収容スペースに配置され、コンベヤに元から存在している後続の列の収容スペースは空のままである。同じ搬送能力を達成するために、このコンベヤは、全ての列が満たされている場合よりも2倍の速さで移動する必要があるであろう。この解決策に付随して起こり得る問題は、移送装置が、収容スペースの(搬送方向の)中間に正確に卵を配置しないことである。卵は直立位置に載置されるため、卵がローラを越えて反転し、汚損を回避するために空けておく必要がある収容スペースの誤った位置に入る可能性がある。この理由のために、本発明の好ましい実施の形態によれば、二対のローラ間のスペースにそれぞれ位置決めされるか又は位置決めされることができるブロッキング要素が、当該スペースに卵が誤って位置することを阻止するために設けられる。この解決策は、述べたような既知のコンベヤの場合だけでなく、対のローラがより近くに共に配置されているコンベヤの場合にも作用する。
【0009】
さらに好ましい実施の形態が従属請求項3〜12及び請求項20に記載される。
【0010】
本発明の別の態様は、卵の亀裂の検査に関する。特にこの態様は、卵の亀裂を検査する検査装置に関し、当該検査装置は、卵をレーザビームに露光させるレーザ装置と、卵による光透過率を観察する光学的観察手段と、観察手段によって観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有するか否かの判断を表わす判定信号を発信するようになっているデータ処理手段と、また、卵をレーザ装置及び観察手段に通して搬送する搬送手段であって、搬送中に卵を回転させるようにさらに適合されている、搬送手段とを備える。
【0011】
本出願人名義のオランダ特許第7701472号が、卵をローラによってコンベヤ上で回転させる装置を開示している。さらに、環状ミラー及び回転プリズムによって、レーザビームが、卵の回転方向に垂直である軸を中心に卵の周囲に回転する。このようにして、卵の表面がレーザビームによって十分に走査される。既知の装置も光検出器を有する。レーザ光の一部が卵殻を透過して、卵の内部で均一に分散され、その結果、卵から光が出る。この光の一部が光検出器に入る。レーザビームが亀裂に達すると、亀裂のためにレーザ光のより多くの部分が殻を貫通して卵に入る。この結果として、光検出器は、卵から分散された光のより多くの光強度を検出し、これに基づいて、卵が亀裂を含んでいることを立証することができる。
【0012】
本目的は、上述のタイプの改良した検査装置を提供することである。
【0013】
本目的は、本発明の本態様によれば、請求項13のプリアンブルに記載の検査装置によって達成される。当該装置は、卵を搬送装置によって移動している間に固定レーザビームに当該卵を順次露光させるために、搬送方向において固定位置に順次配置される複数のレーザを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、この解決策の場合、レーザビームは卵の任意の箇所に向けられる。したがって、従来技術の場合のように卵の表面は走査されない。好ましくは少なくとも1つのカメラを含む観察手段が、卵がレーザに通されて搬送されている間に回転するため、卵の表面全体を観察する。卵殻を貫通して卵に入るレーザ光は卵内で分散し、卵殻を貫通して再び出る。卵が亀裂を有している場合、より多くの光がその箇所から出て、これを観察手段が観察する。これに基づいて、卵が亀裂を生じているか又は破損していることを立証することができる。カメラの代わりに、複数の光電素子を有する観察手段を使用することもでき、当該複数の光電素子によって、卵の表面の様々な部分の光強度を互いに比較することができる。
【0015】
レーザは、レーザの前方に卵があるとスイッチが入り、卵が通過し終わると再びスイッチが切れる。レーザビームがコンベヤの開口に入って観察手段に直接当たり、当該観察手段を観察不能にすることを防止するために、レーザのスイッチを切ることが必要である。
【0016】
検査装置は、好ましくは、卵が2つのローラ間の収容スペース内に存在しているか否かを検出する検出手段を備え、当該検出手段はレーザ用の制御装置に接続されており、当該制御装置は、卵を収容している収容スペースが特定のレーザを通過しているときに、検出手段による卵の検出に応じてレーザのスイッチを連続して入れるように、且つ収容スペースが、関係するレーザを通過し終わったときに、当該レーザのスイッチを再び切るように設けられる。
【0017】
本発明の第2の態様による検査装置には、有利には、本発明の第1の態様による搬送装置が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の態様による搬送装置の側面図である。
【図2】図1に示す装置の詳細を示す図である。
【図3】ブロッキング手段を設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の好ましい実施形態の詳細を示す図である。
【図4】ブロッキング手段を設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の別の好ましい実施形態の概略図である。
【図5】図4の装置の詳細を示す図である。
【図6】図4の原理に従って動作する搬送装置用のブロッキング手段を有するブロッキング装置の側面図である。
【図7】図6のブロッキング装置用のブロッキングリップを設けられているフレームの斜視図である。
