説明

原稿読取装置

【課題】 ユーザの操作性を低下させることなく、原稿カバーの底部からガイド部が張り出した状態において原稿カバーが閉じられた場合に、ガイド部の破損を抑制することができる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 原稿カバー101には、原稿台102aと対向する底面に、開閉ユニット7が形成される。開閉ユニット7は、第1回転軸と交差する第2回転軸74を中心として回動することにより、原稿カバー101の内部を露出させる開状態と、原稿カバー101に収容される閉状態とを遷移可能であり、開閉ユニット7の開状態において原稿カバー101が閉じられる場合に、基準面21の上端に形成された稜線21aに対して第1テーパー面751を最初に接触させ、この第1テーパー面が稜線21aに対して乗り上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読取装置に係り、更に詳しくは、原稿カバーとフラットベッド部とが開閉可能に連結された原稿読取装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉可能な原稿カバーによって原稿台が覆われている原稿読取装置には、原稿カバーの底部が開閉可能なものがある。例えば、原稿カバー内に搬送路が形成され、原稿を自動搬送するADF装置を有する原稿読取装置では、搬送路上の原稿を案内するガイドユニットが原稿カバーの底部に配置され、このガイドユニットが開閉可能に構成されている。
【0003】
このような原稿読取装置では、原稿の自動搬送が停止した場合、原稿カバー内の搬送路に残った原稿を容易に取り出すことができる。しかしながら、ガイドユニットを開いた場合、原稿カバーの底部からガイドユニットが張り出した状態となり、この状態で原稿カバーを閉じれば、ガイドユニットの先端がプラテンガラス及びトップカバー間の段差に引っ掛かり、ガイドユニットが原稿カバーに押圧されて破損するおそれがある。しかも、この段差はプラテンガラス上に載置される原稿の位置決めに用いられるものであるため、当該段差をなくすことはできない。
【0004】
ガイドユニットの破損を抑制するには、例えば、バネを用いてガイド部を付勢し、ガイドユニットが自動的に閉じるように構成することが考えられる。この場合、ガイドユニットがユーザにより保持されていない限り、バネの付勢力によりガイドユニットが原稿カバー内に収納される。従って、ガイドユニットが開いた状態のままで原稿カバーが閉じられるのを抑制することができる。
【0005】
バネを用いてガイドユニットが閉じるように付勢する構成では、ガイドユニットを開いた状態を維持するには、ユーザがガイドユニットを常に保持しておく必要があり、搬送路内の原稿を取り出しにくいという問題がある。また、閉じられたガイドユニットが固定されていないため、原稿の搬送状態が変動し易く、原稿詰まりが生じ易いという問題もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作性を低下させることなく、原稿カバーの底部からガイドユニットが張り出した状態で原稿カバーを閉じた場合に、ガイドユニットの破損を抑制することができる原稿読取装置を提供することを目的とする。また、原稿カバーの底面からガイドユニットが張り出した状態において原稿カバーを閉じた場合に、閉じられたガイドユニットを固定することができる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明による原稿読取装置は、原稿台を有するフラットベッド読取装置と、上記原稿台を覆う原稿カバーと、第1回転軸を中心として、上記フラットベッド読取装置に対し、上記原稿カバーを開閉可能に連結するヒンジ部とを備え、上記原稿台が、原稿が載置されるプラテンガラスと、上記プラテンガラスの周縁に隣接して配置され、上記プラテンガラスから露出する側面が原稿の位置決め用の基準面となるトップカバーとを有し、上記原稿カバーが、上記原稿台と対向する底面に、上記原稿カバーの内部を上記原稿台側に向けて露出させるための開閉ユニットを有し、上記開閉ユニットが、第1回転軸と交差する第2回転軸を中心として回動することにより、上記原稿カバーの内部を露出させる開状態と、上記原稿カバーに収容される閉状態とを遷移可能であり、上記開閉ユニットを開状態にして上記原稿カバーが閉じられる場合に、上記基準面の上端に形成された稜線に対し最初に接触し、上記稜線に乗り上げる第1テーパー面を有するように構成される。
【0008】
この様な構成によれば、開閉ユニットを開状態にして原稿カバーを閉じれば、開閉ユニットはプラテンガラスに接触する。この状態から、原稿カバーをさらに閉じれば、プラテンガラス上の接触位置が移動し、やがてトップカバーに近づき、基準面の上端に形成された稜線に対し開閉ユニットが接触する。このとき、当該稜線に対する開閉ユニットの接触面が、稜線に乗り上げる第1テーパー面になっているため、開閉ユニットが基準面を容易に乗り越えることができる。従って、原稿カバーを閉じる動作によって開閉ユニットを閉じることができ、開閉ユニットの破損を抑制することができる。また、開閉ユニットが開いている状態を維持するために開閉ユニットを保持する必要がないので、ユーザの操作性を低下させることがない。
