説明

原稿読取装置

【課題】コンタクトガラス面に付着したローラの削れ粕や原稿の紙粉、または塵や埃などの異物をコンタクトガラス面から確実に取り除くと共に、取り除いた塵埃が再び原稿のコンタクトガラス面の読取位置に付着することがなく、良好な読取画像を得ることのできる原稿読取装置を提供する。
【解決手段】 スクレーパー30をコンタクトガラス1の一端側から他端側に移動することでコンタクトガラス1上の異物を除去し、スクレーパー30の先端をコンタクトガラス1の一端側に戻すときにクリーニング部材33をスクレーパー30に接触させてスクレーパー30に付着した異物を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラテンの読取面を所定の速度で移動する原稿を読み取る原稿読取装置に関し、詳しくは原稿を読み取るためのプラテンの読取面をクリーニングするクリーニング機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ファクシミリ装置やデジタル複写機等の画像読取装置における原稿搬送機構は、原稿搬送路の途中に設けられたプラテンガラスの下方に配置された読取手段を固定し、プラテンガラス面上で原稿を一定速度で搬送しながら原稿画像を読み取るシートスルー読取方式が採用されている。
【0003】
従来のシートスルー読取方式の原稿搬送機構においては、互いに接触する一対のローラで原稿を挟んで搬送している。このローラ対の少なくとも一方は、原稿の搬送性能の高めるための摩擦係数の高い軟質のゴム等が使用される。
【0004】
このようなローラは軟質のゴム材でできているために原稿を挟んで搬送する際の磨耗により削れ粕が生じる。この削れ粕の一部は直接搬送原稿に付着してプラテンガラス面上に落ちて付着して、読取画像に黒点や黒スジが生じる問題の原因となる。
【0005】
また、プラテンガラス面上にはローラの削り粕だけでなく、原稿の紙粉や原稿のインク、トナー、鉛筆の黒鉛等の汚れが付着する。これらによるプラテンガラス面の汚れは読取画像の黒スジの大きな原因となっている。
【0006】
このような問題を解決するために様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、原稿を読み取るためのプラテンガラスに接し、プラテンガラスをクリーニングする清掃ローラを備え、所定のタイミングで清掃ローラを自動的に回転させることによってプラテンガラスをクリーニングするものが知られている。
【0007】
また、特許文献2には、プラテンガラス上に接触するガイドシートをプラテンガラス上の読取位置Xよりも原稿搬送方向上流側に設置し、プラテンガラスまたはガイドシートを相対的に往復移動させることによって、ガラス面上の異物を除去するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−64686号公報
【特許文献2】特開2007−235252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前者の清掃ローラはプラテンガラス面上を複数回クリーニングすると清掃ローラ自体が汚れ、逆にプラテンガラス面に汚れを生じさせるので、定期的なメンテナンスが必要であり、その取り扱いが煩わしく、また清掃ローラの汚れの度合いは必ずしもクリーニング回数と比例しないためにメンテナンスする時期の特定が難しいとの問題がある。
【0010】
一方、後者においては、ガイドシートをプラテンガラス面上の読取位置Xを通過させ、ガイドシートの先端でプラテンガラス面上をクリーニングするので、図13(a)〜図13(e)に示すように読取位置Xを通過したガイドシート71の先端付近には多くの異物が付着または寄り集まり、ガイドシート71が戻る際にプラテンガラス70上の読取位置Xに異物が運ばれる。これによって、プラテンガラス71面の異物を除去したのにも係らずプラテンガラス71面に異物の付着や汚れを生じ、依然として読取画像の黒スジが解消されないとの問題が発生する。
【0011】
本発明は、プラテンガラス面に付着したローラの削れ粕や原稿の紙粉、または塵や埃などの異物をプラテンガラス面から確実に取り除くと共に、取り除いた塵埃が再び原稿のプラテンガラス面の読取位置Xに付着することがなく、良好な読取画像を得ることのできる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明は、原稿を読み取る読取位置が設けられたプラテンと、このプラテンの読取面に原稿を搬送する搬送手段と、搬送手段にて搬送される原稿を読取位置の静止して読み取る読取手段と、を備えた原稿読取装置において、少なくともその先端部がプラテンの読取面に接触し、プラテンの読取面に付着した異物を除去する板状の異物除去部材と、プラテンの読取面に接触した異物除去部材の先端部を、プラテンの一端側から読取位置を介して他端側にプラテンの読取面に沿って移動させる第1の移動手段と、異物除去部材の移動方向における読取位置下流側で異物除去部材に接触するクリーニング部材と、クリーニング部材を異物除去部材に接触する接触位置と接触位置から離れた退避位置に移動させる第2の移動手段と、を備え、第1の移動手段で移動される異物除去部材にクリーニング部材を第2の移動手段にて接触させ、異物除去部材に付着した異物を除去する。
