説明

原稿搬送装置、画像読取装置、及び原稿搬送方法

【課題】原稿搬送装置の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路と短反転経路とを切り替えることが可能な原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】原稿搬送装置1は、読取位置34に原稿を導入するための導入経路、原稿の表裏を反転させて再び該読取位置34まで原稿を搬送するための長反転経路63L及び短反転経路を構成する搬送路70と、長反転経路63Lと短反転経路とを切り替える切替ガイド46と、導入経路に配置されたレジストローラ45と、レジストローラ45の上流側に配置され、原稿の先端が到来したタイミングを検知するレジストセンサ44と、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さに基づいて、切替ガイド46の切替を行う切替制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を搬送する原稿搬送装置、該原稿搬送装置を備える画像読取装置、及び原稿搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原稿を読み取って画像データを生成する画像読取装置がある。この画像読取装置には、原稿が読み取られる読取位置に向けて原稿を自動的に搬送する原稿搬送装置が搭載されているものがある。下記特許文献1には、原稿の両面を読み取るために、原稿トレイから原稿を読取位置に導入し、該読取位置の下流側で原稿の表裏を反転させて、再び原稿を下流側から読取位置へ導入する原稿搬送装置が記載されている。
【0003】
下記特許文献1の原稿搬送装置は、原稿の表裏を反転させる反転経路として、長反転経路(長経路原稿搬送路)と短反転経路(短経路原稿搬送路)とを備えている。長反転経路は、短反転経路より経路長が長い。この原稿搬送装置は、まず、上流側に配置された長さ検知センサ(原稿サイズ検知センサ)によって、原稿の長さを検知する。原稿の長さは、搬送されて来る原稿の先端が長さ検知センサによって検知されてから、後端が検知されるまでの時間の長さにより把握することができる。原稿搬送装置は、原稿の長さが閾値より長い場合、長反転経路に沿って原稿を搬送し、原稿の長さが閾値より短い場合、短反転経路に沿って原稿を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−114143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の原稿搬送装置では、原稿トレイから搬送路へ原稿を繰り込むフィードロールの直後、すなわち搬送路の入口付近に、長さ検知センサが配置されている。しかしながら、一般的な原稿搬送装置では、搬送路の入口付近には、搬送路に繰り込まれた原稿の斜行を補正するために、レジストセンサ及びレジストローラが設けられている。そこで、一般的な原稿搬送装置に、特許文献1に記載の長さ検知センサを設けるとすれば、レジストローラの下流側に配置することが考えられる。
【0006】
ただし、長さ検知センサによって原稿の後端が検知されるまでに、原稿の先端が長反転経路と短反転経路との分岐点に到達しないように、長さ検知センサと分岐点との間の距離を十分長く確保する必要がある。しかしながら、長さ検知センサと分岐点との間の距離を十分長く確保するには、一般的に、原稿搬送装置が大型化するので問題がある。また、長さ検知センサを新たに備える必要があるので、センサの数が増加することにもなる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、原稿搬送装置の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路と短反転経路とを切り替えることが可能な原稿搬送装置、該原稿搬送装置を備える画像読取装置、及び原稿搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る原稿搬送装置は、原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載される原稿搬送装置であって、原稿トレイから読取位置に原稿を導入するための導入経路、読取位置の下流側で原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を構成する搬送路と、長反転経路と短反転経路とを切り替える切替ガイドと、導入経路に配置されたレジストローラと、レジストローラの上流側に配置され、原稿の先端及び後端が到来したタイミングを検知するレジストセンサと、レジストセンサによって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、長反転経路及び短反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、切替ガイドの切替を行う切替制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る原稿搬送方法は、原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載され、原稿トレイから読取位置に原稿を導入するための導入経路、読取位置の下流側で原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を備えた原稿搬送装置において行われる原稿搬送方法であって、導入経路においてレジストローラの上流側に配置されたレジストセンサが、搬送されて来る原稿の先端を検知してから、原稿の後端を検知する検知ステップと、レジストセンサによる検知ステップにおいて原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、短反転経路及び長反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、長反転経路と短反転経路とを切り替える切替ガイドの切替を行う切替ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、レジストセンサによって原稿の先端が到来したタイミングが検知される。このタイミングに合わせてレジストローラの回転を制御することにより、原稿の斜行が補正される。また、このレジストセンサによって、原稿の後端が到来したタイミングも検知されるので、原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さを検知することができる。この時間の長さは原稿の長さに対応しているので、検知された時間の長さに基づいて、長反転経路及び短反転経路のいずれかの反転経路が選択される。そして、選択された反転経路に切替ガイドが切り換えられる。このように、レジストセンサが、原稿の長さを検知するセンサとしても機能するので、反転経路を選択するためのセンサを別途追加する必要がない。更に、このレジストセンサは、レジストローラより上流側に配置されているので、装置を大型化することなく、レジストセンサから、短反転経路と長反転経路との分岐点までの長さを十分確保することができる。よって、原稿の先端が分岐点に到達する前に、原稿の後端がレジストセンサに到達し、反転経路を切り替えることができる。従って、原稿搬送装置の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路と短反転経路とを切り替えることが可能となる。
【0011】
本発明に係る原稿搬送装置は、原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載される原稿搬送装置であって、原稿トレイから読取位置に原稿を導入するための導入経路、読取位置の下流側で原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を構成する搬送路と、長反転経路と短反転経路とを切り替える切替ガイドと、導入経路に配置されたレジストローラと、レジストローラの上流側に配置され、原稿の先端及び後端が到来したタイミングを検知するレジストセンサと、レジストセンサによって原稿の先端が検知されてから所定時間内に後端が検知されたか否かに基づいて、長反転経路及び短反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、切替ガイドの切替を行う切替制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る原稿搬送方法は、原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載され、原稿トレイから読取位置に原稿を導入するための導入経路、読取位置の下流側で原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を備えた原稿搬送装置において行われる原稿搬送方法であって、導入経路においてレジストローラの上流側に配置されたレジストセンサが、搬送されて来る原稿の先端を検知する検知ステップと、レジストセンサによる検知ステップにおいて原稿の先端が検知されてから所定時間内にレジストセンサによって後端が検知されたか否かに基づいて、短反転経路及び長反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、長反転経路と短反転経路とを切り替える切替ガイドの切替を行う切替ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、原稿の先端が検知されてから所定時間内に後端が検知されたか否かに基づいて、反転経路を選択することにより、原稿の長さに応じた反転経路を選択することができる。このように、レジストセンサの検知結果によって原稿の長さが所定の長さより長いか否かを判断するので、反転経路を選択するためのセンサを別途追加する必要がない。更に、このレジストセンサは、レジストローラより上流側に配置されているので、装置を大型化することなく、レジストセンサから、短反転経路と長反転経路との分岐点までの経路長を十分確保することができる。よって、原稿の先端が分岐点に到達する前に、原稿の後端がレジストセンサに到達し、反転経路を切り替えることができる。従って、原稿搬送装置の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路と短反転経路とを切り替えることが可能となる。
【0014】