【0009】
第2の本発明による原稿読取装置は、上記構成に加え、第1テーパー面が、上記稜線との接触時に、上記稜線と平行になり、かつ、上記トップカバー側が上記プラテンガラス側よりも高くなるように傾斜している。
【0010】
この様な構成によれば、第1テーパー面上で基準面の上端の稜線を滑らせるように容易に移動することができる。従って、開閉ユニットは基準面を容易に乗り越えることができる。
【0011】
第3の本発明による原稿読取装置は、上記構成に加え、上記プラテンガラスが矩形からなり、上記基準面が、第2回転軸と平行であるように構成される。
【0012】
この様な構成によれば、第1テーパー面が乗り越えるべき基準面と、原稿カバーを閉じた場合に第1テーパー面が原稿台上を移動する方向とを略直交させることができる。このため、第1テーパー面が乗り越える基準面が、第2回転軸と直交する場合に比べて、容易に乗り越えることができる。
【0013】
第4の本発明による原稿読取装置は、上記構成に加え、上記原稿カバーが、固定ピンを有し、上記開閉ユニットが、正方向に開口し、上記固定ピンと嵌合するためのフック部と、上記フック部を回転させるための第3回転軸と、上記フック部と一体的に回転するレバーとを有し、上記フック部が、上記固定ピンを接触させるための第2テーパー面を有し、上記開閉ユニットの開状態において上記原稿カバーが第1開閉位置まで閉じられる場合に、上記開閉ユニットが上記原稿台と接触して回動することにより、上記フック部が、第2テーパー面に沿って上記固定ピンを滑らせて、第3回転軸を中心に逆方向に最大限に回転し、上記レバーが、上記原稿台と接触することなく、上記原稿台側へ突出するように構成される。
【0014】
この様な構成によれば、フック部の第2テーパー面に沿って固定ピンを滑らせることにより、フック部を逆方向に最大限に回転させるとともに、レバーを原稿台側へ突出させることができる。このため、簡単な構成により、フック部を固定ピンと嵌合させることができる。
【0015】
第5の本発明による原稿読取装置は、上記構成に加え、上記開閉ユニットが、上記フック部を正方向に回転させるように付勢する付勢手段を有し、上記開閉ユニットの開状態において上記原稿カバーが第1開閉位置から第2開閉位置まで閉じられる場合に、上記付勢手段が、上記フック部を正方向に回転させて上記固定ピンと嵌合させるように構成される。
【0016】
この様な構成によれば、第1開閉位置まで閉じられる場合には、第2テーパー面が固定ピンに接触し、第1開閉位置から第2開閉位置まで閉じられる場合に、フック部を固定ピンと嵌合させることができる。また、固定ピンとフック部との嵌合状態が容易に解除されず、その後、原稿カバーを開いても原稿カバー内に収容した状態を維持することができる。
【0017】
第6の本発明による原稿読取装置は、上記開閉ユニットの開状態において上記原稿カバーが第1開閉位置から第2開閉位置まで閉じられる場合に、上記レバーが上記原稿台と接触して回転することにより、上記フック部が第3回転軸を中心に正方向に回転し、上記固定ピンと嵌合させるように構成される。
【0018】
この様な構成によれば、原稿カバーが第1開閉位置まで閉じられた後に、フック部をレバーと一体的に回動させ、フック部を固定ピンと嵌合させることができる。すなわち、第1開閉位置に到達する前にレバーが原稿台に接触してフック部が回動することを抑制し、固定ピンと精度よく嵌合させることができる。また、原稿カバーを閉じる動作により、フック部を回動させて固定ピンと嵌合させることができるので、ユーザの操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による原稿読取装置は、開閉ユニットを開状態にして原稿カバーを閉じれば、開閉ユニットはプラテンガラスに接触する。この状態から、原稿カバーをさらに閉じれば、プラテンガラス上の接触位置が移動し、やがてトップカバーに近づき、基準面の上端に形成された稜線に対し開閉ユニットが接触する。このとき、当該稜線に対する開閉ユニットの接触面が、稜線に乗り上げる第1テーパー面になっているため、開閉ユニットが基準面を容易に乗り越えることができる。従って、原稿カバーを閉じる動作によって開閉ユニットを閉じることができ、開閉ユニットの破損を抑制することができる。また、開閉ユニットが開いている状態を維持するために開閉ユニットを保持する必要がないので、ユーザの操作性を低下させることがない。
【0020】
また、フック部の第2テーパー面に沿って固定ピンを滑らせることにより、フック部を逆方向に最大限に回転させるとともに、レバーを原稿台側へ突出させることができる。このため、簡単な構成により、フック部を固定ピンと嵌合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態による原稿読取装置の一構成例を示した外観図である。
【図2】図1の複合機100の原稿カバー101を開いた状態を示した斜視図である。
【図3】図2の原稿押圧板5の左側を開いた様子を示した斜視図である。
【図4】図3のガイドユニット7の外観を示した斜視図である。