【図8】図7のフレームの側面図である。
【図9】ブロッキング手段を設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置のさらに別の好ましい実施形態を示す図である。
【図10】図9の装置の詳細を示す図である。
【図11】本発明の第2の態様による検査装置の好ましい実施形態の側面図である。
【図12】図11の検査装置の断面図である。
【図13a】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図13b】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図13c】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図14a】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の別の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図14b】検出手段と移動手段とを設けられている、本発明の第1の態様による搬送装置の別の代替的な実施形態の一部の概略図である。
【図15】本発明の第2の態様による検査装置の別の好ましい実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0020】
図1は、卵5を搬送する搬送装置1を概略的に示している。搬送装置1は、搬送方向を横断して延びるローラ3を設けられているエンドレスコンベヤ2を備える。ローラ3は、チェーン4によって互いに接続されている。ローラ3は、好ましくは、同一の形状及び寸法である。概して、コンベヤ2は、横方向に互いに隣り合って配置される複数(例えば6又は6の倍数)のローラ3の列を有する。ローラ3の列は、チェーンによって互いに接続される。ローラ3は、当該ローラが、図2において明白に分かるように、卵5が使用時に両方のローラ3上に載るように収容される収容スペース7を当該ローラ間に形成するような、搬送方向(矢印6によって示す)の中心間距離d4に配置される。ローラ3は対で配置され、各収容スペース7は、一対の同一のローラ3によって形成される。本発明によれば、汚損を防止するために、二対のローラ間のスペース8には卵を配置せず、当該スペース8は、示されている場合では、収容スペース7と同じサイズである。ローラ3は、回転可能に取り付けられ、且つ卵から離れて面している側では支持面9に対して作用し、それによって、コンベヤ2の移動を通じてローラ3が回転し、且つ使用時には卵5が、回転中の当該ローラ上に摩擦接触によって載っている状態にする。ローラ3は、別の方法で回転状態にすることもできる。
【0021】
1つ又は複数のブラシ30(図1を参照)が、損傷した卵、又はローラ3からの他の汚れを除去するために、コンベヤ2のリターンサイド(return side:逆走行側)に設けられる。
【0022】
搬送装置1は、卵5をトレー12からピックアップしてコンベヤ2上に配置する、吸盤11の形態の複数のピックアップ要素を設けられている移送装置10をさらに備える。少なくとも卵をトレー12から取ってコンベヤ2上に配置する領域では、コンベヤ2は実質的に水平方向に延びる。吸盤11は、トレー12上の卵5に対して上部に配置されており、次いで、真空空間(図示せず)から真空が周囲に対して吸盤11に適用され、その結果、卵5が吸盤11に吸い上げられる。これによって、卵5をトレー12から持ち上げてコンベヤ2へ移動させるのに十分な保持力が提供される。卵5を解放するために、例えば周囲から、制御可能な弁(図示せず)を通じて空気を入れることによって、真空空間の真空が除去される。
【0023】
吸盤11は、第1の位置(図1の右に示す)を移送装置10上に有し、当該第1の位置では、当該吸盤11が、搬送方向6で見た場合、トレー12上の卵5間の距離に対応する距離dに互いに離れて位置決めされる。卵5をピックアップした後、移送装置上の吸盤11は、第2の位置(図1の左に示す)に移動することができ、当該第2の位置では、当該吸盤が、コンベヤ2上の2つの収容スペース7の中心間距離に対応する距離d3に互いに離れて位置決めされる。示されている場合では、スペース8はローラの対間が空いたままであり、且つ一対のローラの収容スペース7は同じサイズであり、それによって、搬送方向6から見た場合、吸盤11間の距離が、2つのローラ3の中心間距離d4の2倍に対応する。
【0024】
卵5は直立位置に載置され、したがって安定していないため、当該卵がローラ3を越えて反転し、汚損を防止するために空けておく必要があるスペース8に誤って着地する可能性がある。この理由のために、卵5が移送装置10によってコンベヤ2上に配置されているときに二対のローラ間のスペースにそれぞれ位置決めされているブロッキング要素が、これらのスペース8に卵5が誤って配置されることを阻止するために設けられることが好ましい。
【0025】
図3は、搬送方向6から見た場合、一対のローラのうちの後方のローラ3bと、真後ろに位置する一対のローラのうちの前方のローラ3aとを、接続要素13によって互いに接続する方法を示す。上方突出部材14を接続要素13上に設ける。ブロッキングバー15等を上方突出部材14上に固定することができ、当該ブロッキングバー等は、コンベヤ2の横断方向にローラ3間のスペースへ延びる。
