説明

原稿読取装置、画像形成装置、および済スタンプの押印方法

【課題】ADF読み取りを行う場合に、読み取り範囲に応じて済スタンプを押印できる原稿読取装置を提供する。
【解決手段】2つのスタンプを主走査方向に平行に備える。一方は主走査方向に移動可能とする。原稿載置(ステップS1)して原稿幅検知(ステップS2)後、ADF読み取り前に、原稿サイズを設定する(ステップS3)。読み取りは、指定幅と検知幅の小さい方を主走査サイズとして行う(ステップS6,S7)。原稿後端の読み取り位置への到達(ステップS8でYES)、あるいは指定長の読み取り完了(ステップS9でYES)によって読み取り処理は終了し、主走査サイズに相当する間隔に離間させた2つのスタンプによって、読み取り範囲の最後端部の両端にそれぞれ済スタンプを押印する(ステップS10)。これにより、読み取り範囲が一意かつ容易に定まる済スタンプの押印が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ADF(自動原稿給紙装置)を備えた原稿読取装置における済スタンプの印字処理に係る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるコピー機やファクシミリあるいはこれらの複合装置において、連続的に原稿を給紙することが出来る、ADF(自動原稿給紙装置)を備えるものが公知である(例えば特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
また、ファクシミリ装置であって、読み取ったページに済スタンプを押印する一方、画像情報蓄積メモリの容量制限により読み取れなかったページには済スタンプを押印しないあるいは別のスタンプを押印する、などの態様によって、読み取れなかった原稿の範囲を明確にすることができる装置も公知である(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
さらには、画像形成装置であって、手動で多量のスタンプ押印の手間を省くことが出来る装置も公知である(例えば、特許文献4参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−281291号公報
【特許文献2】特開2002−290678号公報
【特許文献3】特開平8−251330号公報
【特許文献4】特開平11−136497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ADFで原稿を読み取ることにより生成される画像データは、コピーの際の原画像データおよびファクシミリ送信の際の送信画像データとして用いられる。すなわち、ADF読み取りは、コピーやファクシミリ送信などの機能を備える画像形成装置における入力データを取得する手段として作用する。それゆえ、係る画像データは、原稿においてユーザがコピーやFAX送信を所望する領域の画像を過不足なく含むデータとして生成されることが望ましい。さらには、原稿の一部領域のみが読み取られるような場合には、単にその原稿について読み取りがなされたか否かが分かるだけでなく、原稿を一目見れば、どの領域が読み取られたのかが明瞭に分かることが望ましい。
【0007】
特許文献1および特許文献2には、ADFにより原稿を給紙してこれを読み取る場合に、モードの選択という方法で読み取りサイズ(特に副走査方向のサイズ)をあらかじめ指定したうえで、読み取りを実行する装置が開示されているが、済スタンプの押印についての開示はなされていない。
【0008】
また、特許文献3には、ページの全体が読み取られたか否かによって済スタンプの押印の有無が定められる態様が開示されているのみで、一部領域のみを読み取る場合の押印の態様についての開示はみられない。
【0009】
さらに、特許文献4には、スタンプの押印を繰り返し行う場合に押印位置を所定の範囲内でばらつかせるための技術が開示されているのみであり、一部領域のみを読み取る場合の押印の態様についての開示はみられない。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ADF読み取りを行う場合に、原稿の読み取り領域に応じて、適切な位置へ済スタンプを押印することができる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、原稿を所定の読み取り位置に自動的に給紙する給紙機構と、前記読み取り位置で前記原稿を先端側から線順次に読み取る読取手段と、読み取られた原稿に済スタンプを押印する押印手段と、を備える原稿読取装置であって、前記原稿の主走査方向の予定読み取り範囲を指定幅として指定し、かつ副走査方向の予定読み取り範囲を指定長として指定する指定手段、をさらに備え、前記読取手段は、前記指定幅と前記原稿の実際の幅とのいずれか小さい方を主走査方向の読み取り範囲として、前記原稿の最後端または前記指定長の最後端のうちいずれか先に到達した方を前記読み取り範囲の最後端とする読み取りを行い、前記押印手段は、前記読み取り範囲に応じた位置に前記済スタンプを押印することを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の原稿読取装置であって、前記押印手段は、前記読み取り範囲の最後端位置であって前記読み取り幅の間隔だけ離間した2ヶ所の少なくとも一方に前記済スタンプを押印することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の原稿読取装置であって、前記押印手段は、前記読み取り範囲の最後端位置であって前記読み取り幅の間隔だけ離間した2ヶ所に前記済スタンプを押印することを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の原稿読取装置であって、前記原稿の実際の幅と前記原稿の最後端とを検知する検知手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1または請求項4に記載の原稿読取装置であって、前記読取手段による読み取り結果に基づいて画像データを生成する生成手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の原稿読取装置を画像データの入力手段として備える。