【図5】図3のガイドユニット7を後方から見た様子を示した図である。
【図6】図3の当接部75の詳細構成例を示した図である。
【図7】図3の当接部75の詳細構成例を示した図である。
【図8】ガイドユニット7を開状態にして原稿カバー101を閉じるときの様子を示した斜視図である。
【図9】テーパー面751が稜線21aに接触する様子をさらに詳しく示した図である。
【図10】テーパー面751が稜線21aに接触する様子をさらに詳しく示した図である。
【図11】原稿カバー101の内部構成の一例を示した模式図である。
【図12】図11の状態から原稿カバー101を閉じた様子を示した説明図である。
【図13】図12(b)の状態から更に原稿カバー101を閉じたときの様子を示した模式図である。
【図14】図13の状態から更に原稿カバー101を閉じた様子を示した説明図である。
【図15】ガイドユニット7が原稿カバー101に固定された様子を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施の形態による原稿読取装置の一構成例を示した外観図であり、原稿読取装置の一例として複合機100が示されている。複合機(MFP:Multifunction Peripheral)100は、画像読取時に原稿の自動搬送を行うADF(Auto Document Feeder)装置を有する原稿カバー101と、画像読取、印刷、ファクシミリ送受信などを行うMFP本体部102とによって構成される。
【0023】
MFP本体部102の上部には、原稿を載置するための原稿台102aが配置され、この原稿台102aを覆う原稿カバー101が開閉可能に配置されている。プラテンガラス1上の原稿は、原稿台102a内部の図示しない読取装置によって読み取られる。
【0024】
原稿カバー101は、原稿トレイ111及び排出トレイ112を備え、その内部には自動搬送用の搬送路が形成されている。原稿トレイ111内の原稿は、1枚ずつ分離して繰り込まれ、搬送路に沿って搬送され、排出トレイ112へ排出される。この搬送路は、MFP本体部102のコンタクトガラス3上を通過するように形成されており、原稿は、コンタクトガラス3上を通過する際に原稿台102a内部の図示しない読取装置によって読み取られる。つまり、この複合機100は、ADF方式の画像読取を行うこともできる。
【0025】
図2は、図1の複合機100の原稿カバー101を開いた状態を示した斜視図である。原稿台102aは、プラテンガラス1、トップカバー2及びコンタクトガラス3からなる。また、原稿カバー101は、ヒンジ部4を介してMFP本体部102と連結され、原稿台102aと対向する原稿カバー101の底面には、原稿押圧板5及び原稿露出口6が配置される。
【0026】
なお、本明細書では、オペレータから見た場合の左右前後の方向を用いて、原稿読取装置における方向を説明することにする。つまり、ヒンジ部4の位置を後方、コンタクトガラス3及び原稿露出口6の位置を左手として説明する。
【0027】
ヒンジ部4は、原稿カバー101とMFP本体部102とを開閉可能に連結する一対の連結部材であり、原稿カバー101及び原稿台102aの後端部に取り付けられている。原稿カバー101は、ヒンジ部4によって、左右方向の第1の回転軸を中心として回転し、開閉することができる。原稿押圧板5は、プラテンガラス1に載置された原稿を押圧するための矩形板であり、その左側が開閉可能となっている。
【0028】
プラテンガラス1は、原稿が載置される矩形のガラス板であり、載置された原稿に対して図示しないスキャナユニットが移動することにより、原稿の読取が行われる。トップカバー2は、プラテンガラス1を取り囲む樹脂カバーであり、プラテンガラス1の周縁に隣接して配置されている。
【0029】
原稿カバー101内の搬送路上を自動搬送される原稿は、コンタクトガラス3を介して原稿台102a内部の図示しない読取装置によって順次に読み取られる。
【0030】
図3は、図2の原稿押圧板5の左側を開いた様子を示した斜視図である。図中の(a)は、図2と同様に示した斜視図であり、図中の(b)は、(a)の破線部A内を拡大した斜視図である。原稿押圧板5の左側は、開閉可能なガイドユニット7に取り付けられている。
【0031】
図2のガイドユニット7を閉じた状態(以下、閉状態という)では、ガイドユニット7が原稿カバー101内に収容され、ガイドユニット7の上面が原稿の搬送路8を形成している。このため、図3のガイドユニット7を開いた状態(以下、開状態という)では、原稿カバー101内の搬送路8を露出させることができる。つまり、原稿搬送の停止時にガイドユニット7を開けば、搬送路8上に残された原稿を取り出すことができる。このとき、ガイドユニット7の左側の自由端は、原稿台102a側へ張り出し、自由端のヒンジ部4側がプラテンガラス1に接触した状態となる。
【0032】
ガイドユニット7の自由端のヒンジ部4側には、自由端の他の部分に比べて肉厚に形成された当接部75が形成されており、ガイドユニット7を開けば、この当接部75がプラテンガラス1に接触する。この状態で、原稿カバー101を閉じれば、プラテンガラス1上の当接位置が左に移動し、プラテンガラス1の左端に達する。さらに、原稿カバー101を閉じれば、当接部75が、プラテンガラス1の左端におけるトップカバー2との段差を乗り越える。このため、ガイドユニット7を破損することなく、原稿カバー101を完全に閉じ、ガイドユニット7を原稿カバー101内に収納することができる。