【0026】
図4及び図5は、別の好ましい実施形態を例示しており、当該実施形態では、ブロッキングピン17又は他のブロッキング要素がコンベヤチェーン16又は別のエンドレス循環要素に設けられ、当該ブロッキング要素は、チェーン16に実質的に垂直方向に延びる。チェーン16は、コンベヤ2の搬送方向6に、移送装置10によってコンベヤ2上に1つずつ順次配置される複数の卵5に少なくとも対応する長さに沿って延びる。動作中、チェーン16は、コンベヤ2と同じ速度で走行する。チェーン16とコンベヤ2とが同期して走行するため、この実施形態におけるブロッキングピン17は、下側から二対のローラ間のスペース8にそれぞれ挿入されることができる。
【0027】
図6〜図8は、ブロッキング装置の好ましい実施形態をさらに詳細に示している。図7は、5枚の細長い板71が互いに平行に装着されているフレーム70を示す。細長い板71の上側には、6つのブロッキングリップ72が設けられる。示されている実施形態では、2つの板が常に横方向に互いに隣り合って配置され、それによって、12個のブロッキングリップ72が、したがって、12列を有するコンベヤ2と共に使用されるために互いに隣り合って配置される。フレーム70は、2本のクロスバー73及び74をそれぞれ有し、当該クロスバーは、複数の長手方向ストリップ75によって接続されている。ブロッキングリップ72を有する細長い板71は、上部から、長手方向ストリップ75内の収容スリット76内に押入され(図8を参照)、ばね等を設けられて、中央に配置されている締め付け機構77によってスリット76内で保持される。ブロッキングリップ72を有する細長い板71は、締め付け機構77を解放することによって、清掃のためにフレーム70から取り外すことができる。
【0028】
図6は、6つのフレーム70を有するブロッキング装置を示しており、当該フレームは、チェーンによって互いに接続されている。フレーム70は、いわゆる数珠状(連続移動)システムの周囲を搬送される。循環中、ここではフレーム70は水平に保たれ、ブロッキングリップ72は鉛直方向に上方に向けられて保たれる。フレーム70は、数珠状システムによってその周囲に搬送されるため、ブロッキングリップ72は、低部からローラ3間のスペース8へ概ね真っ直ぐに挿入され、複数の当該ローラが例示の目的のために点線で示されている。上方移動中(図6の右側)、フレーム70の一端はチェーンホイール(chain wheel:スプロケット)78によって駆動され、フレーム70の他端はガイドトラック80によって案内される。下方移動中、各フレーム70の一端はチェーンホイール79によって、他端は、半径方向に延びるベーン82を有する回転サポート要素81によって駆動される。
【0029】
図9及び図10は、さらに別の好ましい実施形態を概略的に示しており、当該実施形態では、ブロッキングバー19を有するチェーン18又は別のエンドレス循環要素がコンベヤ2の上方に装着されている。チェーン18は、コンベヤ2の搬送方向6に、移送手段10によってコンベヤ2上に1つずつ順次配置される複数の卵5に少なくとも対応する長さに沿って延びる。動作中、ブロッキングバー19を有するチェーン18は、コンベヤ2と同期して走行する。ブロッキングバー19は、空けておく必要がある、ローラの対間のスペース8の上方をチェーンと共に走行するか、又はコンベヤ2の上側から当該スペースに挿入され、その場合、当該スペース8を仕切る。卵5が収容スペース7に載置されているときに吸盤11を通すために、平行するブロッキングバー19間に経路20が設けられる。
【0030】
図13及び図14は、代替的な実施形態を概略的に示しており、当該実施形態では、光電セル130又は別の適した検出手段がコンベヤ2の上方に配置される。収容スペース7と、ローラの対間に位置するスペース8とを有するローラ3の対は、光電セル130を通過し、当該光電セルは、卵5が収容スペース7に存在しているか否か、又は卵5が当該スペースの前方のスペース8に存在しているか若しくは後方のスペース8に存在しているかを検出する。誤って配置されている卵5を、その位置に応じて、二対のローラ間のスペース8から前方又は後方の正しい収容スペース7に移動させるために、光電セル130は、制御装置131によって移動手段に接続されることが好ましい。
【0031】
図13に示す実施形態では、装置は、搬送方向に前後に位置する2つの移動要素を有し、当該移動要素はそれぞれ、突き出し要素132及び133の形態であり、当該突き出し要素は、2つのローラ3間の底部から移動することができ、且つそうする際に、スペース8に存在している卵5を上方に押し上げることができる。図13aに示されているように、コンベヤ2の搬送方向6で見た場合、前方の押し出し要素132は、後方に傾いている変位面132aを有し、当該変位面によって、誤って位置している卵5がその後方のローラ3を越えて、適当な収容スペース7へ落ちる。図13bに示されているように、搬送方向6で見た場合、後方の突き出し要素133は、前方に傾いている変位面133aを有し、当該変位面によって、誤って位置している卵5がその前方のローラ3を越えて、適当な収容スペース7へ落ちる。突き出し要素132、133は、制御装置131によって個々に動作することができる。代替形態として、図13cに示すように、突き出し要素132、133は互いに物理的に接続されており、したがって、制御装置131によって同時に動作することも考えられる。突き出し要素132及び133はそれぞれ、ローラ3の上方に配置することもでき、この場合、これらの突き出し要素は、卵が誤った位置にあるときに下方に移動する。