【発明の効果】
【0013】
このような構成によって、異物除去部材のプラテン他端側への移動によってプラテンの読取位置に付着した異物を取り除くことができ、異物除去部材をプラテン一端側に戻すときにはクリーニング部材によって異物除去部材に付着した異物を除去するので異物が再びコンタククトガラス1上に戻されることが防止され、良好な読取画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る原稿読取装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る原稿読取装置の制御ブロック図である。
【図3】本発明に係る原稿読取装置の読取部を示す拡大断面図である。
【図4】本発明に係るクリーニング機構をユニット化した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るクリーニング機構における異物除去機構の構造を示す断面図及び正面図である。
【図6】本発明に係るクリーニング機構における異物戻り防止機構の構造を示す断面図及び正面図である。
【図7】本発明に係るクリーニング機構における駆動伝達機構を示す上面図である。
【図8】図7における駆動伝達機構の遅延構造を示す構造図である。
【図9】本発明に係るクリーニング機構の動作状態を示す模試図である。
【図10】本発明に係るクリーニング機構の動作状態を示す図9に続く模試図である。
【図11】本発明に係るクリーニング動作の制御フローチャートである。
【図12】本発明に係る変形例の一例を示す部分断面図である。
【図13】従来技術の問題点を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明に係る原稿読取装置の全体構成が示されており、この原稿読取装置は、原稿読取装置本体Hと、その上に搭載される原稿搬送装置Aとで構成されている。また、原稿搬送装置Aを原稿読取装置本体Hの上面に対して開閉自在に支持するヒンジ装置(図示せず)を備える。
【0016】
図1に示されるように原稿読取装置本体Hの上面には、原稿搬送装置Aによって搬送される原稿を読み取るためのシートスルー原稿読み取り用のプラテンとしてのコンタクトガラス1とブック物等の静止した原稿を読み取るためのブック原稿読み取り用のプラテンとしてのコンタクトガラス7とが設けられ、原稿搬送装置Aはコンタクトガラス7に原稿を載置するために原稿読取装置本体Hの上面を開閉可能するようにヒンジ装置によって取り付けられている。
【0017】
原稿読取装置本体Hは、原稿画像を読取るための読取機構を備えている。この読取機構は、コンタクトガラス1上に搬送された原稿にランプ光を照射する光源2と、搬送原稿からの反射光を所定の方向に導く複数のミラー3と、複数のミラー3により導かれた反射光を収束するレンズ4と、レンズ4により収束された光を光電変換するCCD5と、から構成される。
【0018】
原稿搬送装置Aは、複数枚の原稿を載置する給紙トレイ10と、コンタクトガラス1上を通過した原稿を収納する排紙トレイ12と、給紙トレイ10から一枚ずつ繰り出された原稿を上述した原稿読取装置本体Hのコンタクトガラス1上に搬送し、コンタクトガラス1上を通過した原稿を排紙トレイに案内するU字状の搬送経路11と、を備える。
【0019】
前記搬送経路11には、給紙トレイ10から原稿を繰り出すための繰出ローラ13と、繰り出された原稿を分離して搬送経路11に給紙するための給紙ローラ14及び分離パッド15からなる分離手段と、一枚に分離された原稿を送るレジストローラ対16と、コンタクトガラス1の上流側に配置される搬入ローラ対17および下流側に配置される搬出ローラ対18と、原稿を排紙トレイ12に排紙する排紙ローラ対19とが配置されている。
【0020】
また、原稿搬送装置Aには図1に示すように給紙トレイ10上に原稿が載置されたことを検出するエンプティセンサS1と、搬送経路11を給紙される原稿の端部を検出するレジストセンサS2と、コンタクトガラス1の手前に設けられ原稿の端部を検出するリードセンサS3と、コンタクトガラス1から排出される原稿の端部を検出する排出センサS4と、が設けられている。そして、これらの各センサS1〜S4は、図2の制御ブロック図に示すように装置全体の駆動を制御するCPUを備える制御部100に接続されており、各センサからの検知信号に基づいて、給紙モータM1及び搬送モータM2が制御される。
【0021】
上述した構成によって給紙トレイ10上に載置された原稿は、繰出ローラ13によって繰り出された後に給紙ローラ14と分離パッド15によって一枚に分離されて給紙される。一枚に分離された原稿はレジストローラ対16によってその先端が整合され、レジストローラ対16及び搬入ローラ対17によってコンタクトガラス1上に供給される。コンタクトガラス1上に供給された原稿は一定速度で読取位置Xを通過して搬出ローラ対17、排紙ローラ対19によって排紙トレイ12に排紙される。なお、原稿が一定速度で読取位置Xを通過する過程において上述した読取機構によって原稿画像が読み取られる。