【0033】
図4及び図5は、図3のガイドユニット7を示した図である。図中の(a)は、ガイドユニット7を手前の左上方向から見た様子を示した斜視図である。図4(b)は、ガイドユニット7を上から見た平面図であり、図4(c)は、ガイドユニット7を後方の左上方向から見た様子を示した斜視図である。図5は、図3のガイドユニット7を後方から見た様子を示した図である。
【0034】
ガイドユニット7は、原稿カバー101の底面に設けられた開閉ユニットであり、その右端付近には、原稿カバー101に連結される回転軸74が形成されている。この回転軸74は、ヒンジ部4の回転軸と略直交するように配置されており、ガイドユニット7は、回転軸74を中心として回動し、開閉することができる。
【0035】
ガイドユニット7は、略矩形状の底面を有している。また、その上面は、回転軸74側では、厚さが略一定の平板状であるが、自由端側では、緩やかに湾曲する傾斜面からなり、自由端に向かって厚さが薄くなる形状を有している。自由端の後端には、ガイドユニット7の下面に沿って、ガイドユニット7の後端側面から後方へ突き出すように、当接部75が形成されている。
【0036】
また、ガイドユニット7の上面は、原稿の搬送路8を形成する壁面であり、リブ72及び搬送ローラ73が配置されている。リブ72は、原稿の搬送方向に沿って延びる筋状の凸部であり、回転軸74と直交するように多数形成されている。搬送ローラ73は、原稿を搬送する搬送手段であり、自由端付近の中央及び回転軸付近の前後方向に配置されている。さらに、ガイドユニット7の上面の自由端には、薄板71が形成されている。薄板71は、薄い矩形状の板状部材であり、図2の原稿露出口6を通過した原稿をガイドユニット7上の搬送路8に案内する。
【0037】
ガイドユニット7の前後方向の両側面には、一対のフック部76が取り付けられている。フック部76は、ガイドユニット7を原稿カバー101に固定する固定手段であり、共通の回転軸77に固着され、互いに連動して回転軸77を中心として回転する。回転軸77は、ガイドユニット7の回転軸74と平行となるように、ガイドユニット7内に配置されている。これらのフック部76が、原稿カバー101内の固定ピン(不図示)と嵌合することにより、ガイドユニット7は、原稿カバー101内に収納された状態で固定される。
【0038】
さらに、前方のフック部76には、ロックレバー78が固着され、フック部76とともに一体的に回動する。ロックレバー78は、フック部76の下部に形成された操作レバーであり、ユーザがロックレバー78を引けば、ガイドユニット7及び原稿カバー101の固定状態が解除され、ガイドユニット7は開閉自在になる。レバーストッパ79は、ロックレバー78の回動範囲を制限する規制手段であり、ロックレバー78が、原稿カバー101内の奥深くに入り込むのを防止している。フック部76は、図示しないバネなどの付勢手段により、フック部76の突出方向へ回転するように付勢されている。このため、外力が加えられない状態では、レバーストッパ79が、ロックレバー78と接触した状態となっている。
【0039】
図6及び図7は、図3の当接部75の詳細構成例を示した図である。図6(a)は、図4(b)の破線部B内を拡大して示した拡大図であり、図6(b)は、図4(c)の破線部C内を拡大して示した拡大図である。また、図7(a)は、当接部75を下から見た平面図であり、図7(b)は、当接部75を後方の左下から見た斜視図である。
【0040】
当接部75は、平面視した形状が、矩形の一頂点を直線で切り欠いた五角形の形状からなり、この切り欠き量は下方へ行くほど大きくなっている。つまり、直方体をその高さ方向に対し傾いた平面で切り取って得られる立体形状であって、高さ方向に延びる4つの稜線のうち1つの稜線のみを切り取り、かつ、当該稜線を全て切り取ることにより得られる立体形状からなる。ここでは、上記平面をテーパー面751と呼ぶことにする。
【0041】
当接部75の上面752は、ガイドユニット7の底面と略平行な平面であり、その内側には肉抜き用の凹部が形成され、その外形は、矩形形状の左後方の頂点を切り欠いた五角形からなる。当接部75の左側の端面753及び後方の端面754は、互いに直交する平面であり、いずれも上面側及び下面側の稜線が互いに平行に形成され、上面側が下面側よりも長い台形形状からなる。同様にして、テーパー面751も、上面側及び下面側の稜線751a,751bが互いに平行となる台形形状の平面であるが、上面側の稜線751aが下面側の稜線751bよりも長く、左後方へせり出すように傾斜している。つまり、テーパー面751は、後方に行くほど右へ後退し、下方にいくほど右へ後退する傾斜面からなる。
【0042】
図8は、ガイドユニット7を開状態にして原稿カバー101を閉じるときの様子を示した斜視図であり、図中の(a)は、図3(a)の状態から原稿カバー101をさらに閉じた場合の様子が示されている。また、図中の(b)は、(a)の破線部D内を拡大して示した拡大図である。