【0032】
図13による装置は、以下のように作用する:
図13aに示すように、光電セル130が、コンベヤ2上の卵5が入っている収容スペース7を検出し、次いで、後続のスペース8内の卵5の存在を検出する場合、制御装置131は、後者の卵5が(本来あるべき地点より)1つ前にあることを立証することができる。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って満たされているスペース8が前方の突き出し要素132を通過するときに、この突き出し要素132に制御信号を送信し、それによって、卵5がローラ3を越えて、当該スペースの後方に位置する収容スペース7へ落ちる。
【0033】
図13bに示すように、光電セル130が、2つの空きスペース8及び7をそれぞれ検出する場合、制御装置131は、卵5がこの地点からかなり後方にあることを立証する。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って満たされているスペース8が後方の突き出し要素133を通過するときに、この突き出し要素133に制御信号を送信し、それによって、卵5がローラ3を越えて、当該スペースの前方に位置する収容スペース7へ落ちる。
【0034】
図13cの実施形態は、図13a及び図13bの実施形態と同じ方法で作用するが、唯一の違いは、2つの突き出し要素132及び133が同時に移動し、したがって、これらの突き出し要素の一方がダミー移動を実行する、すなわち、当該突き出し要素が卵5を押さないことである。
【0035】
図14に示す実施形態は、その移動手段として、半径方向に延びる押し出し要素141を有するロータ(rotor:回転体)140を有し、ロータ140は、コンベヤ2の上方に装着される。押し出し要素141のそれぞれの端領域は、ロータ140の回転時に卵5に対して作用することができる。
【0036】
図14aに示すように、光電セル130が、コンベヤ2上の卵5が入っている収容スペース7を検出し、次いで、後続のスペース8内の卵5の存在を検出する場合、制御装置131は、後者の卵5がかなり前にあることを立証することができる。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って配置されている卵5がロータ140の範囲内に入るときに、ロータ140に制御信号を送信し、次いで、当該ロータがそのような方法(図14a及び図14bの反時計回り)で回転し始め、押し出し要素141のうちの1つが、誤って配置されている卵5を後方のローラ3を越えて後方に(すなわち、コンベヤ2の搬送方向6とは反対方向に)押し、それによって、卵5が正しい収容スペース7に入る。
【0037】
図14bに示すように、光電セル130が、2つの空きスペース8及び7をそれぞれ検出する場合、制御装置131は、卵5がこの地点からかなり後方にあることを立証する。この発見に基づいて、制御装置131は、誤って配置されている卵5がロータ140の範囲内に入るときに、ロータ140に制御信号を送信し、次いで、当該ロータがそのような方法で回転し始め、押し出し要素141のうちの1つが、誤って配置されている卵5を前方のローラ3を越えて前方に(すなわち、コンベヤ2の搬送方向6に)押し、それによって、卵5が正しい収容スペース7に入る。
【0038】
押し出し要素141は、可撓性材料から成ることが好ましい。押し出し要素を有するロータは、ブラシの類として設計することもできる。
【0039】
ロータ140の代替形態として、左から右へ、又はその逆に一定の行程を有して回転可能/移動可能であるフラップを有することも考えられる。さらに、吸盤を移動手段として使用することも可能であり、当該吸盤は、誤って配置されている卵をピックアップし、当該卵を正しい収容スペース7に載置するように、制御装置131によって制御される。
【0040】
図11及び図12は、卵5の亀裂を検査する検査装置21を概略的に示している。検査装置21は、図1〜図10を参照して上述したタイプの搬送装置1を備える。コンベヤ2は、互いに横方向に隣り合って配置される一般的に複数の、例えば6つのローラの列を備える(図12を参照)。したがって、6つの卵5をコンベヤ2上に互いに横方向に隣り合わせて配置することができる。検査装置21は、搬送方向6において固定位置に前後に配置される、卵の列毎の複数の、示している例では8個のレーザ22a〜22hを有する。一列毎に6つの卵5がある場合、したがって、48個のレーザが設けられる。レーザ22a〜22hは、図12に示すように、搬送方向6に対して横断方向のレーザビーム23に卵を露光させるために、卵5のコンベヤベルトの下で傾いている位置に配置される。レーザ22a〜22hは、卵5の搬送ベルトの真下に配置されないことから、例えば、卵5が破損する場合に当該レーザ上に落ちてくるものは全くないため、極めて早期に汚れた状態になることはない。レーザ22a〜22hを配置するのに十分なスペースが卵5のコンベヤベルトの側にない場合、図12において最も良く分かるように、遮蔽板24を代替部材又は追加部材として装着することができる。
【0041】