【0017】
また、請求項7の発明は、原稿を所定の読み取り位置に自動的に給紙する給紙機構を備える原稿読取装置における済スタンプの押印方法であって、主走査方向の予定読み取り範囲を指定幅として指定し、かつ副走査方向の予定読み取り範囲を指定長として指定する指定工程と、所定の読取手段によって前記読み取り位置で前記原稿を前記指定幅と前記原稿の実際の幅とのいずれか小さい方を主走査方向の読み取り範囲として先端側から線順次に読み取り、前記原稿の最後端または前記指定長の最後端のうちいずれか先に到達した方を副走査方向の読み取り範囲の最後端とする読取工程と、所定の押印手段によって前記読み取り範囲に応じた位置に前記済スタンプを押印する押印工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項7の発明によれば、原稿を所定の読み取り位置に自動的に給紙する給紙機構によって原稿を給紙しつつ読み取る場合に、指定幅と実際の原稿の幅とのいずれか小さい方を主走査方向の読み取り範囲として、指定長が原稿長よりも大きい場合には、原稿の最後端までの読み取りを行い、指定長が原稿長よりも小さい場合には、指定長の範囲のみの読み取りを行う。そして、いずれの読み取り態様の場合も、読み取り範囲に応じた位置に済スタンプを押印するので、原稿から読み取られた範囲を容易に把握することができるようになる。
【0019】
特に、請求項2および請求項3の発明によれば、いずれの読み取り態様の場合も、読み取り範囲の最後端部に済スタンプを押印するので、原稿から読み取り範囲を一意に定めることが可能になる。
【0020】
特に、請求項3の発明によれば、原稿から読み取り範囲が一意に定まることになり、原稿から読み取られた範囲を容易にかつ確実に把握することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<装置の外観構成>
図1および図2は、本発明の実施形態に係る原稿読取装置を含む画像形成装置1Aの概略外観構成を示す図であり、図1がブックカバー17を閉じた状態の斜視図に相当し、図2がブックカバー17を開いた状態の斜視図に相当する。
【0022】
図1および図2に示すように、画像形成装置1Aは、筐体HSの上面に設けられたスキャナ11と、筐体HSに内蔵されたプリンタ12と、筐体HSにおいて前方へ突出した表示部13および操作部14と、筐体HSの下部に設けられた給紙部15とを備える。さらに、画像形成装置1Aには、フィニッシング処理を行うフィニッシャ16が筐体HSの側面に装着され、スキャナ11へ原稿を給送するADF(Automatic Document Feeder)172を備えるブックカバー17が筐体HSの上面に取り付けられる。また、筐体HSの側面(側面以外でもよい)には、開閉可能なオプションスロットカバー18が設けられる。画像形成装置1Aでは、オプションスロットカバー18を開いた状態において、筐体HSに内蔵された本体ボード上のオプションスロット30(図3)に筐体HSの外側からアクセス可能である。
【0023】
画像形成装置1Aには、ユーザインターフェースとして、操作部14および表示部13が設けられる。操作部14は、メカニカルスイッチで構成され、ファクシミリ送受信およびコピーに関する各種指示を画像形成装置1Aに与えるために用いられる。表示部13は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成され、ファクシミリ送受信およびコピーに関する各種情報を表示する。例えば、後述するADF読み取りを実行する場合であれば、原稿サイズの選択メニューなどが、表示部13に表示される。なお、表示部13をタッチパネルディスプレイで構成して、表示部13が操作部14の一部または全部の機能を兼ね備えるようにしてもよい。
【0024】
給紙部15は、前方に引き出し可能な4個の給紙カセット151〜154を備える。各給紙カセット151〜154には、所定のサイズ(例えば、A4,B5等)の記録紙が所定の方向(縦、横)で格納される。
【0025】
フィニッシャ16は、画像が形成された記録紙に、ステープル加工やパンチ加工等のフィニッシング処理を施して、排紙トレイ161に出力する。図1および図2における矢印AR1は、画像が形成された記録紙の排出方向を示している。
【0026】
ブックカバー17は、ヒンジ171を軸として開閉可能となっている。ブックカバー17には後述するADF172が構成されてなる。ADF172は、複数枚の原稿を連続的に読み取ることが出来るよう、原稿を自動的に供給する機構である。ADF172は、原稿がセットされる原稿給紙トレイ173を備えており、原稿ガイド174a,174bに沿って差込口175にセット(差込)された原稿を原稿ガラス111bへ給送する。なお、原稿ガイド174aは原稿給紙トレイ173に固定されているのに対して、原稿ガイド174bは図1にて矢印AR2に示すように±Y方向に所定の範囲でスライド可能となっている。すなわち、原稿ガイド174bは読取対象となる原稿のサイズに応じてその配置を調節可能となっている。また、原稿給紙トレイ173にセットされた原稿について、原稿ガイド174aに当接される側を、以下、特に固定端側と称することがある。