【0043】
トップカバー2の上面は、プラテンガラス1の上面より高い位置に形成されているため、プラテンガラス1の周縁には段差が形成されている。特に、プラテンガラス1の左端及び後端において、プラテンガラス1から露出させたトップカバー2の側面は、原稿の位置決め用の基準面21として用いられており、基準面21の上端には稜線21aが形成されている。ガイドユニット7は、これらの基準面21に接触する際、その稜線21aに対し、当接部75のテーパー面751を接触させることにより、基準面21の段差を容易に乗り越えることができる。ここでは、ガイドユニットの7の当接部75が、プラテンガラス1の左端の基準面21を乗り越える場合について説明する。
【0044】
ガイドユニット7が開状態になっている図3(a)の状態から、原稿カバー101を閉じれば、当接部75がプラテンガラス1からの反力を受けて、ガイドユニット7も閉じていく。このため、原稿カバー101を閉じた角度に応じて、当接部75がプラテンガラス1上を左方向へ移動する。そして、原稿カバー101を所定の角度まで閉じると、プラテンガラス1の左端に隣接する基準面21に到達する。この基準面21は、ガイドユニット7の回転軸74と平行となっている。
【0045】
ガイドユニット7が、基準面21に当接する際、最初に接触するのは、ガイドユニット7の左後端に突出させて形成された当接部75である。しかも、当接部75は、その左後端にテーパー面751が形成されているため、このテーパー面751が、基準面21に最初に接触する。このとき、テーパー面751は、基準面21の稜線21aに覆い被さるように、上方から接触する。このため、原稿カバー101を更に閉じれば、テーパー面751は、稜線21a上を滑って移動し、稜線21aに乗り上げる。このため、当接部75は基準面21を容易に乗り越えることができる。
【0046】
図9及び図10は、テーパー面751が稜線21aに接触する様子をさらに詳しく示した図である。図9は、図8(a)の矢印Eから見た矢視図、つまり、手前の右下方向から見た斜視図であり、図9の(b)は、図9(a)のF−F切断線による断面図である。また、図10は、後方から見た斜視図である。
【0047】
当接部75のテーパー面751が、基準面21の稜線21aに最初に接触するとき、ガイドユニット7は、プラテンガラス1に対し、空間的に傾いた状態になっている。すなわち、ガイドユニット7の自由端は、前端が後端よりも高くなって上下方向に傾いている。しかも、前端が後端よりも右側に位置し、左右方向にも傾いている。
【0048】
一方、テーパー面751も、ガイドユニット7の底面に対し、空間的に傾いた状態になっている。すなわち、上面側の稜線751aが、後方に向かうほど回転軸74側へ後退するように傾いている。また、下面側の稜線751bが、上面側の稜線751aよりも回転軸74側へ後退するように傾いている。
【0049】
このため、基準面21の稜線21aに接触するとき、テーパー面751が、稜線21aと平行となり、かつ、トップカバー2側がプラテンガラス1側よりも高くなるように傾斜させることができる。
【0050】
図9(b)に示した通り、テーパー面751は、上面側の稜線751aから下面側の陵線751bに向かうにつれて回転軸74側に後退するように傾斜している。このため、テーパー面751が稜線21aと平行となるように、テーパー面751を稜線21aに接触させることができる。従って、稜線21aに対しテーパー面751を滑らせ、当接部75に基準面21を容易に乗り越えさせることができる。
【0051】
また、ガイドユニット7の自由端、つまり、薄板71は、当接部75から離れるにつれて上昇しながら基準面21から後退していく。このため、図10に矢印で示したガイドユニット7の移動方向に向かうにつれて、薄板71は下降するように傾斜している。これに対し、テーパー面751は、左側の端面753に対し、稜線751a,751bを傾斜させて形成することにより、移動方向へ向かうにつれて上昇するように傾斜している。このため、基準面21の稜線21aに対して、上方から覆い被さるようにテーパー面751を接触させることができ、テーパー面751上で稜線21aを滑らせるように容易に移動させることができる。このため、ガイドユニット7は基準面21を容易に乗り越えることができる。
【0052】
この様な構成を採用することにより、ガイドユニット7を開状態にして原稿カバー101を閉じれば、ガイドユニット7はプラテンガラス1に接触する。この状態から、原稿カバー101をさらに閉じれば、プラテンガラス1上の接触位置が移動し、やがてトップカバー2に近づき、基準面21の上端に形成された稜線21aに対しガイドユニット7が接触する。このとき、当該稜線21aに対するガイドユニット7の接触面が、稜線21aに乗り上げるテーパー面751になっているため、ガイドユニット7が基準面21を容易に乗り越えることができる。従って、原稿カバー101を閉じる動作によってガイドユニット7を閉じることができ、ガイドユニット7の破損を抑制することができる。また、ガイドユニット7が開いている状態を維持するためにガイドユニット7を保持する必要がないので、ユーザの操作性を低下させることがない。
【0053】