本発明に係る原稿搬送装置では、切替制御部は、レジストセンサによって原稿の先端が検知されてから所定時間が経過する前に原稿の後端が検知された場合、短反転経路を選択し、レジストセンサによって原稿の先端が検知されてから所定時間が経過したときに原稿の後端が検知されていなかった場合、長反転経路を選択することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、原稿の先端がレジストセンサによって検知されてから所定時間が経過する前に原稿の先端が検知された場合は、短反転経路が選択される。一方、原稿の先端がレジストセンサによって検知されてから所定時間が経過したときに、原稿の後端が検知されていなかった場合は、後端が検知されるのを待つことなく、長反転経路が選択される。従って、原稿の長さが比較的長く、長反転経路が選択される場合、後端が検知される前に反転経路を選択することができる。このため、長さが比較的長い原稿の後端がレジストセンサを通過する際、既に反転経路が切り替えられているので、先端が上記分岐点を通過していてもよい。従って、レジストセンサから上記分岐点までの経路長をより短くすることができるので、原稿搬送装置をより小型化することが可能となる。
【0016】
本発明に係る原稿搬送装置は、レジストローラと読取位置との間に配置され、画像読取装置が読取を開始するタイミングを決定するために原稿の先端が到来したタイミングを検知し、更に、原稿の長さを検知するために原稿の後端が到来したタイミングを検知するタイミング生成センサと、タイミング生成センサによって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さと、長反転経路及び短反転経路のうち切替制御部によって選択された反転経路の経路長とに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行う搬送制御部とを更に備えることが好ましい。
【0017】
本発明に係る原稿搬送方法は、レジストローラと読取位置との間に配置されたタイミング生成センサが、画像読取装置が読取処理を開始するタイミングを決定するために、原稿の先端を検知する第1の検知ステップと、タイミング生成センサが、原稿の長さを検知するために原稿の後端を検知する第2の検知ステップと、タイミング生成センサによる第1及び第2の検知ステップにおいて原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さと、長反転経路及び短反転経路のうち切替ステップによって選択された反転経路の経路長とに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判断を行う判断ステップを更に備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、タイミング生成センサが、原稿の先端が到来したタイミングを検知し、画像読取装置が読取処理を開始するタイミングを決定する。また、このタイミング生成センサによって、原稿の長さが検知される。上述したように、レジストセンサによっても原稿の長さが検知されるが、レジストセンサの場合、原稿の先端が検知された後、原稿の斜行を補正するために、用紙の搬送が一旦停止される。このため、レジストセンサによって検知される原稿の長さには、誤差が含まれている。また、原稿が斜行した状態で搬送されて来る場合、レジストセンサは、斜行した原稿の先端を検知することになる。これに起因して、レジストセンサによって検知される原稿の長さに、誤差が含まれる場合もある。
【0019】
そして、レジストセンサの検知結果に基づいて反転経路の選択を行っているため、選択された反転経路の経路長が、実際の原稿の長さより短い虞がある。その場合、原稿の先端が反転経路を通り、読取位置付近に再び到達した際に、後端側が読取位置を通過しておらず、原稿が詰まる虞がある。一方、タイミング生成センサは、レジストローラより下流側に配置されているので、レジストセンサより正確に、原稿の長さに対応して、時間の長さを取得することができる。上記構成では、タイミング生成センサによって検知された時間の長さと、選択された反転経路の経路長とに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かが判断される。従って、より正確な原稿の長さに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かを判断することができる。また、タイミング生成センサは、原稿の長さを検知する検知センサと、画像読取装置の読取タイミングを決定するためのセンサとして兼用されるので、センサの数が増加することを防止できる。
【0020】
本発明に係る原稿搬送装置は、レジストローラと読取位置との間に配置され、画像読取装置が読取を開始するタイミングを決定するために原稿の先端が到来したタイミングを検知し、更に、原稿の後端が到来したタイミングを検知するタイミング生成センサと、タイミング生成センサによって原稿の先端が検知されてから、切替制御部によって選択された反転経路の経路長に基づいて設定された閾値の時間以内に後端が検知されたか否かに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行う搬送制御部とを備えていてもよい。
【0021】
この構成によれば、選択された反転経路の経路長に基づいて時間の閾値が設定されており、タイミング生成センサによって原稿の先端が検知されてから該閾値の時間以内に後端が検知されたか否かに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かが判定される。ここで、タイミング生成センサは、レジストセンサより正確に、原稿の長さに対応したタイミングで原稿の先端及び後端を検知することができる。従って、より正確なタイミング生成センサの検知結果に基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判断を行うので、原稿の詰まりを防止することができる。また、原稿の後端が第1又は第2の閾値の時間以内に検知されなかった場合、後端が検知されるのを待つことなく、原稿の搬送を停止することができる。
【0022】
本発明に係る原稿搬送装置では、切替ガイドは、通電された状態で、長反転経路と短反転経路とのいずれか一方の反転経路に切り替えた状態となり、通電が停止された状態で、他方の反転経路に切り替えた状態となり、切替制御部は、切替ガイドの通電が開始された場合、タイミング生成センサによって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、切替ガイドの通電を停止するタイミングを制御することが好ましい。
【0023】
この構成によれば、切替ガイドは、通電された状態で、短反転経路又は長反転経路に経路を切り替えた状態となる。上述したように、レジストセンサによる検知結果に基づいて、長反転経路又は短反転経路が選択される。そして、選択された反転経路に原稿を導くために、切替ガイドを切り替える必要がある場合、切替ガイドに通電が開始される。その後、通電を停止して、切替ガイドを元に戻すタイミングは、タイミング生成センサによる、より正確な検知結果に基づいて制御される。従って、正確な原稿の長さに基づいて、通電を停止するタイミングが制御されるので、通電時間を必要最小限にすることができる。
【0024】
本発明に係る原稿搬送装置では、タイミング生成センサより下流側に配置され、原稿の先端が到来したタイミングを検知する到来検知センサを備え、搬送制御部は、タイミング生成センサによって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて時間の閾値を設定し、タイミング生成センサによって原稿の後端が検知されてから閾値の時間以内に、到来検知センサによって原稿の先端が検知されなかった場合に、原稿の搬送を停止させることが好ましい。
【0025】
この構成によれば、タイミング生成センサによって検知された時間の長さ(原稿の長さ)に基づいて、時間の閾値が設定される。そして、タイミング生成センサによって原稿の後端が検知されてから閾値の時間以内に到来検知センサによって原稿の先端が検知されなかった場合に、原稿の搬送制御が停止される。このため、原稿の後端がタイミング生成センサを通過してから、原稿の先端が到来検知センサに到達するまでの間に、原稿のジャムが発生した場合、閾値の時間以内に到来検知センサによって原稿の先端が検知されないので、原稿の搬送が停止される。すなわち、タイミング生成センサの検知結果と到来検知センサの検知結果とを用いて、原稿のジャムを検知し、搬送を停止することができる。
【0026】
本発明に係る原稿搬送装置では、搬送路は、導入経路、長反転経路、短反転経路、及び読取位置から排出トレイまで原稿を搬送するための排出経路を含む搬送経路を構成し、該搬送路には、少なくとも2つの搬送経路の一部によって共有された共有部分が含まれ、2つの搬送経路のうち一方の経路の方向と他方の経路の方向が正逆反対である共有部分には、逆回転が可能な正逆転ローラが配置され、搬送制御部は、タイミング生成センサによって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、正逆転ローラの回転を逆回転させるタイミングを制御することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、導入経路、長反転経路、短反転経路、及び排出経路を含む複数の搬送経路のうち少なくとも2つの搬送経路の一部が共有されている。このため、装置を小型化することができる。また、搬送経路の共有部分において、一方の経路方向と他方の経路方向が正逆反対である場合に、正逆転ローラが設けられている。そして、タイミング生成センサによって検知された原稿の長さ(時間の長さ)に基づいて、正逆転ローラの回転を逆回転させるタイミングが制御される。従って、より正確な原稿の長さに基づいて、正逆転ローラの回転を逆回転させるタイミングが制御される。よって、より効率的に搬送制御を行うことができる。
【0028】
本発明に係る画像読取装置は、上記いずれかの原稿搬送装置と、該原稿搬送装置によって搬送されて来る原稿を読取位置において読み取って画像データを生成する読取デバイスとを備えることを特徴とする。本発明に係る画像読取装置が備える原稿搬送装置では、上述したように、装置の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路と短反転経路とを切り替えることが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、原稿搬送装置の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路と短反転経路とを切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態に係る画像読取装置(スキャナ)が搭載された複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】スキャナに搭載された実施形態に係る原稿搬送装置の構成を示す概略図である。