【0027】
<装置の内部構成>
図3は、画像形成装置1Aの内部構成を示すブロック図である。画像形成装置1Aは、MPU(マイクロプロセッサ;MicroProcessor Unit)20、ROM21およびRAM22を備えるマイクロコンピュータを内蔵している。MPU20は、ROM21に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置1Aの各構成を統括制御する。RAM22は、MPU20による統括制御に必要なデータを一時記憶する。MPU20による統括制御により、画像形成装置1Aの各種機能が実現される。
【0028】
MPU20は、操作部14に対する操作を検出して画像形成装置1Aの動作へ反映させるとともに、表示部13における表示内容の制御を行う。また、MPU20は、フィニッシャ16の動作を制御する機能も有する。
【0029】
スキャナ11は、ライン状に設けられたCCDイメージセンサ(ラインセンサ)により原稿上の画像をライン単位に順次に(線順次に)読み取り、当該画像に係る画像データを生成する。当該画像データは、画像メモリ23に記憶され、ファクシミリ送信における送信画像データあるいは原稿コピーにおけるコピー画像データとして利用される。スキャナ11については後述する。
【0030】
プリンタ12は、例えば、LEDプリンタヘッドを有する電子写真方式のプリンタであり、与えられた画像データに係る画像を記録紙上に形成する。
【0031】
また、画像形成装置1Aは、NCU(網制御装置;Network Control Unit)24、MODEM(モデム;MOdulator DEModulator)25、CODEC(符号化・復号器;COderand DECoder)26および画像メモリ23を備える。
【0032】
NCU24は、一般公衆電話回線網(PSTN;Public Switched Telephone Networks)への接続を制御する。NCU24は、通信先の電話番号(FAX番号を含む)に対応したダイヤル信号を送出する機能および着信を検出する機能を備える。
【0033】
MODEM25は、ITU(国際電気通信連合)−T勧告T.30に従ったファクシミリ伝送制御手順に基づいて、V.17,V.27ter,V.29等に従った送信データの変調および受信データの復調を行う。あるいは、MODEM25は、これらに加えて、V.34に従った送信データの変調および受信データの復調を行う。MODEM25によって変調された送信データは、NCU24を経由してPSTNへ送出される。また、MODEM25が復調を行う受信データは、NCU24を経由してPSTNから与えられる。
【0034】
CODEC26は、画像メモリ23に記憶された送信画像データをMH,MRおよびMMR方式等により符号化(エンコード)するとともに、MODEM25によって復調された受信データを復号(デコード)する。復号により得られた受信画像データは画像メモリ23に記憶される。
【0035】
オプションスロット30は、オプションボード40を着脱可能に構成される。オプションスロット30に装着されたオプションボード40は、MPU20と通信可能であり、MPU20によって制御される。
【0036】
済スタンプ機構50は、原稿を読み取った際、読み取ったことを示す済スタンプを、該原稿の所定位置に押印するための機構である。済スタンプ機構50の詳細については後述する。
【0037】
<スキャナおよび済スタンプ機構>
図4は、スキャナ11およびADF172を含むブックカバー17の概略構成を示す断面模式図である。本実施の形態においては、スキャナ11とADF172とが、読取装置の本質的部分を構成する。
【0038】
スキャナ11は、FBS(Flat Bed Scanner)方式およびADF方式による原稿上の画像の読み取り処理を担う。なお、本実施の形態においては、前者を単に「FBS読み取り」と称し、後者を単に「ADF読み取り」と称する。図2に示すように、筐体HSの上面には、FBS読み取りの際に原稿上の画像の読取部となる原稿ガラス111aと、ADF読み取りの際に原稿上の画像の読取部となる原稿ガラス111bとが設けられてなる。原稿ガラス111a,111bは、平坦な透明ガラス板で構成されている。筐体HSの内部であって原稿ガラス111aおよび111bの下方には、読取機構113が備わっている。
【0039】
読取機構113は、照射光源とCCDイメージセンサとを含む光学系部材(他には例えば複数のミラー等を有する)が一体に設けられたものであり、MPU20によって制御される図示しない駆動手段によって±X方向に移動可能とされてなる。走査用光を原稿ガラス111aまたは111bを介して原稿に照射しながら、該原稿からの反射光をCCDイメージセンサがライン単位で順次に受光することで、原稿上の画像の読み取りがなされる。このような読取機構113は、公知技術にて構成可能である。
【0040】
FBS読み取りの場合は、まずあらかじめ、読み取りたい面を下方(−z方向)に向けた状態で原稿が原稿ガラス111a上に載置され、ブックカバー17が閉じられる。その後、操作部14を介した所定の実行指示がなされると、読取機構113は、所定の走査速度で初期位置であるX=X2から+X方向(すなわち副走査方向)へと移動する。係る移動の間、照射光源からは原稿に向けて走査用光が照射され、同時に、原稿からの反射光がCCDイメージセンサにおいて1ラインずつ受光される。これにより、原稿の読み取りが実現される。