【0022】
また、図1に示すように原稿搬送装置Aは原稿の両面を読み取るための循環経路20を備えており、排紙ローラ対19を正逆転させることによって原稿をスイッチバックさせ、循環経路20を介して原稿の表裏を反転させ再びのコンタクトガラス1上に搬送し、原稿の裏面を読み取るように構成されている。
【0023】
図3は、原稿読取装置の読取位置Xを含む読取部の構造を拡大した断面図である。読取部は、原稿読取装置本体Hの上面に設けられたコンタクトガラス1と、このコンタクトガラス1に対向して配置され、原稿搬送装置Aに設けられたバックアップガイド25と、コンタクトガラス1に隣接し、コンタクトガラス1の上面から原稿を掬い上げる掬い上げガイド部材21と、で構成されている。掬い上げガイド部材21の原稿案内面はコンタクトガラス1の上面よりも低い位置から上方に向かって傾斜して形成されており、コンタクトガラス1の下流側端と掬い上げガイド部材21の案内面の上流側端部との間には段差が設けられている。また、この読取部にはコンタクトガラス1の上面の埃や塵などの異物を除去するクリーニング機構27が設けられている。
【0024】
図4はクリーニング機構をユニット化した状態を示す斜視図である。また図5はクリーニング機構における異物除去機構の構造を示す断面図及び正面図であり、図6はクリーニング部材の取り付け構造を示す断面図及び正面図である。さらに図7はスクレーパー及びクリーニング部材を移動させる駆動伝達機構を示す上面図である。
【0025】
図2〜図7に基づきクリーニング機構27について説明すると、クリーニング機構27は、コンタクトガラス1上面の塵、埃、紙粉、ローラ粕、インク、修正液、粘着材などの異物を除去するための異物除去機構と、この異物除去機構で除去された異物が再びコンタクトガラス1の読取位置Xに戻されるのを防止する異物戻り防止機構と、駆動モータMTの駆動を各機構に伝達する第1、第2の駆動伝達機構と、で構成されている。
【0026】
またクリーニング機構27と、コンタクトガラス1の上流側の経路を構成する上流ガイド部材26と、前述したバックアップガイド25は、図4に示すように一体でユニット化され、クリーニングユニット22を構成しており、このクリーニングユニット22は搬入ローラ対17の駆動ローラの駆動軸17aに回転自在に取り付けられて支持される。なお、図中の符号23、24は、クリーニング機構27、上流ガイド部材26、バックアップガイド25を支持して一体化するユニット側板である。
【0027】
異物除去機構は図5(a)、(b)に示すように、コンタクトガラス上面に接触して、コンタクトガラス上から異物を除去する異物除去部材としてのスクレーパー30と、このスクレーパー30が固定して取り付けられて上下方向に可動する板状の第1可動部材31と、上流ガイド部材26に取り付けられて第1可動部材31を支持する支持部材32と、で構成されている。
【0028】
スクレーパー30はシート状の可撓性フィルム部材であり、本実施の形態においては0.1mmのフィルム部材をスクレーパー30とし、第1可動部材31の一方面側に両面テープで貼り付けている。第1可動部材31は他方面側に支持部材32に形成された複数のスライド溝32aにそれぞれ係合する複数のスライド片51が形成されている。スライド片51は、スライド溝32aの幅よりも若干小さい幅の係合部51aとスライド溝32aの幅よりも大きい幅広の先端部51bからなり、この複数のスライド片32aが支持部材32の複数のスライド溝32aに係合することによって、第1可動部材31をスライド溝32aに沿って上下方向にスライド移動することができる。
【0029】
本実施の形態においては、複数のスライド溝32aを第1可動部材32の原稿幅方向の両側と略中央の3箇所に形成しており、複数のスライド片51は複数のスライド溝32aに対応した位置にそれぞれ形成される。このように、スライド溝32aとスライド片51を原稿幅方向にバランス良く配置することで、第1可動部材31がスライド移動する際にスライド片51がスライド溝32aに片当りすることなく、スムーズに移動することができる。
【0030】
また本実施の形態では、スライド溝32aを支持部材32の上端から下方に向って帯状に切り欠いて形成しており、これによって第1可動部材31を取り付ける際にスライド溝32aにスライド片51の係合部51aを上方から挿入するのみで、容易に第1可動部材31を取り付けることができる。なお、スライド溝32aが形成された支持部材32は上流ガイド部材26の原稿搬送面側と異なる裏面側と両ユニット側板23、24に取り付けられている。
【0031】
異物戻り防止機構は図6(a)、(b)に示すように、スクレーパー30に接触してスクレーパー30から異物を取り除くための板状のクリーニング部材33と、このクリーニング部材33が固定して取り付けられて上下方向に可動する第2可動部材34と、から構成されており、第2可動部材34はバックアップガイド25によって支持されている。
【0032】