【図3】原稿搬送装置の長反転経路を示す図である。
【図4】原稿搬送装置の短反転経路を示す図である。
【図5】両面読みが選択された場合における原稿搬送装置の排出経路を示す図である。
【図6】原稿搬送装置が備える制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】両面読みが選択された場合における原稿搬送装置による原稿搬送手順を示すフローチャートである。
【図8】両面読みが選択された場合における、他の制御形態による原稿搬送手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。最初に、図1を参照して、実施形態に係る原稿搬送装置1、この原稿搬送装置1が搭載された画像読取装置(スキャナ3)、及び、スキャナ3が搭載された複合機5の構成について説明する。図1は、複合機5の構成を示すブロック図である。
【0032】
原稿搬送装置1は、スキャナ3の読取位置に原稿を自動的に搬送する装置である。スキャナ3は、搬送されて来た原稿を読み取って画像データを生成する。複合機5は、スキャン機能の他に、プリント機能、及びFAX機能を有する。複合機5は、これらの機能を発揮するために、スキャナ3の他に、プリンタ11、NCU12、モデム13、画像メモリ14、通信装置15、操作パネル16、ディスプレイ17、及び制御部18を備えている。
【0033】
プリンタ11は、電子写真方式のプリンタであり、各種の画像データを用紙に印刷する。プリンタ11が、スキャナ3によって生成された画像データを用紙に印刷することにより、コピーが行われる。NCU12は、モデム13と公衆交換電話網(PSTN)90との接続を制御する。このNCU12及びモデム13によって、FAXの送受信が行われる。スキャナ3によって生成された画像データをFAXにより送信することができる。画像メモリ14には、スキャナ3によって生成された画像データ、FAXによって受信された画像データ等が記憶される。
【0034】
通信装置15は、LANを介して外部機器との間で行われる情報の送受信を制御する。このため、複合機5は、LANを介してパーソナルコンピュータ等の機器からスキャン又はプリント等の要求を受信することができる。操作パネル16は、ユーザが複合機5を操作するために、複数の操作ボタンを備えている。ディスプレイ17は、例えば液晶ディスプレイで構成され、各種の設定内容等を表示する。ユーザは、ディスプレイ17を参照しながら、操作パネル16を操作して、原稿搬送装置1にセットされた原稿の読取指示等、各種の指示を行うことができる。
【0035】
制御部18は、物理的な構成要素として、CPU18a、制御プログラム等を記憶するROM18b、及びRAM等を有している。制御部18は、制御プログラムを実行することにより、複合機5を構成する上記のハードウエアを統合的に制御する。
【0036】
次に、図2を参照して、スキャナ3、及びスキャナ3に搭載された原稿搬送装置1について説明する。図2は、原稿搬送装置1の構成を示す概略図である。図2は、複合機5の上部に搭載された原稿搬送装置1と、原稿搬送装置1の下方に配置された読取デバイス30とを示している。
【0037】
スキャナ3は、読取デバイス30と原稿搬送装置1とを備えて構成されている。読取デバイス30は、光源、ミラー並びにレンズ等の光学系部品、及びCCD31等を備えて構成され、原稿を読み取って画像データを生成する。読取デバイス30が原稿を読み取る方式として、フラットベット方式とADF(auto document feeder)方式がある。フラットベット方式では、大プラテンガラス32上に原稿が載置された状態で、読取デバイス30を構成する各部品が搭載されたキャリッジが大プラテンガラス32の下側を移動することにより、原稿全体が読み取られる。なお、読取デバイス30を構成する部品のうち、光源、ミラーのみがキャリッジに搭載されて、読取時に移動し、レンズ及びCCD31が大プラテンガラス32の下側に固定されていてもよい。ADF方式では、読取デバイス30が、小プラテンガラス33の下側に固定され、原稿が小プラテンガラス33上の読取位置34を通過する際に、原稿が読み取られる。
【0038】
原稿搬送装置1は、ADF方式で原稿の読取が行われる場合に、原稿トレイ35から読取位置34を経由して排出トレイ36まで原稿を搬送する。ユーザによって原稿の両面読みが設定された場合、原稿搬送装置1は、原稿の両面が読取位置34を通過するように原稿を搬送する。すなわち、原稿搬送装置1は、原稿を原稿トレイ35から読取位置34に導入し、原稿の第1面を読み取らせる。そして、原稿搬送装置1は、読取装置34の下流側で原稿の表裏を反転させて再び読取位置34の下流側から原稿を読取位置34に導入し、原稿の第2面を読み取らせる。その後、原稿搬送装置1は、原稿を排紙トレイ36に向けて搬送する。
【0039】
このようなタイプの原稿搬送装置1は、UR−ADFタイプと呼ばれ、読取部を2つ備えたDR−ADFタイプと比べて、読取部が1つで済むので、製造コストを抑えることができる。また、UR−ADFタイプは、原稿が1つの読取部を3回通過するR−ADFタイプと比べて、スイッチバック機構等を搭載する必要がないので、生産性が高い。
【0040】
引き続いて、図2と共に、図3〜図5を参照して、原稿搬送装置1が備える搬送路70について説明する。図3〜図5は、搬送路70を示している。以下、上下左右の用語は、図2〜5の紙面における上下左右の方向を示している。
【0041】
搬送路70は、導入経路61、排出経路62、及び反転経路63を構成している。導入経路61は、原稿トレイ35から読取位置34に原稿を導入する経路である。排出経路62は、読取位置34から排出トレイ36まで原稿を搬送する経路である。反転経路63は、両面読みが選択された場合に、読取装置34の下流側で原稿の表裏を反転させて再び読取位置34の下流側から原稿を読取位置34に導入する経路である。
【0042】
この反転経路63には、長反転経路63Lと短反転経路63Sとがある。短反転経路63Sは、長反転経路63Lより経路長が短い。長反転経路63Lは、搬送方向に沿った原稿の長さが比較的長い原稿を反転させるための経路である。短反転経路63Sは、原稿の長さが比較的短い原稿を反転させるための経路である。長さが短い原稿を経路長の短い経路で反転させることにより、搬送距離を短くし、読取処理の時間を短縮することができる。
【0043】
片面読みに設定されている場合、図2に示されるように、原稿は、導入経路61、及び片面読み時の排出経路62Aを通ることになる。図2の太い矢印は、片面読みが選択された場合における原稿の搬送経路を示している。両面読みに設定され、原稿が長い場合、原稿は、導入経路61、長反転経路63L、両面読み時の排出経路62Bを通ることになる。図3の太い矢印は、長反転経路63Lを示している。また、図5の太い矢印は、両面読み時の排出経路62Bを示している。両面読みに設定され、原稿が短い場合、原稿は、導入経路61、短反転経路63S、両面読み時の排出経路62Bを通ることになる。図4の太い矢印は、短反転経路63Sを示している。
【0044】
導入経路61は、搬送路70が備える導入パス71を通る経路である。導入パス71は、原稿トレイ35から、該原稿トレイ35の左斜め下方に位置する読取位置34に向かうパスである。導入パス71は、原稿トレイ35から左方向に延び、略C字状に湾曲している。原稿は、導入経路61に沿って搬送されることにより、原稿トレイ35から読取位置34まで搬送される。
【0045】
反転経路63は、搬送路70が備える上流側反転パス72、中央反転パス73、下流側反転パス74、及び短絡パス75によって構成されている。上流側反転パス72は、読取位置34から右上方へ向かうパスである。上流側反転パス72の下流側端点が、中央反転パス73の上流側端点と接続されている。中央反転パス73は、略横倒しU字状に湾曲している。中央反転パス73の下流側端点が、下流側反転パス74の上流側端点と接続されている。下流側反転パス74は、上流側反転パス72の下方に設けられ、読取位置34まで延びている。
【0046】
短絡パス75は、中央反転パス73の内側に位置し、略逆C字状に湾曲している。短絡パス75の上流側端点が、上流側反転パス72の下流側端点に接続している。短絡パス75の下流側端点が、下流側反転パス74の上流側端点に接続されている。
【0047】
長反転経路63Lは、上流側反転パス72、中央反転パス73、及び下流側反転パス74を順に通る経路である。短反転経路63Sは、上流側反転パス72、短絡パス75、及び下流側反転パス74を順に通る経路である。上流側反転パス72及び下流側反転パス74は、長反転経路63L及び短反転経路63Sによって共有されている。上流側反転パス72の下流側の端点が、長反転経路63Lと短反転経路63Sとの分岐点76となる。原稿は、長反転経路63L又は短反転経路63Sに沿って搬送されることにより、原稿の第1面が読取デバイス30に面した状態から、表裏反転されて、第2面が読取デバイス30に面した状態となって、下流側から読取位置34に導入される。
【0048】
片面読み時の排出経路62Aは、上流側反転パス72、短絡パス75の上流側の部分、及び、排出パス77を順に通る経路である。排出パス77は、短絡パス75の途中の分岐点78から右下方の排出トレイ36に向かって延びているパスである。原稿は、排出経路62Aに沿って搬送されることにより、読取位置34から排出トレイ36へ排出される。
【0049】
両面読み時の排出経路62Bは、導入パス71の下流側の部分、接続パス80、上流側反転パス72の下流側の部分、短絡パス75の上流側の部分、及び、排出パス77を順に通る経路である。接続パス80は、導入パス71の途中の分岐点81と上流側反転パス72の途中の点とを接続するパスである。排出経路62Bは、読取位置34から導入パス71を導入時とは逆方向に分岐点81まで進み、分岐点81から接続パス80を経て、上流側反転パス72の下流側の部分に至る経路である。その後の経路は、片面読み時の排出経路62Aと同様である。原稿が排出経路62Bに沿って搬送されることにより、読取位置34から排出トレイ36へ排出される。
【0050】
導入パス71における読取位置34と分岐点81との間の部分は、導入経路61と排出経路62Bとによって共有された共有部分82である。共有部分82が導入経路61として利用される際には、分岐点81から下流側の読取位置34に向かって搬送される。一方、共有部分82が排出経路62Bとして利用される際には、読取位置34から分岐点81に向かって搬送される。
【0051】