【0041】
ADF読み取りの場合、読取機構113はX=X1の位置(読み取り位置)に固定され、原稿ガラス111b上を通過する原稿DCの画像を読み取ることになる。厳密に言えば、読取機構113はX=X1の位置にCCDイメージセンサが位置するように固定される。なお、ADF読み取りに際して原稿DCの副走査方向の端部を検知するための端部センサ112が、X=X0の位置に設けられている。端部センサ112としては、例えば公知の光電センサを用い、原稿DCが読取位置(厳密には端部センサ112の直上位置)を通過中であるか否かで該光電センサの受光量が異なることを利用して、原稿DCの先後端を受光量の変化から検出することができる。なお、原稿DCの先後端をそれぞれ検知するように作用することから、端部センサ112は、結果的に、原稿DCの副走査方向の最大読取サイズの読み取りの完了を検知する検知手段として作用する。また、このように端部センサ112によって検知される最大読取サイズを特に「検知長」と称し、原稿DCの最後端部を特に「検知端」と称することとする。ADF読み取りの詳細は次述する。
【0042】
また、スキャナ11には、済スタンプ機構50が付随している。済スタンプ機構50は、読取機構113にて読み取られた原稿の読み取り範囲の最後端部に、済スタンプを押印するためのものである。済スタンプ機構50は、ADF読み取りの際に読取機構113が配置される位置X=X1の近傍、X=X3の位置に設けられてなる。
【0043】
図5は、済スタンプ機構50の構成を概略的に示す模式図である。済スタンプ機構50は、第1スタンプ51と、第2スタンプ52との2つスタンプを有してなる。第1スタンプ51と、第2スタンプ52の押印のメカニズムについては、公知の技術を適用可能である。第1スタンプ51はY軸方向について固定され、原稿の読み取り範囲のうち固定端側の最後端部への押印を担う(矢印AR5)。第2スタンプ52は、もう一方の最後端部への押印を担う(矢印AR6)ものであるが、駆動手段53の作用によりY軸方向に沿って矢印AR4のように移動可能とされている。本実施の形態では、ADF読み取りを行う場合、読み取りの態様に応じて原稿の読み取り範囲は様々なものとなるが、第2スタンプ52がY軸方向について移動自在とされていることによって、主走査方向の読み取り幅の間隔だけ離間した2ヶ所への済スタンプの押印が実現される。これにより、原稿においては、済スタンプによって読み取り範囲の最後端部の両端位置が指し示されることになる。済スタンプの押印の種々の態様については後述する。
【0044】
<ADF>
次に、ADF172の構成について、上述の図1および図4に基づいて説明する。ADF172は、ブックカバー17に組み込まれてなり、複数枚の原稿DCを連続的に読み取ることが出来るよう、原稿DCを自動的に供給する機構である。
【0045】
ADF172は、原稿給紙トレイ173と、取込部材176と、第1ローラR1と、搬送路177と、押圧部材178と、原稿排出トレイ179とを主として備える。
【0046】
原稿給紙トレイ173は、読み取り対象となる複数枚の原稿DCからなる原稿束を積載されるトレイである。原稿給紙トレイ173の一方端側は、原稿DCの最先端部が差し込まれる差し込み口175を構成している。
【0047】
また、原稿給紙トレイ173には、既述のように原稿ガイド174a、174bが備わっている。本実施の形態においては、原稿ガイド174bの配置位置がセットされる原稿の主走査方向のサイズに応じて調整されることを利用して、原稿ガイド174bの配置位置を検出することで主走査方向の原稿サイズを特定するようになっている。以下においては、この主走査方向の原稿サイズを「検知幅」と称する。これは、例えば原稿ガイド174bに所定の位置センサを設けるなど、公知の手法で実現可能である。なお、検知幅を特定する方法は、これに限定されるものではなく、原稿給紙トレイ173の原稿載置面に公知の光電センサを設け、その透過もしくは反射状態から検知幅を特定する態様であってもよいし、複数の手法を組み合わせる態様であってもよい。
【0048】
取込部材176および第1ローラR1は、積載された原稿束から最上にある1枚の原稿DCだけを搬送路177へと取り込む役割を担う。第1ローラR1を回転させることにより、1枚の原稿DCが、第1ローラR1と取込部材176との間で挟持されつつ搬送路177へと取り込まれる。その際、残りは取込部材176によって取り込みが阻害される。
【0049】
搬送路177は、読み取り処理に際して原稿DCが搬送される経路である。搬送路177の途中には、第2ローラR2(R2a、R2b)、第3ローラR3(R3a、R3b)、および第4ローラR4(R4a、R4b)が備わっている。第2ローラR2〜第4ローラR4はいずれも、互いに近接配置された1対のローラからなり、図示しない駆動手段によって回転させられる。搬送路177へと取り込まれた原稿DCが、順次に第2ローラR2ないし第4ローラR4に達すると、それぞれのローラは、回転しつつ間隙に原稿DCを挟持することにより、原稿DCを搬送する。なお、各ローラの配置位置は図4に示す場合に限定されるものではなく、また、より多くのローラが設けられてなる態様であってもよい。
【0050】
押圧部材178は、ADF読み取りにおける原稿DCの読み取り位置、つまりは読取機構113の配置位置(X=X1)の直上に備わる。押圧部材178は、搬送路177を搬送されている原稿DCのうち当該読み取り位置を通過する部分およびその近傍について、読み取りに際し原稿ガラス111bに圧接されるよう、搬送状態を維持しつつ原稿ガラス111bとの間で挟み込む役割を担う。そのため、押圧部材178の少なくとも下端部分は、搬送される原稿DCとの間で低摩擦状態を維持しつつ圧接できる程度の弾性を有するように、構成されてなる。