クリーニング部材33はシート状の可撓性フィルム部材であり、第2可動ガイド34の一方面側に両面テープで貼り付けられている。第2可動部材34は他方面側には、第1の可動部材32と同様にバックアップガイド25に形成された複数のスライド溝25aに係合する係合部52aと幅広の先端部52bからなるスライド片52が複数形成されている。また、ユニット側板23、24に取り付けられたバックアップガイド25には、複数のスライド片52が係合する複数のスライド溝25aの他に後述する第3、第4のラック43、44をバックアップガイド25の背面側に突出させるためのラック用の開口25bが形成されている。
【0033】
なお、スライド溝25aの幅はスライド片52の係合部52aの幅よりも若干大きく、スライド片52の先端部52bの幅よりも小さく形成されており、ラック用の開口25bは第3、第4のラック43、44の幅よりも若干大きく形成されている。また複数のスライド溝25aとスライド片52は原稿幅方向の両側と中央部に形成して、第2可動部材34のスムーズなスライド移動を図っている。
【0034】
第1の駆動伝達機構は図7に示すように、シャフト35と、駆動モータMTからの駆動をシャフト35に伝達するための複数のギヤZ1〜Z4と、原稿搬送方向と直交する原稿幅方向に延設されたシャフト35の両端にそれぞれ固定された第1、第2伝達ギヤZA1、ZA2と、この第1、第2伝達ギヤZA1、ZA2から駆動が伝達される第1、第2のピニオン36、37と、第1可動部材31の原稿幅方向の両側に可動部材31と一体に樹脂形成されて第1、第2のピニオン36、37と歯合する第1、第2のラック38、39とで構成されている。そして、駆動モータMTの正転または逆転の駆動が複数のギヤZ1〜Z4を介してシャフト35に伝達され、このシャフト35が回転すると第1、第2伝達ギヤZA1、ZA2を介して第1、第2のピニオン36、37が回転する。第1、第2のピニオン36、37は、歯合する第1、第2のラック38、39によって第1可動部材31を上方または下方に移動させる。これによって、スクレーパー30の先端が読取位置Xの上流の上流位置と読取位置Xの下流の下流位置を往復動する。本実施の形態では、前記上流位置を読取位置Xの上流でクリーニングユニット22に収納された位置に設定し、前記下流位置を読取位置Xの下流で、コンタクトガラス1端部からスクレーパー30の先端が掬い上げガイド部材21の上方に飛び出た位置に設定しており、スクレーパー30の先端はコンタクトガラス1上に形成された搬送経路11の一部を遮るように移動してコンタクトガラス1の面に接触して移動する。
【0035】
なお、図7における符号TL1〜TL4は、いずれもトルクリミッターである。第1、第2のトルクリミッターTL1、TL2は、第1、第2のピニオン36、37と第1、第2のラック38、39によって第1可動部材31が下方に移動する際に、スライド片51の係合部が支持部材32のスライド溝32aの下方の端部に当接し、その移動が停止するとシャフト25から第1、第2の伝達ギヤZA1、ZA2への回転駆動の伝達が断つように作用する。また、第3、第4のトルクリミッターは、第1、第2のピニオン36、37と第1、第2のラック38、39によって第1可動部材31が下方に移動する際に、第1可動部材31の幅方向の両端部に形成された突片31bが逆L字状に折れ曲がったユニット側板23、24の上面部23a、24aに当接し、その移動が停止するとシャフト35から第1、第2の伝達ギヤZA1、ZA2への回転駆動の伝達が断つように作用する。
【0036】
第2の駆動伝達機構は、シャフト35と、駆動モータMTからの駆動をシャフト35に伝達するための複数のギヤZ1〜Z4と、シャフト35に回転自在に取り付けられた第3、第4のピニオン40、41と、この第3、第4のピニオン40、41にシャフト35の回転を伝達するためにシャフト35に固定して取り付けられた回転部材42と、第2可動部材34と一体に樹脂形成されて第3、第4のピニオン36、37と歯合する第3、第4のラック43、44とで構成されている。
【0037】
なお、図8(a)に示すように第3、第4のピニオン40、41は原稿幅方向の略中央部に所定距離隔てて配置され、両者は一体で樹脂形成されて、シャフト35に取り付けられており、図8(b)の左図に示すように第3のピニオン40の側部には半円状の切欠40aが形成されている。この第3のピニオン40の半円状の切欠40aには、図8(b)の右図に示す回転部材42の側部に形成された作動ピン42aが係合され、作動ピン42aと切欠40a両端の一方とが当接することによってシャフト35の回転を第3、第4のピニオン40、41に伝達する。つまり、第3のピニオン40の半円状の切欠40aと回転部材42の作動ピン42aは、シャフト35の回転方向が切り換わったときにシャフト35の駆動を遅延して第3、第4のピニオン40、41に伝達する遅延手段として作用する。
【0038】
このような構成によって駆動モータMTの正転または逆転の駆動が複数のギヤZ1〜Z4を介してシャフト35に伝達され、このシャフト35が回転を開始した時点からシャフト35が所定量回転する時間(遅延時間)が経過した後に第3、第4のピニオン40、41が回転する。そして、第3、第4のピニオン40、41の回転方向によって、第3、第4のラック43、44が下方または上方に移動し、第2の可動部材34及びクリーニング部材33を移動させる。異物戻り防止機構は、コンタクトガラス1の下流端とスクレーパー30の先端が移動する前述した下流位置との間に設けられており、第2の駆動伝達手段で移動されるクリーニング部材33の先端は、コンタクトガラス1の下流端とスクレーパー30の先端が移動する下流位置との間の位置でスクレーパー30の上面に接触及び退避するように移動する。