検査装置21は、卵5による光透過率の光学的な観察のためにカメラ25等をさらに備える。カメラ25の視野は、コンベヤ2の全体幅を、且つ8列の収容スペース7を、したがって、本発明の第1の態様による列は交互に満たされているため、4列の卵を常にカバーする。カメラ25は、横方向に互いに対向して配置され、横方向の上部から或る角度で、それぞれ異なる側から卵5を見る。卵5はコンベヤ2によって回転状態にされているため、カメラ25は卵5の移動中に全体表面を見る。
【0042】
検査装置21は、卵5の殻の表面を貫通するレーザ光の光透過率の局所的に観察された増加を処理すると共に、当該増加を、卵5が亀裂を含んでいるという判定を表わす判定信号に変換するデータ処理手段26、例えば画像処理手段をさらに備える。次いで、亀裂を有する卵5は、コンベヤ2の突き出し手段(図示せず)によって除去されることができる。破損した卵はこのように除外される。
【0043】
検査手段21は、例えばキャパシテブリミットスイッチ(capacitive limit switch)、超音波スイッチ若しくはさらには機械スイッチのような光電セル27又は別の、好ましくは非接触型の検出手段をさらに備える。収容スペース7がレーザ22a〜22hを通って移動し始める前に、卵5が収容スペース7内の2つのローラ3間に存在しているか否かを検出するように、光電セル27は、搬送方向から見た場合、レーザ22a〜22hの前方に配置される。光電セル27は、レーザ22a〜22h用の制御装置28に接続される。制御装置28は、レーザ22a〜22hに接続されると共に、卵5を収容する収容スペース7が、関係するレーザ22a〜22hを通過するときに、光電セル27によって発信された検出信号に応じてレーザ22a〜22hのスイッチを順次入れるように、且つ収容スペース7が、関係するレーザ22a〜22hを通過し終わったときに、当該レーザのスイッチを再び切るように設けられる。したがって、検出される卵5毎に、前方のレーザ22aがまずスイッチを入れられ、卵5が通過し終わったときにスイッチを切られる一方、第2のレーザ22bがスイッチを入れられる等である。このようにして、搬送方向6に順次位置決めされている8つのレーザ22a〜22hが、再びスイッチを順次オン及びオフにされる。それぞれのレーザ22a〜22hのこのスイッチオン及びスイッチオフは、レーザビーム23がコンベヤ2の開口を通ってカメラに直接当たって当該カメラを観察不能にしないことを確実にするために必要である。したがって、収容スペース7において卵5が検出されない場合、レーザ22a〜22hは、当該収容スペース7が通過するときにスイッチを入れられない。
【0044】
図15は、代替的なレーザ配置を示している。この実施形態では、1組のレーザのうち4個のレーザ22a〜22d及び22e〜22hのそれぞれが、それぞれ上下に配置される。レーザ22a〜22d及び22e〜22hの各組がそれぞれ、汚れを防止するために遮蔽板24の下に配置される。1組のレーザ22a〜22dが、コンベヤ2の搬送方向6に或る角度で上方に光る。他の組のレーザ22e〜22hが、コンベヤ2の搬送方向6とは反対方向に上方に光る。レーザ22a〜22hは、コンベヤの比較的近くに配置されるため、レーザ22a〜22hの位置合せを高水準に設定する必要はない。カメラ25が卵を見る平面の下には、反射を通じて亀裂の検出に干渉し得るレーザ又は他の構造部品の必要はないことがさらに有利である。カメラ25は、150によって示される、図面に対して垂直な平面に位置することが好ましい。
【0045】
レーザ22a〜22hは、上記の実施形態の場合のようにスイッチをオンオフにされる。図15に示す状況では、レーザ22b、22d、22f及び22hはスイッチを入れられており、且つ残りのレーザはスイッチを切られている。レーザに対するコンベヤ2のさらなる移動の際に、レーザ22b、22d、22f及び22hはスイッチを切られ、残りのレーザはスイッチを入れられる。このようにして、一列のうち、4つの卵5が、8個のレーザ22a〜22hのうちの4個にそれぞれ露光される。
【0046】
これは現時点で好ましくないが、別の実施形態(図示せず)では、レーザを全てコンベヤ2の一方の側の脇に配置することができる。利点は、レーザがコンベヤの脇に位置しているため、レーザの汚れが全く起きないことである。不利点は、レーザの、反対側の卵からの距離が比較的長く、その結果、レーザの位置合せの要件がより高く設定されることである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵を搬送する搬送装置であって、
搬送方向を横断して延びる複数のローラを設けられているエンドレスコンベヤを備え、前記ローラは中央間距離をもって互いに離れて配置されて前記ローラ間に収容スペースを形成し、使用時に卵が両方のローラ上に載るように収容スペースに収容され、前記両方のローラは回転可能に取り付けられかつ使用時には回転中のローラ上に卵が載っている状態を得るように駆動することができ、前記搬送装置は、卵をトレーからピックアップして前記コンベヤ上に配置する複数のピックアップ要素を設けられている移送装置をさらに備え、
前記ローラは対で配置され、前記収容スペースは一対のローラによって形成され、且つ前記移送装置上の前記ピックアップ要素は、前記搬送方向で見た場合、該ピックアップ要素が前記トレー上の個々の卵間の距離に対応する距離をもって互いに離れて位置する第1の位置と、前記搬送方向で見た場合、前記コンベヤ上の2つの収容スペースの中心間距離に対応する第2の位置との間を移動することができることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