【0051】
原稿排出トレイ179は、読み取り処理に供された後、第4ローラR4により排出された原稿DCが堆積するトレイである。
【0052】
<ADF読み取りと済スタンプの押印>
図6は、本実施の形態に係るADF読み取りと、その後の済スタンプの押印に係る処理の流れを示す図である。図7は、種々の原稿について、済スタンプが押印される場合を例示する図である。ただし、図7においては、指定サイズはいずれも”A4縦”であるとする。
【0053】
ADF読み取りを行う場合、まず、オペレータによって、読み取り対象である複数の原稿DCからなる原稿束が、読み取りたい面を上向きにして原稿給紙トレイ173に載置される(ステップS1)。その際、主走査方向となるY方向については、原稿DCの端部の一方をまず原稿ガイド174aに当接させるとともに、原稿ガイド174bの配置位置を調節することで、他方の端部が原稿ガイド174bに当接するようにされる。これにより、検知幅が原稿ガイド174bの配置位置に基づいて検知される(ステップS2)。
【0054】
一方、副走査方向については、図4に矢印AR3にて示すように、第1ローラR1および取込部材176に当接するまで原稿DCの先端を差し込み口175の奥に差し込むようにする。なお、図示しない接触センサや光電センサなどが取込部材176若しくは第1ローラR1に、あるいはそれらの近傍に設けられ、係る当接を検知する態様であってもよい。
【0055】
次に、このように原稿DCをセットした状態で、オペレータによって原稿サイズの指定がなされる(ステップS3)。具体的には、表示部13に、”A4縦”、”A4横”、”A5”、”B4”、”B5”などの原稿サイズリストが表示されるので、オペレータは、操作部14を操作して、そのうちのいずれか1つを選択する。なお、以降の説明では、係る選択により定まる原稿サイズのうち、主走査方向のサイズを特に「指定幅」と称することとする。また、選択された原稿サイズで定まる領域において、副走査方向の最後端部となる位置を特に「指定端」と称することし、副走査方向のサイズを特に「指定長」と称することとする。このように指定幅や指定端を指定するということは、オペレータが読み取りを行おうと予定した主走査方向、副走査方向それぞれの予定読み取り範囲を指定することに相当する。
【0056】
なお、ステップS1およびステップS2と、ステップS3とは、その処理の順序が入れ替わってもよい。
【0057】
原稿がセットされ、原稿サイズが指定された状態で、操作部14を通じて所定の読み取り実行指示が与えられると、読み取り処理が開始される(ステップS4)。具体的には、まず第1ローラR1ないし第4ローラR4が同期しつつ回転を始める。回転する第1ローラR1および取込部材176の作用によって、積載された原稿束から、最上にある1枚の原稿DCだけが搬送路177(177a)へと取り込まれていく。
【0058】
やがて原稿DCの先端は第2ローラR2a、R2bの位置に達するが、原稿DCはこれらに挟持されつつさらに搬送され、読取位置へと達する。読取位置の近傍においては、原稿DCは押圧部材178によって案内されつつ搬送される。
【0059】
搬送路177aにおいては、端部センサ112が原稿DCの先端の読取位置への到達を監視している(ステップS5)。原稿DCの先端の到達が端部センサ112によって検知されると(ステップS5でYES)、原稿DCが読取位置に到達したものとみなされる。そこで、ステップS2で検知された検知幅と、ステップS3で定められた指定幅との大小関係に応じて(ステップS6)、読取機構113は画像の読み取り処理を開始する(ステップS7−1、S7−2)。ここで、ステップS6およびステップS7における処理は、主走査方向の読み取りサイズ(主走査サイズ)を、検知幅と、指定幅とのいずれか小さい方の範囲について行うようにすることを目的としている。すなわち、検知幅の方が指定幅より大きい場合、指定幅の範囲で主走査方向の読み取りが行われ(ステップS7−1)、そうでない場合は、検知幅の範囲で主走査方向の読み取りが行われる(ステップS7−2)。また、主走査サイズが定まることで、第2スタンプ52の配置位置が特定されることになるので、第2スタンプ52は、当該配置位置にあらかじめ待機するようにされる。すなわち、第1スタンプ51および第2スタンプ52は、主走査サイズに相当する距離だけ離間した状態で待機していることになる。
【0060】
いずれの場合も、光源から光を照射すると共に、反射光をCCDイメージセンサで受光することで、主走査方向についてライン単位で画像データを取得する。具体的には、原稿DCが読取機構113の直上を一定速度で移動していく間にCCDイメージセンサが一定のタイミングで反射光を受光し、その結果がRAM22に順次蓄積されることになる。これにより、読取機構113が副走査方向に相対的に移動しつつ主走査方向の走査を行って画像データを生成する態様が実現されてなる。
【0061】
ただし、実際には原稿DCの先端がX=X1に到達するまでは、原稿DCからの反射光を受光したことにならないので、原稿DCの先端がX=X0からX=X1まで移動する間に読み取ったいくつかのライン数の受光データは棄却されることになる。どれだけのデータを棄却すれば良いのかは、各ローラの回転速度から求まる原稿DCの移動速度、CCDイメージセンサの解像度やサンプリングレートなど、既知の設定値から定めることができる。あるいはこれらの設定値に基づいて原稿DCの先端がX=X0を通過した後X=X1に達するまでの所用時間を算出し、X=X0を通過してからその所要時間経過後に読み取り処理を開始する態様であってもよい。