【0039】
また、本実施の形態においては、シャフト35と、駆動モータMTからの駆動をシャフト35に伝達するための複数のギヤZ1〜Z4と、を第1、第2の駆動伝達機構で兼用している。これによって、クリーニングユニットの大型化を防ぎ、装置の小型化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0040】
次に、クリーニング機構27の動作(クリーニング動作)について説明する。本実施の形態におけるクリーニング動作は給紙トレイ10上に積載された複数の原稿を最初の原稿の読取動作から最後の原稿の読取動作が実行される1ジョブ毎に実行される。
すなわち、給紙トレイ10に載置された複数原稿における最終の原稿の後端を排紙センサS4が検出した時点でクリーニング動作を実行する。
【0041】
図9、10はクリーニング機構27の動作状態を示す模試図であり、図11はクリーニング動作の制御フローチャートである。図9(a)に示すようにクリーニング機構27のイニシャル動作によって、スクレーパー30及びクリーニング部材33はいずれもクリーニングユニット22内に収納された状態になっている。この状態から駆動モータMTを正回転させる(ST1)。これと同時に駆動モータMTを駆動するための駆動パルスをパルスカウンタCNでカウントする(ST2)。パルスカウンタCNが予め設定された第1設定パルス値に到達すると駆動モータMTを停止し、パルスカウンタCNをリセットする(ST3〜ST5)。
【0042】
この過程において、駆動モータMTの正回転にて第1の駆動伝達機構の第1、第2のピニオン36、37が正回転し、第1、第2のラック38、39を介して第1可動部材31が下方に移動する。これによって、第1可動部材31に取り付けられたスクレーパー30の先端が、上流ガイド部材26とバックアップガイド25の間に形成されたクリーニングユニット22の第1開口45からコンタクトガラス1に向けて突出する。そして、スクレーパー30の先端はコンタクトガラス1の上面と接触する。
【0043】
なお、本実施の形態ではスクレーパー30の先端がコンタクトガラス1の読取位置Xの上流側近傍で、かつコンタクトガラス1の上面に対して斜め上方から接触するように第1開口45にスクレーパー30を案内する通路を形成している。具体的には、図9(b)に示すようにコンタクトガラス1に対して角度αでスクレーパー30の先端を案内する案内面26aを上流ガイド部材26に形成する。案内面26aに案内されたスクレーパー30は第1の開口45から突出し、コンタクトガラス1の上面に鋭角αで案内されて接触する。ここで、本実施の形態においてはスクレーパーを案内する案内面26aのコンタクトガラス1に対する鋭角αの角度、すなわちスクレーパー30の先端がコンタクトガラス1の上面と接触する角度を45度としている。このように、スクレーパー30をコンタクトガラス1の上面に鋭角αで案内して接触させることによって、スクレーパー30がスムーズに移動でき、スクレーパー30の変形を極力抑えることができる。なお、図中の符号47は、クリーニングユニット22の第1開口45に変形された原稿の先端が進入するのを防止するための可撓性の白色フィルム部材である。
【0044】
コンタクトガラス1の上面と接触したスクレーパー30の先端は図9(b)に示すようにコンタクトガラス1の上面に摺接しつつ読取位置Xを越えて下流側に移動する。このコンタクトガラス1に沿って移動するときに、スクレーパー30の先端はコンタクトガラス1上の異物Gを読取位置Xの下流側に押し出す。そして第1可動部材31のスライド片51が支持部材32のスライド溝32aの下方の端部に当接すると第1可動部材31及びスクレーパー30の移動が停止される。このとき、図9(c)に示すようにスクレーパー30の先端はコンタクトガラス1の下流側端を越えて、掬い上げガイド部材21の傾斜した案内面に接触する下流位置に到達し、コンタクトガラス1上の異物はスクレーパー30の先端によってコンタクトガラス1上から除去される。
【0045】
そして、遅延手段によってシャフト35の回転から所定時間遅れて、第2の駆動伝達機構の第3、第4のピニオン40、41が駆動し、第3、第4のラック43、44を介して第2可動部材34が下方に移動する。これによって、コンタクトガラス1の下流の経路を形成する下流ガイド部材28とバックアップガイド25の間に形成された第2開口46からクリーニング部材33の先端が突出し、図10(a)に示すようにスクレーパー30の上面に接触する接触位置に移動する。そして、クリーニング部材33の先端がスクレーパー30の上面に接触した状態で停止する。
【0046】