また、排出パス77と中央反転パス73とが、交わっている。この排出パス77と中央反転パス73とが交わる部分は、排出経路62A,62Bと長反転経路63Lとによって共有された共有部分79である。共有部分79が排出経路62A,62Bとして利用される際には、原稿が左側から下流側の排出トレイ36に向かって搬送される。一方、共有部分79が長反転経路63Lとして利用される際には、原稿が右側から左側に向かって搬送される。このように、搬送路70の一部を複数の経路によって共有することにより、原稿搬送装置1を小型化することができる。
【0052】
引き続き図2〜5を参照して原稿搬送装置1の構成について説明すると共に、図6を参照しながら、原稿搬送装置1が備える制御部20について説明する。原稿搬送装置1は、各経路に沿って原稿を搬送するために、各種のローラ、センサ、及び経路を切り替える切替ガイド等を備えている。原稿搬送装置1は、これらの構成要素を統合的に制御して原稿の搬送を行うために、制御部20を備えている。
【0053】
制御部20は、物理的な構成要素として、CPU、ROM、及びRAM等を有している。制御部20は、ROMに記憶された搬送制御プログラムを実行することにより、原稿搬送装置1の各構成要素を統合的に制御する。制御部20は、機能的には、各種のセンサに基づいて経路を切り替える切替制御部21、及び、ローラの回転を制御して原稿の搬送を制御する搬送制御部22を備えている。この制御部20は、原稿搬送装置1の筺体内に内蔵されていてもよいし、複合機5が備える制御部18が原稿搬送装置1の制御部20としての機能を有していてもよい。
【0054】
原稿トレイ35には、原稿検知センサ41が設けられている。これにより、原稿トレイ35に原稿がセットされたことが検知される。原稿トレイ35上にはピックアップローラ42と分離ローラ43とが設けられている。ピックアップローラ42は、原稿トレイ35にセットされた原稿をピックアップし、分離ローラ43がピックアップされた原稿を1枚に分離して搬送路70に繰り出す。
【0055】
原稿搬送装置1は、搬送路70の入口付近に配置されたレジストセンサ44とレジストローラ45とを備えている。レジストローラ45は、導入パス71すなわち導入経路61上に配置されている。レジストローラ45は、1対の駆動ローラと従動ローラとによって構成されている。レジストセンサ44は、レジストローラ45の上流側に配置されている。レジストセンサ44は、原稿の先端が到来したタイミングを検知する。原稿の先端が検知された後、制御部20が、レジストローラ45の回転を一旦停止させることにより、原稿の斜行が補正される。制御部20は、レジストローラ45の回転を一定時間停止させた後、再び回転を開始し、原稿の搬送を再開させる。
【0056】
一般的に、レジストセンサ44は、レジストローラ45の停止タイミングを計るために、原稿の先端のみを検知するセンサとして用いられる。本実施形態に係るレジストセンサ44は、原稿の先端に加えて、原稿の後端が到来したタイミングも検知する。なお、レジストセンサ44を含む後述するセンサは、発光装置と受光装置とによって構成された斜光センサである。斜光センサは、原稿の先端が発光装置と受光装置との間の位置に到来したタイミングと、その位置に後端が到来したタイミングとを検知することができる。
【0057】
レジストセンサ44は、原稿の先端が検知されたタイミング、及び、後端が検知されたタイミングで検知信号を制御部20へ出力する。このため、切替制御部21は、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さを把握することができる。この時間の長さは、原稿の長さに対応するので、レジストセンサ44によって原稿の長さを検知することができる。
【0058】
切替制御部21は、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さに基づいて、長反転経路63L及び短反転経路63Sのうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択する。具体的には、切替制御部21は、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さが、予め定められた閾値以上である場合は、反転経路として長反転経路63Lを選択する。一方、切替制御部21は、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さが、予め定められた閾値未満である場合は、反転経路として短反転経路63Sを選択する。
【0059】
長反転経路63Lと短反転経路63Sとを切り替えるために、原稿搬送装置1は、分岐点76に配置された切替ガイド46を備えている。切替ガイド46は、ソレノイドを有し、ソレノイドに通電されることにより傾いて、反転経路63を長反転経路63L又は短反転経路63Sに切り替えた状態となる。本実施形態では、切替ガイド46は、通電が停止されている状態で、短反転経路63Sに切り替えた状態となる。一方、通電されている状態では、切替ガイド46は、長反転経路63Lに切り替えた状態となる。
【0060】
切替制御部21は、切替ガイド46に対する通電を制御することにより、選択された反転経路に切り替わるように、切替ガイド46の切替制御を行う。切替制御部21は、原稿の先端が長反転経路63Lと短反転経路63Sとの分岐点76に到達する前に、反転経路63を切り替える。
【0061】
導入パス71には、レジストローラ45と読取位置34との間に、三連ローラ47が設けられている。三連ローラ47は、第1〜第3のローラ47a〜47cによって構成されている。第1のローラ47aは、導入パス71の分岐点81より上流側の部分と接続パス80とに挟まれた駆動ローラである。第2のローラ47bは、導入パス71の分岐点81より上流側に配置され、第1のローラ47aと対になって、導入パス71に沿って原稿を搬送する。第3のローラ47cは、接続パス80側に配置され、第1のローラ47aと対になって、接続パス80に沿って原稿を搬送する。
【0062】
原稿搬送装置1は、導入パス71において、三連ローラ47の下流側に配置されたタイミング生成センサ48を備える。このタイミング生成センサ48は、レジストローラ45と読取位置34との間に配置されている。タイミング生成センサ48は、スキャナ3が読取処理を開始するタイミングを決定するために、原稿の先端が到来したタイミングを検知する。タイミング生成センサ48は、原稿の先端が到来したタイミングで検知信号を複合機5の制御部18へ出力する。その後、制御部18は、タイミング生成センサ48の検知結果に基づいて、読取処理の開始タイミングを決定する。例えば、制御部18は、タイミング生成センサ48から検知信号が入力された際に、読取処理を開始するように制御してもよい。
【0063】
また、タイミング生成センサ48は、原稿の長さを検知するために、原稿の後端が到来したタイミングも検知する。すなわち、タイミング生成センサ48は、原稿の先端が検知されたタイミング、及び、後端が検知されたタイミングで検知信号を制御部20へ出力する。
【0064】
原稿の長さは、レジストセンサ44によっても検知されている。ただし、レジストセンサ44が原稿の先端を検知した後、原稿の斜行を補正するために、レジストローラ45の回転が一旦停止し、用紙の搬送が一旦停止される。このため、レジストセンサ44によって把握される原稿の長さには、誤差が含まれていると考えられる。また、原稿が斜行した状態で搬送されて来る場合、レジストセンサ44は、斜行した原稿の先端を検知することになる。これに起因して、レジストセンサ44によって把握される原稿の長さには、誤差が含まれている場合がある。切替制御部21が、レジストセンサ44の検知結果に基づいて反転経路63の選択を行っているため、選択された反転経路63の経路長が、実際の原稿の長さより短い虞がある。その場合、原稿の先端が反転経路63を通り、読取位置34付近に再び到達した際に、原稿の後端が読取位置34を通過しておらず、原稿が詰まる虞がある。
【0065】
これに対して、タイミング生成センサ48は、レジストローラ45の下流側に配置されているので、斜行が補正された原稿の先端を検知し、その後、後端が検知されるまで、ジャムが発生しなければ、原稿の搬送が停止されることはない。従って、タイミング生成センサ48によって検知される原稿の長さは、レジストセンサ44によって検知される原稿の長さより正確である。
【0066】
そこで、搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって検知される原稿の長さと、切り替えられた反転経路63の経路長とに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判断を行う。長反転経路63Lの経路長は、上流側反転パス72と中央反転パス73と下流側反転パス74との長さを合計した長さである。短反転経路63Sの経路長は、上流側反転パス72と短絡パス75と下流側反転パス74との長さを合計した長さである。長反転経路63L及び短反転経路63Sの経路長は、制御部20に予め記憶されている。
【0067】
搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さが、切り替えられた反転経路63の経路長以上であれば、原稿の搬送を停止させると判断する。この場合、搬送制御部22は、原稿の搬送を停止させ、その旨をユーザに知らせるために、アラーム音を出力する。一方、搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さが、切り替えられた反転経路63の経路長より小さければ、原稿の搬送を停止させないと判断する。この場合、搬送制御部22は、原稿の搬送を続行する。なお、搬送制御部22は、切り替えられた反転経路63の経路長そのものの値ではなく、該経路長に基づいて定められた閾値を用いて、搬送停止の判断をしてもよい。
【0068】
正逆転ローラ49は、タイミング生成センサ48の下流側、導入パス71の共有部分82に設けられている。正逆転ローラ49は、一対の駆動ローラと従動ローラによって構成されている。共有部分82は、導入経路61として利用される際の経路方向と、排出経路62Bとして利用される際の経路方向とが正逆反対である。共有部分82が導入経路61として利用される際には、正逆転ローラ49が正回転するように、搬送制御部22によって制御される。また、共有部分82が排出経路62Bとして利用される際には、正逆転ローラ49が逆回転するように、搬送制御部22によって制御される。
【0069】
搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さ(原稿の長さ)に基づいて、正逆転ローラ49の回転を逆回転させるタイミングを制御する。両面読みが行われる場合は、共有部分82は、導入経路61として利用された後、排出経路62Bとして利用される。搬送制御部22は、例えば、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さと、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されたタイミングと、選択された反転経路63の経路長とに基づいて、原稿の先端が再び共有部分82に到達するタイミングを算出する。そして、搬送制御部22は、例えば、算出したタイミングからマージンを差し引いて、正逆転ローラ49の逆回転を開始するタイミングを決定する。
【0070】
また、搬送制御部22は、正逆転ローラ49の逆回転を開始するタイミング、及び、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さ(原稿の長さ)に基づいて、原稿の後端が共有部分49を通過するタイミングを算出する。搬送制御部22は、例えば、算出したタイミングにマージンを加算して、正逆転ローラ49の逆回転を停止するタイミングを決定する。
【0071】
上流側反転パス72には、三連ローラ50及び搬送ローラ51が設けられている。三連ローラ50は、第1〜第3のローラ50a〜50cによって構成されている。第1のローラ50aは、上流側反転パス72と下流側反転パス74とに挟まれた駆動ローラである。第2のローラ50bは、上流側反転パス72に配置され、第1のローラ50aと対になって、上流側反転パス72に沿って原稿を搬送する。第3のローラ50cは、下流側反転パス74に配置され、第1のローラ50aと対になって、下流側反転パス74に沿って原稿を搬送する。
【0072】
搬送ローラ51は、上流側反転パス72において三連ローラ50より下流側に配置されている。搬送ローラ51は、一対の駆動ローラと従動ローラによって構成されている。この搬送ローラ51は、上流側反転パス72に沿って原稿を分岐点76に向けて搬送する。分岐点76に設けられた切替ガイド46によって、原稿は、長反転経路63L又は短反転経路63Sに導かれる。
【0073】
正逆転ローラ52は、中央反転パス73と排出パス77とが交わる共有部分79に設けられている。正逆転ローラ52は、一対の駆動ローラと従動ローラによって構成されている。共有部分79は、長反転経路63Lとして利用される際の経路方向と、排出経路62A,62Bとして利用される際の経路方向とが正逆反対である。共有部分79が排出経路62A,62Bとして利用される際には、正逆転ローラ52が正回転するように、搬送制御部22によって制御される。また、共有部分79が長反転経路63Lとして利用される際には、正逆転ローラ52が逆回転するように、搬送制御部22によって制御される。
【0074】
搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さ(原稿の長さ)に基づいて、正逆転ローラ52の回転を逆回転させるタイミングを制御する。例えば、長反転経路63Lが選択された場合、搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さと、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されたタイミングとに基づいて、原稿の先端が共有部分79に到達するタイミングを算出する。そして、搬送制御部22は、算出したタイミングからマージンを差し引いて、正逆転ローラ52の逆回転を開始するタイミングを決定する。
【0075】
また、搬送制御部22は、正逆転ローラ52の逆回転を開始するタイミング、及び、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さに基づいて、原稿の後端が共有部分79を通過するタイミングを算出する。搬送制御部22は、例えば、算出したタイミングにマージンを加算して、正逆転ローラ52の逆回転を停止するタイミングを決定する。
【0076】
原稿搬送装置1は、中央反転パス73の共有部分79より下流側に設けられた到来検知センサ53を備えている。この到来検知センサ53は、タイミング生成センサ48より下流側に設けられている。到来検知センサ53は、原稿の先端が到来したタイミングを検知し、検知したタイミングで検知信号を制御部20へ出力する。
【0077】
搬送制御部22は、反転経路として長反転経路63Lが選択された場合、到来検知センサ53の検出結果をジャム検出に利用する。搬送制御部22は、ジャム検出に先立って、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さに基づいて時間の閾値を設定する。この時間の閾値は、搬送路70におけるタイミング生成センサ48と到来検知センサ53との間の長さに基づいて、設定される。そして、搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されてから閾値の時間以内に、到来検知センサ53によって原稿の先端が検知されなかった場合に、ジャムが発生したと判断する。この場合、搬送制御部22は、原稿の搬送を停止させ、その旨をユーザに知らせるために、アラーム音を出力する。搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されてから閾値の時間以内に、到来検知センサ53によって原稿の先端が検知された場合、搬送を停止させずに、原稿の搬送を続行する。
【0078】
下流側反転パス74には、搬送ローラ54が設けられている。この搬送ローラ54は、下流側反転パス74に沿って原稿を搬送する。搬送ローラ54は、一対の駆動ローラと従動ローラによって構成されている。搬送ローラ54と三連ローラ50との間には、レジストセンサ55が配置されている。このレジストセンサ55は、原稿の先端が到来したタイミングを検知する。原稿の先端が検知された後、三連ローラ50の回転を一旦停止することにより、原稿の斜行を補正することができる。すなわち、三連ローラ50のうち第1のローラ50aと第3のローラ50cとが、対になってレジストローラとして機能する。斜行が補正された原稿は、第2面が読取デバイス30に面した状態で、読取位置34へ再び導入される。
【0079】
短絡パス75の分岐点78には、短反転経路63Sと排出経路62とを切り替える切替ガイド56が設けられている。切替ガイド56は、ソレノイドを有し、ソレノイドに通電されることにより傾いて、経路を切り替えた状態となる。本実施形態では、切替ガイド56は、通電が停止されている状態で、短絡パス75の分岐点78から排出パス77に沿って搬送されるように原稿を導く。一方、切替ガイド56は、通電されている状態で、分岐点78において引き続き短絡パス75に沿って搬送されるように原稿を導く。切替制御部21は、切替ガイド56の通電を制御することにより、切替ガイド56の切替を行う。
【0080】
また、切替制御部21は、切替ガイド46,56の通電が開始された場合、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さ(原稿の長さ)に基づいて、切替ガイド46,56の通電を停止するタイミングを制御する。例えば、切替ガイド46については、長反転経路63Lが選択された場合に通電が開始される。切替制御部21は、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さと、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されたタイミングとに基づいて、原稿の後端が分岐点76を通過するタイミングを算出する。そして、切替制御部21は、算出したタイミングにマージンを加算して、切替ガイド46の通電を停止するタイミングを決定する。
【0081】
また、例えば、切替ガイド56については、短反転経路63Sが選択された場合に、通電が開始される。切替制御部21は、タイミング生成センサ48によって検知された時間の長さと、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されたタイミングとに基づいて、原稿の後端が分岐点78を通過するタイミングを算出する。そして、切替制御部21は、算出したタイミングにマージンを加算して、切替ガイド56の通電を停止するタイミングを決定する。
【0082】
引き続いて、原稿搬送装置1の動作について説明する。まず、ユーザによって片面読みが選択された場合について説明する。図2の太い矢印は、片面読みが選択された場合における原稿の搬送経路を示している。片面読みが選択された場合、原稿は、導入経路61及び排出経路62Aに沿って搬送される。
【0083】
原稿の搬送は、原稿が原稿トレイ35にセットされ、ユーザによって読取を開始する旨の操作が行われた場合に開始される。原稿の搬送が開始されると、まず、ピックアップローラ42によって原稿トレイ35上の原稿がピックアップされる。次に、原稿が、分離ローラ43によって一枚に分離され、搬送路70に繰り出される。搬送路70に繰り出された原稿の先端は、レジストセンサ44によって検知される。続いて、レジストローラ45の回転が停止し、原稿の斜行が補正される。所定時間後にレジストローラ45の回転が再開し、原稿が導入経路61に沿って搬送される。
【0084】
導入経路61では、原稿が、三連ローラ47及び正回転中の正逆転ローラ49によって搬送される。原稿の先端が、タイミング生成センサ48によって検知された後、原稿の先端が読取位置34に到来するタイミングに合わせて、読取デバイス30による読取処理が開始される。読取位置34を通過した原稿の先端は、振り分けフィルムによって、上流側反転パス72に導かれる。そして、原稿は、排出経路62Aに沿って搬送される。
【0085】
排出経路62Aでは、原稿は、まず、三連ローラ50及び搬送ローラ51によって上流側反転パス72に沿って搬送される。その後、原稿の先端は、分岐点76に設けられた切替ガイド46によって短絡パス75に導かれる。そして、原稿の先端は、切替ガイド56によって短絡パス75から排出パス77に導かれる。続いて、原稿は、正回転中の正逆転ローラ52によって排出パス77に沿って搬送され、排出トレイ36に排出される。
【0086】
次に、図7を参照して、ユーザによって両面読みが選択された場合について説明する。図7は、両面読みが選択された場合における原稿搬送装置1による原稿搬送手順を示すフローチャートである。両面読みにおいて導入経路61を通って読取位置34まで搬送される点は、片面読みの場合と同様である。その後、両面読みの場合は、長反転経路63L又は短反転経路63Sを通り、両面読み時の排出経路62Bを通って排出トレイ36に排出される。また、搬送中に、反転経路の切替制御及びジャム検知が行われる。なお、図3の太い矢印は、長反転経路63Lを示している。図4の太い矢印は、短反転経路63Sを示している。図5の太い矢印は、両面読み時の排出経路62Bを示している。