【0062】
このように読取機構113が原稿DCの読み取り処理を継続している間、端部センサ112が、原稿DCの後端の読取位置への到達を監視している(ステップS8−1、S8−2)。
【0063】
指定幅でライン読みとりを行っている場合(ステップS7−1)であって、端部センサ112によって原稿DCの後端が読取位置に到達したことが検知されないうちに(ステップS8−1でNO)、指定端の読み取りにまで至った場合、具体的には、指定サイズに相当するライン数の分だけ読み取りがなされ画像データが蓄積された場合、その時点で読み取り処理は終了する(ステップS9−1でYES)。ここで、指定サイズに相当するライン数は、ステップS2で選択された原稿サイズに基づく指定サイズと、各ローラの回転速度から求まる原稿DCの移動速度、CCDイメージセンサの解像度やサンプリングレートなど、既知の設定値から定めることができる。
【0064】
図7では、(a)がこの場合に該当する。具体的には、原稿DCの検知幅W1と、原稿サイズ(ここでは”A4縦”)の指定によって定まる指定領域REについての指定幅W2との間にはW1>W2が成り立ち、かつ、検知端DEに達しない前に指定端SEが読取位置に到達したことから検知長L1と指定長L2との間にはL1>L2が成り立つ場合である。この場合、指定幅W2を主走査サイズとして、先端FEから指定端SEに達するまで原稿DCの読み取りが行われるので、斜線部が読み取り領域となり、指定端SEの直前位置に、主走査サイズである指定幅W2に相当する距離(厳密に言えばW2よりわずかに小さい距離)だけ離間した第1スタンプ51および第2スタンプ52によって、済スタンプST1およびST2がそれぞれ押印されることになる(ステップS10−1)。詳細に言えば、原稿DCの指定端SEが読取位置X=X1を通過した後、済スタンプ機構50の配置位置であるX=X3に到達する直前で原稿DCの搬送は一時的に停止させられ、第1スタンプ51および第2スタンプ52による済スタンプST1およびST2の押印がなされた後、搬送が再開されることになる。その際、搬送を停止するタイミングは、読取位置と済スタンプ機構50の配置位置の距離X3−X1と、搬送速度などによってあらかじめ定められる。
【0065】
ここで、読み取り方向は既知であるので、2つの済スタンプST1およびST2がどのような配置関係で押印されているかによって、原稿DCにおける読み取り領域(斜線部の領域)を一意に特定することが出来る。ただし、済スタンプの位置は原稿を最初に給紙した方向によっても異なるので、読取方向が一意かつ容易に把握できるような印像を形成するように済スタンプ機構50が設けられてなる態様であれば、より好ましい。また、図7においては図示の簡単のため済スタンプST1およびST2の印像を単に丸印で示しているが、これに限られるものではなく、「済」という漢字の印像であってもよいし、その他の、図形や文字等によるものであってもよい。
【0066】
一方、指定幅でライン読みとりを行っている場合(ステップS7−1)であって、端部センサ112によって原稿DCの後端が読取位置に到達したことが検知された場合(ステップS8−1でYES)、すなわち、検知端に達した場合も、読み取り処理は終了となる。ただし、この場合、厳密には原稿DCの後端はまだ読取位置であるX=X1を通過していないので、係る通過があるまで読み取り処理は継続される。どれだけライン数の分だけ読み取りを継続すれば良いのかは、各ローラの回転速度から求まる原稿DCの移動速度、CCDイメージセンサの解像度やサンプリングレートなど、既知の設定値から定めることができる。通常は、読み取り開始時にデータを棄却するのと同じライン数だけ継続すればよい。
【0067】
図7では、(b)がこの場合に該当する。具体的には、原稿DCの検知幅W1と、指定幅W2との間にはW1>W2が成り立つ一方、指定端SEに到達することなく検知端DEに達したことから検知長L1と指定長L2との間にはL1<L2が成り立つ場合である。この場合、指定幅W2を主走査サイズとして、先端FEから検知端DEに達するまで原稿DCの読み取りが行われるので、斜線部が読み取り領域となり、検知端DEの直前位置に、主走査サイズである指定幅W2に相当する距離だけ離間した第1スタンプ51および第2スタンプ52によって、済スタンプST1およびST2が押印されることになる(ステップS10−2)。
【0068】
これに対して、検知幅でライン読みとりを行っている場合(ステップS7−2)であって、端部センサ112によって原稿DCの後端が読取位置に到達したことが検知されないうちに(ステップS8−2でNO)、指定端の読み取りにまで至った場合、具体的には、指定サイズに相当するライン数の分だけ読み取りがなされ画像データが蓄積された場合、その時点で読み取り処理は終了する(ステップS9−2でYES)。ここで、指定サイズに相当するライン数を特定する態様は、上述の場合と同様である。
【0069】
図7では、(c)がこの場合に該当する。具体的には、原稿DCの検知幅W1と、指定幅W2との間にはW1<W2が成り立ち、検知長L1と指定長L2との間にはL1>L2が成り立つ場合である。この場合、検知幅W1を主走査サイズとして、先端FEから指定端SEに達するまで原稿DCの読み取りが行われるので、斜線部が読み取り領域となり、指定端SEの直前位置に、主走査サイズである検知幅W1に相当する距離だけ離間した第1スタンプ51および第2スタンプ52によって、済スタンプST1およびST2が押印されることになる(ステップS10−3)。