特に、プラテンガラス1が矩形からなり、プラテンガラス1の左端及び後端に形成された基準面21のうち、左端の基準面21にテーパー面751が接触するので、基準面21が、ガイドユニット7の回転軸74と平行となる。このため、テーパー面751が乗り越えるべき基準面21と、原稿カバー101を閉じた場合にテーパー面751が原稿台101上を移動する方向とを略直交させることができる。このため、テーパー面751が乗り越える基準面21が、回転軸74と直交する場合に比べて、容易に乗り越えることができる。
【0054】
図11は、原稿カバー101の内部構成の一例を示した模式図であり、ガイドユニット7が開いている状態が示されている。原稿カバー101は、原稿トレイ111、排出トレイ112、複数の搬送ローラ73、ガイドユニット7、搬送路8、原稿押圧板5及び固定ピン114により構成される。
【0055】
原稿トレイ111から繰り込まれた原稿は、搬送路8上を搬送され、読取位置Pにおいて原稿露出口6上を通過する。このとき、MFP本体部102により、原稿露出口6を介して原稿の読取が行われる。読取の終了後、原稿は排出トレイ112へ排出される。
【0056】
搬送ローラ73は、搬送路8上の原稿を搬送する原稿搬送手段である。搬送ローラ73は、図示しない駆動モータにより駆動される駆動ローラと、搬送路8を挟んで駆動ローラと対向して配置される従動ローラとからなる。
【0057】
ガイドユニット7は、搬送路8上を搬送される原稿を案内する部材であり、右端下側に形成された回転軸74を中心に回動させることにより、開閉可能に構成されている。ガイドユニット7の側面には、固定ピン114と嵌合するためのフック部76が形成されている。ここでは、ガイドユニット7が開かれ、その左端が、MFP本体部102側へ張り出した状態となっている。
【0058】
原稿押圧板5は、図2のプラテンガラス1に載置された原稿を押圧するための矩形板である。原稿押圧板5の左端側の一部は、ガイドユニット7と一体的に開閉可能とである。
【0059】
固定ピン114は、ガイドユニット7を原稿カバー101に固定させるための固定手段である。より詳しくは、ガイドユニット7のフック部76と嵌合することにより、ガイドユニット7を原稿カバー101に固定させる。
【0060】
図12は、図11の状態から原稿カバー101を閉じた様子を示した説明図であり、図中の(a)は、図11と同様にして、原稿カバー101の内部構成の一例を示した模式図であり、図中の(b)は、(a)の破線部G内を拡大して示した拡大図である。
【0061】
ガイドユニット7を開いた状態において、原稿カバー101を閉じる動作により、ガイドユニット7が、原稿台102aに押圧されて閉じる方向へ回動する。このため、図12(a)に示すように、原稿カバー101を所定角度まで閉じれば、フック部76が下方から固定ピン114に接近し、フック部76の上部が固定ピン114に接触した状態となる。ここでは、原稿カバー101を閉じる場合に、フック部76と固定ピン114とが接触し始める位置を「ピン当接位置」と呼ぶものとする。
【0062】
図12(b)に示すように、前方のフック部76は、ピン保持部76c、回転軸77及びロックレバー78を備えている。フック部76は、固定ピン114と嵌合するための固定手段であり、その上端には、固定ピン114を接触させるためのテーパー面76sが形成され、さらにテーパー面76sの下側に隣接してピン保持部76cが形成されている。テーパー面76sは、回転軸77に近づくにつれて固定ピン114側にせり出すように形成された傾斜面である。ピン保持部76cは、固定ピン114を保持することにより、ガイドユニット7の開閉動作を規制するための凹部であり、時計方向に開口している。
【0063】
ロックレバー78は、固定ピン114とフック部76との嵌合状態をユーザが切り替えるための操作部であり、フック部76の回転軸77より下側から左方向へ延びる平板状部材からなる。例えば、ガイドユニット7が閉じられ、固定ピン114とフック部76とが嵌合している状態では、ユーザがロックレバー78の左端を下方に押し下げることによって嵌合状態が解除され、ガイドユニット7が開閉自在になる。
【0064】
図13は、図12(b)の状態から更に原稿カバー101を閉じたときの様子を示した模式図である。原稿カバー101をピン当接位置から更に閉じれば、ガイドユニット7が原稿台102aに接触して回動することにより、固定ピン114がテーパー面76sに接触した状態でフック部76が更に上方へ移動する。このとき、フック部76が、テーパー面76sに沿って固定ピン114を滑らせることにより、フック部76は、回転軸77を中心に反時計回りに回動する。ここでは、フック部76が反時計回りに最も回転した位置に到達した時の原稿カバー101の開閉位置を「第1開閉位置」とする。
【0065】
図13には、原稿カバー101を第1開閉位置まで閉じた状態が示されている。このとき、フック部76が回転軸77を中心に反時計回りに最大限に回動し、ロックレバー78が原稿台102a側へ突出した状態となる。また、ロックレバー78は、原稿台102aに接触していない。
【0066】