【0087】
まず、上述したように、ピックアップローラ42及び分離ローラ43によって、原稿が搬送路70に繰り出される。そして、ステップS101では、原稿の先端が、レジストセンサ44によって検知される。続いて、レジストローラ45によって、原稿の斜行が補正される。その後、原稿の先端は、三連ローラ46及び正回転中の正逆転ローラ49によって導入パス71に沿って、搬送される。
【0088】
一方、ステップS102では、原稿の後端が、レジストセンサ44によって検知される。すなわち、ステップS101及びステップS102によって、レジストセンサ44による検知ステップが行われる。この検知ステップでは、レジストセンサ44によって、原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さ(原稿の長さ)が検知される。
【0089】
続いて、ステップS103では、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さが、閾値以上か否かが、切替制御部21によって判断される。レジストセンサ44によって検知された原稿の長さが、閾値未満である場合、短反転経路63Sが切替制御部21によって選択される。この場合、切替ガイド46は、短反転経路63Sに原稿を導くように維持される。原稿の先端が、タイミング生成センサ48によって検知された(第1の検知ステップ)後、第1面が読取デバイス30に面した状態で、読取位置34を通過する。続いて、原稿の先端は、上流側反転パス72に沿って搬送される。分岐点76に到達した原稿の先端は、切替ガイド46によって短絡パス75に導かれ、短反転経路63Sに沿って搬送される。
【0090】
一方、ステップS104では、原稿の後端が、タイミング生成センサ48によって検知される。すなわち、タイミング生成センサ48による第2の検知ステップが行われる。この検知ステップでは、原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さ(原稿の長さ)が、タイミング生成センサ48によって検知される。
【0091】
続いて、ステップS105では、判断ステップが行われる。この判断ステップでは、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さが、短反転経路63Sの経路長以上であるか否かが、搬送制御部22によって判定される。原稿の長さが短反転経路63Sの経路長以上である場合、原稿が詰まる可能性が高いので、搬送を停止すると搬送制御部22によって判断される。この場合、ステップS112へ処理が進む。ステップS112では、原稿の搬送が搬送制御部22によって停止され、その旨をユーザに通知するために、アラームが出力される。
【0092】
一方、ステップS105において、原稿の長さが短反転経路63Sの経路長未満であると判定された場合、原稿の搬送を続行すると判断され、処理がステップS106へ進む。ステップS106では、短反転経路63Sに沿って引き続き原稿が搬送される。原稿の先端は、下流側反転パス74に沿って搬送され、レジストセンサ55によって検知される。ここで、三連ローラ50が、レジストローラとして機能し、原稿の斜行が補正される。続いて、原稿の先端が、第2面が読取デバイス30に面した状態で、読取位置34を再び通過する。
【0093】
一方、ステップS103において、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さが、閾値以上である場合、長反転経路63Lが切替制御部21によって選択される。この場合、処理がステップS107へ進む。ステップS107では、切替ガイド46が、切替制御部21によって切り換えられる。すなわち、切替ガイド46への通電が開始され、切替ガイド46が傾くことにより、反転経路が、長反転経路63Lに切り替えられる。このステップS103及びステップS107によって、切替ステップが行われる。原稿の先端は、タイミング生成センサ48によって検知された後、第1面が読取デバイス30に面した状態で、読取位置34を通過する。続いて、原稿の先端は、上流側反転パス72に沿って搬送される。そして、分岐点76に到達した原稿の先端は、切替ガイド46によって反転パス73に導かれ、長反転経路63Lに沿って搬送される。
【0094】
一方、ステップS108では、原稿の後端が、タイミング生成センサ48によって検知される。すなわち、タイミング生成センサ48による第2の検知ステップが行われる。続いて、ステップS109では、判断ステップが行われる。この判断ステップでは、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さが、長反転経路63Lの経路長以上であるか否かが、搬送制御部22によって判定される。原稿の長さが長反転経路63Lの経路長以上である場合、原稿が詰まる可能性が高いので、搬送を停止すると搬送制御部22によって判断される。この場合、ステップS112へ処理が進む。ステップS112では、原稿の搬送が搬送制御部22によって停止され、その旨をユーザに通知するために、アラームが出力される。
【0095】
一方、ステップS109において、原稿の長さが長反転経路63Lの経路長未満であると判定された場合、原稿の搬送を続行すると判断され、処理がステップS110へ進む。ステップS110では、長反転経路63Lに沿って引き続き原稿が搬送される。そして、逆方向に回転するように制御された正逆転ローラ52によって、原稿が、中央反転パス73の共有部分79を排出時とは逆方向に搬送される。
【0096】
次に、ステップS111では、ステップS108において検知された原稿の長さに基づいて定められた閾値の時間内に、到来検知センサ53によって原稿の先端が検知されたか否かが判断される。ステップS108において検知された原稿の長さは、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さである。ステップS111では、原稿の後端がタイミング生成センサ48によって検知されてから上記の閾値の時間内に、原稿の先端が、到来検知センサ53によって検知されたか否かが判断される。原稿の先端が閾値の時間内に検知されなかった場合、ジャムが発生している可能性が高い。そのため、処理がステップS112に移行し、原稿の搬送制御が停止される。そして、ユーザに通知するためにアラームが出力される。
【0097】
一方、ステップS111において、原稿の先端が閾値の時間内に検出された場合、引き続き、長反転経路63Lに沿って原稿が搬送される。原稿の先端は、下流側反転パス74に沿って搬送され、レジストセンサ55によって検知される。ここで、三連ローラ50が、レジストローラとして機能し、原稿の斜行が補正される。続いて、原稿の先端が、第2面が読取デバイス30に面した状態で、読取位置34を再び通過する。
【0098】
次に、ステップS113では、読取位置34を通過した原稿の先端が、両面読み時の排出経路62Bに沿って搬送される。まず、原稿は、導入パス71における読取位置34から分岐点81までの共有部分82を導入時とは逆方向に搬送される。原稿は、この共有部分82においては、逆方向に回転するように制御された正逆転ローラ49によって搬送される。続いて、原稿は、分岐点81に配置された振り分けフィルムによって接続パス80に導かれ、三連ローラ47によって接続パス80に沿って搬送される。そして、原稿の先端は、上流側反転パス72の下流側の部分に導入される。
【0099】
長反転経路63Lが選択されていた場合、ステップS107において、中央反転パス73に導かれるように、切替ガイド46が切り替えられている。その後、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さに基づいて、原稿の後端が切替ガイド46を通過した後に、切替ガイド46の通電を停止するように制御される。このため、原稿の先端が分岐点76に到達するまでには、切替ガイド46が短絡パス75に原稿を導くように切り替えられている。従って、原稿の先端は、分岐点76において切替ガイド46によって短絡パス75に導かれる。
【0100】
また、短反転経路63Sが選択された場合、短絡パス75に沿って原稿が搬送されるように、切替ガイド56が切り替えられている。その後、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さに基づいて、原稿の後端が切替ガイド56を通過した後に、切替ガイド56の通電を停止するように制御される。このため、原稿の先端が分岐点78に到達するまでには、切替ガイド56が排出パス77に原稿を導くように切り替えられている。従って、原稿の先端は、分岐点78において切替ガイド56によって排出パス77に導かれる。そして、原稿は、正回転中の正逆転ローラ52によって排出パス77に沿って搬送され、排出トレイ36に排出される。
【0101】
次の原稿は、前の原稿の後端がレジストセンサ55によって検知されたタイミングで、搬送路70への繰り込みが開始される。以上のようにして、原稿の長さが短い原稿については、短反転経路63Sが選択されるので、搬送経路を短くし、搬送時間を短くすることができる。また、1枚毎に原稿の長さが検知され、長反転経路63Lと短反転経路63Sとが切り換えられる。従って、原稿の長さが長い原稿と短い原稿が混載された場合であっても、長反転経路63Lと短反転経路63Sとを遅延なく切り替えることができる。
【0102】
以上説明した本実施形態に係る原稿搬送装置1では、レジストセンサ44が、原稿の長さを検知するセンサとしても機能するので、反転経路63を選択するためのセンサを別途追加する必要がない。更に、このレジストセンサ44は、レジストローラ45より上流側に配置されているので、装置を大型化することなく、レジストセンサ44から、長反転経路63Lと短反転経路63Sとの分岐点76までの長さを十分確保することができる。よって、原稿の先端が分岐点76に到達する前に、原稿の後端がレジストセンサ44に到達し、反転経路63を切り替えることができる。従って、原稿搬送装置1の大型化を防ぐと共にセンサの数を増加させることなく、長反転経路63Lと短反転経路63Sとを切り替えることが可能となる。
【0103】
また、原稿搬送装置1では、レジストセンサ44だけでなく、タイミング生成センサ48によっても原稿の長さを検知する。そして、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さと、選択された反転経路63の経路長とに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かが判断される。従って、より正確な原稿の長さに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かを判断することができる。また、読取タイミングを決定するための検知センサをタイミング生成センサとして兼用するので、センサの数が増加することを防止できる。