【0070】
また、検知幅でライン読みとりを行っている場合(ステップS7−2)であって、端部センサ112によって原稿DCの後端が読取位置に到達したことが検知された場合(ステップS8−2でYES)、すなわち、検知端に達した場合も、読み取り処理は終了となる。ただし、この場合、上述の場合と同様に実際に原稿DCの後端が読取位置であるX=X1を通過するまで、所定のライン数分の読み取り処理は継続される。通常は、読み取り開始時にデータを棄却するのと同じライン数だけ継続すればよい。
【0071】
図7では、(d)がこの場合に該当する。具体的には、原稿DCの検知幅W1と、指定幅W2との間にはW1<W2が成り立ち、かつ、指定端SEに到達することなく検知端DEに達したことから検知長L1と指定長L2との間にはL1<L2が成り立つ場合である。この場合、検知幅W1を主走査サイズとして、先端FEから検知端DEに達するまで原稿DCの読み取りが行われので、斜線部が読み取り領域となり、検知端DEの直前位置に、主走査サイズである検知幅W1に相当する距離だけ離間した第1スタンプ51および第2スタンプ52によって、済スタンプST1およびST2が押印されることになる(ステップS10−4)。
【0072】
なお、ステップS8−1およびS9−1においてなされる判断について考えると(ステップS8−2およびS9−2についても同様)、結局のところ、これらのステップにおいては、先端側から読み取り処理を開始した後、原稿DCを読み取るまでに、オペレータによってあらかじめ定められた指定長の読み取りが完了するか否かを判断していることになる。すなわち、検知長と、指定長とを比較して、小さい方のサイズの範囲の読みとりを行うよう、処理がなされることになる。あるいは、指定長が検知長よりも大きく設定されている場合であっても、検知長の範囲の読み取りを限度とし、これを超えた読み取りを行わないように、定められているともいえる。いずれにせよ、これらのステップを経ることによって、副走査方向について適切な読み取り範囲について読み取り処理がなされた画像データが取得され、済スタンプが適切に押印されることになる。また、取得された画像データは、コピーの場合であればコピー元の画像データとして、ファクシミリ送信の場合であれば送信元のデータとして用いられることになる。すなわち、画像形成装置1Aにおける後段の処理のための入力データとして用いられることになる。
【0073】
なお、読取位置を通過した原稿DCは、第3ローラR3および第4ローラR4に順次挟持されつつ搬送路177bを搬送され、最終的には第4ローラR4によって原稿排出トレイ179へと排出される。
【0074】
また、ここまでは1枚の原稿にDCに着目して説明しているが、上記のような処理が原稿給紙トレイ173に原稿束として積載されている原稿DCについて、順次に行われる。すなわち、直前に取り込まれた原稿DCが取込部材176および第1ローラR1から離れてしまえば、次後の原稿が、連続的にあるいは間欠的に一定間隔でもって同様の処理に供されることになる。
【0075】
原稿サイズが選択される前に読み取り処理の実行が指示された場合もあり得るが、この場合は、検知幅を主走査サイズとし、検知端までの読み取りを行うことになる。
【0076】
以上、説明したように、スキャナ11及びADF172を含んで構成される本実施の形態に係る原稿読取装置によれば、ADF読み取りに際して、主走査方向については原稿の実サイズ(検知幅)と指定サイズ(指定幅)とのうち小さい方の範囲について走査を行い、副走査方向については、先端側から読み取り処理を開始した後、原稿DCの最後端までを読み取るまでに、オペレータによってあらかじめ指定された指定長までの読み取りが完了するか否かを判断し、その結果、指定長が副走査方向の原稿長に相当する最大読取サイズ(検知長)よりも大きく設定されている場合には、最大読取サイズの範囲の読み取りを行い、また、指定長が検知長よりも小さく設定されている場合には、指定長の範囲のみの読み取りを行う。すなわち、あらかじめ読取動作のモード指定をせずとも、適切な読み取り範囲について読み取り処理がなされた画像データを生成し、画像形成装置におけるコピーやファクシミリ送信の入力データとして供することができる。
【0077】
さらに、上記のいずれの読み取り態様の場合も、読み取り範囲の最後端部に、主走査方向の読み取り幅の間隔だけ離間させた2ヶ所に済スタンプを押印するので、原稿から読み取り範囲が一意に定まることになり、原稿から読み取られた範囲を容易に把握することができるようになる。
【0078】
<変形例>
上述の実施の形態では、読取機構113において光源とCCDイメージセンサとは一体のものとして説明しているが、これらが別体に設けられ、FBS読み取りの際には同期して移動するよう構成されていてもよい。また、レンズおよびCCDイメージセンサは所定の位置に固設され、光源および複数のミラーのみが駆動手段によって±X方向に移動可能とされる態様であってもよい。
【0079】
上述の実施の形態では、第1スタンプ51は固定されている態様を示しているが、第2スタンプ52と同様に移動可能とされていてもよい。例えば、主走査方向の位置合わせをセンター基準で行う装置の場合、このような態様をとることで、本発明の効果を得ることが出来る。
【0080】
あるいは、移動可能な1つのスタンプのみが備わり、これが移動することによって、読み取り範囲に応じた2ヶ所に連続的に済スタンプを押印する態様であってもよい。
【0081】
一方、第1スタンプ51を備えず、第2スタンプ52のみが備わり、済スタンプST2のみが、図6に示す条件に従って図7に示すいずれかの押印位置に押印される態様であってもよい。係る態様であっても、読み取り方向に加え、原稿の原稿ガイド174aに当接される側が分かっていれば、読み取り範囲を一意に特定することができる。