二対のローラ間のスペースにそれぞれ位置決めされるか又は位置決めされることができるブロッキング要素が、前記スペースに卵が誤って位置することを阻止するために設けられる、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送方向から見た場合、一対のローラの後方のローラと、真後ろに位置する一対のローラのうちの前方のローラとが、接続要素によって互いに接続され、且つ前記ローラ間の前記スペース内に延びる前記ブロッキング要素が、前記接続要素上に設けられる、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ブロッキング要素は、動作時に前記コンベヤと同じ速度で走行するエンドレス循環手段上に設けられ、該循環手段から延び、且つ動作時に前記二対のローラ間の前記スペースに挿入可能である、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記ブロッキング要素を有する前記エンドレス循環手段は、該ブロッキング要素が前記コンベヤの下側から前記二対のローラ間の前記スペースに挿入されることができるように、前記コンベヤの下に装着される、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ブロッキング要素は、前記循環手段に実質的に垂直方向に延びるピン又はリップを含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
複数のブロッキング要素がフレーム上に順次装着され、前記循環手段は、固定された向きに、好ましくは水平に前記フレームを周囲に搬送する数珠状システムを含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ブロッキング要素を有する前記エンドレス循環手段は、該ブロッキング要素が前記コンベヤの上側から前記二対のローラ間の前記スペースに挿入されることができるように、前記コンベヤの上方に装着され、且つ、卵が前記収容スペースに載置されているときに前記ピックアップ要素を通すために、前記エンドレス循環手段において前記ブロッキング要素間に経路が設けられる、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記ブロッキング要素は、前記ローラに実質的に平行に延びるバーを含む、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記エンドレス循環手段は、チェーンの形態である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項11】
検出手段が設けられ、該検出手段は、卵が二対のローラ間のスペース内に誤って配置されているか否かを検出するように設けられ、前記検出手段に接続される移動手段が、誤って配置されている卵を、前記スペースから除去するためにさらに設けられる、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記移動手段は、前記誤って配置されている卵を、前記二対のローラ間の前記スペースから、該スペースの後方又は前方に位置する、前記一対のローラの空き収容スペースへ移動させるように設けられる、請求項11に記載の搬送装置。
【請求項13】
卵の亀裂を検査する検査装置であって、
卵をレーザビームに露光させるレーザ装置と、卵による光透過率を観察する光学的観察手段と、前記観察手段によって観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有しているか否かの判定を表わす判定信号を発信するようになっているデータ処理手段と、卵を前記レーザ及び前記観察手段に通して搬送する搬送装置であって、搬送中に卵を回転させるように適合されている搬送装置とを備え、
前記装置は、前記搬送装置による卵の移動中に卵を固定レーザビームに順次露光させるために、前記搬送方向において固定位置に順次配置される複数のレーザを備えることを特徴とする、検査装置。
【請求項14】
前記搬送方向の横断方向の前記レーザビームに卵を露光させるために、前記複数のレーザは、卵を運ぶコンベヤベルトの下で傾いている位置に配置される、請求項13に記載の検査装置。
【請求項15】
前記検査装置は、卵が2つのローラ間の前記収容スペースに存在しているか否かを検出する検出手段を備え、該検出手段は、前記レーザ用の制御装置に接続され、該制御装置は、卵を収容している前記収容スペースが特定のレーザを通過するときに前記検出手段による卵の検出に応じて、連続的に前記レーザのスイッチを入れるように、且つ前記収容スペースが、関係する前記レーザを通過し終わったときに、該レーザのスイッチを再び切るように設けられる、請求項13又は14に記載の検査装置。
【請求項16】
卵の亀裂を検査する検査装置であって、
卵をレーザビームに露光させるレーザ装置と、卵による光透過率を観察する光学的観察手段と、前記観察手段によって観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有しているか否かの判定を表わす判定信号を発信するように設けられるデータ処理手段と、卵を前記レーザ及び前記観察手段に通して搬送する搬送装置であって、前記搬送中に卵を回転させるように設けられている搬送装置と、を備え、