すなわち、本実施の形態においては、駆動モータMTが駆動してから停止するまでの駆動量をカウントする第1設定パルス値を、スクレーパー30の先端がコンタクトガラス1下流側の第2開口46の位置を越えた位置に到達し、クリーニング部材33の先端がスクレーパー30に接触するまでの駆動量に相当するパスル値としている。なお、本実施の形態において第1設定パルス値は、クリーニング部材33の先端がスクレーパー30に接触し、スクレーパー30の先端側が若干掬い上げガイド部材21の案内面側に撓む位置、すなわちクリーニング部材33の先端がコンタクトガラス1の上面よりも低い位置(接触位置)で停止させるように設定している。この場合、クリーニング部材33がスクレーパー30に接触する原稿搬送方向の位置を、コンタクトガラス1の下流で、かつコンタクトガラス1の上面の延長線と掬い上げガイド部材21の案内面とが交わる位置の上流に設定しているので、スクレーパー30と掬い上げガイド部材21との間には空間があり、よってスクレーパー30は容易に撓むことができる。
【0047】
続いて、スクレーパー30をコンタクトガラス1の下流の下流位置に移動させ、クリーニング部材33をスクレーパー30に接触する接触位置に移動させて停止した状態の駆動モータMTを、逆回転させる(ST6)。これと同時にパルスカウンタCNで駆動パルスのカウントを開始する(ST7)。パルスカウンタCNが予め設定された第2設定パルス値に到達すると駆動モータMTを停止し、パルスカウンタCNをリセットし、クリーニング動作を終了する(ST8〜ST10)。
【0048】
この過程において、駆動モータMTの逆回転にて第1、第2のピニオン36、37が逆回転して第1、第2のラック38、39及び第1可動部材31が上方に移動する。これによって、スクレーパー30はコンタクトガラス1の上面に沿って上流側に移動し、スクレーパー30の先端も下流位置からクリーニング部材33の先端の位置、コンタクトガラス1の端部の位置の順に上流側に移動する。このとき、スクレーパー30の上面はクリーニング部材33の先端に摺接しつつ移動するので、スクレーパー30の先端側の上面及び先端部に付いた異物は、クリーニング部材33によってスクレーパー30から除去される。また、スクレーパー30の下面に静電気などで異物が付着した場合は、スクレーパー30が上流側に移動される際にコンタクトガラス1の端部(エッジ)で取り除かれる。なお、コンタクトガラス1及びスクレーパー30から取り除かれた異物は、搬送される原稿によって機外または搬送経路11外に運ばれる。
【0049】
そして、図10(b)に示すようにスクレーパー30がクリーニングユニット22の第1開口45に収納され、第1可動部材31の突片31bがユニット側板23の上面部23aに当接すると第1可動部材31が停止し、スクレーパー30もクリーニングユニット22に収納された上流位置で停止する。その後に、遅延手段によってシャフト35からの駆動が遅延して第3、第4のピニオン40、41に伝達され、第3、第4のラック43、44を介して第2可動部材34が上方に移動する。これによって、クリーニング部材33も上方に移動し、図10(c)に示すようにクリーニングユニット22の第2開口46からクリーニングユニット22内に収納されて停止する。
【0050】
すなわち、上述したクリーニング動作では、駆動モータMTの正転駆動でスクレーパー30を上流位置から下流位置に向けて移動させ、この動作にてコンタクトガラス1上の異物を除去する。そして、スクレーパー30の先端がクリーニング部材33の位置を通過した後にクリーニング部材33を移動してスクレーパー30に接触させる。その後、クリーニング部材33がスクレーパー30に接触した状態で駆動モータMTを逆転させてスクレーパー30を下流位置から上流位置に移動させ、その動作にてクリーニング部材33がスクレーパー30の先端に付着した異物を除去する。そして、スクレーパー30の先端がクリーニング部材33の位置を通過した後にクリーニング部材33を原稿の搬送の妨げにならない位置に退避する。
【0051】
ここで、第2設定パルス値は、スクレーパー30がクリーニングユニット22に収納され、クリーニング部材33が上方に移動してクリーニングユニット22に収納される退避位置に到達するまでの駆動量に相当するパスル値としており、本実施の形態では第2設定パルス値を第1設定パルス値と同じ値にしている。
【0052】
また、遅延手段における第3のピニオン40の半円状の切欠40aは、スクレーパー30がクリーニングユニット22に収納された前記上流位置からコンタクトガラス1を越えた前記下流位置に到達するまでの距離に相当する長さに形成されている。
【0053】
なお、上述の実施の形態では排紙センサS4が最終原稿を検出した時点でクリーニング動作を実行したが、エンプティセンサS1によって給紙トレイ10上に原稿がセットされたことを検出した時点でクリーニング動作を実行させることによっても1ジョブ毎のクリーニング動作ができる。
【0054】
また、上述したクリーニング動作は給紙トレイ10上に積載された複数の原稿を最初の原稿の読取動作から最後の原稿の読取動作が実行される1ジョブ毎に実行するようにしたが、コンタクトガラスに対して1枚の原稿が通過する毎にクリーニング動作を実行するようにしてもよい。この場合、原稿の後端がリードセンサS3を検出した時点からリードセンサS3の位置から読取位置Xまでの距離に相当する時間が経過後にクリーニング動作を実行し、次原稿はクリーニング動作が終了するまで、コンタクトガラス1の上流側の所定位置で待機させるように制御すればよい。他のクリーニング動作の時期として、原稿読取装置の電源投入時、原稿搬送装置の開閉操作を行ったとき、原稿のジャム処理の終了後にクリーニング動作を実行することもできる。