【0082】
上述の実施の形態では、原稿サイズは”A4縦”、”A4横”、”A5”、”B4”、”B5”など、いわゆる定型サイズで指定されているが、数値入力などによって、任意のサイズの領域を原稿サイズとして指定できる態様であってもよい。
【0083】
上述の実施の形態では、端部センサ112で原稿の先後端をそれぞれ検知することによって、結果的に副走査方向の最大読取サイズである検知長を特定する態様となっているが、原稿給紙トレイ173に所定のセンサを備え、原稿がセットされる際に、該センサによって副走査方向の検知長を特定する態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る原稿読取装置を含む画像形成装置1Aの概略外観構成(ブックカバー17を閉じた状態)を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る原稿読取装置を含む画像形成装置1Aの概略外観構成(ブックカバー17を開いた状態)を示す図である。
【図3】画像形成装置1Aの内部構成を示すブロック図である。
【図4】スキャナ11およびADF172を含むブックカバー17の概略構成を示す断面模式図である。
【図5】済スタンプ機構50の構成を概略的に示す模式図である。
【図6】本実施の形態に係るADF読み取りにおける処理の流れを示す図である。
【図7】種々の原稿について、済スタンプが押印される場合を例示する図である。
【符号の説明】
【0085】
1A 画像形成装置
11 スキャナ
111a (FBS読み取り用)原稿ガラス
111b (ADF読み取り用)原稿ガラス
112 端部センサ
113 読取機構
13 表示部
14 操作部
15 給紙部
17 ブックカバー
172 ADF
173 原稿給紙トレイ
174a、174b 原稿ガイド
175 差込口
176 取込部材
177(177a、177b) 搬送路
178 押圧部材
179 原稿排出トレイ
50 済スタンプ機構
51 第1スタンプ
52 第2スタンプ
53 (第2スタンプの)駆動手段
DC 原稿
HS 筐体
R1〜R4 第1ローラ〜第4ローラ
S1〜S8 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を所定の読み取り位置に自動的に給紙する給紙機構と、前記読み取り位置で前記原稿を先端側から線順次に読み取る読取手段と、読み取られた原稿に済スタンプを押印する押印手段と、を備える原稿読取装置であって、
前記原稿の主走査方向の予定読み取り範囲を指定幅として指定し、かつ副走査方向の予定読み取り範囲を指定長として指定する指定手段、をさらに備え、
前記読取手段は、前記指定幅と前記原稿の実際の幅とのいずれか小さい方を主走査方向の読み取り範囲として、前記原稿の最後端または前記指定長の最後端のうちいずれか先に到達した方を前記読み取り範囲の最後端とする読み取りを行い、前記押印手段は、前記読み取り範囲に応じた位置に前記済スタンプを押印することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の原稿読取装置であって、
前記押印手段は、前記読み取り範囲の最後端位置であって前記読み取り幅の間隔だけ離間した2ヶ所の少なくとも一方に前記済スタンプを押印することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項3】
請求項2に記載の原稿読取装置であって、
前記押印手段は、前記読み取り範囲の最後端位置であって前記読み取り幅の間隔だけ離間した2ヶ所に前記済スタンプを押印することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の原稿読取装置であって、
前記原稿の実際の幅と前記原稿の最後端とを検知する検知手段、をさらに備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項5】
請求項1または請求項4に記載の原稿読取装置であって、
前記読取手段による読み取り結果に基づいて画像データを生成する生成手段、をさらに備えることを特徴とする原稿読取装置。
【請求項6】
請求項5に記載の原稿読取装置を画像データの入力手段として備える画像形成装置。
【請求項7】
原稿を所定の読み取り位置に自動的に給紙する給紙機構を備える原稿読取装置における済スタンプの押印方法であって、
主走査方向の予定読み取り範囲を指定幅として指定し、かつ副走査方向の予定読み取り範囲を指定長として指定する指定工程と、所定の読取手段によって前記読み取り位置で前記原稿を前記指定幅と前記原稿の実際の幅とのいずれか小さい方を主走査方向の読み取り範囲として先端側から線順次に読み取り、前記原稿の最後端または前記指定長の最後端のうちいずれか先に到達した方を副走査方向の読み取り範囲の最後端とする読取工程と、所定の押印手段によって前記読み取り範囲に応じた位置に前記済スタンプを押印する押印工程と、を備えることを特徴とする済スタンプの押印方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−173898(P2006−173898A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361605(P2004−361605)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】