前記装置は、前記搬送装置による卵の移動中に卵を固定レーザビームに順次露光させるために、前記搬送方向において固定位置に順次配置される複数組のレーザを備えることを特徴とする、検査装置。
【請求項17】
前記複数組のレーザは、前記搬送方向に、又は該搬送方向とは反対方向に前記レーザビームに卵を露光させるために、卵を運ぶコンベヤベルトの実質的に真下に配置される、請求項16に記載の検査装置。
【請求項18】
前記観察手段は、順次配置されているレーザを通って移動している間の卵を観察する少なくとも1つのカメラを含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項19】
2つのカメラが一方の側に或る角度で卵の前記コンベヤベルトの上方に設けられ、前記2つのカメラは、卵の全体上面を観察することができるように向けられる、請求項18に記載の検査装置。
【請求項20】
前記搬送装置は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の搬送装置を含む、請求項13〜19のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項21】
遮蔽板が前記レーザの上方に装着される、請求項13〜20のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項1】
卵を搬送する搬送装置であって、
搬送方向を横断して延びる複数のローラを設けられているエンドレスコンベヤを備え、前記ローラは中央間距離をもって互いに離れて配置されて前記ローラ間に収容スペースを形成し、使用時に卵が両方のローラ上に載るように収容スペースに収容され、前記両方のローラは回転可能に取り付けられかつ使用時には回転中のローラ上に卵が載っている状態を得るように駆動することができ、前記搬送装置は、卵をトレーからピックアップして前記コンベヤ上に配置する複数のピックアップ要素を設けられている移送装置をさらに備え、
前記ローラは対で配置され、前記収容スペースは一対のローラによって形成され、且つ前記移送装置上の前記ピックアップ要素は、前記搬送方向で見た場合、該ピックアップ要素が前記トレー上の個々の卵間の距離に対応する距離をもって互いに離れて位置する第1の位置と、前記搬送方向で見た場合、前記コンベヤ上の2つの収容スペースの中心間距離に対応する第2の位置との間を移動することができることを特徴とする、搬送装置。
【請求項2】
二対のローラ間のスペースにそれぞれ位置決めされるか又は位置決めされることができるブロッキング要素が、前記スペースに卵が誤って位置することを阻止するために設けられる、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送方向から見た場合、一対のローラの後方のローラと、真後ろに位置する一対のローラのうちの前方のローラとが、接続要素によって互いに接続され、且つ前記ローラ間の前記スペース内に延びる前記ブロッキング要素が、前記接続要素上に設けられる、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ブロッキング要素は、動作時に前記コンベヤと同じ速度で走行するエンドレス循環手段上に設けられ、該循環手段から延び、且つ動作時に前記二対のローラ間の前記スペースに挿入可能である、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記ブロッキング要素を有する前記エンドレス循環手段は、該ブロッキング要素が前記コンベヤの下側から前記二対のローラ間の前記スペースに挿入されることができるように、前記コンベヤの下に装着される、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記ブロッキング要素は、前記循環手段に実質的に垂直方向に延びるピン又はリップを含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
複数のブロッキング要素がフレーム上に順次装着され、前記循環手段は、固定された向きに、好ましくは水平に前記フレームを周囲に搬送する数珠状システムを含む、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ブロッキング要素を有する前記エンドレス循環手段は、該ブロッキング要素が前記コンベヤの上側から前記二対のローラ間の前記スペースに挿入されることができるように、前記コンベヤの上方に装着され、且つ、卵が前記収容スペースに載置されているときに前記ピックアップ要素を通すために、前記エンドレス循環手段において前記ブロッキング要素間に経路が設けられる、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記ブロッキング要素は、前記ローラに実質的に平行に延びるバーを含む、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記エンドレス循環手段は、チェーンの形態である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項11】