【0055】
なお、原稿がコンタクトガラス1上を通過中は、スクレーパー30は上流位置で待機し、またクリーニング部材は退避位置で待機する。
【0056】
インシャル動作は、駆動モータMTを逆回転させ、第1の駆動伝達機構によって第1可動部材31の突片31bをユニット側板23の上面部23aに当接させてスクレーパー30を前記上流位置で停止させ、その後に第2の駆動伝達機構によって第2可動部材34の上方の端部がポジションセンサPSに検出され、クリーニング部材33が前記退避位置に位置付けると駆動モータMTを停止する。
【0057】
上記の実施の形態においては、クリーニング部材33をシート状のフィルム部材とし、スクレーパー30の上面をクリーニング部材33の先端に擦接しつつ移動させることで異物を除去したが、クリーニング部材としてブラシ、粘着ローラのいずれか1つを用いてもよい。クリーニング部材をブラシとした場合は、フィルム部材のときと同様に第2可動部材34にフィルム部材に換えてブラシを取り付け、スクレーパーが下流側に移動してクリーニング部材の位置を通過後にスクレーパーの上面に接触する接触位置にブラシを動かし、スクレーパーが上流側に移動してクリーニング部材の位置を通過後に前記接触位置から離れた退避位置にブラシを動かすようにすればよい。また、クリーニング部材を粘着ローラとした場合は、図12に示すように可動部材51の下方側の先端部の幅方向の両側に軸支持部51aを設け、この軸支持部51aにスクレーパーに周面が接触する粘着ローラ50を取り付ける。そして、粘着ローラ50を少なくともスクレーパーが上流側に戻される際にスクレーパーに接触する接触位置に移動させる。なお、バックアップガイド52は、粘着ローラ50を移動するために幅方向の粘着ローラ50に対応する部分を切り欠いて形成する。粘着ローラ50、可動部材51、バックアップガイド52以外は図3に示されるクリーンニング機構と同一である。
【0058】
また、上記の実施の形態においてはスクレーパー30を原稿搬送装置Aに設けたが、原稿読取装置本体Hに設けてもよい。この場合、スクレーパーを移動させるための駆動モータを及び駆動伝達手段を、クリーニング部材を移動させるための駆動モータ及び駆動伝達手段とは別に原稿読取装置本体Hに設け、スクレーパーをコンタクトガラスの上面を上流側から下流側に移動させ、また下流側から上流側に戻すように移動させるようにすればよい。
【0059】
上記の実施の形態によれば、スクレーパー30を除く異物除去機構及び第1の駆動伝達機構、駆動モータMTでスクレーパー30を移動させる第1の移動手段を構成し、スクレーパー30をコンタクトガラス1面に擦接しつつ移動させ、コンタクトガラス1上の読取位置Xの異物を取り除くようにしたので、異物による読取画像の黒すじの発生を抑えることができる。また、スクレーパー30の先端をコンタクトガラス1の端部を越えて移動させたので、異物をコンタクトガラス1の外に運ぶことができる。
【0060】
また、コンタクトガラス1の下流側でスクレーパー30の上面に接触するクリーニング部材33を設けるとともに、クリーニング部材33を除く異物戻り防止機構及び第2の駆動伝達機構、駆動モータMTでクリーニング部材33を移動させる第2の移動手段を構成し、移動されるスクレーパー30にクリーニング部材33を接触、退避させるようにしたので、スクレーパー30に付着した異物を除去できる。
【0061】
さらに、上流側から下流側に移動されるスクレーパー30の先端がクリーニング部材33を通過させた後にスクレーパー30を停止させ、停止後にクリーニング部材33をスクレーパー30に接触させてスクレーパー30を下流側から上流側に戻すように制御する構成としたので、クリーニング部材33によってスクレーパー30に付着して戻される異物をスクレーパー30から確実に取り除くことができ、異物が再びコンタククトガラス1上に戻されることが防止できる。つまり、スクレーパー30による不具合を解消し、スクレーパー30により戻される異物が読取画像に影響を及ぼすことがない。
【0062】
また、クリーニング部材33がスクレーパー30に接触する原稿搬送方向の位置を、コンタクトガラス1よりも下流のコンタクトガラス1端部近傍に設け、クリーニング部材33の先端をスクレーパー30が若干撓む位置で停止させるようにしたので、スクレーパー30の弾性力によってクリーニング部材33の先端がスクレーパー30の上面で押圧され、確実にスクレーパー30に付着した異物を除去できる。
【0063】
上記の実施の形態によれば、上流ガイド部材26のスクレーパー案内面26aとバックアップガイド25の内側への折曲部とで形成された通路によってクレーパー30の先端をコンタクトガラス1の上面に鋭角αで接触させるようにしたので、スクレーパー30の移動負荷を軽減でき、スクレーパー30をズムーズに移動することができる、スクレーパー30の先端がコンタクトガラス1に接触する際の衝撃を緩和し、コンタクトガラス1の傷やスクレーパー30の先端の損傷、変形を防ぐことができる。