図14は、図13の状態から更に原稿カバー101を閉じたときの様子を示した斜視図であり、左前方から原稿カバー101及び原稿台102aを見た場合の様子が示されている。この図では、原稿カバー101と原稿台102aとの間にロックレバー78が示されている。第1開閉位置から原稿カバー101を更に閉じると、図14に示すように、原稿台102a側に突出したロックレバー78の後端がトップカバー2に接触した状態となる。このときの原稿カバー101の開閉位置を「レバー当接位置」と呼ぶことにする。
【0067】
図15は、ガイドユニット7が原稿カバー101に固定された様子を示した説明図であり、図中の(a)は、図12(a)と同様にして、原稿カバー101の内部構成の一例を示した模式図であり、図中の(b)は、(a)の破線部H内を拡大して示した拡大図である。
【0068】
ガイドユニット7を閉じて原稿カバー101に固定した状態では、図15(a)に示すように、ガイドユニット7が原稿カバー101に収容され、ガイドユニット7の上面が原稿の搬送路8を形成する。このとき、フック部76及び固定ピン114が嵌合することにより、ガイドユニット7が精度良く位置決めされ、ガイドユニット7の位置ずれによる原稿詰まりなどが抑制される。
【0069】
図15(b)に示すように、ガイドユニット7が閉じられた状態では、フック部76及び固定ピン114が嵌合した状態となる。この状態では、固定ピン114がピン保持部76c内に保持されることにより、ガイドユニット7の開閉動作が規制される。
【0070】
すなわち、原稿カバー101が第1開閉位置より更に閉じられた場合、ロックレバー78が原稿台102aに押圧されることにより、図13に示した状態からフック部76が回転軸77を中心に時計回りに回転し、図15(b)に示すように、フック部76及び固定ピン114が嵌合した状態となる。このときの原稿カバー101の開閉位置を「第2開閉位置」とする。
【0071】
ガイドユニット7には、図示しないバネなどの付勢手段が配置されており、フック部76を時計回りに回転させるように付勢している。このため、原稿カバー101が第1回転位置から第2回転位置まで閉じられれば、図15(b)に示すように、このバネがフック部76を時計回りに回転させて固定ピン114に嵌合させる。ただし、例えば、バネの付勢力が十分でなく、あるいは、原稿カバー101と原稿台102aとの間にわずかなすき間があることにより、フック部76と固定ピン114とが十分に嵌合しない場合がある。この場合でも、フック部76が原稿台102aに接触して回転することにより、フック部76を時計回りに回転させ、フック部76を固定ピン114と嵌合させることができる。
【0072】
なお、一対のフック部76は、いずれも回転軸77に固着され、互いに連動する。すなわち、他方のフック部76も、ロックレバー78を有していない点を除き全く同様であるため、重複する説明を省略する。
【0073】
本実施の形態では、フック部76のテーパー面76sに沿って固定ピン114を滑らせることにより、フック部76を反時計回りに最大限に回転させるとともに、ロックレバー78を原稿台102a側へ突出させることができる。このため、簡単な構成により、フック部76を固定ピン114と嵌合させることができる。
【0074】
また、第1開閉位置まで閉じられる場合には、フック部76のテーパー面76sが固定ピン114に接触し、第1開閉位置から第2開閉位置まで閉じられる場合に、フック部76を固定ピン114と嵌合させることができる。また、固定ピン114とフック部76との嵌合状態が容易に解除されず、その後、原稿カバー101を開いても原稿カバー101内に収容した状態を維持することができる。
【0075】
従来の原稿読取装置では、フック部76が反時計回りに回転して第1開閉位置に到達する前に、ロックレバー78が原稿台102aに接触し、フック部76を時計回りに回転させることがあった。この場合、フック部76が、第1開閉位置に到達することができず、固定ピン114とフック部76とを十分に嵌合させることができないという問題があった。
【0076】
これに対し、本実施の形態の複合機100では、原稿カバー101が第1開閉位置まで閉じられた後に、フック部76をロックレバー78と一体的に回動させ、フック部76を固定ピン114と嵌合させることができる。すなわち、第1開閉位置に到達する前にロックレバー78が原稿台102aに接触してフック部76が回動することを抑制し、固定ピン114と精度よく嵌合させることができる。また、原稿カバー101を閉じる動作により、フック部76を回動させて固定ピン114と嵌合させることができるので、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、原稿カバー101の内部を原稿台102a側に向けて露出させるための開閉ユニットとして、搬送路上の原稿を案内するガイドユニット7が配置される場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、開閉ユニットとして、原稿カバー101内に原稿を収納するための原稿収納用カバーが配置される構成であっても良い。
【0078】