検出手段が設けられ、該検出手段は、卵が二対のローラ間のスペース内に誤って配置されているか否かを検出するように設けられ、前記検出手段に接続される移動手段が、誤って配置されている卵を、前記スペースから除去するためにさらに設けられる、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記移動手段は、前記誤って配置されている卵を、前記二対のローラ間の前記スペースから、該スペースの後方又は前方に位置する、前記一対のローラの空き収容スペースへ移動させるように設けられる、請求項11に記載の搬送装置。
【請求項13】
卵の亀裂を検査する検査装置であって、
卵をレーザビームに露光させるレーザ装置と、卵による光透過率を観察する光学的観察手段と、前記観察手段によって観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有しているか否かの判定を表わす判定信号を発信するようになっているデータ処理手段と、卵を前記レーザ及び前記観察手段に通して搬送する搬送装置であって、搬送中に卵を回転させるように適合されている搬送装置とを備え、
前記装置は、前記搬送装置による卵の移動中に卵を固定レーザビームに順次露光させるために、前記搬送方向において固定位置に順次配置される複数のレーザを備えることを特徴とする、検査装置。
【請求項14】
前記搬送方向の横断方向の前記レーザビームに卵を露光させるために、前記複数のレーザは、卵を運ぶコンベヤベルトの下で傾いている位置に配置される、請求項13に記載の検査装置。
【請求項15】
前記検査装置は、卵が2つのローラ間の前記収容スペースに存在しているか否かを検出する検出手段を備え、該検出手段は、前記レーザ用の制御装置に接続され、該制御装置は、卵を収容している前記収容スペースが特定のレーザを通過するときに前記検出手段による卵の検出に応じて、連続的に前記レーザのスイッチを入れるように、且つ前記収容スペースが、関係する前記レーザを通過し終わったときに、該レーザのスイッチを再び切るように設けられる、請求項13又は14に記載の検査装置。
【請求項16】
卵の亀裂を検査する検査装置であって、
卵をレーザビームに露光させるレーザ装置と、卵による光透過率を観察する光学的観察手段と、前記観察手段によって観察された光透過率に基づいて、卵が亀裂を有しているか否かの判定を表わす判定信号を発信するように設けられるデータ処理手段と、卵を前記レーザ及び前記観察手段に通して搬送する搬送装置であって、前記搬送中に卵を回転させるように設けられている搬送装置と、を備え、
前記装置は、前記搬送装置による卵の移動中に卵を固定レーザビームに順次露光させるために、前記搬送方向において固定位置に順次配置される複数組のレーザを備えることを特徴とする、検査装置。
【請求項17】
前記複数組のレーザは、前記搬送方向に、又は該搬送方向とは反対方向に前記レーザビームに卵を露光させるために、卵を運ぶコンベヤベルトの実質的に真下に配置される、請求項16に記載の検査装置。
【請求項18】
前記観察手段は、順次配置されているレーザを通って移動している間の卵を観察する少なくとも1つのカメラを含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項19】
2つのカメラが一方の側に或る角度で卵の前記コンベヤベルトの上方に設けられ、前記2つのカメラは、卵の全体上面を観察することができるように向けられる、請求項18に記載の検査装置。
【請求項20】
前記搬送装置は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の搬送装置を含む、請求項13〜19のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項21】
遮蔽板が前記レーザの上方に装着される、請求項13〜20のいずれか一項に記載の検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【公表番号】特表2009−537422(P2009−537422A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510902(P2009−510902)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際出願番号】PCT/NL2007/000054
【国際公開番号】WO2007/133063
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(506088540)スタールカット インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際出願番号】PCT/NL2007/000054
【国際公開番号】WO2007/133063
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(506088540)スタールカット インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ (4)
【Fターム(参考)】
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