【0104】
また、原稿搬送装置1では、切替ガイド46,56が通電されている場合、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さに基づいて、通電を停止するタイミングが制御される。従って、より正確な原稿の長さに基づいて、通電を停止するタイミングを制御するので、通電時間を必要最小限にすることができる。
【0105】
また、原稿搬送装置1では、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さに基づいて、時間の閾値が設定される。そして、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されてから閾値の時間以内に到来検知センサ53によって原稿の先端が検知されなかった場合に、原稿の搬送制御が停止される。このため、原稿の後端がタイミング生成センサ48を通過してから、原稿の先端が到来検知センサ53に到達するまでの間に、原稿のジャムが発生した場合、閾値の時間以内に到来検知センサによって原稿の先端が検知されないので、原稿の搬送が停止される。すなわち、原稿のジャムを検知し、搬送を停止することができる。
【0106】
更に、原稿搬送装置1では、タイミング生成センサ48によって検知された原稿の長さに基づいて、正逆転ローラ49,52の回転を逆回転させるタイミングが制御される。従って、より正確な原稿の長さに基づいて、正逆転ローラ49,52の回転を逆回転させるタイミングが制御される。よって、より効率的に搬送制御を行うことができる。
【0107】
(他の制御形態)
引き続いて、両面読みが選択された場合の他の制御形態について説明する。上述した図7に示す制御形態では、レジストセンサ44が原稿の先端及び後端を検知した後に、原稿の先端がレジストセンサ44によって検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さが所定時間内か否かに基づいて反転経路63が選択される。これに対して、他の制御形態では、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから所定時間内に後端が検知されたか否かに基づいて、反転経路63が選択される。
【0108】
具体的には、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから所定時間が経過する前に原稿の後端がレジストセンサ44によって検知された場合、切替制御部21は、原稿の長さが所定長さ未満であると判定して、短反転経路63Sを選択する。また、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから所定時間が経過したときに原稿の後端がレジストセンサ44によって検知されていなかった場合、切替制御部21は、原稿の長さが所定長さ以上であると判定して、長反転経路63Lを選択する。
【0109】
図8を参照して、他の制御形態における処理手順ついて説明する。図8は、両面読みが選択された場合における、他の制御形態による原稿搬送手順を示すフローチャートである。
【0110】
まず、ピックアップローラ42及び分離ローラ43によって、原稿が搬送路70に繰り出される。そして、ステップS201では、原稿の先端が、レジストセンサ44によって検知される。すなわち、ステップS201において、レジストセンサ44による検知ステップが行われる。続いて、レジストローラ45によって、原稿の斜行が補正される。その後、原稿の先端は、三連ローラ47及び正回転中の正逆転ローラ49によって導入パス71に沿って、搬送される。
【0111】
続いて、ステップS202では、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから所定時間内に後端がレジストセンサ44によって検知されたか否かが判定される。レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから所定時間が経過する前に原稿の後端がレジストセンサ44によって検知された場合、短反転経路63Sが切替制御部21によって選択される。例えば、原稿の後端がレジストセンサ44によって検知された時点で、短反転経路63Sが選択される。そして、処理がステップS203へ移行する。
【0112】
一方、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから所定時間が経過したときに原稿の後端がレジストセンサ44によって検知されていなかった場合、長反転経路63Lが切替制御部21によって選択される。例えば、所定時間が経過した時点で、長反転経路63Lが選択される。そして、処理がステップS206へ移行する。本処理におけるステップS203〜S205の処理は、上述したステップS104〜S106の処理と同様であり、ステップS206〜S212の処理は、上述したステップS107〜S113の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0113】
以上説明した図8に示す他の制御形態では、原稿の先端がレジストセンサ44によって検知されてから所定時間が経過する前に原稿の後端が検知された場合、所定時間の経過を待つことなく、短反転経路63Sが選択される。一方、原稿の先端がレジストセンサ44によって検知されてから所定時間が経過したときに、原稿の後端が検知されていなかった場合は、後端が検知されるのを待つことなく、長反転経路63Lが選択される。すなわち、原稿の長さが比較的長く、長反転経路63Lが選択される場合、後端が検知される前に反転経路63を選択することができる。
【0114】
図8に示す制御形態では、所定時間が経過した後に長さが比較的長い原稿の後端がレジストセンサ44を通過する際、既に長反転経路63Lに切り替えられている。よって、長さが比較的長い原稿の後端がレジストセンサ44を通過する時点で、先端が反転経路63の分岐点76を通過していてもよい。図7に示す制御形態では、原稿の後端が検知されてから反転経路63が切り替えられるので、所定の長さ以上の原稿についても、原稿の先端が分岐点76に到達する前に、後端がレジストセンサ44に到達するように、レジストセンサ44から分岐点76までの距離を確保する必要がある。これに対して、図8に示す制御形態では、所定時間が経過した時点で反転経路63が切り替えられるので、所定の長さ未満の原稿について、原稿の先端が分岐点76に到達する前に、後端がレジストセンサ44に到達するように、レジストセンサ44から分岐点76までの距離を確保すればよい。従って、図8に示す他の制御形態では、レジストセンサ44から上記分岐点76までの経路長をより短くすることができ、原稿搬送装置をより小型化することが可能となる。
【0115】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、タイミング生成センサ48が原稿の先端を検知してから、レジストセンサ44によって検知された時間以内に、タイミング生成センサ48が原稿の後端を検知しなかった場合、ジャムが発生したと判断してもよい。
【0116】
また、例えば、上記実施形態では、レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから原稿の後端が検知されるまでの時間の長さを、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さとしたが、これに限られない。レジストセンサ44によって原稿の先端が検知されてから原稿の後端が検知されるまでの時間の長さから、レジストローラ45の回転が停止されていた時間を差し引いた時間の長さを、レジストセンサ44によって検知された原稿の長さとしてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、タイミング生成センサ48によって原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さと、切替制御部21によって選択された反転経路63の経路長とに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行ったが、これに限られない。例えば、搬送制御部22は、タイミング生成センサ48によって原稿の先端が検知されてから、切替制御部21によって選択された反転経路63の経路長に基づいて設定された閾値の時間以内に後端が検知されたか否かに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行ってもよい。
【0118】
この場合、長反転経路63Lの経路長に基づいて第1の閾値が予め定められ、短反転経路63Sの経路長に基づいて第2の閾値が予め定められている。そして、長反転経路63Lが選択された場合、タイミング生成センサ48によって原稿の先端が検知されてから第1の閾値の時間以内に、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されたか否かに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定が行われる。すなわち、第1の閾値の時間以内に原稿の後端が検知された場合、搬送が続行され、第1の閾値の時間以内に原稿の後端が検知されなかった場合、搬送が停止される。一方、短反転経路63Sが選択された場合、タイミング生成センサ48によって原稿の先端が検知されてから第2の閾値の時間以内に、タイミング生成センサ48によって原稿の後端が検知されたか否かに基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定が行われる。すなわち、第2の閾値の時間以内に原稿の後端が検知された場合、搬送が続行され、第2の閾値の時間以内に原稿の後端が検知されなかった場合、搬送が停止される。
【0119】
上述したように、反転経路63は、レジストセンサ44の検知結果に基づいて選択されているため、選択された反転経路の経路長が実際の原稿の長さより短い虞がある。ここで、レジストセンサ44より正確なタイミング生成センサ48の検知結果に基づいて、原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行うことにより、原稿の詰まりを防止することができる。また、原稿の後端が第1又は第2の閾値の時間以内に検知されなかった場合、後端が検知されるのを待つことなく、原稿の搬送を停止することができる。
【0120】