また、本実施の形態では、原稿の位置決め用の基準面21が形成され、当該基準面21の上端の稜線21aに当接部75を接触させる場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、基準面21の上端にテーパー面が形成されている構成であっても、同様にして適用することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、ヒンジ部4の回転軸とガイドユニット7の回転軸とが略直交する場合の例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ヒンジ部4の回転軸とガイドユニット7の回転軸とが交差する構成であればよい。
【0080】
また、本実施の形態では、バネの付勢力と、原稿台102aに接触したロックレバー76の反作用とにより、フック部76を固定ピン114に嵌合させる構成について説明した。しかしながら、本発明は、バネとロックレバー76とをいずれも備える構成に限定されない。例えば、バネなどの付勢手段及びロックレバー76のいずれかにより、フック部76を固定ピン114に嵌合させる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 プラテンガラス
2 トップカバー
3 コンタクトガラス
4 ヒンジ部
5 原稿押圧板
6 原稿露出口
7 ガイドユニット
8 搬送路
21 基準面
21a 稜線
74 ロックレバー
75 当接部
74,77 回転軸
100 複合機
101 原稿カバー
102 MFP本体部
102a 原稿台
114 固定ピン
751 テーパー面
76 フック部
77 回転軸
78 ロックレバー
76c ピン保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台を有するフラットベッド読取装置と、上記原稿台を覆う原稿カバーと、第1回転軸を中心として、上記フラットベッド読取装置に対し、上記原稿カバーを開閉可能に連結するヒンジ部とを備え、
上記原稿台は、原稿が載置されるプラテンガラスと、上記プラテンガラスの周縁に隣接して配置され、上記プラテンガラスから露出する側面が原稿の位置決め用の基準面となるトップカバーとを有し、
上記原稿カバーは、上記原稿台と対向する底面に、上記原稿カバーの内部を上記原稿台側に向けて露出させるための開閉ユニットを有し、
上記開閉ユニットは、第1回転軸と交差する第2回転軸を中心として回動することにより、上記原稿カバーの内部を露出させる開状態と、上記原稿カバーに収容される閉状態とを遷移可能であり、上記開閉ユニットを開状態にして上記原稿カバーが閉じられる場合に、上記基準面の上端に形成された稜線に対し最初に接触し、上記稜線に乗り上げる第1テーパー面を有することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
第1テーパー面は、上記稜線との接触時に、上記稜線と平行になり、かつ、上記トップカバー側が上記プラテンガラス側よりも高くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
上記プラテンガラスが矩形からなり、
上記基準面は、第2回転軸と平行であることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項4】
上記原稿カバーは、固定ピンを有し、
上記開閉ユニットは、正方向に開口し、上記固定ピンと嵌合するためのフック部と、
上記フック部を回転させるための第3回転軸と、
上記フック部と一体的に回転するレバーとを有し、
上記フック部が、上記固定ピンを接触させるための第2テーパー面を有し、
上記開閉ユニットの開状態において上記原稿カバーが第1開閉位置まで閉じられる場合に、上記開閉ユニットが上記原稿台と接触して回動することにより、上記フック部が、第2テーパー面に沿って上記固定ピンを滑らせて、第3回転軸を中心に逆方向に最大限に回転し、上記レバーが、上記原稿台と接触することなく、上記原稿台側へ突出することを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項5】
上記開閉ユニットは、上記フック部を正方向に回転させるように付勢する付勢手段を有し、
上記開閉ユニットの開状態において上記原稿カバーが第1開閉位置から第2開閉位置まで閉じられる場合に、上記付勢手段が、上記フック部を正方向に回転させて上記固定ピンと嵌合させることを特徴とする請求項4に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
上記開閉ユニットの開状態において上記原稿カバーが第1開閉位置から第2開閉位置まで閉じられる場合に、上記レバーが上記原稿台と接触して回転することにより、上記フック部が第3回転軸を中心に正方向に回転し、上記固定ピンと嵌合させることを特徴とする請求項4に記載の原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−57832(P2013−57832A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196558(P2011−196558)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】