【0064】
また、異物除去機構、異物戻り防止機構、第1、第2の駆動伝達機構を有するクリーニング機構27と、上流ガイド部材26と、バックアップガイド25とを一体にユニット化し、クリーニングユニット22としたので、組み立て性やメンテナンス性が向上し、その取り扱いが容易となる。
【符号の説明】
【0065】
H 原稿読取装置本体
A 原稿搬送装置
1 コンタクトガラス(プラテン)
17 搬入ローラ対
21 掬い上げガイド部材
25 バックアップガイド
22 クリーニングユニット
23、24 ユニット側板
27 クリーニング機構
30 スクレーパー(異物除去部材)
31 第1可動部材
32 支持部材
33 クリーニング部材
34 第2可動部材
35 シャフト
36 第1のピニオン
37 第2のピニオン
38 第1のラック
39 第2のラック
40 第3のピニオン
41 第4のピニオン
42 回転部材
43 第3のラック
44 第4のラック
MT 駆動モータMT
Z1〜Z4 ギヤ
ZA1 第1伝達ギヤ
ZA2 第2伝達ギヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取位置が設けられたプラテンと、このプラテンの読取面に原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送される原稿を前記読取位置で静止して読み取る読取手段と、を備えた原稿読取装置において、
少なくともその先端部が前記プラテンの読取面に接触し、前記プラテンの読取面に付着した異物を除去する板状の異物除去部材と、
前記プラテンの読取面に接触した前記異物除去部材の先端部を、前記プラテンの一端側から前記読取位置を介して他端側に前記プラテンの読取面に沿って移動させる第1の移動手段と、
前記読取位置の異物除去部材移動方向下流側で前記異物除去部材に接触するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材を前記異物除去部材に接触する接触位置と前記接触位置から離れた退避位置に移動させる第2の移動手段と、を備え、
前記第1の移動手段で移動される前記異物除去部材に前記クリーニング部材を前記第2の移動手段にて接触させ、前記異物除去部材に付着した異物を除去することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記第2の移動手段は、前記第1の移動手段によって前記プラテンの他端側に移動される前記異物除去部材の先端が前記クリーニング部材の位置を通過した後に該クリーニング部材を前記接触位置に移動させ、前記第1の移動手段によって前記プラテンの一端側に移動される前記異物除去部材の先端が前記クリーニング部材の位置を通過した後に該クリーニング部材を前記離間位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
前記第1の移動手段は、前記異物除去部材の先端を前記プラテンの他端を越えた下流位置に移動させ、前記第2の移動手段は前記プラテンの他端と前記下流位置との間の位置で前記クリーニング部材を前記異物除去部材に接触させることを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
【請求項4】
前記異物除去部材を可撓性のフィルム部材で構成するとともに、前記第1の移動手段によって移動される前記異物除去部材を異物除去部材移動方向上流側から前記プラテンの読取面に対して鋭角で該プラテンに案内する異物除去部材案内手段を設け、前記コンタクガラスに案内された前記異物除去部材は該プラテンに当接して撓みが形成され、前記異物除去部材の一方面が前記プラテンの読取面に沿って移動することを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
【請求項5】
前記第2の駆動手段によって移動される前記クリーニング部材の前記接触位置を、前記クリーニング部材によって前記異物除去部材に撓みが形成される位置に設定したことを特徴とする請求項4に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
前記クリーニング部材は、前記異物除去部材における前記プラテンの読取面に対向する面と異なる面に接触するように配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の原稿読取装置。
【請求項7】
前記第1の移動手段は、前記異物除去部材を原稿搬送方向の上流側から下流側に移動させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−54832(P2012−54832A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196970(P2010−196970)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】