また、例えば、上記実施形態では、画像読取装置(スキャナ3)が複合機に搭載されていたが、単機能の画像読取装置に搭載されていてもよい。また、導入経路61、排出経路62A,62B、長反転経路63L、及び短反転経路63Sの形状は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0121】
1 原稿搬送装置
3 スキャナ
5 複合機
21 切替制御部
22 搬送制御部
34 読取位置
35 原稿トレイ
36 排出トレイ
44 レジストセンサ
45 レジストローラ
46 切替ガイド
48 タイミング生成センサ
49,52 正逆転ローラ
53 到来検知センサ
61 導入経路
62,62A,62B 排出経路
63L 長反転経路
63S 短反転経路
70 搬送路
79,82 共有部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載される原稿搬送装置であって、
原稿トレイから前記読取位置に原稿を導入するための導入経路、前記読取位置の下流側で前記原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで前記原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を構成する搬送路と、
前記長反転経路と前記短反転経路とを切り替える切替ガイドと、
前記導入経路に配置されたレジストローラと、
前記レジストローラの上流側に配置され、前記原稿の先端及び後端が到来したタイミングを検知するレジストセンサと、
前記レジストセンサによって前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、前記長反転経路及び前記短反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、前記切替ガイドの切替を行う切替制御部と、
を備えることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載される原稿搬送装置であって、
原稿トレイから前記読取位置に原稿を導入するための導入経路、前記読取位置の下流側で前記原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで前記原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を構成する搬送路と、
前記長反転経路と前記短反転経路とを切り替える切替ガイドと、
前記導入経路に配置されたレジストローラと、
前記レジストローラの上流側に配置され、前記原稿の先端及び後端が到来したタイミングを検知するレジストセンサと、
前記レジストセンサによって前記原稿の先端が検知されてから所定時間内に後端が検知されたか否かに基づいて、前記長反転経路及び前記短反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、前記切替ガイドの切替を行う切替制御部と、
を備えることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項3】
前記切替制御部は、前記レジストセンサによって前記原稿の先端が検知されてから前記所定時間が経過する前に前記原稿の後端が検知された場合、前記短反転経路を選択し、前記レジストセンサによって前記原稿の先端が検知されてから前記所定時間が経過したときに前記原稿の後端が検知されていなかった場合、前記長反転経路を選択することを特徴とする請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記レジストローラと前記読取位置との間に配置され、前記画像読取装置が読取を開始するタイミングを決定するために前記原稿の先端が到来したタイミングを検知し、更に、前記原稿の長さを検知するために前記原稿の後端が到来したタイミングを検知するタイミング生成センサと、
前記タイミング生成センサによって前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さと、前記長反転経路及び前記短反転経路のうち前記切替制御部によって選択された反転経路の経路長とに基づいて、前記原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行う搬送制御部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
前記レジストローラと前記読取位置との間に配置され、前記画像読取装置が読取を開始するタイミングを決定するために前記原稿の先端が到来したタイミングを検知し、更に、前記原稿の後端が到来したタイミングを検知するタイミング生成センサと、
前記タイミング生成センサによって前記原稿の先端が検知されてから、前記切替制御部によって選択された反転経路の経路長に基づいて設定された閾値の時間以内に後端が検知されたか否かに基づいて、前記原稿の搬送を停止させるか否かの判定を行う搬送制御部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項6】
前記切替ガイドは、通電された状態で、前記長反転経路と前記短反転経路とのいずれか一方の反転経路に切り替えた状態となり、通電が停止された状態で、他方の反転経路に切り替えた状態となり、
前記切替制御部は、前記切替ガイドの通電が開始された場合、前記タイミング生成センサによって前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、前記切替ガイドの通電を停止するタイミングを制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の原稿搬送装置。
【請求項7】
前記タイミング生成センサより下流側に配置され、前記原稿の先端が到来したタイミングを検知する到来検知センサを備え、
前記搬送制御部は、前記タイミング生成センサによって前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて時間の閾値を設定し、前記タイミング生成センサによって前記原稿の後端が検知されてから該閾値の時間以内に、前記到来検知センサによって前記原稿の先端が検知されなかった場合に、前記原稿の搬送を停止させることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項8】
前記搬送路は、前記導入経路、前記長反転経路、前記短反転経路、及び前記読取位置から排出トレイまで原稿を搬送するための排出経路を含む搬送経路を構成し、該搬送路には、少なくとも2つの前記搬送経路の一部によって共有された共有部分が含まれ、
前記2つの搬送経路のうち一方の経路の方向と他方の経路の方向が正逆反対である前記共有部分には、逆回転が可能な正逆転ローラが配置され、
前記搬送制御部は、前記タイミング生成センサによって前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、前記正逆転ローラの回転を逆回転させるタイミングを制御することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の原稿搬送装置と、
前記原稿搬送装置によって搬送されて来る原稿を前記読取位置において読み取って画像データを生成する読取デバイスと、
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載され、原稿トレイから前記読取位置に原稿を導入するための導入経路、前記読取位置の下流側で前記原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで前記原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を備えた原稿搬送装置において行われる原稿搬送方法であって、
前記導入経路においてレジストローラの上流側に配置されたレジストセンサが、搬送されて来る前記原稿の先端を検知してから、前記原稿の後端を検知する検知ステップと、
前記レジストセンサによる検知ステップにおいて前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さに基づいて、前記短反転経路及び前記長反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、前記長反転経路と前記短反転経路とを切り替える切替ガイドの切替を行う切替ステップと、
を備えることを特徴とする原稿搬送方法。
【請求項11】
原稿を読取位置で読み取って画像データを生成する画像読取装置に搭載され、原稿トレイから前記読取位置に原稿を導入するための導入経路、前記読取位置の下流側で前記原稿の表裏を反転させて再び該読取位置まで前記原稿を搬送するための長反転経路及び該長反転経路より経路長が短い短反転経路を含む搬送経路を備えた原稿搬送装置において行われる原稿搬送方法であって、
前記導入経路においてレジストローラの上流側に配置されたレジストセンサが、搬送されて来る前記原稿の先端を検知する検知ステップと、
前記レジストセンサによる検知ステップにおいて前記原稿の先端が検知されてから所定時間内に前記レジストセンサによって後端が検知されたか否かに基づいて、前記短反転経路及び前記長反転経路のうちいずれの反転経路に沿って原稿を搬送させるかを選択し、前記長反転経路と前記短反転経路とを切り替える切替ガイドの切替を行う切替ステップと、
を備えることを特徴とする原稿搬送方法。
【請求項12】
前記レジストローラと前記読取位置との間に配置されたタイミング生成センサが、前記画像読取装置が読取処理を開始するタイミングを決定するために、前記原稿の先端を検知する第1の検知ステップと、
前記タイミング生成センサが、前記原稿の長さを検知するために前記原稿の後端を検知する第2の検知ステップと、
前記タイミング生成センサによる前記第1及び前記第2の検知ステップにおいて前記原稿の先端が検知されてから後端が検知されるまでの時間の長さと、前記長反転経路及び前記短反転経路のうち前記切替ステップによって選択された反転経路の経路長とに基づいて、前記原稿の搬送を停止させるか否かの判断を行う判断ステップを更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の原稿搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−32216(P2013−32216A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220088(P2011−220088)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】